JP2023510270A - 進行性骨化性線維異形成症の治療 - Google Patents

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Abstract

ヒト対象において進行性骨化性線維異形成症(FOP)を治療するための方法が提供される。かかる方法は、FOPを有する対象に、治療有効量のアクチビンAアンタゴニスト、例えば、アクチビンAに対する抗体を投与することを伴う。本開示は、進行性骨化性線維異形成症(FOP)を治療する方法であって、FOPを有する対象に、治療有効量のアクチビンAアンタゴニストを投与することを含む、方法を提供する。特に、本出願の発明者らは、驚くべきことに、ヒトにおいて第II相臨床試験を実施した後にのみ、アクチビンAアンタゴニストによってFOP対象を治療すると、新しい異所性骨化(HO)骨成長の進行を劇的に低減および/または予防し、病変成長および石灰化の平均速度を低減させることを発見した。

Description

関連出願
本出願は、2020年1月8日に出願された米国仮出願第62/958,448号、2020年9月10日に出願された米国仮出願第63/076,691号、および2020年9月22日に出願された米国仮出願第63/081,428号に対する優先権を主張し、それらの各々の全体の内容は、それらの全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
進行性骨化性線維異形成症(FOP)は、ミュンヒマイアー病(Munchmeyer disease)としても知られており、骨格筋および関連する結合組織の早期発症型、反復発作性の進行性骨化を特徴とする常染色体優性障害である。FOP対象において、正常な骨格の外側の軟組織において骨が形成され、これは異所性骨化(HO)として知られるプロセスであり、これが二次骨格の発達を引き起こし、患者の移動能力を徐々に制限する可能性がある。新しい骨形成の除去は、効果的ではないことが示されており、さらなる新しい骨成長の進行を引き起こす。
FOPは、ACVR1(ALK2)の細胞内ドメインの変異によって引き起こされ、大半のアルギニン206がヒスチジンに変化する(R206H)(Pignolo,R.J.et al.2011,Orphanet J.Rare Dis.6:80)。ACVR1は、骨形成タンパク質(BMP)のI型受容体である。R206H変異は、特に、活性化に対する受容体の感度を高め、サイレンシングに対する抵抗性をさらに高めると考えられている。
特定の種類の薬物は、フレアアップ(flare-up)の際にFOPに関連する疼痛および腫れを緩和するために使用されてきたが、FOPに対する有効な医学的治療は現時点で知られていない。
Pignolo,R.J.et al.2011,Orphanet J.Rare Dis.6:80
本開示は、進行性骨化性線維異形成症(FOP)を治療する方法であって、FOPを有する対象に、治療有効量のアクチビンAアンタゴニストを投与することを含む、方法を提供する。特に、本出願の発明者らは、驚くべきことに、ヒトにおいて第II相臨床試験を実施した後にのみ、アクチビンAアンタゴニストによってFOP対象を治療すると、新しい異所性骨化(HO)骨成長の進行を劇的に低減および/または予防し、病変成長および石灰化の平均速度を低減させることを発見した。
一態様では、本開示は、進行性骨化性線維異形成症(FOP)を治療する方法であって、本方法が、FOPを有するヒト対象に、治療有効量のアクチビンAアンタゴニストを投与することを含み、それによってFOPを治療する、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、アクチビンAアンタゴニストは、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片である。いくつかの実施形態では、抗体は、H4H10446P、H4H10430P、またはA1と称される抗体の重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗体との結合と競合する。いくつかの実施形態では、抗体は、H4H10446P、H4H10430P、またはA1と称される抗体の重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体は、キメラ抗体、ベニヤ化(veneered)抗体、ヒト化抗体またはヒト抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、インタクト抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、ヒトカッパIgG1抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、ACVR1、ACVR2A、またはACVR2B細胞外ドメイン-Fc融合タンパク質との併用療法で投与される。
本開示はさらに、進行性骨化性線維異形成症(FOP)を治療する方法で使用するためのアクチビンAのアンタゴニストであって、本方法が、FOPを有する対象に、治療有効量のアクチビンAのアンタゴニストを投与することを含む、アンタゴニストを提供する。任意選択的に、アクチビンAアンタゴニストは、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片である。任意選択的に、本開示は、FOPを治療するための医薬の製造における、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片の使用を提供する。任意選択的に、抗体は、キメラ抗体、ベニヤ化抗体、ヒト化抗体またはヒト抗体である。任意選択的に、抗体は、インタクト抗体である。任意選択的に、抗体は、ヒトカッパIgG1抗体である。任意選択的に、抗体は、ACVR1、ACVR2A、またはACVR2B細胞外ドメイン-Fc融合タンパク質との併用療法で投与される。
一態様では、本開示は、FOPを有するヒト対象において新しい異所性骨化病変の形成を減少させる方法であって、本方法が、ヒト対象に、治療有効量のアクチビンAアンタゴニストを投与することを含み、それによってヒト対象において新しい異所性骨化病変の形成を減少させる、方法を提供する。
一実施形態では、新しい異所性骨化病変の形成は、ヒト対象において予防される。
一実施形態では、ヒト対象は、対照と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも5%~90%、少なくとも10%~90%、少なくとも20%~90%、少なくとも30%~90%、少なくとも40%~90%、少なくとも50%~90%、少なくとも60%~90%、少なくとも70%~90%、少なくとも80%~90%、少なくとも5%~80%、少なくとも5%~70%、少なくとも5%~60%、少なくとも5%~50%、少なくとも5%~40%、少なくとも5%~30%、少なくとも5%~20%、または少なくとも5%~10%の減少を示す。
一実施形態では、ヒト対象は、対照と比較して、新しい異所性骨化病変の体積の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも5%~50%、少なくとも10%~50%、少なくとも20%~50%、少なくとも30%~50%、少なくとも40%~50%、少なくとも5%~40%、少なくとも5%~30%、少なくとも5%~20%、または少なくとも5%~10%の減少を示す。
一実施形態では、ヒト対象は、対照と比較して、新しい異所性骨化病変の成長および石灰化の速度の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも5%~50%、少なくとも10%~50%、少なくとも20%~50%、少なくとも30%~50%、少なくとも40%~50%、少なくとも5%~40%、少なくとも5%~30%、少なくとも5%~20%、または少なくとも5%~10%の減少を示す。
一実施形態では、ヒト対象は、対照と比較して、新しい異所性骨化病変の強度の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも5%~50%、少なくとも10%~50%、少なくとも20%~50%、少なくとも30%~50%、少なくとも40%~50%、少なくとも5%~40%、少なくとも5%~30%、少なくとも5%~20%、または少なくとも5%~10%の減少を示す。
一実施形態では、ヒト対象は、対照と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性(TLA)の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも5%~80%、少なくとも10%~80%、少なくとも20%~80%、少なくとも30%~80%、少なくとも40%~80%、少なくとも50%~80%、少なくとも60%~80%、少なくとも70%~80%、少なくとも5%~70%、少なくとも5%~60%、少なくとも5%~50%、少なくとも5%~40%、少なくとも5%~30%、少なくとも5%~20%、または少なくとも5%~10%の減少を示す。
一実施形態では、ヒト対象は、対照と比較して、1日平均疼痛-NRSの約0.2倍、0.5倍、1倍、1.5倍、2倍、3倍、0.2~3倍、0.5~3倍、1~3倍、1.5~3倍、2~3倍、2.5~3倍、0.2~2.5倍、0.2~2倍、0.2~1.5倍、0.2~1倍、または0.2~0.5倍の減少を示す。
一実施形態では、対照は、アクチビンAアンタゴニストを投与されていないFOPを有するヒト対象の集団から集められた平均測定値または値である。
一実施形態では、治療有効量のアクチビンAアンタゴニストは、対照と比較して、ヒト対象における痛みのあるフレアアップの発生を低減する。
一実施形態では、新しい異所性骨化病変は、陽電子放出断層撮影(PET)スキャン、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、またはそれらの組み合わせによって分析される。一実施形態では、PETスキャン分析は、ヒト対象への放射標識18Fフッ化ナトリウム(18F-NaF)の投与によって行われる。
一実施形態では、治療有効量のアクチビンAアンタゴニストは、ヒト対象に少なくとも8週間投与される。
一実施形態では、本方法は、新しい異所性骨化病変の形成を減少させることから利益を受け得るFOPを有する対象を選択することをさらに含む。一実施形態では、新しい異所性骨化病変の形成を減少させることから利益を受け得る対象は、もうすぐ手術を受けようとしている。
一実施形態では、ヒト対象は、もうすぐFOPの療法的治療を受けようとしている。
一実施形態では、アクチビンAアンタゴニストは、ヒト対象におけるいずれの既存の病変の数、体積、またはサイズも減少させない。
一実施形態では、アクチビンAアンタゴニストは、タンパク質または小分子である。
一実施形態では、アクチビンAアンタゴニストは、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片である。一実施形態では、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片は、キメラ抗体、ベニヤ化抗体、ヒト化抗体もしくはヒト抗体、またはその抗原結合断片である。
一実施形態では、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片は、ヒトカッパIgG1抗体である。
一実施形態では、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片は、以下の6個のCDR配列:(a)配列GGSFSSHFに対して少なくとも約80%の同一性を有するHCDR1、(b)配列ILYTGGTに対して少なくとも約80%の同一性を有するHCDR2、(c)配列ARARSGITFTGIIVPGSFDIに対して少なくとも約80%の同一性を有するHCDR3、(d)配列QSVSSSYに対して少なくとも約80%の同一性を有するLCDR1、(e)配列GASに対して少なくとも約80%の同一性を有するLCDR2、および(f)配列QQYGSSPWTに対して少なくとも約80%の同一性を有するLCDR3を含む。
一実施形態では、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片は、以下の6個のCDR配列:(a)配列GGSFSSHFを有するHCDR1、(b)配列ILYTGGTを有するHCDR2、(c)配列ARARSGITFTGIIVPGSFDIを有するHCDR3、(d)配列QSVSSSYを有するLCDR1、(e)配列GASを有するLCDR2、および(f)配列QQYGSSPWTを有するLCDR3を含む。
一実施形態では、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片は、配列番号1と少なくとも90%の同一性を有する重鎖可変領域と、配列番号5と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖可変領域と、を含む。
一実施形態では、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片は、配列番号1と少なくとも95%の同一性を有する重鎖可変領域と、配列番号5と少なくとも95%の同一性を有する軽鎖可変領域と、を含む。
一実施形態では、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片は、配列番号1を含む重鎖可変領域と、配列番号5を含む軽鎖可変領域と、を含む。
一実施形態では、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片は、配列番号25を含む重鎖と、配列番号26を含む軽鎖と、を含む。
一実施形態では、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片は、配列番号1と少なくとも90%の同一性を有する重鎖可変領域と、配列番号5と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖可変領域と、を含む。
一実施形態では、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片は、以下の6個のCDR配列:(a)配列GGSFSSHFを有するHCDR1、(b)配列ILYTGGTを有するHCDR2、(c)配列ARARSGITFTGIIVPGSFDIを有するHCDR3、(d)配列QSVSSSYを有するLCDR1、(e)配列GASを有するLCDR2、および(f)配列QQYGSSPWTを有するLCDR3を含む抗体との結合と競合する。
一実施形態では、アクチビンAアンタゴニストは、第2の療法と組み合わせて投与される。
別の態様では、本開示は、FOPを有するヒト対象において新しい異所性骨化病変の形成を予防する方法であって、本方法が、ヒト対象に、治療有効量のアクチビンAアンタゴニストを投与することを含み、それによってヒト対象において新しい異所性骨化病変の形成を予防する、方法を提供する。
一実施形態では、ヒト対象は、対照と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも5%~90%、少なくとも10%~90%、少なくとも20%~90%、少なくとも30%~90%、少なくとも40%~90%、少なくとも50%~90%、少なくとも60%~90%、少なくとも70%~90%、少なくとも80%~90%、少なくとも5%~80%、少なくとも5%~70%、少なくとも5%~60%、少なくとも5%~50%、少なくとも5%~40%、少なくとも5%~30%、少なくとも5%~20%、または少なくとも5%~10%の減少を示す。
一実施形態では、ヒト対象は、対照と比較して、新しい異所性骨化病変の体積の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも5%~50%、少なくとも10%~50%、少なくとも20%~50%、少なくとも30%~50%、少なくとも40%~50%、少なくとも5%~40%、少なくとも5%~30%、少なくとも5%~20%、または少なくとも5%~10%の減少を示す。
一実施形態では、ヒト対象は、対照と比較して、新しい異所性骨化病変の成長および石灰化の速度の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも5%~50%、少なくとも10%~50%、少なくとも20%~50%、少なくとも30%~50%、少なくとも40%~50%、少なくとも5%~40%、少なくとも5%~30%、少なくとも5%~20%、または少なくとも5%~10%の減少を示す。
一実施形態では、ヒト対象は、対照と比較して、新しい異所性骨化病変の強度の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも5%~50%、少なくとも10%~50%、少なくとも20%~50%、少なくとも30%~50%、少なくとも40%~50%、少なくとも5%~40%、少なくとも5%~30%、少なくとも5%~20%、または少なくとも5%~10%の減少を示す。
一実施形態では、ヒト対象は、対照と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性(TLA)の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも5%~80%、少なくとも10%~80%、少なくとも20%~80%、少なくとも30%~80%、少なくとも40%~80%、少なくとも50%~80%、少なくとも60%~80%、少なくとも70%~80%、少なくとも5%~70%、少なくとも5%~60%、少なくとも5%~50%、少なくとも5%~40%、少なくとも5%~30%、少なくとも5%~20%、または少なくとも5%~10%の減少を示す。
一実施形態では、ヒト対象は、対照と比較して、1日平均疼痛-NRSの約0.2倍、0.5倍、1倍、1.5倍、2倍、3倍、0.2~3倍、0.5~3倍、1~3倍、1.5~3倍、2~3倍、2.5~3倍、0.2~2.5倍、0.2~2倍、0.2~1.5倍、0.2~1倍、または0.2~0.5倍の減少を示す。
一実施形態では、対照は、アクチビンAアンタゴニストを投与されていないFOPを有するヒト対象の集団から集められた平均測定値または値である。
一実施形態では、治療有効量のアクチビンAアンタゴニストは、対照と比較して、ヒト対象における痛みのあるフレアアップの発生を低減する。
一実施形態では、新しい異所性骨化病変は、陽電子放出断層撮影(PET)スキャン、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、またはそれらの組み合わせによって分析される。一実施形態では、PETスキャン分析は、ヒト対象への放射標識18Fフッ化ナトリウム(18F-NaF)の投与によって行われる。
一実施形態では、治療有効量のアクチビンAアンタゴニストは、ヒト対象に少なくとも8週間投与される。
一実施形態では、本方法は、新しい異所性骨化病変の形成を減少させることから利益を受け得るFOPを有する対象を選択することをさらに含む。一実施形態では、新しい異所性骨化病変の形成を減少させることから利益を受け得る対象は、もうすぐ手術を受けようとしている。
一実施形態では、ヒト対象は、もうすぐFOPの療法的治療を受けようとしている。
一実施形態では、アクチビンAアンタゴニストは、ヒト対象におけるいずれの既存の病変の数、体積、またはサイズも減少させない。
一実施形態では、アクチビンAアンタゴニストは、タンパク質または小分子である。
一実施形態では、アクチビンAアンタゴニストは、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片である。一実施形態では、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片は、キメラ抗体、ベニヤ化抗体、ヒト化抗体もしくはヒト抗体、またはその抗原結合断片である。
一実施形態では、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片は、ヒトカッパIgG1抗体である。
一実施形態では、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片は、以下の6個のCDR配列:(a)配列GGSFSSHFに対して少なくとも約80%の同一性を有するHCDR1、(b)配列ILYTGGTに対して少なくとも約80%の同一性を有するHCDR2、(c)配列ARARSGITFTGIIVPGSFDIに対して少なくとも約80%の同一性を有するHCDR3、(d)配列QSVSSSYに対して少なくとも約80%の同一性を有するLCDR1、(e)配列GASに対して少なくとも約80%の同一性を有するLCDR2、および(f)配列QQYGSSPWTに対して少なくとも約80%の同一性を有するLCDR3を含む。
一実施形態では、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片は、以下の6個のCDR配列:(a)配列GGSFSSHFを有するHCDR1、(b)配列ILYTGGTを有するHCDR2、(c)配列ARARSGITFTGIIVPGSFDIを有するHCDR3、(d)配列QSVSSSYを有するLCDR1、(e)配列GASを有するLCDR2、および(f)配列QQYGSSPWTを有するLCDR3を含む。
一実施形態では、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片は、配列番号1と少なくとも90%の同一性を有する重鎖可変領域と、配列番号5と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖可変領域と、を含む。
一実施形態では、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片は、配列番号1と少なくとも95%の同一性を有する重鎖可変領域と、配列番号5と少なくとも95%の同一性を有する軽鎖可変領域と、を含む。
一実施形態では、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片は、配列番号1を含む重鎖可変領域と、配列番号5を含む軽鎖可変領域と、を含む。
一実施形態では、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片は、配列番号25を含む重鎖と、配列番号26を含む軽鎖と、を含む。
一実施形態では、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片は、配列番号1と少なくとも90%の同一性を有する重鎖可変領域と、配列番号5と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖可変領域と、を含む。
一実施形態では、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片は、以下の6個のCDR配列:(a)配列GGSFSSHFを有するHCDR1、(b)配列ILYTGGTを有するHCDR2、(c)配列ARARSGITFTGIIVPGSFDIを有するHCDR3、(d)配列QSVSSSYを有するLCDR1、(e)配列GASを有するLCDR2、および(f)配列QQYGSSPWTを有するLCDR3を含む抗体との結合と競合する。
一実施形態では、アクチビンAアンタゴニストは、第2の療法と組み合わせて投与される。
総病変活動性および異所性骨の体積における抗アクチビンAアンタゴニストの影響を評価するための二重盲検試験の概略図を示す。 FOP疾患の進行を示すPET画像診断(図2A)、および異所性骨化(HO)病変に対するアクチビンAアンタゴニストの効果を示すPET画像診断(図2B)を示す。 FOP疾患の進行を示すPET画像診断(図2A)、および異所性骨化(HO)病変に対するアクチビンAアンタゴニストの効果を示すPET画像診断(図2B)を示す。 アクチビンAアンタゴニストによる治療が、PET画像診断によって分析されるように、総病変活動性をおおよそ25%低減したことを示す(p=0.074)。同様の低減が、CT分析によっても観察された。 既存の(「標的」)病変が、新しい病変とは別個に検査される場合にアクチビンAアンタゴニストの効果がより明らかであることを示す、PET/CT画像診断分析からの結果を示す。 既存の(「標的」)病変が、新しい病変とは別個に検査される場合にアクチビンAアンタゴニストの効果がより明らかであることを示す、PET/CT画像診断分析からの結果を示す。 活動性HO分析セット(AHO)における18F-NaF PETによる総病変活動性のベースラインからの変化率を示す。 活動性HO分析セット(AHO)における数値評価尺度(Numeric Rating Scale)(NRS)による週平均疼痛のベースラインからの変化率を示す。 活動性HO分析セット(AHO)における二重盲検期間中の新しい病変を有する患者の28週目の18F-NaF PETによる新しい病変の総病変活動性を示す。 活動性HO分析セット(AHO)における18F-NaF PETによる新しいHO病変を有する患者の率を示す。 活動性HO分析セット(AHO)における二重盲検期間中の新しい病変を有する患者の28週目のCTによる新しい病変の総体積を示す。 活動性HO分析セット(AHO)におけるCTによる新しいHO病変を有する患者の率を示す。 例示的な抗アクチビンAモノクローナル抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列(それぞれ配列番号25および26)を示す。
定義
アンタゴニストは、典型的には、単離した形態で提供される。このことは、アンタゴニストが、典型的には、その産生または精製から生じる干渉タンパク質および他の汚染物質の純度が少なくとも50%w/wであるが、アンタゴニストが、その使用を容易にすることを意図する過剰な薬学的に許容される担体または他のビヒクルと組み合わされる可能性を除外しないことを意味している。場合によっては、アンタゴニストは、産生または精製からの干渉タンパク質および汚染物質の純度が、少なくとも60、70、80、90、95、または99%w/wである。
