JP2023158014A - パターン形成用組成物及びパターン形成方法 - Google Patents

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泰明 田中
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Abstract

【課題】本発明は、優れたエッチング加工性を発揮するパターン形成用膜を形成し得るパターン形成用組成物を提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、ポリマーを含むパターン形成用組成物であって、ポリマーの自由体積半径をPrとし、パターン形成用組成物からパターンを形成する際に導入される金属の原子核半径をMrとした場合、2≦Pr/Mr≦3.3の条件を満たす、パターン形成用組成物に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、パターン形成用組成物及びパターン形成方法に関する。
半導体等の電子デバイスは微細化による高精細化が要求されている。また、半導体デバイスのパターンについては、形状の多様化も検討されている。このようなパターンの形成方法としては、ダブルパターニング法や、電子線を用いたリソグラフィ法、ナノインプリント法、誘導自己組織化材料(Directed Self Assembly、以下、パターン形成用自己組織化組成物ともいう)を用いた自己組織化によるパターン形成方法が知られている。
パターン形成用自己組織化組成物は、相分離を行うことで自己組織化を行うため、高価な電子線描画装置が不要で、ダブルパターニング法で見られるパターニングプロセスの複雑化が生じないため、コスト上のメリットがある。パターン形成用自己組織化組成物としては、例えば、ポリスチレン-ポリメチルメタクリレート(PS-PMMA)等のジブロックコポリマーが知られている(例えば、特許文献1)。
パターン形成用自己組織化組成物としては、PS-PMMA以外の材料を用いることも検討されている。例えば、特許文献2には、スチレン系重合体や、アクリル系重合体等を主鎖とし、その末端にヘテロ原子を含む基を有するパターン形成用自己組織化組成物が開示されている。
US2012/0241411 A1 特開2014-5325号公報
上述したようパターン形成用自己組織化組成物を用いてパターンを形成した後には、該パターンを保護膜として、さらにシリコンウエハー基板にパターン形状を加工するエッチング工程が設けられることがある。しかしながら、従来の方法では、基板にパターン形状を加工する際のエッチング加工性が劣る場合があり、問題となっていた。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、優れたエッチング加工性を発揮するパターン形成用膜を形成し得るパターン形成用組成物を提供することを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、パターン形成用組成物を構成するポリマーの自由体積半径と、パターン形成用組成物から形成されるパターン形成用膜に導入される金属の原子核半径が、所定条件を満たすようにすることで、基板にパターン形状を加工する際のエッチング加工性が向上することを見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1] ポリマーを含むパターン形成用組成物であって、
ポリマーの自由体積半径をPrとし、
パターン形成用組成物からパターンを形成する際に導入される金属の原子核半径をMrとした場合、
2≦Pr/Mr≦3.3の条件を満たす、パターン形成用組成物。
[2] ポリマーは、糖誘導体に由来する単位を含む、[1]に記載のパターン形成用組成物。
[3] 糖誘導体に由来する単位は、下記一般式(103)で表される構造及び下記一般式(104)で表される構造から選択される少なくとも一方を含む、[2]に記載のパターン形成用組成物;



一般式(103)及び(104)中、Rはそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アルキル基、アシル基、アリール基、トリメチルシリル基又はホスホリル基を表し、複数あるRは同一であっても異なっていてもよい;Rは水素原子又はアルキル基を表す;X及びYはそれぞれ独立に単結合又は連結基を表す;rは1以上の整数を表し、*印はrが2以上の場合にRのいずれか1つとの結合部位を表すか、もしくはRに代わってRが結合している酸素原子のいずれか1つとの結合部位を表す。
[4] ポリマーは、下記一般式(105)で表される構造をさらに有する、[1]~[3]のいずれかに記載のパターン形成用組成物;

一般式(105)中、Wは炭素原子又はケイ素原子を表し、Wは、-CR-、-O-、-S-又は-SiR-を表す(但し、Rは水素原子又は炭素数が1~5のアルキル基を表し、複数あるRは同一であっても異なっていてもよい);R11は水素原子、炭素数が1以上3以下のアルキル基又は水酸基を表し、R12は水素原子、水酸基、アセチル基、メトキシカルボニル基、アリール基、アリル基、グリシジルエーテル基、グリシジルエステル基、イソシアネートエステル基又はピリジル基を表す。
[5] ポリマーは、糖誘導体に由来する単位を含み、ポリマーにおける糖誘導体に由来する単位の含有率は60~90質量%である、[1]~[4]のいずれかに記載のパターン形成用組成物。
[6] パターン形成用マスク材料である、[1]~[5]のいずれかに記載のパターン形成用組成物。
[7] ポリマーを含むパターン形成用組成物を基板上に塗布し、パターン形成用膜を形成する工程と、
パターン形成用膜の少なくとも一部に金属を導入する工程と、を含むパターン形成方法であって、
ポリマーの自由体積半径をPrとし、
金属の原子核半径をMrとした場合、
2≦Pr/Mr≦3.3の条件を満たす、パターン形成方法。
[8] パターン形成用膜を形成する工程の後に、パターン形成用膜にパターンを形成する工程をさらに含む、[7]に記載のパターン形成方法。
[9] 金属を導入する工程の後に、エッチング工程をさらに含む、[7]又は[8]に記載のパターン形成方法。
本発明によれば、パターン形成用組成物からパターン形成用膜を形成した後に、基板にパターン形状を加工する際のエッチング加工性を高めることができる。
図1は、基板にパターンを形成する工程を説明する概略図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において置換・無置換を明記していない置換基については、その基に任意の置換基を有していてもよい意味である。
(パターン形成用組成物)
本発明は、ポリマーを含むパターン形成用組成物に関する。本発明のパターン形成用組成物から形成されるパターン形成用膜には金属が導入されるが、このとき、パターン形成用膜に導入される金属の原子核半径をMrとし、本発明のパターン形成用組成物に含まれるポリマーの自由体積半径をPrとした場合、2≦Pr/Mr≦3.3の条件を満たす。このように、本発明は、パターン形成工程において、導入される金属の原子核半径(Mr)に対して、上記条件を満たすような自由体積半径(Pr)を有するポリマーを含むパターン形成用組成物に関するものである。
ここで、パターン形成用膜に導入される金属の原子核半径(Mr)は、E Clementi, D L Raimondi, W P Reinhardt (1963) J Chem Phys.38:2686から引用される値である。なお、パターン形成用膜に導入される金属がAlといった金属酸化物などである場合においても金属元素(Al)の原子核半径が上記条件を満たしていればよい。
