JP2023173996A - 被加工物の加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】柱状の被加工物の端面を適切に研磨することが可能な被加工物の加工方法を提供する。【解決手段】柱状の被加工物の端面を加工する被加工物の加工方法であって、被加工物と、被加工物を挟み込む一対の支持部材と、を含む被加工物ユニットを形成する被加工物ユニット形成ステップと、切削ブレードを被加工物ユニットの側面に沿って切り込ませて被加工物の端部及び支持部材の端部を切削することにより、被加工物ユニットに被加工物の端面及び支持部材の端面を含む切断面を形成する切削ステップと、被加工物ユニットの切断面を研磨する研磨ステップと、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、柱状の被加工物の端面を加工する被加工物の加工方法に関する。
複数のデバイスが形成された半導体ウェーハを分割して個片化することにより、デバイスを備えるデバイスチップが製造される。また、複数のデバイスチップを所定の基板上に実装し、実装されたデバイスチップを樹脂でなる封止材(モールド樹脂)で被覆することにより、パッケージ基板が得られる。このパッケージ基板を分割して個片化することにより、パッケージ化された複数のデバイスチップを備えるパッケージデバイスが製造される。デバイスチップやパッケージデバイスは、携帯電話、パーソナルコンピュータ等の様々な電子機器に組み込まれる。
半導体ウェーハ、パッケージ基板等の被加工物の分割には、切削装置が用いられる。切削装置は、被加工物を保持するチャックテーブルと、被加工物に切削加工を施す切削ユニットとを備えている。切削ユニットにはスピンドルが内蔵されており、スピンドルの先端部には環状の切削ブレードが装着される。チャックテーブルで被加工物を保持し、切削ブレードを回転させつつ被加工物に切り込ませることにより、被加工物が切削、分割される。
なお、切削装置は汎用性が高く、半導体ウェーハ、パッケージ基板以外の様々な材質、形状、構造の被加工物の切削に用いることができる。例えば特許文献1には、Ni-Ti合金等の金属でなるパイプ状又は円柱状の部材を切削ブレードで切削する切削装置が開示されている。
特開2022-45183号公報
上記のように、切削装置は柱状(棒状)の被加工物の切削にも用いられる。例えば、ガラス、セラミックス、樹脂等でなる柱状の部材を切削ブレードで切断することにより、所望の長さを有する柱状の機械部品や光学部品が製造される。また、得られた部品が光学部品のような良好な表面状態が要求される部品として用いられる場合には、部品の端面(切断面)に研磨加工が施される。これにより、切断面に残存する微細な凹凸が除去され、切断面が鏡面化される。
柱状の被加工物(部品)の切断面を研磨する際には、研磨装置が用いられる。研磨装置は、被加工物を保持するチャックテーブルと、被加工物に研磨加工を施す研磨ユニットとを備えている。研磨ユニットにはスピンドルが内蔵されており、スピンドルの先端部には円盤状の研磨パッドが装着される。チャックテーブルで被加工物を保持し、研磨パッドを回転させつつ被加工物に押し当てることにより、被加工物が研磨される。
なお、柱状の被加工物は、チャックテーブルによって単独で保持することが難しい。そこで、柱状の被加工物を一対の支持部材で挟み込むことにより、被加工物と支持部材とが一体化されたブロック状の被加工物ユニットを形成する手法が用いられることがある。被加工物ユニットの側面では、柱状の被加工物の端面及び支持部材の端面が露出している。そして、被加工物ユニットをチャックテーブルで保持し、研磨パッドを被加工物ユニットの側面に押し当てることにより、柱状の被加工物の端面が支持部材の端面とともに研磨される。
しかしながら、柱状の被加工物を一対の支持部材で挟み込む際、柱状の被加工物の端面と支持部材の端面との位置を厳密に一致させることは難しい。そのため、被加工物ユニットの側面を完全な面一にはできず、柱状の被加工物の端面と支持部材の端面との間に僅かな段差が形成される。このような状態で被加工物ユニットの側面を研磨すると、研磨パッドが被加工物ユニットの側面に均一に接触しないため、柱状の被加工物の端面が適切に研磨されず、加工不良が発生することがある。その結果、加工品質が悪化し、部品の歩留まりが低下してしまう。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、柱状の被加工物の端面を適切に研磨することが可能な被加工物の加工方法の提供を目的とする。
本発明の一態様によれば、柱状の被加工物の端面を加工する被加工物の加工方法であって、該被加工物と、該被加工物を挟み込む一対の支持部材と、を含む被加工物ユニットを形成する被加工物ユニット形成ステップと、切削ブレードを該被加工物ユニットの側面に沿って切り込ませて該被加工物の端部及び該支持部材の端部を切削することにより、該被加工物ユニットに該被加工物の端面及び該支持部材の端面を含む切断面を形成する切削ステップと、該被加工物ユニットの該切断面を研磨する研磨ステップと、を含む被加工物の加工方法が提供される。
なお、好ましくは、該切削ステップは、該切削ブレードを該被加工物ユニットの厚さ未満の切り込み深さで一方の該支持部材側から該被加工物ユニットに切り込ませることにより、該被加工物の端部と一方の該支持部材の端部とを切削する第1切削ステップと、該切削ブレードを該被加工物ユニットの厚さ未満の切り込み深さで他方の該支持部材側から該被加工物ユニットに切り込ませることにより、他方の該支持部材の端部を切削する第2切削ステップと、を含む。
また、好ましくは、該第2切削ステップにおける該切削ブレードの該被加工物ユニットへの切り込み幅は、該第1切削ステップにおける該切削ブレードの該被加工物ユニットへの切り込み幅よりも大きい。
また、好ましくは、該被加工物ユニット形成ステップでは、接着剤を介して該被加工物と該支持部材とを接合させ、該切削ステップでは、テープを介して該被加工物ユニットをチャックテーブルで保持する。
本発明の一態様に係る被加工物の加工方法では、被加工物を一対の支持部材で挟み込むことによって形成された被加工物ユニットの側部を切削ブレードで切削することにより、被加工物の端面を含む平坦な切断面が形成される。これにより、被加工物ユニットの切断面を均一に研磨することが可能になり、被加工物の端面が適切に加工される。
