JP2023506575A - ファブリック - Google Patents

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Abstract

ファブリック、特に繊維ウェブを製造する機械のプレス部分において使用するためのシームフェルトであって、ファブリック(1)は、少なくとも1つの基礎構造と、該基礎構造に配置された少なくとも1つの積層繊維層とを有しており、該少なくとも1つの積層繊維層は、繊維ウェブに面した側に、かつ/または機械に面した側に配置されており、ファブリックは、少なくとも1つのシームゾーンを有しており、該シームゾーンにおいて、シームループは、少なくとも1つの差込みワイヤによって、ファブリックを無端にするために互いに結合されており、少なくとも1つの積層繊維層は、シームゾーンの領域において、シームフラップおよびシームウェッジを形成しながら、少なくとも1つの切込みにより分割されており、シームフラップとシームウェッジとの間に、少なくとも1つの結合エレメント(20)が挿入されており、少なくとも1つの結合エレメントは、シームフラップおよび/またはシームウェッジの積層繊維に材料結合式に結合され、特に溶着されている、ファブリック。このタイプのファブリックを使用するための方法。

Description

本発明は、請求項1の前提部に記載の、ファブリック、特に繊維ウェブを製造する機械のプレス部分において使用するためのシームフェルトと、請求項8の前提部に記載の、このようなファブリックを使用するための方法とに関する。
抄紙機のためのファブリック、特にプレスフェルトに関しては、既に以前から、無端のファブリックからシームファブリックへと開発が移行している。ユーザにとっての利点は、このシームファブリックが簡単に機械に装着することができることにある。さらに、新設備において無端のファブリックの被せ嵌めのための措置を講じることが不要であると、著しい構造手間を省略することができる。
特に、シームフェルトは、フェルト端部を基布の領域において結合する差込みワイヤシームにより製造される。これにより無端にされた基布上で、少なくとも紙側(多くの場合走行側でもある)において不織布層が被着させられて、針打ち加工される。このことは生産技術的に有利であるので、不織布層は差込みワイヤシーム上でも針打ち加工される。
抄紙機内にフェルトを引き込むために、フェルトのシームは再び開かれなければならない。これは、基布では差込みワイヤの除去により問題なく可能である。しかし、シームにわたってニードリングされた不織布層は、解かれなければならない。
このためには、一方のフェルト端部の紙側の不織布層が、差込みワイヤの領域において、他方のフェルト端部の紙側の不織布層から切込みにより分離される。切込みは、シームにわたる針打ち加工後に、この時点ではまだ閉じている不織布内に加工される。この切込みは、垂直に実施されていてもよいが、好適には僅かに傾斜して実施され、つまり好適には垂線から5~30°のずれで実施される。
フェルトの引込み後、差込みワイヤシームは、たとえば繊維束の形態の差込みワイヤにより再び閉じられる。両フェルト端部の不織布層は互いに接触するか、または重なり合うが、このシーム領域におけるフェルトの特性、たとえば孔隙率は、残りのフェルトの特性とは異なる。
この欠点を克服するために、先行技術からはシーム領域を最適化するいくつかの可能性が知られている。たとえば、国際公開第02/35000号は、ファブリックのシーム領域に、流れを妨害する材料から成るストリップを導入することを提案している。代替的には、欧州特許出願公開第1918453号明細書ならびに国際公開第2015/024718号は、シーム領域への液状材料または小さな粒子の導入を記載している。
シーム領域のこれら全ての最適化は、この領域の流れ特性を変更するために働くが、不織布支持部がこの箇所において切込みにより永続的に弱められているという根本的な欠点を克服していない。
したがって、たとえば切込みにより、特に傾斜した切込みでは、シーム領域における繊維固定がフェルト面の残りの領域におけるよりも小さい。シームループに基づく繊維固定にとって概して不都合であるフェルトシームの幾何学形状に基づき、かつ差込みワイヤを押し込むことができるように、シームループが十分に繊維材料なしに保持されなければならないという事実に基づいて、繊維固定における改善は可能であるが、この可能性は制限されている。
