JP2023158383A - 圧力容器の余命を評価する方法 - Google Patents

圧力容器の余命を評価する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より正確に圧力容器の余命を評価する方法を提供する。【解決手段】方法は、複数の圧力容器について非破壊検査を実施することにより、各圧力容器の劣化状態を示す二以上の劣化指標を実測する工程と、破壊検査を実施することにより、各圧力容器の余命を示す余命指標を実測する工程と、二以上の劣化指標及び余命指標を用いた統計解析又は機械学習により、二以上の劣化指標から余命指標を推定する演算モデルを作成する工程と、評価対象の圧力容器について非破壊検査を実施することにより、当該圧力容器について二以上の劣化指標を実測する工程と、評価対象の圧力容器の二以上の劣化指標から、演算モデルを用いて当該圧力容器の余命指標を演算する工程と、を備える。非破壊検査は、少なくとも、X線撮影を用いた第1の非破壊検査と、充填サイクルを伴うアコースティックエミッション計測を用いた第2の非破壊検査とを含む。【選択図】図4

Description

本明細書に開示の技術は、圧力容器の余命を評価する方法に関する。
特許文献1には、圧力容器(特許文献1では、高圧タンクと称している)のガスの充填及び放出の回数が、予め設定された所定値に達した場合に、当該圧力容器が耐用年数を経過したと判定する方法が開示されている。
特開2011-163489号公報
圧力容器の劣化は、当該圧力容器の使用環境等に応じて変化する。例えば、圧力容器が温度変化の比較的に激しい地域で使用されている場合、圧力容器の充填及び放出の回数が所定値に達していない場合であっても、当該圧力容器が、耐用年数の使用に相当する劣化を超えて劣化しているおそれがある。例えば、圧力容器が比較的に温度変化の小さい地域で使用されている場合、圧力容器の充填及び放出の回数が所定値に達している場合であっても、当該圧力容器が、耐用年数の使用に相当するほど劣化していないことがある。このように、充填及び放出の回数に基づいて圧力容器の余命を評価すると、実際の圧力容器の劣化状況から推定される余命と異なることがある。本明細書では、充填回数に基づいて圧力容器の余命を評価する従来技術に比して、より正確に圧力容器の余命を評価する技術を提供する。
本明細書は、圧力容器の余命を評価する方法を開示する。方法は、複数の圧力容器について非破壊検査を実施することにより、各圧力容器の劣化状態を示す二以上の劣化指標を実測する工程と、前記非破壊検査後の各圧力容器について破壊検査を実施することにより、各圧力容器の余命を示す余命指標を実測する工程と、前記複数の圧力容器について実測された前記二以上の劣化指標及び前記余命指標を用いた統計解析又は機械学習により、前記二以上の劣化指標から前記余命指標を推定する演算モデルを作成する工程と、評価対象の圧力容器について非破壊検査を実施することにより、当該圧力容器について前記二以上の劣化指標を実測する工程と、前記評価対象の圧力容器について実測された前記二以上の劣化指標から、前記演算モデルを用いて当該圧力容器の前記余命指標を演算する工程と、を備える。前記非破壊検査は、少なくとも、X線撮影を用いた第1の非破壊検査と、充填サイクルを伴うアコースティックエミッション計測を用いた第2の非破壊検査とを含む。
上述した方法では、非破壊検査の実施により実測された圧力容器の劣化状態を示す二以上の劣化指標と破壊検査の実施により実測された圧力容器の余命を示す余命指標とを用いて、統計解析又は機械学習により、二以上の劣化指標から余命指標を推定する演算モデルを作成する。さらに、非破壊検査は、少なくとも、X線撮影を用いた第1の非破壊検査と、充填サイクルを伴うアコースティックエミッション(以下、単にAEと称する)計測を用いた第2の非破壊検査とを含む。このため、本明細書が開示する方法によって作成された演算モデルは、記評価対象の圧力容器について実測されたX線撮影を用いた情報と、AE計測を用いた情報と、を利用して、当該圧力容器の余命指標を推定することができる。このような構成によると、複数の圧力容器の破壊検査により実測された各余命指標に基づいて、評価対象の圧力容器を実際に破壊することなく、評価対象の圧力容器の余命をより正確に評価することができる。
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
