JP2023513065A - 内燃機関用のガス調量弁 - Google Patents

Abstract

内燃機関用のガス調量弁であって、ハウジング（１）を備え、該ハウジング（１）内にガス室（２）が形成されており、該ガス室（２）は、流入開口（５）と流出開口（６）とを有する。ガス室（２）内には、可動の弁部材（８）が配置されており、この弁部材（８）は、電気的なアクチュエータ（１６）によって戻しばね（１７）の力に抗して可動であって、流入開口（５）を開閉するために弁座（１１）と協働する。弁部材（８）と流出開口（６）との間には、遮断弁（２５）が配置されており、この遮断弁（２５）は、流出開口（６）に向かう流れ方向（１５）では開き、逆向きの流れ方向を遮断する。

Description

本発明は、ガス状の燃料を内燃機関の燃焼室内に直接供給するために好適に使用されるようなガス調量弁に関する。

従来技術
ガスを調量して供給するためのガス弁は、従来技術に基づき知られている。すなわち、独国特許出願公開第１０２０１６２１５０２７号明細書には、燃料電池装置の再循環装置の一部であるガス弁が開示されている。このガス弁は可動の弁部材を含み、この弁部材は、電磁石によってばね部材の力に抗してガス弁内部で可動であり、これにより流入開口を開閉する。ガス流は、弁部材の内部に設けられた孔を通って導かれ、こうして流出開口に到達し、この場合、弁部材はその外面に沿ってガス弁の内部に案内されている。電磁石のオンオフ切換により、調量されるべきガスは所望の時点で、かつ必要とされる量で燃料電池に供給され得る。このような用途では、弁部材に設けられたシールシートの過剰の熱負荷は想定され得ない。

しかし、ガスを内燃機関の燃焼室内に直接供給する場合には、要求は違ってくる。燃焼室内では、燃焼によって高い温度および圧力が発生し、このような高い温度および圧力は、ガス調量弁の著しい加熱を招くおそれがある。なぜならば、ガス調量弁は直接に燃焼室に開口しているからである。たとえば水素を供給したい場合には、金属製のシールシートによって良好なシールを達成することは極めて困難となり、ましては安全性の理由から調量弁の全寿命にわたって信頼性の良いシールが不可欠となることを考えるとなおさらである。それゆえに、エラストマーシール部材の使用が必要となるが、しかしエラストマーシール部材は、損傷を受けることなしに使用するには比較的低い温度にしかさらすことができない。温度を制限するためには、ガス調量弁のシートが、流出開口から比較的大きく離れて、ひいては燃焼室から比較的大きく離れて配置され得る。しかし、このことに基づき、ガス調量弁は、燃焼室内の火炎の、ガス調量弁内への逆火を受けやすくなる。なぜならば、燃焼室から遠ざけられたシールシートに基づき、ガス調量弁の比較的大きな容積が直接に燃焼室に接続されているからである。特に、ガス調量弁内に可燃性のガスの残分が存在していると、燃焼室の火炎面がガス調量弁内へ伝播して、ガス調量弁内で、特にシールシートのところで、著しい熱負荷を生ぜしめるおそれがある。

発明の利点
独立形式の請求項の特徴部に記載の特徴を有する本発明による調量弁には、シールシートの熱負荷が減じられており、個々の吹込みと吹込みとの間や、内燃機関の遮断状態の際に、調量されるべきガスの信頼性の良いシールが保証されているという利点がある。このためには、ガス調量弁がハウジングを有し、このハウジング内にはガス室が形成されており、このガス室は流入開口と流出開口とを有する。ガス室内には、可動の弁部材が配置されており、この弁部材は電気的なアクチュエータによって戻しばねの力に抗して可動である。弁部材は、流入開口を開閉するためにシールシートと協働する。弁部材と流出開口との間には、遮断弁が配置されており、この遮断弁は流出開口へのガス流を付加的に遮断することができる。

