JP7347066B2 - パターン形成用組成物及びパターン形成方法 - Google Patents
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具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
パターン形成用組成物を基板上に塗布して、厚みが300nmのパターン形成用膜を形成し、パターン形成用膜に500Paの圧力下で300秒間金属ガスを導入した場合、
パターン形成用膜に含まれる金属の総含有量が4.0atom%以上となり、
パターン形成用膜の厚み方向における最大金属含有率をAatom%とし、パターン形成用膜の厚み方向の中間点における金属含有率をBatom%とした場合、A/Bの値が10.0以下となる、パターン形成用組成物。
[2] ポリマーは、糖誘導体に由来する単位を含む、[1]に記載のパターン形成用組成物。
[3] 糖誘導体に由来する単位は、下記一般式(103)で表される構造及び下記一般式(104)で表される構造から選択される少なくとも一方を含む、[2]に記載のパターン形成用組成物;
一般式(103)及び(104)中、R1はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アルキル基、アシル基、アリール基、トリメチルシリル基又はホスホリル基を表し、複数あるR1は同一であっても異なっていてもよい;R5は水素原子又はアルキル基を表す;X1及びY1はそれぞれ独立に単結合又は連結基を表す;rは1以上の整数を表し、*印はrが2以上の場合にR1のいずれか1つとの結合部位を表すか、もしくはR1に代わってR1が結合している酸素原子のいずれか1つとの結合部位を表す。
[4] ポリマーは、下記一般式(105)で表される構造をさらに有する、[1]~[3]のいずれかに記載のパターン形成用組成物;
一般式(105)中、W1は炭素原子又はケイ素原子を表し、W2は、-CR2-、-O-、-S-又は-SiR2-を表し(但し、Rは水素原子又は炭素数が1~5のアルキル基を表し、複数あるRは同一であっても異なっていてもよい);R11は水素原子、炭素数が1以上3以下のアルキル基又は水酸基を表し、R12は水素原子、水酸基、アセチル基、メトキシカルボニル基、アリール基、アリル基、グリシジルエーテル基、グリシジルエステル基、イソシアネートエステル基又はピリジル基を表す。
[5] ポリマーは、糖誘導体に由来する単位を含み、ポリマーにおける糖誘導体に由来する単位の含有率は65~85質量%である、[1]~[4]のいずれかに記載のパターン形成用組成物。
[6] パターン形成用マスク材料である、[1]~[5]のいずれかに記載のパターン形成用組成物。
[7] ポリマーを含むパターン形成用組成物を基板上に塗布し、パターン形成用膜を形成する工程と、
パターン形成用膜の少なくとも一部に金属を導入し、金属含有パターン形成用膜を得る工程と、を含むパターン形成方法であって、
金属含有パターン形成用膜に含まれる金属の総含有量が4.0atom%以上であり、
金属含有パターン形成用膜の厚み方向における最大金属含有率をAatom%とし、パターン形成用膜の厚み方向の中間点における金属含有率をBatom%とした場合、A/Bの値が10.0以下である、パターン形成方法。
[8] パターン形成用膜を形成する工程の後に、パターン形成用膜にパターンを形成する工程をさらに含む、[7]に記載のパターン形成方法。
[9] 金属含有パターン形成用膜を得る工程の後に、エッチング工程をさらに含む、[7]又は[8]に記載のパターン形成方法。
本発明は、ポリマーを含むパターン形成用組成物に関する。本発明のパターン形成用組成物から形成されるパターン形成用膜には金属が導入される。ここで、パターン形成用組成物を基板上に塗布して、厚みが300nmのパターン形成用膜を形成し、パターン形成用膜に500Paの圧力下で300秒間金属ガスを導入した場合、パターン形成用膜に含まれる金属の総含有量が4.0atom%以上となり、パターン形成用膜の厚み方向における最大金属含有率をAatom%とし、パターン形成用膜の厚み方向の中間点における金属含有率をBatom%とした場合、A/Bの値は10.0以下となる。このように、本発明は、パターン形成工程において、導入される金属の総含有量とパターン形成用膜中における金属分布が上記条件を満たすパターン形成用組成物に関するものである。
エッチング選択比=シリコン酸化膜への加工深さ/(プラズマ処理前パターン形成用膜の厚み-プラズマ処理後パターン形成用膜の厚み)
