JP2023175618A - 積層セラミック電子部品 - Google Patents

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俊宏 井口
Toshihiro Iguchi
真也 齋藤
Shinya Saito
綾子 佐藤
Ayako Sato
康夫 渡邉
Yasuo Watanabe
健寿 田村
Takehisa Tamura
賢也 玉木
Kenya Tamaki
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Abstract

Figure 2023175618000001
【課題】短絡現象の発生後に絶縁性を維持することができる積層セラミック電子部品を提供すること。
【解決手段】
セラミック層と内部電極層とを含む素子本体と、素子本体の外面に形成してあり内部電極層の一部と電気的に接続している外部電極と、を有する積層セラミック電子部品である。外部電極は、素子本体と直に接しており、第1絶縁体相と第1金属相とを含む第1層と、第1層の外面と接しており、第2絶縁体相と第2金属相とを含む第2層と、を有する。第1層における第1金属相の面積割合は、8%超過30%以下であり、第2層における第2金属相の面積割合は、第1層における第1金属相の面積割合よりも高い。そして、第1金属相の平均アスペクト比は、3.5以上である。
【選択図】図3

Description

本開示は、外部電極を有する積層セラミック電子部品に関する。
電子回路あるいは電源回路に搭載されているMLCC(積層セラミックコンデンサ)などの積層セラミック電子部品は、セラミック層と内部電極層とが交互に積層された構造を有する。この積層セラミック電子部品では、機械的応力または高電圧により短絡現象(所謂ショート故障)が発生することがあり、短絡後の積層セラミック電子部品に電流を流すと、積層セラミック電子部品が発熱して実装基板を加熱する虞がある。
このような問題に対して、特許文献1は、短絡後の発熱を抑制するための方策を提案している。具体的に、特許文献1は、チタン酸バリウムと所定の副成分とを含むセラミック層と、主成分として銅または銀を含む内部電極層と、を積層した積層セラミック電子部品を開示している。当該積層セラミック電子部品では、短絡が発生したとしても絶縁性を維持することができ、短絡後に素子本体が発熱することを抑制できる。
上記のとおり、特許文献1の対策では、セラミック層および内部電極層の組成などといった素子本体の内部構成を最適化しているが、特許文献1よりも汎用的な対策として、素子本体の設計の自由度を確保しつつ、短絡後の発熱を抑制することが求められている。
特開2018-060390号公報
本開示は、このような実情を鑑みてなされ、その目的は、短絡現象の発生後に絶縁性を維持することができる積層セラミック電子部品を提供することである。
上記の目的を達成するために、本開示の第1の観点に係る積層セラミック電子部品は、
セラミック層と内部電極層とを含む素子本体と、前記素子本体の外面に形成してあり前記内部電極層の一部と電気的に接続している外部電極と、を有し、
前記外部電極が、
前記素子本体と直に接しており、第1絶縁体相と第1金属相とを含む第1層と、
前記第1層の外面と接しており、第2絶縁体相と第2金属相とを含む第2層と、を有し、
前記第1層における前記第1金属相の面積割合が、8%超過30%以下であり、
前記第2層における前記第2金属相の面積割合が、前記第1層における前記第1金属相の面積割合よりも高く、
前記第1金属相の平均アスペクト比が、3.5以上である。
本発明者等は、鋭意検討した結果、積層セラミック電子部品が上記の特徴を有することで、絶縁復帰特性が得られることを見出した。すなわち、上記積層セラミック電子部品では、短絡現象が発生した後に通電したとしても、絶縁性を維持することができる。そのため、第1の観点に係る積層セラミック電子部品では、短絡後に素子本体が発熱することを抑制できる。
好ましくは、前記第1層における前記第1金属相の面積割合が、8%超過18%以下である。
好ましくは、前記第1層の平均厚みが20μm以上である。
好ましくは、前記第1層の平均厚みに対する前記第1金属相の平均長径の比が、0.1以上0.7以下である。
好ましくは、前記第1絶縁体相が、ホウ素を含む酸化物である。
好ましくは、前記第1金属相が、銅または銀を含む。
好ましくは、前記外部電極は、前記第2層と接するメッキ電極層をさらに有する。
本開示の第2の観点に係る積層セラミック電子部品は、
セラミック層と内部電極層とを含む素子本体と、前記素子本体の外面に形成してあり前記内部電極層の一部と電気的に接続している外部電極と、を有し、
前記外部電極が、
前記素子本体と直に接しており、第1絶縁体相と第1金属相とを含む第1層と、
前記第1層の外面と接しており、第2絶縁体相と第2金属相とを含む第2層と、を有し、
前記第1層における前記第1金属相の面積割合が、6%超過30%以下であり、
前記第2層における前記第2金属相の面積割合が、前記第1層における前記第1金属相の面積割合よりも高く、
前記第1金属相の平均アスペクト比が、5.0以上である。
第2の観点に係る積層セラミック電子部品は、上記の特徴を有することで、短絡現象が発生した後に通電したとしても、絶縁性を維持することができる。そのため、第2の観点に係る積層セラミック電子部品では、短絡後に素子本体が発熱することを抑制できる。
図1は、本開示の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面を示す模式図である。 図2は、図1に示す外部電極6の断面を拡大した模式図である。 図3は、短絡後における外部電極6の断面を示す模式図である。
以下、本開示を、図面に示す実施形態に基づき詳細に説明する。
本実施形態では、本開示に係る積層セラミック電子部品の一例として、図1に示す積層セラミックコンデンサ2について説明する。積層セラミックコンデンサ2は、素子本体4と、当該素子本体4の外面に形成してある一対の外部電極6と、を有する。
図1に示す素子本体4の形状は、通常、略直方体状であって、X軸方向で対向する2つの端面4aと、Y軸方向で対向する2つの側面4bと、Z軸方向で対向する2つの側面4bとを有する。ただし、素子本体4の形状は、特に制限されず、楕円柱状、円柱状、その他角柱状等であってもよい。また、素子本体4の外形寸法も、特に制限されず、たとえば、X軸方向の長さL0を0.2mm~5.7mm、Y軸方向の幅W0を0.1mm~5.0mm、Z軸方向の高さT0を0.1mm~3.0mmとすることができる。なお、本実施形態において、X軸、Y軸、Z軸は、相互に垂直である。
そして、素子本体4は、X軸およびY軸を含む平面に実質的に平行なセラミック層5と内部電極層7とを有し、素子本体4の内部では、セラミック層5と内部電極層7とがZ軸方向に沿って交互に積層してある。ここで、「実質的に平行」とは、ほとんどの部分が平行であるが、多少平行でない部分を有していてもよいことを意味し、セラミック層5および内部電極層7は、多少、凹凸があったり、傾いていたりしてもよい。
