JP2023173290A - 印刷装置及び印刷方法 - Google Patents

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Akira Senoo
清一 宮原
Seiichi Miyahara
正幸 萬谷
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一貴 中道
Kazuki Nakamichi
祐介 末安
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Abstract

【課題】搬送ベルトの保守管理性を向上して、印刷工程の稼働率の低下を抑制できる印刷装置を提供する。【解決手段】印刷装置1は、所定の開口が形成されたマスクを用いて基板に半田ペーストを印刷する印刷装置であって、基板を保持して開口に位置合わせする基板保持部と、開口に半田ペーストを充填して基板に半田ペーストを印刷する印刷ヘッドと、ベルト上に載置された基板を基板保持部まで搬送し、印刷が完了した基板を下流へ搬送する搬送部と、搬送部が搬送する基板を検出する検出部と、検出部の検出結果に基づいて、基板が搬送部によって所定の距離だけ搬送される時間を計測し、計測された時間に基づいて、ベルトの状態を判定する判定部と、を備える。【選択図】図4

Description

本開示は、印刷装置及び印刷方法に関する。
従来、基板(例えばプリント基板)上に電子部品を実装する部品実装装置と、所定の開口が形成されたマスク等を用いて基板に半田ペーストを印刷する印刷装置と、が知られている。部品実装装置及び印刷装置には、基板を順次搬送するための基板搬送装置(以下、搬送部ともいう。)が配設される。基板搬送装置が基板を搬送する際、それぞれの実装工程において精度よく位置決めすることが求められる。しかしながら、その搬送ベルト(以下「ベルト」ともいう。)が経年劣化したり搬送ベルトに半田ペーストが付着したりするなどして、その結果、搬送速度がばらついてしまうと、位置決めの精度が低下する可能性がある。そのため、印刷装置に対し搬送ベルトも含め適切な保守管理が適宜実行される。
搬送ベルトの保守管理については、搬送装置の搬送ベルトを交換できるようにしたものが知られる(例えば特許文献1参照)。この基板搬送装置は、単一の回転駆動源に接続され且つ一対のコンベアレールの駆動用プーリのそれぞれを同一軸線上で駆動する駆動軸を備える。この駆動軸が、少なくとも一部が軸方向に分断される一対の分断軸端部と、この分断軸端部の分断及びこの軸端部の接続を自在とする軸継手と、を有して構成される。その構成により、軸継手の分断時に分断部から搬送ベルトを脱着自在とすることが可能となっている。
特開2004-67348号公報
特許文献1の基板搬送装置では、搬送ベルトの交換時に初めてその搬送ベルトの状態が例えば作業者の目視で把握可能となる。つまり、稼働時における搬送ベルトの状態をリアルタイムで把握したり検査したりするものではない。そのため、搬送ベルトの交換時期を事前に予測することは困難であり、改善の余地がある。また、特許文献1の基板搬送装置では、搬送ベルトのメンテナンスについても考慮されていない。
本開示は、搬送ベルトの保守管理性を向上して、印刷工程の稼働率の低下を抑制できる印刷装置及び印刷方法を提供する。
本開示の一態様は、所定の開口が形成されたマスクを用いて基板に半田ペーストを印刷する印刷装置であって、前記基板を保持して前記開口に位置合わせする基板保持部と、前記開口に前記半田ペーストを充填して前記基板に前記半田ペーストを印刷する印刷ヘッドと、ベルト上に載置された前記基板を前記基板保持部まで搬送し、印刷が完了した前記基板を下流へ搬送する搬送部と、前記搬送部が搬送する前記基板を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて、前記基板が前記搬送部によって所定の距離だけ搬送される時間を計測し、計測された前記時間に基づいて、前記ベルトの状態を判定する判定部と、を備える印刷装置を提供する。
本開示の一態様は、所定の開口が形成されたマスクを用いて基板に半田ペーストを印刷する印刷方法であって、基板保持部を用いて前記基板を保持して前記開口に位置合わせする基板保持ステップと、前記開口に前記半田ペーストを充填して前記基板に前記半田ペーストを印刷する印刷ステップと、ベルト上に載置された前記基板を前記基板保持部まで搬送し、印刷が完了した前記基板を下流へ搬送する搬送ステップと、前記搬送ステップで搬送される前記基板を検出する検出ステップと、前記検出ステップでの検出結果に基づいて、前記基板が前記搬送ステップで所定の距離だけ搬送される時間を計測し、計測された前記時間に基づいて、前記ベルトの状態を判定する判定ステップと、を有する印刷方法である。
本開示によれば、搬送ベルトの保守管理性を向上して、印刷工程の稼働率の低下を抑制できる。
本開示の実施形態における印刷装置の構成例を基板の搬送方向に沿って見た図 図1の印刷装置の構成例を基板搬送方向に対し垂直方向で見た図 搬入コンベア部、位置決めコンベア部及び搬出コンベヤ部のそれぞれでの透過型センサ又は反射型センサの取付位置を例示する図 図1の印刷装置の制御系の構成例を説明するブロック図 搬送ベルトの搬送状態を判定するための許容範囲の一例を説明する図 搬入コンベア部での搬送時間に関する理論値及び計測値の算出の一例を説明する図 位置決めコンベア部での搬送時間に関する理論値及び計測値の算出の一例を説明する図 搬出コンベア部での搬送時間に関する理論値及び計測値の算出の一例を説明する図
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る印刷装置及び印刷方法を具体的に開示した実施形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。たとえば、すでによく知られた事項の詳細説明又は実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。また、添付図面のそれぞれは符号の向きに従って参照するものとする。
なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
また、実施形態でいう「部」又は「装置」とは単にハードウェアによって機械的に実現される物理的構成に限らず、その構成が有する機能をプログラムなどのソフトウェアにより実現されるものも含む。また、1つの構成が有する機能が2つ以上の物理的構成により実現されても、又は2つ以上の構成の機能がたとえば1つの物理的構成によって実現されていてもかまわない。
また、以下、基板の搬送方向をX方向、水平面内においてX方向と直交する方向をY方向、XY平面に対して垂直な方向をZ方向と定義する。また、Z方向を「鉛直方向」、及びZ方向の正側を「上」、Z方向の負側を「下」とも称する。
(第1の実施形態)
図1~図8に基づいて本開示に係る実施形態1について説明する。
[印刷装置の基本構成について]
図1を参照しながら、本実施形態に係る印刷装置1のハードウェア構成について説明する。図1は、本実施形態における印刷装置1の構成例を基板2の搬送方向に沿って見た図である。
図1に示すように、印刷装置1は、所定のパターン孔13h(開口の一例、後述参照)が形成されたスクリーンマスク13(マスクの一例、後述参照)を用いて基板2にクリーム半田又は導電性ペースト等の半田ペーストPを印刷する機能を有する。印刷装置1は、たとえばスクリーン印刷機が例示される。
印刷装置1は、基板保持テーブル4(基板保持部の一例)と、基板保持テーブル移動機構5と、を含んで構成される。
基板保持テーブル4は、基板搬送機構6(搬送部の一例、後述参照)によって上流側から搬送されてきた基板2をクランプして固定し保持する。基板保持テーブル移動機構5は、X方向及びY方向に基板保持テーブル4を移動させるとともに、Z方向に基板保持テーブル4を移動(昇降)させることが可能である。なお、基板保持テーブル4及び基板保持テーブル移動機構5は、基板搬送機構6の位置決めコンベア部6B(後述参照)と一体的に動作可能である。
また、基板保持テーブル移動機構5は、XY平面内において基板保持テーブル4を所定の回転方向θに回転移動させることが可能である。そのため、基板保持テーブル4は、X方向(bx方向)、Y方向(by方向)、及びZ方向(bz方向)に移動自在であり且つ回転方向θ(bθ方向)に回転自在である。基板保持テーブル4は、基板保持テーブル移動機構5の駆動により、基板保持テーブル4の位置及び向き、つまり基板2の位置及び向きを調整してスクリーンマスク13(具体的にはスクリーンマスク13のパターン孔13h)に対する基板2の位置を決定し、位置合わせする。
基板2は、上流側から基板搬送機構6の搬入コンベア部6A(後述参照)により搬入され、基板搬送機構6の位置決めコンベア部6B(後述参照)によって位置決めされる。そして、基板2への印刷が行われた後、基板2は、基板搬送機構6の搬出コンベア部6C(後述参照)によって下流側に搬出される。
印刷装置1は、スクリーンマスク13と、印刷ヘッド14と、印刷ヘッド移動機構15と、スキージ16と、をさらに含んで構成される。
マスク枠13aには可撓性を有するスクリーンマスク13が展張されている。また、スクリーンマスク13には、基板2における印刷対象となる電極などの形状又は位置等に対応して複数のパターン孔13hが形成される。スクリーンマスク13上には、ペースト供給機構(不図示)によって半田ペーストPが供給される。半田ペーストPには、粘着性を有するフラックスが含まれる。スクリーンマスク13上には、印刷ヘッド14が配設される。
印刷ヘッド14は、パターン孔13hに半田ペーストPを充填して基板2に半田ペーストPを印刷する。また、印刷ヘッド14は、スキージ16を昇降させるスキージ昇降機構(不図示)を有する。
スキージ16は、Y方向に沿って2つのスキージ16が一対で設けられる。スキージ16は、X方向を長手方向として細長形状に形成される。スキージ16は、スキージ昇降機構の駆動によってZ方向に昇降する。つまり、一方のスキージ16はa1方向に昇降し、他方のスキージ16はa2方向に昇降する。スキージ16が降下することで、スキージ16は、スクリーンマスク13の上面に当接する。スキージ16は、スクリーンマスク13に当接してスクリーンマスク13の上面を摺動することで、スクリーンマスク13のパターン孔13hを介して半田ペーストPを基板2に印刷する。また、スキージ16が上昇することで、スクリーンマスク13の上面へのスキージ16の当接が解除される。
印刷ヘッド移動機構15は、印刷ヘッド14をY方向に沿って移動させる。印刷ヘッド14は、印刷ヘッド移動機構15の駆動により、Y方向(ay方向)に移動自在である。それにより、印刷ヘッド14に取り付けられたスキージ16は、Y方向に移動してスクリーンマスク13のパターン孔13hを介して半田ペーストPを基板2に印刷する。
印刷装置1は、カメラユニット26をさらに含んで構成される。
スクリーンマスク13の下方(裏側)に、カメラユニット26が配設される。カメラユニット26は、カメラユニット移動機構34(後述参照)に装着されており、このカメラユニット移動機構34によりX方向(cx方向)及びY方向(cy方向)に移動自在である。
カメラユニット26は、カメラ26cと、プリズム26pと、を有する。カメラ26cは、例えば基板2を上方から撮像する基板認識撮像部としての機能と、スクリーンマスク13を下面13c側から撮像するマスク認識撮像部としての機能と、を有する。
カメラ26cは、単体(1つのカメラ)でこの2つの機能を有してもよいし、2つのカメラでこの2つの機能を有してもよい。プリズム26pは、光を分散、屈折、又は反射させることで、スクリーンマスク13の下面13c及び基板2の上面を撮像可能とする。カメラユニット26は、X方向及びY方向に沿って水平移動して、基板2とスクリーンマスク13とを同時に撮像することで、基板2の認識とスクリーンマスク13の認識とを同時に行う。
印刷装置1は、クリーニングユニット27をさらに含んで構成されてよい。
スクリーンマスク13の下方(裏側)に、クリーニングユニット27が配設される。なお、カメラユニット26及びクリーニングユニット27が使用されない期間の待機位置は、例えばY方向に沿ってスクリーンマスク13を挟んで両側とされるが、これに限られない。