アミノ酸置換を保存的または非保存的に分類する目的で、アミノ酸を、以下のようにグループ分けする。グループI(疎水性側鎖):met、ala、val、leu、ile、グループII(中性親水性側鎖):cys、ser、thr、グループIII(酸性側鎖):asp、glu、グループIV(塩基性側鎖):asn、gln、his、lys、arg、グループV(鎖の方向に影響を与える残基):gly、pro、およびグループVI(芳香族側鎖):trp、tyr、phe。保存的置換は、同じクラス内のアミノ酸間の置換を伴う。非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのメンバーを別のクラスのメンバーと交換することを構成する。
配列同一性パーセンテージは、可変領域についてのKabat番号付け規則または定常領域についてのEU番号付けによって最大限にアラインメントされた抗体配列を用いて決定される。他のタンパク質について、配列同一性は、Wisconsin Genetics Software Package Release 7.0,Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,WI)において、デフォルトギャップパラメータを使用して、または検査、および最良のアラインメントによって、BESTFIT、FASTA、およびTFASTAなどのアルゴリズムを使用して配列をアラインメントすることによって決定され得る。アラインメントの後、対象の抗体領域(例えば、重鎖または軽鎖の成熟可変領域全体)が、参照抗体の同じ領域と比較される場合、対象と参照抗体領域との間の配列同一性パーセンテージは、対象および参照抗体領域の両方で同じアミノ酸によって占められる位置の数を、2つの領域のアラインメントされた位置の総数(ギャップはカウントされない)で割り算し、100を掛け算してパーセンテージに変換する。
1つ以上の列挙された要素を「含む」組成物または方法は、具体的に列挙されていない他の要素を含み得る。例えば、抗体を含む組成物は、抗体を単独で、または他の成分と組み合わせて含有し得る。
ヒト化抗体は、非ヒト「ドナー」抗体由来のCDRが、ヒト「アクセプター」抗体配列にグラフト接合される、遺伝子操作された抗体である(例えば、Queen、US5,530,101および5,585,089、Winter、US5,225,539、Carter、US6,407,213、Adair、US5,859,205および6,881,557、Foote、US6,881,557を参照されたい)。アクセプター抗体配列は、例えば、成熟ヒト抗体配列、そのような配列のコンポジット、ヒト抗体配列のコンセンサス配列、または生殖細胞系列領域配列であり得る。したがって、ヒト化抗体は、ドナー抗体および可変領域フレームワーク配列および定常領域から(存在する場合、完全にまたは実質的にヒト抗体配列から)の完全にまたは実質的にいくつかのまたはすべてのCDRを有する抗体である。同様に、ヒト化重鎖は、ドナー抗体重鎖、ならびに重鎖可変領域フレームワーク配列および重鎖定常領域から(存在する場合、実質的にヒト重鎖可変領域フレームワークおよび定常領域配列から)少なくとも1つ、2つ、および通常は3つすべてのCDRを完全にまたは実質的に有する。同様に、ヒト化軽鎖は、ドナー抗体軽鎖、ならびに軽鎖可変領域フレームワーク配列および軽鎖定常領域から(存在する場合、実質的にヒト軽鎖可変領域フレームワークおよび定常領域配列から)少なくとも1つ、2つ、および通常は3つすべてのCDRを完全にまたは実質的に有する。ナノボディおよびdAb以外のヒト化抗体は、ヒト化重鎖と、ヒト化軽鎖と、を含む。ヒト化抗体におけるCDRは、対応する残基(Kabatによって定義されるような)の少なくとも85%、90%、95%、または100%がそれぞれのCDR間で同一である場合、非ヒト抗体における対応するCDRと実質的に異なる。抗体鎖の可変領域フレームワーク配列または抗体鎖の定常領域は、Kabatによって定義される対応する残基の少なくとも85、90、95、または100%が同一である場合、それぞれ実質的にヒト可変領域フレームワーク配列またはヒト定常領域に由来する。
ヒト化抗体は、しばしば、マウス抗体由来の6個のCDR(好ましくは、Kabatによって定義される)すべてを組み込むが、それらはまた、すべてのCDRより少ない(例えば、マウス抗体由来の少なくとも3、4、または5個のCDR)で作製され得る(例えば、Pascalis et al.,J.Immunol.169:3076,2002、Vajdos et al.,Journal of Molecular Biology,320:415-428,2002、Iwahashi et al.,Mol.Immunol.36:1079-1091,1999、Tamura et al.,Journal of Immunology,164:1432-1441,2000)。
キメラ抗体は、非ヒト抗体(例えば、マウス)の軽鎖および重鎖の成熟可変領域が、ヒト軽鎖および重鎖の定常領域と組み合わされた抗体である。かかる抗体は、マウス抗体の結合特異性を実質的にまたは完全に保持し、約3分の2のヒト配列である。
ベニヤ化抗体は、非ヒト抗体のCDRのいくつかおよび通常はすべて、ならびに非ヒト可変領域フレームワーク残基のいくつかを保持するが、B細胞またはT細胞エピトープ、例えば露出した残基に寄与し得る他の可変領域フレームワーク残基を、ヒト抗体配列の対応する位置からの残基と置き換わったヒト化抗体の一種である(Padlan,Mol.Immunol.28:489,1991)。その結果は、CDRが完全にまたは実質的に非ヒト抗体由来であり、非ヒト抗体の可変領域フレームワークが置換によって、よりヒト様になる抗体である。
ヒト抗体は、ヒトから単離してもよく、またはそうでなければヒト免疫グロブリン遺伝子の発現から生じてもよい(例えば、トランスジェニックマウス、インビトロ、またはファージディスプレイによる)。ヒト抗体を産生するための方法としては、Oestberg et al.,Cys muoma 2:361-367(1983)、Oestberg,米国特許第4,634,664号、およびEngleman et al.,米国特許第4,634,666号のトリオーマ法が挙げられる。モノクローナル抗体はまた、ヒト免疫系遺伝子を保有するトランスジェニックマウス、例えば、Regeneron Pharmaceuticals,Inc.からのVelocImmune(登録商標)マウス(Murphy,PNAS 111 no.14,5153-5158(2014)、Xenomouse、Jakobovits,Nature Biotechnology 25,1134-1143(2007)、またはMedarex,Inc.からのHuMAbマウス(Lonberg,Handbook Exp.Pharmacol.181,69-97(2008)、Lonberg et al.,WO93/12227(1993)、US5,877,397、US5,874,299、US5,814,318、US5,789,650、US5,770,429、US5,661,016、US5,633,425、US5,625,126、US5,569,825、US5,545,806、Nature 148,1547-1553(1994),Nature Biotechnology 14,826(1996),Kucherlapati,WO91/10741(1991)によって産生され得る。ヒト抗体はまた、ファージディスプレイ方法によって産生され得る(例えば、Dower et al.,WO91/17271およびMcCafferty et al.、WO92/01047、US5,877,218、US5,871,907、US5,858,657、US5,837,242、US5,733,743、およびUS 5,565,332を参照されたい)。
アンタゴニストが、親抗体に由来する親抗体の特性を保持するといわれる場合、その保持は、完全なものであってもよく、または部分的なものであってもよい。活性の完全な保持は、アンタゴニストの活性が、実験誤差内で同じであるか、またはその由来となる分子の活性よりも大きいことを意味する。活性の部分的保持とは、陰性対照のバックグラウンドレベルを著しく超える(すなわち、実験誤差を超える)活性、好ましくは、その由来となった分子の対応する活性の少なくとも50%を意味する。
一方の抗体の結合を低減または除外する抗原におけるすべてのアミノ酸変異が、もう一方の結合を低減または除外する場合、2つの抗体は、同じエピトープを有する。一方の抗体の結合を減少または除外するいくつかのアミノ酸変異が、もう一方の結合を減少または除外する場合、2つの抗体は、重複エピトープを有する。
抗体間の競合は、試験中の抗体が共通抗原に対する参照抗体の特異的結合を阻害するアッセイによって決定される(例えば、Junghans et al.,Cancer Res.50:1495,1990を参照されたい)。過剰量の試験抗体(例えば、少なくとも2倍、5倍、10倍、20倍、または100倍)が、競合結合アッセイで測定される場合、参照抗体の結合を少なくとも50%、しかし、好ましくは75%、90%、または99%阻害する場合、試験抗体は、参照抗体と競合する。競合アッセイによって特定される抗体(競合抗体)は、参照抗体と同じエピトープに結合する抗体、および立体障害を生じさせるために参照抗体によって結合されるエピトープに十分に近接する隣接エピトープに結合する抗体を含む。
I.概要
アクチビンA抗体は、進行性骨化性線維異形成症(FOP)のマウスモデルにおいて以前に試験されている(例えば、その内容全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる、2015年9月14日に出願されたEP3191512B1を参照されたい)。しかしながら、Acvr1[R206H]COIN/+;Gt(ROSA26)SorCreERT2/+マウスモデルなどのFOPのマウスモデルは、その構成的変異体が生存可能でないことが判明したため、すべて条件付きノックアウトである。したがって、FOPマウスモデルでは、タモキシフェンで疾患を「オンにする(turn on)」場合があり、これらの現在利用可能なFOPマウスモデルは、変異体タンパク質(例えば、ALK2R206H)の発現が構成的であるヒト疾患を研究するための最適なモデルではない。
本開示は、一部には、アクチビンAアンタゴニストによってFOPヒト対象を治療すると、新しい異所性骨化(HO)骨成長の進行を劇的に低減および/または予防し、病変成長および石灰化の平均速度を低減させるという驚くべき発見に基づいている。しかしながら、アクチビンAアンタゴニストによる治療は、驚くべきことに、既に存在する骨病変には影響を及ぼさなかった。
したがって、本明細書に開示されるのは、ヒトにおいてミュンヒマイアー病としても知られる進行性骨化性線維異形成症(FOP)を治療するための方法であり、本明細書で提供される。かかる方法は、FOPを有するヒト対象に、治療有効量のアクチビンAアンタゴニストを投与することを伴う。
II.アクチビンA
リガンドのトランスフォーミング増殖因子β(TGFβ)スーパーファミリーとしては、例えば、骨形成タンパク質(BMP)および増殖分化因子(GDF)が挙げられる。これらのリガンドのための受容体は、I型およびII型膜貫通セリン/トレオニンキナーゼ受容体で構成されるヘテロマー受容体複合体である。I型受容体の例としては、アクチビン受容体IA型(ACTRIA、ACVR1、またはALK2)、BMP受容体IA型およびBMP受容体IB型が挙げられる。II型受容体の例としては、アクチビン受容体IIA型およびIIB型(ACTRIIAまたはACVR2AおよびACTRIIBまたはACVR2B)ならびにBMP受容体II型が挙げられる。TGFβスーパーファミリーのリガンドはそれぞれ、異なるI型受容体およびII型受容体に対して異なる親和性を有する。
ヒトにおけるアクチビンAは、ホモ二量体またはヘテロ二量体タンパク質として存在し得る。ホモ二量体タンパク質は、ホモ二量体ベータAサブユニット対を含有する。ヘテロ二量体タンパク質は、ベータサブユニットおよびベータB、ベータC、またはベータEサブユニット(すなわち、ベータAベータB、ベータAベータC、またはベータAベータE)を含有する。このサブユニットは、それぞれ、シグナルペプチド、プロペプチド、および成熟ポリペプチドを含む前駆体ポリペプチドとして発現される。ヒトベータAサブユニット前駆体の例示的な形態は、Swiss Prot P08476と称される長さ426アミノ酸のポリペプチドであり、その残基1~20は、シグナルペプチドであり、残基21~310は、プロペプチドであり、残基311~426は、成熟ポリペプチドである。ベータBサブユニット前駆体ポリペプチドの例示的な形態は、Swiss Prot P09529と称され、その残基1~28は、シグナルペプチドであり、残基29~292は、プロペプチドであり、残基293~407は、成熟ポリペプチドである。ベータCサブユニットの例示的な形態は、Swiss Prot P55103と称され、その残基1~18は、シグナルペプチドであり、残基19~236は、プロペプチドであり、残基237~352は、成熟ポリペプチドである。ベータEサブユニット前駆体の例示的な形態は、Swiss Prot P58166と称され、その残基1~19は、シグナルペプチドであり、残基20~236は、プロペプチドであり、残基237~350は、成熟ポリペプチドである。これらの配列のいくつかのバリアントは、Swiss Prot Data baseに記載されているように、既知である。アクチビンAとの言及には、ベータAホモ二量体、ベータAベータB、ベータAベータCおよびベータAベータEヘテロ二量体形態のいずれか、およびそれらのサブユニット、ならびにサブユニットが提供される例示的なSwiss Prot配列またはこれらの配列の他の天然に存在するヒト形態によって定義されるプロペプチドおよび/またはシグナルペプチドに接続するそれらの前駆体が含まれる。アクチビンAは、ACVR2AまたはACVR2Bへの結合を介してシグナル伝達するが、ACVR1のためのリガンドであることは知られていない。アクチビンAは、変異体ACVRを介して異常にシグナル伝達し、骨形成シグナルを形質導入し、異所性骨形成を誘発する。
I型およびII型受容体の両方が、細胞外リガンド結合ドメイン(ECD)と、細胞内セリン/トレオニンキナーゼドメインと、を有する。加えて、I型受容体は、キナーゼドメインに先行するグリシン/セリンリッチ領域(GS-ボックス)と、キナーゼドメイン内にL45ループと、を有する。両方の受容体は、リガンドと協力して、Smadおよび非Smadシグナル伝達経路などの下流のシグナル伝達経路を活性化する。活性化は、II型受容体キナーゼによるI型受容体のGSボックスのリガンド結合、リガンド-受容体オリゴマー化、およびトランスリン酸化を伴う。II型受容体キナーゼは、構成的に活性であり、I型受容体のリガンド結合および活性化において役割を有する。
ACVR1は、アクチビン受容体I型、ACVR1A、ACVRLK2、ALK2としても知られており、リガンドのTGFβスーパーファミリーのためのI型受容体である。ACVR1は、セリン/トレオニンキナーゼ活性を有し、Smadタンパク質をリン酸化し、下流のシグナル伝達経路を活性化する。ACVR1は、骨格筋および軟骨を含む身体の多くの組織にみられ、骨および筋肉の成長および発達を制御するのに役立つ。本明細書の他の箇所に記載されるように、ACVR1遺伝子の特定の変異は、FOPを引き起こす。ACVR1活性の例としては、リガンドに結合する能力、II型受容体と複合体を形成する能力、または下流のシグナル伝達経路(例えば、Smad経路)を活性化する能力が挙げられる。
ACVR2は、アクチビン受容体II型としても知られており、リガンドのTGFβスーパーファミリーのためのII型受容体である。少なくとも2つのACVR2受容体、例えば、アクチビン受容体IIA型(ACVR2AまたはACTRIIA)およびアクチビン受容体IIB型(ACVR2BまたはACTRIIB)が存在する。ACVR2との言及は、ACVR2AおよびACVR2Bのいずれかまたは両方を含む。ACVR2AおよびACVR2Bは、骨格筋、胃、心臓、子宮内膜、精巣、前立腺、卵巣、および神経組織を含む、複数の組織で発現され得る。
リガンド結合に関して、ACVR2受容体は、ACVR1などのI型受容体と複合体を形成し、I型受容体のGSボックスをリン酸化することにより、I型受容体のキナーゼ活性を増強する。ACVR2AおよびACVR2B活性の例としては、リガンドに結合する能力、I型受容体と複合体を形成する能力、またはI型受容体をリン酸化する能力が挙げられる。
ヒトACVR2Aの例示的な形態は、Swiss Protアクセッション番号P27037を有する。残基1~19は、シグナルペプチドであり、残基20~135は、細胞外ドメインであり、残基59~116は、アクチビンI型およびII型受容体ドメインであり、残基136~161は、膜貫通ドメインであり、残基162~513は、細胞質ドメインである。ヒトACVR2Bの例示的な形態は、Swiss Prot番号Q13705に割り当てられている。残基1~18は、シグナル配列であり、残基19~137は、細胞外ドメインであり、残基27~117は、アクチビンI型およびII型受容体ドメインであり、残基138~158は、膜貫通ドメインであり、残基159~512は、細胞質ドメインである。ヒトACVR1の例示的な形態は、Swiss Protアクセッション番号Q04771を有する。残基1~20は、シグナル配列であり、残基21~123は、細胞外ドメインであり、残基33~104は、アクチビンI型およびII型受容体ドメインであり、残基124~146は、膜貫通ドメインであり、残基147~509は、細胞質ドメインである。ACVR1、ACVR2AおよびACVR2Bのいずれかに対する言及には、これらの例示的な形態、既知のアイソフォームおよびその多型、例えば、Swiss Protデータベースに列挙されているもの、他の種由来の同族形態、ならびに例示的な形態と少なくとも90、95、96、97、98、または99%の配列同一性を有する他のバリアントが含まれる。
上に定義される例示される配列以外のACVR2A、ACVR2BおよびACVR1の形態の残基は、対応する例示される配列との最大アラインメントによって番号が付けられるため、アラインメントされた残基に同じ番号が割り当てられる。例示される配列からの置換は、保存的置換または非保存的置換であり得る。ACVR1、ACVR2AまたはACVR2Bとの言及はまた、インタクトな細胞外ドメイン(例えば、それぞれACVR2A、ACVR2BおよびACVR1の残基20~135、19~137または21~123)、あるいは膜貫通部分および細胞質部分を含まないか、または実質的に含まないそれらの一部分も含む。細胞外ドメインの一部分は、インタクトな細胞外ドメインに結合し、それによって関連する受容体に拮抗する少なくとも1つのリガンドまたは対抗受容体に結合するのに十分な、インタクトな細胞外ドメインの残基を保持する(例えば、それぞれ、ACVR2A、ACVR2BおよびACVR1の残基59~116、27~117または33~104)。
III.アクチビンAのアンタゴニスト
A.抗体
「抗体」という用語は、重鎖および軽鎖の2つの対を有するインタクト抗体、抗原に結合することができる抗体断片(例えば、Fab、F(ab’)、Fv、一本鎖抗体、ダイアボディ、抗体キメラ、ハイブリッド抗体、二重特異性抗体、ヒト化抗体など)、および前述のものを含む組換えペプチドを包含する。
「抗体断片」は、インタクト抗体の一部、好ましくはインタクト抗体の抗原結合領域または可変領域を含む。抗体断片の例には、Fab、F(ab’)2、およびFv断片、ダイアボディ、線形抗体(Zapata et al.(1995)Protein Eng.10:1057-1062)、一本鎖抗体分子、および抗体断片から形成された多重特異性抗体が含まれる。
抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルであり得る。「モノクローナル抗体」は、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体であり、すなわち、集団を構成する個々の抗体は、少量で存在し得る天然に生じる可能性のある変異を除いて、同一である。モノクローナル抗体は、多くの場合、高度に特異的であり、単一の抗原部位を指向している。さらに、典型的には異なる決定基(エピトープ)に対して指向性を有する異なる抗体を含む従来の(ポリクローナル)抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は、典型的に、抗原上の単一の決定基に対して指向性である。「モノクローナル」という修飾語は、B細胞のクローン集団によって産生されるものなど、実質的に均質な抗体集団から得られる抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による抗体の産生を必要としない。
本明細書で提供される方法に従って使用されるモノクローナル抗体は、Kohler et al.(1975)Nature 256:495によって最初に記載されるハイブリドーマ法、またはその改変法によって作製され得る。典型的には、マウスなどの動物は、抗原(例えば、アクチビンA、ACVR1、ACVR2Aおよび/またはACVR2Bポリペプチド、または特に細胞外ドメイン(受容体内)またはその一部)を含有する溶液で免疫化される。
免疫化は、生理食塩水中、好ましくはフロイント完全アジュバントなどのアジュバント中で抗原含有溶液を混合または乳化し、混合物またはエマルションを非経口的に注射することによって実施され得る。動物の免疫化後、脾臓(および任意選択的に、いくつかの大きなリンパ節)を除去し、単一細胞に解離させる。脾臓細胞は、細胞懸濁液を、目的の抗原でコーティングされたプレートまたはウェルに塗布することによってスクリーニングすることができる。抗原に特異的な膜結合免疫グロブリンを発現するB細胞は、プレートに結合し、洗い流されない。得られたB細胞、またはすべての解離された脾臓細胞は、次いで骨髄腫細胞と融合してハイブリドーマを形成するように誘導され、選択培地中で培養される。得られた細胞を、連続希釈によって播種し、目的の抗原に特異的に結合する(および無関係の抗原に結合しない)抗体の産生についてアッセイする。次いで、選択されたモノクローナル抗体(mAb)分泌ハイブリドーマをインビトロ(例えば、組織培養ボトルまたは中空繊維反応器中)またはインビボ(マウスにおける腹水として)で培養する。
代替的に、モノクローナル抗体は、組換えDNA法によって作製され得る(例えば、米国特許第4,816,567号を参照されたい)。モノクローナル抗体は、例えば、Clackson et al.(1991)Nature 352:624-628、Marks et al.(1991)J.Mol.Biol.222:581-597、および米国特許第5,514,548号に記載されている技術を使用して、ファージ抗体ライブラリから単離することもできる。
「抗体」は、アクチビンA、ACVR1、ACVR2A、ACVR2Bのいずれかに対する、上に定義される、キメラ抗体、ベニヤ化抗体、ヒト化抗体およびヒトモノクローナル抗体を含む。
それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは、異なるクラスに割り当てられ得る。免疫グロブリンには、5つの主要なクラスIgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMが存在し、これらのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2にさらに分けられ得る。免疫グロブリンの種々のクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれ、アルファ、デルタ、イプシロン、ガンマ、およびミューと呼ばれる。免疫グロブリンの種々のクラスのサブユニット構造および三次元構造は、周知である。
本発明のモノクローナル抗体またはFc融合タンパク質は、様々な抗体クラスのうちのいずれかであり得る。一実施形態では、モノクローナル抗体は、IgGクラス抗体である。他の実施形態では、モノクローナル抗体は、IgM、IgE、IgD、またはIgAクラスのものであり得る。特定の実施形態では、抗体は、IgGのアイソタイプ、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4、特にヒトIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4である。
軽鎖および/または重鎖のアミノ末端またはカルボキシ末端の1つまたは複数のアミノ酸、例えば重鎖のC末端リジンは、分子の一部またはすべてで欠損していてもよく、または誘導体化していてもよい。置換は、補体媒介性細胞傷害性またはADCCなどのエフェクター機能を低下または増加させるために(例えば、Winter et al.,米国特許第5,624,821号、Tso et al.,米国特許第5,834,597号、およびLazar et al.,proc.Natl.Acad.Sci.USA 103:4005,2006)、またはヒトにおける半減期を延長するために(例えば、Hinton et al.,J.Biol.Chem.279:6213,2004を参照されたい)、定常領域内で行うことができる。例示的な置換は、抗体の半減期を増加させるための位置250におけるGlnおよび/または位置428におけるLeu(EU番号付け)を含む。234、235、236、および/または237位のいずれかでの置換は、Fcγ受容体、特にFcγRI受容体に対する親和性を低下させる(例えば、米国第6,624,821号を参照されたい)。任意選択的に、ヒトIgG2中の234、236、および/または237位は、アラニンで置換され、235位は、グルタミンで置換されている。(例えば、US5,624,821を参照されたい。)エフェクター機能はまた、PVAによる232~236位のEFLGの置換によって低減することができる(WO14/121087を参照)。任意選択的に、428位のSは、特にヒトIgG4においてPによって置き換えられ、内因性免疫グロブリンと外因性免疫グロブリンとの間の交換を低減することができる。他の変異は、例えばN-X-S/TモチーフでのN結合グリコシル化などの翻訳後修飾部位を追加または除去することができる。変異としては、二重特異性抗体の産生のための異なる重鎖間のヘテロ二量体の形成を促進するためのノブ(すなわち、1つ以上のアミノ酸をより大きなアミノ酸に置き換える)またはホール(すなわち、1つ以上のアミノ酸をより小さいアミノ酸に置き換える)の導入も挙げることができる。ノブおよびホールの対を形成するための例示的な置換は、それぞれ、T336YおよびY407Tである(Ridgeway et al.,Protein Engineering vol.9 no.7 pp.617-621,1996)。変異はまた、EU番号付けシステムにおけるタンパク質A相互作用を低減する変異(例えば、H435RおよびY436F)を含み得る。1つの重鎖がそのような変異を有し、別の重鎖がそのような変異を有さない二重特異性抗体は、タンパク質A親和性クロマトグラフィーによって、それらの親抗体から分離することができる。
