JP2023508996A - Cdk12/13阻害剤を用いる癌の処置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トリプルネガティブ乳癌、卵巣癌、および去勢抵抗性前立腺癌の処置のための組成物と方法が本明細書で提供される。前記組成物はCDK12/13阻害剤を含む。【選択図】図1
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2019年12月31日に出願された米国仮特許出願第62/956,114号の利益を主張するものであり、当該文献は参照により全体として本明細書に組み込まれる。
本出願は、2019年12月31日に出願された米国仮特許出願第62/956,114号の利益を主張するものであり、当該文献は参照により全体として本明細書に組み込まれる。
本明細書では、癌の処置のための組成物および方法が提供されている。本明細書に開示される方法に適した癌のタイプは、限定されないが、トリプルネガティブ乳癌、卵巣癌、および去勢抵抗性前立腺癌を含む。本明細書に開示される癌を処置する方法に有用な組成物は、本明細書に記載される複素環式CDK12/13阻害剤を含む。
1つの実施形態は、個体のトリプルネガティブ乳癌を処置する方法であって、式(I)の化合物あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を個体に投与する工程を含む方法を提供し、ここで、式(I)の化合物は、以下の構造を有し、
Rは、水素またはC1-C3アルキルであり、
R3は水素、ハロゲン、-CN、および任意選択で置換されたC1-C3アルキルから選択され、
R4は、ハロゲン、-CN、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたフルオロアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニルから選択され、および、
R5は水素または任意選択で置換されたアルコキシである。
1つの実施形態は、個体の卵巣癌を処置する方法であって、式(I)の化合物あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を個体に投与する工程を含む方法を提供し、ここで、式(I)の化合物は、以下の構造を有し、
Rは、水素またはC1-C3アルキルであり、
R3は水素、ハロゲン、-CN、および任意選択で置換されたC1-C3アルキルから選択され、
R4は、ハロゲン、-CN、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたフルオロアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニルから選択され、および、
R5は水素または任意選択で置換されたアルコキシである。
1つの実施形態は、個体の去勢抵抗性前立腺癌を処置する方法であって、式(I)の化合物あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を個体に投与する工程を含む方法を提供し、ここで、式(I)の化合物は、以下の構造を有し、
引用による組み込み
本明細書で言及されるすべての公開物、特許、および特許出願は、本明細書で特定される特定の目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で言及されるすべての公開物、特許、および特許出願は、本明細書で特定される特定の目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
特定の用語
本明細書と添付の請求項において使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に別のことを指定していない限り、複数の指示対象を含む。ゆえに、例えば、「薬剤」への言及は複数のこうした薬剤を含み、「細胞」への言及は1以上の細胞(または複数の細胞)、および当業者に知られている同等物などへの言及を含む。分子量などの物理的特性、または化学式などの化学的特性についての範囲が本明細書で使用される場合、範囲およびその中の特異的な実施形態のすべての組み合わせおよび下位の組み合わせ(sub-combinations)が含まれるように意図される。「約(about)」という用語は、数または数の範囲を指すとき、参照される数または数の範囲が、実験のばらつきの範囲内(または統計学的な実験誤差内)の近似値であり、したがって、数または数の範囲が、例によっては、記載される数または数の範囲の1%-15%で変動することを意味する。「含むこと」(および、「含む(comprise)または(comprises)」、あるいは「有すること(having)」または「含むこと(including)」などの関連する用語)という用語は、他のある実施形態では、例えば、本明細書に記載される任意の物質の組成物、組成物、方法、またはプロセスなどの実施形態が、記載される特徴「からなる(consist of)」または「から本質的になる(consist essentially of)」ことを排除することを意図するものではない。
本明細書と添付の請求項において使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に別のことを指定していない限り、複数の指示対象を含む。ゆえに、例えば、「薬剤」への言及は複数のこうした薬剤を含み、「細胞」への言及は1以上の細胞(または複数の細胞)、および当業者に知られている同等物などへの言及を含む。分子量などの物理的特性、または化学式などの化学的特性についての範囲が本明細書で使用される場合、範囲およびその中の特異的な実施形態のすべての組み合わせおよび下位の組み合わせ(sub-combinations)が含まれるように意図される。「約(about)」という用語は、数または数の範囲を指すとき、参照される数または数の範囲が、実験のばらつきの範囲内(または統計学的な実験誤差内)の近似値であり、したがって、数または数の範囲が、例によっては、記載される数または数の範囲の1%-15%で変動することを意味する。「含むこと」(および、「含む(comprise)または(comprises)」、あるいは「有すること(having)」または「含むこと(including)」などの関連する用語)という用語は、他のある実施形態では、例えば、本明細書に記載される任意の物質の組成物、組成物、方法、またはプロセスなどの実施形態が、記載される特徴「からなる(consist of)」または「から本質的になる(consist essentially of)」ことを排除することを意図するものではない。
本明細書と添付の請求項で使用されるように、反対の意味に指定されない限り、次の用語は以下に指定する意味を有する。
「シアノ」は-CNラジカルを指す。
「アルキル」は、炭素原子と水素原子のみからなり、不飽和を含まず、1~15個の炭素原子を有する、直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖ラジカルを指す(例えば、C1-C15アルキル)。ある実施形態では、アルキルは1~13個の炭素原子を含む(例えば、C1-C13アルキル)。ある実施形態では、アルキルは1~8個の炭素原子を含む(例えば、C1-C8アルキル)。他の実施形態では、アルキルは1~5個の炭素原子を含む(例えば、C1-C5アルキル)。他の実施形態では、アルキルは1~4個の炭素原子を含む(例えば、C1-C4アルキル)。他の実施形態では、アルキルは1~3個の炭素原子を含む(例えば、C1-C3アルキル)。他の実施形態では、アルキルは1~2個の炭素原子を含む(例えば、C1-C2アルキル)。他の実施形態では、アルキルは1つの炭素原子を含む(例えば、C1アルキル)。他の実施形態では、アルキルは5~15個の炭素原子を含む(例えば、C5-C15アルキル)。他の実施形態では、アルキルは5~8個の炭素原子を含む(例えば、C5-C8アルキル)。他の実施形態では、アルキルは2~5個の炭素原子を含む(例えば、C2-C5アルキル)。他の実施形態では、アルキルは3~5個の炭素原子を含む(例えば、C3-C5アルキル)。他の実施形態では、アルキル基は、メチル、エチル、1-プロピル(n-プロピル)、1-メチルエチル(イソ-プロピル)、1-ブチル(n-ブチル)、1-メチルプロピル(sec-ブチル)、2-メチルプロピル(イソ-ブチル)、1,1-ジメチルエチル(tert-ブチル)、1-ペンチル(n-ペンチル)から選択される。アルキルは、単結合によって分子の残りに結合する。本明細書において別段の定めのない限り、アルキル基は、以下の置換基のうち1つ以上によって任意選択で置換される:ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、イミノ、オキシモ、トリメチルシラニル、-ORa、-SRa、-OC(O)-Ra、-N(Ra)2、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)N(Ra)2、-N(Ra)C(O)ORa、-OC(O)-N(Ra)2、-N(Ra)C(O)Ra、-N(Ra)S(O)tRa(tは1または2である)、-S(O)tORa(tは1または2である)、-S(O)tRa(tは1または2である)、および、-S(O)tN(Ra)2(tは1または2である)(ここで、Raはそれぞれ独立して、水素、アルキル(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)、フルオロアルキル、カルボシクリル(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)、カルボシクリルアルキル(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)、アリール(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)、アラルキル(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)、ヘテロシクリル(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)、ヘテロシクリルアルキル(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)、ヘテロアリール(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)、あるいはヘテロアリールアルキル(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)である)。
「アルコキシ」は、式-O-アルキルの酸素原子を介して結合されるラジカルを指し、ここで、アルキルは上に定義されるようなアルキル鎖である。
「アルケニル」は、炭素と水素の原子のみからなり、少なくとも1つの炭素炭素二重結合を含み、および2~12個の炭素原子を有する、直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖ラジカル基を指す。ある実施形態では、アルケニルは2~8個の炭素原子を含む。他の実施形態では、アルケニルは2~4個の炭素原子を含む。アルケニルは単結合によって分子の残りに結合し、例えば、エテニル(すなわち、ビニル)、プロプ(prop)-1-エニル(すなわち、アリル)、ブト(but)-1-エニル、ペント(pent)-1-エニル、ペンタ(penta)-1,4-ジエニルなどである。本明細書において別段の定めのない限り、アルケニル基は、以下の置換基の1つ以上によって任意選択で置換される:ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、イミノ、オキシモ、トリメチルシラニル、-ORa、-SRa、-OC(O)-Ra、-N(Ra)2、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)N(Ra)2、-N(Ra)C(O)ORa、-OC(O)-N(Ra)2、-N(Ra)C(O)Ra、-N(Ra)S(O)tRa(tは1または2である)、-S(O)tORa(tは1または2である)、-S(O)tRa(tは1または2である)、および、-S(O)tN(Ra)2(tは1または2である)(ここで、Raはそれぞれ独立して、水素、アルキル(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)、フルオロアルキル、カルボシクリル(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)、カルボシクリルアルキル(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)、アリール(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)、アラルキル(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)、ヘテロシクリル(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)、ヘテロシクリルアルキル(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)、ヘテロアリール(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)、あるいはヘテロアリールアルキル(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)である)。
「アルキニル」は、炭素と水素の原子のみからなり、少なくとも1つの炭素炭素三重結合を含み、2~12個の炭素原子を有する、直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖ラジカル基を指す。ある実施形態では、アルキニルは2~8個の炭素原子を含む。他の実施形態では、アルキニルは2~6個の炭素原子を含む。他の実施形態では、アルキニルは2~4個の炭素原子を含む。アルキニルは単結合によって分子の残りに結合し、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどである。本明細書において別段の定めのない限り、アルキニル基は、以下の置換基の1つ以上によって任意選択で置換される:ハロ、シアノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、イミノ、オキシモ、トリメチルシラニル、-ORa、-SRa、-OC(O)-Ra、-N(Ra)2、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)N(Ra)2、-N(Ra)C(O)ORa、-OC(O)-N(Ra)2、-N(Ra)C(O)Ra、-N(Ra)S(O)tRa(tは1または2である)、-S(O)tORa(tは1または2である)、-S(O)tRa(tは1または2である)、および-S(O)tN(Ra)2(tは1または2である)(ここで、Raはそれぞれ独立して、水素、アルキル(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)、フルオロアルキル、カルボシクリル(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)、カルボシクリルアルキル(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)、アリール(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)、アラルキル(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)、ヘテロシクリル(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)、ヘテロシクリルアルキル(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)、ヘテロアリール(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)、あるいはヘテロアリールアルキル(ハロゲン、ヒドロキシ、メトキシ、またはトリフルオロメチルで任意選択で置換される)である)。
「ハロ」または「ハロゲン」はブロモ、クロロ、フルオロ、またはヨードの置換基を指す。
「フルオロアルキル」は、上に定義されるように、1つ以上のフルオロラジカル、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1-フルオロメチル-2-フルオロエチルなどによって置換される、上に定義されるようなアルキルラジカルを指す。いくつかの実施形態では、フルオロアルキルラジカルのアルキル部分は、アルキル基について上に定義されるように任意選択で置換される。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される化合物は1つ以上の不斉中心を含み、したがって、絶対的な立体化学の観点から(R)または(S)として定義されるエナンチオマー、ジアステレオマー、および他の立体異性形態を生じさせる。別段の定めのない限り、本明細書に開示される化合物のすべての立体異性形態が本開示によって企図されている。本明細書に記載される化合物がアルケン二重結合を含む場合、および特段の明記のない限り、本開示はEとZ両方の幾何異性体(例えば、シスまたはトランス)を含むことが意図されている。同様に、すべての起こり得る異性体、そのラセミ体や光学的に純粋な形態、およびすべての互変異性体も含まれるよう意図されている。「幾何異性体」という用語は、アルケン二重結合のEまたはZの幾何異性体(例えば、シスまたはトランス)を指す。「位置異性体」という用語は、ベンゼン環のまわりのオルト異性体、メタ異性体、およびパラ異性体などの、中心環のまわりの構造異性体を指す。
「互変異性体」とは、ある分子の1つの原子から同じ分子の別の原子までのプロトン移動が可能な分子を指す。本明細書で提示される化合物は、ある実施形態では互変異性体として存在する。互変異性化が可能な状況では、互変異性体の化学平衡が存在する。互変異性体の正確な割合は、物理的状態、温度、溶媒、およびpHを含む複数の因子に依存する。互変異性平衡のいくつかの例は、以下を含む:
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される化合物は、様々な濃縮された同位体形態で、例えば、2H、3H、11C、13C、および/または14Cの内容物に濃縮されて、使用される。1つの特定の実施形態では、化合物は少なくとも1つの位置で重水素化される。こうした重水素化形態は、米国特許第5,846,514号と第6,334,997号に記載される手順によって作ることが可能である。米国特許第5,846,514号と第6,334,997号に記載されるように、重水素化は代謝安定性または有効性を改善することができ、ゆえに医薬品の作用持続期間を増加させる。
別段の定めのない限り、本明細書で描かれる構造は、1つ以上の同位体濃縮された原子の存在下でのみ異なる化合物を含むことを意図している。例えば、重水素またはトリチウムによる水素の交換、あるいは、13C濃縮または14C濃縮された炭素による炭素の交換を除いて、本構造を有する化合物は、本開示の範囲内である。
本開示の化合物は、こうした化合物を構成する1つ以上の原子において不自然な割合の原子同位体を任意選択で含む。例えば、化合物は、例えば、重水素(2H)、トリチウム(3H)、ヨウ素-125(125I)、または炭素-14(14C)などの同位体で標識され得る。2H、11C、13C、14C、15C、12N、13N、15N、16N、16O、17O、14F、15F、16F、17F、18F、33S、34S、35S、36S、35Cl、37Cl、79Br、81Br、125Iによる同位体置換がすべて企図されている。いくつかの実施形態では、18Fによる同位体置換が企図されている。本発明の化合物の同位体のバリエーションはすべて、放射性であってもなくても、本発明の範囲内に包含される。