さらに、直接に切込み領域において不織布支持部の他方の側にある繊維に対する繊維固定部が生じないので、切込みが損傷しやすい。経験上、フェルトはシーム領域においてもより強く摩耗し、損傷したシーム領域は、しばしば紙におけるマークまたは紙製造中の紙破損のための原因となる。したがって、フェルトがシーム外でまだ十分に良好であり、引き続き数日間使用することができるにもかかわらず、この切込みは、フェルト使用期間を短縮してしまう原因となる。
さらに、フェルトの延伸時に、シーム上の隙間が拡張し、ひいては抄紙機内における摩耗を引き起こす接触エレメントまたは水流ノズルによる高められた作用にさらされているおそれがある。
本発明の課題は、先行技術の問題点を克服することにある。
特に、本発明の課題は、公知のファブリックよりも耐摩耗性であるファブリックを提案することである。
本発明の別の課題は、シームが、公知のシームファブリックよりも減じられたマーク傾向を有しているファブリックを提案することにある。
特に、シーム領域の透過性の変化なしに、または僅かな変化だけで有利な効果を得る可能性を提供されることが望ましい。
さらに、このようなファブリックを使用するための方法も提案されることが望ましい。
これらの課題は、請求項1に記載されたファブリックおよび請求項8に記載された、ファブリックを使用するための方法によって完全に解決される。
本発明による構成の別の有利な特徴は、従属請求項に記載されている。
ファブリックに関して、この課題は、ファブリック、特に、繊維ウェブを製造する機械のプレス部分において使用するためのシームフェルトであって、ファブリックが、少なくとも1つの基礎構造と、基礎構造に配置された少なくとも1つの積層繊維層とを有しており、少なくとも1つの積層繊維層が、繊維ウェブに面した側に、かつ/または機械に面した側に配置されており、ファブリックが、少なくとも1つのシームゾーンを有しており、該シームゾーンにおいて、シームループが、少なくとも1つの差込みワイヤによって、ファブリックを無端にするために互いに結合されており、少なくとも1つの積層繊維層が、シームゾーンの領域において、シームフラップおよびシームウェッジを形成しながら、少なくとも1つの切込みにより分割されているファブリックにより解決される。本発明によれば、シームフラップとシームウェッジとの間に、少なくとも1つの結合エレメントが挿入されており、少なくとも1つの結合エレメントが、シームフラップおよび/またはシームウェッジの積層繊維に材料結合式に結合され、特に溶着されている。
プレスフェルトでは、繊維ウェブに面した側に少なくとも1つの積層繊維層が設けられているのが通常であり、機械に面した走行側の積層繊維が付加的に設けられていてもよい。
「シームフラップ」「シームウェッジ」という用語は、傾斜した切込みを使用する場合の慣用語法から取られている。本発明によっても明示的に含まれている垂直な切り込みを有するファブリックの場合、これら2つの用語により、それぞれ不織布層の一方もしくは他方の切込み端部が呼ばれる。
特に好適な1つの構成では、少なくとも1つの結合エレメントと、シームフラップおよび/またはシームウェッジの積層繊維との結合は、NIR透過溶着によって行うことができる。このためには、少なくとも1つの結合エレメントが、780[nm]~3[μm]、好適には780[nm]~1300[nm]のNIR範囲の波長を有する光を少なくとも大部分吸収するポリマ材料を含んでいるか、またはこのようなポリマ材料から成っていると、当然ながら極めて有利である。これは、ポリマ材料が、必ずしも780nm~1300nm(もしくは3000nm)の間のNIR範囲全体にわたって吸収性でなくてもよいと理解される。ポリマ材料が、このNIR範囲の1つ以上の部分範囲において少なくとも大部分を吸収するのであれば完全に十分である。溶着のためにこの部分範囲の波長を有する光を利用することができる。
不織布層の積層繊維は、大抵の場合、この波長範囲の光に対して十分に透過性であるポリアミドから成っている。
