JP2023180589A - 樹脂組成物および成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 靭性が高く、かつ、弾性率の低下が抑制された樹脂組成物、および、成形品の提供。【解決手段】 ポリアセタール樹脂(A)を50~95質量部と、エラストマー(B)を5~50質量部と、炭酸カルシウム(C)を含み、炭酸カルシウム(C)は、前記ポリアセタール樹脂(A)中における炭酸カルシウム(C)の総表面積が、ポリアセタール樹脂(A)1gに対し、0.02~2.00m2となるように含まれている、樹脂組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、樹脂組成物、および、成形品に関する。特に、ポリアセタール樹脂を主要成分とする樹脂組成物に関する。
ポリアセタール樹脂は、機械的性質、電気的性質、および、耐薬品性などの化学的性質に優れたプラスチックとして、広範囲の用途で使用されている。
ここで、ポリアセタール樹脂にエラストマーを配合することが検討されている(特許文献1等)。また、特許文献1には、粒子状の無機充填剤を配合することも記載されている。
特開平05-255569号公報
ここで、ポリアセタール樹脂組成物の靭性を向上させるには、ポリアセタール樹脂にエラストマーを配合することが考えられる。しかしながら、エラストマーを配合すると、弾性率が下がってしまう。本発明はかかる課題を解決することを目的とするものであって、靭性が高く、かつ、弾性率の低下が抑制された樹脂組成物、および、成形品を提供することを目的とする。
上記課題のもと、ポリアセタール樹脂に、エラストマーと共に、炭酸カルシウムを配合することにより、上記課題は解決された。
具体的には、下記手段により、上記課題は解決された。
<1>ポリアセタール樹脂(A)を50~95質量部と、
エラストマー(B)を5~50質量部と、
炭酸カルシウム(C)を含み、
前記炭酸カルシウム(C)は、前記ポリアセタール樹脂(A)中における炭酸カルシウム(C)の総表面積が、ポリアセタール樹脂(A)1gに対し、0.02~2.00m2となるように含まれている、樹脂組成物。
<2>前記炭酸カルシウム(C)の平均粒径が0.001~0.30μmである、<1>に記載の樹脂組成物。
<3>前記エラストマー(B)がコアシェルエラストマーを含む、<1>または<2>に記載の樹脂組成物。
<4>前記エラストマー(B)がシェルにアクリル系樹脂を含むコアシェルエラストマーを含む、<1>または<2>に記載の樹脂組成物。
<5>前記ポリアセタール樹脂(A)のISO1133に従い、温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定したメルトボリュームレート(MVR)が0.5~20cm3/10minである、<1>~<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<6>前記炭酸カルシウム(C)の平均粒径が0.001~0.30μmであり、
前記エラストマー(B)がシェルにアクリル系樹脂を含むコアシェルエラストマーを含み、
前記ポリアセタール樹脂(A)のISO1133に従い、温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定したメルトボリュームレート(MVR)が0.5~20cm3/10minである、<1>に記載の樹脂組成物。
<7>前記樹脂組成物を4mm厚さの多目的試験片に成形し、ISO527の条件で測定した引張伸びが80~200%であり、前記樹脂組成物を4mm厚さの多目的試験片に成形し、ISO178に記載の方法に従って、曲げ試験速度2mm/分で曲げ試験を行った際の曲げ弾性率が1010~1200MPaである、<1>~<6>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<8><1>~<7>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成された成形品。
本発明により、靭性が高く、かつ、弾性率の低下が抑制された樹脂組成物、および、成形品を提供可能になった。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は本実施形態のみに限定されない。
なお、本明細書において「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、各種物性値および特性値は、特に述べない限り、23℃におけるものとする。
本明細書で示す規格で説明される測定方法等が年度によって異なる場合、特に述べない限り、2022年1月1日時点における規格に基づくものとする。
