JP2023506769A - 植物ベース食品用のタンパク質組成物および作製方法 - Google Patents

植物ベース食品用のタンパク質組成物および作製方法 Download PDF

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Abstract

代替肉、ミートエキステンダー、代替卵、乳製品類似食品などの製品を作製する際に使用するためのタンパク質エマルジョンを作製するための方法、ならびに様々な代替肉、代替卵、乳製品類似食品などを作製するために当該エマルジョンを使用するための方法が開示される。単独で、または前記エマルジョンと組み合わせて代替肉として使用するための植物性タンパク質クランブルも開示される。TIFF2023506769000012.tif156128

Description

発明の分野
本発明は、肉類似食品または代替肉として分類することができる組成物に関し、これらの組成物は植物タンパク質を含む。本発明は、さらに具体的にいうと、ビーガン向け代替肉ならびにビーガン向け代替肉および乳製品類似食品を作製する方法と説明することができる。
発明の背景
アナリストたちは、代用肉市場が今後10年以内に1400億ドルになり、1兆4000億ドルの世界食肉市場のうち約10%を獲得する可能性があると予想している。植物ベースの代替肉は消費者にますます受け入れられており、これは、主に、植物ベースの栄養分の健康上の利点と、増加し続けている人間集団のニーズを満たす食肉生産の環境への影響を減らす可能性の組み合わせによって駆り立てられている。多くの新たな、肉を含まないタンパク質製品とブランドが開発されており、これらの全てが、肉の味と食感のある植物ベースのタンパク質製品を提供することを目標としている。
一般的に、植物ベースの代替肉が魅力的な栄養上の選択肢だと考えている、上述と同じ消費者には、「クリーン」ラベル食品だと考えられている食品(すなわち、可能な限り少ない成分を用いて生成された食品であり、このような成分は、消費者が健康だと認め、かつ考えている品物である)も好まれている。しかしながら、植物ベースの代替肉において許容される粘稠性と食感と味を実現するためには、市販されている最新製品のいくつかについて執筆したある著者が「野放図にされている(sprawling)」と呼んだ成分リストを取り入れる必要があることは製造業者たちには一般に知られていた。いくかの製品成分リストの例を以下の表1に示した。
(表1)市販されている代替肉の製品パッケージに記載されている成分
Figure 2023506769000002
Figure 2023506769000003
代替肉に利用される最も一般的なタンパク質はダイズタンパク質とコムギグルテンであり、その主な理由は、加工面で利点があり、豊富に入手することができ、費用が安いことである。だが、エンドウタンパク質はアミノ酸ロイシンが最も豊富にある植物タンパク質であり、持続可能なタンパク質源という理由から、ますます魅力的な選択肢となっている。エンドウタンパク質はアルギニンとリジンも多く含んでいる。Shandらが述べたように、エンドウタンパク質製品は「類似するダイズタンパク質製品と同等かつ補完的な機能を示すと報告されているが、エンドウタンパク質の熱誘導性ゲルはダイズタンパク質ゲルより弱いことに留意しなければならない」(Shand, P.J., et at. Physicochemical and textural properties of heat-induced pea protein isolate gels, Food Chemistry 102 (2007) 1119-1130(非特許文献1))。このことは、代替肉の調合が、一般的に、1種類または複数種の植物タンパク質を含むゼラチン化マトリックス、すなわちゲルを生成することを伴うので重要である。
後になって、Shandは、トランスグルタミナーゼを用いることで「市販のダイズタンパク質分離物ゲルと市販のミートボローニャと同様の強度と弾力性のPPIcゲルを調製することが可能になった」と報告した(Shand, P.J., et al. Transglutaminase treatment of pea proteins: Effect on physicochemical and rheological properties of heat-induced protein gels, Food Chemistry. 107 (2008) 692-699(非特許文献2))。トランスグルタミナーゼはタンパク質架橋を触媒し、食品産業では食肉、代替肉、および他の製品を生成するのに用いられてきた。しかしなら、従来より、ダイズタンパク質製品は表1の成分リストにより示されるように他の成分も必要としてきた。そのため、エンドウタンパク質ゲルをダイズタンパク質分離物と同様の強度と弾力性までそのままねかせておいても、追加成分、例えば、コムギグルテン、セルロース、メチルセルロースなどが不要となることはなかった。
代替肉の分野において必要とされるものは、市販されている現行の製品に見られるものよりも少ない成分を用いて作製することができ、そのため、より「クリーンラベル」な代替肉の需要を満たす、例えば、エンドウタンパク質などの植物性タンパク質を含む、肉に似た製品を提供する新たな方法および製品である。
Shand, P.J., et at. Physicochemical and textural properties of heat-induced pea protein isolate gels, Food Chemistry 102 (2007) 1119-1130 Shand, P.J., et al. Transglutaminase treatment of pea proteins: Effect on physicochemical and rheological properties of heat-induced protein gels, Food Chemistry. 107 (2008) 692-699
本発明は、代替肉とみなされる製品を生成する方法、ならびにその様々な局面および態様において前記方法によって作製された製品に関する。前記方法は、タンパク質スラリーを生成するために、水とタンパク質粉末とを混和する工程、エンドウタンパク質エマルジョンを生成するために、スラリーを少なくとも1種類の脂肪と共にホモジナイズする工程、固体状態エマルジョンを生成するために、エマルジョンを乾燥させる工程、および約15分~約8時間のインキュベーション期間後に代替肉組成物を含む混和物を生成するために、固体状態エマルジョンを水と少なくとも1種類のトランスグルタミナーゼと共に混和する工程を含む。次いで、代替肉は、望ましいサイズおよび形状の断片に形成することができる。本発明の局面において、エマルジョンは約65パーセント~約95パーセントの水を含む。ある特定の局面において、エマルジョンは約85パーセントの水を含む。様々な局面において、油はエマルジョン中に、約1部の油:約19部のエンドウタンパク質~約1部の油:約0.5部のエンドウタンパク質の範囲の比で存在する。本発明の一部の局面において、エマルジョン中の油:タンパク質の比は1:3比である。ホモジナイゼーション工程中に、任意でフレーバーと色は所望のように加えることができる。乾燥は、凍結乾燥および噴霧乾燥などの当業者に公知の方法を用いて成し遂げることができる。本発明の様々な局面において、エマルジョンは噴霧乾燥プロセスを用いて乾燥される。
本発明の様々な局面または態様において、固体状態エマルジョンは水と混和され、水は混和物の約60~約75パーセントを構成し、本発明の様々な局面において、トランスグルタミナーゼは混和物の約0.01パーセント~約0.2パーセントで添加される。