クリーニングユニット27は、スクリーンマスク13の下面13cをクリーニング(マスククリーニング)する。クリーニングユニット27は、クリーニングする機能を有し、スクリーンマスク13の下面13cに付着した半田ペーストP、又は基板2に転写されずにパターン孔13hに残留した半田ペーストP等を除去する。
クリーニングユニット27は、ブレード42と、ブレード保持体38と、クリーニングユニット移動ベース35と、を有してよい。
ブレード42は、スクリーンマスク13の下面13cに当接して半田ペーストPを掻(か)き取る。ブレード保持体38は、ブレード42を保持する。クリーニングユニット移動ベース35は、ブレード保持体38を保持する。ブレード保持体38は、昇降機構(不図示)の駆動によってZ方向に昇降してもよいし、しなくてもよい。また、クリーニングユニット27は、クリーニングユニット移動機構36(後述参照)に装着されており、このクリーニングユニット移動機構36を介してY方向(dy方向)に移動自在である。
クリーニングユニット27は、スクリーンマスク13を用いた半田ペーストPの印刷が実施されていない期間に、マスククリーニングする。クリーニングユニット27は、マスククリーニングを実施する期間には、クリーニングユニット移動機構36の駆動により、スクリーンマスク13の下方エリアA1に配置される。その一方、クリーニングユニット27は、マスククリーニングを実施しない期間には、スクリーンマスク13の下方エリアA1に隣接する待機エリアA2に配置されて待機する。待機エリアA2は、印刷装置1を上方から平面視した場合、スクリーンマスク13と重ならない位置に配置される。
印刷装置1は、ブレード清掃ユニット50と、ブレード清掃ユニット移動機構51と、をさらに含んで構成されてよい。
ブレード清掃ユニット50は、クリーニングユニット27が備えるブレード42を清掃する。ブレード清掃ユニット移動機構51は、X方向に沿って延在して配設されており、ブレード清掃ユニット50をX方向に沿って移動させる機構を有する。そのため、ブレード清掃ユニット50は、X方向(ex方向)に沿って移動自在である。ブレード清掃ユニット50は、ブレード42を清掃する期間には、例えばX方向に沿ってブレード42の一端から他端まで移動しながら、ブレード42を清掃する。ブレード清掃ユニット50は、ブレード42を清掃しない期間には、例えばX方向の正側端部に配置されて待機する。ブレード42を清掃する期間は、マスククリーニングを実施する期間ではなく、クリーニングユニット27がY方向端部の待機エリアA2に配置されている期間に含まれる。
[基板搬送機構の構成について]
図2及び図3を参照しながら、基板搬送機構6の構成について説明する。図2は、図1の印刷装置1の構成例を基板搬送方向に対し垂直方向で見た図である。図3は、搬入コンベア部6A、位置決めコンベア部6B及び搬出コンベア部6Cのそれぞれでの透過型センサ65A,65C及び反射型センサ65Bの取付位置を例示する図である。
図2に示すように、基板搬送機構6は、3つの独立した搬送部から構成されており、図2中、紙面左右方向で左側において基板2を搬送し、さらに左右方向中央で連続して基板2を搬送し、またさらに右側において基板2を連続して搬送する。すなわち、基板搬送機構6は、搬入コンベア部6Aと、位置決めコンベア部6Bと、搬出コンベア部6Cと、を有して構成されており、これら搬送部のそれぞれが協調することで基板2を連続して搬送する。
搬入コンベア部6Aは、印刷装置1の上流側に配置される外部装置から基板2を受け取って自装置内に搬送する。位置決めコンベア部6Bは、前述の基板保持テーブル4及び基板保持テーブル移動機構5と一体に動作する。すなわち、位置決めコンベア部6Bは、搬入コンベア部6Aから基板2を受け取り、基板保持テーブル4及び基板保持テーブル移動機構5へ搬送してスクリーンマスク13に対し位置決めする。搬出コンベア部6Cは、位置決めコンベア部6Bにおいてスクリーンマスク13に位置決めされて印刷完了された基板2を、自装置の下流側に配置される外部装置に搬出する。
搬入コンベア部6A、位置決めコンベア部6B及び搬出コンベア部6Cは、その搬送方向が互いに一致するようにその搬送方向に沿って順に並んで配置される。搬入コンベア部6A、位置決めコンベア部6B及び搬出コンベア部6Cのそれぞれは同様な構造を有しており、一対の搬送ベルト61と、複数の従動プーリ62及び駆動プーリ63と、一対の保持シュート64と、を含んで構成される。
一対の搬送ベルト61は、互いに平行に配置されて2列の構造を有し、基板2の両縁部のそれぞれを保持する。搬送ベルト61は、例えば、ゴム、樹脂、又は樹脂コーティングされた繊維材などの可撓性材料からなり、無端上にループ(循環)して形成される。複数の従動プーリ62は回転自在に架台に軸支され、駆動プーリ63は架台に固定の軸受装置に回転自在に軸支された駆動軸に嵌着される。一対の搬送ベルト61のそれぞれは、この複数の従動プーリ62及び駆動プーリ63に張架される。
そして、駆動モータ(不図示)が駆動軸(不図示)を回転駆動するとその一対(2列)の搬送ベルト61は循環し、2列の搬送ベルト61の上側及び下側は同様な速度でその搬送方向に沿って移動する。その移動により、搬入コンベア部6A、位置決めコンベア部6B及び搬出コンベア部6Cのそれぞれにおいて、その一対の搬送ベルト61の上側に載置された基板2が搬送方向に沿って搬送される。また、一対の保持シュート64は、搬送方向の両側に配設されており、基板2を側方から挟持して基板2をガイドする。その結果、基板2は、搬送ベルト61の上側で所定の姿勢で保持されながら搬送される。
なお、前述の駆動モータ及び駆動軸は、搬入コンベア部6A、位置決めコンベア部6B及び搬出コンベア部6Cに内設される基板搬送機構6の一部をなしてよい。基板搬送機構6の駆動は、制御部52の機構駆動部54(後述参照)によって制御される。
