JP2023172900A - 環状ポリマーの製造方法及び化合物 - Google Patents

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敦 亀山
Atsushi Kameyama
明 高橋
Akira Takahashi
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Abstract

【課題】環状ポリマーの新規な製造方法及びそれにより得られる環状ポリマーを提供すること。【解決手段】本発明は、下記一般式(1)で表すチイラン化合物、及びカルボン酸の環状酸無水物基を1又は複数備えた化合物の存在下で求核性のある化学種を作用させることを特徴とする。この製造方法によれば、カルボン酸の環状酸無水物基の環状構造内にチイラン化合物の開環体が繰り返し単位として組み込まれた環状ポリマーが得られる。下記一般式(1)中、R1は、水素原子又は1価の置換基である。TIFF2023172900000029.tif17137【選択図】図1

Description

本発明は、環状ポリマーの製造方法及びそれにより調製される化合物に関するものである。
環状ポリマーは、分子末端を持たない高分子化合物である。環状ポリマーは、直鎖状ポリマーと比べて高分子鎖間の絡み合いが少ないため、粘性、融点、ガラス転移点等の物理的性質が直鎖状ポリマーと異なることが知られている。環状ポリマーの備える特性を活用した一例として、例えば特許文献1には、炭化水素系環状ポリマーを配合したホットメルト型接着剤が開示されている。同文献によれば、直鎖状のα-オレフィン系ポリマーを用いたホットメルト型接着剤では、α-オレフィン系ポリマーの結晶性の高さや、融点の高さに起因して、接着剤を被着体へ塗布してから貼り合わせることができる時間が数秒以内と非常に短い時間となって用途が限定される場合があるが、炭化水素系環状ポリマーをこれに配合することで、高温時における耐クリープ性が向上するとされている。
これら環状ポリマーの合成方法としては、末端連結法と環拡大重合法が開発されている。末端連結法は、反応性末端基を有する直鎖状ポリマーを合成してから、2つの反応性末端基を分子内環化反応により結合させる方法である。このような合成法の一例として、例えば特許文献2には、圧縮性流体中で、金属原子を含まない有機触媒を用いて開環重合性モノマーを重合させる方法が開示されている。
環拡大重合法は、環状開始剤を用いてモノマーを逐次的に挿入することでポリマーを得る方法である。このような合成法の一例として、例えば特許文献3には、金属アルキリデン錯体を環状オレフィンモノマーの環挿入反応の触媒として用い、大環状ポリマーを合成する方法が開示されている。また、非特許文献1には、開始剤として環状アルコキシスズ
を用いた、環状γ-ブチロラクトンの環拡大重合による環状ポリエステルの合成が報告されている。
さらに、環状開始剤を用いてチイラン化合物を逐次的に挿入することで環状ポリマーを得ることも提案されている。例えば本発明者らによる科学論文である非特許文献2には、ベンゾチアゾールを環状開始剤としたチイラン化合物の挿入反応により環状ポリマーが得られることが記載されている。また、非特許文献3には、チアゾリジン2,4-ジオンを環状開始剤としたチイラン化合物の挿入反応により環状ポリマーが得られることが記載されている。
国際公開第2018/012593号 特開2017-39863号公報 特表2005-534777号公報
Hans R. Kricheldop et. al., Macromol. Chem. Phys., 1998, 199, 273-282. Akira Takahashi, Ryu Yuzaki, Yoshihito Ishida, Atsushi Kameyama, Polym. Chem., 2019, 57, 2442-2449. Hiroto Kudo et. al., Macromolecules, 2020, 53, 4733-4740.
