JP2023176089A - 情報隠蔽シート - Google Patents
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Abstract
【課題】互いに連接した本体片と隠蔽片とが剥離可能に貼着される情報隠蔽シートにおいて、本体片と隠蔽片とが貼着された直後に剥離開封された場合でもその痕跡を残すことができるとともに、不正な開封を検知するために必要な領域のみに剥離開封の痕跡を残す。【解決手段】本体片10と隠蔽片20とが折り部30を介して連接した構成において、本体片10の上辺及び下辺に沿って開封検知部13が配置されるとともに、隠蔽片20の、本体片10と隠蔽片20とが折り部30を介して折り畳まれた場合に開封検知部13に対向する領域に強接着部60が設けられ、開封検知部12には、V字状のハーフスリット13が、突出側が折り部30とは反対側を向いて複数形成されるとともに、開封検知部13の外周の辺に沿う領域にハーフスリット14が形成されており、ハーフスリット14は、ハーフスリット13の開口している側の端部に接している。【選択図】図1
Description
本発明は、互いに連接した本体片と隠蔽片とが剥離可能に貼着される情報隠蔽シートに関し、特に、本体片と隠蔽片とが貼着された状態から不正に剥離開封された場合にその旨を検知する技術に関する。
情報伝達媒体の1つであるはがきとして、情報表示欄を有する本体片と、情報表示欄に表示された情報を隠蔽するための隠蔽片とが連接した往復はがきが利用されている。このような往復はがきは、本体片と隠蔽片との連接辺を介して折り畳み、隠蔽片に積層された接着層によって本体片と隠蔽片とを剥離可能に貼着することで、情報表示欄に表示された情報を隠蔽することができる。
しかしながら、隠蔽片に積層された接着層は、本体片と隠蔽片とを剥離可能に貼着するものであるため、本体片と隠蔽片とが貼着された状態から不正に剥離開封されてしまう虞がある。
ここで、特許文献1には、秘匿情報を記入するための秘匿情報記入領域に設けられた本体紙片と、折込線を介して本体紙片に連接し、折込線で折り返すことにより本体紙片の秘匿情報記入領域を被覆する隠蔽紙片とを備えてなる情報隠蔽帳票であって、本体紙片の秘匿情報記入領域の外側部位に、折込線を除く三辺に沿ってハーフカット状の切り込み線により囲繞されてなる帯状の剥脱部を備えるとともに、隠蔽紙片の秘匿情報記入領域を被覆する内面の、剥脱部と重なり合う部位に、剥脱部毎の長手方向に沿って接着される接着層部を備えた情報隠蔽帳票が開示されている。この情報隠蔽帳票によれば、本体紙片と隠蔽紙片とを封緘した後に開封した場合、剥脱部が紙間剥離することになる。そのため、この剥脱部の紙間剥離によって開封の痕跡が残るため、不正な開封を検知することができる。
しかしながら、特許文献1に開示されたものにおいては、本体紙片と隠蔽紙片とを封緘した後に開封した場合に剥脱部が紙間剥離するためには、接着部が剥脱部に強く接着されていることが大前提となる。そのため、本体紙片と隠蔽紙片とを封緘した直後に開封した場合、剥脱部が紙間剥離せずに開封の痕跡が残らない虞がある。
また、特許文献1に開示されたものにおいては、本体紙片と隠蔽紙片とを封緘した後に開封した場合に剥脱部にて紙間剥離を確実に生じさせるために、切り込み線の一部を接着層部に対向するように形成している。しかしながら、その場合、剥脱部における紙間剥離が、本体紙片の外周や情報表示欄にまで及んでしまう虞がある。上述したような、情報表示欄を有する本体片と、情報表示欄に表示された情報を隠蔽するための隠蔽片とが連接した往復はがき等の情報隠蔽シートにおいては、本体片と隠蔽片とが貼着された状態から剥離された後、情報表示欄に表示された情報を機械読み取りする等といった機械処理が行われる場合がある。その場合、シートの外形を維持する必要があるが、剥脱部における紙間剥離が本体片の外周に及んでしまうとシートの外形を維持することができず、機械処理を行うことができなくなってしまうという問題点がある。また、剥脱部における紙間剥離が本体片の情報表示欄に及んでしまうと、情報表示欄に表示された情報が閲覧できなくなってしまうという問題点がある。
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、互いに連接した本体片と隠蔽片とが剥離可能に貼着される情報隠蔽シートにおいて、本体片と隠蔽片とが貼着された直後に剥離開封された場合でもその痕跡を残すことができるとともに、不正な開封を検知するために必要な領域のみに剥離開封の痕跡を残すことができる情報隠蔽シートを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、
