JP2023180102A - 炭酸アルコール飲料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性に優れ、香味が淡泊で、アルコール刺激感が低減され、後味が残り難く、飲み易い、炭酸アルコール飲料を提供すること。【解決手段】飲用水、炭酸ガス、エタノール及び甘味物質を含む炭酸アルコール飲料であって、0.06以下の波長660nmにおける吸光度、1~3v/v%のエタノール濃度、及び0.3~1.3w/w%の可溶性固形分濃度を有する、炭酸アルコール飲料。【選択図】なし

Description

本発明は炭酸アルコール飲料に関し、特に、淡泊な香味を有する炭酸アルコール飲料に関する。
炭酸アルコール飲料としては、例えば、グレープフルーツ、レモン、ライム、オレンジなどの果汁を含有させた飲料、及びビールテイスト飲料等が多く市販されている。例えば、酎ハイは、甲類焼酎を炭酸水で希釈して、飲みやすくした炭酸アルコール飲料である。また、様々な果汁を炭酸水及びアルコールで希釈した果実風味炭酸アルコール飲料が数多く商品化されている。健康志向の観点から、近年、炭酸アルコール飲料の中でも低アルコール飲料の需要が増大している。
特許文献1には、低アルコール飲料の風味や香味に関して、アルコール感が強いと飲み難さにつながるため、適度にアルコール感が抑制されていることが望まれることが記載されている。また、特許文献1には、多糖類又は食物繊維を含有させて比重を所定の範囲に調節すること、人工甘味料を含有させて甘味度を所定の範囲に調節すること、又は酸味物質を含有させてpHを所定の範囲に調節することで、アルコール感を低減した低アルコール飲料が記載されている。
特許文献2には、麦使用率が低く、すっきりとした味わいのビールテイスト飲料について、消費者の嗜好としてまろやかさ(マイルド感)が求められていることが記載されている。また、特許文献2には、市販のビールに炭酸ガス含有水を加えることで、アルコール度数0.25%に希釈した低アルコール飲料について、水溶性食物繊維を含有させることでコクが増強し、また、キラサヤサポニン又は大豆サポニンを加えることでマイルド感が改善したことが、記載されている。
特開2017-12100号公報 特開2015-139419号公報
従来の炭酸アルコール飲料は、嗜好品として、飲用する充実感及び満足感を提供する特性が重視され、味及び香りを強くして、特徴を持たせた香味になっている。
一方で、近年では、飲料に関する消費者の嗜好は、例えば、炭酸水がブームになるなど、味及び香りが控えめな、淡泊な香味にも向けられている。つまり、炭酸アルコール飲料に関しても、従来の方向性とは異なり、炭酸水のように、透明性に優れた外観、及び淡泊で後味が残らず、飲み易い香味に対する需要が存在する。
淡泊な香味を目的とする場合、例えば、配合する甘味料、酸味料、香料、果汁の濃度を下げる等によって、組成を水に近づける方法が考えられる。しかしながら、炭酸アルコール飲料は、味及び香りの特徴が弱くなる場合、苦味及び渋味等のエタノール由来の雑味、及びエタノールの刺激臭が感じられるようになり、却って飲み難い香味になってしまう。
アルコール感を低減し、マイルド感を改善する等、飲み易い低アルコール飲料を提供する従来の手段では、多糖類、食物繊維、甘味料、酸味料又はサポニンなどの呈味添加物又は高分子添加物を、低アルコール飲料に含有させる。その場合、低アルコール飲料の淡泊な香味は、呈味添加物の影響を受けて変化する。また、その場合、低アルコール飲料は、濁度の増大により透明性が低下し、粘度の上昇により後味が残りやすく、飲み易さが損なわれる。
本発明は上記問題を解決するものであり、その目的とするところは、透明性に優れ、香味が淡泊で、アルコール刺激感が低減され、後味が残り難く、飲み易い、炭酸アルコール飲料を提供することにある。
本明細書でいう「香味が淡泊」とは、香味が薄く柔らかいことをいう。「アルコール刺激感」とは、エタノール由来の雑味又は刺激臭が感じられることをいう。また、「飲み易い」とは、ゴクゴクと連続的に飲み込むことが苦にならないことをいう。