ガスを燃焼室内に供給したい場合、弁部材が、電気的なアクチュエータ、たとえば電磁石によって開放される。流入開口を通じて流入したガスは、遮断弁の上流側で圧力増大を生ぜしめ、この圧力増大により遮断弁が開放される。ガスは遮断弁を通過して、最終的に燃焼室に流入する。まだガス供給が行われている間に、またはガス供給の終了直後に、ひいては弁部材の閉鎖直後に、燃焼室内では燃焼が着火され、この場合、火炎面はガス調量弁の方向にも伝播する。しかし遮断弁が、ガス調量弁の流入開口の閉鎖直後に同じく閉じるので、燃焼室内の火炎面は遮断弁のところにまでしか伝播することができず、弁部材のシールシートは有効に保護される。燃焼室内での燃焼によって衝撃的に上昇する圧力も、遮断弁の閉鎖を助成する。弁座は高い温度に対して保護されているので、弁座のところでは弾性的なシール部材、たとえばエラストマーシール部材が使用され得る。このことは、特に水素において有利である。

本発明の第１の有利な構成では、遮断弁が、閉鎖ばねによって付勢された可動の閉鎖部材を含み、この閉鎖部材は、好ましくは長手方向可動にガス室内に案内されている。これによって、別の構成要素なしに、特に電気的な構成要素なしに、ガス流を所望の流れ方向においてのみ有効に許す遮断弁、つまり逆止弁として機能する遮断弁が提供される。この場合、閉鎖部材はディスク形に形成されていてもよく、このことは、一方では容易に製作され得る単純な形状であり、他方ではディスクの平面に対して垂直の長手方向運動時に既に小さな行程において大きな流れ横断面を開放制御する。これによって、遮断弁において不可避の絞りを少なく保持することができ、これによって、ガス状の燃料を吹き込むために全ガス圧が提供されている。有利には、弁部材を閉鎖方向に付勢する戻しばねの他方の端部が閉鎖部材に支持されていることも考えられる。

本発明の別の有利な構成では、弁部材に押圧ピンが形成されており、この押圧ピンは、弁部材の開放運動時に閉鎖部材に当接して、閉鎖部材に開放力を加え、すなわち遮断弁を開放する。遮断弁はこの構成では、閉鎖部材の前後の圧力差によってのみ開放されるのではなく、既に弁部材の運動に連動して開放される。このことはガス調量弁の応答時間、つまり電気的なアクチュエータの作動と、ガス状の燃料の実際の流出との間に経過する時間を短縮する。

さらに別の有利な構成では、弁部材が、流入開口を閉鎖するためにガス室内に設けられた弁座と協働する。この場合、弁部材に設けられた弁シール面または弁座に、有利には、弾性的なシール部材が配置されている。弾性的なシール部材によって、流入開口は極めて密に閉鎖され得る。このことは特にガス状の水素を調量する際に重要となり、これによって弁座において望ましくない漏れが生じなくなる。水素の場合、安全性の理由から、エンジンの遮断状態で弁座が完全に密であることが重要となる。たとえば実用車に搭載されているエンジンの長い耐用年数にわたっても、エンジンの外部には、引火されるおそれのある水素が滞留してはならない。

シール性をさらに改善するために、さらに有利には、弁座に喰込みエッジが設けられていてもよい。この喰込みエッジはこの領域における面圧を高め、このことはシールを一層改善する。付加的に、弁部材には、環状に延びる環状バリが設けられていてもよい。この環状バリは、喰込みエッジを取り囲んでいてもよく、環状バリの高さは、弁部材の閉鎖運動時にまずは弾性的なシール部材が弁座に当接し、そのあとで環状バリが弁座に当接するように寸法設定されている。これにより、環状バリによって弁シール面と弁座との間の最小間隔が規定され、これにより弾性的なシール部材は過剰負荷を受けなくなる。

