JP2023164050A - 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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弘憲 大脇
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Abstract

【課題】長時間の使用におけるクラックの発生が抑制された下引き層を有する電子写真感光体を提供する。また、該電子写真感光体を搭載したプロセスカートリッジ、及び、前記プロセスカートリッジを備えた電子写真装置を提供する。【解決手段】電子写真感光体の下引き層が、特定の構造を有するペリノン化合物とカーボンブラックとを含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ、及び電子写真装置に関する。
電子写真装置に搭載される電子写真感光体として、有機光導電性物質(電荷発生物質)を含有するものが広く使用されている。近年、電子写真装置の高速化・高画質化が進んでいるため、電子写真感光体においても高い電位安定性が求められている。
具体的には、繰り返し使用時の電位変動の抑制や出力画像の面内濃度均一性に関わる感光体周面内の電位均一性の改善が必要とされている。
繰り返し使用時の電位変動を抑制する技術として、電子写真感光体の下引き層に電子輸送性化合物を含有させる方法が挙げられる。電位均一性を改善する技術としては、感光体内での像露光の干渉に起因する電位ムラを改善するため、下引き層に到達した像露光を吸収又は散乱する技術が知られている。下引き層に到達した像露光を吸収する技術として、下引き層にカーボンブラックを含有させる方法が挙げられる。特許文献1では、カーボンブラックと電子輸送性化合物としてヒドラゾン化合物とを含有させる技術が記載されている。
特開平1-113758号公報
しかしながら、上記先行技術の電子写真感光体は、優れた電位変動の抑制を示す一方で、長期間の繰り返し使用において改善の余地があった。具体的には、長時間の使用における下引き層の表面でクラックが発生しやすいことから、高画質化を目的としたときに画像欠陥につながってしまうという課題があった。
本発明の目的は、長時間の使用におけるクラックの発生を抑制する下引き層を有する電子写真感光体、及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、前記電子写真感光体を搭載したプロセスカートリッジ、及び、前記プロセスカートリッジを備えた電子写真装置を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち本発明は、
支持体、下引き層、及び感光層をこの順に有する電子写真感光体であって、
該下引き層が、下記式(1)で示される化合物及び下記式(2)で示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のペリノン化合物、並びに、カーボンブラック、を含有することを特徴とする、電子写真感光体である。
Figure 2023164050000001
Figure 2023164050000002
式(1)中のR11~R18、並びに式(2)中のR21~R28は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基を示し、R11~R14、R15~R18、R21~R24及びR25~R28の各群の中で、隣り合う基同士は連結して共同して環を形成してもよい。
また、本発明は、前記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、及び、クリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジである。
また、本発明は、前記電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、及び、転写手段を有する電子写真装置である。
本発明によれば、長時間の使用における下引き層のクラックの発生を抑制する下引き層を有する電子写真感光体、及びその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、前記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ、及び電子写真装置を提供することができる。
本発明の電子写真感光体の構成の一例を示す概略図である。 本発明の電子写真感光体を搭載したプロセスカートリッジ、及び前記プロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
本発明の電子写真感光体は、支持体と、下引き層と、感光層と、をこの順に有する。
下引き層は、下記式(1)で示される化合物及び下記式(2)で示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のペリノン化合物と、カーボンブラックと、を有する。
さらに、本発明の、支持体、下引き層、及び感光層をこの順に有する電子写真感光体の製造方法は、下引き層用塗布液を調製する工程、及び該下引き層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥及び/又は硬化させることによって該下引き層を形成する工程、を有し、該下引き層用塗布液が、下記式(1)で示される化合物及び下記式(2)で示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のペリノン化合物、並びに、カーボンブラックを含有することを特徴とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、下引き層に、下記式(1)で示される化合物及び下記式(2)で示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のペリノン化合物と、カーボンブラックを含有させることにより、長時間の使用における下引き層のクラックの発生が抑制されることを見出した。
Figure 2023164050000003
Figure 2023164050000004
式(1)中のR11~R18、並びに式(2)中の、R21~R28は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基を示し、R11~R14、R15~R18、R21~R24及びR25~R28の各群の中で、隣り合う基同士は連結して共同して環を形成してもよい。
その理由について、本発明者らは以下のように推測している。
下引き層にカーボンブラックと特定の構造を有するペリノン化合物とを含有することで、長時間の使用におけるカーボンブラックへの電気的な劣化が、ペリノン化合物とカーボンブラックとの間で電子が非局在化し安定化することで抑えられる。すなわち、カーボンブラックの電気的な劣化から下引き層のクラックが発生していたが、ペリノン化合物と組み合わせることで電気的な劣化が抑制され、結果的に下引き層のクラックの発生が抑制されたと推測している。
ここで、下引き層中のペリノン化合物の含有量は、下引き層の全質量に対して30質量%以上60質量%以下であることが好ましい。また、下引き層中のカーボンブラックの含有量は、下引き層の全質量に対して0.5質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。さらに、カーボンブラックの含有量は、ペリノン化合物の質量に対して1質量%以上70質量%以下であることがより好ましい。
さらに、カーボンブラックの平均一次粒径は、10nm以上200nm以下であることが好ましい。
さらに、ペリノン化合物が、下記式(3)、若しくは下記式(4)で示される化合物からなる群から選択される1種のペリノン化合物を有することがより好ましい。さらに、ペリノン化合物が、下記式(5)、若しくは下記式(6)で示される化合物からなる群から選択される1種のペリノン化合物を有することがより好ましい。