抗体は、アクチビンAに特異的に結合する抗体も含み得る。かかる抗体は、アクチビンAのベータAベータA、ベータAベータB、ベータAベータC、およびベータAベータE形態のいずれかまたはすべてに特異的に結合し得る。いくつかの抗体は、これらの形態のうちの1つのみ(すなわち、ベータAベータA、ベータAベータB、ベータAベータC、またはベータAベータE)に特異的に結合する。ベータAベータB、ベータAベータCおよびベータAベータE形態に対する特異性は、それぞれベータB、ベータCもしくはベータEサブユニット内のエピトープによって、またはヘテロ二量体の両方の構成要素が寄与するエピトープに対して付与することができる。ベータAベータに対する特異性は、ホモ二量体内の両方の分子によって寄与されるエピトープによって付与され得る(例えば、サブユニットの界面で)。いくつかの抗体は、これらの形態のアクチビンAのすべてに特異的に結合し、その場合、エピトープは典型的には、ベータAサブユニット上にある。抗体は、典型的には、前駆体タンパク質の成熟ポリペプチド構成要素内にエピトープを有する。いくつかの抗体は、アルファ(Swiss Prot P05111)ベータAまたはアルファベータBヘテロ二量体の形態で存在し、ヒトインヒビンに結合することなく、任意またはすべての形態のアクチビンAに特異的に結合する。いくつかの抗体は、任意またはすべての形態のアクチビンAに特異的に結合し、ヒトインヒビンのいずれかまたは両方の形態に結合する。かかる抗体は、その対抗受容体、ACVR2Aおよび/またはACVR2Bおよび/またはBMPR2のうちの1つ以上を介したアクチビンAのシグナル伝達を阻害すると考えられているが、FOPを治療する方法におけるそのような抗体の使用には、機構の理解は必要ない。
アクチビンAに対するかなりの数の抗体が報告されている。例えば、米国特許第9,718,881号は、H4H10423P、H4H10424P、H4H10426P、H4H10429P、H4H10430P、H4H10432P2、H4H10433P2、H4H10436P2、H4H10437P2、H4H10438P2、H4H10440P2、H4H10442P2、H4H10445P2、H4H10446P2、H4H10447P2、H4H10447P2、H4H10448P2、H4H10452P2と称されるヒト抗体を開示する。米国特許第8,309,082号は、ヒト抗体A1~A14を開示している。アクチビンAに対するマウス抗体は、いくつかの商業的供給業者、例えば、R&D SystemsからのMAB3381またはNovus Biologicalsからの9H16またはMM0074-7L18(ab89307)AbCamから入手可能である。
好ましい抗体は、少なくとも10-1、10-1、1010-1、1011-1、1012-1、または1013-1のアクチビンAに対する親和性を有する(US2015/00373339の実施例3と同様に25℃で測定される)。いくつかの抗体は、10~1012-1の範囲内の親和性を有する。好ましい抗体は、4nM未満、好ましくは400pM未満または40pM未満のIC50で、アクチビンAのシグナル伝達を阻害する。いくつかの抗体は、4nM~10pMまたは3.5nM~35pMの範囲のIC50で、シグナル伝達を阻害する。
シグナル伝達阻害は、米国特許第9,718,881号の実施例6と同様に測定することができ、これは以下のようにまとめられる。ヒトA204横紋筋肉腫細胞株をSmad 2/3-ルシフェラーゼレポータープラスミドでトランスフェクトして、A204/CAGAx12-Luc細胞株を産生する。A204/CAGAx12-Luc細胞を、10%ウシ胎仔血清、ペニシリン/ストレプトマイシン/グルタミン、および250μg/mLのG418を補充したMcCoy’s 5A中で維持した。バイオアッセイについては、A204/CAGAx12-Luc細胞を、低血清培地、0.5%FBSおよびOPTIMEM中の10,000細胞/ウェルで96ウェルアッセイプレート上に播種し、37℃および5%COで一晩インキュベートした。アクチビンAは、1:3で100~0.002nMに連続的に希釈され、アクチビンを含有しない対照と共に開始しつつ、細胞に添加される。抗体は、適切なアイソタイプ対照抗体または抗体なしのいずれかを含有する対照試料を含む、100~0.002nM、1000~0.02nM、または300~0.005nMから開始する1:3で連続的に希釈され、100pMの一定濃度のアクチビンAを有する細胞に添加される。
いくつかの抗体は、受容体が細胞から発現されるとき、または細胞外ドメインが融合タンパク質としてFcドメインと融合され、融合タンパク質が支持体(例えば、Biacoreセンサーチップ)に固定化されるときに測定される場合、ACVR2Aおよび/またはACVR2Bおよび/またはBMPR2に対するアクチビンAの結合を少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%阻害する。そのような測定では、抗体およびアクチビンAは、等モル量で存在し、受容体または細胞外ドメインは過剰であるべきである。
いくつかの抗体は、成熟タンパク質のC11~S33およびC81~E111に対応する、全長アクチビンAの残基321~343または391~421内のエピトープに結合する。
本発明の例で使用される例示的な抗体は、米国特許第9,718,881号においてH4H10446Pと称されている。米国特許第9,718,881号のそれぞれ配列番号162、164、166、および168のアミノ酸配列を有する、その重鎖可変領域および重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3(それぞれ、本発明の配列番号1、2、3、および4)。米国特許第9,718,881号のそれぞれ配列番号146、148、150、および152のアミノ酸配列を有する、その軽鎖可変領域および軽鎖CDRであるCDRL1、CDRL2、およびCDRL3(それぞれ、本発明の配列番号5、6、7、および8)。H4H10446Pは、ACVR2Aおよび/またはACVRIIBを介したアクチビンA媒介性シグナル伝達を阻害するが、ACRIIAまたはACVR2Bに対するアクチビンAの結合を阻害するにしても、強く阻害するわけではない。ヒトアクチビンAに対する結合、またはH4H10446Pと同じヒトアクチビンA上のエピトープに対する結合に関してH4H10446Pと競合する他の抗体が含まれ、そのシグナル伝達阻害を共有することもまた含まれる。
本発明の方法で使用するための別の例示的な抗体は、米国特許第9,718,881号でH4H10430Pと称されている。米国特許第9,718,881号のそれぞれ配列番号66、68、70、および72のアミノ酸配列を有する、その重鎖可変領域および重鎖CDRであるCDRH1、CDRH2、およびCDRH3(それぞれ、本発明の配列番号9、10、11、および12)。米国特許第9,718,881号のそれぞれ配列番号74、76、78、および80のアミノ酸配列を有する、その軽鎖可変領域および軽鎖CDRであるCDRL1、CDRL2、およびCDRL3(それぞれ、本発明の配列番号13、14、15、および16)。この抗体は、ACRV2Aおよび/またはACVR2BへのアクチビンAの結合を阻害し、これらの受容体の一方または両方を介したシグナル伝達を阻害する。アクチビンAに対する結合またはH4H10430Pと同じアクチビンA上のエピトープに対する結合についてH4H10430Pと競合し、それに対するアクチビンA結合およびACVR2AおよびACVR2Bを介するシグナル伝達を阻害するその特性を共有する、他の抗体も含まれる。
本発明の方法で使用するための例示的な抗体は、ガレトスマブである。組換えモノクローナル抗体ガレトスマブは、2つのジスルフィド結合したヒト重鎖(IgG4アイソタイプ)からなる共有結合ヘテロ四量体であり、各々は、ヒトカッパ軽鎖に対するジスルフィド結合を介して共有結合される。一次配列に基づいて、グリカンを含まない抗体は、16個のカノニカルジスルフィド結合の形成および各重鎖C末端からのLys453の除去を仮定して、145,235.3Daの予測分子量を有する。各重鎖は、IgG4アイソタイプ抗体が溶液中でハーフ抗体を形成する傾向を低下させるために、Fcドメインのヒンジ領域内のアミノ酸Pro234におけるセリンからプロリンへの変異を含有する。各重鎖上に1個のN結合グリコシル化部位(Asn303)が存在し、分子のFcドメインの定常領域内に位置している。ガレトスマブ重鎖および軽鎖可変ドメイン内の相補性決定領域(CDR)は、その標的:アクチビンA、アクチビンAB、およびアクチビンACの結合部位を一緒に形成する。重鎖および軽鎖アミノ酸配列、各ポリペプチド鎖内のCDRの位置、重鎖N結合グリコシル化部位の位置、およびガレトスマブモノクローナル抗体の予測ジスルフィド結合構造を図10に示す。
本方法で使用するための別の例示的な抗体は、米国特許第8,309,082号のA1と称される抗体であり、米国特許第8,309,082号の配列番号9および10(それぞれ本発明の配列番号17および18)の配列を有する軽鎖および重鎖の可変領域を特徴とする。米国特許第8,309,082号における、それぞれ配列番号11、12、および13の配列を有する、その軽鎖CDRであるCDRL1、CDRL2、およびCDRL3(それぞれ、本発明の配列番号19、20、および21)、ならびに米国特許第8,309,082号における、それぞれ配列番号62、63、および64の配列を有する、その重鎖CDRであるCDRH1、CDRH2、およびCDRH3(それぞれ、本発明の配列番号22、23、および24)。アクチビンAに対する結合またはH4H10430Pと同じアクチビンA上のエピトープに対する結合についてH4H10430Pと競合し、それに対するアクチビンA結合を阻害し、ACVR2Aおよび/ACVR2Bを介するシグナルを伝達するその特性を共有する、他の抗体も含まれる。
他の抗体は、上述の抗体のいずれかの重鎖および軽鎖をコードするcDNAの変異誘発によって得ることができる。成熟重鎖および/または軽鎖可変領域のアミノ酸配列における上述の抗体のいずれかに対して少なくとも90%、95%または99%同一であり、その機能特性を維持し、かつ/または少数の機能的に重要ではないアミノ酸置換(例えば、保存的置換)、欠失、または挿入によってそれぞれの抗体と異なるモノクローナル抗体もまた、本開示に含まれる。例示される抗体のいずれかの対応するCDRに対して90%、95%、99%、または100%同一である、少なくとも1、2、3、4、5、および好ましくは6個すべてのCDRを有するモノクローナル抗体もまた、含まれる。CDRは、好ましくは、Kabatによって定義される通りであるが、Chothia、複合Kabat-Chothia、接触定義、またはAbM定義などの任意の従来の代替定義によって定義することができる(ワールドワイドウェブbioinf.org.uk/absを参照されたい)。
B.タンパク質/ペプチド阻害剤
本開示の方法において有用なアクチビンAのアンタゴニストとしては、種々の分子、例えば、アクチビンAのペプチド阻害剤、ならびにそれらの種々の阻害性断片、誘導体、および類似体が挙げられる。本開示には、アクチビンAシグナル伝達の競合阻害剤として機能し得るアクチビンAのペプチド阻害剤、ならびにそれらの種々の阻害性断片、誘導体、および類似体も含まれる。いくつかの実施形態では、ペプチド阻害剤は、アクチビンAと本明細書に開示されるその受容体のいずれかとの間のシグナル伝達経路を阻害するフォリスタチン(例えば、PCT公開第WO2014/064292号を参照されたい)またはその誘導体もしくは類似体である。シグナル伝達阻害は、本明細書に既に開示されたように測定することができる。
アクチビンAのペプチド阻害剤は、当該技術分野で周知の様々な発現系を使用して核酸の対応する断片から組換え的に産生することができ、細菌(例えば、E.coli)、酵母(例えば、Saccharomyces cerevisiae)、昆虫(例えば、Sf9)、および哺乳動物細胞(例えば、CHO、COS-7)を含む、様々な宿主系は、産生に好適である。多くの発現ベクターが開発されており、これらの宿主のそれぞれに利用可能である。クローニングおよび発現のためのベクターおよび手順は、例えば、Sambrook et al.(Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1987))、およびAusubel et al.,1995で議論されている。本開示で有用な標準発現ベクターは、当該技術分野で周知であり、プラスミド、コスミド、ファージベクター、ウイルスベクター、および酵母人工染色体を含む(これらに限定されない)。ベクター配列は、Escherichia coli(E.coli)における増殖のための複製起点、SV40複製起点、宿主細胞における選択のためのアンピシリン、ネオマイシン、またはピューロマイシン抵抗性遺伝子、および/または優勢な選択可能マーカーと目的の遺伝子を増幅する遺伝子(例えば、ジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子)を含有し得る。
代替的に、アクチビンAのペプチド阻害剤は、例えば、従来のメリフィールド固相f-Mocまたはt-Boc化学などの当該該技術分野で既知の技術を使用して化学的に合成することができる。ペプチド合成の方法については、Bodansky,“Principles of Peptide Synthesis,”(Springer Verlag,Berlin(1993))、およびGrant(編集),“Synthetic Peptides:A User’s Guide,”(W.H.Freeman and Company,New York(1992))も参照されたい。加えて、自動ペプチドシンセサイザーが市販されている(例えば、Advanced ChemTech Model 396、Milligen/Biosearch 9600)。
特定の実施形態では、アクチビンAの有用なアンタゴニストは、ペプチドおよびペプチド模倣物などの小分子である。本明細書で使用される場合、「ペプチド模倣物」という用語には、天然に存在しないアミノ酸、ペプトイドなどを含有する、化学修飾されたペプチドおよびペプチド様分子が含まれる。ペプチド模倣物は、対象に投与したときの安定性の増強を含め、ペプチドに対する様々な利点を提供する。ペプチド模倣物を特定するための方法は、当該技術分野で周知であり、潜在的なペプチド模倣物のライブラリを含有するデータベースのスクリーニングを含む。例えば、Cambridge Structural Databaseは、既知の結晶構造を有する300,000を超える化合物の集合体を含有する(Allen et al.,Acta Crystallogr.Section B 35:2331(1979))。標的分子の結晶構造が利用可能でない場合、構造は、例えば、プログラムCONCORDを用いて生成することができる(Rusinko et al.,J.Chem.Inf.Comput.Sci.29:251(1989))。別のデータベースであるAvailable Chemicals Directory(Molecular Design Limited,Informations Systems;San Leandro Calif.)は、市販されている約100,000個の化合物を含有し、潜在的なペプチド模倣物を特定するために検索することもできる。
特定の実施形態では、アクチビンAのペプチド阻害剤は、翻訳後修飾をさらに含み得る。かかる修飾には、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質化、およびアシル化が含まれるが、これらに限定されない。結果として、修飾された可溶性ポリペプチドは、ポリエチレングリコール、脂質、多糖または単糖、およびホスフェートなどの非アミノ酸要素を含有し得る。かかる非アミノ酸要素がポリペプチドの機能性に及ぼす影響は、本明細書に記載される機能アッセイを使用して試験することができる。
C.小分子阻害剤
本開示はまた、アクチビンAの小分子阻害剤も包含する。小分子は、一般に低分子量(好ましくは、約2000ダルトン未満、約1000ダルトン未満、または約500ダルトン未満)を有する多様な合成物質および天然物質のグループである。小分子は、限定されないが、例えば、核酸、ペプチド、ポリペプチド、ペプチド核酸、ペプチド模倣物、炭水化物、脂質、または他の有機(炭素含有)分子もしくは無機分子であってもよく、合成もしくは天然に存在するか、または任意選択的に誘導体化され得る。かかる小分子は、治療的に送達可能な物質であってもよく、または送達または標的化を容易にするためにさらに誘導体化されてもよい。かかる小分子は、天然源(例えば、植物、真菌、微生物など)から単離することができ、合成化合物または天然化合物のランダムまたはコンビナトリアル化学ライブラリから単離することができ、または合成することができる。Werner et al.,(2006)Brief Funct.Genomic Proteomic 5(1):32-6を参照されたい。使用可能な多くのランダムまたはコンビナトリアル化学ライブラリが当該技術分野で既知である。糖、ペプチド、および核酸系の化合物のランダムかつ指向性の合成のために、多数の手段が現在使用されている。合成化合物ライブラリは、Maybridge Chemical Co.(Trevillet、Cornwall、UK)、Comgenex(Princeton、N.J.)、Brandon Associates(Merrimack、N.H.)、およびMicrosource(New Milford、Conn.)から市販されている。希少な化学ライブラリは、Aldrich(Milwaukee、Wis.)から入手可能である。代替的に、細菌、真菌、植物および動物の抽出物の形態の天然化合物のライブラリは、例えば、Pan Laboratories(Bothell、Wash.)またはMycoSearch(N.C.)から利用可能であるか、または容易に生成可能である。追加的に、天然および合成によって生成されたライブラリおよび化合物は、従来の化学的、物理的および生化学的手段を介して容易に修正される(Blondelle et al.,(1996)Tib Tech 14:60)。
アクチビンAのアンタゴニスト(例えば、小分子阻害剤)の特定およびスクリーニングは、例えば、X線結晶学、中性子回折、核磁気共鳴分光法、および構造決定のための他の技術を使用して、関与するタンパク質の構造的特徴を決定することによってさらに促進され得る。これらの技術は、アクチビンAのアンタゴニストの合理的な設計または特定を提供する。
D.アクチビンA発現またはアクチビンAシグナル伝達における下流の分子事象に影響を及ぼす化合物
本開示はまた、アクチビンAの発現を阻害するか、またはアクチビンAがその下流のシグナル伝達経路と関わることを防止する、アクチビンAの阻害剤を包含する。有用な発現阻害剤の非限定的な例としては、例えば、干渉RNA(例えば、siRNA)、dsRNA、RNAポリメラーゼIII転写DNA、リボザイム、およびアンチセンス核酸が挙げられる。
アンチセンスDNA、RNA、およびDNA/RNA分子を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的mRNAに結合することによってmRNAの翻訳を直接的に遮断し、タンパク質の翻訳を防止するように作用する。例えば、標的DNA配列の固有の領域に相補的な、少なくとも約15塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、例えば、従来のホスホジエステル技術によって合成することができる(Dallas et al.,(2006)Med.Sci.Monit.12(4):RA67-74、Kalota et al.,(2006)Handb.Exp.Pharmacol.173:173-96、Lutzelburger et al.,(2006)Handb.Exp.Pharmacol.173:243-59)。
siRNAは、典型的には、15~50塩基対、好ましくは21~25塩基対を含有し、細胞内の発現した標的遺伝子またはRNAと同一またはほぼ同一のヌクレオチド配列を有する二本鎖構造を含む。アンチセンスポリヌクレオチドは、これらに限定されないが、モルホリノ、2’-O-メチルポリヌクレオチド、DNA、RNAなどを含む。アクチビンA発現を阻害するsiRNAの例として、限定されないが、Hoda et al.,Br J Cancer.2012 Dec 4;107(12):1978-86に開示される抗アクチビンA siRNAが挙げられる。
RNAポリメラーゼIII転写DNAは、U6プロモーターなどのプロモーターを含有する。これらのDNAを転写して、siRNAとして機能することができる細胞内の小さなヘアピンRNA、またはアンチセンスRNAとして機能することができる線形RNAを産生することができる。阻害剤は、インビトロで重合されてもよく、組換えRNAであってもよく、キメラ配列を含有してもよく、またはこれらの基の誘導体であってもよい。阻害剤は、標的RNAおよび/または遺伝子が阻害されるように、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、合成ヌクレオチド、または任意の好適な組み合わせを含有し得る。加えて、これらの形態の核酸は、一本鎖、二本鎖、三本鎖、または四本鎖であり得る。(例えば、Bass(2001)Nature,411,428 429、Elbashir et al.,(2001)Nature,411,494 498、およびPCT公開番号WO00/44895号、第WO01/36646号、第WO99/32619号、第WO00/01846号、第WO01/29058号、第WO99/07409号、第WO00/44914号を参照されたい)。
リボザイムは、RNAの特異的な切断を触媒することができる酵素的RNA分子である。リボザイム作用の機構は、相補標的RNAに対するリボザイム分子の配列特異的ハイブリダイゼーション、続いてエンドヌクレオチド分解切断を伴う。mRNA配列のエンドヌクレオチド分解切断を特異的かつ効率的に触媒する操作されたハンマーヘッドモチーフリボザイム分子もまた、本開示の範囲内である。以下の配列、GUA、GUU、およびGUCを含むリボザイム切断部位について標的分子をスキャンすることで、最初に、任意の潜在的なRNA標的内の特異的なリボザイム切断部位を特定する。特定されると、切断部位を含有する標的遺伝子の領域に対応する約15~20個のリボヌクレオチドの短いRNA配列を、オリゴヌクレオチド配列を不適切なものにし得る二次構造などの予測される構造的特徴について評価することができる。候補標的の適合性は、例えば、リボヌクレアーゼ保護アッセイを使用して、相補的オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションに対するそれらのアクセス性を試験することによって評価することもできる。
本開示の発現阻害剤は、既知の方法によって調製することができる。これらには、例えば、固相ホスホアマイト(phosphoamite)化学合成によるものなどの化学合成のための技術が含まれる。代替的に、アンチセンスRNA分子は、RNA分子をコードするDNA配列のインビトロまたはインビボ転写によって生成され得る。かかるDNA配列は、T7またはSP6ポリメラーゼプロモーターなどの好適なRNAポリメラーゼプロモーターを組み込む多種多様なベクターに組み込まれ得る。例えば、Weintraub,H.et al.,Antisense RNA as a molecular tool for genetic analysis,Reviews--Trends in Genetics,Vol.1(1)1986を参照されたい。
本開示のオリゴヌクレオチドへの様々な修飾は、細胞内安定性および半減期を増加させる手段として導入することができる。考えられる修飾としては、限定されないが、分子の5’末端および/または3’末端に対するリボヌクレオチドもしくはデオキシリボヌクレオチドの隣接配列の付加、またはオリゴヌクレオチド骨格内のホスホジエステラーゼ結合以外のホスホロチオエートもしくは2’-O-メチルの使用が挙げられる。
多種多様な標的分子に結合するアプタマー核酸配列は、容易に作製される。本開示のアプタマー核酸配列は、完全にRNAまたは部分的にRNA、または完全にもしくは部分的にDNAおよび/または他のヌクレオチド類似体から構成され得る。アプタマーは、典型的には、SELEX(Systematic Evolution of Ligands by Exponential Enrichment)として知られる既知のインビボまたはインビトロ(最も典型的には、インビトロ)選択技術を用いることによって、特定のリガンドに結合するように開発される。アプタマーを作製する方法は、例えば、Ellington and Szostak(1990)Nature 346:818,Tuerk and Gold(1990)Science 249:505、米国特許第5,582,981号、PCT公開第WO00/20040号、米国特許第5,270,163号、Lorsch and Szostak(1994)Biochem.33:973、Mannironi et al.,(1997)Biochem.36:9726、Blind(1999)Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 96:3606-3610、Huizenga and Szostak(1995)Biochem.34:656-665、PCT公開第WO99/54506号、第WO99/27133号、および第WO97/42317号、ならびに米国特許第5,756,291号に記載される。
IV.ACVR1、ACVR2A、ACVR2Bのアンタゴニスト
I型受容体ACVR1およびII型受容体ACVR2タンパク質(例えば、ACVR2Aおよび/またはACVR2B)のアンタゴニストは、FOPを治療するために提供される。かかるアンタゴニストは、他の機構の中で特に、(ACVR1、ACVR2AもしくはACVR2Bに対する抗体のように)受容体に直接的に結合することによって、または間接的にリガンドもしくは対抗受容体に結合し、リガンドもしくは対抗受容体が(ACVR1、ACVR2AもしくはACVR2Bの融合タンパク質のように)ACVR1、ACVR2AもしくはACVR2Bに結合することを阻害することによって、受容体に拮抗することができる。ACVR2AおよびACVR2Bのアンタゴニストも、アクチビンAに結合し得る。
