JP2023176183A - 硬化性組成物及びその硬化層を含むフィルム - Google Patents

硬化性組成物及びその硬化層を含むフィルム Download PDF

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真司 小野
Shinji Ono
信志 平松
Shinji Hiramatsu
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Abstract

【課題】良好好な指滑り性とともに耐摩耗性にも優れた硬化層を形成できる硬化性組成物を提供する。【解決手段】下記成分:(1)数平均分子量が3000以上7500以下のパーフルオロポリエーテル基含有(メタ)アクリレートモノマー、(2)数平均分子量が500以上3000未満のフッ素基含有(メタ)アクリレートモノマー、(3)フッ素基を含まない単官能(メタ)アクリレートモノマー、(4)多官能(メタ)アクリレートモノマー(但し、前記(1)~(2)の(メタ)アクリレートモノマーを除く。)、(5)光開始剤及び(6)有機溶剤を含むことを特徴とする硬化性組成物に係る。【選択図】なし

Description

本発明は、新規な硬化性組成物に関する。
例えばスマートフォン、タブレット端末、PCモニター、券売機、インフォメーションディスプレイ、車載操作パネル、デジカメ、複合機(モニター部)、携帯ゲーム機器、銀行のATM、デジタルオーディオプレーヤー等のディスプレイ部においては、タッチセンサー機能(タッチ入力機能)を有する画面を手指で触れることにより操作できるタッチパネル化が普及しつつある。これらのディスプレイ部においては、解像度が上がり、より鮮明な画像を表示できるようになっているが、画面表面にキズ、汚れ等がつくと鮮明な画像が見づらくなってしまう。そこで、鮮明な画像を長期にわたって維持できるように保護フィルムが画面表面に配置される。
保護フィルムには、上記のような目的から透明性、耐摩耗性、防汚性、撥水性・撥油性、指紋拭き取り性等が要求されるが、その他にも反射防止性、抗菌性等の機能も兼ね備えた保護フィルムが開発されている。
例えば、低屈折率層を備える反射防止フィルムの前記低屈折率層を形成するために用いる低屈折率層形成用樹脂組成物であって、官能基数が3~8の少なくとも1種類の多官能のアクリレートモノマーまたはメタクリレートモノマーである多官能モノマーと、特定の一般式で表される2官能のアクリレートモノマーまたはメタクリレートモノマーである2官能モノマーとを含有することを特徴とする、低屈折率層形成用樹脂組成物が知られている(特許文献1)。
タッチパネル用のフィルムとしては、例えば基材上にハードコート層を有するハードコートフィルムであって、該ハードコート層は、電離放射線硬化性官能基を有する防汚剤、及び電離放射線硬化性官能基を有するバインダー樹脂成分を含有してなる電離放射線硬化性組成物の硬化物を含み、該ハードコート層は実質的に粒子を含まず、かつ該ハードコート層が特定の条件を満たす、ハードコートフィルムが提案されている(特許文献2)。
また例えば、少なくとも一方の表面が、接触子の移動速度v(mm/s)を変化させて相対動摩擦係数μを測定したとき、前記移動速度の常用対数であるlog(v)を横軸、μを縦軸として線形フィッティングで得られた直線の傾きaが0.01以上であり、かつ切片b が0.6以下である摩擦特性を有するフィルムが知られている(特許文献3)。
しかしながら、これらのフィルムは所定の特性を備えているがゆえに保護フィルムとして利用できるものの、タッチパネル(タッチスクリーン)用として用いるためにはさらなる改善の余地がある。すなわち、指滑り性の問題がある。
最近では、装置の高機能化又は小型化に伴って、タッチパネルをより細かく操作する必要も生じており、タッチパネル上で指の細かな動きが必要となる。この場合、タッチパネル表面と指表面との間でひっかかり等があると、円滑に指を動かすことができず、素早い操作ができなくなったり、誤操作の原因にもなる。
特開2014-63061号公報 特開2018-202697号公報 国際公開WO2019/82664
これに対し、本願出願人は、上記のような点が改善された保護フィルム又はハードコートを提供すべく、指滑り性に優れた硬化層を形成できる硬化性組成物を開発し、既に特許出願している。
この硬化性組成物による硬化層は、指滑り性に優れているので、タッチパネル等の保護フィルムとして好適に用いることができる。この場合、硬化層にさらに高い耐摩耗性を付与することができれば、これまで以上の用途拡大が期待される。
従って、本発明の主な目的は、良好な指滑り性とともに耐摩耗性にも優れた硬化層を形成できる硬化性組成物を提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の組成からなる組成物を採用することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の硬化性組成物及びその硬化層を含むフィルムに係る。
1. 下記成分:
(1)数平均分子量が3000以上7500以下のパーフルオロポリエーテル基含有(メタ)アクリレートモノマー、
(2)数平均分子量が500以上3000未満のフッ素基含有(メタ)アクリレートモノマー、
(3)フッ素基を含まない単官能(メタ)アクリレートモノマー、
(4)多官能(メタ)アクリレートモノマー(但し、前記(1)~(2)の(メタ)アクリレートモノマーを除く。)、
(5)光開始剤及び
(6)有機溶剤
を含むことを特徴とする硬化性組成物。
2. 前記パーフルオロポリエーテル基含有(メタ)アクリレートモノマーの固形分含有量が10~30重量% である、前記項1に記載の硬化性組成物。
3. 前記パーフルオロポリエーテル基含有(メタ)アクリレートモノマー100重量部に対して前記フッ素基含有(メタ)アクリレートモノマーが150重量部以上含まれる、前記項1に記載の硬化性組成物。
4. 有機溶剤が、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤及びアミド系溶剤の少なくとも1種を含む、前記項1に記載の硬化性組成物。
5. さらに(メタ)アクリロイル基含有ポリジメチルシロキサンをさらに含む、前記項1に記載の硬化性組成物。
6. 前記項1~5のいずれか1項に記載の硬化性組成物の硬化層が最表面層として配置されているフィルム。
7. 前記硬化層の厚さが0.01~0.1μmである、前記項6に記載のフィルム。
8. 前記項6に記載のフィルムが基材上に積層されてなる光学製品。
9. 前記基材が、タッチパネル式ディスプレイにおいてタッチセンサー部となる表示画面である、前記項8に記載の光学製品。
本発明によれば、良好な指滑り性とともに耐摩耗性にも優れた硬化層を形成できる硬化性組成物を提供することができる。
