JP2023173748A - 生産計画立案方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】段取り替えの回数および稼働時間の空き時間を削減する。【解決手段】対象物の納期に基づいてバックワードで対象物の生産において実施される複数のジョブを、それぞれの生産設備に仮割り当てをして、ジョブそれぞれの最遅開始時刻を算出する第1ステップと、仮割り当ての結果に基づいて、ボトルネック生産設備に割り当てられる予定の対象ジョブそれぞれについて、ボトルネック生産設備へ割り当て可能な最早開始時刻と対象ジョブの最遅開始時刻との差である納期余裕時間と、対象ジョブの段取り替えの有無を表す生産ロス値とを用いて評価値を算出する第2ステップと、評価値が最小である対象ジョブをフォワードでボトルネック生産設備に割り当てる第3ステップと、対象ジョブすべてがボトルネック生産設備に割り当てられるまで、第2ステップと第3ステップとを繰り返す第4ステップと、が実行されることにより、生産計画が作成される。【選択図】図6
Description
本開示は、生産計画立案方法に関する。
特許文献1に記載の生産計画作成方法においては、納期を基準としてバックワードで計算した結果から生産順序計画データが作成された後、設備の稼働率とロットのリードタイムの平均とからボトルネック設備が決定される。そして、ボトルネック設備以降の工程についてフォワードで割り付けが行われることにより生産順序計画データが再度作成される。
特許文献1に記載されている技術においては、段取り替えの有無、稼働時間の空き時間が考慮されておらず、段取り替えの回数の削減および稼働時間の空き時間の削減を解消することができない。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本開示の一形態によれば、生産計画を作成する生産計画立案方法が提供される。この生産計画立案方法は、複数の対象物について、前記対象物に設定された納期に基づいてバックワードで、前記対象物の生産において実施される複数のジョブを、前記ジョブを実施するそれぞれの生産設備に仮割り当てをして、前記ジョブそれぞれの最遅開始時刻を算出する第1ステップと、前記仮割り当ての結果に基づいて、複数の生産設備のうちからあらかじめ決定されたボトルネック生産設備に割り当てられる予定の対象ジョブそれぞれについて、前記ボトルネック生産設備へ前記対象ジョブを割り当てることが可能な最早開始時刻と前記対象ジョブの前記最遅開始時刻との差である納期余裕時間と、前記対象ジョブの段取り替えの有無を表す生産ロス値とを用いて評価値を算出する第2ステップと、前記ボトルネック生産設備へ割り当てられていない前記対象ジョブのうち、前記評価値が最小である前記対象ジョブをフォワードで前記ボトルネック生産設備に割り当てる第3ステップと、前記対象ジョブすべてが前記ボトルネック生産設備に割り当てられるまで、前記第2ステップと前記第3ステップとを繰り返す第4ステップと、前記第4ステップが完了した後、前記ボトルネック生産設備を除く前記生産設備に、前記対象ジョブを除く前記ジョブを割り当てる第5ステップと、を含む。
上記形態によれば、段取り替えの有無、ボトルネック生産設備へジョブを割り当てることが可能な最早開始時刻とジョブの最遅開始時刻との差である納期余裕時間、即ち、稼働時間の空き時間を考慮して、生産計画が作成される。よって、段取り替えの回数および稼働時間の空き時間を削減することができる。
(2)上記形態の生産計画立案方法において、前記第5ステップが実行された後、前記ボトルネック生産設備において割り当てられている前記対象ジョブの終了時刻と、前記対象ジョブにかかる前記対象物の前記納期とに基づいて、時間的制約が最も大きい前記対象物を選択し、選択された前記対象物の前記納期と、前記第3ステップにおいて前記対象ジョブが前記ボトルネック生産設備に割り当てられた順序と、を制約条件として、前記ボトルネック生産設備への割り当てを時間軸上において後ろにずらすように修正する第6ステップ、をさらに含んでもよい。
上記形態によれば、納期を含む制約条件の下、ボトルネック生産設備への割り当てを時間軸上に後ろにずらすように修正するので、対象品の完成品の在庫を削減することができる。
(3)上記形態の生産計画立案方法において、前記第1ステップの実行の前に、ユーザから、前記ボトルネック生産設備を指定する指定値を受け付ける受付ステップが実行され、受け付けた指定値が示す前記ボトルネック生産設備をあらかじめ決定された前記ボトルネック生産設備として、前記第2ステップが実行されてもよい。
上記形態によれば、ユーザにより選択されたボトルネック生産設備における段取り替えの回数および稼働時間の空き時間を削減することができる生産計画が作成される。よって、生産計画の作成の自由度を高めることができる。
(1)本開示の一形態によれば、生産計画を作成する生産計画立案方法が提供される。この生産計画立案方法は、複数の対象物について、前記対象物に設定された納期に基づいてバックワードで、前記対象物の生産において実施される複数のジョブを、前記ジョブを実施するそれぞれの生産設備に仮割り当てをして、前記ジョブそれぞれの最遅開始時刻を算出する第1ステップと、前記仮割り当ての結果に基づいて、複数の生産設備のうちからあらかじめ決定されたボトルネック生産設備に割り当てられる予定の対象ジョブそれぞれについて、前記ボトルネック生産設備へ前記対象ジョブを割り当てることが可能な最早開始時刻と前記対象ジョブの前記最遅開始時刻との差である納期余裕時間と、前記対象ジョブの段取り替えの有無を表す生産ロス値とを用いて評価値を算出する第2ステップと、前記ボトルネック生産設備へ割り当てられていない前記対象ジョブのうち、前記評価値が最小である前記対象ジョブをフォワードで前記ボトルネック生産設備に割り当てる第3ステップと、前記対象ジョブすべてが前記ボトルネック生産設備に割り当てられるまで、前記第2ステップと前記第3ステップとを繰り返す第4ステップと、前記第4ステップが完了した後、前記ボトルネック生産設備を除く前記生産設備に、前記対象ジョブを除く前記ジョブを割り当てる第5ステップと、を含む。