さらに別の有利な構成では、遮断弁が弁ニードルを含み、この弁ニードルはこの場合、閉鎖部材として用いられる。この弁ニードルは長手方向可動にガス室内に配置されていて、ガス室内へのガスの逆流を阻止する。有利にはこの場合、弁ニードルの、流出開口寄りの端部に弁座が形成されており、この弁座によって弁ニードルは、対応するシール面と協働する。この場合、弁ニードルは好ましくは閉鎖ばねによってこのシール面の方向にプリロードをかけられている。

さらに別の有利な構成では、弁部材に押圧ピンが形成されており、この押圧ピンは、弁部材の開放運動時に弁ニードルに当接し、これにより弁ニードルに開放力を加える。ディスク形の閉鎖部材を用いる実施例の場合と同様に、遮断弁は弁部材と連動して開放される。

図面には、本発明の種々の実施例が示されている。

本発明によるガス調量弁の第１実施例を示す縦断面図である。 図１にＩＩで示した部分の拡大図である。 本発明の別の実施例におけるガス調量弁を概略的にのみ示す図である。 ニードル形の閉鎖部材を備えた、本発明によるガス調量弁のさらに別の実施例を同じく概略的に示す図である。 ニードル形の閉鎖部材を備えた、本発明によるガス調量弁のさらに別の実施例を同じく概略的に示す図である。 ニードル形の閉鎖部材を備えた、本発明によるガス調量弁のさらに別の実施例を同じく概略的に示す図である。 本発明によるガス調量弁のさらに別の実施例を示す縦断面図である。 本発明によるガス調量弁のさらに別の実施例を示す図である。 外方に向かって開く弁ニードルを備えた、図６に示したガス調量弁の変化実施例を示す図である。

実施例の説明
図１には、本発明によるガス調量弁の第１実施例が縦断面図で示されている。このガス調量弁は、ハウジング１を有し、このハウジング１内にはガス室２が形成されている。ガス室２は流入開口５と流出開口６とを有し、この場合、調量されるべきガスは流入開口５を介してガス調量弁に流入し、流出開口６を介して内燃機関の燃焼室に流入する。流出開口６はこの場合、ノズル軸部７の端部に形成されており、ノズル軸部７はガス流を操向するので、ガスは燃焼室の所望の室領域に流入する。ガス室２内には、弁部材８が長手方向可動に配置されており、この弁部材８の、流入開口５寄りの端面は、弁シール面１０を有する。この弁シール面１０は、弁部材８の一部であるシールエレメント９に形成されている。弁シール面１０を用いて弁部材８は、流入開口５を閉鎖するために弁座１１と協働する。弁座１１は、本実施例では接続部４に形成されており、この接続部４はハウジング１の一部であって、流入開口５を形成する長手方向孔を有する。

流入開口５の信頼性の良いシールを達成するためには、弁部材８の弁シール面１０に、図１のＩＩで示した部分の拡大図である図２に図示されているように、弾性的なシール部材１２が配置されている。この弾性的なシール部材１２、たとえばエラストマーは、弁シール面１０を覆っていて、喰込みエッジ１３と協働する。喰込みエッジ１３は弁座１１に形成されていて、流入開口５を取り囲んでいる。喰込みエッジ１３により、弁座１１と弾性的なシール部材１２との間の面圧が増大されるので、高揮発性のガス、たとえば水素を調量する場合でも、ガス密なシールが達成される。弁シール面１０では、さらにシールエレメント９の外縁部に環状バリ１４が形成されており、この場合、環状バリ１４は喰込みエッジを取り囲んでおり、環状バリ１４の高さは、弁座１１の方向での弁部材８の閉鎖運動時にまずは弾性的なシール部材１２が喰込みエッジ１３に載着され、次いで引き続きさらに閉鎖運動が実施されたあとではじめて環状バリ１４も弁座１１に載着されるように寸法設定されている。この場合、環状バリ１４の高さは、喰込みエッジ１３の高さよりも大きく形成されているので、弾性的なシール部材１２は、たしかに喰込みエッジ１３に押圧され、ひいては有効にシールされるが、しかし過剰な機械的負荷をかけられることはない。

