JP2021098767A - ポリアセタール樹脂組成物および成形品 - Google Patents

ポリアセタール樹脂組成物および成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】 成形品としたときの表面外観に優れるポリアセタール樹脂組成物および、前記ポリアセタール樹脂組成物から得られる成形品の提供。【解決手段】 ポリアセタール樹脂100質量部に対して、水酸基の少なくとも1つをアシル化および/またはアルキル化したシクロデキストリンを0.01〜10質量部含有する、ポリアセタール樹脂組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリアセタール樹脂組成物および成形品に関する。
ポリアセタール樹脂は、機械的強度および剛性が高く、耐油性および耐有機溶剤性に優れ、広い温度範囲でバランスがとれた樹脂であり、かつ、その加工性が容易である。したがって、ポリアセタール樹脂は、代表的エンジニアリングプラスチックとして、OA機器、デジタル家電、自動車部品およびその他工業部品などに多く用いられている(特許文献1、2等)。
特開2015−074724号公報 特開2012−092185号公報
ところで、ポリアセタール樹脂も、エンジニアリングプラスチック以外の用途への展開が期待されている。そして、新たな用途に対しては、香料などを配合することが求められる場合もある。また、エンジニアリングプラスチック用途でも、抗菌性などが求められる場合もある。
しかしながら、ポリアセタール樹脂に、香料や抗菌剤等の薬剤をそのまま添加する場合、香料や薬剤が樹脂中で上手く分散できなかったり、徐放性に欠けたりする場合がある。かかる状況のもと、本発明者は、シクロデキストリンに香料や薬剤を包接させて、ポリアセタール樹脂に配合することを検討した。シクロデキストリンは、化合物を包接させるオリゴ糖としてはよく知られている。しかしながら、ポリアセタール樹脂にシクロデキストリンを配合すると、得られる成形品の表面外観が著しく劣ることが分かった。
本発明はかかる課題を解決することを目的とするものであって、シクロデキストリンを配合したポリアセタール樹脂組成物であって、成形品としたときの表面外観に優れるポリアセタール樹脂組成物および、前記ポリアセタール樹脂組成物から得られる成形品を提供することを目的とする。
かかる課題のもと、本発明者が検討を行った結果、水酸基の少なくとも1つをアシル化および/またはアルキル化したシクロデキストリンを採用することにより、シクロデキストリンを配合しつつ、ポリアセタール樹脂組成物の成形品の表面外観を良好にできることを見出した。
具体的には、下記手段により、上記課題は解決された。
<1>ポリアセタール樹脂100質量部に対して、水酸基の少なくとも1つをアシル化および/またはアルキル化したシクロデキストリンを0.01〜10質量部含有する、ポリアセタール樹脂組成物。
<2>前記シクロデキストリンが、化合物を包接している、<1>に記載のポリアセタール樹脂組成物。
<3>前記化合物が、香料および薬剤の少なくとも1種を含む、<2>に記載のポリアセタール樹脂組成物。
<4>前記シクロデキストリンが、5〜8個のグルコースがグリコシド結合によって結合している構造に由来する、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のポリアセタール樹脂組成物。
<5>前記アシル化がアセチル化であり、アルキル化がメチル化である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のポリアセタール樹脂組成物。
<6>前記ポリアセタール樹脂の融点が、170℃以下である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載のポリアセタール樹脂組成物。
<7>前記樹脂組成物を厚さ4mmのISOダンベル片に成形したときの算術平均粗さRaが、0.1μm以下である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載のポリアセタール樹脂組成物。
<8><1>〜<7>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成された成形品。
本発明により、成形品としたときの表面外観に優れるポリアセタール樹脂組成物および、前記ポリアセタール樹脂組成物から得られる成形品を提供可能になった。
さらに、シクロデキストリンを配合できることから、各種の化合物を包接させることが可能になった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本発明のポリアセタール樹脂組成物(以下、「本発明の樹脂組成物」ということがある)は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、水酸基の少なくとも1つをアシル化および/またはアルキル化したシクロデキストリンを0.01〜10質量部含有することを特徴とする。このような構成とすることにより、成形品としたときに表面外観に優れた樹脂組成物が得られる。
以下、本発明の樹脂組成物について詳細に説明する。
<ポリアセタール樹脂>
本発明の樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂を含む。
ポリアセタール樹脂は特に限定されるものではなく、2価のオキシメチレン基のみを構成単位として含むホモポリマーであっても、2価のオキシメチレン基と、炭素数が2〜6の2価のオキシアルキレン基とを構成単位として含むコポリマーであってもよい。