本発明はまた、ビーガン向け乳製品類似食品を生成する方法、ならびに前記方法によって作製された様々な乳製品も提供する。前記方法は、タンパク質スラリーを生成するために、水とタンパク質粉末とを混和する工程、エンドウタンパク質エマルジョンを生成するために、スラリーを少なくとも1種類の脂肪(例えば、油)と共にホモジナイズする工程、固体状態エマルジョンを生成するために、エマルジョンを乾燥させる工程、次いで、少なくとも約15分のインキュベーション期間後にビーガン向け乳製品組成物を含む混和物を生成するために、固体状態エマルジョンを水、少なくとも1種類のトランスグルタミナーゼ、および少なくとも1種類のプロテアーゼと共に混和する工程を含む。例えば、ビーガン向け乳製品チーズを生成するために、チーズ製品が、熟成などさらに加工された時に、トランスグルタミナーゼが混合物中にある場合、インキュベーション時間が延長されることがある。プロテアーゼの働きによって製品のフレーバーと食感が完全に引き出されるようにする、製品の延長されたインキュベーションは、例えば、ほんの数日間で行われることがある。本発明の局面において、エマルジョンは約35~約90パーセントの水を含む。様々な局面において、油はエマルジョン中に約15パーセント~約75パーセントで存在する。ホモジナイゼーション工程の間に、任意でフレーバーと色を所望のように加えることができる。次いで、エマルジョンは乾燥される。乾燥は、凍結乾燥および噴霧乾燥などの当業者に公知の方法を用いて成し遂げることができ、噴霧乾燥は、エマルジョンを乾燥させるのに特に有効な方法である。
次いで、本発明の様々な局面または態様において、固体状態エマルジョンは水と混和され、水は混和物の約35~約90パーセントを構成し、酵素(トランスグルタミナーゼおよびプロテアーゼ)はそれぞれ、混和物の約0.01パーセント~約0.25パーセントで添加される。
本発明の方法によって作製される製品は、植物性タンパク質と油とを含む1つまたは複数の固体状態エマルジョンを水に再分散させ、再分散されたタンパク質をトランスグルタミナーゼ(代替肉の場合)またはトランスグルタミナーゼとプロテアーゼの組み合わせ(乳製品類似食品の場合)とインキュベートして、代替肉または乳製品類似食品としての使用に適した特性を有する製品を生成することによって作製された製品を含む。
本発明はまた、代替肉および/またはミートエキステンダー中の成分として使用するのに適した乾燥エマルジョン(ならびに乾燥エマルジョンを用いて代替肉および/またはミートエキステンダーを作製する方法)に関し、乾燥エマルジョンは、限られた成分を有するが、乾燥エマルジョンが組み込まれている代替肉製品の食感を改善する。前記エマルジョンは、タンパク質スラリーを生成するために水とタンパク質粉末とを混和する工程であって、タンパク質粉末が約90~約120ミクロンの粒径(90パーセンタイル)を有する、工程、エンドウタンパク質エマルジョンを生成するために、スラリーを少なくとも1種類の脂肪と共にホモジナイズする工程、固体状態エマルジョンを生成するためにエマルジョンを乾燥させる工程、を含む方法によって作製される。
本発明のさらなる局面は、タンパク質粉末(例えば、粉末エンドウタンパク質)と、水と、トランスグルタミナーゼとを含む、テクスチャードミートクランブルである。任意の成分は、脂肪(例えば、植物油)、プロテアーゼ、およびグルタミナーゼを含んでもよい。テクスチャードミートクランブルを作製する方法では、約55~約80パーセントの水を含むタンパク質生地を提供するように水とエンドウタンパク質が混和される。前記タンパク質と水に、混和物の約0.01パーセント~約0.25パーセントの酵素濃度のトランスグルタミナーゼが添加され、直径が約1~約30ミリメートルの生地断片を提供するようにタンパク質生地が細かく砕かれる。次いで、歯応え、弾力性、および食感が挽肉に似たタンパク質クランブルを生成するように、生地クランブルが約0℃~約70℃の温度で約15分~約8時間インキュベートされる。
さらに、本発明は、タンパク質スラリーを生成するために水とタンパク質粉末とを混和し、エンドウタンパク質エマルジョンを生成するためにスラリーを少なくとも1種類の脂肪と共にホモジナイズし、ホモジナイズされたスラリーにトランスグルタミナーゼを添加することによって、例えば、デリ肉およびホットドックなどのビーガン向け高水分肉製品、ならびに例えば、クリーム、ヨーグルト、サワークリームなどの非固形構造を有する乳製品類似食品を生成する方法に関する。前記方法の様々な局面において、エマルジョン中の、油:タンパク質の比は1:3比である。前記方法のある特定の態様において、スラリーは華氏160~170度まで加熱され、次いで、剪断しながら油がゆっくりと添加される。エンドウタンパク質/水/油組成物を約華氏175度まで加熱し、約3000~約4000psiでホモジナイズすることができる。
本発明はまた、代替肉製品を作製する方法であって、約55~約80パーセントの水を含む第1のタンパク質生地を提供するために、水とエンドウタンパク質とを混和する工程であって、エンドウタンパク質が、粉末エンドウタンパク質、少なくとも1つの固体状態エンドウタンパク質エマルジョン、およびその組み合わせからなる群より選択される、工程;トランスグルタミナーゼを第1のタンパク質生地に、第1のタンパク質生地の約0.01パーセント~約0.25パーセントの酵素濃度で添加する工程;直径が約1~約30ミリメートルの生地断片を提供するために、第1のタンパク質生地を細かく砕く工程;挽肉に似た歯応えと弾力性と食感を有するタンパク質クランブルを生成するために、生地断片を約0℃~約70℃の温度で約15分~約8時間インキュベートし、その後に、クランブルを凍結する工程、クランブルの温度を上げてトランスグルタミナーゼを不活化する工程、クランブルを調理する工程、およびその組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの加工工程を行う、工程;つなぎを形成するために、エンドウタンパク質を水および少なくとも1種類のトランスグルタミナーゼと混和する工程であって、エンドウタンパク質が、粉末エンドウタンパク質、少なくとも1つの固体状態エンドウタンパク質エマルジョン、およびその組み合わせからなる群より選択され、水が、つなぎの組み合わせの55~95パーセントを構成する、工程;第2のタンパク質生地を形成するために、つなぎを、タンパク質クランブルの少なくとも1つと混和する工程であって、つなぎとクランブルの比が約20/80~約60/40である、工程;少なくとも1つの形成された生地製品を生成するために、第2のタンパク質生地を代替肉の少なくとも1つの望ましい形状に形成する工程;ならびに、代替肉製品を生成するために、少なくとも1つの形成された生地製品を、約15分~約8時間、約0℃~約70℃の温度に保つ工程、を含む方法も提供する。次いで、代替肉製品は、クランブルを凍結する工程、クランブルの温度を上げてトランスグルタミナーゼを不活化する工程、クランブルを調理する工程、およびその組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの加工工程を行う工程によって加工されてもよい。
本発明の方法によって作製された製品の写真である。この製品は、示したような鶏挽肉タイプの製品となるように、酵素処理後に生成された代替肉を細かく砕くことによって形成されている。 本発明の方法によって作製されたライトミート代替品の写真である。この製品は、示したような「ミートボール」となるように、酵素処理後に生成された代替肉を手で丸めることによって形成されている。 スパゲッティとソース付の調理済み製品(ミートボール)の写真である。 代替肉を作製する本方法の流れ図である。 乳製品類似食品を作製する方法の流れ図である。 エンドウタンパク質(大きな粒径)と、粉砕したエンドウタンパク質(小さな粒径)を配合物に使用した時の、インキュベーション時間にわたるゲル強度の差を示したグラフである。それぞれの対について、左側にあるバーは通常のエンドウタンパク質の値を示し、右側にあるバーは粉砕したエンドウタンパク質の値を示す。 本発明の方法によって作製されたチーズ製品(7a)、本発明の方法によって作製された細切りチーズ製品(7b)、およびこれも本発明の方法によって作製された、スプレッドとして使用するのに適したチーズ(7c)の一連の写真7a~7cである。 図8aは、ビーガン向けデリ肉製品(ビーガンボローニャ)の写真である。図8bは、本発明の方法によって作製されたフランクフルトソーセージ(ホットドック)の写真である。 本発明に従うタンパク質クランブルを作製する方法の流れ図である。 タンパク質クランブルパティを形成するために組み合わされる、タンパク質クランブルとタンパク質つなぎを作製する方法の流れ図である。 本発明のタンパク質クランブル製品を用いて作られた「ハンバーガー」パティの写真である。 本発明の方法の汎用性を例示する、ソーセージ、卵、およびチーズビスケットの写真である。これらのソーセージ、卵、およびチーズは全て本発明の方法によって作製された。