積層セラミックコンデンサ2のセラミック層5は、主成分として誘電体化合物を含む。セラミック層5の主成分とは、セラミック層5において80モル%以上を占める成分を意味し、主成分である誘電体化合物の材質は、特に限定されない。たとえば、セラミック層5は、主成分として、BaTiO3、(Ca,Sr)TiO3、(Ca,Sr)ZrO3、(Ca,Sr)(Zr,Ti)O3、(K,Na)NbO3などのペロブスカイト構造の誘電体化合物、もしくは、Ba3ZrNb415、Ba3TiNb415、(K,Na)Sr2Nb515などのタングステンブロンズ構造の誘電体化合物を含むことができる。また、セラミック層5には、Si化合物、Al化合物、Mn化合物、Mg化合物、Cr化合物、Ni化合物、希土類元素を含む化合物、Li化合物、B化合物、V化合物、および、Na化合物などの副成分が含まれていてもよい。セラミック層5に含まれる副成分の種類、組み合わせ、および、その含有率は、特に限定されない。
セラミック層5の1層当たりの平均厚み(層間厚み)は、特に制限されず、たとえば、100μm以下とすることができ、10μm以下であることが好ましい。また、セラミック層5の積層数については、所望の特性に応じて決定すればよく、特に限定されない。たとえば、セラミック層5の積層数は、20層以上であることが好ましく、50層以上であることがより好ましい。
内部電極層7は、導電性材料で構成してあり、内部電極層7の組成は特に限定されない。たとえば、内部電極層7は、Cu、Ni、Ag、Pd、Au、Pt、または、これら金属元素のうち少なくとも1種を含む合金を含むことができる。セラミック層5の主成分が耐還元性を有する場合、内部電極層7の導電性材料は、純Ni、または、85wt%以上のNiを含むNi合金であることが好ましい。Ni合金には、Cu、Cr、Mnなどの副成分が含まれていてもよい。
また、内部電極層7には、上記の導電性材料の他に、セラミック層5の主成分と同様の組成を有する誘電体化合物の粒子が、共材として含まれていてもよい。さらに、内部電極層7には、SやP等の非金属元素が微量に(たとえば、0.1質量%以下程度)含まれていてもよく、空隙が含まれていてもよい。なお、共材や空隙等が内部電極層7に含まれる場合、内部電極層7には、電極(導電性材料)が存在しない途切れ部分が形成されることがある。
内部電極層7は、各セラミック層5の間に積層され、その積層数は、セラミック層5の積層数に応じて決定される。そして、内部電極層7の1層当たりの平均厚みは、特に制限されず、たとえば、3.0μm以下であることが好ましい。なお、セラミック層5の平均厚みや内部電極層7の平均厚みは、金属顕微鏡を用いて図1に示すような断面を観察し、少なくとも5箇所以上で各層(5、7)の厚みを計測することで算出すればよい。
また、内部電極層7は、縁辺の一部が、素子本体4の2つの端面4aに交互に露出するように、積層してある。そして、一対の外部電極6が、それぞれ、素子本体4の一方の端面4aに形成され、交互に配置された内部電極層7の露出端に電気的に接続してある。このように内部電極層7および外部電極6を形成することで、外部電極6と内部電極層7とで、コンデンサ回路が構成される。
なお、素子本体4は、図1に示すように、容量領域41と、容量領域41の積層方向の外側に積層してある外装領域42と、を有している。容量領域41では、当該領域内に含まれる各セラミック層5が、極性の異なる内部電極層7に挟まれており、セラミック層5に対して電圧が印加可能となっている。一方、外装領域42では、セラミック層5のみが積層してあり、外装領域42には内部電極層7が含まれていない。
各外部電極6は、それぞれ、素子本体4の端面4aに形成してある端面部と、各側面4bのX軸方向の一端に形成してある延長部と、を一体的に有する。すなわち、一対の外部電極6は、それぞれ、素子本体4の端面4aから側面4bに回り込むように形成されており、X軸方向で互いに接触しないように絶縁されている。なお、外部電極6の延長部は、必須ではなく、外部電極6が端面部のみで構成してあってもよい。もしくは、積層セラミックコンデンサ2を基板に面実装する場合には、外部電極6の延長部は、少なくとも基板の実装面と対向する側面4bに形成されていればよく、実装面とは反対側の側面4bには形成しなくともよい。
本実施形態の積層セラミックコンデンサ2では、外部電極6が所定の構造を有することで、絶縁復帰特性を具備することができる。以下、図2に基づいて外部電極6の構造について詳述する。なお、図2では、一対の外部電極6のうちの一方の断面を示しているが、他方の外部電極6についても、図2に示す外部電極6と同じ構造を有する。
図2に示すように、外部電極6は、積層構造を有しており、第1層61と第2層62とを含んでいる。第1層61は、内部電極層7が引き出されている素子本体4の端面4aと直に接しており、第1層61と端面4aとの間には他の層が介在していない。一方、第2層62は、第1層61の外側に位置し、第1層61の外面を覆っている。外部電極6は、上記の他に、第2層62の外側に位置するメッキ電極層63を含むことが好ましい。
第1層61は、第1絶縁体相11と第1金属相12とを含む焼結体層であって、第1絶縁体相11中に粒子状の第1金属相12が分散した構造を有する。第1層61では、導体である第1金属相12の体積割合が、結着材である第1絶縁体相11の体積割合よりも低い。すなわち、第1層61は、金属成分よりも絶縁材の比率が高い低比重焼結電極層である。
第1絶縁体相11は、セラミック材料で構成することができ、酸化物を含むことが好ましく、ホウ素を含有する酸化物を含むことがより好ましい。「ホウ素を含有する酸化物」とは、B23(酸化ホウ素)、もしくは、ホウ素を含有する複合酸化物を意味し、第1絶縁体相11は、ホウ素を含有する複合酸化物であることがさらに好ましい。
ホウ素を含有する複合酸化物(ホウ素系複合酸化物)としては、B23を含むと共に、SiO2、Al23、SrO、CaO、BaO、MgO、ZnO、ZrO2、TiO2、V25、Na2O、およびK2Oから選択される1種以上の酸化物を含む複合酸化物が挙げられる(たとえば、B-Si-アルカリ金属系複合酸化物、B-Si-Zn-アルカリ金属系複合酸化物、B-Si-K系複合酸化物、B-Si-Al系複合酸化物など)。ホウ素を含有する複合酸化物の組成比は、特に限定されない。たとえば、複合酸化物に含まれる酸素以外の元素の合計含有量を100モル%として、当該合計含有量100モル%に対するホウ素(B)の含有率は、10モル%以上であることが好ましく、20モル%以上70モル%以下であることがより好ましい。
上記のようなホウ素を含む複合酸化物(ホウ素系複合酸化物)は、ガラス化し易い。つまり、第1絶縁体相11は、ガラス質であることが特に好ましい。ホウ素系複合酸化物がガラス質であることで、第1層61の焼結性を向上させることができる。また、ガラス質のホウ素系複合酸化物は、結晶質の酸化物よりも脆く、後述するような導通パス13を切断するクラック14が発生し易くなる。
第1層61の第1金属相12は、Ag、Cu、Ni、Pd、Au、Pt、または、これら金属元素のうち少なくとも1種を含有する合金を含むことができ、第1金属相12の主成分は、Ag、または、Cuであることが好ましい。より具体的に、第1金属相12の主成分とは、80wt%以上を占める金属元素であって、第1金属相12は、Ag粒子、Cu粒子、Ag合金粒子、もしくは、Cu合金粒子であることが好ましく、Ag粒子またはCu粒子であることがより好ましい。
なお、第1絶縁体相11および第1金属相12の成分は、波長分散型X線分光器(WDS)、エネルギー分散型X線分析(EDX)、レーザアブレーションICP質量分析(LA-ICP-MS)などにより分析することができる。