特に、本発明の硬化性組成物は、パーフルオロポリエーテル基含有(メタ)アクリレートモノマー(第1成分)及び比較的小さな分子量を有するフッ素基含有(メタ)アクリレートモノマー(第2成分)とともに、フッ素基を含有しない単官能(メタ)アクリレートモノマーを用いているので、良好な指滑り性を保持しつつ、高い耐摩耗性も発揮することが可能となる。その結果、良好な指滑り性に加え、比較的高い撥液性等を持続させることもできる。この作用機序は定かではないが、前記の単官能(メタ)アクリレートモノマーを用いることによって、隣接する層又は基材との密着性(親和性)等が改善させることによるものと推察される。
また、本発明の硬化性組成物は、比較的大きな分子量を有するパーフルオロポリエーテル基含有(メタ)アクリレートモノマー(第1成分)と、比較的小さな分子量を有するフッ素基含有(メタ)アクリレートモノマー(第2成分)とを併用することによって、単独ではフッ素系溶媒にしか溶解しない第1成分をメチルエチルケトン(MEK)等のような汎用溶剤に効果的に溶解させることができる結果、指滑り性の良い硬化層を形成することができる。特に、この硬化層は、フッ素系材料から構成されていることから、撥水性、撥油性(撥インキ性)等に優れていることも、指滑り性の向上に寄与しているものと考えられる。すなわち、手先に汗又は皮脂がついていても、上記硬化層はそれらをはじくことができるので、硬化層表面上での指の滑りが良好になると考えられる。
しかも、本発明の硬化性組成物は、上記のように汎用溶剤に溶解した溶液の形態で提供されるので、薄い塗膜を形成できる結果、特に0.1μm以下の薄膜からなる硬化層を提供することができる。これにより、たとえ下層として屈折率制御層、反射防止層等の光学的な機能を有する層を有していたとしても、それらの機能を妨げることなく、所望の指滑り性をもつ最表面を有する硬化層あるいはフィルムを提供することができる。すなわち、本発明の硬化層は、特に、光学機能層の表面を保護するためのフィルムとしても好適に用いることができる。
このような特徴を有する本発明の硬化性組成物は、例えば光学製品における保護層又は保護フィルムとして好適に用いることができる。特に、手指で操作できるタッチパネルの画面(最表面)を保護するための材料としても最適である。
1.硬化性組成物
本発明の硬化性組成物(本発明組成物)は、下記成分:
(1)数平均分子量が3000以上7500以下のパーフルオロポリエーテル基含有(メタ)アクリレートモノマー(第1成分)、
(2)数平均分子量が500以上3000未満のフッ素基含有(メタ)アクリレートモノマー(第2成分)、
(3)フッ素基を含まない単官能(メタ)アクリレートモノマー(第3成分)、
(4)多官能(メタ)アクリレートモノマー(但し、前記(1)及び(2)の(メタ)アクリレートモノマーを除く。)(第4成分)、
(5)光開始剤(第5成分)及び
(6)有機溶剤(第6成分)
を含むことを特徴とする。
なお、本発明においては、特にことわりのない限り、アクリロイル基又はメタクリロイル基を「(メタ)アクリロイル基」と総称する。アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を「(メタ)アクリロイルオキシ基」と総称する。また、アクリレート又はメタクリレートを「(メタ)アクリレート」と総称し、アクリル酸又はメタクリル酸を「(メタ)アクリル酸」と総称する。
A.本発明組成物の構成成分
第1成分
第1成分であるパーフルオロポリエーテル基含有(メタ)アクリレートモノマーは、数平均分子量が3000以上7500以下(好ましくは4000以上7000以下)という物性を有する。このような比較的大きな分子量のモノマーを用いることにより、高い指滑り性を得ることができる。
本発明では、例えば一般式A-PFPE-B(但し、PFPEはパーフルオロポリエーテル基を示し、A及びBの一方又は両方が(メタ)アクリロイル基含有有機官能基であり、A又はBが(メタ)アクリロイル基含有有機官能基でない場合は炭素数10以下で水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていても良いアルキル基である。)で示される化合物を第1成分として用いることができる。
パーフルオロポリエーテル基(PFPE)は、-(C2xO)-(x,mは0以外の整数である。)を基本単位(ユニット)とし、これらが複数個連結された構造を有する。mが2以上の場合、各(C2xO)は、互いに同じであっても良いし、互いに異なっていても良い。すなわち、PFPEは、1種のユニット単独の繰り返しからなる構造でも良いし、互いに異なる2種以上のユニットの組み合わせからなる構造であっても良い。また、(C2xO)は、炭素鎖が直鎖状又は分岐状のいずれであっても良い。
ユニットとなる-(C2xO)-としては、例えばCFO、CFCFO、CFCFCFO、CFCFCFCFCFO、CF(CF)CFO、CF(CF)CF(CF)CFO、CFCF(CF)CFCFO等が挙げられるが、これらに限定されない。特に、本発明では、PFPEとして、-(CFCFO)-(CFO)-(但し、m,nは0以外の整数である。)等を好適に採用することができる。この場合、前記m,nは、例えば10≦m≦40程度,10≦n≦40程度の範囲内とすることもできるが、上記分子量の範囲内である限りは、上記m,nの範囲に限定されない。
(メタ)アクリロイル基含有有機官能基A,Bとしては、限定的でなく、末端に(メタ)アクリロイル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基を有する有機官能基であれば良い。
例えば、ウレタン結合を有しない(メタ)アクリロイル基含有有機官能基A,Bとして、-R-R(Rは(メタ)アクリロイル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基であり、Rは炭素数10以下で水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていても良いアルキレン基である。)で示される有機官能基を好適に採用することができる。従って、例えば前記A又はBとしては、-CF-R、-CH-R、-CFCH-R、-CFCF-R,-CFCHCH-R、-CHCF-R、-CHCH-R等を例示することができる。
また例えば、ウレタン結合を有する(メタ)アクリロイル基含有有機官能基A,Bとして、
(i)-R-OCONH-R(Rは(メタ)アクリロイル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基であり、Rは炭素数10以下で水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていても良いアルキレン基である。)、又は
(ii)-R-OCONH-R-(R(Rは(メタ)アクリロイル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基であり、Rは炭素数10以下で水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていても良いアルキレン基であり、Rは分岐鎖を有しても良い炭素数1~10の炭化水素基であり、nは1又は2の整数である。)
で示される有機官能基を好適に採用することができる。