また、ポリマーの自由体積半径(Pr)は、以下のようにして測定される値である。まず、ポリマー3質量%、p-トルエンスルホン酸0.3質量%となるようPGMEAに溶解して、ポリマー溶液サンプルを得る。そして、ポリマー溶液サンプルを2インチのシリコンウエハー基板上にスピンコーティングする。膜厚が500nmとなるように塗布した後、ホットプレート上において230℃で5分間焼成し、パターン形成用膜を形成する。次いで、形成したパターン形成用膜について陽電子消滅寿命を測定することで、ポリマーの自由体積半径(Pr)を算出する。具体的には、パターン形成用膜を陽電子消滅寿命測定装置に設置する。陽電子線源として22Naベースの陽電子ビームを用い、γ線検出器としてBaF製シンチレーターと光電子増倍管を用い、以下の条件で陽電子消滅寿命を測定する。なお、陽電子消滅寿命測定装置としては、例えば、フジ・インバック製の小型陽電子ビーム発生装置PALS-200Aを用いることができる。
装置定数:263~272ps,24.55ps/ch
ビーム強度:1.5keV
測定深さ:0~25μm(推定)
測定温度:室温
測定雰囲気:真空
総カウント数:約5000000カウント
試料前処理:室温で真空脱気
以上により得られた陽電子消滅寿命曲線を非線形最小二乗プログラムPOSITRONFITにより解析し、平均自由体積半径を算出し、ポリマーの自由体積半径(Pr)とする。
好ましいポリマーの自由体積半径(Pr)は、パターン形成用膜に導入される金属の原子核半径によって異なるが、例えば、ポリマーの自由体積半径(Pr)は、0.10nm以上であることが好ましく、0.20nm以上であることがより好ましく、0.25nm以上であることがさらに好ましい。また、ポリマーの自由体積半径(Pr)は、0.50nm以下であることが好ましく、0.40nm以下であることがより好ましく、0.35nm以下であることがさらに好ましい。ポリマーの自由体積半径(Pr)を上記範囲内とするためには、例えば、ポリマーを構成する糖誘導体に由来する単位の含有率を調整したり、糖部分の重合度や糖鎖の長さを調整したり、糖誘導体に由来する単位以外の他の構成単位の含有率を適宜調整することが考えられる。
Pr/Mrの値は、2以上であればよく、2.1以上であることが好ましく、2.2以上であることがより好ましく、2.3以上であることがさらに好ましく、2.4以上であることが特に好ましい。また、Pr/Mrの値は、3.3以下であればよく、3.2以下であることが好ましく、3.1以下であることがより好ましく、3.0以下であることがさらに好ましい。Pr/Mrの値を上記範囲内とすることにより、パターン形成用膜への金属の浸透性を高めることができ、これにより高強度のパターン形成用膜を形成することができる。このため、パターン形成用組成物からパターン形成用膜を形成した後に、基板にパターン形状を加工する際のエッチング加工性をより効果的に高めることができる。
ここで、エッチング加工性は、エッチング選択比を算出することで評価でき、エッチング選択比は例えば、以下のようにして算出できる。エッチング選択比を算出するためには、まず、ポリマー3質量%、p-トルエンスルホン酸0.3質量%となるようPGMEAに溶解して、ポリマー溶液サンプルを得る。そして、ポリマー溶液サンプルを2インチのシリコンウエハー基板上にスピンコーティングする。膜厚が300nmとなるように塗布した後、ホットプレート上において230℃で1分間焼成し、パターン形成用膜を形成する。次いで、ArFエキシマレーザー露光機にてラインアンドスペース(ライン幅100nm、スペース幅100nm)の形状となるようにマスクし、市販のArFレジストを用いて露光を行う。その後、ホットプレート上において105℃で1分間焼成した後、現像液を浸漬することで、ラインアンドスペースパターンを作製する。次にこのパターンサンプルを、ICPプラズマエッチング装置(東京エレクトロン社製)にて、基板を酸素プラズマ処理(100sccm、4Pa、100W、60秒間)することで、パターン形成用膜にラインアンドスペースパターンを形成する。その後、このパターン形成用膜を、ALD(原子層堆積装置:PICUSAN社製 SUNALE R-100B)に入れ、95℃にてTMA(トリメチルアルミニウム、Al(CH)ガスを300秒導入した後、水蒸気を150秒導入する。この操作を3回繰り返すことで、パターン形成用膜にAlを導入する。このパターンをマスクとして、六フッ化エタン(C)とArガスを使用しICPプラズマエッチング装置(東京エレクトロン社製)でプラズマ処理(100sccm、0.4Pa、200W、120秒間)を行ないシリコン酸化膜のドライエッチング加工を行う。そしてプラズマ処理前後のシリコン酸化膜のパターン形成されている断面を走査型電子顕微鏡(SEM)JSM7800F(日本電子製)で、加速電圧1.5kV、エミッション電流37.0μA、倍率100,000倍で観察し、それぞれ金属導入されたパターン形成用膜の厚みと、シリコン酸化膜部へ加工された深さを測定し、下記の式によりエッチング選択比を算出する。
エッチング選択比=シリコン酸化膜への加工深さ/(プラズマ処理前パターン形成用膜の厚み-プラズマ処理後パターン形成用膜の厚み)
エッチング選択比は2.0より大きいことが好ましく、2.5以上であることがより好ましく、3.0以上であることがさらに好ましく、5.0以上であることが一層好ましく、10.0以上であることが特に好ましい。本明細書においては、エッチング選択比が上記範囲内である場合に、基板にパターン形状を加工する際のエッチング加工性が良好であると判定できる。なお、エッチング加工性が良好である場合、一般的には、基板の深堀りが可能となる。
本発明においては、パターン形成用膜に金属を導入した際の最大金属含有率(atom%)は、15atom%以上であることが好ましく、20atom%以上であることがより好ましく、25atom%以上であることがさらに好ましい。なお、パターン形成用膜に金属を導入した際の最大金属含有率(atom%)は以下のようにして算出する。まず、ポリマー3質量%、p-トルエンスルホン酸0.3質量%となるようPGMEAに溶解して、ポリマー溶液サンプルを得る。そして、ポリマー溶液サンプルを2インチのシリコンウエハー基板上にスピンコーティングする。膜厚が300nmとなるように塗布した後、ホットプレート上において230℃で5分間焼成し、パターン形成用膜を形成する。次いで、パターン形成用膜を、ALD(原子層堆積装置:PICUSAN社製 SUNALE R-100B)に入れ、95℃にてTMA(トリメチルアルミニウム、Al(CH)ガスを300秒導入した後、水蒸気を150秒導入する。この操作を3回繰り返すことで、パターン形成用膜にAlを導入する。Al導入後のパターン形成用膜を、XPS装置(Thermo Fisher Scientific社製 Nexsa XPS System )に設置し、XPS分析(X線光電子分光分析)で膜厚方向でのAl元素の濃度プロファイルを得る。なお、Al導入後のパターン形成用膜の膜厚は、サンプル表面にピンセットで傷をつけてシリコン基板表面を露出させることで段差を形成し、この段差部分を触診式段差計(株式会社小坂製作所製 型番:ET-4000)にて測定することで求める。すなわち、最大金属含有率(atom%)とは、パターン形成用膜の厚み方向において、最も多く金属が含有されている厚みにおける金属含有率である。
パターン形成用膜に導入する金属としては、Li、Be、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどが挙げられる。中でも、パターン形成用膜に導入する金属としては、Al、B、Si、Sn、Te、Zr、Wを用いることが好ましい。
本発明のパターン形成用組成物は、パターン形成用マスク材料であることが好ましい。すなわち、本発明のパターン形成用組成物から形成されるパターン形成用膜は、基板をエッチングする際の保護膜となることが好ましい。本発明のパターン形成用組成物から形成されるパターン形成用膜は、ナノインプリント法に必要なガス透過性に対しても効果を期待できる。このようなパターン形成用膜はエッチング工程の後に剥離除去されてもよい。
また、本発明のパターン形成用組成物は、パターン形成用自己組織化組成物であってもよい。本明細書における自己組織化(Directed Self-Assembly)とは、外的要因からの制御のみに起因せず、自発的に組織や構造を構築する現象を指す。例えば、パターン形成用自己組織化組成物を基板上に塗布し、アニーリング等を行うことにより、自己組織化による相分離構造を有する膜(自己組織化膜)を形成し、この自己組織化膜における一部の相を除去することにより、基板上にパターンを形成することができる。このようなパターン形状が保護膜となり、基板に所望のエッチング処理を施すことが可能となる。