情報表示欄を有する本体片と、前記本体片と連接した隠蔽片とを有し、前記本体片と前記隠蔽片との連接辺を介して前記情報表示欄が内側になるように折り畳まれて前記隠蔽片に積層された接着層によって前記本体片と前記隠蔽片とが剥離可能に貼着される情報隠蔽シートであって、
前記本体片は、前記隠蔽片との貼着面のうち前記連接辺と交差する上辺及び下辺に隣接する領域のそれぞれに、前記上辺及び前記下辺に沿って配置された開封検知部を有し、
前記隠蔽片は、前記本体片と前記隠蔽片とが前記連接辺を介して折り畳まれた場合に前記開封検知部に対向する領域内に強接着部を有し、
前記開封検知部は、
突出側とは反対側が開口し、前記突出側が前記連接辺とは反対側を向いた凸形状からなる第1のハーフスリットが、前記本体片と前記隠蔽片とが前記連接辺を介して折り畳まれた場合に前記強接着部に対向するように形成されるとともに、
当該開封検知部の外周のうち、少なくとも、上辺、下辺、及び前記連接辺側の辺に沿う領域に、前記複数の第1のハーフスリットを取り囲むように第2のハーフスリットが形成されており、
前記第2のハーフスリットは、前記第1のハーフスリットの開口している側の端部に接している。
情報表示欄を有する本体片と、前記本体片と連接した隠蔽片とを有し、前記本体片と前記隠蔽片との連接辺を介して前記情報表示欄が内側になるように折り畳まれて前記隠蔽片に積層された接着層によって前記本体片と前記隠蔽片とが剥離可能に貼着される情報隠蔽シートであって、
前記本体片は、前記隠蔽片との貼着面のうち前記連接辺と交差する上辺及び下辺に隣接する領域のそれぞれに、前記上辺及び前記下辺に沿って配置された開封検知部を有し、
前記隠蔽片は、前記本体片と前記隠蔽片とが前記連接辺を介して折り畳まれた場合に前記開封検知部に対向する領域内に強接着部を有し、
前記開封検知部は、
突出側とは反対側が開口し、前記突出側が前記連接辺とは反対側を向いた凸形状からなる第1のハーフスリットが、前記本体片と前記隠蔽片とが前記連接辺を介して折り畳まれた場合に前記強接着部に対向するように形成されるとともに、
当該開封検知部の外周のうち、少なくとも、上辺、下辺、及び前記連接辺側の辺に沿う領域に、前記複数の第1のハーフスリットを取り囲むように第2のハーフスリットが形成されており、
前記第2のハーフスリットは、前記第1のハーフスリットの開口している側の端部に接している。
上記のように構成された本発明においては、本体片と隠蔽片とが接着層によって貼着された状態から剥離開封されると、本体片の隠蔽片との貼着面のうち上辺及び下辺に隣接する領域のそれぞれに設けられた開封検知部においては、隠蔽片に設けられた強接着部に貼着されていることで、開封検知部に設けられた第1のハーフスリットがきっかけとなって本体片の紙間剥離が生じる。その際、第1のハーフスリットは、突出側とは反対側が開口した凸形状を有するが、突出側が、本体片と隠蔽片との連接辺とは反対側、すなわち本体片と隠蔽片とを剥離する際の剥離開始端側を向いていることで、紙間剥離が生じやすく、本体片と隠蔽片とが貼着された直後に剥離開封された場合でもその痕跡を残すことができる。また、紙間剥離は、本体片が第1のハーフスリットに沿って破断していくことで本体片に広がっていくが、開封検知部には、開封検知部の外周のうち、少なくとも、上辺、下辺、及び連接辺側の辺に沿う領域に、複数の第1のハーフスリットを取り囲むように第2のハーフスリットが形成されているため、本体片の紙間剥離が開封検知部よりも外側に広がっていくことが第2のハーフスリットによって回避され、それにより、紙間剥離が本体片の外周に及んで本体片の外形を維持することができなくなったり、紙間剥離が本体片の情報表示欄に及んで情報表示欄に表示された情報が閲覧できなくなったりすることが回避される。また、第2のハーフスリットが、第1のハーフスリットの開口している側の端部に接していることで、本体片が、第1のハーフスリットと第2のハーフスリットに沿って破断して紙間剥離していくこととなり、破断部分が醜くなったり、破断によって本体片が毛羽だったりして情報表示欄に表示された情報を機械読み取りする等といった機械処理が行われる際にトラブルが生じにくくなる。
また、開封検知部の外周上に、第1及び第2のハーフスリットを取り囲んで第3のハーフスリットが形成されていれば、例え、本体片の紙間剥離が第2のハーフスリットの外側にまで及んでしまったとしても、本体片の紙間剥離が開封検知部よりも外側に広がっていくことが第3のハーフスリットによって回避される。