第1金属相12は、球状粒子ではなく、アスペクト比が大きい粒子形状を有する。具体的に、第1金属相12の平均アスペクト比は、少なくとも3.5以上であり、4.0以上であることが好ましく、5.0以上であることがより好ましい。第1金属相12の平均アスペクト比が大きければ大きいほど、後述する導通パス13が形成され易くなる。換言すると、第1金属相12の平均アスペクト比と、導通パス13の形成に最低限必要な第1金属相12の含有率(面積割合)の下限値とは、反比例の関係にあり、第1金属相12の平均アスペクト比を大きくするほど、第1金属相12の含有率の下限値を少なく設定することができる。なお、平均アスペクト比の上限は、特に限定されない。
アスペクト比は、短径に対する長径の比であり、図2に示すような第1層61の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)もしくは走査透過型電子顕微鏡(STEM)などにより観察することで、各第1金属相12のアスペクト比を計測することができる。具体的に、第1層61の断面画像を解析して、測定対象粒子(第1金属相12)の最小外接矩形を描く。最小外接矩形とは、測定対象粒子の外縁と接する最小の四辺形を意味する。当該最小外接矩形における長辺の長さを長径LDとし、短辺の長さを短径SDとし、測定対象粒子のアスペクト比は、LD/SDで表すことができる。上記測定を、少なくとも20個の第1金属相12に対して実施し、第1金属相12の平均アスペクト比を算出することが好ましい。
第1金属相12の平均長径LDAve(すなわち上記LDの平均値)は、2μm以上20μm以下であることが好ましく、5μm以上15μm以下であることがより好ましく、5μm以上11μm以下であることがさらに好ましい。
第1層61は、前述したように低比重焼結電極層であり、第1層61における第1金属相12の面積割合AM1は、8%超過30%以下である。ただし、第1金属相12の面積割合AM1の下限は、第1金属相12の平均アスペクト比に応じて設定できる。具体的に、第1金属相12の平均アスペクト比が5.0以上と特に大きい場合は、面積割合AM1の範囲を下限側に広げることができ、第1層61における第1金属相12の面積割合AM1は、6%超過30%以下とすることができる。
第1層61では、隣接する第1金属相12が部分的に繋がることで、内部電極層7と第2層62とを電気的に接続する導通パス13が形成されている(図2参照)。一方、短絡現象が生じた場合には、短絡後の積層セラミックコンデンサ2に電流を流すことで、第1層61にクラック14が発生する(図3参照)。このクラック14が導通パス13を切断することで、積層セラミックコンデンサ2の絶縁性が復帰する(絶縁抵抗が短絡直後よりも上昇する)と考えられる。
第1金属相12の平均アスペクト比が3.5以上5.0未満の場合、第1層61における第1金属相12の面積割合AM1を8%よりも多くとすることで、通常時(短絡発生前の状態)においては、適切な割合で導通パス13が形成され、十分な静電容量が得られる。第1金属相12の平均アスペクト比が5.0以上の場合は、面積割合AM1が6%よりも多ければ、通常時(短絡発生前の状態)において、適切な割合で導通パス13が形成され、十分な静電容量が得られる。また、当該面積割合AM1を30%以下とすることで、短絡後に導通パス13を切断させることができる。なお、面積割合AM1の上限は、18%以下であることが好ましい。面積割合AM1を18%以下に設定することで、短絡後の再通電時において導通パス13がより切断され易くなり、絶縁復帰特性をより向上させることができる。
なお、第1層61における第1金属相12の面積割合AM1は、SEMまたはSTEMで撮影した第1層61の断面画像を解析することで算出することができる。SEM画像もしくはSTEM画像では、コントラストの明暗によって金属部分と非金属部分とを識別することができるため、断面画像を二値化することで、測定視野中に含まれる第1金属相12の面積AM1を測定することができる。断面画像中の第1層61の面積をAE1として、第1金属相12の面積割合AM1はAM1/AE1(%)で表すことができ、上記測定を少なくとも5視野以上で実施して、その平均値として面積割合AM1を算出することが好ましい。
第1層61の厚みは、図1に示すように、端面4aの端部付近よりも、端面4aの中央付近で厚くなっていることが好ましい。積層セラミックコンデンサ2をY軸方向の略中央でX-Z平面に沿って切断して、第1層61の厚みを計測する場合、Z軸方向の中心付近で第1層61の厚みが最大となっていることがより好ましい。また、容量領域41と接している箇所における第1層61の最大厚みをt1aとし、外装領域42と接している箇所における第1層61の最大厚みをt1bとすると、t1a/t1bは、特に限定されないが、たとえば、2.5~10であることが好ましい。
積層セラミックコンデンサ2に対して高電圧を印加した場合には、セラミック層5を介して隣接する内部電極層7が短絡することがあるが、このような短絡現象は、素子本体4の中央付近で発生し易い。短絡現象が発生し易い中央付近において、第1層61を厚くすることで、クラック14が中央付近でより発生し易くなり、絶縁復帰特性をより向上させることができる。
なお、第1層61の平均厚みt1Aveを算定する際には、図1に示すような断面において、第1層61の厚みを、Z軸方向に沿って、一定間隔で測定する。厚みを測定する間隔は、〔(1/5)×T0〕以下に設定することが好ましい(T0は素子本体4のZ軸方向の高さ)。第1層61の平均厚みt1Aveは、15μm以上であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましい。t1Aveの上限は、特に限定されないが、たとえば、t1Aveが50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。
また、第1層61の平均厚みt1Aveに対する第1金属相12の平均長径LDAveの比(LDAve/t1Ave)は、0.1以上0.7以下であることが好ましく、0.18以上0.50以下であることがより好ましい。LDAve/t1Aveを上記の範囲に設定することで、初期静電容量と絶縁復帰特性とをより好適に両立させることができる。
なお、第1層61には、上述した第1絶縁体相11および第1金属相12の他に、空隙などが含まれていてもよい。
第2層62は、焼結電極層もしくは樹脂電極層であって(好ましくは樹脂電極層)、第2絶縁体相21および第2金属相22を含む。第2層62が焼結電極層である場合、第2絶縁体相21は、セラミック材料で構成され、酸化物または複合酸化物を含むことが好ましい。より具体的に、第2層62が焼結電極層である場合の第2絶縁体相21は、B23、SiO2、Al23、SrO、CaO、BaO、MgO、ZnO、ZrO2、TiO2、V25、Na2O、およびK2Oから選択される1種以上の酸化物を含むことが好ましく、第1絶縁体相21と同様に、ホウ素系複合酸化物を含むことがより好ましい。一方、第2層62が樹脂電極層である場合、第2絶縁体相21は、樹脂材料で構成され、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ユリア樹脂、フラン樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂などの熱硬化性樹脂を含むことが好ましく、耐熱性、耐湿性、および密着性に優れるエポキシ樹脂を含むことがより好ましい。
