JP2023513168A - 標的化された血漿タンパク質分解 - Google Patents

標的化された血漿タンパク質分解 Download PDF

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スミス,トーマス
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Abstract

本発明は、二機能性化合物及びリソソーム分解によって細胞外標的分子の血漿レベルを低下させるための、そのような二機能性化合物の使用に関する。そのような二機能性化合物は、細胞外標的分子に結合することができるリガンド(増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、神経伝達物質、カプシド、可溶性受容体、細胞外分泌タンパク質、抗体、リポタンパク質、エキソソーム、ウイルス、細胞又は細胞膜タンパク質のためのリガンドなど)に共有結合された細胞表面受容体リガンドを有し、細胞表面受容体は、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)媒介性リソソーム分解及びマンノース-6-リン酸(M6PR)媒介性リソソーム分解を含む受容体媒介性エンドサイトーシスと関連する。そのような二機能性化合物を含む医薬組成物及びそのような二機能性化合物を使用して、細胞外分子によって媒介される疾患又は障害を治療する方法も本明細書で提供される。

Description

本発明は、細胞膜中に存在するか又は細胞外にある標的分子の受容体媒介性エンドサイトーシス又はリソソーム分解の分野に関する。
従来のタンパク質に向けられる治療薬は、例えば、酵素阻害剤及び受容体アンタゴニストなど、タンパク質機能を妨害するか、又は多くのモノクローナル抗体薬物の場合のように免疫エフェクターをリクルートすることによって疾患を治療する。しかしながら、不完全に理解されるか又は容易に阻害されない分子機能を有する転写因子、足場タンパク質、凝集体形成タンパク質、脂質担体、ムチン、オーファン受容体及び多機能分子など、潜在的な治療上のタンパク質標的は、従来の治療アプローチによって新薬の開発につながらない。標的タンパク質分解(TPD)は、機能を阻害するのではなく、標的タンパク質の分解を介して標的タンパク質の量を制御することによる、これらの新薬の開発につながらない疾患を引き起こしているタンパク質及びシグナル伝達経路の治療に対する治療上のアプローチである。
標的タンパク質分解系の例としては、タンパク質分解誘導キメラ(PROTAC)(K.M.Sakamoto et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.98,8554-8559,(2001)及びG.E.Winter et al.,Science.348,1376-1381(2015))、dTAG(B.Nabet et al.,Nat.Chem.Biol.14,431(2018))、Trim-Away(D.Clift et al.,Cell.,171,1692-1706.e18(2017))、シャペロン媒介性オートファジー標的化(X.Fan et al.,Nat.Neurosci.,17,471-480(2014))及びSNIPER(M.Naito et al.,Drug Discov.Today Technol.,(2019)が挙げられる。PROTACは、E3ユビキチンリガーゼと、それらの目的の標的との間に架橋を形成することにより、ユビキチン化及びプロテアソームによる分解を促進する(G.M.Burslem et.al.,Chem.Rev.,117,11269-11301(2017)。これらの分解系は、細胞内タンパク質を分解するプロテアソーム経路を利用する。さらに、細胞外タンパク質(分泌及び細胞膜タンパク質)の分解のためのリソソーム経路を利用する分解系が報告されているが(S.Banik et al.,ChemRxiv,2019及びP.C.N.Rensen et al.,J.Med.Chem.,47,5798-5808,2004)、増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、神経伝達物質、カプシド、可溶性受容体、細胞外分泌タンパク質、抗体、リポタンパク質、エキソソーム、ウイルス、細胞及び細胞膜タンパク質などの細胞外標的の分解のための戦略は、満たされていないニーズのままである。
本発明は、二機能性化合物及び受容体媒介性エンドサイトーシスに続くリソソーム分解により、患者において細胞外標的分子の血漿レベルを低下させるための、そのような二機能性化合物の使用に関し、それにより、そのような細胞外分子によって媒介される疾患状態及び/又は状態の治療における医薬品として使用される。したがって、本発明は、二機能性化合物並びにリソソーム分解による増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、神経伝達物質、カプシド、可溶性受容体、細胞外分泌タンパク質、抗体、リポタンパク質、エキソソーム、ウイルス、細胞及び細胞膜タンパク質などの細胞外標的分子の標的分解におけるそれらの使用を提供する。本発明は、二機能性化合物並びにアシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)媒介性リソソーム分解による増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、神経伝達物質、カプシド、可溶性受容体、細胞外分泌タンパク質、抗体、リポタンパク質、エキソソーム、ウイルス、細胞及び細胞膜タンパク質などの細胞外標的分子の標的分解におけるそれらの使用をさらに提供する。本発明は、二機能性化合物並びにマンノース-6-リン酸(M6PR)媒介性リソソーム分解による増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、神経伝達物質、カプシド、可溶性受容体、細胞外分泌タンパク質、抗体、リポタンパク質、エキソソーム、ウイルス、細胞及び細胞膜タンパク質などの細胞外標的分子の標的分解におけるそれらの使用も提供する。
本発明の二機能性化合物は、特に、目的の細胞外標的によって調節される疾患状態及び状態の治療のために患者に重要な臨床的有用性を提供し得る。
本発明の二機能性化合物は、細胞外標的分子(増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、神経伝達物質、カプシド、可溶性受容体、細胞外分泌タンパク質、抗体、リポタンパク質、エキソソーム、ウイルス、細胞又は細胞膜タンパク質など)に結合することができるリガンドに共有結合された細胞表面受容体リガンドを含み、細胞表面受容体は、受容体媒介性エンドサイトーシスと関連する。
本発明は、式(I):
-L-T (I)
(式中、
は、受容体媒介性エンドサイトーシスと関連する細胞表面受容体に結合する部分であり;
は、リンカーであり;及び
は、細胞外標的に結合する部分である)
の構造を有する二機能性化合物をさらに提供する。
本発明は、治療有効量の式(I)の二機能性化合物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物をさらに提供する。
別の態様では、本発明は、治療有効量の本発明の化合物及び1種以上の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
本発明は、式(I)の二機能性化合物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物をさらに提供する。
別の態様では、本発明は、本発明の化合物及び1種以上の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
別の態様では、本発明は、組み合わせ、特に治療有効量の本発明の化合物及び1種以上の治療上活性な薬剤を含む組み合わせ医薬を提供する。
本発明は、本発明の二機能性化合物の投与による増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、神経伝達物質、カプシド、可溶性受容体、細胞外分泌タンパク質、抗体、リポタンパク質、エキソソーム、ウイルス、細胞及び細胞膜タンパク質などの細胞外標的分子の標的リソソーム分解のための方法を提供する。本発明は、本発明の二機能性化合物の投与による増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、神経伝達物質、カプシド、可溶性受容体、細胞外分泌タンパク質、抗体、リポタンパク質、エキソソーム、ウイルス、細胞及び細胞膜タンパク質などの細胞外標的分子の標的アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)媒介性リソソーム分解のための方法も提供する。本発明は、本発明の二機能性化合物の投与による増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、神経伝達物質、カプシド、可溶性受容体、細胞外分泌タンパク質、抗体、リポタンパク質、エキソソーム、ウイルス、細胞及び細胞膜タンパク質などの細胞外標的分子の標的マンノース-6-リン酸(M6PR)媒介性リソソーム分解のための方法をさらに提供する。
これらの方法は、心血管疾患、肝臓疾患、腎臓疾患、自己免疫疾患、神経疾患、血液疾患、皮膚疾患、薬物中毒及び血管炎などの治療アフェレシスを介して治療される場合が多い種々の疾患、状態又は臨床状況の治療において利用され得る。一例として、そのような疾患としては、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、シトステロール血症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、閉塞性動脈硬化症、冠動脈心疾患、末梢血管疾患(大動脈疾患及び脳血管疾患を含む)、末梢動脈疾患、血管炎症、Lp(a)の上昇、LDLの上昇、TRLの上昇、トリグリセリドの上昇、敗血症、黄色腫、劇症肝不全、手術後の肝不全、急性肝不全、C型肝炎、B型肝炎、慢性C型肝炎、慢性B型肝炎、肝臓同種移植、巣状糸球体硬化症、腎臓同種移植、悪性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、膜性腎症、多発性硬化症、多発性骨髄腫、マクログロブリン血症、血栓性血小板減少性紫斑、溶血性尿毒症症候群、妊娠血液型不適合、血友病、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、毒性表皮壊死、スティーブン・ジョンソン症候群、薬物中毒及び川崎病が挙げられるが、これらに限定されない。
これらの方法は、腎症、加齢性黄斑変性、非典型溶血性尿毒症症候群及び肝細胞癌(HCC)の治療でも利用され得る。
別の態様では、本発明は、治療有効量の式(I)又はその下位の式の二機能性化合物を、それを必要とする対象に投与することにより、細胞外標的分子によって調節される疾患又は状態を治療するための方法をさらに提供する。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載される標的細胞外分子によって調節される疾患又は状態を治療するための式(I)又はその下位の式の二機能性化合物の使用も提供する。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載される標的細胞外分子によって調節される疾患又は状態を治療するための医薬の製造における式(I)又はその下位の式の二機能性化合物の使用も提供する。
別の態様では、本発明は、体内の治療的プラスマフェレーシス方法も提供し、方法は、式(I)又はその下位の式の二機能性化合物を対象に投与することを含む。本発明は、体内の治療的プラスマフェレーシスを実施するための方法も提供し、方法は、本発明の二機能性化合物を対象に投与することを含む。
別の態様では、本発明は、心血管疾患、肝臓疾患、腎臓疾患、自己免疫疾患、神経疾患、血液疾患、皮膚疾患、薬物中毒又は血管炎の治療のための体内の治療的プラスマフェレーシス方法も提供し、方法は、本発明の二機能性化合物を対象に投与することを含む。特定の実施形態では、そのような疾患は、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、シトステロール血症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、閉塞性動脈硬化症、冠動脈心疾患、末梢血管疾患(大動脈疾患及び脳血管疾患を含む)、末梢動脈疾患、血管炎症、Lp(a)の上昇、LDLの上昇、TRLの上昇、トリグリセリドの上昇、敗血症、黄色腫、劇症肝不全、手術後の肝不全、急性肝不全、C型肝炎、B型肝炎、慢性C型肝炎、慢性B型肝炎、肝臓同種移植、巣状糸球体硬化症、腎臓同種移植、悪性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、膜性腎症、多発性硬化症、多発性骨髄腫、マクログロブリン血症、血栓性血小板減少性紫斑、溶血性尿毒症症候群、妊娠血液型不適合、血友病、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、毒性表皮壊死、スティーブン・ジョンソン症候群、薬物中毒及び川崎病である。
別の態様では、本発明は、腎症、加齢性黄斑変性、非典型溶血性尿毒症症候群及び肝細胞癌(HCC)の治療のための体内の治療的プラスマフェレーシス方法も提供する。
別の態様では、本発明は、式(I)又はその下位の式の二機能性化合物によって媒介されるリソソーム分解による細胞外標的分子の細胞外レベルの低下に基づく療法も提供する。
別の態様では、本発明は、式(Ia)の二機能性化合物によって媒介されるリソソーム分解によるタンパク質プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)の細胞外レベルの低下に基づく心血管疾患の治療のための療法も提供する。
別の態様では、本発明は、式(Ib)の二機能性化合物によって媒介されるリソソーム分解によるタンパク質補体因子H関連タンパク質3(FHR3)の細胞外レベルの低下に基づく補体因子H関連タンパク質3遺伝子(CFHR3)と関連する疾患又は障害の治療のための療法も提供する。
別の態様では、本発明は、式(Ib)の二機能性化合物によって媒介されるリソソーム分解による細胞外補体因子H関連タンパク質3(FHR3)のレベルの低下に基づく補体因子H関連タンパク質3(FHR3)と関連する疾患又は障害の治療のための療法も提供する。
別の態様では、本発明は、PCSK9媒介性疾患又は障害の治療における使用のための式(Ia)の二機能性化合物も提供する。別の態様では、本発明は、PCSK9媒介性疾患又は障害の治療における使用のための式(Ia)の二機能性化合物を含む医薬組成物も提供する。そのような使用の特定の実施形態では、PCSK9媒介性疾患又は障害は、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、シトステロール血症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、冠動脈心疾患、末梢血管疾患、末梢動脈疾患、血管炎症、Lp(a)の上昇、LDLの上昇、トリグリセリドに富むリポタンパク質(TRL)、トリグリセリドの上昇、敗血症及び黄色腫から選択される。
別の態様では、本発明は、CFHR3媒介性疾患又は障害の治療における使用のための式(Ib)の二機能性化合物も提供する。別の態様では、本発明は、CFHR3媒介性疾患又は障害の治療における使用のための式(Ib)の二機能性化合物を含む医薬組成物も提供する。そのような使用の特定の実施形態では、CFHR3媒介性疾患又は障害は、腎症、加齢性黄斑変性、非典型溶血性尿毒症症候群及び肝細胞癌(HCC)から選択される。
別の態様では、本発明は、FHR3媒介性疾患又は障害の治療における使用のための式(Ib)の二機能性化合物も提供する。別の態様では、本発明は、FHR3媒介性疾患又は障害の治療における使用のための式(Ib)の二機能性化合物を含む医薬組成物も提供する。そのような使用の特定の実施形態では、FHR3媒介性疾患又は障害は、腎症、加齢性黄斑変性、非典型溶血性尿毒症症候群及び肝細胞癌(HCC)から選択される。
別の態様では、本発明は、PCSK9媒介性疾患又は障害の治療における式(Ia)の二機能性化合物の使用も提供する。別の態様では、本発明は、PCSK9媒介性疾患又は障害の治療のための医薬の製造における式(Ia)の二機能性化合物の使用も提供する。別の態様では、本発明は、PCSK9媒介性疾患又は障害の治療における式(Ia)の二機能性化合物を含む医薬組成物の使用も提供する。そのような使用の特定の実施形態では、PCSK9媒介性疾患又は障害は、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、シトステロール血症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、冠動脈心疾患、末梢血管疾患、末梢動脈疾患、血管炎症、Lp(a)の上昇、LDLの上昇、トリグリセリドに富むリポタンパク質(TRL)、トリグリセリドの上昇、敗血症及び黄色腫から選択される。
別の態様では、本発明は、CFHR3媒介性疾患又は障害の治療における式(Ib)の二機能性化合物の使用も提供する。別の態様では、本発明は、CFHR3媒介性疾患又は障害の治療のための医薬の製造における式(Ib)の二機能性化合物の使用も提供する。別の態様では、本発明は、CFHR3媒介性疾患又は障害の治療における式(Ib)の二機能性化合物を含む医薬組成物の使用も提供する。そのような使用の特定の実施形態では、CFHR3媒介性疾患又は障害は、腎症、加齢性黄斑変性、非典型溶血性尿毒症症候群及び肝細胞癌(HCC)から選択される。
別の態様では、本発明は、FHR3媒介性疾患又は障害の治療における式(Ib)の二機能性化合物の使用も提供する。別の態様では、本発明は、FHR3媒介性疾患又は障害の治療のための医薬の製造における式(Ib)の二機能性化合物の使用も提供する。別の態様では、本発明は、FHR3媒介性疾患又は障害の治療における式(Ib)の二機能性化合物を含む医薬組成物の使用も提供する。そのような使用の特定の実施形態では、FHR3媒介性疾患又は障害は、腎症、加齢性黄斑変性、非典型溶血性尿毒症症候群及び肝細胞癌(HCC)から選択される。
別の態様では、本発明は、治療有効量の式(Ia)の二機能性化合物を、それを必要とする患者に投与する工程を含む、PCSK9媒介性疾患又は障害を治療するための方法も提供する。この方法の特定の実施形態では、PCSK9媒介性疾患又は障害は、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、シトステロール血症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、冠動脈心疾患、末梢血管疾患、末梢動脈疾患、血管炎症、Lp(a)の上昇、LDLの上昇、トリグリセリドに富むリポタンパク質(TRL)、トリグリセリドの上昇、敗血症及び黄色腫から選択される。
別の態様では、本発明は、治療有効量の式(Ib)の二機能性化合物を、それを必要とする患者に投与する工程を含む、CFHR3媒介性疾患又は障害を治療するための方法も提供する。この方法の特定の実施形態では、CFHR3媒介性疾患又は障害は、腎症、加齢性黄斑変性、非典型溶血性尿毒症症候群及び肝細胞癌(HCC)から選択される。
別の態様では、本発明は、治療有効量の式(Ib)の二機能性化合物を、それを必要とする患者に投与する工程を含む、FHR3媒介性疾患又は障害を治療するための方法も提供する。この方法の特定の実施形態では、FHR3媒介性疾患又は障害は、腎症、加齢性黄斑変性、非典型溶血性尿毒症症候群及び肝細胞癌(HCC)から選択される。
別の態様では、本発明は、細胞外標的分子の標的リソソーム分解のための方法であって、式(Ia)の二機能性化合物を投与することを含む方法も提供し、細胞外標的分子は、PCSK9である。
別の態様では、本発明は、細胞外標的分子の標的リソソーム分解のための方法であって、式(Ib)の二機能性化合物を投与することを含む方法も提供し、細胞外標的分子は、FHR3である。
別の態様では、本発明は、それを必要とする患者の血漿からの細胞外標的分子の除去のための方法であって、式(Ia)の二機能性化合物を投与することを含む方法も提供し、細胞外標的分子は、PCSK9である。
別の態様では、本発明は、それを必要とする患者の血漿からの細胞外標的分子の除去のための方法であって、式(Ib)の二機能性化合物を投与することを含む方法も提供し、細胞外標的分子は、FHR3である。
別の態様では、本発明は、心血管疾患の治療のための療法における使用のための式(Ia)の二機能性化合物も提供し、療法は、式(Ia)の二機能性化合物によって媒介されるリソソーム分解によるPCSK9の細胞外レベルの低下に基づく。
別の態様では、本発明は、腎症、加齢性黄斑変性、非典型溶血性尿毒症症候群又は肝細胞癌(HCC)の治療のための療法における使用のための式(Ib)の二機能性化合物も提供し、療法は、式(Ib)の二機能性化合物によって媒介されるリソソーム分解によるFHR3の細胞外レベルの低下に基づく。
溶媒、0.01mg/kgの二機能性化合物(BFC-13)及び0.1mg/kgの二機能性化合物(BFC-13)の腹腔内ボーラス投与後のヒトFHR3を発現するトランスジェニックマウスからのヒトFHR3のクリアランス。hFHR3レベルは、投与前のFHR3のレベルに対して相対的なものである。 溶媒、0.01mg/kgの二機能性化合物(BFC-15)及び0.1mg/kgの二機能性化合物(BFC-15)の腹腔内ボーラス投与後のヒトFRH3を発現するトランスジェニックマウスからのヒトFHR3のクリアランス。hFHR3レベルは、投与前のFHR3のレベルに対して相対的なものである。 同時投与試験:溶媒+3.3μgのhPCSK9、0.1mg/kgの二機能性化合物(BFC-1)+3.3μgのhPCSK9、0.05mg/kgのPCSK9リガンド(C5)及び0.05mg/kgのASGPRリガンド(int-CC2)+3.3μgのhPCSK9の静脈内ボーラス投与後のLDLR(-/-)マウスからのヒトPCSK9のクリアランス。 同時投与試験:図2Aに示されるクリアランスデータのAUCプロット。ダネットの多重比較検定による通常の一方向ANOVAによる統計。 同時投与試験:溶媒+3.3μgのhPCSK9、0.1mg/kgの二機能性化合物(BFC-2)+3.3μgのhPCSK9、0.05mg/kgのPCSK9リガンド(C5)及び0.05mg/kgのM6PRリガンド(int-CC6)+3.3μgのhPCSK9の静脈内ボーラス投与後のLDLR(-/-)マウスからのヒトPCSK9のクリアランス。 同時投与試験:図3Aに示されるクリアランスデータのAUCプロット。ダネットの多重比較検定による通常の一方向ANOVAによる統計。 同時投与試験:溶媒+3.3μgのhPCSK9、0.1mgの二機能性化合物(BFC-1)+3.3μgのhPCSK9、0.03mg/kgの二機能性化合物(BFC-7)+3.3μgのhPCSK9、0.1mg/kgの二機能性化合物(BFC-7)+3.3μgのhPCSK9及び0.3mg/kgの二機能性化合物(BFC-7)+3.3μgのhPCSK9の静脈内ボーラス投与後のLDLR(-/-)マウスからのヒトPCSK9のクリアランス。 同時投与試験:図4Aに示されるクリアランスデータのAUCプロット。溶媒に対する通常の一方向ANOVAによる統計:***p=0.0001;****p<0.0001。 同時投与試験:溶媒+3.3μgのhPCSK9、0.1mg/kgの二機能性化合物(BFC-1)+3.3μgのhPCSK9、0.1mg/kgの二機能性化合物(BFC-5)+3.3μgのhPCSK9及び1mg/kgの二機能性化合物(BFC-5)+3.3μgのhPCSK9の静脈内ボーラス投与後のLDLR(-/-)マウスからのヒトPCSK9のクリアランス。 同時投与試験:図5Aに示されるクリアランスデータのAUCプロット。BFC-1に対する通常の一方向ANOVAによる統計:**p=0.0028溶媒に対する通常の一方向ANOVAによる統計:****p<0.0001。 二機能性化合物試験の事前投与に対する同時投与:以下の後のLDLR(-/-)マウスからのヒトPCSK9のクリアランス:i)溶媒+3.3μgのhPCSK9のivボーラス投与ii)0.1mg/kgの二機能性化合物(BFC-1)+3.3μgのhPCSK9のivボーラス投与iii)0.1mg/kgの二機能性化合物(BFC-12)+3.3μgのhPCSK9のivボーラス投与iv)0.1mg/kgの二機能性化合物(BFC-12)のivボーラス投与に続いて70分後の3.3μgのhPCSK9のivボーラス投与v)30mg/kgの二機能性化合物(BFC-12)のpo投与に続いて70分後の3.3μgのhPCSK9のivボーラス投与。 二機能性化合物試験の事前投与に対する同時投与:図6Aに示されるクリアランスデータのAUCプロット。溶媒に対する通常の一方向ANOVAによる統計:***p=0.0005;****p<0.0001;**p=0.0027。 二機能性化合物試験の事前投与に対する同時投与:以下の後のLDLR(-/-)マウスからのヒトPCSK9のクリアランス:i)溶媒+3.3μgのhPCSK9のivボーラス投与ii)0.1mg/kgの二機能性化合物(BFC-1)+3.3μgのhPCSK9のivボーラス投与iii)0.1mg/kgの二機能性化合物(BFC-11)+3.3μgのhPCSK9のivボーラス投与iv)0.1mg/kgの二機能性化合物(BFC-11)のivボーラス投与に続いて40分後の3.3μgのhPCSK9のivボーラス投与v)30mg/kgの二機能性化合物(BFC-11)のpo投与に続いて40分後の3.3μgのhPCSK9のivボーラス投与。 二機能性化合物試験の事前投与に対する同時投与:-図7Aに示されるクリアランスデータのAUCプロット。ダネットの多重比較検定による溶媒に対する通常の一方向ANOVAによる統計。 競合試験:以下の後のLDLR(-/-)マウスからのヒトPCSK9のクリアランス:i)溶媒+3.3μgのhPCSK9のivボーラス投与ii)0.1mg/kgの二機能性化合物(BFC-1)+3.3μgのhPCSK9のivボーラス投与iii)0.1mg/kgの二機能性化合物(BFC-1)+3.3μgのhPCSK9+10mg/kgのASGPRリガンド(int-CC2)のivボーラス投与iv)0.1mg/kgの二機能性化合物(BFC-1)+3.3μgのhPCSK9+10mg/kgのPCSK9リガンド(C5)のivボーラス投与。 競合試験:図8Aに示されるクリアランスデータのAUCプロット。二機能性化合物(BFC-1)に対する通常の一方向ANOVAによる統計:**p=0.0033;***p=0.0003;****p<0.0001。
定義
本明細書で使用するとき、用語「アルキル」は、炭素及び水素原子のみからなり、不飽和を含有しない直鎖又は分枝鎖状の炭化水素鎖のラジカルを指す。本明細書で使用するとき、用語「C~Cアルキル」は、炭素及び水素原子のみからなり、不飽和を含有せず、1~6個の炭素原子を有し、単結合によって分子の残部に結合される直鎖又は分枝鎖状の炭化水素鎖のラジカルを指す。「C~Cアルキル」基の非限定的な例としては、メチル(Cアルキル)、エチル(Cアルキル)、1-メチルエチル(Cアルキル)、n-プロピル(Cアルキル)、イソプロピル(Cアルキル)、n-ブチル(Cアルキル)、イソブチル(Cアルキル)、sec-ブチル(Cアルキル)、tert-ブチル(Cアルキル)、n-ペンチル(Cアルキル)、イソペンチル(Cアルキル)、ネオペンチル(Cアルキル)及びヘキシル(Cアルキル)が挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「アルケニル」は、炭素及び水素原子のみからなり、少なくとも1つの二重結合を含む直鎖又は分枝鎖状の炭化水素鎖のラジカル基を指す。本明細書で使用するとき、用語「C~Cアルケニル」は、単結合によって分子の残部に結合される、炭素及び水素原子のみからなり、少なくとも1つの二重結合を含み、2~6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖状の炭化水素鎖のラジカル基を指す。「C~Cアルケニル」基の非限定的な例としては、エテニル(Cアルケニル)、プロパ-1-エニル(Cアルケニル)、ブタ-1-エニル(Cアルケニル)、ペンタ-1-エニル(Cアルケニル)、ペンタ-4-エニル(Cアルケニル)、ペンタ-1,4-ジエニル(Cアルケニル)、ヘキサ-1-エニル(Cアルケニル)、ヘキサ-2-エニル(Cアルケニル)、ヘキサ-3-エニル(Cアルケニル)、ヘキサ-1,4-ジエニル(Cアルケニル)、ヘキサ-1,5-ジエニル(Cアルケニル)及びヘキサ-2,4-ジエニル(Cアルケニル)が挙げられる。本明細書で使用するとき、用語「C~Cアルケニル」は、単結合によって分子の残部に結合される、炭素及び水素原子のみからなり、少なくとも1つの二重結合を含み、2~3個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖状の炭化水素鎖のラジカル基を指す。「C~Cアルケニル」基の非限定的な例としては、エテニル(Cアルケニル)及びプロパ-1-エニル(Cアルケニル)が挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「アルキレン」は、炭素及び水素原子のみからなり、不飽和を含有しない二価の直鎖又は分枝鎖状の炭化水素鎖のラジカルを指す。本明細書で使用するとき、用語「C~Cアルキレン」は、炭素及び水素原子のみからなり、不飽和を含有せず、1~6個の炭素原子を有する二価の直鎖又は分枝鎖状の炭化水素鎖のラジカルを指す。「C~Cアルキレン」基の非限定的な例としては、メチレン(Cアルキレン)、エチレン(Cアルキレン)、1-メチルエチレン(Cアルキレン)、n-プロピレン(Cアルキレン)、イソプロピレン(Cアルキレン)、n-ブチレン(Cアルキレン)、イソブチレン(Cアルキレン)、sec-ブチレン(Cアルキレン)、tert-ブチレン(Cアルキレン)、n-ペンチレン(Cアルキレン)、イソペンチレン(Cアルキレン)、ネオペンチレン(Cアルキレン)及びヘキシレン(Cアルキレン)が挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「アルケニレン」は、炭素及び水素原子のみからなり、少なくとも1つの二重結合を含む二価の直鎖又は分枝鎖状の炭化水素鎖のラジカルを指す。本明細書で使用するとき、用語「C~Cアルケニレン」は、炭素及び水素原子のみからなり、少なくとも1つの二重結合を含み、2~6個の炭素原子を有する二価の直鎖又は分枝鎖状の炭化水素鎖のラジカル基を指す。「C~Cアルケニレン」基の非限定的な例としては、エテニレン(Cアルケニレン)、プロパ-1-エニレン(Cアルケニレン)、ブタ-1-エニレン(Cアルケニレン)、ペンタ-1-エニレン(Cアルケニレン)、ペンタ-4-エニレン(Cアルケニレン)、ペンタ-1,4-ジエニレン(Cアルケニレン)、ヘキサ-1-エニレン(Cアルケニレン)、ヘキサ-2-エニレン(Cアルケニレン)、ヘキサ-3-エニレン(Cアルケニレン)、ヘキサ-1,4-ジエニレン(Cアルケニレン)、ヘキサ-1,5-ジエニレン(Cアルケニレン)及びヘキサ-2,4-ジエニレン(Cアルケニレン)が挙げられる。本明細書で使用するとき、用語「C~Cアルケニレン」は、炭素及び水素原子のみからなり、少なくとも1つの二重結合を含み、2~3個の炭素原子を有する二価の直鎖又は分枝鎖状の炭化水素鎖のラジカル基を指す。「C~Cアルケニレン」基の非限定的な例としては、エテニレン(Cアルケニレン)及びプロパ-1-エニレン(Cアルケニレン)が挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「アルコキシ」は、-O-アルキル又は-アルキル-O-を指し、「アルキル」基は、本明細書で定義されるとおりである。特定の実施形態では、アルコキシ基は、「C~Cアルコキシ」、「C~Cアルコキシ」、「C~Cアルコキシ」、「C~Cアルコキシ」、「C~Cアルコキシ」、「C~Cアルコキシ」、「C~Cアルコキシ」、「C~Cアルコキシ」又は「C~C10アルコキシ」であり、用語「C~Cアルコキシ」、「C~Cアルコキシ」、「C~Cアルコキシ」、「C~Cアルコキシ」、「C~Cアルコキシ」、「C~Cアルコキシ」、「C~Cアルコキシ」及び「C~C10アルコキシ」は、本明細書で使用するとき、それぞれ-O-C~Cアルキル、-O-C~Cアルキル、-O-C~Cアルキル、-O-C~Cアルキル、-O-C~Cアルキル、-O-C~Cアルキル、-O-C~Cアルキル、-O-C~Cアルキル又は-O-C~C10アルキルを指す。「アルコキシ」基の非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペントキシ、イソペントキシ、ヘキソキシ、ヘプトキシ、オクトキシ、ノノキシ、デコキシなどが挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「アリール」は、環員として6個の炭素原子を有する芳香族単環式環系、環員として9~10個の炭素原子を有する芳香族縮合二環式環系又は環員として14個の炭素原子を有する芳香族縮合三環式環系を指す。アリール基の非限定的な例としては、本明細書で使用するとき、フェニル、ナフタレニル、フルオレニル、インデニル、アズレニル、アントラセニル、フェナントレニルなどが挙げられる。特定の実施形態では、そのようなアリール基は、任意選択により置換される。好ましい実施形態では、アリール基は、フェニルである。
本明細書で使用するとき、用語「シクロアルキル」又は「C~Cシクロアルキル」は、飽和、単環式、縮合二環式、縮合三環式又は架橋多環式の環系を指す。縮合二環式又は架橋多環式環系の非限定的な例としては、ビシクロ[1.1.1]ペンタン、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン及びアダマンタニルが挙げられる。単環式C~Cシクロアルキル基の非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチル基が挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「ハロアルキル」は、本明細書で定義されるとおりのアルキルを指し、アルキルの水素原子の少なくとも1個は、本明細書で定義されるとおりのハロ基によって置き換えられる。ハロアルキルは、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル又はパーハロアルキルを含むポリハロアルキルであり得る。モノハロアルキルは、アルキル基内に1個のヨード、ブロモ、クロロ又はフルオロを有し得る。ジハロアルキル及びポリハロアルキル基は、アルキル内に2個以上の同じハロ原子又は異なるハロ基の組み合わせを有することができる。通常、ポリハロアルキルは、最大で6個、又は4個、又は3個、又は2個のハロ基を含有する。ハロアルキルの非限定的な例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチル及びジクロロプロピルが挙げられる。パーハロ-アルキルは、全ての水素原子がハロ原子で置き換えられたアルキル、例えば、トリフルオロメチルを指す。代表的なハロアルキル基としては、別段の指定がない限り、ハロゲンで置換された少なくとも1個の水素を有するメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル及びtert-ブチルが挙げられ、例えば、ハロゲンはフッ素であり:CFCF-、(CFCH-、CH-CF-、CFCF-、CF、CFH-、CFCFCH(CF)-又はCFCFCFCF-である。
本明細書で使用するとき、用語「C~Cハロアルキル」は、本明細書で定義されるとおりのそれぞれの「C~C6アルキル」を指し、「C~Cアルキル」の水素原子の少なくとも1個がハロ原子によって置き換えられる。C~Cハロアルキル基は、モノC~Cハロアルキルであり得、そのようなC~Cハロアルキル基は、1個のヨード、1個のブロモ、1個のクロロ又は1個のフルオロを有する。さらに、C~Cハロアルキル基は、ジC~Cハロアルキルであり得、そのようなC~Cハロアルキル基は、ヨード、ブロモ、クロロ又はフルオロから独立して選択される2個のハロ原子を有し得る。さらに、C~Cハロアルキル基は、ポリC~Cハロアルキルであり得、そのようなC~Cハロアルキル基は、2個以上の同じハロ原子又は2個以上の異なるハロ原子の組合せを有し得る。このようなポリC~Cハロアルキルは、パーハロC~Cハロアルキルであり得、それぞれのC~Cアルキルの全ての水素原子がハロ原子で置き換えられており、且つハロ原子が同じであるか、又は異なるハロ原子の組合せであり得る。「C~Cハロアルキル」基の非限定的な例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、フルオロエチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチル及びジクロロプロピルが挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「ハロアルコキシ」は、本明細書で定義されるとおりのアルコキシを指し、アルキルの水素原子の少なくとも1個は、本明細書で定義されるとおりのハロ基によって置き換えられる。ハロアルキルは、モノハロアルコキシ、ジハロアルコキシ、トリハロアルコキシ又はパーハロアルコキシを含むポリハロアルコキシであり得る。モノハロアルコキシは、アルキル基内に1個のヨード、ブロモ、クロロ又はフルオロを有し得る。ジハロアルコキシ及びポリハロアルコキシ基は、アルキル内に2個以上の同じハロ原子又は異なるハロ基の組み合わせを有することができる。通常、ポリハロアルコキシは、最大で6個、又は4個、又は3個、又は2個のハロ基を含有する。ハロアルコキシの非限定的な例としては、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、ペンタフルオロエトキシ、ヘプタフルオロプロポキシ、ジフルオロクロロメトキシ、ジクロロフルオロメトキシ、ジフルオロエトキシ、ジフルオロプロポキシ、ジクロロエトキシ及びジクロロプロポキシが挙げられる。パーハロ-アルキコキシは、全ての水素原子がハロ原子で置き換えられたアルコキシ、例えば、トリフルオロメトキシを指す。代表的なハロアルコキシ基としては、別段の指定がない限り、ハロゲンで置換された少なくとも1個の水素を有するメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ及びtert-ブトキシが挙げられ、例えば、ハロゲンはフッ素であり:CFCFO-、(CFCHO-、CH-CFO-、CFCFO-、-OCF、-OCF-、CFCFCH(CF)O-又はCFCFCFCFO-である。
本明細書で使用するとき、用語「C~Cハロアルコキシ」は、本明細書で定義されるとおりのそれぞれの「C~C6アルコキシ」を指し、「C~Cアルキル」の水素原子の少なくとも1個がハロ原子によって置き換えられる。C~Cハロアルコキシ基は、モノC~Cハロアルコキシであり得るが、そのようなC~Cハロアルコキシ基は、1個のヨード、1個のブロモ、1個のクロロ又は1個のフルオロを有する。さらに、C~Cハロアルコキシ基は、ジC~Cハロアルコキシであり得るが、そのようなC~Cハロアルコキシ基は、ヨード、ブロモ、クロロ又はフルオロから独立して選択される2個のハロ原子を有し得る。さらに、C~Cハロアルコキシ基は、ポリC~Cハロアルコキシであり得るが、そのようなC~Cハロアルコキシ基は、2個以上の同じハロ原子又は2個以上の異なるハロ原子の組み合わせを有し得る。そのようなポリC~Cハロアルコキシは、パーハロC~Cハロアルコキシであり得るが、それぞれのC~Cアルキルの全ての水素原子は、ハロ原子で置き換えられ、且つハロ原子は、同じであるか、又は異なるハロ原子の組み合わせであり得る。「C~Cハロアルコキシ」基の非限定的な例としては、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、ペンタフルオロエトキシ、ヘプタフルオロプロポキシ、ジフルオロクロロメトキシ、ジクロロフルオロメトキシ、フルオロエトキシ、ジフルオロエトキシ、トリフルオロエトキシ、ジフルオロプロポキシ、ジクロロエトキシ及びジクロロプロポキシが挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、フッ素(F)、塩素(Cl)、ブロモ(Br)又はヨード(I)を指す。
本明細書で使用するとき、用語「ヘテロアリール」は、1個以上のヘテロ原子を含有する芳香環系を指す。2個以上のヘテロ原子を含有するヘテロアリール基は、異なるヘテロ原子を含有し得る。ヘテロアリール基は、任意選択により、式(I)において定義されるとおりの1個以上の置換で置換され得る。ヘテロアリール基は、単環式環系又は縮合二環式環系であり得る。単環式ヘテロアリール環は、5~6個の環原子を有する。二環式ヘテロアリール環は、8~10個の環原子を有する。二環式ヘテロアリール環は、それらの環系を含み、ヘテロアリール環は、フェニル環に縮合される。本明細書で使用するとき、ヘテロアリール基の非限定的な例としては、ベンゾフラニル、ベンゾ[c]チオフェニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、シンノリニル、フラザニル、フリル、イミダゾリル、インドリル、インドリジニル、インダゾリル、イソインドリル、イソキノリニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、オキサインドリル、オキサジアゾリル(1,3,4-オキサジアゾリル及び1,2,4-オキサジアゾリルを含む)、プリニル、ピラゾリル、ピロリル、フタラジニル、ピリジニル(2-、3-及び4-ピリジニルを含む)、ピリダジニル、ピラジニル、ピリミジニル、キノキサリニル、キノリニル、キナゾリニル、テトラジニル、テトラゾリル、テトラゾロ[1,5-a]ピリジニル、チアゾリル、チアジアゾリル(1,3,4-チアジアゾリルを含む)、チエニル、トリアジニル及びトリアゾリルが挙げられる。
用語「N、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含む5又は6員ヘテロアリール」は、環員としてヘテロ原子N、O及びSから独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する芳香族5~6員単環式環系を指す。
用語「N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5又は6員ヘテロアリール」は、環員としてヘテロ原子N、O及びSから独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する芳香族5~6員単環式環系を指す。
本明細書で使用するとき、用語「ヘテロ原子」は、窒素、酸素又は硫黄原子を指す。
本明細書で使用するとき、用語「ヘテロシクロアルキル」は、N、NH、N12、O又はS(式中、R12は、H又はC~Cアルキルである)から独立して選択される1~2個の基で置き換えられている環構造における1~2個の炭素原子を有する本明細書で定義されるとおりのシクロアルキル基を指す。本明細書で使用するとき、用語「N、NH、NR12、O又はSから独立して選択される1~2個の環員を有する4~6員ヘテロシクロアルキル」は、4~6個の環員を有する完全飽和単環式炭化水素環構造である4~6個の環員のヘテロシクロアルキルを指し、環員の1~2個は、独立して、N、NH、NR12、O又は-S-から選択され、R12は、H又はC~Cアルキルである。本明細書で使用するとき、ヘテロシクロアルキル基の非限定的な例としては、アゼタジニル、アゼタジン-1-イル、アゼタジン-2-イル、アゼタジン-3-イル、オキセタニル、オキセタン-2-イル、オキセタン-3-イル、オキセタン-4-イル、チエタニル、チエタン-2-イル、チエタン-3-イル、チエタン-4-イル、ピロリジニル、ピロリジン-1-イル、ピロリジン-2-イル、ピロリジン-3-イル、ピロリジン-4-イル、ピロリジン-5-イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロフラン-4-イル、テトラヒドロフラン-5-イル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロチエン-2-イル、テトラヒドロチエン-3-イル、テトラヒドロチエン-4-イル、テトラヒドロチエン-5-イル、ピペリジニル、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イル、ピペリジン-5-イル、ピペリジン-6-イル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロピラン-2-イル、テトラヒドロピラン-3-イル、テトラヒドロピラン-4-イル、テトラヒドロピラン-5-イル、テトラヒドロピラン-6-イル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラン-2-イル、テトラヒドロチオピラン-3-イル、テトラヒドロチオピラン-4-イル、テトラヒドロチオピラン-5-イル、テトラヒドロチオピラン-6-イル、ピペラジニル、ピペラジン-1-イル、ピペラジン-2-イル、ピペラジン-3-イル、ピペラジン-4-イル、ピペラジン-5-イル、ピペラジン-6-イル、モルホリニル、モルホリン-2-イル、モルホリン-3-イル、モルホリン-4-イル、モルホリン-5-イル、モルホリン-6-イル、チオモルホリニル、チオモルホリン-2-イル、チオモルホリン-3-イル、チオモルホリン-4-イル、チオモルホリン-5-イル、チオモルホリン-6-イル、オキサチアニル、オキサチアン-2-イル、オキサチアン-3-イル、オキサチアン-5-イル、オキサチアン-6-イル、ジチアニル、ジチアン-2-イル、ジチアン-3-イル、ジチアン-5-イル、ジチアン-6-イル、ジオキソラニル、ジオキソラン-2-イル、ジオキソラン-4-イル、ジオキソラン-5-イル、チオキサニル、チオキサン-2-イル、チオキサン-3-イル、チオキサン-4-イル、チオキサン-5-イル、ジチオラニル、ジチオラン-2-イル、ジチオラン-4-イル、ジチオラン-5-イル、ピラゾリジニル、ピラゾリジン-1-イル、ピラゾリジン-2-イル、ピラゾリジン-3-イル、ピラゾリジン-4-イル及びピラゾリジン-5-イルが挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「ヘテロシクリル」は、炭素及び酸素、窒素又は硫黄(O、N又はS)から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する飽和(例えば、ヘテロシクロアルキル環)又は部分不飽和単環式若しくは多環式環を指し、環炭素又はヘテロ原子間で共有される非局在化したn電子(芳香族性)はない。
本明細書で使用するとき、用語「ヒドロキシアルキル」は、1個以上の-OH基で置換されたアルキル基を指す。ヒドロキシアルキル基の例としては、HO-CH-、HO-CHCH-及びCH-CH(OH)-が挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「スピロシクロアルキル」又は「スピロシクリル」は、単一の原子を介して連結される両方の環を有する炭素に起因する二環式環系を指す。環は、サイズ及び性質において異なり得るか、又はサイズ及び性質において同一であり得る。例としては、スピロペンタン、スピロヘキサン、スピロヘプタン、スピロオクタン、スピロノナン又はスピロデカンが挙げられる。スピロ環における環の一方又は両方は、別の炭素環、複素環、芳香環又は複素芳香環に縮合され得る。(C~C12)スピロシクロアルキルは、3~12個の炭素原子を含有するスピロ環である。
本明細書で使用するとき、用語「スピロヘテロシクロアルキル」又は「スピロヘテロシクリル」は、環の少なくとも1つが複素環(炭素原子の1つ以上が、ヘテロ原子で置換され得る(例えば、炭素原子の1つ以上が、環の少なくとも1つにおけるヘテロ原子で置換され得る))であるスピロ環を指す。スピロヘテロ環における環の一方又は両方は、別の炭素環、複素環、芳香環又は複素芳香環に縮合され得る。
本明細書で使用するとき、用語「体内の治療的プラスマフェレーシス」は、体内の血漿からの望まれない細胞外標的分子の除去を指す。そのような細胞外標的分子の例としては、増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、神経伝達物質、カプシド、可溶性受容体、細胞外分泌タンパク質、抗体、リポタンパク質、エキソソーム、ウイルス、細胞及び細胞膜タンパク質が挙げられる。そのような標的分子の特定の例としては、LDL(ApoB)、Lp(a)、ApoCIII、ANGPTL3、ANGPTL4、ANGPTL8、因子11、GDF15、LPL、PCSK9、IL1β、IL17、補体因子B、補体因子D、MPO、IgE、IL7、IL12A、IL23、TNFA、CXCR4、MAPT、FHR3、TIMP1、アペリン、BMP6、BMP9/GDF2、CSF-1、EPO、IL5、MFGE8、TSLP、TSP、C5、CXCL10、FGF23、IGF1、IL10、IL13、IL2、IL6、VEGFA、NKG2D、ZNFR3、ADA2、suPAR、TGF-β1、IL4受容体、sトール受容体、ヒスタミン、タウ、プログラニュリン、アルファ-シヌクレイン、毒素、毒液、HBV可溶性抗原、ウイルス抗原、プリオンタンパク質、scFV、AAV及び抗AAV抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用するとき、用語「ポリエチレングリコール」又は「PEG」は、(OCHCH)基から構成される直鎖、分枝鎖又は星形構成を指す。特定の実施形態では、ポリエチレン又はPEG基は、-(OCHCH*-であり、ここで、tは、4~40であり、「-」は、自己犠牲型スペーサーに向けられた末端を指し、「*-」は、末端基R’への結合点を示し、R’は、OH、OCH又はOCHCHC(=O)OHである。他の実施形態では、ポリエチレン又はPEG基は、-(CHCHO)*-であり、ここで、tは、4~40であり、「-」は、自己犠牲型スペーサーに向けられた末端を指し、「*-」は、末端基R’’への結合点を示し、R’’は、H、CH又はCHCHC(=O)OHである。
本明細書で使用するとき、用語「ポリアルキレングリコール」は、(O(CH基から構成される直鎖、分枝鎖又は星形構成を指す。特定の実施形態では、ポリエチレン又はPEG基は、-(O(CH*-であり、ここで、mは、1~10であり、tは、4~40であり、「-」は、自己犠牲型スペーサーに向けられた末端を指し、「*-」は、末端基R’への結合点を示し、R’は、OH、OCH又はOCHCHC(=O)OHである。他の実施形態では、ポリエチレン又はPEG基は、-((CHO)*-であり、ここで、mは、1~10であり、tは、4~40であり、「-」は、自己犠牲型スペーサーに向けられた末端を指し、「*-」は、末端基R’’への結合点を示し、R’’は、H、CH又はCHCHC(=O)OHである。
本明細書で使用するとき、用語「細胞外」は、1つ又は複数の細胞の細胞膜の外側の空間を指す。
本明細書で使用するとき、用語「細胞外レベルの低下」又は「複数の細胞外レベルの低下」は、1つ又は複数の細胞の細胞膜の外側の空間に位置する標的分子の濃度を低減すること又は低下させることを指す。
用語「PCSK9」、「hPCSK9」又は「プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型」は、交換可能に、分泌型サブチラーゼファミリーのプロテイナーゼKサブファミリーに属する天然に存在するヒトプロタンパク質転換酵素を指す。PCSK9は、小胞体において自己触媒性の分子間プロセシングを受ける可溶性酵素前駆体として合成され、プロタンパク質転換酵素として機能すると考えられる。PCSK9は、コレステロールの恒常性において役割を果たし、皮質ニューロンの分化において役割を有し得る。PCSK9遺伝子中の変異は、常染色体優性家族性高コレステロール血症の原因である。(Burnett and Hooper,Clin.Biochem.Rev.(2008)29(1):11-26)。
本明細書で使用するとき、用語「PCSK9媒介性疾患又は障害」又は「PCSK9と関連する疾患又は障害」は、PCSK9の活性と関連する疾患又は障害を指し、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、シトステロール血症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、冠動脈心疾患、末梢血管疾患(大動脈疾患及び脳血管疾患を含む)、末梢動脈疾患、血管炎症、Lp(a)の上昇、LDLの上昇、TRLの上昇、トリグリセリドの上昇、敗血症及び黄色腫を含む。
用語「高コレステロール血症」又は「脂質異常症」は、例えば、家族性及び非家族性高コレステロール血症を含む。家族性高コレステロール血症(FH)は、低密度リポタンパク質(LDL)に結合する血清コレステロール上昇を特徴とする常染色体優性障害である。家族性高コレステロール血症は、ヘテロ接合型FH及びホモ接合型FHの両方を含む。高コレステロール血症(又は脂質異常症)は、血中の高レベルのコレステロールの存在である。これは、高脂血症(血中の脂質レベル上昇)及び高リポタンパク質血症(血中のリポタンパク質レベル上昇)の形態である。
高脂血症は、血流中の脂質の上昇である。これらの脂質は、コレステロール、コレステロールエステル、リン脂質及びトリグリセリドを含む。高脂血症は、例えば、I、IIa、IIb、III、IV及びV型を含む。
高トリグリセリド血症は、トリグリセリドの高血中レベルを示す。トリグリセリドレベルの上昇は、高コレステロール血症がない場合でも、アテローム性動脈硬化症と関連し、心血管系疾患を起こしやすい。
「シトステロール血症」又は「フィトステロール血症」は、消化管からのシトステロールの過剰吸収及び食事性ステロールの胆汁中排泄の低下(すなわち高コレステロール血症、腱及び結節性黄色腫、アテローム性動脈硬化症の早期発症につながる)及びコレステロール合成の変化を特徴とする稀な常染色体劣性遺伝性の脂質代謝性障害である。
「アテローム性動脈硬化症」は、動脈の内側の裏打ちにおける、脂肪物質、コレステロール、細胞老廃生成物、カルシウム及びフィブリンの蓄積と関連する動脈の硬化を含む。その結果の集積をプラークと呼ぶ。
「アテローム性動脈硬化症」又は「動脈硬化性血管疾患(ASVD)」は、コレステロール及びトリグリセリドを含む、生きている活性白血球細胞(炎症生成)及び死細胞のレムナントの両方を含有する、白血球細胞の侵入及び蓄積の結果としての動脈壁の肥厚、硬化及び弾性喪失を含む、特異的な形態の動脈硬化症である。したがって、アテローム性動脈硬化症は、動脈壁における白血球の慢性炎症反応に起因して動脈血管に影響する症候群である。
アテローム性動脈硬化症疾患、アテローム性動脈硬化性心血管系疾患、冠動脈心疾患又は虚血性心疾患としても知られる「冠動脈心疾患」は、最も一般的な型の心疾患であり、心臓発作の原因である。この疾患は、心臓の動脈の内壁に沿って集積するプラークにより引き起こされ、動脈の管腔を狭窄させ、心臓への血流を減少させる。
「黄色腫」は、脂質が皮膚内の大きい泡沫細胞に蓄積するリピドーシスの皮膚所見である。黄色腫は高脂血症と関連する。
用語「Lp(a)濃度の上昇」は、本明細書で使用するとき、30mg/dL(75nmol/L)を上回る血清Lp(a)濃度を指す。「血清Lp(a)の上昇」は、約14mg/dLを超える血清Lp(a)レベルを意味する。特定の実施形態では、患者は、患者において測定される血清Lp(a)レベルが約15mg/dL、約20mg/dL、約25mg/dL、約30mg/dL、約35mg/dL、約40mg/dL、約45mg/dL、約50mg/dL、約60mg/dL、約70mg/dL、約80mg/dL、約90mg/dL、約100mg/dL、約20mg/dL、約140mg/dL、約150mg/dL、約180mg/dL又は約200mg/dLよりも高い場合、血清Lp(a)の上昇を示すとみなされる。血清Lp(a)レベルは食後に患者において測定され得る。いくつかの実施形態では、Lp(a)レベルは、絶食期間後に測定される(例えば、8時間、8時間、10時間、12時間又はそれを超える絶食後)。あらゆる臨床的に許容可能な診断方法は、本開示に関連して使用され得るものの、患者において血清Lp(a)を測定するための代表的な方法としては、免疫比濁分析、ELISA、比濁分析、免疫比濁法及び解離増強型ランタニド蛍光免疫アッセイが挙げられるが、これらに限定されない。
「トリグリセリドレベルの上昇」又は「ETL」は、望ましくないと判定されるか又は調整のために標的とされる任意の程度のトリグリセリドレベルを意味する。
「敗血症」は、動脈低血圧、代謝性アシドーシス、全身的な血管抵抗性の低下、頻呼吸及び臓器機能不全を特徴とする全身反応である。敗血症は、菌血症(すなわち血中の細菌)並びに内毒血症(すなわち血中の内毒素)を含む毒素血症(すなわち血中の毒素)を含む、セプチセミア(すなわち血流中の生物、それらの代謝最終産物又は毒素)により起こり得る。「敗血症」という用語は、真菌血症(すなわち血中の真菌)、ウイルス血症(すなわち血中のウイルス又はウイルス粒子)及び寄生虫血症(すなわち血中の寄生虫様又は原虫寄生動物)も包含する。したがって、敗血症及び敗血症ショック(多臓器不全及び高い死亡率を付随することが多い敗血症による急性循環不全)は、多くの生物により引き起こされ得る。
用語「CFHR3」又は「補体因子H関連タンパク質3遺伝子」は互換的に、ヒトタンパク質補体因子H関連タンパク質3(FHR3)をコードする遺伝子を指す。
用語「FHR3」又は「補体因子H関連タンパク質3」は互換的に、補体因子H関連タンパク質ファミリーに属する分泌タンパク質である天然に存在するヒト補体因子H関連タンパク質3を指す。
本明細書で使用するとき、用語「CFHR3媒介性疾患又は障害」又は「CFHR3と関連する疾患又は障害」は、CFHR3の不粘着活性と関連する疾患又は障害を指し、腎症、加齢性黄斑変性、非典型溶血性尿毒症症候群及び肝細胞癌(HCC)を含む。
本明細書で使用するとき、用語「FHR3媒介性疾患又は障害」又は「FHR3と関連する疾患又は障害」は、FHR3の活性と関連する疾患又は障害を指し、腎症、加齢性黄斑変性、非典型溶血性尿毒症症候群及び肝細胞癌(HCC)を含む。
本明細書で使用するとき、用語「腎症」は、腎臓の疾患又は障害を指す。
本明細書で使用するとき、用語「加齢性黄斑変性」は、経時的に失明を引き起こす眼の斑を冒す眼疾患を指す。
本明細書で使用するとき、用語「非典型溶血性尿毒症症候群」は、腎臓における異常な血液凝固に起因して腎臓機能を冒す疾患を指す。非典型溶血性尿毒症症候群は、異常な凝固に関連する3つの主要な特徴:溶血性貧血、血小板減少症及び腎不全によって特徴付けられる。
本明細書で使用するとき、用語「溶血性貧血」は、赤血球の早期崩壊を指す。
本明細書で使用するとき、用語「血小板減少症」は、凝固を助ける際に使用される循環血小板のレベルの低下を指す。
本明細書で使用するとき、用語「肝細胞癌(HCC)」は、肝臓の癌を指す。
本明細書で使用するとき、用語「反応性基」は、抗体又は抗体断片の官能基と共有結合を形成することが可能な官能基である。こうした官能基の非限定的な例としては、本明細書に提供される表1の反応性基が挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「カップリング基」は、架橋スペーサーを抗体又はその断片に連結する二価部分を指す。カップリング基は、抗体又はその断片上で反応性基と官能基との反応によって形成される二価部分である。こうした二価部分の非限定的な例としては、本明細書に提供される表1及び表2で示される二価の化学的部分が挙げられる。
本明細書で使用するとき、化合物の部分構造が図示される場合、波線
Figure 2023513168000002