ガス調量弁内で弁部材８を動かすためには、電磁石１６の形の電気的なアクチュエータが設けられている。この電磁石１６はハウジング１を弁部材８の高さで取り囲んでいる。電磁石１６は緊締ナット３によって固定されている。弁部材８はこの場合、電磁石１６のプランジャ式可動子として機能するので、弁部材８は電磁石１６の通電時に弁座１１から引き離され、その結果、弁部材８はガス室２内に設けられた行程ストッパ２０に当接する。弁部材８の運動は、戻しばね１７の力に抗して行われる。戻しばね１７は弁座１１に向かって弁部材８にプリロードをかけている。戻しばね１７の働きにより、弁部材８は、電磁石１６が遮断されるとその閉鎖位置へ戻って、流入開口５を閉鎖する。ガス流を流入開口５から流出開口６へ導くためには、弁部材８に横方向孔１８と、この横方向孔１８に交差した長手方向孔１９とが形成されている。横方向孔１８と長手方向孔１９とは、この領域でガス流の著しい絞りが行われないように寸法設定されている。

弁部材８と流出開口６との間には、遮断弁２５が配置されている。遮断弁２５は、この実施例では、流入開口５から流出開口６へ向かう流れ方向１５でのみガス流を許し、逆向きの方向ではガス流を遮断する。遮断弁２５は閉鎖部材２６、この場合にはフラットなディスクの形の閉鎖部材２６を含む。この閉鎖部材２６は、閉鎖ばね２９によってシール面２３に押圧され、このシール面２３は、ガス室２内に配置された段部２２に形成されている。すなわち、遮断弁２５は、閉鎖部材２６と弁部材８との間のガス圧が、閉鎖部材２６の反対の側におけるガス圧よりも大きくなって、閉鎖ばね２９の力を克服することができた場合にのみ開く。閉鎖部材２６はディスク状に形成されているので、この閉鎖部材２６は環状に延びる縁部を有し、これにより閉鎖部材は、既に小さな行程によって比較的大きな流れ横断面を開放制御し、ガスは著しい絞りなしに流出開口６へ流れることができる。

ガス状の燃料を燃焼室内に供給したい場合、電磁石１６が通電され、こうして形成された磁界の作用によって弁部材８が弁座１１から引き離され、その結果、弁部材８は行程ストッパ２０に接触する。その後に、ガスは流入開口５と、弁部材８に設けられた横方向孔１８と長手方向孔１９とを通って遮断弁２５にまで流れる。閉鎖部材２６の、弁部材８に面した側に加えられる圧力の増大により、閉鎖部材２６は閉鎖ばね２９の力に抗して押し開けられて、シール面２３と閉鎖部材との間の流れ横断面を開放し、この流れ横断面を通じてガスはノズル軸部７に流入し、最終的には流出開口６に到達する。ガス供給を終了させるためには、電磁石１６の通電が中断されるので、弁部材８は流入開口５を再び閉鎖する。もはやガスは遮断弁２５に流入しないので、遮断弁２５も閉鎖ばね２９によって閉じられる。

このガス調量弁は、特に内燃機関の燃焼室内にガスを供給するために適している。なぜならば、このガス調量弁はガスの信頼性の良いシールを可能にすると同時に、高い寿命を有するからである。ノズル軸部７によって、弁部材８は燃焼室から大きく遠ざけられており、ひいては弾性的なシール部材１２が燃焼室から大きく遠ざけられており、このことは弁座１１の熱負荷を制限する。遮断弁２５はさらに、燃焼室内の火炎面がガス室２内にまで伝播することを阻止する。なぜならば、遮断弁２５はガス供給の終了後に直ちに閉じるからである。このことは付加的に燃焼室内での圧力増大によって助成される。これによって、弁座１１の過剰な加熱が信頼性良く阻止される。

