JP2023511363A - 坑pd-l1抗体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、プログラム死リガンド1(PD-L1)結合剤、本発明の結合剤を含む核酸、本発明の核酸を含むベクター及び細胞、並びにそれらの組成物に関する。本発明はまた、本発明の結合剤を製造する方法、哺乳動物における疾患、障害、又は病状を治療する方法、及び哺乳動物における免疫応答を増強又は低減もしくは抑制する方法に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、プログラム死リガンド1(PD-L1)結合剤、本発明の結合剤を含む核酸、本発明の核酸を含むベクター及び細胞、並びにそれらの組成物に関する。本発明はまた、本発明の結合剤を製造する方法、哺乳動物における疾患、障害、又は病状を治療する方法、及び哺乳動物における免疫応答を増強又は低減もしくは抑制する方法に関する。
関連出願の相互参照
本特許出願は、2020年1月21日に出願された同時係属中の米国仮特許出願第62/963,771号(参照によりその全体が本明細書に組込まれる)の利益を主張する。
電子的に提出された物件の参照による組込み
本明細書と同時に提出され、以下のとおり識別される、コンピューターで読み取り可能なヌクレオチド/アミノ酸の配列表は、参照により、その全体が本明細書に組込まれる:2020年1月21日付の「751375_ST25」という名前の110,747バイトのASCII(テキスト)ファイル1件。
プログラム死リガンド(Programmed Death-Ligand 1、PD-L1、cluster of differentiation 274、CD274、B7-homolog 1、、又はB7-H1)はB7タンパク質スーパーファミリーに属し、プログラム死タンパク質(programmed cell death protein 1、PD-1、PDCD1、cluster of differentiation 279、、又はCD279)のリガンドである。PD-L1はB7.1(CD80)とも相互作用し、このような相互作用はT細胞のプライミングを阻害すると考えられている。PD-L1/PD-1軸は、適応免疫応答の抑制に大きな役割を担っている。より具体的には、PD-L1とその受容体であるPD-1との結合により、T細胞の活性化及び増殖を抑制するシグナルが伝達されると考えられている。PD-L1に結合し、リガンドがPD-1受容体に結合するのを阻害する薬剤は、この免疫抑制を防ぐため、癌や感染症の治療等、必要なときに免疫反応を増強することができる。PD-L1/PD-1経路はまた、自己免疫の防止に寄与し、したがって、PD-L1に対する作動性薬剤又は免疫阻害性ペイロードを送達する薬剤は、自己免疫疾患の治療に役立つ可能性がある。
アテゾリズマブ(TECENTRIQTM)、デュルバルマブ(IMFINZITM)、及びアベルマブ(BAVENCIOTM)等、PD-L1を標的とするいくつかの抗体が、癌の治療のために開発されてきた。しかしながら、PD-L1に高親和性で結合し、PD-L1/PD-1シグナル伝達を効果的に阻害する薬剤や、PD-L1発現細胞に治療ペイロードを送達できる薬剤等、新規PD-L1結合剤に対するニーズは引き続き存在する。さらに、自己免疫疾患や感染症を治療するための新たなPD-L1結合剤が必要とされる。
本明細書で提供されるのは、免疫グロブリン重鎖可変領域ポリペプチド及び免疫グロブリン軽鎖可変領域ポリペプチドを含むPD-L1結合剤である。いくつかの実施形態では、PD-L1結合剤は、配列番号123-143、184-193、又は209-213のいずれか1つの免疫グロブリン重鎖可変領域、又は少なくともそのCDRと、配列番号144-164、又は194-202のいずれか1つの免疫グロブリン軽鎖可変領域又は少なくともそのCDRとを含む。他の実施形態では、PD-L1結合剤は、配列番号123-143、184-193、又は209-213のいずれか1つに対して、少なくとも90%の同一性があるアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖可変領域ポリペプチドと、配列番号144-164、又は194-202のいずれか1つに対して、少なくとも90%の同一性があるアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖可変領域ポリペプチドとを含む。さらに他の実施形態では、PD-L1結合剤、免疫グロブリン重鎖可変領域ポリペプチドは、配列番号1-14、又は167のいずれか1つを含む相補性決定領域1(HCDR1)、配列番号15-31、168-173、、又は203-206のいずれか1つを含む相補性決定領域2(HCDR2)、及び配列番号32-52、174-177、207、、又は208のいずれか1つを含む相補性決定領域3(HCDR3)を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖可変領域ポリペプチドは、配列番号53-67又は178-182のいずれか1つを含む相補性決定領域1(LCDR1)、配列番号68-79のいずれか1つを含む相補性決定領域2(LCDR2)及び配列番号80-91のいずれか1つを含む相補性決定領域3(LCDR3)を含む。また、PD-L1結合剤、又はその重鎖及び軽鎖をコードする核酸;該核酸を含むベクター及び細胞;並びに前記結合剤又は核酸を含む組成物も提供される。
また、本明細書に記載の結合剤を調製する方法であって、結合剤の重鎖及び軽鎖可変領域ポリペプチドをコードする1つ以上の核酸を細胞内で発現させることを含む、方法が提供される。
さらに、PD-L1を発現する細胞にペイロードを送達する方法であって、細胞、又は該細胞を含む哺乳動物に、ペイロードにコンジュゲートした本明細書に提供されるPD-L1結合剤を投与することを含む、方法が提供される。
さらに、哺乳動物における免疫応答を増強又は阻害する方法、並びにPD-L1阻害に反応する哺乳動物における疾患、障害、又は病状を治療する方法であって、本明細書に記載の結合剤、又はそのコンジュゲートを哺乳動物に投与することを含む、方法が提供される。
本発明の追加の態様及び実施形態は、以下の詳細な説明で提供されるとおりである。
図1は、JIMT-1細胞表面上のヒトPD-L1に対する本発明の実施形態の結合剤に対する親和性を示す実験データを示す図である。 図2は、JIMT-1細胞を用いて、ヒトPD-L1に対する本発明の実施形態の結合剤の親和性を示す実験データを示す図である。 図3は、本発明の実施形態の結合剤の細胞内への移行のレベルを示す実験データを示す図である。 図4は、JIMT-1細胞表面上のヒトPD-L1に対する本発明の実施形態の結合剤に対する親和性を示す実験データを示す図である。
発明の詳細な説明
本発明は、免疫グロブリン重鎖可変領域ポリペプチド及び免疫グロブリン軽鎖可変領域ポリペプチドを含むPD-L1結合剤を提供する。PD-L1結合剤は、PD-L1と特異的に結合する。薬剤の結合特異性により、例えば、PD-L1を発現する細胞を標的として、そのような細胞に治療用ペイロードを送達することができる。
いくつかの実施形態では、PD-L1結合剤は、抗体がPD-L1/PD-1シグナル伝達を阻害するために(例えば、治療目的のために)使用できるように、PD-L1とその受容体であるPD-1との結合を完全に又は部分的に遮断(阻害又は防止)することができる。
さらに、いくつかの実施形態において、本明細書で提供されるPD-L1結合剤は、細胞表面上のPD-L1への結合時にPD-L1又はPD-L1/PD-L1結合剤複合体の細胞内へのいかなる有意な移行をも引き起こさない。PD-L1及び結合したPD-L1結合剤の細胞内移行は、細胞表面上の持続性のアッセイ及び/又は細胞内移行型抗体の検出等、いずれかの適切な方法によって決定することができる。いくつかの実施形態では、PD-L1結合剤は有意に細胞内に移行しないので、細胞表面上でPD-L1と結合するPD-L1結合剤の少なくとも約75%又は約80%(例えば、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%)が細胞表面に止まる(例えば、表面持続性アッセイを用いて、アッセイ開始時に細胞表面のPD-L1に結合したPD-L1結合剤分子の約75%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、又は約95%以上がアッセイ終了時に結合したままである)。持続性は、細胞内への移行が起こるのに十分な長さの適切な時間にわたって試験され得る。いくつかの実施形態では、PD-L1結合剤は上記のとおり、約12時間以上、又は、約2日以上さらには3日以上のように、約24時間以上細胞表面に止まる。
いくつかの実施形態において、PD-L1結合剤は、ヒトPD-L1、例えば、配列番号 165(MRIFAVFIFMTYWHLLNAFTVTVPKDLYVVEYGSNMTIECKFPVEKQLDLAALIVYWEMEDKNIIQFVHGEEDLKVQHSSYRQRARLLKDQLSLGNAALQITDVKLQDAGVYRCMISYGGADYKRITVKNAPYNKINQRILVVDPVTSELTCQAEGYPKAEVIWTSDHQVLSKTTNSKREEFNVTSTLRINTTTNEIFYCTFRLDPEENHTAELVIPELPLAHNERTHLVILLCLGVALTFRKGRMMDVKCGIQDNKQSDTHLEET)に結合する。しかしながら、いずれかのPD-L1ホモログ又はパラログに結合する結合剤も含まれる。いくつかの実施形態では、PD-L1タンパク質は、配列番号165に対して少なくとも約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又はそれ以上の配列同一性を含む。いくつかの実施形態では、結合剤は、ヒトPD-L1及びカニクイザルPD-L1と結合し;又はヒト、カニクイザル及びマウスPD-L1と結合する。
本明細書で言及する核酸又はアミノ酸配列の「同一性」は、関心のある核酸又はアミノ酸配列を参照する核酸又はアミノ酸配列と比較することによって決定することができる。同一性の百分率は、最適にアラインメントされた目的の配列と参照配列の間で同じ(すなわち、同一である)ヌクレオチド又はアミノ酸残基の数を最長配列の長さ(すなわち、目的の配列又は参照配列のどちらか長い方の長さ)で割った値である。配列のアライメント及び同一性の百分率の算出は、入手可能なソフトウェアプログラムを用いて行うことができる。そのようなプログラムの例は、CLUSTAL-W、T-Coffee、及びALIGN(核酸及びアミノ酸配列のアライメント用)、BLASTプログラム(例えば、BLAST 2.1、BL2SEQ、BLASTp、BLASTn等)、及びFASTAプログラム(例えば、FASTA3x、FASTM、及びSSEARCH)(配列アライメント及び配列類似性検索用)を含む。配列アライメントアルゴリズムも、例えば、Altschulら、J. Molecular Biol.、215(3) 403-410 (1990)、Beigertら、Proc. Natl.Acad. Sci.USA、106(10): 3770-3775 (2009)、Durbinら、eds.、Biological Sequence Analysis: Probalistic Models of Proteins and Nucleic Acids、Cambridge University Press、Cambridge、UK (2009)、Soding、Bioinformatics、21(7): 951-960 (2005)、Altschulら、Nucleic Acids Res.、25(17): 3389-3402 (1997)、Gusfield、Algorithms on Strings、Trees and Sequences、Cambridge University Press、Cambridge UK (1997))に開示される。配列の同一性の百分率(%)は、例えば、100×[(同一位置)/min(TGA、TGB)]として計算することもでき、ここでTGA及びTGBは、TGA及びTGBを最小化するアライメントにおけるペプチド配列A及びBの残基数及び内部ギャップ位置の総和である。例えば、Russellら、J. Mol Biol.、244: 332-350 (1994)を参照せよ。
結合剤は、一緒になって抗原結合部位を形成するIg重鎖及び軽鎖可変領域ポリペプチドを含む。重鎖及び軽鎖可変領域の各々は、フレームワーク領域によって接続された3つの相補性決定領域(CDR1、CDR2、及びCDR3)を含むポリペプチドである。結合剤は、Ig重鎖及び軽鎖を含む当該技術分野で知られている様々なタイプの結合剤のいずれでもよい。例えば、結合剤は、抗体、抗原結合抗体「断片」、又はT細胞受容体であり得る。
いくつかの実施形態では、結合剤は、Ig重鎖及び軽鎖可変ドメイン並びに断片結晶化可能(Fc)ドメインを含む抗原結合ドメインを含む、全体(又は完全)抗体である。例示的な抗体構造は、2対のポリペプチド鎖を含む4量体であり、各対は1本の「軽」鎖(約25kDa等の小さい鎖)と1本の「重」鎖(約50-70kDa等の大きい鎖)を持ち、典型的にはジスルフィド結合で接続される。各鎖は、免疫グロブリンドメインと呼ばれる構造ドメインで構成される。これらのドメインは、サイズや機能によって、例えば、軽鎖及び重鎖の可変ドメイン又は領域(それぞれVL及びVH)、軽鎖及び重鎖の定常ドメイン又は領域(それぞれCL及びCH)等に分類される。各鎖のN末端には、パラトープと呼ばれる、主に抗原認識を担う可変領域、すなわち抗原結合ドメインが、通常約100-110個以上のアミノ酸(ただし、これに限定されない)で規定される。軽鎖は、カッパ又はラムダに分類される。重鎖はガンマ、ミュー、アルファ、デルタ、イプシロンに分類され、それぞれIgG、IgM、IgA、IgD、IgEという免疫グロブリンのクラスが定義される。このクラスはさらにサブクラスに分けられる。例えば、ヒトには4つのIgGサブクラス(IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4)があり、血清中の存在量の順に名付けられている(すなわち、IgG1が最も豊富である)。
いくつかの実施形態では、結合剤は、抗原結合抗体「断片」であり、これは、単独で又は一緒に抗原結合コンストラクトを構成する他の成分と共に、抗体の少なくとも抗原結合領域を含むコンストラクトである。多くの異なるタイプの抗体「断片」が当技術分野で知られており、例えば、(i)VL、VH、CL、及びCH1ドメインからなる1価の断片であるFab断片、(ii)ヒンジ領域でジスルフィド橋によって連結された2つのFab断片を含む2価の断片であるF(ab')2断片、(iii)ヒンジ領域でジスルフィド橋によって連結されたFv断片、(iv')FV断片がある。(iii)抗体の単一アームのVL及びVHドメインからなるFv断片、(iv)F(ab')2断片のジスルフィド結合を穏やかな還元条件を用いて切断した結果生じるFab'断片、(v)ジスルフィド安定化Fv断片(dsFv)、(vi)Fv断片の二つのドメインからなる一価分子である単鎖Fv(scFv)(すなわち、VL及びVH)の2つのドメインが単一のポリペプチド鎖として合成されることを可能にする合成リンカーによって結合された一価の分子である。
抗体又は抗体断片は、より大きなコンストラクト、例えば、抗体断片と追加の領域とのコンジュゲート又は融合コンストラクトの一部とすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、抗体断片は、本明細書に記載されるようにFc領域に融合させることができる。他の実施形態では、抗体断片(例えば、Fab又はscFv)は、例えば、膜貫通ドメイン(任意に、介在リンカー又は「茎」(例えば、ヒンジ領域))及び任意に細胞間シグナル伝達ドメインに融合することによって、キメラ抗原受容体又はキメラT細胞受容体の一部であり得る。例えば、抗体断片は、PD-L1と結合するT細胞受容体様のコンストラクトを提供するように、T細胞受容体のガンマ及び/又はデルタ鎖と融合させることができる。さらに別の実施形態では、抗体断片は、CD1又はCD3結合ドメイン及びリンカーを含むバイスペシフィックT細胞エンゲージャー(BiTEs)の一部である。
抗体又は抗原結合抗体断片は、PD-L1に対して単特異的の場合があり、又は二重特異的若しくは多重特異的の場合がある。例えば、二価又は多価の抗体又は抗体断片において、結合ドメインは、同じ抗原の異なるエピトープを標的とする、又は異なる抗原を標的とする異なるものとすることができる。多価の結合コンストラクトを構築する方法は、当技術分野で知られている。二重特異性抗体及び多重特異性抗体は、当技術分野で知られている。さらに、ダイアボディ、トリアボディ、又はテトラボディを提供することができ、これは、同一ポリペプチド鎖上のVH及びVL間の対合を可能にするには短すぎるペプチドリンカーによってVLに接続されたVHをそれぞれ含むポリペプチド鎖のダイマー、トリマー又はテトラマーで、それによって異なるVH -VLポリペプチド鎖上の相補的ドメイン間の対合が駆動され、2、3又は4機能抗原結合サイトを有する多量分子を生成させることができる。また、2つの異なる可変ドメインを持つ小さなscFv断片であるbis-scFv断片を生成し、2つの異なるエピトープに結合できる二重特異性bis-scFv断片を生成することができる。Fab二量体(Fab2)及びFab三量体(Fab3)は、Fab断片に基づく多特異性コンストラクトを作成するために、遺伝子工学的方法を用いて生成することができる。
PD-L1結合剤はまた、抗体コンジュゲートであり得る。この点、PD-L1結合剤は、(1)抗体、代替足場、又はその断片と、(2)タンパク質又は非タンパク質構造部分(meiety)とのコンジュゲートであり得る。例えば、PD-L1結合剤は、ペプチド、蛍光分子、化学療法剤又は他の細胞毒性ペイロード、免疫活性化剤又は免疫抑制剤とコンジュゲートすることができる。
PD-L1結合剤は、ヒト抗体、非ヒト抗体、ヒト化抗体、又はキメラ抗体、あるいは対応する抗体断片であるか、又はこれらから得ることができる。「キメラ」抗体は、典型的には、ヒト定常領域と非ヒト可変領域とを含む抗体又はその断片である。「ヒト化」抗体は、典型的にはヒト抗体足場を含むが、少なくとも1つのCDR(例えば、1、2、3、4、5、又は6つのCDR全て)に非ヒト由来のアミノ酸又は配列を有するモノクローナル抗体である。
このような抗体を生成する方法は、当技術分野で知られており、例えば、Kohler and Milstein、Eur. J. Immunol.、5: 511-519 (1976); Harlow and Lane (eds.)、Antibodies: A Laboratory Manual、CSH Press (1988); 及びJanewayら (eds.)、Immunobiology、9th Ed.、Garland Publishing、New York、NY (2017)に記載される。特定の実施形態では、ヒト又はキメラ抗体又は抗体断片は、1つ以上の内因性免疫グロブリン遺伝子が1つ以上のヒト免疫グロブリン遺伝子で置換されるトランスジェニック動物(例えば、マウス)を用いて生成することができる。内因性抗体遺伝子がヒト抗体遺伝子に効果的に置換されたトランスジェニックマウスの例は、Medarex HUMAB-MOUSETM(商標)、Kirin TC MOUSETM(商標)、及び協和キリンKM-MOUSETM(商標)(例えば、Lonberg、Nat. Biotechnol.,23(9).1117-25 (2005)、及びLonberg、Handb. Exp. Pharmacol.、181: 69-97 (2008)を参照せよ)を含むが、これらに限定されない。ヒト化抗体は、当技術分野で知られているいずれかの適切な方法を用いて生成することができる(例えば、An、Z. (ed.)、Therapeutic Monoclonal Antibodies: From Bench to Clinic、John Wiley & Sons、Inc.、Hoboken、New Jersey (2009)を参照せよ)、例えば、ヒト抗体足場への非ヒトCDRのグラフト化(例えば、Kashmiriら、Methods、36(1): 25-34 (2005);及びHouら、J. Biochem.、144(1): 115-120(2008)を参照せよ)、及びファージ提示の使用(例えば、Fellouseら、Journal of Molecular Biology、373(4): 924-940(2007)及びGlanville,ら,PNAS,106(48).20216-20221 (2009を参照せよ)).