また図3に示すように、搬入コンベア部6Aには、2つの透過型センサ65A(検出部の一例)が配設される。透過型センサ65Aは、光学式センサであり投光器及び受光器により1つの対をなす。具体的には、透過型センサ65Aでは、光源を内蔵し検出媒体となる光を投射する投光器と、投光器の投射光を受け電気信号に変換する受光素子を内蔵した受光器とが、一対の搬送ベルト61の近傍に対向して配置される。投光器を出た光は、例えば一直線に受光器の入光窓に投射される。対向配置された投光器と受光器の間が、この光による検出範囲である。投光器と受光器との間を通過する物体(例えば基板2)が投射光を遮断し、受光器に入射する光量が減少すると、受光器に内蔵された光電変換素子(受光素子)の電気的特性が変化する。透過型センサ65Aは、この電気的特性の変化を検出して増幅し、物体検出信号(例えば基板2の検出信号)を得る。なお、図3や他の図では、透過型センサのうち、投光器のみを図示しており、受光器の図示を省略している。
2つの透過型センサ65Aのうちその一方は、一対の搬送ベルト61のうち一方側において、その搬送方向に沿って上流側端部に配置される。2つの透過型センサ65Aのうち他方は、その下流側端部に配置される。これら2つの透過型センサ65Aのそれぞれでは、搬送される基板2に対し、その投光器及び受光器がY方向及びZ方向で挟むように配置されており、その配置地点で基板2の搬送状態を検出する。より具体的には、透過型センサ65Aのそれぞれは、その配置地点における、基板2の下流側縁の検出によって基板2の通過の開始(通過のし始め)(つまり基板検出なし(センサON)から基板検出あり(センサOFF)の切り替わり)を検出する。そして、透過型センサ65Aのそれぞれは、基板2の上流側縁の検出によって基板2の通過完了(つまり基板検出あり(センサOFF)から基板検出なし(センサON)の切り替わり)を検出する。また、透過型センサ65Aは、その検出を時刻とともに検出しており、その検出結果を検出時刻(つまり基板2の通過開始時刻及び通過完了時刻)とともに印刷装置1の制御部52(後述参照)に送信する。この検出結果及び検出時刻の少なくとも一部は、所定の演算に利用可能である。
搬出コンベア部6Cも同様に、2つの透過型センサ65C(検出部の一例)が配設されており、その一方が一対の搬送ベルト61のうち一方側において上流側端部に、その他方が下流側端部に配置される。これら2つの透過型センサ65Cも同様に、搬出コンベア部6Cにおいて、その配置地点における、基板2の下流側縁の検出によって基板2の通過の開始を検出し、基板2の上流側縁の検出によって基板2の通過完了を検出し、これらの検出の時刻(つまり基板2の通過開始時刻及び通過完了時刻)も検出する。この検出結果及び検出時刻の少なくとも一部は、所定の演算に利用可能である。
なお、搬入コンベア部6A及び搬出コンベア部6Cには、検出部の一例として透過型センサ65A,65Cが採用されるが、これに限定されるものではない。例えば、位置決めコンベア部6Bと同様に反射型センサ65Bを用いてもよく、本開示内容に限らない。
位置決めコンベア部6Bには、1つの反射型センサ65B(検出部の一例)が配設される。反射型センサ65Bは、1つの筐体に発光源と受光器を有して構成される。反射型センサ65Bは、発光源から出た光が基板2の表面で反射され、その反射された光が受光器に入光した際に基板2の搬送状態を検出する。反射型センサ65Bも同様に、その配置地点における、基板2の下流側縁の検出によって基板2の通過の開始を検出し、基板2の上流側縁の検出によって基板2の通過完了を検出し、これらの時刻(つまり基板2の通過開始時刻及び通過完了時刻)も検出する。この検出結果及び検出時刻の少なくとも一部は、所定の演算に利用可能である。
なお、本実施形態において検出部は、光を用いた透過型センサ65A,65C又は反射型センサ65Bに限定されるものではなく、例えば磁気センサなども適宜用いることが可能である。
[制御系の構成及びその制御部による搬送状態の判定について]
図4及び図5を参照しながら、印刷装置1の制御系の構成及びその制御部52による搬送状態の判定について説明する。図4は、図1の印刷装置1の制御系の構成例を説明するブロック図である。図5は、搬送状態を判定するための許容範囲の一例を説明する図である。
図4に示すように、印刷装置1にはその中央制御管理部として制御部52が内蔵される。制御部52は、たとえばミニコンピュータで構成され、ハードウェアとして、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、インターフェース回路と、通信回路と、これら回路を相互に接続するバスと、などを含んで構成される。制御部52では、そのROM及びRAMなどにソフトウェアとして記憶保持されるプログラムがCPUなどで実行されて、種々の機能が実現される。
制御部52は、その機能として、記憶部53と、機構駆動部54と、認識処理部55と、搬送状態判定部56(判定部の一例)と、を含んで構成される。
また、制御部52は、基板保持テーブル移動機構5と、印刷ヘッド14と、印刷ヘッド移動機構15と、カメラユニット26と、カメラユニット移動機構34と、クリーニングユニット27と、クリーニングユニット移動ベース35、クリーニングユニット移動機構36と、ブレード清掃ユニット50と、ブレード清掃ユニット移動機構51と、基板搬送機構6と、等に接続され、これら機構を制御する。また、制御部52は表示部57とも接続される。表示部57は、液晶ディスプレイ装置又は有機EL装置等であり、制御部52の搬送状態判定部56の判定結果を外部、例えば作業者に向けて報知可能に構成される。
記憶部53は、基板2に半田ペーストPをスクリーン印刷するために必要な印刷作業データ、スクリーンマスク13の下面13cをクリーニングするために必要なクリーニング作業データ、ブレード42を清掃するために必要なブレード清掃作業データ、等を記憶保持する。また、記憶部53は、基板搬送機構6が基板2を所定の速度で搬送するために必要な搬送速度データSV、及び搬送状態判定部56が搬送ベルト61の状態を判定するために必要な閾値TH(+),TH(-)、等を記憶保持する。なお、搬送速度データSVは書き換え可能な値でよく、例えば基板2の生産計画に対応して、作業者により印刷装置1の操作部を介して適宜設定される設定値である。また、閾値TH(+)は正の値の閾値、閾値TH(-)は負の値の閾値を意味する。閾値THは、例えば、計測値又は理論値に対応する搬送時間の10%に相当する値であってよい。