また、開封検知部が、本体片の上辺及び下辺のそれぞれに沿って複数設けられており、強接着部が、本体片と隠蔽片とが連接辺を介して折り畳まれた場合に複数の開封検知部に対向する領域のそれぞれに対応して複数設けられていれば、強貼着部による本体片と隠蔽片との貼着面積を大きく減らすことなく、紙間剥離した後に強接着部が部分的に表出したとしてもその表出量を減らすことができるとともに、本体片と隠蔽片とが接着層によって貼着された状態から剥離開封された後に、紙間剥離された部分がカールしにくくなり、情報表示欄に表示された情報を機械読み取りする等といった機械処理が行われる際にトラブルが生じにくくなる。
本発明によれば、本体片の開封検知部に設けられた第1のハーフスリットが、突出側とは反対側が開口した凸形状からなり、突出側が本体片と隠蔽片との連接辺とは反対側を向いて形成されているため、紙間剥離が生じやすく、本体片と隠蔽片とが貼着された直後に剥離開封された場合でもその痕跡を残すことができる。また、開封検知部の外周のうち、少なくとも、上辺、下辺、及び連接辺側の辺に沿う領域に、複数の第1のハーフスリットを取り囲むように第2のハーフスリットが形成されているため、本体片の紙間剥離が開封検知部よりも外側に広がっていくことが第2のハーフスリットによって回避され、それにより、不正な開封を検知するために必要な領域のみに剥離開封の痕跡を残すことができる。
また、開封検知部の外周上に、第1及び第2のハーフスリットを取り囲んで第3のハーフスリットが形成されているものにおいては、例え、本体片の紙間剥離が第2のハーフスリットの外側にまで及んでしまったとしても、本体片の紙間剥離が開封検知部よりも外側に広がっていくことが第3のハーフスリットによって回避される。
また、開封検知部が、本体片の上辺及び下辺のそれぞれに沿って複数設けられており、強接着部が、本体片と隠蔽片とが連接辺を介して折り畳まれた場合に複数の開封検知部に対向する領域のそれぞれに対応して複数設けられているものにおいては、強貼着部による本体片と隠蔽片との貼着面積を大きく減らすことなく、紙間剥離した後に強接着部が部分的に表出したとしてもその表出量を減らすことができるとともに、本体片と隠蔽片とが接着層によって貼着された状態から剥離開封された後に、紙間剥離された部分がカールしにくくなり、情報表示欄に表示された情報を機械読み取りする等といった機械処理が行われる際にトラブルが生じにくくなる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の情報隠蔽シートの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は一方の面を示す図、(b)は(a)に示したA-A'断面図、(c)は(a)に示したB-B'断面図、(d)は他方の面を示す図である。図2は、図1に示した隠蔽はがき1の隠蔽片20から剥離紙40を剥離した構成を示す図であり、(a)は全体の構成を示す図、(b)は本体片10と隠蔽片20とが折り部30を介して折り畳まれた場合における開封検知部12と強接着部60との位置関係を示す図である。
図1は、本発明の情報隠蔽シートの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は一方の面を示す図、(b)は(a)に示したA-A'断面図、(c)は(a)に示したB-B'断面図、(d)は他方の面を示す図である。図2は、図1に示した隠蔽はがき1の隠蔽片20から剥離紙40を剥離した構成を示す図であり、(a)は全体の構成を示す図、(b)は本体片10と隠蔽片20とが折り部30を介して折り畳まれた場合における開封検知部12と強接着部60との位置関係を示す図である。
本形態は図1及び図2に示すように、本体片10と隠蔽片20とがそれぞれの一辺を連接辺として連接されたベースシート2の一方の面のうち隠蔽片20上に剥離紙40が貼着されてなる隠蔽はがき1である。
本体片10と隠蔽片20との連接辺には、ハーフスリットや筋押し等によって折り部30が形成されており、これにより、ベースシート2が折り部30を介して折り畳み可能となっている。
本体片10の一方の面には、この隠蔽はがき1を用いて伝達する情報を記入するための情報記入欄11が設けられているとともに、情報記入欄11の外側には、折り部50と交差する本体片10の上辺及び下辺に隣接する領域のそれぞれに、4つずつの開封検知部12が本体片10の上辺及び下辺に沿って配置されている。なお、開封検知部12の形状は、図1に示すように長方形(帯状)であってもよく、正方形であってもよく、その形状は限定されない。また、4つの開封検知部12の並び方向における最も外側となる両端辺間の長さは、本体片10の上辺及び下辺の80%以上であることが好ましい。また、情報記入欄11の代わりに、この隠蔽はがき1を用いて伝達する情報が印字された欄を設けてもよく、これらを併せて情報表示欄とする。