本発明は、以下のものを提供する。
[1]飲用水、炭酸ガス、エタノール及び甘味物質を含む炭酸アルコール飲料であって、
0.06以下の波長660nmにおける吸光度、
1~3v/v%のエタノール濃度、及び
0.3~1.3w/w%の可溶性固形分濃度
を有する、炭酸アルコール飲料。
[2]2.0~2.5ガスボリュームの炭酸ガスを含む、[1]に記載の炭酸アルコール飲料。
[3]ショ糖換算として3~13g/Lの甘味物質濃度を有する、[1]又は[2]に記載の炭酸アルコール飲料。
[4]高甘味度甘味料を含まない、[1]~[3]のいずれかに記載の炭酸アルコール飲料。
[5]果汁を含まない、[1]~[4]のいずれかに記載の炭酸アルコール飲料。
[6]麦に由来する成分を含まない、[1]~[5]のいずれかに記載の炭酸アルコール飲料。
[7]前記甘味物質がショ糖を含む、[1]~[6]のいずれかに記載の炭酸アルコール飲料。
[8]波長660nmにおける吸光度を0.06以下に調節すること、
エタノールの濃度を1~3v/v%に調節すること、
可溶性固形分の濃度を0.3~1.3w/w%に調節すること、
を含む、飲用水、炭酸ガス、エタノール及び甘味物質を含む炭酸アルコール飲料の製造方法。
[9]波長660nmにおける吸光度を0.06以下に調節すること、
エタノールの濃度を1~3v/v%に調節すること、
可溶性固形分の濃度を0.3~1.3w/w%に調節すること、
を含む、飲用水、炭酸ガス、エタノール及び甘味物質を含む炭酸アルコール飲料のアルコール刺激感を低減する方法。
[10]前記甘味物質がショ糖を含む、[8]又は[9]に記載の方法。
本発明によれば、透明性に優れ、香味が淡泊で、アルコール刺激感が低減され、後味が残り難く、飲み易い、炭酸アルコール飲料が提供される。
本発明の炭酸アルコール飲料は、波長660nmにおける吸光度(O.D.)が0.06以下である。JIS K 0101において、水の濁度を表す指標として、試料を通過した波長660nm付近の透過光の強度が使用される(透過光濁度)。従って、波長660nmにおける吸光度は、炭酸アルコール飲料の透明性を表現する特性値として有効といえる。
炭酸アルコール飲料の波長660nmにおける吸光度は、試料を石英セルのような所定の吸収セルに充填し、試料を充填したセルを、分光光度計、例えば、株式会社島津製作所製「UV-1700」(商品名)に設置して、測定することができる。
波長660nmにおける吸光度が0.06以下である場合、炭酸アルコール飲料の外観は透明性に優れ、爽快な印象が向上する。波長660nmにおける吸光度が0.06を超える場合、炭酸アルコール飲料の外観にくすみ又は濁りが発生し、飲用感が重く、後味が残りやすくなり、飲み易さが低下する。本発明の炭酸アルコール飲料の波長660nmにおける吸光度は、好ましくは0.05以下、より好ましくは0.04~0.001である。
本発明の炭酸アルコール飲料は、飲用水を含有する。飲用水は、以下に説明する炭酸アルコール飲料の成分の溶媒になる。
本発明の炭酸アルコール飲料は、アルコール、即ち、エタノールを含有する。エタノールは甘い香味を有し、炭酸アルコール飲料は、エタノール由来の甘味を呈することができる。本発明の炭酸アルコール飲料のエタノール濃度は、1~4v/v%である。エタノール濃度を前記範囲に調節することで、炭酸アルコール飲料のアルコール刺激感が低下する。
炭酸アルコール飲料の香味が淡泊なものである場合、エタノール濃度が4v/v%を超えると、アルコール刺激感が増大して、香味が人工的になる。エタノールの濃度が1v/v%未満であるとエタノール由来の甘味が弱く、炭酸アルコール飲料として香味のバランスが悪くなる。炭酸アルコール飲料のエタノール濃度は、好ましくは1.5~3.5v/v%、より好ましくは2~3v/v%である。
本発明の炭酸アルコール飲料の原料に用いるアルコールは、好ましくは、果実成分含有原料酒以外のものである。果実成分含有原料酒を使用すると、植物の組織成分が導入されるので炭酸アルコール飲料の保存安定性が低下し易く、また、雑味が発生し易くなる。