ある実施形態では、本明細書に開示された化合物は、1H原子の一部またはすべてが2H原子と取り替えられている。重水素を含有する化合物の合成の方法は、当該技術分野で知られており、非限定的なほんの一例として、以下の合成方法を含む。
重水素置換化合物は以下に記載されるような様々な方法を使用して合成される:Dean, Dennis C.; Editor. Recent Advances in the Synthesis and Applications of Radiolabeled Compounds for Drug Discovery and Development. [Curr., Pharm. Des., 2000; 6(10)] 2000, 110 pp; George W.; Varma, Rajender S. The Synthesis of Radiolabeled Compounds via Organometallic Intermediates, Tetrahedron, 1989, 45(21), 6601-21; and Evans, E. Anthony. Synthesis of radiolabeled compounds, J. Radioanal. Chem., 1981, 64(1-2), 9-32。
重水素化出発物質は容易に入手可能であり、重水素を含有する化合物の合成を行うための本明細書に記載された合成方法に従う。多くの重水素を含有する試薬とビルディングブロック(building block)は、Aldrich Chemical Co.などの化学商品会社から市販されている。
ヨードメタン-d3(CD3I)などの求核置換反応での使用に適した重水素移動試薬は、容易に入手可能であり、求核置換反応条件下で重水素置換された炭素原子を反応基質に移動させるために用いられることもある。CD3Iの使用は、ほんの一例として、以下の反応スキーム図で例証されている。
重水素化リチウムアルミニウム(LiAlD4)などの重水素移動試薬は、還元条件下で重水素を反応基質に移動させるために使用される。LiAlD4の使用は、ほんの一例として、以下の反応スキームで例証される。
重水素ガスとパラジウム触媒は、不飽和の炭素-炭素結合を還元するために、および、ほんの一例として、以下の反応スキームで例証されるようなアリール炭素-ハロゲン結合の還元的置換を行うために使用される。
1つの実施形態では、本明細書で開示される化合物は1つの重水素原子を含む。別の実施形態では、本明細書に開示される化合物は2つの重水素原子を含む。別の実施形態では、本明細書に開示される化合物は3つの重水素原子を含む。別の実施形態では、本明細書に開示される化合物は4つの重水素原子を含む。別の実施形態では、本明細書に開示される化合物は5つの重水素原子を含む。別の実施形態では、本明細書に開示される化合物は6つの重水素原子を含む。別の実施形態では、本明細書に開示される化合物は6つを超える重水素原子を含む。別の実施形態では、本明細書に開示される化合物は重水素原子で完全に置換され、交換不可能な1H水素原子を含まない。1つの実施形態では、重水素取り込みのレベルは、重水素化された合成のビルディングブロックが出発物質として使用される合成方法により決定される。
「薬学的に許容可能な塩」は、酸と塩基付加塩の両方を含む。本明細書に記載される置換されたサイクリン依存性キナーゼ(CDKs)化合物の阻害剤のいずれか1つの薬学的に許容可能な塩は、あらゆる薬学的に適切な塩の形態を包含することを意図している。本明細書に記載される化合物の好ましい薬学的に許容可能な塩は、薬学的に許容可能な酸付加塩および薬学的に許容可能な塩基付加塩である。
「薬学的に許容可能な酸付加塩」とは、遊離塩基の生物学的な効果と特性を保持するそうした塩を指し、これは生物学的にもそれ以外の点でも望ましくないものではなく、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、亜リン酸などの無機酸により形成される。同様に、脂肪族のモノカルボン酸およびジカルボン酸、フェニル置換のアルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、アルカン二酸(alkanedioic acids)、芳香族酸、脂肪族酸、および芳香族スルホン酸などの有機酸により形成される塩も含まれ、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などを含む。したがって、典型的な塩としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩(monohydrogenphosphates)、二水素リン酸塩(dihydrogenphosphates)、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、カプリル酸塩、イソ酪酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩(dinitrobenzoates)、フタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩などが挙げられる。同様に、アルギン酸塩、グルコン酸塩、およびガラクツロン酸塩などのアミノ酸の塩も企図されている(例えば、Berge S.M.et al.,“Pharmaceutical Salts,” Journal of Pharmaceutical Science,66:1-19(1997)を参照)。塩基性化合物の酸付加塩は、実施形態によっては、当業者が熟知している方法と技術に従って塩を生成するために、十分な量の所望の酸に遊離塩基形態を接触させることにより調製される。
「薬学的に許容可能な塩基付加塩」とは、遊離酸の生物学的な効果と特性を保持する塩を指し、これは生物学的にも他の方法でも望ましくないものではない。これらの塩は、無機塩基または有機塩基を遊離酸に加えることによって調製される。薬学的に許容可能な塩基付加塩は、実施形態によっては、アルカリおよびアルカリ土類金属、または有機アミンなどの金属またはアミンで作られる。無機塩基に由来する塩としては、限定されないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムの塩などが挙げられる。有機塩基由来の塩としては、限定されないが、一級、二級、および三級のアミン、自然発生する置換されたアミンを含む置換されたアミン、環状アミン、および塩基イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、N,N-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、エチレンジアニリン、N-メチルグルカミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン、ポリアミン樹脂などの塩が挙げられる。上述のBerge et al.を参照。
「薬学的に許容可能な溶媒和物」とは、溶媒付加形態である物質の組成物を指す。いくつかの実施形態では、溶媒和物は溶媒の化学量論または非化学量論のいずれかを含み、水、エタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒を用いる製造プロセスの間に形成される。水和物は溶媒が水である場合に形成され、あるいは、アルコラートは溶媒がアルコールである場合に形成される。本明細書に記載される化合物の溶媒和物は、本明細書に記載されるプロセスの間に都合よく調製されるか、または形成される。本明細書で提供される化合物は任意選択で、溶媒和形態または非溶媒和の形態で存在する。
「対象」または「患者」という用語は、哺乳動物を包含する。哺乳動物の例は、限定されないが、以下の哺乳動物のクラスのメンバー:ヒト、チンパンジーなどのヒト以外の霊長類、および他の類人猿ならびにサル種、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの家畜、ウサギ、イヌ、およびネコなどの飼育動物、ラット、マウス、およびモルモットなどのげっ歯類を含む実験動物を含む。1つの態様では、哺乳動物はヒトである。
本明細書で使用されるように、「処置」または「処置すること」または「緩和すること」または「寛解させること」は交換可能に使用される。こうした用語は、限定されないが、治療上の利点および/または予防上の利点を含む、有益な結果または望ましい結果を得るための手法を指す。「治療上の利点」は、処置されている基礎疾患の根絶または寛解を意味する。同様に、治療上の利点は、患者がまだ基礎疾患に罹っているにもかかわらず、改善が患者で観察されるように、基礎疾患に関連する生理的な症状の1つ以上の根絶または寛解により達成される。予防的な効果については、組成物は、実施形態によっては、特定の疾患にかかる危険に瀕している患者に、または、たとえ疾患の診断がなされていなくても、この疾患の生理的な症状の1つ以上を報告している患者に投与される。本明細書で使用されるように、「処置すること」という用語は、他に示されない限り、この用語が適用される障害または疾病、あるいは、そのような障害または疾病の1つ以上の症状を撤回し、軽減し、それらの進行を阻害し、あるいは予防することを意味する。いくつかの実施形態では、「処置すること」という用語は、この用語が適用される疾患または障害の進行を遅くするまたは遅らせることを含む。加えて、いくつかの実施形態では、「処置すること」という用語は、この用語が適用される疾患または障害から結果として生じる合併症のうちの1つ以上に適用される。「処置(treatment)」という用語は、本明細書で使用されるように、他に示されない限り、「処置すること」がすぐ上に定義されるような処置行為を指す。
「腫瘍」または「癌」という用語は、本明細書で使用されるように、別段の定めがない限り、新生細胞の増殖を指し、前癌性と癌性の細胞と組織を含む。腫瘍は通常病変またはしこりとして現れる。本明細書で使用されるように、腫瘍を「処置すること」は、腫瘍そのもの、腫瘍の血管新生、または疾患を特徴づける他のパラメータなどの疾患の1つ以上の症状が、減少し、改善され、阻害され、緩解の状態に置かれ、または緩解の状態で維持されることを意味する。腫瘍を「処置すること」はさらに、腫瘍の1つ以上の特徴が処置によって除去され、減らされ、または防がれ得ることを意味する。そのような特徴の非限定的な例は、基底膜と近位の細胞外マトリックスの制御不能な分解、内皮細胞の新しい機能的な毛細管への移動、分裂、および組織化、ならびにそのような機能的な毛細管の持続を含んでいる。
「治療有効量」という用語は、本明細書で使用されるように、研究者、獣医師、医師などによって求められている組織、系、動物、またはヒトの生物学的または医学的な反応を誘発する薬物または医薬品の量を指す。
本発明の他の態様、利点、および特徴は、以下の詳細な記載から明白となる。
CDK12/CDK13
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)ファミリーのメンバーは、増殖において重要な調節的役割を果たす。核において、CDK12および/またはCDK13は、RNAポリメラーゼ(RNAP)II一般転写因子複合体のキナーゼコアの形成を助け、遺伝子転写開始における必要なステップである、RNAP IIのC末端ドメイン(CTD)のセリン2をリン酸化することができる。ともに、CDK12/13の2つの機能、すなわち、CAKとCTDのリン酸化は、細胞増殖、細胞周期、転写の重要な側面を裏付けるものである。RNAP IIのCTDリン酸化の破壊は、抗アポトーシスBCL-2ファミリーの半減期を含む、半減期の短いタンパク質に優先的に影響を及ぼすことが示されている。癌細胞は、BCL-2ファミリーメンバーのアップレギュレーションによって、細胞死促進性のシグナル伝達を回避する能力を実証してきた。ゆえに、ヒトCDK12および/またはCDK13のキナーゼ活性を阻害することは、癌細胞における抗増殖活性をもたらす可能性がある。
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)ファミリーのメンバーは、増殖において重要な調節的役割を果たす。核において、CDK12および/またはCDK13は、RNAポリメラーゼ(RNAP)II一般転写因子複合体のキナーゼコアの形成を助け、遺伝子転写開始における必要なステップである、RNAP IIのC末端ドメイン(CTD)のセリン2をリン酸化することができる。ともに、CDK12/13の2つの機能、すなわち、CAKとCTDのリン酸化は、細胞増殖、細胞周期、転写の重要な側面を裏付けるものである。RNAP IIのCTDリン酸化の破壊は、抗アポトーシスBCL-2ファミリーの半減期を含む、半減期の短いタンパク質に優先的に影響を及ぼすことが示されている。癌細胞は、BCL-2ファミリーメンバーのアップレギュレーションによって、細胞死促進性のシグナル伝達を回避する能力を実証してきた。ゆえに、ヒトCDK12および/またはCDK13のキナーゼ活性を阻害することは、癌細胞における抗増殖活性をもたらす可能性がある。
場合によっては、処置または予防すべき癌または増殖性疾患は、典型的には、CDK12および/またはCDK13の異常な活性と関連付けられるであろう。CDK12および/またはCDK13の異常な活性は、CDK12および/またはCDK13の上昇したおよび/または不適切な(例えば、異常な)活性であり得る。ある実施形態では、CDK12および/またはCDK13は過剰発現されておらず、CDK12および/またはCDK13の活性は上昇し、および/または不適切である。ある他の実施形態では、CDK12および/またはCDK13は過剰発現され、CDK12および/またはCDK13の活性は上昇し、および/または不適切である。
増殖性疾患は、生体試料または対象における細胞のアポトーシスの阻害に関連付けられてもよい。本明細書に記載される、または当該技術分野で知られているすべてのタイプの生体試料は、本発明の範囲内であることが企図されている。CDK12および/またはCDK13の活性の阻害は、アポトーシスの誘導を介して細胞毒性を引き起こすことが予想される。
複素環式CDK12/13阻害剤
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される複素環式CDK12/13阻害剤は、式(I)の構造を有する化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物によって記載され、
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される複素環式CDK12/13阻害剤は、式(I)の構造を有する化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物によって記載され、
Rは、水素またはC1-C3アルキルであり、
R3は水素、ハロゲン、-CN、および任意選択で置換されたC1-C3アルキルから選択され、
R4は、ハロゲン、-CN、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたフルオロアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニルから選択され、および、
R5は水素または任意選択で置換されたアルコキシである。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物は、水素としてRを有している。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物は、C1-C3アルキルとしてRを有している。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物は、水素としてR3を有している。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物は、-CN、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたフルオロアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニルとしてR4を有している。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物は、-CNとしてR4を有している。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物は、任意選択で置換されたアルキニルとしてR4を有している。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物は、ハロゲンとしてR4を有している。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物は、水素としてR5を有している。
特定の実施形態では、本明細書に記載される複素環式CDK12/13阻害剤は、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物は、PCT特許出願PCT/US2019/039959および関連する特許出願であらかじめ開示されており、これらの文献は全体として参照により組み込まれる。この開示全体にわたって、特定の複素環式CDK12/13阻害剤、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物に対する言及がなされている。前記阻害剤の構造は、表1において以下に提供されている。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物は、(R)-N-(4-(3-((5-クロロ-4-メトキシピリミジン-2-イル)アミノ)ピロリジン-1-カルボニル)フェニル)アクリルアミド(化合物1)、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物である。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物は、(R)-N-(4-(3-((5-クロロ-4-メトキシピリミジン-2-イル)アミノ)ピロリジン-1-カルボニル)フェニル)-N-メチルアクリルアミド(化合物2)、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物である。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物は、(R)-N-(4-(3-((5-クロロピリミジン-2-イル)アミノ)ピロリジン-1-カルボニル)フェニル)アクリルアミド(化合物3)、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物である。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物は、(R)-N-(4-(3-((5-シアノピリミジン-2-イル)アミノ)ピロリジン-1-カルボニル)フェニル)アクリルアミド(化合物4)、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物である。
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物は、(R)-N-(4-(3-((5-エチニルピリミジン-2-イル)アミノ)ピロリジン-1-カルボニル)フェニル)アクリルアミド(化合物5)、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物である。
癌および処置の方法
特定の態様において、個体における癌を処置する方法であって、有効量の本明細書に記載される複素環式CDK12/13阻害剤を個体に投与する工程を含む、方法が本明細書に開示される。特定の態様において、癌を処置する際に使用するための複素環式CDK12/13阻害剤が本明細書に開示される。特定の態様において、癌を処置するための薬剤の調製に使用するための複素環式CDK12/13阻害剤が本明細書に開示される。