実施例の余命評価方法を実施する評価装置10の概略図を示す。 演算モデル24を作成するために制御装置20が実行する処理のフロー図を示す。 学習装置22の演算モデル24に入力されるデータの一例を示す。 評価対象の圧力容器の余命を推定するために制御装置20が実行する処理のフロー図を示す。
図1は、評価装置10の概略図を示す。評価装置10は、圧力容器の余命評価を実施する装置である。また、評価装置10は、複数の圧力容器について、様々な検査を実施する装置である。評価装置10は、コンプレッサ2と、圧力センサ4と、X線照射装置6と、X線画像撮影装置7と、AE(Acoustic emissionの略)センサ8と、制御装置20と、学習装置22と、3つのバルブ12、14、16を備える。
コンプレッサ2は、バルブ12、14及び圧力センサ4を介して圧力容器T1と接続される。コンプレッサ2は、圧力容器T1に高圧ガス(例えば、空気)を充填する機器である。バルブ12、14が開かれ、かつ、バルブ16が閉じられた状態で、コンプレッサ2によって高圧ガスが圧力容器T1に充填されると、圧力容器T1の内圧が増加する。圧力容器T1の内圧が増加した状態で、コンプレッサ2の電源がオフされ、バルブ12が閉じられ、バルブ16が開かれると、圧力容器T1内の高圧ガスが圧力容器T1から排出される。その結果、圧力容器T1の内圧が減少する。このように、コンプレッサ2及び各バルブ12、14、16によって、圧力容器T1に対する高圧ガスの充填と、圧力容器T1からの高圧ガスの放出とが実行される。
圧力センサ4は、コンプレッサ2と圧力容器T1とを接続する配管の圧力を検出する。すなわち、圧力センサ4は、圧力容器T1の内圧を実測する。圧力センサ4は、検出した圧力値を制御装置20に送信する。
X線照射装置6は、圧力容器T1に向かってX線を照射する。X線画像撮影装置7は、圧力容器T1を介してX線照射装置6と対向する。X線画像撮影装置7は、多数のX線検出素子を有している。X線画像撮影装置7には、X線照射装置6から照射されたX線が、圧力容器T1を透過して入射する。X線画像撮影装置7のX線検出素子は、X線画像撮影装置7に入射するX線の強度を検出する。
例えば、圧力容器T1の側壁に空隙が形成される場合、X線照射装置6から照射されたX線は、空隙を通過して、そのままX線画像撮影装置7に入射する。したがって、圧力容器T2の空隙を通過したX線が入射する範囲に対応するX線検出素子では、強いX線が検出される。一方、圧力容器T1の空隙が形成されていない部分に入射したX線は、圧力容器T1の側壁で減衰する。したがって、圧力容器T1の側壁を透過したX線が入射する範囲に対応するX線検出素子では、弱いX線が検出される。このため、X線照射装置6及びX線画像撮影装置7によって撮影された圧力容器T1の側壁のX線画像に基づいて、圧力容器T1の側壁にどの程度空隙が形成されているか(すなわち、空隙率)を実測することができる。圧力容器T1の劣化が進行すると、その側壁の空隙率が増加する。すなわち、圧力容器T1の側壁の空隙率は、圧力容器T1の側壁の劣化状態を示す劣化指標である。X線照射装置6及びX線画像撮影装置7のX線画像に基づいて、圧力容器T1の劣化状態を示す空隙率を実測することができる。
X線照射装置6及びX線画像撮影装置7は、圧力容器T1の長手方向(すなわち、図1の紙面上下方向)に移動する。これにより、X線照射装置6及びX線画像撮影装置7は圧力容器T1の全体のX線画像を撮影する。X線画像撮影装置7は、撮影したX線画像を、制御装置20に送信する。
AEセンサ8は、圧力容器T1のAE計測を実施するセンサである。AEセンサ8は、圧力容器T1の側壁に接触するように配置される。圧力容器T1に高圧ガスが充填され、あるいは、圧力容器T1から高圧ガスが放出されると、圧力容器T1に弾性波が発生する。別言すれば、圧力容器T1の充填サイクルが実施されると、圧力容器T1に弾性波が発生する。AEセンサ8は、圧力容器T1の側壁を介して当該弾性波を検出する。AEセンサ8は、検出した弾性波を変換した電気信号であるAE信号を、制御装置20に送信する。充填サイクル時に圧力容器T1が発生させる弾性波は、圧力容器T1の劣化状態に応じて変化する。すなわち、圧力容器T1が発生させる弾性波は、圧力容器T1の劣化状態を示す劣化指標である。AEセンサ8は、圧力容器T1の劣化状態を示すAE信号を実測する。
制御装置20は、CPUを備えるコンピュータである。制御装置20は、学習装置22と通信可能に接続される。制御装置20は、評価装置10の各デバイスを制御して、圧力容器T1に対する様々な検査を実施する。制御装置20は、X線照射装置6及びX線画像撮影装置7を利用して、圧力容器T1の側壁の断面の空隙率を実測する検査を実施する。制御装置20は、AEセンサ8を利用して、圧力容器T1の充填サイクル時のAE信号を実測する検査を実施する。これらの検査は、圧力容器T1を破壊することなく、実施される。すなわち、これらの検査は、非破壊検査である。