切削装置を示す斜視図である。 切削ユニットを示す分解斜視図である。 被加工物の加工方法を示すフローチャートである。 図4(A)は被加工物ユニット形成ステップにおける被加工物を示す斜視図であり、図4(B)は被加工物ユニットを示す斜視図である。 テープを介して環状のフレームによって支持された被加工物ユニットを示す斜視図である。 図6(A)は第1切削ステップにおいてチャックテーブルで保持される被加工物ユニットを示す一部断面側面図であり、図6(B)は第1切削ステップにおいて切削ブレードで切削される被加工物ユニットを示す一部断面正面図である。 図7(A)は第2切削ステップにおいてチャックテーブルで保持される被加工物ユニットを示す一部断面側面図であり、図7(B)は第2切削ステップにおいて切削ブレードで切削される被加工物ユニットを示す一部断面正面図である。 切削ステップ後の被加工物ユニットを示す正面図である。 研磨ステップにおける被加工物ユニットを示す正面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の一態様に係る実施形態を説明する。まず、本実施形態に係る被加工物の加工方法の実施に用いることが可能な切削装置の構成例について説明する。図1は、切削装置2を示す斜視図である。なお、図1において、X軸方向(加工送り方向、第1水平方向、前後方向)とY軸方向(割り出し送り方向、第2水平方向、左右方向)とは、互いに垂直な方向である。また、Z軸方向(鉛直方向、高さ方向、上下方向)は、X軸方向及びY軸方向と垂直な方向である。
切削装置2は、切削装置2を構成する各構成要素を支持又は収容する基台4を備える。基台4の前方側の角部には、矩形状の開口4aが設けられている。開口4aの内側には、カセット支持台(カセットエレベーター)6が設けられている。カセット支持台6には、カセット支持台6をZ軸方向に沿って昇降させる昇降機構(不図示)が連結されている。
カセット支持台6上には、カセット8が設置される。カセット8は、切削装置2による加工の対象物である複数の被加工物11を収容可能な箱型の容器である。なお、図1ではカセット8の輪郭のみを二点鎖線で示している。
被加工物11は、機械部品、光学部品等の部品の製造等に用いられる柱状(棒状)の部材である。例えば被加工物11は、ガラス(ソーダガラス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス等)、セラミックス(アルミナセラミックス等)、半導体(単結晶シリコン等)、樹脂、金属等でなり、所定の径を有する円柱状に形成されている。
被加工物11を切削装置2で切断することにより、所定の長さを有する柱状の部品が製造される。例えば、可視光に対して透明なガラスやセラミックスでなる円柱状の被加工物11を切断することにより、光導波路等として利用可能な光学部品が得られる。ただし、被加工物11の材質、形状、寸法に制限はない。例えば、被加工物11は多角柱状であってもよいし、中空の柱状であってもよい。
開口4aの側方には、長手方向がX軸方向に沿うように形成された矩形状の開口4bが設けられている。開口4bの内側には、被加工物11を保持するチャックテーブル(保持テーブル)10が設けられている。
チャックテーブル10の上面は、水平面(XY平面)と概ね平行な平坦面であり、被加工物11を保持する保持面10aを構成している。例えば保持面10aは、ポーラスセラミックス等の多孔質部材によって構成される吸引面を含む。保持面10aは、チャックテーブル10の内部に形成された吸引路(不図示)、バルブ(不図示)等を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続されている。
チャックテーブル10には、移動ユニット12が連結されている。例えば移動ユニット12は、ボールねじ式の移動機構であり、X軸方向に沿って配置されたX軸ボールねじ(不図示)と、X軸ボールねじを回転させるX軸パルスモータ(不図示)とを備える。また、移動ユニット12はチャックテーブル10を囲むテーブルカバー14を備え、テーブルカバー14の前方及び後方にはX軸方向に沿って伸縮可能な蛇腹状の防塵防滴カバー16が設けられている。テーブルカバー14及び防塵防滴カバー16によって、移動ユニット12の構成要素(X軸ボールねじ、X軸パルスモータ等)が覆われている。
移動ユニット12は、チャックテーブル10をテーブルカバー14とともにX軸方向に沿って移動させる。また、チャックテーブル10には、チャックテーブル10をZ軸方向と概ね平行な回転軸の周りで回転させるモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。さらに、チャックテーブル10の周囲には、後述のフレーム19(図5参照)を把持して固定する複数のクランプ18が設けられている。
基台4の開口4bと隣接する領域には、支持構造20が設けられている。支持構造20の上部は、開口4bと重なるようにY軸方向に沿って配置されている。また、支持構造20の上部の前面側には、移動ユニット22が設けられている。例えば移動ユニット22は、ボールねじ式の移動機構である。
具体的には、移動ユニット22は、支持構造20の前面側に固定された一対のY軸ガイドレール24を備える。一対のY軸ガイドレール24は、Y軸方向に沿って互いに概ね平行に配置されている。また、一対のY軸ガイドレール24には、平板状のY軸移動プレート26がスライド可能に装着されている。
Y軸移動プレート26の裏面側(後面側)には、ナット部(不図示)が設けられている。このナット部には、一対のY軸ガイドレール24の間にY軸方向に沿って配置されたY軸ボールねじ28が螺合されている。また、Y軸ボールねじ28の端部には、Y軸ボールねじ28を回転させるY軸パルスモータ(不図示)が連結されている。Y軸パルスモータによってY軸ボールねじ28を回転させると、Y軸移動プレート26がY軸ガイドレール24に沿ってY軸方向に移動する。
Y軸移動プレート26の表面側(前面側)には、一対のZ軸ガイドレール30がZ軸方向に沿って互いに概ね平行に配置されている。また、一対のZ軸ガイドレール30には、平板状のZ軸移動プレート32がスライド可能に装着されている。