したがって、少なくとも1つの結合エレメントを備えたシームゾーンに、一定の接合圧力下で、対応する波長の光を照射することができる。光源として、レーザまたは別の適切な源を使用することができる。結合エレメントは、光を吸収し、これにより加熱され、完全にまたは部分的に溶融し、これにより結合エレメントと、この結合エレメントに接触する積層繊維との間で材料結合式の結合部が形成される。積層繊維は、実質的に結合エレメントとの接触を介してのみ加熱される。これにより、不織布層の積層繊維は、接合プロセスによってほとんど不変である。したがって、接合プロセスによってシーム領域の透過性や孔隙率の顕著な変化も生じない。
この有利な特性は、透過溶着時に自動的に生じるのに対して、たとえば接着または超音波溶着による同様に可能な結合時に、接合プロセスは極めて正確に制御しなければならない。
結合エレメントの吸収特性は、たとえば、結合エレメントに吸収添加剤を添加することにより実現することができる。このためには、たとえば、煤(カーボンブラック)が適している。しかし、市場において、たとえばClearweld社(www.clearweld.com)から、別の色を有する吸収体または透明な吸収体も入手可能である。
添加剤は、ポリマ材料に添加するか、または結合エレメントへのコーティングとして使用することができる。
吸収添加剤により、大抵はポリアミドである、不織布層の積層繊維と同一のポリマ材料から結合エレメントを製造することが可能であり、それにもかかわらず、NIR透過溶着の有利な技術を使用することが可能である。材料が同一であることに基づいて、特に良好かつ耐久性のある溶着結合部が生じる。
接合後、つまり特に溶接後に、少なくとも1つの結合エレメントが、シームフラップおよびシームウェッジの積層繊維に材料結合式に結合していると特に有利である。これにより、2つの切込みエッジが互いに堅固に結合され、これにより繊維固定が改善され、シームがより耐摩耗性になる。さらに引っ張り荷重下での不織布層の延伸も阻止し、シームのマーク傾向も低減する。
シームを改善するための本出願人の試みにより、結合エレメントの使用により、たとえば両切断エッジの互いに対する溶着のような単純な結合によって可能であるよりも、著しく改善された結果を得られることが意想外にも分かった。
このことは、一方のエッジの積層繊維が他方のエッジの積層繊維に偶然接触している場合にのみ、両切断エッジの間で、結合エレメントが設けられていない場合、接触点、ひいては結合箇所のみが生じることにより理解される。したがって、これにより達成可能な接合は、通常、非常に脆弱でしかない。
シームに挿入された結合エレメントは、本明細書において提案されるファブリックにおいて、両エッジの接点間のブリッジとして機能する。両エッジのそれぞれが結合エレメントとの複数の接触点を有しており、これにより堅固な接合が生じる確率は、結合エレメントを使用しない場合に比べて著しく高くなる。
後で詳細に説明するように、シーム内の結合エレメント、または場合によっては複数の結合エレメントの選択時に、ユーザは比較的大きな自由度を有している。シームの透過性にほとんど影響を与えないにもかかわらず、堅固な結合が生じるように結合エレメントを選択することが可能である。
これに対して、まさにシームのこのような特性に影響を与えることが望ましい場合、このことは別の結合エレメントの選択により可能である。
本構想の様々な態様によるファブリックは、ユーザに、シーム領域を極めて柔軟に設計することも可能にする。
本発明に係るファブリックを使用するための方法は、まずファブリックを、繊維ウェブを製造するための機械のプレス部分に引き込み、その後に差込みワイヤシームを閉じることによってファブリックを無端にすることから成る。既知のシームファブリックの場合、ここでプロセスが終了する。本明細書において提案されているファブリックの場合、次いで少なくとも1つの結合エレメントをシームフラップおよび/またはシームウェッジの積層繊維に結合し、特に溶着することが可能である。
このような方法は、種々異なるバリエーションで実施することができる。
1つのバリエーションでは、少なくとも1つの結合エレメントが、機械内へのファブリックの引込み後、特に差込みワイヤにより無端にした後にようやく、シームフラップとシームウェッジとの間に挿入され、次いで材料結合式で結合される。