特定の態様において、個体における癌を処置する方法であって、有効量の本明細書に記載される複素環式CDK12/13阻害剤を個体に投与する工程を含む、方法が本明細書に開示される。特定の態様において、癌を処置する際に使用するための複素環式CDK12/13阻害剤が本明細書に開示される。特定の態様において、癌を処置するための薬剤の調製に使用するための複素環式CDK12/13阻害剤が本明細書に開示される。
ある実施形態では、癌は乳癌、前立腺癌、または卵巣癌などのホルモン依存性癌である。ある実施形態では、癌は乳癌、前立腺癌、または卵巣癌の耐ホルモン耐性形態である。ある実施形態では、癌は乳癌である。ある実施形態では、癌はトリプルネガティブ乳癌(TNBC)である。ある実施形態では、癌は卵巣癌である。ある実施形態では、癌は前立腺癌である。ある実施形態では、癌は去勢抵抗性前立腺癌である。
癌は、癌抑制遺伝子、DNA損傷修復(DDR)遺伝子、あるいは細胞の増殖や生存に関連する遺伝子の変異によって生じる場合がある。腫瘍抑制遺伝子とDDR遺伝子は、損傷したDNAを修復し、DNA損傷を受けた細胞を破壊する。これらの遺伝子の一部の例は、BRCA1やBRCA2、同様に、BCL-2やXIAPなどの抗アポトーシスタンパク質である。BRCA1とBRCA2の変異は、ホルモン依存性の癌との関連性が高い。増殖に関連する遺伝子の過剰発現も癌を引き起こす可能性がある。ある実施形態では、癌は、BRCA1またはBRCA2、あるいはDDR遺伝子、および抗アポトーシスタンパク質(例えば、BCL-2および/またはXIAP)への依存と関連している。ある実施形態では、癌は、細胞増殖遺伝子の過剰発現と関連している。ある実施形態では、癌は、MYC(細胞の増殖、分化、および生存を制御する転写因子をコードする遺伝子)の過剰発現と関連している。
本明細書に開示される化合物は、いくつかの実施形態では、乳房、肝臓、肺、骨、結腸、腎臓、膀胱の癌を含む癌、骨肉腫、高悪性度漿液性卵巣癌、前立腺癌、未分化甲状腺癌(ATC)、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)、および以下の突然変異を有する腫瘍:BRCA1/BRCA2またはDDR遺伝子突然変異癌、前立腺癌およびユーイング肉腫を含むETS-融合癌、ARID1A突然変異癌を含む癌、SWI/SNF複合体変異を含む癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、頭頸部癌、食道癌、胃癌、膵臓癌、胆嚢癌、頸部癌、扁平上皮癌を含む皮膚癌からなる群から選択された癌を処置するために使用されてもよい。加えて、癌は、白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性リンパ性白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、毛様細胞リンパ腫、骨髄腫、マントル細胞リンパ腫、およびバーキットリンパ腫を含むリンパ系の造血器腫瘍;急性骨髄性白血病および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、ならびに前骨髄性白血病を含む骨髄細胞系の造血器腫瘍;線維肉腫および横紋筋肉腫を含む間葉由来の腫瘍;星細胞腫、神経芽腫、神経膠腫、およびシュワン細胞腫を含む中枢神経系と末梢神経系の腫瘍;ならびに、精上皮腫、黒色腫、骨肉腫、奇形癌、角化棘細胞腫、色素性乾皮症(xenoderma pigmentosum)、濾胞性甲状腺癌、およびカポジ肉腫を含む他の腫瘍から選択されてもよい。加えて、CDK12が関与している可能性がある疾患は、筋緊張性ジストロフィー1型(DM1)、筋緊張性ジストロフィー2型、脆弱X関連振戦/運動失調症候群、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、および前頭側頭型認知症、ハンチントン病様2、ハンチントン病、脊髄小脳失調症のいくつかの型、球脊髄性筋萎縮症を含む。
トリプルネガティブ乳癌
トリプルネガティブ乳癌(TNBC)とは、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、過剰なHER2タンパク質の検査が陰性である癌である。TNBCは、ホルモン療法、または、HER2タンパク質受容体を標的とする薬物には反応しない。TNBCを処置する標的薬物は少なく、乳癌の他の形態よりも侵襲性が高く、予後が悪いと考えられている。ある態様では、個体における乳癌を処置する方法であって、有効量の式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を、個体に投与する工程を含む、方法が本明細書に開示される。ある態様では、個体におけるトリプルネガティブ乳癌を処置する方法であって、有効量の式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を、個体に投与する工程を含む、方法が本明細書に開示される。ある態様では、トリプルネガティブ乳癌の処置に使用するための式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書に開示される。ある態様では、トリプルネガティブ乳癌を処置するための薬剤の調製に使用するための式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書に開示される。
トリプルネガティブ乳癌(TNBC)とは、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、過剰なHER2タンパク質の検査が陰性である癌である。TNBCは、ホルモン療法、または、HER2タンパク質受容体を標的とする薬物には反応しない。TNBCを処置する標的薬物は少なく、乳癌の他の形態よりも侵襲性が高く、予後が悪いと考えられている。ある態様では、個体における乳癌を処置する方法であって、有効量の式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を、個体に投与する工程を含む、方法が本明細書に開示される。ある態様では、個体におけるトリプルネガティブ乳癌を処置する方法であって、有効量の式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を、個体に投与する工程を含む、方法が本明細書に開示される。ある態様では、トリプルネガティブ乳癌の処置に使用するための式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書に開示される。ある態様では、トリプルネガティブ乳癌を処置するための薬剤の調製に使用するための式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書に開示される。
TNBCは、乳癌の他の形態よりも転移する可能性が高い。いくつかの実施形態では、トリプルネガティブ乳癌は転移性のトリプルネガティブ乳癌である。いくつかの実施形態では、トリプルネガティブ乳癌は非転移性のトリプルネガティブ乳癌である。
乳癌は、乳房内のさまざまな場所で発生する可能性がある。乳管癌は乳房の乳管の内壁に形成される。乳房のパジェット病は、乳管から始まり、乳頭と乳輪に広がる。血管肉腫は、血管やリンパ管を覆っている細胞で発生する。葉状腫瘍は乳房の結合組織で生じる。乳管を覆う基底細胞に類似する基底様癌は、より侵襲的で高悪性度の癌である傾向がある。いくつかの実施形態では、乳癌は、乳管癌、乳房のパジェット病、血管肉腫、葉状腫瘍、または基底様癌を含む。多くのTNBCは「基底様」癌である。いくつかの実施形態では、トリプルネガティブ乳癌は、基底様腫瘍を含んでいる。
遺伝性のBRCA1またはBRCA2突然変異を有する人は、TNBCを有する可能性が高い。いくつかの実施形態では、個体はBRCA1突然変異を患っている。いくつかの実施形態では、個体はBRCA2突然変異を患っている。
卵巣癌
ある態様では、個体における卵巣癌を処置する方法であって、有効量の式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を、個体に投与する工程を含む、方法が本明細書に開示される。ある態様では、卵巣癌の処置に使用するための式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書に開示される。ある態様では、卵巣癌を処置するための薬剤の調製に使用するための式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書に開示される。ある実施形態では、卵巣癌は転移性卵巣癌を含む。ある実施形態では、卵巣癌は非転移性卵巣癌を含む。ある実施形態では、卵巣癌は高悪性度の腫瘍である。ある実施形態では、卵巣癌は再発性の卵巣癌である。
ある態様では、個体における卵巣癌を処置する方法であって、有効量の式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を、個体に投与する工程を含む、方法が本明細書に開示される。ある態様では、卵巣癌の処置に使用するための式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書に開示される。ある態様では、卵巣癌を処置するための薬剤の調製に使用するための式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書に開示される。ある実施形態では、卵巣癌は転移性卵巣癌を含む。ある実施形態では、卵巣癌は非転移性卵巣癌を含む。ある実施形態では、卵巣癌は高悪性度の腫瘍である。ある実施形態では、卵巣癌は再発性の卵巣癌である。
卵巣癌は、卵巣内の多くの種類の細胞から形成される。上皮性腫瘍は、卵巣の外表面を覆っている細胞から生じる。良性の上皮性腫瘍としては、限定されないが、漿液性腺腫、粘液性腺腫、およびブレンナー腫瘍が挙げられる。卵巣腫瘍の中で最も一般的な形態は、癌性の上皮癌である。胚細胞腫瘍は、卵子を作る細胞から生じ、良性のものもあれば癌性のものもある。一般的な胚細胞腫瘍の例としては、成熟奇形腫、未分化胚細胞腫、および内胚葉洞腫瘍が挙げられる。間質性腫瘍は、卵巣のホルモンを産生する卵巣内の結合組織から生じる。卵巣肉腫は、卵巣細胞の結合組織で生じ、アデノ肉腫、平滑筋肉腫、および線維肉腫を含む。ある実施形態では、癌は、卵巣上皮癌、胚細胞腫瘍、間質性腫瘍、または卵巣肉腫を含む。ある実施形態では、卵巣肉腫は、腺肉腫、平滑筋肉腫、または線維肉腫である。ある実施形態では、癌は上皮癌を含む。
BRCA1とBRCA2の突然変異は、卵巣癌を進行させる個体のリスクを増大させる。ある実施形態では、個体はBRCA1突然変異を患っている。ある実施形態では、個体はBRCA2突然変異を患っている。
ある実施形態では、癌は上皮性卵巣癌である。ある実施形態では、癌は卵管癌である。ある実施形態では、癌は腹膜癌である。
去勢抵抗性前立腺癌
ある態様では、個体における前立腺癌を処置する方法であって、有効量の式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を、個体に投与する工程を含む、方法が本明細書に開示される。ある態様では、前立腺癌の処置に使用するための式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書に開示される。ある態様では、前立腺癌を処置するための薬剤の調製に使用するための式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書に開示される。多くの早期前立腺癌は、成長するために正常なレベルのテストステロンを必要とするが、去勢抵抗性前立腺癌はそうではない。これは、処置のために利用可能な治療選択肢を制限する。ある実施形態では、前立腺癌は、去勢抵抗性前立腺癌を含む。ある実施形態では、去勢抵抗性前立腺癌は、転移性前立腺癌を含む。ある実施形態では、去勢抵抗性前立腺癌は、非転移性前立腺癌を含む。
ある態様では、個体における前立腺癌を処置する方法であって、有効量の式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を、個体に投与する工程を含む、方法が本明細書に開示される。ある態様では、前立腺癌の処置に使用するための式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書に開示される。ある態様では、前立腺癌を処置するための薬剤の調製に使用するための式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物が本明細書に開示される。多くの早期前立腺癌は、成長するために正常なレベルのテストステロンを必要とするが、去勢抵抗性前立腺癌はそうではない。これは、処置のために利用可能な治療選択肢を制限する。ある実施形態では、前立腺癌は、去勢抵抗性前立腺癌を含む。ある実施形態では、去勢抵抗性前立腺癌は、転移性前立腺癌を含む。ある実施形態では、去勢抵抗性前立腺癌は、非転移性前立腺癌を含む。
前立腺癌は、前立腺の多くの組織で発生する可能性があり、限定されないが、腺房腺癌、管状腺癌、移行細胞癌、扁平上皮癌、小細胞前立腺癌、神経内分泌癌、および肉腫を含む。ほとんどの前立腺癌は腺癌である。この部分集合の中で、ほとんどの腺癌は腺房腺癌であり、クラスタを形成し、液体分泌細胞を覆う腺房細胞に形成される。管状腺癌は、前立腺の管(tubes、ducts)を覆う細胞内に形成される。移行細胞癌は、前立腺の周囲の構造物、例えば、尿道および膀胱を覆う細胞内に形成される。扁平上皮癌は、前立腺を覆う扁平な細胞で始まる、まれで侵襲性の前立腺癌の形態である。小細胞癌は、神経内分泌系の小さな丸い細胞で生じる侵襲性の前立腺癌の形態である。神経内分泌癌は、前立腺の神経細胞および腺細胞で形成される。肉腫は、前立腺癌の中でもまれな形態であり、前立腺の筋肉および神経を含む軟組織で形成される。前立腺肉腫は、平滑筋肉腫および横紋筋肉腫を含み得る。ある実施形態では、去勢抵抗性前立腺癌は、腺房腺癌、管状腺癌、移行細胞癌、扁平上皮癌、小細胞前立腺癌、神経内分泌癌、または肉腫を含む。
BRCA1とBRCA2の遺伝子は、前立腺癌を進行させる個体のリスクを増大させる。ある実施形態では、個体はBRCA1突然変異を患っている。ある実施形態では、個体はBRCA2突然変異を患っている。
一実施形態は、細胞におけるアポトーシスを誘導するための方法であって、式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む組成物の有効量を細胞に投与する工程を含む、方法を提供する。
一実施形態は、細胞における細胞増殖を減少させるための方法であって、式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む組成物の有効量を細胞に投与する工程を含む、方法を提供する。
有効性のバイオマーカー
処置の効果をモニタリングすることが有用な場合がある。処置の有効性は、例えば、特定のタンパク質のリン酸化状態または特定の遺伝子の発現レベルをモニタリングすることによって、モニタリングされ得る。処置の有効性に関する情報は、例えば、処置を受けた個体の予後を判定するために、または処置を継続するという決定を通知するために、使用することができる。
処置の効果をモニタリングすることが有用な場合がある。処置の有効性は、例えば、特定のタンパク質のリン酸化状態または特定の遺伝子の発現レベルをモニタリングすることによって、モニタリングされ得る。処置の有効性に関する情報は、例えば、処置を受けた個体の予後を判定するために、または処置を継続するという決定を通知するために、使用することができる。
CDK12のリン酸化標的
CDK12は、RNAポリメラーゼIIの最大サブユニットであるRPB1のC末端ドメインをリン酸化することが分かっている。このリン酸化は、転写、RNAプロセシング、およびゲノムの安定性において主要な役割を果たす。CDK12は、MAPK3、SOS1、ARHGAP35、ANKS1A、JANK2、MAPK1、BCAR3、NUP214、TPR、AHNAK、DDX20、PARD2、SEPT7、ADAM17、CLASP2、XPC、POLA1、CTNNA1、およびARFIP1をリン酸化することも分かっている。癌または個体の細胞のCDK12標的のリン酸化のレベルをモニタリングすることで、処置方法の有効性に関するフィードバックが提供されることがある。CDK13はCDK12と同じようにリン酸化基質の多くを利用することが予想される。
CDK12は、RNAポリメラーゼIIの最大サブユニットであるRPB1のC末端ドメインをリン酸化することが分かっている。このリン酸化は、転写、RNAプロセシング、およびゲノムの安定性において主要な役割を果たす。CDK12は、MAPK3、SOS1、ARHGAP35、ANKS1A、JANK2、MAPK1、BCAR3、NUP214、TPR、AHNAK、DDX20、PARD2、SEPT7、ADAM17、CLASP2、XPC、POLA1、CTNNA1、およびARFIP1をリン酸化することも分かっている。癌または個体の細胞のCDK12標的のリン酸化のレベルをモニタリングすることで、処置方法の有効性に関するフィードバックが提供されることがある。CDK13はCDK12と同じようにリン酸化基質の多くを利用することが予想される。
いくつかの実施形態では、腫瘍(限定されないが、循環腫瘍細胞を含む)および正常組織におけるリン酸化されたCDK12リン酸化標的のレベル、および総CDK12リン酸化標的のレベルをモニタリングする工程と、2つの値の比を決定する工程と、化合物の投与後に、CDK12リン酸化標的の総レベルに対するリン酸化されたCDK12リン酸化標的のレベルの減少を観察する工程、を含む方法が本明細書で開示される。本明細書に開示されるいくつかの実施形態では、腫瘍におけるリン酸化されたCDK12リン酸化標的のレベル、および総CDK12リン酸化標的のレベルをモニタリングする工程と、2つの値の比を決定する工程と、化合物の投与後に、CDK12リン酸化標的の総レベルに対するリン酸化されたCDK12リン酸化標的のレベルの減少を観察する工程、を含む方法が本明細書で開示され、ここで、化合物の投与後のRNAポリメラーゼの総レベルに対するリン酸化されたCDK12リン酸化標的のレベルの減少は、処置の有効性に相関する。いくつかの実施形態では、CDK12/13リン酸化標的は、MAPK3、SOS1、ARHGAP35、ANKS1A、JANK2、MAPK1、BCAR3、NUP214、TPR、AHNAK、DDX20、PARD2、SEPT7、ADAM17、CLASP2、XPC、POLA1、CTNNA1、およびARFIP1からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、CDK12/13リン酸化標的はRNAポリメラーゼIIである。CDK13はCDK12と同じようにリン酸化標的の多くを利用することが予想される。
いくつかの実施形態では、腫瘍におけるリン酸化されたRNAポリメラーゼIIのレベル、および総RNAポリメラーゼIIのレベルをモニタリングする工程と、2つの値の比を決定する工程と、化合物の投与後に、RNAポリメラーゼIIの総レベルに対するリン酸化されたRNAポリメラーゼIIのレベルの減少を観察する工程、を含む方法が本明細書で開示される。本明細書に開示されるいくつかの実施形態では、腫瘍におけるリン酸化されたRNAポリメラーゼIIのレベル、および総RNAポリメラーゼIIのレベルをモニタリングする工程と、2つの値の比を決定する工程と、化合物の投与後に、RNAポリメラーゼIIの総レベルに対するリン酸化されたRNAポリメラーゼIIのレベルの減少を観察する工程、を含む方法が本明細書で開示され、ここで、化合物の投与後のRNAポリメラーゼの総レベルに対するリン酸化されたRNAポリメラーゼIIのレベルの減少は、処置の有効性に相関する。
DNA損傷応答遺伝子