実施形態では、PD-L1結合剤は、配列番号123-143、184-193、又は209-213のいずれか1つか、配列番号123-143、184-193、又は209-213のいずれか1つに対して、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%又は少なくとも約99%の同一性を有する配列か、又は少なくともそのCDRかの免疫グロブリン重鎖可変領域;及び/又は、配列番号144-164又は194-202のいずれか1つか、配列番号144-164又は194-202のいずれか1つに対して、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%の同一性を有する配列か、又は少なくともそのCDRかの免疫グロブリン軽鎖可変領域を含む。
さらなる例示として、PD-L1結合剤は、以下を含むことができる。
(1)配列番号123の免疫グロブリン重鎖可変領域、又は少なくともそのCDR、及び/又は、配列番号144の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又は少なくともそのCDRを含む。
(2)配列番号124の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号145の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(3)配列番号125の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号146の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(4)配列番号126の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号147の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(5)配列番号127の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号148の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(6)配列番号128の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号149の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(7)配列番号129の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号150の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(8)配列番号130の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号151の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(9)配列番号131の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号152の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(10)配列番号132の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号153の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(11)配列番号133の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号154の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(12)配列番号134の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号155の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(13)配列番号135の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号156の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(14)配列番号136の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号157の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(15)配列番号137の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号158の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(16)配列番号138の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号159の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(17)配列番号139の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号160の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(18)配列番号140の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号161の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(19)配列番号141の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号162の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。及び/又は
(20)配列番号142の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号163の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(21)配列番号143の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号164の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(22)配列番号184の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号194の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(23)配列番号185(ここで、Xはいずれかのアミノ酸であり得る)の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号194の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(24)配列番号186(ここで、Xはいずれかのアミノ酸であり得る)の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号194の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(25)配列番号187の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号194の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(26)配列番号188の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号194の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(27)配列番号189の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号194の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(28)配列番号189の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号194の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(29)配列番号190の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号194の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(30)配列番号191の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号194の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(31)配列番号192の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号194の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(32)配列番号193の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号194の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(33)配列番号130の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号194の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(34)配列番号188の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号195の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(35)配列番号188の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号196の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(36)配列番号188の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号197の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(37)配列番号188の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号198の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(38)配列番号188の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号199の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(39)配列番号188の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号200の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(40)配列番号188の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号157の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(41)配列番号188の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号201の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(42)配列番号188の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号202の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(43)配列番号188の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号202の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(44)配列番号188の免疫グロブリン重鎖可変領域、又は少なくともそのCDR、及び/又は、配列番号194の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又は少なくともそのCDR。
(45)配列番号209の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号144の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(46)配列番号210の免疫グロブリン重鎖可変領域、又は少なくともそのCDR、及び/又は、配列番号148の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又は少なくともそのCDR。
(47)配列番号211の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号153の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(48)配列番号212の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号150の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。
(49)配列番号213の免疫グロブリン重鎖可変領域、又はその少なくともCDR、及び/又は、配列番号152の免疫グロブリン軽鎖可変領域、又はその少なくともCDR。及び/又は
(50)表4の免疫グロブリン重鎖可変領域及び/又は表4の免疫グロブリン軽鎖可変領域か、少なくともそのCDR。
所与の重鎖又は軽鎖Ig配列のCDRは、様々な既知のIg番号付けスキーム(例えば、Kabat、Chothia、Martin(Enhanced Chothia)、IGMT、ABM)のいずれかに従って決定されることができる。特定の実施形態では、PD-L1結合剤は、以下のCDRのうちの1つ以上を含む。
配列番号1-14又は167のいずれか1つの配列、又は、配列番号1-14又は167のいずれか1つに対して、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%もしくは少なくとも約99%の同一性を有する配列を含むか、からなる、HCDR1;
配列番号15-31、168-173、又は203-206のいずれか1つの配列、又は、配列番号15-31、168-173、又は203-206のいずれか1つに対して、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%の同一性を有する配列を含むか、からなる、HCDR2;
配列番号32-52、174-177、207、又は208のいずれか1つの配列、又は、配列番号32-52、174-177、207、又は208のいずれか1つに対して、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%の同一性を有する配列を含むか、からなる、HCDR3;及び/又は免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは以下を含む。
配列番号53-67又は178-182のいずれか1つの配列、又は配列番号53-67又は178-182のいずれか1つに対して、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%同一の配列を含むか、からなるLCDR1;
配列番号68-79のいずれか1つの配列、又は配列番号68-79のいずれか1つに対して、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%のの性を有する配列を含むか、からなるLCDR2;及び
配列番号80-91のいずれか1つの配列、又は配列番号80-91のいずれか1つに対して、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%の同一性を有する配列を含むか、からなるLCDR3。
特定の実施形態では、結合剤は、免疫グロブリン重鎖ポリペプチド及び免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドを含み、ここで、
(1)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号1を含むか、からなるHCDR1、配列番号15を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号32を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号53を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号80を含むか、からなるLCDR3を含み;
(2)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号2を含むか、からなるHCDR1、配列番号16を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号33を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号54を含むか、からなるLCDR1、配列番号69を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号81を含むか、からなるLCDR3を含み;
(3)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号3を含むか、からなるHCDR1、配列番号17を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号34を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号53を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号80を含むか、からなるLCDR3を含み;
(4)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号4を含むか、からなるHCDR1、配列番号18を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号35を含むか、からなるHCDR3を含み;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号55を含むか、からなるLCDR1、配列番号70を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含み;
(5)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号5を含むか、からなるHCDR1、配列番号19を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号36を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号53を含むか、からなるLCDR1、配列番号71を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号80を含むか、からなるLCDR3を含む;
(6)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号6を含むか、からなるHCDR1、配列番号20を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号37からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号56を含むか、からなるLCDR1、配列番号72を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号83を含むか、からなるLCDR3を含む;
(7)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号7を含むか、からなるHCDR1、配列番号20を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号38を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号57を含むか、からなるLCDR1、配列番号73を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号84を含むか、からなるLCDR3を含む;
(8)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号5を含むか、からなるHCDR1、配列番号21を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号39を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号58を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号80を含むか、からなるLCDR3を含む;