従って、前記A又はBの具体例としては、-CH-OCONH-R、-CF-OCONH-R、-CFCH-OCONH-R、-CFCF-OCONH-R,CFCHCH-OCONH-R、-CHCF-OCONH-R、-CHCH-OCONH-R、-CFCH-OCONH-CHCH-R、-CFCH-OCONH-C(CH)-(R等を挙げることができる。
また、前記A又はBが(メタ)アクリロイル基含有有機官能基でない場合、前記A又はBは、炭素数10以下で水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていても良いアルキル基であることが好ましい。例えばCF-、CFCF-、CFCH-、CH-、CHCF-等の有機基が挙げられる。
このような第1成分自体としては、公知又は市販のものを使用することができるほか、公知の製造方法によって合成された化合物を用いることもできる。
市販品としては、例えば製品名「Fomblin MD40」(ソルベイスペシャルティポリマーズ株式会社製)等を用いることができる。
第1成分を製造する場合は、パーフルオロポリエーテル基の両端又は一端に(メタ)アクリロイル基を結合させる方法等を採用することができる。より具体的には、例えば主鎖としてパーフルオロポリエーテル基を有し、かつ、両末端基又は一方の末端基としてOH基を有する化合物(出発化合物)にイソシアネート基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させることによって、第1成分を好適に調製することができる。
前記の出発化合物は、公知又は市販のものを使用することができる。市販品としては、例えば水酸基含有パーフルオロポリエーテル系化合物として製品名「ZMF-402」,「FLUOROLINK D-6000」(いずれもソルベイスペシャルティポリマーズ株式会社製)「DOL-3000」、「DOL-4000」(いずれもシノケムジャパン株式会社製)等を用いることができる。上記「ZMF-402」は以下の一般式(1)で示される。上記「FLUOROLINK D-6000」は以下の一般式(2)で示される。
なお、上記の出発化合物において、OH基を有さない末端は、炭素数10以下で水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていても良いアルキル基であれば良い。例えば、CF-、CH-、CFCH-、CFCF-、CHCH-等が挙げられる。
上記のイソシアネート基含有(メタ)アクリレート化合物は、(メタ)アクリロイル基または(メタ)アクリロイルオキシ基とイソシアネート基を有する化合物であれば良く、公知又は市販のものを使用することもできる。市販品としては、例えば製品名「カレンズAOI」,「カレンズBEI」,「カレンズMOI」(いずれも昭和電工株式会社製)等を好適に用いることができる。
製造条件は、特に限定されないが、例えば出発化合物及びイソシアネート基含有(メタ)アクリレート化合物を溶媒中で20~70℃の温度下で反応させる工程(反応工程)及び反応生成液から第1成分(目的物)を回収する工程(回収工程)を含む方法によって実施することができる。
反応工程において、出発化合物とイソシアネート基含有(メタ)アクリレート化合物との仕込み比率は、特に限定されないが、例えばモル比で1:1.1~1:3.5程度の範囲内で適宜設定することができる。
また、反応工程においては、溶媒を用いた液相反応を実施することができる。この場合、溶媒としてはフッ素系溶媒を用いることが好ましい。フッ素系溶媒としては、例えばハイドロフルオロエーテル系溶剤を好適に用いることができる。このような溶剤としては、公知又は市販のものを使用することもできる。例えば、1,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン等を用いることができる。また、市販品としては、例えば製品名「ノベックHFE-7200」、「ノベックHFE-7300」(いずれも3M社製)等を好適に用いることができる。
反応工程では、必要に応じて触媒の存在下で実施することもできる。触媒としては、例えばアルカリ性触媒を好適に用いることができ、その中でも特にトリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン及び1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンの少なくとも1種の有機系のアルカリ性触媒が好ましい。
回収工程では、目的物となる第1成分を回収(単離)できる限り、その方法は特に制限されない。例えば、反応生成液にアルコール類(メタノール、エタノール等)を添加し、分層させた後、上澄み液(反応生成液の上層部)を除去する方法を採用することができる。すなわち、一般的には第1成分は反応生成液中で沈降するので、上澄み液を取り除くことで精製・分離することが可能となる。アルコール類の添加及び上澄み液の除去という一連の工程を複数回繰り返すことにより、より高い収率で第1成分を得ることができる。この場合、必要に応じて、減圧、乾燥等を実施することで第1成分を固形分として回収することもできる。
なお、本発明における数平均分子量の測定方法については、特に限定されず、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いたポリスチレン換算による測定、あるいは核磁気共鳴法を用いた構造解析による測定等により実施することができる。
本発明組成物における第1成分の固形分含有量は、限定的ではないが、通常は10~30重量%程度とし、特に15~25重量%とすることが好ましい。これにより、指滑り性等に優れた塗膜をより確実に形成することができる。
第2成分
第2成分であるフッ素基含有(メタ)アクリレートモノマーは、数平均分子量が500以上3000未満(好ましくは1000以上2000以下)という物性を有する。
第2成分を第1成分とともに併用することにより、メチルエチルケトン等のいわゆる汎用溶剤にも溶解する溶液タイプの組成物を提供することができる。第1成分単独では、フッ素系溶剤に溶解させることしかできず、汎用溶剤に溶解させることは困難であるため、指滑り性等に優れた塗膜を形成することができない。他方、フッ素系溶剤は、環境への負荷が懸念されており、コーティング加工時に発生する揮発物の排出制限という問題等が起こる。そこで、本発明では、このような諸問題を解消すべく、第1成分を第2成分と組み合わせて汎用溶剤に溶解させることによってはじめて指滑り性等に優れた塗膜を形成できる組成物を提供するに至ったものである。
フッ素基含有(メタ)アクリレートモノマーとしては、上記の数平均分子量の範囲内であれば特に限定されないが、パーフルオロポリエーテル基含有(メタ)アクリレートモノマーを好適に用いることができる。より具体的には、主鎖としてパーフルオロポリエーテル基を有し、かつ、炭素数10以下で水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていても良いアルキレン基を介して又は介さずに両末端基又は一方の末端基に(メタ)アクリロイル基又は(メタ)アクリロイルオキシ基が結合した化合物を用いることができる。