は、分子の残部に対する部分構造の結合点を示す。
本明細書で使用するとき、用語「組成物」又は「医薬組成物」は、本発明の化合物と、担体、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤及び/又は賦形剤などの、少なくとも1種の、任意選択により2種以上の他の薬学的に許容される化学構成成分との混合物を指す。
本明細書で使用するとき、用語「光学異性体」又は「立体異性体」は、本発明の所与の化合物に関して存在し得る種々の立体異性体配置のいずれかを指し、幾何異性体を含む。置換基は、炭素原子のキラル中心で結合され得ることが理解される。用語「キラル」は、その鏡像パートナーに重ね合わせることができない特性を有する分子を指すが、用語「アキラル」は、その鏡像パートナーに重ね合わせることができる分子を指す。したがって、本発明は、化合物のエナンチオマー、ジアステレオマー又はラセミ体を含む。「エナンチオマー」は、互いに重ね合わせることができない鏡像である一対の立体異性体である。一対のエナンチオマーの1:1の混合物は「ラセミ」混合物である。この用語は、必要に応じて、ラセミ混合物を示すために用いられる。「ジアステレオ異性体」は、少なくとも2個の不斉原子を有するが、互いに鏡像ではない立体異性体である。絶対立体化学は、Cahn-lngold-Prelog R-Sシステムに従って指定される。化合物が純粋なエナンチオマーであるとき、各キラル炭素における立体化学はR又はSのいずれかによって指定され得る。絶対配置が未知である分割された化合物は、ナトリウムD線の波長で平面偏光を回転させる方向(右旋性又は左旋性)により(+)又は(-)で示すことができる。本明細書に記載される特定の化合物は、1つ以上の不斉中心又は軸を含有し、したがってエナンチオマー、ジアステレオマー及び絶対立体化学に関して(R)-又は(S)-として定義され得る他の立体異性形態を生じ得る。
本明細書で使用するとき、用語「薬学的に許容される担体」は、当業者に既知であるように、あらゆる溶媒、分散媒体、コーティング、界面活性剤、抗酸化剤、保存剤(例えば、抗細菌剤、抗真菌剤)、等張化剤、吸収遅延剤、塩類、保存剤、薬剤安定化剤、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、風味剤、色素など、及びこれらの組み合わせを含む(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Ed.Mack Printing Company,1990,pp.1289-1329を参照されたい)。任意の従来の担体が活性成分に適合しない場合を除いて、治療用組成物又は医薬組成物における使用が考慮される。
本明細書で使用するとき、用語「対象」は、哺乳動物及び非哺乳動物を包含する。哺乳動物の例としては、限定はされないが、ヒト、チンパンジー、類人猿、サル、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ;ウサギ、イヌ、ネコ、ラット、マウス及びモルモットなどが挙げられる。非哺乳動物の例としては、限定はされないが、鳥及び魚などが挙げられる。多くの場合、対象は、ヒトである。
用語「このような治療を必要とする対象」は、このような治療から生物学的、医学的又は生活の質の点で利益を得るであろう対象を指す。
本明細書で使用するとき、任意の疾患又は障害についての用語「治療する」、「治療すること」又は「治療」は、一実施形態において、疾患又は障害を改善すること(すなわち疾患又はその臨床症状の少なくとも1つの発達を遅らせるか又は阻止するか又は低減すること)を指す。別の実施形態では、「治療する」、「治療すること」又は「治療」は、患者により識別可能でない可能性のあるものを含む少なくとも1つの身体的パラメーターを軽減又は改善することを指す。さらに別の実施形態では、「治療する」、「治療すること」又は「治療」は、物理的に(例えば、識別可能な症状の安定化)、生理学的に(例えば、身体的パラメーターの安定化)のいずれか又は両方で疾患又は障害を調節することを指す。
本明細書で使用するとき、任意の疾患又は障害についての用語「予防する」、「予防すること」又は「予防」は、疾患若しくは障害の予防的治療又は疾患若しくは障害の発症若しくは進行を遅らせることを指す。
用語「治療有効量」又は「治療有効用量」は、互換的に、所望の結果(すなわち酵素又はタンパク質活性の低減又は阻害、症状の改善、症状又は病態の軽減、疾患進行の遅延、腫瘍サイズの縮小、腫瘍増殖の阻害、転移の予防、ウイルス、細菌、真菌又は寄生虫感染の阻害又は予防)をもたらすのに十分な量を指す。いくつかの実施形態では、治療有効量は、望ましくない副作用を誘導しないか又は引き起こさない。いくつかの実施形態では、治療有効量は、副作用を誘導するか又は引き起こすが、患者の状態を考慮して医療提供者によって許容される量に過ぎない。治療有効量は、最初に低用量を投与し、次に所望の効果が達成されるまでその用量を徐々に増加することによって決定することができる。本発明の分子の「予防有効用量」又は「予防有効量」は、癌に関連する症状を含む疾患症状の発症を予防することができる。本発明の分子の「治療有効用量」又は「治療有効量」は、癌に関連する症状を含む疾患症状の重症度において低減をもたらすことができる。
本明細書において提供される化合物名は、ChemBioDraw Ultra version 14.0を使用して得た。
本明細書において使用される用語「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」並びに本発明に関連して(特に請求の範囲に関連して)使用される類似の用語は、本明細書において特に指示がない限り又は明らかに文脈と矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含するように解釈するべきである。
別段の指定がない限り、用語「本発明の二機能性化合物」、「本発明の複数の二機能性化合物」、「本発明の二機能性化合物」又は「本発明の複数の二機能性化合物」は、式(I)の1つ又は複数の二機能性化合物、その下位の式(式(Ia)及び式(Ib)など)及び例示される化合物及びその塩並びに全ての立体異性体(ジアステレオ異性体及びエナンチオマーを含む)、回転異性体、互変異性体及び同位体標識化合物(重水素置換を含む)を指す。
本明細書に付与するあらゆる式は、化合物の非標識形態並びに同位体標識した形態を表すことも意図される。同位体標識化合物は、1個以上の原子が、選択される原子質量又は質量数を有する原子によって置換されたものを除いて、本明細書に付与する式によって描かれる構造を有する。本発明の化合物に組み込むことのできる同位体としては、例えば、水素の同位体が挙げられる。
本明細書で使用するとき、「ポリペプチド」及び「ペプチド」という用語は、合わせて連結される2個以上のアミノ酸を指すために互換的に使用される。以下の表Aで示される稀な又は非天然のアミノ酸に対する略語及び以下の表Bで示される保護されたアミノ酸の略語を除いて、本開示のペプチド及びポリペプチドを構成するアミノ酸残基を表すために、当技術分野で認められている3文字又は1文字の略語が使用される。「D」が先行する場合、アミノ酸は、D-アミノ酸である。「L」が先行する場合、アミノ酸は、L-アミノ酸である。1文字略語が大文字である場合、それはL-アミノ酸を指す。1文字略語が小文字である場合、それはD-アミノ酸を指す。アミノ酸略語の群又は列は、ペプチドを示すために使用される。ペプチドは、N末端が左になるように示され、配列は、N末端からC末端に書かれる。
本明細書に記載される環状ペプチドは、代替的に利用され得る、当技術分野で知られるとおりの非天然アミノ酸(すなわち天然に存在しない化合物)及び他のアミノ酸類似体を含有する。
当業者は、様々なアミノ酸置換、例えば保存的アミノ酸置換が、必ずしもその活性を低下させず、本明細書に記載される環状ポリペプチドのいずれかの順番でなされ得ることを認めるであろう。本明細書で使用するとき、「その置換基として一般的に使用されるアミノ酸」は、保存的置換(すなわち同等の化学的特徴のアミノ酸での置換)を含む。保存的置換のために、非極性(疎水性)アミノ酸としては、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、グリシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン及びメチオニンが挙げられる。極性(親水性)、中性アミノ酸としては、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン及びグルタミンが挙げられる。正荷電(塩基性)アミノ酸としては、アルギニン、リジン及びヒスチジンが挙げられる。負荷電(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン酸及びグルタミン酸が挙げられる。アミノ酸置換の例としては、L-アミノ酸をその対応するD-アミノ酸へと置換すること、システインをホモシステイン又はチオール含有側鎖を有する他の非天然アミノ酸へと置換すること、リジンをホモリジン、ジアミノ酪酸、ジアミノプロピオン酸、オルニチン又はアミノ含有側鎖を有する他の非天然アミノ酸へと置換すること又はアラニンをノルバリンへと置換することなどが挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「アミノ酸」は、天然に存在するアミノ酸、非天然アミノ酸、アミノ酸類似体及び天然に存在するアミノ酸と同様の様式で機能するアミノ酸模倣物を指し、その構造がそのような立体異性体を許容する場合、全てはそのD及びL立体異性体である。アミノ酸は、本明細書中では、それらの名称、それらの一般的に知られる3文字の略号のいずれかにより、表A若しくは表Bに列挙されるコード又はIUPAC-IUB生化学命名法委員会により推奨される1文字の略号によって参照される。
用語「天然に存在する」は、天然で見出され、人為的に操作されない物質を指す。同様に、「天然に存在しない」、「非天然」などは、本明細書で使用するとき、天然で見出されないか又は人為的に構造修飾又は合成された物質を指す。アミノ酸に関連して使用するとき、用語「天然に存在する」は、20種類の従来のアミノ酸(すなわちアラニン(A又はAla)、システイン(C又はCys)、アスパラギン酸(D又はAsp)、グルタミン酸(E又はGlu)、フェニルアラニン(F又はPhe)、グリシン(G又はGly)、ヒスチジン(H又はHis)、イソロイシン(I又はIle)、リジン(K又はLys)、ロイシン(L又はLeu)、メチオニン(M又はMet)、アスパラギン(N又はAsn)、プロリン(P又はPro)、グルタミン(Q又はGln)、アルギニン(R又はArg)、セリン(S又はSer)、スレオニン(T又はThr)、バリン(V又はVal)、トリプトファン(W又はTrp)及びチロシン(Y又はTyr))を指す。
本明細書で使用するとき、用語「非天然アミノ酸」及び「非天然のアミノ酸」は互換的に、同じであれ、異なるものであれ、任意の生物からの非改変又は改変遺伝子を使用して任意の生物でも生合成で生成され得ないアミノ酸構造を表すものとする。これらには、20種類の天然アミノ酸の1つではない修飾アミノ酸及び/又はアミノ酸類似体、セレノシステイン、ピロリジン(Pyl)又はピロリン-カルボキシ-リジン(例えば、国際公開第2010/48582号パンフレットに記載されるとおりのPcl)が含まれるが限定されない。
修飾されたコードアミノ酸としては、ヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタミン酸、O-ホスホセリン、アゼチジンカルボン酸、2-アミノアジピン酸、3-アミノアジピン酸、ベータ-アラニン、アミノプロピオン酸、2-アミノブタン酸、4-アミノブタン酸、6-アミノカプロン酸、2-アミノヘプタン酸、2-アミノイソブタン酸、3-アミノイソブタン酸、2-アミノピメリン酸、三級-ブチルグリシン、2,4-ジアミノイソブタン酸、デスモシン、2,2’-ジアミノピメリン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、N-エチルグリシン、N-メチルグリシン、N-エチルアスパラギン、ホモプロリン、ヒドロキシリジン、アロ-ヒドロキシリジン、3-ヒドロキシプロリン、4-ヒドロキシプロリン、イソデスモシン、アロ-イソロイシン、N-メチルアラニン、N-メチルグリシン、N-メチルイソロイシン、N-メチルペンチルグリシン、N-メチルバリン、ナフトアラニン、ノルバリン、ノルロイシン、オルニチン、ペンチルグリシン、ピペコリン酸及びチオプロリンが挙げられるが、これらに限定されない。用語「アミノ酸」は、特定の生物における代謝産物であるが、タンパク質への組み込みのための遺伝子暗号によりコードされない天然に存在するアミノ酸も含む。このようなアミノ酸としては、オルニチン、D-オルニチン及びD-アルギニンが挙げられるが、これらに限定されない。
ペプチドは、本明細書中では、ペプチド結合により共有結合される2個以上のアミノ酸を含む有機化合物として定義される。ペプチドは、構成アミノ酸の数に関して参照され得、すなわち、ジペプチド又は二量体は、2個のアミノ酸残基を含有し、トリペプチド又は三量体は、3個を含有するなどである。10個以下のアミノ酸を含有するペプチドは、オリゴペプチドと称され得るが、10個を超えるアミノ酸残基を有するものは、ポリペプチドである。
本明細書で使用するとき、用語「ペプチド」は、ペプチド結合を介して合わせて連結される2個以上のアミノ酸を意味する。
Figure 2023513168000003
Figure 2023513168000004
本発明の二機能性化合物
本発明の二機能性化合物は、増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、神経伝達物質、カプシド、可溶性受容体、細胞外分泌タンパク質、抗体、リポタンパク質、エキソソーム、ウイルス、細胞又は細胞膜タンパク質などの細胞外標的(T)に結合する部分を含む化合物である。この標的分子リガンド(T)は、細胞表面受容体(R)に結合する部分に連結され、細胞表面受容体は、受容体媒介性エンドサイトーシスと関連する。本発明の二機能性化合物は、式(I):
-L-T (I)
(式中、
は、受容体媒介性エンドサイトーシスと関連する細胞表面受容体に結合する部分であり;
は、リンカーであり;及び
は、細胞外標的に結合する部分である)
の構造を有する。
本発明の二機能性化合物の特定の態様及び例は、本明細書で提供される列挙される実施形態において提供される。各実施形態で明記される特徴は、他の明記される特徴と組み合わされて、本発明のさらなる実施形態を提供し得ることが認識されるであろう。
A.標的結合部分(T
本発明の二機能性化合物の標的結合部分(T)は、増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、神経伝達物質、カプシド、可溶性受容体、細胞外分泌タンパク質、抗体、リポタンパク質、エキソソーム、ウイルス、細胞又は細胞膜タンパク質などの細胞外標的分子に結合する部分であり、本発明の二機能性化合物は、細胞外標的分子を分解のためにリソソームに誘導するために使用され得る。本発明の二機能性化合物を使用して分解のために誘導され得るそのような標的分子の例としては、LDL(ApoB)、Lp(a)、ApoCIII、ANGPTL3、ANGPTL4、ANGPTL8、因子11、GDF15、LPL、PCSK9、IL1β、IL17、補体因子B、補体因子D、MPO、IgE、IL7、IL12A、IL23、TNFA、CXCR4、MAPT、FHR3、TIMP1、アペリン、BMP6、BMP9/GDF2、CSF-1、EPO、IL5、MFGE8、TSLP、TSP、C5、CXCL10、FGF23、IGF1、IL10、IL13、IL2、IL6、VEGFA、NKG2D、ZNFR3、ADA2、suPAR、TGF-β1、IL4受容体、sトール受容体、ヒスタミン、タウ、プログラニュリン、アルファ-シヌクレイン、毒素、毒液、HBV可溶性抗原、ウイルス抗原、プリオンタンパク質、scFV、AAV及び抗AAV抗体が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、本発明の二機能性化合物を使用して分解のために誘導され得る細胞外標的分子は、PCSK9及びFHR3である。
実施形態1.が、PCSK9又はFHR3に結合する部分である、式(I)の二機能性化合物。
実施形態2.が、PCSK9に結合する部分である、式(I)の二機能性化合物。
実施形態3.式(Ia):
-L-PCSK9 (Ia)
(式中、
は、受容体媒介性エンドサイトーシスと関連する細胞表面受容体に結合する部分であり;
は、リンカーであり;及び
PCSK9は、PCSK9に結合する部分である)
の構造を有する、式(I)の二機能性化合物又は実施形態1~2のいずれか1つ。
実施形態4.標的結合部分(T)が、PCSK9に結合する式(A)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは立体異性体:
Figure 2023513168000005

(式中、
A1は、
Figure 2023513168000006

(式中、LA1の**は、リンカー(L)への結合点を示し、及びLA1の*は、LA1に結合される-C(=O)-基への結合点を示す)
から選択され;
(aa)は、L-プロリン残基及びD-プロリン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端は、-NH-基への結合点であり;
(aa)は、L-アルギニン残基、D-アルギニン残基、L-セリン残基、D-セリン残基、L-ヒスチジン残基、D-ヒスチジン残基、L-アラニン残基及びD-アラニン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端は、(aa)への結合点であり;
(aa)は、L-アスパラギン酸残基、D-アスパラギン酸残基、L-アスパラギン残基、D-アスパラギン残基、L-グルタミン酸残基、D-グルタミン酸残基、L-リジン残基、D-リジン残基、L-グルタミン残基、D-グルタミン残基、L-プロリン残基、D-プロリン残基、L-アラニン残基、D-アラニン残基、L-(N-Me)グルタミン酸残基及びD-(N-Me)グルタミン酸残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端は、(aa)への結合点であり;
(aa)は、L-(N-Me)アラニン残基、D-(N-Me)アラニン残基、L-(N-Me)グルタミン酸残基及びD-(N-Me)グルタミン酸残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端は、(aa)への結合点であり;
(aa)は、L-(4-フェニル-フェニルアラニン)(Bip)残基、D-(4-フェニル-フェニルアラニン)(Bip)残基、L-(4-トリフルオロメチル-フェニルアラニン)残基、D-(4-トリフルオロメチル-フェニルアラニン)残基、L-(3,4-ジクロロ-フェニルアラニン)残基、D-(3,4-ジクロロ-フェニルアラニン)残基、L-(3-フルオロ-フェニルアラニン)残基、D-(3-フルオロ-フェニルアラニン)残基、L-(4-クロロ-フェニルアラニン)残基及びD-(4-クロロ-フェニルアラニン)残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端は、(aa)への結合点であり;
(aa)は、L-(N-Me)アラニン残基、D-(N-Me)アラニン残基、L-(N-Me)フェニルアラニン残基及びD-(N-Me)フェニルアラニン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端は、(aa)への結合点であり;
(aa)は、L-(4-フェニル-フェニルアラニン)(Bip)残基、D-(4-フェニル-フェニルアラニン)(Bip)残基、L-セリン残基、D-セリン残基、L-チロシン残基、D-チロシン残基、L-(4-トリフルオロメチル-フェニルアラニン)残基、D-(4-トリフルオロメチル-フェニルアラニン)残基、L-アラニン残基、D-アラニン残基、L-フェニルアラニン残基、D-フェニルアラニン残基、L-バリン残基及びD-バリン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端は、(aa)への結合点であり;
(aa)は、L-スレオニン残基及びD-スレオニン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端は、(aa)への結合点であり;
(aa)10は、L-スレオニン残基、D-スレオニン残基、L-セリン残基及びD-セリン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)10のC末端は、(aa)への結合点であり;
(aa)11は、L-セリン残基、D-セリン残基、L-アスパラギン酸残基、D-アスパラギン酸残基、L-アスパラギン残基、D-アスパラギン残基、L-プロリン残基、D-プロリン残基、L-アラニン残基、D-アラニン残基、L-ホモセリン残基及びD-ホモセリン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)11のC末端は、(aa)10への結合点であり;
(aa)12は、L-バリン残基、D-バリン残基、L-グルタミン酸残基及びD-グルタミン酸残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)12のC末端は、(aa)11への結合点であり;及び
(aa)13は、L-フェニルアラニン残基及びD-フェニルアラニン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)13のC末端は、(aa)12への結合点である)
である、式(I)の二機能性化合物又は実施形態1~3のいずれか1つ。
実施形態5.実施形態4の二機能性化合物であって、式中、
(aa)が、L-プロリン残基及びD-プロリン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端が、-NH-基への結合点である、二機能性化合物。
実施形態6.実施形態4又は実施形態5の二機能性化合物であって、式中、
(aa)が、L-プロリン残基であり、(aa)のC末端が、式(A)に示される-NH-基への結合点である、二機能性化合物。
実施形態7.実施形態4~6のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)が、L-アルギニン残基、D-アルギニン残基、L-セリン残基、D-セリン残基、L-ヒスチジン残基、D-ヒスチジン残基、L-アラニン残基及びD-アラニン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端が、(aa)への結合点である、二機能性化合物。
実施形態8.実施形態4~7のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)が、L-アルギニン残基、L-セリン残基、L-ヒスチジンリン残基及びL-アラニン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端が、(aa)への結合点である、二機能性化合物。
実施形態9.実施形態4~8のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)が、L-アラニン残基であり、(aa)のC末端が、(aa)への結合点である、二機能性化合物。
実施形態10.実施形態4~9のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)が、L-アスパラギン酸残基、D-アスパラギン酸残基、L-アスパラギン残基、D-アスパラギン残基、L-グルタミン酸残基、D-グルタミン酸残基、L-リジン残基、D-リジン残基、L-グルタミン残基、D-グルタミン残基、L-プロリン残基、D-プロリン残基、L-アラニン残基、D-アラニン残基、L-(N-Me)グルタミン酸残基及びD-(N-Me)グルタミン酸残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端が、(aa)への結合点である、二機能性化合物。
実施形態11.実施形態4~10のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)が、L-アスパラギン酸残基、L-アスパラギン残基、L-グルタミン酸残基、L-リジン残基、L-グルタミン残基、L-プロリン残基、L-アラニン残基及びL-(N-Me)グルタミン酸残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端が、(aa)への結合点である、二機能性化合物。
実施形態12.実施形態4~11のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)が、L-グルタミン酸残基であり、(aa)のC末端が、(aa)への結合点である、二機能性化合物。
実施形態13.実施形態4~12のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)が、L-(N-Me)アラニン残基、D-(N-Me)アラニン残基、L-(N-Me)グルタミン酸残基及びD-(N-Me)グルタミン酸残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端が、(aa)への結合点である、二機能性化合物。
実施形態14.実施形態4~13のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)が、L-(N-Me)アラニン残基及びL-(N-Me)グルタミン酸残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端が、(aa)への結合点である、二機能性化合物。
実施形態15.実施形態4~14のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)が、L-(N-Me)アラニン残基であり、(aa)のC末端が、(aa)への結合点である、二機能性化合物。
実施形態16.実施形態4~15のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)が、L-(4-フェニル-フェニルアラニン)(Bip)残基、D-(4-フェニル-フェニルアラニン)(Bip)残基、L-(4-トリフルオロメチル-フェニルアラニン)残基、D-(4-トリフルオロメチル-フェニルアラニン)残基、L-(3,4-ジクロロ-フェニルアラニン)残基、D-(3,4-ジクロロ-フェニルアラニン)残基、L-(3-フルオロ-フェニルアラニン)残基、D-(3-フルオロ-フェニルアラニン)残基、L-(4-クロロ-フェニルアラニン)残基及びD-(4-クロロ-フェニルアラニン)残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端が、(aa)への結合点である、二機能性化合物。
実施形態17.実施形態4~16のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)が、L-(4-フェニル-フェニルアラニン)(Bip)残基、L-(4-トリフルオロメチル-フェニルアラニン)残基、L-(3,4-ジクロロ-フェニルアラニン)残基、L-(3-フルオロ-フェニルアラニン)残基及びL-(4-クロロ-フェニルアラニン)残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端が、(aa)への結合点である、二機能性化合物。
実施形態18.実施形態4~17のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)が、L-(4-フェニル-フェニルアラニン)(Bip)残基であり、(aa)のC末端が、(aa)への結合点である、二機能性化合物。
実施形態19.実施形態4~18のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)が、L-(N-Me)アラニン残基、D-(N-Me)アラニン残基、L-(N-Me)フェニルアラニン残基及びD-(N-Me)フェニルアラニン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端が、(aa)への結合点である、二機能性化合物。
実施形態20.実施形態4~19のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)が、L-(N-Me)アラニン残基及びL-(N-Me)フェニルアラニン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端が、(aa)への結合点である、二機能性化合物。
実施形態21.実施形態4~20のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)が、L-(N-Me)アラニン残基であり、(aa)のC末端が、(aa)への結合点である、二機能性化合物。
実施形態22.実施形態4~21のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)が、L-(4-フェニル-フェニルアラニン)(Bip)残基、D-(4-フェニル-フェニルアラニン)(Bip)残基、L-セリン残基、D-セリン残基、L-チロシン残基、D-チロシン残基、L-(4-トリフルオロメチル-フェニルアラニン)残基、D-(4-トリフルオロメチル-フェニルアラニン)残基、L-アラニン残基、D-アラニン残基、L-フェニルアラニン残基、D-フェニルアラニン残基、L-バリン残基及びD-バリン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端が、(aa)への結合点である、二機能性化合物。
実施形態23.実施形態4~22のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)が、L-(4-フェニル-フェニルアラニン)(Bip)残基、L-セリン残基、L-チロシン残基、L-(4-トリフルオロメチル-フェニルアラニン)残基、L-アラニン残基、L-フェニルアラニン残基及びL-バリン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端が、(aa)への結合点である、二機能性化合物。
実施形態24.実施形態4~23のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)が、L-(4-フェニル-フェニルアラニン)(Bip)残基であり、(aa)のC末端が、(aa)への結合点である、二機能性化合物。
実施形態25.実施形態4~24のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)が、L-スレオニン残基及びD-スレオニン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端が、(aa)への結合点である、二機能性化合物。
実施形態26.実施形態4~25のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)が、L-スレオニン残基であり、(aa)のC末端が、(aa)への結合点である、二機能性化合物。
実施形態27.実施形態4~26のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)10が、L-スレオニン残基、D-スレオニン残基、L-セリン残基及びD-セリン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)10のC末端が、(aa)への結合点である、二機能性化合物。
実施形態28.実施形態4~27のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)10が、L-スレオニン残基であり、(aa)10のC末端が、(aa)への結合点である、二機能性化合物。
実施形態29.実施形態4~28のいずれか1つの実施形態の二機能性化合物であって、式中、
(aa)11が、L-セリン残基、D-セリン残基、L-アスパラギン酸残基、D-アスパラギン酸残基、L-アスパラギン残基、D-アスパラギン残基、L-プロリン残基、D-プロリン残基、L-アラニン残基、D-アラニン残基、L-ホモセリン残基及びD-ホモセリン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)11のC末端が、(aa)10への結合点である、二機能性化合物。
実施形態30.実施形態4~29のいずれか1つの実施形態の二機能性化合物であって、式中、
(aa)11が、L-セリン残基、L-アスパラギン酸残基、L-アスパラギン残基、L-プロリン残基、L-アラニン残基及びL-ホモセリン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)11のC末端が、(aa)10への結合点である、二機能性化合物。
実施形態31.実施形態4~30のいずれか1つの実施形態の二機能性化合物であって、式中、
(aa)11が、L-プロリン残基であり、(aa)11のC末端が、(aa)10への結合点である、二機能性化合物。
実施形態32.実施形態4~31のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)12が、L-バリン残基、D-バリン残基、L-グルタミン酸残基及びD-グルタミン酸残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)12のC末端が、(aa)11への結合点である、二機能性化合物。
実施形態33.実施形態4~32のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)12が、L-バリン残基及びL-グルタミン酸残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)12のC末端が、(aa)11への結合点である、二機能性化合物。
実施形態34.実施形態4~33のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)12が、L-バリン残基であり、(aa)12のC末端が、(aa)11への結合点である、二機能性化合物。
実施形態35.実施形態4~34のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)13が、L-フェニルアラニン残基及びD-フェニルアラニン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)13のC末端が、(aa)12への結合点である、二機能性化合物。
実施形態36.実施形態4~35のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
(aa)13が、L-フェニルアラニン残基であり、(aa)13のC末端が、(aa)12への結合点である、二機能性化合物。
実施形態37.実施形態4の二機能性化合物であって、式中、Tが、以下から選択される、式(A)の化合物又は薬学的に許容される塩若しくは立体異性体である、二機能性化合物。
Figure 2023513168000007
Figure 2023513168000008
Figure 2023513168000009
Figure 2023513168000010
Figure 2023513168000011
Figure 2023513168000012
Figure 2023513168000013
Figure 2023513168000014
Figure 2023513168000015
Figure 2023513168000016
Figure 2023513168000017
Figure 2023513168000018
Figure 2023513168000019
Figure 2023513168000020
Figure 2023513168000021
Figure 2023513168000022
Figure 2023513168000023
Figure 2023513168000024
式中、
Acは、アセチルであり、「*」で標識されたアセチル及び「*」で標識された(L-Cys)は、それらの側鎖又は末端を介して形成されるスルフィド結合を介して連結され、及び
A1は、本明細書で定義されるとおりであり、LA1の**は、リンカー(L)への結合点を示す。
実施形態38.実施形態4~37のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、LA1が、
Figure 2023513168000025

(式中、LA1の**は、リンカー(L)への結合点を示し、及びLA1の*は、-C(=O)-基への結合点を示す)
である、二機能性化合物。
実施形態39.実施形態4~38のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、LA1が、
Figure 2023513168000026

(式中、LA1の**は、リンカー(L)への結合点を示し、及びLA1の*は、-C(=O)-基への結合点を示す)
である、二機能性化合物。
実施形態40.実施形態4~38のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、LA1が、
Figure 2023513168000027

(式中、LA1の**は、リンカー(L)への結合点を示し、及びLA1の*は、-C(=O)-基への結合点を示す)
である、二機能性化合物。
実施形態41.実施形態4~38のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、Tが、以下:
Figure 2023513168000028

から選択される式(A)の化合物又は薬学的に許容される塩若しくは立体異性体である、二機能性化合物。
実施形態42.実施形態4~38のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、Tが、
Figure 2023513168000029

である、二機能性化合物。
実施形態43.式(I)の二機能性化合物又は実施形態1~3のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、Tが、PCSK9に結合する式(B)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは立体異性体:
Figure 2023513168000030

(式中、
B1は、C又はNであり;
B1は、H、(C~C)アルキル又は(C~C)ハロアルキルであるか;又は
B1及びRB11は、それらが結合される原子と合わせて、=(O)、(C~C)アルキル及び(C~C)ハロアルキルからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換されている、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員ヘテロシクリル環を形成し;
B2は、(C~C)アルコキシ、(C~C)アルキル、-LB1-、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ヒドロキシアルキル、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルであり、アルキルは、任意選択により、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルコキシ、-C(=O)(C~C)アルキル、-C(=O)OH、-C(=O)O(C~C)アルキル、-OC(=O)(C~C)アルキル、-C(=O)NRB17B18、-NRB17C(=O)RB18、(C~C10)アリール並びにN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含む5又は6員ヘテロアリールからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
B3は、H、(C~C)アルキル又は(C~C)ハロアルキルであり;
B4は、H、(C~C)アルキル又は(C~C)ハロアルキルであり;
B5は、H、(C~C)アルキル又は(C~C)ハロアルキルであり;
B6は、H、(C~C)アルキル、-LB1-、(C~C)ハロアルキル又は(C~C)ヒドロキシアルキルであり、アルキルは、任意選択により、(C~C)アルコキシ、-C(=O)OH、-C(=O)O(C~C)アルキル、-NRB17B18、-C(=O)NRB17B18、-NRB17C(=O)RB18、(C~C)シクロアルキル並びにN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
B6’は、H、(C~C)アルキル、-LB1-、(C~C)ハロアルキル又は(C~C)ヒドロキシアルキルであり、アルキルは、任意選択により、(C~C)アルコキシ、-C(=O)OH、-C(=O)O(C~C)アルキル、-NRB17B18、-C(=O)NRB17B18、-NRB17C(=O)RB18、(C~C)シクロアルキル並びにN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
B7は、H、(C~C)アルキル、-LB1-、(C~C)ハロアルキル又は(C~C)ヒドロキシアルキルであり、アルキルは、任意選択により、(C~C)アルコキシ、-C(=O)OH、-C(=O)O(C~C)アルキル、-NRB17B18、-C(=O)NRB17B18、-NRB17C(=O)RB18、(C~C)シクロアルキル並びにN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
B7’は、H、(C~C)アルキル、-LB1-、(C~C)ハロアルキル又は(C~C)ヒドロキシアルキルであり、アルキルは、任意選択により、(C~C)アルコキシ、-C(=O)OH、-C(=O)O(C~C)アルキル、-NRB17B18、-C(=O)NRB17B18、-NRB17C(=O)RB18、(C~C)シクロアルキル並びにN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換されるか;又は
B6及びRB7は、それらが結合される炭素原子と合わせて、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリル環を形成するか;又は
B7及びRB7’は、それらが結合される炭素原子と合わせて、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリル環を形成するか;又は
B7及びRB9は、それらが結合される原子と合わせて、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル及び=(O)から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換されている、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員ヘテロシクリル環を形成し;
B8は、H又は(C~C)アルキルであり;
B9は、H、(C~C)アルキル、(C~C)アルケニル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルケニル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルコキシ、(C~C)ヒドロキシアルキル、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルであり、アルキルは、任意選択により、1つ以上のRB27で置換され;
B9’は、H、(C~C)アルキル、(C~C)アルケニル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルケニル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルコキシ、(C~C)ヒドロキシアルキル、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルであり、アルキルは、任意選択により、1つ以上のRB27で置換されるか;又はRB9’は、XB1がNであるときに存在しないか;又は
B9及びRB9’は、それらが結合される炭素原子と合わせて、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリル環を形成するか;又は
B7及びRB9は、それらが結合される原子と合わせて、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル及び=(O)から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換されている、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員ヘテロシクリル環を形成し;
B10は、(C~C10)アリール、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員ヘテロアリール、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルであり、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、-ORB13又は-NRB23B13で置換され、且つ任意選択により1つ以上のRB14で置換され;
B11は、-LB1-、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル又は(C~C)ヒドロキシアルキルであり、アルキルは、任意選択により、1つ以上のRB15で置換されるか;又は
B1及びRB11は、それらが結合される原子と合わせて、=(O)、(C~C)アルキル及び(C~C)ハロアルキルからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換されている、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員ヘテロシクリル環を形成し;
B12は、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-OH又はCNであり;
B13は、(C~C10)アリール又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員ヘテロアリールであり、アリール及びヘテロアリールは、R16で置換され、且つ任意選択により1つ以上のRB16’で置換され;
各RB14は、独立して各存在で、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、オキソ、-OH又はCNであるか;又は
B10がシクロアルキル又はヘテロシクリルであるとき、2つのRB14は、合わせて、同じ炭素原子に結合されるとき、合わせて=(O)を形成し;
各RB15は、独立して各存在で、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルコキシ、-C(=O)RB19、-S(O)(C~C)アルキル、-C(=O)OH、-C(=O)O(C~C)アルキル、-OC(=O)(C~C)アルキル、-NRB17B18、-C(=O)NRB17B18、-NRB17C(=O)RB20、-NRB17C(=O)ORB18、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルであり、シクロアルキル及びヘテロシクリルは、任意選択により、1つ以上のRB21で置換され;
B16は、-C(=O)NRB31B32、(C~C10)アリール又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員ヘテロアリールであり、アリール及びヘテロアリールは、任意選択により、1つ以上のRB26で置換され;
各RB16’は、独立して各存在で、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-OH又はCNであるか;又は
B16及びRB16’は、それらが結合される原子と合わせて、=(O)及びRB34から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換された5~7員ヘテロシクリル環を形成し;
B17は、H又は(C~C)アルコキシ及び-C(=O)O(C~C)アルキルからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換された(C~C)アルキルであり;
B18は、H又は(C~C)アルコキシ及び-C(=O)O(C~C)アルキルからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換された(C~C)アルキルであり;
B19は、(C~C)シクロアルキル又は1つ以上のRB22で任意選択により置換されている、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルであり;
B20は、-(CHCHO)CHCHONH、-(CHCHO)CHCHONH(C~C)アルキル又は1つ以上の-NRB23C(=O)RB24で任意選択により置換された(C~C)アルキルであり;
各RB21は、独立して各存在で、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、ハロゲン、=(O)又は-OHであり;
各RB22は、独立して各存在で、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、ハロゲン又は-OHであるか;又は
2つのR22は、同じ原子上にあるとき、それらが結合される原子と合わせて、(C~C)スピロシクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員スピロヘテロシクリル環を形成し;
B23は、H又は(C~C)アルキルであり;
B24は、H又は1つ以上のRB25で任意選択により置換された(C~C)アルキルであり;
各RB25は、独立して各存在で、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含む4~10員単環式若しくは二環式ヘテロシクリルであり、シクロアルキル又はヘテロシクリルは、任意選択により、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル及び=(O)から独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
各RB26は、独立して各存在で、1つ以上のRB29で任意選択により置換された(C~C)アルキル、(C~C)アルケニル、(C~C)アルキニル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、(C~C)ヒドロキシアルキル、-NRB31B32、-C(=O)NRB31B32、-C(=O)O(C~C)アルキル、(C~C)シクロアルキル、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリル、(C~C10)アリール又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員ヘテロアリールであり、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、任意選択により、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、-NH、-N(H)(C~C)アルキル、-N((C~C)アルキル)、-N(H)(C~C)ハロアルキル、-N((C~C)ハロアルキル)、ハロゲン及び-OHからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換されるか;又は
2つのRB26は、隣接する原子上にあるとき、それらが結合される原子と合わせて、(C~C)シクロアルキル又は1つ以上のRB33で任意選択により置換されている、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリル環を形成し;
各RB27は、独立して各存在で、CN、(C~C10)アリール、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員ヘテロアリール、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルであり、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルは、任意選択により、1つ以上のRB28で置換され;
各RB28は、独立して各存在で、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルコキシ、(C~C)ヒドロキシアルキル、ハロゲン、オキソ又はCNであるか;又は
B27がシクロアルキル又はヘテロシクリルであるとき、2つのRB28は、それらが結合される原子と合わせて、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリル環を形成するか;又は
B27がシクロアルキル又はヘテロシクリルであるとき、2つのRB28は、合わせて、同じ炭素原子に結合されるとき、合わせて=(O)を形成し;
各RB29は、独立して各存在で、-NRB31B32又は1つ以上のRB30で任意選択により置換されている、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルであり;
各RB30は、独立して各存在で、-OH、ハロゲン、(C~C)アルキル又は(C~C)ハロアルキルであるか;又は
2つのRB30は、同じ原子上にあるとき、それらが結合される原子と合わせて、(C~C)スピロシクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員スピロヘテロシクリル環を形成し;
各RB31は、独立して、H、(C~C)アルキル、(C~C)ヒドロキシアルキル、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルから選択され、アルキルは、任意選択により、1つ以上のDで置換され、且つシクロアルキル及びヘテロシクリルは、任意選択により、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、ハロゲン及び-OHからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
各RB32は、独立して、H、(C~C)アルキル、(C~C)ヒドロキシアルキル、(C~C)シクロアルキル並びにN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルから選択され、アルキルは、任意選択により、1つ以上のDで置換され、且つシクロアルキル及びヘテロシクリルは、任意選択により、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、ハロゲン及び-OHからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
各RB33は、独立して各存在で、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル又は-C(=O)Rであり、Rは、(C~C)ハロアルキル、(C~C)シクロアルキル、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリル又は1つ以上の(C~C)アルコキシで任意選択により置換された(C~C)アルキルであるか;又は
2つのRB33は、同じ原子上にあるとき、それらが結合される原子と合わせて、(C~C)スピロシクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員スピロヘテロシクリル環を形成し;
各RB34は、独立して各存在で、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含む4~10員単環式若しくは二環式ヘテロシクリルであり、シクロアルキル及びヘテロシクリルは、任意選択により、(C~C)シクロアルキル並びにN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含む4~10員単環式又は二環式ヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換された(C~C)アルキルで置換され;
B1は、-(CHNH-*であり、LB1の*は、リンカー(L)への結合点を示し、RB11、RB2、RB6又はRB7の少なくとも1つは、-LB1-であり;
mは、1~13から選択される整数であり;
nは、1、2、3又は4であり;
qは、0、1又は2であり、及び
pは、1、2、3、4、5又は6である)
である、二機能性化合物。
実施形態44.実施形態43の二機能性化合物であって、式中、
B1が、Cであり;
B1が、Hであり;
B2が、-C(=O)OHで置換されている、(C~C)アルコキシ、-LB1-又は(C~C)アルキルであり;
B3が、H又は(C~C)アルキルであり;
B4が、H又は(C~C)アルキルであり;
B5が、H又は(C~C)アルキルであり;
B6が、H、(C~C)アルキル又は-LB1-であり;
B6’が、Hであり;
B7が、H、(C~C)アルキル又は-LB1-であり;
B7’が、Hであるか;又は
B6及びRB7が、それらが結合される炭素原子と合わせて、(C~C)シクロアルキルを形成し;
B8が、H又は(C~C)アルキルであり;
B9が、H又は1つ以上のRB27で任意選択により置換された(C~C)アルキルであり;
B9’が、H又は(C~C)アルキルであり;
B10が、-ORB13で置換され、且つ1つ以上のRB14で任意選択により置換された(C~C10)アリールであり;
B11が、-LB1-又は(C~C)アルキルであり;
B12が、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-OH又はCNであり;
B13が、R16で置換され、且つ1つ以上のRB16で任意選択により置換された(C~C10)アリールであり;
各RB14が、独立して各存在で、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、オキソ、-OH又はCNであり;
B16が、1つ以上のRB26で任意選択により置換されている、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員ヘテロアリールであり;
各RB16’が、独立して各存在で、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-OH又はCNであり;
各RB26が、独立して各存在で、1つ以上のRB29で任意選択により置換された(C~C)アルキルであり;
各RB27が、独立して各存在で、(C~C10)アリールであり;
各RB29が、-NRB31B32又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルであり;
各RB31が、独立して、H及び(C~C)アルキルから選択され;
各RB32が、独立して、H及び(C~C)アルキルから選択され;
B1が、-(CHNH-*であり、LB1の*が、リンカー(L)への結合点を示し、RB11、RB6又はRB7の少なくとも1つが、-LB1-であり;
nが、1であり;及び
Pが、1、2、3、4、5又は6である、二機能性化合物。
実施形態45.式(B)の化合物が、式(B-1):
Figure 2023513168000031

又はその薬学的に許容される塩若しくは立体異性体の構造を有する、実施形態43の二機能性化合物。
実施形態46.実施形態43~45のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
B1が、Hであり;
B2が、-C(=O)OHで置換されている、(C~C)アルコキシ、-LB1-又は(C~C)アルキルであり;
B3が、H又は(C~C)アルキルであり;
B6が、H、(C~C)アルキル又は-LB1-であり;
B7が、H、(C~C)アルキル又は-LB1-であるか;又は
B6及びRB7は、それらが結合される炭素原子と合わせて、(C~C)シクロアルキルを形成し;
B9が、H又は1つ以上のRB27で任意選択により置換された(C~C)アルキルであり;
B9’が、H又は(C~C)アルキルであり;
B10が、-ORB13で置換され、且つ1つ以上のRB14で任意選択により置換された(C~C10)アリールであり;
B11が、-LB1-又は(C~C)アルキルであり;
B12が、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-OH又はCNであり;
B13が、R16で置換された(C~C10)アリールであり;
各RB14が、独立して各存在で、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、オキソ、-OH又はCNであり;
B16が、1つ以上のRB26で任意選択により置換されている、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員ヘテロアリールであり;
各RB26が、独立して各存在で、1つ以上のRB29で任意選択により置換された(C~C)アルキルであり;
各RB27が、独立して各存在で、(C~C10)アリールであり;
各RB29が、-NRB31B32又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルであり;
各RB31が、独立して、H及び(C~C)アルキルから選択され;
各RB32が、独立して、H及び(C~C)アルキルから選択され;
B1が、-(CHNH-*であり、LB1の*が、リンカー(L)への結合点を示し、RB11、RB6又はRB7の少なくとも1つが、-LB1-であり;
nが、1であり;及び
Pが、1、2、3、4、5又は6である、二機能性化合物。
実施形態47.が、
Figure 2023513168000032

又はその薬学的に許容される塩若しくは立体異性体(式中、
B1は、-(CHNH-*であり、LB1の*は、リンカー(L)への結合点を示す)
から選択される、実施形態43の二機能性化合物。
実施形態48.実施形態43~47のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、Tが、
Figure 2023513168000033

又はその薬学的に許容される塩若しくは立体異性体から選択される、式(B)の化合物又は薬学的に許容される塩若しくは立体異性体である、二機能性化合物。
実施形態49.実施形態43~48のいずれか1つの二機能性化合物であって、Tが、
Figure 2023513168000034

又はその薬学的に許容される塩若しくは立体異性体である、二機能性化合物。
実施形態50.式(I)の二機能性化合物又は実施形態1~3のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、Tが、PCSK9に結合する式(C)の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは立体異性体:
Figure 2023513168000035