第2金属相22は、Cu、Ni、Ag、Pd、Au、Pt、または、これら金属元素のうち少なくとも1種を含有する合金を含むことができ、第1金属相12と同様に、主成分として、Cu、または、Agを含むことが好ましい。すなわち、第2金属相22は、Cu、Ag、Cu合金、もしくは、Ag合金であることが好ましく、CuまたはAgの金属相であることがより好ましい。第2金属相22が合金相である場合には、第2金属相100wt%に対してCuまたはAgが80wt%以上含まれることが好ましい。
第2層62における第2金属相22の形態は、特に限定されず、たとえば、球状粒子、長球状粒子、針状粒子、もしくは、扁平状粒子とすることができる。また、第2金属相22は、球状粒子と、アスペクト比が大きい(たとえば2.0以上)の粒子とで構成してあってもよい。第2層62が焼結電極層である場合には、第2金属相22は、隣接する金属粒子同士が結合した形態を有していてもよく、この場合、第2層62の断面では、個々の粒子形状が視認できない程度に、複数の第2金属相22が連結して存在していてもよい。
第2層62の断面において、第2金属相22が粒子形態を維持している場合には、当該断面で観測される第2金属相22の円相当径の平均値は、特に限定されないが、たとえば、0.5μm~15μmとすることができ、3μm~10μmであることが好ましい。第2金属相22の円相当径は、SEMまたはSTEMで撮影した第2層62の断面画像を解析することで測定すればよく、少なくとも10個の第2金属相22の円相当径を計測し、その平均値を算出することが好ましい。
第2層62における第2金属相22の面積割合は、第1層61における第1金属相12の面積割合よりも多く、第2層62の電気抵抗は第1層61よりも低い。たとえば、第2層62における第2金属相22の面積割合は、70%以上とすることができ、80%~95%であることが好ましい。また、第1層61における第1金属相12の面積割合をAM1(%)とし、第2層62における第2金属相22の面積割合をAM2(%)とすると、AM1に対するAM2の比(AM2/AM1)は、たとえば、2~10であることが好ましい。このように、外部電極6では、第1層61と第2層62とで、金属成分の含有率が異なるため、第1層61と第2層62との間では、明瞭な境界が形成される。
積層セラミックコンデンサ2を基板に実装する際には、ハンダもしくは導電性接着剤などの接合部材を使用するが、外部電極6に含まれる金属成分とハンダが反応しないようにするためや、外部電極6に対する接合部材の濡れ性や、外部電極6と接合部材との接合性を高めるためには、外部電極6の最外層にメッキ電極層63を形成することが好ましい。ただし、第1層61では金属成分の含有率が少ないため、メッキ電極層63を、第1層61の上に直接形成することが容易ではなく、メッキ不良が生じ易い。本実施形態では、第1層61の外側に金属成分の比率が高い第2層62を形成することで、メッキ電極層63を形成する際のメッキ不良を抑制することができる。また、通常時(短絡現象の発生前)において十分な静電容量を確保することができる。
第2金属相22の面積割合は、第1金属相12の面積割合と同様に、SEMまたはSTEMで撮影した第1層61の断面画像を解析することで算出すればよい。つまり、断面画像中の第2層62の面積をAE2とし、そのAE2中に含まれる第2金属相22の面積をAM2として、第2金属相22の面積割合AM2は、AM2/AE2(%)で表すことができる。第2金属相22の面積割合AM2は、上記の測定を少なくとも5視野以上で実施し、平均値として算出することが好ましい。
第2層62は、第1層61を覆っていればよく、その厚みは特に限定されない。たとえば、第2層62の平均厚みt2Aveは、5μm~150μmとすることができ、10μm~100μmであることが好ましい。
第2層62には、第2絶縁体相21および第2金属相22の他に、空隙などが含まれていてもよい。
メッキ電極層63は、単層であってもよく、複数のメッキ層を積層した構造を有していてもよい。特に、メッキ電極層63は、Niメッキ層63aと、Snメッキ層63bとを含むことが好ましい。この場合、Niメッキ層63aが第2層62の外面と接していることが好ましく、Snメッキ層63bが外部電極6の最外層に位置することが好ましい。Snメッキ層63bが外部電極の最外層に位置することで、ハンダに対する外部電極6の濡れ性が向上する。また、Snメッキ層63bの下方にNiメッキ層63aが存在することで、Niメッキ層63aがバリア層として機能し、ハンダなどの基板実装用接合部材が外部電極6の内部に浸透することや外部電極6の金属成分と反応することを抑制できる。
なお、Niメッキ層63aは、純Ni層であってもよく、Niを含む合金層であってもよい。Niメッキ層63aにおけるNiの含有率は、特に限定されず、たとえば、80wt%以上であることが好ましい。Snメッキ層63bについても、純Sn層であってもよく、Snを含む合金層であってもよい。Snメッキ層63bにおけるSnの含有率は、特に限定されず、たとえば、80wt%以上であることが好ましい。上記のNiメッキ層63aおよびSnメッキ層63bを含むメッキ電極層63は、金属以外の成分を含んでいてもよいが、当該メッキ電極層63における金属成分の含有率(面積割合)は、第2層62における第2金属相22の含有率(面積割合AM2)よりも高いことが好ましい。
Niメッキ層63aおよびSnメッキ層63bの厚みは、特に限定されない。たとえば、Niメッキ層63aの平均厚みは、1μm~20μmであることが好ましく、Snメッキ層63bの平均厚みは、1μm~20μmであることが好ましい。
次に、図1に示す積層セラミックコンデンサ2の製造方法の一例について説明する。
まず、誘電体用ペーストと内部電極用ペーストとを準備する。誘電体用ペーストは、誘電体原料粉末と副成分粉末とを、公知の有機ビヒクルまたは公知の水系ビヒクルに加えて混錬することで製造することができる。誘電体用ペーストには、上記の他に、分散剤、可塑剤、ガラスフリットなどを添加してもよい。内部電極用ペーストは、導電性粉末を、公知の有機ビヒクルまたは公知の水系ビヒクルに加えて混錬することで製造することができる。内部電極用ペーストには、共材として、誘電体原料粉末を添加してもよく、分散剤、可塑剤などを添加してもよい。
次に、誘電体用ペーストを、ドクターブレード法などの手法によりシート化することで、セラミックグリーンシートを得る。そして、このセラミックグリーンシート上に、スクリーン印刷等の各種印刷法や転写法により、内部電極用ペーストを所定のパターンで塗布する。さらに、内部電極パターンを形成したグリーンシートを複数層に渡って積層した後、積層方向にプレスすることでマザー積層体を得る。なお、この際、マザー積層体の積層方向の最上面および最下面には、セラミックグリーンシートが位置するように、セラミックグリーンシートと内部電極パターンとを積層する。