Z軸移動プレート32の裏面側(後面側)には、ナット部(不図示)が設けられている。このナット部には、一対のZ軸ガイドレール30の間にZ軸方向に沿って配置されたZ軸ボールねじ34が螺合されている。また、Z軸ボールねじ34の端部には、Z軸ボールねじ34を回転させるZ軸パルスモータ36が連結されている。Z軸パルスモータ36によってZ軸ボールねじ34を回転させると、Z軸移動プレート32がZ軸ガイドレール30に沿ってZ軸方向に移動する。
Z軸移動プレート32の下部には、被加工物11に切削加工を施す切削ユニット38が固定されている。切削ユニット38には、環状の切削ブレード40が装着される。切削ユニット38は、切削ブレード40を回転させてチャックテーブル10で保持された被加工物11に切り込ませることにより、被加工物11を切削する。
図2は、切削ユニット38を示す分解斜視図である。切削ブレード40は、ワッシャータイプの切削ブレード(ワッシャーブレード)であり、砥粒と、砥粒を固定する結合材とを含む環状の切刃のみによって構成される。例えば、砥粒としてダイヤモンドが用いられ、結合材としてレジンボンドが用いられる。ただし、結合材はメタルボンド、ビトリファイドボンド等であってもよい。また、切削ブレード40の中央部には、切削ブレード40を厚さ方向に貫通する円形の貫通孔40aが設けられている。
切削ユニット38は、柱状のハウジング42を備える。ハウジング42には、Y軸方向に沿って配置された円柱状のスピンドル76が収容されている。スピンドル76の先端部(一端部)は、ハウジング42の外部に露出している。また、スピンドル76の基端部(他端部)には、スピンドル76を回転させるモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。
スピンドル76の先端部には、ブレードマウント46が固定される。ブレードマウント46は、アルミニウム合金等の金属でなり、円盤状のフランジ部48と、フランジ部48の表面48aの中央部から突出する円柱状のボス部(支持軸)50とを備える。
フランジ部48の外周部の表面48a側には、表面48aから突出する環状の凸部48bが設けられている。凸部48bの先端面は、表面48aと概ね平行な平坦面であり、切削ブレード40を支持する支持面48cを構成している。また、ボス部50の外周面には、後述の固定ナット54が固定されるねじ溝(雄ねじ部)50aが設けられている
ブレードマウント46には、切削ブレード40を押さえる環状の押さえフランジ52が装着される。押さえフランジ52は、アルミニウム合金等の金属でなり、押さえフランジ52の中央部には押さえフランジ52を厚さ方向に貫通する円形の貫通孔52aが設けられている。
さらに、ブレードマウント46には、環状の固定ナット54が締結される。固定ナット54の中央部には、固定ナット54を厚さ方向に貫通する円形の貫通孔54aが設けられている。貫通孔54aは、ボス部50と概ね同径に形成されている。また、貫通孔54aの内側で露出する固定ナット54の内周面には、ボス部50のねじ溝50aに対応するねじ溝(雌ねじ部)が設けられている。
切削ブレード40の貫通孔40aと押さえフランジ52の貫通孔52aとにブレードマウント46のボス部50を順に挿入すると、切削ブレード40及び押さえフランジ52がブレードマウント46に支持される。この状態で、固定ナット54をボス部50のねじ溝50aに螺合させて締め付けると、切削ブレード40及び押さえフランジ52がブレードマウント46に固定される。その結果、切削ブレード40がフランジ部48と押さえフランジ52とによって挟持され、スピンドル76の先端部(ブレードマウント46)に装着される。
なお、切削ユニット38には、ハブタイプの切削ブレード(ハブブレード)が装着されてもよい。ハブブレードは、金属等でなる環状のハブ基台と、ハブ基台の外周縁に沿って形成された環状の切刃とを備える。ハブブレードの切刃は、ダイヤモンド等でなる砥粒と、砥粒を固定するニッケルめっき層等の結合材とを含む電鋳砥石によって構成される。
図1に示すように、切削ユニット38に隣接する位置には、チャックテーブル10によって保持された被加工物11を撮像する撮像ユニット56が設けられている。撮像ユニット56は、光学顕微鏡と、CCD(Charged-Coupled Devices)センサ、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)センサ等の撮像素子とを備える。例えば、撮像ユニット56として可視光カメラや赤外線カメラを用いることができる。
チャックテーブル10で保持された被加工物11を撮像ユニット56で撮像することにより、被加工物11の撮像画像が取得される。例えば撮像画像は、切削ブレード40を被加工物11に切り込ませる際における被加工物11と切削ブレード40との位置合わせに用いられる。
開口4bの開口4aとは反対側の側方には、円柱状の洗浄空間(洗浄チャンバー)を画定する開口4cが設けられている。開口4cの内側には、被加工物11を洗浄する洗浄ユニット58が設けられている。例えば洗浄ユニット58は、被加工物11を保持するスピンナテーブルと、被加工物11に洗浄流体を供給するノズルとを備える。被加工物11をスピンナテーブルで保持し、スピンナテーブルを回転させつつノズルから被加工物11に洗浄流体を供給することにより、被加工物11が洗浄される。なお、洗浄流体としては、純水等の液体や、液体(純水等)と気体(エアー等)とが混合された混合流体が用いられる。
さらに、切削装置2は、切削装置2を制御する制御ユニット(制御部、制御装置)60を備える。制御ユニット60は、切削装置2を構成する各構成要素(カセット支持台6、チャックテーブル10、移動ユニット12、クランプ18、移動ユニット22、切削ユニット38、撮像ユニット56、洗浄ユニット58等)に接続されている。制御ユニット60は、切削装置2の構成要素の動作を制御する制御信号を生成して出力することにより、切削装置2を稼働させる。
例えば、制御ユニット60はコンピュータによって構成される。具体的には、制御ユニット60は、切削装置2の稼働に必要な各種の演算を行う演算部と、切削装置2の稼働に用いられる各種の情報(データ、プログラム等)を記憶する記憶部とを備える。演算部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含んで構成される。また、記憶物は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリを含んで構成される。
