JP2023157358A - 接触子、接触子の製造方法、遮断器、および開閉器 - Google Patents

接触子、接触子の製造方法、遮断器、および開閉器 Download PDF

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Fumihiko Kusano
悠馬 横井
Yuma Yokoi
慎一 石川
Shinichi Ishikawa
晃平 舩津
Kohei Funatsu
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Abstract

Figure 2023157358000001
【課題】接点および台金の設計自由度の向上を図りつつ、接点と台金とのより安定した接合強度を有した接触子を得ること。
【解決手段】接触子は、台金3と、台金3に固定され台金3よりも硬度の高い接点4と、接点4よりも硬度が低く塑性流動可能な中間金属と台金の素材である台金金属とが混合した混合層5と、を備える。接点4のうち台金3側の面には溝が形成されている。溝には中間金属または中間金属と台金金属との混合物が充填されている。
【選択図】図1

Description

本開示は、台金に接点が接合された接触子、接触子の製造方法、遮断器および開閉器に関する。
遮断器および開閉器は可動接触子及び固定接触子を備える。可動接触子および固定接触子は接点と接点が設けられる台金とを備える。例えば、特許文献1に開示されているように、接点と台金は、ろう付、抵抗溶接、カシメ、超音波接合、摩擦接合などによって接合されている。
特許第6645641号公報
接点及び台金を超音波接合や摩擦接合をしようとする際には、加圧しながら超音波振動もしくは回転などによって、接点及び台金の界面に摩擦力を与える。これによって、金属表面にある酸化被膜を破壊するとともに、破壊後も加圧及び振動による摩擦力を与え続けることで、界面にあった酸化被膜が外部に排出されるか、接点および台金の少なくとも一方の内部に取り込まれることによって、界面部分に新生面が創出され、創出部分では金属同士の結合が発生して、強固な接合が達成される。接合を達成するためには、振動によって酸化被膜が破壊され、かつ、酸化被膜が外部に排出されるか金属内部に取り込まれる材料、すなわち塑性流動が可能な材料を選択する必要がある。
特許文献1では、接点の表面に設けられた溝に接点材料および台金の金属が入り込むことによって強度を向上した例が述べられているが、この方法を用いた場合、接合できる接点及び台金の形が限定される恐れがある。特に、一般的に遮断器もしくは開閉器に用いられる接点の材料には銀の焼結金属または酸化物が用いられるため、超音波振動などを与えても塑性流動が起きにくく、この場合は台金側が塑性流動を積極的に起して、接点の表面に設けられた溝に材料を入れ込む必要がある。このため両金属間の新生面の創出および酸化被膜の外部への排出が起きにくいこと、接点の溝に十分に台金金属が充填されない恐れがあることにより、接合強度が弱くなるおそれおよび台金の材料が特に塑性流動しやすいものに限定されてしまうおそれがある。また、特許文献1の中で記載された通り、設けられた溝形状が、深さが幅よりも長い形でないと強度が弱い場合が多い。これにより、接点の設計形状が限定されてしまうという課題があった。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、接点および台金の設計自由度の向上を図りつつ、接点と台金とのより安定した接合強度を有した接触子を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる接触子は、台金と、台金に固定され台金よりも硬度の高い接点と、接点よりも硬度が低く塑性流動可能な中間金属と台金の素材である台金金属とが混合した混合層と、を備える。接点のうち台金側の面には溝が形成されている。溝には中間金属または中間金属と台金金属との混合物が充填されている。
本開示によれば、接点および台金の設計自由度の向上を図りつつ、接点と台金とのより安定した接合強度を有した接触子を得ることができるという効果を奏する。