上記形態によれば、段取り替えの有無、ボトルネック生産設備へジョブを割り当てることが可能な最早開始時刻とジョブの最遅開始時刻との差である納期余裕時間、即ち、稼働時間の空き時間を考慮して、生産計画が作成される。よって、段取り替えの回数および稼働時間の空き時間を削減することができる。
(2)上記形態の生産計画立案方法において、前記第5ステップが実行された後、前記ボトルネック生産設備において割り当てられている前記対象ジョブの終了時刻と、前記対象ジョブにかかる前記対象物の前記納期とに基づいて、時間的制約が最も大きい前記対象物を選択し、選択された前記対象物の前記納期と、前記第3ステップにおいて前記対象ジョブが前記ボトルネック生産設備に割り当てられた順序と、を制約条件として、前記ボトルネック生産設備への割り当てを時間軸上において後ろにずらすように修正する第6ステップ、をさらに含んでもよい。
上記形態によれば、納期を含む制約条件の下、ボトルネック生産設備への割り当てを時間軸上に後ろにずらすように修正するので、対象品の完成品の在庫を削減することができる。
(3)上記形態の生産計画立案方法において、前記第1ステップの実行の前に、ユーザから、前記ボトルネック生産設備を指定する指定値を受け付ける受付ステップが実行され、受け付けた指定値が示す前記ボトルネック生産設備をあらかじめ決定された前記ボトルネック生産設備として、前記第2ステップが実行されてもよい。
上記形態によれば、ユーザにより選択されたボトルネック生産設備における段取り替えの回数および稼働時間の空き時間を削減することができる生産計画が作成される。よって、生産計画の作成の自由度を高めることができる。
A.実施形態
図1は、実施形態にかかる情報処理装置100のブロック図である。情報処理装置100は、実施形態にかかる生産計画立案方法を実行することにより、生産計画を立案する。実施形態においては、生産計画を立案することと、生産計画を作成する、とは同義であるとする。情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)110と、メモリ120と、入力デバイス130と、表示部140と、通信インターフェイス150とを備える。メモリ120と、入力デバイス130と、表示部140と、通信インターフェイス150とは不図示のバスを介してCPU110に接続されている。CPU110は、メモリ120に記憶されているプログラムを実行することにより様々な機能を実現する。メモリ120は、情報処理装置100が実行する各種処理に使用されるプログラムおよびデータを記憶する。メモリ120に記憶されているデータの詳細については後述する。入力デバイス130は、例えば、キーボード、マウスである。表示部140は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。通信インターフェイス150は、CPU110の制御に従って外部の装置と通信する。
図1は、実施形態にかかる情報処理装置100のブロック図である。情報処理装置100は、実施形態にかかる生産計画立案方法を実行することにより、生産計画を立案する。実施形態においては、生産計画を立案することと、生産計画を作成する、とは同義であるとする。情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)110と、メモリ120と、入力デバイス130と、表示部140と、通信インターフェイス150とを備える。メモリ120と、入力デバイス130と、表示部140と、通信インターフェイス150とは不図示のバスを介してCPU110に接続されている。CPU110は、メモリ120に記憶されているプログラムを実行することにより様々な機能を実現する。メモリ120は、情報処理装置100が実行する各種処理に使用されるプログラムおよびデータを記憶する。メモリ120に記憶されているデータの詳細については後述する。入力デバイス130は、例えば、キーボード、マウスである。表示部140は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。通信インターフェイス150は、CPU110の制御に従って外部の装置と通信する。
実施形態において、メモリ120に記憶されているデータは、生産リスト情報121と、ジョブ情報122と、作業時間情報123と、段取り替え時間情報124とを含む。メモリ120に記憶されているこれらのデータは、外部の上位サーバから通信により情報処理装置100が受信したものである。上位サーバは、生産計画を含む生産管理を統合管理するサーバである。
図2は、生産リスト情報121の一例を示した図である。生産リスト情報121は、品番と連番とにより特定される対象品の生産個数と納期とを示す。例えば、生産リスト情報121は、品番が「X」であり、連番が「1」である対象品の生産個数が1であり、納期が「2022/5/1 15:00」であることを示す。品番は、対象品の種類を区別するため付けられている番号である。同一の種類の対象品には同じ品番が付けられている。連番は、個々の対象品を区別するため付けられている番号である。