(9)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号7を含むか、からなるHCDR1、配列番号22を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号40からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号59を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(10)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号2を含むか、からなるHCDR1、配列番号23を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号41を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号53を含むか、からなるLCDR1、配列番号74を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号85を含むか、からなるLCDR3を含む;
(11)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号2を含むか、からなるHCDR1、配列番号20を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号42を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号60を含むか、からなるLCDR1、配列番号75を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(12)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号2を含むか、からなるHCDR1、配列番号15を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号43を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号53を含むか、からなるLCDR1、配列番号76を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号80を含むか、からなるLCDR3を含む;
(13)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号8を含むか、からなるHCDR1、配列番号16を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号44を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号61を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号86を含むか、からなるLCDR3を含む;
(14)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号9を含むか、からなるHCDR1、配列番号24を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号45を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号58を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(15)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号10を含むか、からなるHCDR1、配列番号25を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号46を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号62を含むか、からなるLCDR1、配列番号77を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号87を含むか、からなるLCDR3を含む;
(16)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号11を含むか、からなるHCDR1、配列番号26を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号47を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号63を含むか、からなるLCDR1、配列番号72を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号88を含むか、からなるLCDR3を含む;
(17)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号3を含むか、からなるHCDR1、配列番号27を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号48を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号64を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号80を含むか、からなるLCDR3を含む;
(18)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号3を含むか、からなるHCDR1、配列番号28を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号49を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号53を含むか、からなるLCDR1、配列番号78を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号89を含むか、からなるLCDR3を含む;
(19)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号12を含むか、からなるHCDR1、配列番号29を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号50を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号65を含むか、からなるLCDR1、配列番号79を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号90を含むか、からなるLCDR3を含む;
(20)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号13を含むか、からなるHCDR1、配列番号30を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号51を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号66を含むか、からなるLCDR1、配列番号72を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号91を含むか、からなるLCDR3を含む;
(21)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号14を含むか、からなるHCDR1、配列番号31を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号52を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号67を含むか、からなるLCDR1、配列番号72を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(22)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号167を含むか、からなるHCDR1、配列番号168を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号174を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号63を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(23)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号13を含むか、からなるHCDR1、配列番号169を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号175(ERFLGGXMDV、ここで、Xはいずれかのアミノ酸であり得る)を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号63を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(24)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号167を含むか、からなるHCDR1、配列番号170を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号176(EAVAGPXMDV、ここで、Xはいずれかのアミノ酸であり得る)からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号63を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(25)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号167を含むか、からなるHCDR1、配列番号169を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号177を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号63を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(26)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号5を含むか、からなるHCDR1、配列番号171を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号39を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号63を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(27)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号167を含むか、からなるHCDR1、配列番号168を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号174を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号63を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(28)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号167を含むか、からなるHCDR1、配列番号168を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号174を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号63を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(29)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号167を含むか、からなるHCDR1、配列番号172を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号174を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号63を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(30)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号167を含むか、からなるHCDR1、配列番号173を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号174を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号63を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(31)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号167を含むか、からなるHCDR1、配列番号172を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号174を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号63を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(32)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号167を含むか、からなるHCDR1、配列番号170を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号174を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号63を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(33)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号5を含むか、からなるHCDR1、配列番号21を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号39を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号63を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(34)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号5を含むか、からなるHCDR1、配列番号171を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号39を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号178を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(35)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号5を含むか、からなるHCDR1、配列番号171を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号39を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号179を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(36)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号5を含むか、からなるHCDR1、配列番号171を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号39を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号180を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(37)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号5を含むか、からなるHCDR1、配列番号171を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号39を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号181を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(38)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号5を含むか、からなるHCDR1、配列番号171を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号39を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号182を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(39)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号5を含むか、からなるHCDR1、配列番号171を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号39を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号53を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(40)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号5を含むか、からなるHCDR1、配列番号171を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号39を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号58を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(41)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号5を含むか、からなるHCDR1、配列番号171を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号39を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号63を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(42)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号5を含むか、からなるHCDR1、配列番号171を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号39を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号63を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号80を含むか、からなるLCDR3を含む;
(43)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号5を含むか、からなるHCDR1、配列番号171を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号39を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号63を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号80を含むか、からなるLCDR3を含む;
(44)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号5を含むか、からなるHCDR1、配列番号171を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号39を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号63を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(45)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号3を含むか、からなるHCDR1、配列番号203を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号34を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号53を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号80を含むか、からなるLCDR3を含む;