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、環状ポリマーの新規な製造方法及びそれにより得られる環状ポリマー構造を含んだ化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記化学反応式に示すように、求核試薬の存在下でカルボン酸の環状無水物とチイラン化合物とを共存させると、環状酸無水物基における環状構造(-CO-O-CO-)部分にチイラン化合物がリビング的に逐次挿入されることを見出した。この反応では、Xが求核試薬となってチイラン化合物のエチレンスルフィド環を開環させ、それが環状酸無水物基の中に逐次挿入される。すなわち、この化学反応では、カルボン酸の環状無水物が環状開始剤となり、チイラン化合物がモノマーとなって環拡大反応を生じる。なお、下記の化学反応式では、便宜上、チイラン化合物としてフェノキシプロピレンスルフィドを例に挙げ、カルボン酸の環状無水物として無水ジフェン酸を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。また、下記化学反応式では、便宜上、アニオンタイプの求核試薬を例に挙げて説明したが、アニオンを生じずに、非共有電子対が求核的に攻撃するタイプの求核試薬を用いることもできる。
Figure 2023172900000002
具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
本発明は、下記一般式(1)で表すチイラン化合物、及びカルボン酸の環状酸無水物基を1又は複数備えた化合物の存在下で求核性のある化学種を作用させることを特徴とし、上記チイラン化合物の開環体が繰り返し単位として組み込まれた環状ポリマーの製造方法である。
Figure 2023172900000003
(上記一般式(1)中、Rは、水素原子又は1価の基である。)
この製造方法の一例として、下記一般式(1)で表すチイラン化合物及び下記一般式(2)で表すカルボン酸無水物の存在下で求核性のある化学種を作用させることを挙げられる。
Figure 2023172900000004
(上記一般式(1)中、Rは、水素原子又は1価の基である。上記一般式(2)中、Rは、2価の基である。)
上記求核性のある化学種は、求核性を備えた陰イオン、アミン化合物及びアルコキシ化合物からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
上記求核性のある化学種として、塩化テトラブチルアンモニウムから解離した塩化物イオンであるものを例示できる。
一般式(2)におけるRが芳香環を含み、かつRから生じる2つの単結合がいずれも当該芳香環から生じることが好ましい。
一般式(2)におけるRとして、下記化学式で表すいずれかであることを例示できる。
Figure 2023172900000005
(上記化学式中、波線を付した単結合は、一般式(2)に含まれる2つのカルボニル基への結合を表す。)
本発明は、下記一般式(3)で表す部分構造を備えた化合物でもある。
Figure 2023172900000006
(上記一般式(3)中、Rは2価の基であり、nは1以上の整数であり、波線を付した単結合は、この化合物において一般式(3)を除く部分に含まれる元素への結合を示す。)
より具体的には、下記一般式(3a)で表す化合物を挙げられる。
Figure 2023172900000007
(上記一般式(3a)中、Rは水素原子又は1価の置換基であり、Rは2価の有機基であり、nは1以上の整数である。)
一般式(3a)におけるRが芳香環を含み、かつRから生じる2つの単結合がいずれも前記芳香環から生じることが好ましい。
本発明は、下記一般式(1)で表すチイラン化合物、及び環状ポリマーである上記化合物の存在下で求核性のある化学種を作用させることを特徴とし、上記環状ポリマーの環構造中に上記チイラン化合物の開環体が繰り返し単位として新たに組み込まれることによりその環構造を拡張させることを特徴とする環状ポリマーの製造方法でもある。
Figure 2023172900000008
(上記一般式(1)中、Rは、水素原子又は1価の基である。)
本発明によれば、環状ポリマーの新規な製造方法及びそれにより得られる環状ポリマー構造を含んだ化合物が提供される。
図1は、実施例で得た環状ポリマー(CP-PPS1)についてのMALDI-TOF MSのチャートである。 図2は、実施例で得た環状ポリマー(CP-PPS2)についてのMALDI-TOF MSのチャートである。 図3は、実施例で得た環状ポリマー(CP-BPS)についてのMALDI-TOF MSのチャートである。 図4は、実施例で得た環状ポリマー(CP-PPS3)についてのMALDI-TOF MSのチャートである。
以下、本発明の環状ポリマーの製造方法の第一実施態様及び第二実施態様、並びに本発明の化合物の一実施形態についてそれぞれ説明する。なお、本発明は、以下の実施態様及び実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の範囲において適宜変更を加えて実施をすることができる。
<環状ポリマーの製造方法の第一実施態様>