詳細な説明
本発明は、代替肉、乳製品類似食品、および/または代用卵を生成する方法、ならびにその様々な局面および態様において前記方法によって作製された製品を提供する。前記方法は、色と食感が鶏肉に似ている製品を生成することができるので白身肉のビーガン向け代替品を生成するのに特に有効であるが、望ましい着色成分を添加することによって、もっと色が濃い製品も容易に作製することができる。挽肉、ミートボールなどのありふれた形で良い味と栄養をもたらす「クリーンラベル」代用肉を消費者に提供するために、前記方法によって作製される製品は、わずかな成分、すなわち、タンパク質、脂質(脂肪、油)、水、酵素、および任意の香料を用いて作製することができる。本発明者らはまた、同じように、ほんの少しの、簡素で、栄養価が高く、かつ最小限にしか加工されていない成分を用いて作られるビーガン向け「乳製品」(すなわち、「乳製品類似食品(dairy analog)」または「乳製品類似食品(dairy analogue)」)を生成するように前記方法を適合させた。本発明のプロトタイプ製品の成分パネルを以下の表2に示した。
(表2)
Figure 2023506769000004
「代替肉」とは、植物タンパク質または真菌タンパク質から作られているが、特定のタイプの肉を思い出させる、同じような美的特性(例えば、食感、フレーバー、外観)または化学的特徴(うま味、タンパク質含有量など)を提供するので、代用肉、肉類似食品、人造肉、ベジタリアンミート、またはビーガンミートとも呼ばれることがある製品である。
代替肉を作製する方法は、タンパク質スラリーを生成するために、水とタンパク質粉末とを混和する工程、エンドウタンパク質エマルジョンを生成するために、スラリーを少なくとも1種類の脂肪(例えば、油)と共にホモジナイズする工程、固体状態エマルジョンを生成するために、エマルジョンを乾燥させる工程、および約15分~約8時間のインキュベーション期間後に代替肉組成物を生じる混和物を生成するために、固体状態エマルジョンを水と少なくとも1種類のトランスグルタミナーゼと共に混和する工程を含む。次いで、代替肉組成物は、当業者に公知の様々な手段を用いて望ましいサイズと形状の断片に形成することができる。例えば、形成は、Nugget Former(Model NF, Heat and Control, Hayward, California)などの装置を用いた連続プロセスでもよく、Nugget Formerは、トランスグルタミナーゼを含有する混和物の連続した流れを受け入れるように設定することができる。このような装置を用いると、例えば、1時間につき数千ポンドの製品を加工することができ、サイズと形状が異なる一連の穴がある回転スリーブと可変速パドルを用いて製品形状とサイズを調整することができる。次いで、成型されたら、トランスグルタミナーゼがタンパク質を架橋するのに十分な時間(例えば、約15分~約8時間)にわたって製品を保持することができる。
本発明の局面において、前記エマルジョンは約65パーセント~約95パーセントの水を含む。ある特定の局面において、前記エマルジョンは約85パーセントの水を含む。様々な局面において、油はエマルジョン中に、約1部の油:約3部のエンドウタンパク質の比で存在する。例えば、本発明者らによって作製される、ある製品を生成している間に、本発明者らの方法における、この工程において生成されるエマルジョンはエマルジョン中に、11.25パーセントのエンドウタンパク質、3.75パーセントの油、および85パーセントの水を含有した。ホモジナイゼーション工程中に、任意で所望のようにフレーバーと色素を加えることができる。次いで、エマルジョンを乾燥させる。乾燥は、凍結乾燥および噴霧乾燥などの当業者に公知の方法を用いて成し遂げることができる。本発明者らは、摂氏240度のインレット温度と摂氏92~92度のアウトレット温度を用いると噴霧乾燥が特にうまくいくことを発見した。
タンパク質/脂肪エマルジョンを乾燥させるプロセスの生成物は本明細書において「固体状態エマルジョン」と呼ばれる。本発明の様々な態様において、固体状態エマルジョンは、混和物の約60~約75パーセントを構成する水と混和することができ、本発明の様々な局面において、トランスグルタミナーゼは混和物の約0.01パーセント~約0.2パーセントで添加される。トランスグルタミナーゼ(2.3.2.13,タンパク質-グルタミン:アミンγ-グルタミルトランスフェラーゼ)は、あるタンパク質のグルタミン残基のγ-カルボキシアミド基を同じタンパク質または別のタンパク質のリジン残基のε-アミノ基に転移することによってタンパク質を架橋する。トランスグルタミナーゼは一般的に様々な用途のために食品産業において用いられ、例えば、ストレプトマイセス・モバラエンシス(Streptomyces mobaraensis)、ストレプトマイセス・リバニ(Streptomyces libani)、バチルス・シルクランス(Bacillus circulans)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、ストレプトマイセス・ラダカナム(Streptomyces ladakanum)などの様々な細菌によって生成することができる。1989年に、ストレプトベルチキリウム属(Streptoverticillium)の種から微生物トランスグルタミナーゼが単離された。トランスグルタミナーゼは特に食品産業での大規模用途では粉末の形で提供されることが多く、様々な民間の提供業者から入手可能である。
本発明はまた、様々な用途において使用するために、特に、代替肉および/またはミートエキステンダーの生成において使用するために、ならびに乾燥エマルジョンを用いて代替肉および/またはミートエキステンダーを作製する方法において使用するために、本明細書中では通常「固体状態エマルジョン」と呼ばれる乾燥エマルジョンも提供する。乾燥エマルジョンには、限られた数の成分があり、全成分が「天然」成分でもよく、そのため、これらが組み込まれた製品において肉に似た食感の改善をもたらすことができるクリーンラベル製品が提供される。前記エマルジョンは、タンパク質スラリーを生成する(および前記タンパク質を水和する)ために水とタンパク質粉末とを混和する工程であって、タンパク質粉末が約90~約120ミクロンの粒径(90パーセンタイル)を有する、工程を含む方法によって作製される。スラリーは華氏160~170度まで加熱され、次いで、剪断しながら油がゆっくりと添加される。次いで、エンドウタンパク質/水/油組成物は華氏約175度まで加熱され、約3000~約4000psiでホモジナイズされる。
本発明者らは、本発明の方法において固体状態エマルジョンを使用することによって、架橋ゲルを生成するために使用しなければならないトランスグルタミナーゼの量を減らしながら、生成される架橋ゲルの品質を改善する一際優れた食感(水分、弾力性など)と味をもつ代替肉を作ることが可能なことを発見した。Shandらは、以前に、エンドウタンパク質分離物から架橋ゲルを生成するためのトランスグルタミナーゼの使用を開示した(Shand, P.J., et al. Transglutaminase treatment of pea proteins: Effect on physicochemical and rheological properties of heat-induced protein gels, Food Chemistry. 107 (2008) 692-699)。しかしながら、Shandはまた、「0.7%MTGase添加レベルで架橋された」エンドウタンパク質分離物の熱誘導性ゲルのゲル特徴が「酵素的架橋のないSPIcについて得られたゲルのゲル特徴と、0.35%MTGase処理があるSPIcゲルのゲル特徴との間であり...、市販のミートボローニャの値に近いことも」開示した(Shand 2008, p.696)。従って、Shandは、2倍量のトランスグルタミナーゼでTGase架橋を用いてエンドウタンパク質ゲルを作ることを発見したが、それでも、生成されたゲルは、トランスグルタミナーゼで処理したダイズタンパク質分離物に由来するものとは同等でなかった。本発明者らが、安定剤、乳化剤などに分類される他の成分を添加することなく生成した最終産物である肉を含まない代替品、乳製品類似食品などの品質によって証明したように、本発明の方法は、著しく少ない酵素の使用を可能にし、さらにもっと重要なことには優れた品質のゲルを生成する。