DNA損傷応答(DDR)遺伝子は、細胞のチェックポイントとDNA修復プロセスを制御することにより、ゲノムの忠実度を維持することに関与している。DDRは、DNA損傷を検出し、細胞周期停止とDNA修復を促進することによって、またはDNA病変が持続して収拾がつかない場合の細胞死を促進することによって、細胞の運命を決定する複雑な応答を誘発する。多くの化学療法剤の抗癌活性は、DNA二本鎖切断の誘発に依存しており、DDRタンパク質に突然変異を有する腫瘍は、DNAに損傷を与える化学療法に対して特に感受性が高い。DDR遺伝子の一部の例としては、限定されないが、BRCA1、BRCA2、ATM、ATR、H2AX、RAD51、BCLXL、BCL2MCL1、MYC、B2M、PARP1、PARP2、CHEK1、およびCHEK2が挙げられる。
DNA損傷応答(DDR)遺伝子は、細胞のチェックポイントとDNA修復プロセスを制御することにより、ゲノムの忠実度を維持することに関与している。DDRは、DNA損傷を検出し、細胞周期停止とDNA修復を促進することによって、またはDNA病変が持続して収拾がつかない場合の細胞死を促進することによって、細胞の運命を決定する複雑な応答を誘発する。多くの化学療法剤の抗癌活性は、DNA二本鎖切断の誘発に依存しており、DDRタンパク質に突然変異を有する腫瘍は、DNAに損傷を与える化学療法に対して特に感受性が高い。DDR遺伝子の一部の例としては、限定されないが、BRCA1、BRCA2、ATM、ATR、H2AX、RAD51、BCLXL、BCL2MCL1、MYC、B2M、PARP1、PARP2、CHEK1、およびCHEK2が挙げられる。
CDK12はDDR遺伝子の制御に関与しており、CDK12を阻害することにより、DDR遺伝子とタンパク質のダウンレギュレーションを引き起こし得る。死の誘導に加えて、DDR遺伝子の発現レベルをモニタリングすることで、個体に投与されたCDK12阻害剤の有効性をモニタリングする方法を提供し得る。CDK13阻害剤は、DDR遺伝子応答に関してCDK12阻害剤と同様の様式で挙動することが予想される。
本明細書に開示されるいくつかの実施形態では、腫瘍および正常組織におけるDNA損傷応答遺伝子の発現レベルをモニタリングする工程と、化合物の投与後にDNA損傷応答遺伝子の発現レベルの減少を観察する工程を含む方法がある。本明細書に開示されるいくつかの実施形態では、腫瘍と正常組織中のDNA損傷応答遺伝子の発現のレベルをモニタリングする工程と、化合物の投与後にDNA損傷応答遺伝子の発現レベルの減少を観察する工程を含む方法があり、ここで、化合物の投与後のDNA損傷応答遺伝子の発現のレベルの減少は、処置の有効性に相関する。いくつかの実施形態では、DNA損傷応答遺伝子はBRCA1、BRCA2、ATM、ATR、H2AX、RAD51、BCLXL、BCL2、MCL1、MYC、B2M、PARP1、PARP2、CHEK1、またはCHEK2を含む。
ある実施形態では、DDR遺伝子の発現レベルは、定量的、リアルタイムPCR(qRT-PCRまたはqPCR)によりモニタリングされる。ある実施形態では、DDR遺伝子の発現レベルは、マイクロアレイ解析、または、限定されないが、RNAseqを含む「次世代」シーケンシング(NGS)技術によってモニタリングされる。ある実施形態では、腫瘍および正常組織におけるDDR遺伝子発現の変化に応じたDNA損傷のレベルは、限定されないが、NGS技術(例えば、全ゲノムシーケンシングまたはエクソームシーケンシング)によりモニタリングされる。
医薬組成物
特定の実施形態では、本明細書に記載される複素環式CDK12/13阻害剤は、純粋な化学薬品として投与される。他の実施形態では、本明細書に記載される複素環式CDK12/13阻害剤は、選択された投与経路および標準の薬務に基づいて、薬学的に適切なまたは許容可能な担体(薬学的に適切な(または許容可能な)賦形剤、生理学的に適切な(または許容可能な)賦形剤、あるいは、生理学的に適切な(または許容可能な)担体とも呼ばれる)と組み合わされる。
特定の実施形態では、本明細書に記載される複素環式CDK12/13阻害剤は、純粋な化学薬品として投与される。他の実施形態では、本明細書に記載される複素環式CDK12/13阻害剤は、選択された投与経路および標準の薬務に基づいて、薬学的に適切なまたは許容可能な担体(薬学的に適切な(または許容可能な)賦形剤、生理学的に適切な(または許容可能な)賦形剤、あるいは、生理学的に適切な(または許容可能な)担体とも呼ばれる)と組み合わされる。
本明細書では、1つ以上の薬学的に許容可能な担体とともに、本明細書に記載されるような少なくとも1つの複素環式CDK12/13阻害剤、あるいはその立体異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物、または溶媒和物を含む、医薬組成物が提供される。担体(または賦形剤)は、組成物の他の成分と適合性があり、かつ、組成物のレシピエント(すなわち、対象または患者)に対して有害でない場合に、許容可能であるか、または適切である。
一実施形態は、薬学的に許容可能な賦形剤と、式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を含む、医薬組成物を提供する。
一実施形態は、医薬組成物を調製する方法を提供し、上記方法は、式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物、および薬学的に許容可能な担体を混合する工程を含む。
医薬組成物が経口投与される方法が本明細書で提供される。適切な経口剤形は、例えば、ハードゼラチンまたはソフトゼラチン、メチルセルロース、または消化管中で容易に溶解する別の適切な材料で作られた、錠剤、丸剤、サシェ剤、またはカプセル剤を含む。いくつかの実施形態では、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムサッカリン、タルカム、セルロース、グルコース、スクロース、炭酸マグネシウムなどを含む適切な無毒な固体担体が使用される。(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(Gennaro,21st Ed.Mack Pub.Co.,Easton,PA(2005)を参照)。
医薬組成物が注射によって経口投与される方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、式(I)によって記載される複素環式CDK12/13阻害剤、あるいはその薬学的に許容可能な塩または溶媒和物は、注射による投与のために製剤化される。いくつかの例では、注射製剤は水性製剤である。いくつかの例では、注射製剤は非水性製剤である。いくつかの例では、注射製剤はゴマ油などの油ベースの製剤である。
本明細書に記載されるような少なくとも1つの複素環式CDK12/13阻害剤を含む組成物の用量は、対象または患者(例えば、ヒト)の疾病によって異なる。いくつかの実施形態では、そのような因子は健康状態、年齢、および他の因子を含む。医薬組成物は、処置される(または予防される)疾患に適切なやり方で投与される。適切な用量および投与の適切な持続時間と頻度は、患者の疾病、患者の疾患のタイプおよび重症度、有効成分の特定の形態、および投与の方法などの因子によって決定される。一般に、適切な用量および処置のレジメンは、より頻繁な完全寛解または部分寛解、あるいはより長い無病生存期間および/または全生存期間、あるいは症状の重症度の低下などの、治療上のおよび/または予防的な恩恵(例えば、臨床結果の改善)をもたらすのに十分な量で組成物を提供する。最適な用量は一般に実験モデルおよび/または臨床試験を使用して決定される。最適な用量は患者の体型、体重、または血液量によって変わる。経口用量は典型的に、1日につき1~4回またはそれ以上、約1.0mg~約1000mgの範囲に及ぶ。
これらの実施例は説明目的のために提供されるにすぎず、請求項の範囲を制限するものではない。
実施例1:サイクリン依存性キナーゼ阻害活性の決定
化合物1-5(表1を参照)は、市販の放射測定キナーゼアッセイサービスを利用して、ProQinase(ProQinase GmbH、Reaction Biology;Freiburg、Germany)でキナーゼ活性について分析された。簡単に言うと、化合物を固体として提供し、アッセイ当日に1×10-03M/100% DMSOストック溶液に溶解させた。すべてのプロテインキナーゼはProQinaseによって提供され、完全長または酵素的に活性な断片として、組換えGST融合タンパク質またはHisタグ付きタンパク質としてSf9昆虫細胞または大腸菌で発現された。すべてのキナーゼはヒトcDNAから作製され、GSH-アフィニティークロマトグラフィーまたは固定化された金属によって精製された。プロテインキナーゼの純度はSDS-PAGE/Coomassie染色で調べられ、同一性は質量分析で確認した。プロテインキナーゼのキナーゼ活性の測定には、放射測定プロテインキナーゼアッセイ(33PanQinase(登録商標)Activity Assay)を使用した。すべてのキナーゼアッセイは、PerkinElmer(Boston, MA, USA)製の96ウェルFlashPlates(商標)において、50マイクロリットルの反応容量で実施された。反応カクテルを以下の順序で4つの工程でピペッティングした:1)25マイクロリットルのアッセイバッファー(標準バッファー/[γ-33P]-ATP)、2)10マイクロリットルのATP溶液(H2O中)、3)5マイクロリットルの試験化合物(10%DMSO)、4)10マイクロリットルの酵素/基質混合物。プロテインキナーゼのアッセイには、70mMのHEPES-NaOH pH7.5、3mMのMgCl2、3mMのMnCl2、3μMのオルトバナジン酸ナトリウム(Na-orthovanadate)、1.2mMのDTT、50μg/mlのPEG2000、ATP(可変濃度、キナーゼの見かけのATP-Kmに相当する)が含まれていた。反応カクテルは、30℃で60分間インキュベートされた。反応を50マイクロリットルの2%(v/v)H3PO4で停止させ、プレートを吸引し、200マイクロリットルの0.9%(w/v)NaClで2回洗浄した。33Piの取り込みは、マイクロプレートシンチレーションカウンター(Microbeta,Wallac)を用いて測定した。
化合物1-5(表1を参照)は、市販の放射測定キナーゼアッセイサービスを利用して、ProQinase(ProQinase GmbH、Reaction Biology;Freiburg、Germany)でキナーゼ活性について分析された。簡単に言うと、化合物を固体として提供し、アッセイ当日に1×10-03M/100% DMSOストック溶液に溶解させた。すべてのプロテインキナーゼはProQinaseによって提供され、完全長または酵素的に活性な断片として、組換えGST融合タンパク質またはHisタグ付きタンパク質としてSf9昆虫細胞または大腸菌で発現された。すべてのキナーゼはヒトcDNAから作製され、GSH-アフィニティークロマトグラフィーまたは固定化された金属によって精製された。プロテインキナーゼの純度はSDS-PAGE/Coomassie染色で調べられ、同一性は質量分析で確認した。プロテインキナーゼのキナーゼ活性の測定には、放射測定プロテインキナーゼアッセイ(33PanQinase(登録商標)Activity Assay)を使用した。すべてのキナーゼアッセイは、PerkinElmer(Boston, MA, USA)製の96ウェルFlashPlates(商標)において、50マイクロリットルの反応容量で実施された。反応カクテルを以下の順序で4つの工程でピペッティングした:1)25マイクロリットルのアッセイバッファー(標準バッファー/[γ-33P]-ATP)、2)10マイクロリットルのATP溶液(H2O中)、3)5マイクロリットルの試験化合物(10%DMSO)、4)10マイクロリットルの酵素/基質混合物。プロテインキナーゼのアッセイには、70mMのHEPES-NaOH pH7.5、3mMのMgCl2、3mMのMnCl2、3μMのオルトバナジン酸ナトリウム(Na-orthovanadate)、1.2mMのDTT、50μg/mlのPEG2000、ATP(可変濃度、キナーゼの見かけのATP-Kmに相当する)が含まれていた。反応カクテルは、30℃で60分間インキュベートされた。反応を50マイクロリットルの2%(v/v)H3PO4で停止させ、プレートを吸引し、200マイクロリットルの0.9%(w/v)NaClで2回洗浄した。33Piの取り込みは、マイクロプレートシンチレーションカウンター(Microbeta,Wallac)を用いて測定した。
アッセイ品質のパラメータとして、各アッセイプレート(n=8)の低制御および高制御についてZ’-因子(Zhang et al.,J.Biomol.Screen.2:67-73,1999)を使用した。アッセイプレートの反復のProQinaseの基準は0.4未満のZ’-因子である。結果を以下の表2に示す。
実施例2:キナーゼ選択性の決定
化合物4は、ProQinaseにおいて、その市販の放射測定キナーゼアッセイサービスと実施例1に記載の方法を用いて、他のキナーゼのパネルに対する選択性について分析された。キナーゼ阻害の要約を表3に提供する。この化合物は、非CDK12/13キナーゼに対して低い平均阻害パーセントを有することが分かった。
化合物4は、ProQinaseにおいて、その市販の放射測定キナーゼアッセイサービスと実施例1に記載の方法を用いて、他のキナーゼのパネルに対する選択性について分析された。キナーゼ阻害の要約を表3に提供する。この化合物は、非CDK12/13キナーゼに対して低い平均阻害パーセントを有することが分かった。
実施例3:化合物は、卵巣癌細胞株中の細胞増殖を阻害した。
インビトロとインビボでの卵巣癌モデルに対する細胞株としてOVCAR-3を使用した。この細胞株はATCC(カタログ#HTB-161)から入手したものであり、卵巣の進行性腺癌を有する患者の悪性腹水からの腺癌株であり、高悪性度の漿液性卵巣癌(HGSOC)の前臨床モデルを体現している。OVCAR-3は、卵巣癌における薬物耐性を研究するのに適切なモデルシステムであるとみなされており、ホルモン受容体の存在は、ホルモン療法の評価に有用であるはずである。OVCAR-3は、臨床的に適切な濃度のアドリアマイシン、メルファラン、およびシスプラチンに耐性がある。
インビトロとインビボでの卵巣癌モデルに対する細胞株としてOVCAR-3を使用した。この細胞株はATCC(カタログ#HTB-161)から入手したものであり、卵巣の進行性腺癌を有する患者の悪性腹水からの腺癌株であり、高悪性度の漿液性卵巣癌(HGSOC)の前臨床モデルを体現している。OVCAR-3は、卵巣癌における薬物耐性を研究するのに適切なモデルシステムであるとみなされており、ホルモン受容体の存在は、ホルモン療法の評価に有用であるはずである。OVCAR-3は、臨床的に適切な濃度のアドリアマイシン、メルファラン、およびシスプラチンに耐性がある。
化合物1~5を、OVCAR-3細胞の増殖を阻害する能力について、異なる濃度(4μMから126.4pMまで;0.5log連続希釈)で試験した。細胞を、ATCC調製RPMI-1640 Medium(ATCC 30-2001)+10%FBSで増殖させた。細胞を、5%CO2の存在下で、加湿チャンバー内で37℃にて培養した。増殖アッセイを72時間の期間にわたって行った。
上述のように細胞を培養および維持し、細胞には常に、アッセイの前日に給餌した。アッセイは、2時間の化合物曝露と、その後の洗い流し、72時間の増殖時間、または化合物を洗い流さずに72時間の試験化合物の曝露によって実施された。試験化合物を投与しないすべてのウェルでDMSOを対照として使用し、プレートの正規化にはDMSOウェルを使用した。細胞の増殖と生存は、製造者の指示に従って使用した標準的なアッセイキットを用いることによって決定したように、細胞溶解後の総ATP量に基づいて定量化された。増殖と維持のために各細胞タイプによって使用される同じ培地において実験を行った。細胞(5×104)は、化合物曝露のために96ウェルプレートにプレーティングされた。CellTiter-Glo(登録商標)(Promega Corporation,Madison, WI USA)を用いて、製造者の指示に従い、CellTiter-Glo(登録商標)キットに付属する試薬を利用して、化合物の抗増殖効果を評価した。
細胞増殖アッセイの結果を表4に示し、化合物1~5に曝露したOVCAR-3細胞における細胞の増殖と生存の用量依存的な阻害を示す。これらの化合物は、低いIC50値でOVCAR-3細胞における増殖の阻害を示した。化合物が2時間後に洗い流された細胞においても、増殖の阻害は継続した。
実施例4:化合物は、乳癌細胞株中で細胞増殖を阻害した。
HCC70は、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)のモデルとして使用された細胞株であった。この細胞株はATCCから入手し、1992年の原発性乳管癌から導入された(カタログ#CRL-2315;乳腺原発性乳管癌)。HCC-70腫瘍細胞株は、空気中5%CO2の雰囲気にて、37℃の10%熱不活性化ウシ胎児血清を補充したRPMI-1640培地中で単層培養として維持された。
HCC70は、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)のモデルとして使用された細胞株であった。この細胞株はATCCから入手し、1992年の原発性乳管癌から導入された(カタログ#CRL-2315;乳腺原発性乳管癌)。HCC-70腫瘍細胞株は、空気中5%CO2の雰囲気にて、37℃の10%熱不活性化ウシ胎児血清を補充したRPMI-1640培地中で単層培養として維持された。
HCC70細胞の増殖を阻害する能力について、代表的な化合物を異なる濃度(4μMから126.4pM;0.5log連続希釈)で試験した。細胞をATCC調製RPMI-1640培地(ATCC30-2001)+10%FBSで培養した。細胞を5%CO2存在下にて、加湿チャンバー内で37℃で培養した。増殖アッセイを72時間の期間にわたって行った。
上述のように細胞を培養および維持し、細胞には常に、アッセイの前日に給餌した。アッセイは、2時間の化合物曝露と、その後の洗い流し、72時間の増殖時間、または化合物を洗い流さずに72時間の試験化合物の曝露によって実施された。 試験化合物を投与しないすべてのウェルでDMSOを対照として使用し、プレートの正規化にはDMSOウェルを使用した。 細胞の増殖と生存は、製造者の指示に従って使用した標準的なアッセイキットを用いることによって決定したように、細胞溶解後の総ATP量に基づいて定量化された。増殖と維持のために各細胞タイプによって使用される同じ培地において実験を行った。 細胞(5×104)は、化合物曝露のために96ウェルプレートにプレーティングされた。CellTiter-Glo(登録商標)(Promega Corporation,Madison, WI USA)を用いて、製造者の指示に従い、CellTiter-Glo(登録商標)キットに付属する試薬を利用して、化合物の抗増殖効果を評価した。
細胞増殖アッセイの結果を表5に示し、化合物1~5に曝露したHCC70細胞における細胞の増殖と生存の用量依存的な阻害を示す。これらの化合物は、低いIC50値でHCC70細胞における増殖の阻害を示した。化合物が2時間後に洗い流された細胞においても、増殖の阻害は継続した。
実施例5:トリプルネガティブ乳癌のマウス異種移植片モデルにおける抗増殖活性の決定
インビボでの化合物の有効性を試験するために、マウス異種移植片で試験を行った。すべての試験において、動物の世話と飼育に関する一般的な手順は、標準的なNational Research CouncilのCommission on Life Sciences、Pharmaron,Inc(中国、北京)の標準作業手順書(operating procedures(SOPs)に従って行われた。マウスは一定の温度と湿度で層流室にて、各ケージに3-5匹ずつ、週に1回寝具を交換して飼育した。300×180×150mm3の大きさで、環境モニタリングされた十分に換気された部屋にあるポリカーボネートケージに動物を入れて、温度(22±3℃)および相対湿度40%~70%で12時間:12時間の明:暗サイクルのフルスペクトル照明で飼育した。各動物には識別番号を割り当て、以下の識別方法を適用する。ケージカードを、試験番号、群、性別、用量、動物番号、開始日、試験責任者、および電話番号などの情報で標識した。動物は耳コードで識別した。動物は、プロトコルで指定された時間帯を除き、試験期間中、照射滅菌された乾燥顆粒状餌を自由に摂取することができた。
