JP2023165820A - タレット型巻糸装置 - Google Patents

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Masahiro Hiratani
明彦 辻本
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Abstract

【課題】本発明は、タレット盤の回転により満巻状態のスピンドルから空状態のスピンドルに糸条を切り替える際、糸条の弛みを確実に吸収することができるタレット型巻糸装置を提供することを目的とする。【解決手段】周方向に回転可能に設けられたタレット盤2と、タレット盤2に配設され、共通の第2の駆動モータ200により軸回転しながら糸条を巻き取る複数のスピンドル3と、スピンドル3の軸方向に沿って往復移動することにより糸条を綾振りするトラバース装置4と、所定の張力を付与しながら糸条を案内するローラ装置5と、各部の動作を制御する制御部6とを備える。制御部6は、満巻状態のスピンドル3から空状態のスピンドル3に糸条を切り替える際、ローラ5が満巻状態の糸条巻取時の目標位置Aから糸条と反対方向の糸条切替時の目標位置Bに移動するように駆動機構52の動作を制御する。【選択図】図6

Description

本発明は、複数のスピンドルに交互に糸条部材を巻き取るタレット型巻糸装置に関するものである。
従来より、一対のスピンドルに交互に糸条を巻き取るタレット型巻取装置が知られている。具体的には、周方向に回転可能に設けられたタレット盤と、タレット盤に配設され、軸回転しながら糸条を巻き取る複数のスピンドルと、スピンドルの軸方向に沿って往復移動することにより糸条を綾振りするトラバース装置と、所定の張力を付与しながら糸条を案内するローラ装置と、タレット盤、スピンドル、トラバース装置および前記ローラ装置の動作を制御する制御部とを備える(例えば、特許文献1~3参照)。
そして、巻取位置の前記スピンドルが満巻状態になった場合、前記タレット盤の回転により満巻状態の前記スピンドルを巻取位置から待機位置に配置転換し、かつ空状態の前記スピンドルを待機位置から巻取位置に配置転換するとともに、満巻状態の前記スピンドルから空状態の前記スピンドルに糸条を切り替えて、空状態の前記スピンドルに糸条を新たに巻き取ることを交互に繰り返す。
ところで、このようなタレット型巻糸装置では、装置に案内される糸条の走行速度は一定であるため、スピンドルに巻き取られる糸条のパッケージ径に応じて、スピンドルの回転速度を制御する必要がある。例えば、満巻状態やそれに近い状態のスピンドルは、糸条のパッケージ径が大きいことから低速で軸回転する一方、空状態やそれに近い状態のスピンドルは、糸条のパッケージ径が小さいことから高速で軸回転する。このため、タレット盤の回転により満巻状態のスピンドルから空状態のスピンドルに糸条を切り替える際、空状態のスピンドルを短時間で高速の回転速度まで軸回転させる必要がある。
特開平9-323866号公報 特開2002-137869号公報 特開2021-59406号公報
しかしながら、空状態のスピンドルが高速の回転速度に達するまでにタイムラグがあるため、装置に案内される糸条に瞬間的に弛みが生じることがある。特に一つの共通の駆動モータにより各スピンドルを軸回転させる場合、満巻状態のスピンドルの低速回転から空状態のスピンドルの高速回転になるまでにはタイムラグが発生しやすい。