開封検知部12のそれぞれには、突出側とは反対側が開口したV字状の第1のハーフスリット13が、突出側が折り部30とは反対側を向いて、本体片10の上辺及び下辺に沿って複数並んで形成されている。また、開封検知部12のそれぞれには、開封検知部12の外周の辺に沿う領域に、ハーフスリット13を取り囲むように第2のハーフスリット14が形成されており、このハーフスリット14は、ハーフスリット13の開口している側の端部に接している。また、開封検知部12のそれぞれには、開封検知部12の外周の辺上に、ハーフスリット13,14を取り囲むように第3のハーフスリット15が形成されている。これらハーフスリット13~15は、ベースシート2を表裏貫通しないようにベースシート2の一方の面から形成され、その深さは互いに同一のものとなっており、例えば、ベースシート2の厚さの50%~60%となっている。
本体片10の他方の面には、この隠蔽はがき1の返信先の住所や氏名あるいは名称が表示される宛先情報表示領域16が設けられている。
隠蔽片20の一方の面には、ベースシート2が折り部30を介して折り畳まれた場合に開封検知部12に対向する領域内に、本体片10と隠蔽片20とを剥離困難に貼着するための接着剤が塗布されることで4つの強接着部60が設けられている。強接着部60は、ベースシート2が折り部30を介して折り畳まれた場合に複数のハーフスリット13に対向するように設けられている。具体的には図2(b)に示すように、強接着部60は、ベースシート2が折り部30を介して折り畳まれた場合に、ハーフスリット14で囲まれた領域の全域と対向するように設けられているが、4つの強接着部60のうち、4つの強接着部60の並び方向における両端となる2つの強接着部60は、ハーフスリット14で囲まれた領域のうち4つの強接着部60の並び方向における両端側に強接着部60に対向しない非貼着部61を有するように設けられている。なお、剥離困難とは、本体片10と隠蔽片20とが貼着された後に人間の手によって剥離した場合に、本体片10自体が裂かれたり厚み方向に紙間剥離されたりする程度に強く貼着されていることである。さらに隠蔽片20の一方の面には、隠蔽片20の上辺に沿う領域に設けられた強接着部60と隠蔽片20の下辺に沿う領域に設けられた強接着部60とに挟まれた領域に、例えば接着力が弱い接着剤が塗布されることで、本体片10と隠蔽片20とが貼着された後にこれらの剥離を可能とする擬似接着層50が積層されている。この擬似接着層50は、接着剤をドット状、格子状、斜線状に塗布することによって積層してもよい。その場合、接着剤の量を少なくすることができる。そして、これら擬似接着層50及び強接着部60を覆うように剥離紙40が剥離可能に貼着されている。なお、隠蔽片20の擬似接着層50が積層される領域に地紋等を印刷しておくことで、本体片10と隠蔽片20とが貼着された状態において、本体片10の情報記入欄11に記入された情報が透かして見られてしまうことを回避することも考えられる。その場合、隠蔽片20に地紋等を印刷した後に擬似接着層50を積層することになる。また、擬似接着層50においては、全ての領域にてその貼着力を一定とするのではなく、例えば、周縁部に沿う領域の貼着力を強くし、それに囲まれる領域の貼着力を弱くする等というように、複数の領域にて貼着力を互いに異ならせてもよい。周縁部に沿う領域の貼着力を強くし、それに囲まれる領域の貼着力を弱くすることで、隠蔽片20と本体片10とを剥離可能に貼着した後、隠蔽片20が本体片10から不用意に剥離しないようにすることができる。
剥離紙40は、その1つの端辺が、隠蔽片20の折り部30とは反対側の端辺と重なっており、この隠蔽はがき1の送付先の住所や氏名あるいは名称が表示される宛先情報表示領域41が設けられている。
以下に、上記のように構成された隠蔽はがき1の使用方法について説明する。
まず、図1及び図2に示した隠蔽はがき1の本体片10と隠蔽片20とを貼着するまでの使用方法について説明する。
図3は、図1及び図2に示した隠蔽はがき1の本体片10と隠蔽片20とを貼着するまでの使用方法を説明するための図である。
図1及び図2に示した隠蔽はがき1は、図3(a)に示すように、剥離紙40の宛先情報表示領域41に表示された宛先情報41aに従って送付先に届けられた後、この隠蔽はがき1の送付先から返信先に通知したい情報、例えば申し込み情報11aが情報記入欄11に記入される。
次に、情報記入欄11に記入された申し込み情報11aを用いて申し込みを行うために、図3(b)に示すように、隠蔽片20から剥離紙40が剥離される。すると、隠蔽片20の剥離紙40が貼着されていた領域に設けられた擬似接着層50と強接着部60とが表出する。