まずは、本発明の環状ポリマーの製造方法の第一実施態様について説明する。本実施態様の環状ポリマーの製造方法は、下記一般式(1)で表すチイラン化合物、及びカルボン酸の環状酸無水物基を1又は複数備えた化合物の存在下で求核性のある化学種を作用させることを特徴とする。この製造方法により調製された環状ポリマーにおいて、下記一般式(1)で表すチイラン化合物の開環体が繰り返し単位として組み込まれることは既に説明した通りである。なお、「チイラン化合物の開環体」とは、チイラン化合物に含まれる3員環のエチレンスルフィド環の開環体を指し、これが繰り返し単位として組み込まれる、とは、エチレンスルフィド環に含まれていた2個の炭素原子と1個の硫黄原子が繰り返し単位として環状ポリマー中に組み込まれることを意味する。このとき、エチレンスルフィド環に置換基が結合していれば、その置換基が環状ポリマーの側鎖として取り込まれることになる。
Figure 2023172900000009
上記一般式(1)中、Rは、水素原子又は1価の基である。既に説明した通り、一般式(1)で表すチイラン化合物が環状ポリマー中に組み込まれるにあたり、重要な役割を果たすのはチイラン化合物に含まれるエチレンスルフィド環中の2個の炭素原子と1個の硫黄原子である。したがって、これ以外の部分であるRはどのような基でも構わないことになる。このような1価の基としては、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルキルアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、ハロゲン原子、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基等が挙げられる。
また、1価の基であるRは、-R-Rであることも好ましく例示できる。Rは、炭素数1~12の分枝を有してもよいアルキレン基であり、このアルキレン基は置換基を備えてもよい。好ましい例として、Rがメチレン基であることを挙げることができる。
は、1価の基である。このような基としては、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルキルアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、ハロゲン原子、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基等が挙げられる。
カルボン酸の環状酸無水物基を1又は複数備えた化合物は、環状開始剤として作用し、この環状酸無水物基の中へエチレンスルフィド環の開環体が組み込まれることで環状ポリマーを形成させる。環状酸無水物基とは、1つの分子内で近接して存在する2つのカルボキシ基が脱水縮合することで形成された2価の環状基であり、-CO-O-CO-の構造を備える。理解のためにこのような構造の一例を示すと、無水フタル酸においてベンゼン環を除いた残基を挙げることができる。既に説明した通り、カルボン酸の環状酸無水物が環状開始剤となって環拡大反応を生じるにあたり、重要な役割を果たすのは環状酸無水物の上記環構造部分(-CO-O-CO-)である。したがって、本発明において、カルボン酸の環状酸無水物基を備えた化合物としては、少なくとも1つの環状酸無水物基を備えたものであればよく、環状酸無水物基を除いた残基の構造はどのようなものであってもよい。
また、このような化合物中において、環状酸無水物基は1つだけ含まれていてもよいし、2以上含まれていてもよい。環状酸無水物基が1つだけ含まれた化合物を環状開始剤として用いれば、1つの環を備えた環状ポリマーが得られることになるし、環状酸無水物基が2以上含まれた化合物を環状開始剤として用いれば、2以上の環が結合した環状ポリマーが得られることになる。さらには、環状酸無水物基を備えた側鎖を1又は複数備えたポリマーを環状開始剤として用いてもよい。このようなポリマーを環状開始剤として用いると、側鎖に環状ポリマー構造を備えたポリマーが得られることになる。
カルボン酸の環状酸無水物基を1又は複数備えた化合物は各種のものが市販されているので、そのようなものを入手して用いてもよいし、新たに合成して用いてもよい。このような化合物の一例としては、コハク酸無水物、フタル酸無水物、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸無水物、リンゴ酸無水物、O-アセチル-リンゴ酸無水物、1,2-ナフタル酸無水物、1-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、2,3-アントラセンジカルボン酸無水物、マレイン酸無水物、2,3-ジメチルマレイン酸無水物、3-メチルフタル酸無水物、1,8-ナフタル酸無水物、4-ブロモ-1,8-ナフタル酸無水物、4-エチニルフタル酸無水物、4-フェニルエチニルフタル酸無水物、デシルコハク酸無水物、ジグリコール酸無水物、ドデシルコハク酸無水物、exo-3,6-エポキシ-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物、グルタル酸無水物、ヘット酸無水物、イタコン酸無水物、N-メチルイサト酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物、テトラデセニルコハク酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物、トリメリット酸無水物、4-メチル-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸無水物、5,6-ジヒドロ-1,4-ジチイン-2,3-ジカルボン酸無水物、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタ-5-エン-2,3-ジカルボン酸無水物、cis-ノルボルネン-exo-2,3-ジカルボン酸無水物、メチル-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物等が挙げられる。