本明細書で提供されるACVR1、ACVR2AまたはACVR2Bアンタゴニストは、アンタゴニストを受けなかった対照細胞または動物モデルと比較して、ACVR1、ACVR2Aおよび/またはACVR2Bの活性を少なくとも1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%またはそれより多く阻害または低減することができる。
アクチビンAの任意のアンタゴニストは、FOPを治療するための方法において、単独で、またはACVR1、ACVR2AまたはACVR2Bのうちの1つ以上のアンタゴニストと組み合わせて使用することができる。アンタゴニストは、例えば、細胞外ドメイン、アンタゴニスト抗体、または小分子阻害剤などのアクチビンA、ACVR1、ACVR2A、またはACVR2Bポリペプチドを含むことができる。
A.ACVR1、ACVR2AおよびACVR2Bポリペプチドの細胞外ドメイン
アンタゴニストには、ACVR1、ACVR2A、およびACVR2Bタンパク質、ならびにそれぞれACVR1、ACVR2A、およびACVR2Bの少なくとも1つの活性を阻害するのに有効なそれらの断片が含まれる。かかるアンタゴニストとしては、典型的には、ACVR1、ACVR2AもしくはACVR2Bの細胞外ドメインまたはその一部が挙げられる。好ましくは、かかる細胞外ドメインは、膜貫通領域および細胞質領域を完全にまたは実質的に含まない(すなわち、これらの領域からの任意の残存する残基は、細胞外ドメインの機能に有意な影響を及ぼさない)。言い換えれば、かかるアンタゴニストのACVR2A、ACVR2BまたはACVR1構成要素は、上で定義されるようなACVR2A、ACVR2BまたはACVR1の細胞外ドメイン全体またはそれらの一部からなるか、またはそれらから本質的になる。かかるアンタゴニストは、以下にさらに記載されるようなACVR2A、ACVR2BまたはACVR1とは異なる他の構成要素を含んでいてもよく、または含んでいなくてもよい。かかる細胞外ドメインは、膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインを含まないか、または実質的に含まず、これらは可溶性である。かかる細胞外ドメインは、可溶性リガンドまたは対抗受容体に結合し、ACVR1、ACVR2AまたはACVR2B細胞表面受容体に結合したリガンドまたは対抗受容体と効果的に競合し、それによってインビボでリガンドまたは対抗受容体の可用性を調節する(低下させる)ことによって、アンタゴニストとして機能し得る。
可溶性細胞外ドメインは、最初に、発現過程で切断されるシグナル配列で発現され得る。シグナル配列は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,709,605号に記載されるものなどのACVR1、ACVR2AまたはACVR2Bのネイティブシグナル配列であり得るか、またはミツバチメリチン(HBM)または組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)などの異なるタンパク質からのシグナル配列であり得る。代替的に、可溶性細胞外ACVR1、ACVR2AまたはACVR2Bポリペプチドは、シグナル配列なしで合成または発現され得る。
ACVR1、ACVR2AおよびACVR2BのECDまたはリガンド結合ドメインは、マウスおよびヒトを含む種間で高度に保存されている。ECDは、システインリッチ領域と、C末端尾部領域と、を含有する。ACVR1、ACVR2AおよびACVR2BのECDは、例えば、アクチビンA、ミオスタチン(GDF-8)、GDF-11およびBMPを含む、TGFβファミリーリガンドの多様なグループに結合する。例えば、Souza et al.(2008)Molecular Endocrinology 22(12):2689-2702を参照されたい。
ACVR2AおよびACVR2Bポリペプチドならびに可溶性ACVR2AおよびACVR2Bポリペプチドの例としては、米国特許第7,842,633号、米国特許第7,960,343号、ならびに米国特許第7,709,605号に開示されるものが挙げられ、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
ACVR1、ACVR2AまたはACVR2BポリペプチドのECDは、バリアントポリペプチドが、変化したリガンド結合特性(例えば、結合特異性または親和性)を有するように変異させることができる。いくつかのバリアントACVR1、ACVR2AまたはACVR2Bポリペプチドは、特定のリガンドに対する変化した結合親和性(例えば、上昇または低下)を有する。バリアントは、天然に存在するACVR1、ACVR2A、またはACVR2B配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%の配列同一性を有し、生物学的活性を保持し、したがって、本明細書の他の場所に記載されるACVR1、ACVR2A、またはACVR2B活性を有する。ACVR2AおよびACVR2Bの活性バリアントおよび断片は、例えば、それぞれが参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第7,842,633号、米国特許第7,960,343号、および米国特許第7,709,605号に記載されている。
ACVR1、ACVR2AまたはACVR2B活性を測定するためのアッセイは、例えば、米国特許第7,842,633号、米国特許第7,960,343号、および米国特許第7,709,605号に開示されている。例えば、ACVR1、ACVR2AまたはACVR2Bポリペプチドバリアントを、リガンドに結合する能力について、またはACVR1、ACVR2AまたはACVR2B受容体タンパク質に対するリガンドの結合を防止する能力についてスクリーニングすることができる。
B.融合タンパク質
上述のACVR1、ACVR2AおよびACVR2Bポリペプチドは、ACVR1、ACVR2Aおよび/またはACVR2Bポリペプチドならびに1つ以上の融合ドメインの少なくとも一部分を有する融合タンパク質として発現することができる。
融合ドメインには、免疫グロブリン重鎖定常領域(Fc)、ヒト血清アルブミン(HSA)、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、タンパク質A、タンパク質G、または融合タンパク質の安定化、可溶化、単離もしくは多量体化に有用であり得る任意の融合ドメインが含まれる。
免疫グロブリン重鎖のFcドメインは、融合タンパク質のための好ましいドメインである。免疫グロブリンのFc部分との融合は、広範囲のタンパク質に所望の薬物動態特性を付与する(例えば、タンパク質の安定性および/または血清半減期を増加させる)。したがって、本開示は、免疫グロブリンのFcドメインに融合されたACVR1、ACVR2A、および/またはACVR2Bの少なくとも1つのECDを含む融合タンパク質を提供する。
本発明の方法で使用するためのFcドメインは、任意の免疫グロブリンに由来し得る。IgG、IgA、IgM、IgDおよびIgEを含む様々なクラスの免疫グロブリンのいずれかを使用することができる。IgGクラス内には、例えば、IgG、IgG、IgGおよびIgGを含む、異なるサブクラスまたはアイソタイプが存在する。一実施形態では、Fc融合タンパク質は、IgG分子のFcドメインを含む。さらなる実施形態では、Fcドメインは、IgG分子に由来する。免疫グロブリン分子は、例えば、哺乳動物、げっ歯類、ヒト、マウス、ラット、ハムスター、またはウサギを含む、任意の動物型であってもよい。一実施形態では、免疫グロブリンFcドメインは、哺乳動物由来である。別の実施形態では、Fcドメインは、ヒト由来である。さらに別の実施形態では、Fcドメインは、マウスまたはラットなどのげっ歯類由来である。特定の実施形態では、融合タンパク質のFcドメインは、ヒトIgG1由来である。
本明細書に提供されるFc融合タンパク質は、当該技術分野で知られる任意の方法によって作製され得る。Fc融合タンパク質は、少なくともCH2およびCH3領域、典型的にはヒンジ領域の少なくとも一部分を含み得る。CH1領域は、存在することができるが、典型的には融合タンパク質においては省略される。
融合は、免疫グロブリン定常ドメインのFc部分内の任意の部位で行われ得る。融合は、定常ドメインのFc部分のC末端に対して、または重鎖のCH1領域に対してすぐのN末端に対して行われ得る。Fc融合タンパク質の生物学的活性、分泌または結合の特徴を最適化するために特定の部位を選択することができる。
いくつかの場合では、ACVR1、ACVR2Aおよび/またはACVR2BのECDをコードする核酸は、免疫グロブリン定常ドメイン配列のN末端をコードする核酸に対してC末端に融合される。他の場合には、N末端融合も可能である。ACVR1、ACVR2Aおよび/またはACVR2BのECDを、免疫グロブリン定常ドメイン配列のN末端およびC末端の両方に融合させることも可能である。
免疫グロブリン融合物の産生については、それぞれが参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,428,130号、米国特許第5,843,725号、米国特許第6,018,026号、およびWO2005/070966号も参照されたい。
融合タンパク質は、例えば、融合タンパク質をコードする核酸の組換え発現によって生成することができる。例えば、融合タンパク質は、ACVR1、ACVR2Aおよび/またはACVR2BのECDをコードする核酸を、Fcドメインをコードする核酸に融合させることによって作製され得る。ACVR1、ACVR2Aおよび/またはACVR2B ECD核酸は、Fcドメインをコードする核酸のN末端に融合され得るか、またはFcドメインをコードする遺伝子のC末端に融合され得る。代替的に、ECDは、Fcドメイン内の任意の位置で融合され得る。
ECD融合タンパク質は、リンカーも含み得る。Fc融合タンパク質の場合、リンカーは、ACVR1、ACVR2A、またはACVR2BECDとFcドメインとの間に位置し、任意選択的に、ヒンジ領域の一部またはすべてを置き換えることができる。リンカーは、比較的二次構造を有しない1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、50個、またはそれより多いアミノ酸であり得る。リンカーは、グリシンおよびプロリン残基が豊富であってもよく、例えば、トレオニン/セリンおよびグリシンの反復配列(例えば、TGまたはSG反復)を含有することができる。
2つ以上のECD-Fc融合タンパク質は、リンカーによって一緒に接続され得る。かかる場合、リンカーをECD間に配置することができるか、またはリンカーをFcドメイン間に配置して、融合タンパク質を一緒に接続することができる。例えば、1、2、3、4またはそれよりも多くのACVR1、ACVR2Aおよび/またはACVR2B Fc融合タンパク質を一緒に連結することができる。
ACVR2Aおよび/またはACVR2B ECD融合タンパク質の例は、米国特許第7,842,633号、米国特許第7,960,343号、ならびに米国特許第7,709,605号に開示されるものが記載されており、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
ACVR2Aアンタゴニストの一例は、ソタテルセプト(Sotatercept)として知られている(ACE-011とも呼ばれる)。ソタテルセプトは、ヒトIgG1 Fcドメインに融合したACVR2AのECDを含有し、Carrancio et al.,(2014)British J Haematology.165(6):870-872に詳細に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ACVR2Bアンタゴニストの一例は、ACE-031として知られている。ACE-031は、ヒトIgG1 Fcドメインに融合したACVR2BのECDを含有し、Sako et al.,(2010)J.Biol.Chem.285(27):21037-21048に詳細に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ACVR1 ECD融合タンパク質の例、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれるBerasi,et al.,(2011)Growth Factors,29(4):128-139に開示されているものは、既知である。
C.ハイブリッドECD融合タンパク質
ハイブリッドまたは多重特異性ECD融合タンパク質アンタゴニストも提供される。ハイブリッドECD融合タンパク質は、2つ以上のACVR1、ACVR2Aおよび/またはACVR2B ECDの組み合わせを含み得る。例えば、融合タンパク質は、ACVR1、ACVR2Aおよび/またはACVR2B ECDの1、2、3、4個またはそれよりも多くの分子を含み得る。一実施形態では、アンタゴニストは、ACVR2B ECDに連結されたACVR2A ECDを含む。さらなる実施形態では、アンタゴニストは、Fcドメインをさらに含む。
一実施形態では、融合タンパク質は、ACVR2A ECDの1つ以上の分子と、ACVR2B ECDの1つ以上の分子と、を含み得る。別の実施形態では、融合タンパク質は、ACVR1 ECDの1つ以上の分子と、ACVR2A ECDの1つ以上の分子と、を含み得る。別の実施形態では、融合タンパク質は、ACVR1 ECDの1つ以上の分子と、ACVR2B ECDの1つ以上の分子と、を含み得る。
一実施形態では、融合タンパク質は、1つ以上のACVR2A ECD-Fc融合タンパク質と、一緒に複合体化される1つ以上のACVR2B ECD-Fc融合タンパク質と、を含む。別の実施形態では、融合タンパク質は、1つ以上のACVR1 ECD-Fc融合タンパク質と、一緒に複合体化される1つ以上のACVR2A ECD-Fc融合タンパク質と、を含む。別の実施形態では、融合タンパク質は、1つ以上のACVR1 ECD-Fc融合タンパク質と、一緒に複合体化される1つ以上のACVR2B ECD-Fc融合タンパク質と、を含む。かかる場合、融合タンパク質は、そのFcドメインを介して、例えば、少なくとも1つのジスルフィド結合によって、またはリンカー配列によって、一緒に接続され得る。代替的に、融合タンパク質のECD部分は、リンカー配列によって一緒に接続され得る。
一実施形態では、アンタゴニストは、第1のFcドメインに融合されたACVR2A ECDと、第2のFcドメインに融合されたACVR2B ECDと、を含む。かかる場合、Fcドメインは、互いに複合体化され得る。別の実施形態では、アンタゴニストは、各々がFcドメインに融合された、ACVR2AとACVR2B ECDとの間のリンカーを含む。
融合タンパク質は、ACVR1、ACVR2A、および/またはACVR2Bアンタゴニストをタンデム形式で生成するように構築され得る。一実施形態では、融合タンパク質は、ACVR1、ACVR2A、および/またはACVR2Bからの2つ以上のECDをタンデムに含み、続いてFcドメインを含む。いくつかの場合では、タンデムに配置されたECDは、リンカー配列によって分割されている。かかるタンデム融合タンパク質は、1、2、3、4個またはそれよりも多くのACVR1、ACVR2Aおよび/またはACVR2B ECDを含み得る。
D.抗体アンタゴニスト
ACVR1、ACVR2AまたはACVR2Bアンタゴニストは、これらの受容体のいずれかに対する(言い換えれば、それに特異的に結合する)抗体、好ましくは細胞外ドメイン内のエピトープを有する抗体を含む。抗体または融合タンパク質のその標的抗原に対する特異的結合は、少なくとも10、10、10、10、または1010-1の親和性を意味する。特異的結合は、検出可能なほど大きさが大きく、少なくとも1つの非関連標的に生じる非特異的結合と区別可能である。抗体を調製するための方法は、当技術分野で既知である。例えば、Kohler&Milstein(1975)Nature 256:495-497、およびHarlow&Lane(1988)Antibodies:a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Lab.,Cold Spring Harbor,NYを参照されたい。
ACVR1、ACVR2A、および/またはACVR2Bの活性を阻害または低減する任意の抗体(例えば、アンタゴニスト抗体)を使用することができる。かかるACVR2AおよびACVR2B抗体には、例えば、米国特許第8,486,403号、米国特許第8,128,933号、WO2009/137075、およびLach-Trifilieff,et al.(2014)Mol.Cell Biol.34(4):606-618に開示されている抗体が含まれ、これらのそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。これらの抗体のいずれかのヒト化形態、キメラ形態、およびベニヤ化形態は、それらとの結合と競合する抗体であるため、含まれる。
一実施形態では、抗体は、抗ACVR2A抗体である。別の実施形態では、抗体は、抗ACVR2B抗体である。他の実施形態では、抗体は、ACVR2AおよびACVR2Bの両方に対する二重特異性抗体であり得る。別の実施形態では、抗体は、抗ACVR1抗体である。他の実施形態では、抗体は、ACVR1およびACVR2Aの両方に対する、またはACVR1およびACVR2Bの両方に対する二重特異性抗体であり得る。
E.小分子アンタゴニスト
アクチビンA、ACVR1、ACVR2AおよびACVR2Bのアンタゴニストもまた、低分子アゴニストであり得る。かかる小分子アンタゴニストは、アクチビンA、ACVR1、ACVR2AまたはACVR2Bの活性を阻害し得る。ACVR1の小分子アンタゴニストとしては、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれるMohedas et al.,(2013)ACS Chem.Biol.8:1291-1302に記載されるLDN-212854が挙げられる。
V.スクリーニングアッセイ
本明細書に提供される様々なアクチビンA、ACVR1、ACVR2Aおよび/またはACVR2Bアンタゴニスト、およびそれらのバリアントまたは断片の活性は、様々なアッセイでスクリーニングすることができる。例えば、ACVR1および/もしくはACVR2ポリペプチドに対するリガンドの結合を阻害する能力について、かつ/またはACVR1もしくはACVR2受容体の活性を阻害する能力について、ACVR1、ACVR2Aおよび/またはACVR2Bアンタゴニスト、ならびにそれらのバリアントは、リガンドに結合する能力、またはACVR1、ACVR2AもしくはACVR2B受容体に結合する能力についてスクリーニングすることができる。
ACVR1またはACVR2アンタゴニストまたはそのバリアントもしくは断片の活性は、インビトロまたは細胞系アッセイで試験することができる。インビトロ結合アッセイおよび受容体活性の阻害を測定するためのアッセイは、周知である。ACVR1、ACVR2AまたはACVR2Bアンタゴニストの活性を測定するための様々なアッセイが、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,842,663号に詳細に記載されている。
ACVR1またはACVR2ポリペプチドとその結合タンパク質との間の複合体形成を調節するアンタゴニストの能力は、様々な技術によって検出することができる。例えば、複合体の形成の調節は、例えば、イムノアッセイによって、またはクロマトグラフィー検出によって、放射標識された(例えば、32P、35S、14C、またはH)、蛍光標識された(例えば、FITC)、または酵素的に標識されたACVR1もしくはACVR2ポリペプチドまたはその結合タンパク質などの検出可能な標識されたタンパク質を使用して定量化することができる。
ACVR1またはACVR2アンタゴニストがACVR1またはACVR2受容体媒介性シグナル伝達を阻害する能力を監視することができる。例えば、Smad活性化などの下流のシグナル伝達の効果は、Smad応答性レポーター遺伝子を使用して監視することができる。
ACVR1および/またはACVR2アンタゴニストおよびそのバリアントまたは断片は、インビボアッセイにおいて活性についてスクリーニングすることもできる。例えば、ACVR1またはACVR2アンタゴニストまたはそのバリアントを、FOPのマウスモデルにおいてFOPを治療する能力(例えば、異所性骨形成を減少させる能力)についてスクリーニングすることができる。Acvr1[R206H]をコードする条件付き対立遺伝子を保有するトランスジェニックノックインマウスが開発されている。これらのAcvr1[R206H]COIN/+マウスは、その全体が参照により本明細書に組み込まれるUS14/207,320およびPCT/US2014/026582に記載されている。この対立遺伝子は、Creリコンビナーゼによる活性化後にのみR206Hバリアントを発現する。これにより、異なる型のCreドライバーラインを使用することにより、特定の組織で、特定の時間でのAcvr1[R206H]発現のCre依存的な活性化が可能になる。このようにして、得られたマウスはまた、Acvr1[R206H]の非調節ノックイン対立遺伝子で観察された周産期致死率を回避する。若年マウスまたは成人マウスにおけるAcvr1[R206H]発現の活性化は、異所性骨形成を引き起こす。例えば、Gt(ROSA26)Sor遺伝子座に導入されており、したがって構成的および全世界的に発現されるAcvr1[R206H]COIN/+;Gt(ROSA26)SorCreERt2/+マウス(CreERt2は、タモキシフェン調節性リコンビナーゼである)(Feil et al.(1997)Biochem Biophys Res Commun.237(3):752-7を参照されたい)は、タモキシフェンに曝露した後にFOPを発現する。簡潔に述べると、タモキシフェンが存在しない状態では、CreERt2は不活性である。タモキシフェンは、Creの発現を活性化させ、次いでAcvr1[R206H]COIN/+に作用して、これをAcvr1[R206H]/+に変換し、それによってマウスの遺伝子型を変換して、ACVR1[R206H]であるFOP患者の遺伝子型を反映する。Acvr1[R206H]対立遺伝子は、Acvr1[R206H]を発現し、これは、Acvr1[R206H]/+;Gt(ROSA26)SorCreERt2/+マウスにおけるFOPの進行を引き起こすのに十分である。これは、従来のAcvr1[R206H]ノックインマウスAcvr1tm1Emshで経験した胚の致死性を回避する(http://www.informatics.jax.org/allele/key/828153)。タモキシフェン治療後、ACVR1、ACVR2Aおよび/またはACVR2Bアンタゴニストまたは対照は、Acvr1[R206H]COIN/+;Gt(ROSA26)SorCreERt2/+マウスおよび異所性骨形成について監視する動物に投与することができる。Chakkalakal SA,et al.(20120 An Acvr1 R206H knock-in mouse has fibrodysplasia ossificans progressiva.J Bone Miner Res.27(8):1746-56を参照されたい。このアッセイは、以下の実施例に詳細に記載される。
VI.進行性骨化性線維異形成症(FOP)
FOPは、異所性骨化が、骨格外部位(例えば、結合組織)で組織学的および生体力学的に「正常な」骨を形成する、稀な遺伝性障害である。この障害は、反復発作性であるが、累積的であり、重症度が増加していく永久的な障害を引き起こす。FOPは、苛酷な進行性の非常に稀な遺伝性障害であり、筋肉、腱、および靭帯が、骨によって徐々に置き換わる(異所性骨化(HO)として知られているプロセス)。顎、脊椎、および胸郭のHOは、発話し、食べ、または呼吸することを困難にし、体重減少を引き起こし、運動性の喪失および骨格の変形を悪化させる可能性がある。FOPを有する人々は、「フレアアップ」として知られる反復発作性の局所的炎症も経験するが、HOは、無症候性で、および症状に関連して起こり得る。FOPを有する人々のほとんどは、30歳までに車椅子に束縛され、生存年齢の中央値は、およそ40歳である。死亡は、HOから生じる肺炎、心不全、および誤嚥などの合併症、ならびに胸部、頸部、および顎の運動性の喪失から生じるものが多い。
FOPの世界的な有病率は、およそ1/2,000,000である。FOPと診断された患者は、世界中でおよそ800~1000人であり、他の多くは未診断または誤診のままであると考えられている。FOPには、民族的、人種的、性別的、または地理的な偏りはない。FOPは、極めて障害を引き起こす疾患であるだけではなく、寿命がかなり短い状態でもある。
FOPの特徴としては、例えば、親指の先天性奇形、軟骨内骨化を介する炎症および異所性骨の進行性の形成を伴う、頭部、頸部、および/または背中の痛みのある軟組織の腫れを特徴とするフレアアップが挙げられる。
FOPは、親指の奇形の存在に基づいて、臨床的に疑うことができる。X線または骨スキャンなどの診断テストは、親指の異常を立証し、異所性骨化の存在を確認することができる。FOPの診断はまた、遺伝子検査によって、例えば、ACVR1遺伝子内の617G~A(R206H)変異を検出することによって確認することができる。
FOPは、異所性骨化の他の状態を含む他のいくつかの障害と誤診されるのが一般的である。FOPは、例えば、孤発性の先天性奇形、リンパ浮腫、軟組織肉腫、デスモイド腫瘍、侵襲性若年性線維腫症、若年性ブニオン、孤発性の短指症、進行性骨異形成および異所性骨化を含む障害からの鑑別診断によって区別されるべきである。親指の先天性奇形および痛みのある軟組織のフレアアップの存在を使用して、FOPを他の疾患から鑑別することができる。
FOPを有する患者は、親指の先天性奇形を有するが、それ以外は出生時には正常であるように見える。FOPに関連するフレアアップは、人生の最初の10年間に始まる。フレアアップは、例えば、軟部組織損傷、転倒、疲労、ウイルス感染症、または筋肉内注射によって引き起こされ得る。フレアアップの結果は、靭帯、骨格筋、または腱などの軟組織が異所性骨に変化することである。