その後、図3(c)に示すように、情報記入欄11が設けられた面が内側となるように折り部30を介して折り畳まれ、擬似接着層50及び強接着部60によって、本体片10と隠蔽片20とが貼着される。そして、本体片10の宛先情報表示領域16に表示された宛先情報16aに従って隠蔽はがき1の返信先に送付されることになる。その際、本体片10の情報記入欄11が設けられた面に隠蔽片20が貼着されていることで、隠蔽はがき1の送付途中において、情報記入欄11に記入された申し込み情報11aが閲覧されてしまうことが回避される。
次に、図1及び図2に示した隠蔽はがき1の本体片10と隠蔽片20とが貼着された後に剥離された際の作用について説明する。
図4は、図1及び図2に示した隠蔽はがき1の本体片10と隠蔽片20とが貼着された後に剥離された際の作用を説明するための図である。
上記のようにして隠蔽はがき1が、本体片10と隠蔽片20とが貼着された状態で返信先に届けられると、図4(a)に示すように、隠蔽はがき1の返信先において、情報記入欄11に記入された申し込み情報11aを確認するために本体片10と隠蔽片20とが、折り部30とは反対側の端辺が剥離開始端として剥離されていく。
本体片10と隠蔽片20とが剥離されていくと、隠蔽片20の擬似接着層50が積層された領域においては、本体片10と隠蔽片20とが擬似接着層50によって剥離可能に貼着されていることで本体片10から剥離片20が剥離される。一方、隠蔽片20の強接着部60が設けられた領域においては、本体片10と隠蔽片20とが強接着部60によって剥離困難に貼着されていることで本体片10にて紙間剥離が生じる。そして、本体片10の強接着部60に対向する領域には開封検知部12が設けられているため、本体片10は開封検知部12にて紙間剥離し、図4(b)に示すように、本体片10の一部が紙間剥離部17bとなって強接着部60によって隠蔽片20に貼着されたままとなるとともに、紙間剥離部17bが紙間剥離した紙間剥離部17aが本体片10側に残った状態となる。
このように、隠蔽はがき1の本体片10と隠蔽片20とが貼着された後に剥離された場合に、本体片10における紙間剥離によって紙間剥離部17a,17bが生じることで、剥離開封の痕跡が残り、不正な開封を検知することができる。
ここで、開封検知部12に設けられたハーフスリット13,14による作用について説明する。
図5は、図1及び図2に示した隠蔽はがき1における開封検知部12に設けられたハーフスリット13,14による作用について説明するための図である。
開封検知部12に設けられたハーフスリット13は、上述したように、突出側とは反対側が開口したV字状を有し、突出側が本体片10と隠蔽片20との連接辺となる折り部30とは反対側を向いている。一方、剥離可能に貼着された本体片10と隠蔽片20とは、折り部30を介して折り畳まれて剥離可能に貼着されているため、折り部30とは反対側を剥離開始端として互いに剥離されていく。すると、開封検知部12のハーフスリット13が形成された領域が強接着部60によって隠蔽片20に貼着されていることで、図5(a)に示すように、ハーフスリット13のV字状に囲まれた部分が、その面積が狭いV字状の頂点から紙間剥離しはじめ、その一部が紙間剥離部17bとなって隠蔽片20に貼着されたままとなるとともに、紙間剥離部17bが紙間剥離した紙間剥離部17aが本体片10側に残った状態となる。なお、上述したような作用を生じさせるには、強接着部60は、ベースシート2が折り部30を介して折り畳まれた場合にハーフスリット13のV字状の頂点に対向するように設けられている必要がある。
その後、図5(a)に示すように、本体片10の紙間剥離による破断部分18がハーフスリット13の開口している側の端部に達すると、ハーフスリット13の開口している側の端部がハーフスリット14に接していることで、本体片10のうち紙間剥離による破断部分18が、図5(b)に示すように、ハーフスリット13とハーフスリット14に沿っていき、本体片10が紙間剥離していくこととなる。
このように、開封検知部12において、突出側とは反対側が開口したV字状を有するハーフスリット13が、突出側が、本体片10と隠蔽片20とを剥離する剥離開始端側を向いて形成されていることで、紙間剥離が生じやすく、本体片10と隠蔽片20とが貼着された直後に剥離開封された場合でもその痕跡を残すことができる。また、本体片10と隠蔽片20とが弱い力で貼着された場合でもその痕跡を残すことができる。また、紙間剥離が生じやすいことから、強接着部60を構成する接着剤を薄く塗布したりして強接着部60の接着力を弱めても紙間剥離を生じさせることができ、それにより、剥離紙40の隠蔽片20との貼着面に情報が印刷されている場合に印刷剥がれを防止することができる。