上記の工程により得られたマザー積層体を、ダイシングもしくは押切りにより所定の寸法に切断し、複数のグリーンチップを得る。グリーンチップは、必要に応じて、可塑剤などを除去するために固化乾燥をしてもよく、固化乾燥後に水平遠心バレル機などを用いてバレル研磨してもよい。バレル研磨では、グリーンチップを、メディアおよび研磨液とともに、バレル容器内に投入し、当該バレル容器に対して回転運動や振動などを与える。このバレル研磨により、切断時に生じたバリなどの不要箇所を研磨し、グリーンチップの角部に丸みを形成する。バレル研磨後のグリーンチップは、水などの洗浄液で洗浄し乾燥させる。なお、このバレル研磨は、グリーンチップの焼成後に実施してもよい。
次に、上記で得られたグリーンチップに対して、脱バインダ処理、焼成処理、および、アニール処理(再酸化処理)を施し、素子本体4を得る。
脱バインダ処理の条件は、誘電体用ペーストおよび内部電極用ペーストに添加したバインダの種類に応じて適宜決定すればよく、特に限定されない。たとえば、昇温速度を5~300℃/時間とすることが好ましく、保持温度を180~400℃とすることが好ましく、温度保持時間を0.5~24時間とすることが好ましい。また、脱バインダ雰囲気は、大気雰囲気(すなわち空気中)もしくは還元性雰囲気とすることができ、大気雰囲気とすることが好ましい。
焼成処理の条件は、セラミック層5の主成分組成や内部電極層7の主成分組成に応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。たとえば、焼成時の保持温度は、好ましくは1200~1350℃、より好ましくは1220~1300℃であり、その保持時間は、好ましくは0.5~8時間、より好ましくは1~3時間である。また、焼成雰囲気は、還元性雰囲気とすることが好ましく、雰囲気ガスとしてはたとえば、N2とH2との混合ガスを加湿して用いることができる。さらに、内部電極層12をNiやNi合金等の卑金属で構成する場合には、焼成雰囲気中の酸素分圧を、1.0×10-14MPa~1.0×10-10MPaとすることが好ましい。
アニール処理は、必須の工程ではないが、焼成処理を還元性雰囲気で実施した場合には、セラミック層5を再酸化させるために、アニールを実施することが好ましい。アニール処理の条件は、セラミック層5の主成分組成などに応じて適宜決定すればよく、特に限定されない。たとえば、保持温度を650~1150℃とすることが好ましく、温度保持時間を0~20時間とすることが好ましく、昇温速度および降温速度を50~500℃/時間とすることが好ましい。また、雰囲気ガスは、乾燥したN2ガス、または、加湿したN2ガス等を用いることが好ましい。
上記の脱バインダ処理、焼成処理およびアニール処理において、N2ガスや混合ガス等を加湿するためには、たとえばウェッター等を使用すればよく、この場合、水温は5~75℃程度が好ましい。また、脱バインダ処理、焼成処理およびアニール処理は、連続して行なっても、独立に行なってもよい。
次に、上記で得られた素子本体4の外面に、一対の外部電極6を形成する。具体的に、第1層61は、第1導電性ペーストを素子本体4の端面に塗布して、焼き付けることで形成することができる。第1導電性ペーストは、第1金属相12の金属原料粉末と、第1絶縁体相11の原料粉末(好ましくはホウ素系複合酸化物のガラスフリット)と、バインダと、溶媒と、を混練することで製造すればよい。第1金属相12の平均アスペクト比および平均径(平均長径)は、金属原料粉末の粒子形状および粒径により制御することができ、第1金属相12の面積割合AM1は、第1導電性ペーストに添加する金属原料粉末の配合比により制御することができる。
なお、第1導電性ペーストの塗布方法は、特に限定されず、たとえば、ディッピングや各種印刷法を適用することができ、第1層61の厚みは、第1導電性ペーストの塗布量によって制御することができる。また、第1導電性ペーストを焼き付ける条件は、たとえば、保持温度を700℃~900℃とすることが好ましく、温度保持時間を1~60分とすることが好ましい。
第1層61を形成した後、第2導電性ペーストを用いて第2層62を形成する。第2層62を焼結電極層とする場合、第2導電性ペーストは、第2絶縁体相21の原料粉末(好ましくはガラスフリット、より好ましくはホウ素系複合酸化物のガラスフリット)と、第2金属相22の金属原料粉末と、バインダと、溶媒と、を混練することで製造すればよい。当該第2導電性ペーストは、第1導電性ペーストと同様に、ディッピングもしくは各種印刷法によって、第1層61の外面に塗布し、焼き付けることで、形成することができる。なお、第2層62を焼結電極層とする場合には、端面4aに塗布した第1導電性ペーストを乾燥させた後に、第1導電性ペーストの上に第2導電性ペーストを塗布し、第1層61と第2層62とを同時に焼結させてもよい。
第2層62を樹脂電極層とする場合、第2導電性ペーストは、第2絶縁体相21の原料である樹脂原料(好ましくは、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂)と、第2金属相22の金属原料粉末と、溶媒とを混錬することで製造すればよい。この場合、第1層61の上に、樹脂原料を含む第2導電性ペーストを塗布した後、素子本体4を加熱して樹脂(第1絶縁体相21)を硬化させることで第2層62を形成する。
第2層62における第2金属相22の含有率(面積割合AM2)は、第2導電性ペーストに添加する金属原料粉末の配合比により制御することができる。また、第2層62の厚みは、第2導電性ペーストの塗布量によって制御することができる。
第2層62を形成した後、公知のメッキ法によりメッキ電極層63(63aおよび63b)を形成する。以上の工程により、外部電極6を有する積層セラミックコンデンサ2が得られる。
(実施形態のまとめ)
本実施形態の積層セラミックコンデンサ2は、セラミック層5と内部電極層7とを含む素子本体4と、素子本体4の外面に形成してある外部電極6と、を有する。外部電極6は、素子本体4の端面4aと直に接しており第1絶縁体相11と第1金属相12とを含む第1層61と、第1層61の外面と接しており第2絶縁体相21と第2金属相22とを含む第2層62と、を有する。第1層61における第1金属相12の平均アスペクト比は、3.5以上であり、第1層61における第1金属相12の面積割合AM1が、8%超過30%以下である。第2層62における第2金属相22の面積割合AM2が、上記AM1よりも高い。
第1層61における第1金属相12の平均アスペクト比が5.0以上と大きい場合には、第1金属相12の面積割合AM1を、上記よりも広い範囲に設定でき、6%超過30%以下とすることができる。
上記の特徴を有する積層セラミックコンデンサ2では、短絡現象の発生後においても絶縁性を維持することができ(すなわち絶縁復帰特性を有する)、短絡後に素子本体が発熱することを抑制できる。このような絶縁復帰特性が得られる理由は必ずしも明らかではないが、以下に示す事由が考えられる。
積層セラミックコンデンサでは、外部から加わる機械的応力、もしくは、高電圧により、セラミック層を介して隣接している内部電極層同士が短絡することがある。特に、セラミック層の厚みを10μm以下と薄くすると、このような短絡現象が生じ易くなる。従来の積層セラミックコンデンサでは、極性が異なる内部電極層同士が短絡することで、抵抗値が低下するため、短絡後の積層セラミックコンデンサに対して電流を流すと、素子本体4が発熱する恐れがある。