(46)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号5を含むか、からなるHCDR1、配列番号204を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号36を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号53を含むか、からなるLCDR1、配列番号71を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号80を含むか、からなるLCDR3を含む;
(47)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号2を含むか、からなるHCDR1、配列番号205を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号41を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号53を含むか、からなるLCDR1、配列番号74を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号85を含むか、からなるLCDR3を含む;
(48)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号3を含むか、からなるHCDR1、配列番号169を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号207を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号57を含むか、からなるLCDR1、配列番号73を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号84を含むか、からなるLCDR3を含む;
(49)免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号7を含むか、からなるHCDR1、配列番号206を含むか、からなるHCDR2、並びに、配列番号208を含むか、からなるHCDR3を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号59を含むか、からなるLCDR1、配列番号68を含むか、からなるLCDR2、並びに、配列番号82を含むか、からなるLCDR3を含む;
(50)免疫グロブリン重鎖ポリペプチド及び軽鎖ポリペプチドは、表1に記載のCDRのいずれかの組合せを含む。
特定の実施形態では、結合剤は、免疫グロブリン重鎖ポリペプチド及び免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドを含み、免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、第1フレームワーク領域、第2フレームワーク領域、第3フレームワーク領域、及び/又は第4フレームワーク領域を含む;及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、第1フレームワーク領域、第2フレームワーク領域、第3フレームワーク領域、及び/又は第4フレームワーク領域を含む;及び/又は、免疫グロブリン重鎖ポリペプチド及び軽鎖ポリペプチドは、表2及び/又は3に記載のフレームワーク領域のいずれかの組み合わせを含む。
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前述のように、結合剤は、本明細書で提供される特定の重鎖又は軽鎖可変領域配列に対して少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%)の同一性を有するIg重鎖及び/又は軽鎖可変領域を含むことができる。同様に、Ig重鎖及び/又は軽鎖可変領域のCDRは、本明細書に提供される特定のCDR配列に対して少なくとも約90%(例えば、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%)の同一性を有することができる。したがって、結合剤がPD-L1と特異的に結合する能力を維持することを条件として、任意で、結合剤が特定の配列を有する結合剤の親和性を維持する、及び/又はPD-L1への結合について特定の配列を有する結合剤と競合することを条件として、Ig重鎖及び軽鎖可変領域又はCDR配列は、本明細書で提供される特定の配列と比較して、少なくとも1(例えば、1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、又は10以上等、配列の長さに基づき適宜)のアミノ酸修飾(例えば、置換、付加、又は欠失)を含むことができる。
提供される配列のアミノ酸は、いずれかの他のアミノ酸で置換することができる。アミノ酸は、天然に存在するαアミノ酸及びその立体異性体、並びに、天然に存在しないアミノ酸及びその立体異性体を含む。所定のアミノ酸の「立体異性体」とは、分子式及び分子内結合は同じであるが、結合及び原子の三次元配置が異なる異性体(例えば、L-アミノ酸及びこれに対応するD-アミノ酸)を指す。アミノ酸はグリコシル化(例えば、N-結合型糖鎖、O-結合型糖鎖、ホスホグリカン、C-結合型糖鎖、又はグリピエーション)又は脱グリコシル化できる。
天然に存在するアミノ酸は、遺伝暗号によってコードされるアミノ酸と同様に、後に修飾されるアミノ酸、例えばヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタミン酸、O-ホスホセリン等である。天然に存在するα-アミノ酸は、アラニン(Ala)、システイン(Cys)、アスパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu)、フェニルアラニン(Phe)、グリシン(Gly)、ヒスチジン(His)、イソロイシン(Ile)、アルギニン(Arg)、リジン(Lys)、ロイシン(Leu)、メチオニン(Met)、アスパラギン(Asn)、プロリン(Pro)、グルタミン(Gln)、セリン(Ser)、スレオニン(Thr)、バリン(Val)、トリプトファン(Trp)、チロシン(Tyr)、及びこれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。天然に存在するα-アミノ酸の立体異性体は、D-アラニン(D-Ala)、D-システイン(D-Cys)、D-アスパラギン酸(D-Asp)、D-グルタミン酸(D-Glu)、D-フェニルアラニン(D-Phe)、D-ヒスチジン(D-His)、D-イソロイシン(D-Ile)、D-アルギニン(D-Arg).D-リジン(D-Lys)、D-ロイシン(D-Leu)、D-メチオニン(D-Met)、D-アスパラギン(D-Asn)、D-プロリン(D-Pro)、D-グルタミン(D-Pln)、D-セリン(D-Ser)、D-スレオニン(D-Thr)、D-バリン(D-Val)、D-トリプトファン(D-Trp)、D-チロシン(D-Tyr)及びそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。
天然に存在しないアミノ酸は、アミノ酸アナログ、アミノ酸模倣物、合成アミノ酸、N-置換グリシン、及び天然に存在するアミノ酸と同様の方法で機能するL-又はD-配位のいずれかのN-メチルアミノ酸を含むが、それらに限定されない。例えば、「アミノ酸類似体」は、天然に存在するアミノ酸と同じ基本化学構造(すなわち、水素に結合している炭素、カルボキシル基、アミノ基)を有するが、修飾側鎖基又は修飾ペプチド骨格を有する非天然アミノ酸、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド及びメチオニンスルホニウムであってもよい。「アミノ酸模倣物」とは、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在するアミノ酸と類似の方法で機能する化合物を指す。
アミノ酸は、本明細書において、一般に知られている3文字記号又はIUPAC-IUB生化学命名法委員会が推奨する1文字記号のいずれかによって参照されることがある。
アミノ酸置換は、元のアミノ酸残基の基本特性に関して保存的、半保存的、又は非保存的の場合がある。「保存的」置換とは、あるアミノ酸が、共通の特性を有する別のアミノ酸で置換されることをいう。個々のアミノ酸間の共通特性を定義する機能的な方法は、相同の生物の対応するタンパク質間のアミノ酸変化の正規化頻度を分析することである(Schulz and Schirmer、Principles of Protein Structure、Springer-Verlag、New York(1979))。このような分析によれば、グループ内のアミノ酸は優先的に互いと置換し、したがって、タンパク質構造全体への影響において最も互いに類似しているアミノ酸のグループを定義することができる(Schulz and Schirmer、上掲書)。
アミノ酸は、「芳香族」又は「脂肪族」として広くグループ化される。芳香族アミノ酸は、芳香環を含む。「芳香族」アミノ酸の例は、ヒスチジン(H又はHis)、フェニルアラニン(F又はPhe)、チロシン(Y又はTyr)、及びトリプトファン(W又はTrp)等を含む。非芳香族アミノ酸は、"脂肪族"として広くグループ化される。「脂肪族」アミノ酸の例は、グリシン(G又はGly)、アラニン(A又はAla)、バリン(V又はVal)、ロイシン(L又はLeu)、イソロイシン(I又はIle)、メチオニン(M又はMet)、セリン(S又はSer)、スレオニン(T又はThr)、システイン(C又はCys)、プロリン(P又はPro)、グルタミン酸(E又はGlu)、アスパラギン酸(D又はAsp)、アスパラギン(N又はAsn)、グルタミン(Q又はGln)、リジン(K又はLys)及びアルギニン(R又はArg)を含む。
脂肪族アミノ酸は、4つのサブグループに細分化することができる。「大脂肪族非極性サブグループ」は、バリン、ロイシン、及びイソロイシンからなる。「脂肪族微極性サブグループ」は、メチオニン、セリン、スレオニン、システインからなる。「脂肪族極性/電荷サブグループ」は、グルタミン酸、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、リジン、アルギニンかからなる。「小残基サブグループ」は、グリシン、アラニンからなる。荷電/極性アミノ酸のグループは、リジン及びアルギニンからなる「陽荷電サブグループ」、グルタミン酸及びアスパラギン酸からなる「陰荷電サブグループ」、アスパラギン及びグルタミンからなる「極性サブグループ」に細分化することが可能である。
芳香族アミノ酸は、ヒスチジンとトリプトファンからなる「窒素環亜群」と、フェニルアラニンとチロシンからなる「フェニル亜群」に細分化することができる。
保存的アミノ酸置換の例は、上記のサブグループ内のアミノ酸の置換、例えば、正電荷が維持され得るようなリジンに対するアルギニン及びその逆、負電荷が維持され得るようなグルタミン酸に対するアスパラギン酸及びその逆、遊離-OHが維持され得るようなセリンに対するトレオニン、並びに遊離-NH2が維持され得るようなグルタミンに対するアスパラギンの置換を含む。
「半保存的変異」は、上記の同じグループ内のアミノ酸の置換を含むが、同じサブグループ内のアミノ酸の置換を含まない。例えば、アスパラギン酸のアスパラギンへの置換、又はアスパラギンのリジンへの置換は、同じグループ内ではあるが、異なるサブグループの間でのアミノ酸が関与する。「非保存的変異」は、例えば、トリプトファンの代わりにリジン、又はセリンの代わりにフェニルアラニン等の異なるグループ間のアミノ酸置換が関与する。
さらに、前述の免疫グロブリン重鎖又は軽鎖可変領域ポリペプチドに単数又は複数のアミノ酸を挿入することができる。いずれかの数のいずれかの適切なアミノ酸を、免疫グロブリン重鎖又は軽鎖可変領域ポリペプチドのアミノ酸配列に挿入することができる。この点で、少なくとも1のアミノ酸(例えば、2以上、5以上、又は10以上のアミノ酸)であって、20以下のアミノ酸(例えば、18以下、15以下、又は12以下のアミノ酸)を、免疫グロブリン重鎖又は軽鎖可変領域ポリペプチドのアミノ酸配列に挿入することが可能である。好ましくは、1-10のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10のアミノ酸)が、免疫グロブリン重鎖又は軽鎖可変領域ポリペプチドのアミノ酸配列に挿入される。この点で、単数又は複数のアミノ酸が、いずれかの適切な位置で前述の免疫グロブリン重鎖又は軽鎖可変領域ポリペプチドのいずれか1つに挿入されうる。いくつかの実施形態では、単数又は複数のアミノ酸は、免疫グロブリン重鎖又は軽鎖可変領域ポリペプチドのCDR(例えば、CDR1、CDR2、又はCDR3)に挿入され;他の実施形態では、単数又は複数のアミノ酸は、フレームワーク領域に挿入される。
さらに、本明細書で具体的に提供される免疫グロブリン重鎖及び軽鎖可変領域を有するPD-L1結合剤(例えば、抗体又は抗体断片)と競合するPD-L1結合剤(例えば、本明細書に提供される結合剤1--21の1つ)が提供される。
PD-L1結合剤の「生物学的活性」とは、例えば、PD-L1又は特定のPD-L1エピトープに対する結合親和性、PD-1へのPD-L1タンパク質結合の中和又は阻害、in vivoでのPD-L1タンパク質活性の中和又は阻害(例えば、IC50)、薬物動態、及び交差反応性(例えば、PD-L1タンパク質の非ヒトホモログもしくはオルソログ、又は他のタンパク質もしくは組織との交差反応性)を指す。当技術分野で認識される抗原結合剤の他の生物学的特性又は特徴は、例えば、アビディティー、選択性、溶解性、フォールディング、免疫毒性、発現、及び製剤を含む。前述の特性又は特徴は、ELISA、競合ELISA、表面プラズモン共鳴分析(BIACORETM(商標))、又はKINEXATM(商標)、in vitro又はin vivo中和アッセイ、受容体-リガンド結合アッセイ、サイトカイン又は成長因子生産及び/又は分泌アッセイ、並びにシグナル伝達及び免疫組織化学アッセイを含むが、これらに限定されない、標準技術を用いて観察、測定、及び/又は評価することが可能である。
PD-L1結合剤の活性に関して本明細書で使用する「阻害する」又は「中和する」という用語は、例えばPD-L1タンパク質の生物活性、又はPD-L1タンパク質に関連する疾患若しくは病状の進行又は重症度を実質的に拮抗、禁止、予防、抑制、減速、破壊、変更、除去、停止、又は逆転する能力を指す。本発明の単離されたPD-L1結合剤は、好ましくはPD-L1タンパク質の活性を少なくとも約5%、約10%、約15%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約100%、又は前述の値のいずれかの2つによって定義される範囲で阻害又は中和する。
一部の実施形態では、PD-L1結合剤(例えば、抗体又は抗体断片)は、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)を示す。ADCCは、免疫系のエフェクター細胞が、膜表面抗原が特異的抗体によって結合された標的細胞を溶解する、細胞媒介性免疫防御の機構である。ADCCは、標的も溶解する免疫補体系とは独立しているが、他のいかなる細胞も必要とせず、適応免疫応答の一部である。
一部の実施形態では、PD-L1結合剤(例えば、抗体又は抗体断片)は、抗体依存性細胞媒介性貪食(ADCP)を示す。ADCPは、単球及びマクロファージ等の貪食能を有するエフェクター細胞が標的細胞を内部化することができる細胞プロセスである。貪食された標的細胞はファゴソーム内に存在し、ライソソームと融合して酸素依存的あるいは独立したメカニズムで標的細胞の分解が開始される。この機能は、オプソニン化、すなわち結合剤による標的細胞の同定に依存しており、結合剤は標的細胞と貪食細胞の間の橋渡しの役割も果たす。結合剤は、その抗原認識ドメインを通じて標的細胞上のコグネイト抗原と結合し、そのFc領域で貪食細胞を標的に引きつけるという仕組みである。貪食細胞のFcレセプターに結合した標的細胞は、摂取され分解される。このプロセスはまた、免疫応答の開始及び駆動を助けるエフェクター細胞による可溶性因子の産生をもたらす。
いくつかの実施形態では、PD-L1結合剤(例えば、抗体又は抗体断片)は、補体依存性細胞傷害性(CDC)を示す。CDCは、IgG抗体及びIgM抗体のエフェクター機能である。結合剤が表面抗原に結合すると、古典的な補体経路がトリガーされ、膜攻撃複合体(MAC)の形成及び標的細胞の溶解をもたらす。
いくつかの実施形態では、Fc領域を含む結合剤は、Fc領域における1つ以上の修飾(例えば、アミノ酸の挿入、欠失、及び/又は置換)を含み、それによって調節された結合(例えば、変異を欠くネイティブFc領域を有する結合剤又は抗体と比較して、単数又は複数のFc受容体(例えば、FcγRI(CD64)、FcγRIA(CD32A)、FcγRIIB(CD32B)、FcγRIIIA(CD16a)、及び/又はFcγRIIIB(CD16b))に対する結合の増大又は減少)をもたらす、Fc領域内の単数又は複数の改変を含む。いくつかの実施形態では、結合剤は、Fc領域のFcγRIIBへの結合を減少させるFc領域における1つ以上の修飾(例えば、アミノ酸挿入、欠失、及び/又は置換)を含む。いくつかの実施形態では、結合剤は、変異を欠くネイティブFc領域を有する結合剤又は抗体と比較して、FcγRIIBへの結合を減少させる一方で、FcγRI(CD64)、FcγRIA(CD32A)、及び/又はFcRγIIIA(CD16a)への結合が同じであるか増加したことを有する単数又は複数の修飾(例えば、アミノ酸挿入、欠損、及び/又は置換)を抗体のFc領域内に含む。いくつかの実施形態では、結合剤は、Fc領域のFcγRIIBへの結合を増加させる1つ以上の修飾をFc領域内に含む。いくつかの実施形態では、修飾は、抗体エフェクター機能を実質的に減少させるか、又は除去する。
Fc領域の変異は、CH2ドメイン、CH3ドメイン、又はそれらの組み合わせであり得る。「ネイティブFc領域」は、「野生型Fc領域」と同義であり、自然界に見出されるFc領域のアミノ酸配列と同一であるアミノ酸配列か、ネイティブ抗体中に見出されるFc領域のアミノ酸配列と同一であるアミノ酸配列かを含む。ネイティブ配列ヒトFc領域には、ネイティブ配列ヒトIgG1 Fc領域、ネイティブ配列ヒトIgG2 Fc領域、ネイティブ配列ヒトIgG3 Fc領域、及びネイティブ配列ヒトIgG4 Fc領域、並びにそれらの自然発生バリアントを含む。ネイティブ配列Fcは、Fcsの様々なアロタイプを含む(例えば、Jefferisら、mAbs、1(4).332-338 (2009))。
いくつかの実施形態では、1つ以上のFc受容体への変調された結合をもたらすFc領域の変異は、以下の変異の1つ以上:SD(S239D)、SDIE(S239D/I332E)、SE(S267E)、SELF(S267E/L328F)、SDIE(S239D/i332E)、SDIEAL(S239D/I332E/A330L)、GA(G236A)、ARIE(A330L/I332E)、GASDALIE(G236A/S239D/A330L/I332E)、V9(G237D/P238D/P271G/A330R)、及びV11(G237D/P238D/H268D/P271G/A330R)、及び/又は以下のアミノ酸における単数又は複数の変異:E345R、E233、G237、P238、H268、P271、L328及びA330を含むことができる。Fc受容体結合を調節するための追加のFc領域改変は、例えば、米国特許出願公開2016/0145350号及び米国特許第7,416,726号及び第5,624,821号に記載されており、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、結合剤のFc領域は、ネイティブの非修飾Fc領域と比較して、Fc領域のグリコシル化パターンが変化するように修飾される。
ヒト免疫グロブリンは、各重鎖のCγ2ドメイン中のAsn297残基でグリコシル化される。このN-結合型オリゴ糖は、Nアセチルグルコサミン4マンノース3(GlcNAc4Man3)というコア7糖を含む。エンドグリコシダーゼやPNGase Fによる7糖の除去は、Fc領域の構造変化を引き起こし、活性化FcγRとの結合親和性を著しく低下させ、エフェクター機能の低下につながることが知られている。コア7糖は、しばしばガラクトース、バイセクティングGlcNAc、フコース、シアル酸等で装飾され、活性化型及び抑制型FcγRに対するFc結合に異なる影響を与える。さらに、α2,6-シアリル化はin vivoでの抗炎症活性を高め、脱フコース化はFcγRIIIa結合の改善、抗体依存性細胞傷害性と抗体依存性貪食能の10倍増大をもたらすことが証明される。したがって、特定のグリコシル化パターンは、炎症エフェクター機能を制御するために使用することができる。
いくつかの実施形態では、グリコシル化パターンを変更するための修飾は、突然変異である。例えば、Asn297における置換である。いくつかの実施形態では、Asn297はグルタミンに変異される(N297Q)。FcγR制御シグナル伝達を調節する抗体を用いて免疫応答を制御する方法は、例えば、米国特許第7,416,726号及び米国特許出願公開公報2007/0014795号及び2008/0286819号に記載されており、これらは参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
いくつかの実施形態では、結合剤は、天然に生じないグリコシル化パターンを有する工学的Fab領域を含むように改変される。例えば、ハイブリドーマは、FcRγIIIa結合及びエフェクター機能の増大が可能な特定の変異を有する、アフコシル化mAb、デシアリル化mAb又は脱グリコシル化Fcを分泌するように遺伝子工学的に設計することができる。いくつかの実施形態では、結合剤は、アフコシル化されるように操作される。