(ポリマー)
本発明のパターン形成用組成物はポリマーを含み、該ポリマーは糖誘導体に由来する単位を含むものであることが好ましい。糖誘導体は、単糖由来の糖誘導体であっても、単糖由来の糖誘導体が複数結合した構造であってもよい。また、糖誘導体に由来する単位を含むポリマーにおいて、糖誘導体に由来する単位は、側鎖に糖誘導体由来構造を有する構成単位であってもよく、主鎖に糖誘導体由来構造を有する構成単位であってもよい。
糖誘導体に由来する単位は、ペントース誘導体に由来する単位及びヘキソース誘導体に由来する単位から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
ペントース誘導体は、公知の単糖類または多糖類のペントースのヒドロキシル基が少なくとも置換基で修飾されたペントース由来の構造であれば、特に制限はない。ペントース誘導体としては、ヘミセルロース誘導体、キシロース誘導体及びキシロオリゴ糖誘導体から選択される少なくとも一種であることが好ましく、ヘミセルロース誘導体及びキシロオリゴ糖誘導体から選択される少なくとも一種であることがより好ましい。
ヘキソース誘導体としては、公知の単糖類または多糖類のヘキソースのヒドロキシル基が少なくとも置換基で修飾されたヘキソース由来の構造であれば、特に制限はない。ヘキソース誘導体としては、グルコース誘導体及びセルロース誘導体から選択される少なくとも一種であることが好ましく、セルロース誘導体であることがより好ましい。
中でも、糖誘導体に由来する単位は、セルロース誘導体に由来する単位、ヘミセルロース誘導体に由来する単位及びキシロオリゴ糖誘導体に由来する単位から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
中でも、糖誘導体に由来する単位は、下記一般式(103)で表される構造及び下記一般式(104)で表される構造から選択される少なくとも一方を含むものであることが好ましい。

一般式(103)及び(104)中、Rはそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アルキル基、アシル基、アリール基、トリメチルシリル基又はホスホリル基を表し、複数あるRは同一であっても異なっていてもよい。Rは水素原子又はアルキル基を表す。X及びYはそれぞれ独立に単結合又は連結基を表す。rは1以上の整数を表し、*印はrが2以上の場合にRのいずれか1つとの結合部位を表すか、もしくはRに代わってRが結合している酸素原子のいずれか1つとの結合部位を表す。
一般式(103)及び(104)中、Rは、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アルキル基、アシル基、アリール基、トリメチルシリル基又はホスホリル基を表し、複数あるRは同一であっても異なっていてもよい。中でも、Rは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1以上3以下のアシル基であることが好ましい。なお、上記のアルキル基には、糖鎖も含まれる。すなわち、一般式(103)及び(104)における糖鎖部分はさらに分岐鎖を有していてもよい。
がアルキル基又はアシル基である場合、その炭素数は、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、炭素数は2以上であることが好ましく、200以下であることが好ましく、100以下であることがより好ましく、20以下であることがさらに好ましく、4以下であることが特に好ましい。
の具体例としては、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、シクロペンタンカルボニル基、シクロヘキサンカルボニル基、ベンゾイル基、メトキシベンゾイル基、クロロベンゾイル基等のアシル基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t-ブチル基等のアルキル基などが挙げられる。これらの中でも、アセチル基、プロパノイル基、ブチリル基、イソブチリル基が好ましく、アセチル基が特に好ましい。
一般式(103)及び(104)中、Rは水素原子又はアルキル基を表す。中でも、Rは水素原子又は炭素数が1以上3以下のアルキル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることが特に好ましい。
一般式(103)及び(104)中、X及びYはそれぞれ独立に単結合または連結基を表す。
が連結基である場合、Xとしては、アルキレン基、-O-、-NH-、カルボニル基などを含む基が挙げられるが、Xは単結合であるか、もしくは炭素数が1以上6以下のアルキレン基であることが好ましく、炭素数が1以上3以下のアルキレン基であることがより好ましい。
が連結基である場合、Yとしては、アルキレン基、フェニレン基、-O-、-C(=O)O-などを含む基が挙げられる。Yはこれらの基を組み合わせた連結基であってもよい。中でもYは下記構造式で表される連結基であることが好ましい。

上記構造式中、※印は主鎖側との結合部位を表し、*印は、側鎖の糖単位との結合部位を表す。
一般式(103)及び(104)中、rは1以上の整数を表し、2以上であってもよく、3以上であってもよい。また、rは、1500以下であることが好ましく、1200以下であることがより好ましく、500以下であることがさらに好ましく、100以下であることがよりさらに好ましく、50以下であることが特に好ましく、10以下であることが最も好ましい。
糖単位の平均重合度は、上記rの好ましい範囲と同様である。なお、糖単位の平均重合度は1つの糖部を形成する糖単位数であり、糖部が側鎖構造を有している場合は、側鎖を構成する糖単位数も平均重合度に含まれる。上記の糖単位の平均重合度は下記の測定方法によって算出することができる。
まず、糖誘導体を含む溶液を50℃に保ち15000rpmで15分間遠心分離し不溶物を除去する。その後、上清液の全糖量と還元糖量(共にキシロース換算)を測定する。そして全糖量を還元糖量で割ることで平均重合度が算出される。なお、上記測定方法が採用できない場合は、ゲル浸透クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、光散乱法、粘度法、末端基定量法、沈降速度法、MULDI-TOF-MS法、NMRによる構造解析法などを採用してもよい。
糖単位の平均重合度をコポリマー合成後に測定する場合は、H-NMRで糖鎖由来のピーク(3.3-5.5ppm付近)の積分値と、糖誘導体のその他の成分由来のピークの積分値を算出し、各積分値の比より平均重合度を算出する。なお、一般式(103)及び(104)におけるRが水素原子でない場合には、糖鎖由来のピークの代わりに-OR基由来のピークの積分値を使用することもできる(但しこの場合の-OR基のRは糖鎖ではない)。
一般式(103)及び(104)における*印は、rが2以上の場合にRのいずれか1つとの結合部位を表すか、もしくはRに代わってRが結合している酸素原子のいずれか1つとの結合部位を表す。すなわち、一般式(103)及び(104)における糖単位の重合箇所は、糖単位におけるRもしくは、Rが結合している酸素原子のいずれであってもよく、いずれか1箇所が重合箇所であることが好ましい。なお、Rが置換基を有するアルキル基である場合には、Rは糖鎖であってもよいため、一般式(103)及び(104)における*印の結合部位は1箇所であっても、実際には、糖鎖はさらなる糖鎖からなる側鎖を有する場合もある。
糖誘導体に由来する単位は上記一般式(103)で表される構造、及び上記一般式(104)で表される構造から選択される少なくとも一方を含むものであるが、上記一般式(103)で表される構造を主に含むものであることが好ましい。これは上記一般式(103)で表される構造が上記一般式(104)で表される構造よりもよりコンパクトであり、ポリマーの自由体積半径のコントロールがしやすくなるためと考えられる。