図3は、ジョブ情報122の一例を示した図である。ジョブは、対象品の生産のため実施される作業である。ジョブ情報は、対象品の生産のため実施される作業の順序を示す。例えば、ジョブ情報122は、品番Xの対象品の生産のため、ジョブ1、ジョブ2、ジョブ3がこの順序で実施されることを示す。また、ジョブ情報122は、ジョブ1の作業は設備F1で、ジョブ2の作業は設備F2で、ジョブ3の作業は設備F3で実施されることを示す。設備F1、設備F2、設備F3を生産設備ともよぶ。実施形態において、対象品は、例えば、自動車のエンジンの試作品である。生産設備は、例えば、ホーニング加工機、マシニングセンタ、リークテスタである。
図4は、作業時間情報123の一例を示した図である。作業時間情報123は、品番毎の、各ジョブにおける作業にかかる時間を示す。例えば、作業時間情報123は、品番Xのジョブ1における作業時間が60分、品番Xのジョブ2における作業時間が60分、品番Xのジョブ3における作業時間が60分であることを示す。
図5は、段取り替え時間情報124の一例を示した図である。段取り替え時間情報124は、品番間の段取り替えにかかる時間を示す。例えば、段取り替え時間情報124は、設備F2における品番Xから品番Yへの段取り替えにかかる段取り替え時間が30分、設備F2における品番Yから品番Xへの段取り替えにかかる段取り替え時間が30分であることを示す。実施形態においては、いずれの品番間においても段取り替えの時間が同じ例を説明する。段取り替えは、例えば、生産設備であるマシニングセンタにおける刃物および固定用の治具の交換である。段取り替えは、前段取りと後段取りとを含むものであってもよい。あるいは、段取り替えは、前段取りだけを含むものであってもよい。また、あるいは、段取り替えは、後段取りだけを含むものであってもよい。
図6は、生産計画を作成するための計画立案処理のフローチャートである。図7~図9は、計画立案処理を説明するための図である。情報処理装置100のCPU110が、メモリ120に格納されている専用のプログラムを実行することにより、計画立案処理にかかる各ステップが実行される。情報処理装置100をコンピュータともよぶ。
実施形態においては、情報処理装置100は、ボトルネック設備の稼働効率を向上させることを目的として生産計画を立案する。ボトルネック設備とは、複数の生産設備のうち、生産性の低下に最も大きな影響を与える生産設備である。実施形態においては、設備F1、F2、F3のうち、設備F2がボトルネック設備としてあらかじめ決定されている。ボトルネック設備は、例えば、あらかじめ決められたルールに則って決定されてもよい。例えば、段取り替えの発生回数が最も多い生産設備をボトルネック設備として決定するというルールを採用してもよい。例えば、生産ラインの管理者が、ルールに則って決定された生産設備を、入力デバイス130を用いてあらかじめ入力しておく。例えば、図6に示すステップS10の実行の前に、情報処理装置100は、ユーザから、ボトルネック生産設備を指定する値を受け付けるステップを実行する。このステップを受付ステップともよぶ。入力されるボトルネック設備を表す値を指定値ともよぶ。あるいは、生産ラインの管理者は、経験則に基づいてボトルネック設備を選択し、入力デバイス130を用いて選択した設備を入力してもよい。この場合、ユーザにより選択されたボトルネック生産設備における段取り替えの回数および稼働時間の空き時間を削減することができる生産計画が作成される。よって、生産計画の作成の自由度を高めることができる。
以下、図2の生産リスト情報121に示すように、品番「X」、連番「1」の対象品と、品番「X」、連番「2」の対象品と、品番「Y」、連番「1」の対象品と、品番「Y」、連番「2」の対象品とがそれぞれ1個ずつ生産される際の生産計画を立案する例を説明する。以下、品番「X」、連番「1」の対象品を、単にX1とよぶ。品番「X」、連番「2」の対象品を、単にX2とよぶ。品番「Y」、連番「1」の対象品を、単にY1とよぶ。品番「Y」、連番「2」の対象品を、単にY2とよぶ。対象品を対象物ともよぶ。
X1、X2、Y1、Y2について、異なる時刻に納期が設定されている。X1の納期は15時、Y1の納期は18時、X2の納期は21時、Y2の納期は24時である。
図3のジョブ情報122と、図4の作業時間情報123に示すように、同じ品番を有するX1、X2はいずれも、設備F1におけるジョブ1、設備F2におけるジョブ2、設備F3におけるジョブ3を順に経て生産される。また、同じ品番を有するY1、Y2はいずれも、設備F2におけるジョブ5、設備F3におけるジョブ6、設備F2におけるジョブ7を順に経て生産される。以下、X1について設備F1で実施されるジョブ1を、ジョブ11とよび、X2について設備F1で実施されるジョブ1をジョブ21とよぶ。X1について設備F2で実施されるジョブ2を、ジョブ12とよび、X2について設備F2で実施されるジョブ2をジョブ22とよぶ。X1について設備F3で実施されるジョブ3を、ジョブ13とよび、X2について設備F3で実施されるジョブ3をジョブ23とよぶ。Y1について設備F2で実施されるジョブ5を、ジョブ15とよび、Y2について設備F2で実施されるジョブ5をジョブ25とよぶ。Y1について設備F3で実施されるジョブ6を、ジョブ16とよび、Y2について設備F3で実施されるジョブ6をジョブ26とよぶ。Y1について設備F2で実施されるジョブ7を、ジョブ17とよび、Y2について設備F2で実施されるジョブ7をジョブ27とよぶ。