本実施形態の積層セラミックコンデンサ2では、短絡後に通電することで、図3に示すように第1層61にクラック14が生じ、第1層61に含まれている導通パス13が当該クラック14により切断されると考えられる。そして、導通パス13が切断されることで、短絡後に低下した抵抗値が再度上昇する(すなわち積層セラミックコンデンサ2の絶縁性が復帰する)と考えられる。そのため、積層セラミックコンデンサ2では、短絡現象が発生したとしても、素子本体が発熱することを抑制できる。
上記のように、積層セラミックコンデンサ2では、外部電極6における第1層61および第2層62の積層構造が絶縁復帰特性の発現に寄与しており、セラミック層5および内部電極層7の成分などの素子本体4の内部構造は所望の誘電特性に応じて適宜調整することができる。つまり、積層セラミックコンデンサ2では、素子本体4の設計の自由度を確保しつつ、短絡後の絶縁復帰特性を得ることができる。
第1金属相12の平均アスペクト比が3.5以上5.0未満である場合、第1層61における第1金属相12の面積割合AM1は、8%超過18%以下であることが好ましい。第1金属相12の平均アスペクト比が5.0以上である場合、第1金属相12の面積割合AM1は、6%超過18%以下であることが好ましい。積層セラミックコンデンサ2では、面積割合AM1を上記の好適範囲内に設定することで、初期静電容量を十分に確保しつつ、短絡後の絶縁復帰特性をより向上させることができる。つまり、面積割合AM1を18%以下に設定することで、導通パス13がより切断され易くなり、短絡後の通電時に絶縁抵抗がより上昇し易い。
本実施形態の積層セラミックコンデンサ2では、第1層61の平均厚みt1Aveを20μm以上とすることが好ましい。また、第1層61の平均厚みt1Aveに対する第1金属相12の平均長径LDAveの比が、0.1以上0.7以下であることが好ましい。第1層61におけるt1AveおよびLDAveを上記のように制御することで、短絡後の絶縁復帰特性をより向上させることができる。
また、第1層61の第1絶縁体相11は、ホウ素を含有する酸化物を含むことが好ましく、ホウ素系複合酸化物を含むことがより好ましい。第1絶縁体相11をホウ素系複合酸化物とした場合、第1絶縁体相11は結晶質の酸化物(もしくは複合酸化物)よりも脆い性質を有し、短絡後の通電によってクラック14がより発生し易くなる(つまり、第1層61における導通パス13が切断され易くなる)。その結果、絶縁復帰特性がより向上する。
以上、本開示の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
たとえば、本実施形態では、積層セラミック電子部品として積層セラミックコンデンサ2を例示したが、本開示に係る積層セラミック電子部品は、バンドパスフィルタ、積層三端子フィルタ、サーミスタ、もしくは、圧電素子などであってもよい。
また、本実施形態では、セラミック層5と内部電極層7とをZ軸方向に積層したが、積層方向は、X軸方向もしくはY軸方向であってもよい。その場合、内部電極層7の露出面に合わせて外部電極6を形成すればよい。
以下、本開示をさらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
(実験1)
実施例1
まず、シート工法により、セラミック層とNiの内部電極層とを交互に積層した素子本体を製造した。セラミック層の主成分は、(Ca0.7Sr0.3)(Zr0.96Ti0.04)O3で表される誘電体化合物とし、セラミック層の副成分としてMnO、SiO2およびAl23を添加した。セラミック層の平均厚みは2.5μmとし、Ni内部電極層の平均厚みは1.1μmとし、容量領域におけるセラミック層の積層数は、257層とした。また、素子本体のサイズは、L0×W0×T0=3.2mm×1.6mm×1.6mmであった。
次に、第1導電性ペーストを用いて、素子本体の外面に低比重焼結電極層(第1層61)を形成した。第1導電性ペーストには、平均アスペクト比が3.5以上で、かつ、平均長径が6.6μmであるAg粉末と、SrO、Al23、ZnO、SiO2およびB23を含むガラスフリット(ホウ素系複合酸化物)とを添加した。また、第1導電性ペーストにおけるAg粉末の配合比は、焼結後の低比重焼結電極層における金属相の面積比率が、表1に示す値となるように調整した。第1導電性ペーストは、ディップコート法により素子本体の端面に塗布し、乾燥させた。その後、第1導電性ペーストを塗布した素子本体を、保持温度750℃、温度保持時間5分の条件で加熱することで、第1導電性ペーストを焼き付け、低比重焼結電極層を形成した。実施例1では、第1層61である低比重焼結電極層の平均厚みは、25.5μmであった。
次に、樹脂電極用ペーストを用いて、低比重焼結電極層の上に樹脂電極層(第2層62)を形成した。樹脂電極用ペーストには、平均粒径が3μmのAg粉末と、エポキシ樹脂とを添加し、樹脂電極層における金属相の面積割合が表1に示す値となるように、樹脂電極用ペースト中のAg粉末の配合比を調整した。樹脂電極用ペーストは、低比重焼結電極層を覆うように、ディップコート法により塗布し、乾燥させた。その後、樹脂電極用ペーストを塗布した素子本体を、保持温度220℃、温度保持時間1時間の条件で加熱し、樹脂電極用ペースト中のエポキシ樹脂を硬化させることで、樹脂電極層を形成した。実施例1では、第2層62である樹脂電極層の平均厚みは、31.1μmであった。
樹脂電極層を形成した後、電解メッキ法により、樹脂電極層の上に、平均厚みが3.8μmのNiメッキ層を形成した。また、電解メッキ法により、Niメッキ層の上に、平均厚みが4μmのSnメッキ層を形成した。以上の工程により実施例1に係る積層セラミックコンデンサを得た。
実施例2
実施例2では、実施例1と同様の方法で素子本体の外面に低比重焼結電極層を形成した後、この低比重焼結電極層の上に焼結電極層(第2層62)を形成した。具体的に、平均粒径が3μmのCu粉末と、SrO、Al23、ZnO、SiO2およびB23を含むガラスフリット(ホウ素系複合酸化物)とを添加した焼結電極用ペーストを準備した。焼結電極用ペーストにおけるCu粉末の配合比は、焼結電極層における金属相の面積割合が表1に示す値となるように調整した。当該焼結電極用ペーストを、ディップコート法により、低比重焼結電極層の上に塗布し、乾燥させた。その後、素子本体を、保持温度750℃、温度保持時間5分の条件で加熱することで、低比重焼結電極層を覆う焼結電極層を形成した。
焼結電極層の上には、実施例1と同じ方法でNiメッキ層およびSnメッキ層を形成した。第2層62として、樹脂電極層に代えて焼結電極層を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2に係る積層セラミックコンデンサを得た。なお、実施例2のコンデンサ試料において、第1層61である低比重焼結電極層の平均厚みは、25.3μmであり、第2層62である焼結電極層の平均厚みは、21.5μmであり、Niメッキ層およびSnメッキ層の平均厚みは実施例1と同様であった。
実施例3
実施例3では、Cuの金属相(第1金属相12)を含む低比重焼結電極層を素子本体の外面に形成した。具体的に、平均アスペクト比が3.5以上で、かつ、平均長径が7.2μmであるCu粉末と、SrO、Al23、ZnO、SiO2およびB23を含むガラスフリット(ホウ素系複合酸化物)とを添加した第1導電性ペーストを準備した。当該第1導電性ペーストにおけるCu粉末の配合比は、焼結後の低比重焼結電極層における金属相の面積比率が、表1に示す値となるように調整した。Cu粉末を含む第1導電性ペーストを、実施例1と同様の方法で、焼き付けることで、素子本体の端面と直に接する低比重焼結電極層を形成した。