図３には、本発明によるガス調量弁の別の実施例が縦断面図で示されている。この図は概略的にのみ示されている。図１に示した実施例に対する最も重要な構造上の相違点は、弁部材８に配置されている押圧ピン３０である。弁部材８の開放運動時に、押圧ピン３０は閉鎖部材２６に当接して、この閉鎖部材２６を閉鎖ばね２９の力に抗してその開放位置へ動かす。これによって遮断弁２５は事実上、弁部材８と連動して同時に開くので、従来必要であった遮断弁２５の上流側での圧力形成に基づいた遅延が生ぜしめられなくなり、その結果、応答時間の短縮が得られ、すなわち電磁石１６の通電とガス供給の開始との間に、より短い遅延しか生ぜしめられなくなる。このガス調量弁の閉鎖過程は、図１に示した実施例と同様に行われる。

図４ａには、本発明によるガス調量弁のさらに別の実施例が示されており、この場合、図４ａは、図３の縦断面図に相当している。図面を簡単にするために、弁部材８と弁シール面１０とは簡略的にのみ図示されている。横方向孔１８および長手方向孔１９の代わりに、本実施例では２つの長手方向孔１９が形成されているが、しかしこのことは機能的には同じである。遮断弁２５はこの場合、弁ニードル２６′の形の閉鎖部材を有する。弁ニードル２６′はノズル軸部７内に第１のガイド区分３２と第２のガイド区分３３とによって案内されており、この場合、両ガイド区分３２，３３には研削加工部（図示しない）が形成されており、これらの研削加工部はガイド区分３２，３３の傍らを流れる、絞りなしのガス流を可能にする。弁ニードル２６′の、流出開口６寄りの端部は、弁座３５を有する。この弁座３５によって弁ニードル２６′は、ノズル軸部７の端部に設けられた円錐状のシール面２３′と協働する。弁ニードル２６′はこの場合、閉鎖ばね２９によってシール面２３′に押圧され、図１に示した実施例における閉鎖部材と同様に、ガス室２内の相応する圧力によって開放される。すなわち、燃焼室に対するシールは、直接にガス調量弁の端部において行われるので、燃焼室の火炎面はハウジング１の最も外側の端部にしか到達し得ない。

図４ｂには、この実施例の変化形が示されている。弁部材８の戻しばね１７はこの場合、ハウジング１に設けられた段部に支持されているのではなく、閉鎖部材もしくは弁ニードル２６′に支持されている。戻しばね１７のための支持面が設けられている必要がないので、ハウジング１の設計時に、より大きな構造自由度が得られる。

図４ｃには、本発明のさらに別の実施例が示されている。図３に示した実施例の場合と同様に、この場合、弁部材８に押圧ピン３０が形成されている。この押圧ピン３０は、弁部材８の開放運動時に弁ニードル２６′に当接し、この弁ニードル２６′を閉鎖ばね２９のプリロードに抗して動かす。これによって、機能的には、図３に示した前の実施例の場合と同じ、弁部材８と弁ニードル２６′との連動が得られる。

図５には、本発明によるガス調量弁のさらに別の実施例が示されている。弾性的なシール部材１２はこの場合、弁座１１に設けられたシールリングによって実現されている。このシールリングには、弁部材８の閉鎖位置で弁シール面１０が接触する。弁部材にガスを導通させるためには、内方に向かって延びる２つまたはそれよりも多い斜め孔１９が形成されており、戻しばね１７は弁部材８に設けられた円筒状の凹部内に収容されている。遮断弁２５の閉鎖部材２６は、ハウジング１に設けられたガイド孔３８内に案内されており、この場合、ガスは閉鎖部材２６に設けられた斜め孔２７を通って導通される。シール面２３はガス室２に設けられた、環状に延びる環状バリに形成されており、この環状バリが閉鎖部材２６と協働する。

図６には、本発明によるガス調量弁のさらに別の実施例が示されている。弁部材８は、図５に示した実施例の場合と類似して形成されているが、しかし弁部材８の下流側ではカップラスリーブ４０がハウジング１の内部に長手方向移動可能に案内されている。戻しばね１７はこの場合、カップラスリーブ４０とハウジング１との間に圧縮プリロードをかけられて配置されていて、カップラスリーブ４０を弁部材８に押圧しており、かつこの弁部材８を弁座１１の方向に押圧している。カップラスリーブ４０は内部に通路４３を形成している。ガスは、弁部材８の開放状態において弁座１１から斜め孔１９′と、中央の凹部３９とを通って流入し、かつこの通路を通じて引き続き流出開口６へ導かれる。