さらに、制御装置20は、コンプレッサ2及びバルブ12、14、16を制御して、圧力容器T1の破壊検査を実施する。具体的には、制御装置20は、バルブ16を閉じ、バルブ12、14を開いた状態で、コンプレッサ2を作動させる。その結果、圧力容器T1に高圧ガスが充填され、圧力容器T1の内圧が徐々に増加する。圧力容器T1が内圧の増加に耐え切れず、圧力容器T1が破壊されると、AE信号が瞬間的に変化する。特に、AE信号の振幅が、瞬間的に大きく変化する。制御装置20は、AE信号の振幅が瞬間的に変化した時点における充填圧力を、圧力センサ4から取得する。当該充填圧力は、圧力容器T1が破壊した時点における破壊充填圧力と推定できる。圧力容器T1の破壊充填圧力が低いほど、圧力容器T1の劣化が進行していると推定される。すなわち、圧力容器T1の破壊充填圧力が低いほど、圧力容器T1の余命が短いと推定される。一方、圧力容器T1の破壊充填圧力が高いほど、圧力容器T1の余命が長いと推定される。すなわち、破壊充填圧力は、圧力容器T1の余命を示す余命指標である。このように、制御装置20は、破壊検査により、破壊充填圧力を実測する。さらに、制御装置20は、破壊充填圧力と残存充填回数とを関連付けたテーブルを記憶している。これにより、制御装置20は、実測された破壊充填圧力に基づいて、当該破壊充填圧力に対応する残存充填回数を算出することができる。
学習装置22は、機械学習を実施するためのコンピュータである。学習装置22は、機械学習に基づく演算モデル24を記憶する。演算モデル24は、圧力容器の破壊充填圧力を推定するためのモデルである。演算モデル24は、複数の圧力容器について評価装置10が実施した検査の結果に基づいて作成、更新される。すなわち、演算モデル24は、複数の圧力容器についての劣化指標(例えば、空隙率、AE信号)と、複数の圧力容器についての余命指標(例えば、破壊充填圧力)と、を用いて作成される。演算モデル24は、複数の圧力容器について、入力値である劣化指標から出力値である余命指標を演算するモデルである。なお、変形例では、学習装置22は、評価装置10とは別の場所に配置されてもよい。その場合、制御装置20と学習装置22とは、インターネットを介して接続されてもよい。
本実施例の評価対象となる圧力容器は、例えば、燃料自動車に搭載される燃料ガス(例えば、水素ガス)を貯留するための高圧タンクである。圧力容器は、樹脂製のライナと、当該ライナの外面を覆う補強層とを有する。補強層は、炭素繊維強化プラスチックで構成される。このような構成を有する圧力容器T1の余命は、圧力容器T1の使用環境、個体差等により変化する。このため、このような構成を有する圧力容器T1では、金属製等の他の構成を有する圧力容器に比べ、余命の評価が困難となりやすい。
図2及び図3を参照して、制御装置20が、学習装置22を利用して、演算モデル24を作成するために実行する処理について説明する。図2は、制御装置20が実行する処理のフロー図を示す。制御装置20は、複数の圧力容器について、図2の処理を実行する。図2の処理は、圧力容器の製造時点においてランダムに抜き取られた複数の圧力容器に対して実行される。また、図2の処理は、圧力容器が搭載された燃料自動車が走行した後、市場から回収された際に、当該燃料自動車に搭載された圧力容器に対しても実行される。
S2では、制御装置20は、圧力容器情報を取得する。ここで、図3に示されるように、圧力容器情報は、圧力容器の製造情報PI、圧力容器が搭載されていた燃料自動車の走行情報DIを含む。製造情報PIは、圧力容器の工程条件、形状データ、を含む。走行情報DIは、圧力容器が搭載された燃料自動車の走行距離、圧力容器の高圧ガスの充填及び放出の回数、を含む。本実施例では、製造時点の圧力容器に対して図2の処理を実行する場合、作業者が製造情報PIを評価装置10に入力する。これにより、評価装置10の制御装置20は、製造情報PIを取得する。一方、市場から回収された圧力容器に対して図2の処理を実行する場合、制御装置20は、当該圧力容器が搭載されていた燃料自動車の制御装置(図示省略)から各情報PI、DIを取得する。図3に示されるように、製造時点の圧力容器T1~T3の圧力容器情報には、走行情報DIが含まれない。なお、変形例では、市場から回収された圧力容器に対して図2の処理を実行する場合であっても、各情報PI、DIは、作業者によって評価装置10に入力されてもよい。