図6に示すように、ステップS10において、情報処理装置100は、それぞれのジョブを各対象品の納期に応じてバックワードで対応する設備に仮割り当てをする。なお、各対象品のジョブの順序は、図3のジョブ情報に示す順序となるようにする。ジョブをバックワードで割り当てるとは、納期から後ろ詰めでジョブを各設備に割り当てていくことをいう。図2に示すように、4つの対象品のうちY2の納期が最も遅い。Y2の最後のジョブ27の終了時刻がY2の納期の24時となるように、ジョブ27の仮割り当てが行われる。図4の作業時間情報123に示すように、ジョブ27の作業時間は60分である。よって、図7の1番上の段に示すように、23時~24時にジョブ27が設備F2に割り当てられる。
続いて、ジョブ27の前に実施されるジョブ26の終了時刻が23時となるように、ジョブ26の仮割り当てが行われる。ジョブ26の作業時間は60分である。よって、図7の1番上の段に示すように、22時~23時にジョブ26が設備F3に割り当てられる。さらに、ジョブ26の前に実施されるジョブ25の終了時刻が22時となるように、ジョブ25の仮割り当てが行われる。ジョブ25の作業時間は60分である。よって、図7の1番上の段に示すように、21時~22時にジョブ25が設備F2に割り当てられる。
図2に示すように、4つの対象品のうちX2の納期が2番目に遅い。X2と、X2の後に生産されるY2とは品番が異なる。このため、X2の生産の後、Y2の生産に取りかかる前に設備F2における段取り替えが必要となる。図5の段取り替え時間情報124に示すように、設備F2における品番Xから品番Yへの段取り替えにかかる時間は30分である。よって、図7の1番上の段に示すように、Y2のジョブ25が実施される前の20時30分~21時に段取り替えが設備F2に割り当てられる。図7において、段取り替えが割り当てられた範囲をクロスのハッチングで表す。なお、ボトルネック設備である設備F2以外についても段取り替えを行う必要がある。実施形態においては、技術の理解を容易にするため、ボトルネック設備である設備F2以外の段取り替えについての説明を省略する。
続いて、X2の最後のジョブ23の終了時刻がX2の納期の21時となるように、ジョブ23の仮割り当てが行われる。ジョブ23の作業時間は60分である。よって、図7の上から2番目の段に示すように、20時~21時にジョブ23が設備F3に割り当てられる。
その後、ジョブ23の前に実施されるジョブ22の終了時刻が20時となるように、ジョブ22の仮割り当てが行われる。ジョブ22の作業時間は60分である。よって、図7の上から2番目の段に示すように、19時~20時にジョブ22が設備F2に割り当てられる。さらに、ジョブ22の前に実施されるジョブ21の終了時刻が19時となるように、ジョブ21の仮割り当てが行われる。ジョブ21の作業時間は60分である。よって、図7の上から2番目の段に示すように、18時~19時にジョブ21が設備F1に割り当てられる。
図2に示すように、4つの対象品のうちY1の納期が3番目に遅い。Y1と、Y1の後に生産されるX2とは品番が異なる。このため、Y1の生産の後、X2の生産に取りかかる前に設備F2における段取り替えが必要となる。図5の段取り替え時間情報124に示すように、設備F2における品番Yから品番Xへの段取り替えにかかる時間は30分である。よって、図7の上から2番目の段に示すように、X2のジョブ22が実施される前の18時30分~19時に段取り替えが設備F2に割り当てられる。
続いて、Y1のジョブ17、ジョブ16、ジョブ15の設備F2、設備F3、設備F2への仮割り当てがそれぞれ行われる。よって、図7の上から3番目の段に示すように、ジョブ17が17時~18時に設備F2に割り当てられ、ジョブ16が16時~17時に設備F3に割り当てられ、ジョブ15が15時~16時に設備F2に割り当てられる。
図2に示すように、4つの対象品のうちX1の納期が1番早い。X1と、X1の後に生産されるY1とは品番が異なる。このため、X1の生産の後、Y1の生産に取りかかる前に設備F2における段取り替えが必要となる。よって、図7の上から3番目の段に示すように、Y1のジョブ15の作業が実施される前である14時30分~15時に段取り替えが設備F2に割り当てられる。
その後、X1のジョブ13、ジョブ12、ジョブ11の設備F3、設備F2、設備F1への仮割り当てが行われる。よって、図7の1番下の段に示すように、ジョブ13が14時~15時に設備F3に割り当てられ、ジョブ12が13時~14時に設備F2に割り当てられ、ジョブ11が12時~13時に設備F1に割り当てられる。さらに、X1のジョブ12の作業が実施される前である12時30分~13時に段取り替えが設備F2に割り当てられる。
図6に示すように、ステップS15において、情報処理装置100は、設備F2におけるそれぞれのジョブの最遅開始時刻をメモリ120に記憶させる。ステップS10およびS15を第1ステップともよぶ。最遅開始時刻は、納期までに対象品を完成させるため、各ジョブが遅くとも開始されなくてはいけない時刻である。図6に示すように、ステップS10では、各対象品に設定されている納期に応じてバックワードでジョブの仮割り当てが行われた。よって、設備F2に仮割り当てされたジョブの開始時刻が、そのジョブの最遅開始時刻となる。図7に示す例では、設備F2に仮割り当てされた各ジョブの最遅開始時刻は以下の通りである。
X1のジョブ12の最遅開始時刻:13時
Y1のジョブ15の最遅開始時刻:15時
Y1のジョブ17の最遅開始時刻:17時
X2のジョブ22の最遅開始時刻:19時
Y2のジョブ25の最遅開始時刻:21時
Y2のジョブ27の最遅開始時刻:23時
X1のジョブ12の最遅開始時刻:13時
Y1のジョブ15の最遅開始時刻:15時
Y1のジョブ17の最遅開始時刻:17時