弁部材８と、ハウジング１に設けられた肩部４１との間には、減衰室４２が形成されている。この減衰室４２は、内部に対してカップラスリーブ４０によって画定される。減衰室４２は、弁部材８とハウジング１との間の第１の環状ギャップ４４と、カップラスリーブ４０とハウジングとの間の第２の環状ギャップとを介して、ガス室２に接続されており、この場合、両環状ギャップ４４，４５は、減衰室４２からのガス流または減衰室４２内へのガス流が、絞られた状態でしか行われ得ないように寸法設定されている。減衰室４２は、弁部材運動を減衰するために用いられ、この場合、弁座１１から離れる方向での弁部材８の開放運動時にガスは減衰室４２から押しのけられて、両環状ギャップ４４，４５を介して押し出される。ガスは絞られた状態でしか流出し得ないので、減衰室４２内には過圧が形成され、この過圧は弁部材８の開放運動を減衰する。閉鎖運動時では、減衰室４２の容積が増大し、減衰室４２内の圧力は低下する。この減圧は、弁部材８の反対の側における対圧に基づき、閉鎖運動の減速をもたらすので、弁部材８は減衰されて弁座１１に載着する。このことは、弁シール面１０と弁部材８との間の摩耗の減少をもたらし、さらにノイズ発生の低減をももたらす。

減衰機能をさらに正確に調節するためには、カップラスリーブ４０と弁部材８との間に、たとえばカップラスリーブ４０の端部に設けられた１つまたは複数のノッチの形の切欠５０を設けることも考えられる。切欠５０の形状および数により、環状ギャップ４４，４５を調整する必要なしに減衰機能を正確に調節することができる。しかし、切欠５０の代わりに、または切欠５０に対して付加的に、たとえば弁部材８またはカップラスリーブ４０の外側に設けられた長手方向溝により、環状ギャップ４４，４５の改良を行うこともでき、これにより環状ギャップ４４，４５による流れ抵抗に意図的に影響を与え、ひいては減衰室４２による弁部材８に対する減衰作用に意図的に影響を与えることができる。

図７には、さらに別の実施例において、図６に示したガス調量弁のさらなる改良が示されている。カップラスリーブ４０は、弁部材８とは反対の側の端面で、ニードル形の閉鎖部材２６′に接触しているので、弁座１１からの開放方向における弁部材８の運動により、カップラスリーブ４０は流出開口６の方向に移動させられ、この流出開口６が弁ニードル２６′によって開放される。通路４３から流出開口６へのガス流は、カップラスリーブ４０に設けられた複数の開口４８によって確保される。弁ニードル２６′は、この場合にも、閉鎖ばね２９によって円錐状の弁座３５に対してプリロードをかけられており、この場合、閉鎖ばね２９は、弁ニードル２６′に結合されたばね受け３１と、ハウジング１に設けられた段部との間に、圧縮プリロードをかけられて配置されている。両ガイド区分３２，３３には、この場合にも、研削加工部（図示しない）が形成されており、これらの研削加工部は、流出開口６に対する絞りなしのガス流を確保する。

このガス調量弁は、特に燃焼室内へのガスの調量された供給のために適しているが、しかし別の目的、たとえば内燃機関の吸込み路内へのガスの調量された供給、または別の工業的な用途のためにも使用され得る。

Claims (15)