(式中、
C1は、H又は(C~C)アルキルであり;
C2は、H又は(C~C)アルキルであるか;又は
C1及びXC2は、それらが結合される炭素原子と合わせて、=(O)を形成し;
C1及びXC2が、それぞれ独立して、H又は(C~C)アルキルであるとき、XC3は、-CH-であるか、又はXC1及びXC2は、それらが結合される炭素原子と合わせて、=(O)を形成するか;又は
C1及びXC2が、それらが結合される炭素原子と合わせて、=(O)を形成するとき、XC3は、-O-、-NH-又は-N(C~C)アルキル-であり;
C1は、(C~C10)アリール又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員ヘテロアリールであり、アリール及びヘテロアリールは、-ORC10又は-NRC21C10で置換され、且つ1つ以上のRC11で任意選択により置換され;
C2は、H、(C~C)アルキル、-LC1-、(C~C)アルケニル、(C~C)ハロアルキル、-NRC12C13、(C~C)カルボシクリル、(C~C)シクロアルケニル、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員ヘテロシクリル、(C~C10)アリール又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員ヘテロアリールであり、アルキルは、任意選択により、1つ以上のRC18で置換され、且つカルボシクリル、(C~C)シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、任意選択により、1つ以上のRC19で置換され;
C3は、H、D、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ又は(C~C)ヒドロキシアルキルであり、アルキルは、任意選択により、1つ以上のRC14で置換され;
C4は、H又は(C~C)アルキルであるか;又は
C3及びRC4は、それらが結合される原子と合わせて、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員ヘテロシクリル環を形成し;
C5は、H、D、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ又は(C~C)ヒドロキシアルキルであり、(C~C)アルキルは、任意選択により、1つ以上のDで置換され;
C6は、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、-LC1-、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ又は(C~C)ヒドロキシアルキルであり、アルキルは、任意選択により、-OH、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルコキシ、-C(O)(C~C)アルキル、-C(O)OH及び-C(O)O(C~C)アルキルからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
C7は、H、D、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ又は(C~C)ヒドロキシアルキルであり、(C~C)アルキルは、任意選択により、1つ以上のDで置換され;
C8は、H、(C~C)アルキル、-LC1-又は(C~C)ハロアルキルであり、アルキルは、任意選択により、(C~C)カルボシクリル、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリル、-C(O)OH、-NRC16C17及び-C(O)NRC16C17からそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
C9は、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-OH又はCNであり;
C10は、(C~C10)アリール又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員ヘテロアリールであり、アリール及びヘテロアリールは、任意選択により、1つ以上のRC22で置換され;
各RC11は、独立して各存在で、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-OH又はCNであり;
C12及びRC13は、それぞれ独立して、H又は(C~C)アルキルであり;
各RC14は、独立して各存在で、D、NRC15C15’、(C~C)カルボシクリル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む3~7員ヘテロシクリルであり、カルボシクリル及びヘテロシクリルは、任意選択により、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル及び(C~C)ハロアルコキシからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
C15及びRC15’は、それぞれ独立して、H又は(C~C)アルキルであり;
C16及びRC17は、それぞれ独立して、H又は(C~C)アルキルであるか;又は
C16及びRC17は、それらが結合される窒素原子と合わせて、N、O及びSから選択される1~2個の追加のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリル環を形成し;
各RC18は、独立して各存在で、(C~C)カルボシクリル、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員ヘテロシクリル、(C~C10)アリール又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員ヘテロアリールであり、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、任意選択により、1つ以上のRC20で置換され;
各RC19は、独立して各存在で、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-OH又はCNであるか;又は
2つのRC19は、隣接する原子上にあるとき、(C~C10)アリール又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員ヘテロアリール環を形成し、アリール及びヘテロアリールは、任意選択により、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-OH及びCNからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
各RC20は、独立して各存在で、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、オキソ、-OH又はCNであるか;又は
C18がカルボシクリル又はヘテロアリールであるとき、2つのRC20は、同じ炭素原子に結合されるとき、合わせて=(O)を形成し;
C21は、H又は(C~C)アルキルであり;
各RC22は、独立して各存在で、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-OH、CN、(C~C10)アリール又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員ヘテロアリールであり、アリール及びヘテロアリールは、任意選択により、1つ以上のRC23で置換され;
各RC23は、独立して各存在で、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-CH(OCHCHOCHCH、-OH、CN又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルであり、ヘテロシクリルは、任意選択により、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-OH、-C(O)RC24C25、-NRC24C(O)RC25、-NH、-NH(C~C)アルキル及び-N((C~C)アルキル)からそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換され、且つアルキルは、任意選択により、-NRC24C25又はハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-OH、-NH、-NH(C~C)アルキル及び-N((C~C)アルキル)からそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換されている、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルで置換され;
C24は、H、(C~C)アルキル又は(C~C)カルボシクリルであり;
C25は、H、(C~C)アルキル又は(C~C)カルボシクリルであり;及び
C1は、-(CHNH-*であり、LC1の*は、リンカー(L)への結合点を示し、RC2、RC6又はRC8の少なくとも1つは、-LC1-である)
である、二機能性化合物。
実施形態51.式(C)の化合物が、式(C-1):
Figure 2023513168000036

又はその薬学的に許容される塩若しくは立体異性体の構造を有する、実施形態50の二機能性化合物。
実施形態52.実施形態50又は実施形態51の二機能性化合物であって、式中、
C1及びXC2は、それらが結合される炭素原子と合わせて、=(O)を形成し;
C3が、-CH-であり;
C1が、-ORC10及び1つ以上のRC11で置換された(C~C10)アリールであり;
C2が、H、(C~C)アルキル、-LC1-又は(C~C)カルボシクリルであり、アルキルが、1つのRC18で置換され、且つカルボシクリルが、1つ以上のRC19で置換され;
C3が、H又は(C~C)アルキルであり;
C4が、H又は(C~C)アルキルであるか;又は
C3及びRC4は、それらが結合される原子と合わせて、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員ヘテロシクリル環を形成し;
C5が、H又は(C~C)アルキルであり;
C6が、(C~C)アルキル又は-LC1-であり、アルキルが、任意選択により、-OH又は(C~C)アルコキシからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
C7が、H又は(C~C)アルキルであり;
C8が、H、(C~C)アルキル又は-LC1-であり;
C9が、ハロゲンであり;
C10が、1つのRC22で置換された(C~C10)アリールであり;
各RC11が、独立して各存在で、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-OH又はCNであり;
C18が、(C~C10)アリールであり;
各RC19が、独立して各存在で、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-OH又はCNであり;
C22が、1つ以上のRC23で置換されている、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員ヘテロアリールであり;
各RC23が、独立して各存在で、-NRC24C25又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルで任意選択により置換された(C~C)アルキルであり;
C24が、H、(C~C)アルキルであり;
C25が、H、(C~C)アルキルであり、及び
C1が、-(CHNH-*であり、LC1の*が、リンカー(L)への結合点を示し、RC2、RC6又はRC8の少なくとも1つが、-LC1-である、二機能性化合物。
実施形態53.実施形態50~52のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、
C1が、-ORC10及び1つ以上のRC11で置換された(C~C10)アリールであり;
C2が、(C~C)アルキル、-LC1-又は(C~C)カルボシクリルであり、アルキルが、1つのRC18で置換され、且つカルボシクリルが、1つ以上のRC19で置換され;
C3が、(C~C)アルキルであり;
C4が、Hであるか;又は
C3及びRC4は、それらが結合される原子と合わせて、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員ヘテロシクリル環を形成し;
C5が、H又は(C~C)アルキルであり;
C6が、(C~C)アルキル又は-LC1-であり、アルキルが、任意選択により、-OH又は(C~C)アルコキシからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
C7が、Hであり;
C8が、(C~C)アルキル又は-LC1-であり;
C9が、ハロゲンであり;
C10が、1つのRC22で置換された(C~C10)アリールであり;
各RC11が、独立して各存在で、ハロゲンあり;
C18が、(C~C10)アリールであり;
各RC19が、独立して各存在で、(C~C)アルキルであり;
C22が、1つ以上のRC23で置換されている、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員ヘテロアリールであり;
各RC23が、独立して各存在で、-NRC24C25又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルで任意選択により置換された(C~C)アルキルであり;
C24が、(C~C)アルキルであり;
C25が、C~C)アルキルであり、及び
C1が、-(CHNH-*であり、LC1の*が、リンカー(L)への結合点を示し、RC2、RC6又はRC8の少なくとも1つが、-LC1-である、二機能性化合物。
実施形態54.が、
Figure 2023513168000037

から選択され、LC1が、-(CHNH-*であり、LC1の*が、リンカー(L)への結合点を示す、実施形態50の二機能性化合物。
実施形態55.実施形態50~54のいずれか1つの二機能性化合物であって、式中、Tが、
Figure 2023513168000038

又はその薬学的に許容される塩若しくは立体異性体から選択される、式(C)の化合物又は薬学的に許容される塩若しくは立体異性体である、二機能性化合物。
実施形態56.式(Ib):
-L-FHR3 (Ib)
(式中、
は、受容体媒介性エンドサイトーシスと関連する細胞表面受容体に結合する部分であり;
は、リンカーであり;及び
FHR3は、FHR3に結合する部分である)
の構造を有する、式(I)の二機能性化合物又は実施形態1~2のいずれか1つ。
実施形態57.部分がFHR3に結合し、且つ
Figure 2023513168000039

(式中、LD1は、-(CHNH-*であり、pは、1、2、3、4、5又は6であり、LD1の*は、リンカー(L)への結合点を示す)
から選択される化合物である、式(I)、式(Ib)の二機能性化合物又は実施形態1~2のいずれか1つ。
実施形態58.FHR3に結合する部分が、
Figure 2023513168000040

(式中、*は、リンカー(L)への結合点を示す)
から選択される化合物又は薬学的に許容される塩若しくは立体異性体である、実施形態56又は実施形態57の二機能性化合物。
B.受容体結合部分(R
受容体結合部分(R)は、細胞表面受容体に結合する部分であり、細胞表面受容体は、受容体に媒介されるエンドサイトーシスと関連する。そのような細胞表面受容体の例としては、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)、マンノース-6-リン酸受容体(M6PR)、インスリン様増殖因子2受容体、マンノース受容体系、クッパー細胞受容体、マクロファージガラクトースレクチン(MGL)、スカベンジャー受容体C型レクチン(SRCL)、EGF受容体、Fc受容体、リソソーム膜内在性タンパク質受容体(LIMP-2)、トランスフェリン受容体、ソーティリン及びデコイ受容体(CXCR7、DARC、D6及びCCX CKRなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)
アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)は、ガラクトース(Gal)又はN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)糖で末端をなす血漿糖タンパク質のレベルを調節する肝細胞の表面上で発現されるC型レクチンである。ASGPRは、ガラクトース(Gal)又はN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)糖で末端をなす糖タンパク質に結合し、主に肝細胞の側底膜上の被覆小窩中の受容体に媒介されるエンドサイトーシスを介して内部移行される。内部移行時に、リガンド-受容体複合体は、リソソーム内の区画に輸送される。カルシウム隔離及びその後のエンドソーム区画の酸性化は、リガンド-受容体複合体の解離を促進し、受容体は細胞膜に戻って再利用される一方で、積荷(リガンド)は分解のためにリソソームに分別される。
ガラクトース(Gal)又はN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)糖で末端をなす糖タンパク質のリソソームへの送達を効率的に補助する能力を有することから、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)は、本明細書で、細胞外標的分子(増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、神経伝達物質、カプシド、可溶性受容体、細胞外分泌タンパク質、抗体、リポタンパク質、エキソソーム、ウイルス、細胞及び細胞膜タンパク質など)の分解のために利用され、細胞外標的分子は、本発明の二機能性化合物の(T)基に結合され、二機能性化合物の受容体結合部分(R)は、1つ以上のガラクトース(Gal)基又は1つ以上のN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)基を含む。そのような受容体結合部分(R)基は、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)に結合し、それにより、細胞外標的分子は、リソソームに送達され、リソソーム分解を介して分解される。
実施形態59.受容体結合部分(R)が、
Figure 2023513168000041

Figure 2023513168000042

(式中、Rの*は、リンカー(L)への結合点を示す)
から選択される、式(I)の二機能性化合物又は実施形態1~58のいずれか1つ。
他の実施形態では、本発明の二機能性化合物の受容体結合部分(R)は、1つ以上のガラクトース(Gal)基又は1つ以上のN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)基を含み、1つ以上のガラクトース(Gal)基又は1つ以上のN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)基は、架橋ケタール部分を含む。
実施形態60.受容体結合部分(R)が、
Figure 2023513168000043

(式中、Rの*は、リンカー(L)への結合点を示す)
から選択される、式(I)の二機能性化合物又は実施形態1~58のいずれか1つ。
インスリン様増殖因子2受容体としても知られるマンノース-6-リン酸受容体(M6PR)
リソソームは、細胞において多くの異なる基質の分解に関与する特徴的な酸性pHを有する膜で区切られたオルガネラである。この異化プロセスは、オルガネラの内部に含有される60を超える可溶性酵素によって実行され、その多くは、グリコシダーゼ、プロテアーゼ、ホスファターゼ、スルファターゼ及びリパーゼとして知られる広い部類の加水分解酵素に属する。これらのリソソームヒドロラーゼは、粗面小胞体において最初に合成され、ゴルジ装置を通してトランスゴルジネットワークに特異的に輸送され、続いて輸送小胞によってリソソームに送達される。
リソソームヒドロラーゼが濃縮され、リソソームに送達されることを確実にするために、リソソームヒドロラーゼは、固有のマーカー:マンノース-6-リン酸(M6P)基でタグ付けされる。M6P基は、リソソームヒドロラーゼがシスゴルジネットワークを通して移動するとき、リソソームヒドロラーゼのN結合オリゴ糖に排他的に付加される。次に、M6P基は、トランスゴルジネットワーク中に存在する2つの独立した膜貫通M6P受容体(MPR):カチオン非依存性M6P受容体(インスリン様増殖因子2受容体(IGF2R)としても知られるCI-MPR)及び/又はカチオン依存性M6P受容体(CD-MPR)によって認識される。トランスゴルジネットワークにおいて、M6P受容体は、pH6.5~6.7でタグ付けされたリソソームヒドロラーゼ上のM6P基に結合し、続いてそれらの後期エンドソームへの送達のために輸送小胞中にヒドロラーゼをひとまとめにすることを助ける。カチオン非依存性M6P受容体(インスリン様増殖因子2受容体(IGF2R)としても知られるCI-MPR)は、細胞表面上にも存在し、それは、細胞を逃れたリソソーム酵素に結合し、それらを後期エンドソームに送達することができる。通常pH6であるエンドソーム内にあると、リソソームヒドロラーゼはMPRから解離し、エンドソームのリソソームへの成熟中にpHはpH5に低下し、ヒドロラーゼは、初期エンドソームから送達された形質膜陥入された物質を消化し始める。その後、MPRはエンドソームから細胞表面に再利用し、続いてゴルジ複合体に戻る。
M6Pタグ付けされたタンパク質のリソソームへの送達を効率的に補助する能力を有することから、MP6受容体は、本明細書で、細胞外標的分子(増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、神経伝達物質、カプシド、可溶性受容体、細胞外分泌タンパク質、抗体、リポタンパク質、エキソソーム、ウイルス、細胞及び細胞膜タンパク質など)の分解のために利用され、細胞外標的分子は、本発明の二機能性化合物の(T)基に結合され、二機能性化合物の受容体結合部分(R)は、M6P受容体のための1つ以上の高親和性リガンドを含む。そのような受容体結合部分(R)基は、M6P受容体に結合し、それにより、細胞外標的分子は、リソソームに送達され、リソソーム分解を介して分解される。
実施形態61.受容体結合部分(R)が、
Figure 2023513168000044

Figure 2023513168000045

(式中、Rの*は、リンカー(L)への結合点を示す)
から選択される、式(I)の二機能性化合物又は実施形態1~58のいずれか1つ。
C.リンカー(L
本発明の二機能性化合のリンカー部分、(L)は、以下:
a)アルキレン基:-(CH-、これは、直鎖状又は分枝鎖状のいずれかであり得る(この例では、nは、1~18である);
b)アルケニレン基;
c)アルキニレン基;
d)アルケニル基;
e)アルキニル基;
f)エチレングリコール単位:-OCHCH又は-CHCHO;
g)ポリエチレングリコール単位:(-CHCHO-)(この例におけるxは、2~20である);
h)-O;
i)-S;
j)カルボニル:-C(=O);
k)エステル:-C(=O)-O-又は-O-C(=O);
l)カルボネート;-OC(=O)O;
m)アミン:-NH;
n)三級アミン
o)アミド:-C(=O)-NH-、-NH-C(=O)-又は-C(=O)N(C1~6アルキル);
p)カルバメート:-OC(=O)NH-又は-NHC(=O)O;
q)尿素:-NHC(=O)NH;
r)スルホンアミド:-S(O)NH-又は-NHS(O)
s)エーテル:-CHO-又は-OCH
t)カルボキシ、スルホネート、ヒドロキシル、アミン、アミノ酸、サッカライド、ホスフェート及びホスホネートから独立して選択される1つ以上の基で置換されたアルキレン;
u)カルボキシ、スルホネート、ヒドロキシル、アミン、アミノ酸、サッカライド、ホスフェート及びホスホネートから独立して選択される1つ以上の基で置換されたアルケニレン;
v)カルボキシ、スルホネート、ヒドロキシル、アミン、アミノ酸、サッカライド、ホスフェート及びホスホネートから独立して選択される1つ以上の基で置換されたアルキニレン;
w)1つ以上のメチレン基が1つ以上の-S-、-NH-又は-O-部分によって置換されているC~C10アルキレン;及び
x)フェニル(1,2-、1,3-及び1,4-二置換フェニルを含む)、C~Cヘテロアリール、C~Cシクロアルキル(1,1-二置換シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル及び1,4-二置換シクロヘキシルを含む)並びにC~Cヘテロシクロアルキルから選択される二価環などの2つの利用可能な結合点を有する環系
から選択される1つ以上のリンカー成分を含む切断不可能なリンカーである。
加えて、リンカー(L)のリンカー成分は、2つの反応性基間の反応によって容易に形成される化学的部分であり得る。こうした化学的部分の非限定的な例は、表1に提供される。
Figure 2023513168000046
Figure 2023513168000047
Figure 2023513168000048
Figure 2023513168000049
Figure 2023513168000050
式中、表1におけるR32は、H、C1~4アルキル、フェニル、ピリミジン又はピリジンであり;表1におけるR35は、H、C1~6アルキル、フェニル又は1~3個の-OH基で置換されたC1~4アルキルであり;表1における各Rは、H、C1~6アルキル、フルオロ、-C(=O)OHで置換されたベンジルオキシ、-C(=O)OHで置換されたベンジル、-C(=O)OHで置換されたC1~4アルコキシ及び-C(=O)OHで置換されたC1~4アルキルから独立して選択され;表1におけるR37は、H、フェニル及びピリジンから独立して選択され;表1におけるqは、0、1、2又は3である。
加えて、リンカー(L)のリンカー成分は、下記の表2に提供される基であり得る。
Figure 2023513168000051
Figure 2023513168000052
実施形態62.式(I)の二機能性化合物又は実施形態1~61のいずれか1つであって、リンカー(L)が、
*-(CHC(=O)NHNHC(=O)(CHON=CHC(=O)-**;*-(CHC(=O)-**;*-(CHC(=O)-**;*-(CHC(=O)NHNHC(=O)(CHON=CHC(=O)NH(CHCH(C=(O)NH)-**;*-(CHC(=O)NH(CHCH(C=(O)NH)-**;*-(CHC(=O)NH(CHCH(C=(O)NH)-**、*-((CHO)(CHC(=O)-**;*-((CHO)(CH-**;*-(CHC(=O)NH((CHO)(CH-**;-(CH-;*-(CHNHC(=O)(CH-**;*-(CHNHC(=O)(CHC(=O)NH(CH-**;*-((CHO)(CHNHC(=O)(CH-**;*-((CHO)CHC(=O)NH(CH-**;*((CHO)(CHNHC(=O)(CH-**;*-(CHO(CH-**;*-(CHNH(CH-**;*-(CHNH(CHC(=O)-**;*-(CH(CH-**;*-((CHO)(CH(CH-**;*-(CHNHC(=O)(CH(CH-**;*-((CHO)(CHNHC(=O)(CH(CH-**;*-((CHO)(CHC(=O)NH(CH-**;*-(CHNHC(=O)((CHO)(CH-**;*-(CHC(=O)NH(CH-**;*-(CHNHC(=O)((CHO)(CH-**;*-(CHNHC(=O)(CHO(CH-**;*-(CHNH(CH-**;*-((CHO)CHC(=O)NH(CH-**;*-(CHNHC(=O(CH(CH-**;-C(=O)-;*-C(=O)(CHC(=O)-**;*-C(=O)((CHO)(CHC(=O)-**;*-C(=O)((CHO)(CH-**;*-((CHO)(CH(CHO(CHNHC(=O)((CHO)(CHC(=O)-**、*-C(=O)(CHC(=O)NH((CHO)(CH-**;*-C(=O)NHNHC(=O)(CHON=CHC(=O)NH(CHCH(C=(O)NH)-**;*-XC(=O)NH(CHCH(C=(O)NH)-**;*-C(=O)(CHC(=O)NHNHC(=O)(CHON=CHC(=O)-**;*-C(=O)(CHC(=O)-**;*-C(=O)(CHNHC(=O)(CHC(=O)NH(CH-**;*-C(=O)((CHO)(CHNHC(=O)(CH-**;*-C(=O)((CHO)CHC(=O)NH(CH-**;*-C(=O)(CHO(CH-**;*-C(=O)(CH-**;*-C(=O)NH((CHO)(CH-**;*-C(=O)(CHNH(CH-**;*-C(=O)(CHNH(CHC(=O)-**;*-C(=O)(CH(CH-**;*-C(=O)((CHO)(CH(CH-**;*-C(=O)(CHNHC(=O)(CH-**;*-C(=O)(CHNHC(=O)((CHO)(CH-**;*-C(=O)(CHNHC(=O)(CHO(CH-**;*-C(=O)(CHNH(CH-**;*-C(=O)((CHO)CHC(=O)NH(CH-**;*-C(=O)(CHNHC(=O(CH(CH-**;*-C(=O)NH(CH(CH-**;*-C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH-**;*-C(=O)NH(CHNHC(=O)(CHO(CH-**;*-C(=O)NH(CHNHC(=O)(CH(CH-**;*-C(=O)NH(CHNHC(=O)-**;*-C(=O)NH((CHO)(CH(CH-**;*-C(=O)(CHNHC(=O)(CH(CH-**;*-C(=O)((CHO)(CHNHC(=O)(CH(CH-**;*-C(=O)((CHO)(CHC(=O)NH(CH-**;*-C(=O)(CHNHC(=O)((CHO)(CH-**又は*-C(=O)(CHC(=O)NH(CH-**
(式中、
が、
Figure 2023513168000053

であり、及び
が、
Figure 2023513168000054

であり、Xの*が、Rへの結合点を示し、及びXの**は、Lへの結合点を示し、
の*が、Rへの結合点を示し、及びLの**が、Tへの結合点を示す)
から選択される、二機能性化合物。
実施形態63.式(I)の二機能性化合物又は実施形態1~62のいずれか1つであって、リンカー(L)が、
*-(CHC(=O)NHNHC(=O)(CHON=CHC(=O)-**;*-(CHC(=O)-**;*-((CHO)(CHC(=O)-**;*-(CHC(=O)-**;*-(CHC(=O)NHNHC(=O)(CHON=CHC(=O)NH(CHCH(C=(O)NH)-**;*-(CHC(=O)NH(CHCH(C=(O)NH)-**;-C(=O)-;*-C(=O)(CHC(=O)-**;*-C(=O)((CHO)(CHC(=O)-**;*-((CHO)(CH(CHO(CHNHC(=O)((CHO)(CHC(=O)-**;*-C(=O)((CHO)(CH-**;又は*-C(=O)(CHC(=O)NH((CHO)(CH-**
(式中、
が、
Figure 2023513168000055

であり、及び
が、
Figure 2023513168000056

であり、Xの*が、Rへの結合点を示し、及びXの**が、Lへの結合点を示し、
の*が、Rへの結合点を示し、及びLの**が、Tへの結合点を示す)
である、二機能性化合物。
実施形態64.
Figure 2023513168000057

Figure 2023513168000058

Figure 2023513168000059

Figure 2023513168000060

Figure 2023513168000061

から選択される、式(I)又は式(Ia)の二機能性化合物。
実施形態65.
Figure 2023513168000062

Figure 2023513168000063

から選択される、式(I)又は式(Ib)の二機能性化合物。
式(I)の化合物を作製するためのプロセス
例示の目的のため、本明細書で示される一般的反応スキームは、本発明の化合物を合成するための有望な経路を提供する。個別の反応工程のさらに詳細な説明は、下記の実施例の項を参照されたい。加えて、下記で説明する方法により調製される化合物の多くは、本開示を考慮すれば、当業者によく知られる従来の化学作用を用いてさらに改変することもできる。下記の一般的なスキームにおいて、R、L及びTは、本明細書で定義されるとおりである。
一例として、式(I)の化合物に関する一般的な合成は、下のスキームIにおいて示され、受容体リガンド(R)は、結合された反応性基(例えば、RG)を有し、標的リガンドは、受容体リガンド上の反応性基と反応することができるペンダント反応性基(例えば、RG)を有するリンカー部分(L’)に連結され、それにより、受容体リガンドを標的リガンドにカップリングするリンカー(L)を形成して、式(I)の化合物を形成する。
スキームI
-RG+RG-L’-T→R-L-T
スキームIにおいて、RGは、表1の反応性基1であり、RGは、表1の反応性基1であり、反応性基(表1において見られるとおり)の反応産物は、リンカーLのリンカー成分になる。
式(I)の化合物のための別の一般的な合成は、下のスキームIIにおいて示され、受容体リガンド(R)は、ペンダント反応性基(例えば、RG)を有するリンカー部分(L’)に結合され、標的リガンドは、受容体リガンドの反応性基と反応できる結合された反応性基を有し、それにより受容体リガンドを標的リガンドにカップリングするリンカー(L)を形成して、式(I)の化合物を形成する。
スキームII
-L’-RG+RG-T→R-L-T
スキームIIにおいて、RGは、表1の反応性基1であり、RGは、表1の反応性基1であり、反応性基(表1において見られるとおり)の反応産物は、リンカーLのリンカー成分になる。
式(I)の化合物のための別の一般的な合成は、下のスキームIIIにおいて示され、受容体リガンド(R)は、ペンダント反応性基(例えば、RG)を有するリンカー部分(L’’)に結合され、標的リガンドは、受容体リガンドの反応性基と反応できるペンダント反応性基(例えば、RG)を有するリンカー部分(L’)に結合され、それにより受容体リガンドを標的リガンドにカップリングするリンカー(L)を形成して、式(I)の化合物を形成する。
スキームIII
-L’’-RG+RG-L’-T→R-L-T
スキームIIにおいて、RGは、表1の反応性基1であり、RGは、表1の反応性基1であり、反応性基(表1において見られるとおり)の反応産物は、リンカーLのリンカー成分になる。
式(I)の化合物のための別の一般的な合成は、下のスキームIVにおいて示され、受容体リガンド(R)は、リンカー部分(L’’)上の反応性基(例えば、RG)と反応できる結合された反応性基(例えば、RG)を有し、それによりリンカー部分(L’’)を受容体リガンド(R)に結合する。リンカー部分(L’’)は、保護された反応性基(例えば、RG-Prot)も有し、脱保護時に標的リガンド(例えば、RG)上の反応性基と反応することができ、それにより受容体リガンドを標的リガンドにカップリングし、式(I)の化合物を形成する。
スキームIV
Figure 2023513168000064
スキームIVにおいて、RGは、表1の反応性基1であり、RGは、表1の反応性基1であり、反応性基(表1において見られるとおり)の反応産物は、リンカーLのリンカー成分になる。
式(I)の化合物のための別の一般的な合成は、下のスキームVにおいて示され、標的リガンド(T)は、リンカー部分(L’’)上の反応性基(例えば、RG)と反応できる結合された反応性基(例えば、RG)を有し、それによりリンカー部分(L’’)を標的リガンド(T)に結合する。リンカー部分(L’’)は、保護された反応性基(例えば、RG-Prot)も有し、脱保護時に受容体リガンド(例えば、RG)上の反応性基と反応することができ、それにより受容体リガンドを標的リガンドにカップリングし、式(I)の化合物を形成する。
スキームV
Figure 2023513168000065
スキームVにおいて、RGは、表1の反応性基1であり、RGは、表1の反応性基1であり、反応性基(表1において見られるとおり)の反応産物は、リンカーLのリンカー成分になる。
医薬組成物及び投与経路
本発明の二機能性化合物の治療上の使用のために、そのような化合物は、単独で又は医薬組成物の一部として投与される。さらに、本発明の二機能性化合物の治療上の使用のために、そのような化合物は、単独で又は医薬組成物の一部として治療有効量において投与される。したがって、別の態様では、本発明は、本発明の二機能性化合物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。さらなる実施形態では、本組成物は、本明細書に記載されるものなどの少なくとも2種の薬学的に許容される担体を含む。
本発明の医薬組成物は、本発明の二機能性化合物を1種以上の薬学的に許容される担体と混合することを含むプロセスを使用して調製され得る。一例として、本発明の医薬組成物は、少なくとも1種の薬学的に許容される担体に付随して遊離形態で本発明の二機能性化合物を使用して、混合すること、顆粒化すること及び/又はコーティングすることによって製造される。
本発明の医薬組成物又は組み合わせは、約50~70kgの対象に関して約0.1~100mgの活性成分の単位投与量であり得る。化合物、医薬組成物又はその組み合わせの治療有効投与量は、対象の種、体重、年齢及び個々の状態、治療される障害若しくは疾患又はそれらの重症度に依存する。
上記に引用された投与量特性は、有利には、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、イヌ、サル)又はそれらの単離された臓器、組織及びその調製物を使用して、インビトロ試験及びインビボ試験によって実証可能である。本発明の化合物は、インビトロにおいて溶液(例えば、水溶液の形態)で、インビボにおいて経腸的、非経口的、皮下、静脈内、例えば、懸濁液として又は水溶液として適用され得る。インビトロでの投与量は、約10-12モル~10-6モル濃度の範囲であり得る。インビボの治療有効量は、約0.01~10mg/kgの範囲であり得る。
本発明の化合物の活性は、本明細書の実施例に記載されるインビトロ及びインビボの方法によって評価され得る。
本発明の二機能性化合物は、経腸又は非経口投与の特定の経路のために製剤化された医薬組成物の活性成分であり得る。
経口投与の剤形
本発明の医薬組成物は、別々の剤形として経口投与することができ、そのような剤形としては、カプセル、ゼラチンカプセル、カプレット、錠剤、咀嚼錠、トローチ、粉剤、顆粒剤、シロップ、香りのするシロップ、水性液体又は非水性液体中の溶液又は懸濁液、食用の泡又はホイップ及び水中油液体エマルション又は油中水液体エマルションが挙げられるが、これらに限定されない。
したがって、経口投与のために、有効量の本発明の化合物を含む本発明の医薬組成物は、固体形態(カプセル、ゼラチンカプセル、硬質若しくは軟質カプセル、錠剤、咀嚼錠、トローチ、カプセル、丸剤、顆粒剤又は粉剤を含むが、これらに限定されない)又は液体形態(溶液、水性若しくは油性懸濁液、シロップ、エリキシル剤、泡、ホイップ又はエマルションを含むが、これらに限定されない)中で作製され得る。医薬組成物は、滅菌法などの従来の製薬操作に付すことができ、且つ/又は従来の不活性希釈剤、滑沢剤又は緩衝剤並びに保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤及び緩衝液などのアジュバントを含有することができる。
経口使用を意図した組成物は、医薬組成物を製造するために当技術分野で知られる任意の方法に従って調製され、また、そのような組成物は、薬学的に簡潔で口当たりのよい調製物を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤及び保存剤からなる群から選択される1種以上の薬剤を含有することができる。
一般的には、医薬組成物は、以下の1つ以上と合わせて活性成分を含む錠剤又はゼラチンカプセルである:
a)希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース及び/又はグリシン;
b)滑沢剤、例えば、シリカ、タルカム、ステアリン酸、そのマグネシウム若しくはカルシウム塩及び/又はポリエチレングリコール;また、錠剤のために、
c)結合剤、例えば、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、デンプンペースト剤、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース及び/又はポリビニルピロリドン;必要に応じて、
d)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸若しくはそのナトリウム塩又は発泡性混合物;並びに
e)吸収剤、着色剤、香味料及び甘味料。
錠剤は、活性成分を、錠剤の製造に好適な非毒性の薬学的に許容される賦形剤との混合物中で含有し得る。これらの賦形剤は、例えば、不活性な希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウム;顆粒剤及び崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン又はアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン又はアカシア;並びに滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクである。錠剤は、当技術分野で知られる方法によりフィルムコーティング又は腸溶コーティングされ得る。錠剤は、コーティングされていないか、又は消化管における崩壊及び吸収を遅延させ、それによってより長期間にわたる持続作用をもたらすように、既知の技術によってコーティングされる。例えば、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延物質を使用し得る。経口使用のための処方は、有効成分が不活性固形希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリンと混合される硬ゼラチンカプセル剤として、又は有効成分が水又は油性媒体、例えばピーナッツ油、流動パラフィン若しくはオリーブ油と混合される軟ゼラチンカプセル剤として提供され得る。
非経口剤形
特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、皮下、静脈内(ボーラス注射を含む)、筋肉内及び硝子体内投与によるものを含むが、これらに限定されない様々な経路によって非経口投与される。
特定の注射用組成物は、本発明の二機能性化合物を含む水性の等張溶液又は懸濁液である。そのような組成物は、保存剤、安定剤、湿潤剤又は乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調節するための塩及び/又は緩衝液などの賦形剤を含有し得る。そのような組成物は、当技術分野で知られる従来の方法に従って調製され得、且つそのような組成物は、安定化され得る。
組み合わせ治療
本発明の化合物及び本明細書で提供される医薬組成物は、単独で又は1種以上の追加の治療剤と組み合わせて投与される。
特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、任意選択により、1種以上の追加の治療剤をさらに含む。代わりに、本発明の二機能性化合物は、1種以上の他の治療剤の投与と組み合わせて、それを必要とする患者に投与され得る。
本発明の二機能性化合物は、1種以上の他の治療剤と同時に又はその前若しくは後のいずれかで投与され得る。本発明の二機能性化合物は、同じ若しくは異なる投与経路によって別個に、又は他の薬剤と同じ医薬組成物中で合わせて投与され得る。治療剤は、本発明の二機能性化合物と組み合わせて患者に投与された場合、治療的に活性があるか又は治療活性を促進する、例えば化学的な化合物、ペプチド、抗体、抗体断片又は核酸である。
一実施形態では、本発明は、療法において同時の、別々の又は逐次的な使用のための組み合わせ調製物として本発明の二機能性化合物及び少なくとも1種の他の治療剤を含む製品を提供し、療法は、増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、神経伝達物質、カプシド、可溶性受容体、細胞外分泌タンパク質、抗体、リポタンパク質、エキソソーム、ウイルス、細胞又は細胞膜タンパク質などの細胞外標的分子の標的リソソーム分解による、本明細書に記載されるとおりの疾患又は状態の治療である。組み合わせ調製物として提供される製品は、同じ医薬組成物中で合わせた本発明の二機能性化合物及び他の治療剤を含む組成物又は別々の形態での、例えば、キットの形態での、本発明の化合物及び他の治療剤を含む組成物を含む。
一実施形態では、本発明は、本発明の二機能性化合物及び別の治療剤を含む医薬組成物を提供する。任意選択により、医薬組成物は、本明細書で記載されるとおりの薬学的に許容される担体を含み得る。
一実施形態では、本発明は、2種以上の別々の医薬組成物を含み、そのうちの少なくとも1つが本発明の二機能性化合物を含有するキットを提供する。一実施形態では、キットは、容器、分割されたボトル又は分割された金属箔の袋などの、前記組成物を別々に保持するための手段を含む。このようなキットの例は、錠剤、カプセル剤などの包装に通常使用されるようなブリスターパックである。
本発明のキットは、異なる剤形、例えば経口及び非経口で投与するか、別々の組成物を異なる投与間隔で投与するか、又は互いに対して別々の組成物を漸増するために使用され得る。服薬遵守を支援するために、本開示のキットは通常、投与のための指示書を含む。
本発明の組み合わせ療法において、本発明の二機能性化合物及び他の治療剤は、同じ又は異なる製造業者によって製造及び/又は製剤化され得る。さらに、本発明の二機能性化合物及び他の治療剤は、(i)組み合わせ製品の医師への引き渡し前に(例えば、本発明の化合物及び他の治療剤を含むキットの場合);(ii)投与直前に医師自身によって(又は医師の指導の下に);(iii)患者自身において、例えば、本発明の化合物及び他の治療剤の連続投与中、組み合わせ療法に合わせて取り入れられ得る。
薬理学及び有用性
本発明の二機能性化合物は、リソソーム分解による細胞外標的分子のレベルの低下に基づく有用な薬理学的特性を示し、したがって、療法又は研究用化学物質(例えば、ツール化合物)としての使用のために指定される。
従来の治療薬、例えばタンパク質に向けられる治療薬は、例えば、酵素及び受容体を阻害することによってタンパク質機能を妨害するか、又は多くのモノクローナル抗体薬物の場合のように免疫エフェクターをリクルートすることによって疾患を治療する。通常、従来の薬物/標的相互作用の可逆的な性質から、そのような従来の療法の有効性は、薬物濃度が低下するにつれて経時的に失われ得る阻害を維持するための超化学量論的薬物濃度を必要とする。しかしながら、本発明の二機能性化合物を使用する本明細書に記載される方法は、化学量論的又は準化学量論的濃度で有効性の改善を示す場合があり、有効性は、薬物濃度ではなく標的分子(例えば、タンパク質)の再合成によって制限される。
したがって、本発明は、増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、神経伝達物質、カプシド、可溶性受容体、細胞外分泌タンパク質、抗体、リポタンパク質、エキソソーム、ウイルス、細胞又は細胞膜タンパク質などの細胞外標的分子の標的リソソーム分解による療法における使用のための二機能性化合物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、神経伝達物質、カプシド、可溶性受容体、細胞外分泌タンパク質、抗体、リポタンパク質、エキソソーム、ウイルス、細胞及び細胞膜タンパク質などの細胞外標的分子の標的アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)媒介性リソソーム分解による療法における使用のための二機能性化合物も提供する。特定の実施形態では、本発明は、増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、神経伝達物質、カプシド、可溶性受容体、細胞外分泌タンパク質、抗体、リポタンパク質、エキソソーム、ウイルス、細胞及び細胞膜タンパク質などの細胞外標的分子の標的マンノース-6-リン酸(M6PR)媒介性リソソーム分解による療法における使用のための二機能性化合物も提供する。特定の実施形態では、そのような療法としては、心血管疾患、肝臓疾患、腎臓疾患、自己免疫疾患、神経疾患、血液疾患、皮膚疾患、薬物中毒又は血管炎の治療が挙げられる。特定の実施形態では、そのような療法としては、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、動脈硬化症、閉塞性動脈硬化症、劇症肝不全、手術後の肝不全、急性肝不全、C型肝炎、B型肝炎、慢性C型肝炎、慢性B型肝炎、肝臓同種移植、巣状糸球体硬化症、腎臓同種移植、悪性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、多発性硬化症、多発性骨髄腫、マクログロブリン血症、血栓性血小板減少紫斑病、溶血性尿毒症症候群、妊娠血液型不適合、血友病、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、毒性表皮壊死、スティーブン・ジョンソン症候群、薬物中毒又は川崎病の治療が挙げられる。他の実施形態では、そのような療法としては、腎症、加齢性黄斑変性、非典型溶血性尿毒症症候群又は肝細胞癌(HCC)の治療が挙げられる。
加えて、本発明は、療法における使用のための二機能性化合物を提供し、そのような療法としては、心血管疾患、肝臓疾患、腎臓疾患、自己免疫疾患、神経疾患、血液疾患、皮膚疾患、薬物中毒又は血管炎の治療が挙げられる。特定の実施形態では、そのような療法としては、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、動脈硬化症、閉塞性動脈硬化症、劇症肝不全、手術後の肝不全、急性肝不全、C型肝炎、B型肝炎、慢性C型肝炎、慢性B型肝炎、肝臓同種移植、巣状糸球体硬化症、腎臓同種移植、悪性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、多発性硬化症、多発性骨髄腫、マクログロブリン血症、血栓性血小板減少紫斑病、溶血性尿毒症症候群、妊娠血液型不適合、血友病、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、毒性表皮壊死、スティーブン・ジョンソン症候群、薬物中毒又は川崎病の治療が挙げられる。他の実施形態では、そのような療法としては、腎症、加齢性黄斑変性、非典型溶血性尿毒症症候群又は肝細胞癌(HCC)の治療が挙げられる。
本発明は、療法における使用のための本発明の二機能性化合物の使用をさらに提供し、そのような療法としては、心血管疾患、肝臓疾患、腎臓疾患、自己免疫疾患、神経疾患、血液疾患、皮膚疾患、薬物中毒又は血管炎の治療が挙げられる。特定の実施形態では、そのような療法としては、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、動脈硬化症、閉塞性動脈硬化症、劇症肝不全、手術後の肝不全、急性肝不全、C型肝炎、B型肝炎、慢性C型肝炎、慢性B型肝炎、肝臓同種移植、巣状糸球体硬化症、腎臓同種移植、悪性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、多発性硬化症、多発性骨髄腫、マクログロブリン血症、血栓性血小板減少紫斑病、溶血性尿毒症症候群、妊娠血液型不適合、血友病、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、毒性表皮壊死、スティーブン・ジョンソン症候群、薬物中毒又は川崎病の治療が挙げられる。他の実施形態では、そのような療法としては、腎症、加齢性黄斑変性、非典型溶血性尿毒症症候群又は肝細胞癌(HCC)の治療が挙げられる。
別の態様では、本発明は、増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、神経伝達物質、カプシド、可溶性受容体、細胞外分泌タンパク質、抗体、リポタンパク質、エキソソーム、ウイルス、細胞及び細胞膜タンパク質などの細胞外標的分子のレベルの上昇と関連する疾患の治療のための方法を提供し、その方法は、そのような細胞外標的分子の標的リソソーム分解を使用する。特定の実施形態では、本発明は、増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、神経伝達物質、カプシド、可溶性受容体、細胞外分泌タンパク質、抗体、リポタンパク質、エキソソーム、ウイルス、細胞及び細胞膜タンパク質などの細胞外標的分子のレベルの上昇と関連する疾患の治療のための方法も提供し、その方法は、細胞外標的分子の標的アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)媒介性リソソーム分解を使用する。特定の実施形態では、本発明は、増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、神経伝達物質、カプシド、可溶性受容体、細胞外分泌タンパク質、抗体、リポタンパク質、エキソソーム、ウイルス、細胞及び細胞膜タンパク質などの細胞外標的分子のレベルの上昇と関連する疾患の治療のための方法も提供し、その方法は、細胞外標的分子の標的マンノース-6-リン酸(M6PR)媒介性リソソーム分解を使用する。これらの方法は、心血管疾患、肝臓疾患、腎臓疾患、自己免疫疾患、神経疾患、血液疾患、皮膚疾患、薬物中毒及び血管炎などの治療アフェレシスを介して治療される場合が多い種々の疾患、状態又は臨床状況の治療において有用であり得る。一例として、そのような疾患としては、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、動脈硬化症、閉塞性動脈硬化症、劇症肝不全、手術後の肝不全、急性肝不全、C型肝炎、B型肝炎、慢性C型肝炎、慢性B型肝炎、肝臓同種移植、巣状糸球体硬化症、腎臓同種移植、悪性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、多発性硬化症、多発性骨髄腫、マクログロブリン血症、血栓性血小板減少紫斑病、溶血性尿毒症症候群、妊娠血液型不適合、血友病、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、毒性表皮壊死、スティーブン・ジョンソン症候群、薬物中毒及び川崎病が挙げられるが、これらに限定されない。これらの方法は、腎症、加齢性黄斑変性、非典型溶血性尿毒症症候群及び肝細胞癌(HCC)の治療でも有用であり得る。
さらなる態様では、本発明は、心血管疾患、肝臓疾患、腎臓疾患、自己免疫疾患、神経疾患、血液疾患、皮膚疾患、薬物中毒及び血管炎を治療する方法を提供し、その方法は、治療有効量の本発明の二機能性化合物の必要とする対象への投与を含む。特定の実施形態では、そのような疾患としては、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、動脈硬化症、閉塞性動脈硬化症、劇症肝不全、手術後の肝不全、急性肝不全、C型肝炎、B型肝炎、慢性C型肝炎、慢性B型肝炎、肝臓同種移植、巣状糸球体硬化症、腎臓同種移植、悪性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、多発性硬化症、多発性骨髄腫、マクログロブリン血症、血栓性血小板減少紫斑病、溶血性尿毒症症候群、妊娠血液型不適合、血友病、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、毒性表皮壊死、スティーブン・ジョンソン症候群、薬物中毒及び川崎病が挙げられるが、これらに限定されない。さらなる実施形態として、そのような疾患としては、腎症、加齢性黄斑変性、非典型溶血性尿毒症症候群及び肝細胞癌(HCC)が挙げられる。
さらなる態様では、本発明は、心血管疾患、肝臓疾患、腎臓疾患、自己免疫疾患、神経疾患、血液疾患、皮膚疾患、薬物中毒及び血管炎を治療する方法を提供し、その方法は、本発明の二機能性化合物の必要とする対象への投与を含む。特定の実施形態では、そのような疾患としては、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、動脈硬化症、閉塞性動脈硬化症、劇症肝不全、手術後の肝不全、急性肝不全、C型肝炎、B型肝炎、慢性C型肝炎、慢性B型肝炎、肝臓同種移植、巣状糸球体硬化症、腎臓同種移植、悪性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、多発性硬化症、多発性骨髄腫、マクログロブリン血症、血栓性血小板減少紫斑病、溶血性尿毒症症候群、妊娠血液型不適合、血友病、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、毒性表皮壊死、スティーブン・ジョンソン症候群、薬物中毒及び川崎病が挙げられるが、これらに限定されない。さらなる実施形態として、そのような疾患としては、腎症、加齢性黄斑変性、非典型溶血性尿毒症症候群及び肝細胞癌(HCC)が挙げられる。
別の態様では、本発明は、心血管疾患、肝臓疾患、腎臓疾患、自己免疫疾患、神経疾患、血液疾患、皮膚疾患、薬物中毒及び血管炎の治療のための医薬の製造における本発明の二機能性化合物の使用を提供し、その方法は、治療有効量の本発明の二機能性化合物の必要とする対象への投与を含む。特定の実施形態では、そのような疾患としては、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、動脈硬化症、閉塞性動脈硬化症、劇症肝不全、手術後の肝不全、急性肝不全、C型肝炎、B型肝炎、慢性C型肝炎、慢性B型肝炎、肝臓同種移植、巣状糸球体硬化症、腎臓同種移植、悪性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、多発性硬化症、多発性骨髄腫、マクログロブリン血症、血栓性血小板減少紫斑病、溶血性尿毒症症候群、妊娠血液型不適合、血友病、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、毒性表皮壊死、スティーブン・ジョンソン症候群、薬物中毒及び川崎病が挙げられるが、これらに限定されない。さらなる実施形態として、そのような疾患としては、腎症、加齢性黄斑変性、非典型溶血性尿毒症症候群及び肝細胞癌(HCC)が挙げられる。
本発明は、体内の治療的プラスマフェレーシス方法も提供し、方法は、本発明の二機能性化合物を対象に投与することを含む。本発明は、体内の治療的プラスマフェレーシス方法も提供し、方法は、本発明の二機能性化合物を対象に投与することを含む。
本発明は、心血管疾患、肝臓疾患、腎臓疾患、自己免疫疾患、神経疾患、血液疾患、皮膚疾患、薬物中毒又は血管炎の治療のための体内の治療的プラスマフェレーシス方法も提供し、方法は、本発明の二機能性化合物を対象に投与することを含む。特定の実施形態では、そのような疾患は、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、動脈硬化症、閉塞性動脈硬化症、劇症肝不全、手術後の肝不全、急性肝不全、C型肝炎、B型肝炎、慢性C型肝炎、慢性B型肝炎、肝臓同種移植、巣状糸球体硬化症、腎臓同種移植、悪性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、多発性硬化症、多発性骨髄腫、マクログロブリン血症、血栓性血小板減少紫斑病、溶血性尿毒症症候群、妊娠血液型不適合、血友病、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、毒性表皮壊死、スティーブン・ジョンソン症候群、薬物中毒及び川崎病である。
本発明は、体内の治療的プラスマフェレーシス方法も提供し、方法は、式(I)の二機能性化合物を対象に投与することを含む。本発明は、体内の治療的プラスマフェレーシス方法も提供し、方法は、本発明の二機能性化合物を対象に投与することを含む。
本発明は、心血管疾患、肝臓疾患、腎臓疾患、自己免疫疾患、神経疾患、血液疾患、皮膚疾患、薬物中毒又は血管炎の治療のための体内の治療的プラスマフェレーシス方法も提供し、方法は、式(I)の二機能性化合物を対象に投与することを含む。特定の実施形態では、そのような疾患は、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、動脈硬化症、閉塞性動脈硬化症、劇症肝不全、手術後の肝不全、急性肝不全、C型肝炎、B型肝炎、慢性C型肝炎、慢性B型肝炎、肝臓同種移植、巣状糸球体硬化症、腎臓同種移植、悪性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、多発性硬化症、多発性骨髄腫、マクログロブリン血症、血栓性血小板減少紫斑病、溶血性尿毒症症候群、妊娠血液型不適合、血友病、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、毒性表皮壊死、スティーブン・ジョンソン症候群、薬物中毒及び川崎病である。
本発明の一態様において、血漿からプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)を除去するか又は血漿中のPCSK9のレベルを低下させるために受容体媒介性エンドサイトーシスを利用する二機能性分子である。
PCSK9は、コレステロールが循環から除去される主要経路である肝臓低密度リポタンパク質受容体(LDLR)の調節を介して、血漿低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)レベルに顕著な影響を及ぼす。PCSK9は、LDLRに結合し、それをリソソーム分解に向け、それにより血漿LDL-Cレベルを上昇させ、続いて冠動脈心疾患リスクを上昇させる。(Maxwell K.N.,Proc.Natl.Acad.Sci.,101,2004,7100-7105;Park,S.W.,J.Biol.Chem.279,2004,50630-50638;Lagace T.A.,et.al.J.Clin.Invest.2006,116(11):2995-3005)。マウスにおけるマウス又はヒトPCSK9の過剰発現は、mRNA、SREBP又はSREBPタンパク質の核細胞質比のレベルにおいて観察される影響を伴わずに全体的レベル及びLDL-Cレベルを上昇させ、肝臓LDLRタンパク質を劇的に低下させることが示されている。(Maxwell K.N.,Proc.Natl.Acad.Sci.101,2004,7100-7105)。さらに、マウスモデルにおいてPCSK9機能の喪失を引き起こすPCSK9における変異は、全体的レベル及びLDL-Cレベルを低下させることも示されている。(Cohen,J.C.,et al.,N.Engl.J.Med.,354,2006,1264-1272)。したがって、PCSK9の調節が、LDLRタンパク質レベルの低下をもたらすことを示している。
さらに、PCSK9の遺伝子欠失はマウスでも行われている。PCSK9ノックアウトマウスは、血漿コレステロールレベルのおよそ50%の低下、血漿コレステロールの低下におけるスタチンに対する感受性の上昇を示す(Rashid.S.,et al.,(2005)Proc Natl Acad Sci 102:5374-5379)。ヒトの遺伝学データは、LDLホメオスタシスにおけるPCSK9の役割を強く裏付ける。PCSK9と血漿LDL-Cレベルとの間の関連は、家族性高コレステロール血症の常染色体優性型の患者におけるPCSK9ミスセンス変異の発見により最初に立証された(Abifadel M.,et al.,Nature Genetics,2003;34:154-156)。PCSK9機能獲得型アレルを保有する患者は、血漿LDL-Cレベルが上昇し、早発性冠動脈心疾患が増加する一方で、PCSK9機能喪失型アレルを有する患者は、血漿LDL-Cが顕著に低下しており、冠動脈心疾患から保護される。
PCSK9は、リポタンパク質(a)(Lp(a))代謝においても役割を果たす。Lp(a)は、apoLp(a)に共有結合するLDL粒子から構成されるアテローム生成促進性リポタンパク質である。ヒトの遺伝学研究は、Lp(a)が冠動脈心疾患リスクと必然的に関連することを示す。PCSK9治療用抗体は、高コレステロール血症の患者においてLp(a)レベルを顕著に低下させることが示されている。(Desai,N.R.,et.al.,Circulation.2013;128(9):962-969;Lambert,G.et.al.,Clinical Science,2017,131,261-268)。PCSK9に対するモノクローナル抗体で治療されるスタチン療法を受けている患者は、プラセボと比較して最大で32%のLp(a)レベル低下を示した。(Desai N.R.,et.al.Circulation.2013;128(9):962-969)。
心血管系において効果があることに加えて、PCSK9は、感染に対する身体応答により引き起こされる生命を脅かす状態である敗血症において重要な役割を果たす。敗血症マウスにおけるPCSK9の過剰発現は、炎症を増加させることにより敗血症を悪化させることが示されており、一方でPCSK9の阻害により死亡率が低下することが示されている。(Dwivedi,D.J.,et al.,Shock,2016,46(6),672-680)。さらに、ヒトHepG2細胞におけるフローサイトメトリー試験は、PCSK9が、LDL依存的な機構を介するリポテイコ酸(LTA)及びLPSのLDLR媒介性細菌脂質取り込みの調節を通じて、肝細胞によるグラム陰性糖脂質(LPS)取り込みを負に調節することを示している。(Grin,P.M.,et al.,Nature,2018,8(1):10496)。したがって、PCSK9の阻害は、感染に対する身体の免疫反応を低下させることにより敗血症を治療する可能性がある。
アテローム硬化性心血管疾患は、世界中の死亡率の主因であり、2015年に推定で740万人の全世界での死亡を引き起こしている。血流中のコレステロールの主要な運搬体であるLDLは、最も広範に研究されているASCVDと関連する修飾できるリスク因子である[Ference BA,et al 2017]。前向きコホート研究、メンデル無作為化研究及び無作為化臨床試験は、LDLコレステロールの絶対暴露量とASCVDのリスクとの間の対数線形の関連を実証している[Baigent C,et al 2005、Ference BA,et al 2017]。
PCSK9は、コレステロールが循環から除去される主要経路である肝臓LDLR受容体の調節を介して、LDL-Cレベルに顕著な影響を及ぼす692個のアミノ酸のセリンプロテアーゼである[Brown MS and Goldstein JL 1986]。PCSK9は、LDLRに結合し、それをリソソーム分解に向け、それにより血漿LDL-Cレベルを上昇させ、続いてASCVDリスクを上昇させる。PCSK9は、例外的なターゲットバリデーションを有する。PCSK9を欠くマウスは、同腹子対照に対して血漿コレステロールの減少及び肝臓LDLR発現の増加を有する。PCSK9が肝臓において選択的に不活性化されているマウスは、血中で検出可能なPCSK9を有さず、このことは肝臓が循環PCSK9の主要な供給源であることを示唆している[Zaid et al,2008]。PCSK9機能獲得型アレルを保有する患者は、血漿LDL-Cレベルが上昇し、早発性ASCVDが増加する一方で、PCSK9機能喪失型アレルを有する患者は、血漿LDL-Cが顕著に低下しており、ASCVDから保護される[Cohen J,et al 2006]。したがって、PCSK9の機能喪失を模倣する新規の療法の同定において非常に興味深いものがある。
PCSK9遮断抗体による臨床研究は、スタチン有り無し両方で健常ボランティア及び高コレステロール血症患者において著しいLDLの低下を実証している[Banerjee et al,2012;Dias et al,2012;Roth et al,2012;Stein et al,2012;Sullivan et al,2012]。スタチンはPCSK9レベルを上昇させ、用量漸増の有用性を制限する[Careskey et al,2008;Welder et al,2010]。インクリシランにより実行されたいくつかの臨床研究からのデータは、肝細胞におけるタンパク質合成の阻害を介して血漿PCSK9を減少させることが、循環LDL-Cレベルを著しく低下させることを実証している[Fitzgerald et al,2017;Ray et al,2017;Nishikido and Ray,2018;Ray et al,2019]。
本発明は、PCSK9の血漿レベルを低下させることができるか又は血漿中で循環するPCSK9を除去することができる二機能性化合物及び組成物に関する。本開示は、それを必要とする患者に治療有効量の式(Ia)の二機能性化合物を投与することにより、PCSK9が役割を果たす疾患又は障害を治療するか、予防するか又は寛解させる方法を特徴とする。本発明の方法は、PCSK9の血漿レベルを低下させるか又は血漿中で循環するPCSK9を除去することにより、様々なPCSK9依存的な疾患及び障害の治療において使用され得る。PCSK9の血漿レベルを低下させること又は血漿中で循環するPCSK9を除去することは、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、シトステロール血症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、冠動脈心疾患、末梢血管疾患(大動脈疾患及び脳血管疾患を含む)、末梢動脈疾患、血管炎症、Lp(a)の上昇、LDLの上昇、TRLの上昇、トリグリセリドの上昇、敗血症及び黄色腫を含むが、これらに限定されない疾患の治療、予防又は寛解に対する新規のアプローチを提供する。
本発明の式(Ia)の二機能性化合物は、PCSK9の血漿レベルを低下させるか又は血漿中で循環するPCSK9を除去することにより、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、シトステロール血症、アテローム性動脈硬化症、冠動脈心疾患、末梢血管疾患、末梢動脈疾患、血管炎症、Lp(a)の上昇、LDLの上昇、TRLの上昇(例えば、VLDL及び/又はカイロミクロンの上昇)、トリグリセリドの上昇、敗血症及び黄色腫の治療において有用性を有する。
例えば、本発明の式(Ia)の二機能性化合物は、PCSK9に結合し、それを、受容体媒介性エンドサイトーシスを介する除去に向け、それによりPCSK9の血漿レベルを低下させるか又は血漿中で循環するPCSK9を除去する。結果的に、PCSK9は、低密度リポタンパク質受容体(LDLR)又は任意の他の標的受容体に結合するために利用可能ではなく、細胞の表面上により多くのLDLRの存在をもたらし、細胞外液からLDL粒子を除去する。したがって、PCSK9の血漿レベルを低下させること又は血漿中で循環するPCSK9を除去することにより、血中LDL粒子濃度を低下させることができる。
したがって、本発明の式(Ia)の二機能性化合物は、PCSK9媒介性疾患若しくは障害又はPCSK9が役割を果たす疾患若しくは障害並びにPCSK9の血漿レベルの低下又は血漿中で循環するPCSK9の除去から恩恵を被る状態、疾患及び障害の治療、予防、寛解又は進行の遅延において潜在的に有用であり得る。このような疾患及び障害としては、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、シトステロール血症、アテローム性動脈硬化症、冠動脈心疾患、末梢血管疾患、末梢動脈疾患、血管炎症、Lp(a)の上昇、LDLの上昇、TRLの上昇(例えば、VLDL及び/又はカイロミクロンの上昇)、トリグリセリドの上昇、敗血症及び黄色腫から選択される疾患又は障害が挙げられる。
加えて、したがって、本発明の式(Ia)の二機能性化合物は、PCSK9の血漿レベルの低下又は血漿中で循環するPCSK9の除去を必要とする疾患又は障害の治療、予防、寛解又は進行の遅延において潜在的に有用であり得る。このような疾患及び障害としては、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、シトステロール血症、アテローム性動脈硬化症、冠動脈心疾患、末梢血管疾患、末梢動脈疾患、血管炎症、Lp(a)の上昇、LDLの上昇、TRLの上昇(例えば、VLDL及び/又はカイロミクロンの上昇)、トリグリセリドの上昇、敗血症及び黄色腫から選択される疾患又は障害が挙げられる。
本発明の別の態様は、血漿から補体因子H関連タンパク質3(FHR3)を除去するか又はレベルを低下させる受容体媒介性エンドサイトーシスを利用する二機能性分子である。
補体媒介性免疫反応は、活性を調節し、健康な自己(非活性化)と損傷した又は非自己である病原性の活性化細胞を識別するいくつかの内因的に産生されたタンパク質によって堅固に調節される。これらの補体制御タンパク質は、細胞表面に結合するもの(すなわちCR1、MCP、DAF)から、宿主の自己表面上のグリコサミノグリカンなどの多糖類に結合することによって自己表面にリクルートされて、補体を不活性化する循環タンパク質(すなわち因子H及びC4BP)にわたる(Mol Immuno 47(13):2187-2197)。補体調節は、恒常性を維持するために堅固に制御され、その調節不全及び欠損は、それに宿主細胞を標的化させるため、多くの疾患において関連付けられている。
代替的な補体経路活性化の主要な負の調節因子である因子H(FH)は、非対立性の相同組み換え及び遺伝子座間の遺伝子変換から生じたと考えられる5種の他の関連するファミリーメンバーも含むファミリーに属する:補体因子H関連タンパク質1(FHR1)、補体因子H関連タンパク質2(FHR2)、補体因子H関連タンパク質3(FHR3)、アイソフォーム4A及び4B(FHR4A及びFHR4B)を有する補体因子H関連タンパク質4並びに補体因子H関連タンパク質5(FHR5)。
因子Hが補体の調節において果たす中心的な役割に起因して、異常なFH活性から生じる多くの臨床的関連がある。因子Hにおける機能喪失型変異は、腎臓疾患、非定型的溶血性尿毒症症候群(aHUS)及びデンスデポジット病(DDD)への易罹患性を増大させる一方で、補体因子Hの多型変異は、加齢性黄斑変性(AMD)及び髄膜炎菌性敗血症を含む重要なヒト疾患と強く関連している(Clin Exp Immunol 151(2):210-230;Immunobiology 217(11):1034-1046)。
因子Hと異なるFHR3は、補体不活性化に必須の補体調節ドメインを欠き、因子Hとも競合し、補体の過剰な活性化をもたらす。したがって、本発明は、因子Hの競合因子を除去し、それにより過度の補体活性化によって引き起こされる障害を治療する因子H媒介性調節を回復させる補体因子Hタンパク質、具体的にはFHR3の濃度の調節における使用のための二機能性化合物を提供する。
本発明は、FHR3の血漿レベルを低下させることができるか又は血漿中で循環するFHR3を除去することができる二機能性化合物及び組成物にも関する。本開示は、それを必要とする患者に治療有効量の式(Ib)の二機能性化合物を投与することにより、FHR3と関連する疾患又は障害を治療するか、予防するか又は寛解させる方法を特徴とする。本発明の方法は、FHR3の血漿レベルを低下させるか又は血漿中で循環するFHR3を除去することによってFHR3と関連する様々な疾患又は障害の治療において使用され得る。FHR3の血漿レベルを低下させるか又は血漿中で循環するFHR3を除去することは、腎症、加齢性黄斑変性、非典型溶血性尿毒症症候群及び肝細胞癌(HCC)を含むが、これらに限定されない疾患の治療、予防又は寛解に対する新規のアプローチを提供する。
本発明の式(Ib)の二機能性化合物は、FHR3の血漿レベルを低下させるか又は血漿中で循環するFHR3を除去することは、腎症、加齢性黄斑変性、非典型溶血性尿毒症症候群及び肝細胞癌(HCC)の治療において有用性を有する。
例えば、本発明の式(Ib)の二機能性化合物は、FHR3に結合し、それを、受容体媒介性エンドサイトーシスを介する除去に向け、それによりFHR3の血漿レベルを低下させるか又は血漿中で循環するFHR3を除去する。したがって、本発明の式(Ib)の二機能性化合物は、腎症、加齢性黄斑変性、非典型溶血性尿毒症症候群及び肝細胞癌(HCC)などの補体活性によって媒介される疾患又は障害の治療、予防、寛解又は進行の遅延において潜在的に有用であり得る。
本発明は、下記の実施例でさらに記載され、それらが特許請求の範囲で記載される本発明の範囲を限定することは意図されない。
温度は、摂氏温度で示される。特に示さない限り、全ての蒸発は、減圧下において、通常約15mmHg~100mmHg(=20~133mbar)で実施される。最終生成物、中間体及び出発物質の構造は、標準的分析法、例えば、微量分析又は分光的特性、例えば、MS、IR又はNMRにより確認する。使用する略語は、当技術分野で慣例的なものである。
本発明の化合物を合成するために利用される全ての出発材料、構成要素、試薬、酸、塩基、脱水剤、溶媒及び触媒は、市販されているか、又は当業者に知られる有機合成法によって生成され得るか又は本明細書に記載されるとおりの有機合成法によって生成され得る。
以下の実施例及び本明細書の他の箇所で使用される略語は、以下のとおりである。
AA:アミノ酸
Ac:アセチル
Ac2O:無水酢酸
ACN:アセトニトリル
aq.:水性
AM:アミノメチル
Boc:tert-ブトキシカルボニル
BnOH:ベンジルアルコール
BSA:ウシ血清アルブミン
DBU:1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン
DCM:ジクロロメタン
DIC:N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド
DTT:ジチオスレイトール
DMA:ジメチルアセトアミド
DMAP:4-ジメチルアミノピリジン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
DIEA又はDIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン
EA:酢酸エチル
EDCI:1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
EDT:エタンジオール
eq.:当量
ESI-MS:エレクトロスプレーイオン化質量分析
Et及びEtOAc:エチル及び酢酸エチル
Fmoc:フルオレニルメチルオキシカルボニル
FRET:蛍光共鳴エネルギー移動
HATU:O-(7-アゾベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HCTU:O-(1H-6-クロロベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HEPES:4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸
HFIP:ヘキサフルオロイソプロパノール
HILIC:(親水性相互作用液体クロマトグラフィー
HOAt:1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール
HOBt:ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC:高圧液体クロマトグラフィー
h、hr:時間
HRMS:高分解能質量分析
IC50:50%阻害濃度
LC及びLCMS:液体クロマトグラフィー及び液体クロマトグラフィー-質量分析
LDLR:低密度リポタンパク質受容体
min:分
Me:メチル
MS:質量
m/z:質量電荷比
M及びmM:モル濃度及びミリモル濃度
mg:ミリグラム
μL、mL及びL:マイクロリットル、ミリリットル及びリットル
N:1リットル当たりの当量
NMP:N-メチル-2-ピロリドン
Oxima pure:2-シアノ-2-(ヒドロキシイミノ)酢酸エチルエステル、カリウム塩、(ヒドロキシイミノ)シアノ酢酸エチルカリウム塩
PBS:リン酸緩衝食塩水
PD:薬力学
PE:石油エーテル
PG:保護基
PS:ポリスチレン樹脂
PyOxim:[エチルシアノ(ヒドロキシイミノ)アセタト-O2]トリ-1-ピロリジニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
Pbf:2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロベンゾフラン-5-スルホニル
PCSK9:プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型
Ph:フェニル
RP:逆相
rpm:1分当たりの回転
rt:室温
RU:レゾナンスユニット
SPPS:固相ペプチド合成
sat.:飽和
tBu:三級ブチル
TBAI:テトラブチルアンモニウムヨージド
TBTU:2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
TEA:トリエチルアミン
THF:テトラヒドロフラン
TentaGel(商標)S RAM樹脂:N-Fmoc-4’-[ポリ(オキシエチレン)カルバモイルメトキシ]-2,4-ジメトキシ-ベンズヒドリルアミンポリマー結合、ポリ(オキシエチレン)-RAMポリマー結合
TFA:トリフルオロ酢酸
THPTA:tris-ヒドロキシプロピルトリアゾリルメチルアミン
TIS:トリイソプロピルシラン
TLC:薄層クロマトグラフィー
TMSOTF又はTMSOTf:トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート
tr:保持時間
TR:時間分解された
TMSCl:塩化トリメチルシリル
Trt:トリチル
TsOH:
UPLC:超高速液体クロマトグラフィー
UV:紫外線
wt:重量
分析方法、材料及び計測手段
特記しない限り、試薬及び溶媒は、市販の供給業者から受け取ったままで使用した。400MHzでVarian分光計、300MHz又は400MHzでBruker分光計を用いてプロトン核磁気共鳴(NMR)スペクトルを得た。スペクトルはppm(δ)で与え、カップリング定数Jはヘルツで報告する。テトラメチルシラン(TMS)又は溶媒ピークを内部標準として使用した。特に断りがない場合、Surveyor光ダイオードアレイ(PDA)検出及びThermo LCQ FleetTMイオントラップ質量分析計とともにThermo Finnigan Surveyor HPLCシステムを使用して純度及び低解像質量分析データを測定した。カラム:Synergi 4 micron,hydro-RP80A,30×2.0mm、流速:0.500mL/分;溶媒A(水+0.1%ギ酸)、溶媒B(アセトニトリル+0.1%ギ酸);勾配:t=0で2%Bから3分で95%Bから3.3分で95%B。
一般的な分取HPLC精製手順及び質量スペクトル
精製されることになる粗製ペプチドの量に応じて、異なるサイズのカラムを使用し、流速を変動させて、分取逆相C18-HPLCにより粗製ペプチドを精製した。例えば、水中の0.1%TFA(A)及びアセトニトリル中の0.1%TFA(B)を溶出液として使用した。生成物含有分画を回収し、凍結乾燥して、精製された生成物を得た。
条件E-1(LCMS)-カラム:Acquity UPLC(登録商標)BEH C18、300Å、1.7μm 2.1×50mm、80℃;流速:1.0mL/分;移動相:(A)水中0.5%TFA/(B)アセトニトリル中0.4%TFA;勾配:4.4分で5%~98%;エレクトロスプレー質量スペクトル(+)、DAD-UVクロマトグラム214nm。
分析方法1
Agilent 1100/1200 ALSシステム/Waters ZQD MSシステム
溶出液A:HO中の0.05%トリフルオロ酢酸
溶出液B:アセトニトリル
カラム温度:40℃
流速:2.0mL/分
カラム:SunFire C18、3.5μm、3.0×30mm
勾配:
Figure 2023513168000066
分析方法2
Waters Acquity UPLCシステム/Waters SQD MSシステム
溶出液A:HO中の5mM水酸化アンモニウム
溶出液B:アセトニトリル中の5mM水酸化アンモニウム
カラム温度:50℃
流速:1.0mL/分
カラム:Acquity UPLC BEH C18、1.7μm、2.1×50mm
勾配:
Figure 2023513168000067
分析方法3
Waters Acquity UPLCシステム/Waters Xevo G2 Qtof MSシステム
溶出液A:HO中の0.1%ギ酸
溶出液B:アセトニトリル中の0.1%ギ酸
カラム温度:50℃
流速:1.0mL/分
カラム:Acquity UPLC BEH C18、1.7μm、2.1×50mm
勾配:
Figure 2023513168000068
分析方法5
Waters Acquity UPLCシステム/Waters SQD MSシステム
溶出液A:HO中の5mM水酸化アンモニウム
溶出液B:アセトニトリル中の5mM水酸化アンモニウム
カラム温度:50℃
流速:1.0mL/分
カラム:Acquity UPLC BEH C18、1.7μm、2.1×30mm
勾配:
Figure 2023513168000069
分析方法7
Waters Acquity UPLCシステム/Waters SQD MSシステム
溶出液A:HO中の0.1%ギ酸
溶出液B:アセトニトリル中の0.1%ギ酸
カラム温度:50℃
流速:1.0mL/分
カラム:Acquity UPLC BEH C18、1.7μm、2.1×30mm
勾配:
Figure 2023513168000070
分析方法9
Waters Acquity UPLC/Waters QTof MSシステム
溶出液A:HO中の0.05%トリフルオロ酢酸
溶出液B:アセトニトリル中の0.04%トリフルオロ酢酸
カラム温度:80℃
流速:0.5mL/分
カラム:AcQuity UPLC CSH C18、1.7μm、2.1mm×100mm
勾配:
Figure 2023513168000071
分析方法10
Waters Acquity UPLC/SQD MSシステム
溶出液A:HO中の0.05%ギ酸及び3.75mM酢酸アンモニウム
溶出液B:アセトニトリル中の0.04%ギ酸
カラム温度:60℃
流速:1.0mL/分
カラム:Acquity UPLC HSS T3、1.8μm、2.1mm×50mm
勾配:
Figure 2023513168000072
分析方法11
Waters Acquity UPLC/SQD MSシステム
溶出液A:HO中の0.05%ギ酸及び3.75mM酢酸アンモニウム
溶出液B:アセトニトリル中の0.04%ギ酸
カラム温度:60℃
流速:1.0mL/分
カラム:Acquity UPLC HSS T3、1.8μm、2.1mm×50mm
勾配:
Figure 2023513168000073
分析方法12
Waters Acquity UPLC/SQD MSシステム
溶出液A:HO中の0.05%ギ酸及び3.75mM酢酸アンモニウム
溶出液B:アセトニトリル中の0.04%ギ酸
カラム温度:60℃
流速:1.0mL/分
カラム:Acquity UPLC HSS T3、1.8μm、2.1mm×50mm
勾配:
Figure 2023513168000074
環状ベプチド合成のための一般的な手順:
以下の一般的なスキームを使用して、化合物(C1)~(C4)などの化合物環状ペプチドを得ることができる。
Figure 2023513168000075
工程1:ペプチド合成
CEM,Inc.からのLiberty(登録商標)ペプチド合成装置上での固相ペプチド合成
合成サイクルA-1
レジンをDMFで洗浄し、続いて4-メチルピペリジン/DMF(1:4)で処理することにより2回のサイクル-30秒間の1回目のサイクル及び3分間の2回目のサイクル-で脱保護した。Fmoc-アミノ酸(4~5当量;DMF中0.2M溶液)、HATU(4~5当量;DMF中0.5M溶液)及びDIPEA(4~6当量;NMP中2M溶液)の添加により、カップリングを遂行した。所望の環状ポリペプチドが得られるまでカップリング及び脱保護工程を反復した。以下の表3で示されるアミノ酸を除き、全てのFmocアミノ酸を75℃で5分間カップリングした。最終カップリングが完了した後、4-メチルピペリジン/DMA(1:4)での反復処理によってFmocを除去し、脱保護ペプチドを得た。
Figure 2023513168000076
Gyros Protein Technologies ABからのPrelude(登録商標)ペプチド合成装置上での固相ペプチド合成。
代わりに、合成サイクルB-1又は合成サイクルB-2に記載されるとおり、Prelude(登録商標)ペプチド合成装置上でペプチドを合成した。
合成サイクルB-1
レジンをDMAで洗浄した。次に、ピペリジン/DMA(1:4)でのレジンの反復処理によってFmocを除去した。Fmoc-アミノ酸(3当量;NMP中0.2M溶液)、HCTU(3当量;NMP中の0.3M溶液)及びDIPEA(3~6当量;NMP中0.66~0.9M溶液)の添加に続く、具体的な要件に依存して一般的には室温で15分~4時間の窒素と懸濁液の混合により、カップリングを遂行した。DMAで洗浄した後、カップリング工程を反復した。DMAで洗浄した後、AcO/ピリジン/DMA(1:1:8)の混合物の添加及びそれに続く室温での懸濁液の混合により、キャッピングを実施した。最終カップリングが完了した後、合成サイクルA-1において上に記載されるとおりにFmocを除去して、ペプチドを得た。
合成サイクルB-2
DMAでレジンを洗浄した。4-メチルピペリジン/DMA(1:4)での反復処理によってFmocを除去した。Fmoc-アミノ酸(3当量;NMP中0.2M溶液)、Oxyma Pure(3当量NMP中0.3M溶液)及びDIPEA(6~7当量;NMP中0.66M溶液)の混合物の添加に続く、具体的な要件に依存して室温で15分~4時間の窒素との懸濁液の混合により、カップリングを遂行した。DMAで洗浄した後、カップリング工程を反復した。DMAで洗浄した後、AcO/ピリジン/DMA(1:1:8)の混合物の添加及びそれに続く室温での懸濁液の混合により、キャッピングを実施した。最終カップリングが完了した後、合成サイクルA-1において上に記載されるとおりにFmocを除去して、ペプチドを得た。
工程2:ペプチドアシル化
工程1から得られたレジン生成物をN-メチルピロリジン中で懸濁し、2-クロロ酢酸N-スクシンイミジル(5当量)を加えた。得られたレジン混合物を室温で一晩振盪した。次に、レジンを濾過し、それぞれジメチルホルムアミド及びジクロロメタンで3回洗浄して、アシル化ペプチド生成物を得た。
工程3:保護基(PG)の同時除去あり又はなしでのレジンからの切断
本明細書中の下で列挙される切断溶液の1つとともに、工程2から得られるレジン生成物を1~3時間振盪した(0.1mmolスケールに対して1~5mL)。レジンを濾過し、0.5~1.5時間新鮮な切断溶液で再び処理した。必要に応じて切断サイクルを反復した。次に、レジンを濾過し、合わせた濾液を冷ヘプタン/ジエチルエーテル(1:1)の混合物上にゆっくりと注ぎ、沈殿物を得た。沈殿物を含有する懸濁液を遠心分離し、上清を捨てた。沈殿物を冷エーテル中で懸濁し、短時間ボルテックス処理し、続いて遠心分離した。この洗浄プロセスをさらに2回反復した。粗製ペプチド生成物を高真空下で乾燥させた。
次の切断溶液を使用した:
切断方法1:TFA/HO/TIS/DTT(92.5:2.5:2.5:2.5)
切断方法2:95%水溶液TFA/EDT/TIS(95:2.5:2.5)。
工程4:ペプチド環化
工程3から得られた粗製ペプチド生成物を、DMSO又はDMA中で溶解し、TEA又はDIPEAで処理した。次に、反応混合物を室温で一晩振盪した。環化ペプチドを含有する得られた反応混合物を遠心式蒸発器上で濃縮して、所望の環状ポリペプチドを得た。
実施例1:PCSK9受容体リガンド化合物(C1)~(C11)の合成
実施例1-1:3-((6S,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,29aS,35S,38S,44R,46aS)-15,21-ビス([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-38-ベンジル-44-((2-(((S)-1,6-ジアミノ-1-オキソヘキサン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバモイル)-24,27-ビス((R)-1-ヒドロキシエチル)-35-イソプロピル-6,12,13,18,19-ペンタメチル-5,8,11,14,17,20,23,26,29,34,37,40,46-トリデカオキソテトラテトラコンタヒドロ-5H-ジピロロ[2,1-f:2’,1’-g1][1]チア[4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40]トリデカアザシクロドテトラコンチン-9-イル)プロパン酸(C1)の合成
Figure 2023513168000077