いくつかの実施形態では、Fc領域全体が異なるFc領域と交換され、Fab領域が非ネイティブFc領域とコンジュゲートされる。例えば、通常はIgG1 Fc領域からなるアテゾリズマブのFab領域は、IgG2、IgG3、IgG4、又はIgAにコンジュゲートさせることができ、又は通常はIgG4 Fc領域からなるニボルマブのFab領域は、IgG1、IgG2、IgG3、IgA1、若しくはIgG2にコンジュゲートさせることができる。いくつかの実施形態では、非ネイティブFcドメインを有するFc修飾結合剤は、IgG4 Fc内のS228P変異等の、記載されたFcドメインの安定性を調節する1つ以上の追加のアミノ酸修飾を含むこともある。いくつかの実施形態では、非ネイティブFcドメインを有するFc修飾結合剤は、FcRへのFc結合を調節する、本明細書に記載の単数又は複数のアミノ酸修飾も含む。
いくつかの実施形態では、Fc領域のFcRへの結合を調節する修飾は、非修飾Fabと比較した場合、Fab領域のその抗原への結合を変化させることはない。他の実施形態では、FcRへのFc領域の結合を修飾する修飾は、非修飾Fabと比較した場合、その抗原に対するFab領域の結合も増加させる。
いくつかの実施形態では、Fc領域は、TGFβ1を結合することができるトランスフォーミング成長因子β1(TGFβ1)受容体、又はその断片を付着又は包含することによって修飾される。例えば、受容体は、TGFβ受容体II(TGFβRII)であり得る(その全体が本明細書に組み込まれる米国特許第9,676,863号を参照せよ)。いくつかの実施形態では、TGFβ受容体は、ヒトTGFβ受容体である。いくつかの実施形態では、Fc領域(例えば、IgG)は、TGFβ受容体(例えば、TGFβRII)の細胞外ドメイン(ECD;例えば、米国特許第9,676,863号の配列番号9のアミノ酸24-159)とのC末端融合を有する。IgGをTGFβR細胞外ドメインに付着させるために「Fcリンカー」、例えば、G4S4G Fcリンカーを使用してもよい。Fcリンカーは、標的に対する結合特異性を維持しながら分子の適切な三次元折りたたみを可能にする、短い柔軟なペプチドであってよい。いくつかの実施形態では、TGFβ受容体のN末端は、Fc領域(Fcリンカーあり又はなし)に融合する。いくつかの実施形態では、免疫グロブリン重鎖のC末端は、TGFβ受容体に融合される(Fcリンカーを有するか又は有さない)。いくつかの実施形態では、抗体重鎖のC末端リジン残基は、アラニンに突然変異される。いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号166を含む。
PD-L1結合剤は、PD-L1タンパク質又はそのエピトープに対していずれかの好適な親和性を有することができる。「親和性」という用語は、2つの薬剤の可逆的結合に関する平衡定数を意味し、解離定数(KD)として表される。エピトープに対する抗体の親和性のような、リガンドに対する結合剤の親和性は、例えば、約1ピコモル(pM)-約100マイクロモル(uM)(例えば、約1ピコモル(pM)-約1ナノモル(nM)、約1nM-約1マイクロモル(uM)、又は約1uM-約100uM)であってもよい。一実施形態では、PD-L1結合剤は、1ナノモル以下のKDでPD-L1タンパク質に結合することができる(例えば、0.9nM、0.8nM、0.7nM、0.6nM、0.5nM、0.4nM、0.3nM、0.2nM、0.1nM、0.05nM、0.025nM、0.01nM、0.001nM又は前述の値のうちいずれかの2つにより定義される範囲)であるPD-L1タンパク質と結合しうる。別の実施形態では、PD-L1結合剤は、200pM以下のKD(例えば、190pM、175pM、150pM、125pM、110pM、100pM、90pM、80pM、75pM、60pM、50pM、40pM、30pM、25pM、20pM、15pM、10pM、5pM、1pM、又は前述の値のいずれか2つにより定義される範囲)でPD-L1に結合しうる。目的の抗原又はエピトープに対する免疫グロブリン親和性は、いずれかの当技術分野で認識されるアッセイを用いて測定することができる。そのような方法は、例えば、蛍光活性化セルソーティング(FACS)、分離可能なビーズ(例えば、磁気ビーズ)、表面プラズモン共鳴(SPR)、溶液相競合(KINEXATM(商標))、抗原パンニング、及び/又はELISA(Janewayら(編)、Immunobiology、9th Ed.、Garland Publishing、New York、NY (2017)を参照せよ)を含む。
核酸
本発明はまた、PD-L1結合剤の免疫グロブリン重鎖ポリペプチド及び/又は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドをコードする核酸を提供する。
用語「核酸配列」は、DNA又はRNAのポリマー、すなわち、一本鎖又は二本鎖であり得るポリヌクレオチドを包含することを意図しており、天然に存在しない又は変化したヌクレオチドを含むことが可能である。本明細書で使用する「核酸」及び「ポリヌクレオチド」という用語は、いずれかの長さのヌクレオチドの重合体、リボヌクレオチド(RNA)又はデオキシリボヌクレオチド(DNA)のいずれかを意味する。これらの用語は、分子の一次構造に言及し、したがって、二本鎖及び一本鎖DNA、並びに二本鎖及び一本鎖RNAを含む。この用語は、均等物として、ヌクレオチドアナログから作られたRNA又はDNAのいずれかのアナログ、及びメチル化及び/又はキャップされたポリヌクレオチドのような修飾ポリヌクレオチドを含むが、これらに限定されない。核酸は、典型的にはリン酸結合を介して連結されて核酸配列又はポリヌクレオチドを形成するが、多くの他の連結が当技術分野で知られている(例えば、ホスホロチオエート、ボランホスフェート等)。
核酸は、ベクターの一部の場合がある。したがって、PD-L1結合剤の免疫グロブリン重鎖ポリペプチド、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチド、又はその両方をコードする単数又は複数の核酸配列を含むベクターもまた提供される。いずれかのタイプのベクターを使用することができ、特に、細胞内でポリペプチドを発現させるために有用な発現ベクターを使用することができる。ベクターは、例えば、プラスミド、エピソーム、コスミド、ウイルスベクター(例えば、レトロウイルス又はアデノウイルス)、又はファージであり得る。適切なベクター及びベクター調製方法は当技術分野でよく知られている(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning、a Laboratory Manual、3rd edition、Cold Spring Harbor Press、Cold Spring Harbor、N.Y. (2001) 及びAusubelら、 Current Protocols in Molecular Biology、Greene Publishing Associates and John Wiley & Sons、New York、N.Y. (1994)を参照せよ)。
ベクターは、好ましくは、宿主細胞におけるコード配列の発現を提供する、プロモーター、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル、転写ターミネーター、内部リボソーム侵入部位(IRES)等の発現制御配列を含む。例示的な発現制御配列は、当技術分野で知られており、例えば、Goeddel、Gene Expression Technology: Methods in Enzymology、Vol.185、Academic Press、San Diego、Calif.(1990)に記載される。
様々な異なる供給源からの構成的、誘導的、及び抑制的プロモーターを含む多数のプロモーターが当技術分野でよく知られている。プロモーターの代表的な供給源は、例えば、ウイルス、哺乳類、昆虫、植物、酵母、及び細菌を含み、これらの供給源からの適切なプロモーターは、例えば、American Type Culture Collection(ATCC)のような寄託機関と、他の市販又は個人の供給源とから公に入手できる配列に基づいて、容易に入手できるか、合成的に作ることが可能である。プロモーターは、単方向性(すなわち、一方向に転写を開始する)又は双方向性(すなわち、3'又は5'方向のいずれかに転写を開始する)の場合がある。プロモーターの例は、例えば、T7細菌発現システム、pBAD(araA)細菌発現システム、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、SV40プロモーター、RSVプロモーターを含むが、これらに限定されない。誘導性プロモーターは、例えば、Tet系(米国特許第5,464,758号、第5,814,618号)、Ecdysone inducible system(No et al,Proc.Natl.Acad. Sci.、93: 3346-3351 (1996))、T-REXTM(商標)システム(Invitrogen、Carlsbad、CA)、LACSWITCH TM(商標)システム(Stratagene、San Diego、CA)、Cre-ERTタモキシフェン誘導性リコンビナーゼシステム(Indra et al、Nuc. Acid. Res.、27: 4324-4327 (1999); Nuc. Acid. Res.、28: e99 (2000); 米国特許7,112,715; 及びKramer & Fussenegger、Methods Mol. Biol.、308: 123-144 (2005))を含む。
本明細書で使用する用語「エンハンサー」は、例えば、それが作動可能に連結される核酸配列の転写を増加させるDNA配列を指す。エンハンサーは、核酸配列のコード領域から何キロベースも離れたところに位置することができ、調節因子の結合、DNAメチル化のパターン、又はDNA構造の変化を媒介することができる。様々な異なる供給源からの多数のエンハンサーが、当該技術分野において周知であり、クローン化されたポリヌクレオチドとして又はその中で(例えば、ATCCのような寄託機関、並びに他の商業又は個人の供給源から)利用可能である。プロモーター(一般に使用されるCMVプロモーター等)を含む多数のポリヌクレオチドは、エンハンサー配列も含む。エンハンサーは、コーディング配列の上流、内部、又は下流に位置することができる。
ベクターはまた、「選択可能なマーカー遺伝子」を含むことができる。本明細書で使用する場合、用語「選択可能マーカー遺伝子」は、核酸配列を発現する細胞が、対応する選択剤の存在下で、特異的に選択されるか又は反対されることを可能にする核酸配列を意味する。適切な選択マーカー遺伝子は当技術分野で知られており、例えば、国際特許出願公開WO 1992/008796及びWO 1994/028143;Wiglerら、Proc. Natl.Acad. Sci. USA、77: 3567-3570 (1980); O'Hare et al.、Proc. Natl.Acad. Sci. USA、78: 1527-1531 (1981); Mulligan & Berg、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、78: 2072-2076 (1981); Colberre-Garapin et al.、J. Mol. Biol.、150: 1-14 (1981); Santerreら、Gene、30: 147-156 (1984); Kentら、Science、237: 901-903 (1987); Wiglerら、Cell、11: 223-232 (1977); Szybalska & Szybalski、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、48: 2026-2034 (1962); Lowy et al.、Cell、22: 817-823 (1980); 及び米国特許5,122,464及び5,770,359を参照されたい。
いくつかの実施形態では、ベクターは「エピソーム発現ベクター」又は「エピソーム」であり、宿主細胞内で複製することができ、適切な選択圧の存在下で宿主細胞内のDNAの染色体外セグメントとして持続する(例えば、Coneseら、Gene Therapy、11:1735-1742(2004)を参照せよ)。代表的な市販のエピソーム発現ベクターは、Epstein Barr Nuclear Antigen 1(EBNA1)及びEpstein Barr Virus(EBV)複製開始点(oriP)を利用するエピソームプラスミドを含むが、これらに限定されない。Invitrogen(Carlsbad、CA)からのベクターpREP4、pCEP4、pREP7、及びpcDNA3.1並びにStratagene(La Jolla、CA)からのpBK-CMVは、EBNA1及びoripの代わりにT-抗原及びSV40複製起点を用いるエピソーマルベクターの非制限例を表す。
他の好適なベクターには、宿主細胞のDNAにランダムにインテグレーションしてもよいし、発現ベクターと宿主細胞の染色体との間の特定の組換えを可能にするための組換え部位を含んでもよい、インテグレーション型発現ベクターが含まれる。このようなインテグレーション型発現ベクターは、宿主細胞の染色体の内因性発現制御配列を利用して、所望のタンパク質の発現を効果的に行うことができる。部位特異的な方法でインテグレーションするベクターの例は、例えば、Invitrogen(Carlsbad、CA)からのflp-inシステムの成分(例えば、pcDNATM(商標)5/FRT)、又はStratagene(La Jolla、CA)からのpExchange-6コアベクターに見られ得る等のクレロックスシステム(cre-lox system)等を含む。宿主細胞の染色体にランダムにインテグレーションするベクターの例は、例えば、Invitrogen(Carlsbad、CA)からのpcDNA3.1(T-抗原の非存在下で導入した場合)、Millipore(Billerica、MA)からのUCOE、Promega(Madison、WI)からのpCI又はpFN10A(ACT)FLEXITM(商標)を含む。
また、ウイルスベクターも使用することができる。代表的な市販のウイルス発現ベクターは、Crucell、Inc. (Leiden、The Netherlands) から入手可能なアデノウイルスに基づくPer.C6システム、Invitrogen (Carlsbad、CA) からのレンチウイルスに基づくpLP1、Stratagene (La Jolla、CA) からのレトロウイルスベクターpFB-RV plus pCFB-EGSH 等を含むが、これらに限定されない。
細胞
重鎖及び軽鎖免疫グロブリン配列をコードする核酸配列は、同じベクター上で(すなわち、シスで)細胞に提供することができる。)一方向性プロモーターは、各核酸配列の発現を制御するために使用することができる。別の実施形態では、双方向性プロモーターと一方向性プロモーターとの組み合わせを使用して、複数の核酸配列の発現を制御することができる。本発明アミノ酸配列をコードする核酸配列は、代替的に、別々のベクター上で(すなわち、トランスで)細胞の集団に提供することができる。別々のベクターの各々の核酸配列は、同じ又は異なる発現制御配列からなることができる。別個のベクターは、同時に又は順次細胞に提供することができる。
本発明アミノ酸配列をコードする単数又は複数の核酸を含む単数又は複数のベクターは、いずれかの適切な原核細胞又は真核細胞を含む、それによってコードされるポリペプチドを発現することができる宿主細胞中に導入することができる。このように、本発明は、免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドを発現する、本発明ベクターを含むインビトロ(単離)細胞又は細胞株を提供する。好ましい宿主細胞は、容易かつ確実に増殖させることができ、適度に速い増殖速度を有し、十分に特徴付けられた発現系を有し、容易かつ効率的に形質転換又はトランスフェクトすることができる。
好適な原核細胞の例は、バチルス属(バチルス・サブチルス及びバチルス・ブレビス等)、エシェリキア属(大腸菌等)、シュードモナス属、ストレプトミセス属、サルモネラ属及びエルヴィニア属の細胞を含むが、これらに限定されない。特に有用な原核細胞は、大腸菌の様々な株(例えば、K12、HB101(ATCC番号33694)、DH5α、DH10、MC1061(ATCC番号53338)、及びCC102)を含む。
好ましくは、ベクターは真核生物細胞に導入される。好適な真核生物細胞は当技術分野で知られており、例えば、酵母細胞、昆虫細胞、及び哺乳類細胞が含まれる。好適な酵母細胞の例は、クルイベロマイセス属、ピキア属、リノスポリジウム属、サッカロマイセス属、及びシゾサッカロマイセス属由来を含む。好ましい酵母細胞は、例えば、サッカロマイセス・セリビサエ及びピチア・パストリスを含む。
好適な昆虫細胞は、例えば、Kittsら、Biotechniques、14:810-817(1993);Lucklow、Curr. Opin. Biotechnol.、4: 564-572 (1993); 及びLucklowら、J. Virol.、67: 4566-4579 (1993)に記載される。好ましい昆虫細胞には、Sf-9及びHI5(Invitrogen、Carlsbad、CA)が含まれる。
好ましくは、哺乳動物細胞が本発明において利用される。多数の適切な哺乳類宿主細胞は当技術分野で知られており、多くはATCCから入手可能である。好適な哺乳類細胞の例は、CHO-K1細胞(ATCC番号CCL61)等のチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)細胞、CHODHFR-細胞(Urlaubら、Proc. Natl.Acad. Sci. USA、97: 4216-4220 (1980))、ヒト胚性腎臓(HEK)293又は293T細胞(ATCC番号CRL1573)、JIMT-1、及び3T3細胞(ATCC番号CCL92)を含むが、これらに限定されない。他の適切な哺乳類細胞株は、サルCOS-1(ATCC番号CRL1650)及びCOS-7細胞株(ATCC番号CRL1651)、並びにCV-1細胞株(ATCC番号CCL70)である。さらなる例示的な哺乳類宿主細胞は、形質転換細胞株を含む霊長類細胞株及び齧歯類細胞株を含む。正常な二倍体細胞、初代培養組織のin vitro培養から得られた細胞株、及び初代培養外植物もまた、好適である。他の好適な哺乳類細胞株は、マウス神経芽腫N2A細胞、HeLa、マウスL-929細胞、及びBHK又はHaKハムスター細胞株を含むが、これらに限定されず、これらはすべてATCCから入手可能である。適切な哺乳類宿主細胞を選択する方法、及び細胞の形質転換、培養、増幅、スクリーニング、及び精製のための方法は、当技術分野において既知である。
哺乳類細胞は、ヒト細胞であり得る。例えば、哺乳動物細胞は、プレBリンパ球由来の細胞株等の、ヒトリンパ球又はリンパ球由来の細胞株であり得る。ヒトリンパ系細胞株の例は、RAMOS(CRL-1596)、Daudi(CCL-213)、EB-3(CCL-85)、DT40(CRL-2111)、18-81(Jackら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、85: 1581-1585 (1988))、Raji細胞(CCL-86)、及びそれらの誘導体を含むが、これらに限定されない。
本発明アミノ酸配列をコードする核酸配列は、「トランスフェクション」、「形質転換」、「形質導入」により細胞内に導入することができる。「トランスフェクション」、「形質転換」、又は「形質導入」は、本明細書で使用する場合、物理的又は化学的方法を用いて1つ以上の外来性ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入することを意味する。多くのトランスフェクション技術が当技術分野で知られており、例えば、リン酸カルシウムDNA共沈法(例えば、Murray E.J. (ed.)、Methods in Molecular Biology、Vol.7、Gene Transfer and Expression Protocols、Humana Press (1991)を参照せよ);DEAE-デキストリン法;エレクトロポレーション法;カチオン性リポソーム利用トランスフェクション法;パーティクル・ガン法(tungsten particle-facilitated microparticle bombardment、Johnston、Nature、346: 776-777 (1990));及びリン酸ストロンチウムDNA共沈法(Brashら、Mol. Cell Biol.、7: 2031-2034 (1987))を含む。ファージ又はウイルスベクターは、市販される多くの適切なパッケージング細胞で感染性粒子を増殖させた後、宿主細胞内に導入することができる。
組成物
本発明は、PD-L1結合剤又はそれをコードする単数又は複数の核酸を含み、任意にベクター中に含む、組成物を提供する。好ましくは、組成物は、薬学的に許容される(例えば、生理学的に許容される)担体、好ましくは薬学的に許容される(例えば、生理学的に許容される)担体とPD-L1結合剤又はそれをコードする単数又は複数の核酸とからなる、薬学的に許容される組成物である。いずれかの適切な担体を本発明の文脈内で使用することができ、そのような担体は当技術分野でよく知られている。担体の選択は、部分的には、組成物が投与され得る特定の部位及び組成物を投与するために使用される特定の方法によって決定されるであろう。任意で、組成物は無菌であり得る。組成物は、保存のために凍結又は凍結乾燥され、使用前に適切な無菌担体中で再構成することができる。組成物は、例えば、Remingtonに記載される従来の技術に従って生成することができる。The Science and Practice of Pharmacy、21st Edition、Lippincott Williams & Wilkins、Philadelphia、PA (2001)に記載される従来技術に従って作成することができる。