また、上述したように、隠蔽はがき1の本体片10と隠蔽片20とが貼着された後に剥離されると、本体片10のうち紙間剥離による破断部分18が、ハーフスリット13とハーフスリット14に沿っていき、本体片10が紙間剥離していくことにより、紙間剥離が本体片10の外周に及んで本体片10の外形を維持することができなくなったり、紙間剥離が本体片10の情報記入欄11に及んで情報記入欄11に記入された情報が閲覧できなくなったりすることが回避される。
また、上述したように、本体片10のうち紙間剥離による破断部分18がハーフスリット13とハーフスリット14に沿っていくことで本体片10が紙間剥離していくこととなることにより、本体片10の紙間剥離による破断部分が醜くなったり、破断によって本体片10が毛羽だったりして情報記入欄11に表示された情報を機械読み取りする等といった機械処理が行われる際にトラブルが生じにくくなる。
次に、開封検知部12に設けられたハーフスリット15による作用について説明する。
図6は、図1及び図2に示した隠蔽はがき1における開封検知部12に設けられたハーフスリット15による作用について説明するための図である。
上述したように、隠蔽はがき1の本体片10と隠蔽片20とが貼着された後に剥離されると、本体片10のうち紙間剥離による破断部分18が、ハーフスリット13とハーフスリット14に沿っていくこととなるが、開封検知部12の外周上に、ハーフスリット13,14を取り囲んでハーフスリット15が形成されていることで、例え、図6(a)に示すように本体片10の紙間剥離による破断部19がハーフスリット14の外側にまで及んでしまったとしても、図6(b)に示すように、本体片10の紙間剥離が開封検知部12よりも外側に広がっていくことがハーフスリット15によって回避されることになる。
上述したように本形態においては、本体片10と隠蔽片20とが貼着された直後に剥離開封された場合でもその痕跡を残すことができるとともに、不正な開封を検知するために必要な領域のみに剥離開封の痕跡を残すことができるが、そのような作用を生じさせるための開封検知部12が、本体片10の上辺及び下辺のそれぞれに沿って複数設けられており、強接着部60が、本体片10と隠蔽片20とが折り部30を介して折り畳まれた場合に複数の開封検知部12に対向する領域のそれぞれに対応して複数設けられていることにより、強貼着部60による本体片10と隠蔽片20との貼着面積を大きく減らすことなく、紙間剥離した後に強接着部60が部分的に表出したとしてもその表出量を減らすことができる。これにより、本体片10と隠蔽片20とを剥離した後、その表面が強接着部60によってべたついたり、情報記入欄11に表示された情報を機械読み取りする等といった機械処理が行われる際にトラブルが生じたりする可能性を低減できるとともに、本体片10と隠蔽片20とが貼着された状態から剥離開封された際に、紙間剥離された部分がカールしにくくなり、これによっても、情報記入欄11に表示された情報を機械読み取りする等といった機械処理が行われる際にトラブルが生じにくくなる。
(第2の実施の形態)
図7は、本発明の情報隠蔽シートの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は一方の面を示す図、(b)は(a)に示した隠蔽片120から剥離紙40を剥離した構成を示す図である。
図7は、本発明の情報隠蔽シートの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は一方の面を示す図、(b)は(a)に示した隠蔽片120から剥離紙40を剥離した構成を示す図である。
本形態は図7に示すように、図1及び図2に示したものに対して、本体片110に設けられた開封検知部112が、本体片110の上辺及び下辺に隣接する領域のそれぞれに、本体片110の上辺及び下辺に沿って延びる1つの帯状のものとなっているとともに、隠蔽片20に設けられた強接着部160が、開封検知部112に対応して、ベースシート2が折り部30を介して折り畳まれた場合に開封検知部112に対向する領域内に帯状となって設けられている点が異なる隠蔽はがき101である。開封検知部112には、図1及び図2に示したものと同様のV字状のハーフスリット113が、突出側が折り部30とは反対側を向いて、本体片110の上辺及び下辺に沿って複数並んで形成されているとともに、開封検知部112の外周の辺に沿う領域に、ハーフスリット13の開口している側の端部に接したハーフスリット114が複数のハーフスリット113を取り囲むように形成されており、さらに、開封検知部112の外周の辺上に、ハーフスリット113,114を取り囲むようにハーフスリット115が形成されている。なお、開封検知部112の長手方向の長さは、本体片110の上辺及び下辺の80%以上であることが好ましい。