X2のジョブ22の最遅開始時刻:19時
Y2のジョブ25の最遅開始時刻:21時
Y2のジョブ27の最遅開始時刻:23時
図6に示すように、ステップS20において、情報処理装置100は、すべてのジョブの仮割り当てを解除する。
ステップS25において、情報処理装置100は、ボトルネック設備である設備F2に割り当てられるジョブの評価値S1をそれぞれ算出する。ステップS25を第2ステップともよぶ。ボトルネック設備である設備F2に割り当てられる予定のジョブを対象ジョブともよぶ。ジョブごとに算出される評価値S1は、そのジョブがボトルネック設備の稼働効率の低下に影響を与える程度を示すものである。評価値S1は、ジョブの実施順序を決定するために使用される。
評価値S1は、以下の式(1)により算出される。
評価値S1
=納期余裕時間×重み付け係数K1+生産ロス値×重み付け係数K2・・・(1)
評価値S1
=納期余裕時間×重み付け係数K1+生産ロス値×重み付け係数K2・・・(1)
納期余裕時間は、設備F2へジョブを割り当てることが可能な最早開始時刻と、ジョブの最遅開始時刻との差である。最早開始時刻は、設備F2にジョブが割り当てられていない最も早い時刻である。最早開始時刻は、例えば、ステップS20の仮割り当ての解除の後、最初に設備F2へジョブを割り当てる場合、生産開始時刻の10時である。図7に示すように、設備F2におけるX1のジョブ12の最遅開始時刻は13時であるので、納期余裕時間は3時間である。
生産ロス値は、設備F2に割り当てられるジョブの実施の前に段取り替えが必要であるか否かを示す値である。前述のように、実施形態においては、いずれの品番間においても段取り替えの時間が同じである。よって、評価値S1の算出の際には、段取り替えの有無を表す値を生産ロス値として使用する。設備F2に割り当てられるジョブの実施の前に段取り替えが必要である場合、生産ロス値に1が設定される。設備F2に割り当てられるジョブの実施の前に段取り替えが不要である場合、生産ロス値に0が設定される。例えば、図7に示すようにY1のジョブ15の実施の前には段取り替えが必要なので、生産ロス値が1となる。また、Y1のジョブ17については、段取り替えが不要なので、生産ロス値が0となる。このように、生産ロス値に1または0を設定することにより、例えば、生産ロス値として、段取り替えに要する時間を使用する場合に比べて、評価値S1の演算を簡易なものとすることができる。
重み付け係数K1、K2は、あらかじめ設定された係数である。実施形態においては、重み付け係数K1と重み付け係数K2との和が1となるように、重み付け係数K1、K2が設定されている。重み付け係数K1、K2は生産ラインの管理者によりあらかじめ決定されている。実施形態においては、段取り替えの有無を、納期余裕時間より重視して評価値を算出する。このため、重み付け係数K1を0.05、重み付け係数K2を0.95と設定する。
情報処理装置100は、最早開始時刻における、設備F2に割り当てられる予定のジョブの評価値S1をそれぞれ算出する。
評価値の具体的な算出方法は以下のとおりである。例えば、最早開始時刻が生産開始時刻の10時であるとする。この場合、図7に示すように、X1のジョブ12の最遅開始時刻は13時であるので、納期余裕時間は3時間である。生産開始時刻後に初めて実施されるジョブについては必ず段取り替えが必要であるものとする。よって、生産ロス値は1である。評価値S1は、3×0.05+1×0.95=1.1である。
Y1のジョブ15の最遅開始時刻は15時であるので、納期余裕時間は5時間である。生産が開始された初めて実施されるジョブについては必ず段取り替えが必要であるので、生産ロス値は1である。評価値S1は、5×0.05+1×0.95=1.2である。Y1のジョブ17の最遅開始時刻は17時であるので、納期余裕時間は7時間である。生産ロス値は1である。評価値S1は、7×0.05+1×0.95=1.3である。X2のジョブ22の最遅開始時刻は19時であるので、納期余裕時間は9時間である。生産ロス値は1である。評価値S1は、9×0.05+1×0.95=1.4である。Y2のジョブ25の最遅開始時刻は21時であるので、納期余裕時間は11時間である。生産ロス値は1である。評価値S1は、11×0.05+1×0.95=1.5である。Y2のジョブ27の最遅開始時刻は23時であるので、納期余裕時間は13時間である。生産ロス値は1である。評価値S1は、13×0.05+1×0.95=1.6である。
図6に示すように、ステップS30において、情報処理装置100は、ステップS25で算出した評価値S1のうち値が最も小さいジョブを選択する。情報処理装置100は、評価値S1のうち値が最も小さいジョブを設備F2に割り当てる。ステップS30を第3ステップともよぶ。
最早開始時刻が生産開始時刻の10時である場合、X1のジョブ12の評価値S1が1.1であり、最も小さい。図8の1番上の段に示すように、情報処理装置100は、X1のジョブ12を設備F2に割り当てる。ジョブ12の実施の前に段取り替えが必要であるので、ジョブ12は、10時30分~11時30分に割り当てられる。
図6に示すように、ステップS35において、情報処理装置100は、ボトルネック設備である設備F2に割り当てられる予定のジョブが、すべて割り当てられていない場合(ステップS35;NO)、ステップS25の処理を再び実行する。ステップS35を第4ステップともよぶ。最早開始時刻は、設備F2にジョブが割り当てられていない最も早い時刻である。例えば、ジョブ12が、10時30分~11時30分に割り当てられた後においては、最早開始時刻は11時30分である。