組成物は、静脈内投与又は体腔もしくは臓器の内腔への投与等の非経口投与用に製剤化することができる。あるいは、組成物は、腫瘍内に注入することができる。注射用の組成物は、一般に、薬学的に許容される担体中に溶解又は懸濁された活性成分を含むであろう。採用できる許容可能なビヒクル及び溶媒の中には、水及び塩化ナトリウムのような1つ以上の塩の等張溶液、例えば、リンゲル液が含まれる。さらに、無菌不揮発性油は、溶媒又は懸濁媒体として従来から採用することができる。この目的のために、合成モノグリセリド又はジグリセリドを含むいずれかの無刺激不揮発性油が採用され得る。さらに、オレイン酸のような脂肪酸も、同様に注射剤の調製に使用することができる。これらの組成物は、望ましくは、無菌であり、一般に望ましくない物質を含まない。これらの組成物は、従来のよく知られた滅菌技術によって滅菌することができる。組成物は、pH調整剤及び緩衝剤、例えば酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム等の毒性調整剤のようなほぼ生理学的条件に必要な薬学的に許容される補助物質を含むことができる。
組成物は、PD-L1結合剤又はそれをコードする単数又は複数の核酸を含み、任意に該核酸をベクター中に含み、いくつかの実施形態では、治療反応を引き出すのに有効な濃度のいずれかの適切な濃度で含むことができる。濃度は広く変化し得、選択された特定の投与様式及び患者の必要性に応じて、主に液量、粘度、体重等に基づいて選択されるであろう。特定の実施形態では、注射用溶液製剤中の本発明の免疫グロブリン重鎖ポリペプチド、本発明の免疫グロブリン軽鎖ポリペプチド、本発明PD-L1結合剤、前述のいずれかをコードする本発明の核酸配列、又は本発明の核酸配列を含む本発明ベクターの濃度は約0.1%(w/w)-約10%(w/w)の範囲となるであろう。
方法
本明細書で提供されるPD-L1結合剤は、いずれかの適切な目的のために使用することができる。例えば、PD-L1結合剤は、PD-L1発現細胞を標的とし、そのような細胞にペイロードを送達するために使用され得る。ペイロードは、細胞に送達されることが望まれるいずれかの薬剤(例えば、治療剤、診断/画像化剤等)であり得る。従って、本開示の一態様は、PD-L1を発現する細胞にペイロードを送達する方法を提供し、この方法は、細胞、又は細胞を含む哺乳類に、ペイロードにコンジュゲートされた本明細書に提供するPD-L1結合剤を投与することを含む。
本明細書に提供されるのは、本明細書に記載されるPD-L1結合剤単独、又は免疫反応を高めるのに適した適切な薬剤若しくは他の薬剤とのコンジュゲート、又はそれを含む組成物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物の免疫反応を高める(例えば、増加させる)方法である。免疫応答は、抗原に対する免疫応答を増強することが望ましいいずれかの用途で使用するための、いずれかのタイプの抗原に対する免疫応答であり得る。いくつかの実施形態では、抗原は、感染性物質又は病原体(例えば、ウイルス又は細菌)又は癌抗原(例えば、細胞内の内因性癌抗原及びペプチドワクチン、又はネオアンチゲン)の場合がある。
別の実施形態では、本明細書に記載のPD-L1結合剤単独、又は免疫反応を低減するのに適した適切な薬剤若しくは他の薬剤にコンジュゲートしたもの、又はそれを含む組成物を哺乳動物に投与することを含む哺乳動物の免疫反応を低減(例えば、阻害)する方法が提供される。免疫応答は、例えば、自己免疫応答であり得る。
この点に関して、本発明はまた、本明細書に記載のPD-L1結合剤、又はそれを含む組成物を哺乳動物に投与することによって、哺乳動物におけるPD-L1阻害に反応する疾患、病状、又は障害を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、疾患又は障害は、PD-L1タンパク質の不適切な発現(例えば、過剰発現)又は活性の増加によって特徴付けられ、それが疾患の病的効果を引き起こすか又は寄与し、PD-L1タンパク質レベル又は活性の減少が哺乳動物、好ましくはヒトにおいて治療効果を有するような、疾患又は障害である。
本明細書で使用される場合、用語「治療する」、「処置」及び「治療する」は、傷害、病理、病状(例えば、癌、感染、又は自己免疫障害)、又は症状(例えば.認知障害)の治療又は改善の成功を指し、軽減、寛解、症状の軽減又は症状、傷害、病理又は病状を患者にとってより耐えられるものにすること、症状の進行速度の減少、症状又は病状の頻度又は期間の減少、又は状況によっては症状の発症の防止等、あらゆる客観的又は主観的パラメータを含む。症状の治療又は改善は、例えば、身体検査の結果を含む、いずれかの客観的又は主観的なパラメータに基づくことができる。
「癌」、「新生物」、及び「腫瘍」という用語は、本明細書では、細胞が、細胞増殖に対する制御の著しい喪失によって特徴付けられる異常な増殖表現型を示すように、自律的で制御されない増殖を示す細胞を指すために使用される。本発明の文脈において検出、分析、及び/又は治療に関心のある細胞は、癌細胞(例えば、癌を有する個体からの癌細胞)、悪性癌細胞、前転移性癌細胞、転移性癌細胞、及び非転移性癌細胞を含む。ほとんどあらゆる組織の癌が知られている。従って癌負荷とは、被験者の癌細胞量や癌体積を意味する。癌の負担を軽減することは、被験者の癌細胞の数又は癌細胞の体積を減少させることを意味する。本明細書で使用される用語「癌細胞」は、癌細胞(例えば、個体が治療され得る癌のいずれかから、例えば、癌を有する個体から単離された)である、又は癌細胞に由来する、例えば、癌細胞のクローンであるいずれかの細胞を意味する。例えば、癌細胞は、確立された癌細胞株由来の場合があり、癌を有する個体から単離された初代細胞の場合があり、癌を有する個体から単離された初代細胞からの子孫細胞等の場合がある。いくつかの実施形態では、この用語はまた、癌細胞の細胞内部分、細胞膜部分、又は癌細胞の細胞溶解物等の癌細胞の一部を指すことができる。多くの種類の癌が当業者に知られており、癌腫、肉腫、膠芽腫、メラノーマ、リンパ腫、及び骨髄腫等の固形腫瘍、並びに白血病等の循環癌が含まれる。
本明細書で使用される場合、用語「癌」は、固形腫瘍癌(例えば、皮膚、肺、前立腺、乳房、胃、膀胱、結腸、卵巣、膵臓、腎臓、肝臓、グリオブラストーマ、髄芽腫、平滑筋肉腫、頭&首扁平上皮癌、メラノーマ及び神経内分泌)及び液体癌(例えば、血液癌);癌腫;軟部組織腫瘍;肉腫;奇形腫;メラノーマ;白血病;リンパ腫;及び脳腫瘍を含むが、これらに限定されない、いずれかの形態の癌を含み、微小残存病変を含み、原発性及び転移性腫瘍の両方を含む。
いずれかのPD-L1発現又は過剰発現の癌は、主題の方法及び組成物によって治療されるべき好適な癌である。本明細書で使用される「PD-L1発現」は、細胞表面上にPD-L1受容体を有する細胞を指す。本明細書で使用される「PD-L1過剰発現」は、同じタイプの対応する非癌細胞と比較して、より多くのPD-L1受容体を有する細胞を指す。
癌腫は、上皮組織で発生する悪性腫瘍である。上皮細胞は、身体の外表面を覆い、内部空洞を裏打ちし、腺組織の裏打ちを形成する。癌腫の例は、腺癌(乳癌、膵臓癌、肺癌、前立腺癌、胃癌、胃食道接合部癌、結腸癌等の腺(分泌)細胞由来の癌)、副腎皮質癌、肝細胞癌、腎細胞癌、卵巣癌、非浸潤癌、乳管癌、乳房癌、基底細胞癌、扁平上皮癌(例えば、頭頸部扁平上皮癌);移行細胞癌;結腸癌;上咽頭癌;多結節嚢胞性腎細胞癌;燕麦細胞癌;大細胞肺癌;小細胞肺癌;非小細胞肺癌等を含むが、これらに限定されない。癌は、前立腺、膵臓、結腸、脳(通常は二次転移として)、肺、乳房、皮膚に見つかることがある。
軟部組織腫瘍は、結合組織に由来する非常に多様な希少腫瘍のグループである。軟部組織腫瘍の例は、歯槽軟部肉腫;血管腫様線維性組織球腫;軟骨様線維腫;骨格性軟骨肉腫;骨格外粘液性軟骨肉腫。透明細胞肉腫;脱腫瘍性小丸細胞腫;皮膚線維肉腫;子宮内膜間質腫瘍;ユーイング肉腫;線維腫症(デスモイド);乳児線維肉腫;消化管間質腫瘍。骨巨細胞腫;腱膜巨細胞腫;炎症性筋線維芽細胞腫;子宮平滑筋腫;平滑筋肉腫;脂肪芽腫;定型脂肪腫;紡錘細胞性又は多形性脂肪腫。非定型脂肪腫;軟骨様脂肪腫;高分化型脂肪肉腫;粘液様/丸細胞脂肪肉腫;多形性脂肪肉腫;粘液様悪性線維性組織球腫;高悪性度悪性線維性組織球腫。筋線維肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、中皮腫、神経芽腫、骨軟骨腫、骨肉腫、原始神経外胚葉性腫瘍、肺胞性横紋筋肉腫、胚性横紋筋肉腫。良性又は悪性神経鞘腫;滑膜肉腫;エヴァン腫瘍;結節性筋膜炎;デスモイド型線維腫症;孤立性線維性腫瘍;皮膚線維肉腫(DFSP);血管肉腫。上皮性血管内皮腫;腱膜巨細胞腫(TGCT);色素性絨毛滑膜炎(PVNS);線維異形成;粘液肉腫;線維肉腫;滑膜肉腫 悪性末梢神経鞘腫瘍;神経線維腫;軟部組織の多形性腺腫;及び線維芽細胞、筋線維芽細胞、組織球、血管細胞/内皮細胞及び神経鞘細胞から派生する新形成を含むが、これらに限定されない。
肉腫は、間葉系由来の細胞、例えば、骨又は軟骨、脂肪、筋肉、血管、線維組織、もしくは他の結合組織又は支持組織を含む身体の軟部組織において発生する、まれなタイプの癌である。肉腫の異なるタイプは、癌が形成される場所に基づいている。例えば、骨肉腫は骨に、脂肪肉腫は脂肪に、横紋筋肉腫は筋肉に形成される。肉腫の例は、アスキン腫瘍;ボツリヌス肉腫;軟骨肉腫;ユーイング肉腫;悪性血管内皮腫;悪性鞘腫;骨肉腫;及び軟部肉腫(例えば、肺胞軟部肉腫;血管肉腫;フィロデス皮膚線維肉腫(DFSP);デスモイド腫瘍;脱落性小丸細胞腫瘍;上皮肉腫;骨外軟骨肉腫;骨外骨肉腫;線維肉腫;消化管間質腫瘍(GIST)等がある。血管周皮腫;血管肉腫(より一般的には「血管肉腫」と呼ばれる);カポジ肉腫;平滑筋肉腫;脂肪肉腫;リンパ肉腫;悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST);神経線維肉腫;滑膜肉腫;及び未分化多形肉腫)を含むが、これらに限定されない。
奇形腫は、例えば毛髪、筋肉、及び骨を含む、いくつかの異なるタイプの組織(例えば、3つの胚葉層:内胚葉、中胚葉、及び外胚葉のいずれか及び/又はすべてに由来する組織を含むことができる)を含みうる胚細胞腫瘍の一種である。奇形腫は、女性の卵巣、男性の睾丸、及び小児の尾骨に最も多く発生する。
メラノーマは、メラノサイト(色素メラニンを作る細胞)起源の癌の一形態である。メラノーマは、ホクロ(皮膚メラノーマ)で始まることもあるが、眼や腸等他の色素組織で始まることもある。
メルケル細胞癌は、通常、肉色又は青赤色の小結節として現れるまれなタイプの皮膚癌である。顔面、頭部、頸部によく発生する。メルケル細胞癌は、皮膚の神経内分泌癌とも呼ばれる。いくつかの実施形態では、投与が起こると、メルケル細胞癌は転移する。
白血病は、骨髄等の造血組織で始まり、異常な血液細胞が大量に産生され、血流に入る癌である。例えば、白血病は、通常は血流中で成熟する骨髄由来の細胞から発生することがある。白血病は、病気の発症と進行の速さ(例:急性対慢性)や、罹患する白血球の種類(例:骨髄性対リンパ性)によって名前が付けられている。骨髄性白血病は、骨髄性白血病又は骨髄芽球性白血病とも呼ばれる。リンパ性白血病は、リンパ芽球性白血病又はリンパ球性白血病とも呼ばれる。リンパ性白血病の細胞は、リンパ節に集まることがあり、リンパ節が腫れることがある。白血病の例は、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、及び慢性リンパ性白血病(CLL)を含むが、これらに限定されない。
リンパ腫は、免疫系の細胞から始まる癌である。例えば、リンパ腫は、通常リンパ系で成熟する骨髄由来の細胞から発生することがある。リンパ腫には、2つの基本的なカテゴリーがある。1つはホジキンリンパ腫(HL)で、リード・スタンバーグ細胞と呼ばれる種類の細胞が存在することが特徴である。現在、6種類のHLが認められている。ホジキンリンパ腫の例は、結節性硬化型古典的ホジキンリンパ腫(CHL)、混合細胞性CHL、リンパ球枯渇型CHL、リンパ球豊富型CHL、結節性リンパ球優位型HLを含む。
リンパ腫の他のカテゴリーは、非ホジキンリンパ腫(NHL)であり、これは免疫系細胞の癌の大規模で多様なグループを含む。非ホジキンリンパ腫は、さらに、低悪性度(ゆっくり成長する)経過をとる癌と、高悪性度(速く成長する)経過をとる癌とに分けることができる。現在、非ホジキンリンパ腫は61種類に分類される。非ホジキンリンパ腫の例は、エイズ関連リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、血管免疫芽球性リンパ腫、芽球性NK細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、バーキット様リンパ腫(小型非切れ込み細胞リンパ腫)、慢性リンパ性白血病/小型リンパ球性リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、びまん性大B細胞リンパ腫、腸疾患型T細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、肝脾ガンマデルタT細胞リンパ腫、T細胞白血病、リンパ芽球性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、鼻T細胞リンパ腫、小児リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫、原発中枢神経系リンパ腫、トランスフォーム型リンパ腫、治療関連T細胞リンパ腫及びワルデンシュトレームマクログロブリン血症を含むが、これらに限定されない。
脳腫瘍は、脳組織のあらゆる癌を含む。脳腫瘍の例は、グリオーマ(例えば、膠芽腫、星細胞腫、乏突起膠腫、上衣腫等)、髄膜腫、下垂体腺腫、及び前庭神経鞘腫、原始神経外胚葉腫瘍(髄芽腫)等を含むが、これらに限定されない。
癌の「病理」は、患者のウェルビーイングを損なう全ての現象を含む。これには、異常又は制御不能な細胞増殖、転移、隣接する細胞の正常な機能の妨害、異常なレベルでのサイトカイン又は他の分泌物の放出、炎症又は免疫反応の抑制又は悪化、新生物、前癌状態、悪性、及びリンパ節等の周辺又は遠隔組織又は器官の浸潤を含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるように、文言「癌の再発(recurrence)」及び「腫瘍の再発」、及びこれらの文法的変形は、癌の診断後に新生物細胞又は癌性細胞がさらに成長することを指す。特に、再発は、癌組織において更なる癌細胞の増殖が起こる場合に起こり得る。「腫瘍の伝播(Tumor spread)」は、同様に、腫瘍の細胞が局所的又は遠隔の組織や器官に広がるときに起こるので、腫瘍の伝播には腫瘍の転移が含まれる。「腫瘍浸潤(Tumor invasion)」は、腫瘍の成長が局所的に広がって、正常な器官機能の圧迫、破壊、又は防止によって、関与する組織の機能を損なうときに生じる。
本明細書で使用する場合、用語「転移」は、元の癌性腫瘍の器官に直接接続されていない器官又は身体部分における癌性腫瘍の成長を意味する。転移は、微小転移を含むことが理解され、これは、元の癌性腫瘍の器官に直接接続されていない器官又は身体部分における検出不可能な量の癌細胞の存在である。転移はまた、元の腫瘍部位からの癌細胞の離脱、及び身体の他の部分への癌細胞の移動及び/又は浸潤等のプロセスのいくつかの段階として定義できる。
本明細書で使用する場合、「自己免疫疾患」という語句は、自己の組織もしくは器官に対して身体によって生じる反応によって引き起こされる疾患もしくは障害、又はこれらの障害の共起もしくは発現、又はそれらに関連する病状を意味する。自己免疫疾患又は障害の例は、関節炎(急性関節リウマチ、慢性関節リウマチ、痛風関節炎、急性痛風関節炎、慢性炎症性関節炎、変性関節炎、感染性関節炎、ライム関節炎、増殖性関節炎、乾癬性関節炎等の関節リウマチ)、椎骨関節炎、若年性関節リウマチ、変形性関節症、進行性慢性関節炎、変形性関節症、原発性慢性関節炎、反応性関節炎、強直性脊椎炎)、炎症性過増殖性皮膚疾患、尋常性乾癬、小斑点型乾癬、膿疱性乾癬、爪乾癬等の乾癬;接触性皮膚炎、慢性接触性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、疱疹状皮膚炎、アトピー性皮膚炎を含む皮膚炎;X連鎖性高IgM症候群と共役した、慢性アレルギー性蕁麻疹、慢性特発性蕁麻疹等の蕁麻疹、慢性自己免疫性蕁麻疹、多発性筋炎・皮膚筋炎、若年性皮膚筋炎、中毒性表皮壊死症、強皮症(全身性強皮症含む)、全身性硬化症等の硬化症、MS等の多発性硬化症(MS)は、脊髄や視覚器官の破壊を伴う、一次進行性MS(APP)ないし及び(to and)再発寛解性MS(RRMS)、進行性全身性硬化症、アテローム性硬化症、動脈硬化、多発性硬化、運動失調性硬化;炎症性腸疾患(IBD)(例えば、クローン病、自己免疫性胃腸障害、潰瘍性大腸炎、顕微鏡的大腸炎、膠原病性大腸炎、ポリープ状大腸炎、ネクロジルユース性腸炎、経腸炎等の大腸炎、及び自己免疫炎症性腸疾患);壊疽性膿皮症、結節性紅斑、原発性硬化性胆管炎、上強膜炎)、成人呼吸困難症候群(ARDS)又は急性呼吸困難症候群を含む呼吸困難症候群、髄膜炎、ぶどう膜管の全部又は一部の炎症、虹彩炎、脈絡膜炎。自己免疫性血液疾患、リウマチ性脊椎炎、突発性難聴、アナフィラキシーやアレルギー性鼻炎、アトピー性鼻炎等のIgEを介する疾患、ラスムッセン脳炎及び病変肢及び/又は脳幹部脳炎等の脳炎、前部ぶどう膜炎、急性前部ぶどう膜炎等のぶどう膜炎、顆粒球性ぶどう膜炎、肉芽腫性ぶどう膜炎、negranulomatoznyぶどう膜炎、fakoantigennyぶどう膜炎、後部ぶどう膜炎、又は自己免疫性ぶどう膜炎、ネフローゼ症候群を伴う又は伴わない、慢性又は急性の糸球体腎炎(GN)、例えば、原発性GN、免疫媒介性GN、膜性GN(膜性腎症)、glumerulonefritタイプI及びタイプII、及び急速に進行するGNを含む、特発性膜性GN又は特発性膜性腎症、膜性増殖性又は膜性増殖性ativnost GN(MPGN)、アレルギー病状、アレルギー反応、アレルギー性又はアトピー性湿疹を含む湿疹;気管支喘息及び自己免疫性喘息等の喘息;T細胞の浸潤や慢性炎症反応による疾患;慢性炎症性肺疾患、自己免疫性心筋炎、白血球の接着が不十分な場合;皮膚SLE又は亜急性皮膚SLE等の全身性エリテマトーデス(SLE)(Systemic lupus erythematodes)、ループス新生児症候群(HRV)、播種性エリテマトーデス、(腎炎、脳炎、小児ループス、非腎ループス、腎外ループス、円板状ループス、脱毛症を含む)ループス;小児インスリン依存性糖尿病(IDDM)を含む若年性糖尿病(I型)、成人糖尿病(II型糖尿病)、自己免疫性糖尿病、特発性糖尿病、サイトカイン及びTリンパ球を介した急性過敏症及び遅延型過敏症の免疫反応;結核、サルコイドーシス、リンパ腫様肉芽腫症、ウェゲナー肉芽腫症、無顆粒球症を含む肉芽腫症;血管炎を含む血管炎、(リウマチ性多発筋痛、巨細胞性動脈炎(高安)を含む)大血管炎、(カバザキ(Kavazaki)病、結節性多発動脈炎を含む)二次性血管炎、毛細血管多発性動脈炎 CNS nekroziruyuschy血管炎、皮膚血管炎又は血管炎関連過敏症nekroziruyuschy全身性血管炎及び血管炎又は Cherga-Strauss 症候群 (SCHSH)等のANCA関連血管炎、側頭動脈炎、再生不良性貧血。auto mmunnaya再生不良性貧血、a陽性貧血、クームス病、貧血、ダイヤモンド-ブレークファナ病、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)を含む溶血性貧血又は免疫性溶血性貧血、悪性貧血(悪性貧血)、アジソン病、純赤血球貧血又は無形成(PRCA)、第VIII因子欠損症、血友病A、自己免疫性好中球減少症、汎血球減少症、白血球減少症、白血球の脱離をきたす疾患、中枢神経系炎症性疾患、二次症候群等の多臓器損傷症候群、敗血症、外傷又は出血を伴う解離した尻(ass of dissociated);「抗原-抗体」複合体形成により介在される疾患糸球体基底膜疾患(diseases mediated by complex formation "antigen-antibody" disease glomerular basement membranes)、抗体-抗原の触媒反応、抗リン脂質症候群、アレルギー性神経突起疾患/ベーチェット症候群、キャッスルマン症候群、グッドパスチャー症候群、レイノー症候群、シェーグレン症候群、スティーブンス-ジョンソン症候群、水疱性天疱瘡及び皮膚天疱瘡等の天疱瘡、(尋常性天疱瘡、葉状天疱瘡、天疱瘡、粘膜天疱瘡、紅斑性天疱瘡を含む)天疱瘡、utoimmunnaya poliendokrinopatiya病又はReiter症候群。