本実施形態の樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂(A)を50~95質量部と、エラストマー(B)を5~50質量部と、炭酸カルシウム(C)を含み、前記炭酸カルシウム(C)は、前記ポリアセタール樹脂(A)中における炭酸カルシウム(C)の総表面積が、ポリアセタール樹脂(A)1gに対し、0.02~2.00m2となるように、含まれていることを特徴とする。このような構成とすることにより、靭性が高く、かつ、弾性率の低下が抑制された樹脂組成物が得られる。ポリアセタール樹脂組成物から形成される成形品の靭性を上げるためにはエラストマーを配合することが考えられるが、エラストマーを配合するとポリアセタール樹脂組成物から形成される成形品の弾性率が低下してしまう傾向にある。本実施形態においては、炭酸カルシウムをポリアセタール樹脂(A)中における炭酸カルシウム(C)の総表面積が、ポリアセタール樹脂(A)1gに対し、0.02~2.00m2となるように、配合することにより、弾性率が低下することを効果的に抑制している。この理由は、炭酸カルシウムが樹脂組成物中の変形可能な領域において、応力緩和剤として働くからと推測される。すなわち、ポリアセタール樹脂の成形品中に、単に、炭酸カルシウムが多く存在すると、異物として働いてしまう。しかしながら、本実施形態においては、ポリアセタール樹脂にエラストマーを配合した成形品であるため、衝撃がかかると変形する。この変形する際に、小さな炭酸カルシウム粒子が応力緩和剤として寄与したと推測される。
以下、本発明の詳細について説明する。
<ポリアセタール樹脂(A)>
本実施形態の樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂(A)を含む。
ポリアセタール樹脂(A)は特に限定されるものではなく、2価のオキシメチレン基のみを構成単位として含むホモポリマーであっても、2価のオキシメチレン基と、炭素数が2~6の2価のオキシアルキレン基とを構成単位として含むコポリマーであってもよい。
炭素数が2~6のオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、および、オキシブチレン基などが挙げられる。
ポリアセタール樹脂においては、オキシメチレン基および炭素数2~6のオキシアルキレン基の総モル数に占める炭素数2~6のオキシアルキレン基の割合は特に限定されるものではなく、0.5~10モル%であればよい。
上記ポリアセタール樹脂(A)を製造するためには通常、主原料としてトリオキサンが用いられる。また、ポリアセタール樹脂中に炭素数2~6のオキシアルキレン基を導入するには、環状ホルマールや環状エーテルを用いることができる。環状ホルマールの具体例としては、1,3-ジオキソラン、1,3-ジオキサン、1,3-ジオキセパン、1,3-ジオキソカン、1,3,5-トリオキセパン、1,3,6-トリオキソカンなどが挙げられ、環状エーテルの具体例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシドなどが挙げられる。ポリアセタール樹脂(A)中にオキシエチレン基を導入するには、主原料として、1,3-ジオキソランを用いればよく、オキシプロピレン基を導入するには、主原料として、1,3-ジオキサンを用いればよく、オキシブチレン基を導入するには、主原料として、1,3-ジオキセパンを用いればよい。なお、ポリアセタール樹脂においては、ヘミホルマール末端基量、ホルミル末端基量、熱や酸、塩基に対して不安定な末端基量が少ない方がよい。ここで、ヘミホルマール末端基とは、-OCH2OHで表されるものであり、ホルミル末端基とは-CHOで表されるものである。
本実施形態で用いるポリアセタール樹脂(A)は、ISO1133に従い、温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定したメルトボリュームレート(MVR)が、0.5cm3/10分以上であることが好ましく、0.6cm3/10分以上であることがより好ましく、0.8cm3/10分以上であることがさらに好ましく、1cm3/10分以上であることが一層好ましく、5cm3/10分以上であることがより一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、樹脂組成物の生産性がより向上する傾向にある。また、前記ポリアセタール樹脂(A)のMVRは、20cm3/10分以下であることが好ましく、18cm3/10分以下であることがより好ましく、14cm3/10分以下であることがさらに好ましく、10cm3/10分以下であることが一層好ましく、8cm3/10分以下であることがより一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、エラストマー(B)の分散性が向上する傾向にある。特に、エラストマー(B)として、コアシェルエラストマーを用いた時に、その平均二次粒子径を小さくすることができる傾向にある。