インビボでの化合物の有効性を試験するために、マウス異種移植片で試験を行った。すべての試験において、動物の世話と飼育に関する一般的な手順は、標準的なNational Research CouncilのCommission on Life Sciences、Pharmaron,Inc(中国、北京)の標準作業手順書(operating procedures(SOPs)に従って行われた。マウスは一定の温度と湿度で層流室にて、各ケージに3-5匹ずつ、週に1回寝具を交換して飼育した。300×180×150mm3の大きさで、環境モニタリングされた十分に換気された部屋にあるポリカーボネートケージに動物を入れて、温度(22±3℃)および相対湿度40%~70%で12時間:12時間の明:暗サイクルのフルスペクトル照明で飼育した。各動物には識別番号を割り当て、以下の識別方法を適用する。ケージカードを、試験番号、群、性別、用量、動物番号、開始日、試験責任者、および電話番号などの情報で標識した。動物は耳コードで識別した。動物は、プロトコルで指定された時間帯を除き、試験期間中、照射滅菌された乾燥顆粒状餌を自由に摂取することができた。
各マウスの右脇腹に、0.1mlのRPMI-1640培地とマトリゲルの混合液(1:1の割合)に溶かしたHCC70腫瘍細胞(5×106)を皮下接種し、腫瘍を発生させた。平均腫瘍サイズが約100-150mm3に達した時点で処置を開始した。平均腫瘍体積が各処置群で同じになるように、マウスを群に割り当てた。すべての試験動物は、腫瘍の成長だけではなく、運動性、食物と水の消費量(ケージの側面からの確認のみ)、体重(BW)、目/毛のつや消し、その他の異常な影響などの行動もモニタリングされた。死亡率および/または異常な臨床症状はすべて記録した。
腫瘍の大きさの測定はノギスを用いて週2回実施して記録した。腫瘍体積(mm3)は、以下の式で推定される:TV=a×b2/2(式中、「a」と「b」はそれぞれ腫瘍の長径と短径である)。TVは、腫瘍成長阻害と腫瘍成長遅延の計算に使用された。
プロトコルで要求される測定と観察は、Excelのスプレッドシートに手作業で記録された。すべての統計的検定が行われ、有意水準は5%またはP<0.05とした。すべての測定パラメータについて、設計された試験に従って、群平均と標準偏差を算出した。二元配置RM ANOVAとその後の平均のテューキーの事後比較(Tukeys post hoc comparisons)をこの研究に利用した。
トリプルネガティブ乳癌のインビボモデルとして、CB-17 SCID雌マウスにHCC70細胞を接種した。細胞は継代し、指数関数的に増殖しているものを腫瘍接種用に採取し、使用時には細胞継代5を超えないようにした。HCC70腫瘍を有するマウスを4つの群(各群n=8)に無作為化し、腫瘍移植後15日目、平均腫瘍体積は150mm3であった。各群の動物に、ビヒクル(3%DMSO、0.5%酢酸、96.5%(水中20%HP-β-CD)または化合物4の2.5、5、10.0mg/kgを隔週(月、木)に接種され、合計4回の用量を14日間の有効性試験のコースを通して静脈内投与した。各処置投与直後に0.1mLの生理食塩水のフラッシュも投与した。最後の1回の投与は15日目に静脈内投与し、プロトコルに示された通り、試験終了時にPK血漿とPD腫瘍を採取した。腫瘍体積はノギスで週2回測定し、全動物の体重は試験期間中に記録された。
図1に描かれているように、化合物4を20および25mg/kgで隔週に14日間静脈内投与した後に、HCC70異種移植片モデルにおいて抗腫瘍活性が観察された。これらの用量において、化合物4による処置は、ビヒクル対照と比較して、それぞれ-37%および-39%のT/Cを有する有意な抗腫瘍活性をもたらした(p<0.0001、p<0.0001)。処置は腫瘍接種後15日目から開始した。有意差は、平均値の二元配置RM ANOVA事後テューキー事後比較で算出した。有意水準は以下の尺度を使用して示す:*=p≦0.05、**=p≦0.01、***=p≦0.001、****=p≦0.0001、NS=有意ではない。
実施例6:卵巣乳癌のマウス異種移植片モデルにおける抗増殖活性の決定
化合物の有効性をインビボで試験するために、試験はマウス異種移植片で行った。すべての試験において、動物の世話と飼育に関する一般的な手順は、標準的なNational Research CouncilのCommission on Life Sciences、Pharmaron,Inc(中国、北京)の標準作業手順書(operating procedures(SOPs)に従って行われた。マウスは一定の温度と湿度で層流室にて、各ケージに3-5匹ずつ、週に1回寝具を交換して飼育した。300×180×150mm3の大きさで、環境モニタリングされた十分に換気された部屋にあるポリカーボネートケージに動物を入れて、温度(22±3℃)および相対湿度40%~70%で12時間:12時間の明:暗サイクルのフルスペクトル照明で飼育した。各動物には識別番号を割り当て、以下の識別方法を適用する。 ケージカードを、試験番号、群、性別、用量、動物番号、開始日、試験責任者、および電話番号などの情報で標識した。動物は耳コードで識別した。動物は、プロトコルで指定された時間帯を除き、試験期間中、照射滅菌された乾燥顆粒状餌を自由に摂取することができた。
化合物の有効性をインビボで試験するために、試験はマウス異種移植片で行った。すべての試験において、動物の世話と飼育に関する一般的な手順は、標準的なNational Research CouncilのCommission on Life Sciences、Pharmaron,Inc(中国、北京)の標準作業手順書(operating procedures(SOPs)に従って行われた。マウスは一定の温度と湿度で層流室にて、各ケージに3-5匹ずつ、週に1回寝具を交換して飼育した。300×180×150mm3の大きさで、環境モニタリングされた十分に換気された部屋にあるポリカーボネートケージに動物を入れて、温度(22±3℃)および相対湿度40%~70%で12時間:12時間の明:暗サイクルのフルスペクトル照明で飼育した。各動物には識別番号を割り当て、以下の識別方法を適用する。 ケージカードを、試験番号、群、性別、用量、動物番号、開始日、試験責任者、および電話番号などの情報で標識した。動物は耳コードで識別した。動物は、プロトコルで指定された時間帯を除き、試験期間中、照射滅菌された乾燥顆粒状餌を自由に摂取することができた。
OVCAR-3試験では、OVCAR-3腫瘍を有するNOD SCID雌マウスを、平均腫瘍体積150mm3の腫瘍移植17日後に5つの群(各群n=9マウス)に無作為化した。各群はビヒクル(3%DMSO、97.0%(水中20%HP-β-CD)または化合物4の5.0、10、20、および25.0mg/kgを隔週(月、木)接種され、合計4回の用量を14日間の有効性試験のコースを通して静脈内投与した。各処置投与直後に0.1mLの生理食塩水のフラッシュも投与した。最後の1回の投与は15日目に静脈内投与し、プロトコルに示された通り、試験終了時にPK血漿とPD腫瘍を採取した。腫瘍体積はノギスで週2回測定し、全動物の体重は試験期間中に記録された。
プロトコルで要求される測定と観察は、Excelのスプレッドシートに手作業で記録された。すべての統計的検定が行われ、有意水準は5%またはP<0.05とした。すべての測定パラメータについて、設計された試験に従って、群平均と標準偏差を算出した。二元配置RM ANOVAとその後の平均のテューキーの事後比較(Tukeys post hoc comparisons)をこの研究に利用した。
抗腫瘍活性は、図2に示すように、5.0、10、20、および25mg/kgで隔週に14日間静脈内投与した化合物4の処置後に、OVCAR-3異種移植モデルにおいて観察された。化合物4を5.0および10mg/kg投与した場合、ビヒクル対照と比較して、T/Cがそれぞれ36%および13%という有意な抗腫瘍活性を示した(p<0.01、p<0.001)。20および25mg/kgの用量では、T/Cがそれぞれ-7%および-9%で、有意な抗腫瘍活性を示した(p<0.0001、p<0.0001)。
実施例7:化合物1は、インビトロでRNAポリメラーゼIIのリン酸化を阻害する。
CDK12およびCDK13は、RNAポリメラーゼIIをリン酸化する。RNAポリメラーゼIIのリン酸化を阻害する化合物1の能力を、NCI-H82細胞において分析した。200,000個の細胞を96ウェルMSDプレートの各ウェルにプレーティングした。細胞を、化合物1、THZ531(陽性対照)、またはE9で、4μMから126.4pMの濃度(0.5log連続希釈)にて2時間処理した。THZ531とE9は、Gao et al,Cell Chemical Biology 2017でさらに議論されている。リン酸化されたRNAポリメラーゼIIの量とRNAポリメラーゼIIの総量を、抗体を用いて分析した。値は、リン酸化されたRNAポリメラーゼII対総RNAポリメラーゼIIの比をとることによって、正規化された。図3A(THZ531)、図3B(化合物1)、および表6に描かれているように、化合物1の濃度を増加させると、RNAポリメラーゼIIのリン酸化の阻害で用量特異的な増加が生じる。
CDK12およびCDK13は、RNAポリメラーゼIIをリン酸化する。RNAポリメラーゼIIのリン酸化を阻害する化合物1の能力を、NCI-H82細胞において分析した。200,000個の細胞を96ウェルMSDプレートの各ウェルにプレーティングした。細胞を、化合物1、THZ531(陽性対照)、またはE9で、4μMから126.4pMの濃度(0.5log連続希釈)にて2時間処理した。THZ531とE9は、Gao et al,Cell Chemical Biology 2017でさらに議論されている。リン酸化されたRNAポリメラーゼIIの量とRNAポリメラーゼIIの総量を、抗体を用いて分析した。値は、リン酸化されたRNAポリメラーゼII対総RNAポリメラーゼIIの比をとることによって、正規化された。図3A(THZ531)、図3B(化合物1)、および表6に描かれているように、化合物1の濃度を増加させると、RNAポリメラーゼIIのリン酸化の阻害で用量特異的な増加が生じる。
実施例8:化合物4と化合物5は、インビボのRNAポリメラーゼIIのリン酸化を阻害する。
S2ユニットでRNAポリメラーゼIIのリン酸化を阻害する化合物4と化合物5の能力を、トリプルネガティブ乳癌のマウス異種移植片モデルで分析した。トリプルネガティブ乳癌のインビボモデルとして、CB-17 SCIDマウスにHCC70細胞を接種した。各マウスの右脇腹に、0.1mLのRPMI-1640培地とマトリゲルの混合液(1:1の割合)に溶かしたHCC70腫瘍細胞(5×106)を皮下接種し、腫瘍を発生させた。平均腫瘍サイズが約100-150mm3に達した時点で処置を開始した。マウスは、ビヒクルのみ、20mg/kgの化合物4、25mg/kgの化合物4、10mg/kgの化合物5、または25mg/kgの化合物5で2時間、静脈内で処置された。投与後0.5時間、6時間、および24時間後に測定を行った。リン酸化されたRNAポリメラーゼIIの量とRNAポリメラーゼIIの総量を分析した。値は、リン酸化されたRNAポリメラーゼII対総RNAポリメラーゼIIの比(pS2/S2)をとることによって、正規化された。
S2ユニットでRNAポリメラーゼIIのリン酸化を阻害する化合物4と化合物5の能力を、トリプルネガティブ乳癌のマウス異種移植片モデルで分析した。トリプルネガティブ乳癌のインビボモデルとして、CB-17 SCIDマウスにHCC70細胞を接種した。各マウスの右脇腹に、0.1mLのRPMI-1640培地とマトリゲルの混合液(1:1の割合)に溶かしたHCC70腫瘍細胞(5×106)を皮下接種し、腫瘍を発生させた。平均腫瘍サイズが約100-150mm3に達した時点で処置を開始した。マウスは、ビヒクルのみ、20mg/kgの化合物4、25mg/kgの化合物4、10mg/kgの化合物5、または25mg/kgの化合物5で2時間、静脈内で処置された。投与後0.5時間、6時間、および24時間後に測定を行った。リン酸化されたRNAポリメラーゼIIの量とRNAポリメラーゼIIの総量を分析した。値は、リン酸化されたRNAポリメラーゼII対総RNAポリメラーゼIIの比(pS2/S2)をとることによって、正規化された。
図4に描かれているように、化合物4または化合物5のいずれかの用量での処置は、ビヒクル単独での処置と比較して、すべての時点においてpS2/S2を減少させた。25mg/kgの化合物5での処置は、すべての時点で、10mg/kgの化合物5での処置よりもpS2/S2比の著しい減少を生じさせた。
実施例9:ヒトとカニクイザルの末梢血単核細胞のエクスビボ分析
末梢血単核細胞(PBMC)のリン酸化を阻害する化合物の能力をエクスビボで分析した。化合物1と4を4μMから126.4pMの間の濃度(0.5log連続希釈)で2時間投与した。リン酸化されたRNAポリメラーゼIIの量とRNAポリメラーゼIIの総量を分析した。値は、リン酸化RNAポリメラーゼII対総RNAポリメラーゼIIの比(pS2/S2)をとることによって、正規化された。
末梢血単核細胞(PBMC)のリン酸化を阻害する化合物の能力をエクスビボで分析した。化合物1と4を4μMから126.4pMの間の濃度(0.5log連続希釈)で2時間投与した。リン酸化されたRNAポリメラーゼIIの量とRNAポリメラーゼIIの総量を分析した。値は、リン酸化RNAポリメラーゼII対総RNAポリメラーゼIIの比(pS2/S2)をとることによって、正規化された。
図5に描かれているように、化合物の濃度を増加させると、阻害パーセントが増加した。IC50値は、ヒト(hPMBC)およびカニクイザル(サル、moPBMC)の両方について計算された。hPBMCsでは、IC50値は、化合物1について19.32nM、化合物4について167.2nMであった。moPBMCsでは、IC50値は、化合物1について21.62nM、化合物4について181.3nMであった。
実施例10:化合物1で処置されたトリプルネガティブ乳癌細胞における遺伝子発現のインビトロ分析
96ウェルプレートフォーマットのHCC70(ATCC CRL-2315)細胞を、DMSOまたは化合物1のいずれかで2時間処理した。化合物処理を2時間行った後、プレートをPBSで1回洗浄し、次に新鮮な培養媒体を細胞に加え、細胞をそれぞれ4、10、22、46、70時間インキュベートした。各時点(2時間洗い流した後、4、10、22、46、70時間目)で、製造業者の指示に従ってRNA抽出を以下のように行った。RNA抽出とqPCRは、Ambion Cell to CT kit(Cat #AM1728)を用いて行った。簡単に説明すると、細胞をインキュベーターから取り出し、PBSで1回洗浄し、キットから50μLのLysis Solutionを添加して溶解し、5回混合し、5μLのStop Solutionをウェルに添加した。すべての操作は、RNAaseおよびDNAaseを含まない実験器具を使用して行われた。
96ウェルプレートフォーマットのHCC70(ATCC CRL-2315)細胞を、DMSOまたは化合物1のいずれかで2時間処理した。化合物処理を2時間行った後、プレートをPBSで1回洗浄し、次に新鮮な培養媒体を細胞に加え、細胞をそれぞれ4、10、22、46、70時間インキュベートした。各時点(2時間洗い流した後、4、10、22、46、70時間目)で、製造業者の指示に従ってRNA抽出を以下のように行った。RNA抽出とqPCRは、Ambion Cell to CT kit(Cat #AM1728)を用いて行った。簡単に説明すると、細胞をインキュベーターから取り出し、PBSで1回洗浄し、キットから50μLのLysis Solutionを添加して溶解し、5回混合し、5μLのStop Solutionをウェルに添加した。すべての操作は、RNAaseおよびDNAaseを含まない実験器具を使用して行われた。
その後、逆転写反応ミックスを調製した。すべての試薬を作業全般中に氷水浴で維持した。
試薬 量(μl)
2×室温バッファー 50
20×室温酵素ミックス 5
RNA 30
H2O 15
総量 100
試薬 量(μl)
2×室温バッファー 50
20×室温酵素ミックス 5
RNA 30
H2O 15
総量 100
標準的なApplied Biosystems MiniAmp PCRマシンを用いて、以下の手順で細胞ベースのサンプルからcDNA鋳型を作成した。
1. 蓋を110℃に加熱
2. 37℃ 1時間
3. 95℃ 5分
4. 4℃ 無限
1. 蓋を110℃に加熱
2. 37℃ 1時間
3. 95℃ 5分
4. 4℃ 無限
PCRプレートをあらかじめ冷却したプレート遠心機で遠心分離し、プレートカバーの完全性を観察した。逆転写産物を、qPCRによる分析の前に-20℃で保存した。マルチプレックスqPCRは、TaqMan(登録商標)Gene Expression Master Mixを使用して行われた。反応ミックスを以下に示すように調製した。各試料について各回につき3回反復して行った。すべての試薬を作業全般中に氷水浴で維持した。
2×TaqMan(登録商標)ユニバーサルPCRマスターミックス 5μL
20×標的特別遺伝子TaqManプローブ/プライマー 0.5μL
20×標的GAPDHまたはACTB TaqManプローブ/プライマー 0.5μLcDNA鋳型(前工程からの) 2μL
H2O 2μL
総量 10μL
2×TaqMan(登録商標)ユニバーサルPCRマスターミックス 5μL
20×標的特別遺伝子TaqManプローブ/プライマー 0.5μL
20×標的GAPDHまたはACTB TaqManプローブ/プライマー 0.5μLcDNA鋳型(前工程からの) 2μL
H2O 2μL
総量 10μL
QuantStudio(登録商標)5 Real-Time qPCR Systemの設定は下図で示され、蛍光ゲインは1×に設定した。
1. 蓋を110℃に加熱
2. 50℃ 2分
3. 95℃ 10分
4. 40サイクル
●95℃ 15秒
●60℃ 60秒
●4℃ 無限
1. 蓋を110℃に加熱
2. 50℃ 2分
3. 95℃ 10分
4. 40サイクル
●95℃ 15秒
●60℃ 60秒
●4℃ 無限
データ解析はQuantStudio 5 ソフトウェアに準拠して行った。シグナルの閾値は、デフォルト設定を使用してQuantStudio 5 ソフトウェアによって算出した。相対的な遺伝子発現は以下の式で評価した。
●ΔCt=Ct(標的遺伝子)の平均値-Ct(ハウスキーピング遺伝子)の平均値
●mRNAレベル=2-ΔCt
●%ビヒクル=100×[mRNA(化合物処理)/mRNA(ビヒクル)]
●ΔCt=Ct(標的遺伝子)の平均値-Ct(ハウスキーピング遺伝子)の平均値
●mRNAレベル=2-ΔCt
●%ビヒクル=100×[mRNA(化合物処理)/mRNA(ビヒクル)]
遺伝子発現は、表7に列挙するTaqman(Applied Biosystems,ThermoFisher Scientific; Carlsbad,CA)プローブを用いてqPCRにより検出した。遺伝子発現は、ddCt法を用いて、標的遺伝子発現対「ハウスキーピング」対照遺伝子ACTBまたはGAPDHとの比で正規化された。
DDR遺伝子の1つについて正規化した遺伝子発現の一例を図6に示す。化合物1は、処理後2時間で始まるBRCA1発現のレベルの減少を示す。遺伝子発現の減少は、洗い流した後も続き、化合物1で処理した細胞の遺伝子発現の最も強い減少は、処理後10時間(洗い流し後)に見られる。
実施例11:化合物4で処置したマウスのDDR遺伝子発現のインビボ分析