S4では、制御装置20は、X線照射装置6及びX線画像撮影装置7(図1参照)に充填サイクル前におけるX線画像を撮影させ、当該画像を取得する。
次いで、S6では、制御装置20は、S4で取得したX線画像から、充填サイクル前における圧力容器の側壁の空隙率を算出する。なお、変形例では、S4で取得したX線画像に基づいて、作業者が空隙率を算出し、空隙率を評価装置10に入力してもよい。
S8では、制御装置20は、コンプレッサ2及びバルブ12、14、16を制御して圧力容器の充填サイクルを開始する。
S8で充填サイクルが開始されると、S10では、制御装置20は、AEセンサ8からAE信号を取得する。制御装置20は、充填サイクルが実施されている間、AEセンサ8からAE信号を取得する。
S12では、制御装置20は、圧力容器に対する高圧ガスの充填及び放出の回数が所定の回数に達したことに応じて、充填サイクルを終了する。ここで、所定の回数は、例えば、数万回である。本実施例では、制御装置20は、製造時点の圧力容器に対する充填サイクルにおける所定の回数と、市場から回収された圧力容器に対する充填サイクルにおける所定の回数とは同じである。変形例では、製造時点の圧力容器に対する充填サイクルにおける所定の回数と、市場から回収された圧力容器に対する充填サイクルにおける所定の回数とは、異なる回数であってもよい。
S14では、制御装置20は、充填サイクルが実施されている間のAE信号の変化量を算出する。例えば、制御装置20は、充填サイクルのAE信号の振幅の初期値と最終値から、振幅の変化量を算出する。これにより、充填サイクルにおけるAE信号の推移を、破壊充填圧力の推定に利用することができる。なお、変形例では、制御装置20は、AE信号の振幅の変化量に代えて、周波数の変化量を算出してもよい。さらなる変形例では、充填サイクル中のAE信号そのものを取得してもよい。その場合、S14の処理は省略可能である。
S16では、制御装置20は、X線照射装置6及びX線画像撮影装置7に充填サイクル後におけるX線画像を撮影させ、当該画像を取得する。
S18では、制御装置20は、取得したX線画像から、充填サイクル後における圧力容器の側壁の空隙率を算出する。
S20では、制御装置20は、コンプレッサ2及びバルブ12、14、16を制御して、破壊検査を開始する。
S22では、制御装置20は、圧力容器の破壊充填圧力を圧力センサ4から取得する。
S24では、制御装置20は、S2で取得した圧力容器情報と、S6で算出した充填サイクル前空隙率と、S14で算出したAE信号の振幅変化量と、S18で算出した充填後空隙率と、を学習装置22に入力する。
制御装置20は、複数の圧力容器について、図2の処理を実行する。その結果、図3に示されるように、複数の圧力容器T1~T6について、製造情報PI、走行情報DI、充填サイクル前空隙率VB、充填サイクル後空隙率VA、及び振幅変化量AE、破壊充填圧力BP、が互いに関連付けて学習装置22に入力される。
学習装置22は、機械学習により、入力された複数の製造情報PI、走行情報DI、充填サイクル前空隙率VB、充填サイクル後空隙率VA、振幅変化量AE及び破壊充填圧力BPから、演算モデル24を作成する。演算モデル24は、入力値(すなわち、製造情報PI、走行情報DI、充填サイクル前空隙率VB、充填サイクル後空隙率VA及び振幅変化量AE)から、出力値(すなわち、破壊充填圧力BP)を演算する。
本実施例では、製造段階の圧力容器に加え、市場から回収された圧力容器に対しても図2の処理を実行し、学習装置22に入力する。このため、より多くの圧力容器についての情報を学習装置22に入力することができる。さらに、市場から回収された圧力容器の走行情報DIを学習装置22に入力することができる。その結果、学習装置22の演算モデル24が、より正確に圧力容器の破壊充填圧力を推定することができる。
図4を参照して、評価対象の圧力容器の破壊充填圧力を推定する方法について説明する。図4は、制御装置20が実行する処理のフロー図を示す。本実施例では、例えば、市場から回収された圧力容器に対して、当該圧力容器の破壊充填圧力を推定するために、図4の処理が実行される。
S32~S48の処理は、図2のS2~S18の処理と同様である。しかしながら、図4の処理では、S38で開始される充填サイクルにおける高圧ガスの充填及び放出の回数が、図2のS8で開始される充填サイクルにおける高圧ガスの充填及び放出の回数よりも少ない。例えば、図4の充填サイクルでは、数十回の高圧ガスの充填及び放出が実行される。このように、図4の処理において、図2の充填サイクルよりも少ない回数の充填サイクルを実施することによって、充填サイクルの実施に起因する評価対象の圧力容器の劣化の進行を抑制することができる。