FOPに対する以前の療法的治療、またはFOPに関連するHOの予防または回復に対する以前の療法的治療は存在しなかった。FOPは、安全性の向上、および傷害を最小限に抑えるための戦略、筋肉内注射の回避、歯科治療を受ける際の注意などの予防策によって管理された。フレアアップの最初の24時間以内に開始された高用量コルチコステロイド治療は、フレアアップに関連する炎症および浮腫を低減するのに役立ち得る。異所性骨を除去する手術戦略は、逆効果であり、新しい外傷誘発性異所性骨化を引き起こすため、推奨されない。
「新しい異所性骨化」、「新しい異所性骨化病変」、「新しい骨病変」、または「新しい病変」は、本明細書で互換的に使用される場合、例えば、アクチビンAアンタゴニストの投与前、またはアクチビンAアンタゴニストの投与時に、対象において既存ではない異所性骨化を指す。一実施形態では、新しい異所性骨化は、アクチビンAアンタゴニストの投与後に予防されてもよく、またはその体積が低減してもよい。一実施形態では、新しい異所性骨化は、既存の異所性骨化を除去するための手術を受けた後に、対象において発達し得る(およびアクチビンAアンタゴニストの投与は、このような発生を予防し得る)。新しい異所性骨化病変の発生は、当該技術分野で標準的な技術を用いて測定/決定することができる。例えば、病変は、本明細書でより詳細に論じられるように、例えば、陽電子放出断層撮影(PET)の使用によって決定することができる。
新しい異所性骨化病変の「強度」および「重症度」は、例えば、その活動性、強度、体積、1日平均疼痛、成長および石灰化の速度、痛みのあるフレアアップの発生、および/または新しい異所性骨化病変の数の観点で、新しい異所性骨化病変の形成を分析するために使用される有害表現型のいずれか1つ以上を指す。新しい異所性骨化病変の強度、重症度、または活動性は、例えば、18F-NaF PETを用いる陽電子放出断層撮影(PET)の使用によって決定することができる。例えば、Botman et al.,2019(Bone.2019 Jul;124:1-6、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)は、FOPにおけるHO成長の予測因子としての18F-NaF PETの使用を記載し、高強度18F-NaF PETシグナルに特異的に関連する活動性HO病変の評価の基礎として機能する。一実施形態では、病変活動性(LA)=病変における18F-NaFの総シグナル。
単一の連続標的または新しい異所性骨化病変の体積は、当該技術分野における1つ以上の既知の方法によって測定され得る。一実施形態では、体積コンピュータ断層撮影(CT)を使用して、異所性骨形成の変化を測定し、新しい異所性骨化病変の体積を決定することができる。
総病変活動性(TLA)は、本明細書で使用される場合、TLA=すべての標的の病変活動性と、所与の時点での患者の新しい病変との患者レベルでの合計として定義され、HO負荷の成長および石灰化の尺度である。
「骨成長および石灰化活性の速度」は、異所性骨形成の変化を指す。一実施形態では、18F-NaF PETを使用して、骨成長および石灰化活性の高感度の特異的な全身定量的測定値を提供することができる。別の実施形態では、18F-NaF PETを用いる陽電子放出断層撮影(PET)およびコンピュータ断層撮影(CT)を使用して、骨成長および石灰化活性の変化を測定することができる。
「1日平均疼痛-NRS」は、疼痛管理のための0~10の数値評価尺度(NRS)の使用によって、各週の1日の疼痛を平均化することを指す。疼痛強度の評価は、臨床疼痛研究におけるコア転帰ドメインの一つと考えられる(Dworkin et al.,2005、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。数値評価尺度(NRS)は、疼痛の強度を推定するために利用可能な最良の単一項目の方法の1つとみなされる(参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれるJensen et al.,1999、Breivik et al.,2000)。NRSは、本明細書に開示されるすべての病変活動性に関連して、0~10のランキング尺度を使用して疼痛強度を評価し、0は「痛みなし」を表し、10は「耐えがたい痛み」または匹敵する状況を表す。
「フレアアップ」は、異所性骨化または新しい異所性骨化に先立つか、またはそれに伴い得る、疼痛性および/または浮腫性の腫れを指す。特筆すべきことに、異所性骨化および慢性疾患の進行は、フレアアップが存在しない状態でも報告されている。フレアアップは、HOに関連するかどうかにかかわらず、FOPを有する患者にとって重大な負担である。アクチビンAアンタゴニストの投与後のフレアアップの頻度および強度の低減は、FOPにおけるフレアアップが、アクチビンAに関連していることを示す。
「既存の病変」は、例えば、投与前および/または投与時に対象に以前から存在し、新しい異所性骨化病変ではない病変を指す。一実施形態では、治療有効量のアクチビンAアンタゴニストをヒト対象に投与することは、対象の既存の病変に影響を及ぼさない。一実施形態では、ヒト対象への有効量のアクチビンAアンタゴニストの投与は、投与前の対象における既存の病変の数と比較して、対象における既存の病変の数に影響を及ぼさない。一実施形態では、ヒト対象への有効量のアクチビンAアンタゴニストの投与は、投与前の対象における既存の病変の体積と比較して、対象における既存の病変の体積に影響を及ぼさない。別の実施形態では、治療有効量のアクチビンAアンタゴニストを投与することは、投与前の対象における既存の病変の強度または重症度と比較して、既存の病変の強度または重症度を低減しない。一実施形態では、治療有効量のアクチビンAアンタゴニストをヒト対象に投与することは、対照対象と比較して、既存の病変の異所性骨化病変の成長の速度および/または既存の病変の石灰化を低減しない。一実施形態では、治療有効量のアクチビンAアンタゴニストをヒト対象に投与することは、対照対象と比較して、既存の病変の数を低減しない。一実施形態では、治療有効量のアクチビンAアンタゴニストをヒト対象に投与することは、対照対象と比較して、既存の病変の強度または活性を低減しない。
VII.治療の方法
FOPを治療する方法であって、FOPを有する対象に、治療有効量のアクチビンA、ACVR1、ACVR2A、および/またはACVR2Bアンタゴニストを投与することを含む、方法が本明細書に提供される。一実施形態では、FOPは、治療有効量のアクチビンAアンタゴニストを投与することによって治療される。一実施形態では、FOPは、治療有効量のアクチビンAに対する抗体を投与することによって治療される。一実施形態では、治療有効量のACVR2AアンタゴニストおよびACVR2Bアンタゴニストが投与される。さらなる実施形態では、ACVR2Aアンタゴニストは、Fc融合タンパク質であり、ACVR2Bアンタゴニストは、Fc融合タンパク質である。
一態様では、本開示は、進行性骨化性線維異形成症(FOP)を有するヒト対象において新しい異所性骨化病変の強度または重症度を低減する方法であって、本方法が、FOPを有する対象に、治療有効量のアクチビンAアンタゴニストを投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、ヒト対象における新しい異所性骨化病変の強度または重症度は、アクチビンAアンタゴニストを投与されていないヒト対象と比較して、少なくとも50%、少なくとも40%、少なくとも30%、少なくとも20%、少なくとも10%、または少なくとも5%低減される。
FOPを有する対象を「治療すること」は、FOPを有する対象への治療有効量のアクチビンAに対する抗体の投与を意味し、その目的は、FOPの1つ以上の症状の状態を治し、治癒し、軽減し、緩和し、変化させ、矯正し、改善し、向上させるか、または影響を与えることである。
「対象」は、FOPを治療することを望む任意の動物(すなわち、哺乳動物)、例えば、ヒト、霊長類、げっ歯類、例えば、マウスおよびラット、農業動物および家畜化された動物、例えば、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジなどである。本方法のいずれにおいても、対象は哺乳動物であってもよく、好ましくはヒトであってもよい。
「対照」は、対象の試料、測定値、または値と比較するための参照として機能する試料、測定値、または値を指す。例えば、対照は、アクチビンAアンタゴニストの投与前に対象から採取されるか、または測定することができる。別の実施形態では、対照は、アクチビンAアンタゴニスの投与時に、対象から測定または採取することができる。対照は、同様の個体の集団から集められた平均測定値または値を表すこともできる。別の実施形態において、対照は、疾患または状態(例えば、FOP)を有する個体の集団から集められた平均値または中央値または測定値であり得る。別の実施形態では、対照は、健康な集団、例えば、FOPを有しない集団から集められた平均値または中央値または測定値であり得る。当業者は、対照が、本明細書に開示される任意の数のパラメータ、例えば、HO病変体積、新しいHO病変数などの評価のために設計され得ることを認識するであろう。
治療有効量のアクチビンA、ACVR1、ACVR2Aおよび/またはACVR2Bアンタゴニストは、FOPの少なくとも1つの症候または症状において陽性応答を引き起こすアンタゴニストの投与の用量、頻度、および投与経路の組み合わせを意味する。陽性応答は、FOPの少なくとも1つの症候または症状の悪化を低減し、除外し、改善し、阻害するか、または遅らせることを含み得る。陽性応答の対象となり得るFOPの症候または症状としては、例えば、異所性(ectopic)もしくは異所性(heterotopic)の骨形成、FOPフレアアップ、またはフレアアップに関連する疼痛および腫れが挙げられる。治療有効量は、治療前後の症候および症状を比較することによって、単一の患者において評価することができる。治療後に少なくとも1つの症候および症状が陽性応答を与える場合、量が有効であるとみなされる。治療有効量は、代替的にまたは追加的に、本開示のアンタゴニストまたは複数のアンタゴニストで治療される対象の集団の症候および症状を、治療を受けていない対象の対照集団と比較することによって評価することができる。かかる比較の対象は、動物モデル、または臨床試験(例えば、第I相、第II相、第IIa相、第IIb相、または第III相)におけるヒト対象であり得る。少なくとも1つの症候および症状において、集団間に統計的に有意な陽性応答が存在する場合、量が有効であるとみなされる。
一態様では、本開示は、FOPを有するヒト対象において新しい異所性骨化病変の形成を予防する方法であって、本方法が、ヒト対象に、治療有効量のアクチビンAアンタゴニストを投与することを含み、それによってヒト対象において新しい異所性骨化病変の形成を予防する、方法を提供する。
別の態様では、本開示は、FOPを有するヒト対象において新しい異所性骨化病変の強度または重症度を低減する方法であって、本方法が、ヒト対象に、治療有効量のアクチビンAアンタゴニストを投与することを含み、それによってヒト対象において新しい異所性骨化病変の強度または重症度を低減する、方法を提供する。
一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度または重症度の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも5~80%、少なくとも10~80%、少なくとも20~80%、少なくとも30~80%、少なくとも40~80%、少なくとも50~80%、少なくとも60~80%、少なくとも70~80%、少なくとも5~70%、少なくとも5~60%、少なくとも5~50%、少なくとも5~40%、少なくとも5~30%、少なくとも5~20%、または少なくとも5~10%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度または重症度の少なくとも5%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度または重症度の少なくとも10%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度または重症度の少なくとも20%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度または重症度の少なくとも30%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度または重症度の少なくとも40%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度または重症度の少なくとも50%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度または重症度の少なくとも60%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度または重症度の少なくとも70%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度または重症度の少なくとも80%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度または重症度の少なくとも5~80%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度または重症度の少なくとも10~80%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度または重症度の少なくとも20~80%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度または重症度の少なくとも30~80%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度または重症度の少なくとも40~80%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度または重症度の少なくとも50~80%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度または重症度の少なくとも60~80%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度または重症度の少なくとも70~80%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度または重症度の少なくとも5~70%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度または重症度の少なくとも5~60%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度または重症度の少なくとも5~50%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度または重症度の少なくとも5~40%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度または重症度の少なくとも5~30%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度または重症度の少なくとも5~20%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度または重症度の少なくとも5~10%の減少を示す。
一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも5~80%、少なくとも10~80%、少なくとも20~80%、少なくとも30~80%、少なくとも40~80%、少なくとも50~80%、少なくとも60~80%、少なくとも70~80%、少なくとも5~70%、少なくとも5~60%、少なくとも5~50%、少なくとも5~40%、少なくとも5~30%、少なくとも5~20%、または少なくとも5~10%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも5%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも10%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも15%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも20%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも25%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも30%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも40%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも50%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも60%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも70%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも80%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも5~80%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも10~80%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも20~80%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも30~80%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも40~80%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも50~80%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも60~80%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも70~80%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも5~70%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも5~60%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも5~50%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも5~40%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも5~30%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも5~20%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、異所性骨化病変の総病変活動性の少なくとも5~10%の減少を示す。
一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、1日平均疼痛-NRSの約0.2倍、0.5倍、1倍、1.5倍、2倍、3倍、0.2~3倍、0.5~3倍、1~3倍、1.5~3倍、2~3倍、2.5~3倍、0.2~2.5倍、0.2~2倍、0.2~1.5倍、0.2~1倍、または0.2~0.5倍の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、1日平均疼痛-NRSの約0.2倍の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、1日平均疼痛-NRSの約0.5倍の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、1日平均疼痛-NRSの約1倍の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、1日平均疼痛-NRSの約1.5倍の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、1日平均疼痛-NRSの約2倍の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、1日平均疼痛-NRSの約2.5倍の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、1日平均疼痛-NRSの約3倍の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、1日平均疼痛-NRSの約0.2~3倍の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、1日平均疼痛-NRSの約0.5~3倍の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、1日平均疼痛-NRSの約1~3倍の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、1日平均疼痛-NRSの約1.5~3倍の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、1日平均疼痛-NRSの約2~3倍の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、1日平均疼痛-NRSの約2.5~3倍の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、1日平均疼痛-NRSの約0.2~2.5倍の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、1日平均疼痛-NRSの約0.2~2倍の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、1日平均疼痛-NRSの約0.2~1.5倍の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、1日平均疼痛-NRSの約0.2~1倍の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、1日平均疼痛-NRSの約0.2~0.5倍の減少を示す。
一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の体積の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも5~50%、少なくとも10~50%、少なくとも20~50%、少なくとも30~50%、少なくとも40~50%、少なくとも5~40%、少なくとも5~30%、少なくとも5~20%、または少なくとも5~10%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の体積の少なくとも5%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の体積の少なくとも10%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の体積の少なくとも15%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の体積の少なくとも20%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の体積の少なくとも25%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の体積の少なくとも30%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の体積の少なくとも40%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の体積の少なくとも50%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の体積の少なくとも5~50%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の体積の少なくとも10~50%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の体積の少なくとも20~50%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の体積の少なくとも30~50%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の体積の少なくとも40~50%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の体積の少なくとも5~40%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の体積の少なくとも5~30%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の体積の少なくとも5~20%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の体積の少なくとも5~10%の減少を示す。