ポリアセタール樹脂としては、上記の他、特開2015-074724号公報の段落0018~0043に記載のポリアセタール樹脂を用いることができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
<エラストマー(B)>
本実施形態の樹脂組成物は、樹脂組成物中、エラストマー(B)を含む。エラストマー(B)を含むことにより、靭性の高い樹脂組成物が得られる。
エラストマーはその種類等特定めるものではなく、公知のエラストマーを用いることができる。エラストマーはコアシェルエラストマーであってもよいし、コアシェルエラストマー以外のエラストマー(非コアシェルエラストマー)であってもよい。本実施形態においては、コアシェルエラストマーが好ましい。
コアシェルエラストマーとは、コア部とその一部または全部を被覆するシェル層を有する多層構造のポリマーであり、カネカ社のカネエースシリーズや三菱ケミカル社のメタブレンシリーズが知られている。
本実施形態で用いるコアシェルエラストマーの種類は特に問わないが、コアは、ゴム系ポリマーが好ましい。ゴム系ポリマーとしては、ブタジエン含有ゴム、ブチルアクリレ-ト含有ゴム、2-エチルヘキシルアクリレ-ト含有ゴム、シリコ-ン系ゴムから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、ブタジエン含有ゴムを含むことがより好ましい。シェルは、(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物等の1種または2種以上の単量体の重合体が好ましく、(メタ)アクリル酸エステル由来の単位が全体の50質量%以上を占める重合体(アクリル系樹脂)がより好ましい。
本実施形態で用いるコアシェルエラストマーは、コアがゴム系ポリマーを含み、シェルがアクリル系樹脂を含むことが好ましい。このようなコアシェルエラストマーを用いると、本発明の効果がより効果的に発揮される傾向にある。
本実施形態で用いる非コアシェルエラストマーとしては、ポリオレフィンエラストマー、ポリスチレンエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、コポリエステル・エーテルエラストマー、アクリルエラストマー、塩化ビニル・ニトリルエラストマーが例示される。
<(A)・(B)成分のブレンド比>
本実施形態の樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂(A)を50~95質量部に対し、エラストマー(B)を5~50質量部を含む。本実施形態の樹脂組成物においては、ポリアセタール樹脂(A)とエラストマー(B)の合計量を100質量部としたとき、ポリアセタール樹脂(A)の含有量が、通常、50質量部以上であり、55質量部以上であることが好ましく、61質量部以上であることがより好ましく、64質量部以上であることがさらに好ましい。前記下限値以上とすることにより、弾性率の過剰な低下を効果的に抑制できる傾向にある。また、本実施形態の樹脂組成物においては、ポリアセタール樹脂(A)とエラストマー(B)の合計量を100質量部としたとき、ポリアセタール樹脂(A)の含有量が、通常、95質量部以下であり、用途等に応じては、89質量部以下、85質量部以下、79質量部以下、75質量部以下、70質量部以下であってもよい。前記上限値以下とすることにより良好な靭性をより効果的に発揮させることができる。
また、本実施形態の樹脂組成物は、樹脂組成物中、ポリアセタール樹脂(A)とエラストマー(B)の合計量が、90質量%以上であることが好ましく、92質量%以上であることがより好ましく、96質量%以上であることがさらに好ましい。ポリアセタール樹脂(A)とエラストマーの合計量の上限は、炭酸カルシウム(C)以外の成分がポリアセタール樹脂(A)とエラストマー(B)によって構成される値である。
本実施形態の樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂(A)を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、エラストマー(B)を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<炭酸カルシウム(C)>