本発明のパターン形成用組成物に含まれるポリマーは、コポリマーであることが好ましい。コポリマーは、ブロックコポリマーであってもよいが、ランダムコポリマーであることが好ましい。ランダムコポリマーを用いることにより、より均質なパターン形成用膜を形成することができる。
パターン形成用組成物に含まれるポリマーがコポリマーである場合、ポリマーは、さらに下記一般式(105)で表される構造を有することが好ましい。
一般式(105)中、Wは炭素原子又はケイ素原子を表す。中でも、Wは炭素原子であることが好ましい。また、一般式(105)中、Wは、-CR-、-O-、-S-又は-SiR-を表す(但し、Rは水素原子又は炭素数が1~5のアルキル基を表し、複数あるRは同一であっても異なっていてもよい)。中でも、Wは-CR-であることが好ましく、-CH-であることがより好ましい。
一般式(105)中、R11は水素原子、炭素数が1以上3以下のアルキル基又は水酸基を表す。炭素数が1以上3以下のアルキル基は、メチル基であることが好ましく、R11は水素原子又はメチル基であることがより好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。
一般式(105)中、R12は水素原子、水酸基、アセチル基、メトキシカルボニル基、アリール基、アリル基、グリシジルエーテル基、グリシジルエステル基、イソシアネートエステル基又はピリジル基を表す。アリル基は、-R-CH=CHで表される基であることが好ましく、グリシジルエーテル基は、-CHO-R-エポキシで表される基であることが好ましく、グリシジルエステル基は、-COO-R-エポキシで表される基であることが好ましく、イソシアネートエストテル基は、-COO-R-NCOで表される基であることが好ましい。ここで、Rは置換基を有してもよいアルキレン基である。置換基を有してもよいアルキレン基としては、例えば、-CH-、-(CH-、-(CH-、-(CH-、-(CH-、-CHOCH-、-(CHOCH-、-(CHOCH-、-(CHOCH-、-(CHOCH-等を挙げることができる。また、置換基を有してもよいアルキレン基はシクロアルキレン基であってもよく、橋かけ環式シクロアルキレン基であってもよい。
中でも、R12はメトキシカルボニル基、アリール基、グリシジルエーテル基、グリシジルエステル基又はピリジル基であることが好ましく、グリシジルエステル基又はアリール基であることがより好ましく、グリシジルエステル基又はフェニル基であることがさらに好ましい。また、フェニル基は置換基を有するフェニル基であることも好ましい。置換基を有するフェニル基としては、例えば、4-t-ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、トリメトキシフェニル基、トリメチルシリルフェニル基、テトラメチルジシリルフェニル基等を挙げることができる。また、R12はナフタレン基であることも好ましい。
上述したようにR12はフェニル基であることが好ましく、この場合、一般式(105)で表される構造に由来する単位は、スチレン化合物に由来する単位である。スチレン化合物としては、例えば、スチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、エチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-フェニルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、トリメチルシリルスチレン、ヒドロキシスチレン、3,4,5-メトキシスチレン、ペンタメチルジシリルスチレン等が挙げられる。中でも、スチレン化合物は、スチレン及びトリメチルシリルスチレンから選択される少なくとも一種であることが好ましく、スチレンであることがより好ましい。
また、R12はグリシジルエステル基であることも好ましい。この場合、一般式(105)で表される構造に由来する単位はグリシジルアクリレート化合物に由来する単位である。グリシジルアクリレート化合物としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル、オキシラン‐2‐イルメチル‐2‐エチリデンペンタノエーテ等が挙げられる。中でも、グリシジルアクリレート化合物は、グリシジルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルから選択される少なくとも一種であることが好ましい。
ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、500以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましく、1500以上であることがさらに好ましい。また、ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、100万以下であることが好ましく、50万以下であることがより好ましく、30万以下であることがさらに好ましく、25万以下であることが一層好ましい。なお、ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、GPCによるポリスチレン換算で測定された値である。
ポリマーの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、1以上であることが好ましい。また、Mw/Mnは、2以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましく、1.3以下であることがさらに好ましい。Mw/Mnを上記範囲内とすることにより、本発明のパターン形成用組成物は、より精度の高い微細で良好なパターン構造を形成することができる。
上述したようにポリマーは、糖誘導体に由来する単位を含み、ポリマーにおける糖誘導体に由来する単位の含有率は60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。また、ポリマーにおける糖誘導体に由来する単位の含有率は90質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましい。ポリマーにおける糖誘導体に由来する単位の含有率を上記範囲内とすることにより、有機溶媒への溶解度を高めることができる。
また、ポリマーにおける一般式(105)で表される単位の含有率は、ポリマーの全質量に対して、5質量%以上であってもよく、10質量%以上であってもよい。また、ポリマーにおける一般式(105)で表される単位の含有率は40質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。なお、ポリマーにおける一般式(105)で表される単位の含有率はH-NMRにより、算出することができる。
なお、ポリマーは、上記構成単位以外に、その他の構成単位を有していてもよい。他の構成単位としては、例えば、乳酸由来単位、シロキサン結合含有単位、アミド結合含有単位、尿素結合含有単位等を挙げることができる。
(ポリマーの合成方法)
ポリマーの合成は、リビングラジカル重合やリビングアニオン重合、原子移動ラジカル重合といった公知の重合法で行うことができる。例えばリビングラジカル重合の場合、AIBN(α、α’-アゾビスイソブチロニトリル)といった重合開始剤を用い、モノマーと反応させることによってポリマーを得ることができる。リビングアニオン重合の場合、塩化リチウムの存在下でブチルリチウムとモノマーを反応させることによってポリマーを得ることができる。
上述したような糖誘導体における糖部は、合成で得てもよいが、木本性植物、あるいは草本性植物由来のリグノセルロース等から抽出する工程を組み合わせて得てもよい。糖部を得る場合に木本性植物、あるいは草本性植物由来のリグノセルロース等から抽出する方法を採用する場合は、特開2012-100546号公報等に記載の抽出方法を利用することができる。キシランについては、例えば特開2012-180424号公報に開示されている方法で抽出することができる。また、セルロースについては、例えば特開2014-148629号公報に開示されている方法で抽出することができる。