このとき、ローラ装置においてローラが糸条側に揺動することにより糸条の弛みを多少吸収し得るが、スピンドルが満巻状態の場合、生産条件によっては、ローラは糸条側の限界位置(上限位置)に近い位置に到達しているため、糸条の緩みを十分に吸収することができず、その結果、ローラから糸条が外れたりするなどして、糸条を安定的に巻き取ることができなくなり、さらには装置を停止しなくてはならないという問題があった。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、タレット盤の回転により満巻状態のスピンドルから空状態のスピンドルに糸条を切り替える際、糸条の弛みを確実に吸収することができ、ひいては糸条を安定的に継続して巻き取ることが可能なタレット型巻糸装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、周方向に回転可能に設けられたタレット盤と、前記タレット盤に配設され、共通の駆動モータにより軸回転しながら糸条を巻き取る複数のスピンドルと、前記スピンドルの軸方向に沿って往復移動することにより糸条を綾振りするトラバース装置と、所定の張力を付与しながら糸条を前記トラバース装置に案内するローラ装置と、前記タレット盤、前記スピンドル、前記トラバース装置および前記ローラ装置の動作を制御する制御部とを備え、巻取位置の前記スピンドルが満巻状態になった場合、前記タレット盤の回転により満巻状態の前記スピンドルを巻取位置から待機位置に配置転換し、かつ空状態の前記スピンドルを待機位置から巻取位置に配置転換するとともに、満巻状態の前記スピンドルから空状態の前記スピンドルに糸条を切り替えて、空状態の前記スピンドルに糸条を新たに巻き取るタレット型巻糸装置において、前記ローラ装置は、周面に糸条が架けられるローラと、該ローラを糸条の走行方向に交差する方向の所定の目標位置に配置する駆動機構とを備え、前記制御部は、満巻状態の前記スピンドルから空状態の前記スピンドルに糸条を切り替える際、前記ローラが満巻状態の糸条巻取時の目標位置から糸条の反対側の糸条切替時の目標位置に移動するように前記駆動機構の動作を制御することを特徴とする。
これによれば、満巻状態のスピンドルから空状態の前記スピンドルに糸条を切り替える際、ローラの限界位置と糸条切替時の目標位置との間で十分なストロークが確保されるため、満巻状態のスピンドルと空状態のスピンドルの回転速度の相違により糸に緩みが生じた場合であっても、ローラが糸条側に十分に移動して、糸条の緩みを確実に吸収することができる。
また、前記制御部は、満巻状態の前記スピンドルから空状態の前記スピンドルに糸条を切り替える前において、前記ローラが満巻状態の糸条巻取時の目標位置から糸条切替時の目標位置に向けて所定時間をかけて移動するように前記駆動機構の動作を制御してもよい。これによれば、ローラを満巻状態の糸条巻取時の目標位置から糸条切替時の目標位置に緩やかに移動させることができ、糸条切替前のローラの移動時においても糸条に安定的に張力を付与することができる。
また、前記制御部は、満巻状態の前記スピンドルから空状態の前記スピンドルに糸条を切り替えた後において、前記ローラが糸条切替時の目標位置から空状態の糸条巻取時の目標位置に向けて所定時間かけて移動するように前記駆動機構の動作を制御してもよい。これによれば、ローラを糸条切替時の目標位置から空状態の糸条巻取時の目標位置に向けて緩やかに移動させることができ、糸条切替後のローラの移動時においても糸条に安定的に張力を付与することができる。
また、前記制御部は、満巻状態の前記スピンドルから空状態の前記スピンドルに糸条を切り替える直前において、前記ローラが糸条切替時の第1の目標位置に配置されるように前記駆動機構の動作を制御するとともに、満巻状態のスピンドルから空状態のスピンドルに糸条を切り替えた直後において、前記ローラが糸条切替時の第2の目標位置に配置されるように前記駆動機構の動作を制御してもよい。これによれば、満巻状態の前記スピンドルから空状態の前記スピンドルに糸条を切り替える直前において、ローラを糸条切替時の第1の目標位置に配置することができるとともに、満巻状態のスピンドルから空状態のスピンドルに糸条を切り替えた直後において、ローラを糸条切替時の第2の目標位置に配置することができ、糸条の切替前後においてローラの目標位置を変更することが可能となる。