Figure 2023164050000005
Figure 2023164050000006
Figure 2023164050000007
Figure 2023164050000008
式(3)中のR31及びR32、並びに式(4)中のR41及びR42は、それぞれ独立に、炭素数の合計が3以上10以下の分岐したアルキル基を示す。
式(5)中のR51、R52、R53、R54、R55及びR56、並びに式(6)中のR61、R62、R63、R64、R65及びR66は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、又はプロピル基を示す。
以下に、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
[電子写真感光体]
本発明に係る電子写真感光体は、支持体と感光層とをこの順に有する。
本実施形態における電子写真感光体は、支持体と、下引き層と、感光層とをこの順に有する。
さらに好ましい形態は、支持体と、下引き層と、電荷発生層と、電荷輸送層と、をこの順で積層した形態であり、この場合、電荷発生層と、電荷輸送層と、が感光層である。
図1は、電荷発生層と電荷輸送層がこの順で積層された感光層を有する積層型感光層を示す。
図1中、支持体101上に、導電層102、下引き層103、電荷発生層104、電荷輸送層105、保護層106が積層されている。電荷発生層104と、電荷輸送層105と、保護層106とを併せて感光層107と呼ぶ。
本発明において、導電層102、及び保護層106は無くてもよい。
以下、各層を、支持体、導電層、下引き層、感光層、保護層の順で説明する。
<支持体>
支持体は導電性支持体である。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状などが挙げられる。中でも、円筒状が好ましい。また、支持体の表面は、陽極酸化などの電気化学的な処理、ブラスト処理、切削処理などが施されていてもよい。
支持体の材質としては、金属、樹脂、ガラスなどが好ましい。
金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレス、これらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウムが好ましい。
また、樹脂やガラスを母材とする場合には、導電性材料を混合又は被覆するなどの処理が施されて導電性が付与されていることが好ましい。
<導電層>
導電層は、必要であれば設けてもよい層である。
導電層は、導電性支持体の上に、且つ導電性支持体と感光層の間、より詳しくは、導電性支持体、導電層、下引き層、感光層の層順となるように配置してよい層である。
導電層を設けることで、導電性支持体表面の傷や凹凸を隠蔽することや、支持体表面における光の反射を制御することができる。
導電層は、導電性粒子と、樹脂と、を含有する。
導電性粒子の材質は、金属酸化物、金属などが挙げられる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマスなどがその例として挙げられる。
そのうち金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などが挙げられる。
導電性粒子の上記材質のうち、金属酸化物が好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛がより好ましい。
また金属酸化物に関して、金属酸化物はその表面がシランカップリング剤などで処理されていたり、リンやアルミニウムなど元素そのものやその酸化物がドーピングされていたりしてもよい。
また、導電性粒子は、芯材と、それを被覆する被覆層とを有する積層構成であってもよい。芯材として、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛などが挙げられる。被覆層として、酸化スズなどの金属酸化物が挙げられる。
被覆層と上記のシランカップリング剤で処理された表面は厚みにおいて前者が後者よりもはるかに厚い。
また、導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、その体積平均粒径が、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。
樹脂として、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
さらに、導電層は、シリコーンオイル、樹脂粒子、酸化チタンなどの隠蔽剤などを含有してもよい。
導電層は、上記の各材料及び溶剤を含有する導電層用塗布液の塗膜を支持体上に設け、塗膜を乾燥させることで得ることができる。
塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
導電層用塗布液中で導電性粒子を分散させるための分散方法として、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
導電層の平均膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、3μm以上40μm以下であることが特に好ましい。
<下引き層>
本実施形態に係る電子写真感光体において、下引き層は導電性支持体又は導電層の上に、設けられる。下引き層を設けることで、層間の接着機能が高まり、電気特性が向上する。
本発明に係る下引き層は、ペリノン化合物と、カーボンブラックと、を含有する。
以下に、本発明に係る下引き層に含有される、ペリノン化合物と、カーボンブラックとについて説明する。
(ペリノン化合物)
本発明に係る下引き層は、電荷輸送性化合物(ETM)としてペリノン化合物を含有する。
本発明におけるペリノン化合物は、ペリノン化合物(1)及びペリノン化合物(2)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物である。ペリノン化合物(1)は、下記の式(1)で表される化合物である。ペリノン化合物(2)は、下記の式(2)で表される化合物である。
Figure 2023164050000009
Figure 2023164050000010
式(1)中のR11~R18、並びに式(2)中のR21~R28は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基を示し、R11~R14、R15~R18、R21~R24及びR25~R28の各群の中で、隣り合う基同士は連結して共同して環を形成してもよい。
アルキル基は、主鎖の原子数が1~10の直鎖若しくは分岐状のアルキルである。
特に、ホールのブロッキング性を改善し、暗減衰の増大を抑制する観点から、炭素数3~10の分岐鎖アルキルであることが好ましい。具体的には、式(1)において、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17及びR18は、式(3)、並びに式(4)で示すように、各々独立に、炭素数が3~10の分岐鎖アルキルであることが好ましい。さらに、式(5)、及び式(6)で示すように、アルキル鎖が3本に分かれており、かつ各炭素数が1~3のアルキル鎖であることがより好ましい。
式(2)において、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27及びR28は、式(3)、並びに式(4)で示すように、各々独立に、炭素数が3~10の分岐鎖アルキルであることが好ましい。さらに、式(5)、及び式(6)で示すように、アルキル鎖が3本に分かれており、かつ各炭素数が1~3のアルキル鎖であることがより好ましい。
Figure 2023164050000011
Figure 2023164050000012