糖誘導体を得る際には、上記抽出方法を用いた糖部のOH基をアセチル化やハロゲン化などして修飾して用いることが好ましい。例えばアセチル基を導入する場合、無水酢酸と反応させることによりアセチル化した糖誘導体を得ることができる。
一般式(105)で表される構造を有する化合物は合成により形成してもよく、市販品を用いてもよい。一般式(105)で表される構造を有する化合物を合成する場合は、公知の合成方法を採用することができる。また、市販品を用いる場合は、例えば、Amino-terminated PS(Mw=12300Da、Mw/Mn=1.02、ポリマーソース社製)、アリルグリシジルエーテル(東京化成工業社製)、グリシジルアクリレート(東京化成工業社製)、グリシジルメタクリレート(東京化成工業社製)、4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(三菱化学社製)、オキシラン‐2‐イルメチル‐2‐エチリデンペンタノエーテ(Achemica社製)、3,4-エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート(ダイセル社製)等を用いることができる。
コポリマーは、Macromolecules Vol.36,No.6, 2003を参考に合成することができる。具体的には、DMF、水、アセトニトリル等を含む溶媒に糖誘導体と、一般式(105)で表される構造を有する化合物を入れ、還元剤を添加する。還元剤としては、NaCNBH等を挙げることができる。その後、30℃以上100℃以下で1日以上20日以下撹拌し、必要に応じて還元剤を適宜追加する。水を添加することで沈殿物を得て、固形分を真空乾燥することでコポリマーを得ることができる。
コポリマーの合成方法としては、上記の方法の他に、ラジカル重合、RAFT重合、ATRP重合、クリック反応、NMP重合を用いた合成方法を挙げることができる。
ラジカル重合は開始剤を添加して熱反応や光反応で2個のフリーラジカルを生じさせることで起こる重合反応である。モノマー(例えばスチレンモノマーとキシロオリゴ糖の末端のβ-1位にメタクリル酸を付加した糖メタクリレート化合物)と開始剤(例えばアゾビスブチロニトリル(AIBN)のようなアゾ化合物)を150℃で加熱することでポリスチレン-ポリ糖メタクリレートランダムコポリマーを合成することができる。
RAFT重合は、チオカルボニルチオ基を利用した交換連鎖反応を伴う、ラジカル開始重合反応である。例えばキシロオリゴ糖の末端1位についたOH基をチオカルボニルチオ基に変換し、その後スチレンモノマーを30℃以上100℃以下で反応させてコポリマーを合成する、という手法を取ることができる(Material Matters vol.5, No.1 最新高分子合成 シグマアルドリッチジャパン株式会社)。
ATRP重合は、糖の末端OH基をハロゲン化し、金属錯体[(CuCl、CuCl、CuBr、CuBrもしくはCuI等)+TPMA(tris(2-pyridylmethyl)amine)]、MeTREN(tris[2-(dimethylamino)ethyl]amine)など)、モノマー(例えばスチレンモノマー)、及び、重合開始剤(2,2,5-トリメチル-3-(1-フェニルエトキシ)-4-フェニル-3-アザヘキサン)を反応させることにより、糖コポリマー(例えば糖-スチレンブロックコポリマー)を合成することができる。
NMP重合は、アルコキシアミン誘導体を開始剤として加熱することで、モノマー分子とカップリングと反応を起こしニトロキシドを生じさせる。その後、熱解離によりラジカルが生じることでポリマー化反応が進む。このようなNMP重合は、リビングラジカル重合反応の一種である。モノマー(例えばスチレンモノマーとキシロオリゴ糖の末端のβ-1位にメタクリル酸を付加した糖メタクリレート化合物)とを混合し、2,2,6,6-tetramethylpiperidine 1-oxyl(TEMPO)を開始剤とし、140℃で加熱することでポリスチレン-ポリ糖メタクリレートランダムコポリマーを合成することができる。
クリック反応は、プロパルギル基をもつ糖とCu触媒を用いた1,3-双極アジド/アルキン環化付加反応である。
(パターン形成用組成物の製造方法)
パターン形成用組成物の製造方法では、上述したポリマーと溶媒を混合することが好ましい。溶媒は、有機溶媒であることが好ましく、有機溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、含硫黄系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール、n-ブタノール、i-ブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、i-ペンタノール、2-メチルブタノール、sec-ペンタノール、tert-ペンタノール、3-メトキシブタノール、n-ヘキサノール、2-メチルペンタノール、sec-ヘキサノール、2-エチルブタノール、sec-ヘプタノール、3-ヘプタノール、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール、sec-オクタノール、n-ノニルアルコール、2,6-ジメチル-4-ヘプタノール、n-デカノール、sec-ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec-テトラデシルアルコール、sec-ヘプタデシルアルコール、フルフリルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等;エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、2,4-ペンタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2,5-ヘキサンジオール、2,4-ヘプタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1H,1H-トリフルオロエタノール、1H,1H-ペンタフルオロプロパノール、6-(パーフルオロエチル)ヘキサノール等;を挙げることができる。
また、多価アルコール部分エーテル系溶媒として、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ-2-エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等が挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)等が挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル-n-プロピルケトン、メチル-n-ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル-i-ブチルケトン、メチル-n-ペンチルケトン、エチル-n-ブチルケトン、メチル-n-ヘキシルケトン、ジ-i-ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4-ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン、フルフラール等が挙げられる。
含硫黄系溶媒としては、例えばジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