別の1つのバリエーションでは、少なくとも1つの結合エレメントが、機械内へのファブリックの引込み前に、シームウェッジまたはシームフラップに仮結合されていてもよい。「仮」とは、本バリエーションでは、この構成において結合エレメントが、引込み前に、シームフラップまたはシームウェッジとの結合部を有していることを意味する。しかし、この結合部は、まだあとの材料結合式の結合部ではない。このような仮結合は、たとえば、形状結合式の結合(たとえば軽い針打ち加工または点的な縫付け)、または特にのちの機械の操作中に再び洗浄することができる水溶性の接着剤による接着剤結合であってもよい。これは、結合エレメントが正しい位置に位置決めされているという利点がある。なぜならば、通常はファブリックを引き込むオペレータは、このために必要となる知識および技術的な能力を有していないからである。
代替的には、別の1つのバリエーションにおいて、少なくとも1つの結合エレメントが、機械内への引込み前に、既に材料結合式にシームウェッジまたはシームフラップに結合されていてもよい。その際に有利であるのは、この永続的な接合により、引込み時の結合エレメントの滑りをほぼ排除することができることである。他方では、この方法は、2つの接合工程、たとえば溶着工程を必要とし、このことは欠点であり得る。用途に応じて、利点または欠点が上回り得る。
有利な1つの構成では、少なくとも1つの結合エレメントが、糸状または帯状の結合エレメントとして構成されていることが規定されていてもよい。
厚さと幅とが類似している一方で、長手方向の延在長さが著しく大きな結合エレメントを糸状と云う。
糸状の構成では、結合エレメントは特にモノフィラメント、マルチフィラメント束または撚糸として構成されていてもよい。
幅が厚さよりも著しく大きく、長手方向の延在長さが幅よりもはるかに著しく大きな結合エレメントを帯状と云う。
帯状の構成では、少なくとも1つの結合エレメントは、特に繊維製の帯材、不織布、フィルムまたは発泡材として構成されていてもよい。
繊維製の帯材は、たとえば、織物、編物、ニットであってもよい。不織布は、たとえば、いわゆる溶融噴射不織布もしくはメルトブローン不織布であってもよい。
好適には、糸状または帯状の結合エレメントは、長手方向で10mm以上、特に20mm以上の長さを有していてもよい。結合エレメントのより大きな長さは、結合エレメントの上述のブリッジ効果を改善する。
概して、1つまたは複数の結合エレメントが、切込みの(CD方向での)全長にわたって分配されていると一般的に有利である。
このことは、一方では、1つまたは複数の結合エレメントが切込みの長さの大部分にわたって延びていることによって達成される。
複数の結合エレメントを使用する場合、これら全ての結合エレメントが同一であってもよい。代替的には、異なる種類の結合エレメントが切込みに挿入されることも想定可能である。
特に、糸状または帯状の結合エレメントが、機械横方向でファブリックの少なくとも半分の幅、好適には全幅にわたって延びていることが規定されていてもよい。混乱を避けるために、この場合の、結合エレメントの長手方向または長さ方向は、この場合に実質的に切込みに沿って、つまりファブリックの横方向(CD)に延びていることをもう一度明確する必要がある。
現代のファブリックは、10m以上の幅を有していてもよく、この場合、糸状または帯状の結合エレメントの長さは、上記の10mmまたは20mmより著しく大きい。結合エレメントの長さは、数メートルの範囲(たとえば2メートル、それどころか5メートルを超える)である。
代替的または付加的に、たとえば積層繊維の形態で構成されており、切込み内に導入される複数の結合エレメントが設けられていてもよい。
有利には、これらの繊維は、これらの繊維が、780[nm]から3[μm]のNIR(近赤外)範囲の波長を有する光を少なくとも大部分吸収するように構成されていてもよい。
特に好適には、これらの繊維は、780[nm]~1300[μm]のNIR範囲の波長を有する光を少なくとも大部分吸収するように構成されていてもよい。なぜならば、1300[nm]を超える範囲では、積層繊維または基礎構造の材料がこの光をある程度吸収する恐れが増し、このことは場合によっては望ましくないからである。