Figure 2023164050000013
Figure 2023164050000014
式(3)中のR31及びR32、並びに式(4)中のR41及びR42は、それぞれ独立に、炭素数の合計が3以上10以下の分岐したアルキル基を示す。
式(5)中のR51、R52、R53、R54、R55及びR56、並びに式(6)中のR61、R62、R63、R64、R65及びR66は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、又はプロピル基を示す。
アルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。
アリール基の置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシカルボニル基が挙げられ、炭素数6~10のアリール基が好ましく、特にフェニル基が好ましい。
アリールオキシ基の置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシカルボニル基が挙げられ、炭素数6~10のアリールオキシ基が好ましく、特にフェニルオキシ基が好ましい。
アルコキシカルボニル基の置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基が挙げられ、炭素数1~10のアルコキシカルボニル基が好ましく、特にメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基及びプロポキシカルボニル基が好ましい。
式(1)及び式(2)中の、R11~R14、R15~R18、R21~R24及びR25~R28の各群の中で、隣り合う置換基同士は連結して共同して環を形成してもよい。特に芳香環を形成していることが好ましく、芳香環としては、特に、ナフタレン環、及びアントラセン環が好ましい。
以下、ペリノン化合物(1)及びペリノン化合物(2)の具体例を以下に示すが、本実施形態はこれらに限定されるわけではない。
Figure 2023164050000015
Figure 2023164050000016
下引き層において、カーボンブラックの含有量は、ペリノン化合物の質量に対して1質量%以上70質量%以下であることが好ましい。カーボンブラックの含有量が、ペリノン化合物の質量に対して1質量%未満である場合、電子搬送性が優れているカーボンブラックの割合が少なくなるため、短期の電位変動が悪化する。一方で、カーボンブラックの含有量が、ペリノン化合物の質量に対して70質量%を超える場合、カーボンブラックと近接して相互作用するペリノン化合物の割合が少なくなるため、ペリノン化合物とカーボンブラックの間で電子が非局在化しにくく不安定化することとなり、長時間の使用におけるクラックの発生を抑制することができなくなると予想される。
(カーボンブラック)
本発明に係る下引き層は、カーボンブラック(CB)を含有する。
カーボンブラックのDBP吸油量としては、例えば30ml/100g以上400ml/100g以下であり、50ml/100g以上200ml/100g以下が好ましい。
DBP吸油量は、カーボンブラック100gに吸収されるジブチルフタレート(DBP)の量を示すものであり、ASTM(アメリカ標準試験法)D2414-6TTに定義される値である。
なお、2種以上のカーボンブラックを併用した場合、カーボンブラックのDBP吸油量は、2種以上のカーボンブラックのそれぞれの含有量についての加重平均値とする。
カーボンブラックのpHとしては、特に限定されないが、例えば2以上10以下であり、5以上9以下が好ましい。
上記pHは、20℃の水1000mlにカーボンブラック50gを加えた水溶液のpHであり、JIS Z8802(2011)規定のpH測定方法によって測定される値である。
なお、2種以上のカーボンブラックを併用した場合、カーボンブラックのpHは2種以上のカーボンブラックのそれぞれの含有量についての加重平均値とする。
カーボンブラックの平均一次粒径としては、分散性の観点から、例えば10nm以上200nm以下であり、20nm以上50nm以下が好ましい。
カーボンブラックの平均一次粒径が10nm未満である場合比較的粒径が小さいことからペリノン化合物と相互作用が働き、カーボンブラックと近接しすぎることで電子の受け渡しがうまくできないと予想している。その結果、短期の電位変動が悪化する。また、カーボンブラックの平均一次粒径が200nmを超えると、ペリノン化合物とカーボンブラックとの電子の非局在化ができず長時間の使用におけるクラックの発生起点になると予想している。
カーボンブラックの平均一次粒径は、以下の方法により測定される。
感光体の中間層を、ミクロトームにより切断して、200nmの厚さの測定サンプルを採取し、本測定サンプルをTEM(透過型電子顕微鏡)により観察する。そして、カーボンブラックの一次粒子50個の径を測定して、その平均値を平均一次粒径とする。
本発明において、カーボンブラックは、1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、カーボンブラックは、DBP吸油量、窒素吸着を利用したBET法による比表面積等の物性の相違により導電性が異なるが、導電性の異なるカーボンブラックを2種以上組み合わせて用いてもよい。このように物性の異なる2種類以上のカーボンブラックを添加する場合、例えば高い導電性を発現するカーボンブラックを優先的に添加した後、導電率の低いカーボンブラックを添加して体積抵抗率を調整してもよい。
カーボンブラックの含有量としては、下引き層の全質量に対して0.5質量%~20質量%であることが好ましい。カーボンブラックの含有量が、下引き層の全質量に対して0.5質量%よりも下がると導電パスが減少し、電子搬送性が足りず短期の電位変動が悪化する。また、カーボンブラックの含有量が、下引き層の全質量に対して20質量%を超えるとカーボンブラック同士が隣接する可能性が高くなり、長時間の使用によるクラックの発生の起点になると予測される。
下引き層は、樹脂を含有する。また樹脂は、重合性官能基を有するモノマーを塗布液中に含有する組成物を重合することで塗布液の塗膜化(モノマーの重合による硬化)した硬化膜として下引き層を得てもよい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。
重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、メチロール基、アルキル化メチロール基、エポキシ基、金属アルコキシド基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、カルボン酸無水物基、炭素-炭素二重結合基などが挙げられる。
また、下引き層は、電気特性を向上させる目的で、電子輸送物質、金属酸化物、金属などを含有させてもよい。
電子輸送物質としては、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物、フルオレノン化合物、キサントン化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノビニル化合物、ハロゲン化アリール化合物、シロール化合物、含ホウ素化合物などが挙げられる。電子輸送物質として、重合性官能基を有する電子輸送物質を用い、上述の重合性官能基を有するモノマーと共重合させることで、硬化膜として下引き層を形成してもよい。
金属酸化物としては、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、二酸化ケイ素などが挙げられる。金属としては、金、銀、アルミなどが挙げられる。
下引き層に含まれる金属酸化物は、シランカップリング剤などの表面処理剤を用いて表面処理して用いてもよい。
金属酸化物を表面処理する方法として、乾式法や湿式法などの一般的な方法が挙げられる。