アミド系溶媒としては、例えば、N,N’-ジメチルイミダゾリジノン、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルプロピオンアミド、N-メチルピロリドン等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、酢酸n-プロピル、酢酸i-プロピル、酢酸n-ブチル、酢酸i-ブチル、酢酸sec-ブチル、酢酸n-ペンチル、酢酸sec-ペンチル、酢酸3-メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2-エチルブチル、酢酸2-エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n-ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGMEA)、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n-ブチル、プロピオン酸i-アミル、3-メトキシプロピオン酸メチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ-n-ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n-ブチル、乳酸n-アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル等が挙げられる。
炭化水素系溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素系溶媒として、n-ペンタン、i-ペンタン、n-ヘキサン、i-ヘキサン、n-ヘプタン、i-ヘプタン、2,2,4-トリメチルペンタン、n-オクタン、i-オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等;芳香族炭化水素系溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n-プロピルベンゼン、i-プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、i-ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ-i-プロピルベンゼン、n-アミルナフタレン、アニソール等が挙げられる。
これらの中でも、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGMEA)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、アニソール、エタノール、メタノール、アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1H,1H-トリフルオロエタノール、1H,1H-ペンタフルオロプロパノール、6-(パーフルオロエチル)ヘキサノール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、フルフラールがより好ましく、PGMEA又はDMFがさらに好ましく、PGMEAがよりさらに好ましい。これらの溶媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
パターン形成用組成物中のポリマーの含有量は、パターン形成用組成物の全質量に対して、0.1質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。また、ポリマーの含有量は、パターン形成用組成物の全質量に対して、30質量%以下であることが好ましい。
<任意成分>
パターン形成用組成物を製造する際には、任意成分として、イオン液体をさらに配合してもよい。イオン液体とは、100℃以下で液体であり、かつ、イオンのみから構成される溶媒をいう。イオン液体を構成するイオンは、カチオン部及びアニオン部の少なくとも一方が有機イオンから構成される。
パターン形成用組成物がイオン液体を含むことにより、ポリマーと有機溶剤の相溶性を高めることができる。また、イオン液体は、ブロックコポリマーの相分離を促進する働きも有している。
イオン液体は、カチオン部とアニオン部から成り、イオン液体のカチオン部としては、特に限定されるものではなく、一般的にイオン液体のカチオン部に用いられるものを使用することができる。イオン液体のカチオン部の好ましいものとしては、含窒素芳香族イオン、アンモニウムイオン、フォスフォニウムイオンが挙げられる。
含窒素芳香族カチオンとしては、例えばピリジニウムイオン、ピリダジニウムイオン、ピリミジニウムイオン、ピラジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピラゾニウムイオン、オキサゾリウムイオン、1,2,3-トリアゾリウムイオン、1,2,4-トリアゾリウムイオン、チアゾリウムイオン、ピペリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン等が挙げられる。
イオン液体のアニオン部としては、ハロゲンイオン、カルボキシレートイオン、ホスフィネートイオン、ホスフェートイオン、ホスホネイトイオン、ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミドイオン等が挙げられ、ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミドイオンが好ましい。ハロゲンイオンとしては、クロライドイオン、ブロマイドイオン、ヨウダイドイオンが挙げられ、クロライドイオンが好ましい。カルボキシレートイオンとしては、ホルメートイオン、アセテートイオン、プロピオネートイオン、ブチレートイオン、ヘキサノエートイオン、マレエートイオン、フマレートイオン、オキサレートイオン、レクテートイオン、ピルベートイオン等が挙げられ、ホルメートイオン、アセテートイオン、プロピオネートイオンが好ましい。
パターン形成用組成物は、任意成分として、例えば、界面活性剤等を含むものであってもよい。パターン形成用組成物が界面活性剤を含有することで、パターン形成の基板等への塗布性を向上させることができる。好ましい界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、パターン形成用組成物は、任意成分として、触媒をさらに含んでいてもよい。触媒としては、例えば、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ピリジニウム-p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、スルホサリチル酸、クエン酸、安息香酸、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム、ヒドロキシ安息香酸等の酸化合物や、硬化剤として、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、m-キシレンジアミン、m-フェニレンジアミン、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が挙げられる。
本発明のパターン形成用組成物には、ポリマーを構成するモノマー成分が含まれていてもよい。例えば、目的の特性を向上させるためにポリマーを構成する各種モノマーを適宜添加することができる。
(パターン形成方法)
本発明は、上述したポリマーを含むパターン形成用組成物を基板上に塗布し、パターン形成用膜を形成する工程と、パターン形成用膜の少なくとも一部に金属を導入する工程と、を含むパターン形成方法に関するものでもある。ここで、ポリマーの自由体積半径をPrとし、金属の原子核半径をMrとした場合、2≦Pr/Mr≦3.3の条件を満たす。本発明のパターン形成方法によれば、パターン形成用組成物からパターン形成用膜を形成した後に基板にパターン形状を加工する際のエッチング加工性を高めることができる。
本発明のパターン形成方法において用いる基板としては、例えば、ガラス、シリコン、SiN、GaN、AlN等の基板を挙げることができる。また、PET,PE,PEO,PS,シクロオレフィンポリマー、ポリ乳酸、セルロースナノファイバーのような有機材料からなる基板を用いてもよい。また、基板とガイドパターン形成層の間には、異なる材料からなる層を複数層挟んでいても良い。この材料としては、特に特定されるものではないが、例えばSiO、SiN,Al、AlN、GaN、GaAs、W、SOC、SOGなどの無機材料や、市販されている接着剤のような有機材料を挙げることができる。
パターン形成用組成物を基板上に塗布してパターン形成用膜を形成する方法としては、特に制限されないが、例えば、使用されるパターン形成用組成物をスピンコート法等によって塗布する方法等が挙げられる。