次に、柱状の被加工物11の加工方法の具体例について説明する。本実施形態では、切削装置2で柱状の被加工物11の端部を切削して切断面を形成した後、被加工物11の切断面を研磨する。図3は、被加工物11の加工方法を示すフローチャートである。
柱状の被加工物11を切削装置2で加工する際は、まず、被加工物11と、被加工物11を挟み込む一対の支持部材とを含む被加工物ユニットを形成する(被加工物ユニット形成ステップS1)。図4(A)は、被加工物ユニット形成ステップS1における被加工物11を示す斜視図である。
被加工物ユニット形成ステップS1では、まず、柱状の被加工物11と、一対の支持部材13,15とが準備される。支持部材13,15は、概ね同一の形状及び寸法で形成され、1又は複数の被加工物11を挟み込んで支持する。以下では一例として、複数の被加工物11が支持部材13,15によって挟み込まれる場合について説明する。
支持部材13は、直方体状に形成され、互いに概ね平行な第1面13a及び第2面13bと、第1面13a及び第2面13bに接続された側面13cとを含む。同様に、支持部材15は、直方体状に形成され、互いに概ね平行な第1面15a及び第2面15bと、第1面15a及び第2面15bに接続された側面15cとを含む。
例えば支持部材13,15として、ガラス(ソーダガラス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス等)、セラミックス(アルミナセラミックス等)、半導体(単結晶シリコン等)、樹脂、金属等でなる高剛性基板が用いられる。ただし、被加工物11を支持部材13,15で支持可能であり、且つ、支持部材13,15を切削ブレード40(図2参照)で切削可能であれば、支持部材13,15の材質及び形状に制限はない。
被加工物ユニット形成ステップS1では、複数の被加工物11が同一の方向に沿って概ね平行に配置され、支持部材13,15によって挟持される。具体的には、まず、支持部材13の第1面13aと支持部材15の第1面15aとが互いに対面するように、支持部材13及び支持部材15が配置される。また、支持部材13と支持部材15との間に複数の被加工物11が配置される。
なお、被加工物11は、被加工物11の長さ方向が第1面13a及び第1面15aの幅方向(短手方向)に沿い、被加工物11の径方向が第1面13a及び第1面15aの長さ方向(長手方向)に沿うように配置される。また、複数の被加工物11はそれぞれ、隣接する他の被加工物11と接した状態で、第1面13a及び第1面15aの長さ方向に沿って配列される。
次に、複数の被加工物11が支持部材13,15によって挟持される。例えば、支持部材13の第1面13a及び支持部材15の第1面15aにエポキシ樹脂等の接着剤が塗布された状態で、複数の被加工物11が支持部材13,15に挟み込まれる。これにより、被加工物11と支持部材13及び支持部材15とが接着剤を介して接合される。なお、接着剤は、複数の被加工物11の側面に塗布されてもよい。また、隣接する被加工物11同士が接着剤によって互いに接合、固定されていてもよい。
図4(B)は、被加工物ユニット17を示す斜視図である。支持部材13,15で複数の被加工物11を挟み込むと、複数の被加工物11及び支持部材13,15を備えるブロック状の被加工物ユニット17が構成される。
被加工物ユニット17は、互いに概ね平行な第1面17a及び第2面17bを備える。第1面17aは支持部材13の第2面13bに相当し、第2面17bは支持部材15の第2面15bに相当する。また、複数の被加工物11の端面、支持部材13の側面13c、及び支持部材15の側面15cによって被加工物ユニット17の側面が構成される。すなわち、被加工物11の端面は被加工物ユニット17の側面で露出している。また、被加工物11の径、支持部材13の厚さ、及び支持部材15の厚さの和が、被加工物ユニット17の厚さに相当する。
支持部材13,15の幅は、被加工物11の長さと概ね同一に設定される。そして、支持部材13と支持部材15とは、被加工物11の端面と支持部材13の側面13c及び支持部材15の側面15cとが概ね同一平面上に配置されるように、複数の被加工物11を挟み込む。
ただし、被加工物11及び支持部材13,15の寸法の誤差や貼り合わせ位置の誤差等に起因して、被加工物11の端面と支持部材13の側面13c及び支持部材15の側面15cとの位置が僅かにずれることがある。この場合には、支持部材13の側面13cと被加工物11の端面との境界、及び、支持部材15の側面15cと被加工物11の端面との境界に、僅かな段差が形成される。
次に、切削ブレード40を被加工物ユニット17の側面に沿って切り込ませて被加工物11の端部及び支持部材13,15の端部を切削することにより、被加工物ユニット17に被加工物11の端面及び支持部材13,15の端面を含む切断面を形成する(切削ステップS2)。切削ステップS2では、切削装置2(図1参照)によって被加工物ユニット17が切削される。
図5は、テープ21を介して環状のフレーム19によって支持された被加工物ユニット17を示す斜視図である。切削装置2で被加工物ユニット17を加工する際には、被加工物ユニット17の取り扱い(搬送、保持等)の便宜のため、被加工物ユニット17がテープ21を介して環状のフレーム19によって支持される。
フレーム19は、SUS(ステンレス鋼)等の金属でなる環状の部材であり、フレーム19の中央部にはフレーム19を厚さ方向に貫通する円形の開口19aが設けられている。なお、開口19aの直径は、被加工物ユニット17の長さ及び幅(支持部材13,15の長さ及び幅)よりも大きい。
被加工物11及びフレーム19には、テープ21が貼付される。テープ21は、円形に形成されたフィルム状の基材と、基材上に設けられた粘着層(糊層)とを含む。基材は、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラート等の樹脂でなる。また、粘着層は、エポキシ系、アクリル系、又はゴム系の接着剤等でなる。なお、粘着層は紫外線硬化性樹脂であってもよい。
例えば被加工物ユニット17は、第1面17aが上方を向き、第2面17bが下方を向くように、フレーム19の開口19aの内側に配置される。この状態で、テープ21の中央部が被加工物ユニット17の第2面17b側に貼付され、テープ21の外周部がフレーム19に貼付される。これにより、被加工物ユニット17がテープ21を介してフレーム19によって支持される。