認識処理部55は、カメラ26cで撮像された画像に対して認識処理する。画像には、基板2又はスクリーンマスク13等が映り込んでいる。認識処理部55は、その画像を認識処理することで基板2とスクリーンマスク13との位置を検出する。その検出結果は、例えばスクリーンマスク13と基板2との位置合わせに用いられる。また、認識処理部55は、画像の認識処理により、スクリーンマスク13の下面13cの状態(例えばどの程度、半田ペーストPが残存しているか、マスククリーニングが適正に行われていたか否か)を認識する。
機構駆動部54は、基板保持テーブル移動機構5、印刷ヘッド14、印刷ヘッド移動機構15、カメラユニット26、及びカメラユニット移動機構34等を駆動制御する。その駆動制御により、印刷装置1は、スクリーン印刷の印刷動作を実行する。また、機構駆動部54は、クリーニングユニット27、クリーニングユニット移動ベース35及びクリーニングユニット移動機構36等を駆動制御する。その駆動制御により、印刷装置1は、マスククリーニングを実行する。また、機構駆動部54は、ブレード清掃ユニット50、及びブレード清掃ユニット移動機構51等を駆動制御する。その駆動制御により、印刷装置1は、マスククリーニング用のブレード42の清掃(ブレード清掃)を実行する。
また、機構駆動部54は、記憶部53の搬送速度データSVを読み込み、その搬送速度データSVに従って基板搬送機構6を駆動制御する。その駆動制御により、印刷装置1は、搬入コンベア部6A、位置決めコンベア部6B及び搬出コンベア部6Cにおける所定の搬送速度での基板搬送を実行する。記憶部53の搬送速度データSVは、搬入コンベア部6A、位置決めコンベア部6B及び搬出コンベア部6Cのそれぞれでの搬送速度の設定値であり、実際の搬送速度と異なる可能性がある。例えば、実際の搬送速度は、搬送ベルト61の経年劣化による弛(たる)みにより搬送速度データSVの速度より低速であったり、搬送ベルト61に半田ペーストPが付着して基板2が搬送ベルト61上を滑ることで搬送速度データSVの速度より高速であったりし得る。したがって、実際の搬送時間は、搬送ベルト61の経年劣化による弛みにより通常時間(以下「理論値」(理論値TV)ともいう。後述参照)より遅れたり、搬送ベルト61に半田ペーストPが付着して基板2が搬送ベルト61上を滑ることで理論値TVよりも早くなったりし得る。
そこで、搬送状態判定部56は、搬入コンベア部6A、位置決めコンベア部6B及び搬出コンベア部6Cのそれぞれの透過型センサ65A,65C又は反射型センサ65Bの検出結果に基づいて、搬送時間に関する実際値(以下「計測値」(計測値MV)ともいう。)を算出する。
搬送状態判定部56は、その算出結果に基づいて、搬入コンベア部6A、位置決めコンベア部6B及び搬出コンベア部6Cのそれぞれでの搬送時間に関する理論値TV及び計測値MVを比較する。搬送状態判定部56は、その比較の結果、搬送ベルト61の状態を判定する。つまり、搬送状態判定部56は、透過型センサ65A,65C及び反射型センサ65Bの検出結果に基づいて、搬出コンベア部6C、位置決めコンベア部6B又は搬出コンベア部6Cによって所定の距離だけ搬送される時間を計測し、その計測された時間(計測値MV)に基づいて、搬送ベルト61の状態を判定する。
そして、搬送状態判定部56は、例えば、搬送時間に関し計測値MVが理論値TVと比較して遅い(長い)と判定される場合、搬送ベルト61が劣化していると判定する。その一方、搬送状態判定部56は、計測値MVが理論値TVと比較して早い(短い)と判定される場合、搬送ベルト61に半田ペーストP(異物の一例)が付着していると判定する。
具体的には、搬送状態判定部56は、計測値MV[秒]と理論値TV[秒]との比較については、搬入コンベア部6A、位置決めコンベア部6B及び搬出コンベア部6Cのそれぞれにおいて、次の(1)式を用いて相対誤差RE[%]を算出し、搬送状態を判定してよい。
RE={(MV-TV)/TV}×100 ・・・ (1)
さらに、搬送状態判定部56は、図5に示すように、算出された相対誤差RE[%]を記憶部53の閾値TH(+),TH(-)と比較することで、最終的な判定を実行する。
例えば、計測値MV[秒]が理論値TV[秒]と比較して遅い場合、相対誤差RE[%]は正の値となる。そして、この相対誤差RE[%]が正の値の閾値TH(+)よりも大きいと判定される場合(図5参照)、搬送状態判定部56は、計測した時間(計測値MV[秒])が理論値TV[秒]よりも所定値以上大きいとして、搬送ベルト61が劣化していると最終判定する。つまり、搬送状態判定部56は、搬送状態が搬送遅れの状態であると判定する。その判定の結果は、印刷装置1の表示部57を通じて作業者に報知される。作業者は、その報知を受けて、例えば搬送ベルト61の交換作業を行うことが可能である。その一方、相対誤差RE[%]が正の値の閾値TH(+)よりも小さいと判定される場合、搬送状態判定部56は、許容範囲であると判定し、異常報知を行わない。
例えば、計測値MVが理論値TVと比較して早い場合、相対誤差RE[%]は負の値となる。そして、この相対誤差RE[%]が負の値の閾値TH(+)よりも小さいと判定される場合(図5参照)、搬送状態判定部56は、計測値MVが理論値TVよりも所定値以上小さいとして、搬送ベルト61に半田ペーストPが付着していると最終判定する。つまり、搬送状態判定部56は、搬送状態が搬送飛びの状態であると判定する。その判定の結果は、印刷装置1の表示部57を通じて作業者に報知される。作業者は、その報知を受けて、例えば搬送ベルト61の表面を清掃して、半田ペーストPの除去作業を行うことが可能である。その一方、相対誤差RE[%]が負の値の閾値TH(-)より大きいと判定される場合、搬送状態判定部56は、許容範囲であるとして判断し、異常報知を行わない。
[搬送時間に関する理論値及び計測値の算出について]