乾式法は、金属酸化物をヘンシェルミキサーのような高速攪拌可能なミキサーの中で攪拌しながら、表面処理剤を含有するアルコール水溶液、有機溶媒溶液、又は水溶液を添加し、均一に分散させた後に乾燥を行うものである。
また、湿式法は、金属酸化物と表面処理剤とを溶剤中で攪拌、又はガラスビーズなどを用いてサンドミルなどで分散するものであり、分散後、ろ過、又は減圧留去により溶剤除去が行われる。溶剤の除去後は、さらに100℃以上で焼き付けを行うことが好ましい。
下引き層には、さらに添加剤を含有させてもよく、例えば、アルミニウムなどの金属粉体、カーボンブラックなどの導電性物質、金属キレート化合物、有機金属化合物などの公知の材料を含有させることができる。
下引き層は、上記の各材料及び溶剤を含有する下引き層用塗布液を調製し、この塗膜を支持体又は導電層上に形成し、乾燥及び/又は硬化させることで形成することができる。
下引き層用塗布液に用いられる溶剤としては、アルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物などの有機溶剤が挙げられる。本発明においては、アルコール系、ケトン系溶剤を用いることが好ましい。
下引き層用塗布液を調製するための分散方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機などを用いた方法が挙げられる。
下引き層の平均膜厚は、0.05μm以上50μm以下であることが好ましく、0.3μm以上25μm以下であることがより好ましい。
<感光層>
本発明の電子写真感光体の感光層は、(1)積層型感光層及び(2)単層型感光層のいずれであってもよい。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と、保護層と、を厚み方向へ順に配置した構成を有する感光層である。(2)単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質及び樹脂を1つの層に含有する感光層である。
(1)積層型感光層
積層型感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層とを有する。電荷輸送層上には、必要に応じて保護層を設けてもよい。
(1-1)電荷発生層
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有する。
電荷発生物質としては、アゾ化合物、ペリレン化合物、多環キノン化合物、インジゴ化合物、フタロシアニン化合物などが挙げられる。これらの中でも、アゾ化合物、フタロシアニン化合物が好ましい。フタロシアニン化合物の中でも、チタニルフタロシアニン化合物、クロロガリウムフタロシアニン化合物、ヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物がより好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量は、電荷発生層の全質量に対して、40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。
また、電荷発生層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤をさらに含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、などが挙げられる。
電荷発生層は、上記の各材料及び溶剤を含有する電荷発生層用塗布液を調製し、この塗膜を下引き層上に形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
電荷発生層の平均膜厚は、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.15μm以上0.4μm以下であることがより好ましい。
(1-2)電荷輸送層
電荷輸送層は、電荷輸送物質、及び必要に応じて結着樹脂を溶剤に分散させて電荷輸送層用塗布液を調製し、電荷輸送層用塗布液の塗膜を形成し乾燥させることによって得られる。
電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリルメタン化合物などが挙げられる。また、これらの化合物から誘導される基を主鎖又は側鎖に有するポリマーも挙げられる。これらの中でも電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物、スチリル化合物又はベンジジン化合物が好ましく、特にトリアリールアミン化合物が好ましい。また、電荷輸送物質は、単独又は混合して1種又は2種以上用いることができる。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アガロース樹脂、セルロース樹脂、カゼイン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、塩化ビニリデン樹脂、アクリロニトリル共重合体及びポリビニルベンザール樹脂などの樹脂(絶縁性樹脂)が挙げられる。また、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレンなどの有機光導電性ポリマーを用いることもできる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が好ましい。また、結着樹脂は、1種のみを使用してもよく、混合又は共重合体として2種以上を併用してもよい。その共重合形態は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体などのいずれの形態であってもよい。また、これらの分子量としては、重量平均分子量(Mw)=10,000~300,000の範囲が好ましい。
電荷輸送層における電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して20~80質量%であることが好ましく、30~60質量%であることがより好ましい。
電荷輸送層の膜厚は、5μm以上40μm以下であることが好ましい。
(1-3)保護層
電荷輸送層上には、必要に応じて保護層を設けてもよい。保護層は、樹脂を有機溶剤に溶解させて保護層用塗布液を調製し、保護層用塗布液の塗膜を形成し乾燥させることによって得られる。また、保護層は、塗膜を加熱、電子線、紫外線などによって硬化させることによっても形成できる。
保護層に用いられる樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂(ポリカーボネートZ樹脂、変性ポリカーボネート樹脂など)、ナイロン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体及びスチレン-アクリロニトリル共重合体が挙げられる。
また、保護層に電荷輸送能を持たせるために、電荷輸送能を有するモノマーを種々の重合反応、架橋反応を用いて硬化させることによって保護層を形成してもよい。具体的には、連鎖重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を重合又は架橋させ、硬化させることによって保護層を形成することが好ましい。
また、保護層中に導電性粒子や紫外線吸収剤やフッ素原子含有樹脂微粒子などの潤滑性粒子などを含ませてもよい。導電性粒子としては、例えば酸化スズ粒子などの金属酸化物粒子が好ましい。保護層の膜厚は、0.05~20μmであることが好ましい。
各層の塗布方法として、浸漬塗布法(ディッピング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法及びビームコーティング法などの塗布方法を用いることができる。これらの中でも、効率性及び生産性の観点から、浸漬塗布法が好ましい。
(2)単層型感光層