また、前記制御部は、前記ローラが糸条切替時の第1の目標位置に配置された時から、満巻状態のスピンドルから空状態のスピンドルに糸条を切り替える時までの間、該第1の目標位置を維持するように前記駆動機構の動作を制御するとともに、前記ローラが糸条切替時の第2の目標位置に配置された時から、空状態の糸条巻取時の目標位置に向けて移動を開始する時までの間、該第2の目標位置を維持するように前記駆動機構の動作を制御してもよい。これによれば、糸条を切り替える直前において、ローラを糸条切替時の第1の目標位置に安定して配置することができるとともに、糸条を切り替えた直後において、ローラを糸条切替時の第2の目標位置に安定して配置することができる。
また、前記駆動機構は、先端部に前記ローラが回転可能に設けられるとともに、基端部が回動可能に軸支されたアーム部材を備え、前記アーム部材が基端部を中心として糸条が走行する平面内を揺動することによりローラを所定の目標位置に移動させて配置してもよい。これによれば、簡易な構成にして、ローラを所定の目標位置に安定的かつ確実に移動させて配置することができる。
また、前記制御部は、前記ローラが糸条側の上限位置と糸条の反対側の下限位置の間の中央位置に対して下限位置側に設定されている糸条切替時の目標位置に配置されるように前記駆動機構の動作を制御してもよい。これによれば、ローラの上限位置と糸条切替時の目標位置との間に十分なストロークを確保し得るため、糸条の緩みを確実に吸収することができる。
本発明によれば、満巻状態のスピンドルから空状態の前記スピンドルに糸条を切り替える際、ローラの限界位置と糸条切替時の目標位置との間で十分なストロークが確保されるため、満巻状態のスピンドルと空状態のスピンドルの回転速度の相違により糸に緩みが生じた場合であっても、ローラが糸条側に十分に移動して、糸条の緩みを確実に吸収することができる。
本発明の実施形態に係るタレット型巻糸装置(巻取位置のスピンドルが満巻状態)の正面図である。 本発明の実施形態に係るタレット型巻糸装置(巻取位置のスピンドルが空状態)の正面図である。 図1のタレット型巻糸装置の内部構成を示す平面図である。 図1のタレット型巻糸装置の電気的構成を示す図である。 ローラ装置を示す(a)正面図、(b)右側面図、(c)平面図である。 ローラ装置における満巻状態の糸条巻取時の目標位置を示す図である。 ローラ装置における糸条切替時の目標位置を示す図である。 ローラ装置における空状態の糸条巻取時の目標位置を示す図である。 ローラ装置の動作の過程を示す図である。 ローラ装置の動作の過程を示す表である。
次に、本発明に係るタレット型巻糸装置(以下、本装置という)の実施形態について図1~図10を参照しつつ説明する。
[全体構成]
本装置は、図1および図2に示すように、装置の基枠1と、装置の基枠1の正面中央側に設けられたタレット盤2と、タレット盤2に配設された一対のスピンドル3と、装置の基枠1におけるスピンドル3の近傍位置に設けられたトラバース装置4と、装置の基枠1の上方に設けられたローラ装置5と、タレット盤2、スピンドル3、トラバース装置4およびローラ装置5の動作を制御する制御部6を備え、装置の基枠1の内部にはタレット盤2、スピンドル3およびトラバース装置4を駆動する第1の駆動モータ100と第2の駆動モータ200が設けられている。なお、本実施形態では、一つの基枠1においてタレット盤2、一対のスピンドル3、トラバース装置4およびローラ装置5の各3個が上下に並んで設けられている。
前記タレット盤2は、金属製の薄型円盤状に形成され、基枠1内の第1の駆動モータ100により周方向(正面から見て左周り)に沿って回転するものとなされている。具体的には、このタレット盤2は、図1に示すように、巻取位置(図1の左側位置)のスピンドル3が満巻状態になった場合、周方向に沿って半回転することにより、図1から図2に示すように、満巻状態のスピンドル3を巻取位置(図1の左側位置)から待機位置(図2の右側位置)に配置転換するとともに、空状態のスピンドル3を待機位置(図1の右側位置)から巻取位置(図2の左側位置)に配置転換する。なお、タレット盤2は、糸条Lの巻取長さまたは巻取時間が所定の設定に達してスピンドル3が満巻状態になった時や、ボタン操作等で強制的に切替動作指令が与えられた時に回転する。