また、環状酸無水物基を複数備えた化合物としては、テトラカルボン酸二無水物化合物やヘキサカルボン酸三無水物化合物等が挙げられ、そのような化合物としては、ピロメリット酸二無水物(ベンゼン-1,2,4,5-テトラカルボン酸無水物)、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ペリレン-3,4,9,10-テトラカルボン酸二無水物、meso-ブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、3,3’、4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ジシクロヘキシル-3,4,3’,4’-テトラカルボン酸二無水物、エチレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’、4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。さらに、環状酸無水物基を備えた側鎖を1又は複数備えたポリマーの一例としては、無水マレイン酸とスチレンとのコポリマー等を挙げられる。これら化合物は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
また、カルボン酸の環状酸無水物基を1又は複数備えた化合物として、下記一般式(2)で表すものを挙げることができる。
Figure 2023172900000010
上記一般式(2)におけるRは、2価の基である。このRは、一般式(2)に示す環状酸無水物基を除いた残基ということもできる。既に説明した通り、カルボン酸の環状無水物が環状開始剤となって環拡大反応を生じるにあたり、重要な役割を果たすのは環状無水物の環構造部分(-CO-O-CO-)である。したがって、カルボン酸の環状無水物におけるこれ以外の部分となるRはどのような置換基でも構わないことになる。このようなRとしては、アルキレン基、アリーレン基、ビスアリーレン基等が挙げられる。また、Rの中に環状酸無水物基がさらに含まれてもよいし、Rがポリマーの主鎖となる構造を含んでもよい。後者の場合、一般式(2)で表す化合物は、側鎖に環状酸無水物基を備えたポリマー化合物となる。
好ましくは、Rが芳香環を含み、かつ一般式(2)においてRから生じる2つの単結合が、いずれもその芳香環から生じる態様を挙げることができる。この場合、Rから生じる2つの単結合は、1つの芳香環から生じてもよいし、Rが複数の芳香環を含む場合には別々となる2つの芳香環からそれぞれ生じてもよい。
より好ましくは、Rが下記化学式で表すいずれかである態様を挙げることができる。下記化学式において、波線を付した単結合は、一般式(2)における2つのカルボニル基への結合を表す。つまり、波線を付した単結合は、一般式(2)においてRから生じる2つの単結合となる。
Figure 2023172900000011
求核性のある化学種は、チイラン化合物に含まれるエチレンスルフィド環における炭素原子を攻撃し、このエチレンスルフィド環を開環させるために用いられる。このような化学種としては、求核性のあるものであれば特に限定されず、求核性のある陰イオンや、求核性のある非共有電子対を備えた化合物が挙げられる。
求核性のある陰イオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、酢酸イオン、エトキシドイオン、tert-ブトキシドイオン等が例示される。これら陰イオンは、溶液中で解離して陰イオンを生じる化合物から生成される。上記環拡大反応がイオン的に進行することを考慮すると、この化学反応は極性の高い有機溶媒中で行われることが多いことになる。そのため、そうした有機溶媒中で解離して陰イオンを生じるものが好ましく用いられることになる。このような化合物としては、有機塩化合物が好ましく挙げられる。このような有機塩化合物としては、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸セシウム等が挙げられる。また、溶解性の関係で単独では有機溶媒中で陰イオンを生じない、例えば無機塩化合物のようなものであっても、例えばクラウンエーテルやエチレングリコールのような、塩の溶解性を高める化合物を併用すれば用いることが可能である。このような無機塩化合物としては、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化セシウム、臭化セシウム、ヨウ化セシウム等が挙げられる。
また、求核性のある化合物としては、アミン化合物及びアルコキシ化合物からなる群より選択される少なくとも1つを好ましく例示することができる。アミン化合物とは、アミノ基やイミノ基を有する化合物であり、アミノ基やイミノ基に含まれる窒素原子の非共有電子対により求核反応が実行される。このようなアミン化合物としては、ジアザビシクロウンデセン(1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン;DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン-5(DBN)、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等が挙げられる。また、アルコキシ化合物とは、アルコキシ基を有する化合物であり、アルコキシ基に含まれる酸素原子の非共有電子対により求核反応が実行される。このようなアルコキシ化合物としては、ナトリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシド等が挙げられる。