図6~図8を参照しながら、搬入コンベア部6A、位置決めコンベア部6B及び搬出コンベア部6Cのそれぞれでの、搬送時間に関する理論値TV及び計測値MVの算出について説明する。図6は、搬入コンベア部6Aでの搬送時間に関する理論値TV1及び計測値MV1の算出の一例を説明する図である。図7は、位置決めコンベア部6Bでの搬送時間に関する理論値TV2及び計測値MV2の算出の一例を説明する図である。図8は、搬出コンベア部6Cでの搬送時間に関する理論値TV3及び計測値MV3の算出の一例を説明する図である。なお、符号「SV」,「TV」,「MV」,「RE」の右側に付される番号「1」,「2」,「3」のそれぞれは、順に、搬入コンベア部6A、位置決めコンベア部6B及び搬出コンベア部6Cに対応することを指す。
図6に示すように、搬入コンベア部6Aでは、前述したように2つの透過型センサ65Aが、基板2の搬送方向に沿って上流側端部(図6では左端部)及び下流側端部(図6では右端部)に配置される。つまり、上流側端部の透過型センサ65Aと下流側端部の透過型センサ65Aの離間距離L1[mm]は一定(固定)であり、この離間距離L1が計測対象(計測範囲)に設定される。離間距離L1は既知の数であり、例えば記憶部53に記憶されていてよい。搬送状態判定部56は、例えば、この離間距離L1及び記憶部53の搬送速度データSV1[mm/秒]に基づいて、搬入コンベア部6Aでの理論値TV1[秒]を次の式(2)により算出してよい。
TV1=L1/SV1 ・・・ (2)
そして、搬入コンベア部6Aでの計測値MV1については、上流側端部の透過型センサ65Aが、その配置地点での基板2が通過完了した時刻T1[秒]を検出する。さらに基板2が搬送され、下流側端部の透過型センサ65Aが、その配置地点での基板2が通過完了した時刻T2[秒]を検出する。搬送状態判定部56は、例えば、これら時刻T1,T2に基づいて、搬入コンベア部6Aでの計測値MV1[秒]を次の式(3)により算出してよい。
MV1=T2-T1 ・・・ (3)
搬送状態判定部56は、算出された搬入コンベア部6Aでの理論値TV1及び計測値MV1に基づいて、相対誤差RE1[%]を算出する。その算出の結果、相対誤差RE1[%]が閾値TH(+),TH(-)を越える場合、搬送状態判定部56は、搬入コンベア部6Aの搬送ベルト61が劣化している(搬送遅れがある)、或いは搬入コンベア部6Aの搬送ベルト61に半田ペーストPが付着している(搬送飛びがある)、と判定する。具体的には、搬送状態判定部56は、RE1>TH(+)である場合、搬送遅れがあると判定し、RE1<TH(-)である場合、搬送飛びあると判定し、TH(-)≦RE1≦TH(+)である場合、許容範囲であると判定する。
図7に示すように、位置決めコンベア部6Bでは、前述したように1つの反射型センサ65Bが基板2の搬送方向に沿って中央部に配置される。そのため、搬送状態判定部56は、基板2が搬入コンベア部6Aの下流側端部の透過型センサ65Aを通過完了したときのその基板2の下流側縁の位置と、反射型センサ65Bの配置位置と、の離間距離L2を計測範囲に設定して、理論値TV2を算出する。搬送状態判定部56は、搬入コンベア部6Aの下流側の透過型センサ65Aと反射型センサ65Bとの離間距離L3から、基板2の長さLSを減算することで、この離間距離L2を算出してよい。基板2の長さLSは既知の値であり、記憶部53に保持されていてよい。
即ち、搬送状態判定部56は、例えば、離間距離L3、基板2の長さLS及び記憶部53の搬送速度データSV2[mm/秒]に基づいて、基板2の上流側縁の搬送を基準として、位置決めコンベア部6Bでの理論値TV2[秒]を次の式(4)により算出してよい。
TV2=(L3-LS)/SV2 ・・・ (4)
そして、位置決めコンベア部6Bでの計測値MV2については、搬入コンベア部6Aの下流側端部の透過型センサ65Aが、その配置地点での基板2が通過完了した時刻T2[秒]を検出する。さらに基板2が搬送され、反射型センサ65Bが、その配置地点での基板2が通過開始した時刻T3[秒]を検出する。搬送状態判定部56は、例えば、これら時刻T2,T3に基づいて、位置決めコンベア部6Bでの計測値MV2[秒]を次の式(5)により算出してよい。
MV2=T3-T2 ・・・ (5)
搬送状態判定部56は、算出された位置決めコンベア部6Bでの理論値TV2及び計測値MV2に基づいて、相対誤差RE2[%]を算出する。搬送状態判定部56は、前述と同様に、相対誤差RE2に基づいて、位置決めコンベア部6Bでの搬送ベルト61の状態を判定する。つまり、相対誤差RE2の算出の結果、相対誤差RE2[%]が閾値TH(+),TH(-)を越える場合、搬送状態判定部56は、位置決めコンベア部6Bの搬送ベルト61が劣化している(搬送遅れがある)、或いは位置決めコンベア部6Bの搬送ベルト61に半田ペーストPが付着している(搬送飛びがある)、と判定する。具体的には、搬送状態判定部56は、RE2>TH(+)である場合、搬送遅れがあると判定し、RE2<TH(-)である場合、搬送飛びあると判定し、TH(-)≦RE2≦TH(+)である場合、許容範囲であると判定する。
図8に示すように、搬出コンベア部6Cにおいても、搬入コンベア部6Aと同様に搬送状態の判定が実行される。即ち、搬出コンベア部6Cにおいて上流側端部の透過型センサ65Cと下流側端部の透過型センサ65Cとの離間距離L4[mm]が、計測範囲に設定される。離間距離L4は既知の数であり、例えば記憶部53に記憶されていてよい。搬送状態判定部56は、例えば、この離間距離L4及び記憶部53の搬送速度データSV3[mm/秒]に基づいて、搬出コンベア部6Cでの理論値TV3[秒]を次の式(6)により算出してよい。
TV3=L4/SV3 ・・・ (6)
そして、搬出コンベア部6Cでの計測値MV3については、上流側端部の透過型センサ65Cがその配置地点での基板2が通過完了した時刻T4[秒]を検出する。さらに基板2が搬送され、下流側端部の透過型センサ65Cが、その配置地点での基板2が通過完了した時刻T5[秒]を検出する。搬送状態判定部56は、例えば、これら時刻T4,T5に基づいて、搬出コンベア部6Cでの計測値MV3[秒]を次の式(7)により算出してよい。
MV3=T5-T4 ・・・ (7)