本実験では、トリプルネガティブ乳癌の異種移植片モデルを使用した。トリプルネガティブ乳癌のインビボモデルとして、CB-17 SCIDマウスにHCC70細胞を接種した。各マウスの右脇腹に、0.1mLのRPMI-1640培地とマトリゲルの混合液(1:1の割合)に溶かしたHCC70腫瘍細胞(5×106)を皮下接種し、腫瘍を発生させた。平均腫瘍サイズが約100-150mm3に達した時点で処置を開始した。マウスに、ビヒクル、20mg/kgの化合物4、または25 mg/kgの化合物4のいずれかの単回投与を静脈内投与した。投与後0.5、6、および24時間後に腫瘍細胞を収集し、遺伝子発現を分析した。試験された遺伝子を表8に示す。
本実験では、トリプルネガティブ乳癌の異種移植片モデルを使用した。トリプルネガティブ乳癌のインビボモデルとして、CB-17 SCIDマウスにHCC70細胞を接種した。各マウスの右脇腹に、0.1mLのRPMI-1640培地とマトリゲルの混合液(1:1の割合)に溶かしたHCC70腫瘍細胞(5×106)を皮下接種し、腫瘍を発生させた。平均腫瘍サイズが約100-150mm3に達した時点で処置を開始した。マウスに、ビヒクル、20mg/kgの化合物4、または25 mg/kgの化合物4のいずれかの単回投与を静脈内投与した。投与後0.5、6、および24時間後に腫瘍細胞を収集し、遺伝子発現を分析した。試験された遺伝子を表8に示す。
図7において、試験した遺伝子の1つであるBRCA1についての遺伝子発現データが示されている。投与後6時間および24時間目に、BRCA1の発現は、化合物4のいずれかの用量で処置したマウスの腫瘍細胞において減少している。
実施例12:転移性去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)に対する臨床試験デザイン
試験の説明
簡単な概要:本試験の目的は、転移性去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)の男性において、新薬である化合物4を単独で、またはPARP阻害剤であるオラパリブと組み合わせて投与した場合に、安全であるか、および、有益な効果を有するかどうかを確認することである。
疾病または疾患 介入または処置
mCRPC 化合物4のみ
mCRPC 化合物4+オラパリブ
試験の説明
簡単な概要:本試験の目的は、転移性去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)の男性において、新薬である化合物4を単独で、またはPARP阻害剤であるオラパリブと組み合わせて投与した場合に、安全であるか、および、有益な効果を有するかどうかを確認することである。
疾病または疾患 介入または処置
mCRPC 化合物4のみ
mCRPC 化合物4+オラパリブ
詳細な説明:
この第Ib/II相臨床試験は、CDK12/13阻害剤化合物4の単独またはオラパリブとの併用による安全性、忍容性、RP2D、および予備的な抗腫瘍活性を評価するものである。
この第Ib/II相臨床試験は、CDK12/13阻害剤化合物4の単独またはオラパリブとの併用による安全性、忍容性、RP2D、および予備的な抗腫瘍活性を評価するものである。
第Ib相試験の主要な目的は、安全性、忍容性、およびRP2Dを確立することである。有害事象(AE)は、国立癌研究所有害事象共通用語基準(CTCAE)、バージョン5.0に従って等級付けされる。本試験の第Ib相試験の間、用量制限毒性(DLT)は、化合物4および/またはオラパリブに起因し、mCRPC、併発疾患、併用薬に関連せず、およびCTACEバージョン5.0に基づくDLT基準の包括的リストからの少なくとも1つの基準を満たす、サイクル1中に発生したAEと定義される。用量漸増は、ある用量レベルで処置を受けた患者のうち少なくとも2人でDLTが観察され、MTDを超えたと結論付けられるまで継続される。
本試験の第II相部分の主要な目的は、前立腺癌ワーキンググループ3(PCWG3)に記載されているような、RECIST v1.1またはPSA低下≧50%に基づく、化合物4単独またはオラパリブとの併用による客観的奏効率(ORR)を推定することである。第II相試験の副次エンドポイントは、無増悪生存期間、病勢コントロール率、奏効期間、無増悪期間などを含む。さらなる探索的なエンドポイントは、奏効および進行に関する遺伝子バイオマーカーの評価も含む。
試験設計
試験タイプ:介入性臨床試験
評価された登録者:100人の患者
介入モデル:単群指定
マスキング:無(非盲検)
主要な目的:処置
群と介入
群 介入
実験:低用量化合物4 化合物4
実験:高用量化合物4 化合物4
実験:低用量化合物4およびオラパリブ 化合物4+オラパリブ
評価項目
一次評価項目:
1.CTCAE v.4.03によって定義されるような治療下で発現した有害事象を抱える患者の割合[例えば、時間枠:ベースラインから1年]。CTCAE v.4.03スコアリングに基づく治療下で発現した有害事象および毒性を抱える患者の数と割合。
2.CTCAE 4.03によって定義された化合物4単独およびオラパリブとの併用における最大耐用量(MTD)[時間枠:ベースラインから1年 ]。CTCAE v.4.03によって定義された用量漸増中の化合物4単独およびオラパリブとの併用療法のMTDを決定すること。
3.前立腺癌ワーキンググループ3(PCWG3)毎に記載されるように、RECIST v1.1またはPSA低下≧50%に基づく、化合物4単独およびオラパリブとの併用による客観的奏効率(ORR)。
副次評価項目:
1.X線検査による無増悪生存期間[時間枠:X線検査による無増悪生存期間は、試験開始後6ヶ月に評価される]RPFSは、RECIST v.1.1による進行および/または骨スキャン上での進行によって、あるいは前立腺癌ワーキンググループ3(PCWG3)に記載されるように、定義される。それは、試験開始日から、X線検査による進行または何らかの原因による死亡が最初に確認されるまで測定される。
2.無増悪生存期間[時間枠:無増悪生存期間は、試験開始後6ヵ月に評価される]PFSは、試験開始日から、前立腺癌ワーキンググループ3(PCWG3)に記載されるようなRECIST v.1.1によるX線検査による進行、あるいは明らかな臨床的進行または死亡まで測定される。
3.PSAの進行までの時間[時間枠:PSAの進行までの時間は、試験開始後6ヶ月で評価する]サイクル1の1日目(ベースライン)から50%以上の減少を達成した患者については、PSAの進行日は、ナディアからの25%以上の増加と、2ng.mL以上の絶対的な増加が記録された日と定義される。これは2回目の連続した値で確認されなければならない。この程度のPSAの減少がない、またはまったく減少していない患者については、PSAの進行日は、ベースラインよりも25%以上の増加と、2ng/mL以上の絶対的な増加が記録された日と定義される。これも2回目の連続した値で確認されなければならない。
4.PSA反応の持続時間[時間枠:PSA反応の持続時間は試験開始後6ヶ月で評価される]PSA反応の持続期間は、PSA値が最初にサイクル1の1日目(ベースライン)の値の少なくとも50%減少した時点(2回目の値でしなければならない)から、PSAのナディアから25%増加する時点(ただし、絶対的な増加が少なくとも2ng/mLであるとする)まで算出される。増加は2回目の連続した測定値で確認されなければならない。
5.X線検査による進行までの時間[時間枠:試験開始後6ヶ月間で評価される]X線検査による進行(RECIST V.1.1.進行および/または骨スキャン上での進行によって、あるいは前立腺癌ワーキンググループ3(PCWG3)に記載されるように定義される進行)までの時間は、試験開始日から最初のX線検査による進行の発生まで測定される。X線検査による進行の証拠が事前にない前立腺癌またはその他の原因による死亡は、事象としてカウントされない。
6.全生存期間[時間枠:試験開始から6ヶ月後に評価される]OSは、試験開始日から死亡日(原因が何であれ)まで測定される。生存している患者の生存時間は、患者が生存していることが確認された最後の日、またはフォローアップできなくなった日に打ち切られる。
7.PSAの客観的奏効[時間枠:試験開始から6ヵ月後に評価される]PSA奏効およびPSA進行は、前立腺癌ワーキンググループ3(PCWG3)のコンセンサスガイドラインに従って定義される。
探索的な評価項目:
化合物4単独またはオラパリブとの併用による奏効および耐性の臨床的相関バイオマーカーを決定すること。この目的のため、循環腫瘍細胞(CTC)、循環腫瘍関連核酸(すなわち、ctDNA)、および/または対になった正常/腫瘍組織の標本を用いて探索的解析を行い、化合物4単独またはオラパリブとの併用に対する反応および耐性と相関する生物学的、遺伝子的、および転写学的なプロファイルを同定する。
適格基準
研究資格を有する年齢: 18歳以上(成人、高齢者)
研究資格を有する性別: 男性
健康なボランティアの容認: いいえ
基準包含基準:
●組織学的に確認された前立腺腺癌
●骨スキャンまたはCTスキャンで確認された転移性疾患
●両側睾丸摘出術、あるいは、進行中のGnRHアゴニストまたはアンタゴニストの既往歴
●50ng/dL以下の血清テストステロンレベル、骨の疾患の進行、結節性疾患、内臓疾患、および/または前立腺癌ワーキンググループ3に従うPSA進行によって定義されるような進行性mCRPC
●アビラテロンまたはエンザルタミドによる治療歴
●ドセタキセルによる治療歴
試験設計
試験タイプ:介入性臨床試験
評価された登録者:100人の患者
介入モデル:単群指定
マスキング:無(非盲検)
主要な目的:処置
群と介入
群 介入
実験:低用量化合物4 化合物4
実験:高用量化合物4 化合物4
実験:低用量化合物4およびオラパリブ 化合物4+オラパリブ
評価項目
一次評価項目:
1.CTCAE v.4.03によって定義されるような治療下で発現した有害事象を抱える患者の割合[例えば、時間枠:ベースラインから1年]。CTCAE v.4.03スコアリングに基づく治療下で発現した有害事象および毒性を抱える患者の数と割合。
2.CTCAE 4.03によって定義された化合物4単独およびオラパリブとの併用における最大耐用量(MTD)[時間枠:ベースラインから1年 ]。CTCAE v.4.03によって定義された用量漸増中の化合物4単独およびオラパリブとの併用療法のMTDを決定すること。
3.前立腺癌ワーキンググループ3(PCWG3)毎に記載されるように、RECIST v1.1またはPSA低下≧50%に基づく、化合物4単独およびオラパリブとの併用による客観的奏効率(ORR)。
副次評価項目:
1.X線検査による無増悪生存期間[時間枠:X線検査による無増悪生存期間は、試験開始後6ヶ月に評価される]RPFSは、RECIST v.1.1による進行および/または骨スキャン上での進行によって、あるいは前立腺癌ワーキンググループ3(PCWG3)に記載されるように、定義される。それは、試験開始日から、X線検査による進行または何らかの原因による死亡が最初に確認されるまで測定される。
2.無増悪生存期間[時間枠:無増悪生存期間は、試験開始後6ヵ月に評価される]PFSは、試験開始日から、前立腺癌ワーキンググループ3(PCWG3)に記載されるようなRECIST v.1.1によるX線検査による進行、あるいは明らかな臨床的進行または死亡まで測定される。
3.PSAの進行までの時間[時間枠:PSAの進行までの時間は、試験開始後6ヶ月で評価する]サイクル1の1日目(ベースライン)から50%以上の減少を達成した患者については、PSAの進行日は、ナディアからの25%以上の増加と、2ng.mL以上の絶対的な増加が記録された日と定義される。これは2回目の連続した値で確認されなければならない。この程度のPSAの減少がない、またはまったく減少していない患者については、PSAの進行日は、ベースラインよりも25%以上の増加と、2ng/mL以上の絶対的な増加が記録された日と定義される。これも2回目の連続した値で確認されなければならない。
4.PSA反応の持続時間[時間枠:PSA反応の持続時間は試験開始後6ヶ月で評価される]PSA反応の持続期間は、PSA値が最初にサイクル1の1日目(ベースライン)の値の少なくとも50%減少した時点(2回目の値でしなければならない)から、PSAのナディアから25%増加する時点(ただし、絶対的な増加が少なくとも2ng/mLであるとする)まで算出される。増加は2回目の連続した測定値で確認されなければならない。
5.X線検査による進行までの時間[時間枠:試験開始後6ヶ月間で評価される]X線検査による進行(RECIST V.1.1.進行および/または骨スキャン上での進行によって、あるいは前立腺癌ワーキンググループ3(PCWG3)に記載されるように定義される進行)までの時間は、試験開始日から最初のX線検査による進行の発生まで測定される。X線検査による進行の証拠が事前にない前立腺癌またはその他の原因による死亡は、事象としてカウントされない。
6.全生存期間[時間枠:試験開始から6ヶ月後に評価される]OSは、試験開始日から死亡日(原因が何であれ)まで測定される。生存している患者の生存時間は、患者が生存していることが確認された最後の日、またはフォローアップできなくなった日に打ち切られる。
7.PSAの客観的奏効[時間枠:試験開始から6ヵ月後に評価される]PSA奏効およびPSA進行は、前立腺癌ワーキンググループ3(PCWG3)のコンセンサスガイドラインに従って定義される。
探索的な評価項目:
化合物4単独またはオラパリブとの併用による奏効および耐性の臨床的相関バイオマーカーを決定すること。この目的のため、循環腫瘍細胞(CTC)、循環腫瘍関連核酸(すなわち、ctDNA)、および/または対になった正常/腫瘍組織の標本を用いて探索的解析を行い、化合物4単独またはオラパリブとの併用に対する反応および耐性と相関する生物学的、遺伝子的、および転写学的なプロファイルを同定する。
適格基準
研究資格を有する年齢: 18歳以上(成人、高齢者)
研究資格を有する性別: 男性
健康なボランティアの容認: いいえ
基準包含基準:
●組織学的に確認された前立腺腺癌
●骨スキャンまたはCTスキャンで確認された転移性疾患
●両側睾丸摘出術、あるいは、進行中のGnRHアゴニストまたはアンタゴニストの既往歴
●50ng/dL以下の血清テストステロンレベル、骨の疾患の進行、結節性疾患、内臓疾患、および/または前立腺癌ワーキンググループ3に従うPSA進行によって定義されるような進行性mCRPC
●アビラテロンまたはエンザルタミドによる治療歴
●ドセタキセルによる治療歴
実施例13:白金耐性の高悪性度漿液性卵巣癌に対する臨床試験デザイン
試験の説明
簡単な概要:本試験の目的は、白金耐性の高悪性度漿液性卵巣癌(HGSOC)の女性において、新薬である化合物4を単独で、またはPARP阻害剤であるオラパリブと組み合わせて投与した場合に、安全であるか、および、有益な効果を有するかどうかを確認することである。
疾病または疾患 介入または処置
白金耐性のHGSOC 化合物4のみ
白金耐性のHGSOC 化合物4+オラパリブ
試験の説明
簡単な概要:本試験の目的は、白金耐性の高悪性度漿液性卵巣癌(HGSOC)の女性において、新薬である化合物4を単独で、またはPARP阻害剤であるオラパリブと組み合わせて投与した場合に、安全であるか、および、有益な効果を有するかどうかを確認することである。
疾病または疾患 介入または処置
白金耐性のHGSOC 化合物4のみ
白金耐性のHGSOC 化合物4+オラパリブ
詳細な説明:主目的および副目的は、白金耐性の高悪性度漿液性卵巣癌の患者の第1/1b相試験において、化合物4単独、または化合物4とオラパリブの併用の安全性を評価すること、卵巣癌の参加者における奏効率、および6ヶ月時点の無増悪生存期間(PFS)を維持する参加者の割合(%PFS)を決定すること、化合物4単独、または化合物4とオラパリブの併用による奏効および疾患の進行の潜在的な生物学的予測因子を同定することである。
試験設計
研究タイプ:介入性臨床試験
評価された登録者:60人の患者
介入モデル:単群指定
マスキング:無(非盲検)
主要な目的:処置
群と介入
群 介入
研究タイプ:介入性臨床試験
評価された登録者:60人の患者
介入モデル:単群指定
マスキング:無(非盲検)
主要な目的:処置
群と介入
群 介入
実験:低用量化合物4 化合物4
実験:高用量化合物4 化合物4
実験:低用量化合物4およびオラパリブ 化合物4とオラパリブ
評価項目
一次評価項目:
1.CTCAE v.4.03[時間枠:ベースラインから1年]によって定義されるような治療下で発現した有害事象を抱える患者の割合。CTCAE v.4.03スコアリングに基づく治療下で発現した有害事象および毒性を抱える患者の数と割合。
2.CTCAE 4.03[時間枠:ベースラインから1年]によって定義された化合物4単独およびオラパリブとの併用における最大耐用量(MTD)。CTCAE v.4.03によって定義された用量漸増中の化合物4およびオラパリブとの併用療法のMTDを決定すること。
2.RECIST v.1.1[時間枠:ベースラインから6ヶ月]によって定義されるような無増悪生存期間(PFS)の割合。RECIST v.1.1によって定義されるような、化合物4単独または化合物4+オラパリブで処置された、白金耐性のHGSOC患者(最後の白金製剤治療後6ヶ月以内の進行として定義される)において、6ヶ月時点で無増悪状態を維持する患者の割合(%PFS)を決定すること。
副次評価項目:
1.RECIST v.1.1[時間枠:ベースラインから6ヵ月]によって定義されるような全奏功率(ORR)。RECIST v.1.1によって定義されるような、化合物4単独または化合物4+オラパリブで処置された白金耐性(最後の白金レジメン後6ヶ月以内の進行と定義される)HGSOC癌患者において奏効率を決定すること。
2.RECIST v.1.1[時間枠:ベースラインから6ヶ月]によって定義されるような全生存期間(OS)。RECIST v.1.1によって定義されるような、化合物4単独または化合物4+オラパリブで処置された白金耐性(最後の白金レジメン後6ヶ月以内の進行と定義される)HGSOC癌患者において奏効率を決定すること。
探索的な評価項目:
化合物4単独またはオラパリブとの併用による奏効および耐性の臨床的相関バイオマーカーを決定すること。この目的のため、循環腫瘍細胞(CTC)、循環腫瘍関連核酸(すなわち、ctDNA)、および/または対になった正常/腫瘍組織の標本を用いて探索的解析を行い、化合物4単独またはオラパリブとの併用に対する反応および耐性と相関する生物学的、遺伝子的、および転写学的なプロファイルを同定する。
適格基準
研究資格を有する年齢: 18歳以上(成人、高齢者)
研究資格を有する性別: 女性
健康なボランティアの容認: いいえ
基準
包含基準:
●患者は、進行している、および、組織学的に確認された高悪性度漿液性卵巣癌、原発性腹膜癌、または卵管癌と診断されていなければならない。
●患者は、白金レジメンの最終投与後6ヶ月以内の進行として定義されるような、白金耐性卵巣癌を患っていなければならない。
●患者は、RECIST v1.1による測定可能な疾患の定義を満たす少なくとも1つの病変を有していなければならない。
●18歳以上の女性患者
●米国東海岸癌臨床試験グループ(Eastern Cooperative Oncology Group)(ECOG)のパフォーマンスステータス(PS)0。
●実証された生殖細胞系列および体細胞系列のBRCA1/2およびDNA損傷遺伝子(DDR)突然変異の状態。
●確認的および探索的バイオマーカー分析のための十分な保存されたおよび/または新たに生検された正常/腫瘍の標本が利用可能であること。
除外基準:
●現在、試験治療に参加し、試験治療を受けているか、あるいは、治験薬の研究に参加して、処置の初回投与から4週間以内に試験治療を受けたか、治験用医療機器を使用したことがある。
●患者は、白金を投与されながら、あるいは、白金ベースのレジメンを受けてから1ヶ月以内に、原発性白金耐性癌、すなわち、実証された癌の進行があってはならない。
●ラインの制限はないが、患者は白金耐性の設定下で1以下の事前のレジメンを受けていなければならない。