ただし、被加工物ユニット17は、第2面17bが上方を向き、第1面17aが下方を向くように配置されてもよい。この場合には、テープ21が被加工物ユニット17の第1面17a側に貼付される。そして、被加工物ユニット17は、フレーム19によって支持された状態で、カセット8(図1参照)に収容される。
切削装置2で被加工物ユニット17を加工する際は、まず、複数の被加工物ユニット17を収容したカセット8がカセット支持台6上にセットされる。そして、カセット8に収容された被加工物ユニット17が、搬送機構(不図示)によってチャックテーブル10(図1参照)に搬送され、チャックテーブル10で保持される。その後、切削ブレード40を回転させてチャックテーブル10で保持されている被加工物ユニット17に切り込ませることにより、被加工物ユニット17が切削される。
切削ステップS2では、切削ブレード40で被加工物11の端部及び支持部材13,15の端部を切削することにより、被加工物11の端面と支持部材13,15の端面とを揃える。本実施形態では、切削ステップS2が第1切削ステップS21及び第2切削ステップS22を含む場合ついて説明する。
図6(A)は、第1切削ステップS21においてチャックテーブル10で保持される被加工物ユニット17を示す一部断面側面図である。第1切削ステップS21では、まず、被加工物ユニット17が、第1面17a側が上方を向き、第2面17b側(テープ21側)が保持面10aに対面するようにチャックテーブル10上に配置される。また、複数のクランプ18(図1参照)によってフレーム19(図5参照)が固定される。この状態で保持面10aに吸引源の吸引力(負圧)を作用させると、被加工物ユニット17がテープ21を介してチャックテーブル10によって吸引保持される。
図6(B)は、第1切削ステップS21において切削ブレード40で切削される被加工物ユニット17を示す一部断面正面図である。第1切削ステップS21では、チャックテーブル10によって保持された被加工物ユニット17の第1面17a側(支持部材13側)に切削ブレード40を切り込ませることにより、被加工物11の端部と支持部材13の端部とを切削する。
具体的には、まず、チャックテーブル10を回転させ、被加工物ユニット17の長さ方向(被加工物11の径方向、支持部材13,15の長さ方向)をX軸方向に合わせる。これにより、被加工物ユニット17の側面(被加工物11の端面、支持部材13の側面13c、支持部材15の側面15c)がX軸方向と概ね平行に配置される。
また、切削ブレード40の下端が第1面17aよりも下方、且つ、第2面17bよりも上方に配置されるように、切削ユニット38の高さ(Z軸方向における位置)を調節する。具体的には、切削ブレード40の下端が支持部材15の第1面15aよりも下方に位置付けられる。このときの被加工物ユニット17の第1面17aと切削ブレード40の下端との高さの差が、第1切削ステップS21における切削ブレード40の被加工物ユニット17への切り込み深さに相当する。
さらに、切削ブレード40が被加工物ユニット17の側面と正面視で重なるように、切削ユニット38のY軸方向における位置を調整する。このときの被加工物ユニット17の側面(被加工物11の端面、支持部材13の側面13c、支持部材15の側面15c)と切削ブレード40の被加工物ユニット17側の側面とのY軸方向における距離が、第1切削ステップS21における切削ブレード40の被加工物ユニット17への切り込み幅Wに相当する。
そして、切削ブレード40を回転させつつ、チャックテーブル10をX軸方向に沿って移動させる。これにより、チャックテーブル10と切削ブレード40とがX軸方向に沿って相対的に移動する。その結果、切削ブレード40が被加工物ユニット17の厚さ未満の切り込み深さで被加工物ユニット17の側面に沿って切り込み、被加工物ユニット17の側部が切削される。
上記のように、第1切削ステップS21では、切削ブレード40を被加工物ユニット17の第1面17a側(支持部材13側)から支持部材15に至る切り込み深さで切り込ませる。これにより、被加工物11の端部と支持部材13の端部とが切削され、被加工物ユニット17に第1切断面17cが形成される。
第1切断面17cは、切削ブレード40によって形成された被加工物11の端面(切断面)11a及び支持部材13の端面(切断面)13dを含む。なお、第1切断面17cは面一に形成され、被加工物11の端面11aと支持部材13の端面13dとは概ね同一平面上に形成される。このように、被加工物11と支持部材13とを同時に切削することにより、被加工物11の端面11aと支持部材13の端面13dとの位置が揃えられる。
切削ブレード40で切削された被加工物ユニット17は、搬送機構(不図示)によって洗浄ユニット58(図1参照)に搬送され、洗浄ユニット58によって洗浄される。その後、被加工物11は搬送機構(不図示)によってカセット8(図1参照)に搬送され、再びカセット8に収容される。
次に、被加工物ユニット17を上下反転させる。具体的には、被加工物ユニット17をテープ21から剥離した後、被加工物ユニット17の第1面17a側にテープ21を貼付する。これにより、被加工物ユニット17は、第1面17a側がテープ21に固定され第2面17b側が上方に露出した状態で、テープ21を介してフレーム19(図5参照)によって支持される。その後、第1切削ステップS21と同様の手順で、第2切削ステップS22が実施される。
図7(A)は、第2切削ステップS22においてチャックテーブル10で保持される被加工物ユニット17を示す一部断面側面図である。第2切削ステップS22では、まず、被加工物ユニット17が、第2面17b側が上方を向き、第1面17a側(テープ21側)が保持面10aに対面するようにチャックテーブル10上に配置される。また、複数のクランプ18(図1参照)によってフレーム19(図5参照)が固定される。この状態で保持面10aに吸引源の吸引力(負圧)を作用させると、被加工物ユニット17がテープ21を介してチャックテーブル10によって吸引保持される。
図7(B)は、第2切削ステップS22において切削ブレード40で切削される被加工物ユニット17を示す一部断面正面図である。第2切削ステップS22では、チャックテーブル10によって保持された被加工物ユニット17の第2面17b側(支持部材15側)に切削ブレード40を切り込ませることにより、前述の第1切削ステップS21において切削されなかった支持部材15の端部を切削する。