本実施形態の樹脂組成物は、炭酸カルシウム(C)を含み、炭酸カルシウム(C)は、前記ポリアセタール樹脂(A)中における炭酸カルシウム(C)の総表面積が、ポリアセタール樹脂(A)1gに対し、0.02~2.00m2となるように含まれている。炭酸カルシウム(C)を含むことにより、応力緩和剤として寄与し、弾性率の低下をより効果的に抑制できる。また、炭酸カルシウム(C)の総表面積を上記下限値以上とすることにより、靭性がより向上する傾向にある。また、上限値以下とすることにより、炭酸カルシウム(C)が破壊起点となることをより効果的に防ぐことができる傾向にある。
ポリアセタール樹脂(A)中における炭酸カルシウム(C)の総表面積は、ポリアセタール樹脂(A)1gに対し、0.05m2以上であることが好ましく、0.08m2以上であることがより好ましく、0.10m2以上であることがさらに好ましく、0.12m2以上であることが一層好ましく、0.20m2以上であることがより一層好ましく、0.25m2以上であることがさらに一層好ましい。また、ポリアセタール樹脂(A)中における炭酸カルシウム(C)の総表面積は、ポリアセタール樹脂(A)1gに対し、1.80m2以下であることが好ましく、1.50m2以下であることがより好ましく、0.80m2以下であることがさらに好ましく、0.60m2以下であることが一層好ましく、0.45m2以下であることがより一層好ましい。
ポリアセタール樹脂(A)中における炭酸カルシウム(C)の総表面積は、後述する実施例の記載に従って測定される。
本実施形態においては、炭酸カルシウム(C)の平均1次粒子径が0.30μm以下であることが好ましく、0.20μm以下であることがより好ましく、0.10μm以下であることがさらに好ましく、0.08μm以下であることが一層好ましく、0.06μm以下であることがより一層好ましく、0.04μm以下であることがさらに一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、破壊の起点となることをより効果的に抑制できる傾向にある。また、前記炭酸カルシウム(C)の平均粒径は、0.001μm以上であることが好ましく、0.005μm以上であることがより好ましく、0.01μm以上であることがさらに好ましい。
本実施形態においては、炭酸カルシウム(C)の比表面積が100m2/g以下であることが好ましく、80m2/g以下であることがより好ましく、70m2/g以下であることがさらに好ましく、60m2/g以下であることが一層好ましく、55m2/g以下であることがより一層好ましく、15m2/g以下であってもよい。前記上限値以下とすることにより、炭酸カルシウムそのもののハンドリング性が優れる傾向にある。また、前記炭酸カルシウム(C)の比表面積が、1m2/g以上であることが好ましく、5m2/g以上であることがより好ましく、10m2/g以上であってもよく、20m2/g以上であってもよい。前記下限値以上とすることにより、少ない添加量で本発明の効果がより効果的に発揮される傾向にある。
本実施形態の樹脂組成物における炭酸カルシウム(C)の含有量は、ポリアセタール樹脂(A)とエラストマー(B)の合計100質量部に対し、0.01質量部以上であることが好ましく、0.05質量部以上であることがより好ましく、0.1質量部以上であることがさらに好ましい。前記下限値以上とすることにより、樹脂組成物の生産時のフィード性に優れる傾向にある。また、本実施形態の樹脂組成物における炭酸カルシウム(C)の含有量は、ポリアセタール樹脂(A)とエラストマー(B)の合計100質量部に対し、20質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましく、5質量部以下であることがさらに好ましく、2質量部以下であることが一層好ましく、1質量部以下であることがより一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、破壊の起点となることを効果的に防ぐことができる傾向にある。
<その他の成分>
本実施形態の樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲内で、従来公知の任意の添加剤や充填剤を含んでいてもよい。本実施形態に用いる添加剤や充填剤としては、例えば、ポリアセタール樹脂以外の熱可塑性樹脂、紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、ホルムアルデヒド捕捉剤、帯電防止剤、炭素繊維、染料、カーボンブラックのような有機顔料、酸化チタンのような無機顔料、ガラス繊維、ガラスフレーク、チタン酸カリウムウイスカー等が挙げられる。これらの詳細は、特開2017-025257号公報の段落0113~0124の記載を参酌することができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
<樹脂組成物の物性>