これらの有機塩化合物や無機塩化合物の中でも、塩化テトラブチルアンモニウムが特に好ましく例示できる。すなわち、求核性のある化学種として、塩化テトラブチルアンモニウムから解離した塩化物イオンが好ましく挙げられることになる。
一般式(1)で表すチイラン化合物及び一般式(2)で表すカルボン酸無水物の存在下で求核性のある化学種を作用させることにより本発明の製造方法が実行されるが、その際、カルボン酸無水物のモル数に対して、求核性のある化学種を1当量用いることを好ましく挙げることができる。また、チイラン化合物は、環状ポリマーにおいて必要となる重合度に応じてその使用量を適宜調節すればよい。これらの化合物を溶媒中に加えて溶液とし、加熱しながら撹拌することで環拡大反応が進行する。このときの加熱温度としては60~100℃程度が好ましく挙げられ、反応時間としては4~48時間程度が好ましく挙げられる。また、溶媒としては極性の高い有機溶媒が用いられ、そのような有機溶媒としては、N-メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等が好ましく挙げられる。
<化合物>
上記本発明の環状ポリマーの製造方法で調製される、環状ポリマー構造を備えた化合物もまた、本発明の一つである。本発明の化合物は、下記一般式(3)で表す部分構造を備えた化合物である。
Figure 2023172900000012
上記一般式(3)中、Rは2価の基であり、nは1以上の整数であり、波線を付した単結合は、この化合物において一般式(3)を除く部分に含まれる元素への結合を示す。これは、上記本発明の環状ポリマーの製造方法で述べたRと同じものなので、ここでの説明を省略する。なお、本発明の化合物において、上記一般式(3)で表す部分構造は1つだけ存在してもよいし、2以上存在してもよい。この場合、各Rはそれぞれ独立に決定され、各nもそれぞれ独立に決定される。例えば、本発明の化合物において、一般式(3)で表す部分構造はポリマーの側鎖に存在してもよい。
また、本発明の化合物は、下記一般式(3a)で表すものであってもよい。
Figure 2023172900000013
上記一般式(3a)中、Rは水素原子又は1価の置換基であり、Rは2価の有機基である。これは、上記本発明の環状ポリマーの製造方法で述べたR及びRと同じものなので、ここでの説明を省略する。なお、一般式(3)におけるRが芳香環を含み、かつRから生じる2つの単結合がいずれもその芳香環から生じることが好ましい点も、既に述べた通りである。
上記一般式(3)及び(3a)において、nは、繰り返し単位であるモノマー構造の繰り返しの数を表す。nは、1以上の整数であり、好ましくは5以上の整数である。
<環状ポリマーの製造方法の第二実施態様>
次に、本発明の環状ポリマーの製造方法の第二実施態様について説明する。本実施態様の環状ポリマーの製造方法は、下記一般式(1)で表すチイラン化合物、及び上記本発明の化合物(すなわち環状ポリマー)の存在下で求核性のある化学種を作用させることを特徴とし、上記環状ポリマーの環構造中にチイラン化合物の開環体が繰り返し単位として新たに組み込まれることによりその環構造を拡張させることを特徴とする。すなわち、上記第一実施態様では、カルボン酸の環状酸無水物基を1又は複数備えた化合物を環状開始剤として用い、この環状酸無水物基の中へ、チイラン化合物を由来とするエチレンスルフィド環の開環体を組み込むことで環状ポリマーを調製した。本実施態様では、このようにして調製された環状ポリマーを環状開始剤として使用し、この環状ポリマーの環構造中へ、チイラン化合物を由来とするエチレンスルフィド環の開環体を組み込むことで環状ポリマーの環構造の拡張を行うものである。上記第一実施態様の環状ポリマーの製造方法により調製された環状ポリマーを生成物として取り出すことは、環拡張反応をその時点で中断することに相当するとも考えられる。そして、こうして得た環状ポリマーへチイラン化合物と求核剤とを加えることで、中断された環状ポリマーの環拡張反応を再開するような反応を行うのが第二実施態様ということができる。
Figure 2023172900000014
上記一般式(1)中、Rは、水素原子又は1価の基である。このことを含め、その他のことも既に説明したことを援用できるので、ここでの説明を省略する。
以下、実施例を挙げることにより本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
・無水ジフェン酸を環状開始剤としたフェノキシプロピレンスルフィドの環拡大重合
Figure 2023172900000015
シュレンク管に塩化テトラブチルアンモニウム39.9mg(TBAC;0.144mmol)を入れ、40℃で5時間減圧乾燥した。このシュレンク管に、ジフェン酸無水物31.0mg(DA;0.138mmol)、N-メチルピロリドン1.4mL(NMP)及びフェノキシプロピレンスルフィド479mg(PPS;2.88mmol)を加えた。これを凍結脱気した後、60℃で24時間加熱撹拌を行った。反応終了後、内容物にメタノール84mLを加えて再沈殿を行い、得られた沈殿物を減圧乾燥することでDAを環状開始剤としたPPSの環状ポリマー(CP-PPS1)を得た(転化率73%、収量389mg、収率76%)。
生成物の物性データは次の通りである。
FT-IR(KBr,cm-1):3039(νC-H,aromatic),2925(νC-H,alkyl),1676(νC=O),1599,1497(νC-C),1240(νC-O),753(νC-S).