本発明のパターン形成方法は、パターン形成用膜を形成する工程の後に、パターン形成用膜にパターンを形成する工程をさらに含むことが好ましい。パターンを形成する工程においては、まず、図1(a)に示されるように、基板10上にパターン形成用組成物を塗布することでパターン形成用膜20を形成する。そして、図1(b)に示されるように、パターン形成用膜20の一部は、基板10に形成したいパターン形状となるように少なくとも一部が除去される。例えば、パターン形成用膜20上にレジスト膜を積層し、露光及び現像処理を行うことで、図1(b)に示されるようなパターン形状を形成することができる。
パターン形成用膜の一部を除去する方法としては、例えば、ケミカルドライエッチング、ケミカルウェットエッチング(湿式現像)等の反応性イオンエッチング(RIE)、スパッタエッチング、イオンビームエッチング等の物理的エッチング等の公知の方法が挙げられる。パターン形成用膜の除去は、例えば、テトラフルオロメタン、パーフルオロシクロブタン(C)、パーフルオロプロパン(C)、パーフルオロエタン(C)、三塩化ホウ素、三フッ化メタン、トリフルオロメタン、一酸化炭素、アルゴン、酸素、窒素、塩素、ヘリウム、六フッ化硫黄、ジフルオロメタン、三フッ化窒素及び三フッ化塩素等のガスを用いたドライエッチングによって行われることが好ましい。
また、パターン形成用膜の一部を除去する工程としてケミカルウェットエッチング工程を採用することもできる。ウェットエッチングの手法としては、例えば酢酸と反応させて処理する方法、エタノールやi-プロパノールといったアルコールと水の混合溶液を反応させて処理する方法、UV光又はEB光を照射した後に酢酸又はアルコールで処理する方法などが挙げられる。
以上のようにしてパターン形成用膜にパターンを形成することができる。形成されるパターンとしては、ラインアンドスペースパターン、ホールパターン又はピラーパターンであることが好ましい。
本発明のパターン形成方法は、パターン形成用膜の少なくとも一部に金属を導入する工程を含む。金属を導入する工程は、パターン形成用膜にパターン形状が形成された後に設けられることが好ましいが、パターン形成用膜にパターン形状が形成される前に金属導入工程が設けられてもよい。パターン形成用膜に導入される金属としては、Li、Be、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどが挙げられる。パターン形成用膜に金属を導入する工程は、例えばJornal of Photopolymer Science and Technology Volume29, Number5(2016)653-657に記載されている方法により行うことができる。また、パターン形成用膜に金属を導入する場合には、金属錯体ガスを使用する方法、金属を含む溶液を塗布する方法、あるいは、イオンインプラント法により金属をレジストに導入する方法を採用することができる。
パターン形成用膜の少なくとも一部に金属を導入する工程の後には、エッチング工程がさらに設けられることが好ましい。このエッチング工程とは、図1(c)に示されるように、パターニングされたパターン形成用膜を保護膜(マスク)として基板をエッチングする工程である。
エッチング工程において基板を加工する方法としては、例えば、ケミカルドライエッチング、ケミカルウェットエッチング(湿式現像)等の反応性イオンエッチング(RIE)、スパッタエッチング、イオンビームエッチング等の物理的エッチング等の公知の方法が挙げられる。基板の加工は、例えば、テトラフルオロメタン、パーフルオロシクロブタン(C)、パーフルオロプロパン(C)、トリフルオロメタン、一酸化炭素、アルゴン、酸素、窒素、塩素、六フッ化硫黄、ジフルオロメタン、三フッ化窒素及び三フッ化塩素等のガスを用いたドライエッチングによって行われることが好ましい。
また、エッチング工程では、ケミカルウェットエッチング工程を採用することもできる。ウェットエッチングの手法としては、例えば酢酸と反応させて処理する方法、エタノールやi-プロパノールといったアルコールと水の混合溶液を反応させて処理する方法、UV光またはEB光を照射した後に酢酸またはアルコールで処理する方法などが挙げられる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
[コポリマー1の合成]
(アセチル糖メタクリレート1の合成)
キシロース20gを無水酢酸250gと酢酸320gの混合溶液へ添加し、30℃で2時間撹拌した。溶液のおよそ5倍量の冷水を撹拌しながらゆっくりと加え、2時間撹拌したのちに1晩静置した。フラスコ中でTHF400mLにエチレンジアミン1.2gと酢酸01.4gを加えて0℃にした溶液に、析出した結晶10gを加え、4時間撹拌した。これを冷水1Lに注入し、ジクロロメタンで2回抽出した。この抽出物20g、ジクロロメタン300mL及びトリエチルアミン4.8gをフラスコに入れ、-30℃に冷却した。塩化メタクリロイル2.8gを加えて2時間撹拌した。これを冷水300mLに注入し、ジクロロメタンで2回抽出し、溶媒を濃縮することにより、アセチルキシロースメタクリレート1を16.1g得た。得られたアセチルキシロースメタクリレート1の構造は以下のとおりである。
(アセチルキシロースメタクリレート-スチレン-グリシジルメタクリレートランダムコポリマーの合成)
アセチル糖メタクリレート12.0g、スチレン(東京化成社製)2.6g、グリシジルメタクリレート(東京化成社製)2.6g、溶媒としてTHF100g、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.8gをフラスコに入れた後、ガラス容器を密閉し、窒素置換した窒素雰囲気下、78℃に昇温し6.0時間撹拌した。その後、室温に戻し、ガラス容器内を大気下とし、得られた溶液にメタノール300g中に滴下し、重合物を析出させた。その後、析出した重合物を含む溶液を吸引ろ過し、白色のコポリマー1 12gを得た。得られたコポリマー1は以下の構成単位を含む。
[溶液サンプルの調製]
コポリマー1 3質量%、重合触媒のp-トルエンスルホン酸0.3質量%となるようPGMEAに溶解し、ポリマー溶液サンプルを得た。
(実施例2)
[コポリマー2の合成]
(アセチルキシロースメタクリレート-スチレン-グリシジルメタクリレートランダムコポリマーの合成)
コポリマー1の合成にて、スチレンの添加量を2.6gから2.3gに変更し、グリシジルメタクリレートの添加量を2.6gから0.8gに変更した以外は実施例1と同様の方法にてコポリマー2 12.0gを得た。また、実施例1と同様にしてポリマー溶液サンプルを得た。
(実施例3)
[コポリマー3の合成]
(アセチルキシロースメタクリレート-スチレンランダムコポリマーの合成)
コポリマー1の合成にて、スチレンの添加量を2.6gから2.1gに変更し、グリシジルメタクリレートを添加しなかった以外は実施例1と同様の方法にてコポリマー3 12.0gを得た。また、実施例1と同様にしてポリマー溶液サンプルを得た。
(実施例4)
[コポリマー4の合成]
(アセチルキシロトリオースメタクリレート-スチレンランダムコポリマーの合成)
コポリマー1の合成にて、キシロースからキシロトリオースに変更した以外は実施例1と同様の方法にてコポリマー4 12.1gを得た。また、実施例1と同様にしてポリマー溶液サンプルを得た。得られたコポリマー4は以下の構成単位を含む。
[コポリマーの分析]
(単位(l):単位(m):単位(n)の比率)
H-NMRにより、コポリマーを構成する単位(l)と単位(m):単位(n)の比率(質量比)を求めて、算出した。具体的には、ポリマー10mg秤量、重クロロホルム1mLに溶解してNMR用溶液を調製し、得られた溶液をNMRサンプルチューブ(関東化学社)に移し、FT-NMR(JNM-ECZ600R:JEOL社)によりH-NMR測定を行った。
[自由体積半径の評価]
得られたポリマー溶液サンプルを2インチのシリコンウエハー基板上にスピンコーティングした。膜厚が500nmとなるように塗布した後、ホットプレート上において230℃で5分間焼成し、パターン形成用膜を形成した。