一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の成長および石灰化の速度の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも5~50%、少なくとも10~50%、少なくとも20~50%、少なくとも30~50%、少なくとも40~50%、少なくとも5~40%、少なくとも5~30%、少なくとも5~20%、または少なくとも5~10%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の成長および石灰化の速度の少なくとも5%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の成長および石灰化の速度の少なくとも10%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の成長および石灰化の速度の少なくとも20%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の成長および石灰化の速度の少なくとも30%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の成長および石灰化の速度の少なくとも40%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の成長および石灰化の速度の少なくとも50%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の成長および石灰化の速度の少なくとも5~50%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の成長および石灰化の速度の少なくとも10~50%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の成長および石灰化の速度の少なくとも20~50%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の成長および石灰化の速度の少なくとも30~50%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の成長および石灰化の速度の少なくとも40~50%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の成長および石灰化の速度の少なくとも5~40%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の成長および石灰化の速度の少なくとも5~30%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の成長および石灰化の速度の少なくとも5~20%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の成長および石灰化の速度の少なくとも5~10%の減少を示す。
一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも5~50%、少なくとも10~50%、少なくとも20~50%、少なくとも30~50%、少なくとも40~50%、少なくとも5~40%、少なくとも5~30%、少なくとも5~20%、または少なくとも5~10%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度の少なくとも5%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度の少なくとも10%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度の少なくとも20%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度の少なくとも30%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度の少なくとも40%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度の少なくとも50%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度の少なくとも5~50%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度の少なくとも10~50%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度の少なくとも20~50%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度の少なくとも30~50%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度の少なくとも40~50%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度の少なくとも5~40%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度の少なくとも5~30%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度の少なくとも5~20%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の強度の少なくとも5~10%の減少を示す。
一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも5~90%、少なくとも10~90%、少なくとも20~90%、少なくとも30~90%、少なくとも40~90%、少なくとも50~90%、少なくとも60~90%、少なくとも70~90%、少なくとも80~90%、少なくとも5~80%、少なくとも5~70%、少なくとも5~60%、少なくとも5~50%、少なくとも5~40%、少なくとも5~30%、少なくとも5~20%、または少なくとも5~10%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも5%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも10%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも20%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも30%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも40%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも50%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも60%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも70%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも80%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも90%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも5~90%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも10~90%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも20~90%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも30~90%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも40~90%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも50~90%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも60~90%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも70~90%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも80~90%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも5~80%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも5~70%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも5~60%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも5~50%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも5~40%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも5~30%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも5~20%の減少を示す。一実施形態では、ヒト対象は、対照対象と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも5~10%の減少を示す。
FOPを治療するためのいくつかの方法では、対象は、アクチビンA、ACVR1、ACVR2Aおよび/またはACVR2Bに対するアンタゴニストで治療可能な他の状態を有しておらず、その他の状態のリスクがない。例えば、対象は、II型糖尿病、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、および骨粗しょう症のうちのいずれかまたはすべてを含まなくてもよい。
A.投与の方法
アクチビンA、ACVR1、ACVR2Aおよび/またはACVR2Bアンタゴニストは、通常、タンパク質または小分子として直接的に投与されるが、タンパク質の場合には、かかるタンパク質をコードする核酸として投与することもできる。かかるアンタゴニストは、細胞トランスフェクション、遺伝子療法、送達ビヒクルもしくは薬学的に許容される担体による直接投与、アクチビンA、ACVR1、ACVR2Aおよび/もしくはACVR2Bアンタゴニストをコードする核酸、またはアクチビンAに対する抗体を含む組換え細胞を提供することによる間接的な送達などの様々な方法によって投与され得る。
様々な送達系、例えば、リポソーム、微粒子、マイクロカプセル、化合物を発現することができる組換え細胞への封入、受容体媒介性エンドサイトーシス(例えば、Wu and Wu,1987,J.Biol.Chem.262:4429-4432を参照されたい)、レトロウイルスまたは他のベクターの一部としての核酸の構築などを使用して、本明細書で提供される、アクチビンA、ACVR1、ACVR2Aおよび/またはACVR2Bアンタゴニスト、またはアクチビンAに対する抗体を投与することができる。
投与の方法は、経腸または非経口であってもよく、皮内経路、筋肉内経路、腹腔内経路、静脈内経路、皮下経路、肺経路、鼻腔内経路、眼内経路、硬膜外経路および経口経路を含む。化合物は、例えば、注入もしくはボーラス注射による、上皮もしくは粘膜皮膚内層(例えば、口腔粘膜、直腸粘膜および腸粘膜など)を介した吸収による、任意の好都合な経路によって投与することができ、他の生物学的に活性な薬剤と一緒に投与することができる。投与は、全身または局所であり得る。加えて、本開示の薬学的組成物を、心室内注射および髄腔内注射を含む任意の好適な経路によって中枢神経系に導入することが望ましい場合があり、心室内注射は、例えば、Omcanaリザーバーなどのリザーバーに接続された心室内カテーテルによって促進され得る。肺投与はまた、例えば、吸入器またはネブライザーの使用、およびエアロゾル化剤を用いた製剤化により使用することができる。
本開示の薬学的組成物は、治療を必要とする領域に局所的に投与することができ、これは、例えば、手術中の局所注入、局所適用、例えば、注射によって、カテーテルによって、またはインプラントによって、達成することができ、上述のインプラントは、シアラスティック膜(sialastic membrane)、繊維、または市販の皮膚代替物などの膜を含む、多孔性、非多孔性、またはゲル状物質である。
別の実施形態では、活性剤は、小胞、特にリポソーム中で送達され得る(Langer(1990)Science 249:1527-1533を参照されたい)。別の実施形態では、活性剤は、制御放出系で送達することができる。一実施形態では、ポンプを使用することができる(上記のLanger(1990)を参照されたい)。別の実施形態では、ポリマー材料を使用することができる(Howard et al.(1989)J.Neurosurg.71:105を参照されたい)。本開示の活性剤が、タンパク質をコードする核酸である別の実施形態では、核酸を、適切な核酸発現ベクターの一部として構築し、それが細胞内になるように投与することによって、例えば、レトロウイルスベクターの使用によって(例えば、米国特許第4,980,286号を参照されたい)、または直接注射によって、または微粒子爆撃の使用によって、または脂質もしくは細胞表面受容体もしくはトランスフェクション剤でコーティングすることによって、または核に入ることが知られているホメオボックス様ペプチドに結合して投与することによって(例えば、Joliot et al.,1991,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:1864-1868)などによって、そのコードされたタンパク質の発現を促進するように、インビボで投与することができる。代替的に、相同組換えによって、発現のために核酸を細胞内に導入し、宿主細胞DNA内に組み込むことができる。
B.併用療法
本明細書に提供されるアクチビンA、ACVR1、ACVR2AおよびACVR2Bアンタゴニスト、またはアクチビンAに対する抗体は、互いに、または他の治療と組み合わせて投与することができる。一実施形態では、FOPを治療する方法は、ACVR2AアンタゴニストおよびACVR2Bアンタゴニストの併用投与を伴う。別の実施形態では、FOPを治療する方法は、ACVR1、ACVR2A、およびACVR2Bアンタゴニストの併用投与を伴う。他の実施形態では、ACVR1アンタゴニストは、ACVR2Aおよび/またはACVR2Bアンタゴニストと併用投与することができる。ACVR1、ACVR2AおよびACVR2Bアンタゴニストは、別個の薬学的組成物として投与することができ、またはこれらの薬剤の組み合わせを含む単一の薬学的組成物として投与することができる。ACVR1、ACVR2Aおよび/もしくはACVR2Bアンタゴニスト、またはアクチビンAに対する抗体は、単独または組み合わせのいずれかで、1つ以上の追加の治療用化合物と組み合わせて投与することができる。併用療法は、同時の投与または交互の投与を包含し得る。加えて、この併用は、急性投与または慢性投与を包含し得る。
C.薬学的組成物
本開示はまた、本明細書に提供されるアクチビンA、ACVR1、ACVR2Aおよび/またはACVR2Bアンタゴニスト、またはアクチビンAに対する抗体と、薬学的に許容される担体と、を含む、薬学的組成物を提供する。「薬学的に許容される」という用語は、連邦もしくは州政府の規制機関によって承認されているか、または動物、より特定的にはヒトにおいて使用するための米国薬局方もしくは他の一般に認められた薬局方に列挙されていることを意味する。「担体」という用語は、治療薬と共に投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクルを指す。そのような薬学的担体は、無菌液体、例えば、水および油であってもよく、石油、動物、植物または合成由来のもの、例えば、ピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油などを含む。好適な薬学的賦形剤としては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが挙げられる。所望な場合、組成物はまた、少量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤を含有することができる。
これらの組成物は、溶液、懸濁液、エマルション、錠剤、丸剤、カプセル剤、粉末剤、徐放性製剤などの形態をとることができる。組成物は、トリグリセリドなどの従来の結合剤および担体と共に、坐剤として製剤化することができる。経口製剤は、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの医薬品グレードの標準的な担体を含むことができる。好適な薬学的担体の例は、“Remington’s Pharmaceutical Sciences”by E.W.Martinによって記載される。
一実施形態では、本組成物は、ヒトへの静脈内投与に適した薬学的組成物として、通常の手順に従って製剤化される。必要に応じて、本組成物は、注射部位の疼痛を緩和するために、可溶化剤およびリドカインなどの局所麻酔薬を含むこともできる。本組成物が注入によって投与される場合、滅菌医薬品グレードの水または生理食塩水を含有する注入ボトルで分配することができる。本組成物が注射によって投与される場合、注射用滅菌水または生理食塩水のアンプルを提供して、投与前に成分を混合することができるようにすることができる。
本明細書で提供させるアクチビンA、ACVR1、ACVR2A、および/またはACVR2Bアンタゴニスト、またはアクチビンAに対する抗体は、中性形態または塩形態として製剤化することができる。薬学的に許容される塩としては、遊離アミノ基を用いて形成されるもの、例えば、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などに由来するもの、および遊離カルボキシル基を用いて形成されるもの、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどに由来するものが含まれる。
FOPの治療に有効な特定の経路によって投与されるアクチビンA、ACVR1、ACVR2Aおよび/またはACVR2Bアンタゴニスト、またはアクチビンAに対する抗体の量および頻度(例えば、治療有効量)を、本説明に基づいた標準的な臨床技術によって決定することができる。加えて、インビトロアッセイを使用して、最適な投薬量範囲を特定するために役立たせることができる。製剤に使用される正確な用量はまた、投与経路、および状態の重症度に依存し、施術者の判断および各対象の状況に応じて決定されるべきである。しかしながら、非経口投与、好ましくは静脈内投与または皮下投与に好適な投薬量範囲は、一般に、体重1キログラム当たり約20~50000マイクログラムの活性化合物である。アクチビンAに対する抗体の場合、好適な投薬量範囲は、1~25mg/kg、2~20mg/kg、5~15mg/kg、8~12mg/kg、および10mg/kgを含む。鼻腔内投与に好適な投薬量範囲は、一般に、約0.01pg/kg体重~1mg/kg体重である。有効用量は、インビトロまたは動物モデル試験系に由来する用量応答曲線から外挿することができる。
投与頻度はまた、他の因子の中でも特に、状態の重症度および薬剤の半減期に応じて変化するが、典型的には、毎日~四半期の間であり、例えば、週2回、週1回、隔週、月1回、2ヶ月ごとを含む。薬剤は、他の因子でも特に、患者の状態または閾値未満の薬剤の血清レベルの低下に応答して、不規則な間隔で投与することもできる。
上記または下記で引用されているすべての特許出願、ウェブサイト、他の刊行物、アクセッション番号などは、各項目が、参照により組み込まれるように具体的にかつ個別に示されているのと同じ程度に、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。異なるバージョンの配列が、異なる時点でアクセッション番号と関連付けられる場合、本願の有効出願日に、そのアクセッション番号と関連付けられたバージョンを意味する。有効出願日とは、該当する場合、アクセッション番号に関する実際の出願日または優先出願の出願日のうち早い方を意味する。同様に、刊行物、ウェブサイトなどの異なるバージョンが異なる時点で公開されている場合、別に指示がない限り、本出願の有効出願日の最も近い時期に公開されたバージョンを意味する。本開示の任意の特徴、ステップ、要素、実施形態、または態様は、別途明記されない限り、任意の他のものと組み合わせて使用することができる。
実施例1:進行性骨化性線維異形成症(FOP)を有する患者における新しい骨病変活動性の形成の低減
FOPを有する対象では、骨は、正常な骨格の外側の軟組織で形成し、これは異所性(間違った場所における)骨化(HO)として知られるプロセスである。FOPを有する患者において、アクチビンAアンタゴニスト(例えば、ガレトスマブ)を評価するために、ピボタル二重盲検プラセボ対照試験を実施した。主要エンドポイントでは、ガレトスマブは、CTスキャンによって測定される場合、新しいHO骨成長をベースラインから25%低減し、より高感度のPET骨スキャンによって測定される場合、病変成長および石灰化の平均速度を28週間にわたって25%低減した。ガレトスマブは、28週間の時点でのみPET骨スキャン結果に統計的に有意な50%の低減を示し(事後分析)、これは主に、新しい病変の発生率および強度の有意な減少によって引き起こされる。ガレトスマブは、PETおよびCTスキャンの両方によって測定される場合、新しい骨病変の発生率をおよそ90%低減し、患者が報告したフレアアップの発生率を半分まで低減した。
このプラセボ対照試験の結果は、新しいHO骨形成およびフレアアップをほぼ消滅させることができる有効な治療であり、新しい骨の発生率は90%近く低減し、FOPを有する人々にとって画期的な結果である。これらのデータはまた、PET画像診断によって、FOPを有する未治療の人々が、以前に考えられていたよりもはるかに頻繁かつ広範囲にわたる病変を経験していることを示すことによって、疾患の理解を顕著に向上させる。
この試験には、FOPの臨床診断を有し、ACVR1遺伝子変異の文書を有する、米国および欧州から44名の成人患者(18~60歳)が登録された。この試験は、FOPを有する患者におけるHOの変化に対するガレトスマブの効果を調査するために、18F-NaF PET画像診断およびCTスキャンを使用した。18F-NaFは、パジェット病および骨に関与するがんなどのいくつかの骨関連疾患における異常な骨成長、ターンオーバー、および石灰化を検出するための、高感度の、広く承認され、広範囲に使用されている骨探索PETトレーサーである。本試験は、ランダム化二重盲検プラセボ対照治療期間(6ヶ月間)、非盲検治療期間(その間にプラセボ治療を受けた患者をガレトスマブ治療とクロスオーバーする)(6ヶ月間)、および非盲検フォローアップ治療からなる3期間の試験設計を有する。一次解析を、28週目に記録した。
この試験からの主要な臨床結果を、以下の表1にまとめている。すべてのエンドポイントは、28週目であり、盲検化された独立した中央判定によって評価された。
Figure 2023510270000001
Figure 2023510270000002
Figure 2023510270000003
28週間の治療期間中、ガレトスマブは、一般に十分に忍容性であることが観察された。任意の重篤な有害事象(SAE)は、基礎疾患の重症度に関連しているとみなした。治療中に発生した有害事象(TEAE)は、プラセボ群および治療群の両方の100%で発生した。その大部分は、軽度から中程度の重症度であった。TEAEにおける顕著な不均衡には、鼻血(50.0%対16.7%)、および皮膚事象(脱落症[眉毛の喪失、25.0%対0%]、ざ瘡[30.0%対8.3%]、ならびに膿瘍、よう、毛包炎、せつを含む、皮膚感染症の混合)が含まれていた。この試験の非盲検部分における2名の治療された患者は、ドレナージのために入院を必要とする重篤な膿瘍を発症したが、ガレトスマブ治療を継続している間に解消したと報告されている。この試験の非盲検部分において1名の患者が、治療に無関係な外傷により死亡した。
プラセボに対するガレトスマブは、主要エンドポイントである8週目および28週目の時点のベースライン平均からの総病変活動性変化率が減少し(-24.6、p 0.07)、8週目のエンドポイントでは減少はみられなかったが、28週目のエンドポイント(DB期間の終了)では、減少は49%であった(名義p=0.043)。このことは、主に、新しい病変の発生率、強度および病変活動性の劇的な顕著な減少によって引き起こされた。新しい病変における総病変活動性(28週のPETによって測定される)は、97%減少し(p=0.009)、一方、新しい病変の総体積(28週目のCTによって測定される)は、90%減少した(p=0.017)。患者が報告したフレアアップの大幅な減少(51%)および治験責任医師が報告したAEフレアアップの大幅な減少(76%)がみられた。ガレトスマブによる治療でも、許容可能な安全性プロファイルが示された。
アクチビンAアンタゴニスト(例えば、ガレトスマブ)によるアクチビンAの遮断は、新しい異常な骨形成および痛みのあるフレアアップの発生を顕著に低減することができる。これらのデータは、アクチビンAが、FOPを有する患者におけるフレアアップおよび新しい骨病変の両方の重要なトリガーであるという仮説を強く裏付ける。
実施例2:アクチビンAアンタゴニストは、新しい異所性骨化を(HO)を予防する
28週間のランダム化二重盲検プラセボ対照試験(第1期間)は、アクチビンAアンタゴニスト(例えば、ガレトスマブ)が、FOPを有するヒト対象における異所性骨形成のためのアクチビンA依存性シグナルを停止するかどうかを試験するために、実施された。
18F-NaF PETを用いる陽電子放出断層撮影(PET)および体積コンピュータ断層撮影(CT)を使用して、異所性骨形成の変化を測定した。18F-NaF PETは、いくつかの他の疾患設定で示されており、骨石灰化活性の高感度の特異的な全身定量的測定値を提供した。Botman,2019(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)によって公開されたデータは、FOPにおけるHO成長の予測因子としての18F-NaF PETの使用を裏付け、高強度18F-NaF PETシグナルに特異的に関連する活動性HO病変の評価の基礎として機能する。さらに、6ヶ月にわたるCTによるHO病変の体積評価は、HO病変の成長およびPET検出可能な病変からCT検出可能な成熟HO病変への移行の評価も可能であった。ガレトスマブは、18F-NaFの取り込みを急速に低減させ(PETによる)、新しい異所性骨形成を予防する(CTによる)ことが観察された。