H-NMR(600MHz、CDCl、TMS) δ(ppm):7.91(br,0.05H,Ha,Hb),7.65(br,0.05H,Hc,Hd),7.19(t,2.00H,Hi),6.90(t,1.06H,Hj),6.80,6.69(br,1.97H,Hh),4.12,4.05(d,1.95H,Hg),3.66-2.94(br,2.93H,He,Hf).
Mn=34200
Mw/Mn=2.27
Figure 2023172900000016
上記の手順で得たCP-PPS1についてMALDI-TOF MS(イオン化剤:トリフルオロ酢酸ナトリウム)による質量分析を行った。その結果を図1に示す。図1は、実施例で得た環状ポリマー(CP-PPS1)についてのMALDI-TOF MSのチャートである。図1において、丸印を付したピークは、DAの分子量+PPSの分子量×n+ナトリウムイオンの質量[(DA+nPPS)+Na]に対応する。
図1に示すように、各ピーク間隔はPPSの精密質量と一致し、それら各ピークがDAの1分子を含む環状CP-PPS1の精密質量(+ナトリウムイオンの精密質量)に対応することから、生成物がDAの1分子にPPSが付加した環状構造を有することがわかる。
・無水フタル酸を環状開始剤としたフェノキシプロピレンスルフィドの環拡大重合
Figure 2023172900000017
DAを環状開始剤とした上記環拡大重合反応と同様の操作にて、TBAC40.7mg(0.146mmol)、無水フタル酸20.7mg(PA;0.140mmol)、PPS466mg(2.81mg)及びNMP1.4mLを用い、90℃で24時間加熱撹拌を行った。メタノール84mLを加えて再沈殿を行い、得られた沈殿物を減圧乾燥することでPAを環状開始剤としたPPSの環状ポリマー(CP-PPS2)を得た(転化率91%、収量457mg、収率94%)。
FT-IR(KBr,cm-1):3036(νC-Haromatic),2925(νC-Halkyl),1683(νC=O),1240(νC-O),753(νC-S).
H-NMR(500MHz、DMSO-d、TMS) δ(ppm):7.21(br,0.04H,Ha),7.16(br,2.00H,Hg),6.94(d,0.05H,Hb),6.81(br,3.00H,Hf,Hh),4.01(d,2.02H,He),3.15(s,1.09H,Hd),2.98(s,2.06H,Hc).