エッチング選択比は2.0より大きいことが好ましく、2.5以上であることがより好ましく、3.0以上であることがさらに好ましく、5.0以上であることが特に好ましい。本明細書においては、エッチング選択比が上記範囲内である場合に、基板にパターン形状を加工する際のエッチング加工性が良好であると判定できる。なお、エッチング加工性が良好である場合、一般的には、基板の深堀りが可能となる。
本発明のパターン形成用組成物はポリマーを含み、該ポリマーは糖誘導体に由来する単位を含むものであることが好ましい。糖誘導体は、単糖由来の糖誘導体であっても、単糖由来の糖誘導体が複数結合した構造であってもよい。また、糖誘導体に由来する単位を含むポリマーにおいて、糖誘導体に由来する単位は、側鎖に糖誘導体由来構造を有する構成単位であってもよく、主鎖に糖誘導体由来構造を有する構成単位であってもよい。
ペントース誘導体は、公知の単糖類または多糖類のペントースのヒドロキシル基が少なくとも置換基で修飾されたペントース由来の構造であれば、特に制限はない。ペントース誘導体としては、ヘミセルロース誘導体、キシロース誘導体及びキシロオリゴ糖誘導体から選択される少なくとも一種であることが好ましく、ヘミセルロース誘導体及びキシロオリゴ糖誘導体から選択される少なくとも一種であることがより好ましい。
ヘキソース誘導体としては、公知の単糖類または多糖類のヘキソースのヒドロキシル基が少なくとも置換基で修飾されたヘキソース由来の構造であれば、特に制限はない。ヘキソース誘導体としては、グルコース誘導体及びセルロース誘導体から選択される少なくとも一種であることが好ましく、セルロース誘導体であることがより好ましい。
中でも、糖誘導体に由来する単位は、セルロース誘導体に由来する単位、ヘミセルロース誘導体に由来する単位及びキシロオリゴ糖誘導体に由来する単位から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
X1が連結基である場合、X1としては、アルキレン基、-O-、-NH2-、カルボニル基などを含む基が挙げられるが、X1は単結合であるか、もしくは炭素数が1以上6以下のアルキレン基であることが好ましく、炭素数が1以上3以下のアルキレン基であることがより好ましい。
Y1が連結基である場合、Y1としては、アルキレン基、フェニレン基、-O-、-C(=O)O-などを含む基が挙げられる。Y1はこれらの基を組み合わせた連結基であってもよい。中でもY1は下記構造式で表される連結基であることが好ましい。
まず、糖誘導体を含む溶液を50℃に保ち15000rpmで15分間遠心分離し不溶物を除去する。その後、上清液の全糖量と還元糖量(共にキシロース換算)を測定する。そして全糖量を還元糖量で割ることで平均重合度が算出される。なお、上記測定方法が採用できない場合は、ゲル浸透クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、光散乱法、粘度法、末端基定量法、沈降速度法、MULDI-TOF-MS法、NMRによる構造解析法などを採用してもよい。
糖単位の平均重合度をブロックコポリマー合成後に測定する場合は、1H-NMRで糖鎖由来のピーク(3.3-5.5ppm付近)の積分値と、糖誘導体のその他の成分由来のピークの積分値を算出し、各積分値の比より平均重合度を算出する。なお、一般式(103)及び(104)におけるR1が水素原子でない場合には、糖鎖由来のピークの代わりに-OR1基由来のピークの積分値を使用することもできる(但しこの場合の-OR1基のR1は糖鎖ではない)。
ポリマーの合成は、リビングラジカル重合やリビングアニオン重合、原子移動ラジカル重合といった公知の重合法で行うことができる。例えばリビングラジカル重合の場合、AIBN(α、α’-アゾビスイソブチロニトリル)といった重合開始剤を用い、モノマーと反応させることによってポリマーを得ることができる。リビングアニオン重合の場合、塩化リチウムの存在下でブチルリチウムとモノマーを反応させることによってポリマーを得ることができる。
ラジカル重合は開始剤を添加して熱反応や光反応で2個のフリーラジカルを生じさせることで起こる重合反応である。モノマー(例えばスチレンモノマーとキシロオリゴ糖の末端のβ-1位にメタクリル酸を付加した糖メタクリレート化合物)と開始剤(例えばアゾビスブチロニトリル(AIBN)のようなアゾ化合物)を150℃で加熱することでポリスチレン-ポリ糖メタクリレートランダムコポリマーを合成することができる。