アルコールの具体例には、原料用アルコール、スピリッツ類(ウォッカ、ジン、ラム、等)、リキュール類、ウイスキー、焼酎(甲類、乙類、甲乙混和)等や、清酒、ワイン、ビール等の醸造酒が挙げられる。これらは単独で又は複数を組み合わせていても良い。
本発明の炭酸アルコール飲料は、炭酸ガスを含有する。炭酸ガスは、好ましくは、ガスボリューム(GV)が1.0~4.5になる範囲の量で用いる。炭酸ガスのガスボリュームが1.0未満であると、炭酸飲料らしい爽快感に乏しく、また、4.5を超えると、炭酸刺激と苦味が強くなりすぎて、飲料の飲み易さが低下する。好ましい炭酸ガス含有量は、2.0~2.5ガスボリュームである。
本発明の炭酸アルコール飲料は可溶性固形分を含有する。可溶性固形分は、飲用水に可溶性、即ち水溶性かつ不揮発性の成分である。可溶性固形分には、例えば、ショ糖等の甘味物質、クエン酸等の酸味物質、難消化性デキストリン等の水溶性食物繊維、ビタミンC等が含まれる。炭酸アルコール飲料の可溶性固形分濃度は、炭酸アルコール飲料に配合する水溶性かつ不揮発性の成分の量に基づいて決定することができる。
可溶性固形分濃度は、糖度計や屈折計などを用いて得られるBrix(ブリックス)値に相当する。ブリックス値は、20℃で測定された屈折率を、ICUMSA(国際砂糖分析法統一委員会)の換算表に基づいてショ糖溶液の質量/質量パーセントに換算した値である(単位:「°Bx」、「%」または「度」)。
ノンアルコール飲料では、ブリックス値をそのまま可溶性固形分濃度としてよいが、アルコール飲料においては、アルコールが屈折率に影響を与えるため、ブリックス値の実測値をそのまま可溶性固形分とすることができない。そこで、次の式を用いて、可溶性固形分濃度を算出する。
飲料の可溶性固形分濃度(SS)=MV-CV
[式中、MV(Measured Value)は飲料のブリックス実測値を表し、
CV(Calculated Value)は飲料のアルコール度数実測値と同じ度数のアルコール水溶液におけるブリックス値を表す。]
尚、CVは、飲料のアルコール度数実測値との間に次の関係を有する。
CV=0.39×飲料のアルコール度数実測値
この式は、アルコール水溶液としてニュートラルスピリッツを純水にて希釈したものを用いてアルコール度数(v/v%)とブリックス値を測定した結果に基づくものである(図1)。アルコール水溶液のアルコール度数(v/v%)は、後述するアルコール度数の測定方法を用いて測定し、ブリックス値は、デジタル屈折計「RX-5000α」(商品名、ATAGO社製)を使用して測定することができる。従って、飲料の可溶性固形分濃度(SS)は次のように表すことができる。
飲料の可溶性固形分濃度(SS)=MV-0.39×飲料のアルコール度数実測値
この式は、アルコール度数が0v/v%の場合にも用いられる。
炭酸アルコール飲料が可溶性固形分を含有することで、炭酸アルコール飲料に飲みごたえ感が付加されて、アルコール刺激感が弱くなる。ここでいう「飲みごたえ感」とは、飲み込む際に喉で感じる抵抗感をいう。
炭酸アルコール飲料の可溶性固形分濃度は、0.3~1.3w/w%、より好ましくは0.4~1.2w/w%、更に好ましくは0.6~1.0w/w%である。前記可溶性固形分濃度が0.3w/w%未満であると、アルコール刺激感が強く、香味が人工的になり、1.3w/w%を超えると、エタノール由来の自然な甘味が弱くなる。
本発明の炭酸アルコール飲料は、甘味物質を含有する。甘味物質とは、飲料に甘味を付与することができる物質をいう。例えば、糖類及び糖アルコール等の甘味料は甘味物質に該当する。
糖類の具体例としては、果糖ぶどう糖液糖、ショ糖、麦芽糖及び乳糖が挙げられる。
糖アルコールの具体例としては、還元麦芽糖水飴、エリスリトール、キシリトール及びマルチトールが挙げられる。
甘味物質としては、一種類の物質が用いられてもよく、複数の種類の物質が用いられてもよい。炭酸アルコール飲料に自然で爽やかな甘味を付与する観点から、甘味物質は、好ましくは、ショ糖を含むものである。