また、実施例3では、実施例1と同様に、上記の低比重焼結電極層の上に、樹脂電極層、Niメッキ層、およびSnメッキ層を記載の順に形成した。低比重焼結電極層の形成時にAg粉末に代えてCu粉末を用いたこと以外の製造条件は、実施例1と同様として実施例3に係る積層セラミックコンデンサを得た。実施例3のコンデンサ試料において、低比重焼結電極層の平均厚みは、23.1μmであり、樹脂電極層の平均厚みは、32.5μmであり、Niメッキ層およびSnメッキ層の平均厚みは実施例1と同様であった。
比較例1
比較例1では、樹脂電極層、Niメッキ層、およびSnメッキ層を記載の順に積層した外部電極を素子本体の外面に形成した。つまり、比較例1では、低比重焼結電極層(第1層61)を形成することなく、素子本体の端面と直に接するように樹脂電極層(第2層62)を形成した。比較例1で使用した樹脂電極用ペーストは、実施例1で使用した樹脂電極用ペーストと同じであり、当該樹脂電極用ペーストには、平均粒径が3μmのAg粉末と、エポキシ樹脂とを添加した。
低比重焼結電極層を形成しなかったこと以外の製造条件は、実施例1と同様とし、比較例1に係る積層セラミックコンデンサを得た。比較例1のコンデンサ試料において、樹脂電極層の平均厚みは31.4μmであり、Niメッキ層およびSnメッキ層の平均厚みは実施例1と同様であった。
比較例2
比較例2では、焼結電極層、Niメッキ層、およびSnメッキ層を記載の順に積層した外部電極を素子本体の外面に形成した。つまり、比較例1では、低比重焼結電極層(第1層61)を形成することなく、素子本体の端面と直に接するように焼結電極層(第2層62)を形成した。比較例1で使用した焼結電極用ペーストは、実施例2で使用した焼結電極用ペーストと同じであり、当該焼結電極用ペーストには、平均粒径が3μmのCu粉末と、SrO、Al23、ZnO、SiO2およびB23を含むガラスフリット(ホウ素系複合酸化物)とを添加した。
低比重焼結電極層を形成しなかったこと以外の製造条件は、実施例1と同様とし、比較例2に係る積層セラミックコンデンサを得た。比較例2のコンデンサ試料において、焼結電極層の平均厚みは22.8μmであり、Niメッキ層およびSnメッキ層の平均厚みは実施例1と同様であった。
実験1における各実施例および各比較例につき、以下に示す評価を実施した。
外部電極の解析
SEMを用いて外部電極の断面を観察し、低比重焼結電極層、樹脂電極層、および焼結電極層における金属相の面積割合を算出した。当該解析に際して、観察倍率は、2000倍~20000倍に設定し、各層の断面をそれぞれ3視野解析することで、金属相の面積割合を算出した。各実施例および各比較例の解析結果を表1に示す。
なお、SEMによる外部電極の断面観察では、低比重焼結電極層に含まれる金属相のアスペクト比を測定した。その結果、実施例1における平均アスペクト比は4.6、実施例2における平均アスペクト比は4.5、実施例3における平均アスペクト比は4.1であった。
初期静電容量
後述する絶縁復帰試験を実施する前に、コンデンサ試料の静電容量を測定した。具体的に、静電容量はLCRメータを用いて測定し、その際の測定周波数は1kHz、測定電圧レベルは1Vrmsに設定した。各実施例および各比較例につき、それぞれ10個のコンデンサ試料の静電容量を測定し、その平均値として初期静電容量(単位nF)を算出した。初期静電容量が95nF以上の試料を良好、100nF以上の試料を特に良好と判断した。
絶縁復帰試験
短絡後の絶縁復帰特性を評価するために以下に示す試験を実施した。まず、コンデンサ試料に対して、直流1kVの高電圧を印加して、素子本体中の内部電極層を強制的に短絡させた。この高電圧の印加後に抵抗値が10Ω以下となった試料(以下、短絡試料と称する)を、各実施例および各比較例につき、それぞれ10個用意した。そして、各短絡試料を、電圧12V電流6Aに設定した直流安定化電源に約1秒間接続し、抵抗値が10kΩ以上まで再上昇した試料を「合格」、通電後の抵抗値が10kΩ未満であった試料を「不合格」と判断した。絶縁復帰特性は、試験サンプル数(N0)に対する合格したサンプル数(NP)の比(NP/N0)で表すこととし、このNP/N0が、8/10以上であれば、絶縁復帰特性が良好であると判断し、10/10である場合に特に絶縁復帰特性が優れると判断した。評価結果を表1に示す。
Figure 2023175618000002
表1に示すように、従来の外部電極を形成した比較例1および比較例2では、短絡後のコンデンサ試料に通電しても、抵抗値が低いままで、絶縁性が復帰しなかった。一方、低比重焼結電極層(第1層61)を含む実施例1~3では、短絡後のコンデンサ試料に通電することで、抵抗値が上昇し、絶縁性が復帰した。また、実施例1~3では、絶縁復帰試験を実施する前のコンデンサ試料で、高い初期静電容量が得られることが確認できた。
短絡後に絶縁復帰特性を示した実施例1~3のコンデンサ試料の断面を観察したところ、低比重焼結電極層にクラックが発生していることが確認できた。実施例1~3では、このクラックにより低比重焼結電極層中の導通パスが切断されたと考えられる。
(実験2)
実験2では、低比重焼結電極層における金属相の平均アスペクト比および面積割合を変えて、表2および表3に示す積層セラミックコンデンサを製造した。具体的に、実施例4および比較例3では、実験1の実施例で使用したAg粉末とはアスペクト比が異なるAg粉末を用いて低比重焼結電極層を形成した。比較例4~5、および、実施例5~9では、第1導電性ペーストにおけるAg粉末の配合比を調整することで、低比重焼結電極層における金属相の面積割合を、表2に示す値に制御した。なお、比較例4~5、および、実施例5~9では、平均アスペクト比が実験1と同様に4.0~4.7の範囲内であるAg粉末を使用した。
また、比較例6~7、および、実施例10~14では、平均アスペクト比が5.0以上となるAg粉末を使用して低比重焼結電極層を形成し、低比重焼結電極層における金属相の面積割合を、表3に示す値に制御した。
実験2の各実施例および各比較例では、低比重焼結電極層の上に樹脂電極層を形成し、その樹脂電極層の上にNiメッキ層およびSnメッキ層を形成した。上記以外の製造条件は、実験1の実施例1と同様として、積層セラミックコンデンサを製造した。つまり、実験2の各実施例および各比較例における素子本体の仕様、樹脂電極層の仕様、および、各メッキ層の仕様は、実験1の実施例1と同程度であった。
実験2の評価結果を、表2および表3に示す。なお、表2および表3の絶縁復帰特性に関する評価結果の欄に「ND」の記載があるが、「ND」は、絶縁復帰試験を実施しなかったことを意味する。すなわち、「ND」の記載がある比較例では、そもそもコンデンサとして必要な静電容量が得られなかったため、絶縁復試験を実施できなかった。
Figure 2023175618000003
Figure 2023175618000004