RAFT重合は、チオカルボニルチオ基を利用した交換連鎖反応を伴う、ラジカル開始重合反応である。例えばキシロオリゴ糖の末端1位についたOH基をチオカルボニルチオ基に変換し、その後スチレンモノマーを30℃以上100℃以下で反応させてコポリマーを合成する、という手法を取ることができる(Material Matters vol.5, No.1 最新高分子合成 シグマアルドリッチジャパン株式会社)。
ATRP重合は、糖の末端OH基をハロゲン化し、金属錯体[(CuCl、CuCl2、CuBr、CuBr2もしくはCuI等)+TPMA(tris(2-pyridylmethyl)amine)]、MeTREN(tris[2-(dimethylamino)ethyl]amine)など)、モノマー(例えばスチレンモノマー)、及び、重合開始剤(2,2,5-トリメチル-3-(1-フェニルエトキシ)-4-フェニル-3-アザヘキサン)を反応させることにより、糖コポリマー(例えば糖-スチレンブロックコポリマー)を合成することができる。
NMP重合は、アルコキシアミン誘導体を開始剤として加熱することで、モノマー分子とカップリングと反応を起こしニトロキシドを生じさせる。その後、熱解離によりラジカルが生じることでポリマー化反応が進む。このようなNMP重合は、リビングラジカル重合反応の一種である。モノマー(例えばスチレンモノマーとキシロオリゴ糖の末端のβ-1位にメタクリル酸を付加した糖メタクリレート化合物)とを混合し、2,2,6,6-tetramethylpiperidine 1-oxyl(TEMPO)を開始剤とし、140℃で加熱することでポリスチレン-ポリ糖メタクリレートランダムコポリマーを合成することができる。
クリック反応は、プロパルギル基をもつ糖とCu触媒を用いた1,3-双極アジド/アルキン環化付加反応である。
パターン形成用組成物の製造方法では、上述したポリマーと溶媒を混合することが好ましい。溶媒は、有機溶媒であることが好ましく、有機溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、含硫黄系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
パターン形成用組成物を製造する際には、任意成分として、イオン液体をさらに配合してもよい。イオン液体とは、100℃以下で液体であり、かつ、イオンのみから構成される溶媒をいう。イオン液体を構成するイオンは、カチオン部及びアニオン部の少なくとも一方が有機イオンから構成される。
本発明は、上述したポリマーを含むパターン形成用組成物を基板上に塗布し、パターン形成用膜を形成する工程と、パターン形成用膜の少なくとも一部に金属を導入し、金属含有パターン形成用膜を得る工程と、を含むパターン形成方法に関するものでもある。ここで、金属含有パターン形成用膜に含まれる金属の総含有量は4.0atom%以上であり、金属含有パターン形成用膜の厚み方向における最大金属含有率をAatom%とし、パターン形成用膜の厚み方向の中間点における金属含有率をBatom%とした場合、A/Bの値は8.5以上である。すなわち、金属含有パターン形成用膜を得る工程は、金属含有パターン形成用膜に含まれる金属の総含有量と、A/Bの値が上記条件を満たすように金属を導入する工程である。本発明のパターン形成方法によれば、パターン形成用組成物からパターン形成用膜を形成した後に基板にパターン形状を加工する際のエッチング加工性を高めることができる。
60atom%以下であることが好ましく、50atom%以下であることがより好ましい。そして、金属含有パターン形成用膜を得る工程では、A/Bの値が8.5以上となるようにパターン形成用膜の金属が導入される。ここで、Aは、金属含有パターン形成用膜の厚み方向における最大金属含有率(atom%)であり、Bは、パターン形成用膜の厚み方向の中間点における金属含有率(atom%)である。
[コポリマー1の合成]
(アセチル糖メタクリレート1の合成)
キシロース20gを無水酢酸250gと酢酸320gの混合溶液へ添加し、30℃で2時間撹拌した。溶液のおよそ5倍量の冷水を撹拌しながらゆっくりと加え、2時間撹拌したのちに1晩静置した。フラスコ中でTHF400mLにエチレンジアミン1.2gと酢酸01.4gを加えて0℃にした溶液に、析出した結晶10gを加え、4時間撹拌した。これを冷水1Lに注入し、ジクロロメタンで2回抽出した。この抽出物20g、ジクロロメタン300mL及びトリエチルアミン4.8gをフラスコに入れ、-30℃に冷却した。塩化メタクリロイル2.8gを加えて2時間撹拌した。これを冷水300mLに注入し、ジクロロメタンで2回抽出し、溶媒を濃縮することにより、アセチル糖メタクリレート1を16.1g得た。得られたアセチル糖メタクリレート1の構造は以下のとおりである。