前記スピンドル3は、図1に示すように、タレット盤2の同心円上の対称位置において前方向に突出する態様で片持支持され、タレット盤2の回転により巻取位置Aと待機位置Bの間を公転しながら交互に配置転換される。
また、前記スピンドル3は、タレット盤2を貫通するスピンドル軸31と、基枠1の正面側においてスピンドル軸31の周囲において糸条を巻き取るボビンホルダ32と、基枠1の背面側においてスピンドル軸31の基端部に同心状に設けられた円板部材33と、ボビンホルダ32の基端部側において糸条の切り替え時に糸条を把持する把持部34とを備える。
また、前記スピンドル3は、基枠1内に設けられた共通の第2の駆動モータ200と第2の回転伝達機構20を介して接続されており、制御部6の命令により巻取位置Aにおいて糸条を軸回転しながら空状態から満巻状態になるまで巻き取るものとなされている。
なお、この第2の回転伝達機構20は、図3に示すように、第2の駆動モータ200に接続されたプーリー20aと、該プーリー20aに一方が巻架されるベルト20bと、該ベルト20bの他方に巻架されるプーリー20cと、一方端部に該プーリー20cが接続された回転軸20dと、該回転軸20dの他方端部に巻架されたベルト20eと、該ベルト20eの両側部に巻架されるプーリー20fとを備え、両プーリー20fが後述のクラッチ機構8を介して両スピンドル軸31に接続されている。これにより、第2の駆動モータ200の回転がプーリー20a、ベルト20b、プーリー20c、回転軸20d、ベルト20e、プーリー20f、さらにはクラッチ機構8を介して各スピンドル3に伝達される。
また、前記スピンドル3は、スピンドル軸31と第2の回転伝達機構20の間において、クラッチ機構8(ドッグクラッチ)が設けられ、制御部6の命令によりクラッチ機構8が動作するものとなされている。具体的には、スピンドル3が巻取位置Aに配置された際、該スピンドル3のクラッチ機構8が接続状態になって、該スピンドル3と第2の駆動モータ200が第2の回転伝達機構20を介して回転可能に連結されるため、巻取位置Aのスピンドル3が軸回転しながら糸条を巻き取る。一方、スピンドル3が待機位置Bに配置された際、該スピンドル3のクラッチ機構8の接続状態が解除され、該スピンドル3と第2の駆動モータ200の連結も解除されるため、待機位置Bのスピンドル3が第2の駆動モータ200からフリーな状態となって軸回転を停止する。なお、本実施形態では、クラッチ機構8としてドッグクラッチを用いたが、摩擦クラッチや流体クラッチなど、その他のクラッチを用いてもよい。
また、前記スピンドル3は、ボビンホルダ32の基端部側に糸条を把持するための把持部34が設けられている。本実施形態では、この把持部34は、ボビンホルダ32の基端部側の隙間であって、糸条の切り替え時において所定の隙間に糸条が嵌り込んだあと、該隙間が閉じて糸条を挟着することによって、糸条を把持するものとなされている。
また、前記スピンドル3は、ボビンホルダ32の基端部側の周囲にカッター7が設けられている。このカッター7は、タレット盤2の回転により巻取位置Aの満巻状態のスピンドル3と待機位置Bの空状態のスピンドル3を互いに公転させながら配置転換する際、満巻状態のスピンドル3から空状態の前記スピンドル3に糸条を切り替えるときに糸条を切断する。
前記トラバース装置4は、基枠1からスピンドル3の軸方向に沿って往復移動するトラバースガイド41を備える。このトラバースガイド41は、駆動モータ(通常はスピンドル33を軸回転させる第2の駆動モータ200)に所定のカムシフト機構を介して接続され、スピンドル33の軸方向に沿ってスピンドル3の先端部と基端部の間を往復移動することにより、ローラ装置5から送られてきた糸条Lを綾振りしながら巻取位置で軸回転するスピンドル3に案内する。
前記ローラ装置5は、本装置の基枠1の上方において、装置外から供給されてきた糸条Lをトラバース装置4に向けて所定の走行路に沿って案内するとともに、糸条Lに対して所定の張力を付与する。なお、このローラ装置5の具体的な構成および動作については後述する。