表2に示すように、比較例3では、低比重焼結電極層における金属相の平均アスペクト比が3.5未満であり、当該比較例3では初期静電容量が0.2nFとなった。比較例3では、低比重焼結電極層において十分な導通パスが形成されず、コンデンサとして必要な初期静電容量を確保することができなかったと考えられる。一方で、金属相の平均アスペクト比が3.7である実施例4では、初期静電容量が100nF以上であり、コンデンサとして必要な初期静電容量を確保できた。この結果から、低比重焼結電極層における金属相の平均アスペクト比は、3.5以上に設定すべきであることがわかった。
また、比較例4では、低比重焼結電極層における金属相の面積割合が8.0%であり、初期静電容量が0.1nFとなった。比較例4では、金属相の割合が低すぎるため、比重焼結電極層において十分な導通パスが形成されず、コンデンサとして必要な初期静電容量を確保できなかったと考えられる。一方で、金属相の面積割合が8.3%である実施例5では、初期静電容量が100nF以上であり、コンデンサとして必要な初期静電容量を確保できた。この結果から、金属相の平均アスペクト比が3.5以上5.0未満の場合は、低比重焼結電極層における金属相の面積割合を8.0%よりも多くすべきであることがわかった。
上記のとおり、低比重焼結電極層における金属相の平均アスペクト比および面積割合は、パーコレーション現象の発生(すなわち低比重焼結電極層における導通パスの形成)に関与しており、パーコレーション現象の発生によって初期静電容量が飛躍的に増加すると考えられる。
また、低比重焼結電極層における金属相の平均アスペクト比を5.0以上に設定した表3の評価結果から、金属相の平均アスペクト比に応じて、パーコレーション現象の発生に必要な金属相の面積割合の下限値が変化することがわかった。具体的に、平均アスペクト比が5.0未満である比較例4では、面積割合が8.0%で十分な初期静電容量が得られなかったのに対して、平均アスペクト比が5.0以上である実施例10では、面積割合が7.0%であっても100nF以上の初期静電容量が得られた。表3に示す比較例6および実施例10の結果から、平均アスペクト比が5.0以上の場合は、低比重焼結電極層における金属相の面積割合を6.0%超過に設定できることがわかった。
低比重焼結電極層における金属相の面積割合が30%超過である比較例5および比較例7では、初期静電容量を確保することができたものの、絶縁復帰する確率が3割以下であり、絶縁復帰試験の基準値(8/10以上)を満たすことができなかった。比較例5および比較例7では、比重焼結電極層における金属相の含有率が高く、導通パスが十分に切断されなかったと考えられる。
一方、実施例5~9、および、実施例10~14では、高い初期静電容量と、優れた絶縁復帰特性とを両立させることができた。この結果から、絶縁復帰特性を満足するためには、低比重焼結電極層において、3.5以上の平均アスペクト比を有する金属相の面積割合を、30%以下とすべきであり、18%以下であることが好ましいことがわかった。
(実験3)
実験3では、低比重焼結電極層の平均厚みを変えて、表4に示す積層セラミックコンデンサを製造した。なお、低比重焼結電極層の平均厚みは、ディップコート法の条件を調整することで制御した。上記以外の製造条件は、実施例1と同様とし、実施例21~23に係る積層セラミックコンデンサを得た。実験3の評価結果を表4に示す。
Figure 2023175618000005
表4に示すように、低比重焼結電極層の厚みが増すほど、絶縁復帰特性がより向上する傾向が確認でき、低比重焼結電極層の平均厚みは、15μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましいことがわかった。
(実験4)
実験4では、第1導電性ペーストに添加するAg粉末の平均長径を変えて、実施例31~34に係る積層セラミックコンデンサを製造した。特に、実験4では、低比重焼結電極層の平均厚みt1Aveに対する金属相(第1金属相12)平均長径LDAveの比(LDAve/t1Ave)の比が、表5に示す値となるように、使用するAg粉末の粒径および第1導電性ペーストの塗布量を調整した。上記以外の製造条件は、実施例1と同様とした。実験4の評価結果を表5に示す。
Figure 2023175618000006
表5に示す実施例のうち、実施例32、実施例1、および実施例33において、高い初期静電容量と、優れた絶縁復帰特性とを、より好適に両立させることができた。この結果から、低比重焼結電極層における金属相(第1金属相12)の平均長径は、5μm以上15μm以下であることが好ましいことがわかった。また、低比重焼結電極層におけるLDAve/t1Aveは、0.1以上0.7以下であることが好ましいことがわかった。
2 … 積層セラミックコンデンサ
4 … 素子本体
4a … 端面
4b … 側面
5 … セラミック層
7 … 内部電極層
6 … 外部電極
61 … 第1層(低比重焼結電極層)
11 … 第1絶縁体相
12 … 第1金属相
13 … 導通パス
14 … クラック
62 … 第2層
21 … 第2絶縁体相
22 … 第2金属相
63 … メッキ電極層
63a … Niメッキ層
63b … Snメッキ層

Claims (8)

  1. セラミック層と内部電極層とを含む素子本体と、前記素子本体の外面に形成してあり前記内部電極層の一部と電気的に接続している外部電極と、を有し、
    前記外部電極が、
    前記素子本体と直に接しており、第1絶縁体相と第1金属相とを含む第1層と、
    前記第1層の外面と接しており、第2絶縁体相と第2金属相とを含む第2層と、を有し、
    前記第1層における前記第1金属相の面積割合が、8%超過30%以下であり、
    前記第2層における前記第2金属相の面積割合が、前記第1層における前記第1金属相の面積割合よりも高く、
    前記第1金属相の平均アスペクト比が、3.5以上である積層セラミック電子部品。
  2. 前記第1層における前記第1金属相の面積割合が、8%超過18%以下である請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
  3. 前記第1層の平均厚みが20μm以上である請求項1または2に記載の積層セラミック電子部品。
  4. 前記第1層の平均厚みに対する前記第1金属相の平均長径の比が、0.1以上0.7以下である請求項1または2に記載の積層セラミック電子部品。
  5. 前記第1絶縁体相が、ホウ素を含有する酸化物を含む請求項1または2に記載の積層セラミック電子部品。
  6. 前記第1金属相が、銅または銀を含む請求項1または2に記載の積層セラミック電子部品。
  7. 前記外部電極は、前記第2層と接するメッキ電極層をさらに有する請求項1または2に記載の積層セラミック電子部品。
  8. セラミック層と内部電極層とを含む素子本体と、前記素子本体の外面に形成してあり前記内部電極層の一部と電気的に接続している外部電極と、を有し、
    前記外部電極が、
    前記素子本体と直に接しており、第1絶縁体相と第1金属相とを含む第1層と、
    前記第1層の外面と接しており、第2絶縁体相と第2金属相とを含む第2層と、を有し、
    前記第1層における前記第1金属相の面積割合が、6%超過30%以下であり、
    前記第2層における前記第2金属相の面積割合が、前記第1層における前記第1金属相の面積割合よりも高く、
    前記第1金属相の平均アスペクト比が、5.0以上である積層セラミック電子部品。
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