●試験1日目から遡って2週間以内に事前に化学療法、標的低分子療法、または放射線療法を受けたことがあるか、あるいはあらかじめ投与された薬剤による有害事象が回復していないこと(すなわち、グレード1以下またはベースラインで)。
●単剤として、事前の標的化DNA損傷修復(DDR)阻害剤がなく、事前のゲムシタビンもないこと。ホルモン療法および血管新生療法(単剤として)、および、維持療法としてのPARP阻害剤は、別のラインとしてカウントされない。
●進行中の、または積極的な治療を必要とする既知の追加の悪性腫瘍を有すること。加えて、患者は、処置開始後3年以内に他の悪性腫瘍と診断されてはならない。例外は、治癒的治療を受けた、完全に切除された皮膚の基底細胞癌または皮膚の扁平上皮癌、インサイツの子宮頚癌、完全に切除された非浸潤性乳管癌、およびステージIAの非侵襲性のグレードIの類内膜の子宮内膜癌を含む。
●既知の活性な中枢神経系(CNS)転移および/または癌性髄膜炎を有すること。以前に処置された脳転移の参加者は、安定しており(治験治療の初回投与前の少なくとも4週間、画像診断による進行の証拠がなく、あらゆる神経学的症状がベースラインに戻っている)、新しいまたは拡大している脳転移の証拠がなく、治験治療前の少なくとも7日間ステロイドを使用していないことを条件に、参加することができる。この例外には、臨床的に活性で重大な癌性髄膜炎は含まれず、臨床的安定性に関係なく除外される。
●全身治療を必要とする活性の感染症を患っていること。
●治験担当医師の意見により、治験の結果を混乱させ、治験の全期間にわたって参加者の参加を妨げ、あるいは参加者にとって参加することが最善の利益にならない可能性がある、いかなる疾病、治療、または検査結果の異常の既往歴または現在の証拠を持っていること。
実験:高用量化合物4 化合物4
実験:低用量化合物4およびオラパリブ 化合物4とオラパリブ
評価項目
一次評価項目:
1.CTCAE v.4.03[時間枠:ベースラインから1年]によって定義されるような治療下で発現した有害事象を抱える患者の割合。CTCAE v.4.03スコアリングに基づく治療下で発現した有害事象および毒性を抱える患者の数と割合。
2.CTCAE 4.03[時間枠:ベースラインから1年]によって定義された化合物4単独およびオラパリブとの併用における最大耐用量(MTD)。CTCAE v.4.03によって定義された用量漸増中の化合物4およびオラパリブとの併用療法のMTDを決定すること。
2.RECIST v.1.1[時間枠:ベースラインから6ヶ月]によって定義されるような無増悪生存期間(PFS)の割合。RECIST v.1.1によって定義されるような、化合物4単独または化合物4+オラパリブで処置された、白金耐性のHGSOC患者(最後の白金製剤治療後6ヶ月以内の進行として定義される)において、6ヶ月時点で無増悪状態を維持する患者の割合(%PFS)を決定すること。
副次評価項目:
1.RECIST v.1.1[時間枠:ベースラインから6ヵ月]によって定義されるような全奏功率(ORR)。RECIST v.1.1によって定義されるような、化合物4単独または化合物4+オラパリブで処置された白金耐性(最後の白金レジメン後6ヶ月以内の進行と定義される)HGSOC癌患者において奏効率を決定すること。
2.RECIST v.1.1[時間枠:ベースラインから6ヶ月]によって定義されるような全生存期間(OS)。RECIST v.1.1によって定義されるような、化合物4単独または化合物4+オラパリブで処置された白金耐性(最後の白金レジメン後6ヶ月以内の進行と定義される)HGSOC癌患者において奏効率を決定すること。
探索的な評価項目:
化合物4単独またはオラパリブとの併用による奏効および耐性の臨床的相関バイオマーカーを決定すること。この目的のため、循環腫瘍細胞(CTC)、循環腫瘍関連核酸(すなわち、ctDNA)、および/または対になった正常/腫瘍組織の標本を用いて探索的解析を行い、化合物4単独またはオラパリブとの併用に対する反応および耐性と相関する生物学的、遺伝子的、および転写学的なプロファイルを同定する。
適格基準
研究資格を有する年齢: 18歳以上(成人、高齢者)
研究資格を有する性別: 女性
健康なボランティアの容認: いいえ
基準
包含基準:
●患者は、進行している、および、組織学的に確認された高悪性度漿液性卵巣癌、原発性腹膜癌、または卵管癌と診断されていなければならない。
●患者は、白金レジメンの最終投与後6ヶ月以内の進行として定義されるような、白金耐性卵巣癌を患っていなければならない。
●患者は、RECIST v1.1による測定可能な疾患の定義を満たす少なくとも1つの病変を有していなければならない。
●18歳以上の女性患者
●米国東海岸癌臨床試験グループ(Eastern Cooperative Oncology Group)(ECOG)のパフォーマンスステータス(PS)0。
●実証された生殖細胞系列および体細胞系列のBRCA1/2およびDNA損傷遺伝子(DDR)突然変異の状態。
●確認的および探索的バイオマーカー分析のための十分な保存されたおよび/または新たに生検された正常/腫瘍の標本が利用可能であること。
除外基準:
●現在、試験治療に参加し、試験治療を受けているか、あるいは、治験薬の研究に参加して、処置の初回投与から4週間以内に試験治療を受けたか、治験用医療機器を使用したことがある。
●患者は、白金を投与されながら、あるいは、白金ベースのレジメンを受けてから1ヶ月以内に、原発性白金耐性癌、すなわち、実証された癌の進行があってはならない。
●ラインの制限はないが、患者は白金耐性の設定下で1以下の事前のレジメンを受けていなければならない。
●試験1日目から遡って2週間以内に事前に化学療法、標的低分子療法、または放射線療法を受けたことがあるか、あるいはあらかじめ投与された薬剤による有害事象が回復していないこと(すなわち、グレード1以下またはベースラインで)。
●単剤として、事前の標的化DNA損傷修復(DDR)阻害剤がなく、事前のゲムシタビンもないこと。ホルモン療法および血管新生療法(単剤として)、および、維持療法としてのPARP阻害剤は、別のラインとしてカウントされない。
●進行中の、または積極的な治療を必要とする既知の追加の悪性腫瘍を有すること。加えて、患者は、処置開始後3年以内に他の悪性腫瘍と診断されてはならない。例外は、治癒的治療を受けた、完全に切除された皮膚の基底細胞癌または皮膚の扁平上皮癌、インサイツの子宮頚癌、完全に切除された非浸潤性乳管癌、およびステージIAの非侵襲性のグレードIの類内膜の子宮内膜癌を含む。
●既知の活性な中枢神経系(CNS)転移および/または癌性髄膜炎を有すること。以前に処置された脳転移の参加者は、安定しており(治験治療の初回投与前の少なくとも4週間、画像診断による進行の証拠がなく、あらゆる神経学的症状がベースラインに戻っている)、新しいまたは拡大している脳転移の証拠がなく、治験治療前の少なくとも7日間ステロイドを使用していないことを条件に、参加することができる。この例外には、臨床的に活性で重大な癌性髄膜炎は含まれず、臨床的安定性に関係なく除外される。
●全身治療を必要とする活性の感染症を患っていること。
●治験担当医師の意見により、治験の結果を混乱させ、治験の全期間にわたって参加者の参加を妨げ、あるいは参加者にとって参加することが最善の利益にならない可能性がある、いかなる疾病、治療、または検査結果の異常の既往歴または現在の証拠を持っていること。
実施例14:トリプルネガティブ乳癌の臨床試験設計
試験の説明
概要:本試験の目的は、適格基準によって定義されるような転移性トリプル(ER-、PR-、およびHER2-)ネガティブ乳癌(TNBC)の患者において、治験薬である化合物4が、単独投与、またはPARP阻害剤であるオラパリブとの併用投与時に安全であり、および、有益な効果を有するかどうかを確認することである。
疾病または疾患 介入または処置
TNBC 化合物4のみ
TNBC 化合物4+オラパリブ
試験の説明
概要:本試験の目的は、適格基準によって定義されるような転移性トリプル(ER-、PR-、およびHER2-)ネガティブ乳癌(TNBC)の患者において、治験薬である化合物4が、単独投与、またはPARP阻害剤であるオラパリブとの併用投与時に安全であり、および、有益な効果を有するかどうかを確認することである。
疾病または疾患 介入または処置
TNBC 化合物4のみ
TNBC 化合物4+オラパリブ
詳細な説明:
この第Ib/II相臨床試験は、転移性トリプルネガティブ乳癌(TNBC)患者の処置において、新しい治験薬、化合物4の単独またはPARP阻害剤オラパリブとの併用による安全性、忍容性、RP2D、および予備的な抗腫瘍活性を評価する。
この第Ib/II相臨床試験は、転移性トリプルネガティブ乳癌(TNBC)患者の処置において、新しい治験薬、化合物4の単独またはPARP阻害剤オラパリブとの併用による安全性、忍容性、RP2D、および予備的な抗腫瘍活性を評価する。
第Ib相試験の主要な目的は、安全性、忍容性、およびRP2Dを確立することである。有害事象(AE)は、国立癌研究所有害事象共通用語基準(CTCAE)、バージョン5.0に従って等級付けされる。本試験の第Ib相試験の間、用量制限毒性(DLT)は、化合物4および/またはオラパリブに起因し、TNBC、併発疾患、または併用薬に関連せず、およびCTACEバージョン5.0に基づくDLT基準の包括的リストからの少なくとも1つの基準を満たす、サイクル1中に発生したAEと定義される。用量漸増は、ある用量レベルで処置を受けた患者のうち少なくとも2人でDLTが観察され、MTDを超えたと結論付けられるまで継続される。
第II相試験の主要な目的は、RECIST v1.1基準に基づいて、化合物4単独またはオラパリブとの併用の客観的奏効率(ORR)を推定することである。第II相試験の副次エンドポイントは、無増悪生存期間、臨床効果率/病勢コントロール率、奏効期間、および無増悪期間を含む。さらなる探索的なエンドポイントは、奏効および進行に関する遺伝子バイオマーカーの評価も含む。
試験設計
試験タイプ:介入性臨床試験
評価された登録者:100人の患者
介入モデル:単群指定
マスキング:無(非盲検)
主要な目的:処置
群と介入
群 介入
実験:低用量化合物4 化合物4
実験:高用量化合物4 化合物4
実験:低用量化合物4およびオラパリブ 化合物4とオラパリブ
評価項目
一次評価項目:
1.CTCAE v.4.03によって定義されるような治療下で発現した有害事象を抱える患者の割合[例えば、時間枠:ベースラインから1年]。CTCAE v.4.03スコアリングに基づく治療下で発現した有害事象および毒性を抱える患者の数と割合;[時間枠:処置後最大3ヶ月]発生率は、化合物4および/またはオラパリブの少なくとも1回投与を受けたTNBCを抱える参加者について決定される。
2.CTCAE 4.03によって定義された化合物4単独およびオラパリブとの併用における最大耐用量(MTD)[時間枠:ベースラインから1年 ]。CTCAE v.4.03によって定義された用量漸増中の化合物4およびオラパリブのMTDを決定すること。
3.化合物4単独またはオラパリブとの併用の客観的奏効率(ORR)は、RECIST v.1.1基準に基づいて決定される。
副次評価項目:
1.化合物4単独またはオラパリブとの併用による臨床効果率(CBR)または病勢コントロール率(DCR)[時間枠:最大で処置後6カ月まで]は、RECISTv.1.1.基準に基づいて決定される。現在のプロトコルで少なくとも6ヶ月間、完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、または病勢安定(SD)を達成した参加者は、治療による利益を得たとして適格とされ、CBR/DCRの測定にカウントされる。
2.化合物4単独またはオラパリブとの併用による無増悪生存期間(PFS)[時間枠:処置後最大で1年まで]PFSは、オラパリブによる最初の処置(すなわち、サイクル1の1日目)から、RECISTv.1.1基準に基づく再発または再燃(体のどこであっても)、あるいは12カ月の最終フォローアップ時の死亡の最初までの期間として定義される。
3.化合物4単独またはオラパリブとの併用に関する全生存期間(OS)[時間枠:治療後最大1年まで]RECISTv.1.1の基準に基づき、OSは化合物4単独またはオラパリブとの併用による最初の治療(すなわち、1日目)から死亡または12か月の最後のフォローアップまでの期間として定義される。
4.化合物4単独またはオラパリブとの併用に関する奏効期間(DOR)[時間枠:治療後最大6ヵ月まで]RECISTv.1.1.基準に基づく。全奏功期間は、CRまたはPR(最初に記録された方)の測定基準を満たした時点から、進行性疾患の基準として処置開始以来記録された最も小さい測定値を用いて、再発性または進行性疾患が客観的に文書化された最初の日まで測定される。全CRの期間は、CRの測定基準を最初に満たした時点から、進行性疾患が客観的に文書化された最初の日まで測定される。参加者が、事前に再発性または進行性疾患の記録がなく、原因に関係なく死亡した場合、応答終了日を記載するために死亡日を使用する。
探索的な評価項目:
化合物4単独またはオラパリブとの併用に対する反応および耐性の臨床的相関バイオマーカーを決定すること。この目的のため、循環腫瘍細胞(CTC)、循環腫瘍関連核酸(すなわち、ctDNA)、および/または対になった正常/腫瘍組織の標本を用いて探索的解析を行い、化合物4単独またはオラパリブとの併用に対する反応および耐性と相関する生物学的、遺伝子的、および転写学的なプロファイルを同定する。
適格基準
研究資格を有する年齢: 18歳以上(成人、高齢者)
研究資格を有する性別: 男性と女性
健康なボランティアの容認: いいえ
基準
包含基準:
●書面のインフォームドコンセント文書を理解し、署名する意思のあること。
●参加者は、インフォームドコンセントの時点で18歳以上である。
●以下のように定義される、転移性TNBC:
1.米国臨床腫瘍学会(ASCO)/米国病理学会(CAP)のホルモン受容体検査ガイドラインに基づく免疫組織化学的検査でER<10%かつPR<10%と定義されるERおよびPR陰性であること。
2.以下のように定義される、ASCO/CAPガイドラインによるHER2非増幅:
a.IHCスコア0/1+
b.IHC2+、および、インサイチュハイブリダイゼーション(ISH)非増幅で、HER2対CEP17の比が2.0未満、報告されている場合は、HER2遺伝子平均コピー数が4シグナル/細胞未満であり、または、
c.ISH非増幅、HER2対CEP17の比が2.0未満、報告されている場合は、平均HER2遺伝子コピー数が4シグナル/細胞未満である
●参加者は、生検が可能である、RECIST v1.1により定義されるような疾患の少なくとも1つの測定可能な部位を有していなければならない。
●転移性乳癌に対する以前の治療
1.転移性乳癌に対する全身療法を以前受けたことがないフロントラインの患者は適格である。
2.転移性乳癌に対する2回以下(<=2)の化学療法を事前に受けたことのある患者は適格である。
●参加者は、脱毛症とグレード2以下(<=2)の神経障害が認められる場合を除いて、すべての以前の処置の急性毒性作用からグレード1以下まで完全に回復していなければならない。
●参加者は、余命が16週間以上(>=16)でなければならない。
●参加者は、米国東海岸癌臨床試験グループ(Eastern Cooperative Oncology Group)(ECOG)のパフォーマンスステータスが1以下(<=1)でなければならない。
●参加者は、登録とその後のバイオマーカー解析のために、処置前のスクリーニング生検を受けることに同意しなければならない。
●参加者は、オラパリブによる4週間の単回サイクル導入処置後に、試験期間中に1回の義務的な腫瘍生検を受けることに同意しなければならない。病気の進行時の2回目の試験期間中の生検は任意であり、必須ではない。
●参加者は、デュルバルマブ抗PD-1薬、抗CTLA4薬、または類似薬を含む、抗PD-L1薬による免疫療法を以前受けていてはならない。
●参加者は、以下に定義する試験処置投与前28日以内に測定した臓器および骨髄の機能が正常でなければならない:
1.ヘモグロビン≧10.0g/dL、過去28日間に輸血を受けたことがない。
2.絶対好中球数(ANC)≧1.5×109/L
3.血小板数≧100×109/L
4.総ビリルビン≦1.5×施設正常上限(ULN)
5.アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)(血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(SGOT))/アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)(血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT))≦2.5×施設正常上限 ただし、肝転移がある場合は、≦5×ULNでなければならない。
6.参加者は、コッククロフト・ゴールト式を使用して、または、24時間尿検査に基づいて、51mL/分以上の推定クレアチニンクリアランスを有していなければならない:推定クレアチニンクリアランス=(140-年齢[年])×体重(kg)(×F)血清クレアチニン(mg/dL)×72;ここで、女性ではF=0.85、男性ではF=1である。
●妊娠可能な女性参加者は、試験薬の初回投与を受ける72時間前まで尿または血清妊娠検査で陰性でなければならない。尿検査が陽性である場合、または陰性であることが確認できない場合、血清妊娠検査が必要となる。
●妊娠可能な女性参加者は、試験治療の初回投与から試験治療の最終投与後60日まで、適切な避妊方法を用いることに同意する。妊娠可能な参加者とは、閉経後であることが証明されていない参加者である。閉経後とは、以下のように定義される:
1.外因性ホルモン治療停止後、1年以上無月経であること。
2.黄体形成ホルモン(LH)および卵胞刺激ホルモン(FSH)のレベルが、50歳未満の女性で閉経後の範囲にあること。
3.放射線誘発性卵巣摘出で、最終月経が1年以上前であること。
4.化学療法による閉経で、最終月経から1年以上の間隔があること。
5.外科的不妊手術(両側卵巣摘出術または子宮摘出術)。
●男性参加者は、試験治療の初回投与から試験治療の最終投与後60日後まで、適切な避妊方法を使用することに同意しなければならない。
●参加者は、免疫療法の初回投与前30日以内に生ワクチンを受けてはならない。生ワクチンの例としては、限定されないが、麻疹、おたふくかぜ、風疹、水痘、帯状疱疹、黄熱病、狂犬病、BCG、および腸チフス(経口)のワクチンが挙げられる。季節性インフルエンザの注射用ワクチンは、一般に死滅ウイルスワクチンであり、許可される。しかしながら、経鼻インフルエンザワクチン(例えば、Flu-Mist(登録商標)は弱毒生ワクチンであり、許可されていない。患者は、登録された場合、免疫療法を受けている間と、免疫療法の最終投与後最大30日までは、生ワクチンを接種してはならない。
●確認的および探索的バイオマーカー分析のための十分な保存されたおよび/または新たに生検された正常/腫瘍の標本が利用可能であること。
●限定されないが、ATM、ATR、BRCA1/2、CDK12などのDNA損傷修復/応答遺伝子(DDR)の変異状況を確認することができること。
除外基準:
●現在、試験治療に参加し、試験治療を受けているか、あるいは、治験薬の研究に参加して、処置の初回投与から4週間以内に試験治療を受けたか、治験用医療機器を使用したことがある。過去の治験のフォローアップ段階にある個体は、前回の治験薬の最終投与から4週間が経過している限り、参加可能である。
●治癒的治療を受けておらず、5年以上の疾患の証拠がない場合の、他の悪性腫瘍。ただし、適切に処置された非黒色腫皮膚癌、治癒的処置を受けたインサイチュの子宮頸部癌、非浸潤性乳管癌(DCIS)、ステージ1、グレード1の子宮内膜癌を除く。局所的なトリプルネガティブ乳癌の既往歴のある参加者は適格となり得る。ただし、参加者は、登録の3年以上前にアジュバント化学療法を完了しており、再発性または転移性疾患がないこととする。
●骨髄異形成症候群/急性骨髄性白血病、またはMDS/AMLを示唆する特徴を有する参加者。