この試験は、28週の平均総病変活動性(PET)における57%の低減、8週目での18F-NaF SUV最大における40%の低減、およびCTによる総体積における60%の差を検出するために、80%の検定力で設計された。登録された44名の患者の100%が、PETによって検出される場合、ベースラインで活動性HOを有していた。この結果は、ガレトスマブが、新しい病変の出現を阻害したが、確立された病変の進行を停止させなかったことを示す(表2)。ガレトスマブは、良好な忍容性を有することも観察された。傾向がなく、疾患の重症度を反映している可能性が高いガレトスマブ治療患者において、SAEがより頻繁に発生した。AEにおける顕著な不均衡には、鼻血(50.0%対16.7%)、および皮膚事象-脱落症(25.0%対0%)、ざ瘡(30.0%対8.3%)、ならびに皮膚感染症(膿瘍、よう、毛包炎、せつ)の混合が含まれていた。
研究設計の概略図(図1)に示すように、この試験は、スクリーニング/ベースライン期間(-28日目~-1日目)、2つの6ヶ月間の治療期間、およびフォローアップ治療期間(第3期間)からなっていた。3つの治療期間は、第1期間:6ヶ月間のランダム化二重盲検プラセボ対照治療期間、第2期間:6ヶ月間の非盲検ガレトスマブ治療期間、第3期間:患者が76週の来院を完了するまで継続するガレトスマブを用いるフォローアップ治療期間であり、この試験内でランダム化された最後の患者が28週の来院(第1期間)を完了するまでの時間にわたって、すべてのデータが収集され、検証され、安全性および有効性の一次解析の結果は、治験依頼者にとって利用可能である。
新たなデータ(Eekhoff et al.,JBMR 2017&Bone 2017,Upadhyay et al.,JBMR 2017、これらの各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)は、PETスキャンが、「活動性の」骨病変を特定することができることを示唆していた。新しい病変を予防するための代替物として、これらの「活動性」骨病変に対するガレトスマブの効果を研究した。したがって、主要エンドポイントは、サイズおよび強度によって評価される場合(トレーサーの評価された取り込み)、既存の骨病変および潜在的に新しい骨病変の両方において、PETによって測定される「総病変活動性」(TLA)を評価した。複数の他のエンドポイントは、PETおよびCTの両方によって評価されるように、総病変および新しい病変を捕捉し、患者および治験責任医師によって報告されるフレアアップも捕捉した。一次解析(PETによるTLA)、ならびに骨病変の複数の他の解析(CTによるものを含む)は、ガレトスマブによる治療が、プラセボと比較して、全体的な約25%の減少と関連していることを示した。これらの減少は、28週目のPETまたはCTによって評価された新しい病変のおよそ90%の低減によってほぼ完全に促進された。このことは、驚くべきことに、FOP患者における新しい病変の頻度が高いことに寄与していた(11/24名のプラセボ患者は、各々1つの病変を有していた3/20名のガレトスマブ患者と比較して、28週にわたって平均で2.7の新しい病変を有していた)。また、患者が報告したフレアアップの大幅な減少(50%)および治験責任医師が報告したAEフレアアップの大幅な減少(76%)が存在した。これらのデータは、FOP患者における新しい骨病変の形成にアクチビンAが必要であることを示しているが、既存のPET陽性およびCT骨病変には主要な役割を果たしていないようである。
Figure 2023510270000004
画像診断
放射標識18Fフッ化ナトリウムを患者に注射し、各患者の混合PET/CT画像を撮影した。PET/CT画像診断解析の詳細は、以下のように示される。
PET:標準化取り込み値(SUV)は、スキャンからの放射能の測定値である。SUV平均=異所性骨化(HO)などの目的の領域(ROI)における18F-NaFの平均濃度-どのように「ホット」であるかは、平均してROIである。SUV最大=ROI内の最大(「最もホットな」)ピクセル。病変活動性(LA)=病変における18F-NaFの総シグナル。PETでの病変の全代謝体積(MV)にわたる平均SUV。総病変活動性(TLA)=すべての標的のLAと、所与の時点での患者の新しい病変との患者レベルでの合計-HO負荷の成長および石灰化の尺度。TLA変化%の時間加重平均(TWA)=複数時点にわたるHOの成長および石灰化の負荷における変化を評価するために使用されるTLA変化%の28週にわたる平均。PET画像診断は、疾患の進行(図2A)、およびHO病変に対するガレトスマブの効果(図2B)を明確に示した。
CT:HO体積=単一の連続標的または新しいHO病変の体積。総HO体積=所与の時点での患者レベルの標的およびHO病変の体積の合計-測定値がHO負荷を形成した。
画像診断分析からの結果は、既存の(「標的」)病変が新しい病変とは別に検査されるとき、ガレトスマブの効果がより明らかであることを示す(図3A~図3B)。
有効性
ガレトスマブは、8週目および28週目の時間点で平均化すると、ベースラインからの総病変活動性(新しいものおよび既存の両方)が減少することが観察された(-25%、p=0.074)。8週目のエンドポイントでは、減少はなかった(p=0.592)が、28週目のエンドポイント(DB期間の終了)では、減少は、49%であった(名義p=0.043)。このことは、主に、新しい病変の発生率、活動性(PET)および体積(CT)の劇的な減少によって引き起こされた。新しい病変における総病変活動性(28週のPETによって測定される)は、97%減少し(p=0.009)、一方、新しい病変の総体積(28週目のCTによって測定される)は、90%減少した(p=0.017)。すべてのエンドポイントを、事前に指定し(CTによる新しいHO病変を有する患者の数を除く)、盲検化された独立した中央判定によって評価された。病変を、PET/CT骨スキャンによって評価した。新しい病変の100%相関を、CTスキャンの同時評価を伴うPETスキャンの測定値によって決定した。また、患者が報告したフレアアップの大幅な減少(51%)および治験責任医師が報告したAEフレアアップの大幅な減少(76%)が存在した。これらのデータは、アクチビンAが、FOPを有する患者における新しい病変の形成に必要なリガンドであるという考え方を強く裏付けている。アクチビンAは、既存のPET/CT病変の進行において重要な役割を果たしていないようである。したがって、アクチビンAを遮断することで、これらの長期にわたって苦しむ患者の疾患結果を変化させる機会を提供する。
安全性
28週の治療期間中、治療中に発生した有害事象(TEAE)は、プラセボ群および治療群の両方の100%で発生した。その大部分は、軽度から中程度の重症度であった。TEAEにおける顕著な不均衡には、鼻血(50.0%対16.7%)、および皮膚事象(脱落症[眉毛の喪失、25.0%対0%]、ざ瘡[30.0%対8.3%]、ならびに膿瘍、よう、毛包炎、せつを含む、皮膚感染症の混合)が含まれていた。
実施例3:研究設計および解釈
試験設計が他の試験とどのように異なるか
第2相のランダム化二重盲検プラセボ対照試験を実施し、FOPを有する成人における、安全性、忍容性、および静脈内ガレトスマブ(4週ごとに10mg/kg投与される)の異所性骨形成に対する効果を評価した。これにより、外部の過去の対照と非盲検評価とに関連する潜在的な不均衡および偏りが除外される。
異所性骨化(HO)体積は、この疾患についてどのようなことを教えてくれるのか
進行性HOは、FOPの決定的な特徴である。HO体積は、疾患活動性および関節が固定される可能性を反映し得る。HOの位置は、患者にとって重要であり、臨床的に有意義であり得る。骨の体積は、指向性に関連しているが、病変の数および位置は、疾患活動性の重要な尺度である。この試験では、主要エンドポイントは、プラセボに対する総病変活動性に焦点を当てている。例えば、肘などの関節の新しい病変からの少量の骨は、関節を生涯にわたってロックする可能性があるが、動きの重要性が低い領域または既存のHOを有する領域では、顕著な量の骨が追加される場合があり、効果がかなり少ない場合がある。加えて、「平均体積」の変化の解釈は、小さな体積増加または大きな体積増加を伴う1個または2個の外れ値を含むデータセットを分析するときに困難なものになり得る。
画像診断の論理的根拠
画像診断分析
病変は、異常な骨と一致する、その密度および形態、ならびにCTスキャンにおいて特定されるような骨格筋、腱または靭帯と一致する位置によって、HOと特定される。試料に対して盲検化された2名の独立したリーダーによって特定され、これも盲検化された独立した審査員によって確認された。彼らは皆、理事会が認定した放射線科医であった。
病変選択の基準、ならびに試験設計および画像診断分析の論理的根拠
病変選択の基準は、画像診断チャーターにおいて明確に定義され、FDAによって承認された。追加の事後画像分析を実施して、FOPの自然歴、およびHO形成に対するガレトスマブの影響をよりよく理解する。「最大7病変」は、多くの病変が予想されていなかったことと、この数の病変を超えることはリーダーにとって実用的ではなかったため、明記された。病変は、正所性の骨リモデリングと比較して、PETに関して3倍の強度を有することに基づいて選択された。
炎症性の骨軟骨腫または変形性関節症に起因する擬陽性の除外
画像診断チャーターは、理事会が認定した放射線科医であった2名の独立したリーダーおよび独立した審査員に、変性疾患、骨軟骨腫などに一致する場合はいつでも、それらの位置(例えば、関節)、またはCTスキャンからのそれらの特徴という観点で、非HO病変に関連するPETの領域を慎重に避けるように指示した。すべてのリーダーも、画像診断チャーターに関する訓練を受けた。
骨芽細胞活性を検出するための18FNaF PET/CTと比較した骨シンチグラフィー
テクネチウム-99mメチレンジホスホネート(99mTcMDP)骨シンチグラフィーは、骨芽細胞活性を検出するために広く使用されている。PET/CTは、診断のための断面機能的画像診断および解剖学的画像診断を組み合わせた分子画像診断技術である。フッ素-18フッ化物(18F-フッ化物)は、骨格異常の検出に使用される高感度の骨探索PETトレーサーである。18F-フッ化物の取り込み機構は、99mTcMDPの取り込み機構に似ている。しかしながら、18F-フッ化物は、より迅速な血液クリアランスおよび骨における2倍より高い取り込みを含む、より優れた薬物動態特徴を示す。18F-フッ化物の取り込みは、血流および骨リモデリングを反映する。新しいハイブリッドPET/CTシステムの使用は、この試験のCT構成要素が、機能病変の形態学的特性決定を可能にし、良性病変と転移との間のより正確な鑑別を可能にするため、18F-フッ化物画像診断の特異性を著しく向上させた。
フッ素-18フッ化ナトリウム陽電子放出断層撮影-コンピュータ断層撮影(18FNaF PET/CT)画像診断は、99mTcMDP骨シンチグラフィーと比較して、より高い感度およびより高い空間分解能を有する。加えて、18FNaF PET/CT画像の品質がよりよくなり、より正確に定量化することができる。このことは、血漿タンパク質の結合がより低く、骨における取り込みがより高いことに起因する。
18FNaF PETは、研究において一般的に使用される、より高感度の技術である。18FNaF PETを、この試験におけるベンチマークとして使用して、CT画像診断が同等の結果を生み出すかどうかを評価した。このデータは、CTを使用して、18FNaF PETと同等の感度で疾患の進行を監視することができ、したがって、臨床実践で使用される能力を確認する。
臨床データ
この試験は、アクチビンAを遮断し、新しい病変形成を予防するという仮説に基づいており、初期の28週間の結果全体が奨励されている。
より長期間の56週の試験が実施され、プラセボ患者は、これらの結果をさらに理解し、文脈に組み込むために、ガレトスマブアームに対してクロスオーバーする。ガレトスマブの主な効果は、新しい病変の予防に対する効果である。主要エンドポイントでのデータは、TLAが、ガレトスマブ群と比較して、プラセボ群においてさらに多くの新しい病変が現れたときに、治療の8週後に明らかに低減したことを優雅に示す。平均して、プラセボ群は、ガレトスマブ群と比較して、28週の試験期間にわたって、およそ10cmより大きな新しいHOを得た(ベースラインからの平均変化16.7cm対6.5cm)。
FOPを有する患者のうち高い割合が、胸部不全の結果として死亡するため、ガレトスマブによる治療が肺機能に与える影響を評価することは、興味深い。このデータは、ガレトスマブが、28週目で新しいHOを予防する手段によって、プラセボと比較して、肺機能を維持することを示す。
FOPに対するガレトスマブの影響
ガレトスマブの阻害レベルは、確立されたHO病変の進行を予防するか、または新しいHO病変の予防のために、長期間にわたって一貫している必要がある。FOPは、進行中のHOを伴う慢性疾患であり、そのいくつかは無症候性であり、フレアアップとは関連しない。したがって、それを制御するために、投薬は、長期的なものである必要がある。患者の血清中の医薬のレベルは、新しいHOの進行または発達を防ぐために、常にアクチビンA飽和レベルを超える必要がある。
小児試験
56週の第2相試験は、小児患者および成人患者の両方での評価のために実施される。
パロバロテンとは異なり、ガレトスマブを用いた前臨床データは、成長板に対する影響を示さなかった。このデータは、成人FOP患者の正常な骨における18FNaFの取り込みに変化がなかったことを示す。
FOPを有する成人患者において、4週間ごと(Q4W)のIV投与による用量レベル10mg/kgが試験されてきた。この試験で報告された有害作用(例えば、頭痛、鼻出血、皮膚および軟部組織感染症)は、患者間の薬物曝露(Cmax、Cmin、またはAUC)に関連していないようである。小児試験における用量確認コホート(コホートA)の組み入れの理由は、安全性の懸念に関連するものではなく、むしろ、この試験における成人患者の有効性に関連するものと同様の小児患者における曝露を達成する各体重群(すなわち、30kg未満、または30kgより多い患者)の用量レジメンを選択することに関連する。
FOPを有する患者における小児試験には、以下の用量レジメンが提案されている。体重が30kg未満の患者では15mg/kg IV Q4W、体重が30kg以上の患者では10mg/kg IV Q4W。初期の試験では、FOPを有する成人患者において試験された用量であった10mg/kg IV Q4Wは、有効性における有益な応答および許容可能な安全性プロファイルが示された。この試験では、10mg/kg IV Q4W投与後、定常状態のトラフ濃度の中央値(範囲)は、FOPを有する成人患者において120.7(68.1~199.0)mg/Lであった。初期の試験において、および2つのファースト・イン・ヒューマン(FIH)試験で作成されたガレトスマブおよび総アクチビンAの濃度データに基づいて、約50mg/Lを超えるガレトスマブの濃度の維持は、ほぼ0.05~0.06mg/Lの一定レベルの総アクチビンAによって示されるように、標的媒介性の除去経路の飽和状態と関連付けられる。10mg/kg IV Q4W用量を用いて成人患者において観察される曝露は、患者の大部分において最大のターゲットエンゲージメントを伴いつつ、標的媒介性の除去経路の飽和状態を維持することによって、顕著な有効性の利益を提供すると考えられる。
FOPを有する小児患者では、成人の健康な対象およびFOPを有する成人患者からのデータに基づく集団PKモデルを使用したシミュレーションによれば、コホートAについて提案された用量(体重が30kg未満の患者では15mg/kg IV Q4W、体重が30kg以上の患者では10mg/kg IV Q4W)は、初期の試験で研究された10mg/kg IV Q4Wでの成人患者における曝露と適合することが予想される。コホートAにおいて活性薬物を受けた8名の患者からの分析の結果に基づき、初期の試験における成人に匹敵する薬物曝露を確保するために、用量を、1つ以上の体重群において調整し得る。コホートB患者は、コホートAに登録された患者における1日目~85日目までのデータに基づいて用量を確認した後にのみ、試験薬物を受け始める。その目的は、有効性を確保するための標的飽和であるため、FOPにおいて異なる用量が探索される。小児のためのモデリングは、より小さな子供の標的飽和を満たすように、最大15mg/mlの用量を導く。子供において安全性リスクの増加を示唆する毒性試験からのデータは存在しない。
PETスキャンおよびCTスキャン画像診断のための手順の概要
PET/CTスキャンの判定は、事前指定された中央独立盲検として処理される。試験28週の後、プラセボアームの患者は、ガレトスマブに移行し、それ以降、すべての試験参加者が、活性薬物を受ける。この試験の一次解析を実施するために、二重盲検プラセボ対照期間(第1期間)中の試験治療の割り当ては非盲検であった。しかしながら、第1期間中の個々の治療割り当ては、治験責任医師/施設スタッフに開示されず、独立した画像診断リーダーまたは画像診断審査員にも開示されないことに留意することが重要である。試験依頼者は、画像診断結果に対しても盲検化されており、56週のデータベースロックまでスキャンにアクセスできない。これにより、画像診断リーダーは、56週目にPET/CTスキャンの盲検分析を行うことができる。また、28週~56週の間、さらにその後に(ほとんどの患者は、76週を超えている)、治験責任医師は、プラセボ対照期間中に何を受けたかについて確信することなく、試験患者の臨床評価を続ける。
実施例4:アクチビンAアンタゴニストは、新しい異所性骨化を(HO)を予防する
研究設計
第2相のランダム化二重盲検プラセボ対照試験を、進行性骨化性線維異形成症(FOP)を有する成人患者において4週ごとに(Q4W)投与された10mg/kgのガレトスマブの安全性、忍容性、薬物動態、および有効性を評価するために設計した。有効性は、異所性(HO)骨形成の18F-NaF陽電子放出断層撮影(PET)および低用量X線コンピュータ断層撮影(CT)画像診断分析によって評価する。プラセボと比較して、この試験は、a)ガレトスマブが良好な忍容性を有し、b)ガレトスマブが、PETシグナルの低減および体積CTによるHOの成長の阻害を示すことによって、HOを低減し、c)ガレトスマブが、PETおよびCTによって評価される場合、新しいHO病変の進行を阻害することを示すことが期待された。
この試験は、4週間のスクリーニング/ベースライン期間、6ヶ月間のランダム化二重盲検プラセボ対照治療期間(第1期間)、6ヶ月間の非盲検ガレトスマブ治療期間(第2期間)、および非盲検ガレトスマブを用いるフォローアップ治療期間(第3期間)からなる。一次解析は、すべての患者が二重盲検治療(第1期間)を完了したときに実施した。すべての一次および二次の28週の有効性エンドポイントを、任意のFOP関連ACVR1変異を有する患者を含む活動性HO分析セット(AHO、n=44)について、また、活動性HO ACVR1[R206H]変異セット(AHOC、n=42)について分析した。この試験の画像診断チャーターは、活動性患者を、中央判定によって評価されるように、正常な参照骨の少なくとも3倍の18F-NaF PETの取り込みを示す少なくとも1つの異所性骨化病変を有している患者であると定義した。同様に、PETおよびCTによる新しいHO病変の特定基準は、画像診断チャーターにおいて事前に指定されていた。安全性分析は、安全性分析セットで実施され、データの締切日の時点で利用可能なすべてのデータが含まれていた。
患者の内訳
合計で44名の患者をランダム化した(ガレトスマブアームに20名の患者、およびプラセボアームに24名の患者)。43名(98%)の患者が、二重盲検治療期間を完了した。ガレトスマブ群からの1名の患者は、発熱の有害事象に起因して、二重盲検期間中に試験を中止した(詳細については以下を参照されたい)。二重盲検期間を完了した43名の患者は全員、非盲検の第2期間に入った。データの締切日の時点で、12名の患者が、フォローアップ治療の第3期間に入った。第3期間の1名の患者は、転倒後の重度の頭部外傷(治療と無関係)に起因して死亡した。AHO、AHOCおよびSAF集団の人口統計学的特徴およびベースライン疾患特徴は、2つの治療群間でバランスをとった。
有効性結果
統計学的階層を使用して試験したすべての主要エンドポイントおよび主要副次エンドポイントの結果を表3に示す(統計学的階層の順序で)。ガレトスマブは、AHOにおいて、プラセボと比較したベースラインから、28週にわたるベースラインからの平均総病変活動性(18F-NaF PETによる)がおよそ25%(LS平均差)低減した(p=0.0741)。事後分析により、総病変活動性の低減が、一定の速度で生じない可能性があることが示された。ベースラインから8週目までの総病変活動性の変化率は、両治療群で同様であり、ベースラインから28週目までの総病変活動性の変化率は、プラセボと比較して、ガレトスマブ群の方が低かった(事後、p=0.043、図4)。他のエンドポイントに関して、AHOにおいて、プラセボと比較して、ベースラインからのおよそ25%の低減(LS平均差)は、28週目でのHO病変の総体積(CTによる)においても観察された(p=0.3726)。AHOC集団においても、同様の結果が観察された。AHOにおいて、プラセボと比較して、ガレトスマブアームにおいて1日平均疼痛の低減について、良好な傾向があった(図5)。AHOCにおいても、同様の結果が観察された。PETによる総病変活動性において、プラセボと比較したガレトスマブアームにおける低減、およびCTによるHO病変の総体積の低減は、主に、新しい病変成長を低減させるガレトスマブの有効性によって促進された。
Figure 2023510270000005
AHO=少なくとも1つの活動性HO病変を有する患者、AHOC=少なくとも1つの活動性HO病変および古典的なACVR1R206H変異を有する患者、ANCOVA=共分散の分析、MMRM=反復測定を伴う混合モデル。28週目に、審査された選択されたリーダーによって提供された評価を、一次解析に使用した(28週目に審査が行われなかった場合には、リーダー1が選択された)。
ガレトスマブによる新しい病変の阻害の分析
以下のAHO集団における主要な事前に指定された副次的探索的事後解析の分析(表4)は、PETにおける総病変活動性およびCTにおけるHO病変の総体積において、プラセボと比較してガレトスマブアームにおける低減が、主に、新しいHO病変の発生、率、病変活動性(PET)および体積(CT)などの新しいHO病変成長に関連する複数のエンドポイントにおけるほぼ90%の減少によって引き起こされたことを示す。28週にわたる新しいPET病変の数は、プラセボと比較して、ガレトスマブアームにおいて実質的に低減した(新しい病変の率の87.4%減少)。新しいPET病変の数は、プラセボと比較して、ガレトスマブ群において顕著に低かった(3対29)。新しい病変に関連する患者当たりの平均総病変活動性は、プラセボと比較して、ガレトスマブ群において低かった(5.22/pt対205.99/pt)。ガレトスマブ群において新しいPET病変を発症した患者における新しい病変に関連する総病変活動性も、プラセボ群と比較して実質的に低かった(図6)。28週にわたって新しいPET病変を発症した患者の率も、プラセボと比較して、ガレトスマブアームにおいて低かった(15%対46%、図7)。28週にわたる新しいCT病変の数は、プラセボと比較して、ガレトスマブアームにおいて低かった(新しい病変の率の86.7%減少)。プラセボ群では27個の新しいCT病変が存在したのに対し、ガレトスマブ群では、3個の新しいCT病変が存在した。新しい病変に関連する患者当たりの総CT体積の平均は、プラセボと比較して、ガレトスマブ群において低かった(1.06cm/pt対10.21cm/pt)。新しいCT病変を発症した患者における新しい病変に関連する総CT体積も、プラセボ群と比較して、ガレトスマブ群において低かった(図8)。28週にわたって新しいCT病変を発症した患者の率も、プラセボと比較して、ガレトスマブアームにおいて低かった(15%対46%、図9)。追加的に、患者日記によって評価されるようなフレアアップを有する患者の割合は、フレアアップの治験責任医師が報告した有害事象が、プラセボと比較して、ガレトスマブアームにおいて低かったため、良好であった。AHOC集団においても、同様の結果が観察された。
Figure 2023510270000006
安全性結果
28週の二重盲検治療期間中、治療中に発生した有害事象(TEAE)は、ガレトスマブ群およびプラセボ群の両方の100%で発生した。その大部分は、軽度から中程度の重症度であった。それぞれガレトスマブ群およびプラセボ群についてのTEAEにおける顕著な不均衡には、鼻血(50.0%対16.7%)、および皮膚事象(脱落症[眉毛の喪失、25.0%対0%]、ざ瘡[30.0%対8.3%]、ならびに膿瘍、よう、毛包炎、せつを含む、皮膚感染症の混合)が含まれていた。プラセボ群の患者が、進行中の非盲検期間(第2期間)にガレトスマブに移行したとき、鼻血および上述の皮膚事象の報告頻度が増加した。28週の二重盲検期間中の急性輸液反応の頻度は、プラセボ群とガレトスマブ群とでバランスがとられた(プラセボ:6/24(25%、ガレトスマブ:5/20(25%))。第2期間の間に、4名の患者(9.3%)が、ガレトスマブを受けている間に急性輸液反応を示した。重篤な有害事象(SAE)は、第1期間の間、ガレトスマブ治療群およびプラセボ治療群において、それぞれ20%および8.3%で報告された。第1期間の間に発生したガレトスマブ群に割り当てられた患者における1つのSAE(鼻血)は、鼻腔タンポン挿入のために入院となった。この事象は、予期せぬ重篤な有害反応の疑い(SUSAR)であると特徴付けられた。患者は完全に回復し、この試験を継続した。非盲検期間中、データの締切日までに、3件のSAEが報告された。2名の患者は、第2期間の間に、切開およびドレナージのために入院を必要とする膿瘍のSAEを発症した(皮下膿瘍および嚢胞膿瘍は、それぞれ治験責任医師によって、治験薬に関連しているもの、および治験薬に関連していないものとして報告された)。膿瘍は、解消され、患者は、一時的な治療中断の後に、ガレトスマブ引き続き投与された。3人目の患者は、転倒後の重度の頭部外傷のSAEを有し、その後、死亡した。頭部外傷は、第3期間の間に、患者が16回のガレトスマブ注入を受けた後に発生し、治験責任医師によって治験薬とは無関係であると評価された。20名のガレトスマブ群の患者のうち19名、24名のプラセボ群の患者のうち24名が、第1期間を完了した。28週の治療期間中にガレトスマブを中止した患者は、発熱の有害事象を有しており、これは治験責任医師によって、重症度は軽度であり、治験薬に無関係であると評価された。患者が、肺炎の2つのSAE(入院)を有し、そのうちの1つが敗血症を合併するものであった後の発熱の再発によって、治験責任医師は、この患者をこの試験から中止させた。この患者の病歴の他の臨床的特徴には、重度の拘束性肺疾患、気管支拡張症および骨格変形が含まれていた。非盲検フォローアップ治療期間(第3期間)において1名の患者が、治療と無関係の頭部外傷により死亡した。