アセチル糖メタクリレート12.0g、スチレン(東京化成社製)2.6g、グリシジルメタクリレート(東京化成社製)2.6g、溶媒としてTHF100g、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.8gをフラスコに入れた後、ガラス容器を密閉し、窒素置換した窒素雰囲気下、78℃に昇温し6.0時間撹拌した。その後、室温に戻し、ガラス容器内を大気下とし、得られた溶液にメタノール300g中に滴下し、重合物を析出させた。その後、析出した重合物を含む溶液を吸引ろ過し、白色のコポリマー1 12gを得た。得られたコポリマー1は以下の構成単位を含む。
[コポリマー2の合成]
(アセチル糖メタクリレート-スチレン-グリシジルメタクリレートランダムコポリマーの合成)
コポリマー1の合成にて、スチレンの添加量を2.6gから2.1gに変更し、グリシジルメタクリレートを添加しなかった以外は同様の方法にてコポリマー2 12.0gを得た。
[コポリマー3の合成]
(アセチル糖メタクリレート-スチレンランダムコポリマーの合成)
コポリマー1の合成にて、スチレンの添加量を2.6gから2.3gに変更し、グリシジルメタクリレートの添加量を2.6gから0.8gに変更した以外は同様の方法にてコポリマー3 12.0gを得た。
[コポリマー4の合成]
(アセチル糖メタクリレート-スチレン-グリシジルメタクリレートランダムコポリマーの合成)
コポリマー1の合成にて、スチレンの添加量を2.6gから3.0gに変更し、グリシジルメタクリレートの添加量を2.6gから5.0gに変更した以外は同様の方法にてコポリマー4 12.0gを得た。
[コポリマー5の合成]
(アセチル糖メタクリレート-スチレン-グリシジルメタクリレートランダムコポリマーの合成)
コポリマー1の合成にて、スチレンの添加量を2.6gから4.3gに変更し、グリシジルメタクリレートの添加量を2.6gから0.9gに変更した以外は同様の方法にてコポリマー5 12.0gを得た。
(単位(l):単位(m):単位(n)の比率)
1H-NMRにより、コポリマーの単位(l)と単位(m):単位(n)の比率(質量比)を求めて、算出した。具体的には、ポリマー10mg秤量、重クロロホルム1mLに溶解してNMR用溶液を調製し、得られた溶液をNMRサンプルチューブ(関東化学社)に移し、FT-NMR(JNM-ECZ600R:JEOL社)により1H-NMR測定を行った。
各コポリマーを5質量%、重合触媒のp-トルエンスルホン酸0.5質量%となるようPGMEAに溶解し、ポリマー溶液サンプルを得た。
得られたポリマー溶液サンプルを2インチのシリコンウエハー基板上にスピンコーティングした。膜厚が300nmとなるように塗布した後、ホットプレート上において230℃で5分間焼成し、パターン形成用膜を形成した。
このようにして形成したパターン形成用膜を、ALD(原子層堆積装置:PICUSAN社製 SUNALE R-100B)に入れ、95℃にてTMA(トリメチルアルミニウム、Al(CH3)3)ガスを300秒導入した後、水蒸気を150秒導入した。この操作を3回繰り返すことで、パターン形成用膜にAl2O3を導入した。
Al2O3導入後のコポリマー成膜サンプルを、XPS装置(Thermo Fisher Scientific社製 Nexsa XPS System)内に設置し、Arイオンを用いたスパッタリングと、XPS分析(X線光電子分光分析)による表面元素濃度の測定ならびに膜厚測定を順次繰り返し、膜厚方向でのAl元素の濃度プロファイルを得た。Al2O3導入後のパターン形成用膜の膜厚は、各スパッタリング時間毎に、元素濃度測定実施部分と未スパッタリング部分に生じた段差部分を、触診式段差計(株式会社小坂製作所製 型番:ET-4000)にて測定することで求めた。
得られたポリマー溶液サンプルを、シリコン酸化膜(膜厚2μm)付2インチのシリコンウエハー基板上にスピンコーティングした。膜厚が300nmとなるように塗布した後、ホットプレート上で230℃1分間焼成し、パターン形成用膜を形成した。
ラインアンドスペース(ライン幅100nm、スペース幅100nm)の形状となるようにパターン形成用膜をマスクし、ArFエキシマレーザー露光機にて市販のArFレジストを用いて露光を行った。その後、ホットプレート上において105℃で1分間焼成した後、現像液を浸漬することで、パターン形成用膜上にラインアンドスペースパターンを形成した。