上記のように構成された隠蔽はがき101においても、本体片110と隠蔽片120とが貼着された後に剥離された場合に本体片110が開封検知部112にて紙間剥離する際、ハーフスリット113によって本体片10が紙間剥離しやすくなっており、また、紙間剥離が開封検知部112よりも外側に広がっていくことがハーフスリット114,115によって回避されることになる。
また、本形態においては、隠蔽片20に設けられた強接着部160が、ベースシート2が折り部30を介して折り畳まれた場合に開封検知部112に対向する領域内に帯状となって設けられていることで、本体片110と隠蔽片120とが貼着された場合に、本体片110及び隠蔽片120の上辺や下辺に沿う領域が部分的に浮いてしまったり、他の郵便物等が引っ掛かってしまったりすることが回避される。
(第3の実施の形態)
図8は、本発明の情報隠蔽シートの第3の実施の形態を示す図であり、(a)は一方の面を示す図、(b)は(a)に示した隠蔽片220から剥離紙40を剥離した構成を示す図である。
図8は、本発明の情報隠蔽シートの第3の実施の形態を示す図であり、(a)は一方の面を示す図、(b)は(a)に示した隠蔽片220から剥離紙40を剥離した構成を示す図である。
本形態は図8に示すように、図1及び図2に示したものに対して、隠蔽片220の折り部30とは反対側の辺に沿って、例えば強接着部60を構成する接着剤が、ドット状に塗布されることで複数の点糊部70が設けられている点が異なる隠蔽はがき201である。剥離紙40は、擬似接着層50、強接着部60及び点糊部70を全て覆うようにして隠蔽片220に剥離可能に貼着されている。
上記のように構成された隠蔽はがき201においても、本体片10と隠蔽片220とが貼着された後に剥離された場合に本体片10が開封検知部12にて紙間剥離する際、ハーフスリット13によって本体片10が紙間剥離しやすくなっており、また、紙間剥離が開封検知部12よりも外側に広がっていくことがハーフスリット14,15によって回避されることになる。さらに、本形態の隠蔽はがき201においては、本体片10と隠蔽片220とが貼着された後に剥離される際の剥離開始端側となる隠蔽片220の折り部30とは反対側の辺に沿って複数の点糊部70が設けられていることで、隠蔽はがき201の送付途中にて不用意に剥離開封してしまうことが回避される。
なお、上述した実施の形態においては、ハーフスリット13~15,113~115の深さが、互いに同一のものとなっているが、ハーフスリット13,113がきっかけとなって生じた紙間剥離が開封検知部12,112よりも外側に広がっていくことをハーフスリット14,15,114,115によって確実に回避するためには、ハーフスリット14,15,114,115の深さをハーフスリット13,113以上とすることが好ましい。
また、上述した実施の形態においては、開封検知部12,112の外周の辺に沿う領域にハーフスリット14,114が形成されているが、ハーフスリット13,113がきっかけとなって生じた紙間剥離による本体片10,110の破断部分がハーフスリット14,114に沿うようにするには、ハーフスリット14,114は、開封検知部12,112の外周のうち、少なくとも、上辺、下辺、及び折り部30側の辺に沿う領域に、複数のハーフスリット13,113を取り囲むように形成されていればよい。その場合、ハーフスリット14,114が複数のハーフスリット13,113の全てを取り囲むようにするために、ハーフスリット14,114の折り部30とは反対側の端部が、少なくとも、複数のハーフスリット13,113のうち折り部30から最も離れたハーフスリット13,113を挟むように配置され、そこからハーフスリット14,114が折り部30側に向かって延びていればよい。
また、上述した実施の形態においては、強接着部60,160が、ベースシート2が折り部30を介して折り畳まれた場合に、ハーフスリット14,114で囲まれた領域の全域と対向するように設けられていることで、強接着部60,160の短手方向の長さと、ハーフスリット14,114で囲まれた領域の短手方向の長さとが同一となっているが、強接着部60,160の短手方向の長さは、ハーフスリット14,114で囲まれた領域の短手方向の長さ以下であればよい。
また、上述した実施の形態においては、開封検知部12,112に形成されるハーフスリット13,113として、突出側とは反対側が開口したV字状のものを例に挙げて説明したが、その他に、突出側とは反対側が開口したU字状のもの等、凸形状を有するものであれば、開封検知部12,112に形成されるハーフスリット13,113は、V字状のものに限らない。ただし、V字状のように頂角を有するものであれば、本体片10,110と隠蔽片20,120,220とを剥離した際に本体片10にてハーフスリット13,113をきっかけとして紙間剥離が生じやすくなる。