このようにして形成したパターン形成用膜を、さらに15mm×15mm角に切り出し、フジ・インバック製小型陽電子ビーム発生装置PALS-200A(薄膜対応陽電子消滅寿命測定装置)に設置した。陽電子線源として22Naベースの陽電子ビームを用い、γ線検出器としてBaF製シンチレーターと光電子増倍管を用い、以下の条件で陽電子消滅寿命を測定した。
装置定数:263~272ps,24.55ps/ch
ビーム強度:1.5keV
測定深さ:0~25μm(推定)
測定温度:室温
測定雰囲気:真空
総カウント数:約5000000カウント
試料前処理:室温で真空脱気
以上により得られた陽電子消滅寿命曲線を非線形最小二乗プログラムPOSITRONFITにより解析し、平均自由体積半径を算出した。
[最大金属導入率の評価]
得られたポリマー溶液サンプルを2インチのシリコンウエハー基板上にスピンコーティングした。膜厚が300nmとなるように塗布した後、ホットプレート上において230℃で5分間焼成し、パターン形成用膜を形成した。
このようにして形成したパターン形成用膜を、ALD(原子層堆積装置:PICUSAN社製 SUNALE R-100B)に入れ、95℃にてTMA(トリメチルアルミニウム、Al(CH)ガスを300秒導入した後、水蒸気を150秒導入した。この操作を3回繰り返すことで、パターン形成用膜にAlを導入した。
Al導入後のパターン形成用膜を、XPS装置(Thermo Fisher Scientific社製 Nexsa XPS System )に設置し、XPS分析(X線光電子分光分析)で膜厚方向でのAl元素の濃度プロファイルを得た。なお、Al導入後のパターン形成用膜の膜厚は、サンプル表面にピンセットで傷をつけてシリコン基板表面を露出させることで段差を形成し、この段差部分を触診式段差計(株式会社小坂製作所製 型番:ET-4000)にて測定することで求めた。
[エッチング選択比測定用サンプルの作製]
得られたポリマー溶液サンプルを、シリコン酸化膜(膜厚2um)付2インチのシリコンウエハー基板上にスピンコーティングした。膜厚が300nmとなるように塗布した後、ホットプレート上で230℃1分間焼成し、パターン形成用膜を形成した。
ArFエキシマレーザー露光機にてラインアンドスペース(ライン幅100nm、スペース幅100nm)の形状となるようにマスクし、市販のArFレジストを用いて露光を行った。その後、ホットプレート上において105℃で1分間焼成した後、現像液を浸漬することで、ラインアンドスペースパターンを作製した。
次にこのパターンサンプルを、ICPプラズマエッチング装置(東京エレクトロン社製)にて、基板を酸素プラズマ処理(100sccm、4Pa、100W、60秒間)することで、フォトレジストが除去され、パターン形成用膜にラインアンドスペースパターンが形成された。その後、コポリマーの金属導入率の評価と同様にして、パターン形成用膜に金属導入した。このパターンをマスクとして、六フッ化エタン(C)とArガスを使用しICPプラズマエッチング装置(東京エレクトロン社製)でプラズマ処理(100sccm、0.4Pa、200W、120秒間)を行ないシリコン酸化膜のドライエッチング加工を行った。
[エッチング加工性の評価]
六フッ化エタン(C)とArガスを使用したプラズマ処理前後のシリコン酸化膜のパターン形成されている断面を走査型電子顕微鏡(SEM)JSM7800F(日本電子製)で、加速電圧1.5kV、エミッション電流37.0μA、倍率100,000倍で観察し、それぞれ金属導入されたパターン形成用膜の厚み(図1(b)における厚みcと、図1(c)における厚みc’)と、シリコン酸化膜部へ加工された深さ(図1(c)における深さd)を測定した。そして、下記の式によりエッチング選択比を算出した。
エッチング選択比=シリコン酸化膜への加工深さ/(プラズマ処理前パターン形成用膜の厚み-プラズマ処理後パターン形成用膜の厚み)
そして、エッチング加工性を以下の基準で評価した。
◎:エッチング選択比が10以上であるもの
○:エッチング選択比が2以上10未満であるもの
×:エッチング選択比が2未満であるもの
(実施例5)
実施例1においてパターン形成用膜に金属を導入する際、TMA(トリメチルアルミニウム、Al(CH)ガスに代えてホウ酸トリメチル(B(OCH)ガスを用いた以外は実施例1と同様に各種評価を行った。
(実施例6)
実施例1においてパターン形成用膜に金属を導入する際、TMA(トリメチルアルミニウム、Al(CH)ガスに代えてトリメチルアンチモン(Sb(CH)ガスを用いた以外は実施例1と同様に各種評価を行った。
(比較例1)
実施例1においてパターン形成用膜に金属を導入する際、TMA(トリメチルアルミニウム、Al(CH)ガスに代えてトリメチルインジウム(In(CH)ガスを用いた以外は実施例1と同様に各種評価を行った。
(比較例2)
実施例1においてパターン形成用膜に金属を導入する際、TMA(トリメチルアルミニウム、Al(CH)ガスに代えてホウ酸トリメチル(B(OCH)ガスを用いた以外は実施例3と同様に各種評価を行った。
表1において、原子核半径は、E Clementi, D L Raimondi, W P Reinhardt (1963) J Chem Phys. 38:2686の記載に基づいた値である。
実施例では、2≦Pr/Mr≦3.3の条件を満たしていたため、エッチング加工性が良好であった。一方、2≦Pr/Mr≦3.3の条件を満たしていない比較例ではエッチング加工性が劣る結果であった。
10 基板
20 パターン形成用膜

Claims (6)

  1. ポリマーを含み、金属が導入されるパターン形成用膜の形成に用いられるパターン形成用組成物であって、
    前記金属はAl、Sn、Te及びSbよりなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記ポリマーの自由体積半径をPrとし、
    前記金属の原子核半径をMrとした場合、
    2≦Pr/Mr≦3.3の条件を満たす、パターン形成用組成物。
  2. 前記ポリマーは、糖誘導体に由来する単位を含む、請求項1に記載のパターン形成用組成物。
  3. 前記糖誘導体に由来する単位は、下記一般式(103)で表される構造及び下記一般式(104)で表される構造から選択される少なくとも一方を含む、請求項2に記載のパターン形成用組成物;



    一般式(103)及び(104)中、Rはそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アルキル基、アシル基、アリール基、トリメチルシリル基又はホスホリル基を表し、複数あるRは同一であっても異なっていてもよい;Rは水素原子又はアルキル基を表す;X及びYはそれぞれ独立に単結合又は連結基を表す;rは1以上の整数を表し、*印はrが2以上の場合にRのいずれか1つとの結合部位を表すか、もしくはRに代わってRが結合している酸素原子のいずれか1つとの結合部位を表す。
  4. 前記ポリマーは、下記一般式(105)で表される構造をさらに有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のパターン形成用組成物;

    一般式(105)中、Wは炭素原子又はケイ素原子を表し、Wは、-CR-、-O-、-S-又は-SiR-を表す(但し、Rは水素原子又は炭素数が1~5のアルキル基を表し、複数あるRは同一であっても異なっていてもよい);R11は水素原子、炭素数が1以上3以下のアルキル基又は水酸基を表し、R12は水素原子、水酸基、アセチル基、メトキシカルボニル基、アリール基、アリル基、グリシジルエーテル基、グリシジルエステル基、イソシアネートエステル基又はピリジル基を表す。
  5. 前記ポリマーは、糖誘導体に由来する単位を含み、前記ポリマーにおける前記糖誘導体に由来する単位の含有率は60~90質量%である、請求項1~4のいずれか1項に記載のパターン形成用組成物。
  6. パターン形成用マスク材料である、請求項1~5のいずれか1項に記載のパターン形成用組成物。
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