具体的には、まず、チャックテーブル10を回転させ、被加工物ユニット17の長さ方向(被加工物11の径方向、支持部材13,15の長さ方向)をX軸方向に合わせる。これにより、被加工物ユニット17の側面(第1切断面17c、支持部材15の側面15c)がX軸方向と概ね平行に配置される。
また、切削ブレード40の下端が第2面17bよりも下方、且つ、第1面17aよりも上方に配置されるように、切削ユニット38の高さ(Z軸方向における位置)を調節する。具体的には、切削ブレード40の下端が、被加工物ユニット17の端部うち前述の第1切削ステップS21において切削されなかった領域(残存領域)よりも下方に位置付けられる。
より詳細には、支持部材15の側部には、第1切断面17cから突出する部分(凸部)が残存している。そして、切削ブレード40の下端は、凸部の下端よりも下方に位置付けられる。このときの被加工物ユニット17の第2面17bと切削ブレード40の下端との高さの差が、第2切削ステップS22における切削ブレード40の被加工物ユニット17への切り込み深さに相当する。
さらに、切削ブレード40が被加工物ユニット17の側面と正面視で重なるように、切削ユニット38のY軸方向における位置を調整する。このときの被加工物ユニット17の側面(支持部材15の側面15c)と切削ブレード40の被加工物ユニット17側の側面とのY軸方向における距離が、第2切削ステップS22における切削ブレード40の被加工物ユニット17への切り込み幅Wに相当する。
なお、第2切削ステップS22における切削ブレード40の被加工物ユニット17への切り込み幅Wは、第1切削ステップS21における切削ブレード40の被加工物ユニット17への切り込み幅W(図6(B)参照)よりも大きいことが好ましい。この場合、第2切削ステップS22では、第1切削ステップS21よりも切削ブレード40が被加工物ユニット17の内側に位置付けられる。
そして、切削ブレード40を回転させつつ、チャックテーブル10をX軸方向に沿って移動させる。これにより、チャックテーブル10と切削ブレード40とがX軸方向に沿って相対的に移動する。その結果、切削ブレード40が被加工物ユニット17の厚さ未満の切り込み深さで被加工物ユニット17の側面に沿って切り込み、被加工物ユニット17の側部が切削される。
上記のように、第2切削ステップS22では、切削ブレード40を被加工物ユニット17の第2面17b側(支持部材15側)から切り込ませる。これにより、前述の第1切削ステップS21において切削されずに残存した支持部材15の端部が切削、除去される。その結果、被加工物ユニット17に第2切断面17dが形成される。なお、第2切断面17dは、切削ブレード40によって形成された支持部材15の端面(切断面)15dに相当する。
切削ブレード40で切削された被加工物ユニット17は、搬送機構(不図示)によって洗浄ユニット58(図1参照)に搬送され、洗浄ユニット58によって洗浄される。その後、被加工物11は搬送機構(不図示)によってカセット8(図1参照)に搬送され、再びカセット8に収容される。
なお、第1切削ステップS21及び第2切削ステップS22における加工条件は、被加工物ユニット17の材質、寸法等に応じて適宜設定される。例えば、被加工物11としてアルミナセラミックスでなる円柱状の部材(直径2.3mm、長さ40mm)が用いられ、支持部材13,15としてソーダガラスでなる直方体状の基板(長さ40mm、幅12.4mm、厚さ13.8mm)が用いられる。この場合、切削ブレード40の回転数(スピンドル44の回転数)は6000rpmに設定でき、加工送り速度は0.5mm/sに設定できる。
図8は、切削ステップS2後の被加工物ユニット17を示す正面図である。切削ステップS2を実施すると、被加工物ユニット17の側部に第1切断面17c及び第2切断面17dが形成される。第1切断面17c及び第2切断面17dはそれぞれ面一に形成され、第2切断面17dは第1切断面17cよりも被加工物ユニット17の内側(図8における右側)に形成される。
なお、上記では被加工物ユニット17がテープ21を介してチャックテーブル10で保持される場合について説明したが、被加工物ユニット17の保持方法に制限はない。例えば、所定の支持基板上に被加工物ユニット17をワックスで固定し、支持基板を介して被加工物ユニット17をチャックテーブル10で保持してもよい。この場合には、被加工物ユニット17の切削が完了した後、加熱処理によってワックスが溶かされ、被加工物ユニット17が支持基板から分離される。
ただし、被加工物11と支持部材13,15とが接着剤を介して接合されている場合、ワックスに対して加熱処理を施すと、同時に接着剤が加熱されて液化し、被加工物11と支持部材13,15とが分離してしまうことがある。そのため、被加工物ユニット17の保持にはテープ21を用いることが好ましい。
ここで、被加工物ユニット17がテープ21を介してチャックテーブル10で保持されている場合、切削ブレード40を被加工物ユニット17に切り込ませると、被加工物ユニット17に付与される加工負荷によってテープ21に含まれる柔軟な粘着層が変形し、被加工物ユニット17の位置が変動することがある。特に、切削ブレード40を被加工物ユニット17の厚さを超える切り込み厚さで切り込ませると、切削ブレード40と被加工物ユニット17との接触面積が大きくなり、被加工物ユニット17に付与される加工負荷が増大する。これにより、被加工物ユニット17の切削中に被加工物ユニット17の位置が大きく変動し、被加工物ユニット17の切断面が平坦に形成されにくくなる。
一方、上記のように切削ステップS2を第1切削ステップS21と第2切削ステップS22とに分けて実施すると、切削ブレード40の切り込み深さを被加工物ユニット17の厚さ未満に設定することができる(図6(B)及び図7(B)参照)。これにより、切削ブレード40と被加工物ユニット17との接触面積が小さく抑えられ、被加工物ユニット17に付与される加工負荷が低減される。その結果、被加工物ユニット17の位置の変動が生じにくくなり、平坦な第1切断面17c及び第2切断面17dが形成される。
また、切削ブレード40を一定期間使用すると、切削ブレード40の先端部が摩耗して丸みを帯びた形状(R形状)になり、被加工物ユニット17に切削ブレード40のR形状が反映されてしまうことがある。そのため、切削ブレード40を被加工物ユニット17の厚さを超える切り込み厚さで切り込ませる場合には、切削ブレード40の先端部が被加工物ユニット17に接触しないように、切削ブレード40をテープ21に深く切り込ませる必要がある。