本発明の別の有利な実施形態を、実施例につき、図面を参照しながら説明する。挙げられる特徴は、提示された組み合わせのみで有利に実施できるだけでなく、互いに個別に組み合わせることもできる。
本発明の1つの態様によるファブリックの一部を示す図である。 本発明の別の1つの態様によるファブリックの一部を示す図である。 本発明の別の1つの態様によるファブリックの一部を示す図である。 本発明の別の1つの態様によるファブリックの一部を示す図である。
以下に、図面を詳細に説明する。
図1は、本発明の1つの態様によるファブリック1の一部を示す図である。図1では、特に、ここではシームゾーン2も図示されている。ファブリックは、基布3として構成されている基礎構造3を含んでいる。基礎構造のそれぞれの端部は、それぞれ1つのシームループ4を有している。このようなシームループ4は、たとえば、基礎構造3の折畳みおよび重ね合わせによって形成されていてもよい。シームループ4は、基布3の縦糸(MD糸)6により形成される。さらにシームループ4を形成するために、基布の個別の横糸(CD糸)が取り除かれていてもよい。ファブリック1は、両シームループ4が互いに組み合わされ、差込みワイヤ5の導入により結合されていることにより、無端にされている。差込みワイヤ5は、個別のフィラメントであってもよい。図1に示したファブリック1は、代替的なものとして、複数のフィラメントから形成されている1つの差込みワイヤ5を示している。適切な差込みワイヤ5の選択に際して、当業者は通常は完全に自由である。本発明の利点は、差込みワイヤ5の選択に関係なく達成することができる。
ファブリック1は、さらに2つの積層繊維層8,8bを含んでいる。走行側の積層繊維層8bは場合によっては省略することもできる。紙側の積層繊維層8は、特に針打ち加工によって、基礎構造3上に一貫して被着させられている。機械内への引込みのためにファブリック1を開放することができるようにするために、積層繊維層8は、シームにわたって切込み9によって開かれている。この切込み9は、原則的には垂直に実施されていてもよい。しかし図1に示すように、通常は切込み9は傾斜しており、すなわち垂線に対してある程度の角度をもって実施されていてもよい。この角度は、有利には5°~30°である。これにより、シームフラップ10とシームウェッジ11が形成される。この場合、シームフラップ10は、閉じられたファブリック1においてシームウェッジ11に重なり合う。
断面図では、図1に示した構成では、例示的に3つの結合エレメント20が挿入されている。これらの結合エレメント20は、それぞれ、ファブリック1または切込み9の横方向全体にわたって延びている糸として構成されている。糸20として、たとえば、モノフィラメント、マルチフィラメント束、または撚糸を使用することができる。また、図示した3本の糸20よりも多いか、または少ない糸を使用することもできる。
結合エレメント20は、切込み9の高さにわたって均等に分配されていてもよい。代替的には、たとえば、紙側の方向よりも基礎構造3の近傍により多くの結合エレメント20が配置されるか、またはその逆であるような不均一な分配も有利であり得る。
複数の結合エレメント20を使用する場合、これら全ての結合エレメント20は同一であってもよい。代替的には、異なる種類の結合エレメント20を切込み9に挿入することも想定可能である。
これらの糸20は、シームフラップ10にも、シームウェッジ11にも材料結合式に結合されている。この材料結合式の結合は、たとえば、溶着結合であってもよい。したがって、結合エレメント20、この場合は糸20が、780[nm]~1300[nm]の適切なNIR波長範囲の光を少なくとも大部分吸収するポリマから形成されていると極めて有利である。たとえば、シーム領域のプレスフェルトを構成している材料(通常はPA6またはPA66)は、この波長範囲では十分に透過性である。したがって、NIR透過溶着によって、極めて簡単に溶着結合部を形成することができる。結合エレメント20のために、積層繊維8と同一のポリマ(たとえばPA6またはPA66)が使用されると特に極めて有利であり、ポリマは、専ら添加された吸収添加剤により有利な吸収特性を有している。結合エレメント20と積層繊維8とのこのような材料一致により、特に耐久性のある溶着結合部が達成される。しかし代替的には、積層繊維層8,8bの材料との良好な適合性を有する適切な熱可塑性樹脂、たとえばコポリアミド、PEBAまたは熱可塑性のポリウレタンを結合エレメント20のために使用することができる。