免疫複合体関連腎炎、抗体媒介性腎炎、視神経脊髄炎、多発性神経炎、IgM多発性神経炎又はIgM媒介性神経炎等の慢性神経障害、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)等の自己免疫性又は免疫媒介性血小板減少症(クロメルマチック又は急性ITPを含む、(例えば、心筋梗塞患者で発症する)血小板減少症;自己免疫性睾丸炎及び卵巣炎を含む自己免疫疾患精巣及び卵巣、原発性甲状腺機能低下症、ジポパラチロイド(gipoparatireoidit)、自己免疫性甲状腺炎、橋本病、慢性甲状腺炎(橋本病)、又は亜急性甲状腺炎等の甲状腺炎、自己免疫性甲状腺疾患を含む内分泌疾患、特発性甲状腺機能低下症、グレーブ病、自己免疫性ポリグランデュラ症候群(又はポリグランデュラ内分泌障害症候群)等のポリグランデュラ症候群、筋無力症候群、ランバート・イートン症候群又はイートンランバート症候群等の神経系腫瘍随伴症候群を含む「スティッフマン(stiff-man)」、アレルギー性脳脊髄炎(又はアレルギー性脳脊髄炎)及び実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)等の脳脊髄炎、胸腺腫に伴う重症筋無力症等の重症筋無力症、小脳変性症、ネブロミオトニヤ、オプソクローヌス又は症候群(LNG)及び感覚神経症状、多巣性運動ニューロパチー、We系(the system We)、シーハン症候群、自己免疫性肝炎、慢性肝炎、ルポイド肝炎、巨細胞性肝炎、慢性活動性肝炎又は自己免疫性慢性活動性肝炎、リンパ系間質性肺炎、閉塞性気管支炎(NSIPとは異なり非伝達性);ギラン・バレー症候群、ベルガー病(IgA腎症)、特発性IgA腎症、線状IgA皮膚症、原発性胆汁性肝硬変、pnevmonotsirroz、自己免疫腸症症候群、腸疾患又はセリアック病、腸スプルー(グルテン腸症)、スプルー治療不能(not amenable sprue treatment)、特発性スプルー、クリオグロブリン血症、アミロフィシェスキー側索硬化症(ALS;ルー・ゲーリック病)、冠状動脈性心臓病;自己免疫性内耳炎(AZVU)等の自己免疫性耳疾患;自己免疫性難聴;「Dancing eye」症候群(LNG)、不応性又は再発性多発性軟骨炎等の多発性軟骨炎;肺胞タンパク症、アミロイド症、硬化炎、非癌性リンパ球増加症、単クローンB細胞リンパ球症等の原発リンパ球増殖(例えば、良性モノクローナル・免疫グロブリン異常症及び原因不明のモノクローナル免疫グロブリン異常症、MGUS);末梢神経障害、傍腫瘍性症候群;てんかん、片頭痛、不整脈、筋障害、難聴、失明、周期性麻痺及び「チャネロパチー」CNS、自閉症、炎症性ミオパシー、巣状・分節性糸球体硬化症(OSGS)等の「チャネロパチー」類、内分泌眼症、ぶどう膜炎、脈絡網膜炎、自己免疫性肝疾患、線維筋痛症、多発性内分泌不全、シュミット症候群、副腎(adrenalit)、胃萎縮、初老期認知症、自己免疫性脱髄疾患、糖尿病性ネフローゼ、ドレスラー症候群、円形脱毛症、CREST症候群(石灰沈着症、レイノー現象、食道運動障害、強直症、毛細血管拡張症)等の脱髄性疾患、自己免疫性不妊症(男女)、混合結合組織病、シャーガス病、リウマチ熱、反復流産、肺疾患農家症(lung disease farmers)、多形紅斑、心筋梗塞症候群、クッシング症候群。肺疾患、愛鳥家病、アレルギー性肉芽腫性血管炎、良性リンパ球性血管炎、アルポート症候群、アレルギー性肺胞炎や線維化肺胞炎等の肺胞炎、間質性肺疾患、輸血性疾患。ハンセン病、マラリア、リーシュマニア症、キパノソモズ(kipanosomoz)、住血吸虫症、アスカリオズ(askarioz)、アスペルギルス症、センプテラ症候群、キャプラン症候群、デング熱、心内膜炎、心筋内膜線維症、びまん性間質性肺線維症。間質性肺線維症、特発性肺線維症、嚢胞性線維症、眼内炎、耐性上昇型紅斑、胎児性赤芽球症、好酸球性筋膜炎、シュルマン症候群、フェルティ症候群、flyarioz、軟骨onicheskyサイクルgeterohronicheskyサイクルやサイクルiridotsyklit Fuchs等の毛様体炎、ヘノッホ-ションライン紫斑病、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による感染症エコーウイルスによって引き起こされる感染症;心筋症、アルツハイマー病、パルボウイルスによる感染症;風疹ウイルスによる感染症;ワクチン接種後に発症する症候群;風疹ウイルスによる遺伝性感染症;エプスタインバーウイルスによる感染症;おたふくかぜ、エバンス症候群、自己免疫性性性腺機能不全、シデナム振戦、溶連菌感染後腎炎、閉塞性血栓血管炎、甲状腺中毒症、癆、脈絡膜炎、巨大細胞性多発筋痛、内分泌眼症、慢性過敏症に伴う肺炎、特発性角結膜炎、流行性角結膜炎、特発性腎炎症候群、腎組織の微小変化を特徴とする腎症、虚血及びラップrfuzionnye病変による良性遺伝性。網膜の自己免疫疾患、関節の炎症、気管支炎、慢性閉塞性気道疾患、珪肺症、アフタ、アフタ性口内炎、動脈硬化性疾患、aspermiogenez、自己免疫性溶血、Beck病。クリオグロブリン血症、デュプイトレン拘縮、fakoanafilakticheskaya眼内炎、アレルギー性腸炎、結節性らい腫性紅斑、特発性顔面神経麻痺、慢性疲労症候群、リウマチ熱、ハマーン・リッチ症候群、感音性難聴、発作性ヘモグロビン尿症、性腺機能低下症、局所性回腸炎、白血球減少症、伝染性単核球症、横紋筋炎、原発性特発性ミクシデマ(miksidema)、ネフローゼ、交感神経性眼症、肉芽腫性睾丸炎、膵臓炎、急性多発性硬化症、壊疽性膿皮症、ケルバン甲状腺炎 後天性脊髄萎縮症、抗精子による不妊症、非悪性胸腺腫、白斑、重症複合免疫不全(SCID)及びEpsteinとBarraウイルスによる疾患等;後天性免疫不全症候群(AIDS)、リーシュマニア症等の寄生虫疾患、毒性ショック症候群、食中毒、T細胞の浸潤、白血球の接着不足、サイトカインとTリンパ球を介した急性過敏症及び遅延型過敏症に伴う免疫応答による症状、白血球脱離に関連する疾患、多臓器損傷症候群、抗原抗体複合体の形成が介在する疾患 糸球体基底膜、アレルギー性神経炎、自己免疫性poliendokrinopatiya、眼窩炎、原発性粘液水腫、自己免疫性萎縮性胃炎、交感神経性眼症、リウマチ性疾患、混合結合組織病、ネフローゼ症候群、膵島炎、多内分泌腺不全、末梢器官の神経障害、自己免疫性多内分泌腺症候群1型、特発性成人gipoparatireoidit(IIV)、全身脱毛症、うっ血性心筋症、後天性表皮水疱症(PBE)、ヘモクロマトーシス、心筋炎、ネフローゼ症候群、原発性硬化性胆管炎、化膿性及び非化膿性副鼻腔炎、急性及び慢性副鼻腔炎;グリッド副鼻腔炎、前頭洞炎、上顎洞炎又は蝶形骨炎;好酸球性疾患、肺浸潤性好酸球性疾患、好酸球性筋痛症候群、レフラー症候群、慢性好酸球性肺炎、熱帯性肺好酸球症、アレルギー性肺アスペルギルス症、アスペルギローム又は好酸球含有肉芽腫等の好酸球性疾患;アナフィラキシー、血清反応陰性脊椎炎、多発性内分泌自己免疫疾患、硬化性胆管炎、強膜炎、上強膜炎、慢性粘膜皮膚カンジダ症、ブルトン症候群、ウィスコット・アルドリッチ症候群の子供における一過性の低ガンマグロブリン血症、失調性-血管拡張症候群、膠原病に伴う自己免疫疾患、リウマチ、神経疾患、虚血再灌流障害、血圧低下による反応、血管機能不全、血管異形成、組織損傷、血管虚血、痛覚過敏、脳虚血、血管新生を伴う疾患、過敏症を伴うアレルギー性疾患、糸球体腎炎、再灌流障害、心筋その他の
組織の再灌流障害、急性炎症の成分を有する皮膚疾患、急性化膿性髄膜炎その他の中枢神経系炎症性疾患、眼球及び眼窩の炎症性疾患;顆粒球輸血に伴う症候群;サイトカインによって誘発される毒性、急性漿液性炎、慢性難治性炎症、腎盂炎、糖尿病性網膜症、大動脈の糖尿病性病変、末梢動脈過形成、消化性潰瘍、子宮内膜症を含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用される文言「感染」は、感染性病原体、例えば、ウイルス、細菌、真菌、又は寄生虫によって引き起こされる病状を意味する。
本明細書で使用される文言「有効量」及び「治療上有効な量」は、それが投与される治療効果をもたらす結合剤等の物質の用量を意味する。正確な用量は、治療の目的に依存し、既知の技術を用いて当業者によって確認可能であろう(例えば、Lieberman、Pharmaceutical Dosage Forms (vols.1 3、1992); Lloyd、The Art、Science and Technology of Pharmaceutical Compounding (1999); Pickar、Dosage Calculations (1999); Goodman & Gilmanの The Pharmacological Basis of Therapeutics、11th Edition (McGraw-Hill、2006);及びRemington: The Science and Practice of Pharmacy、22nd Edition、(Pharmaceutical Press、London、2012)を参照せよ)。
本明細書で使用される場合、用語「レシピエント」、「個体」、「対象」、「宿主」、及び「患者」は互換的に使用され、診断、治療、又は治療が望まれるいずれかの哺乳類対象(例えば、ヒト)を指す。治療の目的のための「哺乳類」は、ヒト、家畜及び農場動物、並びに動物園、スポーツ、又はペット動物、例えばイヌ、ウマ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ラクダ等を含む、哺乳類として分類されるいずれかの動物を指す。特定の実施形態では、哺乳類はヒトである。
本明細書で使用する場合、「投与する」という用語は、非経口投与、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、腫瘍内投与、鼻腔内投与、又は皮下投与、経口投与、座薬としての投与、局所接触、髄液内投与、又は徐放デバイス、例えばミニ浸透圧ポンプの対象への埋め込みを指す。
本発明方法はまた、いずれかのタイプの感染症(すなわち、細菌、ウイルス、真菌、又は寄生虫によって引き起こされる疾患又は障害)を治療するために使用することも可能である。本発明方法によって治療することができる感染症の例は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、インフルエンザウイルス、デングウイルス、B型肝炎ウイルス(HBV、又はC型肝炎ウイルス(HCV))によって引き起こされる疾患を含むが、これらに限定されない。本発明の免疫グロブリン重鎖ポリペプチド、本発明の免疫グロブリン軽鎖ポリペプチド、本発明PD-L1結合剤、前述のいずれかをコードする本発明の核酸配列、又は本発明の核酸配列を含む本発明ベクターを含む組成物の投与は、哺乳動物の癌又は感染症に対する免疫応答を誘導する。「免疫応答」は、例えば、抗体産生及び/又は免疫エフェクター細胞(例えば、T細胞)の活性化を伴うことができる。
本発明方法は、結合剤の「治療上有効な量」を投与することを含む。治療上有効な量」とは、所望の治療結果を達成するために必要な投与量及び期間において有効な量をいう。治療上有効な量は、個体の病状、年齢、性別、及び体重等の要因、並びに個体において所望の反応を引き出す結合剤の能力に応じて変化し得る。例えば、本発明の結合剤の治療上有効な量は、ヒトにおけるPD-L1タンパク質の生物活性を低下させ、及び/又は癌若しくは感染症に対する免疫応答を増強させる量である。
あるいは、薬理学的及び/又は生理学的効果は予防的であってもよく、すなわち、その効果は、疾患又はその症状を完全に又は部分的に予防する。この点で、本発明の方法は、結合剤の「予防的に有効な量」を投与することからなる。予防的に有効な量」とは、所望の予防的結果(例えば、疾患発症の予防)を達成するために必要な投与量及び期間において有効な量をいう。
典型的な用量は、例えば、動物又はヒトの体重の1pg/kg-20mg/kgの範囲とすることができるが、この例示的範囲以下又は以上の用量は、本発明の範囲内である。日の非経口投与量は、総体重の約0.00001ug/kg-約20mg/kg(例えば、約0.001ug/kg、約0.1ug/kg 、約1ug/kg、約5ug/kg、約10ug/kg、約100ug/kg、約500ug/kg、約1mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、又は前述の値のいずれかの2つによって定義される範囲)、好ましくは約0.1ug/kg-約10mg/kg(例えば、約0.5ug/kg、約1ug/kg、約50ug/kg、約150ug/kg、約300ug/kg、約750ug/kg、約1.5mg/kg、約5mg/kg、又は前述の値のうちのいずれかの2つによって定義される範囲)、より好ましくは総重量の約1ug/kgから5mg/kg(例えば。約3ug/kg、約15ug/kg、約75ug/kg、約300ug/kg、約900ug/kg、約2mg/kg、約4mg/kg、又は前述の値のうちのいずれかの2つによって定義される範囲)、さらに好ましくは1日当たり約0.5-15mg/kg体重(例えば、約1mg/kg、約2.5mg/kg、約3mg/kg、約6mg/kg、約9mg/kg、約11mg/kg、約13mg/kg、又は前述の値のうちのいずれかの2つによって定義される範囲)である。治療的又は予防的な効果は、治療された患者の定期的な評価によってモニターできる。数日又はそれ以上の期間にわたる反復投与については、病状に応じて、疾患症状の所望の抑制が生じるまで、治療を繰り返すことができる。しかしながら、他の投与レジメンが有用な場合があり、本発明の範囲内である。所望の投与量は、組成物の単一のボーラス投与によって、組成物の複数のボーラス投与によって、又は組成物の連続注入投与によって送達することができる。
有効量の本発明の免疫グロブリン重鎖ポリペプチド、本発明の免疫グロブリン軽鎖ポリペプチド、本発明の結合剤、前述のいずれかをコードする本発明の核酸配列からなる組成物、又は本発明の核酸配列を含む本発明ベクターは、経口、静脈内、腹腔内、皮下、肺、経皮、筋肉内、鼻腔内、頬、舌下、又は座薬投与を含む標準的投与技術を使用して哺乳動物に投与することが可能である。好ましくは、組成物は、非経口投与に適する。本明細書で使用される「非経口」という用語は、静脈内、筋肉内、皮下、直腸、膣、及び腹腔内投与を含む。より好ましくは、組成物は、静脈内、腹腔内、又は皮下注射による末梢全身送達を用いて哺乳動物に投与される。
一旦哺乳動物(例えば、ヒト)に投与されると、本発明の結合剤の生物学的活性は、当該技術分野において公知のいずれかの適切な方法によって測定することができる。例えば、生物学的活性は、特定の結合剤の安定性を決定することによって評価することができる。本発明の一実施形態では、結合剤(例えば、抗体)は、約30分-45日の間のインビボ半減期(例えば、約30分、約45分、約1時間、約2時間、約4時間、約6時間、約10時間、約12時間、約1日、約5日、約10日、約15日、約25日、約35日、約40日、約45日、又は前述の値のいずれかの二つによって定義される範囲)を有する。別の実施形態では、PD-L1結合剤は、約2時間-20日の間のインビボ半減期(例えば、約5時間、約10時間、約15時間、約20時間、約2日、約3日、約7日、約12日、約14日、約17日、約19日、又は前述の値のうちのいずれか2つにより定義される範囲)を有する。別の実施形態では、結合剤は、約10日-約40日の間のインビボ半減期(例えば、約10日、約13日、約16日、約18日、約20日、約23日、約26日、約29日、約30日、約33日、約37日、約38日、約39日、約40日、又は前述の値のいずれか2つにより定義される範囲)を有する。
本発明のPD-L1結合剤は、別個の構造部分か、又はPD-L1結合剤とのコンジュゲートかのいずれかとして、単独又は他の薬剤と組み合わせて投与され得る。例えば結合剤は、本明細書に開示された疾患の治療又は予防のために、他の薬剤と組み合わせて投与することができる。この点に関して、結合剤は、例えば、当該技術分野で公知のいずれかの化学療法剤、電離放射線、低分子抗癌剤、癌ワクチン、生物学的療法(例えば、他のモノクローナル抗体、癌殺傷ウイルス、遺伝子療法、及び養子T細胞移植、免疫コンジュゲート又は細胞障害性抗体薬剤コンジュゲート)、及び/又は外科手術を含む少なくとも一つの他の抗癌剤と共に使用することが可能である。本発明方法が感染症を治療する場合、結合剤は、少なくとも1つの抗菌剤又は少なくとも1つの抗ウイルス剤と組み合わせて投与することができる。この点で、抗菌剤は、当該技術分野で知られているいずれかの適切な抗生物質とすることができる。抗ウイルス剤は、特定のウイルスを特異的に標的とするいずれかの好適なタイプのワクチン(例えば、生消化ワクチン、サブユニットワクチン、組換えベクターワクチン、及び低分子抗ウイルス療法(例えば、ウイルス複製阻害剤及びヌクレオシド類似体))の場合がある。
別の実施形態では、本発明の結合剤は、自然免疫及び適応免疫チェックポイント経路を阻害する他の薬剤と組み合わせて投与することができる。例えば、本発明の結合剤は、CTLA-4、TIM-3、LAG-3、CD47、CD24、及びSIRPA経路を阻害又は拮抗する薬剤と組み合わせて投与することが可能である。
治療的用途に加えて、本明細書に記載の結合剤は、診断又は研究用途に使用することができる。この点で、結合剤は、癌又は感染症を診断する方法に使用することができる。同様に、結合剤は、PD-L1の異常発現と関連する疾患又は障害について試験される対象におけるPD-L1タンパク質レベルを監視するためのアッセイで使用することができる。研究用途には、例えば、結合剤及び標識を利用して、サンプル、例えば、ヒト体液中又は細胞もしくは組織抽出物中のPD-L1タンパク質を検出する方法が含まれる。結合剤は、検出可能な構造部分との共有結合又は非共有結合による標識のような修飾を伴って又は伴わずに使用することができる。例えば、検出可能な構造部分は、放射性同位体(例えば、3H、14C、32P、35S、又は125I)、蛍光又は化学発光化合物(例えば、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、又はルシフェリン)、酵素(例えば、アルカリホスファターゼ、ベータガラクトシダーゼ又はホースラディッシュパーオキサイド)又は補綴基であり得る。抗原結合剤(例えば、抗体)を検出可能な構造部分に別々にコンジュゲートするための当該技術分野で公知のいずれかの方法が、本発明の文脈において採用され得る(例えば、Hunterら、Nature、194:495-496(1962);Davidら、Biochemistry、13:1014-1021(1974);Painら、J.Immunol.Meth.、40: 219-230 (1981); 及びNygren、J. Histochem. and Cytochem.、30: 407-412 (1982)を参照せよ)。
PD-L1タンパク質レベルは、当該技術分野で知られているいずれかの適切な方法によって、本発明の結合剤を用いて測定することができる。このような方法は、例えば、免疫組織化学、免疫蛍光、ラジオイムノアッセイ(RIA)、及びFACSを含む。PD-L1タンパク質の正常又は標準発現値は、いずれかの適切な技術を用いて、例えば、PD-L1ポリペプチドを含む、又は含む疑いのある試料を、抗原-抗体複合体を形成するのに適した条件下でPD-L1特異的抗体と組み合わせることにより確立することができる。抗体は、結合又は非結合抗体の検出を容易にするために、検出物質で直接又は間接的に標識される。好適な検出物質は、種々の酵素、プロテーゼ基、蛍光物質、発光物質、放射性物質等を含む(例えば、Zola、Monoclonal Antibodies: A Manual of Techniques、CRC Press、Inc. (1987)を参照せよ)。そして、試料中に発現したPD-L1ポリペプチドの量を、標準値と比較する。
キット
結合剤は、キット、すなわち、診断アッセイを行うための説明書とともに所定量の試薬のパッケージ化された組み合わせで提供することができる。結合剤が酵素で標識される場合、キットは酵素が必要とする基質及び補因子(例えば、検出可能な発色団又は蛍光団を提供する基質前駆体)を含むことが望ましい。さらに、他の添加剤、例えば、安定剤、緩衝剤(例えば、ブロッキング緩衝剤又は溶解緩衝剤)等がキットに含まれてもよい。様々な試薬の相対量は、アッセイの感度を実質的に最適化する試薬の溶液中の濃度を提供するように変化させることができる。試薬は、溶解時に適切な濃度を有する試薬溶液を提供する賦形剤を含む乾燥粉末(典型的には凍結乾燥)として提供され得る。
本開示の非限定的局面の例
本明細書に記載される本発明の実施形態を含む局面は、単独で又は1つ以上の他の局面若しくは実施形態と組み合わせて有益であり得る。前述の説明を制限することなく、(1)-(32)と番号付けされた開示の特定の非限定的な態様を以下に提供する。本開示を読めば当業者には明らかなように、個別に番号付けされた態様のそれぞれは、先行又は後続の個別に番号付けされた態様のいずれかと使用又は組み合わされてもよい。これは、このような態様の全ての組み合わせに対するサポートを提供することを意図しており、以下に明示的に提供される態様の組み合わせに限定されない。
(1)免疫グロブリン重鎖可変領域ポリペプチドと免疫グロブリン軽鎖可変領域ポリペプチドとを含むProgrammed Death-Ligand 1(PD-L1)結合剤であって、以下のとおりである。
免疫グロブリン重鎖可変領域ポリペプチドは、配列番号1-14又は167のいずれか1つを含む相補性決定領域1(HCDR1)、配列番号15-31、168-173、又は203-206のいずれか1つを含む相補性決定領域2(HCDR2)、及び配列番号32-52、174-177、207、又は208のいずれか1つを含む相補性決定領域3(HCDR3)を含む;あるいは
免疫グロブリン軽鎖可変領域ポリペプチドは、配列番号53-67又は178-182のいずれか1つを含む相補性決定領域1(LCDR1)、配列番号68-79のいずれか1つを含む相補性決定領域2(LCDR2)、及び配列番号80-91のいずれか1つを含む相補性決定領域3(LCDR3)を含む。
(2)配列番号123-143、184-193、又は209-213のいずれか1つの免疫グロブリン重鎖可変領域又はその少なくともCDR;及び配列番号144-164又は194-202のいずれか1つの免疫グロブリン軽鎖可変領域又はその少なくともCDRを含む、PD-L1結合剤。
(3)配列番号123-143、184-193、又は209-213のいずれか1つに対して、少なくとも90%の同一性があるアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖可変領域ポリペプチド、及び配列番号144-164又は194-202のいずれか1つに対して、少なくとも90%の同一性があるアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖可変領域ポリペプチドを含む、PD-L1結合剤。
(4)表1のPD-L1結合剤の重鎖及び軽鎖免疫グロブリンポリペプチド、又は少なくともそのCDRを含む、局面1-3のいずれか1つに記載のPD-L1結合剤。