1. 内燃機関用のガス調量弁であって、
   ハウジング（１）であって、該ハウジング（１）内にガス室（２）が形成されており、該ガス室（２）は、流入開口（５）と流出開口（６）とを有する、ハウジング（１）と、
   前記ガス室（２）内に配置された可動の弁部材（８）であって、該弁部材（８）は、電気的なアクチュエータ（１６）によって戻しばね（１７）の力に抗して可動であって、前記流入開口（５）を開閉するために弁座（１１）と協働する、弁部材（８）と、
   を備えるガス調量弁において、
   前記弁部材（８）と前記流出開口（６）との間に、前記弁部材（８）と前記流出開口（６）との間の前記ガス室（２）内のガス流を遮断することのできる遮断弁（２５）が配置されていることを特徴とする、内燃機関用のガス調量弁。
2. 前記遮断弁（２５）は、閉鎖ばね（２９）によって付勢された可動の閉鎖部材（２６）を含むことを特徴とする、請求項１記載のガス調量弁。
3. 前記遮断弁（２５）は、前記流出開口（６）に向かう流れ方向（１５）では開き、逆向きの流れ方向を遮断することを特徴とする、請求項１または２記載のガス調量弁。
4. 前記閉鎖部材（２６）はディスク形に形成されていて、前記閉鎖ばね（２９）によって、前記ガス室（２）内に形成されたシール面（２３）に押圧されることを特徴とする、請求項２または３記載のガス調量弁。
5. 前記弁部材（８）に押圧ピン（３０）が形成されており、該押圧ピン（３０）は、前記弁部材（８）の開放運動時に前記閉鎖部材（２６）に当接して、前記閉鎖部材（２６）に開放力を加えることを特徴とする、請求項２、３または４記載のガス調量弁。
6. 前記戻しばね（１７）は、前記弁部材（８）と前記閉鎖部材（２６）との間に圧縮プリロードをかけられて配置されていることを特徴とする、請求項２、３または４記載のガス調量弁。
7. 前記弁部材（８）に弁シール面（１０）が形成されており、該弁シール面（１０）によって前記弁部材（８）は、前記流入開口（５）を閉鎖するために、前記ガス室（２）内に設けられた弁座（１１）と協働することを特徴とする、請求項１記載のガス調量弁。
8. 前記弁シール面（１０）または前記弁座（１１）に、弾性的なシール部材（１２）が配置されていることを特徴とする、請求項７記載のガス調量弁。
9. 前記弁座（１１）に喰込みエッジ（１３）が形成されていることを特徴とする、請求項７または８記載のガス調量弁。
10. 前記弁シール面（１０）に環状バリ（１４）が形成されており、前記弁部材（８）の閉鎖運動時にまずは前記弾性的なシール部材（１２）が前記弁座（１１）に当接し、そのあとで前記環状バリ（１４）が前記弁座（１１）に当接するように、前記環状バリ（１４）は前記弁部材（８）の閉鎖位置で前記弁座（１１）に当接することを特徴とする、請求項８または９記載のガス調量弁。
11. 前記遮断弁（２５）は、前記ガス室（２）内に長手方向可動に案内されている弁ニードル（２６′）の形の閉鎖部材を含むことを特徴とする、請求項１記載のガス調量弁。
12. 前記弁ニードル（２６′）の、前記流出開口（６）寄りの端部が、円錐状の弁座（３５）を有し、該弁座（３５）によって前記弁ニードル（２６′）がシール面（２３′）と協働することを特徴とする、請求項１１記載のガス調量弁。
13. 前記弁部材（８）に押圧ピン（３０）が形成されており、該押圧ピン（３０）は、前記弁部材（８）の開放運動によって前記弁ニードル（２６′）に当接して、前記弁ニードル（２６′）に開放力を加えることを特徴とする、請求項１２記載のガス調量弁。
14. 前記弁部材（８）と前記ハウジング（１）との間に、環状の減衰室（４２）が形成されていることを特徴とする、請求項１または１１記載のガス調量弁。
15. 前記減衰室（４２）は、前記弁部材（８）と前記ハウジング（１）との間の環状ギャップ（４４）および／またはカップラスリーブ（４０）と前記ハウジング（１）との間の環状ギャップ（４５）によって前記ガス室（２）に接続されており、前記環状ギャップ（４４；４５）は絞りギャップとして機能することを特徴とする、請求項１４記載のガス調量弁。

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