このような化合物としては、公知又は市販のものを使用することができるほか、公知の製造方法によって合成された化合物を用いることもできる。
市販品としては、例えば製品名「FLUOROLINK AD-1700」、「FLUOROLINK MD-700」、「FLUOROLINK 5101X」(いずれもソルベイスペシャルティポリマーズ株式会社製)「AC-1000」、「AC-2000」、「CAE-1000」(いずれもシノケムジャパン株式会社製)等を用いることができる。上記「FLUOROLINK AD-1700」は、下記一般式(3)で示される(m,nは0以外の整数であり、Xは(メタ)アクリロイル基含有有機官能基である。)。
第2成分を製造する場合、パーフルオロポリエーテル基の両端又は一端に(メタ)アクリロイル基を結合させる方法を採用することができる。より具体的には、例えば主鎖としてパーフルオロポリエーテル基を有し、かつ、両末端基又は一方の末端基としてOH基を有する化合物(出発化合物)にイソシアネート基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させることによって、第2成分を好適に調製することができる。
前記の出発化合物は、公知又は市販のものを使用することができる。市販品としては、例えば水酸基含有パーフルオロポリエーテル系化合物として製品名「ZMF-23」,「FLUOROLINK E10H」、「Fomblin D2」(いずれもソルベイスペシャルティポリマーズ株式会社製)「DOL-1000」、「DOL-2000」(いずれもシノケムジャパン株式会社製)等を用いることができる。上記「ZMF-23」は以下の一般式(4)で示される。上記「Fomblin D2」は以下の一般式(5)で示される。
なお、上記の出発化合物において、OH基を有さない末端は、炭素数10以下で水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていても良いアルキル基であれば良い。例えば、CF-、CH-、CFCH-、CFCF-、CHCH-等が挙げられる。
上記のイソシアネート基含有(メタ)アクリレート化合物は、(メタ)アクリロイル基または(メタ)アクリロイルオキシ基とイソシアネート基を有する化合物であれば良く、公知又は市販のものを使用することもできる。市販品としては、例えば製品名「カレンズAOI」,「カレンズBEI」、「カレンズMOI」(いずれも昭和電工株式会社製)等を好適に用いることができる。
製造条件は、特に限定されないが、例えば出発化合物及びイソシアネート基含有(メタ)アクリレート化合物を溶媒中で20~70℃の温度下で反応させる工程(反応工程)及び反応生成液から第2成分(目的物)を回収する工程(回収工程)を含む方法によって実施することができる。
反応工程において、出発化合物とイソシアネート基含有(メタ)アクリレート化合物との仕込み比率は、特に限定されないが、例えばモル比で1:1.1~1:3.5程度の範囲内で適宜設定することができる。
また、反応工程においては、溶媒を用いた液相反応を実施することができる。この場合、溶媒としてはフッ素系溶媒を用いることが好ましい。フッ素系溶媒としては、例えばハイドロフルオロエーテル系溶剤を好適に用いることができる。このような溶剤としては、公知又は市販のものを使用することもできる。例えば、1,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン等を用いることができる。また、市販品としては、例えば製品名「ノベックHFE-7200」、「ノベックHFE-7300」(いずれも3M社製)等を好適に用いることができる。
反応工程では、必要に応じて触媒の存在下で実施することもできる。触媒としては、例えばアルカリ性触媒を好適に用いることができ、その中でも特にトリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン及び1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンの少なくとも1種の有機系のアルカリ性触媒が好ましい。
回収工程では、目的物となる第2成分を回収(単離)できる限り、その方法は特に制限されない。例えば、反応生成液にアルコール類(メタノール、エタノール等)を添加し、分層させた後、上澄み液(反応生成液の上層部)を除去する方法を採用することができる。すなわち、一般的には第2成分は反応生成液中で沈降するので、上澄み液を取り除くことで精製・分離することが可能となる。アルコール類の添加及び上澄み液の除去という一連の工程を複数回繰り返すことにより、より高い収率で第2成分を得ることができる。この場合、必要に応じて、減圧、乾燥等を実施することで第2成分を固形分として回収することもできる。
なお、本発明における数平均分子量の測定方法については、特に限定されず、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いたポリスチレン換算による測定、あるいは核磁気共鳴法を用いた構造解析による測定等により実施することができる。
本発明組成物における第2成分の固形分含有量は、特に限定されないが、通常は10~50重量%程度とし、特に15~45重量%とすることが好ましい。これにより、第1成分の汎用溶剤への溶解がよりいっそう良好になり、ひいては優れた指滑り性等を有する塗膜をより確実に得ることができる。
また、第1成分と第2成分の比率は、限定的でなく、第1成分等の種類に応じて適宜設定すれば良いが、特に重量比で第1成分:第2成分=1:1.4~1:2程度とすることが望ましく、その中でも第1成分:第2成分=1:1.5~1:1.8とすることがより望ましい。このような範囲内に設定することよって、第1成分がMEK等の汎用有機溶剤に均一溶解しやすくなり、より優れた指滑り性を有するとともに、透明性の高い塗膜をより確実に得ることができる。
第3成分
第3成分は、フッ素基を含まない単官能(メタ)アクリレートモノマーを用いる。これは、1種又は2種以上で用いることができる。
水酸基を含有しない第3成分としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アクロイルモルホリン等が挙げられる。
また、水酸基を含有する第3成分としては、例えば2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明組成物における第3成分の固形分含有量は、特に限定されないが、上記のような第3成分の機能をより確実に発揮させるため、通常は5~20重量%程度とし、特に5~15重量%とすることが好ましい。
また、本発明組成物では、第3成分の固形分含有量を第4成分の固形分含有量100重量部に対して30~120重量部の範囲内に設定することによって、より優れた耐摩耗性を得ることができる。
第4成分