前記制御部6は、図4に示すように、ローラ装置5(後述の駆動機構52のエアシリンダ521)の動作を制御するとともに、第1の駆動モータ100の回転(タレット盤2の回転)、第2の駆動モータ200の回転(スピンドル3の軸回転/トラバース装置4の往復移動)を制御する。
而して、制御部6の指令に基づいて、巻取位置のスピンドル3が軸回転するとともに、トラバース装置4のトラバースガイド41がスピンドル3の軸方向に沿って往復移動することによって、糸条Lが巻取位置のスピンドル3に巻き取られる。
そして、図1に示すように、巻取位置のスピンドル3が満巻状態になると、制御部6の指令に基づいて、タレット盤2が周方向(正面から見て左回り)に半回転することによって、図2に示すように、満巻状態のスピンドル3が巻取位置から待機位置に回転移動しながら配置転換するとともに、空状態のスピンドル3が待機位置から巻取位置に回転移動しながら配置転換し満巻状態のスピンドル3から空状態のスピンドル3に糸条Lが切り替えられる。
なお、本実施形態では、満巻状態のスピンドル3から空状態のスピンドル3に糸条Lが切り替えられるタイミングついては、満巻状態のスピンドル3の糸条Lが空状態のスピンドル3の図示略の把持機構に把持(チャック)され、カッター装置7によって切断されたときが糸条Lの切替時となる。
そして、図2に示すように、制御部6の指令に基づいて、巻取位置の空状態のスピンドル3が軸回転するとともに、トラバース装置4が該スピンドル3の軸方向に沿って往復移動することによって、糸条Lが巻取位置の空状態のスピンドル3に新たに巻き取られる。
[ローラ装置5の構成]
前記ローラ装置5は、図5に示すように、周面に糸条Lが架けられる円盤状のローラ51と、該ローラ51を糸条Lに交差する方向(本実施形態では上下方向)に移動させることにより所定位置に配置する駆動機構52とを備える。なお、本実施形態では、図5(b)に示すように、糸条Lはローラ51の左下方から入り、ローラ51の上側周面に架けらながら走行したあと、ローラ52の右下方から左右に綾振りされながら出ていく経路をとる。
前記駆動機構52は、装置の基枠1に設けられた支持枠50と、該支持枠50に斜め下方に傾斜する態様で設けられたエアシリンダ521と、エアシリンダ521の先端部に設けられたリンク部材522と、支持枠50に固定された回転伝達ボックス523と、リンク部材522に回転伝達ボックス523を介して接続されたアーム部材524とを備える。
前記エアシリンダ521は、円筒状のシリンダ521aと、該シリンダ521aに伸縮可能な状態で設けられたロッド521bとから構成され、制御部6の指令により図示略の空気供給装置からシリンダ521aに所定圧の空気が供給されると、ロッド521bを介してリンク部材522に力を付与する。
前記リンク部材522は、先端部がエアシリンダ521のロッド521bの先端部を回動可能に軸支するとともに、基端部が回転伝達ボックス323に回動可能に軸支されており、エアシリンダ521の伸縮動作に伴って基端部を中心にして糸条Lが走行する鉛直平面内を揺動する。
前記回転伝達ボックス523は、リンク部材522の回転をアーム部材524に伝達して回転させるためのものであり、リンク部材522の基端部とアーム部材524の基端部が接続され、内部に所定のギアやカムなどが設けられている。なお、回転伝達ボックス内には、アーム部材524の回転角度を計測するセンサが設けられており、制御部6はセンサで計測したアーム部材524の回転角度に基づいてローラ51が所定の目標位置に配置されるようにスピンドル3(第2の駆動モータ200)の回転速度を制御する。
前記アーム部材524は、先端部にローラ51が回転可能に設けられるとともに、基端部が回転伝達ボックス523に回動可能に軸支されており、リンク部材522の揺動に伴って基端部を中心に糸条Lが走行する鉛直平面内を揺動する。