Mn=24000
Mw/Mn=1.67
Figure 2023172900000018
上記の手順で得たCP-PPS2についてMALDI-TOF MS(イオン化剤:トリフルオロ酢酸銀)による質量分析を行った。その結果を図2に示す。図2は、実施例で得た環状ポリマー(CP-PPS2)についてのMALDI-TOF MSのチャートである。図2において、丸印を付したピークは、PAの分子量+PPSの分子量×n+銀イオンの質量[(PA+nPPS)+Ag]に対応する。
図2に示すように、各ピーク間隔はPPSの精密質量と一致し、それら各ピークがPAの1分子を含む環状CP-PPS2の精密質量(+銀イオンの精密質量)に対応することから、生成物がPAの1分子にPPSが付加した環状構造を有することがわかる。
・無水ジフェン酸を環状開始剤としたブトキシプロピレンスルフィドの環拡大重合
Figure 2023172900000019
湿度を5%以下に保ったグローブボックス内で、重合管にTBAC38.4mg(BPSに対して5mol%)を入れ、その後40℃で5時間減圧乾燥を行った。この重合管にトルエンで再結晶したDA31.6mg(0.140mmol)、NMP1.4mL(2mol/L)、及びブトキシプロピレンスルフィド410.3mg(BPS;2.79mmol)を加えて、均一溶液を調製した。この重合管を2度凍結脱気して、80℃のオイルバス中で16時間加熱攪拌を行った。反応後、反応溶液をメタノール60mL及び水40mLの混合溶媒中に加えて再沈殿したところ、白色粘性液体が底に付着した。デカンテーションにより粘性液体を回収し、50℃で10時間減圧乾燥した後、水100mLで洗浄し、50℃で10時間減圧乾燥することで、DAを環状開始剤としたBPSの環状ポリマー(CP-BPS)を得た(転化率44%、収量161mg、収率37%)。
FT-IR(neat,cm-1):2956(νC-Haromatic),2871(νC-Halkyl),1729(νC=O),1114(νC-O),751(νC-S).
H-NMR(400MHz,CDCl,TMS) δ(ppm):7.88-8.05(br,1.00H,Ha),7.63-8.05(br,0.966H,He),7.30-7.63(br,4.04H,Hc,Hd,Hf,Hh),7.08-7.25(br,2.25H,Hb,Hg),3.50-4.38(br,24.8H,Hk),3.20-3.50(br,26.9H,Hl),2.57-3.20(br,34.0H,Hi,Hj,Hl),1.50-1.59(br,30.1H,Hm,HO),1.20-1.42(br,25.1H,Hn),0.83-0.94(br,35.7H,Ho).
Mn=35400
Mw/Mn=1.98
Figure 2023172900000020
上記の手順で得たCP-BPSについてMALDI-TOF MS(イオン化剤:トリフルオロ酢酸銀)による質量分析を行った。その結果を図3に示す。図3は、実施例で得た環状ポリマー(CP-BPS)についてのMALDI-TOF MSのチャートである。図3において、丸印を付したピークは、DAの分子量+BPSの分子量×n+銀イオンの質量[(DA+nPPS)+Ag]に対応する。
図3に示すように、各ピーク間隔はBPSの精密質量と一致し、それら各ピークがDAの1分子を含む環状CP-BPSの精密質量(+銀イオンの精密質量)に対応することから、生成物がDAの1分子にBPSが付加した環状構造を有することがわかる。
・CP-PPS1を環状開始剤としたブトキシプロピレンスルフィドの環拡大重合
Figure 2023172900000021
湿度を5%以下に保ったグローブボックス内で、重合管にTBAC35.9mg(PPSに対して5mol%)を入れ、その後40℃で5時間減圧乾燥を行った。この重合管に環状ポリマーCP-PPS1(Mn=6280,Mw/Mn=1.41)をマクロ開始剤として99.6mg溶解させたNMP溶液1.31mL(2mol/L)、及びPPS436.4mg(CP-PPS1中のDAに対して2000mol%)を加えて、均一溶液を調製した。この重合管を5度凍結脱気し、60℃のオイルバス中で16時間加熱攪拌を行った。反応後、重合溶液をメタノール60mL及び水40mLの混合溶液中に加えて再沈殿したところ、白色粘性液体が底に付着した。デカンテーションにより粘性液体を回収し、室温で10時間減圧乾燥した。これを少量のクロロホルムに溶解させてメタノール60mL及び水40mLで再沈殿し、さらに少量のクロロホルムに溶解させてヘキサン100mL中で再沈殿したものを室温で24時間乾燥させた後、40℃で8時間減圧乾燥することで、CP-PPS3を得た(転化率93.1%、収量183mg、収率35%)。
FT-IR(neat,cm-1):3061(νC-Haromatic),2925(νC-Halkyl),1719(νC=O),1240(νC-O),691(νC-S).