図1に示したように、走行側の積層繊維層8bは、シーム領域2においてより大きな隙間を有している。このことは、たとえば、差込みワイヤ5の導入を容易にし、製造される紙の品質に影響を与えることがあっても、最小限である。しかし、本発明の枠内では、この側の積層繊維層8bを紙側と同様に処理することも可能である。つまり、走行側でも、積層繊維層8bがシームにわたって結合エレメント20の挿入により結合されてもよい。
図2に図示されたファブリック1は、単に結合エレメント20の選択により図1に示した構成と異なっている。図2では、単独の帯状の結合エレメント20が設けられている。帯状の結合エレメント20は、たとえば、不織布、発泡材、フィルムまたは織布帯材であってもよく、特に、やはりフェルト1もしくは切込み9の全幅にわたって延びていてもよい。帯状の結合エレメント20、特にフィルム20の場合、シームゾーン20の透過性に影響を与えないか、または極めて僅かにしか影響を与えない極めて薄いフィルムを選択することが適切である。フィルムは、たとえば、長さがフェルトの幅に一致し、幅が切込み9の高さに一致するように切断することができる。これにより、フェルト1の深さ方向での脱水は、小さなフィルム厚さによりほとんど影響を受けないが、フィルムによる不織布固定は改善される。好適には、50μmまでの厚さのフィルムまたは箔を選択することができる。特に、透過性もしくは穴あきフィルムが有利である。フィルムまたは箔は無配向であっても、一軸または二軸配向であってもよい。
また、フィルムまたは箔が切込み9内に全体的にまたは十分に挿入され、溶着工程により閉じたフィルム構造が(たとえば溶融によって)溶解されることによって初めてこのフィルムの透過性が生じることが規定されていてもよい。
図3には、結合エレメント20がシームウェッジ11のフロック加工(Beflockung)によって実現されているファブリック1が図示されている。代替的または付加的に、シームフラップ10のフロック加工も行うことができる。フロック繊維20は、有利には、NIR波長範囲で吸収性であるように実施されている。フロック加工により結合エレメントとシームウェッジ11との結合が行われる。しかしこの結合は、通常は仮のものである。図3ではまだ開放して図示されている切込み9が、場合によっては接合圧力を加えながら閉じられると、溶着プロセスにより、好適には透過溶着によって、シームウェッジ11および/またはシームフラップ10との材料結合式の結合を実現することができる。
図4は、最終的に、NIR波長範囲で吸収性の積層繊維が、結合エレメント20として意図的に切込み9の領域において積層繊維層8内に導入された構成を示している。材料結合式の結合は、やはり溶着により行うことができる。吸収性の積層繊維は、既に不織布層8の製造時に導入することもできる。代替的には、積層繊維は、あとから、つまり切込み9の形成後にシームウェッジ11および/またはシームフラップ10に添加することもできる。有利には、これらの吸収性の積層繊維は、シームフラップ10および/またはシームウェッジ11において、ファブリック1の全幅にわたって、かつファブリック1の長手方向で1mm~20mm、特に2mm~10mmの範囲で分配されていてもよい。吸収性の繊維が、積層繊維層8,8bのより大きな範囲に設けられていてもよい。特に、吸収性の繊維が、積層繊維層8の全体にわたって、特に紙側で積層繊維層の全体にわたって分配されていることが規定されていてもよい。
示された図面は、本発明の多様な可能性を示唆するものである。しかし、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。
1 ファブリック
2 シームゾーン
3 基礎構造
4 シームループ
5 差込みワイヤ
6 長手方向(MD)の糸
7 横方向(CD)の糸
8,8b 積層繊維層
9 切込み
10 シームフラップ
11 シームウェッジ
20 結合エレメント