而して、エアシリンダ521よりリンク部材522とアーム部材524を介して、ローラ51に伝わる力により、糸条Lにその姿勢に応じた張力を付与する。この糸条Lに付与される張力は、ローラ51の位置により変化するように、エアシリンダ521、リンク部材522及びアーム部材524が構成されている。また、ローラ51の目標位置は、上限位置M1と下限位置M2の間であって、巻き取り状態に適した張力を糸条Lに付与できる位置に設定される。なお、糸条Lの巻き取り中は、短期的な各種外乱により糸条Lが突っ張ったり緩んだりが生じる場合があるが、その時に、エアシリンダ521のロッド521bが伸縮する事により糸条Lの張力が大きく変動することを抑える。
例えば、図6に示すように、巻取位置のスピンドル3において糸条Lが満巻状態(またはそれに近い状態)で巻き取られている場合、その巻き取り状態に適した張力を糸条Lに付与するために、ローラ51がローラ装置5の真正面側の目標位置A(上限位置M1と下限位置M2の間の中央位置)に配置されるように、制御部6の指令に基づいてスピンドル3(第2の駆動モータ200)の回転速度が制御される。
このとき、ローラ51は、上限位置M1に近い目標位置Aに配置されているため、ローラ51の目標位置Aと上限位置M1の間でストロークを十分に確保することができない。このため、タレット盤2の回転により満巻状態のスピンドル3から空状態のスピンドル3に糸条Lを切り替える際、仮にアーム部材524が鉛直面内を上方に揺動することによってローラ51が糸条L側の上方に移動したとしても、糸条Lの緩みを十分に吸収することができない虞がある。
そこで、本発明では、図7に示すように、タレット盤2の回転により満巻状態のスピンドル3から空状態のスピンドル3に糸条Lを切り替える際、ローラ51の目標位置を満巻状態の糸条巻取時の目標位置Aから下方の糸条切替時の目標位置Bに変更することにより、ローラ装置5の真正面側の目標位置Aよりも下限位置M2側の位置に設定されているため、ローラ51の糸条切替時の目標位置Bと上限位置M1の間で十分なストロークYを確保することができる。
なお、図8に示すように、巻取位置のスピンドル3において糸条Lが空状態(またはそれに近い状態)で巻き取られている場合、その巻き取り状態に適した張力を糸条Lに付与するために、ローラ51の目標位置はローラ装置5の真正面側の目標位置Aよりも上方の目標位置Cに設定される。
[ローラ装置5および各装置の糸条切替時の具体的動作]
次に糸条Lを切り替える時のローラ装置5および各装置の具体的な動作について、主に図9および図10のを参照しつつ説明する。
(a)満巻状態の糸条巻取時
図9および図10(a)に示すように、巻取位置のスピンドル3において糸条Lが満巻状態で巻き取られている時(図1参照)では、ローラ51は満巻状態の糸条巻取時の目標位置A(図6参照)に配置されている。このとき、巻取位置の満巻状態のスピンドル3のクラッチは接続状態(ON)、待機位置の空状態のスピンドル3のクラッチは非接続状態(OFF)であって、第2の駆動モータ200は満巻状態のスピンドル3のパッケージ径に対応する回転数(低速)で回転している。
(b)タレット盤2の回転開始時
図9および図10(b)に示すように、巻取位置のスピンドル3において糸条Lの満巻状態が完了してタレット盤2の回転が開始する時では、ローラ51は満巻状態の糸条巻取時の目標位置A(図6参照)に配置されている。このとき、巻取位置の満巻状態のスピンドル3のクラッチは接続状態(ON)、待機位置の空状態のスピンドル3のクラッチは非接続状態(OFF)であって、第2の駆動モータ200は満巻状態のスピンドル3のパッケージ径に相当する回転数(低速)で回転している。
(c)糸条切替前
図9および図10(c)に示すように、タレット盤2が回転する過程であって、満巻状態のスピンドル3から空状態のスピンドル3に糸条Lを切り替える直前では、ローラ51は満巻状態の糸条巻取時の目標位置Aから糸条切替時の目標位置B(図7参照)に移動して配置される。このとき、巻取位置にあった満巻状態のスピンドル3のクラッチは半接続状態(ON)、待機位置にあった空状態のスピンドル3のクラッチは半接続状態(ON)であって、第2の駆動モータ200は満巻状態のスピンドル3のパッケージ径に相当する回転数(低速)で回転している。