搬送状態判定部56は、算出された搬出コンベア部6Cでの理論値TV3及び計測値MV3に基づいて、相対誤差RE3[%]を算出する。搬送状態判定部56は、前述と同様に、相対誤差RE3に基づいて、搬出コンベア部6Cでの搬送ベルト61の状態を判定する。つまり、相対誤差RE3の算出の結果、相対誤差RE3[%]が閾値TH(+),TH(-)を越える場合、搬送状態判定部56は、搬出コンベア部6Cの搬送ベルト61が劣化している(搬送遅れがある)、或いは搬出コンベア部6Cの搬送ベルト61に半田ペーストPが付着している(搬送飛びがある)、と判定する。具体的には、搬送状態判定部56は、RE3>TH(+)である場合、搬送遅れがあると判定し、RE3<TH(-)である場合、搬送飛びあると判定し、TH(-)≦RE3≦TH(+)である場合、許容範囲であると判定する。
なお、搬送状態判定部56は、3つのコンベア部(例えば搬入コンベア部6A、位置決めコンベア部6B、搬出コンベア部)毎に搬送状態を判定してもよいし、3つのコンベア全体(つまり基板搬送機構6の全体で)搬送状態を判定してもよい。
このように、本実施形態の印刷装置1は、基板搬送機構6の各コンベア部による搬送時間を計測する仕組みを有している。そのため、印刷装置1は、搬送ベルト61の劣化による搬送遅れの状態や、搬送ベルト61に半田ペーストPが付着することによる搬送飛び(減速ブレーキ無効)の状態を、目視確認可能となる前に判別できる。搬送飛びは、例えばコンベア部のゴムと基板2との間に摩擦が働かないことで発生し得る。例えば、印刷装置1は、基板検出センサ(例えば透過型センサ65A,65C又は反射型センサ65B)搬送時間を計測して計測値を導出し、理論値と比較することで、実際の搬送時間が想定より早いか遅いかを判定可能である。印刷装置1は、実際の搬送時間が理論値に対して所定基準を満たさない場合には、実際の搬送時間が想定より早いか遅いかに関わらずに搬送ベルト61に支障があると判断し、例えば印刷装置1を停止させて清掃を促す動作を行うことが可能である。
また、印刷装置1は、上記の相対誤差REの値が正の値であるか負の値であるかによって、搬送ベルト61の不調の原因を特定できる。また、印刷装置1は、この搬送状態の判定を、基板2の搬送毎に、つまり基板2を実際に搬送しながらリアルタイムに判定できる。
また、例えば印刷装置1が基板2の搬送の開始から所定時間経過しても基板2が所定の位置に到着しない場合にはエラーとすることはあり得る。印刷装置1は、例えば、このエラーが発生する前に、エラーではないが基板2の到達が早い又は遅いということを検出し、作業者に報知してメンテナンスを促すことが可能である。
なお、搬送状態判定部56は、搬入コンベア部6A及び搬出コンベア部6Cでは、基板2の上流側縁の検出によって基板2が通過完了したことを基準に、搬送時間の計測値MVを導出している。これにより、印刷装置1は、各コンベア部に搬入される前の上流側の影響を受けることを抑制することができ、搬送時間の算出精度を向上でき、搬送時間に基づく搬送ベルト61の搬送状態の判定精度も向上できる。
以上のように、本実施形態の印刷装置1は、所定のパターン孔13h(開口の一例)が形成されたスクリーンマスク13(マスクの一例)を用いて基板2に半田ペーストPを印刷する。印刷装置1は、基板2を保持してパターン孔13hに位置合わせする基板保持テーブル4(基板保持部の一例)と、パターン孔13hに半田ペーストPを充填して基板2に半田ペーストPを印刷する印刷ヘッド14と、を備える。印刷装置1は、搬送ベルト61(ベルトの一例)上に載置された基板2を基板保持テーブル4まで搬送し、印刷が完了した基板2を下流へ搬送する基板搬送機構6(搬送部の一例)を備える。印刷装置1は、基板搬送機構6が搬送する基板2を検出する検出部(例えば、透過型センサ65A,65C又は反射型センサ65B)を備える。印刷装置1は、検出部の検出結果に基づいて、基板2が基板搬送機構6によって所定の離間距離L(例えば離間距離L1,L2,又はL4)だけ搬送される時間を計測し、計測された時間(例えば計測値MV(例えば計測値MV1,MV2,MV3)に基づいて、搬送ベルト61の状態を判定する搬送状態判定部56(判定部の一例)を備える。
これにより、印刷装置1は、基板搬送機構6によって搬送される基板2を検出し、その検出結果に基づいて基板2が基板搬送機構6によって搬送される時間を計測し、その計測時間が通常よりも遅いか或いは早いかを稼働中に判定することで、搬送ベルト61の状態をリアルタイムに判定できる。例えば、搬送時間が通常(基準)よりも遅い場合には、搬送ベルト61が劣化しており、搬送ベルト61が弛んでいる可能性が高いことを判別できる。また、搬送時間が通常よりも早く場合には、搬送ベルト61に半田ペーストPが付着しており、基板2が半田ペーストPに引っ掛かって搬送方向下流側に飛んで搬送される可能性が高いことを判別できる。このように、印刷装置1は、搬送ベルト61の状態をリアルタイムに検査して、搬送ベルト61の交換又は清掃の時期を予測して保守管理性を高めるとともに、印刷工程の稼働率の低下を抑制できる。
また、搬送状態判定部56は、所定の離間距離L及び基板搬送機構6が基板2を搬送する速度(例えば搬送速度データSV1,SV2,又はSV3)に基づいて、搬送時間の理論値TV(例えば理論値TV1,TV2,又はTV3)を算出し、理論値TVと計測値MVとに基づいて、搬送ベルト61の状態を判定してよい。
即ち、搬送状態判定部56は、離間距離L及び搬送速度データSVに基づいて、その判定基準となる搬送時間の理論値TVを算出し、その判定基準と実際に計測した搬送時間、つまり計測値MVとを比較して、搬送ベルト61の状態を判定してよい。これにより、印刷装置1は、搬送ベルト61の状態をより明確かつ画一的に判定できる。
また、搬送状態判定部56は、計測値MVが理論値TVよりも所定値以上大きい場合、搬送ベルト61が劣化していると判定してよい。
したがって、印刷装置1は、理論値TVと計測値MVとの比較により、搬送ベルト61の状態をより正確に把握できる。また、印刷装置1は、搬送ベルト61の劣化が許容できない範囲を閾値TH(+),TH(-)により設定して、その閾値TH(+),TH(-)を基準として判定することで、搬送ベルト61の適切な交換時期を検出して、無駄な搬送ベルト61の交換作業を省いて稼働率の低下を抑制できる。
また、搬送状態判定部56は、計測値MVが理論値TVよりも所定値以上小さい場合、搬送ベルト61に半田ペーストPが付着していると判定してよい。