次にこのパターンサンプルに対して、ICPプラズマエッチング装置(東京エレクトロン社製)にて、プラズマ処理を施した。基板を酸素プラズマ処理(100sccm、4Pa、100W、60秒間)することで、フォトレジストが除去され、パターン形成用膜にラインアンドスペースパターンが形成された。その後、ALD(原子層堆積装置:PICUSAN社製 SUNALE R-100B)中において、95℃にてTMA(トリメチルアルミニウム、Al(CH3)3)ガスを500Paの圧力下で300秒導入した後、水蒸気を300Paの圧力下で150秒導入した。この操作を3回繰り返すことで、パターン形成用膜にAl2O3を導入した。このパターンをマスクとして、六フッ化エタン(C2F6)とArガスを使用しICPプラズマエッチング装置(東京エレクトロン社製)でプラズマ処理(100sccm、0.4Pa、200W、120秒間)を行ないシリコン酸化膜のドライエッチング加工を行った。
六フッ化エタン(C2F6)とArガスを使用したプラズマ処理前後のシリコン酸化膜のパターン形成されている断面を走査型電子顕微鏡(SEM)JSM7800F(日本電子製)で、加速電圧1.5kV、エミッション電流37.0μA、倍率100,000倍で観察し、それぞれ金属導入されたパターン形成用膜の厚み(図2(b)における厚みcと、図2(c)における厚みc’)と、シリコン酸化膜部へ加工された深さ(図2(c)における深さd)を測定した。そして、下記の式によりエッチング選択比を算出した。
エッチング選択比=シリコン酸化膜への加工深さ/(プラズマ処理前パターン形成用膜の厚み-プラズマ処理後パターン形成用膜の厚み)
そして、エッチング加工性を以下の基準で評価した。
◎:エッチング選択比が10以上であるもの
○:エッチング選択比が2以上10未満であるもの
×:エッチング選択比が2未満であるもの
「最大Al含有率」とは、各プロファイルにおける膜中のAl濃度が最大となる点のAl含有率である。
「A/B比」とは、次式で求めたAl含有量の比率である。
A/B比=最大Al含有率/膜厚の中間点における膜中Al含有率
20 パターン形成用膜
Claims (9)
- ポリマーを含み、金属が導入されるパターン形成用膜の形成に用いられるパターン形成用組成物であって、
前記パターン形成用組成物を基板上に塗布して、厚みが300nmのパターン形成用膜を形成し、前記パターン形成用膜を原子層堆積装置に入れ、500Paの圧力下で
95℃にてトリメチルアルミニウムガスを300秒導入した後、水蒸気を150秒導入する操作を3回繰り返すことで、パターン形成用膜にAl 2 O 3 を導入した場合、
前記パターン形成用膜に含まれる金属の総含有量が4.0atom%以上となり、
前記パターン形成用膜の厚み方向における最大金属含有率をAatom%とし、前記パターン形成用膜の厚み方向の中間点における金属含有率をBatom%とした場合、A/Bの値が10.0以下となる、パターン形成用組成物。 - 前記ポリマーは、糖誘導体に由来する単位を含む、請求項1に記載のパターン形成用組成物。
- 前記糖誘導体に由来する単位は、下記一般式(103)で表される構造及び下記一般式(104)で表される構造から選択される少なくとも一方を含む、請求項2に記載のパターン形成用組成物;
- 前記ポリマーは、下記一般式(105)で表される構造をさらに有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のパターン形成用組成物;
- 前記ポリマーは、糖誘導体に由来する単位を含み、前記ポリマーにおける前記糖誘導体に由来する単位の含有率は65~85質量%である、請求項1~4のいずれか1項に記載のパターン形成用組成物。
- パターン形成用マスク材料である、請求項1~5のいずれか1項に記載のパターン形成用組成物。
- ポリマーを含むパターン形成用組成物を基板上に塗布し、パターン形成用膜を形成する工程と、
前記パターン形成用膜の少なくとも一部に金属を導入し、金属含有パターン形成用膜を得る工程と、を含むパターン形成方法であって、
前記金属含有パターン形成用膜に含まれる金属の総含有量が4.0atom%以上であり、
前記金属含有パターン形成用膜の厚み方向における最大金属含有率をAatom%とし、前記パターン形成用膜の厚み方向の中間点における金属含有率をBatom%とした場合、A/Bの値が10.0以下である、パターン形成方法。 - 前記パターン形成用膜を形成する工程の後に、前記パターン形成用膜にパターンを形成する工程をさらに含む、請求項7に記載のパターン形成方法。
- 前記金属含有パターン形成用膜を得る工程の後に、エッチング工程をさらに含む、請求項7又は8に記載のパターン形成方法。
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