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂及び溶剤を含有する感光層用塗布液を調製し、この塗膜を下引き層上に形成し、乾燥させることで形成することができる。電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂としては、上記「(1)積層型感光層」における材料の例示と同様である。
[プロセスカートリッジ、電子写真装置]
本発明のプロセスカートリッジは、これまで述べてきた本発明の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とする。
また、本発明の電子写真装置は、これまで述べてきた電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする。
図2に、電子写真感光体1を備えたプロセスカートリッジ11を有する電子写真装置の概略構成の一例を示す。
円筒状(ドラム状)の電子写真感光体1は、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。電子写真感光体1の表面は、回転過程において、帯電手段3により、正又は負の所定電位に帯電される。
なお、図2においては、ローラー型帯電部材によるローラー帯電方式を示しているが、コロナ帯電方式、近接帯電方式、注入帯電方式などの帯電方式を採用してもよい。帯電された電子写真感光体1の表面には、露光手段(不図示)から露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
露光光4は、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された光であり、例えば、スリット露光やレーザービーム走査露光などの像露光手段から出力される。電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容されたトナーで現像(正規現像又は反転現像)され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。
電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写される。このとき、転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。また、転写材7が紙である場合、転写材7は給紙部(不図示)から取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期して給送される。
電子写真感光体1からトナー像が転写された転写材7は、電子写真感光体1の表面から分離されて、定着手段8へ搬送され、トナー像の定着処理を受けることにより、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置の外へプリントアウトされる。電子写真装置は、転写後の電子写真感光体1の表面に残ったトナーなどの付着物を除去するための、クリーニング手段9を有していてもよい。
また、クリーニング手段を別途設けず、上記付着物を現像手段などで除去する、いわゆる、クリーナーレスシステムを用いてもよい。
本発明においては、上記の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、及びクリーニング手段9などから選択される構成要素のうち、複数の構成要素を容器に納め、一体に支持してプロセスカートリッジ11を形成することができる。そしてそれを電子写真装置本体に対して着脱自在に構成できる。
例えば以下のように構成する。帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9から選択される少なくとも1つを、電子写真感光体1とともに一体に支持してカートリッジ化する。これを、電子写真装置本体のレールなどの案内手段12を用いて、電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
電子写真装置は、電子写真感光体1の表面を、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理する除電機構を有していてもよい。また、本発明のプロセスカートリッジ11を電子写真装置本体に着脱するために、レールなどの案内手段12を設けてもよい。
本発明の電子写真装置は、電子写真感光体1、並びに、帯電手段3、露光手段、現像手段5及び転写手段6からなる群より選択される少なくとも1つの手段を有することを特徴とする。
本発明の電子写真感光体は、レーザービームプリンター、LEDプリンター、複写機、ファクシミリ、及び、これらの複合機などに用いることができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例の記載において、「部」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
<カーボンブラック(CB)の調整例1>
カーボンブラック #30(商品名:汎用カラー(RCF) #30、pH8、揮発分0.6質量%、DBP吸油量(粒状):104ml/100g、体積平均粒径:30nm、三菱ケミカル社製)をエルボージェット分級機(商品名:EJ-PURO、日鉄鉱業社製)により分級を行った。これにより、体積平均粒径10nmの分級カーボンブラック1(分級CB1)、及び体積平均粒子径9nmの分級カーボンブラック3(分級CB3)を得た。
<カーボンブラック(CB)の調整例2>
Thermax N990(Cancarb社製、pH11.0、灰分0.05%、DBP吸油量39cm/100g、体積平均粒径280nm)をエルボージェット分級機(商品名:EJ―PURO、日鉄鉱業社製)により分級を行った。これにより体積平均粒径200nmの分級カーボンブラック2(分級CB2)、及び体積平均粒径201nmの分級カーボンブラック4(分級CB4)を得た。
(実施例1)
(支持体)
支持体(導電性支持体)として、円筒状アルミニウムシリンダー(JIS-A3003、アルミニウム合金、外径30mm、長さ357.5mm、肉厚0.7mm)を切削加工したものを用いた。純水に洗剤(商品名:ケミコールCT、常磐化学(株)製)を含有させた洗浄液中で超音波洗浄を行い、続いて洗浄液を洗い流した後、さらに純水中で超音波洗浄を行って、脱脂処理し、これを支持体とした。
(下引き層の形成)
カーボンブラック #30(商品名:汎用カラー(RCF) #30、pH8、揮発分0.6質量%、DBP吸油量(粒状):104ml/100g、体積平均粒径:30nm、三菱ケミカル社製)10質量部、ブロック化イソシアネート(商品名:TPA-B80E、80%溶液、旭化成社製)23質量部、ブチラール樹脂(商品名:エスレックBM-1、積水化学工業社製)23質量部、及びメチルエチルケトン78質量部/1―ブタノール155質量部を混合して混合液を得た。得られた混合液にペリノン化合物(1-13)22.5質量部とペリノン化合物(2-13)22.5質量部を混合し、平均粒径1mmのガラスビーズ180部を用いた縦型サンドミルに入れ、23±3℃雰囲気下において回転数1500rpm(周速5.5m/s)の条件で4時間分散処理を行い、分散液を得た。
この分散液に、レベリング剤としてシリコーンオイル(商品名:SH28 PAINT ADDITIVE、東レ・ダウコーニング社製)0.01部を添加した。その後攪拌することによって、下引き層用塗布液を調製した。
得られた下引き層用塗布液を上記支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を160℃で30分間乾燥させることによって、膜厚が15μmの下引き層を形成した。
(電荷発生層の形成)