本発明は、請求項1の前提部に記載の、ファブリック、特に繊維ウェブを製造する機械のプレス部分において使用するためのシームフェルトと、請求項の前提部に記載の、このようなファブリックを使用するための方法とに関する。
これらの課題は、請求項1に記載されたファブリックおよび請求項に記載された、ファブリックを使用するための方法によって完全に解決される。

Claims (9)

  1. ファブリック(1)、特に繊維ウェブを製造する機械のプレス部分において使用するためのシームフェルトであって、前記ファブリック(1)は、少なくとも1つの基礎構造(3)と、該基礎構造(3)に配置された少なくとも1つの積層繊維層(8)とを有しており、該少なくとも1つの積層繊維層(8)は、前記繊維ウェブに面した側に、かつ/または前記機械に面した側に配置されており、前記ファブリック(1)は、少なくとも1つのシームゾーン(2)を有しており、該シームゾーン(2)において、シームループ(4)が、少なくとも1つの差込みワイヤ(5)によって、前記ファブリック(1)を無端にするために互いに結合されており、前記少なくとも1つの積層繊維層(8)は、前記シームゾーン(2)の領域において、シームフラップ(10)およびシームウェッジ(11)を形成しながら、少なくとも1つの切込み(9)により分割されている、ファブリック(1)において、
    前記シームフラップ(10)と前記シームウェッジ(11)との間に、少なくとも1つの結合エレメント(20)が挿入されており、前記少なくとも1つの結合エレメント(20)は、前記シームフラップ(10)および/または前記シームウェッジ(11)の積層繊維に材料結合式に結合され、特に溶着されていることを特徴とする、ファブリック(1)。
  2. 前記少なくとも1つの結合エレメントは、780[nm]~3[μm]、特に780[nm]~1300[nm]のNIR範囲の波長を有する光を少なくとも大部分吸収するポリマ材料を含んでいる、請求項1記載のファブリック。
  3. 前記少なくとも1つの結合エレメントは、糸状または帯状の結合エレメントとして構成されている、請求項1または2記載のファブリック。
  4. 前記糸状または帯状の結合エレメントは、長手方向で10mm以上、特に20mm以上、好適には2mを超える長さを有している、請求項3記載のファブリック。
  5. 多数の結合エレメントは、前記シームフラップ(10)と前記シームウェッジ(11)との間に挿入されており、該結合エレメントは、前記シームフラップ(10)および/または前記シームウェッジ(11)の積層繊維に材料結合式に結合され、特に溶着されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のファブリック。
  6. 前記少なくとも1つの結合エレメントは、糸状に構成されており、特にモノフィラメント、マルチフィラメント束または撚糸として構成されており、該糸状の結合エレメントは、機械横方向で、前記ファブリックの少なくとも半分の幅、好適には全幅にわたって延びている、請求項1から5までのいずれか1項記載のファブリック。
  7. 前記少なくとも1つの結合エレメントは、帯状に構成されており、特に繊維製の帯材として、不織布、フィルムまたは発泡材として構成されており、前記帯状の結合エレメントは、機械横方向で、前記ファブリックの少なくとも半分の幅、好適には全幅にわたって延びている、請求項1から5までのいずれか1項記載のファブリック。
  8. 請求項1から7までのいずれか1項記載のファブリック(1)を使用するための方法であって、まず前記ファブリック(1)を、繊維ウェブを製造する機械のプレス部分に引き込み、その後に差込みワイヤシームを閉じることによって前記ファブリックを無端にし、次いで少なくとも1つの結合エレメント(20)をシームフラップ(10)および/またはシームウェッジ(11)の積層繊維に結合し、特に溶着する、方法。
  9. 前記少なくとも1つの結合エレメントを、780[nm]~3[μm]、特に780nm~1300nmのNIR波長範囲を有する光に対して吸収性に構成し、前記結合をNIR透過溶着により行う、請求項8記載の方法。
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