本実施形態の樹脂組成物を4mm厚さの多目的試験片に成形し、ISO527に従って測定した引張伸びが80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、100%以上であることがさらに好ましく、105%以上であることが一層好ましく、110%以上であることがより一層好ましい。また、前記引張伸びは、特に定めるものではないが、実際的には、200%以下である。
また、本実施形態の樹脂組成物は4mm厚さの多目的試験片に成形し、ISO178に記載の方法に従って、曲げ試験速度2mm/分で曲げ試験を行った際の曲げ弾性率が1010MPa以上であることが好ましく、1015MPa以上であることがより好ましく、1020MPa以上であることがさらに好ましい。前記曲げ弾性率の上限値は、1200MPa以下が実際的である。
さらに、本実施形態の樹脂組成物を4mm厚さの多目的試験片に成形し、ISO527に従って測定した引張伸びをX%、本実施形態の樹脂組成物から炭酸カルシウムを除いた樹脂組成物を同様に、同様の条件でした引張り伸びをY%としたとき、X/Yが1.00倍以上であることが好ましく、1.05以上であることがより好ましく、1.10以上であることがさらに好ましく、1.15以上であることが一層好ましく、1.20以上であることがより一層好ましい。前記X/Yの上限値としては、例えば、1.90以下が実際的である。
本実施形態においては、上記引張伸びおよび曲げ弾性率の両方を満たすことが好ましく、さらに、上記X/Yも満たすことがより好ましい。これらは、後述する実施例の記載に従って測定される。
<樹脂組成物の製造方法>
本実施形態の樹脂組成物は、上述した必須成分および必要に応じ上述した任意の成分を含有させてなる。従来公知の任意の、樹脂組成物の製造方法を使用し、これらの原料を混合・混練すればよい。
混練機は、ニーダー、バンバリーミキサー、押出機等が例示される。混合・混練の各種条件や装置についても、特に制限はなく、従来公知の任意の条件から適宜選択して決定すればよい。混練はポリアセタール樹脂が溶融する温度以上、具体的にはポリアセタール樹脂の融解温度以上(一般的には180℃以上)で行うことが好ましい。
<成形品>
本実施形態の成形品は、本実施形態の樹脂組成物から形成される。また、本実施形態の樹脂組成物をペレタイズして得られたペレットは、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成形などの公知の成形方法により成形可能である。
成形品の形状としては、特に制限はなく、成形品の用途、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、板状、プレート状、ロッド状、シート状、フィルム状、円筒状、環状、円形状、楕円形状、歯車状、多角形形状、異形品、中空品、枠状、箱状、パネル状、キャップ状のもの等が挙げられる。本発明の成形品は、部品であっても、完成品であってもよい。
<用途>
本実施形態の樹脂組成物および樹脂組成物から形成される成形品は、例えば、トリムクリップやシートベルト部材、ヘッドレストガイドなどの自動車部品、建材部品、電気・電子部品、事務機器部品、日用雑貨部品の他、凍食品、飲料、などの容器、冷蔵庫のパッキン等の家電用品、ホースバンドやパッキン、結束バンドなどが例示される。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
実施例で用いた測定機器等が廃番等により入手困難な場合、他の同等の性能を有する機器を用いて測定することができる。
1.原料
以下の原料を用いた。
Figure 2023180589000001
上記ポリアセタール樹脂(A)のメルトボリュームレート(MVR)はISO1133に従い、温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定した値である。
<炭酸カルシウムの平均1次粒子径の測定方法>
炭酸カルシウムの平均一次粒子径はSEM(走査電子顕微鏡)により確認した。
単位は、μmで示した。
<炭酸カルシウムの比表面積の測定方法>
炭酸カルシムの比表面積はBET法により算出した。
単位は、m2/gで示した。
2.実施例1~18、比較例1~6
<樹脂組成物(ペレット)の製造>
表2~表5に示す各成分を表2~表5に示す割合(質量部)で、川田製作所社製スーパーミキサーを用いて均一に混合した。得られた混合物をスクリュー径30mm、スクリュー長さ760、ダイノズル径3.5mmのベント付き二軸押出機(株式会社池貝製「PCM-30」)を用いて、シリンダー温度200℃、スクリュー回転数120rpm、吐出量10kg/時間で溶融せん断混合し、樹脂組成物のペレットを製造した。
<POM中の炭酸カルシウム総表面積>
以下の式に従いPOM中の炭酸カルシム総表面積を算出した。