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°及び28.1°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)4部、及び、式(A)で示される化合物0.04部を、シクロヘキサノン100部にポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX-1、積水化学工業(株)製)2部を溶解させた液に加えた。これらを直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、23±3℃の雰囲気下で1時間分散処理した。
Figure 2023164050000017
分散処理後、酢酸エチル100部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を上記で形成した下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を10分間90℃で乾燥させることによって、膜厚が0.19μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層の形成)
次に、下記構造式(7)で示されるアミン化合物(正孔輸送物質)8部、
Figure 2023164050000018
並びに、下記式(8)及び(9)で示される繰り返し構造単位を5/5のモル比で有している、重量平均分子量(Mw)が100,000であるポリエステル樹脂(P1)10部を、
Figure 2023164050000019
Figure 2023164050000020
ジメトキシメタン40部及びクロロベンゼン60部の混合溶剤に溶解させることによって、正孔輸送層用塗布液を調製した。
この正孔輸送層用塗布液を、上記で形成した電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が15μmの電荷輸送層を形成した。
このようにして、支持体上に、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に有する電子写真感光体を作製した。
(実施例2~29)
電荷輸送性化合物としてのペリノン化合物の種類と添加量、カーボンブラックの種類と添加量、樹脂の添加量を、表3に記載の条件で変更したこと以外は、実施例1と同様にして、支持体上に、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に有する電子写真感光体を作製した。
(比較例1)
下引き層を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、支持体上に、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に有する電子写真感光体を作製した。
(下引き層の形成)
ブロック化イソシアネート(商品名:TPA-B80E、80%溶液、旭化成社製)35質量部、ブチラール樹脂(商品名:エスレックBM-1、積水化学工業社製)35質量部、下記比較化合物(3-1)で示されるN,N-ジエチルアミノベンズアルデヒド、下記比較化合物(3-2)で示されるN,N-ジフェニルヒドラゾン20質量部及びカーボンブラック #30(商品名:汎用カラー(RCF) #30、pH8、揮発分0.6質量%、DBP吸油量(粒状):104ml/100g、体積平均粒径:30nm、三菱ケミカル社製)10質量部を、メチルエチルケトン78質量部/1-ブタノール155質量部に混合し、平均粒径1mmのガラスビーズ180部を用いた縦型サンドミルに入れ23±3℃雰囲気下において回転数1500rpm(周速5.5m/s)の条件で4時間分散処理を行い、分散液を得た。
Figure 2023164050000021
Figure 2023164050000022
この分散液に、レベリング剤としてシリコーンオイル(商品名:SH28 PAINT ADDITIVE、東レ・ダウコーニング社製)0.01部を添加した。その後攪拌することによって、下引き層用塗布液を調製した。
得られた下引き層用塗布液を、実施例1で使用した支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を100℃で60分間乾燥させることによって、膜厚が15μmの下引き層を形成した。
(比較例2)
下引き層を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、支持体上に、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に有する電子写真感光体を作製した。
(下引き層の形成)
ブロック化イソシアネート(商品名:TPA-B80E、80%溶液、旭化成社製)30質量部、ブチラール樹脂(商品名:エスレックBM-1、積水化学工業社製)30質量部を、メチルエチルケトン78質量部/1-ブタノール155質量部に溶解した。この溶液に、チタン酸ストロンチウム粒子(平均一次粒子径100nm)7.5質量部と、ペリノン化合物(1-1)45質量部とを混合し、平均粒径1mmのガラスビーズ180部を用いた縦型サンドミルに入れ23±3℃雰囲気下において回転数1500rpm(周速5.5m/s)の条件で4時間分散処理を行い、分散液を得た。
この分散液に、レベリング剤としてシリコーンオイル(商品名:SH28 PAINT ADDITIVE、東レ・ダウコーニング社製)0.01部を添加した。その後攪拌することによって、下引き層用塗布液を調製した。
得られた下引き層用塗布液を実施例1で使用した支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、160℃下で60分間の乾燥硬化を行い、厚さ20μmの下引き層を形成した。
(比較例3)
下引き層を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、支持体上に、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に有する電子写真感光体を作製した。
(下引層の形成)
ブロック化イソシアネート(商品名:TPA-B80E、80%溶液、旭化成社製)30質量部、ブチラール樹脂(商品名:エスレックBM-1、積水化学工業社製)30質量部を、メチルエチルケトン78質量部/1-ブタノール155質量部に溶解した。この溶液に、ペリノン化合物(1-3)17質量部、ペリノン化合物(2-3)17質量部、及びアルミナ粒子(イーエムジャパン社製、平均一次粒子径200nm)20質量部を混合し、平均粒径1mmのガラスビーズ180部を用いた縦型サンドミルに入れ23±3℃雰囲気下において回転数1500rpm(周速5.5m/s)の条件で4時間分散処理を行い、分散液を得た。
この分散液に、レベリング剤としてシリコーンオイル(商品名:SH28 PAINT ADDITIVE、東レ・ダウコーニング社製)0.01部を添加した。その後攪拌することによって、下引き層用塗布液を調製した。
得られた下引き層用塗布液を実施例1で使用した支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、160℃下で60分間の乾燥硬化を行い、厚さ5μmの下引層を形成した。
(比較例4)
下引き層を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、支持体上に、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に有する電子写真感光体を作製した。
(下引層の形成)
ブロック化イソシアネート(商品名:TPA-B80E、80%溶液、旭化成社製)30質量部、ブチラール樹脂(商品名:エスレックBM-1、積水化学工業社製)30質量部を、メチルエチルケトン78質量部/1-ブタノール155質量部に溶解した。この溶液に、ペリノン化合物(1-3)25質量部、ペリノン化合物(2-3)25質量部を混合し、平均粒径1mmのガラスビーズ180部を用いた縦型サンドミルに入れ23±3℃雰囲気下において回転数1500rpm(周速5.5m/s)の条件で4時間分散処理を行い、分散液を得た。