切削ブレード40のテープ21への切り込み深さを大きくするためには、テープ21の粘着層を厚く形成する必要がある。しかしながら、テープ21の粘着層が厚くなると、切削加工中に粘着層が容易に変形し、被加工物ユニット17の位置が変動しやすくなる。その結果、被加工物ユニット17の切断面を平坦にすることが困難になる。
一方、切削ステップS2を第1切削ステップS21と第2切削ステップS22とに分けて実施する場合には、切削ブレード40をテープ21に切り込ませる必要がない。また、仮に第1切削ステップS21において切削ブレード40のR形状が第1切断面17cの下端部に反映されても、続く第2切削ステップS22において第1切断面17cのうちR形状が反映されている領域を除去することができる。これにより、テープ21の粘着層の厚膜化を回避でき、被加工物ユニット17の位置の変動が抑制される。
さらに、第2切削ステップS22における切削ブレード40の被加工物ユニット17への切り込み幅W(図7(B)参照)を第1切削ステップS21における切削ブレード40の被加工物ユニット17への切り込み幅W(図6(B)参照)よりも大きくすると、第2切削ステップS22において被加工物ユニット17の位置がある程度変動しても、第2切断面17dが第1切断面17cよりも被加工物ユニット17の外側に突出することを回避できる。これにより、後述の研磨ステップS3において、被加工物11の端面11aの研磨が第2切断面17dによって阻害されることを防止できる。ただし、被加工物ユニット17の位置の変動が生じにくい加工条件で被加工物ユニット17が切削される場合には、切り込み幅Wと切り込み幅Wとを同じ値に設定してもよい。
次に、被加工物ユニット17の切削面を研磨する(研磨ステップS3)。図9は、研磨ステップS3における被加工物ユニット17を示す正面図である。
例えば研磨ステップS3では、研磨装置70を用いて被加工物ユニット17を研磨する。研磨装置70は、被加工物ユニット17を保持するチャックテーブル(保持テーブル)72と、被加工物ユニット17を研磨する研磨ユニット74とを備える。
チャックテーブル72の上面は、水平面と概ね平行な平坦面であり、被加工物ユニット17を保持する保持面72aを構成している。例えば保持面72aは、ポーラスセラミックス等の多孔質部材によって構成される吸引面を含む。保持面72aは、チャックテーブル72の内部に形成された吸引路(不図示)、バルブ(不図示)等を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続されている。
チャックテーブル72には、チャックテーブル72を水平方向に沿って移動させる移動機構(不図示)が連結されている。移動機構としては、ボールねじ式の移動機構や、チャックテーブル72を支持して回転するターンテーブル等が用いられる。さらに、チャックテーブル72には、チャックテーブル72を鉛直方向と概ね平行な回転軸の周りで回転させるモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。
チャックテーブル72の上方には、研磨ユニット74が設けられている。研磨ユニット74は、Z軸方向に沿って配置された円柱状のスピンドル76を備える。スピンドル76の先端部(下端部)には、金属等でなる円盤状のマウント78が固定されている。また、スピンドル76の基端部(上端部)には、モータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。
マウント78の下面側には、被加工物ユニット17を研磨する研磨パッド80が装着される。例えば研磨パッド80は、ボルト等の固定具によってマウント78に固定される。研磨パッド80は、回転駆動源からスピンドル76及びマウント78を介して伝達される動力により、鉛直方向と概ね平行な回転軸の周りを回転する。
研磨パッド80は、ステンレス、アルミニウム等の金属でなる円盤状の基台82と、基台82の下面側に固定された円盤状の研磨層84とを備える。研磨層84は、基台82と概ね同径に形成され、接着剤等によって基台82の下面側に固定されている。研磨層84の下面は、被加工物ユニット17と接触して被加工物ユニット17を研磨する平坦な研磨面を構成している。
研磨層84は、不織布、発泡ウレタン等でなるベース部材に、酸化シリコン(SiO)、グリーンカーボランダム(GC)、ホワイトアランダム(WA)等でなる砥粒を含有させることによって形成される。例えば、平均粒径が0.1μm以上10μm以下の砥粒が用いられる。ただし、研磨層84の材質、砥粒の材質、砥粒の粒径等は、研磨対象物の材質等に応じて適宜選択できる。
研磨ステップS3では、まず、被加工物ユニット17がテープ21(図5等参照)から剥離され、支持基板23に固定される。例えば、支持基板23として円盤状の高剛性基板が準備され、被加工物ユニット17の第1切断面17c及び第2切断面17dとは反対側の面(図9における下面)が接着剤等を介して支持基板23に固定される。支持基板23の材質の例は、支持部材13,15と同様である。ただし、被加工物ユニット17を支持可能であれば、支持基板23の形状及び材質に制限はない。
次に、被加工物ユニット17がチャックテーブル72によって保持される。具体的には、被加工物ユニット17は、第1切断面17c及び第2切断面17dが上方に露出し、支持基板23の下面が保持面72aと対面するように、チャックテーブル72上に配置される。この状態で、保持面72aに吸引源の吸引力(負圧)を作用させると、被加工物ユニット17が支持基板23を介してチャックテーブル72によって吸引保持される。
次に、チャックテーブル72が研磨ユニット74の下方に位置付けられる。このとき、研磨層84が第1切断面17cの全体と重なるように、チャックテーブル72と研磨パッド80との位置関係が調節される。そして、チャックテーブル72と研磨パッド80を回転させつつ、研磨パッド80を下降させて研磨層84を被加工物ユニット17の第1切断面17cに押し付ける。これにより、被加工物11の端面11aが支持部材15の端面15dとともに研磨される。その結果、被加工物11の端面11aに残存する微細な凹凸が除去され、端面11aが鏡面化される。