ステップS25において、情報処理装置100は、未割り当てのジョブそれぞれについて評価値S1を算出する。図7に示すように、Y1のジョブ15の最遅開始時刻は15時であるので、納期余裕時間は3時間30分である。X1の生産の後、Y1の生産に取りかかる場合、設備F2における段取り替えが必要である。生産ロス値は1である。評価値S1は、3.5×0.05+1×0.95=1.125である。
Y1のジョブ17の前に実施されるジョブ15が未割り当てであるので、ジョブ17の割り当てを行うことができない。よって、ジョブ17の評価値S1の算出は行われない。X2のジョブ22の納期余裕時間は7.5時間である。X1の生産の後、X2の生産に取りかかる場合、設備F2において段取り替えが不要である。生産ロス値は0である。評価値S1は、7.5×0.05+0×0.95=0.375である。
Y2のジョブ25の納期余裕時間は9.5時間である。X1の生産の後、Y2の生産に取りかかる場合、設備F2において段取り替えが必要である。生産ロス値は1である。評価値S1は、9.5×0.05+1×0.95=1.425である。Y2のジョブ27の前に実施されるジョブ25が未割り当てであるので、ジョブ25の割り当てを行うことができない。よって、ジョブ25の評価値S1の算出は行われない。
また、ステップS25においては、設備F2以外の設備でのジョブを経た後でなければ、設備F2に割り当てることができないジョブについても、評価値S1の算出は行われない。例えば、図8の上から3段目に示すように、Y1のジョブ15を設備F2に割り当てたとする。このタイミングで設備F2には、Y1のジョブ17を割り当てることができない。設備F3でジョブ16の作業を実施してから、ジョブ17の作業を設備F2で実施する必要があるからである。この場合、Y1のジョブ17についての評価値S1の算出は行われない。
図6に示すように、ステップS30において、情報処理装置100は、ステップS25で算出した評価値S1のうち値が最も小さいジョブを設備F2に割り当てる。最早開始時刻が11時30分である場合、X2のジョブ22の評価値S1が0.375であり、最も小さい。図8の上から2番目の段に示すように、情報処理装置100は、X2のジョブ22を設備F2に割り当てる。なお、ジョブ22の前に割り当てられているのは、同じ品番のジョブ12であるので段取り替えは不要である。ジョブ12は、11時30分~12時30分に割り当てられる。このように、情報処理装置100は、ステップS30において、評価値S1の値が小さいジョブから順に、フォワードで設備F2への割り当てを行う。ジョブをフォワードで割り当てるとは、基準時点から前詰めでジョブを割り当てていくことをいう。基準時点は、例えば、生産開始時点である。
図6に示すように、ステップS35において、ボトルネック設備である設備F2に割り当てられる予定のジョブがすべて設備F2に割り当てられた場合(ステップS35;YES)、ステップS40の処理が実行される。この時点で、図8の1番下の段に示すように、ボトルネック設備である設備F2に、設備F2に割り当てられる予定のジョブがすべて割り当てられている。
図6に示すように、ステップS40において、情報処理装置100は、設備F2へのジョブの割り当てに合わせて、設備F1、F3にジョブを割り当てる。具体的には、情報処理装置100は、図3に示すジョブの順序に従って、設備F2に割り当てられたジョブの前に実行されるジョブと、設備F2に割り当てられたジョブの後に実行されるジョブとをそれぞれの設備に割り当てる。なお、設備F1、F3にジョブを割り当てる際に評価値S1の算出は不要である。ステップS40を第5ステップともよぶ。この結果、図9の上の段に示すように、設備F1~F3にすべてのジョブが割り当てられる。なお、設備F1、F3については段取り替えの図示を省略している。図9の上の段に示すように、各対象品の最終のジョブの実施完了時点は、各対象品に設定された納期より早い。図9の上の段に示すようなスケジュールで各対象品を生産した場合、対象品が完成した後、納期まで完成品の在庫を保管する必要がある。このため、以下に説明するように、スケジュールを繰り下げるような処理が行われる。
図6に示すように、ステップS45において、情報処理装置100は、納期までの時間が最も短いジョブに合わせて、スケジュールを繰り下げるように、ジョブの割り当てを修正する。具体的には、情報処理装置100は、ボトルネック生産設備において割り当てられている対象ジョブの終了時刻と、対象ジョブにかかる対象物の納期とに基づいて、時間的制約が最も大きい対象物を選択する。情報処理装置100は、選択された対象物の納期と、第3ステップにおいて対象ジョブがボトルネック生産設備に割り当てられた順序と、を制約条件として、ボトルネック生産設備へのジョブの割り当てを時間軸上において後ろにずらす。ステップS30において割り当てられたジョブの順序は固定されたままとする。ステップS45を第6ステップともよぶ。
図9の上の段に示すように、X1の最後のジョブ13が割り当てられた終了時刻と、X1の納期との差は、2時間30分である。X2の最後のジョブ23が割り当てられた終了時刻と、X2の納期との差は、7時間30分である。Y1の最後のジョブ17が割り当てられた終了時刻と、Y1の納期との間の差は、2時間である。Y2の最後のジョブ27の終了時刻と、Y1の納期との差は、7時間である。よって、4つの対象品それぞれの最後のジョブのうち、割り当てられた終了時刻と納期との差が最も小さいのは、Y1のジョブ17である。納期遵守の観点から、Y1のジョブ17の割り当てを変更することができる時間的な幅が最も小さい。ジョブの割り当てを変更することが可能な時間的な幅のことを、時間的制約ともよぶ。ここでは、Y1が、時間的制約が最も大きい対象品である。よって、いずれの対象品の納期も超えないように、ジョブの割り当てを時間軸上でずらすことができる最大限の範囲は2時間である。従って、図9の上の段に示すジョブの割り当てが、時間軸上で2時間だけ後ろにずらされる。図9の下の段に、ずらされたジョブの割り当てを示す。図示するように、各対象品の最後のジョブは、設定された納期以前に完了する。よって、納期を含む制約条件の下、ボトルネック生産設備への割り当てを時間軸上に後ろにずらすように修正するので、対象品の完成品の在庫を削減することができる。