本発明の炭酸アルコール飲料は、好ましくは、高甘味度甘味料を含有しない。高甘味度甘味料を使用すると雑味が付与され、甘味が人工的になりやすくなる。ここでいう高甘味度甘味料とは、厚生労働大臣が指定した「指定添加物」と長年使用されてきた天然添加物として品目が決められている「既存添加物」に「甘味料」と分類されている物質をいう。「指定添加物」及び「既存添加物」に含まれる物質は日本食品添加物協会のホームページに記載されている。
高甘味度甘味料の具体例としては、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、キシリトール、グリチルリチン酸二ナトリウム、サッカリン、サッカリンカルシウム、サッカリンナトリウム、スクラロース、ネオテーム、アラビノース、カンゾウ抽出物、キシロース、ステビア、タウマチン、ラカンカ抽出物、ラムノース及びリボースが挙げられる。
炭酸アルコール飲料が甘味料を含有することで、炭酸アルコール飲料にコク感及びボディ感が付与されて、アルコール刺激感が弱くなる。ここで、「コク」又は「ボディ感」とは、飲食物に含まれる成分が相互に作用して生まれる味であり、飲食物を口に含んだときに感じる香味の総合的な強度を意味する。
炭酸アルコール飲料の甘味物質の濃度は、好ましくは、ショ糖換算として2~12g/lである。甘味物質の量は、甘味度を利用することで、同じ甘味の強さを与えるショ糖の量に換算することができる。甘味物質の量を、同じ甘味の強さを与えるショ糖の量に換算する式を以下に示す。
甘味物質の使用量×甘味物質の甘味度=ショ糖の使用量
尚、甘味物質の甘味度とは、ショ糖の甘味の強さを1として、ショ糖の甘味の強さに対する甘味物質の甘味の強さを表した特性値をいう。
甘味物質の濃度が前記範囲にあることで、炭酸アルコール飲料のエタノール由来の雑味又はエタノールの刺激臭が弱くなり、香味が自然なものになる。炭酸アルコール飲料の甘味物質の濃度は、ショ糖換算として、好ましくは4.0~12.0g/l、より好ましくは6.0~10.0g/lである。
本発明の炭酸アルコール飲料は、酸味物質を含有してもよい。酸味物質とは、飲料に酸味を付与することができる物質をいう。一般に、酸味物質は酸味料、及び人体に無害な酸又はその塩である。ここでいう酸味料とは、上記「指定添加物」及び「既存添加物」に「酸味料」と分類されている物質をいう。
酸味料の具体例としては、アジピン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸、DL-リンゴ酸ナトリウム及びリン酸が挙げられる。これらは、カリウム塩やナトリウム塩といった塩の形態で用いることも可能であるし、緩衝液の形態で用いることも可能である。
酸味物質としては、一種類の物質が用いられてもよく、複数の種類の物質が用いられてもよい。炭酸アルコール飲料に自然で爽やかな酸味を付与する観点から、酸味物質は、好ましくは、クエン酸を含むものである。
炭酸アルコール飲料が酸味料を含有することで、炭酸アルコール飲料の香味に爽やかさが付与されて、後味が残り難く、飲み易いものになる。
炭酸アルコール飲料の酸味物質の濃度は、クエン酸換算として0.1~0.7g/100mlである。炭酸アルコール飲料に含まれる酸味物質の量は、クエン酸の量に換算することができる。換算方法としては、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号)の8頁、3-5項総酸(遊離酸)に定められた酸度(ml)を決定し、この値をクエン酸(g/100ml)値に換算する方法が挙げられる。
即ち、まず、検体10mlを0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液で滴定して滴定値(ml)を決定する。滴定の終点は、pHメーターにおいて8.2とする。この場合、酸度(ml)は、式
滴定値×0.1N水酸化ナトリウム溶液の力価