LiangおよびTangは、以前に、エンドウタンパク質を用いてエマルジョンを安定化し、水中油型エマルジョンのピッカリング(Pickering)型安定化を生じることができると報告した(Liang, H. and Tang, C., pH-dependent emulsifying properties of pea [Pisum sativum (L.)] proteins, Food Hvdrocolloids (December 2013) 33(2): 309-319; Liang, H. and Tang, C., Pea protein exhibits a novel Pickering stabilization for oil-in-water emulsions at pH 3.0, LWT-Food Science and Technology(October 2014) 58(2): 463-469.)。しかしながら、彼らや、他の人たちは、エマルジョンを乾燥させるほど十分に安定化するために、例えば、マルトデキストリン、コーンシロップ固形物、およびペクチンなどの他の成分を使用した。本発明の方法は、このようなさらなる安定剤の使用を必要としない。Gharsallaouiらは、例えば、ペクチンを用いてエンドウタンパク質エマルジョンの安定化を改善したが、突き合わせて比較すると、ペクチンを含まないエンドウタンパク質エマルジョンはマルトデキストリンも含有していた(Gharsallaoui, A., et al. Utilisation of pectin coating to enhance spray-dry stability of pea protein-stabilised oil-in-water emulsions, Food Chemistry 122 (2010) 447-454.)。さらに、エマルジョンを作製する際にイミダゾール/酢酸緩衝液を用いてエンドウタンパク質が水和された。イミダゾール/酢酸緩衝液も、本発明の固体状態エマルジョンを作製するのに必要とされない。
本発明者らは、水と油とエンドウタンパク質から本質的になるエマルジョン(すなわち、このようなエマルジョンを生成するために以前は必要だと考えられていた種類の乳化剤および安定剤がないエマルジョン)を用いて代替肉組成物を作ることができると発見した。さらに、本発明者らは、前記エマルジョンがより均一な粒径を生じるようにホモジナイズされれば一際うまくいくことを発見した。本発明の局面において、前記エマルジョンは約65パーセント~約95パーセントの水を含む。ある特定の局面において、前記エマルジョンは約85パーセントの水を含む。油はエマルジョン中に、約1部の油:約19部のエンドウタンパク質の比~約1部の油:約0.5部エンドウタンパクの比で存在する。油は、約1部の油:約3部のエンドウタンパク質の比を生じるように添加することができる。様々な局面において、前記エマルジョンは約3000~約4000psiでホモジナイズされる。同様に、このタイプのエマルジョンを用いて、多くの天然乳製品にもっとよく似ている、ならびにライトミート、特に、鶏肉の代替肉として特に適している、色が薄い代替肉および乳製品類似食品を作製することができる。薄い色はまた、ビーガン向け乳製品、例えば、ビーガン向けチーズ、および色がもっと濃いビーガン/ベジタリアン向け肉製品を作製する利点ともなる。なぜなら、色が薄いベースは、背景色からの干渉なく、黄色、オレンジ色、および/または赤色などの着色剤の添加を可能にするからである。本発明に従うエマルジョンは、ある特定の用途(例えば、水分が多い形成された製品)については少なくとも約10パーセント、さらにより好ましくは少なくとも約15%の固体含有率を有さなければならならず、代替肉を形成する用途については少なくとも約40%の固体含有率が用いられる場合がある。
代替肉の形成は様々な手段によって行うことができ、望ましい代替肉のタイプに左右される。例えば、鶏挽肉に似た細かく砕かれた代替肉は、製品を手で丸めることによって、押出しによって、粗い粉砕などを用いて生成することができる。成型製品は手で形成されてもよく(例えば、手で丸めた「ミートボール」)、製品を型に押しつけることで作製されてもよく、押し出されてもよい。個々のタイプの製品を形成するための装置および方法は、望ましい製品のサイズと形状に基づいて当業者によって容易に選択することができる。
本明細書中で当業者に提供される情報に基づいて、様々な種類の製品、異なる歯応え、粘稠性などを有する製品を生成するように、タンパク質と脂肪と水の比ならびに酵素とのインキュベーション時間を変更することができる。タンパク質粒子のサイズは、代替肉を形成するのに十分な強度のゲルを形成するのに重要な場合がある。本発明の方法の場合、例えば、約90~約120ミクロンの粒径(90パーセンタイル)が良い結果を出すことができ、約10~約30ミクロンの粒径(90パーセンタイル)が特に有効な場合がある。従って、出発物質は配合者によって選択することができるが、適切な粒径をもたらすように選択すべきである。
本発明はまた、ビーガン向け乳製品類似食品を生成するための方法、ならびに前記方法によって作製された様々な乳製品も提供する。前記方法は、タンパク質スラリーを生成するために、水とタンパク質粉末とを混和する工程、エンドウタンパク質エマルジョンを生成するために、スラリーを少なくとも1種類の脂肪(例えば、油)と共にホモジナイズする工程、固体状態エマルジョンを生成するために、エマルジョンを乾燥させる工程、次いで、約15分~約8時間のインキュベーション期間後にビーガン向け乳製品組成物を含む混和物を生成するために、固体状態エマルジョンを水、少なくとも1種類のトランスグルタミナーゼ、および少なくとも1種類のプロテアーゼと共に混和する工程を含む。本発明の局面において、前記エマルジョンは約35~約90パーセントの水を含む。様々な局面において、油はエマルジョン中に約15パーセント~約75パーセントで存在する。ホモジナイゼーション工程中に任意で所望のようにフレーバーと色素を加えることができる。次いで、エマルジョンを乾燥させる。乾燥は、凍結乾燥および噴霧乾燥などの当業者に公知の方法を用いて成し遂げることができ、噴霧乾燥は、エマルジョンを乾燥させるための特に有効な方法である。
次いで、本発明の様々な局面または態様において、固体状態エマルジョンは水と混和され、水は混和物の約35~約90パーセントを構成し、酵素(トランスグルタミナーゼおよびプロテアーゼ)はそれぞれ、混和物の約0.01パーセント~約0.25パーセントで添加される。脂肪とタンパク質と水の含有率を変えることによって、ならびに酵素が働くためのインキュベーション時間を変えることによって、当業者は、前記方法を用いて、ハードチーズ、バター、クリームチーズ、プロセスチーズ、ヨーグルト、ギリシアヨーグルト、プディング、サワークリーム、スキア、ケフィア、バターミルク、クリーム、および他の類似の乳製品のビーガン向け類似食品を生成することができる。