情報処理装置100のCPU110は、各ジョブの開始時刻および終了時刻を含むスケジュールのデータをメモリ120に記憶させる。また、情報処理装置100のCPU110は、スケジュールのデータを表す画像を表示部140に表示させてもよい。
以上、説明したように、実施形態においては、段取り替えの有無、ボトルネック生産設備へジョブを割り当てることが可能な最早開始時刻とジョブの最遅開始時刻との差である納期余裕時間、即ち、稼働時間の空き時間を考慮して、生産計画が作成される。よって、ボトルネック設備における、段取り替えの回数および稼働時間の空き時間を削減することができる。これにより、設備全体の、段取り替えの回数および稼働時間の空き時間の削減にもつながる。また、ボトルネック設備における稼働時間の空き時間を削減できるので、ボトルネック設備の稼働効率を向上させることができる。
例えば、多品種少量生産の場面においては、段取り替えが多発することが想定される。このような場面においては、実施形態にかかる方法を採用することにより、段取り替えの回数および稼働時間の空き時間の削減に大きな効果を奏すると考えられる。
B1.他の実施形態1
図6に示す計画立案処理において、情報処理装置100は、ステップS45の後に、以下のような処理をさらに実行してもよい。図9の下の段に示すように、最初に開始されるのは設備F1におけるジョブ11であり、開始時刻は11時30分である。情報処理装置100は、設備F2およびF3におけるジョブおよび段取り替えのうち、最初に開始されるジョブ11に合わせて、開始時刻をずらすことができるジョブおよび段取り替えがあるか否かを判定する。図9の下の段に示す例では、設備F2におけるジョブ12の前の段取り替えが、12時に開始されるが、この段取り替えを、30分前にずらすことができる。よって、図10に示すように、情報処理装置100は、設備F2におけるジョブ12の前の段取り替えの設備F2への割り当てを時間軸上で30分前にずらす。これにより、ジョブ12の割り当てられている期間と、その前の段取り替えが割り当てられている期間との間に30分間の時間の余裕が生じる。このように、納期および在庫管理に影響が出ない範囲で、ジョブおよび段取り替えを前倒しで割り当てることができる。
図6に示す計画立案処理において、情報処理装置100は、ステップS45の後に、以下のような処理をさらに実行してもよい。図9の下の段に示すように、最初に開始されるのは設備F1におけるジョブ11であり、開始時刻は11時30分である。情報処理装置100は、設備F2およびF3におけるジョブおよび段取り替えのうち、最初に開始されるジョブ11に合わせて、開始時刻をずらすことができるジョブおよび段取り替えがあるか否かを判定する。図9の下の段に示す例では、設備F2におけるジョブ12の前の段取り替えが、12時に開始されるが、この段取り替えを、30分前にずらすことができる。よって、図10に示すように、情報処理装置100は、設備F2におけるジョブ12の前の段取り替えの設備F2への割り当てを時間軸上で30分前にずらす。これにより、ジョブ12の割り当てられている期間と、その前の段取り替えが割り当てられている期間との間に30分間の時間の余裕が生じる。このように、納期および在庫管理に影響が出ない範囲で、ジョブおよび段取り替えを前倒しで割り当てることができる。
B2.他の実施形態2
また、図6に示す計画立案処理において、ステップS45の実行を省略してもよい。この場合、図9の上の段に示すように、各対象品の最終のジョブの実施完了時点は、各対象品に設定された納期より早いので、対象品が完成した後、納期まで完成品の在庫を保管することになる。しかしながら、ステップS45の処理を省略したとしても、ボトルネック設備における段取り替えの回数および稼働時間の空き時間を削減できる。
また、図6に示す計画立案処理において、ステップS45の実行を省略してもよい。この場合、図9の上の段に示すように、各対象品の最終のジョブの実施完了時点は、各対象品に設定された納期より早いので、対象品が完成した後、納期まで完成品の在庫を保管することになる。しかしながら、ステップS45の処理を省略したとしても、ボトルネック設備における段取り替えの回数および稼働時間の空き時間を削減できる。
B3.他の実施形態3
実施形態においては、重み付け係数K1が0.05、重み付け係数K2が0.95である例を説明したが、重み付け係数K1、K2は、変更可能である。段取り替えをできるだけ避けたい場合には、例えば、重み付け係数K1を0.01、重み付け係数K2を0.99と設定してもよい。あるいは、段取り替えの発生を重視しない場合には、重み付け係数K1の値を、重み付け係数K2より大きく設定してもよい。例えば、重み付け係数K1を0.99、重み付け係数K2を0.01と設定することができる。いずれの場合も、重み付け係数K1と重み付け係数K2との和が1となるように、重み付け係数K1、K2を設定する。