第4成分は、多官能(メタ)アクリレートモノマー(但し、前記第1成分及び第2成分を除く。)を用いる。第4成分は、特に、第1成分及び第2成分を基材又は下層により確実に固定し、塗膜性能の発現及びその耐久性の発現に寄与することができるものである。前記多官能(メタ)アクリレートモノマーは2官能以上のものを用いることができるが、特に3官能~6官能のものを好適に用いることができる。
多官能(メタ)アクリレートモノマーは、炭素-炭素不飽和結合を有する官能基の数が2個以上の(メタ)アクリレートモノマーである。
2官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリカーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性トリス((メタ)アクロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
4官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えばジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
5官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えばジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
6官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えばジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明組成物における第4成分の固形分含有量は、特に限定されないが、上記のような第3成分の機能をより確実に発揮させるため、通常は10~50重量%程度とし、特に15~30重量%とすることが好ましい。
第5成分
第5成分として光開始剤(光重合開始剤)を含む。これにより、本発明組成物が紫外線照射等による硬化を確実に開始させることができる。
光開始剤として、例えばジメチル-2,2′-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、4,4-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4-フェニルベンゾフェノン、t-ブチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド、メチルベンゾイルホルメート、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-4-モルホリノブチロフェノン、2-(ジメチルアミノ)-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン等が挙げられる。このような光重合開始剤としては市販品を用いることもできる。これらは1種又は2種以上で用いることができる。
本発明組成物における第5成分の固形分含有量は、例えば用いる重合開始剤の種類等に応じて適宜設定することができるが、前記の第5成分の役割という観点より、通常は3~15重量%程度とし、特に5~10重量%とすることが好ましい。
第6成分
本発明組成物は、第6成分として有機溶剤を含む。有機溶剤の種類は、第1成分等の種類に応じて適宜設定することができる。特に、本発明では、第1成分と第2成分とを均一に溶解させることができる有機溶剤の中で汎用的に用いられるケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤及びアミド系溶剤の少なくとも1種を含む有機溶剤を用いることが好ましい。なお、有機溶剤には、フッ素系溶剤が含まれないことが望ましい。
ケトン系溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
エステル系溶剤としては、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メトキシプロピルアセテート等が挙げられる。
アルコール系溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(1-メトキシ-2-プロパノール)等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えばジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N-メチルピロリドン(NMP)、ジエチルホルムアミド等が挙げられる。
有機溶剤の使用量は限定的ではなく、例えば本発明組成物の固形分含有量が0.1~90重量%程度(好ましくは0.1~50重量%程度)の範囲内となるように、例えば用いる成分等の種類、所望の粘度等に応じて適宜調整することができる。例えば、本発明組成物をペースト状として使用する場合は、固形分含有量を多めに設定すれば良い。
その他の成分
本発明組成物中には、第1成分~第6成分のほかにも、本発明の効果を妨げない範囲内において、必要に応じて他の成分を適宜配合することができる。例えば、架橋剤、反応性希釈剤(例えば単官能モノマー等)、無機微粒子(シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の酸化物微粒子)、防汚剤(スリップ剤)、表面調整剤、紫外線吸収剤、光安定剤、分散剤(界面活性剤)、湿潤剤、増粘剤、酸化防止剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、着色剤等が挙げられる。
特に、本発明では、(メタ)アクリロイル基含有ポリジメチルシロキサン(第7成分)を含有させることにより、形成される硬化層の動摩擦係数をよりいっそう低下させることができる結果、より高い指滑り性とともにより高い耐摩耗性を得ることもできる。
第7成分の(メタ)アクリロイル基含有ポリジメチルシロキサンとしては、例えばジメチルポリシロキサンを基本骨格とし、その側鎖及び又は末端に少なくとも(メタ)アクリロイル基が導入された化合物が挙げられる。このような化合物であれば、特に限定されず、公知又は市販のものを使用することもできる。従って、例えば市販の(メタ)アクリロイル基含有変性ポリジメチルシロキサン等を好適に用いることもできる。
本発明組成物における第7成分の固形分含有量は、特に限定されないが、上記のような第7成分の機能をより確実に発揮させるため、通常は5~40重量%程度とし、特に5~30重量%とすることが好ましい。
また、第7成分は、第1成分の固形分含有量100重量部に対して250重量部以下、好ましくは50~250重量部、さらに好ましくは50~130重量部の範囲内に設定することによって、より優れた指滑り性を得ることができる。
B.本発明組成物の性状等
本発明組成物の形態は、通常は液状である。この場合の粘度(20℃)は、所望の硬化層(ハードコート)の厚み等に応じて適宜設定で、例えば1~500mPa・s程度とすることができるが、これに限定されない。