本発明の方法はまた、例えば、水とタンパク質粉末の組み合わせとを混和してタンパク質スラリーを生成し、スラリーにトランスグルタミナーゼを添加することによって、例えば、スクランブルエッグクランブルまたはパティなどのビーガン向け高水分卵製品を生成するのにも使用することができる。タンパク質粉末は様々な比のタンパク質:炭水化物を含んでもよく、水を添加し、トランスグルタミナーゼをインキュベートした後に柔らかいゲルに近い食感と口当たりを実現するように混合することができ、炭水化物は、調理済みのスクランブルエッグに似た食感と口当たりの発生に寄与する。ゲルはまた卵に似たパティを生じるように形成することもできる。
市販のエンドウタンパク質は容易に入手することができ、エンドウタンパク質は、(本質的に不溶性繊維からなる)エンドウの外側の莢が機械的作用によって取り除かれることから始まるプロセスによって得られる。粉砕後に、可溶性繊維、デンプン、およびタンパク質を含有する穀粉が得られる。次いで、エンドウタンパク質は水溶性であるので、湿式濾過と遠心分離によって繊維とデンプンから分離することができる。このタンパク質は、その等電点まで沈殿され、次いで、噴霧乾燥される。
本発明は、本明細書中では、主に、エンドウ(Pisum sativum)(例えば、スプリットグリーンピー(split green pea)またはイエローピー(yellow pea))に由来するエンドウタンパク質を用いて代替肉および乳製品類似食品を調製する方法と説明される。なぜなら、エンドウタンパク質を用いて、優れた栄養組成があるダイズフリー、グルテンフリー、高タンパク質製品を生成することができるからである。しかしながら、前記方法では他のタイプの植物性タンパク質、特に、マメ科植物に由来するタンパク質も使用できることが当業者により理解される。本発明者らは、良い色と食感と味がある代替肉、特に、代替白身肉を生成するためにイエロースプリットピー(yellow split pea)に由来するタンパク質が非常にうまくいくことを発見した。例えば、市販のエンドウタンパク質分離物は一般的にイエロースプリットピーから作られる。これらのエンドウなどの「豆類」は天然ではグルテンを含まず、希にしかアレルギーを誘発せず、心臓病および2型糖尿病のリスクを低下させるなどの健康上の利点と関連付けられている。エンドウを用いて本発明の方法によって作製された製品を用いると、消費者には、一部の個体ではアレルギー誘発物質となり得るコムギ、グルテン、乳製品、またはダイズを摂取することなく、食事中の肉の代わりとなる選択肢が与えられる。本発明の方法を用いると、コムギ、グルテン、またはダイズの添加を必要とせずに、食品製造業者たちはエンドウタンパク質を利用して、まとまっており、かつ代替肉に必要な食感を有する製品を提供することが可能になる。
一部の集団では、80%まで、またはそれより多くの個体が、乳および他の乳製品に由来するラクトースの消化の助けとなる十分なラクターゼを産生しないと見積もられている。乳製品類似食品は、この理由や他の理由(例えば、カゼインアレルギー)のために、牛乳に由来する伝統的な乳製品の人気のある代替になってきた。本発明の方法を用いると、乳由来製品、例えば、カテージチーズ、サワークリームなどに期待されている薄い色をもつ乳製品類似食品を、高品質タンパク質を使用するが、より少ない他の成分を使用して作製することができる。
本発明のエマルジョンは液体の形で包装し、配合者に提供することができる。本発明の方法によって生成される乾燥した固体状態エマルジョンも粉末/顆粒の形で包装し、配合者に提供することができる。固体状態エマルジョンには、水分量を厳しく管理できる点で、すなわち、目標水準に達するように望ましい水量を容易に添加することができる点で配合物にとって利点がある。これに対して、液体エマルジョンが出発物質として用いられた時に、目標水準を変更することは実現困難な場合がある。本発明のエマルジョンは代替肉組成物を提供するために他の製品と混和することができ、同様に、本発明の固体状態エマルジョンもまた代替肉組成物を提供するために他の製品と混和することができる。本発明の方法によって生成される代替肉もまた、代替肉を生成するために、例えば、テクスチャード植物性タンパク質(例えば、テクスチャードエンドウタンパク質)などの他の製品と混和することができる。これらの方法の様々な局面において、代替肉組成物を生成するために混和物中にトランスグルタミナーゼを組み込むことができる。本発明の製品はまたミートエキステンダーを生成するのに使用することもでき、製品、例えば、デリ肉、ホットドック(フランクフルトソーセージ)などを生成する際に用いられる場合がある。肉、ビーガンミート、およびまたはその両方の製品をトランスグルタミナーゼと混合して、これらの製品を一緒にして、より粘着性のある塊にすることは当業者に公知の技法である。従って、本発明のエマルジョン、固体状態エマルジョン、および肉を含まない代替品製品が開示されており、配合者は既存製品と新製品を生成するための様々な新たな選択肢を有する。
単独で、または本発明のエマルジョンと一緒に使用することができる製品の1つは、エンドウタンパク質から形成されたベジタリアン/ビーガン向けミートクランブルである。ビーガン向けミートクランブルは当業者に公知であり、市販されている。ビーガン向けミートクランブルは、例えば、ビーガン向けハンバーガーパティまたはビーガン向けソーセージパティを作るのに用いられてもよく、様々な製品、例えば、タコス、スパゲッティソース、およびハンバーガーなどの肉が組み込まれていることが多い他の製品の中にある成分として用いられてもよい。植物タンパク質クランブルはまた、肉製品を含む様々な製品のテクスチャライザー(texturizer)として使用することができる。しかしながら、本発明のタンパク質クランブルは主としてエンドウタンパク質粉末と水と、タンパク質を架橋して望ましい食感、弾力性、および歯応えを実現するために添加されるトランスグルタミナーゼを含む。任意の成分は、例えば、脂肪、油、プロテアーゼ、グルタミナーゼ、およびその組み合わせからなる群より選択される成分を含んでもよい。基本タンパク質クランブルに添加するための成分は当業者によって容易に選択することができ、タンパク質クランブルは、約55~約80パーセントの水を含むタンパク質生地を提供するために、水とエンドウタンパク質とを混和する工程、生地にトランスグルタミナーゼを生地の約0.01パーセント~約0.25パーセントの酵素濃度で添加する工程、直径が約1~約30ミリメートルの生地断片を提供するために、タンパク質生地を細かく砕く工程、および生地断片を約0℃~約70℃の温度でインキュベートする工程であって、インキュベーション時間が約15分~約8時間である工程を含む方法によって作製される。例えば、トランスグルタミナーゼを粉末エンドウタンパク質と混和し、次いで、エンドウタンパク質/トランスグルタミナーゼを水と混和する;トランスグルタミナーゼを水と混和し、次いで、水/トランスグルタミナーゼをエンドウタンパク質と混和する;および/またはトランスグルタミナーゼをエンドウタンパク質/水混和物に添加して生地を形成するなどの様々な手段によって、トランスグルタミナーゼを生地に添加することができる。
消費者が望んでいる品質を有する、肉を含まないタンパク質製品の開発にとって多様な特性が重要である。具体的に製品の品質について考えることはしないが、消費者は、代替肉には、肉と同じような、ある程度の「噛み応え」を期待している。従って、製品には、必要な程度の弾力性(破壊することなく変形する能力)がなければならない。製品はまた、肉と同じような程度まで変形に耐えなければならず、これは製品の「歯応え」と呼ばれる。さらに、代替肉には、可能な限り肉と同じような感覚(特に、感覚が口当たりに関係する時)と粘稠性がなければならない。これは、製品を噛んだ時に評価され、製品の「食感」と説明される。トランスグルタミナーゼは、食品の歯応え、粘性、弾力性、および水結合能力を改善する可能性をもつと述べられている(Kieliszek, M. et al. Microbial transglutaminase and its application in the food industry. A review, Folia Microbiol (Praha), 2014: 59(3), 241-250)。しかしながら、本発明者らは、タンパク質生地を形成し、生地を細かく砕き、細かく砕かれた生地をインキュベートすることによって、トランスグルタミナーゼ処理を用いて、肉によく似た歯応え、食感、および弾力性を有するクランブル製品を提供するように植物ベース代替肉の歯応え、食感、および弾力性を操作できることを発見した。