注記:化合物(C1)は、以下のアミノ酸配列を有する。
Figure 2023513168000078

工程1:一般的なペプチド合成サイクルA-1(Fmoc-アミノ酸(4当量;DMF中0.2M溶液)、HATU(4当量;DMF中0.5M溶液)及びDIPEA(4.4当量;NMP中2M溶液))に従って、ペプチド配列F-V-P-T-T-B-(N-Me)A-B-(N-Me)A-E-A-P-C(Trt)-G-K-NH-レジン(1-1b)を、Liberty(登録商標)ペプチド合成装置上のFmoc-RAM TentaGel(商標)レジン(1-1a、0.22mmol/gローディング、0.25mmolスケール)上で合成した。次に、レジンを濾過し、DMF(2×)及びDCM(3×)で洗浄して、F-V-P-T-T-B-(N-Me)A-B-(N-Me)A-E-A-P-C(Trt)-G-K-NHレジン(1-1b)を得た。
工程2:NMP(8mL)中の2-クロロ酢酸N-スクシンイミジル(1-1c、287mg、1.5mmol)の溶液を、工程1からのペプチドレジン1-1b(0.25mmol)に加え、得られた混合物を室温で一晩振盪した。次に、レジンを水切りし、DMF(3×)及びDCM(4×)で洗浄し、乾燥させて、tClCHC(=O)-F-V-P-T-T-B-(N-Me)A-B-(N-Me)A-E-A-P-C(Trt)-G-K-NHレジン(1-1d)を得た。
工程3:工程2からのペプチドレジン生成物1-1dを、レジンから切断し、本明細書で上に記載される切断方法1を使用して同時に脱保護して、粗製ペプチドClCHC(O)-F-V-P-T-T-B-(N-Me)A-B-(N-Me)A-E-A-P-C-G-K-NH(1-1e)(266mg)を得た。分析方法1:t=1.22分;M+H+2/2 921.8。
工程4:工程3からの粗製ペプチド1-1e(460mg、0.25mmol)を、DMSO(25.4mL)中で溶解した。数滴のTEAを加え、pH8~9に調整した。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。次に、反応混合物を、遠心式蒸発器上で数mLのDMSOになるまで濃縮した。粗製の環状ペプチドを、分取HPLC(Sunfire(商標)Prep C18カラム、130Å、5μm、30×50mm、6分で15~40%、75mL/分、0.1%TFAを含む水中のACN)により精製し、続いて凍結乾燥させて、環状ペプチド化合物3-((6S,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,29aS,35S,38S,44R,46aS)-15,21-ビス([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-38-ベンジル-44-((2-(((S)-1,6-ジアミノ-1-オキソヘキサン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバモイル)-24,27-ビス((R)-1-ヒドロキシエチル)-35-イソプロピル-6,12,13,18,19-ペンタメチル-5,8,11,14,17,20,23,26,29,34,37,40,46-トリデカオキソテトラテトラコンタヒドロ-5H-ジピロロ[2,1-f:2’,1’-g1][1]チア[4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40]トリデカアザシクロドテトラコンチン-9-イル)プロパン酸(C1)(配列番号1)を得た。分析方法3:t=0.45分、M+2/2 903.7。
実施例1-2:2-((3R,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,30S,33S,36S,39S,44aS)-30-([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-3-((2-アミノ-2-オキソエチル)カルバモイル)-36-(4-アミノブチル)-9-ベンジル-18,21-ビス((R)-1-ヒドロキシエチル)-24,39-ビス(ヒドロキシメチル)-12-イソプロピル-26,27,32,33-テトラメチル-1,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40-トリデカオキソドテトラコンタヒドロ-6H-ピロロ[2,1-f][1]チア[4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40]トリデカアザシクロドテトラコンチン-15-イル)酢酸(C2)の合成
Figure 2023513168000079

注記:化合物(C2)は以下のアミノ酸配列を有する。
Figure 2023513168000080

工程1:一般的なペプチド合成サイクルA-1(Fmoc-アミノ酸(4当量;DMF中0.2M溶液)、HATU(4当量;DMF中0.5M溶液)及びDIPEA(4.4当量;NMP中2M溶液))に従って、ペプチド配列F-V-D-T-T-S-(N-Me)A-B-(N-Me)A-K-S-P-C(Trt)-G-NH-レジン(1-2b)を、Liberty(登録商標)ペプチド合成装置上のFmoc-Gly-RAM TentaGel(商標)レジン(1-2a、0.22mmol/gローディング、0.25mmolスケール)上で合成した。次に、レジンを濾過し、DMF(2×)及びDCM(3×)で洗浄して、F-V-D-T-T-S-(N-Me)A-B-(N-Me)A-K-S-P-C(Trt)-G-NHレジン(1-2b)を得た。
工程2:NMP(8mL)中の2-クロロ酢酸N-スクシンイミジル(1-2c、287mg、1.5mmol)の溶液を、工程1からのペプチドレジン1-2b(0.25mmol)に加え、得られた混合物を室温で一晩振盪した。次に、レジンを水切りし、DMF(3×)及びDCM(4×)で洗浄し、乾燥させて、ClCHC(=O)-F-V-D-T-T-S-(N-Me)A-B-(N-Me)A-K-S-P-C(Trt)-G-NHレジン(1-2d)を得た。
工程3:工程2からのペプチドレジン生成物1-2dを、レジンから切断し、本明細書で上に記載される切断方法1を使用して同時に脱保護して、粗製ペプチドClCHC(O)-F-V-D-T-T-S-(N-Me)A-B-(N-Me)A-K-S-P-C-G-NH(1-2e)(266mg)を得た。
工程4:工程3からの粗製ペプチド1-2e(266mg)を、DMSO(20.5mL)中で溶解した。数滴のTEAを加え、pH8~9に調整した。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。次に、反応混合物を、遠心式蒸発器上で数mLのDMSOになるまで濃縮した。粗製の環状ペプチドを、分取HPLC(Sunfire(商標)Prep C18カラム、130Å、5μm、30×50mm、6分で15~40%、75mL/分、0.1%TFAを含む水中のACN)により精製し、続いて凍結乾燥させて、環状ペプチド化合物2-((3R,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,30S,33S,36S,39S,44aS)-30-([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-3-((2-アミノ-2-オキソエチル)カルバモイル)-36-(4-アミノブチル)-9-ベンジル-18,21-ビス((R)-1-ヒドロキシエチル)-24,39-ビス(ヒドロキシメチル)-12-イソプロピル-26,27,32,33-テトラメチル-1,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40-トリデカオキソドテトラコンタヒドロ-6H-ピロロ[2,1-f][1]チア[4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40]トリデカアザシクロドテトラコンチン-15-イル)酢酸(C2)(配列番号2)を得た。分析方法9:t=7.88、m+1=1573.8;(m+2)/2=787.3。
下の表4における環状ペプチド化合物(C3)及び(C4)は、実施例1-2に記載されるとおりの類似の方法を使用して得られたが、工程1で合成されるペプチド配列(1-2b)の代わりに、環状ペプチド化合物(C3)及び(C4)のための工程1で合成される対応するペプチド配列は、表4においても与えられる。
Figure 2023513168000081
環状ペプチド化合物(C3)及び(C4)に関する分析データは、下の表5において要約され、本明細書に記載される分析方法E-1を使用して得られた。
Figure 2023513168000082
実施例1-3:3-((6S,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,29aS,35S,38S,44R,46aS)-15,21-ビス([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-44-((2-(((S)-1-アミノ-1-オキソ-6-(4-オキソペンタンアミド)ヘキサン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバモイル)-38-ベンジル-24,27-ビス((R)-1-ヒドロキシエチル)-35-イソプロピル-6,12,13,18,19-ペンタメチル-5,8,11,14,17,20,23,26,29,34,37,40,46-トリデカオキソテトラテトラコンタヒドロ-5H-ジピロロ[2,1-f:2’,1’-g1][1]チア[4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40]トリデカアザシクロドテトラコンチン-9-イル)プロパン酸(C5)の合成
Figure 2023513168000083

DMSO(1mL)中の環状ペプチド(C1)(75mg、0.039mmol)の室温溶液に、DMSO(1mL)中のDIPEA(0.020mL、0.117mmol)及び4-オキソペンタン酸2,5-ジオキソピロリジン-1-イル(0.130mL、0.117mmol)を加えた。反応物を、C18フラッシュクロマトグラフィー(30gカラム、15分間かけて0~80%ACN/水)により直接的に精製し、純粋な画分を、Genevacにより乾燥させて、環状ペプチド(C5)を得た。分析方法7:t=1.07分、M-1=951.3
中間体の合成
(R)-2-ベンジル-4-(tert-ブトキシ)-4-オキソブタン酸(int-A1)の合成
Figure 2023513168000084

工程1.THF(9L)中の(S)-4-ベンジルオキサゾリジン-2-オン(500g、2.821mol)の冷たい撹拌溶液に、n-BuLi(ヘキサン中の2.5M)(1.24L、3.103mol)を-78℃で30分間かけてゆっくりと加え、得られた混合物を-78℃で30分間撹拌した。次に、THF(1L)中の3-フェニルプロパノイルクロリド(571g、3.38mol)の溶液を、-78℃~-60℃で1時間かけてゆっくりと加え、反応混合物を2時間室温までゆっくりと温めた。反応混合物を0℃に冷却し、飽和NHCl(500mL)でクエンチし、ジクロロメタン(2×1.5L)で抽出した。合わせた有機層を、0.5N NaOH(1L)及び塩水(1L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。粗製の(S)-4-ベンジル-3-(3-フェニルプロパノイル)オキサゾリジン-2-オン(int-A1-1)を、石油エーテル(5L)で1時間トリチュレートした。固体生成物を濾過し、石油エーテル(500mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、(S)-4-ベンジル-3-(3-フェニルプロパノイル)オキサゾリジン-2-オン(int-A1-1)を得た。分析方法7;t=1.53分;[M+H]=310.2。
工程2.THF(7L)中の(S)-4-ベンジル-3-(3-フェニルプロパノイル)オキサゾリジン-2-オン(int-A1-1)(500g、1.616mol)の冷たい撹拌溶液に、THF中の1.0M NaHMDS(1.94L、1.939mol)を-78℃で30分間かけてゆっくりと加えた。得られた混合物を-78℃で1時間撹拌し、続いてTHF(500mL)中の酢酸tert-ブチル-2-ブロモ(472.8g、2.424mol)の溶液を-78℃で30分間かけて滴下して加えた。混合物を2時間撹拌し、続いて飽和NHCl(500mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×1.5L)で抽出した。合わせた有機層を塩水溶液(2L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製の材料をメタノール(800mL)で1時間トリチュレートした後、固体生成物を濾過し、メタノール(200mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、3-ベンジル-4-((S)-4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-4-オキソブタン酸(R)-tert-ブチル(int-A1-2)を得た。分析方法7;t=1.78分;[M-tBu]=368.3。
工程3.THF(9L)中の3-ベンジル-4-((S)-4-ベンジル-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-4-オキソブタン酸(R)-tert-ブチル(int-A1-2)(250g、0.59mol)の冷たい撹拌溶液に、0~5℃で30%H(267mL、2.37mol)を加え、反応物を同じ温度で30分間撹拌した。次に、水(3L)中のLiOH.HO(49.5g、1.18mol)の溶液を、0~5℃で上の反応混合物に加え、混合物を1時間撹拌した。反応混合物を、飽和硫酸ナトリウム(1.6L)及び飽和炭酸水素ナトリウム(1.6L)でクエンチした。次に、溶媒を減圧下で濃縮し、水(3L)で希釈し、DCM(2×1L)で洗浄して、不純物を除去した。次に、水層を5℃に冷却し、6M HCl(1L)で約1.5のpHに酸性化した。生成物を酢酸エチル(3×1L)で抽出した。合わせた有機層を塩水溶液(1L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で濃縮して、(R)-2-ベンジル-4-(tert-ブトキシ)-4-オキソブタン酸(int-A1)を得た。分析方法7;t=1.78分;[M-H]=263.5。H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 1.42(s,9H),2.36(dd,J=16.93,4.58Hz,1H),2.48-2.62(m,1H),2.71-2.83(m,1H),3.00-3.18(m,2H),7.12-7.35(m,6H).
((1S,2S)-2-(メチルアミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert-ブチル(int-B1)の合成
Figure 2023513168000085

工程1.4-ニトロベンゼンスルホニルクロリド(23.29g、105mmol)を、DCM(200mL)中の(1S,2S)-(+)-1,2-ジアミノシクロヘキサン(12g、105mmol)及びトリエチルアミン(21.97mL、158mmol)の溶液に0℃で加え、同じ温度で30分間撹拌した。反応物を室温までゆっくりと温め、16時間撹拌した。反応の進行をTLC(石油エーテル中の80%酢酸エチル)によってモニターした。反応混合物を濃縮し、水で希釈し、固体を沈殿させた。沈殿物を濾過し、過剰量の水及びEtOAcで洗浄し、真空下で乾燥させて、N-((1S,2S)-2-アミノシクロヘキシル)-4-ニトロベンゼンスルホンアミド(int-B1-1)を得た。分析方法7;t=0.74分;[M+H]=300.2。HNMR(300MHz,CDCl):δ 8.33-8.31(d,J=8.8Hz,2H),8.05-8.02(d,J=8.8Hz,2H),6.19-6.18(d,J=4.8Hz,1H),4.40-4.38(d,J=7.6Hz,1H),3.35-3.33(d,J=10.4Hz,1H),2.97-2.91(m,1H),2.01-1.93(m,2H),1.73-1.68(m,2H),1.67-1.65(d,J=6.8Hz,1H),1.52-1.47(m,9H),1.29-1.16(m,4H).
工程2.Boc-無水物(13.70mL、59.0mmol)を、DCM(200mL)中のN-((1S,2S)-2-アミノシクロヘキシル)-4-ニトロベンゼンスルホンアミド(int-B1-1)(17.66g、59.0mmol)の撹拌溶液に加え、3時間撹拌した。反応の進行をTLC(石油エーテル中の50%酢酸エチル)によってモニターした。反応混合物を減圧下で濃縮して、((1S,2S)-2-((4-ニトロフェニル)スルホンアミド)シクロヘキシル)カルバミン酸tert-ブチル(int-B1-2)を得た。分析方法7;t=1.14分;[M-Boc+H]=299.9。HNMR(400MHz,CDCl):δ 8.33-8.31(d,J=9.2Hz,2H),8.04-8.02(d,J=8.8Hz,2H),6.17-6.16(d,J=4.8Hz,1H),4.38-4.36(d,J=7.2Hz,1H),3.35-3.32(m,1H),2.96-2.91(m,1H),2.02-1.92(m,2H),1.73-1.65(m,2H),1.52-1.46(m,6H),1.36-1.27(m,9H),1.28-1.21(m,4H).
工程3.ヨウ化メチル(18.19mL、294mmol)を、DMF(200mL)中の((1S,2S)-2-((4-ニトロフェニル)スルホンアミド)シクロヘキシル)カルバミン酸tert-ブチル(int-B1-2)(23.5g、58.8mmol)及びCsCO(47.9g、147mmol)の撹拌溶液に加え、同じ温度で3時間撹拌した。反応の進行をTLC(石油エーテル中の40%酢酸エチル)によってモニターした。反応混合物を水(300mL)で希釈し、酢酸エチル(300mL)で抽出した。有機層を水及び塩水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させた。有機層を減圧下で濃縮して、粗製の化合物を得た。粗製の化合物を、溶媒として石油エーテル中の0~30%の酢酸エチルで溶出するシリカゲル(100~200メッシュ)カラムクロマトグラフィーを使用する順相クロマトグラフィーにより精製して、((1S,2S)-2-((N-メチル-4-ニトロフェニル)スルホンアミド)シクロヘキシル)カルバミン酸tert-ブチル(int-B1-3)を得た。分析方法7;t=1.22分;[M-Boc]=313.9。HNMR(300MHz,CDCl):δ 8.36-8.35(d,J=6.8Hz,2H),8.00-7.97(d,J=8.8Hz,2H),4.48(s,1H),4.14-4.09(m,1H),3.56-3.54(d,J=6.4Hz,2H),2.88(s,3H),2.12-2.10(m,1H),2.04(s,1H),1.72-1.70(d,J=7.6Hz,2H),1.41(s,9H),1.27-1.23(m,4H).
工程4.DMF:MeOH(1:1、12mL)の混合物中の((1S,2S)-2-((N-メチル-4-ニトロフェニル)スルホンアミド)シクロヘキシル)カルバミン酸tert-ブチル(int-B1-3)(1.55g、3.75mmol)、CsCO(8.55g、26.2mmol)及び2-メルカプト酢酸(1.524mL、14.99mmol)の混合物を、室温で1時間撹拌した。反応の進行をTLC(DCM中の10%MeOH)によってモニターした。反応混合物を水(100mL)及び酢酸エチル(100mL)で希釈した。水層を酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させた。有機層を減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を、溶出液としてDCM中の0~5%MeOHで溶出するシリカゲル(100~200メッシュ)カラムクロマトグラフィーによる順相クロマトグラフィーにより精製して、((1S,2S)-2-((メチルアミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert-ブチル(int-B1)を得た。分析方法7;t=0.75分;[M+H]=229.3。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ 6.26-6.18(m,1H),3.08-3.06(m,1H),2.35(s,3H),2.15-2.12(m,1H),1.93-1.86(m,1H),1.77(m,1H),1.61-1.58(m,2H),1.37(s,9H),1.23-0.96(m,5H).
(S)-N-(2-(メチルアミノ)プロピル)-4-ニトロベンゼンスルホンアミド(int-B2)の合成
Figure 2023513168000086

工程1.THF(6L)中のN-Me-Boc-Ala-OH(1000.0g、4.92mol)の撹拌溶液に、0℃でDIEA(3179.0g、24.6mol)を加えた。5分後、HATU(2058.0g、294mmol)を一度に加え、撹拌を同じ温度で15分間続けた。次に、固体塩化アンモニウム(1316.0g、24.6mol)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。大量の沈殿物が形成され、使い捨てフリットに通して濾過し、固体の大部分が溶解するまでTHFで複数回洗浄した。濾液を減圧下で蒸発させて、粗生成物を得た。粗製の塊を水(2L)で希釈し、石油エーテル(2×2.5L)により抽出して、非極性不純物を除去した。次に、水部分を、石油エーテル中の40%EtOAcで複数回抽出した。次に、全ての有機部分を合わせ、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、(S)-(1-アミノ-1-オキソプロパン-2-イル)(メチル)カルバミン酸tert-ブチル(int-B2-1)を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 6.70-7.47(m,2H),4.48-4.49(m,1H),4.11-4.82(m,1H),3.08(s,1H),2.72(s,3H),1.39(br.s.,9H),1.18-1.29(m,3H),1.11(s,1H).
工程2.1,4-ジオキサン(500mL)中の(S)-(1-アミノ-1-オキソプロパン-2-イル)(メチル)カルバミン酸tert-ブチル(int-B2-1)(100g、0.49mol.)の撹拌溶液に、アルゴン下でNaBH(56.4g、1.48mol)を加えた。ジオキサン(200mL)中の酢酸(90mL)を、孔として取り付けられたバブラーを用いて、穏やかな泡立ちを維持するために混合物に滴下して加えた。酸の添加の完了時に、還流冷却器を取り付け、混合物を110℃まで4時間加熱した。混合物を加熱から取り外し、室温にした。反応物の塊を、氷によってクエンチし、2N HClで酸性化した。溶液をEtOAcで抽出し、水性部分を50%NaOHでpH13~14まで塩基性化した。次に、溶液をジエチルエーテルで抽出し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、(S)-(1-アミノプロパン-2-イル)(メチル)カルバミン酸tert-ブチル(int-B2-2)を得た。粗製の化合物を、精製することなく次の工程のために使用した。
工程3.ACN(1500mL)中の粗製の(S)-(1-アミノプロパン-2-イル)(メチル)カルバミン酸tert-ブチル(int-B2-2)(300.0g、1.59mol)の撹拌溶液に、NaHCO(406.9g、4.78mol)を加えた後、塩化ノシル(388.9g、1.75mol)を0℃で加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。反応溶液を氷水(2000mL)でゆっくりとクエンチし、白色沈殿物が形成されるまで2時間撹拌した。固体を濾過し、水及び石油エーテルで洗浄し、真空下で乾燥させて、(S)-メチル(1-((4-ニトロフェニル)スルホンアミド)プロパン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(int-B2-3)を得た。粗製の化合物を、精製することなく次の工程のために使用した。
工程4.1,4-ジオキサン(2000mL)中の粗製の(S)-メチル(1-((4-ニトロフェニル)スルホンアミド)プロパン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(int-B2-3)(450.0g、1.2mol)の撹拌溶液に、HCl(1,4-ジオキサン中の4M、2000mL)を加え、反応混合物を室温で4時間撹拌した。反応中に沈殿した固体を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥させて、HCl塩としてアミンを得た。粗製の固体の塊を、n-ペンタンによって複数回洗浄し、乾燥させて、(S)-N-(2-(メチルアミノ)プロピル)-4-ニトロベンゼンスルホンアミド(int-B2)を得た。分析方法7;t=0.69分;[M+H]=274.2。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 1.18(d,J=6.57Hz,3H)2.47-2.55(m,4H)2.89-3.13(m,2H)3.14-3.26(m,1H)8.03-8.16(m,2H)8.37-8.52(m,2H).
(S)-(2-(メチルアミノ)-6-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ヘキシル)カルバミン酸tert-ブチル(int-B3)の合成
Figure 2023513168000087