本発明組成物は、本発明の効果を妨げない限り、溶液又は分散液のいずれでも良いが、特に第6成分である有機溶剤に少なくとも第1成分及び第2成分が溶解した溶液の形態であることが望ましい。溶液の形態とすることにより、より高い指滑り性を発揮できる塗膜(硬化膜)を形成することができる。
C.本発明組成物の製造
本発明組成物は、前記のような各成分を均一に混合することによって調製することができる。混合する際の混合順序等は特に限定されず、任意の順序を採用することができる。
混合は、例えばミキサー、ニーダー等の公知又は市販の装置を用いて実施することができる。また、混合する雰囲気は、通常は常温・常圧下で各成分を混合すれば良いが、これに限定されない。
D.本発明組成物の使用
本発明組成物の塗膜を硬化させることによって所望の硬化層を形成することができる。すなわち、本発明組成物から、指滑り性、耐摩耗性、撥水性等に優れた硬化層(硬化膜)をより確実に得ることができる。
硬化層は、透明、半透明又は不透明のいずれであっても良い。特に、ディスプレイ装置の画面等の保護フィルムとして用いる場合は、硬化層が透明又は半透明であることが望ましい。この場合の透明度は、限定的ではないが、通常はヘイズ値として0.1~5%程度の範囲とすれば良いが、特に1%以下であることが望ましい。
また、硬化層の厚みは、所望の硬度、成形性等に応じて適宜設定することができるが、通常は0.1μm以下程度とし、0.01~0.1μmが好ましく、特に0.01~0.05μmとすることが好ましい。特に、硬化層の下層として屈折率制御層等の光学的機能層を設ける場合、上記のような厚みに設定することにより、光学的機能層の光学的特性を妨げることなく効果的に発揮させることができる。換言すれば、本発明の硬化層は、光学的機能層表面を保護するための硬化層として好適に用いることができる。
硬化層の形成方法は、特に限定されず、例えばa)基材フィルム上に本発明組成物の塗膜を形成する工程及びb)前記塗膜を硬化させる工程を含む方法によって好適に実施することができる。
硬化層の下地(下層)となる基材フィルムは、特に限定されず、例えばアクリル系樹脂(ポリメタクリル酸メチル等)、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリアミド系樹脂(ナイロン等)、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂(塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等)、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等を挙げることができる。特に、透明性に優れるという点で、例えばポリエチレンテレフタレート等の透明性フィルムを好適に用いることができる。
基材フィルムの厚みは、例えば用途、使用場所等によって適宜変更することができ、例えば0.05~1mm程度とすることができるが、これに限定されない。
本発明組成物の塗膜を形成する方法は、例えば例えばドクターブレード法、バーコート法、ディッピング法、エアスプレー法、ローラーブラシ法、ローラーコーター法等の公知のコーティング方法により適宜行うことができる。
塗膜の形成量は、例えば所望の硬化層の厚みとなるような量とすれば良く、通常は得られる硬化膜の厚みが0.1μm程度以下の範囲内(好ましくは0.01~0.05μmの範囲内)で適宜設定することができる。
また、得られた塗膜は、硬化に先立って、必要に応じて乾燥工程を実施しても良い。乾燥方法は、自然乾燥のほか、例えば60~120℃程度の温度で加熱する方法であっても良い。
次いで、塗膜の硬化を行う。塗膜を硬化させる方法は、特に制限されないが、特に放射線(活性エネルギー線)による硬化方法を好適に採用することができる。放射線は、光重合開始剤が開裂するのに十分なエネルギーレベルを有するものであればいかなるものを用いても良い。放射線として、電磁放射線又は粒子放射線が挙げられ、特に紫外光、赤外光、可視光、遠赤外光等を用いることが好ましい。
本発明では、特に比較的簡易に硬化を実施できるという点で紫外線を好適に用いることができる。また、紫外線を照射する場合、その光源も限定的でなく、例えば高圧水銀ランプ、鉄ドープのメタルハライドランプ、ガリウムランプ、低圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、紫外線レーザ、LED等が挙げられる。従って、これらを備えた公知又は市販の装置を用いて硬化させることができる。
紫外線を照射する場合は、例えば100~400nm程度の波長領域であって、照度80~1000mW/cm程度、積算光量100~5000mJ/cm程度のエネルギーを有する紫外線を照射することができるが、これに限定されない。紫外線照射は、公知又は市販のUV照射装置を用いて実施することができる。
なお、紫外線照射する場合の温度条件は、特に限定されないが、通常は100℃以下の範囲内とすれば良い。従って、例えば室温付近(10~40℃程度)でも好適に実施することができる。
2.フィルム
本発明は、本発明組成物の硬化層を最表面に含むフィルム(本発明フィルム)も包含する。従って、本発明フィルムとしては、本発明組成物の硬化層の単層から構成されるフィルムのほか、基材フィルム又は他の層と積層してなる積層フィルムも例示できる。ただし、積層フィルムの場合でも、少なくとも前記硬化層が最表面に配置される。
基材フィルムとしては、限定的でなく、例えば前記で述べた樹脂フィルム等を好適に用いることができる。また、基材フィルムとしては、本発明組成物の硬化層の単層から構成されるフィルムを得るために(使用時に硬化層が剥離されることを前提として)離型フィルムを用いることもできる。
本発明組成物の硬化層と積層される他の層としては、例えば印刷層、光学的機能層(屈折率制御層、反射防止層、視野制御層等)、接着剤層、帯電防止層等を本発明の効果を妨げない範囲内において適用することができる。これらは、公知の方法に従って形成することができる。
特に、本発明は、光学的機能層と、その表面に最表面層として積層された本発明の硬化層とを含むフィルムが好ましい。すなわち、反射防止層等のような光学的機能層の表面を保護するために上記硬化層が形成されてなるフィルムが望ましい。本発明の硬化層は、比較的薄い厚みで所望の指滑り性等を発揮できるので、光学的機能層の光学的機能を効果的に引き出すことができる。
より具体的な実施形態の一例として、a)基材フィルム、b)前記基材フィルム上に形成された屈折率制御層(下層)及びc)前記の屈折率制御層に直に接した状態で積層された本発明組成物の硬化層(上層)を含むフィルムを好適に採用することができる。
この場合、上記の基材フィルム及び硬化層としては、前記で説明した方法に従って形成することができる。
また、屈折率制御層としては、反射防止機能を付与できれば特に限定されず、公知の屈折率制御層(反射防止層)等を採用できるほか、例えば多官能(メタ)アクリレートモノマー、酸化物含有微粒子、重合開始剤及び有機溶剤を含む硬化性組成物の硬化層を好適に採用することができる。以下、その硬化性組成物の硬化層を実施形態の一例として示す。