実施形態においては、重み付け係数K1が0.05、重み付け係数K2が0.95である例を説明したが、重み付け係数K1、K2は、変更可能である。段取り替えをできるだけ避けたい場合には、例えば、重み付け係数K1を0.01、重み付け係数K2を0.99と設定してもよい。あるいは、段取り替えの発生を重視しない場合には、重み付け係数K1の値を、重み付け係数K2より大きく設定してもよい。例えば、重み付け係数K1を0.99、重み付け係数K2を0.01と設定することができる。いずれの場合も、重み付け係数K1と重み付け係数K2との和が1となるように、重み付け係数K1、K2を設定する。
B4.他の実施形態4
実施形態においては、いずれの品番間においても段取り替えの時間が同じであるとの前提の下、評価値S1の算出の際には、段取り替えの有無を表す値を生産ロス値として使用した。あるいは、品番間における段取り替えの時間が異なる場合、生産ロス値として、段取り替えの有無を表す値ではなく、段取り替えに要する時間を使用することができる。この場合、段取り替えの時間、ボトルネック生産設備へジョブを割り当てることが可能な最早開始時刻とジョブの最遅開始時刻との差である納期余裕時間を考慮して、生産計画が作成される。よって、実施形態と同様に、ボトルネック設備における、段取り替えの回数および稼働時間の空き時間を削減することができる。これにより、設備全体の、段取り替えの回数および稼働時間の空き時間の削減にもつながる。
実施形態においては、いずれの品番間においても段取り替えの時間が同じであるとの前提の下、評価値S1の算出の際には、段取り替えの有無を表す値を生産ロス値として使用した。あるいは、品番間における段取り替えの時間が異なる場合、生産ロス値として、段取り替えの有無を表す値ではなく、段取り替えに要する時間を使用することができる。この場合、段取り替えの時間、ボトルネック生産設備へジョブを割り当てることが可能な最早開始時刻とジョブの最遅開始時刻との差である納期余裕時間を考慮して、生産計画が作成される。よって、実施形態と同様に、ボトルネック設備における、段取り替えの回数および稼働時間の空き時間を削減することができる。これにより、設備全体の、段取り替えの回数および稼働時間の空き時間の削減にもつながる。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
100…情報処理装置、110…CPU、120…メモリ、121…生産リスト情報、122…ジョブ情報、123…作業時間情報、124…時間情報、130…入力デバイス、140…表示部、150…通信インターフェイス、K1,K2…重み付け係数、F1,F2,F3…設備、S1…評価値
Claims (3)
- 生産計画を作成する生産計画立案方法であって、
複数の対象物について、前記対象物に設定された納期に基づいてバックワードで、前記対象物の生産において実施される複数のジョブを、前記ジョブを実施するそれぞれの生産設備に仮割り当てをして、前記ジョブそれぞれの最遅開始時刻を算出する第1ステップと、
前記仮割り当ての結果に基づいて、複数の前記生産設備のうちからあらかじめ決定されたボトルネック生産設備に割り当てられる予定の対象ジョブそれぞれについて、前記ボトルネック生産設備へ前記対象ジョブを割り当てることが可能な最早開始時刻と前記対象ジョブの前記最遅開始時刻との差である納期余裕時間と、前記対象ジョブの段取り替えの有無を表す生産ロス値とを用いて評価値を算出する第2ステップと、
前記ボトルネック生産設備へ割り当てられていない前記対象ジョブのうち、前記評価値が最小である前記対象ジョブをフォワードで前記ボトルネック生産設備に割り当てる第3ステップと、
前記対象ジョブのすべてが前記ボトルネック生産設備に割り当てられるまで、前記第2ステップと前記第3ステップとを繰り返す第4ステップと、
前記第4ステップが完了した後、前記ボトルネック生産設備を除く前記生産設備に、前記対象ジョブを除く前記ジョブを割り当てる第5ステップと、
を含む、
生産計画立案方法。 - 請求項1に記載の生産計画立案方法であって、
前記第5ステップが実行された後、前記ボトルネック生産設備において割り当てられている前記対象ジョブの終了時刻と、前記対象ジョブにかかる前記対象物の前記納期とに基づいて、時間的制約が最も大きい前記対象物を選択し、選択された前記対象物の前記納期と、前記第3ステップにおいて前記対象ジョブが前記ボトルネック生産設備に割り当てられた順序と、を制約条件として、前記ボトルネック生産設備への割り当てを時間軸上において後ろにずらすように修正する第6ステップ、
をさらに含む、
生産計画立案方法。 - 請求項1または2に記載の生産計画立案方法であって、
前記第1ステップの実行の前に、ユーザから、前記ボトルネック生産設備を指定する指定値を受け付ける受付ステップが実行され、
受け付けた前記指定値が示す前記ボトルネック生産設備をあらかじめ決定された前記ボトルネック生産設備として、前記第2ステップが実行される、
生産計画立案方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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Applications Claiming Priority (1)
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2022
- 2022-05-26 JP JP2022086204A patent/JP2023173748A/ja active Pending
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