工程1.DCM(80mL)中のFmoc-Lys-OH HCl(4.05g、10mmol)の懸濁液に、MeSiCl(3.83mL、30.0mmol)及びDIEA(8.73mL、50.0mmol)を0℃で加え、得られた混合物を0℃で20分間撹拌し、透明な溶液になった。DIEA(1.747mL、10.00mmol)及び2-ニトロベンゼン-1-スルホニルクロリド(2.327g、10.50mmol)を加え、反応混合物を0℃で30分間撹拌し、続いて真空中で濃縮乾固させた。得られた残渣を、EtOAc(150mL)と5%aq.KHSO(50mL)との間で分配した。有機層を、5%aq.KHSO(3×50mL)及び塩水(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮乾固させて、N-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)-N-((2-ニトロフェニル)スルホニル)-L-リジン(int-B3-1)を得た。粗生成物を精製することなく次の工程において使用した。分析方法10;t=1.08分;[M+NH4]=571.3。
工程2.DMF(80mL)中のN-(((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)-N-((2-ニトロフェニル)スルホニル)-L-リジン(int-B3-1)(5.36g、9.68mmol)、NHCl(1.036g、19.36mmol)及びHOBt(1.483g、9.68mmol)の懸濁液に、DIEA(6.76mL、38.7mmol)を0℃で加えた。得られた懸濁液を0℃で5分間撹拌し、続いてTBTU(3.42g、10.65mmol)を加えた。0℃で1時間撹拌した後、反応混合物を、EtOAc(250mL)と5%aq.NaHCO(100mL)との間で分配した。有機層を、5%aq.NaHCO(3×50mL)及び塩水(25mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮乾固させて、(S)-(1-アミノ-6-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバミン酸(9H-フルオレン-9-イル)メチル(int-B3-2)を得た。粗生成物を精製することなく次の工程において使用した。分析方法19;t=1.04分;[M+H]=553.3。
工程3-1:THF(60mL)中で溶解された(S)-(1-アミノ-6-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)-1-オキソヘキサン-2-イル)カルバミン酸(9H-フルオレン-9-イル)メチル(int-B3-2)(9.66mmol)に、BH-S(CH(5.50mL、58.0mmol)を加え、得られた混合物を室温で2時間15分間、続いて50℃で6.5時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却した。
工程3-2:O(1mL)及び6M aq.HCl(2mL)を加え、反応混合物を室温で14.5時間撹拌した。
工程3-3:0.5M aq.NaCO(48.3mL、24.15mmol)及びTHF(20mL)中のBocO(2.243mL、9.66mmol)の溶液を加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌し、EtOH(1mL)中の8M MeNHでクエンチし、室温で30分間撹拌した。
工程3-4:4M aq.NaOH(9.66mL、38.6mmol)を加え、反応混合物を室温で85分間撹拌した。次に、4-メチルピペリジン(4mL)を加え、反応混合物を室温で40分間撹拌した。追加の4-メチルピペリジン(8mL)を加え、室温での撹拌を30分間続けた。次に、室温で25分間撹拌しながらMeOH(10mL)を加えた。追加のMeOH(20mL)及び4-メチルピペリジン(10mL)を加え、30分間撹拌した。次に、反応混合物を真空中で濃縮し、粗生成物を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(溶出液A:EtOAc/DIEA(98:2)、溶出液B:EtOAc/MeOH/DIEA(95:5:2))により精製した。純粋な画分を合わせ、真空中で濃縮乾固させて、(S)-(2-アミノ-6-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ヘキシル)カルバミン酸tert-ブチル(int-B3-3)を得た。分析方法10;t=0.69分;[M+H]=417.2。
工程4.ギ酸(0.611mL、15.92mmol)及びAcO(1.502mL、15.92mmol)の混合物を室温で40分間撹拌し、続いてDCM(15mL)中の(S)-(2-アミノ-6-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ヘキシル)カルバミン酸tert-ブチル(int-B3-3)(1.326g、3.18mmol)の溶液に加えた。反応混合物を室温で15分間撹拌し、真空中で濃縮乾固させた。得られた残渣を、EtOAc(80mL)と5%aq.NaHCO(10mL)との間で分配し、有機層を、5%aq.NaHCO(4×10mL)及び塩水(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮乾固させて、黄色の泡として(S)-(2-ホルムアミド-6-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ヘキシル)カルバミン酸tert-ブチル(int-B3-4)(1.217g、2.74mmol、収率86%)を得た。粗生成物を精製することなく次の工程において使用した。分析方法10;t=0.87分;[M+H]=445.2。
工程5-1:THF(20mL)中で溶解された(S)-(2-ホルムアミド-6-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ヘキシル)カルバミン酸tert-ブチル(int-B3-4)(1.217g、2.74mmol)に、BH-S(CH(1.300mL、13.69mmol)を加え、得られた混合物を、室温で3時間40分間撹拌した。
工程5-2:反応物を、MeOH(2mL)の添加によりクエンチし、得られた溶液を、室温で125分間撹拌した。MeOH(3mL)を加え、撹拌を60℃で75分間続けた。次に、反応混合物を真空中で濃縮乾固させた。
工程5-3:得られた残渣を、MeOH(20mL)中で溶解させ、HO(1mL)中の10%Pd/C(0.087g、0.082mmol)の懸濁液を加えた。得られた混合物を、60℃で3.5時間撹拌した。HO(1mL)中の追加の10%Pd/C(0.087g、0.082mmol)を加え、60℃での撹拌を2.5時間続けた。反応混合物を、Hyflo(CAS No:61790-53-2)上で濾過し、濾液を真空中で濃縮乾固させて、(S)-(2-(メチルアミノ)-6-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ヘキシル)カルバミン酸tert-ブチル(int-B3)を得た。粗生成物を精製することなく次の工程において使用した。分析方法10;t=0.71分;[M+H]=431.3。
(S)-3-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-4-(4-クロロフェニル)ブタン酸(int-C1)の合成
Figure 2023513168000088

工程1.THF(8L)中の(3S)-3-[[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ]-4-(4-クロロフェニル)ブタン酸(360g、1.15mol)の溶液を含有する窒素の不活性雰囲気でパージされ、維持された20Lの4口丸底フラスコに、水素化ナトリウム(212g、5.74mol、65%)を0℃で少量ずつ加え、得られた混合物を0℃で1時間撹拌した。次に、MeI(1633g、11.5mol)を、0℃で撹拌しながら滴下して加え、得られた溶液を、35℃で4時間撹拌した。次に、反応混合物を、-10℃で300gの水/氷の添加によりクエンチし、真空下で濃縮し、続いて3Lの水で希釈した。水相を、3×1Lのエーテルで抽出した。水相のpH値を、0℃でHCl(2N)によりpH3に調整し、得られた溶液を、3×2Lの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を、塩水(1×2L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)-4-(4-クロロフェニル)ブタン酸(int-C1-1)を得た。分析方法7;t=1.01分;[M+H]=328.1。
工程2.DCM(3L)中の(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)-4-(4-クロロフェニル)ブタン酸(int-C1-1)(284.2g、866.98mmol)の溶液を含有する窒素の不活性雰囲気でパージされ、維持された5Lの4口丸底フラスコに、0℃で撹拌しながらTFA(990.8g、8.77mol)を滴下して加えた。得られた溶液を、室温で一晩撹拌し、続いて真空下で濃縮して、(S)-4-(4-クロロフェニル)-3-(メチルアミノ)ブタン酸(int-C1-2)を得た。分析方法1;t=0.66分;[M+H]=228.2。
工程3.ジオキサン:HO(5:1)(3.6L)中の(S)-4-(4-クロロフェニル)-3-(メチルアミノ)ブタン酸トリフルオロ酢酸塩(int-C1-2)(320g粗製物)の溶液を含有する窒素の不活性雰囲気でパージされ、維持された5Lの4口丸底フラスコに、複数個のバッチで炭酸ナトリウム(249.1g、2.35mol)を加えた。次に、Fmoc-Cl(242g、935.45mmol)を、0℃で複数個のバッチで加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、真空下で濃縮し、続いて3Lの水で希釈した。水溶液のpH値を、HCl(1N)でpH5に調整した。水相を、3×1Lの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を、塩水(1×1L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の残渣を、酢酸エチル/石油エーテル(1:5-1:3)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、(S)-3-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-4-(4-クロロフェニル)ブタン酸(int-C1)を得た。分析方法1;t=1.60分;[M+H]=450.3。H NMR(300MHz,DMSO-d,ppm):δ 12.09-12.45(br,1H),7.89(m,2H),7.21-7.69(m,8H),7.13-7.20(m,1H),6.85-7.08(br,1H),4.04-4.55(m,4H),2.73-2.8(m,1H),2.11-2.85(m,6H).
(R)-3-アミノ-3-(4-クロロベンジル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(int-C2)の合成
Figure 2023513168000089

工程1-1:トルエン(100mL)及びDIEA(5.11ml、29.3mmol)中で溶解された1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-(4-クロロベンジル)ピペリジン-3-カルボン酸(6.905g、19.51mmol)に、ジフェニルホスホリルアジド(5.48ml、25.4mmol)を加え、反応物を室温で2.5時間、続いて100℃で4時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(300mL)と5%aq.NaHCO(60mL)との間で分配した。有機相を、5%aq.NaHCO(3×60mL)及び塩水(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮乾固させた。
工程1-2:ジオキサン(200mL)中で溶解された工程1-1由来の残渣に、1M NaOH(195ml、195mmol)を加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌し、続いて真空中で濃縮乾固させた。得られた残基を、EtOAc(250mL)と5%aq.NaCO(20mL)との間で分配し、水相を、EtOAc(70mL)で抽出した。合わせた有機相を、5%aq.NaCO(40mL)及び塩水(40mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮乾固させて、ラセミ体の3-アミノ-3-(4-クロロベンジル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルを得て、これをさらに精製することなく次の工程において使用した。分析方法10;t=0.80分;[M+H]=325.2。
工程2.ラセミ体の3-アミノ-3-(4-クロロベンジル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(19.5mmol)を、以下の条件:カラム:ChiralPak AD、300×50mm I.D.、10μm;溶出液A:CO;溶出液B:EtOH(0.1%NHOH);勾配:B 45%;流速:200mL/分;背圧:100bar;カラム温度:38℃;サイクル時間:約9分;化合物は、約130mL MeOH中で溶解され;注入:1回の注入当たり10mLを使用して分取SFC(機器:Thar 200分取SFC)により分離した。(R)-3-アミノ-3-(4-クロロベンジル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(int-C2)(より遅く溶出する異性体)及び部分的な結晶化が、保管時に生じ、X線結晶解析による構造的な確認を可能にした。分析方法10;t=0.77分;[M+H]=325.3。
(R)-3-(4-クロロベンジル)ピペリジン-3-アミン塩酸塩(int-C3)の合成
Figure 2023513168000090

(R)-3-アミノ-3-(4-クロロベンジル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(int-C2)(2.09g、6.43mmol)を、ジオキサン(10mL)中で溶解させた。ジオキサン中の4M HCl(50mL)及びHO(5mL)を加え、溶液を室温で4時間撹拌した。反応物を真空中で濃縮乾固させて、(R)-3-(4-クロロベンジル)ピペリジン-3-アミン塩酸塩(int-C3)を得た。分析方法10;t=0.40分;[M+H]=225.1。
4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンズアルデヒド(int-F1)の合成
Figure 2023513168000091

工程1.窒素の不活性雰囲気下でパージされ、維持された5Lの3口丸底フラスコに、ジクロロメタン(3L)及びTHF(1L)中の5-ブロモ-1-メチル-1H-イミダゾール-2-カルバルデヒド(216g、1.14mol、1.00当量)及び4Åモレキュラーシーブを入れた後、ジメチルアミン(862.5mL、1.50当量)を入れた。得られた混合物を室温で30分間撹拌し、NaBH(OAc)(292.6g、1.38mol、1.20当量)を0℃においてバッチ式で加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、続いて水(1L)でクエンチした。有機相を分離し、HO(2×2L)で洗浄した。次に、水相を、DCM(2×1L)で抽出した。合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残渣を、ジクロロメタン/酢酸エチル(2:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、[(5-ブロモ-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル]ジメチルアミン(int-F1-1)を得た。分析方法5;t=0.60分;[M+H]=220.1。
工程2.窒素の不活性雰囲気下でパージされ、維持された3Lの4口丸底フラスコに、N,N-ジメチルホルムアミド(1.3L)中の[(5-ブロモ-1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)メチル]ジメチルアミン(int-F1-1)(53.675g、246.11mmol、1.00当量)、(4-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(66.55g、482.49mmol、1.50当量)、Pd(dppf)Cl(11.75g、16.06mmol、0.05当量)及び酢酸カリウム(189.05g、1.93mol、6.00当量)を入れた。得られた溶液を、油浴中において90℃で18時間撹拌した。反応を同じスケールで3回繰り返した。バッチを合わせ、混合物を室温に冷却し、続いて3.5Lの水/氷に注いだ。得られた溶液をEtOAc(3×1.5L)で抽出し、有機層を合わせた。混合物を水(1L)で希釈し、溶液のpH値を、2M aq.HClで4~5に調整した。水相をEtOAc(2×1L)で抽出し、水層を合わせた。溶液のpH値を、NHOHで11に調整した。得られた溶液をDCM(6×1L)で抽出し、有機層を合わせ、真空下で濃縮した。粗生成物を、ジクロロメタン/酢酸(8:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、紫色油として4-[2-[(ジメチルアミノ)メチル]-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル]フェノール(int-F1-2)(120g、53%)を得た。分析方法5;t=0.55分;[M+H]=232.1。
工程3.3Lの4口丸底フラスコに、N,N-ジメチルホルムアミド(2L)中の4-[2-[(ジメチルアミノ)メチル]1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル]フェノール(int-F1-2)(120g、518.82mmol、1.00当量)及び炭酸カリウム(214.9g、1.55mol、3.00当量)を入れた。得られた混合物を室温で30分間撹拌し、4-クロロ-2-フルオロベンズアルデヒド(98.5g、621.23mmol、1.20当量)を加えた。反応混合物を、油浴中において90℃で4時間撹拌し、続いて室温に冷却し、水(3L)で希釈した。得られた溶液をEtOAc(3×2L)で抽出し、有機層を合わせた。混合物を水(1L)で希釈し、溶液のpH値を、2M aq.HClで2に調整した。水相をEtOAc(3×2L)で抽出し、水層を合わせた。溶液のpH値を、NHOHで11に調整し、続いてDCM(2×2L)で抽出した。合わせた有機相を真空下で濃縮し、続いてジクロロメタン/酢酸(7:3)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、4-クロロ-2-(4-[2-[(ジメチルアミノ)メチル]1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル]フェノキシ)ベンズアルデヒド(int-F1)を得た。H NMR:(300MHz,CDCl,ppm):δ 10.47(s,1H),7.90(d,J=8.4Hz,1H),7.44(d,J=8.6Hz,1H),7.25-7.10(m,3H),7.02(s,1H),6.94(d,J=1.9Hz,1H),3.71(s,3H),3.60(s,2H).分析方法5;t=1.00分;[M+H]=370.2。
4-クロロ-2-(4-(1-メチル-2-(ピロリジン-1-イルメチル)-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンズアルデヒド(int-F2)の合成
Figure 2023513168000092

工程1.DCM(70mL)中の5-ブロモ-1-メチル-1H-イミダゾール-2-カルバルデヒド(1.890g、10.0mmol)の溶液に、ピロリジン(1.643mL、20.0mmol)を加えた。室温で25分間撹拌した後、NaBH(OAc)(8.48g、40.0mmol)を加えた。得られた混合物を室温で105分間撹拌し、続いて真空中で濃縮乾固させ、EtOAc(250mL)と1M aq.NaOH(50mL)との間で分配した。有機層を、1M NaOH(2×40mL)及び塩水(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮乾固させて、5-ブロモ-1-メチル-2-(ピロリジン-1-イルメチル)-1H-イミダゾール(int-F2-1)を得た。粗生成物を精製することなく次の工程において使用した。分析方法11;t=0.66分;[M+H]=244.1。
工程2.5-ブロモ-1-メチル-2-(ピロリジン-1-イルメチル)-1H-イミダゾール(int-F2-1)(10mmol)、(4-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(2.76g、20.0mmol)及び[1,1’-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.978g、1.50mmol)に、ジオキサン(30mL)及び1M aq.NaCO(30mL)を加えた。反応混合物をN雰囲気下において100℃で4時間撹拌した。追加量の(4-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(1.379g、10.0mmol)を加え、100℃での撹拌を135分間続けた。さらなる(4-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(1.379g、10.0mmol)及び[1,1’-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.244g、0.375mmol)を加え、100℃での撹拌を18.75時間続けた。EtOAc(250mL)及びHO(50mL)を加え、混合物をHyflo上で濾過した。層を分離し、有機層を、5%aq.NaHCO(3×40mL)及び塩水(40mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮乾固させた。粗生成物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(溶出液A:EtOAc/MeOH/DIEA(95:5:2)、溶出液B:EtOAc/MeOH/DIEA(85:15:2))により精製して、4-(1-メチル-2-(ピロリジン-1-イルメチル)-1H-イミダゾール-5-イル)フェノール(int-F2-2)を得た。分析方法11;t=0.76分;[M+H]=258.1。
工程3.4-(1-メチル-2-(ピロリジン-1-イルメチル)-1H-イミダゾール-5-イル)フェノール(int-F2-2)(1.029g、4mmol)及び4-クロロ-2-フルオロベンズアルデヒド(0.824g、5.20mmol)を、NMP(20mL)中で溶解させ、KCO(1.437g、10.40mmol)を加えた。反応混合物を80℃で18時間撹拌し、続いてEtOAc(125mL)とHO(20mL)との間で分配した。有機層を、5%aq.NaHCO溶液(3×10mL)及び塩水(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮乾固させた。粗生成物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(溶出液A:EtOAc/DIEA(98:2)、溶出液B:EtOAc/MeOH/DIEA(90:10:2))により精製して、4-クロロ-2-(4-(1-メチル-2-(ピロリジン-1-イルメチル)-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンズアルデヒド(int-F2)を得た。分析方法10;t=0.79分;[M+H]=396.2。
(R)-4-((R)-3-アミノ-3-(4-クロロベンジル)ピペリジン-1-イル)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸メチル(int-F3)の合成
Figure 2023513168000093

工程1.DMA(4mL)中の(R)-2-ベンジル-4-(tert-ブトキシ)-4-オキソブタン酸(int-A1)(244mg、0.924mmol)を含有するバイアルに、DIPEA(0.323mL、1.848mmol)及びHATU(358mg、0.942mmol)を室温で複数回に分けて加えた。添加が完了した後、得られた混合物をさらに15分間室温で撹拌し、続いてDMA(1.5mL)及びDIPEA(0.807mL、4.62mmol)中の(R)-3-(4-クロロベンジル)ピペリジン-3-アミン(int-C3)(275mg、0.924mmol)を含有する別のバイルに滴下して加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、続いて分液漏斗に移し、EtOAcで希釈し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液及び塩水(×3)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、(R)-4-((R)-3-アミノ-3-(4-クロロベンジル)ピペリジン-1-イル)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸tert-ブチルを得て、これをさらに精製することなく次の工程に進めた。
工程2.無水メタノール(18mL)中の(R)-4-((R)-3-アミノ-3-(4-クロロベンジル)ピペリジン-1-イル)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸tert-ブチル(435mg、0.924mmol)を含有し、氷浴で冷却された丸底フラスコに、塩化チオニル(1.35mL、18.47mmol)を滴下して加えた。添加が完了した後、得られた混合物を段階的に室温まで温め、続いて一晩撹拌して、反応を完了させた。反応混合物を、30℃で水浴中において加熱しながら減圧下で濃縮乾固させた。粗製の油をEtOAc中で溶解させ、炭酸水素ナトリウムの半飽和水溶液で洗浄し、続いて塩水で洗浄した。分離された有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、(R)-4-((R)-3-アミノ-3-(4-クロロベンジル)ピペリジン-1-イル)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸メチル(int-F3)を得た。
(S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-((4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)アミノ)ブタン酸(int-G1)の合成
Figure 2023513168000094

MeOH(10mL)及び水(0.46mL)中の(S)-2-アミノ-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブタン酸(1.04mg、4.77mmol)の懸濁液に、NaOH(4.67mL、4.67mmol)を室温で加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌し、続いて4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンズアルデヒド(int-F1)(1.6g、4.33mmol)を加え、反応混合物を15分間撹拌し、-5℃に冷却し、続いて1時間撹拌した。NaBH(65mg、1.73mmol)を、内部反応温度を0℃未満に維持しながら少量ずつ加えた。反応混合物を-5℃で30分間、続いて室温で2時間撹拌した。反応混合物を、気体の放出が止まるまで水を滴下して加えることによってクエンチした。次に、反応混合物を濃縮してMeOHを除去し、60mLの水を加えた。水性混合物をEtOAc(150mL)で抽出し、有機層を40mLのNaHCO溶液で洗浄し、冷却し、1.0N HClを加えて、pHを約8に調整した。得られた沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させた。濾液をDCM(4×200mL)で抽出した。有機物を濃縮し、残渣を沈殿物と合わせた。固体を真空下で乾燥させて、(S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-((4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)アミノ)ブタン酸(int-G1)を得た。分析方法7:t=0.66分;[M+H]=572.0
(S)-5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-((4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)アミノ)ペンタン酸(int-G2)の合成
Figure 2023513168000095

(S)-5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-((4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)アミノ)ペンタン酸(int-G2)は、(S)-2-アミノ-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブタン酸が(S)-2-アミノ-5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸で置き換えられたことを除いて、(S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-((4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)アミノ)ブタン酸(int-G1)の合成において使用される手順と同様の方法を使用して得られた。分析方法7:t=0,67分;[M+H]=586.2。
(S)-5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-((4-クロロ-2-(4-(1-メチル-2-(ピロリジン-1-イルメチル)-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)アミノ)ペンタン酸(int-G3)の合成
Figure 2023513168000096

(S)-5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-((4-クロロ-2-(4-(1-メチル-2-(ピロリジン-1-イルメチル)-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)アミノ)ペンタン酸(int-G3)は、(S)-2-アミノ-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ブタン酸が(S)-2-アミノ-5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸で置き換えられ、4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンズアルデヒド(int-F1)が4-クロロ-2-(4-(1-メチル-2-(ピロリジン-1-イルメチル)-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンズアルデヒド(int-F2)で置き換えられたことを除いて、(S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-((4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)アミノ)ブタン酸(int-G1)の合成において使用される手順と同様の方法を使用して得られた。分析方法7:t=1.46分;[M+H]=612.6。
(R)-4-(((S)-1-アミノプロパン-2-イル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸PS-(2-クロロトリチル)(AB1)の合成
Figure 2023513168000097

工程1.DMF(460mL)中の(S)-N-(2-(メチルアミノ)プロピル)-4-ニトロベンゼンスルホンアミド(int-B2)(230g、0.742mol)及び(R)-2-ベンジル-4-(tert-ブトキシ)-4-オキソブタン酸(int-A1)(186.4g、0.705mol)の冷たい撹拌溶液に、DIPEA(388mL、2.227mol)に続いてHATU(310.3g、0.816mol)を5~10℃で加えた。得られた混合物を冷浴から除去し、室温で4時間撹拌した。次に、反応混合物を氷冷水(5L)に注ぎ、酢酸エチル(2×2L)で抽出した。合わせた有機層を塩水溶液(2L)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル中の20%酢酸エチルで溶出する230~400メッシュのシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、(R)-3-ベンジル-4-(メチル((S)-1-((4-ニトロフェニル)スルホンアミド)プロパン-2-イル)アミノ)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(AB1-1)を得た。分析方法7;t=1.40分;[M+H]=520.3。
工程2.アセトニトリル(3.5L)及びメタノール(3.5L)中の(R)-3-ベンジル-4-(メチル((S)-1-((4-ニトロフェニル)スルホンアミド)プロパン-2-イル)アミノ)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(AB1-1)(455g、0.875mol)の冷たい撹拌溶液に、炭酸セシウム(1.995kg、6.125mol)を10℃未満で加え、得られた混合物を15分間撹拌した。次に、2-メルカプト酢酸(322.7g、3.50mol)を同じ温度で加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌し、減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。粗生成物を水(3L)中で溶解させ、水相をジクロロメタン(2×2L)で抽出した。合わせた有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム(3L)及び塩水溶液(2L)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、(R)-4-(((S)-1-アミノプロパン-2-イル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸tert-ブチル(AB1-2)を得て、これをさらに精製することなく次の工程において使用した。
工程3.THF(1.5L)中の(R)-4-(((S)-1-アミノプロパン-2-イル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸tert-ブチル(AB1-2)(270g、0.807mol)の冷たい撹拌溶液に、Fmoc-Cl(209.1g、0.807mol)を10℃で30分間かけて少量ずつ加えた後、同じ温度で30分間かけて飽和炭酸水素ナトリウム溶液(3.3L)を加えた。次に、混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を水(2L)で希釈し、酢酸エチル(2×1L)で抽出した。合わせた有機層を塩水溶液(2L)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。粗製の材料を、石油エーテル中の20%酢酸エチルで溶出する230~400メッシュシリカゲルカラム上で精製して、(R)-4-(((S)-1-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)プロパン-2-イル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸tert-ブチル(AB1-3)を得た。分析方法7;t=1.49分;[M+H]=557.3。
工程4.1,4-ジオキサン(530mL)中の(R)-4-(((S)-1-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)プロパン-2-イル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸tert-ブチル(AB1-3)(265g、0.476mol)の溶液に、ジオキサン中の4M HCl(2.65L)を室温で加えた。得られた混合物を16時間撹拌し、続いて減圧下で濃縮した。粗生成物を、石油エーテル中の30%酢酸エチルで溶出する230~400メッシュシリカゲルカラム上で精製して、(R)-4-(((S)-1-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)プロパン-2-イル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸(AB1-4)を得た。分析方法7;t=1.48分;[M+H]=501.4。
工程5.2-クロロトリチルクロリド(AB-1-4A)、4.27g、4.27mmol)を、DCM(3×20mL)で予め洗浄した。DCM(20mL)及びDIPEA(1.5mL、8.59mmol)中で溶解された(R)-4-(((S)-1-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)プロパン-2-イル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸(AB1-4)(1.9g、3.80mmol)を、レジンに加えた。得られた混合物を室温で16時間振盪し、続いてDCM(3×40mL)で洗浄し、DCM/MeOH(50mL/20mL)中で30分間振盪して、レジンにキャップをした。次に、レジンを濾過し、DMF(2×50mL)及びDCM(2×50mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、PS-(2-クロロトリチル)(R)-4-(((S)-1-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)プロパン-2-イル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸(AB1-5)レジン(6.13g、粗製物)を得た。レジンを、精製することなく次の工程にかけた。
工程6.PS-(2-クロロトリチル)(R)-4-(((S)-1-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)プロパン-2-イル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸(AB1-5)(285mg、1.283mmol)に、DMF(10mL)中の20%4-メチルピペリジンを加え、得られた混合物を室温で2時間振盪した。次に、レジンを濾過し、DMF(2×10mL)及びDCM(2×10mL)で洗浄し、真空下で乾燥させた。これにより、PS-(2-クロロトリチル)(R)-4-(((S)-1-アミノプロパン-2-イル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸(AB1)を得て、これをさらに精製することなく使用した。
(R)-4-(((1S,2S)-2-アミノシクロヘキシル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸PS-(2-クロロトリチル)(AB2)の合成
Figure 2023513168000098

(R)-4-(((1S,2S)-2-アミノシクロヘキシル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸PS-(2-クロロトリチル)(AB2)は、(S)-N-(2-(メチルアミノ)プロピル)-4-ニトロベンゼンスルホンアミド(int-B2)が((1S,2S)-2-(メチルアミノ)シクロヘキシル)カルバミン酸tert-ブチル(int-B1)で置き換えられたことを除いて、(R)-4-(((S)-1-アミノプロパン-2-イル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸PS-(2-クロロトリチル)(AB1)の合成において使用される手順と同様の方法を使用して得られた。
(R)-4-(((S)-1-アミノ-6-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ヘキサン-2-イル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸PS-(2-クロロトリチル)(AB3)の合成
Figure 2023513168000099

工程1.(R)-2-ベンジル-4-(tert-ブトキシ)-4-オキソブタン酸(0.537g、2.03mmol)及びTBTU(0.717g、2.233mmol)を、DCM/DMF(3:1)(20mL)中で懸濁させ、DIEA(0.390mL、2.233mmol)を加えた。混合物を室温で25分間撹拌した。DCM(20mL)中の(S)-(2-(メチルアミノ)-6-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ヘキシル)カルバミン酸tert-ブチル(1.049g、2.436mmol)の溶液を加え、反応物を室温で2時間10分間撹拌した。追加のDIEA(0.390mL、2.233mmol)を加え、撹拌を44時間続けた。HO(1mL)を加え、DCMを真空中で除去した。残渣を、EtOAc(60mL)と5%aq.NaHCO(15mL)との間で分配した。有機層を、5%aq.NaHCO(3×10mL)及び塩水(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮乾固させて、褐色油として(1.535g、2.030mmol、収率100%)を得た。粗製の(R)-3-ベンジル-4-(((S)-1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-6-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ヘキサン-2-イル)(メチル)アミノ)-4-オキソブタン酸tert-ブチルを、精製することなく次の工程において使用した。分析方法11;t=1.31分;[M+H]=677.5。
工程2.(R)-3-ベンジル-4-(((S)-1-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-6-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ヘキサン-2-イル)(メチル)アミノ)-4-オキソブタン酸tert-ブチル(1.535g、2.020mmol)を、TFA(95%aq.、20mL)中で溶解させ、室温で1時間撹拌し、続いて濃縮乾固させて、(R)-4-(((S)-1-アミノ-6-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ヘキサン-2-イル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸を得て、これを次の反応において直接的に使用した。
工程3.工程2から得られる粗製の(R)-4-(((S)-1-アミノ-6-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ヘキサン-2-イル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸を、ジオキサン(20mL)中で溶解させ、続いて0.5M aq.NaCO(12.18mL、6.09mmol)及びジオキサン(20mL)中の(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)炭酸(9H-フルオレン-9-イル)メチル(0.685g、2.030mmol)の溶液で処理した。反応物を室温で90分間維持し、続いて2.0M aq.HCl(15mL)の添加によりクエンチし、真空中で濃縮してほぼ半分の体積にした。残渣を、EtOAc(100mL)と5%KHSO(15mL)との間で分配した。有機層を、5%aq.KHSO(3×15mL)及び塩水(15mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮乾固させた。粗生成物を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋な画分を合わせ、真空中で濃縮乾固させた。残渣を、EtOAc(80mL)と5%aq.NaHCO(7mL)との間で分配した。有機層を、5%aq.NaHCO(3×7mL)、5%aq.KHSO(15mL)及び塩水(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮乾固させて、白色の泡として(R)-4-(((S)-1-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-6-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ヘキサン-2-イル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸(900mg、1.212mmol、収率60%)を得た。分析方法11;t=1.21分;[M+H]=743.15。
工程4.2-クロロトリチルクロリドレジン(1.250mg、2.00mmol)を、DCM(3×30mL)で予め洗浄した。DCM(30mL)及びDIEA(1.69mL、9.69mmol)中の(R)-4-(((S)-1-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-6-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ヘキサン-2-イル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸tert-ブチル(AB3-3)(900mg、1.21mmol)を、レジンに加えた。得られた混合物を、室温で16時間振盪し、DCM(3×50mL)で洗浄し、続いてDCM/MeOH(5:2)(20mL)中で30分間振盪して、レジンにキャップをした。次に、レジンを濾過し、DCM/MeOH/DIEA(17:2:1)(3×15mL)で洗浄し、真空下で乾燥させた。これにより、レジンPS-(2-クロロトリチル)-(R)-4-(((S)-1-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-6-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ヘキサン-2-イル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタノアート(AB3-4)を得て、これを精製することなく次の工程に進めた。
工程5.PS-(2-クロロトリチル)-(R)-4-(((S)-1-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-6-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ヘキサン-2-イル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタノアート(AB3-4)(266mg、0.336mmol)に、DMF(10mL)中の20%4-メチルピペリジンを加え、得られた混合物を室温で2時間振盪した。次に、レジンを濾過し、DMF(2×10mL)及びDCM(2×10mL)で洗浄し、真空下で乾燥させた。これにより、レジンPS-(2-クロロトリチル)-(R)-4-(((S)-1-アミノ-6-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ヘキサン-2-イル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタノアート(AB3)を得て、これを精製することなく使用した。
(4S,7S,12S,15R)-4-アミノ-15-ベンジル-7-(4-クロロベンジル)-6,12,13-トリメチル-5,9,14-トリオキソ-2-オキサ-6,10,13-トリアザヘプタデカン-17-酸PS-(2-クロロトリチル)(AB4)の合成
Figure 2023513168000100

工程1-1.NMP(70mL)中の(S)-3-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-4-(4-クロロフェニル)ブタン酸(int-C1)(4.05g、9.00mmol)、TBTU(2.89g、9.00mmol)及びDIEA(1.729mL、9.90mmol)の溶液を、室温で2分間振盪し、続いてNMP(3×)で洗浄された(R)-4-(((S)-1-アミノプロパン-2-イル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸PS-(2-クロロトリチル)(AB1)(6.00mmol)に加えた。得られた懸濁液を室温で20時間振盪し、続いて濾過し、レジンをDMA(3×)で洗浄した。キャップ付加のために、AcO/ピリジン/DMA(1:1:8)(70mL)を加え、得られた懸濁液を、室温で15分間振盪した。レジンを水切りし、続いてDMA(3×)で洗浄した。
工程1-2.Fmoc-脱保護は、4-メチルピペリジン/DMA(1:4)(5×70mL、毎回室温で5分間振盪する)による反復処理によってなされた。切断溶液を回収し、これを使用して、UVスペクトルによりレジンの負荷を決定した。Fmoc除去後、レジンを、DMA(3x)、DCM(3x)、DMA(3x)及びDCM(5x)で洗浄し、真空中で乾燥させて、(R)-3-ベンジル-4-(((S)-1-((S)-4-(4-クロロフェニル)-3-(メチルアミノ)ブタンアミド)-プロパン-2-イル)(メチル)アミノ)-4-オキソブタン酸PS-(2-クロロトリチル)(AB4-1)を得た。
工程2-1.NMP(55mL)中のFmoc-O-メチル-L-セリン(2.292g、6.72mmol)、PyOxim(3.54g、6.72mmol)及びDIEA(2.346mL、13.43mmol)の溶液を、室温で2分間振盪し、続いてNMP(3×)で洗浄された(R)-3-ベンジル-4-(((S)-1-((S)-4-(4-クロロフェニル)-3-(メチルアミノ)ブタンアミド)-プロパン-2-イル)(メチル)アミノ)-4-オキソブタン酸PS-(2-クロロトリチル)(AB4-1)(4.477mmol)に加えた。得られた懸濁液を室温で6時間振盪し、続いて濾過した。NMP(35mL)中のFmoc-O-メチル-L-セリン(1.528g、4.48mmol)、PyOxim(2.361g、4.48mmol)及びDIEA(1.564mL、8.95mmol)の溶液を、室温で2分間撹拌し、続いてレジンに加えた。得られた懸濁液を、室温で16時間振盪し、濾過し、レジンをDMA(3×)で洗浄した。キャップ付加のために、AcO/ピリジン/DMA(1:1:8)(40mL)を加え、得られた懸濁液を、室温で15分間振盪した。レジンを水切りし、続いてDMA(3×)で洗浄した。
工程2-2.Fmoc-脱保護は、4-メチルピペリジン/DMA(1:4)(3×30mL、毎回室温で15分間振盪する)による反復処理によってなされた。Fmoc-除去後、レジンを、DMA(3×)及びDCM(5×)で洗浄して、(4S,7S,12S,15R)-4-アミノ-15-ベンジル-7-(4-クロロベンジル)-6,12,13-トリメチル-5,9,14-トリオキソ-2-オキサ-6,10,13-トリアザヘプタデカン-17-酸PS-(2-クロロトリチル)(AB4)を得た。
(R)-4-(((1S,2S)-2-((S)-3-((S)-2-アミノ-3-メトキシ-N-メチルプロパンアミド)-4-(4-クロロフェニル)ブタンアミド)シクロヘキシル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸PS-(2-クロロトリチル)(AB5)の合成
Figure 2023513168000101

(R)-4-(((1S,2S)-2-((S)-3-((S)-2-アミノ-3-メトキシ-N-メチルプロパンアミド)-4-(4-クロロフェニル)ブタンアミド)シクロヘキシル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸PS-(2-クロロトリチル)(AB5)は、(R)-4-(((S)-1-アミノプロパン-2-イル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸PS-(2-クロロトリチル)(AB1)が(R)-4-(((1S,2S)-2-アミノシクロヘキシル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸PS-(2-クロロトリチル)(AB2)で置き換えられたことを除いて、(4S,7S,12S,15R)-4-アミノ-15-ベンジル-7-(4-クロロベンジル)-6,12,13-トリメチル-5,9,14-トリオキソ-2-オキサ-6,10,13-トリアザヘプタデカン-17-酸PS-(2-クロロトリチル)(AB4)の合成において使用される手順と同様の方法を使用して得られた。
N-(4-((2S,5S,8S,13S,16R)-16-ベンジル-1-(4-クロロ-2-(4-(1-メチル-2-(ピロリジン-1-イルメチル)-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)-8-(4-クロロベンジル)-5-(メトキシメチル)-2,7,14-トリメチル-3,6,10,15,18-ペンタオキソ-1,4,7,11,14-ペンタアザシクロオクタデカン-13-イル)ブチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(AB6)の合成
Figure 2023513168000102

工程1-1.NMP(20mL)中の(S)-3-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)-4-(4-クロロフェニル)ブタン酸(int-C1)(0.601g、1.336mmol)、TBTU(0.429g、1.339mmol)及びDIEA(0.257mL、1.4690mmol)の溶液を、室温で2分間振盪し、続いてNMP(3×)で洗浄されたPS-(2-クロロトリチル)-(R)-4-(((S)-1-アミノ-6-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ヘキサン-2-イル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタノアート(AB3)(1.113mmol)に加えた。得られた懸濁液を室温で20時間振盪し、続いて濾過し、レジンをDMA(3×)で洗浄した。キャップ付加するために、AcO/ピリジン/DMA(1:1:8)(70mL)を加え、得られた懸濁液を、室温で20時間振盪した。レジンを水切りし、続いてDMA(3×)で洗浄した。
工程1-2.Fmoc-脱保護は、4-メチルピペリジン/DMA(1:4)(5×20mL、毎回室温で15分間振盪する)による反復処理によってなされた。切断溶液を回収し、これを使用して、UVスペクトルによりレジンの負荷を決定した。Fmoc除去後、レジンを、DMA(3x)、DCM(3x)、DMA(3x)及びDCM(5x)で洗浄し、真空中で乾燥させて、(R)-3-ベンジル-4-(((S)-1-((S)-4-(4-クロロフェニル)-3-(メチルアミノ)ブタンアミド)-6-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ヘキサン-2-イル)(メチル)アミノ)-4-オキソブタン酸PS-(2-クロロトリチル)を得た。
工程2-1.NMP(15mL)中のFmoc-O-メチル-L-セリン(0.57g、1.67mmol)、PyOxim(0.88g、1.67mmol)及びDIEA(0.583mL、3.339mmol)の溶液を、室温で2分間振盪し、続いてNMP(3×)で洗浄された(R)-3-ベンジル-4-(((S)-1-((S)-4-(4-クロロフェニル)-3-(メチルアミノ)ブタンアミド)-6-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ヘキサン-2-イル)(メチル)アミノ)-4-オキソブタン酸PS-(2-クロロトリチル)(1.113mmol)に加えた。得られた懸濁液を、室温で3時間振盪し、濾過し、レジンをDMA(3×)で洗浄した。キャップ付加のために、AcO/ピリジン/DMA(1:1:8)(40mL)を加え、得られた懸濁液を、室温で15分間振盪した。レジンを水切りし、続いてDMA(3×)で洗浄した。
工程2-2.Fmoc-脱保護は、4-メチルピペリジン/DMA(1:4)(3×15mL、毎回室温で15分間振盪する)による反復処理によってなされた。Fmoc-除去後、レジンを、DMA(3×)及びDCM(5×)で洗浄して、(4S,7S,12S,15R)-4-アミノ-15-ベンジル-7-(4-クロロベンジル)-6,13-ジメチル-12-(4-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ブチル)-5,9,14-トリオキソ-2-オキサ-6,10,13-トリアザヘプタデカン-17-酸PS-(2-クロロトリチル)を得て、これを次の工程に進めた。
工程3-1.NMP(25mL)中のFmoc-Ala-OH(1.04g、3.339mmol)、PyOxim(1.761g、3.339mmol)及びDIEA(1.166mL、6.678mmol)の溶液を、室温で2分間振盪し、続いてNMP(3×)で洗浄された(4S,7S,12S,15R)-4-アミノ-15-ベンジル-7-(4-クロロベンジル)-6,13-ジメチル-12-(4-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ブチル)-5,9,14-トリオキソ-2-オキサ-6,10,13-トリアザヘプタデカン-17-酸PS-(2-クロロトリチル)(1.113mmol)に加えた。得られた懸濁液を室温で3時間振盪し、続いて濾過し、レジンをDMA(3×)で洗浄した。キャップ付加のために、AcO/ピリジン/DMA(1:1:8)(20mL)を加え、得られた懸濁液を、室温で15分間振盪した。レジンを水切りし、続いてDMA(3×)で洗浄した。
工程3-2.Fmoc-脱保護は、4-メチルピペリジン/DMA(1:4)(3×20mL、毎回室温で15分間振盪する)による反復処理によってなされた。Fmoc-除去後、レジンを、DMA(3×)及びDCM(5×)で洗浄して、(2S,5S,8S,13S,16R)-2-アミノ-16-ベンジル-8-(4-クロロベンジル)-5-(メトキシメチル)-7,14-ジメチル-13-(4-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ブチル)-3,6,10,15-テトラオキソ-4,7,11,14-テトラアザオクタデカン-18-酸PS-(2-クロロトリチル)を得て、これを次の工程に進めた。
工程4.(2S,5S,8S,13S,16R)-2-アミノ-16-ベンジル-8-(4-クロロベンジル)-5-(メトキシメチル)-7,14-ジメチル-13-(4-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ブチル)-3,6,10,15-テトラオキソ-4,7,11,14-テトラアザオクタデカン-18-酸PS-(2-クロロトリチル)(1.113mmol)に、HFIP/DCM(1:3)(20mL)を加え、得られた懸濁液を室温で20分間振盪した。次に、切断溶液を濾別し、回収した(3×)。レジンをDCM(2×)で洗浄し、洗浄溶液を回収した。合わせた切断溶液及び洗浄溶液を、真空中で濃縮乾固させた。粗製の残渣を、tBuOH/HO(4:1)から凍結乾燥させて、(2S,5S,8S,13S,16R)-2-アミノ-16-ベンジル-8-(4-クロロベンジル)-5-(メトキシメチル)-7,14-ジメチル-13-(4-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ブチル)-3,6,10,15-テトラオキソ-4,7,11,14-テトラアザオクタデカン-18-酸を得た。分析方法12:t=0.87分;[M+H]+=902.7
工程5.(2S,5S,8S,13S,16R)-2-アミノ-16-ベンジル-8-(4-クロロベンジル)-5-(メトキシメチル)-7,14-ジメチル-13-(4-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ブチル)-3,6,10,15-テトラオキソ-4,7,11,14-テトラアザオクタデカン-18-酸(456mg、0.5mmol)及び4-クロロ-2-(4-(1-メチル-2-(ピロリジン-1-イルメチル)-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンズアルデヒド(int-F2)(238mg、0.6mmol)を、DCM(30mL)及びAcOH(0.114mL、2mmol)中で溶解させ、得られた溶液を、室温で1.5時間撹拌した。次に、NaBH(OAc)(530mg、2.5mmol)を加え、反応混合物を室温で18時間撹拌した。MeOH(2mL)を加え、反応混合物を、真空中で濃縮乾固させた。粗生成物を、分取逆相HPLC(溶出液A:HO中の0.1%TFA及び溶出液B:ACN)により精製した。純粋な画分を合わせ、凍結乾燥させて、(3S,6S,9S,14S,17R)-17-ベンジル-1-(4-クロロ-2-(4-(1-メチル-2-(ピロリジン-1-イルメチル)-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)フェニル)-9-(4-クロロベンジル)-6-(メトキシメチル)-3,8,15-トリメチル-14-(4-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ブチル)-4,7,11,16-テトラオキソ-2,5,8,12,15-ペンタアザノナデカン-19-酸を得た。分析方法9:t=4.05分;[M+H]+=1281.5
工程6.DCM(100mL)中の(3S,6S,9S,14S,17R)-17-ベンジル-1-(4-クロロ-2-(4-(1-メチル-2-(ピロリジン-1-イルメチル)-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)フェニル)-9-(4-クロロベンジル)-6-(メトキシメチル)-3,8,15-トリメチル-14-(4-((2-ニトロフェニル)スルホンアミド)ブチル)-4,7,11,16-テトラオキソ-2,5,8,12,15-ペンタアザノナデカン-19-酸(440mg、271μmol)、HATU(412mg、1.083mmol)及びHOAt(55.3mg、0.406mmol)の溶液に、2,6-ルチジン(0.946mL、8.13mmol)を加え、得られた混合物を室温で18.5時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮乾固させ、得られた残渣を、EtOAc(100mL)と5%aq.NaHCO(15mL)との間で分配した。有機層を、5%aq.NaHCO(3×15mL)及び塩水(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させて、N-(4-((2S,5S,8S,13S,16R)-16-ベンジル-1-(4-クロロ-2-(4-(1-メチル-2-(ピロリジン-1-イルメチル)-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)-8-(4-クロロベンジル)-5-(メトキシメチル)-2,7,14-トリメチル-3,6,10,15,18-ペンタオキソ-1,4,7,11,14-ペンタアザシクロオクタデカン-13-イル)ブチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(AB6)を得た。分析方法10:t=1.1分;[M+2H]2+=633.6。
実施例1-4:(4S,7S,10S,14R,16aS,20aS)-10-(2-アミノエチル)-14-ベンジル-11-(4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)-4-(4-クロロベンジル)-7-(メトキシメチル)-5,16-ジメチルヘキサデカヒドロベンゾ[l][1,4,7,11,14]ペンタアザシクロオクタデシン-2,6,9,12,15(3H)-ペンタオン(C6)の合成
Figure 2023513168000103

工程1.DMF(20mL)中の(S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-((4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)アミノ)ブタン酸(int-G1)(1.000g、1.680mmol)に、DIPEA(0.587mL、3.36mmol)を加えた後、HATU(0.639g、1.680mmol)を加え、得られた混合物を、完全に均質になるまで撹拌した。次に、この溶液を、振盪機フラスコにおいて10mLのDMF中の(R)-4-(((1S,2S)-2-((S)-3-((S)-2-アミノ-3-メトキシ-N-メチルプロパンアミド)-4-(4-クロロフェニル)ブタンアミド)シクロヘキシル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸PS-(2-クロロトリチル)(AB5)(2.8g、0.840mmol)に加えた。反応混合物を室温で一晩振盪した。レジンを濾過し、DMF(3×)及びDCM(3×)で洗浄し、真空下で乾燥させて、(R)-3-ベンジル-4-(((1S,2S)-2-((8S,11S,14S)-8-((4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)-メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)アミノ)-14-(4-クロロベンジル)-11-(メトキシメチル)-2,2,13-トリメチル-4,9,12-トリオキソ-3-オキサ-5,10,13-トリアザヘキサデカン-16-アミド)シクロヘキシル)(メチル)アミノ)-4-オキソブタン酸PS-2-クロロトリチルを得て、これを精製することなく次の工程に進めた。
工程2.(R)-3-ベンジル-4-(((1S,2S)-2-((8S,11S,14S)-8-((4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)-メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)アミノ)-14-(4-クロロベンジル)-11-(メトキシメチル)-2,2,13-トリメチル-4,9,12-トリオキソ-3-オキサ-5,10,13-トリアザヘキサデカン-16-アミド)シクロヘキシル)(メチル)アミノ)-4-オキソブタン酸PS-2-クロロトリチル(2.9g、0.87mmol)を、75mLの20%HFIP/DCMとともに室温で20分間振盪することによってレジンから切断した。レジンを濾過し、濾液を回収した。両方の工程をさらに3回繰り返して、確実に生成物の全てがレジンから切断されるようにした。合わせた濾液を濃縮して粗製の油(1.8g)を得て、これを、逆相クロマトグラフィー(0.1%NHOHとともにMeCN/HOで溶出する)により精製して、1(R)-3-ベンジル-4-(((1S,2S)-2-((8S,11S,14S)-8-((4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)アミノ)-14-(4-クロロベンジル)-11-(メトキシメチル)-2,2,13-トリメチル-4,9,12-トリオキソ-3-オキサ-5,10,13-トリアザヘキサデカン-16-アミド)シクロヘキシル)(メチル)アミノ)-4-オキソブタン酸を得た。分析方法7;t=1.77分;[M+H]=1182.7。
工程3.DCM(100mL)中で溶解された(R)-3-ベンジル-4-(((1S,2S)-2-((8S,11S,14S)-8-((4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)アミノ)-14-(4-クロロベンジル)-11-(メトキシメチル)-2,2,13-トリメチル-4,9,12-トリオキソ-3-オキサ-5,10,13-トリアザヘキサデカン-16-アミド)シクロヘキシル)(メチル)アミノ)-4-オキソブタン酸(115mg、0.097mmol)に、HATU(148mg、0.389mmol)、2,6-ルチジン(0.340mL、2.92mmol)及びHOAt(13.23mg、0.097mmol)を加え、得られた混合物を45℃で一晩撹拌した。次に、反応混合物を濃縮乾固させ、続いてEtOAc(100mL)と5%aq.NaHCO(100mL)との間で分配した。有機層を、5%aq.NaHCO(2×50mL)及び塩水(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、ロトバップにより濃縮乾固させた。次に、残渣をEtOAc中で溶解させ、1M HCl(×2)で洗浄した。塩水を、合わせた1M HCl層に加え、EtOAc(×2)で逆抽出した。合わせたEtOAc層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。生成物を、逆相クロマトグラフィー(MeCN/HOで溶出する、0.1%NHOHによる勾配20~65%)により精製して、(2-((4S,7S,10S,14R,16aS,20aS)-14-ベンジル-11-(4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)-メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)-4-(4-クロロベンジル)-7-(メトキシメチル)-5,16-ジメチル-2,6,9,12,15-ペンタオキソドコサヒドロベンゾ[l][1,4,7,11,14]ペンタアザシクロオクタデシン-10-イル)エチル)カルバミン酸トリフルオロ酢酸tert-ブチルを得た。分析方法2;t=3,17分;[M+H]=1163.6。
工程4.無水ジオキサン(1.72mL)中の(2-((4S,7S,10S,14R,16aS,20aS)-14-ベンジル-11-(4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)-メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)-4-(4-クロロベンジル)-7-(メトキシメチル)-5,16-ジメチル-2,6,9,12,15-ペンタオキソドコサヒドロベンゾ[l][1,4,7,11,14]ペンタアザシクロオクタデシン-10-イル)エチル)カルバミン酸トリフルオロ酢酸tert-ブチル(40mg、0.034mmol)の溶液に、HCl(ジオキサン中の4M)(0.67mL、2.40mmol)を0℃で滴下して加えた。反応混合物は濁った。15分後、氷浴を取り外し、続いて混合物を室温で1時間撹拌した。次に、反応混合物を濃縮し、得られた残渣を真空下で乾燥させた。粗製の材料をEtOAc中で溶解させ、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄した。次に、水層を新たなEtOAcで抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮して、(4S,7S,10S,14R,16aS,20aS)-10-(2-アミノエチル)-14-ベンジル-11-(4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)-4-(4-クロロベンジル)-7-(メトキシメチル)-5,16-ジメチルヘキサデカヒドロベンゾ[l][1,4,7,11,14]ペンタアザシクロオクタデシン-2,6,9,12,15(3H)-ペンタオン(C6)を得た。分析方法7;t=2.36分;[M+H]=1063.7。
実施例1-5:(2S,5S,8S,13S,16R)-2-(3-アミノプロピル)-16-ベンジル-1-(4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)-8-(4-クロロベンジル)-5-(メトキシメチル)-7,13,14-トリメチル-1,4,7,11,14-ペンタアザシクロオクタデカン-3,6,10,15,18-ペンタオン(C7)の合成
Figure 2023513168000104