H-NMR(400MHz,CDCl,TMS) δ(ppm):7.81-7.95(br,1.00H,Ha),7.55-7.75(br,0.839H,He),7.30-7.50(br,3.04H,Hd,Hf,Hh),7.14-7.24(br,33.5H,Hc,Hm),6.96-7.14(br,3.87H,Hb,Hg),6.86-6.96(br,16.6H,Hn),6.57-6.86(br,34.0H,Hl),3.84-4.38(br,33.9H,Hk),2.75-3.84(br,48.7H,Hi,Hj).
Mn=16600
Mw/Mn=1.68
Figure 2023172900000022
上記の手順で得たCP-PPS3についてMALDI-TOF MS(イオン化剤:トリフルオロ酢酸銀)による質量分析を行った。その結果を図4に示す。図4は、実施例で得た環状ポリマー(CP-PPS3)についてのMALDI-TOF MSのチャートである。図4において、丸印を付したピークは、DAの分子量+PPSの分子量×n+銀イオンの質量[(DA+nPPS)+Ag]に対応する。
図4に示すように、各ピーク間隔はPPSの精密質量と一致し、それら各ピークがDAの1分子を含む環状CP-PPS3の精密質量(+銀イオンの精密質量)に対応することから、生成物がDAの1分子にPPSが付加した環状構造を有することがわかる。また、得られたCP-PPS3の数平均分子量は16600であり、マクロ開始剤として用いたCP-PPS1の数平均分子量である6280よりも大きくなっていた。これらのことから、CP-PPS1をマクロ開始剤としてPPSを反応させた場合にも、環状構造は維持され、環拡張反応を生じることが理解される。


Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で表すチイラン化合物、及びカルボン酸の環状酸無水物基を1又は複数備えた化合物の存在下で求核性のある化学種を作用させることを特徴とし、前記チイラン化合物の開環体が繰り返し単位として組み込まれた環状ポリマーの製造方法。
    Figure 2023172900000023
    (上記一般式(1)中、Rは、水素原子又は1価の基である。)
  2. 下記一般式(1)で表すチイラン化合物及び下記一般式(2)で表すカルボン酸無水物の存在下で求核性のある化学種を作用させることを特徴とする請求項1記載の環状ポリマーの製造方法。
    Figure 2023172900000024
    (上記一般式(1)中、Rは、水素原子又は1価の基である。上記一般式(2)中、Rは、2価の基である。)
  3. 前記求核性のある化学種が、求核性を備えた陰イオンを生じさせる化合物、アミン化合物及びアルコキシ化合物からなる群より選択される少なくとも1つである請求項1記載の環状ポリマーの製造方法。
  4. 前記求核性のある化学種が、塩化テトラブチルアンモニウムから解離した塩化物イオンである請求項1記載の環状ポリマーの製造方法。
  5. 一般式(2)におけるRが芳香環を含み、かつRから生じる2つの単結合がいずれも前記芳香環から生じることを特徴とする請求項2記載の環状ポリマーの製造方法。
  6. 一般式(2)におけるRが、下記化学式で表すいずれかである請求項5記載の環状ポリマーの製造方法。
    Figure 2023172900000025
    (上記化学式中、波線を付した単結合は、一般式(2)に含まれる2つのカルボニル基への結合を表す。)
  7. 下記一般式(3)で表す部分構造を備えた化合物。
    Figure 2023172900000026
    (上記一般式(3)中、Rは2価の基であり、nは1以上の整数であり、波線を付した単結合は、この化合物において一般式(3)を除く部分に含まれる元素への結合を示す。)
  8. 下記一般式(3a)で表す請求項7記載の化合物。
    Figure 2023172900000027
    (上記一般式(3a)中、Rは水素原子又は1価の基であり、Rは2価の基であり、nは1以上の整数である。)
  9. 一般式(3)又は(3a)におけるRが芳香環を含み、かつRから生じる2つの単結合がいずれも前記芳香環から生じることを特徴とする請求項7記載の化合物。
  10. 下記一般式(1)で表すチイラン化合物、及び環状ポリマーである請求項7~9のいずれか1項記載の化合物の存在下で求核性のある化学種を作用させることを特徴とし、前記環状ポリマーの環構造中に前記チイラン化合物の開環体が繰り返し単位として新たに組み込まれることによりその環構造を拡張させることを特徴とする環状ポリマーの製造方法。
    Figure 2023172900000028
    (上記一般式(1)中、Rは、水素原子又は1価の基である。)
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