この分散液に、シリコーン樹脂粒子(トスパール145、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)2質量部と、レベリング剤としてシリコーンオイル(商品名:SH28 PAINT ADDITIVE、東レ・ダウコーニング社製)0.01部とを添加した。その後混合物を攪拌することによって、下引き層用塗布液を調製した。
得られた下引き層用塗布液を実施例1で使用した支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、160℃下で60分間の乾燥硬化を行い、厚さ7μmの下引層を形成した。
<電子写真感光体の評価>
実施例1~29及び比較例1~4に記載の方法で作製した電子写真感光体について、以下に示す方法で評価を行った。
(長時間の使用における下引き層のクラックの発生評価)
本評価では、電子写真感光体を、キヤノン(株)製の複合機imageRUNNER ADVANCE C5255(登録商標)に装着して評価を行った。より詳しくは、評価する電子写真感光体を取り付けたドラムカートリッジを、シアンのステーションに装着し、評価を行った。
評価する電子写真感光体を装着した電子写真装置を、23℃/50%RHの常温常湿環境下において、通紙耐久試験による電子写真感光体の繰り返し使用を行った。シアン単色で印字率1%の文字画像をA4サイズの普通紙を用いて、50000枚の繰り返し画像形成を行った。
50000枚の繰り返し画像形成後の凹部を有する電子写真感光体の表面を、レーザー顕微鏡((株)キーエンス社製、商品名:VK-9500)で50倍レンズにより拡大観察し、電子写真感光体の表面に設けられた凹部及び平坦部の判定を行った。観察時には、電子写真感光体の長手方向に傾きが無いように、また、周方向については、電子写真感光体の円弧の頂点にピントが合うように、調整を行った。そして電子写真感光体の長手方向の中心から前後1.5cm(長手幅3cm)、1周の拡大観察を行った画像を、画像連結アプリケーションによって連結して、電子写真感光体の表面全体の情報を得た。また、得られた結果については、付属の画像解析ソフトにより、画像処理高さデータを選択し、フィルタータイプメディアンでフィルター処理を行った。
得られた結果から、50000枚の繰り返し画像形成後の凹部を有する電子写真感光体の表面におけるクラックの発生個所を確認し、個数を確かめた。評価は以下の基準で行った。本発明において、以下のようにランクを設定し、判断した。
A:クラックが確認できない
B:クラックの発生個数が1~5個(実使用上は問題なし)
C:クラックの発生個数が6~10個(実使用上は問題なし)
D:クラックの発生個数が11個以上
このようにして評価した結果を表3に示す。
(繰り返し使用時の電位変動評価)
本評価では、評価機としてキヤノン(株)製の複合機imageRUNNER ADVANCE C5255(登録商標)を用意した。
用意した評価機から、シアンの現像用カートリッジを抜き取り、そこに電位測定装置を装着した。電位測定装置とは、現像用カートリッジの現像位置に電位測定プローブを配置した装置である。電位測定プローブの位置は、電子写真感光体の母線方向の中央とした。
このような評価機を用いて、評価する電子写真感光体を取り付けたドラムカートリッジを、シアンのステーションに装着し、電子写真感光体の表面電位の測定を行った。
測定は、まず、初期の電子写真感光体に対して、暗部電位が-600Vになるように帯電条件を調整し、明部電位が-250Vになるようにレーザーパワーを調整した。
次に、電位測定プローブを取りだし、現像用カートリッジと評価する電子写真感光体とを取り付けたドラムカートリッジを、シアンのステーションに装着し、通紙耐久試験を行い、耐久後の電子写真感光体の電位測定を行った。
評価する電子写真感光体を装着した電子写真装置を、23℃/50%RHの常温常湿環境下において、通紙耐久試験による電子写真感光体の繰り返し使用を行った。シアン単色で印字率1%の文字画像をA4サイズの普通紙を用いて、10000枚の繰り返し画像形成を行い、耐久後の電子写真感光体の電位測定を行った。
その時、暗部電位が-600Vになるように帯電条件を調整し、レーザーパワーは初期の電位測定で調整したレーザー出力になるように調整した状態で、明部電位を測定した。
測定した耐久後の明部電位と、初期の明部電位(-250V)との差分を算出し、明部電位の変化、ΔVl、とした。
このΔVlを、以下の評価ランクに従って評価した。本発明において、ランクA、B、Cが本発明の効果が得られているレベルであり、その中でもランクAは優れているレベルであると判断した。一方、ランクDは本発明の効果が得られていないレベルと判断した。
A:明部電位の変化が5V以内の場合
B:明部電位の変化が5Vより大きく10V以内の場合
C:明部電位の変化が10Vより大きく20V以内の場合
D:明部電位の変化が20Vより大きい場合
このようにして評価した結果を表1に示す。
Figure 2023164050000023
表1に示す通り、本発明の電子写真感光体、並びに本発明の電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置であれば、長時間の使用におけるクラックの発生の抑制、及び繰り返し使用時の電位変動の抑制において、良好な結果が得られることが分かる。一方、比較例のように、下引き層が本発明のペリノン化合物とカーボンブラックとを含有しない場合には、長時間の使用におけるクラックの発生が多く、繰り返し使用時の電位変動が大きく、本発明の目的を達成できないことが分かる。
本実施形態の開示は、以下の構成及び方法を含む。
(構成1)
支持体、下引き層、及び感光層をこの順に有する電子写真感光体であって、
該下引き層が、下記式(1)で示される化合物、及び下記式(2)で示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のペリノン化合物、並びに、カーボンブラックを含有する、
ことを特徴とする電子写真感光体。
Figure 2023164050000024
Figure 2023164050000025
(式(1)中のR11~R18、並びに式(2)中のR21~R28は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基を示し、R11~R14、R15~R18、R21~R24及びR25~R28の各群の中で、隣り合う基同士は連結して共同して環を形成してもよい。)
(構成2)
前記下引き層中の前記ペリノン化合物の含有量が、前記下引き層の全質量に対して30質量%以上60質量%以下である、構成1に記載の電子写真感光体。
(構成3)
前記下引き層中のカーボンブラックの含有量が、前記下引き層の全質量に対して0.5質量%以上20質量%以下である、構成1又は2に記載の電子写真感光体。
(構成4)
前記カーボンブラックの平均一次粒径が、10nm以上200nm以下である、構成1~3のいずれか1の構成に記載の電子写真感光体。
(構成5)
前記下引き層中の前記カーボンブラックの含有量が、前記ペリノン化合物の質量に対して、1質量%以上70質量%以下である、構成1~4のいずれか1の構成に記載の電子写真感光体。
(構成6)
前記下引き層が、前記ペリノン化合物として、下記式(3)で示される化合物及び下記式(4)で示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のペリノン化合物を含有する、構成1~5のいずれか1の構成に記載の電子写真感光体。
Figure 2023164050000026
Figure 2023164050000027
(式(3)中のR31及びR32、並びに式(4)中のR41及びR42は、それぞれ独立に、炭素数の合計が3以上10以下の分岐したアルキル基を示す。)
(構成7)