(2S,5S,8S,13S,16R)-2-(3-アミノプロピル)-16-ベンジル-1-(4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)-8-(4-クロロベンジル)-5-(メトキシメチル)-7,13,14-トリメチル-1,4,7,11,14-ペンタアザシクロオクタデカン-3,6,10,15,18-ペンタオン(C7)は、(R)-4-(((1S,2S)-2-((S)-3-((S)-2-アミノ-3-メトキシ-N-メチルプロパンアミド)-4-(4-クロロフェニル)ブタンアミド)シクロヘキシル)(メチル)アミノ)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸PS-(2-クロロトリチル)(AB5)が、(4S,7S,12S,15R)-4-アミノ-15-ベンジル-7-(4-クロロベンジル)-6,12,13-トリメチル-5,9,14-トリオキソ-2-オキサ-6,10,13-トリアザヘプタデカン-17-酸PS-(2-クロロトリチル)(AB4)で置き換えられ、且つ(S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-((4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)アミノ)ブタン酸(int-G1)が、(S)-5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-((4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)アミノ)ペンタン酸(int-G2)で置き換えられたことを除いて、(4S,7S,10S,14R,16aS,20aS)-10-(2-アミノエチル)-14-ベンジル-11-(4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)-4-(4-クロロベンジル)-7-(メトキシメチル)-5,16-ジメチルヘキサデカヒドロベンゾ[l][1,4,7,11,14]ペンタアザシクロオクタデシン-2,6,9,12,15(3H)-ペンタオン(C6)の合成において使用される手順と同様の方法を使用して得られた。分析方法7;t=1.18分;[M+H]=1038.4。
実施例1-6:(4S,7S,10S,14R,16aS,20aS)-10-(3-アミノプロピル)-14-ベンジル-11-(4-クロロ-2-(4-(1-メチル-2-(ピロリジン-1-イルメチル)-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)-4-(4-クロロベンジル)-7-(メトキシメチル)-5,16-ジメチルヘキサデカヒドロベンゾ[l][1,4,7,11,14]ペンタアザシクロオクタデシン-2,6,9,12,15(3H)-ペンタオン(C8)の合成
Figure 2023513168000105

(4S,7S,10S,14R,16aS,20aS)-10-(3-アミノプロピル)-14-ベンジル-11-(4-クロロ-2-(4-(1-メチル-2-(ピロリジン-1-イルメチル)-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)-4-(4-クロロベンジル)-7-(メトキシメチル)-5,16-ジメチルヘキサデカヒドロベンゾ[l][1,4,7,11,14]ペンタアザシクロオクタデシン-2,6,9,12,15(3H)-ペンタオン(C8)は、(S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-((4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)アミノ)ブタン酸(int-G1)が、(S)-5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-((4-クロロ-2-(4-(1-メチル-2-(ピロリジン-1-イルメチル)-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)アミノ)ペンタン酸(int-G3)で置き換えられたことを除いて、(4S,7S,10S,14R,16aS,20aS)-10-(2-アミノエチル)-14-ベンジル-11-(4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)-4-(4-クロロベンジル)-7-(メトキシメチル)-5,16-ジメチルヘキサデカヒドロベンゾ[l][1,4,7,11,14]ペンタアザシクロオクタデシン-2,6,9,12,15(3H)-ペンタオン(C6)の合成において使用される手順と同様の方法を使用して得られた。分析方法7;t=1.35分;[M+H]=1102.2。
実施例1-7:(4S,7S,10S,14R,16aS,20aS)-10-(3-アミノプロピル)-14-ベンジル-11-(4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)-4-(4-クロロベンジル)-7-(メトキシメチル)-5,16-ジメチルヘキサデカヒドロベンゾ[l][1,4,7,11,14]ペンタアザシクロオクタデシン-2,6,9,12,15(3H)-ペンタオン(C9)の合成
Figure 2023513168000106

((4S,7S,10S,14R,16aS,20aS)-10-(3-アミノプロピル)-14-ベンジル-11-(4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)-4-(4-クロロベンジル)-7-(メトキシメチル)-5,16-ジメチルヘキサデカヒドロベンゾ[l][1,4,7,11,14]ペンタアザシクロオクタデシン-2,6,9,12,15(3H)-ペンタオン(C9)は、(S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-((4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)アミノ)ブタン酸(int-G1)が、(S)-5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-((4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)アミノ)ペンタン酸(int-G2)で置き換えられたことを除いて、(4S,7S,10S,14R,16aS,20aS)-10-(2-アミノエチル)-14-ベンジル-11-(4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)-4-(4-クロロベンジル)-7-(メトキシメチル)-5,16-ジメチルヘキサデカヒドロベンゾ[l][1,4,7,11,14]ペンタアザシクロオクタデシン-2,6,9,12,15(3H)-ペンタオン(C6)の合成において使用される手順と同様の方法を使用して得られた。分析方法7;t=1.23分;[M+H]=1078.7。
実施例1-8:(2S,5S,8S,13S,16R)-13-(4-アミノブチル)-16-ベンジル-1-(4-クロロ-2-(4-(1-メチル-2-(ピロリジン-1-イルメチル)-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)-8-(4-クロロベンジル)-5-(メトキシメチル)-2,7,14-トリメチル-1,4,7,11,14-ペンタアザシクロオクタデカン-3,6,10,15,18-ペンタオントリフルオロ酢酸塩(C10)の合成
Figure 2023513168000107

DMF(15mL)中のN-(4-((2S,5S,8S,13S,16R)-16-ベンジル-1-(4-クロロ-2-(4-(1-メチル-2-(ピロリジン-1-イルメチル)-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)-8-(4-クロロベンジル)-5-(メトキシメチル)-2,7,14-トリメチル-3,6,10,15,18-ペンタオキソ-1,4,7,11,14-ペンタアザシクロオクタデカン-13-イル)ブチル)-2-ニトロベンゼンスルホンアミド(AB6)(532mg、0.271mmol、64.5%)の溶液に、2-メルカプトエタノール(0.115mL、1.628mmol)及びDBU(0.082mL、0.543mmol)を加え、得られた混合物を室温で30分間撹拌し、AcOH(0.4mL)の添加によってクエンチし、真空中で濃縮乾固させた。粗生成物を、分取逆相HPLC(溶出液A:HO中の0.1%TFA及び溶出液B:ACN)により精製した。純粋な画分を合わせ、凍結乾燥させて、(2S,5S,8S,13S,16R)-13-(4-アミノブチル)-16-ベンジル-1-(4-クロロ-2-(4-(1-メチル-2-(ピロリジン-1-イルメチル)-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)-8-(4-クロロベンジル)-5-(メトキシメチル)-2,7,14-トリメチル-1,4,7,11,14-ペンタアザシクロオクタデカン-3,6,10,15,18-ペンタオントリフルオロ酢酸塩(C10)を得た。分析方法9;t=3.85分;[M+H]=1078.5。
実施例1-9:(3R,7S,10S,13R)-7-(2-アミノエチル)-3-ベンジル-6-(4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)-13-(4-クロロベンジル)-10-(ヒドロキシメチル)-1,6,9,12-テトラアザビシクロ[11.3.1]ヘプタデカン-2,5,8,11-テトラオン(C11)の合成
Figure 2023513168000108

工程1:DMA(5mL)中のFmoc-Ser(OtBMeSi)OH(548mg、1.242mmol)の溶液に、HATU(455mg、1.197mmol)及びDIPEA(0.789mL、4.52mmol)を加えた。得られた混合物を、室温で2分間撹拌し、続いてDMA(3mL)中の(R)-4-((R)-3-アミノ-3-(4-クロロベンジル)ピペリジン-1-イル)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸メチル(int-F3)(484mg、1.129mmol)の溶液に加えた。反応混合物を室温で6時間撹拌した。追加のFmoc-Ser(OtBMeSi)OH(88mg、0.200mmol)及びHATU(76mg、0.20mmol)を加え、撹拌を室温で一晩続けた。4-メチルピペリジン(0.8mL、6.77mmol)を加え、撹拌を室温で30分間続けた。反応混合物を減圧下で濃縮し(浴温度50℃)、残渣を、逆フラッシュカラムクロマトグラフィー(5~90%/0.1%NHOHを伴うACNで溶出する)により精製して、(R)-4-((R)-3-((S)-2-アミノ-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロパンアミド)-3-(4-クロロベンジル)ピペリジン-1-イル)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸メチルを得た。分析方法7、t=1.41分;[M+H]=630.5。
工程2:DMA(5mL)中の(S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-((4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)アミノ)ブタン酸(int-G1)(449mg、0.785mmol)及び(R)-4-((R)-3-((S)-2-アミノ-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロパンアミド)-3-(4-クロロベンジル)ピペリジン-1-イル)-3-ベンジル-4-オキソブタン酸メチル(450mg、0.714mmol)の溶液に、DIPEA(0.374mL、2.142mmol)を加えた。得られた溶液を室温で2分間撹拌し、続いてDMA(3mL)中のHATU(299mg、0.785mmol)の溶液を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。追加の(S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-((4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)アミノ)ブタン酸(int-G1)(88mg、0.14mmol)及びHATU(76mg、0.20mmol)を加え、撹拌を室温で一晩続けた。得られた混合物を減圧下で濃縮し、残渣を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(98/2~85/15 DCM/0.3%トリエチルアミンを伴うMeOHで溶出する)により精製して、(R)-3-ベンジル-4-((R)-3-((S)-2-((S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-((4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)アミノ)ブタンアミド)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロパンアミド)-3-(4-クロロベンジル)ピペリジン-1-イル)-4-オキソブタン酸メチルを得た。分析方法7、t=1.55分;[M+H]=1184.1。
工程3:DMA(5mL)中の(R)-3-ベンジル-4-((R)-3-((S)-2-((S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-((4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)アミノ)ブタンアミド)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロパンアミド)-3-(4-クロロベンジル)ピペリジン-1-イル)-4-オキソブタン酸メチル(770mg、0.65mmol)の溶液に、水(1mL)及びTHF(4mL)を加えた。得られた混合物を室温で撹拌し、続いてLiOHの溶液(1.300mL、1.300mmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。追加のLiOH(1.300mL、1.300mmol)を加え、撹拌を室温で一晩続けた(LCMSは、所望の生成物及びデ-シリルアルコールR=Hの混合物を示した)。反応混合物を氷浴中で冷却し、pHを、1N HClの添加により中和し(pH=7)、続いて減圧下で濃縮した(浴は30℃で維持された)。残渣を、250mLのEtOAc中で溶解した。有機相を水及び塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、(R)-3-ベンジル-4-((R)-3-((S)-2-((S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-((4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)アミノ)ブタンアミド)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロパンアミド)-3-(4-クロロベンジル)ピペリジン-1-イル)-4-オキソブタン酸を得た。分析方法5、t=1.97分;[M+H]=1055.1。
工程4:DCM(700mL)中の(R)-3-ベンジル-4-((R)-3-((S)-2-((S)-4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-2-((4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)アミノ)ブタンアミド)-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)プロパンアミド)-3-(4-クロロベンジル)ピペリジン-1-イル)-4-オキソブタン酸(770mg、0.658mmol)の溶液を含有する1Lの丸底フラスコに、2,6-ルチジン(2.3mL、19.74mmol)、HOAt(107mg、0.790mmol)及びHATU(1001mg、2.63mmol)を加えた。得られた混合物を38℃で16時間撹拌した。次に、反応混合物を減圧下で濃縮乾固させ、残渣を、EtOAc(400mL)と5%aq.NaHCO(30mL)との間で分配した。有機相を、5%aq.NaHCO(2×25mL)及び塩水(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製の材料を、逆フラッシュカラムクロマトグラフィー(5~60%水/0.1%トリフルオロ酢酸を伴うAcNで溶出する)により精製して、(2-((3R,7S,10S,13R)-3-ベンジル-6-(4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)-13-(4-クロロベンジル)-10-(ヒドロキシメチル)-2,5,8,11-テトラオキソ-1,6,9,12-テトラアザビシクロ[11.3.1]ヘプタデカン-7-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチルを得た。分析方法2、t=3.22分、[M+H]=1039.4)。
工程5:無水ジオキサン(6mL)中の(2-((3R,7S,10S,13R)-3-ベンジル-6-(4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)-13-(4-クロロベンジル)-10-(ヒドロキシメチル)-2,5,8,11-テトラオキソ-1,6,9,12-テトラアザビシクロ[11.3.1]ヘプタデカン-7-イル)エチル)カルバミン酸tert-ブチル(320mg、0.308mmol)を含有し、氷浴中で冷却された丸底フラスコに、ジオキサン中の4.0Nの塩化水素(2mL、8.00mmol)を加えた。次に、氷浴を取り外し、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、灰白色固体を得て、これを逆フラッシュカラムクロマトグラフィー(5~50%水/0.1%のトリフルオロ酢酸を伴うACNで溶出する)により精製して、(3R,7S,10S,13R)-7-(2-アミノエチル)-3-ベンジル-6-(4-クロロ-2-(4-(2-((ジメチルアミノ)メチル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)フェノキシ)ベンジル)-13-(4-クロロベンジル)-10-(ヒドロキシメチル)-1,6,9,12-テトラアザビシクロ[11.3.1]ヘプタデカン-2,5,8,11-テトラオン(C11)を得た。分析方法3、t=1.23分;[M+H]=937.6。
実施例2:FHR3受容体リガンド化合物(C12)~(C16)の合成
実施例2-1:2-((3S,6S,9R,15S,18S,21S,24S,27S,30S,33S,39S,42S,50aS)-3,30-ビス(2-アミノ-2-オキソエチル)-9-((2-アミノ-2-オキソエチル)カルバモイル)-27-(4-アミノブチル)-6,15,21-トリベンジル-18,39-ビス(3-グアニジノプロピル)-33-(4-ヒドロキシベンジル)-24-(ヒドロキシメチル)-5,20,35-トリメチル-1,4,7,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40,43-テトラデカオキソ-1,3,4,5,6,7,8,9,10,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,45,50,50a-テトラテトラコンタヒドロ-2H-[1]チア[4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40,43]テトラデカアザシクロペンタテトラコンチノ[13,12-b]イソキノリン-42-イル)酢酸(C12)の合成
Figure 2023513168000109

注記:化合物(C12)は、以下のアミノ酸配列を有する。
Figure 2023513168000110

工程1:F-R-F(N-Me)-S(tBu)-K-N-Y(tBu)-G(N-Me)-R-D(tBu)-Tic-N-F(N-Me)-C(Trt)-G-NHレジン(1-1b)
一般的なペプチド合成サイクルA-1(Fmoc-アミノ酸(4当量;DMF中0.2M溶液)、HATU(4当量;DMF中0.5M溶液)及びDIPEA(4.4当量;NMP中2M溶液))に従って、ペプチド配列2-1bを、Liberty(登録商標)ペプチド合成装置上のFmoc-Gly-RAM TentaGel(商標)レジン(2-1a、0.22mmol/gローディング、0.25mmolスケール)上で合成した。次に、レジンを濾過し、DMF(2×)及びDCM(3×)で洗浄して、所望の生成物2-1bを得た。
工程2:ClCHC(=O)-F-R-F(N-Me)-S(tBu)-K-N-Y(tBu)-G(N-Me)-R-D(tBu)-Tic-N-F(N-Me)-C(Trt)-G-NHレジン(1-1d)
NMP(8mL)中の2-クロロ酢酸N-スクシンイミジル(2-1c、287mg、1.5mmol)の溶液を、工程1からのペプチドレジン2-1b(0.25mmol)に加え、得られた混合物を室温で一晩振盪した。次に、レジンを水切りし、DMF(3×)及びDCM(4×)で洗浄し、乾燥させて、所望の生成物2-1dを得た。
工程3:ClCHC(O)-F-R-F(N-Me)-S-K-N-Y-G(N-Me)-R-D-Tic-N-F(N-Me)-C-G-NH(1-1e)
工程2からのペプチドレジン生成物2-1dを、レジンから切断し、本明細書で上に記載される切断方法1を使用して同時に脱保護して、粗製のペプチド2-1eを得た。
工程4:2-((3S,6S,9R,15S,18S,21S,24S,27S,30S,33S,39S,42S,50aS)-3,30-ビス(2-アミノ-2-オキソエチル)-9-((2-アミノ-2-オキソエチル)カルバモイル)-27-(4-アミノブチル)-6,15,21-トリベンジル-18,39-ビス(3-グアニジノプロピル)-33-(4-ヒドロキシベンジル)-24-(ヒドロキシメチル)-5,20,35-トリメチル-1,4,7,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40,43-テトラデカオキソ-1,3,4,5,6,7,8,9,10,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,45,50,50a-テトラテトラコンタヒドロ-2H-[1]チア[4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40,43]テトラデカアザシクロペンタテトラコンチノ[13,12-b]イソキノリン-42-イル)酢酸(C12)
工程3からの粗製のペプチド1-2e(266mg)を、DMSO(20.5mL)中で溶解させた。数滴のTEAを加え、pHを8~9にした。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。次に、反応混合物を、遠心式蒸発器上で数mLのDMSOになるまで濃縮した。粗製の環状ペプチドを、分取HPLC(Sunfire(商標)Prep C18カラム、130Å、5μm、30×50mm、6分で15~40%、75mL/分、0.1%TFAを伴う水中のACN)により精製し、続いて凍結乾燥させて、標題の環状ペプチド化合物(C12)(配列番号5)を得た。分析方法9:t=3.24、m+1=1951.20
実施例2-2:2-((3S,6S,9R,15S,18S,21S,24S,27S,30S,33S,36S,39S,44aS)-30-((1H-イミダゾール-5-イル)メチル)-33-((1H-インドール-3-イル)メチル)-9-((2-アミノ-2-オキソエチル)カルバモイル)-18-(4-アミノブチル)-15-ベンジル-6,39-ビス(3-グアニジノプロピル)-24-(ヒドロキシメチル)-27-イソブチル-20,21,35,36-テトラメチル-1,4,7,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40-トリデカオキソドテトラコンタヒドロ-12H-ピロロ[1,2-e1][1]チア[4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40]トリデカアザシクロドテトラコンチン-3-イル)酢酸(C13)の合成
Figure 2023513168000111

注記:化合物(C13)は、以下のアミノ酸配列を有する。
Figure 2023513168000112

環状ペプチド化合物(C13)(配列番号6)は、実施例2-1に記載されるとおりの類似の方法であるが、工程1において、レジンに結合されたペプチド配列を使用して得られた。
Figure 2023513168000113

は、ペプチド配列2-4bの代わりに合成された。分析方法9:t=3.01、m+1=1710.98
実施例2-3:2-((3S,6S,9R,15S,18S,21S,24S,27S,30S,33S,36S,39S,42S,50aS)-3,30-ビス(2-アミノ-2-オキソエチル)-9-((2-アミノ-2-オキソエチル)カルバモイル)-36-(4-アミノブチル)-6,15,21-トリベンジル-18,39-ビス(3-グアニジノプロピル)-33-(4-ヒドロキシベンジル)-24-(ヒドロキシメチル)-27-イソプロピル-5,20-ジメチル-1,4,7,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40,43-テトラデカオキソ-1,3,4,5,6,7,8,9,10,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,45,50,50a-テトラテトラコンタヒドロ-2H-[1]チア[4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40,43]テトラデカアザシクロペンタテトラコンチノ[13,12-b]イソキノリン-42-イル)酢酸(C14)の合成
Figure 2023513168000114

注記:化合物(C14)は、以下のアミノ酸配列を有する。
Figure 2023513168000115

環状ペプチド化合物(C14)(配列番号7)は、実施例2-1に記載されるとおりの類似の方法であるが、工程1において、レジンに結合されたペプチド配列を使用して得られた。
Figure 2023513168000116

は、ペプチド配列2-4bの代わりに合成された。分析方法9:t=3.35、m+1=1979.25
実施例2-4:2-((3R,6S,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,30S,33S,36S,39S)-24-((1H-イミダゾール-5-イル)メチル)-21-((1H-インドール-3-イル)メチル)-3-((2-アミノ-2-オキソエチル)カルバモイル)-12-(4-アミノブチル)-36,39-ジベンジル-6,15-ビス(3-グアニジノプロピル)-30-(ヒドロキシメチル)-27-イソブチル-18,19,33,34,37-ペンタメチル-5,8,11,14,17,20,23,26,29,32,35,38,41-トリデカオキソ-1-チア-4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40-トリデカアザシクロドテトラコンタンコンタン-9-イル)酢酸(C15)の合成
Figure 2023513168000117

注記:化合物(C15)は、以下のアミノ酸配列を有する。
Figure 2023513168000118

環状ペプチド化合物(C15)(配列番号8)は、実施例2-1に記載されるとおりの類似の方法であるが、工程1において、レジンに結合されたペプチド配列を使用して得られた。
Figure 2023513168000119

は、ペプチド配列2-4bの代わりに合成された。分析方法9:t=3.35、m+1=1775.07
実施例2-5:2,2’-((3S,6S,9R,15S,18S,21S,24S,27S,30S,33S,39S,42S,50aS)-9-((2-アミノ-2-オキソエチル)カルバモイル)-42-(4-アミノブチル)-6,15,21-トリベンジル-18,39-ビス(3-グアニジノプロピル)-33-(4-ヒドロキシベンジル)-24-(ヒドロキシメチル)-27-イソプロピル-5,20,35-トリメチル-1,4,7,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40,43-テトラデカオキソ-1,3,4,5,6,7,8,9,10,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,45,50,50a-テトラテトラコンタヒドロ-2H-[1]チア[4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40,43]テトラデカアザシクロペンタテトラコンチノ[13,12-b]イソキノリン-3,30-ジイル)ジアセトアミド(C16)の合成
Figure 2023513168000120

注記:化合物(C16)は、以下のアミノ酸配列を有する。
Figure 2023513168000121

環状ペプチド化合物(C16)(配列番号9)は、実施例2-1に記載されるとおりの類似の方法であるが、工程1において、レジンに結合されたペプチド配列を使用して得られた。
Figure 2023513168000122

は、ペプチド配列2-4bの代わりに合成された。分析方法9:t=3.45、m+1=1935.24
実施例3:ASGPR受容体リガンド及びM6P受容体リガンドの合成
中間体の合成
型AA:
5-ヒドロキシペンタン酸ベンジル(int-AA1)の合成
Figure 2023513168000123

工程1:DCM(150mL)中のジヒドロ-2H-ピラン-2,6(3H)-ジオン(20g、175.44mmol)及びBnOH(20.8g、192.98mmol)の溶液に、DMAP(0.32g、2.62mmol)及びEtN(29mL、210.5mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温まで温め、2日間撹拌を続けた。反応混合物を蒸発乾固させ、得られた残渣をDCM(200mL)中で溶解させ、3M HCl(100mL×2)で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:PE:EA=20:1~10:1)により精製して、無色の油として5-(ベンジルオキシ)-5-オキソペンタン酸を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 7.38-7.28(m,5H),5.12(s,2H),2.46-2.40(m,4H),2.00-1.93(m,2H).
工程2:THF(200mL)BH-S(CH(20.2ml、202.7mmol)中の5-(ベンジルオキシ)-5-オキソペンタン酸(30g、135.1mmol)の溶液にN保護下において0℃で滴下して加えた。混合物を室温まで温め、16時間撹拌した。TLCは、出発材料が完全に消費されたことを示した。反応物を、HO(8mL)で慎重にクエンチした。得られた混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:PE:EA=20:1~2:1)により精製して、5-ヒドロキシペンタン酸ベンジル(int-AA1)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 7.41-7.33(m,5H),5.14(s,2H),3.66(t,2H,J=6Hz),2.43(t,2H,J=7.2Hz),1.80-1.73(m,2H),1.65-1.58(m,2H).
3-((6-アジドヘキシル)オキシ)-2-ヒドロキシ-3-((1-ヒドロキシ-3-オキソプロパン-2-イル)オキシ)プロパナール(int-AA2)の合成
Figure 2023513168000124

アセトニトリル(2mL)及び水(0.5mL)中の(3R,4R,5R,6R)-2-((6-アジドヘキシル)オキシ)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール(Hwu,Jih Ru;Hsu,Chuan-I;Hsu,ming-Hua;Liang,Yu-Chuan;Huang,Ru Chih C.;Lee,Yuan C.Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters,2011,vol.21,#1,p.380-382を参照のこと)(40mg、0.131mmol)に、シリカ上の過ヨウ素酸ナトリウム(420mg、0.197mmol)を加えた。混合物を室温で4時間撹拌し、濾過し、続いて、逆相フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、3-((6-アジドヘキシル)オキシ)-2-ヒドロキシ-3-((1-ヒドロキシ-3-オキソプロパン-2-イル)オキシ)プロパナール(int-AA2)を得た。分析方法7:t=0.80分、MS m/z 326.2[M+Na]+。
型BB:
ジ酢酸(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-2-(アセトキシメチル)-6-((5-((2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ)-5-オキソペンチル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4-ジイル(int-BB1)の合成
Figure 2023513168000125

工程1:ピリジン(1L)中の(2R,3R,4R,5R)-2-アミノ-3,4,5,6-テトラヒドロキシヘキサナール塩酸塩(100.0g、0.132mol)の溶液に、無水酢酸(473g、4.64mol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で72時間撹拌した。結果として生じる沈殿物を回収し、HO(200mL×2)で洗浄し、真空中で乾燥させて、トリ酢酸(3R,4R,5R,6R)-3-アセトアミド-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2,4,5-トリイルを得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 5.68(d,1H,J=8.8Hz),5.46(d,1H,J=9.2Hz),5.35(d,1H,J=3.2Hz),5.07(dd,1H,J1=11.2Hz,J2=3.2Hz),4.47-4.39(m,1H),4.18-4.07(m,2H),4.02-3.98(m,1H),2.16(s,3H),2.11(s,3H),2.03(s,3H),2.00(s,3H),1.93(s,3H).
工程2:0℃に冷却された1,2-ジクロロエタン(500mL)中のトリ酢酸(3R,4R,5R,6R)-3-アセトアミド-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2,4,5-トリイル(100g、0.257mol)の溶液に、TMSOTF(85.5g、0.385mol)を加え、混合物を10分間撹拌し、続いて50℃に冷却し、3時間撹拌した。TLCは、出発材料が完全に消費されたことを示した。冷却した後、結果として生じる混合物を、NaHCO飽和水溶液(1000mL)により0℃で処理し、DCM(500mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣を高真空下で一晩乾燥させて、ジ酢酸(3aR,5R,6R,7R,7aR)-5-(アセトキシメチル)-2-メチル-3a,6,7,7a-テトラヒドロ-5H-ピラノ[3,2-d]オキサゾール-6,7-ジイルを得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 6.00(d,1H,J=2.8Hz),5.47-5.46(m,1H),4.93-4.90(m,1H),4.27-4.18(m,2H),4.13-4.09(m,1H),4.02-3.98(m,1H),2.13(s,3H),2.07(s,6H),2.06(s,3H).
工程3:ジ酢酸(3aR,5R,6R,7R,7aR)-5-(アセトキシメチル)-2-メチル-3a,6,7,7a-テトラヒドロ-5H-ピラノ[3,2-d]オキサゾール-6,7-ジイル(65g、197.4mmol)及び5-ヒドロキシペンタン酸ベンジル(int-AA1)(41g、197.4mmol)を、DCM(600mL)中で溶解させた。モレキュラーシーブ(50g)を加え、反応物を30分間撹拌し、TMSOTF(6.5g、29.6mmol)を加えた。次に、反応混合物を、室温で一晩撹拌した。TLCは、出発材料が完全に消費されたことを示した。反応混合物を濾過して、モレキュラーシーブを除去した。濾液をNaHCO飽和水溶液(500ml)で処理し、DCM(500mL×2)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:PE:EA=2:1~1:2)により精製して、ジ酢酸(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-2-(アセトキシメチル)-6-((5-(ベンジルオキシ)-5-オキソペンチル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4-ジイルを得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 7.37-7.32(m,5H),5.60(d,1H,J=8.4Hz),5.35(d,1H,J=2.4Hz),5.25(dd,1H,J1=11.6Hz,J2=3.6Hz),5.11(s,2H),4.63(d,1H,J1=8.4Hz),4.15-4.11(m,2H),3.98-3.86(m,3H),3.55-3.45(m,1H),2.41-2.36(m,2H),2.14(s,3H),2.03(s,3H),2.00(s,3H),1.91(s,3H),1.72-1.55(m,4H).
工程4:ジ酢酸(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-2-(アセトキシメチル)-6-((5-(ベンジルオキシ)-5-オキソペンチル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4-ジイル(90g、167.4mmol)を、EtOAc(250mL)及びMeOH(250mL)の混合物中で溶解させ、続いてPd/C(4.5g、10%)を加えた。反応混合物を脱気し、バルーンによりHを再充填し、続いて一晩撹拌した。TLCは、出発材料が完全に消費されたことを示した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮乾固させて、5-(((2R,3R,4R,5R,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジアセトキシ-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)ペンタン酸を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 5.95(d,1H,J=8.4Hz),5.35(d,1H,J=2.4Hz),5.25(dd,1H,J1=11.6Hz,J2=3.6Hz),4.66(d,1H,J1=8Hz),4.16-4.11(m,2H),4.01-3.90(m,3H),3.56-3.49(m,1H),2.40-2.34(m,2H),2.16(s,3H),2.06(s,3H),2.01(s,3H),1.98(s,3H),1.72-1.55(m,4H).
工程5:DCM(600mL)中の5-(((2R,3R,4R,5R,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジアセトキシ-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)ペンタン酸(69g、154.2mmol)及びNHS-OH(19.5g、169.62mmol)の溶液に、DIC(19.4g、154.2mmol)及びDMAP(36mg、0.29mmol)を加えた。反応混合物を、室温で3時間撹拌した。TLCは、出発材料が完全に消費されたことを示した。結果として生じる混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:PE:EA=2:1~1:4)により精製して、ジ酢酸(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-2-(アセトキシメチル)-6-((5-((2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ)-5-オキソペンチル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4-ジイル(int-BB1)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 5.83(d,1H,J=8.4Hz),5.33(d,1H,J=2.4Hz),5.25(dd,1H,J1=11.6Hz,J2=3.6Hz),4.67(d,1H,J1=8Hz),4.13-4.07(m,2H),4.00-3.87(m,3H),2.86-2.82(m,4H),2.73-2.55(m,2H),2.14(s,3H),2.02(s,3H),1.97(s,3H),1.91(s,3H),1.72-1.55(m,4H).
(1S,2R,3R,4R,5S)-4-アミノ-1-(ヒドロキシメチル)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-2,3-ジオール(int-BB2)の合成
Figure 2023513168000126

工程1:(2R,3R,4R)-2-(ヒドロキシメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-3,4-ジオール(500g、3.42mol)及びピリジン(1.93L、23.95mol)の混合物を、20℃で30分間撹拌し、続いて0℃に冷却した後、5℃~15℃の温度を維持しながらAcO(1.12L、11.97mol)を滴下して加えた。反応混合物をさらにN下において20℃で2時間撹拌し、0℃に冷却し、氷水(1L)でクエンチし、続いてMTBE(3×1.2L)で抽出した後EA(2×1L)で抽出した。合わせた有機層を、0.5N HCl(3×1L)、飽和NaHCO(1L)、続いて塩水(1L)で洗浄した。次に、合わせた水層をEtOAc(3L)で抽出し、有機層を、0.5N HCl(3×1L)、飽和NaHCO(1L)、続いて塩水(1L)で洗浄した。全ての有機層を合わせ、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下において35℃で濃縮して、ジ酢酸(2R,3R,4R)-2-(アセトキシメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-3,4-ジイルを得た。H NMR:(CDCl 400MHz)δ 1.98-2.14(m,9H)4.17-4.33(m,3H)4.71(ddt,J=5.00,2.61,1.27,1.27Hz,1H)5.41(dd,J=4.34,1.65Hz,1H)5.51-5.57(m,1H)6.45(d,J=6.24Hz,1H).
工程2:MeCN(2L)中で溶解されたジ酢酸(2R,3R,4R)-2-(アセトキシメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-3,4-ジイル(900g、3.31mol、1当量)の溶液を、N流下で撹拌(300rpm)しながらMeCN(16L)に加え、続いて混合物をN下で-15℃に冷却した。NaN(429.82g、6.61mol、2当量)を、-15℃~-10℃の温度を維持しながら再び緩やかなN流下で反応混合物に少量ずつ加えた。硝酸セリウムアンモニウム(5.44kg、9.92mol)を、-15℃~-10℃の温度を維持しながら緩やかなN流下で3時間かけて撹拌(350rpm)しながら6回に分けて反応混合物に加えた。次に、反応混合物を-15℃~-10℃の温度でN下において4時間撹拌し、MTBE(10L)を2回に分けて加えた。HO(10L)を-5℃~0℃の温度でN流下において反応混合物に慎重に加え、混合物を0℃で30分間撹拌し、続いて室温(25℃)で16時間静置した。混合物を分離し、有機層をHO(8×10L)で洗浄し、続いてNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下において20~25℃で濃縮して、ジ酢酸(2R,3R,4R,5R,6R)-2-(アセトキシメチル)-5-アジド-6-(ニトロオキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4-ジイルを得て、これを次の工程において直接的に使用した。
工程3:MeOH(8L)中のジ酢酸(2R,3R,4R,5R,6R)-2-(アセトキシメチル)-5-アジド-6-(ニトロオキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4-ジイル(1140g、3.03mol.)の溶液を、0℃に冷却し、NaOMe(1.1M、1.60L)を、0℃~5℃の温度を維持しながら加えた。次に、反応混合物を0℃~5℃の温度で2時間撹拌した。次に、レジン(H+)(500g)を加え、反応混合物をさらに30分間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾塊をMeOH(2L)ですすいだ。MeOH(2L)により室温(25℃)で30分間トリチュレートし、濾過した(4回の反復)。全ての濾液を合わせ、真空下において35℃で濃縮して残渣を得て、これを、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=50:1~30:1)により精製して、(2R,3R,4R,5R)-5-アジド-2-(ヒドロキシメチル)-6-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4-ジオールを得た。
工程4:ピリジン(589.17mL、7.30mol)中の(2R,3R,4R,5R)-5-アジド-2-(ヒドロキシメチル)-6-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4-ジオール(320g、1.46mol)を、DCM(3.2L)に25℃で加えた。混合物を0℃に冷却し、0℃~5℃の温度で30分間撹拌した。次に、TMSCl(634.42g、5.84mol、741.14mL、4当量)を滴下して加え、得られた白色懸濁液を、5℃~10℃の温度で1時間撹拌した。スラリーを飽和NHCl(1.5L)でクエンチし、10分間撹拌し、5分間静置し、続いて分離した。DCM層を、NHCl(1.5L×4)及びHO(1.5L×5)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下において35℃で濃縮して、(((2R,3S,4R,5R)-5-アジド-6-メトキシ-2-(((トリメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4-ジイル)ビス(オキシ))ビス(トリメチルシラン)を得て、これを次の工程のために直接的に使用した。
工程5:下のMeOH(3.5L)中の(((2R,3S,4R,5R)-5-アジド-6-メトキシ-2-(((トリメチルシリル)オキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4-ジイル)ビス(オキシ))ビス(トリメチルシラン)(580.00g、1.33mol)に、-10℃~5℃の温度でMeOH(160mL)中で溶解されたKCO(1.84g、13.31mmol、0.01当量)を滴下して加え、反応混合物を30分間撹拌した。次に、反応混合物をAcOH(1.84g)でpH約6に酸性化し、濃縮し、続いてEtOAc(6L)を加えた。混合物を、HO(3L×2)、塩水(3L)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得て、これをシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=30:1~5:1)により精製して、((2R,3S,4R,5R)-5-アジド-6-メトキシ-3,4-ビス((トリメチルシリル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メタノールを得た。
工程6:デス-マーチン試薬(CAS番号:87413-09-0)(346.49g、816.93mmol)を、DCM(6L)中の((2R,3S,4R,5R)-5-アジド-6-メトキシ-3,4-ビス((トリメチルシリル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メタノール(270g、742.66mmol)の溶液に3時間かけて少量ずつ加えた。反応混合物を8℃で1時間撹拌し、撹拌している飽和NaHCO(4L)に注ぎ、続いて分離した。水層をDCM(1L)で抽出し、有機層を、飽和NaHCO(4L×2)、HO(4L×2)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、(2S,3S,4R,5R)-5-アジド-6-メトキシ-3,4-ビス((トリメチルシリル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルバルデヒドを得た。
工程7:EtOH(1.5L)中の(2S,3S,4R,5R)-5-アジド-6-メトキシ-3,4-ビス((トリメチルシリル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-カルバルデヒド(200g、553.19mmol)の溶液に、(CHO)(497.87g、16.60mol、30当量)を室温(25℃)で加えた。反応混合物を0℃に冷却し、EtOH中のNaOEt(2M、553.19mL、2当量)を加え、反応混合物を室温で18時間撹拌した。次に、反応混合物を濃縮し、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=50:1~20:1)により精製して、(3R,4R,5R)-5-アジド-2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-6-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4-ジオールを得た。
工程8:シリカゲル(38g)上のHSO(10.27mL、192.60mmol)を、MeCN(600mL)中の(3R,4R,5R)-5-アジド-2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-6-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4-ジオール(60g、240.75mmol)に加え、反応混合物を60℃まで1時間加熱した。次に、混合物を室温に冷却し、pHをNHOHでpH7~8に調整し、濃縮し、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=30:1~20:1)により精製して、(1S,2R,3R,4R,5S)-4-アジド-1-(ヒドロキシメチル)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-2,3-ジオールを得た。H NMR:(MeOD 400MHz)δ 3.35-3.40(m,1H)3.68-3.74(m,1H)3.77-3.85(m,2H)3.86-3.95(m,3H)5.35(d,J=1.00Hz,1H).
工程9:室温でAr下のEtOH(1.2L)中のPd/C(3.63g、3.41mmol、純度10%)(1S,2R,3R,4R,5S)-4-アジド-1-(ヒドロキシメチル)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-2,3-ジオール(37g、170.37mmol)。反応混合物をHで脱気し(5×)、続いてH(20psi)下において25℃で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾塊を、MeOH:HO(200mL×3、1:1)により室温(25℃)で10分間トリチュレートし、再度濾過した。濾液を合わせ、濃縮して、(1S,2R,3R,4R,5S)-4-アミノ-1-(ヒドロキシメチル)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-2,3-ジオール(int-BB2)を得た。H NMR:(MeOD 400MHz)δ:2.75(dd,J=9.29,1.51Hz,1H)3.50(dd,J=9.16,4.39Hz,1H)3.72(q,J=8.03Hz,2H)3.79-3.85(m,2H)3.89-3.95(m,1H)5.24(d,J=1.25Hz,1H).
N-((3aR,4S,7S,8R,8aR)-4-(ヒドロキシメチル)-2,2-ジメチルヘキサヒドロ-4,7-エポキシ[1,3]ジオキソロ[4,5-d]オキセピン-8-イル)アセトアミド(int-BB3)の合成
Figure 2023513168000127

工程1:ピリジン(280mL)中の(1S,2R,3R,4R,5S)-4-アミノ-1-(ヒドロキシメチル)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-2,3-ジオール(int-BB2)(17.7g、92.58mmol)を、氷-HOで0℃に冷却し、AcO(89.79g、879.53mmol)を滴下して加え、続いて16時間撹拌しながら室温まで温めた。反応混合物を濃縮し、EtOAc(800mL)で希釈し、飽和NaHCO(800mL)に注ぎ、分離した。水層をEtOAc(500mL×2)で抽出し、合わせた有機層を塩水(800mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、ジ酢酸(1R,2R,3R,4R,5S)-4-アセトアミド-1-(アセトキシメチル)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-2,3-ジイルを得て、これを次の工程のために直接的に使用した。
工程2:THF(200mL)及びMeOH(200mL)中で溶解されたジ酢酸(1R,2R,3R,4R,5S)-4-アセトアミド-1-(アセトキシメチル)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-2,3-ジイル(30g、83.49mmol)を、0℃に冷却し、NaOMe(3M、27.83mL)を滴下して加え、反応混合物を、N下で30分間撹拌しながら室温まで温めた。反応混合物を0℃に冷却し、レジン(H+)IR 120(20g、Aldrich:CAS番号:39389-20-3)を少量ずつ加え、続いて1時間撹拌しながら室温まで温めた。混合物を濾過し、濾塊をMeOH(500mL×3)で洗浄した。合わせた濾液を濃縮し、粗生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=30:1~10:1)により精製して、N-((1S,2R,3R,4R,5S)-2,3-ジヒドロキシ-1-(ヒドロキシメチル)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-4-イル)アセトアミドを得た。H NMR:(MeOD 400MHz)δ 2.01(s,3H)3.35-3.41(m,1H)3.68-3.85(m,4H)3.88-3.99(m,3H)5.24(d,J=1.51Hz,1H).
工程3:DMP(26.79g、257.27mmol、31.52mL、6当量)及びCSA(3.98g、17.15mmol、0.4当量)を、DMF(150mL)中のN-((1S,2R,3R,4R,5S)-2,3-ジヒドロキシ-1-(ヒドロキシメチル)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-4-イル)アセトアミド(10g、42.88mmol、1当量)に加え、混合物を60℃に加熱し、N下で20時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、乾燥MeOH(20mL)を加え、混合物を30分間撹拌し、続いてEtN(5mL)を加えた。反応混合物を濃縮し、粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=50:1~20:1)により精製して、N-((3aR,4S,7S,8R,8aR)-4-(ヒドロキシメチル)-2,2-ジメチルヘキサヒドロ-4,7-エポキシ[1,3]ジオキソロ[4,5-d]オキセピン-8-イル)アセトアミド(int-BB3)を得た。H NMR:(MeOD 400MHz)δ 1.36(s,3H)1.50(s,3H)2.00(s,3H)3.77-3.96(m,5H)4.15-4.22(m,1H)4.32(d,J=5.77Hz,1H)5.25(d,J=2.01Hz,1H).
1,3-ビス(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)-2-((プロパ-2-イン-1-イルオキシ)メチル)プロパン-2-アミン(int-BB4)の合成
Figure 2023513168000128

工程1:MeOH(75mL)及びt-BuOH(75mL)中の2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオール(15g、123.83mmol)の懸濁液に、t-BuOH(25mL)中のBocO(35.13g、160.98mmol、36.98mL、1.3当量)の溶液を30分間かけて加え、混合物を3時間撹拌した。混合物に石油エーテル(500mL)を25℃で加え、30分間撹拌し、濾過した。濾塊を石油エーテル(200mL×3)で洗浄し、続いて真空下で乾燥させて、(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチルを得た。H NMR:(dMSO 400MHz)δ 1.38(s,9H)3.52(d,J=5.75Hz,6H)4.51(t,J=5.62Hz,3H)5.78(br s,1H)
工程2:DMF(150mL)中の(1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(17g、76.84mmol、1当量)の溶液に、3-ブロモプロパ-1-イン(45.70g、307.34mmol)及びKOH(22.42g、399.55mmol)を加えた。反応混合物を25℃で16時間撹拌した。混合物を、MTBE(200mL)及びHO(200mL)で希釈し、続いて分離し、水層をMTBE(100mL×2)で抽出した。合わせた有機物を塩水(150mL×2)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=15:1~10:1)により精製して、化合物(1,3-ビス(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)-2-((プロパ-2-イン-1-イルオキシ)メチル)プロパン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチルを得た。H NMR:(CDCl 400MHz)δ 1.41(s,9H)2.42(t,J=2.38Hz,3H)3.77(s,6H)4.14(d,J=2.51Hz,6H)4.92(br s,1H).
工程3:DCM(450mL)中の(1,3-ビス(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)-2-((プロパ-2-イン-1-イルオキシ)メチル)プロパン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(10g、29.82mmol)の溶液に、HCl/ジオキサン(4M、52.18mL)を滴下して加え、得られた溶液を室温(30℃)で18時間撹拌した。混合物を真空下で濃縮して残渣の固体を得て、これを、DCM:EA:PE(10mL:70mL:70mL)により室温(30℃)で2時間トリチュレートし、濾過した。濾塊を、EtOAc(40mL)及び石油エーテル(40mL×2)ですすぎ、続いて真空下において45℃で2時間乾燥させて、1,3-ビス(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)-2-((プロパ-2-イン-1-イルオキシ)メチル)プロパン-2-アミン(int-BB4)を得た。H NMR:(MeOD 400MHz)δ 2.99(t,J=2.38Hz,3H)3.75(s,6H)4.28(d,J=2.51Hz,6H).MS:(ESI)m/z=236.1[M+H]
1,3-ビス(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)プロパン-2-アミン(int-BB5)の合成
Figure 2023513168000129

工程1:THF(200mL)中の(1,3-ジヒドロキシプロパン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(25g、130.74mmol)の溶液に、TBAI(7.24g、19.61mmol)、NaI(3.92g、26.15mmol)及び3-ブロモプロパ-1-イン(68.04g、457.58mmol)を室温(25℃)で加えた。混合物を10℃まで冷却し、KOH(14.67g、261.47mmol、2当量)を30分間かけて少量ずつ加え、続いて混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(200mL)及びHO(250mL)で希釈し、分離し、水層をEtOAc(200mL×2)で抽出した。合わせた有機物を塩水(300mL×2)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して粗生成物を得て、これを、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル:EtOAc=15:1~10:1)により精製して、(1,3-ビス(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)プロパン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチルを得た。H NMR:(CDCl 400MHz)δ 1.40-1.49(m,9H)2.45(t,J=2.38Hz,2H)3.53-3.67(m,4H)3.87-3.99(m,1H)4.16(d,J=2.32Hz,4H)4.93(br d,J=6.36Hz,1H).
工程2:DCM(45mL)中の(1,3-ビス(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)プロパン-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(10g、37.41mmol)の溶液に、HCl/ジオキサン(4M、66.67mL)をN下において0~5℃で滴下して加え、溶液を室温で18時間撹拌した。混合物を濃縮して残渣の固体を得て、これを、DCM:EtOAc:石油エーテル(10mL:70mL:70mL)により室温(30℃)で2時間トリチュレートし、濾過した。濾塊を、EtOAc(40mL)及び石油エーテル(40mL×2)ですすぎ、続いて真空下において45℃で2時間乾燥させて、1,3-ビス(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)プロパン-2-アミン(int-BB5)を得た。H NMR:(MeOD 400MHz)δ 2.99(t,J=2.38Hz,2H)3.58-3.65(m,1H)3.67-3.77(m,2H)3.78-3.84(m,2H)4.28(d,J=2.26Hz,4H).MS:(ESI)m/z=168.1[M+H]
型CC:
中間体(int-CC1)の合成
Figure 2023513168000130

工程1:水性NaOH(3.2mL、5M)を、DMSO(32mL)中の2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオール(20g、165.28mmol)の混合物に20℃で加え、続いてアクリル酸tert-ブチル(74g、578.48mmol)を滴下して加えた。混合物を20℃で24時間撹拌した。得られた混合物をEtOAc(1L)で希釈し、HO(800ml)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、濃縮して、粗製の3,3’-((2-アミノ-2-((3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロポキシ)メチル)プロパン-1,3-ジイル)ビス(オキシ))ジプロピオン酸ジ-tert-ブチルを得て、これを次の工程において直接的に使用した。tR=1.308分、[M+H]+506.3
工程2:水性NaHCO(1L)を、EtOAc(1L)中の3,3’-((2-アミノ-2-((3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロポキシ)メチル)プロパン-1,3-ジイル)ビス(オキシ))ジプロピオン酸ジ-tert-ブチル(160g、316.20mmol、粗製物)の溶液に加え、続いてカルボノクロリド酸ベンジル(53.9g、316.20mmol)を滴下して加えた。反応混合物を、室温で3時間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。有機層を分離し、HO(500ml)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:PE:EA=20:1~5:1)により精製して、3,3’-((2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-2-((3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロポキシ)メチル)プロパン-1,3-ジイル)ビス(オキシ))ジプロピオン酸ジ-tert-ブチルを得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 7.36-7.26(m,5H),5.29(brs,1H),5.02(s,2H),3.65-3.61(m,12H),2.43(t,6H,J=6.4Hz),1.43(s,27H).
工程3:ギ酸(100mL)中の3,3’-((2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-2-((3-(tert-ブトキシ)-3-オキソプロポキシ)メチル)プロパン-1,3-ジイル)ビス(オキシ))ジプロピオン酸ジ-tert-ブチル(37g、57.83mmol)の溶液を、室温で8時間撹拌した。結果として生じる混合物を濃縮乾固させて、3,3’-((2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-2-((2-カルボキシエトキシ)メチル)プロパン-1,3-ジイル)ビス(オキシ))ジプロピオン酸を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 7.39-7.30(m,5H),5.35(brs,1H),5.06(s,2H),3.71-3.65(m,12H),2.59(t,6H,J=6.8Hz).
工程4:DMF(600mL)中の3,3’-((2-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-2-((2-カルボキシエトキシ)メチル)プロパン-1,3-ジイル)ビス(オキシ))ジプロピオン酸(27g、57.27mmol)及び(3-アミノプロピル)カルバミン酸tert-ブチル(49.8g、286.34mmol)の混合物に、HOBT(38.6g、286.34mmol)、EDCI(54.9g、286.34mmol)及びEtN(28.9g、286.34mmol)を加えた。反応混合物を、室温で6時間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。得られた混合物をHO(1L)で希釈し、DCM(800mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、水性NHCl(1L)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:DCM:MeOH=50:1~20:1)により精製して、(10-(13,13-ジメチル-5,11-ジオキソ-2,12-ジオキサ-6,10-ジアザテトラデシル)-5,15-ジオキソ-8,12-ジオキサ-4,16-ジアザノナデカン-1,10,19-トリイル)トリカルバミン酸ベンジルジ-tert-ブチルを得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 7.37-7.29(m,5H),6.85(brs,3H),5.55(brs,1H),5.14(brs,3H),5.02(s,2H),3.69-3.64(m,12H),3.31-3.23(m,6H),3.15-3.08(m,6H),2.43-2.36(m,6H),1.65-1.56(m,6H),1.42(s,27H).
工程5:MeOH(500mL)中の(10-(13,13-ジメチル-5,11-ジオキソ-2,12-ジオキサ-6,10-ジアザテトラデシル)-5,15-ジオキソ-8,12-ジオキサ-4,16-ジアザノナデカン-1,10,19-トリイル)トリカルバミン酸ベンジルジ-tert-ブチル(35g、37.23mmol)の溶液に、1,4-ジオキサン中のHCl(46ml、186.17mmol、4M)の溶液を加えた。反応混合物を、室温で3時間撹拌した。結果として生じる混合物を濃縮乾固させて、(1,19-ジアミノ-10-((3-((3-アミノプロピル)アミノ)-3-オキソプロポキシ)メチル)-5,15-ジオキソ-8,12-ジオキサ-4,16-ジアザノナデカン-10-イル)カルバミン酸ベンジルのHCl塩を得た。H NMR(400MHz,MeOD)δ ppm 7.41-7.32(m,5H),5.06(s,2H),3.70-3.64(m,12H),3.33-3.29(m,6H),2.97-2.93(m,6H),2.48-2.45(m,6H),1.88-1.82(m,6H).
工程6:DMF(250mL)中の(1,19-ジアミノ-10-((3-((3-アミノプロピル)アミノ)-3-オキソプロポキシ)メチル)-5,15-ジオキソ-8,12-ジオキサ-4,16-ジアザノナデカン-10-イル)カルバミン酸ベンジル(10g、13.35mmol)及びDIPEA(17.2g、133.5mmol)の混合物に、ジ酢酸(2R,3R,4R,5R,6R)-5-アセトアミド-2-(アセトキシメチル)-6-((5-((2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ)-5-オキソペンチル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4-ジイル(int-BB1)(24g、44.05mmol)の溶液を加えた。反応混合物を、室温で12時間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。得られた混合物をHO(500mL)で希釈し、DCM(300mL×3)で抽出した。合わせた有機層を、水性HCl(300mL、4M)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:DCM:MeOH=30:1~15:1)により精製して、中間体(int-CC1)を得た。H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ ppm 7.85-7.80(m,6H),7.72(brs,3H),7.34-7.30(m,5H),6.52(s,1H),5.19(d,3H,J=3.2Hz),4.95-4.92(m,5H),4.46(d,3H,J=8.4Hz),4.00(brs,9H),3.86-3.84(m,3H),3.69-3.67(m,3H),3.54-3.41(m,15H),3.01(brs,12H),2.27-2.24(m,6H),2.08
N,N’-(10-((3-((3-(5-(((3R,4R,5R,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)ペンタンアミド)プロピル)アミノ)-3-オキソプロポキシ)メチル)-10-アミノ-5,15-ジオキソ-8,12-ジオキサ-4,16-ジアザノナデカン-1,19-ジイル)ビス(5-(((2R,3R,4R,5R,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)ペンタンアミド)(int-CC2)の合成
Figure 2023513168000131