POM中の炭酸カルシウム総表面積=(炭酸カルシウムの添加量(質量部))×(炭酸カルシウムの比表面積(m2/g))
単位は、ポリアセタール樹脂1g当たりの面積(m2/g-POM)で示した。
<炭酸カルシウム添加時の引張伸び(X)>
実施例1~18および比較例1~6の樹脂組成物を4mm厚さの多目的試験片に成形し、ISO527の条件で測定した。
射出成形機は、芝浦機械社製、EC-100Sを用いた。全自動曲げ試験機は、島津製作所社製のものを用いた。
単位は、%で示した。
<炭酸カルシウム未添加時の引張伸び(Y)>
実施例1~18および比較例1~6のリファレンスとして炭酸カルシウムを入れていない樹脂組成物を別途調製し、その樹脂組成物を4mm厚さの多目的試験片に成形し、ISO527の条件で測定した。
射出成形機は、芝浦機械社製、EC-100Sを用いた。全自動曲げ試験機は、島津製作所社製のものを用いた。
単位は、%で示した。
<炭酸カルシウム添加有無の引張伸び比(X/Y)>
上記炭酸カルシウム添加時の引張伸び(X)および炭酸カルシウム未添加時の引張伸び(Y)から、炭酸カルシウム添加有無の引張伸び比(X/Y)を算出した。
<曲げ弾性率>
上記で得られたペレットを、温度80℃の熱風循環式乾燥機にて4時間熱処理を行った。
次に、上記乾燥後のペレット(を、射出成形機を用い、シリンダー温度195℃に設定し、金型温度を90℃に設定して、ISO9988-2規格に準拠して、射出成形した。こうして、4mm厚さの多目的試験片(ISO試験片)を得た。
次に、この4mm厚さの多目的試験片(ISO試験片)について、曲げ試験機である全自動曲げ試験機を用いて、ISO178に記載の方法に従って、曲げ試験速度2mm/分で曲げ試験を行い、曲げ弾性率を測定した。
上記で得られたペレットを、温度80℃の熱風循環式乾燥機にて4時間熱処理を行った。
射出成形機は、芝浦機械社製、EC-100Sを用いた。全自動曲げ試験機は、島津製作所社製のものを用いた。
結果を表2~表5に示した。単位は、MPaで示した。
Figure 2023180589000002
Figure 2023180589000003
Figure 2023180589000004
Figure 2023180589000005
上記結果から明らかなとおり、本発明の樹脂組成物から形成された成形品は、靭性が高く、かつ、弾性率の低下が抑制されていた。

Claims (8)

  1. ポリアセタール樹脂(A)を50~95質量部と、
    エラストマー(B)を5~50質量部と、
    炭酸カルシウム(C)を含み、
    前記炭酸カルシウム(C)は、前記ポリアセタール樹脂(A)中における炭酸カルシウム(C)の総表面積が、ポリアセタール樹脂(A)1gに対し、0.02~2.00m2となるように含まれている、樹脂組成物。
  2. 前記炭酸カルシウム(C)の平均粒径が0.001~0.30μmである、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記エラストマー(B)がコアシェルエラストマーを含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  4. 前記エラストマー(B)がシェルにアクリル系樹脂を含むコアシェルエラストマーを含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  5. 前記ポリアセタール樹脂(A)のISO1133に従い、温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定したメルトボリュームレート(MVR)が0.5~20cm3/10minである、請求項1に記載の樹脂組成物。
  6. 前記炭酸カルシウム(C)の平均粒径が0.001~0.30μmであり、
    前記エラストマー(B)がシェルにアクリル系樹脂を含むコアシェルエラストマーを含み、
    前記ポリアセタール樹脂(A)のISO1133に従い、温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定したメルトボリュームレート(MVR)が0.5~20cm3/10minである、請求項1に記載の樹脂組成物。
  7. 前記樹脂組成物を4mm厚さの多目的試験片に成形し、ISO527の条件で測定した引張伸びが80~200%であり、前記樹脂組成物を4mm厚さの多目的試験片に成形し、ISO178に記載の方法に従って、曲げ試験速度2mm/分で曲げ試験を行った際の曲げ弾性率が1010~1200MPaである、請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成された成形品。
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