図9は、図1、図7及び図8に示した開封検知部12,112の内部に形成されるハーフスリットの他の形態を示す図である。
開封検知部12,112の内部に形成されるハーフスリットとしては、突出側とは反対側が開口し、突出側が折り部30とは反対側を向いた凸形状からなるものであれば、図9(a)~(c)に示すように円弧を用いたハーフスリット313,413,513や、図9(d),(e)に示すように3つの辺からなる略コの字型のハーフスリット613,713であってもよく、さらには、図9(f),(g)に示すように折り部30とは反対側にて交わる2つの辺を用いたハーフスリット813,913であってもよい。また、図9(d)~(g)に示すハーフスリット613,713,813,913において、2つの辺が交わる部分に丸みを帯びたものであってもよい。
また、図1及び図8に示したものにおいては、4つの開封検知部12のそれぞれに複数のハーフスリット13が設けられているが、4つの開封検知部12のそれぞれに1つのハーフスリット13が設けられた構成であっても構わない。
1,101,201 隠蔽はがき
2 ベースシート
10,110 本体片
11 情報記入欄
11a 申し込み情報
12,112 開封検知部
13~15,113~115 ハーフスリット
16,41 宛先情報表示領域
16a,41a 宛先情報
17a,17b 紙間剥離部
18 破断部分
19 破断部
20,120 隠蔽片
30 折り部
40 剥離紙
50 擬似接着層
60,160 強接着部
61 非貼着部
70 点糊部
2 ベースシート
10,110 本体片
11 情報記入欄
11a 申し込み情報
12,112 開封検知部
13~15,113~115 ハーフスリット
16,41 宛先情報表示領域
16a,41a 宛先情報
17a,17b 紙間剥離部
18 破断部分
19 破断部
20,120 隠蔽片
30 折り部
40 剥離紙
50 擬似接着層
60,160 強接着部
61 非貼着部
70 点糊部
Claims (3)
- 情報表示欄を有する本体片と、前記本体片と連接した隠蔽片とを有し、前記本体片と前記隠蔽片との連接辺を介して前記情報表示欄が内側になるように折り畳まれて前記隠蔽片に積層された接着層によって前記本体片と前記隠蔽片とが剥離可能に貼着される情報隠蔽シートであって、
前記本体片は、前記隠蔽片との貼着面のうち前記連接辺と交差する上辺及び下辺に隣接する領域のそれぞれに、前記上辺及び前記下辺に沿って配置された開封検知部を有し、
前記隠蔽片は、前記本体片と前記隠蔽片とが前記連接辺を介して折り畳まれた場合に前記開封検知部に対向する領域内に強接着部を有し、
前記開封検知部は、
突出側とは反対側が開口し、前記突出側が前記連接辺とは反対側を向いた凸形状からなる第1のハーフスリットが、前記本体片と前記隠蔽片とが前記連接辺を介して折り畳まれた場合に前記強接着部に対向するように形成されるとともに、
当該開封検知部の外周のうち、少なくとも、上辺、下辺、及び前記連接辺側の辺に沿う領域に、前記複数の第1のハーフスリットを取り囲むように第2のハーフスリットが形成されており、
前記第2のハーフスリットは、前記第1のハーフスリットの開口している側の端部に接している、情報隠蔽シート。 - 請求項1に記載の情報隠蔽シートにおいて、
前記開封検知部は、当該開封検知部の外周上に、前記第1及び第2のハーフスリットを取り囲んで第3のハーフスリットが形成されている、情報隠蔽シート。 - 請求項1または請求項2に記載の情報隠蔽シートにおいて、
前記開封検知部は、前記上辺及び前記下辺のそれぞれに沿って複数設けられており、
前記強接着部は、前記本体片と前記隠蔽片とが前記連接辺を介して折り畳まれた場合に前記複数の開封検知部に対向する領域のそれぞれに対応して複数設けられている、情報隠蔽シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022088179A JP2023176089A (ja) | 2022-05-31 | 2022-05-31 | 情報隠蔽シート |
Applications Claiming Priority (1)
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Country | Link |
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2022
- 2022-05-31 JP JP2022088179A patent/JP2023176089A/ja active Pending
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