なお、本実施形態では、前記ローラ51は、満巻状態の巻取時の目標位置Aから糸条切替時の目標位置Bに向けて所定時間をかけて移動したあと、糸条切替時の目標位置Bを維持する。
(d)糸条切替後
図9および図10(d)に示すように、タレット盤2が回転する過程であって、満巻状態のスピンドル3から空状態のスピンドル3に糸条Lを切り替えた直後では、ローラ51は糸条切替時の目標位置B(図7参照)に配置される。このとき、満巻状態のスピンドル3のクラッチは非接続状態(OFF)、空状態のスピンドル3のクラッチは接続状態(ON)であって、第2の駆動モータ200は空状態のスピンドル3のパッケージ径(ボビン径)に相当する回転数(高速)で回転を開始する。
なお、満巻状態のスピンドル3から空状態のスピンドル3に糸条Lを切り替える時において、空状態のスピンドル3が所定の回転数(高速)に到達するまでにタイムラグがあるため、糸条Lが瞬間的に弛んだ状態となるが、図9のP点に示すように、ローラ51が上方に移動することにより該糸条Lの緩みを吸収する。また、ローラ51は、糸条Lの弛みを吸収するために上方に移動したあと、再び糸条切替時の目標位置Bに戻って配置され、空状態の糸条巻取時の目標位置Cに向けて移動を開始する時まで糸条切替時の目標位置Bを維持する。
(e)空状態の糸条巻取時
図9および図10(e)に示すように、タレット盤2の回転が完了し、巻取位置の空状態のスピンドル3において糸条Lが巻き取られている時では、ローラ51は糸条切替時の目標位置Bから空状態の糸条巻取時の目標位置C(図8参照)に移動して配置される。このとき、待機位置の満巻状態のスピンドル3のクラッチは非接続状態(OFF)、巻取位置の空状態のスピンドル3のクラッチは接続状態(ON)であって、第2の駆動モータ200は空状態のスピンドル3のパッケージ径に相当する回転数(高速)で回転している。
なお、本実施形態では、前記ローラ51は、糸条切替時の目標位置Bから空状態の糸条巻取時の目標位置Cに向けて所定時間かけて移動する
これによれば、上述の(c)(d)において、タレット盤2の回転により満巻状態のスピンドル3から空状態のスピンドル3に糸条Lを切り替える際、ローラ51の上限位置M1と満巻状態の糸条巻取時の目標位置Aの間のストロークXに比べて、ローラ51の上限位置M1と糸条切替時の目標位置Bとの間で十分なストロークYが確保されるため、満巻状態のスピンドル3と空状態のスピンドル3の回転速度の相違により糸に緩みが生じた場合であっても、図9のP点に示すように、ローラ51が糸条L側に十分に移動し得るため、糸条Lの緩みを確実に吸収することができる。
なお、本実施形態では、満巻状態の前記スピンドル3から空状態の前記スピンドル3に糸条Lを切り替える前と切り替えた後において、切替時の目標位置Bを同一に設定したが、糸条Lを切り替える前は第1の目標位置、糸条Lを切り替えた後は第1の目標位置と異なる第2の目標位置に設定することにより、糸条Lの切替前後においてローラ51の目標位置を変更してもよい。
また、前記ローラ装置5は、支持枠50、エアシリンダ521、リンク部材522、回転伝達ボックス523およびアーム部材524から構成される駆動機構52によりローラ51を移動させるものとしたが、その他の構成の駆動機構52によりローラ51を移動させてもよい。また、前記ローラ装置5は、伸縮機構としてエアシリンダ521を用いたが、油圧シリンダやバネ部材などのその他の伸縮機構であってもよい。
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
1…基枠
2…タレット盤
3…スピンドル
4…トラバース装置
41…トラバースガイド
5…ローラ装置
50…支持枠
51…ローラ
52…駆動機構
521…エアシリンダ