上記の多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、前記の第4成分で例示した化合物と同様のものを用いることができる。その含有量は、上記硬化性組成物中1~10重量%程度の範囲内で適宜設定することができる。
酸化物含有微粒子としては、光学材料に添加される公知又は市販の微粒子を用いることができ、例えばシリカ、ジルコニア等の無機酸化物の微粒子のほか、これらと樹脂との複合材料から構成される微粒子を用いることができる。また、これらの微粒子は、中実であっても良いし、中空であっても良い。微粒子の形状は、通常は球状であることが好ましいが、これに限定されない。微粒子の平均粒径は、例えば0.005~0.1μm程度とすることができる。酸化物含有微粒子の含有量は、特に制限されないが、上記硬化性組成物中1~10重量%程度の範囲内で適宜設定することができる。
重合開始剤は、前記の第5成分で例示した化合物と同様のものを用いることができる。その含有量は、上記硬化性組成物中0.1~10重量%程度の範囲内で適宜設定することができる。
また、有機溶剤としても、前記の第6成分で例示した溶剤と同様のものを用いることができる。この場合、有機溶剤の使用量は、限定的ではなく、例えば固形分含有量が5~90重量%程度の範囲内となるように、用いる成分等の種類、所望の粘度等に応じて適宜設定すれば良い。
これらを含む硬化性組成物を用いて硬化層である屈折率制御層を形成する。その形成方法等は、本発明組成物の硬化層の形成方法と同様にして実施することができる。
屈折率制御層(下層)の厚みは、特に制限されないが、通常は0.05~1μm程度とし、特に0.1~0.5μmとすることが好ましい。
3.光学製品
本発明は、本発明のフィルムが基材上に積層されてなる光学製品を包含する。特に、本発明では、ディスプレイの画面表面を保護するため、その画面表面を上記基材として適用することができる。その中でも、前記基材が、タッチパネル式ディスプレイにおいてタッチセンサー部となる表示画面であることが望ましい。
このようなタッチパネル式ディスプレイ(装置)としては、フィルムに少なくとも透明性と指滑り性とが要求されるものであればいずれの装置であっても良い。例えば、スマートフォン、タブレット端末、PCモニター、券売機、インフォメーションディスプレイ、車載操作パネル、デジカメ、複合機(モニター部)、携帯ゲーム機器、銀行のATM、デジタルオーディオプレーヤー等が挙げられる。これらの装置のディスプレス画面の表面上に本発明フィルムを積層した製品も、本発明の光学製品に包含される。
本発明のフィルムを基材上に積層する方法は、公知又は市販の保護フィルムを積層する方法と同様にすれば良い。例えば再剥離性を有する粘着剤を基材とフィルムとの間に介在させた状態で基材にフィルムを貼着する方法等が挙げられるが、これに限定されない。
本発明のフィルムは、前記のように、硬化層単層の場合のほか、光学的機能層/硬化層の組み合わせを含む積層体の場合がある。前者の場合は、基材/硬化層という構成となる。後者の場合は、基材/(光学的機能層/硬化層)、基材/(基材フィルム/光学的機能層/硬化層)等の構成となる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
実施例1
表1の「上層」に示す各成分を均一に混合することにより本発明の硬化性組成物(塗工液A)を調製した。他方、表1の「下層」に示す各成分を均一に混合することにより下層形成用の硬化性組成物(塗工液B)を調製した。表1中の各成分の組成(数値)の単位は「重量%」である。
基材フィルムとして市販のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡株式会社製、「コスモシャインA4100」を用い、その上に下層及び上層を順に形成した。より具体的には、前記PETフィルム上に塗工液BをNo.3のバーコーターを用いて塗工し、オーブン(エスペック株式会社製、乾燥機「SPH-102」)中にて90℃×1分で乾燥させた。
次に、紫外線照射装置(アイグラフィックス株式会社製,紫外線硬化用ランプ「H06-L41」、コンベア型紫外線照射装置「ECS-601」)を用いて紫外線照射(照度500mW/cm、積算光量500mJ/cm)し、下層を硬化させた。このようにしてPETフィルム上に下層(理論膜厚200nm)を形成させた。
その後、塗工液AをMEKで50倍希釈したものをNo.4のバーコーターを用いて下層表面上に塗工し、前記オーブン中にて90℃×1分で乾燥させた。
次いで、紫外線照射装置(アイグラフィックス株式会社製,紫外線硬化用ランプ「H06-L41」、コンベア型紫外線照射装置「ECS-601」)を用いて紫外線照射(照度500mW/cm、積算光量500mJ/cm)を実施し、各層を硬化させた。このようにして、PETフィルム上に下層(理論膜厚200nm)及び上層(理論膜厚17nm)が順に形成された積層体を得た。
実施例2~9
上層及び下層の形成に用いる塗工液として表1に示す組成に変更したほかは、実施例1と同様にして積層体を作製した。
比較例1~2
上層及び下層の形成に用いる塗工液として表1に示す組成に変更したほかは、実施例1と同様にして積層体を作製した。
なお、表1に示す各成分として、それぞれ以下の製品又は製法により得られた物質を用いた。また、下記の「分子量」は、いずれも「数平均分子量」を意味する。
(A)第1成分
(A1)長鎖PFPEアクリレート1
撹拌子を入れた10mlナスフラスコにソルベイスペシャルティポリマーズ株式会社製「Fluorolink D-6000」(0.5mmol,3.00g)、昭和電工社製「カレンズBEI」(1.2mmol,0.287g)、富士フィルム和光純薬社製トリエチルアミン(0.05mmol,0.05g)、3M社製「ノベックHFE-7200」3.0gを秤量した。反応液を60℃で6時間撹拌した。反応後の反応液に富士フィルム和光純薬社製メタノールを入れ、反応液を分層させた。下層が目的物であるので、上層の溶媒を除去した。メタノールを用いた洗浄工程を3回繰り返した。生成物をナスフラスコに入れ、減圧化して乾燥することで溶媒を除去し、目的物であるパーフルオロポリエーテル含有アクリレートを合成した(収率88%、2.89g)。このようにして、分子量6000のパーフルオロポリエーテルの両末端にアクリレートを有する長鎖PFPEアクリレート1(分子量6500)を得た。
(A2)長鎖PFPEアクリレート2
撹拌子を入れた50mlナスフラスコにソルベイスペシャルティポリマーズ株式会社製「ZMF-402」(3.0mmol,12.00g)、昭和電工社製「カレンズAOI」(3.6mmol,0.508g)、富士フィルム和光純薬社製トリエチルアミン(0.3mmol,0.030g)、3M社製「ノベックHFE-7200」12.0gを秤量した。反応液を60℃で6時間撹拌した。反応後の反応液に富士フィルム和光純薬社製メタノールを入れ、反応液を分層させた。下層が目的物であるので、上層の溶媒を除去した。メタノールを用いての洗浄工程を3回繰り返した。生成物をナスフラスコに入れ、減圧化乾燥することで溶媒を除去し、目的物であるパーフルオロポリエーテル含有アクリレートを合成した(収率90%、11.2g)。このようにして、分子量4000のパーフルオロポリエーテルの片末端にアクリレートを有する長鎖PFPEアクリレート2(分子量4200)を得た。