炭素数が2〜6のオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、および、オキシブチレン基などが挙げられる。
ポリアセタール樹脂においては、オキシメチレン基および炭素数2〜6のオキシアルキレン基の総モル数に占める炭素数2〜6のオキシアルキレン基の割合は特に限定されるものではなく、0.5〜10モル%であればよい。
上記ポリアセタール樹脂を製造するためには通常、主原料としてトリオキサンが用いられる。また、ポリアセタール樹脂中に炭素数2〜6のオキシアルキレン基を導入するには、環状ホルマールや環状エーテルを用いることができる。環状ホルマールの具体例としては、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキセパン、1,3−ジオキソカン、1,3,5−トリオキセパン、1,3,6−トリオキソカンなどが挙げられ、環状エーテルの具体例としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシドなどが挙げられる。ポリアセタール樹脂中にオキシエチレン基を導入するには、主原料として、1,3−ジオキソランを用いればよく、オキシプロピレン基を導入するには、主原料として、1,3−ジオキサンを用いればよく、オキシブチレン基を導入するには、主原料として、1,3−ジオキセパンを用いればよい。なお、ポリアセタール樹脂においては、ヘミホルマール末端基量、ホルミル末端基量、熱や酸、塩基に対して不安定な末端基量が少ない方がよい。ここで、ヘミホルマール末端基とは、−OCH2OHで表されるものであり、ホルミル末端基とは−CHOで表されるものである。
ポリアセタール樹脂のメルトインデックス(ASTM−D1238規格:190℃、2.16kg)は1.0g/10分〜100g/10分であることが好ましい。
また、ポリアセタール樹脂の融点は、180℃以下であることが好ましく、175℃以下であることがより好ましい。このような範囲のものを用いることにより、シクロデキストリンが成形品中で変色してしまうのをより効果的に抑制することができる。前記融点の下限値は、例えば、160℃以上である。
なお、本発明における融点とは、示差走査熱量測定(DSC)法により観測される吸熱ピークのピークトップの温度である。吸熱ピークとは、試料を一度加熱溶融させ熱履歴による結晶性への影響をなくした後、再度昇温した時に観測される吸熱ピークとする。
ポリアセタール樹脂としては、上記の他、特開2015−074724号公報の段落0018〜0043に記載のポリアセタール樹脂を用いることができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂を70質量%以上含むことが好ましく、75質量%以上含むことがより好ましく、78質量%以上含むことがさらに好ましい。上限は、99.8質量%以下であることが好ましい。このような範囲とすることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される傾向にある。
本発明の樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<シクロデキストリン>
本発明の樹脂組成物は、水酸基の少なくとも1つをアシル化および/またはアルキル化したシクロデキストリンを含む。このようにシクロデキストリンが有する水酸基が疎水化されたものを用いることにより、ポリアセタール樹脂中で適切に分散し、表面外観に優れた成形品が得られると推測される。
本発明で用いる水酸基の少なくとも1つをアシル化および/またはアルキル化したシクロデキストリンは、化学的処理によって、アシル化および/またはアルキル化処理がなされていることが好ましい。
水酸基がアシル化およびアルキル化されていないシクロデキストリンは、例えば、下記に示す構造である。以下、本明細書において、アシル化およびアルキル化されていないシクロデキストリンを、「シクロデキストリン構造」と呼ぶことがある。
Figure 2021098767
上記シクロデキストリン構造は、5〜8個のグルコースがグリコシド結合によって結合している構造に由来することが好ましい。さらに、本発明で用いるシクロデキストリン構造は、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリンおよびγ−シクロデキストリンのいずれか1種以上に由来することが好ましい。
本発明で用いるシクロデキストリンは、シクロデキストリン構造を構成するグルコース一分子当たり、平均1〜3の水酸基がアシル化および/またはアルキル化されていること好ましく、グルコース一分子当たり、平均2〜3の水酸基がアシル化および/またはアルキル化されていることがより好ましく、平均2.8〜3の水酸基がアシル化および/またはアルキル化されていることがさらに好ましい。
アシル化は、アセチル化であることが好ましい。また、アルキル化は、炭素数1〜5のアルキル化であることが好ましく、1〜3のアルキル化であることがより好ましく、メチル化であることがさらに好ましい。
本発明で用いるアシル化およびアルキル化の少なくとも一方を有するシクロデキストリンは、アシル化およびアルキル化された基および水酸基以外の基(以下、「他の基」ということがある)を有していてもよい。他の基としては、上記以外の疎水性基および親水性基が例示され、疎水性基が好ましい。他の基は、式量が500以下であることが好ましく、300以下であることがより好ましく、200以下であることがさらに好ましく、100以下であることが一層好ましく、50以下であることがより一層好ましく、30以下であってもよい。