前記下引き層が、前記ペリノン化合物として、下記式(5)で示される化合物及び下記式(6)で示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のペリノン化合物を含有する、構成1~6のいずれか1の構成に記載の電子写真感光体。
Figure 2023164050000028
Figure 2023164050000029
(式(5)中のR51、R52、R53、R54、R55及びR56、並びに式(6)中の、R61、R62、R63、R64、R65及びR66は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、又はプロピル基を示す。)
(構成8)
前記下引き層が、前記ペリノン化合物及び前記カーボンブラックを含有する下引き層用塗布液の塗膜を乾燥及び/又は硬化させることによって形成された層である、構成1~7のいずれか1の構成に記載の電子写真感光体。
(構成9)
構成1~8のいずれか1の構成に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を一体に支持し、電子写真装置の本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
(構成10)
構成1~8のいずれか1の構成に記載の電子写真感光体、並びに、帯電手段、露光手段、現像手段、及び転写手段を有する電子写真装置。
(方法1)
支持体、下引き層、及び感光層をこの順に有する電子写真感光体の製造方法であって、
該製造方法が、
下引き層用塗布液を調製する工程、及び
該下引き層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥及び/又は硬化させることによって該下引き層を形成する工程、を有し、
該下引き層用塗布液が、
下記式(1)で示される化合物及び下記式(2)で示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のペリノン化合物、並びに、
カーボンブラック
を含有する、ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
Figure 2023164050000030
Figure 2023164050000031
(式(1)中のR11~R18、並びに式(2)中のR21~R28は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基を示し、R11~R14、R15~R18、R21~R24及びR25~R28の各群の中で、隣り合う基同士は連結して共同して環を形成してもよい。)
101 支持体
102 導電層
103 下引き層
104 電荷発生層
105 電荷輸送層
106 保護層
107 感光層
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段

Claims (11)

  1. 支持体、下引き層、及び感光層をこの順に有する電子写真感光体であって、
    該下引き層が、
    下記式(1)で示される化合物及び下記式(2)で示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のペリノン化合物、並びに、
    カーボンブラック、
    を含有する、
    ことを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2023164050000032
    Figure 2023164050000033
    (式(1)中のR11~R18並びに式(2)中のR21~R28は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基を示し、R11~R14、R15~R18、R21~R24及びR25~R28の各群の中で、隣り合う基同士は連結して共同して環を形成してもよい。)
  2. 前記下引き層中の前記ペリノン化合物の含有量が、前記下引き層の全質量に対して30質量%以上60質量%以下である、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記下引き層中のカーボンブラックの含有量が、前記下引き層の全質量に対して0.5質量%以上20質量%以下である、請求項1に記載の電子写真感光体。
  4. 前記カーボンブラックの平均一次粒径が、10nm以上200nm以下である、請求項1に記載の電子写真感光体。
  5. 前記下引き層中の前記カーボンブラックの含有量が、前記下引き層中の前記ペリノン化合物の含有量に対して1質量%以上70質量%以下である、請求項1に記載の電子写真感光体。
  6. 前記下引き層が、前記ペリノン化合物として、下記式(3)で示される化合物及び下記式(4)で示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のペリノン化合物を含有する、請求項1に記載の電子写真感光体。
    Figure 2023164050000034
    Figure 2023164050000035
    (式(3)中のR31及びR32並びに式(4)中のR41及びR42は、それぞれ独立に、炭素数の合計が3以上10以下の分岐したアルキル基を示す。)
  7. 前記下引き層が、前記ペリノン化合物として、下記式(5)で示される化合物及び下記式(6)で示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のペリノン化合物を含有する、請求項1に記載の電子写真感光体。
    Figure 2023164050000036
    Figure 2023164050000037
    (式(5)中のR51、R52、R53、R54、R55及びR56並びに式(6)中のR61、R62、R63、R64、R65及びR66は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、又はプロピル基を示す。)
  8. 前記下引き層が、前記ペリノン化合物及び前記カーボンブラックを含有する下引き層用塗布液の塗膜を乾燥及び/又は硬化させることによって形成された層である請求項1に記載の電子写真感光体。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段と、を一体に支持し、電子写真装置の本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
  10. 請求項1~8のいずれか1項に記載の電子写真感光体、並びに、帯電手段、露光手段、現像手段、及び転写手段を有する電子写真装置。
  11. 支持体、下引き層、及び感光層をこの順に有する電子写真感光体の製造方法であって、
    該製造方法が、
    下引き層用塗布液を調製する工程、及び、
    該下引き層用塗布液の塗膜を形成し、該塗膜を乾燥及び/又は硬化させることによって該下引き層を形成する工程、
    を有し、
    該下引き層用塗布液が、
    下記式(1)で示される化合物及び下記式(2)で示される化合物からなる群から選択される少なくとも1種のペリノン化合物、並びに、
    カーボンブラック、
    を含有する、
    ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
    Figure 2023164050000038
    Figure 2023164050000039
    (式(1)中のR11~R18並びに式(2)中のR21~R28は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基を示し、R11~R14、R15~R18、R21~R24及びR25~R28の各群の中で、隣り合う基同士は連結して共同して環を形成してもよい。)
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