●研究前に入る前に、過去28日以内に化学療法または他の標的療法を受けているか、または過去3週間以内に放射線治療(緩和的な理由を除く)を受けた参加者。
●既知の活性な中枢神経系(CNS)への転移および/または癌性髄膜炎を抱えている参加者。
●脳転移の治療歴がある参加者は参加することができる。ただし、参加者は、治験治療の初回投与の少なくとも4週間前から安定しており[画像診断では進行の証拠がなく(以前の画像診断でCTを用いた場合はCTスキャンで、以前の画像診断でMRIを用いた場合はMRIで確認)、いかなる神経症状もベースラインに戻っている]、脳転移の新規または拡大の証拠がなく、治験治療の少なくとも7日前からステロイドを使用していないものとする。この例外には、臨床的安定性に関係なく除外される癌性髄膜炎は含まれない。 ●経口投与された薬剤を飲み込むことができない参加者、および試験薬の吸収を妨げる可能性のある胃腸障害を抱えている参加者。
●徴候や症状、臨床検査、および疾患の急速な進行によって評価される重度の臓器機能障害として定義される内臓の危険がある参加者。
●全身的な抗生物質療法を必要とする活性の感染症。感染症で全身性抗生物質を必要とする参加者は、治療開始前に治療を完了していなければならない。
●重篤で制御不能な医学的障害、非悪性の全身性疾患、または活動性で制御不能な感染症による医学的なリスクが低いと考えられる参加者。例としては、限定されないが、制御されていない心室性不整脈、最近(3ヶ月以内)の心筋梗塞、制御されていない主要な発作障害、不安定な脊髄圧迫、上大静脈症候群、高解像度コンピュータ断層撮影(HRCT)スキャンによる広範囲な間質性両側肺疾患、インフォームドコンセントを得ることができない精神疾患/社会的状況が挙げられる。
●医師が判断した、制御されていない、場合によっては可逆的な心臓の状態(例えば、不安定な虚血、制御されていない症候性不整脈、うっ血性心不全、QTcF延長≧500ms、電解質異常など)を示すECGを静止させること、あるいは、先天性QT延長症候群を抱える参加者。
●試験薬またはその賦形剤に対して過敏反応の既往歴のある参加者。
●参加者が妊娠中または授乳中であるか、あるいは治験の予測期間内(スクリーニング訪問から治験治療の最終投与の120日後まで)に妊娠または出産を予定していること。 ●治験の計画および/または実施への関与
●治験責任医師が、患者が治験の手順、制限、および要件を遵守する可能性がない場合に、患者は治験に参加するべきではないと判断する場合。
試験設計
試験タイプ:介入性臨床試験
評価された登録者:100人の患者
介入モデル:単群指定
マスキング:無(非盲検)
主要な目的:処置
群と介入
群 介入
実験:低用量化合物4 化合物4
実験:高用量化合物4 化合物4
実験:低用量化合物4およびオラパリブ 化合物4とオラパリブ
評価項目
一次評価項目:
1.CTCAE v.4.03によって定義されるような治療下で発現した有害事象を抱える患者の割合[例えば、時間枠:ベースラインから1年]。CTCAE v.4.03スコアリングに基づく治療下で発現した有害事象および毒性を抱える患者の数と割合;[時間枠:処置後最大3ヶ月]発生率は、化合物4および/またはオラパリブの少なくとも1回投与を受けたTNBCを抱える参加者について決定される。
2.CTCAE 4.03によって定義された化合物4単独およびオラパリブとの併用における最大耐用量(MTD)[時間枠:ベースラインから1年 ]。CTCAE v.4.03によって定義された用量漸増中の化合物4およびオラパリブのMTDを決定すること。
3.化合物4単独またはオラパリブとの併用の客観的奏効率(ORR)は、RECIST v.1.1基準に基づいて決定される。
副次評価項目:
1.化合物4単独またはオラパリブとの併用による臨床効果率(CBR)または病勢コントロール率(DCR)[時間枠:最大で処置後6カ月まで]は、RECISTv.1.1.基準に基づいて決定される。現在のプロトコルで少なくとも6ヶ月間、完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、または病勢安定(SD)を達成した参加者は、治療による利益を得たとして適格とされ、CBR/DCRの測定にカウントされる。
2.化合物4単独またはオラパリブとの併用による無増悪生存期間(PFS)[時間枠:処置後最大で1年まで]PFSは、オラパリブによる最初の処置(すなわち、サイクル1の1日目)から、RECISTv.1.1基準に基づく再発または再燃(体のどこであっても)、あるいは12カ月の最終フォローアップ時の死亡の最初までの期間として定義される。
3.化合物4単独またはオラパリブとの併用に関する全生存期間(OS)[時間枠:治療後最大1年まで]RECISTv.1.1の基準に基づき、OSは化合物4単独またはオラパリブとの併用による最初の治療(すなわち、1日目)から死亡または12か月の最後のフォローアップまでの期間として定義される。
4.化合物4単独またはオラパリブとの併用に関する奏効期間(DOR)[時間枠:治療後最大6ヵ月まで]RECISTv.1.1.基準に基づく。全奏功期間は、CRまたはPR(最初に記録された方)の測定基準を満たした時点から、進行性疾患の基準として処置開始以来記録された最も小さい測定値を用いて、再発性または進行性疾患が客観的に文書化された最初の日まで測定される。全CRの期間は、CRの測定基準を最初に満たした時点から、進行性疾患が客観的に文書化された最初の日まで測定される。参加者が、事前に再発性または進行性疾患の記録がなく、原因に関係なく死亡した場合、応答終了日を記載するために死亡日を使用する。
探索的な評価項目:
化合物4単独またはオラパリブとの併用に対する反応および耐性の臨床的相関バイオマーカーを決定すること。この目的のため、循環腫瘍細胞(CTC)、循環腫瘍関連核酸(すなわち、ctDNA)、および/または対になった正常/腫瘍組織の標本を用いて探索的解析を行い、化合物4単独またはオラパリブとの併用に対する反応および耐性と相関する生物学的、遺伝子的、および転写学的なプロファイルを同定する。
適格基準
研究資格を有する年齢: 18歳以上(成人、高齢者)
研究資格を有する性別: 男性と女性
健康なボランティアの容認: いいえ
基準
包含基準:
●書面のインフォームドコンセント文書を理解し、署名する意思のあること。
●参加者は、インフォームドコンセントの時点で18歳以上である。
●以下のように定義される、転移性TNBC:
1.米国臨床腫瘍学会(ASCO)/米国病理学会(CAP)のホルモン受容体検査ガイドラインに基づく免疫組織化学的検査でER<10%かつPR<10%と定義されるERおよびPR陰性であること。
2.以下のように定義される、ASCO/CAPガイドラインによるHER2非増幅:
a.IHCスコア0/1+
b.IHC2+、および、インサイチュハイブリダイゼーション(ISH)非増幅で、HER2対CEP17の比が2.0未満、報告されている場合は、HER2遺伝子平均コピー数が4シグナル/細胞未満であり、または、
c.ISH非増幅、HER2対CEP17の比が2.0未満、報告されている場合は、平均HER2遺伝子コピー数が4シグナル/細胞未満である
●参加者は、生検が可能である、RECIST v1.1により定義されるような疾患の少なくとも1つの測定可能な部位を有していなければならない。
●転移性乳癌に対する以前の治療
1.転移性乳癌に対する全身療法を以前受けたことがないフロントラインの患者は適格である。
2.転移性乳癌に対する2回以下(<=2)の化学療法を事前に受けたことのある患者は適格である。
●参加者は、脱毛症とグレード2以下(<=2)の神経障害が認められる場合を除いて、すべての以前の処置の急性毒性作用からグレード1以下まで完全に回復していなければならない。
●参加者は、余命が16週間以上(>=16)でなければならない。
●参加者は、米国東海岸癌臨床試験グループ(Eastern Cooperative Oncology Group)(ECOG)のパフォーマンスステータスが1以下(<=1)でなければならない。
●参加者は、登録とその後のバイオマーカー解析のために、処置前のスクリーニング生検を受けることに同意しなければならない。
●参加者は、オラパリブによる4週間の単回サイクル導入処置後に、試験期間中に1回の義務的な腫瘍生検を受けることに同意しなければならない。病気の進行時の2回目の試験期間中の生検は任意であり、必須ではない。
●参加者は、デュルバルマブ抗PD-1薬、抗CTLA4薬、または類似薬を含む、抗PD-L1薬による免疫療法を以前受けていてはならない。
●参加者は、以下に定義する試験処置投与前28日以内に測定した臓器および骨髄の機能が正常でなければならない:
1.ヘモグロビン≧10.0g/dL、過去28日間に輸血を受けたことがない。
2.絶対好中球数(ANC)≧1.5×109/L
3.血小板数≧100×109/L
4.総ビリルビン≦1.5×施設正常上限(ULN)
5.アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)(血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(SGOT))/アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)(血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT))≦2.5×施設正常上限 ただし、肝転移がある場合は、≦5×ULNでなければならない。
6.参加者は、コッククロフト・ゴールト式を使用して、または、24時間尿検査に基づいて、51mL/分以上の推定クレアチニンクリアランスを有していなければならない:推定クレアチニンクリアランス=(140-年齢[年])×体重(kg)(×F)血清クレアチニン(mg/dL)×72;ここで、女性ではF=0.85、男性ではF=1である。
●妊娠可能な女性参加者は、試験薬の初回投与を受ける72時間前まで尿または血清妊娠検査で陰性でなければならない。尿検査が陽性である場合、または陰性であることが確認できない場合、血清妊娠検査が必要となる。
●妊娠可能な女性参加者は、試験治療の初回投与から試験治療の最終投与後60日まで、適切な避妊方法を用いることに同意する。妊娠可能な参加者とは、閉経後であることが証明されていない参加者である。閉経後とは、以下のように定義される:
1.外因性ホルモン治療停止後、1年以上無月経であること。
2.黄体形成ホルモン(LH)および卵胞刺激ホルモン(FSH)のレベルが、50歳未満の女性で閉経後の範囲にあること。
3.放射線誘発性卵巣摘出で、最終月経が1年以上前であること。
4.化学療法による閉経で、最終月経から1年以上の間隔があること。
5.外科的不妊手術(両側卵巣摘出術または子宮摘出術)。
●男性参加者は、試験治療の初回投与から試験治療の最終投与後60日後まで、適切な避妊方法を使用することに同意しなければならない。
●参加者は、免疫療法の初回投与前30日以内に生ワクチンを受けてはならない。生ワクチンの例としては、限定されないが、麻疹、おたふくかぜ、風疹、水痘、帯状疱疹、黄熱病、狂犬病、BCG、および腸チフス(経口)のワクチンが挙げられる。季節性インフルエンザの注射用ワクチンは、一般に死滅ウイルスワクチンであり、許可される。しかしながら、経鼻インフルエンザワクチン(例えば、Flu-Mist(登録商標)は弱毒生ワクチンであり、許可されていない。患者は、登録された場合、免疫療法を受けている間と、免疫療法の最終投与後最大30日までは、生ワクチンを接種してはならない。
●確認的および探索的バイオマーカー分析のための十分な保存されたおよび/または新たに生検された正常/腫瘍の標本が利用可能であること。
●限定されないが、ATM、ATR、BRCA1/2、CDK12などのDNA損傷修復/応答遺伝子(DDR)の変異状況を確認することができること。
除外基準:
●現在、試験治療に参加し、試験治療を受けているか、あるいは、治験薬の研究に参加して、処置の初回投与から4週間以内に試験治療を受けたか、治験用医療機器を使用したことがある。過去の治験のフォローアップ段階にある個体は、前回の治験薬の最終投与から4週間が経過している限り、参加可能である。
●治癒的治療を受けておらず、5年以上の疾患の証拠がない場合の、他の悪性腫瘍。ただし、適切に処置された非黒色腫皮膚癌、治癒的処置を受けたインサイチュの子宮頸部癌、非浸潤性乳管癌(DCIS)、ステージ1、グレード1の子宮内膜癌を除く。局所的なトリプルネガティブ乳癌の既往歴のある参加者は適格となり得る。ただし、参加者は、登録の3年以上前にアジュバント化学療法を完了しており、再発性または転移性疾患がないこととする。
●骨髄異形成症候群/急性骨髄性白血病、またはMDS/AMLを示唆する特徴を有する参加者。
●研究前に入る前に、過去28日以内に化学療法または他の標的療法を受けているか、または過去3週間以内に放射線治療(緩和的な理由を除く)を受けた参加者。
●既知の活性な中枢神経系(CNS)への転移および/または癌性髄膜炎を抱えている参加者。
●脳転移の治療歴がある参加者は参加することができる。ただし、参加者は、治験治療の初回投与の少なくとも4週間前から安定しており[画像診断では進行の証拠がなく(以前の画像診断でCTを用いた場合はCTスキャンで、以前の画像診断でMRIを用いた場合はMRIで確認)、いかなる神経症状もベースラインに戻っている]、脳転移の新規または拡大の証拠がなく、治験治療の少なくとも7日前からステロイドを使用していないものとする。この例外には、臨床的安定性に関係なく除外される癌性髄膜炎は含まれない。 ●経口投与された薬剤を飲み込むことができない参加者、および試験薬の吸収を妨げる可能性のある胃腸障害を抱えている参加者。
●徴候や症状、臨床検査、および疾患の急速な進行によって評価される重度の臓器機能障害として定義される内臓の危険がある参加者。
●全身的な抗生物質療法を必要とする活性の感染症。感染症で全身性抗生物質を必要とする参加者は、治療開始前に治療を完了していなければならない。
●重篤で制御不能な医学的障害、非悪性の全身性疾患、または活動性で制御不能な感染症による医学的なリスクが低いと考えられる参加者。例としては、限定されないが、制御されていない心室性不整脈、最近(3ヶ月以内)の心筋梗塞、制御されていない主要な発作障害、不安定な脊髄圧迫、上大静脈症候群、高解像度コンピュータ断層撮影(HRCT)スキャンによる広範囲な間質性両側肺疾患、インフォームドコンセントを得ることができない精神疾患/社会的状況が挙げられる。
●医師が判断した、制御されていない、場合によっては可逆的な心臓の状態(例えば、不安定な虚血、制御されていない症候性不整脈、うっ血性心不全、QTcF延長≧500ms、電解質異常など)を示すECGを静止させること、あるいは、先天性QT延長症候群を抱える参加者。
●試験薬またはその賦形剤に対して過敏反応の既往歴のある参加者。
●参加者が妊娠中または授乳中であるか、あるいは治験の予測期間内(スクリーニング訪問から治験治療の最終投与の120日後まで)に妊娠または出産を予定していること。 ●治験の計画および/または実施への関与
●治験責任医師が、患者が治験の手順、制限、および要件を遵守する可能性がない場合に、患者は治験に参加するべきではないと判断する場合。
Claims (32)
- 前記トリプルネガティブ乳癌は転移性のトリプルネガティブ乳癌である、請求項1に記載の方法。
- 前記トリプルネガティブ乳癌は非転移性のトリプルネガティブ乳癌である、請求項1に記載の方法。
- 前記トリプルネガティブ乳癌は、基底様腫瘍を含んでいる、請求項1-3のいずれか1つに記載の方法。
- 前記個体はBRCA1突然変異を有している、請求項1-4のいずれか1つに記載の方法。
- 前記個体はBRCA2突然変異を有している、請求項1-5のいずれか1つに記載の方法。
- a)前記化合物の投与前後に腫瘍または正常組織中のCDK12/13基質のリン酸化状態をモニタリングする工程と、
b)2つの値の比を決定する工程と、
c)前記化合物の投与後の総レベルに対してリン酸化されたCDK12/13基質のレベルの減少を観察する工程と、
をさらに含む、請求項1-6のいずれか1つに記載の方法。 - 前記CDK12/13基質はRNAポリメラーゼIIである、請求項7に記載の方法。
- a)腫瘍中のDNA損傷応答遺伝子の発現のレベルをモニタリングする工程と、
b)前記化合物の投与後に前記DNA損傷応答遺伝子の発現レベルの減少を観察する工程と、
c)前記化合物の投与後に、腫瘍組織、細胞、または循環腫瘍細胞DNA中のDNA損傷の範囲の増加をモニタリングする工程と、
をさらに含む、請求項1-6のいずれか1つに記載の方法。 - 前記癌は転移性卵巣癌を含む、請求項10に記載の方法。
- 前記癌は非転移性卵巣癌を含む、請求項10に記載の方法。
- 前記卵巣癌は高悪性度の腫瘍である、請求項10-12のいずれか1つに記載の方法。
- 前記卵巣癌は再発性の卵巣癌である、請求項9-13のいずれか1つに記載の方法。
- 前記癌は、卵巣上皮癌、胚細胞腫瘍、間質性腫瘍、または卵巣肉腫を含む、請求項10-14のいずれか1つに記載の方法。
- 前記卵巣肉腫は、腺肉腫、平滑筋肉腫、または線維肉腫である、請求項15に記載の方法。
- 前記個体はBRCA1突然変異を有している、請求項10-16のいずれか1つに記載の方法。
- 前記個体はBRCA2突然変異を有している、請求項10-17のいずれか1つに記載の方法。
- a)前記化合物の投与前後に腫瘍または正常組織中のCDK12/13基質のリン酸化状態をモニタリングする工程と、
b)2つの値の比を決定する工程と、
c)前記化合物の投与後の総レベルに対してリン酸化されたCDK12/13基質のレベルの減少を観察する工程と、
をさらに含む、請求項10-18のいずれか1つに記載の方法。 - 前記CDK12/13基質はRNAポリメラーゼIIである、請求項19に記載の方法。
- a)腫瘍中のDNA損傷応答遺伝子の発現のレベルをモニタリングする工程と、
b)前記化合物の投与後に前記DNA損傷応答遺伝子の発現レベルの減少を観察する工程と、
c)前記化合物の投与後に、腫瘍組織、細胞、または循環腫瘍細胞DNA中のDNA損傷の範囲の増加をモニタリングする工程と、
をさらに含む、請求項10-18のいずれか1つに記載の方法。 - 前記去勢抵抗性前立腺癌は、転移性前立腺癌を含む、請求項22に記載の方法。
- 前記去勢抵抗性前立腺癌は、非転移性前立腺癌を含む、請求項22または23に記載の方法。
- 前記去勢抵抗性前立腺癌は、腺房腺癌、管状腺癌、移行細胞癌、扁平上皮癌、小細胞前立腺癌、神経内分泌癌、または肉腫を含む、請求項22-24のいずれか1つに記載の方法。
- 前記個体はBRCA1突然変異を有している、請求項22-25のいずれか1つに記載の方法。
- 前記個体はBRCA2突然変異を有している、請求項22-26のいずれか1つに記載の方法。
- a)前記化合物の投与前後に腫瘍または正常組織中のCDK12/13基質のリン酸化状態をモニタリングする工程と、
b)2つの値の比を決定する工程と、
c)前記化合物の投与後の総レベルに対してリン酸化されたCDK12/13基質のレベルの減少を観察する工程と、
をさらに含む、請求項22-27のいずれか1つに記載の方法。 - 前記CDK12/13基質はRNAポリメラーゼIIである、請求項28に記載の方法。
- a)腫瘍中のDNA損傷応答遺伝子の発現のレベルをモニタリングする工程と、
b)前記化合物の投与後に前記DNA損傷応答遺伝子の発現レベルの減少を観察する工程と、
c)前記化合物の投与後に、腫瘍組織、細胞、または循環腫瘍細胞DNA中のDNA損傷の範囲の増加をモニタリングする工程と、
をさらに含む、請求項22-27のいずれか1つに記載の方法。 - RNAポリメラーゼIIの総レベルに対するリン酸化されたRNAポリメラーゼIIのレベルの減少、および/または、前記化合物の投与後のDNA損傷応答遺伝子の発現のレベルの減少は、処置の有効性に相関する、請求項7-9、19-22、または28-30のいずれか1つに記載の方法。
- モニタリング試料はPBMC細胞に由来する、請求項7-9、19-22、または28-31のいずれか1つに記載の方法。
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