521a…シリンダ
521b…ロッド
522…リンク部材
523…回転伝達ボックス
524…アーム部材
6…制御部
7…カッター
10…第1の回転伝達機構
20…第2の回転伝達機構
100…第1の駆動モータ
200…第2の駆動モータ
L…糸条

Claims (7)

  1. 周方向に回転可能に設けられたタレット盤と、
    前記タレット盤に配設され、共通の駆動モータにより軸回転しながら糸条を巻き取る複数のスピンドルと、
    前記スピンドルの軸方向に沿って往復移動することにより糸条を綾振りするトラバース装置と、
    所定の張力を付与しながら糸条を前記トラバース装置に案内するローラ装置と、
    前記タレット盤、前記スピンドル、前記トラバース装置および前記ローラ装置の動作を制御する制御部とを備え、
    巻取位置の前記スピンドルが満巻状態になった場合、前記タレット盤の回転により満巻状態の前記スピンドルを巻取位置から待機位置に配置転換し、かつ空状態の前記スピンドルを待機位置から巻取位置に配置転換するとともに、満巻状態の前記スピンドルから空状態の前記スピンドルに糸条を切り替えて、空状態の前記スピンドルに糸条を新たに巻き取るタレット型巻糸装置において、
    前記ローラ装置は、周面に糸条が架けられるローラと、該ローラを糸条の走行方向に交差する方向の所定の目標位置に配置する駆動機構とを備え、
    前記制御部は、満巻状態の前記スピンドルから空状態の前記スピンドルに糸条を切り替える際、前記ローラが満巻状態の糸条巻取時の目標位置から糸条の反対側の糸条切替時の目標位置に移動するように前記駆動機構の動作を制御することを特徴とするタレット型巻糸装置。
  2. 前記制御部は、満巻状態の前記スピンドルから空状態の前記スピンドルに糸条を切り替える前において、前記ローラが満巻状態の糸条巻取時の目標位置から糸条切替時の目標位置に向けて所定時間をかけて移動するように前記駆動機構の動作を制御する請求項1に記載のタレット型巻糸装置。
  3. 前記制御部は、満巻状態の前記スピンドルから空状態の前記スピンドルに糸条を切り替えた後において、前記ローラが糸条切替時の目標位置から空状態の糸条巻取時の目標位置に向けて所定時間かけて移動するように前記駆動機構の動作を制御する請求項1に記載のタレット型巻糸装置
  4. 前記制御部は、満巻状態の前記スピンドルから空状態の前記スピンドルに糸条を切り替える直前において、前記ローラが糸条切替時の第1の目標位置に配置されるように前記駆動機構の動作を制御するとともに、
    満巻状態のスピンドルから空状態のスピンドルに糸条を切り替えた直後において、前記ローラが糸条切替時の第2の目標位置に配置されるように前記駆動機構の動作を制御する請求項1に記載のタレット型巻糸装置
  5. 前記制御部は、前記ローラが糸条切替時の第1の目標位置に配置された時から、満巻状態のスピンドルから空状態のスピンドルに糸条を切り替える時までの間、該第1の目標位置を維持するように前記駆動機構の動作を制御するとともに、
    前記ローラが糸条切替時の第2の目標位置に配置された時から、空状態の糸条巻取時の目標位置に向けて移動を開始する時までの間、該第2の目標位置を維持するように前記駆動機構の動作を制御する請求項4に記載のタレット型巻糸装置
  6. 前記駆動機構は、先端部に前記ローラが回転可能に設けられるとともに、基端部が回動可能に軸支されたアーム部材を備え、前記アーム部材が基端部を中心として糸条が走行する平面内を揺動することによりローラを所定の目標位置に移動させて配置する請求項1から請求項5のいずれかに記載のタレット型巻糸装置
  7. 前記制御部は、前記ローラが糸条側の上限位置と糸条の反対側の下限位置の間の中央位置に対して下限位置側に設定されている糸条切替時の目標位置に配置されるように前記駆動機構の動作を制御する請求項6に記載のタレット型巻糸装置
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