被加工物ユニット17の研磨時には、砥粒を含有しない研磨液が被加工物ユニット17及び研磨パッド80に供給される。研磨液としては、例えば、酸性研磨液、アルカリ性研磨液等の薬液や、純水を用いることができる。酸性研磨液としては、過マンガン酸塩等が溶解した酸性溶液等が用いられ、アルカリ性研磨液としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムが溶解したアルカリ溶液等が用いられる。
なお、研磨層84に砥粒が含有されていない場合には、砥粒を含有するスラリーが被加工物ユニット17及び研磨パッドに供給されてもよい。例えばスラリーには、酸化シリコン(SiO)、アルミナ(Al)等でなる砥粒が遊離砥粒として含有される。
また、被加工物ユニット17は乾式研磨によって加工されてもよい。この場合には、被加工物ユニット17の研磨中、被加工物ユニット17及び研磨パッド80にスラリーや純水等の液体(研磨液)が供給されない。
このようにして、被加工物11の端面11aが研磨され、平坦に整えられる。なお、前述の切削ステップS2において、被加工物11と支持部材13とは切削ブレード40によって同時に切削されるため(図6(A)参照)、被加工物11の端面11aと支持部材13の端面13dとは同一平面上に配置されている。また、第2切断面17dは第1切断面17cよりも内側(図9では下側)に位置付けられる。そのため、研磨ステップS3においては研磨パッド80が第1切断面17cの全体に均一に接触し、第2切断面17dには接触しない。これにより、被加工物11の端面11aが過不足なく均一に研磨され、加工品質が向上する。
以上の通り、本実施形態に係る被加工物の加工方法では、被加工物11を一対の支持部材13,15で挟み込むことによって形成された被加工物ユニット17の側部を切削ブレード40で切削することにより、被加工物11の端面11aを含む平坦な第1切断面17cが形成される。これにより、被加工物ユニット17の第1切断面17cを均一に研磨することが可能になり、被加工物11の端面11aが適切に加工される。
なお、本実施形態では、切削ステップS2において被加工物ユニット17が2段階で切削される形態について説明した(図6(B)及び図7(B)参照)。ただし、加工品質に影響がない場合には、切削ステップS2において複数の被加工物11及び支持部材13,15を一括で切削してもよい。
例えば、被加工物11及び支持部材13,15が切削容易な材質でなり、切削ブレード40で被加工物ユニット17を切削しても被加工物ユニット17に大きな加工負荷がかからない場合には、切削ブレード40を被加工物ユニット17の厚さを超える切り込み深さで被加工物ユニット17に切り込ませてもよい。この場合には、被加工物11の端面11a、支持部材13の端面13d、及び支持部材15の端面15dを同一平面上に含む切断面が形成される。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
11 被加工物
11a 端面(切断面)
13 支持部材
13a 第1面
13b 第2面
13c 側面
13d 端面(切断面)
15 支持部材
15a 第1面
15b 第2面
15c 側面
15d 端面(切断面)
17 被加工物ユニット
17a 第1面
17b 第2面
17c 第1切断面
17d 第2切断面
19 フレーム
19a 開口
21 テープ
23 支持基板
2 切削装置
4 基台
4a,4b,4c 開口
6 カセット支持台(カセットエレベーター)
8 カセット
10 チャックテーブル(保持テーブル)
10a 保持面
12 移動ユニット
14 テーブルカバー
16 防塵防滴カバー
18 クランプ
20 支持構造
22 移動ユニット
24 Y軸ガイドレール
26 Y軸移動プレート
28 Y軸ボールねじ
30 Z軸ガイドレール
32 Z軸移動プレート
34 Z軸ボールねじ
36 Z軸パルスモータ
38 切削ユニット
40 切削ブレード
40a 貫通孔
42 ハウジング
44 スピンドル
46 ブレードマウント
48 フランジ部
48a 表面
48b 凸部
48c 支持面
50 ボス部(支持軸)
50a ねじ溝(雄ねじ部)
52 押さえフランジ
52a 貫通孔
54 固定ナット
54a 貫通孔
56 撮像ユニット
58 洗浄ユニット
60 制御ユニット(制御部、制御装置)
70 研磨装置
72 チャックテーブル(保持テーブル)
72a 保持面
74 研磨ユニット
76 スピンドル
78 マウント
80 研磨パッド
82 基台
84 研磨層

Claims (4)

  1. 柱状の被加工物の端面を加工する被加工物の加工方法であって、
    該被加工物と、該被加工物を挟み込む一対の支持部材と、を含む被加工物ユニットを形成する被加工物ユニット形成ステップと、
    切削ブレードを該被加工物ユニットの側面に沿って切り込ませて該被加工物の端部及び該支持部材の端部を切削することにより、該被加工物ユニットに該被加工物の端面及び該支持部材の端面を含む切断面を形成する切削ステップと、
    該被加工物ユニットの該切断面を研磨する研磨ステップと、を含むことを特徴とする被加工物の加工方法。
  2. 該切削ステップは、
    該切削ブレードを該被加工物ユニットの厚さ未満の切り込み深さで一方の該支持部材側から該被加工物ユニットに切り込ませることにより、該被加工物の端部と一方の該支持部材の端部とを切削する第1切削ステップと、
    該切削ブレードを該被加工物ユニットの厚さ未満の切り込み深さで他方の該支持部材側から該被加工物ユニットに切り込ませることにより、他方の該支持部材の端部を切削する第2切削ステップと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の被加工物の加工方法。
  3. 該第2切削ステップにおける該切削ブレードの該被加工物ユニットへの切り込み幅は、該第1切削ステップにおける該切削ブレードの該被加工物ユニットへの切り込み幅よりも大きいことを特徴とする、請求項2に記載の被加工物の加工方法。
  4. 該被加工物ユニット形成ステップでは、接着剤を介して該被加工物と該支持部材とを接合させ、
    該切削ステップでは、テープを介して該被加工物ユニットをチャックテーブルで保持することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の被加工物の加工方法。
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