従来より、ハンバーガーは肉を挽くことで形成されてきており、ベジタリアン向けまたはビーガン向けミートクランブルは、調理される「固化した」製品になるように(一部、形状を安定化するように)成分が組み合わされ、次いで、固化した製品が細かく砕かれることで形成されてきた。本発明の方法において、「固化」工程は、タンパク質生地をばらばらにすることでクランブルが形成された後に行われ、トランスグルタミナーゼが添加されている細かく砕かれた生地をインキュベートすることによって成し遂げられる。この方法は、完全にタンパク質と水と、任意の成分、例えば、香料、香辛料、追加された栄養分、さらなる酵素などから作ることができる製品を生成する。
成分の同様の組み合わせが異なるやり方で組み合わされれば大きく異なる製品となることがある。例えば、パン屋は、クリスプ、コブラー、バックル、パンダウディ、グラント、クラフティなどとして知られる製品を生成するために、乳、卵、またはオートミールなどの穀物を加えて、または加えずに、穀粉とバターと砂糖を様々なやり方で果実と組み合わせることができることを知っている。水分量を変えて、砕けやすい混合物などを形成すると、大きく異なる製品を生成することができる。本発明者らは、タンパク質粉末と水の生地を形成して、望ましいサイズ(例えば、約1~約30ミリメートルの直径)のクランブルを形成し、生地に少なくとも1種類のトランスグルタミナーゼを生地の約0.01重量パーセント~約0.25重量パーセントの酵素濃度で組み込んで、クランブルを約15分~約8時間インキュベーションすると、歯応え、弾力性、および食感の組み合わせが明らかに肉に似ているクランブルが生成され、上記の生地には、生地を細かく砕くのを容易にする水分量があり、インキュベーション時間は、望ましい歯応え、弾力性、および食感の程度に応じて当業者によって決定されることを発見した。
本発明の方法を使用すると、意図した用途のために最適化する様々な特性があるタンパク質クランブル、およびタンパク質クランブルが組み込まれ得る製品を生成することができる。例えば、歯応えのあるクランブルはソーセージパティまたはミートボールにおける使用にとって良いかもしれないが、歯応えがないクランブルは、リンクソーセージ(link sausage)などの製品における使用に適しているかもしれない。前記方法のパラメータを用いると、当業者は、特定のクランブル配合物の様々な意図した用途を説明するために、酵素の働き、pH、水分、および機械的処理を最適することが可能になる。一般的に、多くの酵素を使用するほど、歯応えのある製品が生成されるが、あまりにも多く使用すると架橋が速く起こりすぎて、その結果として酵素が不活化される前に、あまりにも歯応えがある配合物が生じるか、または全くクランブルを形成することができない配合物が生じる。水が少なすぎると、細かく砕くことができる生地を形成しない混合物が生じることがあるが、水が多すぎると、生地の粘着性が大きくなりすぎるか、または粘りけが大きくなりすぎて細かく砕くことができなくなることがある。しかしながら、前記方法に開示されるパラメータ内では、例えば、水を混合物に添加することによってクランブルサイズを大きくするように、または水を少なく使用することによってクランブルサイズを小さくするようにクランブルサイズを変更することができる。クランブルを小さくすると、高密度の、かつ歯応えのある製品を生成することができる。中性からわずかに酸性(例えば、pH4~5)へのpH低下を用いて、かなり柔らかい食感がある製品を生成することができる。しかしながら、食感が肉と似なくなるほど弾力性と歯応えが低下することがあるので、この点を超えてpHを下げることは一般的に望ましくない。
本発明の方法によって作製されたビーガン向けミートクランブルは、製品、例えば、パティ、バーガー、ナゲット、ソーセージ、および慣習的に肉から作られる他の品物を生成するのに使用することができる。完成品に組み込むためのクランブルを生成するために、当業者は、インキュベーション期間が終了した後にクランブルを未調理のままにしておき、他の成分(例えば、卵、ガム、乳化されたタンパク質つなぎなど)と組み合わせた後に、これらから生成された製品を調理することを選択することがある。または、クランブルは一般的に約122°F~約375°Fの温度で調理することができ、その時点で、調理されたクランブルは単独で、サラダ、タコス、または挽肉もしくは薄切り肉が組み込まれることが多い他の製品に入れられて食べることができる。あるいは、調理されたクランブルは他の成分と組み合わせることができ、その組み合わせは(例えば、ミートローフのように)さらに調理することができる。
クランブルの表面は不規則なことが当業者により理解されるはずである。従って、個々のクランブルの直径は、一般的に、個々のクランブルの最も幅がある、または最も長い断面の測定値である。容易に細かく砕くことができる生地を調製するのに十分な量の水とタンパク質粉末とを混和することによってクランブルを形成すると、トランスグルタミナーゼを含有するクランブルをインキュベートした時に、相対的に見て所定の位置に固定されているクランブル形状が得られる。
本発明はまた、ミートクランブルから作製することができる代替肉製品を作製する方法であって、約55~約80パーセントの水を含む第1のタンパク質生地を提供するために水とエンドウタンパク質とを混和することによってクランブルを作製する工程であって、エンドウタンパク質が粉末エンドウタンパク質、少なくとも1つの固体状態エンドウタンパク質エマルジョン、およびその組み合わせからなる群より選択される、工程;トランスグルタミナーゼを第1のタンパク質生地に、第1のタンパク質生地の約0.01パーセント~約0.25パーセントの酵素濃度で添加する工程;直径が約1~約30ミリメートルの生地断片を提供するために、第1のタンパク質生地を細かく砕く工程;ならびに挽肉に似た歯応え、弾力性、および食感を有するタンパク質クランブルを生成するために、生地断片を約0℃~約70℃の温度で約15分~約8時間インキュベートし、その後に、生地を凍結する工程、生地の温度を上げてトランスグルタミナーゼを不活化する工程、生地を調理する工程、およびその組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの加工工程を行う、工程を含む、方法も提供する。次いで、水が、つなぎの組み合わせの55~95パーセントを構成する、つなぎを形成するために、エンドウタンパク質を水および少なくとも1種類のトランスグルタミナーゼと混和することによって、ミートクランブルを含む製品において使用するための、つなぎが作られ、エンドウタンパク質は粉末エンドウタンパク質、少なくとも1つの固体状態エンドウタンパク質エマルジョン、およびその組み合わせからなる群より選択される。つなぎとクランブルとの比が約20/80~約60/40である第2のタンパク質生地を形成するために、つなぎはタンパク質クランブルの少なくとも1つと混和され、少なくとも1つの形成された生地を生成するために第2のタンパク質生地は代替肉の少なくとも1つの望ましい形状に形成され、代替肉製品を生成するように、少なくとも1つの形成された生地は約15分~約8時間、約0℃~約70℃の温度に保たれ、その後に、代替肉製品を凍結する工程、代替肉製品の温度を上げてトランスグルタミナーゼを不活化する工程、代替肉製品を調理する工程、およびその組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの加工工程が行われる。代替肉製品の調理は、例えば、約122°F~約375°Fの温度で行うことができ、例えば、油を使って料理する、焼いて料理する、電子レンジで加熱するなど当業者に公知の様々な手段によって成し遂げることができる。当業者は、適切な時間で(すなわち、つなぎ、クランブル、およびトランスグルタミナーゼをインキュベートすることによって代替肉製品の望ましい歯応え、弾力性、食感などが得られた時に)、(例えば、凍結することで)代替肉製品の温度を下げて、または(例えば、油を使って料理する、焼いて料理する、および/もしくは電子レンジで加熱するなどの調理方法を含む、熱を加えることで)代替肉製品の温度を上げてトランスグルタミナーゼを不活化することは有利だと理解する。