エタノール(3mL)中の室温の中間体(int-CC1)(500mg、0.259mmol)に、Pd/C(27.6mg、0.259mmol)を加え、混合物を、1atmの水素下で16時間撹拌した。混合物を濾過し、続いてメタノール中のメチルアミン2M(2mL、4.00mmol)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、続いて真空中で濃縮して、中間体(int-CC2)を得た。分析方法7:t=0.53分;MS m/z 1414.1[M-H]
N-((1S,2R,3R,4R,5S)-1-(13-(4-((2-アミノエトキシ)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2,5,8,11-テトラオキサトリデシル)-2,3-ジヒドロキシ-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-4-イル)アセトアミド(int-CC3)の合成
Figure 2023513168000132

工程1:CHCl(4mL)中のN-((3aR,4S,7S,8R,8aR)-4-(ヒドロキシメチル)-2,2-ジメチルヘキサヒドロ-4,7-エポキシ[1,3]ジオキソロ[4,5-d]オキセピン-8-イル)アセトアミド(int-BB3)(623mg、2.279mmol)に、ヨード-PEG3-アジド(750mg、2.279mmol)を室温で加えた後、1,4,7,10,13-ペンタオキサ-シクロペンタデカン(15-クラウン-5)(30μL、2.279mmol)及びNaOH 12M(1mL、2.279mmol)を加えた。混合物を50℃で16時間撹拌し、続いて逆相シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、N-((3aR,4S,7S,8R,8aR)-4-(13-アジド-2,5,8,11-テトラオキサトリデシル)-2,2-ジメチルヘキサヒドロ-4,7-エポキシ[1,3]ジオキソロ[4,5-d]オキセピン-8-イル)アセトアミドを得た。分析方法7:t=0.73分、MS m/z 475.4[M+H]
工程2:MeOH(3mL)中のN-((3aR,4S,7S,8R,8aR)-4-(13-アジド-2,5,8,11-テトラオキサトリデシル)-2,2-ジメチルヘキサヒドロ-4,7-エポキシ[1,3]ジオキソロ[4,5-d]オキセピン-8-イル)アセトアミド(608mg、1.281mmol)に、酢酸(1mL)及び水(1mL)を室温で加えた。混合物を70℃で16時間撹拌した。次に、TsOH(441mg、2.56mmol)を加え、混合物を室温でさらに2時間撹拌した。混合物を、逆相シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、N-((1S,2R,3R,4R,5S)-1-(13-アジド-2,5,8,11-テトラオキサトリデシル)-2,3-ジヒドロキシ-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-4-イル)アセトアミドを得た。分析方法7:t=0.57分、MS m/z 435.3[M+H]
工程3:MeOH(2mL)中のN-((1S,2R,3R,4R,5S)-1-(13-アジド-2,5,8,11-テトラオキサトリデシル)-2,3-ジヒドロキシ-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-4-イル)アセトアミド(0.017mL、0.161mmol)の溶液に、75μLの水中のTHPTA(3mg、0.115mmol)及び硫酸銅(II)(1.5mg、9.40μmol)の溶液を室温で加えた。次に、45μLの水中のアスコルビン酸ナトリウム(2.7mg、0.115mmol)の溶液を加え、混合物を室温で16時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、続いて逆相C18シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、N-((1S,2R,3R,4R,5S)-1-(13-(4-((2-アミノエトキシ)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2,5,8,11-テトラオキサトリデシル)-2,3-ジヒドロキシ-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-4-イル)アセトアミド(int-CC3)を得た。分析方法7:t=0.47分、MS m/z 534.4[M+H]
N,N’-((1S,1’S,2R,2’R,3R,3’R,4R,4’R,5S,5’S)-(((((2-アミノプロパン-1,3-ジイル)ビス(オキシ))ビス(メチレン))ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2,5,8,11-テトラオキサトリデカン-13,1-ジイル))ビス(2,3-ジヒドロキシ-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-1,4-ジイル))ジアセトアミド(int-CC4)の合成
Figure 2023513168000133

MeOH(2mL)中のN-((1S,2R,3R,4R,5S)-1-(13-アジド-2,5,8,11-テトラオキサトリデシル)-2,3-ジヒドロキシ-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-4-イル)アセトアミド((int-CC3)の合成における工程2を参照のこと)(62.4mg、0.144mmol)及び1,3-ビス(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)プロパン-2-アミン(int-BB5)(12mg、0.072mmol)の溶液に、75μLの水中のTHPTA(6mg、0.072mmol)及び硫酸銅(II)(3mg、0.019mmol)の溶液を室温で加えた。次に、45μLの水中のアスコルビン酸ナトリウム(5.4mg、0.072mmol)の溶液を加え、混合物を室温で16時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、続いて-20℃で放置した後、逆相C18シリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、N,N’-((1S,1’S,2R,2’R,3R,3’R,4R,4’R,5S,5’S)-(((((2-アミノプロパン-1,3-ジイル)ビス(オキシ))ビス(メチレン))ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2,5,8,11-テトラオキサトリデカン-13,1-ジイル))ビス(2,3-ジヒドロキシ-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-1,4-ジイル))ジアセトアミド(int-CC4)を得た。分析方法7:t=0.49分、MS m/z 1036.8[M+H]
中間体(int-CC5)の合成
Figure 2023513168000134

MeOH(2mL)中のN-((1S,2R,3R,4R,5S)-1-(13-アジド-2,5,8,11-テトラオキサトリデシル)-2,3-ジヒドロキシ-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-4-イル)アセトアミド(int-CC3の合成における工程2を参照のこと)(62.6mg、0.144mmol)及び1,3-ビス(プロパ-2-イン-1-イルオキシ)-2-((プロパ-2-イン-1-イルオキシ)メチル)プロパン-2-アミン(int-BB4)(11.29mg、0.048mmol)の溶液に、75μLの水中のTHPTA(9mg、0.048mmol)及び硫酸銅(II)(4.5mg、0.028mmol)の溶液を室温で加えた。次に、45μLの水中のアスコルビン酸ナトリウム(8.1mg、0.048mmol)の溶液を加え、混合物を室温で16時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、続いて-20℃で放置した後、逆相C18シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、中間体(int-CC5)を得た。分析方法7:t=0.53分、MS m/z 1539.9[M+H]
(((2S,3S,4S,5S,6S)-6-(((2R,3S,4S,5S,6R)-2-(((2R,3S,4S,5R,6R)-2-(4-(2-(2-(アミノオキシ)アセチル)ヒドラジンイル)-4-オキソブトキシ)-6-((((2S,3S,4S,5S,6R)-6-((((2S,3S,4S,5S,6R)-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-(((2R,3S,4S,5S,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)メチル)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)メチル)-3,5-ジヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ)-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)オキシ)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メチル)ホスホノペルオキソ酸(int-CC6)の合成
Figure 2023513168000135

中間体(int-CC6)は、国際公開第2008089403A2号パンフレットに記載される合成方法を使用して得られた。
(2-((2R,3S,4S,5S,6S)-6-(2-(アミノオキシ)エトキシ)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)エチル)ホスホン酸(int-CC7)の合成
Figure 2023513168000136

工程1:Amberlite IR-120(90.0g、499.6mmol、1.0当量)を、2-ブロモエタノール(600.0g、4.8mol、340.9mL、9.6当量)に加え、90℃で0.5時間撹拌した。次に、D-(+)-マンノース(90.0g、499.6mmol、1.0当量)を加え、混合物を90℃で2.5時間撹拌し、続いて濾過し、濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO、酢酸エチル/MeOH=20/1~7/1)により精製して、(2S,3S,4S,5S,6R)-2-(2-ブロモエトキシ)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオールを得た。TLC:酢酸エチル/MeOH=5/1、R=0.41
工程2:ピリジン(400mL)中の(2S,3S,4S,5S,6R)-2-(2-ブロモエトキシ)-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリオール(50.0g、174.2mmol、1.0当量)の溶液に、TMSCl(113.5g、1.04mol、132.6mL、6.0当量)を0℃で加えた。混合物を30℃で2時間撹拌し、続いて濃縮した。残渣を、酢酸エチル(1000mL)で希釈し、HO(1000mL)で抽出した。有機層を減圧下で濃縮して、残渣を得た。粗製の化合物2を、さらに精製することなく次の工程に使用した。TLC:石油エーテル/酢酸エチル=5/1、R=0.58
工程3:MeOH(300mL)中の化合物2(75.0g、130.3mmol、1.0当量)の溶液に、KCO(2.40g、17.4mmol、75.0mL、MeOH中の0.032M)を加えた。混合物を0℃で1.5時間撹拌した。AcOH(0.1mL)を加え、続いて混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/酢酸エチル=20/1~10/1)により精製して、化合物3を得た。TLC:石油エーテル/酢酸エチル=5/1、R=0.48
工程4:DCM(400mL)中の化合物3(55.0g、109.2mmol、1.0当量)の溶液に、DMSO(68.3g、873.6mmol、68.3mL、8.0当量)、EtN(33.2g、327.6mmol、45.6mL、3.0当量)及びPySO(52.1g、327.6mmol、3.0当量)を加えた。混合物を0℃で1時間撹拌し、続いて酢酸エチル(800mL×2)及びHO(1000mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物4を得て、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。H NMR:(400MHz CDCl)δ ppm 9.62(s,1H),4.79(s,1H),3.55-4.13(m,8H),3.33-3.53(m,4H),3.09(m,1H),0.03-0.18(m,27H).
工程5:THF(350mL)中のNaH(8.77g、219.3mmol、純度60%、2.0当量)の溶液に、4A(63.2g、219.3mmol、2.0当量)を加え、1時間撹拌し、化合物4(55.0g、109.6mmol、1.0当量)を加えた。混合物を25℃で1.5時間撹拌し、続いて減圧下で濃縮して溶媒を除去した。残渣を、DCM(1000mL)で希釈し、HO(1000mL)で抽出した。有機層を減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO、石油エーテル/酢酸エチル=20/1~5/1)により精製して、化合物5を得た。TLC:石油エーテル/酢酸エチル=2/1、R=0.11。H NMR:(400MHz CDCl)δ ppm 6.60-6.83(m,1H),5.77-6.03(m,1H),4.54(d,J=2.00Hz,1H),3.87-4.12(m,5H),3.71-3.84(m,1H),3.45-3.71(m,4H),3.22-3.40(m,2H),1.07-1.27(m,6H),0.00-0.10(m,27H).
工程6:DMF(250mL)中のNaH(2.46g、61.5mmol、純度60%、1.7当量)の溶液に、2-ヒドロキシイソインドリン-1,3-ジオン(8.85g、54.27mmol、1.5当量)を加え、1時間後、化合物5(23.0g、36.2mmol、1.0当量)を加えた。混合物を40℃で12時間撹拌し、続いて反応混合物を濃縮し、残渣をCHCN 500mLで希釈し、濾過した。濾塊をCHCN(200mL)で洗浄し、続いて有機層を減圧下で濃縮して、粗生成物6を得て、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。LC-MS:t=1.60分、MS cal.:717.9、[M+1]=718.3
工程7:CHCN(150mL)中の化合物6(15.0g、20.9mmol、1.0当量)の溶液に、ピリジン(4.13g、52.2mmol、4.22mL、2.5当量)及びTMSBr(31.9g、208.9mmol、27.1mL、10当量)を加えた。混合物を20℃で3時間撹拌し、続いて減圧下で濃縮して残渣を得た。残渣を、分取HPLC(中性条件)により精製した。カラム:Phenomenex luna(2)C18 250*50 10u;移動相:[水(0.1%TFA)-ACN];B%:5%~30%、20分により化合物7を得た。LC-MS:t=0.51分、MS cal.:445.1,[M+1]=446.1,1H NMR:(400MHz MeOD)δ ppm 7.81-7.94(m,4H),6.76-6.95(m,1H),6.09-6.29(m,1H),4.88(s,1H),4.38(t,J=4.00Hz,2H),4.12-4.20(m,1H),3.99(m,1H),3.81-3.89(m,1H),3.77(dd,J=3.20,1.60Hz,1H),3.64(dd,J=9.20,3.20Hz,1H),3.44-3.54(m,1H).
工程8:MeOH(40mL)及びHO(20mL)中の化合物7(4.00g、8.9mmol、1.0当量)の溶液に、N雰囲気下でPd/C(2.00g、純度10%)を加えた。懸濁液を脱気し、Hで3回パージした。混合物をH(15Psi)下において20℃で5時間撹拌した。次に、反応混合物を濾過し、減圧下で濃縮して残渣を得た。残渣を、分取HPLC(TFA条件)により精製した。カラム:Phenomenex luna(2)C18 250*50 10u;移動相:[水(0.1%TFA)-ACN];B%:5%~30%、20分により化合物8を得た。LC-MS:t=0.91分、MS cal.:447.1[M+1]=448.1
工程9:O(5mL)及びMeOH(5mL)中の化合物8(1.30g、2.9mmol、1.0当量)の溶液に、HNNH(436.5mg、8.7mmol、423.7uL、3当量)を加えた。混合物を25℃で3時間撹拌した。次に、反応混合物を減圧下で濃縮して残渣を得て、残渣を、分取HPLC(HCl条件)により精製した。カラム:Phenomenex luna(2)C18 250*50 10μm;移動相:[水(0.05%HCl)~ACN];B%:0%~0%、10分により、(2-((2R,3S,4S,5S,6S)-6-(2-(アミノオキシ)エトキシ)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)エチル)ホスホン酸(int-CC7)を得た。LC-MS:t=0.16分、MS cal.:317.1,[M+1]=318.1
H NMR:(400MHz DO)δ ppm 4.79(s,2H),4.10(t,J=4.00Hz,2H),3.81-3.96(m,2H),3.72(m,2H),3.36-3.57(m,2H),1.92-2.10(m,1H),1.69-1.87(m,1H),1.40-1.67(m,2H).
(1-((1S,2R,3R,4R,5S)-4-アセトアミド-2,3-ジヒドロキシ-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-1-イル)-2,5,8,11-テトラオキサテトラデカン-14-酸(int-CC8)の合成
Figure 2023513168000137

工程1:THF(5mL)中のN-((3aR,4S,7S,8R,8aR)-4-(ヒドロキシメチル)-2,2-ジメチルヘキサヒドロ-4,7-エポキシ[1,3]ジオキソロ[4,5-d]オキセピン-8-イル)アセトアミド(int-BB3)(315mg、1.15mmol)の撹拌溶液を0℃に冷却し、60%の水素化ナトリウム(80mg、2.3mmol)を加え、反応混合物を1時間撹拌した。次に、THF(3mL)中の(3-(2-(2-(2-ブロモエトキシ)エトキシ)エトキシ)プロパン酸(650mg、1.95mmol、1.7当量)を0℃で滴下して加え、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応物を減圧下で濃縮して、粗製の1-((3aR,4S,7S,8R,8aR)-8-アセトアミド-2,2-ジメチルテトラヒドロ-4,7-エポキシ[1,3]ジオキソロ[4,5-d]オキセピン-4(5H)-イル)-2,5,8,11-テトラオキサテトラデカン-14-酸を得て、これを酢酸エチル(2×10ml)でトリチュレートし、続いてメタノール(10ml)を加え、混合物を濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、1-((3aR,4S,7S,8R,8aR)-8-アセトアミド-2,2-ジメチルテトラヒドロ-4,7-エポキシ[1,3]ジオキソロ[4,5-d]オキセピン-4(5H)-イル)-2,5,8,11-テトラオキサテトラデカン-14-酸を得た。LC-MS:[M+1]=495.25。
工程2:ジクロロメタン(10mL)中の1-((3aR,4S,7S,8R,8aR)-8-アセトアミド-2,2-ジメチルテトラヒドロ-4,7-エポキシ[1,3]ジオキソロ[4,5-d]オキセピン-4(5H)-イル)-2,5,8,11-テトラオキサテトラデカン-14-酸(600mg、1.25mmol、1.0当量)の撹拌溶液を0℃に冷却し、それにトリフルオロ酢酸(1mL)を0℃で滴下して加え、室温で16時間撹拌した。反応物を減圧下で濃縮して、粗製の1-((1S,2R,3R,4R,5S)-4-アセトアミド-2,3-ジヒドロキシ-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-1-イル)-2,5,8,11-テトラオキサテトラデカン-14-酸を得て、これを20%の酢酸エチル及びヘキサン(3×10ml)でトリチュレートし、粘着性の液体を凍結乾燥させて、1-((1S,2R,3R,4R,5S)-4-アセトアミド-2,3-ジヒドロキシ-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-1-イル)-2,5,8,11-テトラオキサテトラデカン-14-酸(int-CC8)を得た。LC-MS:[M-1]=436.15。
1-(1-(1-((1S,2R,3R,4R,5S)-4-アセトアミド-2,3-ジヒドロキシ-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-1-イル)-2,5,8,11-テトラオキサトリデカン-13-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-6-オキソ-2,9,12,15,18-ペンタオキサ-5-アザヘニコサン-21-酸2,3,5,6-テトラフルオロフェニル(int-CC9)の合成
Figure 2023513168000138

DMF(2mL)中のN-((1S,2R,3R,4R,5S)-1-(13-(4-((2-アミノエトキシ)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2,5,8,11-テトラオキサトリデシル)-2,3-ジヒドロキシ-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-4-イル)アセトアミド(int-CC3)(44mg、0.082mmol)に、ビス-dPEG4-TFPエステル(CAS番号:1446282-42-3)(53.6mg、0.091mmol)及びDIPEA(0.043mL、0.247mmol)を室温で加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、続いて逆相シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、1-(1-(1-((1S,2R,3R,4R,5S)-4-アセトアミド-2,3-ジヒドロキシ-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-1-イル)-2,5,8,11-テトラオキサトリデカン-13-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-6-オキソ-2,9,12,15,18-ペンタオキサ-5-アザヘニコサン-21-酸2,3,5,6-テトラフルオロフェニル(int-CC9)を得た。分析方法7:t=0.87分;MS m/z 958.7[M+H]
型DD:
中間体(int-DD1b)の合成
Figure 2023513168000139

工程1:水中のPd/C 50%(60.7mg、0.057mmol)を、メタノール(2mL)中の中間体(int-CC1)(550mg、0.285mmol)に室温で加え、続いて混合物を1atmのH下に置いた。次に、混合物を16時間撹拌し、続いて濾過し、真空中で濃縮して、中間体(int-DD1a)を得た。分析方法7:Rt.=0.79分、MS m/z 898.0[(M+H)/2]
工程2:DMF(2mL)中の中間体(int-DD1a)(0.511g、0.285mmol)の溶液に、ビス-dPEG9-PFPエステル(CAS番号:1334170-00-1)(0.290g、0.342mmol)及びDIPEA(0.149mL、0.855mmol)を室温で加えた。混合物を室温で2時間撹拌して、中間体(int-DD1b)を得た。分析方法7:Rt.=0.96分;MS m/z 1229.8。
3-((6S,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,29aS,35S,38S,44R,46aS)-15,21-ビス([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-44-((2-(((S)-1-アミノ-6-(((((5aS,6R,6aR)-1-(6-((1R,2R)-2-ヒドロキシ-1-(((R)-1-ヒドロキシ-3-オキソプロパン-2-イル)オキシ)-3-オキソプロポキシ)ヘキシル)-1,4,5,5a,6,6a,7,8-オクタヒドロシクロプロパ[5,6]シクロオクタ[1,2-d][1,2,3]トリアゾール-6-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-1-オキソヘキサン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバモイル)-38-ベンジル-24,27-ビス((R)-1-ヒドロキシエチル)-35-イソプロピル-6,12,13,18,19-ペンタメチル-5,8,11,14,17,20,23,26,29,34,37,40,46-トリデカオキソテトラテトラコンタヒドロ-5H-ジピロロ[2,1-f:2’,1’-g1][1]チア[4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40]トリデカアザシクロドテトラコンチン-9-イル)プロパン酸(int-DD2)の合成
Figure 2023513168000140

アセトニトリル(0.3mL)及びDMSO(0.1mL)中の3-((6-アジドヘキシル)オキシ)-2-ヒドロキシ-3-((1-ヒドロキシ-3-オキソプロパン-2-イル)オキシ)プロパナール(int-AA2)(4.67mg、0.015mmol)に、炭酸((1R,8S,9s)-ビシクロ[6.1.0]ノン-4-イン-9-イル)メチル(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)(Chiroblock GmbHから得られる)(4.49mg、0.015mmol)、環状ペプチド(C1)(29.5mg、0.015mmol)及びDIPEA(5.38μl、0.031mmol)を室温で加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、続いて逆相シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、中間体(int-DD2)を得た。分析方法7:t=1.09分、MS m/z 1142.9[(M+H)/2]
3-((6S,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,29aS,35S,38S,44R,46aS)-15,21-ビス([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-38-ベンジル-44-(((S)-4-カルバモイル-2,10,25-トリオキソ-25-(2,3,5,6-テトラフルオロフェノキシ)-13,16,19,22-テトラオキサ-3,9-ジアザペンタコシル)カルバモイル)-24,27-ビス((R)-1-ヒドロキシエチル)-35-イソプロピル-6,12,13,18,19-ペンタメチル-5,8,11,14,17,20,23,26,29,34,37,40,46-トリデカオキソテトラテトラコンタヒドロ-5H-ジピロロ[2,1-f:2’,1’-g1][1]チア[4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40]トリデカアザシクロドテトラコンチン-9-イル)プロパン酸(int-DD3)の合成
Figure 2023513168000141

DMF(1.5mL)中の環状ペプチド(C1)(150mg、0.083mmol)に、ビス-dPEG4-TFPエステル(CAS番号:1446282-42-3)(49.1mg、0.083mmol)及びDIPEA(0.058mL、0.332mmol)を室温で加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、続いて逆相シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、中間体(int-DD3)を得た。分析方法7:t=1.17分、MS m/z 1115.4[(M+H)/2]
3-((6S,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,29aS,35S,38S,44R,46aS)-15,21-ビス([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-44-((2-(((S)-1-アミノ-6-(((((5aS,6R,6aR)-1-(6-((1R,2R)-2-ヒドロキシ-1-(((R)-1-ヒドロキシ-3-オキソプロパン-2-イル)オキシ)-3-オキソプロポキシ)ヘキシル)-1,4,5,5a,6,6a,7,8-オクタヒドロシクロプロパ[5,6]シクロオクタ[1,2-d][1,2,3]トリアゾール-6-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-1-オキソヘキサン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバモイル)-38-ベンジル-24,27-ビス((R)-1-ヒドロキシエチル)-35-イソプロピル-6,12,13,18,19-ペンタメチル-5,8,11,14,17,20,23,26,29,34,37,40,46-トリデカオキソテトラテトラコンタヒドロ-5H-ジピロロ[2,1-f:2’,1’-g1][1]チア[4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40]トリデカアザシクロドテトラコンチン-9-イル)プロパン酸(int-DD4)の合成
Figure 2023513168000142

環状ペプチド(C1)(20mg、10.42μmol)に、DMF(500μL)、4-ホルミル安息香酸NHSエステル(3.86mg、0.016mmol)及びDIPEA(5.46μL、0.031mmol)を室温で加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、続いて逆相シリカゲルクロマトグラフィー(5~95%アセトニトリル/0.1%ギ酸を伴う水)により精製して、中間体(int-DD4)を得た。分析方法7:t=2.57分、MS m/z 969.4[(M+H)/2]
3-((6S,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,29aS,35S,38S,44R,46aS)-15,21-ビス([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-44-((2-(((S)-1-アミノ-6-((S)-2,6-ジアミノヘキサンアミド)-1-オキソヘキサン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバモイル)-38-ベンジル-24,27-ビス((R)-1-ヒドロキシエチル)-35-イソプロピル-6,12,13,18,19-ペンタメチル-5,8,11,14,17,20,23,26,29,34,37,40,46-トリデカオキソテトラテトラコンタヒドロ-5H-ジピロロ[2,1-f:2’,1’-g1][1]チア[4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40]トリデカアザシクロドテトラコンチン-9-イル)プロパン酸(int-DD5)の合成
Figure 2023513168000143

アセトニトリル(1mL)中の環状ペプチド(C1)(75mg、0.039mmol)、Lys(Boc)NHS(17.33mg、0.039mmol)、DIPEA(6.83μl、0.039mmol)に、溶解性のために0.1mLの水を加え、混合物を一晩撹拌した。反応物を濃縮し、TFA(1mL)で処理し、1時間撹拌し、再度濃縮した。残渣をDMSO中で溶解させ、分取HPLC(30×50mm C18カラム上で25~50%ACN/水 NHOH修飾)により精製した。純粋な画分を合わせ、凍結乾燥させて(int-DD5)を得た。分析方法2:r.t.0.89分 ES+967.3:[M+2H]/2
3-((6S,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,29aS,35S,38S,44R,46aS)-15,21-ビス([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-44-((2-(((S)-1-アミノ-6-((S)-2,6-ビス(4-オキソペンタンアミド)ヘキサンアミド)-1-オキソヘキサン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバモイル)-38-ベンジル-24,27-ビス((R)-1-ヒドロキシエチル)-35-イソプロピル-6,12,13,18,19-ペンタメチル-5,8,11,14,17,20,23,26,29,34,37,40,46-トリデカオキソテトラテトラコンタヒドロ-5H-ジピロロ[2,1-f:2’,1’-g1][1]チア[4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40]トリデカアザシクロドテトラコンチン-9-イル)プロパン酸(int-DD6)の合成
Figure 2023513168000144

DMSO中の中間体(int-DD5)(18mg、9.3μM)の溶液を、4-オキソペンタン酸2,5-ジオキソピロリジン-1-イル(DMSO中の0.9M、0.021mL、0.019mmol)で処理した。完了時に、反応物を、分取HPLC(30×50mm C18カラム上の35~60%ACN/水 ギ酸修飾)により精製し、凍結乾燥させて、中間体(int-DD6)を得た。
中間体(int-DD7)の合成
Figure 2023513168000145

N,N-ジメチルホルムアミド(1.5mL)中の中間体(int-DD1a)(136.2mg、0.071mmol)、オクタンジオン酸ビス(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)(105mg、0.286mmol)及びDIEPA(0.050mL、0.286mmol)の混合物を、室温で一晩撹拌した。反応混合物を、SFC:t=4.71分)により精製して、中間体(int-DD7)を得た。分析方法7:t=0.78分;m/z1024.0(M+2)。
実施例4:例示的な二機能性化合物の合成
実施例4-1:二機能性化合物3-((6S,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,29aS,35S,38S,44R,46aS)-15,21-ビス([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-44-(((S)-34-(((2R,3R,4R,5R,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-19,19-ビス((3-((3-(5-(((2R,3R,4R,5R,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)ペンタンアミド)プロピル)アミノ)-3-オキソプロポキシ)メチル)-4-カルバモイル-2,10,17,24,30-ペンタオキソ-21-オキサ-3,9,18,25,29-ペンタアザテトラトリアコンチル)カルバモイル)-38-ベンジル-24,27-ビス((R)-1-ヒドロキシエチル)-35-イソプロピル-6,12,13,18,19-ペンタメチル-5,8,11,14,17,20,23,26,29,34,37,40,46-トリデカオキソテトラテトラコンタヒドロ-5H-ジピロロ[2,1-f:2’,1’-g1][1]チア[4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40]トリデカアザシクロドテトラコンチン-9-イル)プロパン酸(BFC-1)の合成
Figure 2023513168000146

工程1:DMSO(300μL)中の中間体(int-DD7)(4mg、1.954μmol)の溶液に、環状ペプチド(C1)(3.75mg、1.954μmol)及びDIEPA(3.41μl、0.020mmol)を加えた。結果として生じる反応混合物を室温で一晩撹拌し、反応物を分取HPLCにより精製した。純粋な画分を回収し、凍結乾燥させて、3-((6S,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,29aS,35S,38S,44R,46aS)-15,21-ビス([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-44-(((S)-34-(((2R,3R,4R,5R,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジアセトキシ-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-19,19-ビス((3-((3-(5-(((2R,3R,4R,5R,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジアセトキシ-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)ペンタンアミド)プロピル)アミノ)-3-オキソプロポキシ)メチル)-4-カルバモイル-2,10,17,24,30-ペンタオキソ-21-オキサ-3,9,18,25,29-ペンタアザテトラトリアコンチル)カルバモイル)-38-ベンジル-24,27-ビス((R)-1-ヒドロキシエチル)-35-イソプロピル-6,12,13,18,19-ペンタメチル-5,8,11,14,17,20,23,26,29,34,37,40,46-トリデカオキソテトラテトラコンタヒドロ-5H-ジピロロ[2,1-f:2’,1’-g1][1]チア[4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40]トリデカアザシクロドテトラコンチン-9-イル)プロパン酸を得た。分析方法7:t=1.05分;m/z:1246.8(M+3)。
工程2:工程1からの3-((6S,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,29aS,35S,38S,44R,46aS)-15,21-ビス([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-44-(((S)-34-(((2R,3R,4R,5R,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジアセトキシ-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-19,19-ビス((3-((3-(5-(((2R,3R,4R,5R,6R)-3-アセトアミド-4,5-ジアセトキシ-6-(アセトキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)ペンタンアミド)プロピル)アミノ)-3-オキソプロポキシ)メチル)-4-カルバモイル-2,10,17,24,30-ペンタオキソ-21-オキサ-3,9,18,25,29-ペンタアザテトラトリアコンチル)カルバモイル)-38-ベンジル-24,27-ビス((R)-1-ヒドロキシエチル)-35-イソプロピル-6,12,13,18,19-ペンタメチル-5,8,11,14,17,20,23,26,29,34,37,40,46-トリデカオキソテトラテトラコンタヒドロ-5H-ジピロロ[2,1-f:2’,1’-g1][1]チア[4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40]トリデカアザシクロドテトラコンチン-9-イル)プロパン酸(26mg、6.96μmol)を、メタノール中のメチルアミン(2M)(2ml、4.0mmol)中で溶解させた。結果として生じる混合物を室温で3時間撹拌し、続いて蒸発乾固させ、HPLC(Sunfire(商標)Prep C18カラム、130Å、5μm、30×50mm、3.5分で25~50%、75mL/分、0.1%TFAを伴う水中のACN)により精製して(BFC-1)を得た:t=3.16分。分析方法7:t=2.18分;m/z 1120.6(M+3/3)。
実施例4-2:二機能性化合物3-((6S,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,29aS,35S,38S,44R,46aS)-15,21-ビス([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-44-((2-(((S)-1-アミノ-6-(4-((E)-((2-(2-(4-(((2R,3S,4S,5R,6R)-4-(((2R,3S,4S,5S,6R)-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-(((2R,3S,4S,5S,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-6-((((2S,3S,4S,5S,6R)-6-((((2S,3S,4S,5S,6R)-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-(((2R,3S,4S,5S,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)メチル)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)メチル)-3,5-ジヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)ブタノイル)ヒドラジンイル)-2-オキソエトキシ)イミノ)メチル)ベンズアミド)-1-オキソヘキサン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバモイル)-38-ベンジル-24,27-ビス((R)-1-ヒドロキシエチル)-35-イソプロピル-6,12,13,18,19-ペンタメチル-5,8,11,14,17,20,23,26,29,34,37,40,46-トリデカオキソテトラテトラコンタヒドロ-5H-ジピロロ[2,1-f:2’,1’-g1][1]チア[4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40]トリデカアザシクロドテトラコンチン-9-イル)プロパン酸(BFC-2)の合成
Figure 2023513168000147

(((2S,3S,4S,5S,6S)-6-(((2R,3S,4S,5S,6R)-2-(((2R,3S,4S,5R,6R)-2-(4-(2-(2-(アミノオキシ)アセチル)ヒドラジニル)-4-オキソブトキシ)-6-((((2S,3S,4S,5S,6R)-6-((((2S,3S,4S,5S,6R)-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-(((2R,3S,4S,5S,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)メチル)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)メチル)-3,5-ジヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ)-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)オキシ)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メチル)ホスホノペルオキソ酸(int-CC6)(7.13mg、5.03μmol)に、3-((6S,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,29aS,35S,38S,44R,46aS)-15,21-ビス([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-44-((2-(((S)-1-アミノ-6-(4-ホルミルベンズアミド)-1-オキソヘキサン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバモイル)-38-ベンジル-24,27-ビス((R)-1-ヒドロキシエチル)-35-イソプロピル-6,12,13,18,19-ペンタメチル-5,8,11,14,17,20,23,26,29,34,37,40,46-トリデカオキソテトラテトラコンタヒドロ-5H-ジピロロ[2,1-f:2’,1’-g1][1]チア[4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40]トリデカアザシクロドテトラコンチン-9-イル)プロパン酸(int-DD4)(6.5mg、3.36μmol)、水(100μL)及びDMSO(100μL)を室温で加えた。混合物を室温で30分間撹拌した。酢酸を加えて、pHを約5に調整し、そのため酢酸(7.68μL、0.134mmol)になった。混合物を室温で4時間撹拌した。分取-hplc HILIC精製により、二機能性化合物(BFC-2)を得た。分析方法7:t=2.74分、MS m/z 1081.8[(M+H)/3]
実施例4-3:二機能性化合物(BFC-3)の合成
Figure 2023513168000148

水(300μL)及びDMSO(600μL)中の(((2S,3S,4S,5S,6S)-6-(((2R,3S,4S,5S,6R)-2-(((2R,3S,4S,5R,6R)-2-(4-(2-(2-(アミノオキシ)アセチル)ヒドラジニル)-4-オキソブトキシ)-6-((((2S,3S,4S,5S,6R)-6-((((2S,3S,4S,5S,6R)-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-3-(((2R,3S,4S,5S,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)メチル)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)メチル)-3,5-ジヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)オキシ)-4,5-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)オキシ)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メチル)ホスホノペルオキソ酸(int-CC6)(40.9mg、0.029mmol)に、中間体(int-DD2)(22mg、9.63μmol)及び酢酸(44.1μl、0.770mmol)を室温で加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、続いて逆相HILIC分取HPLCクロマトグラフィーにより精製して、二機能性化合物(BFC-3)を得た。分析方法7:t=3.32分、MS m/z 1225.0[(M+H)/4]+。
実施例4-4:二機能性化合物3-((6S,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,29aS,35S,38S,44R,46aS)-15,21-ビス([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-44-((2-(((S)-1-アミノ-6-(((((5aS,6R,6aR)-1-((6S,8R,E)-8-((R,Z)-1-ヒドロキシ-2-((2-(((2S,3S,4S,5S,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(2-ホスホノエチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)エトキシ)イミノ)エチル)-6-(ヒドロキシメチル)-1-(((2S,3S,4S,5S,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-(2-ホスホノエチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-3,7,9-トリオキサ-4-アザペンタデカ-4-エン-15-イル)-1,4,5,5a,6,6a,7,8-オクタヒドロシクロプロパ[5,6]シクロオクタ[1,2-d][1,2,3]トリアゾール-6-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-1-オキソヘキサン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチル)カルバモイル)-38-ベンジル-24,27-ビス((R)-1-ヒドロキシエチル)-35-イソプロピル-6,12,13,18,19-ペンタメチル-5,8,11,14,17,20,23,26,29,34,37,40,46-トリデカオキソテトラテトラコンタヒドロ-5H-ジピロロ[2,1-f:2’,1’-g1][1]チア[4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40]トリデカアザシクロドテトラコンチン-9-イル)プロパン酸(BFC-4)の合成
Figure 2023513168000149

アセトニトリル(200μL)、DMSO(200μL)及び水(100μL)中の中間体(int-DD2)(21mg、9.19μmol)に、(2-((2R,3S,4S,5S,6S)-6-(2-(アミノオキシ)エトキシ)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)エチル)ホスホン酸(int-CC7)(13.02mg、0.037mmol)を加えた。混合物を室温で4時間撹拌し、続いて逆相シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、二機能性化合物(BFC-4)を得た。分析方法7:t=1.19分、MS m/z 1442.3[(M+H)/2]
実施例4-5:二機能性化合物3-((6S,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,29aS,35S,38S,44R,46aS)-15,21-ビス([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-44-(((S)-1-(1-(1-((1S,2R,3R,4R,5S)-4-アセトアミド-2,3-ジヒドロキシ-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-1-イル)-2,5,8,11-テトラオキサトリデカン-13-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-27-カルバモイル-6,21,29-トリオキソ-2,9,12,15,18-ペンタオキサ-5,22,28-トリアザトリアコンタン-30-イル)カルバモイル)-38-ベンジル-24,27-ビス((R)-1-ヒドロキシエチル)-35-イソプロピル-6,12,13,18,19-ペンタメチル-5,8,11,14,17,20,23,26,29,34,37,40,46-トリデカオキソテトラテトラコンタヒドロ-5H-ジピロロ[2,1-f:2’,1’-g1][1]チア[4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40]トリデカアザシクロドテトラコンチン-9-イル)プロパン酸(BFC-5)の合成
Figure 2023513168000150

DMF(1.5mL)中の中間体(int-DD3)(14mg、0.026mmol)に、N-((1S,2R,3R,4R,5S)-1-(13-(4-((2-アミノエトキシ)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-2,5,8,11-テトラオキサトリデシル)-2,3-ジヒドロキシ-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-4-イル)アセトアミド(int-CC3)(58.5mg、0.026mmol)及びDIPEA(0.014mL、0.079mmol)を室温で加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、続いて逆相分取HPLCにより精製して、二機能性化合物(BFC-5)を得た。分析方法7:t=2.35分、MS m/z 1299.3[(M+H)/2]
実施例4-6:二機能性化合物3-((6S,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,29aS,35S,38S,44R,46aS)-15,21-ビス([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-44-(((S)-1-(1-(1-((1S,2R,3R,4R,5S)-4-アセトアミド-2,3-ジヒドロキシ-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-1-イル)-2,5,8,11-テトラオキサトリデカン-13-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-4,4-ビス(((1-(1-((1S,2R,3R,4R,5S)-4-アセトアミド-2,3-ジヒドロキシ-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-1-イル)-2,5,8,11-テトラオキサトリデカン-13-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メトキシ)メチル)-27-カルバモイル-6,21,29-トリオキソ-2,9,12,15,18-ペンタオキサ-5,22,28-トリアザトリアコンタン-30-イル)カルバモイル)-38-ベンジル-24,27-ビス((R)-1-ヒドロキシエチル)-35-イソプロピル-6,12,13,18,19-ペンタメチル-5,8,11,14,17,20,23,26,29,34,37,40,46-トリデカオキソテトラテトラコンタヒドロ-5H-ジピロロ[2,1-f:2’,1’-g1][1]チア[4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40]トリデカアザシクロドテトラコンチン-9-イル)プロパン酸(BFC-6)の合成
Figure 2023513168000151

DMF(1mL)中の中間体(int-CC5)(38.5mg、0.025mmol)に、中間体(int-DD3)(55.7mg、0.025mmol)及びDIPEA(0.044mL、0.250mmol)を室温で加えた。混合物を室温で16時間撹拌し、続いてギ酸修飾剤を伴う分取HPLCにより精製して、二機能性化合物(BFC-6)を得た。分析方法5:t=0.82分、MS m/z 1201.7[(M+H)/3]+。
実施例4-7:二機能性化合物3-((6S,9S,12S,15S,18S,21S,24S,27S,29aS,35S,38S,44R,46aS)-15,21-ビス([1,1’-ビフェニル]-4-イルメチル)-44-(((S)-1-(1-(1-((1S,2R,3R,4R,5S)-4-アセトアミド-2,3-ジヒドロキシ-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-1-イル)-2,5,8,11-テトラオキサトリデカン-13-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-4-(((1-(1-((1S,2R,3R,4R,5S)-4-アセトアミド-2,3-ジヒドロキシ-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-1-イル)-2,5,8,11-テトラオキサトリデカン-13-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メトキシ)メチル)-27-カルバモイル-6,21,29-トリオキソ-2,9,12,15,18-ペンタオキサ-5,22,28-トリアザトリアコンタン-30-イル)カルバモイル)-38-ベンジル-24,27-ビス((R)-1-ヒドロキシエチル)-35-イソプロピル-6,12,13,18,19-ペンタメチル-5,8,11,14,17,20,23,26,29,34,37,40,46-トリデカオキソテトラテトラコンタヒドロ-5H-ジピロロ[2,1-f:2’,1’-g1][1]チア[4,7,10,13,16,19,22,25,28,31,34,37,40]トリデカアザシクロドテトラコンチン-9-イル)プロパン酸(BFC-7)の合成
Figure 2023513168000152

DMF(1mL)中のN,N’-((1S,1’S,2R,2’R,3R,3’R,4R,4’R,5S,5’S)-(((((2-アミノプロパン-1,3-ジイル)ビス(オキシ))ビス(メチレン))ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(2,5,8,11-テトラオキサトリデカン-13,1-ジイル))ビス(2,3-ジヒドロキシ-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-1,4-ジイル))ジアセトアミド(int-CC4)(25.9mg、0.025mmol)に、中間体(int-DD3)(55.7mg、0.025mmol)及びDIPEA(0.044mL、0.250mmol)を室温で加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、続いて酸性修飾剤を伴う逆相シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、二機能性化合物(BFC-7)を得た。分析方法5:t=0.83分、MS m/z 1550.6[(M+H)/2]
実施例4-8:二機能性化合物(BFC-8)及び二機能性化合物(BFC-9)の合成
Figure 2023513168000153

アセトニトリル(240μL)及び水(160μL)中の中間体(int-DD6)(27.5mg、0.013mmol)に、リン酸二水素((2R,3S,4S,5S)-6-(((4E,6S,8R,9R,10Z)-8,9-ジヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)-1-(((3S,4S,5S,6R)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-((ホスホノオキシ)メチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)オキシ)-3,7,12-トリオキサ-4,11-ジアザテトラデカ-4,10-ジエン-14-イル)オキシ)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メチル(int-CC7)(16.39mg、0.052mmol)を室温で加えた。混合物を、室温で3日間撹拌し、HPLC:X-bridge BEH C18 30×100mm 5μm カラム ACN/HO w/5mM NHOH 75mL/分、10~30%ACN/水、水酸化アンモニウム修飾により精製した。
実施例4-9:二機能性化合物(BFC-10)の合成
Figure 2023513168000154

DMSO(1mL)中の中間体(int-DD7)(20.49mg、10.01μmol)の溶液に、環状ペプチド(C9)(10.8mg、10.01μmol)及びDIEPA(0.017mL、0.100mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。次に、メタノール中のメチルアミン(2M、3mL)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。次に、反応混合物を濃縮し、最初にX-bridge Prep C18 OBD 30×50mm 5μmカラム、ACN/0.1%ギ酸を伴うHO(勾配 3.5分間で25~50%ACN、75mL/分:(t=2.2分)、続いてX-bridge Prep C18 OBD 30×50mm 5μmカラム、ACN/5mM NHOHを伴うHO(勾配 3.5分間で35~60%ACN、75mL/分.:(t=1.84分)を使用する分取HPLCにより精製して、二機能性化合物(BFC10)を得た。分析方法7:t=1.80分;m/z:1317.5(M+2)。
実施例4-10:二機能性化合物(BFC-11)の合成
Figure 2023513168000155

DMF(1mL)中の環状ペプチド(C9)(25mg、0.023mmol)に、1-((1S,2R,3R,4R,5S)-4-アセトアミド-2,3-ジヒドロキシ-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-1-イル)-2,5,8,11-テトラオキサテトラデカン-14-酸(int-CC8)(12.16mg、0.028mmol)、HATU(13.21mg、0.035mmol)及びDIPEA(0.016mL、0.093mmol)を室温で加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、続いてX-bridge Prep C18 OBD 30×50mm 5μmカラム、ACN/0.1%ギ酸を伴うHO(勾配 3.5分間で25~50%ACN、75mL/分:(t=3.1分)を使用する分取HPLCにより精製して、二機能性化合物(BFC11)を得た。分析方法7:t=0.90分、MS m/z 1501.4[M+H]
実施例4-11:二機能性化合物(BFC-12)の合成
Figure 2023513168000156

DMF(1mL)中の環状ペプチド(C9)(11.27mg、10.44μmol)に、1-(1-(1-((1S,2R,3R,4R,5S)-4-アセトアミド-2,3-ジヒドロキシ-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-1-イル)-2,5,8,11-テトラオキサトリデカン-13-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-6-オキソ-2,9,12,15,18-ペンタオキサ-5-アザヘニコサン-21-酸2,3,5,6-テトラフルオロフェニル(int-CC9)(10mg、10.44μmol)及びDIPEA(9.12μl、0.052mmol)を室温で加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、続いて逆相シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、二機能性化合物(BFC12)を得た。分析方法9:t=1.08分;MS m/z 1868.8(M+H)+。
実施例4-12:二機能性化合物(BFC-13)の合成
Figure 2023513168000157

DMF(1mL)中の環状ペプチド(C12)(4.84μmol)に、中間体(int-DD1b)(13.09mg、5.33μmol)及びDIPEA(8.46μl、0.048mmol)を室温で加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、続いて分取HILIC逆相により精製して、二機能性化合物(BFC-13)を得て、これを凍結乾燥させ、続いてメタノール(1mL、2.000mmol)中のメチルアミン(2M)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、続いて真空中で濃縮し、乾燥させて二機能性化合物(BFC-13)を得た。分析方法7:t=0.77分;MS m/z 1922.4[(M-H)/2]
実施例4-13:二機能性化合物(BFC-14)の合成
Figure 2023513168000158

二機能性化合物(BFC-14)は、環状ペプチド(C12)が環状ペプチド(C13)で置き換えられたことを除いて、実施例4-12に記載される方法を使用して得られた。分析方法7:t=0.74分;MS m/z 1901.4[(M-H)/2]
実施例4-14:二機能性化合物(BFC-15)の合成
Figure 2023513168000159

二機能性化合物(BFC-15)は、環状ペプチド(C12)が環状ペプチド(C14)で置き換えられたことを除いて、実施例4-12に記載される方法を使用して得られた。分析方法7:t=0.80分;MS m/z 1935.7[(M-H)/2]
実施例4-15:二機能性化合物(BFC-16)の合成
Figure 2023513168000160

二機能性化合物(BFC-16)は、環状ペプチド(C12)が環状ペプチド(C15)で置き換えられたことを除いて、実施例4-12に記載される方法を使用して得られた。分析方法7:t=0.81分;MS m/z 1834.1[(M-H)/2]
実施例4-16:二機能性化合物(BFC-17)の合成
Figure 2023513168000161