本発明における水酸基の少なくとも1つをアシル化および/またはアルキル化したシクロデキストリンの好ましい実施形態の一例は、水酸基以外の親水性基を有さない形態である。
本発明の樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、水酸基の少なくとも1つをアシル化および/またはアルキル化したシクロデキストリンを0.01〜10質量部含有する。前記含有量の下限値は、0.1質量部以上であることが好ましい。また、前記含有量の上限値は、5質量部以下であることが好ましく、3質量部以下であることがより好ましく、1質量部以下であることがさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物は、水酸基の少なくとも1つをアシル化および/またはアルキル化したシクロデキストリンを1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<包接物>
本発明の樹脂組成物においては、水酸基の少なくとも1つをアシル化および/またはアルキル化したシクロデキストリンが、化合物を包接していてもよい。
包接している化合物(包接物)は、シクロデキストリンが包接可能である限り、特に定めるものではないが、香料および薬剤の少なくとも1種を含むことが好ましく、香料を含むことがさらに好ましい。香料としては、ヒノキチオールなどが例示される。
本発明において、包接物の包接能力をより高めるために、特開2016−183120号公報に記載の包接技術、シクロデキストリンの応用技術、株式会社シーエムシー出版の記載を採用することもでき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
<その他の成分>
本発明の樹脂組成物は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、ポリアセタール樹脂以外の熱可塑性樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、充填剤、顔料等が挙げられる。これらの詳細は、特開2017−025257号公報の段落0113〜0124の記載を参酌することができ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
<樹脂組成物の特性>
本発明の樹脂組成物は、組成物を厚さ4mmのISOダンベル片に成形したときの算術平均粗さRaが、0.1μm以下であることが好ましく、0.03μm以上であることがより好ましく、0.04μm以上であることがさらに好ましい。また、算術平均粗さRaの上限値は、0.08μm以下であることがより好ましい。
<ポリアセタール樹脂組成物の製造方法>
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、上述した必須成分および必要に応じ上述した任意の成分を含有させてなる。そしてその製造方法は任意であり、従来公知の任意の、樹脂組成物の製造方法を使用し、これらの原料を混合・混練すればよい。
混練機は、ニーダー、バンバリーミキサー、押出機等が例示される。混合・混練の各種条件や装置についても、特に制限はなく、従来公知の任意の条件から適宜選択して決定すればよい。混練はポリアセタール樹脂が溶融する温度以上、具体的にはポリアセタール樹脂の融解温度以上(一般的には180℃以上、好ましくは200℃以下)で行うことが好ましい。
<成形品>
本発明の成形品は、本発明のポリアセタール樹脂組成物から形成される。
また、本発明のポリアセタール樹脂組成物をペレタイズして得られたペレットは、各種の成形法で成形して成形品とされる。またペレットを経由せずに、押出機で溶融混練された樹脂組成物を直接、成形して成形品にすることもできる。
成形品の形状としては、特に制限はなく、成形品の用途、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、板状、プレート状、ロッド状、シート状、フィルム状、円筒状、環状、円形状、楕円形状、歯車状、多角形形状、異形品、中空品、枠状、箱状、パネル状、キャップ状のもの等が挙げられる。本発明の成形品は、完成品であってもよいし、部品であってもよく、それぞれの溶着品でもよい。
成形品を成形する方法としては、特に制限されず、従来公知の成形法を採用でき、例えば、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、異形押出法、トランスファー成形法、中空成形法、ガスアシスト中空成形法、ブロー成形法、押出ブロー成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、回転成形法、多層成形法、2色成形法、インサート成形法、サンドイッチ成形法、発泡成形法、加圧成形法等が挙げられる。
<用途>
本発明のポリアセタール樹脂組成物およびポリアセタール樹脂組成物から形成される成形品は、公知のエンジニアリングプラスチック用途およびエンジニアリングプラスチック用途以外の用途に用いられる。エンジニアリングプラスチック以外の用途としては、歯ブラシなどが例示される。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
<原料>
・ポリアセタール樹脂(POM):