前記方法はまた、水、植物油、およびタンパク質粉末を混和してタンパク質スラリーを生成し、ホモジナイズされたスラリーにトランスグルタミナーゼを添加することによって、柔らかい種類の牛挽肉または豚挽肉に似た、口当たりが改良されたビーガン向け肉製品を生成するのにも使用することができる。前記方法の様々な局面において、油含有率は1~25%である。水、油、およびトランスグルタミナーゼをタンパク質粉末に添加した後に、結果として生じる製品には、調理済みの牛挽肉または豚挽肉の食感と口当たりに似た、柔らかく、もろくないゲルに近い食感と口当たりがある。次いで、このゲルを望ましい形状(すなわち、クランブル、パティなど)に形成することができる。
本発明は、代替肉、乳製品類似食品、および代用卵を生成するために本明細書において開示されるタンパク質スラリー、エマルジョン、および固体状態エマルジョンを使用する方法の重大な有用性を証明する様々な局面において説明された。「含む」という用語が方法または組成物を説明するために本明細書において用いられる場合、工程または成分の部のさらに狭い解釈で前記方法または組成物を説明するために、「からなる」および「から本質的になる」という用語も使用できると理解すべきである。本発明は、以下の非限定的な実施例によってさらに説明することができる。
代替肉のための製品の食感
ビーガン向け代替肉を、75gのエンドウタンパク質、25gのキャノーラ油、150gの水、0.2gの1000Uトランスグルタミナーゼ(TG-S802, Taixing Dongsheng Food Science and Technology Co.)を用いて上記のように調製した。食感(歯応え)を、ナイフアタッチメントがあるTexture 2分析器を用いて分析した。結果を以下の表3に示した。
(表3)製品の食感/歯応えの比較
Figure 2023506769000005
製品の色を、Hunter Labscan(登録商標)Colorimeterを用いて分析した。「L」は、薄い色の成分:濃い色の成分の測定値である。「a」は赤色-緑色スケールであり、「b」は黄色-青色スケールである。結果を以下の表4に示し、油を含まない、ホモジナイズされたエンドウタンパク質と二酸化チタン(白色色素)とから形成された対照の表5に示した結果と比較することができる。
(表4)色のデータ
Figure 2023506769000006
(表5)色のデータ-エンドウタンパク質と二酸化チタン
Figure 2023506769000007
(二酸化チタンの添加はエンドウタンパク質に対するパーセントで表した)
代替肉の形成に及ぼす粒径の影響
粒径比較を3種類のエンドウタンパク質製品-通常のエンドウタンパク質、粉砕したエンドウタンパク質、および25%キャノーラを含有するエンドウタンパク質/キャノーラ油ブレンドに対して行った。次いで、ゲル強度比較を、(150gの水、75gのエンドウタンパク質、25gのキャノーラ油、0.25gのTGase)を用いて本発明の方法に従って加工した、エンドウタンパク質と粉砕したエンドウタンパク質との間で行った。分析には、体積平均径(MV)、個数平均径(MN)、および面積平均(MA,粒子表面測定値)が含まれた。結果を表6に示した。
(表6)
Figure 2023506769000008
各製品のサイズ分布を分析し、結果を表7に示した。
(表7)
Figure 2023506769000009
結果から、粉砕したエンドウタンパク質粒子は平均してエンドウタンパク質の粒子よりも小さく、キャノーラ/エンドウタンパク質ブレンドの粒径が最も小さいことが証明される。
比較のために通常のエンドウタンパク質(大きなサイズ粒子)と粉砕したエンドウタンパク質(小さなサイズ粒子)を用いて、トランスグルタミナーゼとの様々なインキュベーション時間後のゲル強度を試験した。結果を表8と図6のグラフに示した。
(表8)様々なインキュベーション時点での代替肉製品のゲル強度
Figure 2023506769000010
表8の数値によって示されるように、約90~約120(90パーセンタイル)の範囲内にある粒径が大きなエンドウタンパク質を使用した時にゲル強度が大きい。
タンパク質クランブルの調製
タンパク質クランブルを15gのエンドウタンパク質粉末、35gの水、0.75gのシーズニング/フレーバー、0.075gの着色剤、および0.075gのトランスグルタミナーゼ(1000U)から形成した。乾燥タンパク質粉末とトランスグルタミナーゼ、シーズニング、および着色剤を混和した。低速のミキサーの中で乾燥混合物に水をゆっくりと添加した。クランブルが望ましいサイズに達するまで混合を約20秒間継続した。次いで、クランブルを冷蔵温度で1時間インキュベートした。
エンドウタンパク質クランブルから作製されたビーガン向けミートパティの調製
成分として10グラムのエンドウタンパク質/キャノーラ油エマルジョン(75/25%)、20gの水、1gのシーズニング/フレーバー、0.1gの着色剤、および0.05gのトランスグルタミナーゼ(1000U)を使用した。タンパク質エマルジョン乾燥粉末にトランスグルタミナーゼ、シーズニング、および着色剤を添加し、混合した。低速のミキサーの中で乾燥混合物に水をゆっくりと添加した。乾燥混合物を完全に水和するために混合を約30秒継続した。30gの新鮮に水和した混合物(水和した、つなぎ粉末)に50gのクランブルを添加し、つなぎ/クランブル混合物につなぎが完全に組み込まれるまで、つなぎ粉末とクランブルの混合を継続した。次いで、混合物をパティに形成し、45分間インキュベートした。結果として生じたパティをフライパンで165°F内部温度まで加熱調理した。図10は、結果として生じた焼いたパティの写真を示す。
生地クランブルの歯応えに及ぼすインキュベーション時間の影響
上記のように作製したクランブルの歯応えを圧縮試験に基づいて評価した。結果を表9に示した。10,000gの力までの時間が短いことは、生地に歯応えがあり、固いことと等しい。
(表9)圧縮データ-タンパク質クランブル
Figure 2023506769000011

Claims (31)

  1. 代替肉を生成するための方法であって、
    (a)タンパク質スラリーを生成するために、水とタンパク質粉末とを混和する工程;
    (b)エンドウタンパク質エマルジョンを生成するために、該スラリーを少なくとも1種類の脂肪と共にホモジナイズする工程;
    (c)固体状態エマルジョンを生成するために、該エマルジョンを乾燥させる工程;ならびに
    (d)約15分~約8時間のインキュベーション期間後に代替肉組成物を含む混和物を生成するために、該固体状態エマルジョンを水および少なくとも1種類のトランスグルタミナーゼと共に混和する工程
    を含む、方法。
  2. 代替肉を提供するために、代替肉組成物を望ましいサイズおよび形状の断片に形成する工程
    をさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. エマルジョンが約65~約95パーセントの水を含む、請求項1記載の方法。
  4. エマルジョンが約85パーセントの水を含む、請求項1記載の方法。
  5. 油がエマルジョン中に、約1部の油:19部のエンドウタンパク質~約1部の油:0.5部のエンドウタンパク質の比で存在する、請求項1記載の方法。
  6. 油がエマルジョン中に、約1部の油:約3部のエンドウタンパク質の比で存在する、請求項1記載の方法。
  7. 乾燥させる工程が噴霧乾燥によって行われる、請求項1記載の方法。
  8. 固体状態エマルジョンが水と混和される時に、水が混和物の約60~約75パーセントを構成する、請求項1記載の方法。
  9. トランスグルタミナーゼが、固体状態エマルジョンと水との混和物の約0.01パーセント~約0.2パーセントで添加される、請求項1記載の方法。