(5)結合剤が、抗体、抗体コンジュゲート、又はその抗原結合性断片である、局面1-4のいずれか1つに記載のPD-L1結合剤。
(6)結合剤が、F(ab')2、Fab'、Fab、Fv、scFv、dsFv、dAb、及び一本鎖結合ポリペプチドから選択される抗体断片である、局面5に記載のPD-L1結合剤。
(7)結合剤が抗体である、局面5に記載のPD-L1結合剤。
(8)免疫グロブリンFc領域をさらに含む、局面1-7のいずれかに記載のPD-L1結合剤。
(9)Fc領域に結合したトランスフォーミング増殖因子β1(TGFβ1)受容体、又はTGFβ1と結合するその断片をさらに含む、局面8に記載のPD-L1結合剤。
(10)抗体が、IgG、IgM、IgA、IgD又はIgE抗体である、局面7-9のいずれか1つに記載のPD-L1結合剤。
(11)抗体がIgG抗体である、局面7-9のいずれか1つに記載のPD-L1結合剤。
(12)抗体が、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞媒介性貪食(ADCP)、又は補体依存性細胞傷害(CDC)を示す、局面7-11のいずれか1つに記載のPD-L1結合剤。)
(13)結合剤が、二重特異性抗体、キメラ抗原受容体、キメラT細胞受容体、又は二重特異性T細胞エンゲージャーの一部である、局面1-12のいずれかに記載のPD-L1結合剤。
(14)局面1-13のいずれか1つに記載の抗PD-L1結合剤の重鎖免疫グロブリンポリペプチドをコードする核酸。
(15)局面1-14のいずれか1つに記載の抗PD-L1結合剤の軽鎖免疫グロブリンポリペプチドをコードする核酸。
(16)局面1-15のいずれか1つに記載のPD-L1結合剤の重鎖免疫グロブリンポリペプチド及び軽鎖免疫グロブリンポリペプチドをコードする核酸。
(17)局面14-16のいずれか1つに記載の核酸配列を含むベクター。
(18)局面14-16のいずれか1つに記載の核酸を含み、任意に該核酸をベクター中に含む、単離された細胞。
(19)局面1-13のいずれかに記載のPD-L1結合剤を提供する方法であって、その免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドをコードする1以上の核酸をin vitroの細胞内で発現させることを含む、方法。
(20)局面1-13のいずれか1つに記載のPD-L1結合剤又は局面14-16のいずれか1つに記載の核酸及び薬学的に許容される担体を含み、任意に前記核酸をベクター中に含む、組成物。
(21)PD-L1阻害又は結合に反応する哺乳動物における疾患、障害、又は病状を治療するための医薬として使用するための、局面1-13のいずれか1つに記載のPD-L1結合剤又は局面20に記載の組成物。
(22)疾患、障害、又は病状が癌である、局面21に記載のPD-L1結合剤又は組成物。
(23)哺乳動物における免疫応答を増強又は低減又は阻害するための医薬として使用するための、局面1-13のいずれか1つに記載のPD-L1結合剤又は局面19に記載の組成物。
(24)免疫応答が抗癌性免疫応答である、局面23に記載の使用のためのPD-L1結合剤。
(25)PD-L1阻害又は結合に反応する哺乳動物における疾患、障害又は病状を治療するための方法であって、局面1-13のいずれか1つのPD-L1結合剤又は局面20の組成物を哺乳動物に投与することを含む、前記方法。
(26)疾患、障害、又は病状が癌である、局面25に記載の方法。
(27)疾患、障害、又は病状が自己免疫障害である、局面25の方法。
(28)疾患、障害、又は病状が感染症である、局面25に記載の方法。
(29)局面1-13のいずれか1つに記載のPD-L1結合剤又は局面20に記載の組成物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における免疫応答を増強又は低減若しくは抑制するための方法。
(30)免疫応答が抗癌免疫応答である、局面29に記載の方法。
(31)局面1-13のいずれかのPD-L1結合剤を調製する方法であって、免疫グロブリン重鎖可変領域ポリペプチドをコードする配列を含む核酸と、免疫グロブリン軽鎖可変領域ポリペプチドをコードする配列を含む核酸とを細胞内で発現することを含み、重鎖可変領域ポリペプチドをコードする配列および軽鎖可変領域ポリペプチドが単一の核酸の一部または別々の核酸であってよい、方法。
(32)PD-L1を発現する細胞にペイロードを送達する方法であって、該細胞、又は該細胞を含む哺乳動物に、(1)局面1-13のいずれか1つのPD-L1結合剤と、(2)ペイロードとを含むコンジュゲートを投与することを含む、方法。
(33)局面1-13のいずれか一項に記載のPD-L1結合剤を発現するハイブリドーマ又は細胞株。
以下の実施例は、本発明をさらに説明するが、もちろん、その範囲をいかなる形でも限定するものとして解釈されるべきではない。
実施例
本実施例は、本発明の実施形態による結合剤が、細胞表面上のヒトPD-L1(hPD-L1)を結合するのに有効であることを実証する。
細胞表面上のヒトPD-L1(hPD-L1)に対する本発明の実施形態の結合剤の結合は、内因性hPD-L1を発現するJIMT-1細胞と結合剤をインキュベートすることによって評価された。簡潔には、結合剤をFACS緩衝液(PBS+1%FBS+5mM EDTA、pH7.4)中、4℃で連続的に希釈した。希釈した結合剤をJIMT-1細胞(~1x105-2x105/well)に適用し、4℃でインキュベートした。その後、細胞を2回洗浄して未結合の結合剤を除去し、続いて蛍光性抗ヒトIgG Fc抗体と4℃でインキュベートして、細胞に結合した抗PD-L1結合剤を検出した。未結合の二次抗体を洗浄した後、細胞をFACSバッファー+2%ホルムアルデヒドに再懸濁し、フローサイトメトリーで解析した。幾何平均蛍光強度として表される蛍光強度を用いて、細胞表面上のhPD-L1への抗PDL1結合剤の結合を判定した。
図1、2、及び4に示されるデータによって示されるように、本発明の実施形態による結合剤は、ヒトPD-L1との結合に成功した。x軸に沿った数字は、本発明の実施形態による結合剤の数字に相関する。図中の"Ref Ab"は、本発明の実施形態ではない参照結合剤を指す。結合剤濃度は、図の凡例に記載される。
本実施例は、本発明の実施形態による結合剤が、細胞表面上にPD-L1を有する細胞に曝露されたときに細胞内に移行されなかったことを実証する。
抗PDL1結合剤の細胞内移行は、長時間にわたって37℃で事前に結合させた抗体と細胞をインキュベートした際の細胞表面残留の程度を推定することによって測定した。簡潔には、抗PDL1抗体表面の持続性を測定するために、JIMT-1細胞を、ウェル当たり~2x105-4x105個の細胞で播種した。1日目に、細胞培養液中10ug/mlの抗PDL1抗体とともにJIMT-1細胞を4℃で60分間インキュベートすることによって、第1のセットのサンプル(「チェイス」セット)を生成した。インキュベーション後、未結合の結合剤を培養液で連続的に洗浄して除去し、細胞を新鮮な培養液中で37℃、24時間インキュベートした。2日目に、PBS + 10mM EDTAで短時間インキュベートすることにより、マイクロタイタープレートから細胞を回収した。サンプルの第2のセット(「チェイスなし」セット)は、上記のようにJIMT-1細胞を抗PDL1結合剤とインキュベートし、未結合抗体を除去し、次にPBS+10mM EDTAを用いて直ちに細胞を回収することによって2日目に生成された。
回収したJIMT-1細胞を96ウェルマイクロタイタープレートに移し、ペレット化し、FACSバッファー(PBS+1%FBS+5mM EDTA、pH7.4)中で蛍光抗ヒトIgG Fc抗体と4℃で少なくとも45分間インキュベートし、細胞結合抗PDL1抗体を検出した。未結合の結合剤は細胞を2回洗浄することにより除去し、細胞をFACS緩衝液+2%ホルムアルデヒドに再懸濁し、フローサイトメトリーにより分析した。
幾何平均蛍光強度として表される二次抗Fcチャンネルの蛍光強度を、抗PDL1結合の判定に用いた。所定の抗PDL1結合剤とインキュベートした後、24時間チェイスした細胞とチェイスしない細胞の蛍光強度における比は、その結合剤の表面持続性の指標である。例えば、比1.0は、24時間のチェイスの間に表面結合した結合剤の損失がないことを示し、一方比<1は、結合剤の割合が細胞内に移行されたことを示す。
図3のデータによって示されるように、本発明の実施形態の結合剤は、細胞によって細胞内への移行されなかった。x軸に沿った数字は、本発明の実施形態による結合剤の数字に相関する。図中の"Ref Ab"は、本発明の実施形態ではない参照結合剤を指す。
本実施例は、本発明の実施形態による結合剤がPD-L1/PD-1結合を阻害することを実証する。
結合剤と2つの市販の抗体であるアベルマブ及びアテゾリズマブとのPD-L1/PD-1相互作用に対する効果を、レポーターアッセイ(Promega)を使用して決定した。このアッセイは、製造業者の説明書に従って行った。簡潔には、PD-L1と、T細胞受容体(TCR)活性化αAPCとの両方を表面に発現する細胞を、表面組換えTCR及びPD-1を発現し、NFAT(活性化T細胞の核因子)応答エレメントの制御下にあるルシフェラーゼ遺伝子を有する細胞とインキュベートした。
トランスPD-L1/PD-1相互作用は、トランスαAPC-TCR結合、TCRシグナル伝達、及びNFAT応答エレメントの活性化を通じて起こるルシフェラーゼ発現の誘導を防止する。PD-1との相互作用を遮断する抗PDL1抗体は、それによってTCRシグナル伝達及びルシフェラーゼの発現を可能にする。ルシフェラーゼの発現は、生体発光基質及び発光検出モードに設定したプレートリーダーを用いて測定する。
刺激剤のCHO-K1/PD-L1/αAPC細胞を、10%牛胎児血清(FBS)を補充したハムズF-12培地に懸濁し、6つの96ウェル、透明底、白壁プレート(コーニング)のウェルにプレーティングした。)プレートを5%CO2雰囲気下、37℃のインキュベータに14時間置いた。培養液を除去し、1%FBS添加RPMI-1640培地で最終濃度2倍に希釈した試験品をウェルに添加した。次に、RPMI-1640+1%FBSに懸濁した等量のレポーターJurkat / PD-1 / ルシフェラーゼ細胞を各ウェルに添加した。最終濃度は4.12~27,000ng/mlの範囲で3倍刻みで設定した。Avelumabを参照として含めた。5%CO2雰囲気下、37℃のインキュベータで8時間後、プレートを取り出し、10分間室温に平衡化させた。その後、ウェルに、穏やかに攪拌しながら10分間、BIOGLOW細胞透過性ルシフェラーゼ基質(Promega社)を添加した。
発光を、Molecular Devices M3プレートリーダーを使用して測定した。発光データは、4パラメータシグモイド用量反応曲線フィッティングとEC50値の決定のために、GraphPad PRISM v8を用いて分析した。EC50の決定及びグラフ化のために濃度をlog10値に変換した。「試験品なし(no test article)」濃度はlog10変換できるように(試験した最低濃度)/3に変換した。ng/mlからnMへのEC50値の変換は、IgG分子量データを用いて行われた。
PD-L1/PD-1遮断は、抗PDL1抗体の濃度の増加によって誘発される発光(RLU=相対発光単位)の増加によって実証された。用量反応曲線は、4パラメータシグモイドモデルを使用して密接に適合し、抗体結合の飽和と一致した。
Figure 2023511363000024
要約すると、本発明の実施形態による結合剤は、タンパク質結合を阻害し、EC50値は47.3-180.6ng/ml(0.33-2.02nM)であった。
本明細書において数値を修飾するために使用される用語「約」("about X"及び"around X")は、その数値を取り巻く近い範囲を示す。したがって、「X」が数値である場合、「約X」は、0.9Xから1.1X、例えば、0.95Xから1.05X又は0.99Xから1.01Xの数値を示す。「約X」の言及は、具体的には、少なくとも値X、0.95X、0.96X、0.97X、0.98X、0.99X、1.01X、1.02X、1.03X、1.04X、1.05Xを示す。したがって、「約X」は、例えば"0.98X"の請求項の限定を教え、記述上のサポートを提供することを意図する。
本明細書で引用した、刊行物、特許出願、及び特許を含むすべての文献は、各文献が参照により組み込まれることが個別にかつ明確に示され、その全体が本明細書に記載されるのと同じ程度に、参照により組み込まれるものとする。
本発明を説明する文脈における(特に以下の請求項の文脈における)用語"a"及び"an"及び"the"及び"at least one"並びに同様の参照語の使用は、本明細書において別途示されるか文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数と複数の両方をカバーするように解釈されるものとする。用語「少なくとも1つ」の後に1つ以上の項目のリスト(例えば、「A及びBの少なくとも1つ」)が続く使用は、本明細書において他に示されるか、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、リストされた項目(A又はB)から選択される1つの項目、又はリストされた項目(A及びB)の2つ以上のいずれかの組合せを意味すると解釈されるものとする。用語「含む」("comprising")、「有する("having")」、「含む」("including")、及び「含む」("containing")は、特に断らない限り、オープンエンド用語(すなわち、「含むが、それに限定されない」を意味する)として解釈されるものとする。本明細書における値の範囲の暗唱は、本明細書において特に示されない限り、範囲内に入る各別の値を個別に参照するための略記法として役立つことを単に意図しており、各別の値は、本明細書に個別に記載されるかのように本明細書に組み入れられる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別途示されない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、いずれかの適切な順序で実行することができる。本明細書で提供されるいずれかの及び全ての例、又は例示的な言語(例えば、「等」)の使用は、単に本発明をより良く照らすことを意図しており、特に主張しない限り、本発明の範囲に制限をもたらすことはない。本明細書におけるいかなる文言も、特許請求の範囲に記載されていない要素を本発明の実施に不可欠であると示すものとして解釈されるべきではない。
本発明の好ましい実施形態は、本発明を実施するために本発明者らに知られている最良の態様を含めて、本明細書に記載される。それらの好ましい実施形態の変形は、前述の説明を読めば、当業者には明らかになるであろう。本発明者らは、当業者がそのような変形を適宜採用することを期待しており、本発明者らは、本明細書に具体的に記載された以外の方法で本発明が実施されることを意図する。したがって、本発明は、適用される法律によって許可される、添付の請求項に記載された主題のすべての変更及び均等物を含む。さらに、そのすべての可能な変形における前述した要素のいずれかの組み合わせは、本明細書に別途示されるか、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、本発明によって包含される。

Claims (32)

  1. 免疫グロブリン重鎖可変領域ポリペプチド及び免疫グロブリン軽鎖可変領域ポリペプチドを含むプログラム死リガンド1(PD-L1)結合剤であって、ここで、
    免疫グロブリン重鎖可変領域ポリペプチドは、配列番号1~14又は167のいずれか1つを含む相補性決定領域1(HCDR1)、配列番号15~31、168~173、又は203~206のいずれか1つを含む相補性決定領域2(HCDR2)、及び配列番号32~52、174~177、207、又は208のいずれか1つを含む相補性決定領域3(HCDR3)を含み;あるいは
    免疫グロブリン軽鎖可変領域ポリペプチドは、配列番号53~67又は178~182のいずれか1つを含む相補性決定領域1(LCDR1)、配列番号68~79のいずれか1つを含む相補性決定領域2(LCDR2)、及び配列番号80~91のいずれか1つを含む相補性決定領域3(LCDR3)を含む、PD-L1結合剤。
  2. 配列番号123~143、184~193、又は209~213のいずれか1つの免疫グロブリン重鎖可変領域又はその少なくともCDRと;配列番号144~164又は194~202のいずれか1つの免疫グロブリン軽鎖可変領域又はその少なくともCDRとを含む、PD-L1結合剤。
  3. 配列番号123~143、184~193、又は209~213のいずれか1つに対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖可変領域ポリペプチド、及び配列番号144~164又は194~202のいずれか1つに対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖可変領域ポリペプチドを含む、PD-L1結合剤。
  4. 表1のPD-L1結合剤の重鎖及び軽鎖免疫グロブリンポリペプチド、又は少なくともそのCDRを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のPD-L1結合剤。
  5. 結合剤が、抗体、抗体コンジュゲート、又はその抗原結合性断片である、請求項1~4のいずれか1項に記載のPD-L1結合剤。
  6. 結合剤が、F(ab')2、Fab'、Fab、Fv、scFv、dsFv、dAb、及び単鎖結合ポリペプチドから選択される抗体断片である、請求項5に記載のPD-L1結合剤。
  7. 結合剤が抗体である、請求項5に記載のPD-L1結合剤。
  8. 免疫グロブリンFc領域をさらに含む、請求項1~7のいずれかに記載のPD-L1結合剤。
  9. Fc領域に結合したトランスフォーミング増殖因子β1(TGFβ1)受容体、又はTGFβ1と結合するその断片をさらに含む、請求項8に記載のPD-L1結合剤。
  10. 抗体が、IgG、IgM、IgA、IgD又はIgE抗体である、請求項7~9のいずれか1項に記載のPD-L1結合剤。
  11. 抗体がIgG抗体である、請求項7~9のいずれか1項に記載のPD-L1結合剤。
  12. 抗体が、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞媒介性貪食(ADCP)、又は補体依存性細胞傷害(CDC)を示す、請求項7~11のいずれか1項に記載のPD-L1結合剤。
  13. 結合剤が、二重特異性抗体、キメラ抗原受容体、キメラT細胞受容体、又は二重特異性T細胞エンゲージャーの一部である、請求項1~12のいずれかに記載のPD-L1結合剤。
  14. 請求項1~13のいずれか1項に記載の抗PD-L1結合剤の重鎖免疫グロブリンポリペプチドをコードする核酸。
  15. 請求項1~14のいずれか1項に記載の抗PD-L1結合剤の軽鎖免疫グロブリンポリペプチドをコードする核酸。
  16. 請求項1~15のいずれか1項に記載のPD-L1結合剤の重鎖免疫グロブリンポリペプチド及び軽鎖免疫グロブリンポリペプチドをコードする核酸。
  17. 請求項14~16のいずれか1項に記載の核酸配列を含むベクター。
  18. 請求項14~16のいずれか1項に記載の核酸を含み、任意に該核酸をベクター中に含む、単離された細胞。
  19. 請求項1~13のいずれかに記載のPD-L1結合剤を提供する方法であって、その免疫グロブリン重鎖及び軽鎖ポリペプチドをコードする1以上の核酸をin vitroで細胞内に発現させることを含む、方法。
  20. 請求項1~13のいずれか1項に記載のPD-L1結合剤又は請求項14~16のいずれか1項に記載の核酸、及び薬学的に許容される担体を含み、任意に前記核酸をベクター中に含む、組成物。
  21. PD-L1の阻害又は結合に反応する哺乳動物における疾患、障害又は病状を治療するための医薬として使用するための、請求項1~13のいずれか1項に記載のPD-L1結合剤もしくはそれを含むコンジュゲート、又は請求項20に記載の組成物。
  22. 疾患、障害、又は病状が癌である、請求項21に記載のPD-L1結合剤又は組成物。
  23. 哺乳動物における免疫応答を増強又は阻害するための医薬として使用するための、請求項1~13のいずれか1項に記載のPD-L1結合剤又は請求項19に記載の組成物。
  24. 免疫応答が抗癌免疫応答である、請求項23に記載の使用のためのPD-L1結合剤。
  25. PD-L1の阻害又は結合に反応する哺乳動物における疾患、障害、又は病状を治療する方法であって、請求項1~13のいずれか1項に記載のPD-L1結合剤もしくはそれを含むコンジュゲート、又は請求項20に記載の組成物を哺乳動物に投与することを含む、方法。
  26. 疾患、障害、又は病状が癌である、請求項25に記載の方法。
  27. 疾患、障害、又は病状が自己免疫障害である、請求項25に記載の方法。
  28. 疾患、障害、又は病状が感染症である、請求項25に記載の方法。
  29. 請求項1~13のいずれか1項に記載のPD-L1結合剤もしくはこれを含むコンジュゲート、又は請求項20に記載の組成物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物の免疫応答を増強又は抑制する方法。
  30. 免疫応答が抗癌免疫応答である、請求項29に記載の方法。
  31. PD-L1を発現する細胞にペイロードを送達する方法であって、前記細胞、又は該細胞を含む哺乳動物に、請求項1~13のいずれか1項に記載の(1)PD-L1結合剤と(2)ペイロードとを含むコンジュゲートを哺乳動物に投与することを含む、方法。
  32. 請求項1~13のいずれかに記載のPD-L1結合剤を発現するハイブリドーマ又は細胞株。
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