トリオキサンと1,3−ジオキソランとを、POM中の1,3−ジオキソランの含有率が3.8質量%(4.6モル%)となるように共重合して得られたアセタールコポリマーであって、メルトインデックス(ASTM−D1238規格:190℃、2.16kg)が10.5g/10分であるアセタールコポリマー、融点165℃
・シクロデキストリン
水酸基の少なくとも1つがアセチル化されたシクロデキストリン:
シクロケム社製、品番:CAVASOL W7A、グルコースが6〜8個結合したシクロデキストリン構造において、水酸基の少なくとも1つがアセチル化されている。
水酸基の少なくとも1つがメチル化されたシクロデキストリン:
シクロケム社製、品番:CAVASOL W7M、グルコースが7個結合したシクロデキストリン構造において、水酸基の少なくとも1つがメチル化されている。
疎水性基を有さないシクロデキストリン:シクロケム社製、品番:CAVAMAX W7
・包接物
ヒノキチオール:東京化成工業社製、品番:Hinokitiol
<化合物を包接しているシクロデキストリンの調製>
ナス型フラスコにアセトン量に対し10質量%となるようにシクロデキストリンを入れ、ヒノキチオール1当量を10分間撹拌した。撹拌後、室温で減圧留去し白色粉末を得た。白色粉末をDSCにて分析し、ヒノキチオール単体測定時に検出される融解熱ΔHと白色粉末で同じ時間に検出されるΔHの割合から、ヒノキチオールの包接率を確認した。
実施例1〜4、比較例1
表1に示す各成分を表1に示す割合(質量部)で、川田製作所社製スーパーミキサーを用いて均一に混合した。得られた混合物をスクリュー径40mmのベント付き単軸押出機(田辺プラスチックス機械社製「VS−40」)を用いて、シリンダー温度190℃、スクリュー回転数60rpm、吐出量18kg/時間で溶融せん断混合し、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを製造した。
上記で得られたペレットを、温度80℃の熱風循環式乾燥機にて4時間熱処理を行った。
次に、日精樹脂工業社製射出成形機PS−40を用い、シリンダー温度215℃、金型温度80℃にて、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを射出成形し、厚さ4mmのISOダンベル片を作製した。
<外観>
上記で得られたISOダンベル片について、目視にて表面外観を観察し、以下の通り評価した。評価は5人の専門家が目視で行い、多数決とした。
A:表面が艶やかで、凸凹がない。
B:上記A以外である(あばたが見られる、凸凹が見られる等)。
<表面粗さ(Ra)>
表面粗さ(Ra)は、算出規格JIS B0601:2001に則り、測定した。
具体的には、測定速度0.3mm/sでISOダンベル片の流動方向と垂直に5mmに亘って粗さ測定を行った。
単位は、μmで示した。
測定装置は、東京精密製、サーフコム3000Aを用いた。
Figure 2021098767
上記結果から明らかなとおり、水酸基の少なくとも1つをアシル化(アセチル化)および/またはアルキル化(メチル化)したシクロデキストリンを用いることにより、表面外観に優れたポリアセタール樹脂成形品が得られた(実施例1〜4)。また、化合物を包接させても、その性能に変化はなかった(実施例2、4)。一方、疎水性基を有さないシクロデキストリンを配合した場合、シクロデキストリンがポリアセタール樹脂中で凝集し、成形品の表面外観が劣ってしまった。
さらに、実施例1〜4では、得られた試験片(成形品)について、変色等も認められなかった。これに対し、実施例1において、ポリアセタール樹脂をポリアミド樹脂(ポリメタキシリレンアジパミド、S6007、三菱ガス化学製、成形温度290℃)またはポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、ノバデュラン、成形温度250℃)にそれぞれ変更し、同様に行ったところ、試験片(成形品)が褐色になってしまった。

Claims (8)

  1. ポリアセタール樹脂100質量部に対して、水酸基の少なくとも1つをアシル化および/またはアルキル化したシクロデキストリンを0.01〜10質量部含有する、ポリアセタール樹脂組成物。
  2. 前記シクロデキストリンが、化合物を包接している、請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 前記化合物が、香料および薬剤の少なくとも1種を含む、請求項2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. 前記シクロデキストリンが、5〜8個のグルコースがグリコシド結合によって結合している構造に由来する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  5. 前記アシル化がアセチル化であり、アルキル化がメチル化である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  6. 前記ポリアセタール樹脂の融点が、175℃以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  7. 前記樹脂組成物を厚さ4mmのISOダンベル片に成形したときの算術平均粗さRaが、0.1μm以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成された成形品。
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