により、計算される。
1酸度(ml)に相当するクエン酸の重量は0.0064gである。そうすると、前記のようにして決定した検体10mlの酸度は、式
酸度×0.064g
により、酸味物質としてのクエン酸の重量に換算される。換算値を10倍して、検体のクエン酸(g/100ml)値を決定することができる。
酸味物質の濃度が前記範囲にあることで、炭酸アルコール飲料の香味が爽やかになり、飲み易さが向上する。炭酸アルコール飲料の酸味物質の濃度は、クエン酸換算として、好ましくは0.1~0.4g/100ml、より好ましくは0.15~0.3g/100mlである。
本発明の炭酸アルコール飲料は、好ましくは、果実風味香料を含有する。果実風味香料は食用果実の香りを再現した香料である。果実風味香料は炭酸アルコール飲料の清涼感を増強させて、飲み易くするために含有させる。
本発明の炭酸アルコール飲料に含有させるのに好ましい香料としては、シトラール、リモネン等が挙げられる。
果実としては、好ましくは、レモン、グレープフルーツ、オレンジ、ライム、イヨカン、ウンシュウミカン、カボス、キシュウミカン、キノット、コウジ、サンボウカン、シトロン、ジャバラ、スダチ、ダイダイ、タチバナ、タンゴール、ナツミカン、ハッサク、ハナユズ、ヒュウガナツ、ヒラミレモン(シークヮーサー)、ブンタン、ポンカン(マンダリンオレンジ)、ユズ等の柑橘類が挙げられる。柑橘類の果実の中でもアルコールとの親和性が高く、適度な酸味及び苦味を有するレモン及びグレープフルーツ等の柑橘果実風味香料が好ましい。一種類の果実風味香料が用いられてよく、複数の種類の果実風味香料が用いられてもよい。
本発明の炭酸アルコール飲料は、透明性が損なわれないという条件の下に、果汁を含有してもよい。その場合、果汁の含有量は4w/w%未満である。柑橘系果汁は甘味と酸味との強さ及びバランスが良く、ジューシーさ又は果汁感を提供するため、アルコール刺激感を低減する。果汁率が4w/w%以上であると、炭酸アルコール飲料は甘味が後を引くように残り、香味にべたつき感が生じることがある。また、柑橘系果汁は酸素や熱などによって劣化し、多量に使用した場合、苦味、渋味が目立つようになる。炭酸アルコール飲料の果汁率は、好ましくは3.5w/w%未満、より好ましくは1w/w%未満、更に好ましくは、果汁を含まない。
本発明の炭酸アルコール飲料は、透明性が損なわれないという条件の下に、麦芽糖及び麦汁等の麦由来成分を含有してもよい。その場合、麦由来成分の含有量は、炭酸アルコール飲料の外観にくすみ又は濁りが発生せず、香味又は飲み易さに悪影響を与えない量に制限する。本発明の炭酸アルコール飲料は、好ましくは、麦に由来する成分を含まない。
本発明の炭酸アルコール飲料では、更に必要に応じて、色素、香料、ビタミン類、アミノ酸、水溶性食物繊維、安定化剤、乳化剤等、炭酸アルコール飲料の分野で通常用いられている原料や食品添加物を用いてもよい。一方、爽快な印象が向上させる観点から、炭酸アルコール飲料の外観は無色透明であることが好ましく、着色又は濁りが発生する食品添加物は使用しないことが好ましい。
本発明の炭酸アルコール飲料の製造方法は、一例として次に説明するとおり、炭酸アルコール飲料を製造する際に通常行われる工程を包含する。まず、飲用水、アルコール、甘味物質、酸味物質、香料、食品添加物等の成分を所定量、均一に混合する。
原料としては、全て水溶性を示す物質を選択する。選択した原料は、室温、好ましくは15~35℃において完全に溶解する量で、飲用水又はアルコール水溶液に混合する。そのことで、得られる炭酸アルコール飲料の波長660nmにおける吸光度を0.06以下に調節することができる。
得られた混合液を冷却する。次いで、カーボネーションを行う。その後、容器に充填・密封することにより目的とする炭酸アルコール飲料を製造することができる。カーボネーション後に膜ろ過フィルターを用いてろ過してもよい。また、含有成分が濃縮された中間液を作成した後に、水又は炭酸水で希釈して炭酸アルコール飲料を調製してもよい。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