  10. 少なくとも1種類の代替肉、乳製品類似食品、および/または代用卵製品の作製において使用するための、タンパク質粉末、水、トランスグルタミナーゼ、ならびに任意で脂肪および/または油から本質的になる組成物。
  11. ビーガン向け乳製品類似食品を生成するための方法であって、
    (a)タンパク質スラリーを生成するために、水とタンパク質粉末とを混和する工程;
    (b)エンドウタンパク質エマルジョンを生成するために、該スラリーを少なくとも1種類の脂肪と共にホモジナイズする工程;
    (c)固体状態エマルジョンを生成するために、該エマルジョンを乾燥させる工程;ならびに
    (d)約15分~約8時間のインキュベーション期間後にビーガン向け乳製品組成物を含む混和物を生成するために、該固体状態エマルジョンを、水、少なくとも1種類のトランスグルタミナーゼ、および少なくとも1種類のプロテアーゼと共に混和する工程
    を含む、方法。
  12. エマルジョンが約35~約90パーセントの水を含む、請求項11記載の方法。
  13. 油がエマルジョン中に約15パーセント~約75パーセントで存在する、請求項11記載の方法。
  14. エマルジョンを乾燥させる工程が噴霧乾燥によって行われる、請求項11記載の方法。
  15. 固体状態エマルジョンを水と混和する工程において、水が混和物の約35~約90パーセントを構成する、請求項11記載の方法。
  16. トランスグルタミナーゼおよびプロテアーゼがそれぞれ、混和物の約0.01パーセント~約0.25パーセントで添加される、請求項11記載の方法。
  17. 代替肉および/またはミートエキステンダー中の成分として使用するのに適した固体状態エマルジョンを含む組成物であって、該エマルジョンが、
    (a)タンパク質スラリーを生成するために、水とタンパク質粉末とを混和する工程;
    (b)エンドウタンパク質エマルジョンを生成するために、該スラリーを少なくとも1種類の脂肪と共にホモジナイズする工程;
    (c)固体状態エマルジョンを生成するために、該エマルジョンを乾燥させる工程
    を含む方法によって作製される、組成物。
  18. エンドウタンパク質を含む乾燥エマルジョンを作製するための方法であって、
    タンパク質スラリーを生成するために水とタンパク質粉末とを混和する工程であって、該タンパク質粉末が約90~約120ミクロンの粒径(90パーセンタイル)を有する、工程、
    エンドウタンパク質エマルジョンを生成するために、該スラリーを少なくとも1種類の脂肪と共にホモジナイズする工程、
    乾燥エマルジョンを生成するために、該エマルジョンを乾燥させる工程
    を含む、方法。
  19. スラリーが華氏160~170度まで加熱され、次いで、剪断しながら油がゆっくりと添加される、請求項18記載の方法。
  20. エンドウタンパク質/水/油組成物が華氏約175度まで加熱される、請求項18記載の方法。
  21. エンドウタンパク質/水/油組成物が約3000~約4000psiでホモジナイズされる、請求項18記載の方法。
  22. 水、油、およびエンドウタンパク質から本質的になるホモジナイズされたエマルジョンを含む組成物であって、
    (a)該エマルジョンが約65パーセント~約95パーセントの水を含み、
    (b)油が該エマルジョン中に、約1部の油:約19部のエンドウタンパク質の比~約1部の油:約0.5部のエンドウタンパク質の比で存在し、
    (c)該エマルジョンが約3000~約4000psiでホモジナイズされている、
    組成物。
  23. エマルジョンが約85パーセントの水を含む、請求項22記載の組成物。
  24. 油が、約1部の油~約3部のエンドウタンパク質の比で存在する、請求項22記載の組成物。
  25. a)約55~約80パーセントの水を含むタンパク質生地を提供するために、水とエンドウタンパク質とを混和する工程;
    b)該生地にトランスグルタミナーゼを、該生地の約0.01パーセント~約0.25パーセントの酵素濃度で添加する工程;
    c)直径が約1~約30ミリメートルの生地断片を提供するために、該タンパク質生地を細かく砕く工程;ならびに
    d)挽肉に似た歯応え、弾力性、および食感を有するタンパク質クランブルを生成するために、該生地断片を約0℃~約70℃の温度で約15分~約8時間インキュベートする工程
    を含む、方法。
  26. 細かく砕かれた代替肉を形成するための方法であって、
    a)タンパク質生地クランブルを生成するために、タンパク質粉末、水、およびトランスグルタミナーゼを含むタンパク質生地を細かく砕く工程;ならびに
    b)該タンパク質生地クランブルを固め、食感を与えて、細かく砕かれた代替肉を生成するために、該タンパク質生地クランブルをインキュベートする工程
    を含む、方法。
  27. 細かく砕かれた代替肉の形状および食感を固定するために、細かく砕かれた代替肉が調理される、請求項26記載の方法。
  28. 代替肉製品を作製するための方法であって、
    a)約55~約80パーセントの水を含む第1のタンパク質生地を提供するために、水とエンドウタンパク質とを混和する工程であって、エンドウタンパク質が、粉末エンドウタンパク質、少なくとも1つの固体状態エンドウタンパク質エマルジョン、およびその組み合わせからなる群より選択される、工程;
    b)トランスグルタミナーゼを該第1のタンパク質生地に、該第1のタンパク質生地の約0.01パーセント~約0.25パーセントの酵素濃度で添加する工程;
    c)直径が約1~約30ミリメートルの生地断片を提供するために、該第1のタンパク質生地を細かく砕く工程;
    d)挽肉に似た歯応え、弾力性、および食感を有するタンパク質クランブルを生成するために、該生地断片を約0℃~約70℃の温度で約15分~約8時間インキュベートし、その後に、該タンパク質クランブルを凍結する工程、該タンパク質クランブルの温度を上げてトランスグルタミナーゼを不活化する工程、該タンパク質クランブルを調理する工程、およびその組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの加工工程を行う、工程;
    e)つなぎを形成するために、エンドウタンパク質を水および少なくとも1種類のトランスグルタミナーゼと混和する工程であって、エンドウタンパク質が、粉末エンドウタンパク質、少なくとも1つの固体状態エンドウタンパク質エマルジョン、およびその組み合わせからなる群より選択され、水が、つなぎの組み合わせの55~95パーセントを構成する、工程;
    f)第2のタンパク質生地を形成するために、該つなぎを少なくとも1種類のタンパク質クランブルと混和する工程であって、つなぎとクランブルの比が約20/80~約60/40である、工程;
    g)該第2のタンパク質生地を、代替肉の少なくとも1つの望ましい形状に形成し、それによって、少なくとも1つの形成された生地製品を形成する、工程;ならびに
    h)代替肉製品を生成するために、該少なくとも1つの形成された生地製品を、約15分~約8時間、約0℃~約70℃の温度に保ち、その後に、該代替肉製品を凍結する工程、該代替肉製品の温度を上げてトランスグルタミナーゼを不活化する工程、該代替肉製品を調理する工程、およびその組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの加工工程を行う、工程
    を含む、方法。
  29. 代替肉製品を調理する工程が華氏約122度~華氏約375度の温度で行われる、請求項28記載の方法。
  30. 代替肉製品が、少なくとも1種類のハンバーガー、ソーセージパティ、ソーセージリンク、ミートパティ、ナゲット、およびその組み合わせからなる群より選択される、請求項28記載の方法。
  31. つなぎが第2のタンパク質生地の約20~約60パーセントを構成する、請求項28記載の方法。
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