したがって、印刷装置1は、理論値TVと計測値MVの比較により、搬送ベルト61の状態をより正確に把握できる。また、印刷装置1は、搬送ベルト61への半田ペーストPの付着が許容できない範囲を閾値TH(+),TH(-)により設定して、その閾値TH(+),TH(-)を基準として判定することで、搬送ベルト61の適切な清掃時期を検出して、無駄な搬送ベルト61の清掃作業を省いて稼働率の低下を抑制できる。
また、印刷装置1は、搬送状態判定部56が判定した搬送ベルト61の状態に関する情報を表示する表示部57を備えてよい。これにより、印刷装置1は、例えば作業者に搬送ベルト61の状態を報知して、搬送ベルト61の交換又は清掃の作業を促すことができる。
また、印刷装置1は、基板搬送機構6は、基板2を印刷装置1内へ搬入する搬入コンベア部6A(第1コンベアの一例)、基板2を基板保持テーブル4へ搬送する位置決めコンベア部6B(第2コンベアの一例)、及び印刷が完了した基板2を印刷装置1から搬出する搬出コンベア部6C(第3コンベアの一例)を有してよい。搬送状態判定部56は、搬入コンベア部6A、位置決めコンベア部6B及び搬出コンベア部6Cの各々について搬送ベルト61の状態を判定してよい。
これにより、印刷装置1は、基板搬送機構6が複数の搬送部を含んで構成される場合でも、その搬送部のそれぞれで個別に搬送ベルト61の状態を判定するので、搬送ベルト61の交換又は清掃の作業を要する箇所をより的確に把握できる。
以上、図面を参照しながら実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前述した実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
本開示は、搬送ベルトの保守管理性を向上して、印刷工程の稼働率の低下を抑制できる印刷装置及び印刷方法等に有用である。
1 印刷装置
2 基板
4 基板保持テーブル
5 基板保持テーブル移動機構
6 基板搬送機構
6A 搬入コンベア部
6B 位置決めコンベア部
6C 搬出コンベア部
13 スクリーンマスク
13a マスク枠
13c 下面
13h パターン孔
14 印刷ヘッド
15 印刷ヘッド移動機構
16 スキージ
26 カメラユニット
26c カメラ
26p プリズム
27 クリーニングユニット
34 カメラユニット移動機構
35 クリーニングユニット移動ベース
36 クリーニングユニット移動機構
38 ブレード保持体
42 ブレード
50 ブレード清掃ユニット
51 ブレード清掃ユニット移動機構
52 制御部
53 記憶部
54 機構駆動部
55 認識処理部
56 搬送状態判定部
57 表示部
61 搬送ベルト
62 従動プーリ
63 駆動プーリ
64 保持シュート
65A 透過型センサ
65B 反射型センサ
65C 透過型センサ
A1 下方エリア
A2 待機エリア
L1 離間距離
L2 離間距離
L3 離間距離
L4 離間距離
P 半田ペースト
TH 閾値
θ 回転方向

Claims (7)

  1. 所定の開口が形成されたマスクを用いて基板に半田ペーストを印刷する印刷装置であって、
    前記基板を保持して前記開口に位置合わせする基板保持部と、
    前記開口に前記半田ペーストを充填して前記基板に前記半田ペーストを印刷する印刷ヘッドと、
    ベルト上に載置された前記基板を前記基板保持部まで搬送し、印刷が完了した前記基板を下流へ搬送する搬送部と、
    前記搬送部が搬送する前記基板を検出する検出部と、
    前記検出部の検出結果に基づいて、前記基板が前記搬送部によって所定の距離だけ搬送される時間を計測し、計測された前記時間に基づいて、前記ベルトの状態を判定する判定部と、
    を備える印刷装置。
  2. 前記判定部は、
    前記所定の距離及び前記搬送部が前記基板を搬送する速度に基づいて、搬送時間の理論値を算出し、
    前記理論値と計測された前記時間とに基づいて、前記ベルトの状態を判定する、
    請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記判定部は、計測された前記時間が前記理論値よりも所定値以上大きい場合、前記ベルトが劣化していると判定する、
    請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記判定部は、計測された前記時間が前記理論値よりも所定値以上小さい場合、前記ベルトに前記半田ペーストが付着していると判定する、
    請求項2に記載の印刷装置。
  5. 前記判定部が判定した前記ベルトの状態に関する情報を表示する表示部を備える、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の印刷装置。
  6. 前記搬送部は、前記基板を前記印刷装置内へ搬入する第1コンベア、前記基板を前記基板保持部へ搬送する第2コンベア、及び印刷が完了した前記基板を前記印刷装置から搬出する第3コンベアを有し、
    前記判定部は、前記第1コンベア、前記第2コンベア、及び前記第3コンベアの各々について前記ベルトの状態を判定する、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の印刷装置。
  7. 所定の開口が形成されたマスクを用いて基板に半田ペーストを印刷する印刷方法であって、
    基板保持部を用いて前記基板を保持して前記開口に位置合わせする基板保持ステップと、
    前記開口に前記半田ペーストを充填して前記基板に前記半田ペーストを印刷する印刷ステップと、
    ベルト上に載置された前記基板を前記基板保持部まで搬送し、印刷が完了した前記基板を下流へ搬送する搬送ステップと、
    前記搬送ステップで搬送される前記基板を検出する検出ステップと、
    前記検出ステップでの検出結果に基づいて、前記基板が前記搬送ステップで所定の距離だけ搬送される時間を計測し、計測された前記時間に基づいて、前記ベルトの状態を判定する判定ステップと、
    を有する印刷方法。
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