<実施例>
原料として、醸造用アルコール(エタノール濃度95v/v%)、ショ糖、炭酸ガス、及び純水を準備し、これらを以下の表に示した組成になるように混合して、炭酸アルコール飲料を製造した。
製造した炭酸アルコール飲料を、10mm角の石英セルに充填し、分光光度計(株式会社島津製作所製「UV-1700」(商品名))に設置して、波長660nmにおける吸光度(O.D.)を測定した。
前記のようにして、製造した炭酸アルコール飲料の可溶性固形分濃度(w/w%)を測定した。
また、製造した炭酸アルコール飲料を官能試験に供した。官能試験は次のようにして行った。
試験者は、炭酸アルコール飲料の開発担当パネル5名とした。試験は、試験者が各飲料試料を試飲し、以下に示す評価項目に該当する程度が最も高いものを5点、最も低いものを1点と採点する5段階評価法にて行った。評価点は、5名の採点の平均値を採用した。結果を表2に示す。
<評価項目>
アルコール刺激感:エタノール由来の雑味又は刺激臭が感じられること、3.5以下の評点を良いとする。
香味の淡泊さ:香味が薄く柔らかいこと、3.5以上の評点を良いとする。
飲み易さ:連続的に飲み込むことが苦にならないこと、3.5以上の評点を良いとする。
後味の残り難さ:後味が飲用後直ぐに消えること、3.5以上の評点を良いとする。
Figure 2023180102000001
Figure 2023180102000002
<比較例>
原料として、実施例にて使用したものに加えて、クラウディ香料(小川香料株式会社製)を準備した。クラウディ香料とは、食品用乳化剤を用いて油性の香料ベースを乳化した香料をいう。クラウディ香料は水中油(o/w)型エマルションであるので、水を添加すると白濁する。
原料を以下の表に示した組成になるように混合して炭酸アルコール飲料を製造し、実施例と同様にして評価した。
Figure 2023180102000003
Figure 2023180102000004
Figure 2023180102000005

Claims (10)

  1. 飲用水、炭酸ガス、エタノール及び甘味物質を含む炭酸アルコール飲料であって、
    0.06以下の波長660nmにおける吸光度、
    1~3v/v%のエタノール濃度、及び
    0.3~1.3w/w%の可溶性固形分濃度
    を有する、炭酸アルコール飲料。
  2. 2.0~2.5ガスボリュームの炭酸ガスを含む、請求項1に記載の炭酸アルコール飲料。
  3. ショ糖換算として3~13g/Lの甘味物質濃度を有する、請求項1に記載の炭酸アルコール飲料。
  4. 高甘味度甘味料を含まない、請求項1に記載の炭酸アルコール飲料。
  5. 果汁を含まない、請求項1に記載の炭酸アルコール飲料。
  6. 麦に由来する成分を含まない、請求項1に記載の炭酸アルコール飲料。
  7. 前記甘味物質がショ糖を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の炭酸アルコール飲料。
  8. 波長660nmにおける吸光度を0.06以下に調節すること、
    エタノールの濃度を1~3v/v%に調節すること、
    可溶性固形分の濃度を0.3~1.3w/w%に調節すること、
    を含む、飲用水、炭酸ガス、エタノール及び甘味物質を含む炭酸アルコール飲料の製造方法。
  9. 波長660nmにおける吸光度を0.06以下に調節すること、
    エタノールの濃度を1~3v/v%に調節すること、
    可溶性固形分の濃度を0.3~1.3w/w%に調節すること、
    を含む、飲用水、炭酸ガス、エタノール及び甘味物質を含む炭酸アルコール飲料のアルコール刺激感を低減する方法。
  10. 前記甘味物質がショ糖を含む、請求項8又は9に記載の方法。
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