結論
ガレトスマブは、28週にわたってベースラインからの総病変活動性(新しいものおよび既存のもの)を減少させた(時間加重平均ls差は約25%、p=0.0741)。このことは、主に、新しい病変の発生率、率、活動性(PET)および体積(CT)のおよそ90%の減少によって引き起こされた。十分な検定力を確保するために十分な大規模な検討を行うことが不可能なFOPのような非常に稀な状態では、第2種の過誤を避けるために第1種の過誤率10%を許容することが一般的である。この観点で、全体的な有効性の結果は説得力があり、ガレトスマブが、FOPを有する患者における新しいHOの形成を減少させることを強く裏付ける。この結果は、ベースライン時にPET/CTによって選択された既存のHO病変の進行において、アクチビンAが重要な役割を果たさないように見えるという解釈も裏付ける。ガレトスマブによる治療は、急性輸液反応およびSAEの発生率が低く、許容可能な安全性プロファイルを示した。TEAEの大部分は、軽度から中等度の重症度であった。TEAEにおける顕著な不均衡には、鼻血、ざ瘡、脱落症、ならびに膿瘍、よう、毛包炎、せつを含む、皮膚感染症の混合が含まれていた。この進行中の試験では、すべての患者が、非盲検期間(第2期間および第3期間)に移行した。プラセボ患者のガレトスマブに対するクロスオーバーは、ガレトスマブ治療が、対照と比較して、新しい骨病変形成の顕著な低減につながることを56週目に確認することを可能にする(「対照」は、その前のプラセボ治療期間中のこれらの同じ患者の測定値である)。56週のデータはまた、ガレトスマブ治療を継続する患者における治療効果の持続性に関する情報を提供する。まとめると、この試験からの安全性および有効性のデータは、FOPを有する成人患者の治療に対するガレトスマブの正のベネフィット-リスクを示す。ガレトスマブを用いたアクチビンAの遮断は、長期にわたって罹患しているFOP患者の疾患の経過を変える機会を提供する。
試験目的
主要目的
この試験の主要な安全性の目的は、FOPを有する患者におけるガレトスマブの安全性および忍容性を評価することであった。本試験の主要な有効性の目的は、PETによるHO病変における18F-NaF取り込み、およびCTによるHO病変の総体積によって決定される、FOPを有する患者におけるHOにおけるベースラインからの変化に対する、プラセボに対するガレトスマブの効果を評価することであった。
副次目的
この試験の副次目的は、以下の通りであった。
●1日疼痛NRSスコアに基づく疼痛の曲線下面積(AUC)によって測定されるような、FOPに起因する疼痛に対する、プラセボに対するガレトスマブの効果を比較すること。
18F-NaF PETまたはCTによって特定された新しいHO病変の数によって決定されるような、HOにおけるベースラインからの変化に対する、プラセボに対するガレトスマブの効果を評価すること。
●PETによる個々の活動性HO部位の18F-NaF標準化最大取り込み値(SUV最大)におけるベースラインからの変化に対する、プラセボに対するガレトスマブの効果を評価すること。
●28週目にプラセボからガレトスマブに切り替えられた患者において、ベースラインと28週目との間の同じ患者に対して、18F-NaF PETまたはCTによって特定されるHO病変の数、活動性、および体積に対する、28~56週の間のガレトスマブの効果を評価すること。
●骨形成の生化学的マーカーにおけるベースラインからの変化に対する、プラセボに対するガレトスマブの効果を評価すること。
●ベースライン時、および治験薬の最初の投与後の時間経過に伴い、総アクチビンA濃度を特性決定すること。
●FOPを有する患者におけるガレトスマブの濃度-時間プロファイル(薬物動態[PK])プロファイルを特性決定すること。
●ガレトスマブの免疫原性を評価すること。
研究設計
これは、FOPを有する成人患者において、10mg/kg IVガレトスマブQ4Wの反復投与の安全性、忍容性、PK、および異所性骨形成に対する効果を評価するために設計された、第2相のランダム化二重盲検プラセボ対照試験であった。研究設計の概略図(図1)に示すように、この試験は、スクリーニング/ベースライン期間(-28日目~-1日目)、2つの6ヶ月間の治療期間、およびフォローアップ治療期間(第3期間)からなっていた。
スクリーニング/ベースライン期間中に、すべての患者は、インフォームドコンセントプロセスおよびスクリーニング/ベースライン手順を受けた。二重盲検治療期間(第1期間)では、患者を、10mg/kg用量でのガレトスマブまたは合致するプラセボを受けるようにランダム化して、24週目まで、合計7回の用量でIC Q4W投与した。性別、古典的なACVR1[R206H]変異/異なるACVR1変異、および18F-NaF-PET/CTによって決定されるベースライン活動性HO病変の有無によって、ランダム化したものを層別化した。非盲検治療期間(第2期間)では、二重盲検治療期間を完了したすべての患者は、合計7回の用量で、52週目まで10mg/kgの用量で、Q4Wで静脈内投与されるガレトスマブを受けた。第2期間を完了した患者は、第3期間の76週目以降までガレトスマブを受け続ける。画像診断手技は、ベースライン時、8週目、28週目、56週目、および76週目に実施される。
統計的方法
分析集団
International Conference of Harmonization of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use(ICH)guideline ICH E9 Statistical Principles for Clinical Trials(1998)からのガイダンスに従い、以下の分析集団をすべての統計分析に使用した。
ベースライン-活動性HO分析セット(AHO):ベースライン-活動性HO分析セット(AHO)には、ベースライン時に少なくとも1つの活動性HO病変を有していたすべてのランダム化された患者が含まれていた。これは、割り当てられた治療に基づいていた(ランダム化された)。
ベースライン-活動性HO古典的ACVR1[R206H]変異分析セット(AHOC):ベースライン-活動性HO古典的ACVR1[R206H]変異分析セット(AHOC)には、古典的ACVR1[R206H]変異を有し、18F-NaF PET陽性によって定義されるような、ベースライン時に少なくとも1つの活動性HO病変を有していたすべてのランダム化された患者が含まれていた。これは、割り当てられた治療に基づいていた(ランダム化された)。
安全性分析セット(SAF):安全性分析セット(SAF)には、任意の試験薬を受けたすべてのランダム化された患者が含まれていた。実際に受けた治療は、安全性の分析に使用された。
有効性変数の解析
試験の有効性変数は、画像診断手順、臨床エンドポイント、および骨形成のバイオマーカーからの評価からなっていた。
多重性の考慮:本試験には、4つの主要な有効性の目的と、2つの副次的な有効性の目的があった。第1種の過誤率を制御するために、階層試験手順を、両側5%の有意水準で適用し、主要副次有効性エンドポイントは、すべての主要エンドポイントについて統計的有意性が確立された場合にのみ試験した。主要有効性エンドポイントおよび主要副次有効性エンドポイントの試験シーケンスの順序は、以下の通りであった。
Figure 2023510270000007
主要有効性エンドポイント:
AHOにおける、28週にわたる18F-NaF PETによる総病変活動性におけるベースラインからの変化率の時間加重平均(標準化されたAUC)
28週にわたる18F-Naf PETによる総病変活動性におけるベースラインからの変化率のAUCを、各患者について算出した。AUCの計算には、実際の時間ではなく、公称の時間(すなわち、8週および28週)を使用した。8週目の画像診断スキャンが欠落している場合、ベースラインと28週目との間の変化%の線形補間を使用して、AUCを計算した。28週目の画像診断スキャンが欠落している場合、8週目での変化%を、AUCを計算するために28週目に繰り越した。時間加重平均(標準化されたAUC)は、28週にわたる18F-Naf PETによる総病変活動性におけるベースラインからの変化率のAUCを28で割り算することによって誘導された。共分散(ANCOVA)モデルの解析を用いて、28週にわたる変化率の時間加重平均を解析した。このモデルには、共変量として、治療、性別、およびベースライン総病変活動性が含まれていた。2名の患者を除くすべての患者が、ACVR1の古典的変異を有していたため、ACVR1の変異型をこのモデルから除外した。ベースラインからのLS平均変化の差、対応する95%CIおよびp値は、プラセボ群に対するガレトスマブ群の比較のためにANCOVAモデルから提供された。
AHOにおける、28週目のCTによって評価されたHO病変の総体積におけるベースラインからの変化率
AHOにおける、8週目および28週目のCTによって評価されたHO病変の総体積におけるベースラインからの変化率を、MMRMモデルを使用したAHO分析セットで分析した。モデルは、治療、性別、ACVR1変異型(古典的、非古典的)、来院(8週目および28週目)、ベースライン総体積および来院別の治療の相互作用を含有する。複数時間の間の患者内相関を考慮するために、非構造化共分散を使用した。ベースラインからのLS平均変化の差、対応する95%CIおよびp値は、プラセボ群に対するガレトスマブ群の比較のためにMMRMモデルから提供された。
AHOCにおける、28週にわたる18F-NaF PETによる総病変活動性におけるベースラインからの変化率の時間加重平均(標準化されたAUC)
AHOCにおける、28週にわたる18F-NaF PETによる総病変活動性におけるベースラインからの変化率の時間加重平均(標準化されたAUC)を、AHOにおける第1の主要エンドポイントと同じ方法を使用して分析した。このモデルには、治療、性別、来院(8週目および28週目)、来院別の治療の相互作用、およびベースライン総病変活動性の独立変数が含まれていた。
AHOCにおける、28週目のCTによって評価されたHO病変の総体積におけるベースラインからの変化率
AHOにおける、28週目のCTによって評価されたHO病変の総体積におけるベースラインからの変化率を、AHOにおける第2の主要エンドポイントと同じ方法で分析した。このモデルには、治療、性別、来院(8週目および28週目)、ベースライン総体積、および来院別の治療の相互作用が含まれていた。
主要副次有効性エンドポイント:
AHOにおける、28週にわたる1日NRSを使用して測定された、FOPに起因する1日疼痛のベースラインからの時間加重平均(標準化されたAUC)変化
1日疼痛スコア(現在の疼痛、最悪の疼痛、および最小の疼痛の平均)におけるベースラインからの変化の時間加重平均を、各患者について算出した。中間の日の疼痛スコアが欠落している場合、隣接する2つの測定値間の変化の線形補間を使用して、時間加重平均を計算した。一本調子で欠落している場合には、ベースライン後の最後に観測された値で補完する(last observation carried forward(LOCF))方法を使用して、欠落している値を代入した。AHOでは、ANCOVAモデルを使用して、28週にわたる1日疼痛の時間加重平均変化を解析した。このモデルには、治療、性別、ACVR1変異型(古典的、非古典的)、およびベースライン1日疼痛スコアが含まれていた。
AHOCにおける、28週にわたる1日NRSを使用して測定された、FOPに起因する1日疼痛のベースラインからの時間加重平均(標準化されたAUC)変化
AHOCにおける、28週にわたる1日NRSを使用して測定された、FOPに起因する1日疼痛のベースラインからの時間加重平均(標準化されたAUC)変化を、(AHOにおける)以前の主要副次エンドポイントと同じ方法で分析した。このモデルには、治療、性別、およびベースライン1日疼痛スコアが含まれていた。
安全性データの分析
安全性および忍容性のまとめは、SAFにおけるすべての患者について実施された。安全性分析は、報告されたAE、臨床検査評価、およびバイタルサインに基づいていた。検査室変数およびバイタルサインにおける、治療中に発生した臨床上有意な可能性がある値(Treatment Emergent Potentially Clinically Significant Values(PCSV))の閾値を、SAPで定義した。治療中に発生したPCSVを決定する際のベースラインは、現在の試験のベースラインを示す。
28週間の試験の延長
ガレトスマブを受けた試験参加者は、試験の延長において、56週までガレトスマブを受け続けた。さらに、プラセボを受けた試験参加者には、延長期間中に、ガレトスマブを受けさせた。延長期間中にガレトスマブを受けたプラセボ患者は、盲検期間中(すなわち、28週目まで)に治療群でみられたのと同様に、新しい病変の数、病変体積、および疼痛スコアが低下した。
非公式な配列表
配列番号1
Figure 2023510270000008
配列番号2
GGSFSSHF
配列番号3
ILYTGGT
配列番号4
ARARSGITFTGIIVPGSFDI
配列番号5
Figure 2023510270000009
配列番号6
QSVSSSY
配列番号7
GAS
配列番号8
QQYGSSPWT
配列番号9
EVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCKASGFAFDDFAMHWVRQAPGKGLEWVSGIVWNSGDIGY
ADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQLNSLRTEDTALYFCVKDMVRGLMGFNYYGMDVWGQGTT
VTVSS
配列番号10
GFAFDDFA
配列番号11
IVWNSGDI
配列番号12
VKDMVRGLMGFNYYGMDV
配列番号13
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQTISTYLVWYRQRPGQAPSLLIYDASNRATDIPA
RFSGSGSGTDFTLTISSLEPEDFAVYYCQQRSNWPITFGQGTRLEIK
配列番号14
QTISTY
配列番号15
DAS
配列番号16
QQRSNWPIT
配列番号17
SYEVTQAPSVSVSPGQTASITCSGDKLGDKYACWYQQKPGQSPVLVIYQDSKRPSGIPER
FSGSNSGNTATLTISGTQAMDEADYYCQAWDSSTAVFGGGTKLTVL
配列番号18
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYGLSWVRQAPGQGLEWMGWIIPYNGNTNS
AQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYFCARDRDYGVNYDAFDIWGQGTMVTV
SS
配列番号19
SGDKLGDKYAC
配列番号20
QDSKRPS
配列番号21
QAWDSSTAV
配列番号22
GYTFTSYGLS
配列番号23
WIIPYNGNTNSAQKLQG
配列番号24
DRDYGVNYDAFDI

Claims (31)

  1. FOPを有するヒト対象において新しい異所性骨化病変の形成を減少させる方法であって、前記方法が、前記ヒト対象に、治療有効量のアクチビンAアンタゴニストを投与することを含み、それによって前記ヒト対象において前記新しい異所性骨化病変の形成を減少させる、方法。
  2. 前記新しい異所性骨化病変の形成が、前記ヒト対象において予防される、請求項1に記載の方法。
  3. FOPを有するヒト対象において新しい異所性骨化病変の形成を予防する方法であって、前記方法が、前記ヒト対象に、治療有効量のアクチビンAアンタゴニストを投与することを含み、それによって前記ヒト対象において前記新しい異所性骨化病変の形成を予防する、方法。
  4. 前記ヒト対象が、対照と比較して、新しい異所性骨化病変の数の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも5%~90%、少なくとも10%~90%、少なくとも20%~90%、少なくとも30%~90%、少なくとも40%~90%、少なくとも50%~90%、少なくとも60%~90%、少なくとも70%~90%、少なくとも80%~90%、少なくとも5%~80%、少なくとも5%~70%、少なくとも5%~60%、少なくとも5%~50%、少なくとも5%~40%、少なくとも5%~30%、少なくとも5%~20%、または少なくとも5%~10%の減少を示す、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記ヒト対象が、対照と比較して、新しい異所性骨化病変の体積の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも5%~50%、少なくとも10%~50%、少なくとも20%~50%、少なくとも30%~50%、少なくとも40%~50%、少なくとも5%~40%、少なくとも5%~30%、少なくとも5%~20%、または少なくとも5%~10%の減少を示す、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記ヒト対象が、対照と比較して、新しい異所性骨化病変の成長および石灰化の速度の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも5%~50%、少なくとも10%~50%、少なくとも20%~50%、少なくとも30%~50%、少なくとも40%~50%、少なくとも5%~40%、少なくとも5%~30%、少なくとも5%~20%、または少なくとも5%~10%の減少を示す、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記ヒト対象が、対照と比較して、新しい異所性骨化病変の強度の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも5%~50%、少なくとも10%~50%、少なくとも20%~50%、少なくとも30%~50%、少なくとも40%~50%、少なくとも5%~40%、少なくとも5%~30%、少なくとも5%~20%、または少なくとも5%~10%の減少を示す、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記ヒト対象が、対照と比較して、前記異所性骨化病変の総病変活動性(TLA)の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも5%~80%、少なくとも10%~80%、少なくとも20%~80%、少なくとも30%~80%、少なくとも40%~80%、少なくとも50%~80%、少なくとも60%~80%、少なくとも70%~80%、少なくとも5%~70%、少なくとも5%~60%、少なくとも5%~50%、少なくとも5%~40%、少なくとも5%~30%、少なくとも5%~20%、または少なくとも5%~10%の減少を示す、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記ヒト対象が、対照と比較して、1日平均疼痛-NRSの約0.2倍、0.5倍、1倍、1.5倍、2倍、3倍、0.2~3倍、0.5~3倍、1~3倍、1.5~3倍、2~3倍、2.5~3倍、0.2~2.5倍、0.2~2倍、0.2~1.5倍、0.2~1倍、または0.2~0.5倍の減少を示す、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記対照が、前記アクチビンAアンタゴニストを投与されていないFOPを有するヒト対象の集団から集められた平均測定値または値である、請求項4~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記治療有効量のアクチビンAアンタゴニストが、対照と比較して、前記ヒト対象における痛みのあるフレアアップ(flare-up)の発生を低減する、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記新しい異所性骨化病変が、陽電子放出断層撮影(PET)スキャン、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、またはそれらの組み合わせによって分析される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記PETスキャン分析が、前記ヒト対象への放射標識18Fフッ化ナトリウム(18F-NaF)の投与によって行われる、請求項12に記載の方法。
  14. 前記治療有効量のアクチビンAアンタゴニストが、前記ヒト対象に少なくとも8週間投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  15. 新しい異所性骨化病変の形成を減少させることから利益を受け得るFOPを有する対象を選択することをさらに含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  16. 新しい異所性骨化病変の形成を減少させることから利益を受け得る前記対象が、もうすぐ手術を受けようとしている、請求項15に記載の方法。
  17. 前記ヒト対象が、もうすぐFOPの療法的治療を受けようとしている、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記アクチビンAアンタゴニストが、前記ヒト対象におけるいずれの既存の病変の数、体積、またはサイズも減少させない、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記アクチビンAアンタゴニストが、タンパク質または小分子である、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記アクチビンAアンタゴニストが、抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片である、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片が、キメラ抗体、ベニヤ化(veneered)抗体、ヒト化抗体もしくはヒト抗体、またはその抗原結合断片である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片が、ヒトカッパIgG1抗体である、請求項20または21に記載の方法。
  23. 前記抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片が、以下の6個のCDR配列:
    (a)配列GGSFSSHFに対して少なくとも約80%の同一性を有するHCDR1、
    (b)配列ILYTGGTに対して少なくとも約80%の同一性を有するHCDR2、
    (c)配列ARARSGITFTGIIVPGSFDIに対して少なくとも約80%の同一性を有するHCDR3、
    (d)配列QSVSSSYに対して少なくとも約80%の同一性を有するLCDR1、
    (e)配列GASに対して少なくとも約80%の同一性を有するLCDR2、および
    (f)配列QQYGSSPWTに対して少なくとも約80%の同一性を有するLCDR3を含む、請求項20または21に記載の方法。
  24. 前記抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片が、以下の6個のCDR配列:
    (a)配列GGSFSSHFを有するHCDR1、
    (b)配列ILYTGGTを有するHCDR2、
    (c)配列ARARSGITFTGIIVPGSFDIを有するHCDR3、
    (d)配列QSVSSSYを有するLCDR1、
    (e)配列GASを有するLCDR2、および
    (f)配列QQYGSSPWTを有するLCDR3を含む、請求項23に記載の方法。
  25. 前記抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片が、配列番号1と少なくとも90%の同一性を有する重鎖可変領域と、配列番号5と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖可変領域と、を含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片が、配列番号1と少なくとも95%の同一性を有する重鎖可変領域と、配列番号5と少なくとも95%の同一性を有する軽鎖可変領域と、を含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片が、配列番号1を含む重鎖可変領域と、配列番号5を含む軽鎖可変領域と、を含む、請求項26に記載の方法。
  28. 前記抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片が、配列番号25を含む重鎖と、配列番号26を含む軽鎖と、を含む、請求項27に記載の方法。
  29. 前記抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片が、配列番号1と少なくとも90%の同一性を有する重鎖可変領域と、配列番号5と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖可変領域と、を含む、請求項20または21に記載の方法。
  30. 前記抗アクチビンA抗体、またはその抗原結合断片が、以下の6個のCDR配列:
    (a)配列GGSFSSHFを有するHCDR1、
    (b)配列ILYTGGTを有するHCDR2、
    (c)配列ARARSGITFTGIIVPGSFDIを有するHCDR3、
    (d)配列QSVSSSYを有するLCDR1、
    (e)配列GASを有するLCDR2、および
    (f)配列QQYGSSPWTを有するLCDR3を含む抗体との結合と競合する、請求項20または21に記載の方法。
  31. 前記アクチビンAアンタゴニストが、第2の療法と組み合わせて投与される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
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