(B)第2成分
AD-1700:Fluorolink AD-1700(ソルベイスペシャルティポリマーズ株式会社製)分子量約1500のパーフルオロポリエーテルの両末端にアクリレートを有する材料(不揮発分70%、分子量1700)
(C)第3成分
(C1)ACMO:アクリロイルモルホリン(KJケミカルズ株式会社製)
(C2)ライトエステルL:ラウリルメタクリレート(共栄社化学株式会社製)
(C3)ライトエステルHO-250(N):2-ヒドロキシエチルメタクリレート(共栄社化学株式会社製)
(D)第4成分
M-306:アロニックスM-306(東亜合成株式会社製)ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートとの混合物(ペンタエリスリトールトリアクリレートの含有率65~70%)
(E)第5成分
Omnirad184:IBM RESINS B.V.:1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトン
(F)第6成分
MEK:メチルエチルケトン(関東化学株式会社製)
(G)第7成分
BYK-UV3505:ビックケミー・ジャパン株式会社製、アクリレートを有する変性ポリジメチルシロキサン(不揮発分40%)
試験例1
各実施例及び比較例で得られた積層体について、以下の特性をそれぞれ調べた。その結果も併せて表1に示す。
(1)ヘイズ
日本電色工業株式会社製 ヘーズメーター:NDH5000を用いて測定した。判定基準は、ヘイズ値が1%以下の場合を「○」、1%を超える場合を「×」と表記した。
(2)水接触角
協和界面科学株式会社製「Drop Master 700」を用いて水に対する接触角を測定した。測定温度は20℃である。判定基準は、接触角が110°以上を「◎」、105°以上110°未満を「○」、100°以上105°未満を「△」、100°未満を「×」と表記した。
(3)動摩擦係数
新東科学株式会社製「トライボギアType14FW」を用い、端子:薬包紙、荷重:500g、測定速度:1000mm/分、走査距離:50mmという条件下にて測定した。判定基準は、動摩擦係数が0.05以下を「◎」、0.05超え0.10以下を「○」、0.10超え0.15未満を「△」、0.15以上を「×」と表記した。
(4)指滑り性
積層体のコーティング表面を指で10cm程度5回なぞる試験(官能試験)を実施した。具体的には、実際のタブレット端末又はスマートフォンにタッチする場合のように上層(本発明硬化層)表面を軽く指でなぞって5回往復した際の触感で評価した。判定基準は、指がひっかかることなく滑る場合を「◎」、5回に1回は指がひっかかる(実際の使用上に問題なし)場合を「○」、指が滑らずに常にひっかかる場合を「×」と表記した。
(5)耐摩耗性
新東科学株式会社製「トライボギアType14FW」を用い、端子:金巾3号、荷重:130g、測定速度:5000mm/分、走査距離:50mm、往復回数3000~8000回という条件下にて、積層体のコーティング表面を摩擦試験に供し、往復回数3000回、5000回及び8000回を実施した後の前記表面の水接触角を前記(2)と同様にして測定した。それらの測定結果に基づき、以下のような判定基準で表記した。
(a)8000回往復後の接触角が100°以上の場合:「◎」
(b)5000回往復後の接触角が100°以上であり、かつ、8000回往復後の接触角が100°未満の場合:「○」
(c)3000回往復後の接触角が100°以上であり、かつ、5000回往復後の接触角が100°未満の場合:「△」
(d)3000回往復後の接触角が100°未満の場合:「×」
表1の結果からも明らかなように、実施例1,2の比較から、第1成分のPFPE分子量は3000以上が好ましいことがわかる。
実施例2と比較例1とを対比すると、実施例2では第3成分を添加することにより耐摩耗性が高くなることがわかる。
実施例1,3,4の結果から、第3成分は各種の単官能(メタ)アクリレートモノマーで所望の効果が得られることがわかる。この中でも、特にACMO又はライトエステルHO-250(N)のような親水性成分を用いると、より高い耐摩耗性が得られる。
実施例3,5と比較例2との対比から、第3成分と第4成分の配合割合は、第4成分の固形分に対して第3成分を0.3~1.2倍にすれば耐摩耗性が良く、3.6倍以上となる場合には耐摩耗性が低くなることがわかる。
実施例1,6,7,8の比較から、第7成分を添加すると動摩擦係数が低くなり、より高い耐摩耗性が得られることがわかる。配合割合は 第1成分の固形分に対して第7成分を0.5~2.5倍にすれば良く、特に撥水性の観点から0.5~1.3倍という割合が好ましいことがわかる。
実施例9は、基材フィルムに下層を積層させずに上層のみを積層させたものであるが、所望の効果が得られていることがわかる。

Claims (9)

  1. 下記成分:
    (1)数平均分子量が3000以上7500以下のパーフルオロポリエーテル基含有(メタ)アクリレートモノマー、
    (2)数平均分子量が500以上3000未満のフッ素基含有(メタ)アクリレートモノマー、
    (3)フッ素基を含まない単官能(メタ)アクリレートモノマー、
    (4)多官能(メタ)アクリレートモノマー(但し、前記(1)~(2)の(メタ)アクリレートモノマーを除く。)、
    (5)光開始剤及び
    (6)有機溶剤
    を含むことを特徴とする硬化性組成物。
  2. 前記パーフルオロポリエーテル基含有(メタ)アクリレートモノマーの固形分含有量が10~30重量% である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記パーフルオロポリエーテル基含有(メタ)アクリレートモノマー100重量部に対して前記フッ素基含有(メタ)アクリレートモノマーが150重量部以上含まれる、請求項1に記載の硬化性組成物。
  4. 有機溶剤が、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤及びアミド系溶剤の少なくとも1種を含む、請求項1に記載の硬化性組成物。
  5. さらに(メタ)アクリロイル基含有ポリジメチルシロキサンをさらに含む、請求項1に記載の硬化性組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の硬化性組成物の硬化層が最表面層として配置されているフィルム。
  7. 前記硬化層の厚さが0.01~0.1μmである、請求項6に記載のフィルム。
  8. 請求項6に記載のフィルムが基材上に積層されてなる光学製品。
  9. 前記基材が、タッチパネル式ディスプレイにおいてタッチセンサー部となる表示画面である、請求項8に記載の光学製品。

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