二機能性化合物(BFC-17)は、環状ペプチド(C12)が環状ペプチド(C16)で置き換えられたことを除いて、実施例4-12に記載される方法を使用して得られた。分析方法7:t=0.81分;MS m/z 1913.5[(M-H)/2]
実施例5:インビトロ評価における二機能性化合物
実施例5-1:FHR3二機能性化合物-FHR3結合データ
SPRを使用して、それぞれ二機能性化合物(BFC13)、(BFC14)、(BFC15)、(BFC16)及び(BFC17)単独で又はそれらの一部として、FHR3受容体リガンド化合物(C12)、(C13)、(C14)、(C15)及び(C16)に関する結合データを得た。対応するデータは、下の表6で与えられる。
SPR結合実験は、Proteon XPR36機器(Bio-Rad Laboratories)上で実施された。C末端ビオチン化Avitagを有する精製されたFHR3がアッセイのために使用された。ビオチン化FHR3を、5倍モル過剰の二機能性化合物(BFC13)、(BFC14)、(BFC15)、(BFC16)若しくは(BFC17)又は化合物(C12)、(C13)、(C14)、(C15)若しくは(C16)とインキュベートし、ニュートラアビジンでコーティングされたセンサーチップ上に固定化した。(NLCチップ、Bio-Rad Laboratories、Inc).ランニング緩衝液(20mM Tris pH7.5、300mM NaCl、25mM CaCl、2mMベータメルカプトエタノール、2%DMSO及び0.05%Tween-20)を0.1mL/分の流速で240秒間注入することによってチップを条件付けした後、FHR3は、5倍モル過剰の二機能性化合物を伴うランニング緩衝液中で0.02mg/mlのタンパク質濃度及び0.03mL/分の流速で注入された後、1μMの二機能性化合物(それぞれ60秒間0.1mL/分)を伴うランニング緩衝液で4回洗浄された。
サンドイッチSPR結合アッセイを実施するために、His-ASGPR1(62-291)タンパク質原液を、所望の濃度までランニング緩衝液で希釈した。ASGPRを、0.1mL/分の流速で240秒間注入し、1200秒間解離させた。センサーグラムを、会合及び解離期に関して記録した。全てのセンサーグラムは、ブランク対照表面(又はインタースポット表面)から記録された結合反応を引いた後、反応表面から緩衝液ブランク注入を引くことによって処理された。データは、ProteOnマネージャーソフトウェア(バージョン3.1.0.6、Bio-Rad,Inc.)で処理された。
Figure 2023513168000162
実施例5-2:FHR3二機能性化合物-ASGPR結合データ
SPRを使用して、二機能性化合物(BFC-13)、(BFC-15)及び(BFC16)単独で又はそれらの一部として、ASGP受容体リガンド化合物(int-CC2)に関する結合データを得た。対応するデータは、下の表7で与えられる。
ASGPR1 SPR実験は、Biacore T200又はBiacore 8Kのいずれかで実施された。アッセイは、20mM HEPES、300mM NaCl、2mM CaCl、0.01%tween-20、2%DMSO、pH7.4からなるランニング緩衝液中でBiacore(ストレプトアビジン)SAチップのために最適化された。N末端ビオチン化Avitagを有するヒトASGPR1の組み換え細胞外ドメインを、ランニング緩衝液中で20μg/mLに希釈し、SAチップ上に固定化する前に、それを1M NaCl/40mM NaOH溶液の30uL/分で少なくとも4回の60秒の注入により予め条件付けした。タンパク質固定化レベルは、分析物の分子量に応じて500RU~3500RUで変動し、目標Rmaxは30RUであった。分析物のASGPR1への直接的な結合は、2%DMSO中の分析物の用量反応滴定が固定化されたタンパク質上に流れたときに観察された。データ分析は、Biacore T200評価ソフトウェア又はBiacore Insight評価ソフトウェアのいずれかでなされた。
Figure 2023513168000163
実施例5-3:PCSK9二機能性化合物-PCSK9結合データ
SPRを使用して、それぞれ二機能性化合物(BFC1)単独で又はその一部として、PCSK9受容体リガンド化合物(C5)に関する結合データを得た。対応するデータは、下の表8で与えられる。
SPR結合実験は、Proteon XPR36機器(Bio-Rad Laboratories)上で実施された。C末端ビオチン化Avitagを有する精製された組み換え完全長ヒトPCSK9がアッセイのために使用された。ビオチン化ヒトPCSK9を、5倍モル過剰の二機能性化合物(BFC1)又は化合物(C5)とインキュベートし、ニュートラアビジンでコーティングされたセンサーチップ上に固定化した。(NLCチップ、Bio-Rad Laboratories、Inc).ランニング緩衝液(20mM Tris pH7.5、300mM NaCl、25mM CaCl、2mMベータメルカプトエタノール、2%DMSO及び0.05%Tween-20)を0.1mL/分の流速で240秒間注入することによってチップを条件付けした後、PCSK9タンパク質は、5倍モル過剰の二機能性化合物を伴うランニング緩衝液中で0.02mg/mlのタンパク質濃度及び0.03mL/分の流速で注入された後、1μMの二機能性化合物(それぞれ60秒間0.1mL/分)を伴うランニング緩衝液で4回洗浄された。
サンドイッチSPR結合アッセイを実施するために、His-ASGPR1(62-291)タンパク質原液を、所望の濃度までランニング緩衝液で希釈した。ASGPRを、0.1mL/分の流速で240秒間注入し、1200秒間解離させた。センサーグラムを、会合及び解離期に関して記録した。全てのセンサーグラムは、ブランク対照表面(又はインタースポット表面)から記録された結合反応を引いた後、反応表面から緩衝液ブランク注入を引くことによって処理された。データは、ProteOnマネージャーソフトウェア(バージョン3.1.0.6、Bio-Rad,Inc.)で処理された。
Figure 2023513168000164
実施例5-4:PCSK9二機能性化合物-ASGPR結合データ
SPRを使用して、二機能性化合物(BFC1)単独で又はその一部として、ASGP受容体リガンド化合物(int-CC2)に関する結合データを得た。対応するデータは、下の表9で与えられる。
ASGPR1 SPR実験は、Biacore T200又はBiacore 8Kのいずれかで実施された。アッセイは、20mM HEPES、300mM NaCl、2mM CaCl、0.01%tween-20、2%DMSO、pH7.4からなるランニング緩衝液中でBiacore SAチップのために最適化された。N末端ビオチン化Avitagを有するヒトASGPR1の組み換え細胞外ドメインを、ランニング緩衝液中で20μg/mLに希釈し、SAチップ上に固定化する前に、それを1M NaCl/40mM NaOH溶液の30uL/分で少なくとも4回の60秒の注入により予め条件付けした。タンパク質固定化レベルは、分析物の分子量に応じて500RU~3500RUで変動し、目標Rmaxは30RUであった。分析物のASGPR1への直接的な結合は、2%DMSO中の分析物の用量反応滴定が固定化されたタンパク質上に流れたときに観察された。データ分析は、Biacore T200評価ソフトウェア又はBiacore Insight評価ソフトウェアのいずれかでなされた。
Figure 2023513168000165
実施例5-5:PCSK9二機能性化合物-M6PR結合データ
SPRを使用して、二機能性化合物(BFC-2)単独で又はその一部として、M6P受容体リガンド化合物(int-CC6)に関する結合データを得た。対応するデータは、下の表10で与えられる。
Figure 2023513168000166
実施例6:二機能性化合物:インビボ評価
実施例6-1:FHR3二機能性化合物:インビボ評価
この報告に記載されるインビボ試験は、施設のACUCに承認されたプロトコル17OPH021に従って実施された。ヒトFHR3を発現するトランスジェニックマウスは、内部で作製された。以下の試験で使用される雄ヒトFHR3トランスジェニックマウスは、4月齢であった。
試験二機能性化合物BFC-13及びBFC-15は、0.1mLの固定体積が、マウスの平均体重(およそ30グラム)に基づいて、所望の0.1及び0.01mg/kgの用量を送達することを確実にするために30μg/ml及び3μg/mLでPBS中において製剤化された。
血液試料をテールスニップによりEDTA回収チューブ(Grenier、Kremsmuenster、Austria)に回収した後、ベースラインレベルを決定するために投与した。動物に、0.1mg/kg及び0.01mg/kgで二機能性化合物BFC-13又はBFC-15のいずれかを含有する0.1mLのボーラスで腹腔内注射した。対照マウスはPBSのみを受容した。投与後1、2及び4時間目に、25μLの血液を回収し、氷上で保管した。血液試料を15,000g、4℃で10分間遠心分離し、得られた血漿を一定分量に分け、後のPD測定のために-80℃で凍結させた。
トランスジェニックマウスにおけるヒトFHR3血漿タンパク質レベルの決定を可能にするために、ウサギを、Covance(Princeton、NJ、USA)によってヒトFHR3タンパク質で免疫化し、ポリクローナル抗体を、GE(Boston、MA、USA)からのCNBr-活性化セファロースによるアフィニティー精製を使用してウサギ血清から単離した。その後、マウス血漿中のFHR3レベルを、Mesoscale Discovery(Rockville、MD、USA)プラットフォーム上のイムノアッセイを使用して測定し、ここで、ウサギ抗FHR3抗体は、捕捉抗体として使用され、ビオチン化ウサギ抗FHR3抗体は、検出抗体として使用された。
BFC-13及びBFC15の二機能性化合物のivボーラス投与後のhFHR3のクリアランスは、それぞれ図1A及び1Bに示される。hFHR3のレベルは、二機能性化合物の投与前に得られる値に対して相対的なものである。データは、二機能性化合物BFC-13及びBFC-15が、溶媒対照と比較して、血漿からのhFHR3のクリアランスの加速を促進することを示している。
実施例6-2:PCSK9二機能性化合物インビボ評価
本明細書に記載されるインビボ試験は、施設のACUCで承認されたプロトコル18CVM018及び17CVM029に従って実施された。雄LDLR(-/-)マウスは、Jackson Laboratories,Bar Harbor,ME(cat.#002207)から得られた。試験の朝に、マウスを秤量し、同様の平均体重を有する治療群に分別した。
溶媒は、10%ポリエチレングリコール300(Sigma-Aldrich、Saint Louis、MO)、25%Kolliphor HS 15(20%原液;Sigma-Aldrich、Saint Louis、MO)及び65%PBS(Gibco/ThermoFisher、Waltham、MA)で構成された。
二機能性化合物BFC-1、BFC-2、BFC-5、BFC-7、BFC-11、BFC12、BFC-13及びBFC-15、PCSK9リガンド化合物(C5)及び(C15)、ASGPRリガンド(int-CC2)及びM6PRリガンド(int-CC6)などの試験化合物は、0.1mLの固定体積が、0.01mg/kg、0.03mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.3mg/kg、1mg/kg又は10mg/kgなどの所望の用量の試験化合物を送達することを確実にするようにマウスの平均体重に基づいて製剤化された。hPCSK9タンパク質と試験化合物の同時投与のために、試験化合物は溶媒中で製剤化され、続いて投与の直前にPBS中においてヒトPCSK9タンパク質(33.3μg/mL)と合わせられた。そうでない場合、hPCSK9を伴わない試験化合物の事前投与のために、試験化合物は溶媒とともに製剤化された。
回転尾部注射器(Braintree Scientific Inc.、Braintree、MA)を使用して、動物に、所望の濃度の試験化合物及び3.3μgの野生型ヒトPCSK9タンパク質の混合物を含有する0.2mLのボーラスを、側方尾静脈を介してi.v.注射した。
血液試料(25μL)は、EDTA回収チューブ(Sarstedt AG、Sarstedt、Germany)を使用して投与後5分、15分、30分、60分、120分及び240分目に得られ、氷上で保管された。血液試料を15,000g、4℃で10分間遠心分離し、得られた血漿を一定分量に分け、後のPD測定のために-80℃で凍結させた。
PCSK9の血漿濃度は、市販のヒト(ヒトプロタンパク質転換酵素9/PCSK9 Quantikine ELISAキット、DPC900;R&D Systems、Minneapolis、MN)ELISAキットを使用して評価された。PCSK9レベルの測定のために、血漿試料を希釈し(1:25又は1:50)、全てのインキュベーションがTiterプレート振盪機(Lab-Line Instruments、Melrose Park、Illinois)上において300rpmで実施されたことを除いて、製造業者の指示書に従って分析した。
実施例6-2a:PCSK9二機能性化合物-インビボPD評価:hPCSK9タンパク質と二機能性化合物のi.v.ボーラス同時投与
hPCSK9タンパク質と本発明の二機能性化合物のivボーラス同時投与後のhPCSK9タンパク質のクリアランスは、図2~5に示される。
図2Aは、溶媒+hPCSK9(3.3μg)、二機能性化合物(BFC-1)(0.1mg/kg)+hPCSK9(3.3μg)、PCSK9リガンド(C5)(0.05mg/kg)+hPCSK9(3.3μg)又はASGPRリガンド(int-CC2)(0.05mg/kg)+hPCSK9(3.3μg)のivボーラス投与後のヒトPCSK9の経時的な血漿濃度を示す。対応するAUCプロットは、図2Bに示される。データは、血漿からの野生型ヒトPCSK9タンパク質のクリアランスが、溶媒、PCSK9リガンド単独(C5)又はASGPRリガンド単独(int-CC2)について観察されるものより二機能性化合物(BFC-1)により迅速に排出されることを示し、その全てが同様の排出速度を示した。
同様の試験が図3A及び3Bに示され、ここで、図3Aは、溶媒+hPCSK9(3.3μg)、二機能性化合物(BFC-2)(0.1mg/kg)+hPCSK9(3.3μg)、PCSK9リガンド(C5)(0.05mg/kg)+hPCSK9(3.3μg)又はM6PRリガンド(int-CC6)(0.05mg/kg)+hPCSK9(3.3μg)のivボーラス投与後の時間の関数としてのヒトPCSK9の血漿濃度を示す。対応するAUCプロットは、図3Bに示される。データは、血漿からの野生型ヒトPCSK9タンパク質のクリアランスが、溶媒、PCSK9リガンド単独(C5)又はM6PRリガンド単独(int-CC6)について観察されるものより二機能性化合物(BFC-2)により迅速に排出されることを示し、その全てが同様の排出速度を示した。
図4A及び図4Bは、二機能性化合物(BFC-7)(0.03mg/kg)+hPCSK9(3.3μg)、二機能性化合物(BFC-7)(0.1mg/kg)+hPCSK9(3.3μg)及び二機能性化合物(BFC-7)(0.3mg/kg)+hPCSK9(3.3μg)のivボーラス投与後のヒトPCSK9の血漿濃度のクリアランスに対する二機能性化合物(BFC-7)の用量反応を示す。加えて、比較のために、溶媒+hPCSK9(3.3μg)及び二機能性化合物(BFC-1)(0.1mg/kg)+hPCSK9(3.3μg)のivボーラス投与後の時間の関数としてのhPCSK9の血漿濃度が図4A及び4Bに示される。溶媒と比較して、BFC-1及び3つ全ての用量のBFC-7は、PCSK9クリアランスを著しく加速させた。
同様に、図5A及び図5Bは、ivボーラス投与:二機能性化合物(BFC-5)(0.1mg/kg)+hPCSK9(3.3μg)及び二機能性化合物(BFC-5)(1mg/kg)+hPCSK9(3.3μg)後のヒトPCSK9のクリアランスに対する二機能性化合物(BFC-5)の用量反応を示す。加えて、比較のために、溶媒+hPCSK9(3.3μg)及び二機能性化合物(BFC-1)(0.1mg/kg)+hPCSK9(3.3μg)のivボーラス投与後の時間の関数としてのhPCSK9の血漿濃度が図5A及び5Bに示される。溶媒と比較して、試験された用量のBFC-1及びBFC-5は、PCSK9クリアランスを著しく加速させた。PCSK9クリアランスは、同じ用量の溶媒又はBFC-1と比較して、0.1mg/kgのBFC-5によって著しく加速された。
実施例6-2b:PCSK9二機能性化合物-インビボ評価:前投与対同時投与
hPCSK9タンパク質と二機能性化合物のivボーラス同時投与と、hPCSK9タンパク質のivボーラス投与前の二機能性化合物のivボーラス前投与との間の比較は、図6A及び6Bに示される。
特に、図6Aは、0.1mg/kgの二機能性化合物(BFC-1)+3.3μgのhPCSK9のivボーラス同時投与、0.1mg/kgの二機能性化合物(BFC-12)+3.3μgのhPCSK9のボーラス同時投与;0.1mg/kgの二機能性化合物(BFC-12)のivボーラス投与に続く70分後の3.3μgのhPCSK9のivボーラス投与及び溶媒+3.3μgのhPCSK9のivボーラス同時投与後の経時的なhPCSK9の血漿濃度を示す。加えて、図6Aは、30mg/kgの二機能性化合物(BFC-12)の経口(po)投与に続く70分後の3.3μgのhPCSK9のivボーラス投与後の経時的なhPCSK9の血漿濃度を示す。図6Bは、図6Aに示されるクリアランスデータの対応するAUCプロットを示す。
データは、血漿からのhPCSK9のクリアランスが、本発明の二機能性化合物の前投与後に生じることを示す。本発明の二機能性化合物、例えば、BFC-12が経口投与され、hPCSK9のクリアランスに影響を及ぼすことができることも示される。
同様の試験は、図7A及び7B(0.1mg/kgの二機能性化合物(BFC-1)+3.3μgのhPCSK9のivボーラス同時投与、0.1mg/kgの二機能性化合物(BFC-11)+3.3μgのhPCSK9のivボーラス同時投与;0.1mg/kgの二機能性化合物(BFC-11)のivボーラス投与に続く40分後の3.3μgのhPCSK9のivボーラス投与及び溶媒+3.3μgのhPCSK9のivボーラス同時投与後の経時的なhPCSK9の血漿濃度)に示される。
加えて、図7Aは、30mg/kgの二機能性化合物(BFC-11)の経口(po)投与に続く40分後の3.3μgのhPCSK9のivボーラス投与後の経時的なhPCSK9の血漿濃度を示す。図6Bは、図6Aに示されるクリアランスデータの対応するAUCプロットを示す。
データは、血漿からのhPCSK9のクリアランスが、本発明の二機能性化合物の前投与後に生じることを示す。本発明の二機能性化合物、例えば、BFC-11が経口投与され、hPCSK9のクリアランスに影響を及ぼすことができることも示される。
実施例6-2c:PCSK9二機能性化合物-インビボ評価:競合アッセイ
競合アッセイを使用して、hPCSK9のクリアランスがPCSK9及びASGPRの両方に対する結合を必要とすることを示した。図8Aは、溶媒+3.3μgのhPCSK9(対照)のivボーラス投与、0.1mg/kgの二機能性化合物(BFC-1)+3.3μgのhPCSK9(非競合対照)のivボーラス同時投与;0.1mg/kgの二機能性化合物(BFC-1)+3.3μgのhPCSK9+10mg/kgのASGPRリガンド(int-CC2)(ASGPRリガンドとの競合)のivボーラス投与及び0.1mg/kgの二機能性化合物(BFC-1)+3.3μgのhPCSK9+10mg/kgのPCSK9リガンド(C5)(PCSK9リガンドとの競合)のivボーラス投与後のhPCSK9のクリアランスを示す。図8Bは、図8Aに示されるクリアランスデータの対応するAUCプロットを示す。
まず、AUCプロットに着目すると、二機能性単独(BFC-1)では、溶媒対照と比較して著しくクリアランスを促進したが、過剰なPCSK9リガンド(C5)又はASGPRリガンド(int-CC2)ではPCSK9クリアランスの増加は観察されなかった。時間経過に戻ると、過剰なPCSK9リガンド(C5)は、いずれの時点でも溶媒対照と差がなかった。他方で、おそらくint-CC2はASGPRを介して経時的に排出されるため、過剰なASGPRリガンド(int-CC2)は、最も早い時点でクリアランスを最も劇的に遅らせ、その影響は経時的に失われた。
本明細書に記載された実施例及び実施形態は、例示のみを目的としており、それを考慮した様々な改良形態又は変更形態が当業者に示唆され、本出願及び添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内に含まれるべきであることが理解される。

Claims (39)

  1. 式(I):
    -L-T 式(I)
    (式中、
    は、受容体媒介性エンドサイトーシスと関連する細胞表面受容体に結合する部分であり;
    は、リンカーであり;及び
    は、細胞外標的に結合する部分である)
    の構造を有する二機能性化合物。
  2. 前記細胞外標的は、増殖因子、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、神経伝達物質、カプシド、可溶性受容体、細胞外分泌タンパク質、抗体、リポタンパク質、エキソソーム、ウイルス、細胞又は細胞膜タンパク質から選択される、請求項1に記載の二機能性化合物。
  3. 前記細胞外標的分子は、LDL(ApoB)、Lp(a)、ApoCIII、ANGPTL3、ANGPTL4、ANGPTL8、因子11、GDF15、LPL、PCSK9、IL1β、IL17、補体因子B、補体因子D、MPO、IgE、IL7、IL12A、IL23、TNFA、CXCR4、MAPT、FHR3、TIMP1、アペリン、BMP6、BMP9/GDF2、CSF-1、EPO、IL5、MFGE8、TSLP、TSP、C5、CXCL10、FGF23、IGF1、IL10、IL13、IL2、IL6、VEGFA、NKG2D、ZNFR3、ADA2、suPAR、TGF-β1、IL4受容体、sトール受容体、ヒスタミン、タウ、プログラニュリン、アルファ-シヌクレイン、毒素、毒液、HBV可溶性抗原、ウイルス抗原、プリオンタンパク質、scFV、AAV及び抗AAV抗体から選択される、請求項1又は2に記載の二機能性化合物。
  4. 式(I):
    -L-T 式(I)
    (式中、
    は、受容体媒介性エンドサイトーシスと関連する細胞表面受容体に結合する部分であり;
    は、リンカーであり;及び
    は、PCSK9又はFHR3に結合する部分である)
    の構造を有する二機能性化合物。
  5. は、式(A):
    Figure 2023513168000167

    (式中、
    A1は、
    Figure 2023513168000168

    (式中、LA1の**は、リンカー(L)への結合点を示し、及びLA1の*は、LA1に結合される-C(=O)-基への結合点を示す)
    から選択され;
    (aa)は、L-プロリン残基及びD-プロリン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端は、-NH-基への結合点であり;
    (aa)は、L-アルギニン残基、D-アルギニン残基、L-セリン残基、D-セリン残基、L-ヒスチジン残基、D-ヒスチジン残基、L-アラニン残基及びD-アラニン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端は、(aa)への結合点であり;
    (aa)は、L-アスパラギン酸残基、D-アスパラギン酸残基、L-アスパラギン残基、D-アスパラギン残基、L-グルタミン酸残基、D-グルタミン酸残基、L-リジン残基、D-リジン残基、L-グルタミン残基、D-グルタミン残基、L-プロリン残基、D-プロリン残基、L-アラニン残基、D-アラニン残基、L-(N-Me)グルタミン酸残基及びD-(N-Me)グルタミン酸残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端は、(aa)への結合点であり;
    (aa)は、L-(N-Me)アラニン残基、D-(N-Me)アラニン残基、L-(N-Me)グルタミン酸残基及びD-(N-Me)グルタミン酸残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端は、(aa)への結合点であり;
    (aa)は、L-(4-フェニル-フェニルアラニン)(Bip)残基、D-(4-フェニル-フェニルアラニン)(Bip)残基、L-(4-トリフルオロメチル-フェニルアラニン)残基、D-(4-トリフルオロメチル-フェニルアラニン)残基、L-(3,4-ジクロロ-フェニルアラニン)残基、D-(3,4-ジクロロ-フェニルアラニン)残基、L-(3-フルオロ-フェニルアラニン)残基、D-(3-フルオロ-フェニルアラニン)残基、L-(4-クロロ-フェニルアラニン)残基及びD-(4-クロロ-フェニルアラニン)残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端は、(aa)への結合点であり;
    (aa)は、L-(N-Me)アラニン残基、D-(N-Me)アラニン残基、L-(N-Me)フェニルアラニン残基及びD-(N-Me)フェニルアラニン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端は、(aa)への結合点であり;
    (aa)は、L-(4-フェニル-フェニルアラニン)(Bip)残基、D-(4-フェニル-フェニルアラニン)(Bip)残基、L-セリン残基、D-セリン残基、L-チロシン残基、D-チロシン残基、L-(4-トリフルオロメチル-フェニルアラニン)残基、D-(4-トリフルオロメチル-フェニルアラニン)残基、L-アラニン残基、D-アラニン残基、L-フェニルアラニン残基、D-フェニルアラニン残基、L-バリン残基及びD-バリン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端は、(aa)への結合点であり;
    (aa)は、L-スレオニン残基及びD-スレオニン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)のC末端は、(aa)への結合点であり;
    (aa)10は、L-スレオニン残基、D-スレオニン残基、L-セリン残基及びD-セリン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)10のC末端は、(aa)への結合点であり;
    (aa)11は、L-セリン残基、D-セリン残基、L-アスパラギン酸残基、D-アスパラギン酸残基、L-アスパラギン残基、D-アスパラギン残基、L-プロリン残基、D-プロリン残基、L-アラニン残基、D-アラニン残基、L-ホモセリン残基及びD-ホモセリン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)11のC末端は、(aa)10への結合点であり;
    (aa)12は、L-バリン残基、D-バリン残基、L-グルタミン酸残基及びD-グルタミン酸残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)12のC末端は、(aa)11への結合点であり;及び
    (aa)13は、L-フェニルアラニン残基及びD-フェニルアラニン残基から選択されるアミノ酸残基であり、(aa)13のC末端は、(aa)12への結合点である)
    の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは立体異性体である、請求項1~4のいずれか一項に記載の二機能性化合物。
  6. 前記Tは、
    Ac*-F-V-P-T-T-B-(N-Me)A-B-(N-Me)A-E-A-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-D-T-T-S-(N-Me)F-B-(N-Me)E-N-S-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-S-T-T-B-(N-Me)A-B-(N-Me)A-D-R-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-D-T-T-S-(N-Me)F-B-(N-Me)A-N-S-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-D-S-T-Y-(N-Me)A-B-(N-Me)A-N-H-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-D-T-T-S-(N-Me)F-B-(N-Me)A-E-S-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-D-T-T-S-(N-Me)F-(p-CF)F-(N-Me)A-E-S-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-D-T-T-S-(N-Me)A-B-(N-Me)A-K-S-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-S-T-T-B-(N-Me)A-B-(N-Me)A-D-S-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-S-T-T-S-(N-Me)F-B-(N-Me)A-D-R-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-D-T-T-B-(N-Me)A-B-(N-Me)A-E-S-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-S-T-T-(p-CF)F-(N-Me)A-(p-CF)F-(N-Me)A-E-R-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-S-T-T-S-(N-Me)F-B-(N-Me)A-E-S-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-S-T-T-B-(N-Me)F-B-(N-Me)A-E-S-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-S-T-T-B-(N-Me)A-(3,4-ジCl)F-(N-Me)A-D-R-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-S-T-T-B-(N-Me)A-(3-F)F-(N-Me)A-D-R-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-D-T-T-A-(N-Me)F-B-(N-Me)A-E-A-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-D-T-T-F-(N-Me)A-B-(N-Me)A-E-S-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-N-T-T-A-(N-Me)F-B-(N-Me)A-Q-A-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-P-T-T-B-(N-Me)A-B-(N-Me)A-D-R-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-S-T-T-B-(N-Me)A-B-(N-Me)A-P-S-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-P-T-T-A-(N-Me)F-B-(N-Me)A-E-A-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-A-T-T-F-(N-Me)A-B-(N-Me)A-K-A-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-N-T-T-F-(N-Me)A-B-(N-Me)A-K-A-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-S-T-T-F-(N-Me)A-B-(N-Me)A-E-A-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-S-T-T-B-(N-Me)A-B-(N-Me)A-E-S-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-D-T-T-B-(N-Me)A-(3,4-ジCl)F-(N-Me)A-E-S-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-E-N-T-T-F-(N-Me)A-B-(N-Me)A-A-S-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-P-T-T-F-(N-Me)A-(p-Cl)F-(N-Me)A-P-A-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-P-T-T-F-(N-Me)A-(p-Cl)F-(N-Me)A-D-A-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-ホモSer-T-T-F-(N-Me)A-(p-Cl)F-(N-Me)A-D-A-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-A-T-T-F-(N-Me)A-(p-Cl)F-(N-Me)A-N-A-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-P-T-T-V-(N-Me)A-(p-Cl)F-(N-Me)A-E-A-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-N-T-T-F-(N-Me)A-B-(N-Me)A-(N-Me)E-A-P-C*-LA1-**;
    Ac*-F-V-P-T-T-F-(N-Me)A-B-(N-Me)A-E-A-P-C*-LA1-**;及び
    Ac*-F-V-P-T-T-B-(N-Me)A-B-(N-Me)A-A-A-P-C*-LA1-**
    (式中、
    Acは、アセチルであり、「*」で標識されたアセチル及び「*」で標識された(L-Cys)は、それらの側鎖又は末端を介して形成されるスルフィド結合を介して連結され、及び
    A1の**は、リンカー(L)への結合点を示す)
    から選択される、請求項5に記載の二機能性化合物。
  7. A1は、
    Figure 2023513168000169

    (式中、LA1の**は、リンカー(L)への結合点を示し、及びLA1の*は、LA1に結合される-C(=O)-基への結合点を示す)
    である、請求項5又は6に記載の二機能性化合物。
  8. は、
    Figure 2023513168000170

    から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の二機能性化合物。
  9. は、
    Figure 2023513168000171

    である、請求項1~8のいずれか一項に記載の二機能性化合物。
  10. は、式(B):
    Figure 2023513168000172

    (式中、
    B1は、C又はNであり;
    B1は、H、(C~C)アルキル又は(C~C)ハロアルキルであるか;又は
    B1及びRB11は、それらが結合される原子と合わせて、=(O)、(C~C)アルキル及び(C~C)ハロアルキルからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換されている、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員ヘテロシクリル環を形成し;
    B2は、(C~C)アルコキシ、(C~C)アルキル、-LB1-、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ヒドロキシアルキル、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルであり、前記アルキルは、任意選択により、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルコキシ、-C(=O)(C~C)アルキル、-C(=O)OH、-C(=O)O(C~C)アルキル、-OC(=O)(C~C)アルキル、-C(=O)NRB17B18、-NRB17C(=O)RB18、(C~C10)アリール並びにN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含む5又は6員ヘテロアリールからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
    B3は、H、(C~C)アルキル又は(C~C)ハロアルキルであり;
    B4は、H、(C~C)アルキル又は(C~C)ハロアルキルであり;
    B5は、H、(C~C)アルキル又は(C~C)ハロアルキルであり;
    B6は、H、(C~C)アルキル、-LB1-、(C~C)ハロアルキル又は(C~C)ヒドロキシアルキルであり、前記アルキルは、任意選択により、(C~C)アルコキシ、-C(=O)OH、-C(=O)O(C~C)アルキル、-NRB17B18、-C(=O)NRB17B18、-NRB17C(=O)RB18、(C~C)シクロアルキル並びにN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
    B6’は、H、(C~C)アルキル、-LB1-、(C~C)ハロアルキル又は(C~C)ヒドロキシアルキルであり、前記アルキルは、任意選択により、(C~C)アルコキシ、-C(=O)OH、-C(=O)O(C~C)アルキル、-NRB17B18、-C(=O)NRB17B18、-NRB17C(=O)RB18、(C~C)シクロアルキル並びにN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
    B7は、H、(C~C)アルキル、-LB1-、(C~C)ハロアルキル又は(C~C)ヒドロキシアルキルであり、前記アルキルは、任意選択により、(C~C)アルコキシ、-C(=O)OH、-C(=O)O(C~C)アルキル、-NRB17B18、-C(=O)NRB17B18、-NRB17C(=O)RB18、(C~C)シクロアルキル並びにN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
    B7’は、H、(C~C)アルキル、-LB1-、(C~C)ハロアルキル又は(C~C)ヒドロキシアルキルであり、前記アルキルは、任意選択により、(C~C)アルコキシ、-C(=O)OH、-C(=O)O(C~C)アルキル、-NRB17B18、-C(=O)NRB17B18、-NRB17C(=O)RB18、(C~C)シクロアルキル並びにN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換されるか;又は
    B6及びRB7は、それらが結合される炭素原子と合わせて、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリル環を形成するか;又は
    B7及びRB7’は、それらが結合される炭素原子と合わせて、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリル環を形成するか;又は
    B7及びRB9は、それらが結合される原子と合わせて、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル及び=(O)から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換されている、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員ヘテロシクリル環を形成し;
    B8は、H又は(C~C)アルキルであり;
    B9は、H、(C~C)アルキル、(C~C)アルケニル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルケニル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルコキシ、(C~C)ヒドロキシアルキル、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルであり、前記アルキルは、任意選択により、1つ以上のRB27で置換され;
    B9’は、H、(C~C)アルキル、(C~C)アルケニル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルケニル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルコキシ、(C~C)ヒドロキシアルキル、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルであり、前記アルキルは、任意選択により、1つ以上のRB27で置換されるか;又はRB9’は、XB1がNであるときに存在しないか;又は
    B9及びRB9’は、それらが結合される炭素原子と合わせて、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリル環を形成するか;又は
    B7及びRB9は、それらが結合される原子と合わせて、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル及び=(O)から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換されている、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員ヘテロシクリル環を形成し;
    B10は、(C~C10)アリール、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員ヘテロアリール、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルであり、前記シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、-ORB13又は-NRB23B13で置換され、且つ任意選択により1つ以上のRB14で置換され;
    B11は、-LB1-、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル又は(C~C)ヒドロキシアルキルであり、前記アルキルは、任意選択により、1つ以上のRB15で置換されるか;又は
    B1及びRB11は、それらが結合される原子と合わせて、=(O)、(C~C)アルキル及び(C~C)ハロアルキルからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換されている、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員ヘテロシクリル環を形成し;
    B12は、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-OH又はCNであり;
    B13は、(C~C10)アリール又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員ヘテロアリールであり、前記アリール及びヘテロアリールは、R16で置換され、且つ任意選択により1つ以上のRB16’で置換され;
    各RB14は、独立して各存在で、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、オキソ、-OH又はCNであるか;又は
    B10がシクロアルキル又はヘテロシクリルであるとき、2つのRB14は、合わせて、同じ炭素原子に結合されるとき、合わせて=(O)を形成し;
    各RB15は、独立して各存在で、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルコキシ、-C(=O)RB19、-S(O)(C~C)アルキル、-C(=O)OH、-C(=O)O(C~C)アルキル、-OC(=O)(C~C)アルキル、-NRB17B18、-C(=O)NRB17B18、-NRB17C(=O)RB20、-NRB17C(=O)ORB18、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルであり、前記シクロアルキル及びヘテロシクリルは、任意選択により、1つ以上のRB21で置換され;
    B16は、-C(=O)NRB31B32、(C~C10)アリール又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員ヘテロアリールであり、前記アリール及びヘテロアリールは、任意選択により、1つ以上のRB26で置換され;
    各RB16’は、独立して各存在で、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-OH又はCNであるか;又は
    B16及びRB16’は、それらが結合される原子と合わせて、=(O)及びRB34から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換された5~7員ヘテロシクリル環を形成し;
    B17は、H又は(C~C)アルコキシ及び-C(=O)O(C~C)アルキルからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換された(C~C)アルキルであり;
    B18は、H又は(C~C)アルコキシ及び-C(=O)O(C~C)アルキルからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換された(C~C)アルキルであり;
    B19は、(C~C)シクロアルキル又は1つ以上のRB22で任意選択により置換されている、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルであり;
    B20は、-(CHCHO)CHCHONH、-(CHCHO)CHCHONH(C~C)アルキル又は1つ以上の-NRB23C(=O)RB24で任意選択により置換された(C~C)アルキルであり;
    各RB21は、独立して各存在で、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、ハロゲン、=(O)又は-OHであり;
    各RB22は、独立して各存在で、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、ハロゲン又は-OHであるか;又は
    2つのR22は、同じ原子上にあるとき、それらが結合される原子と合わせて、(C~C)スピロシクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員スピロヘテロシクリル環を形成し;
    B23は、H又は(C~C)アルキルであり;
    B24は、H又は1つ以上のRB25で任意選択により置換された(C~C)アルキルであり;
    各RB25は、独立して各存在で、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含む4~10員単環式若しくは二環式ヘテロシクリルであり、前記シクロアルキル又はヘテロシクリルは、任意選択により、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル及び=(O)から独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
    各RB26は、独立して各存在で、1つ以上のRB29で任意選択により置換された(C~C)アルキル、(C~C)アルケニル、(C~C)アルキニル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、(C~C)ヒドロキシアルキル、-NRB31B32、-C(=O)NRB31B32、-C(=O)O(C~C)アルキル、(C~C)シクロアルキル、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリル、(C~C10)アリール又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員ヘテロアリールであり、前記シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、任意選択により、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、-NH、-N(H)(C~C)アルキル、-N((C~C)アルキル)、-N(H)(C~C)ハロアルキル、-N((C~C)ハロアルキル)、ハロゲン及び-OHからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換されるか;又は
    2つのRB26は、隣接する原子上にあるとき、それらが結合される原子と合わせて、(C~C)シクロアルキル又は1つ以上のRB33で任意選択により置換されている、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリル環を形成し;
    各RB27は、独立して各存在で、CN、(C~C10)アリール、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員ヘテロアリール、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルであり、前記アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルは、任意選択により、1つ以上のRB28で置換され;
    各RB28は、独立して各存在で、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルコキシ、(C~C)ヒドロキシアルキル、ハロゲン、オキソ又はCNであるか;又は
    B27がシクロアルキル又はヘテロシクリルであるとき、2つのRB28は、それらが結合される原子と合わせて、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリル環を形成するか;又は
    B27がシクロアルキル又はヘテロシクリルであるとき、2つのRB28は、合わせて、同じ炭素原子に結合されるとき、合わせて=(O)を形成し;
    各RB29は、独立して各存在で、-NRB31B32又は1つ以上のRB30で任意選択により置換されている、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルであり;
    各RB30は、独立して各存在で、-OH、ハロゲン、(C~C)アルキル又は(C~C)ハロアルキルであるか;又は
    2つのRB30は、同じ原子上にあるとき、それらが結合される原子と合わせて、(C~C)スピロシクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員スピロヘテロシクリル環を形成し;
    各RB31は、独立して、H、(C~C)アルキル、(C~C)ヒドロキシアルキル、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルから選択され、前記アルキルは、任意選択により、1つ以上のDで置換され、且つ前記シクロアルキル及びヘテロシクリルは、任意選択により、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、ハロゲン及び-OHからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
    各RB32は、独立して、H、(C~C)アルキル、(C~C)ヒドロキシアルキル、(C~C)シクロアルキル並びにN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルから選択され、前記アルキルは、任意選択により、1つ以上のDで置換され、且つ前記シクロアルキル及びヘテロシクリルは、任意選択により、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル、ハロゲン及び-OHからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
    各RB33は、独立して各存在で、(C~C)アルキル、(C~C)ハロアルキル又は-C(=O)Rであり、Rは、(C~C)ハロアルキル、(C~C)シクロアルキル、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリル又は1つ以上の(C~C)アルコキシで任意選択により置換された(C~C)アルキルであるか;又は
    2つのRB33は、同じ原子上にあるとき、それらが結合される原子と合わせて、(C~C)スピロシクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員スピロヘテロシクリル環を形成し;
    各RB34は、独立して各存在で、(C~C)シクロアルキル又はN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含む4~10員単環式若しくは二環式ヘテロシクリルであり、前記シクロアルキル及びヘテロシクリルは、任意選択により、(C~C)シクロアルキル並びにN、O及びSから選択される1~4個のヘテロ原子を含む4~10員単環式又は二環式ヘテロシクリルからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換された(C~C)アルキルで置換され;
    B1は、-(CHNH-*であり、LB1の*は、リンカー(L)への結合点を示し、RB11、RB2、RB6又はRB7の少なくとも1つは、-LB1-であり;
    mは、1~13から選択される整数であり;
    nは、1、2、3又は4であり;
    qは、0、1又は2であり、及び
    pは、1、2、3、4、5又は6である)
    の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは立体異性体である、請求項1~4のいずれか一項に記載の二機能性化合物。
  11. は、
    Figure 2023513168000173

    (式中、LB1は、-(CHNH-*であり、LB1の*は、リンカー(L)への結合点を示す)
    又はその薬学的に許容される塩若しくは立体異性体から選択される、請求項1~4又は10のいずれか一項に記載の二機能性化合物。
  12. は、
    Figure 2023513168000174

    又はその薬学的に許容される塩から選択される、請求項1~4又は10若しくは11のいずれか一項に記載の二機能性化合物。
  13. は、
    Figure 2023513168000175

    又はその薬学的に許容される塩である、請求項1~4又は10~12のいずれか一項に記載の二機能性化合物。
  14. は、式(C):
    Figure 2023513168000176

    (式中、
    C1は、H又は(C~C)アルキルであり;
    C2は、H又は(C~C)アルキルであるか;又は
    C1及びXC2は、それらが結合される炭素原子と合わせて、=(O)を形成し;
    C1及びXC2が、それぞれ独立して、H又は(C~C)アルキルであるとき、XC3は、-CH-であるか、又はXC1及びXC2は、それらが結合される炭素原子と合わせて、=(O)を形成するか;又は
    C1及びXC2が、それらが結合される炭素原子と合わせて、=(O)を形成するとき、XC3は、-O-、-NH-又は-N(C~C)アルキル-であり;
    C1は、(C~C10)アリール又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員ヘテロアリールであり、前記アリール及びヘテロアリールは、-ORC10又は-NRC21C10で置換され、且つ1つ以上のRC11で任意選択により置換され;
    C2は、H、(C~C)アルキル、-LC1-、(C~C)アルケニル、(C~C)ハロアルキル、-NRC12C13、(C~C)カルボシクリル、(C~C)シクロアルケニル、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員ヘテロシクリル、(C~C10)アリール又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員ヘテロアリールであり、前記アルキルは、任意選択により、1つ以上のRC18で置換され、且つ前記カルボシクリル、(C~C)シクロアルケニル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、任意選択により、1つ以上のRC19で置換され;
    C3は、H、D、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ又は(C~C)ヒドロキシアルキルであり、前記アルキルは、任意選択により、1つ以上のRC14で置換され;
    C4は、H又は(C~C)アルキルであるか;又は
    C3及びRC4は、それらが結合される原子と合わせて、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員ヘテロシクリル環を形成し;
    C5は、H、D、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ又は(C~C)ヒドロキシアルキルであり、前記(C~C)アルキルは、任意選択により、1つ以上のDで置換され;
    C6は、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、-LC1-、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ又は(C~C)ヒドロキシアルキルであり、前記アルキルは、任意選択により、-OH、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルコキシ、-C(O)(C~C)アルキル、-C(O)OH及び-C(O)O(C~C)アルキルからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
    C7は、H、D、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ又は(C~C)ヒドロキシアルキルであり、前記(C~C)アルキルは、任意選択により、1つ以上のDで置換され;
    C8は、H、(C~C)アルキル、-LC1-又は(C~C)ハロアルキルであり、前記アルキルは、任意選択により、(C~C)カルボシクリル、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリル、-C(O)OH、-NRC16C17及び-C(O)NRC16C17からそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
    C9は、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-OH又はCNであり;
    C10は、(C~C10)アリール又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員ヘテロアリールであり、前記アリール及びヘテロアリールは、任意選択により、1つ以上のRC22で置換され;
    各RC11は、独立して各存在で、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-OH又はCNであり;
    C12及びRC13は、それぞれ独立して、H又は(C~C)アルキルであり;
    各RC14は、独立して各存在で、D、NRC15C15’、(C~C)カルボシクリル又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む3~7員ヘテロシクリルであり、前記カルボシクリル及びヘテロシクリルは、任意選択により、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル及び(C~C)ハロアルコキシからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
    C15及びRC15’は、それぞれ独立して、H又は(C~C)アルキルであり;
    C16及びRC17は、それぞれ独立して、H又は(C~C)アルキルであるか;又は
    C16及びRC17は、それらが結合される窒素原子と合わせて、N、O及びSから選択される1~2個の追加のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリル環を形成し;
    各RC18は、独立して各存在で、(C~C)カルボシクリル、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5~7員ヘテロシクリル、(C~C10)アリール又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員ヘテロアリールであり、前記カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール及びヘテロアリールは、任意選択により、1つ以上のRC20で置換され;
    各RC19は、独立して各存在で、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-OH又はCNであるか;又は
    2つのRC19は、隣接する原子上にあるとき、(C~C10)アリール又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員ヘテロアリール環を形成し、前記アリール及びヘテロアリールは、任意選択により、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-OH及びCNからそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換され;
    各RC20は、独立して各存在で、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、オキソ、-OH又はCNであるか;又は
    C18がカルボシクリル又はヘテロアリールであるとき、2つのRC20は、同じ炭素原子に結合されるとき、合わせて=(O)を形成し;
    C21は、H又は(C~C)アルキルであり;
    各RC22は、独立して各存在で、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-OH、CN、(C~C10)アリール又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む5若しくは6員ヘテロアリールであり、前記アリール及びヘテロアリールは、任意選択により、1つ以上のRC23で置換され;
    各RC23は、独立して各存在で、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-CH(OCHCHOCHCH、-OH、CN又はN、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルであり、前記ヘテロシクリルは、任意選択により、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-OH、-C(O)RC24C25、-NRC24C(O)RC25、-NH、-NH(C~C)アルキル及び-N((C~C)アルキル)からそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で置換され、且つ前記アルキルは、任意選択により、-NRC24C25又はハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、(C~C)ハロアルキル、(C~C)ハロアルコキシ、-OH、-NH、-NH(C~C)アルキル及び-N((C~C)アルキル)からそれぞれ独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換されている、N、O及びSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む4~7員ヘテロシクリルで置換され;
    C24は、H、(C~C)アルキル又は(C~C)カルボシクリルであり;
    C25は、H、(C~C)アルキル又は(C~C)カルボシクリルであり;及び
    C1は、-(CHNH-*であり、LC1の*は、リンカー(L)への結合点を示し、RC2、RC6又はRC8の少なくとも1つは、-LC1-である)
    の化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは立体異性体である、請求項1~4のいずれか一項に記載の二機能性化合物。
  15. は、
    Figure 2023513168000177

    から選択され、LC1は、-NH-及び-(CHNH-*から選択され、LC1の*は、リンカー(L)への結合点を示す、請求項1~4又は14のいずれか一項に記載の二機能性化合物。
  16. は、
    Figure 2023513168000178

    又はその薬学的に許容される塩である、請求項1~4又は14若しくは15のいずれか一項に記載の二機能性化合物。
  17. は、
    Figure 2023513168000179

    (式中、LD1は、-(CHNH-*であり、pは、1、2、3、4、5又は6であり、LD1の*は、リンカー(L)への結合点を示す)
    から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の二機能性化合物。
  18. は、
    Figure 2023513168000180

    (式中、Tの*は、リンカー(L)への結合点を示す)
    から選択される、請求項1~4又は17のいずれか一項に記載の二機能性化合物。
  19. は、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)、マンノース-6-リン酸受容体(M6PR)、インスリン様増殖因子2受容体、マンノース受容体系、クッパー細胞受容体、マクロファージガラクトースレクチン(MGL)、スカベンジャー受容体C型レクチン(SRCL)、EGF受容体、Fc受容体、リソソーム膜内在性タンパク質受容体(LIMP-2)、トランスフェリン受容体、ソーティリン及びデコイ受容体から選択される細胞表面受容体に結合する部分である、請求項1~18のいずれか一項に記載の二機能性化合物。
  20. は、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)、マンノース-6-リン酸受容体(M6PR)及びインスリン様増殖因子2受容体から選択される細胞表面受容体に結合する部分である、請求項1~16のいずれか一項に記載の二機能性化合物。
  21. は、
    Figure 2023513168000181

    Figure 2023513168000182

    (式中、Rの*は、リンカー(L)への結合点を示す)
    である、請求項1~20のいずれか一項に記載の二機能性化合物。
  22. 前記リンカー(L)は、
    *-(CHC(=O)NHNHC(=O)(CHON=CHC(=O)-**;*-(CHC(=O)-**;*-((CHO)(CHC(=O)-**;*-(CHC(=O)-**;*-(CHC(=O)NHNHC(=O)(CHON=CHC(=O)NH(CHCH(C=(O)NH)-**;*-(CHC(=O)NH(CHCH(C=(O)NH)-**;-C(=O)-;*-C(=O)(CHC(=O)-**;*-C(=O)((CHO)(CHC(=O)-**;*-((CHO)(CH(CHO(CHNHC(=O)((CHO)(CHC(=O)-**;*-C(=O)((CHO)(CH-**;又は*-C(=O)(CHC(=O)NH((CHO)(CH-**
    (式中、
    は、
    Figure 2023513168000183

    であり、及び
    は、
    Figure 2023513168000184

    であり、Xの*は、Rへの結合点を示し、及びXの**は、Lへの結合点を示し、
    の*は、Rへの結合点を示し、及びLの**は、Tへの結合点を示す)
    である、請求項1~21のいずれか一項に記載の二機能性化合物。
  23. Figure 2023513168000185

    Figure 2023513168000186

    Figure 2023513168000187

    Figure 2023513168000188

    Figure 2023513168000189

    Figure 2023513168000190

    から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の二機能性化合物。
  24. Figure 2023513168000191

    Figure 2023513168000192

    から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の二機能性化合物。
  25. 請求項1~24のいずれか一項に記載の二機能性化合物及び1種以上の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
  26. 請求項4~16又は19~23のいずれか一項に記載の二機能性化合物及び1種以上の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
  27. PCSK9媒介性疾患又は障害の治療における使用のための、請求項4~16若しくは19~23のいずれか一項に記載の二機能性化合物又は請求項26に記載の医薬組成物。
  28. PCSK9媒介性疾患又は障害の治療における、請求項4~16若しくは19~23のいずれか一項に記載の二機能性化合物又は請求項26に記載の医薬組成物の使用。
  29. PCSK9媒介性疾患又は障害の治療のための医薬の製造における、請求項4~16又は19~23のいずれか一項に記載の二機能性化合物の使用。
  30. PCSK9媒介性疾患又は障害を治療するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の、請求項4~16又は19~23のいずれか一項に記載の二機能性化合物を投与する工程を含む方法。
  31. 前記PCSK9媒介性疾患又は障害は、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、シトステロール血症、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、冠動脈心疾患、末梢血管疾患、末梢動脈疾患、血管炎症、Lp(a)の上昇、LDLの上昇、トリグリセリドに富むリポタンパク質(TRL)、トリグリセリドの上昇、敗血症及び黄色腫から選択される、請求項4~16若しくは19~23のいずれか一項に記載の二機能性化合物、請求項26に記載の医薬組成物、請求項27~29のいずれか一項に記載の使用又は請求項30に記載の方法。
  32. 請求項4、17~22又は24のいずれか一項に記載の二機能性化合物及び1種以上の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
  33. FHR3媒介性疾患又は障害の治療における使用のための、請求項4、17~22若しくは24のいずれか一項に記載の二機能性化合物又は請求項32に記載の医薬組成物。
  34. FHR3媒介性疾患又は障害の治療における、請求項4、17~22若しくは24のいずれか一項に記載の二機能性化合物又は請求項32に記載の医薬組成物の使用。
  35. FHR3媒介性疾患又は障害の治療のための医薬の製造における、請求項4、17~22又は24のいずれか一項に記載の二機能性化合物の使用。
  36. FHR3媒介性疾患又は障害を治療するための方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量の、請求項4、17~22又は24のいずれか一項に記載の二機能性化合物を投与する工程を含む方法。
  37. 前記FHR3媒介性疾患又は障害は、腎症、加齢性黄斑変性、非典型溶血性尿毒症症候群及び肝細胞癌(HCC)から選択される、請求項4、17~22若しくは24のいずれか一項に記載の二機能性化合物、又は請求項32に記載の医薬組成物、又は請求項33~35のいずれか一項に記載の使用、又は請求項36に記載の方法。
  38. 細胞外標的分子の標的リソソーム分解のための方法であって、請求項4~23のいずれか一項に記載の二機能性化合物を投与することを含み、前記細胞外標的分子は、PCSK9又はFHR3である、方法。
  39. 細胞外標的分子の除去であって、それを必要とする患者又は対象の血漿からの除去のための方法であって、請求項4~23のいずれか一項に記載の二機能性化合物を投与することを含み、前記細胞外標的分子は、PCSK9又はFHR3である、方法。
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