S50では、制御装置20は、S32で取得した圧力容器情報(すなわち、製造情報PI、走行情報DI)と、S36で算出した充填サイクル前空隙率VBと、S44で算出したAE信号の振幅変化量EAと、S48で算出した充填サイクル後空隙率VAと、を学習装置22に入力する。学習装置22は、入力されたこれらの情報から、演算モデル24を用いて、評価対象の圧力容器の破壊充填圧力を推定する。
S52では、制御装置20は、学習装置22から、推定された破壊充填圧力を取得する。
S54では、制御装置20は、取得した破壊充填圧力に基づいて、評価対象の圧力容器の残存充填回数を算出する。これにより、評価対象の圧力容器の現時点における余命が推定される。
このように、本実施例の余命評価方法では、学習装置22が、機械学習により、非破壊検査を実施することにより実測した空隙率、及びAE信号の振幅変化量から、破壊検査を実施することにより実測した破壊充填圧力を推定する演算モデル24を作成する。さらに、本余命評価方法では、作成された演算モデル24を用いて、評価対象の圧力容器の破壊充填圧力を推定する。これにより、評価対象の圧力容器を実際に破壊することなく、非破壊検査の実施により実測可能な空隙率及び振幅変化量から、評価対象の圧力容器の破壊充填圧力を、正確に推定することができる。
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
(変形例1)評価装置10は、学習装置22を備えなくてもよい。その場合、制御装置20は、図3に示す各情報を用いた統計解析によって、演算モデル24を作成してもよい。
(変形例2)制御装置20は、図2の処理において、充填サイクル前後に加え、さらに、充填サイクル実施中のX線画像をX線画像撮影装置7から取得してもよい。充填サイクル実施中のX線画像から空隙率を算出することで、演算モデル24は、より正確に破壊充填圧力を推定することができる。
(変形例3)制御装置20は、圧力容器情報を取得しなくてもよい。その場合、例えば、図2のS2の処理、図4のS32の処理は省略可能である。
(変形例4)本実施例の制御装置20は、破壊充填圧力から残存充填回数を算出したが、本変形例では、これに代えて、制御装置20は、破壊充填圧力から残存使用年数を算出してもよい。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2 :コンプレッサ
4 :圧力センサ
6 :X線照射装置
7 :X線画像撮影装置
8 :AEセンサ
10 :評価装置
12、14、16 :バルブ
20 :制御装置
22 :学習装置
24 :演算モデル
AE :AE変化量
BP :破壊充填圧力
DI :走行情報
PI :製造情報
T1~T6 :圧力容器
VA :充填サイクル後空隙率
VB :充填サイクル前空隙率

Claims (1)

  1. 圧力容器の余命を評価する方法であって、
    複数の圧力容器について非破壊検査を実施することにより、各圧力容器の劣化状態を示す二以上の劣化指標を実測する工程と、
    前記非破壊検査後の各圧力容器について破壊検査を実施することにより、各圧力容器の余命を示す余命指標を実測する工程と、
    前記複数の圧力容器について実測された前記二以上の劣化指標及び前記余命指標を用いた統計解析又は機械学習により、前記二以上の劣化指標から前記余命指標を推定する演算モデルを作成する工程と、
    評価対象の圧力容器について非破壊検査を実施することにより、当該圧力容器について前記二以上の劣化指標を実測する工程と、
    前記評価対象の圧力容器について実測された前記二以上の劣化指標から、前記演算モデルを用いて当該圧力容器の前記余命指標を演算する工程と、
    を備え、
    前記非破壊検査は、少なくとも、X線撮影を用いた第1の非破壊検査と、充填サイクルを伴うアコースティックエミッション計測を用いた第2の非破壊検査とを含む、
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN118362429A (zh) * 2024-06-18 2024-07-19 中国船舶集团有限公司第七一九研究所 一种钛合金高压气瓶安全性测试方法

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