実施の形態1における接触子を使用した遮断器または開閉器の通電部分および引き剥がし機構を示す図 実施の形態1における接触子の構成の一例を示した図 図2に示す接触子の側面図 図2に示すI-I線断面図 図2に示すII―II線断面図 図2に示すIII-III線断面図 図2に示すG方向から接触子を見た平面図 図2に示すH部分を拡大した部分拡大図 実施の形態1における接触子の構成の他の例を示した図 図9に示す接触子の側面図 図9に示すI-I線断面図 図9に示すII―II線断面図 図9に示すIII-III線断面図 図9に示すG方向から接触子を見た平面図 図9に示すH部分を拡大した部分拡大図 実施の形態1における接触子の構成のさらに他の例を示した図 図16に示す接触子の側面図 図16に示すI-I線断面図 図16に示すII―II線断面図 図16に示すIII-III線断面図 図16に示すG方向から接触子を見た平面図 図16に示すH部分を拡大した部分拡大図 実施の形態2における接触子の構成の一例を示した図 図23に示す接触子の側面図 図23に示すIV-IV線断面図 図25に示すV-V線断面図 図25に示すVI-VI線断面図 図25に示すVII-VII線断面図 図25に示すJ方向から見た平面図 図25に示すK部分の部分拡大図 実施の形態3における接触子の構成の一例を示した図 図31に示す接触子の側面図 図31に示すI-I線断面図 図31に示すII―II線断面図 図31に示すIII-III線断面図 図31に示すG方向から接触子を見た平面図 図31に示すH部分を拡大した部分拡大図 実施の形態4における接触子の構成の一例を示した図 図38に示す接触子の側面図 図38に示すI-I線断面図 図38に示すII―II線断面図 図38に示すIII-III線断面図 図38に示すG方向から接触子を見た平面図 図38に示すH部分を拡大した部分拡大図 実施の形態5における接触子の構成の一例を示した図 図45に示す接触子の側面図 図45に示すI-I線断面図 図45に示すII―II線断面図 図45に示すG方向から接触子を見た平面図 図45に示すH部分を拡大した部分拡大図 実施の形態6における接触子の構成の一例を示した図 図51に示す接触子の側面図 図51に示すI-I線断面図 図51に示すII―II線断面図 図51に示すIII-III線断面図 図51に示すG方向から接触子を見た平面図 図51に示すH部分を拡大した部分拡大図 実施の形態6における接触子の構成の他の一例を示した図 図58に示す接触子の側面図 図58に示すI-I線断面図 図58に示すII―II線断面図 図58に示すG方向から接触子を見た平面図 図58に示すH部分を拡大した部分拡大図 実施の形態6における接触子の構成のさらに他の例を示した図 図64に示す接触子の側面図 図64に示すI-I線断面図 図64に示すII―II線断面図 図64に示すIII-III線断面図 図64に示すG方向から接触子を見た平面図 図64に示すH部分を拡大した部分拡大図 実施の形態6における接触子の構成のさらに他の例を示した図 図71に示す接触子の側面図 図71に示すI-I線断面図 図71に示すII―II線断面図 図71に示すG方向から接触子を見た平面図 図71に示すH部分を拡大した部分拡大図 実施の形態1から実施の形態6にかかる接触子の製造方法の一例を示すフローチャート 図77に示した製造方法での製造過程を示す図 図77に示した製造方法での製造過程を示す図 図77に示した製造方法での製造過程を示す図 接触子を製造する接合装置の一例を示す図であり正面図 接触子を製造する接合装置の一例を示す図であり側面図 接触子を製造する接合装置の他の例を示す図であり正面図 接触子を製造する接合装置の他の例を示す図であり側面図 実施の形態1から実施の形態6にかかる接触子の製造方法の他の例を示すフローチャート 図85に示した製造方法での製造過程を示す図 図85に示した製造方法での製造過程を示す図 図85に示した製造方法での製造過程を示す図 実施の形態1から実施の形態6にかかる接触子の製造方法のさらに他の例を示すフローチャート 図89に示した製造方法での製造過程を示す図 図89に示した製造方法での製造過程を示す図
以下に、本開示にかかる接触子、接触子の製造方法、遮断器、および開閉器を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における接触子を使用した遮断器または開閉器の通電部分および引き剥がし機構を示す図である。実施の形態1の接触子1は、主として低電圧用遮断器もしくは電磁開閉器などの開閉器に使用されるものである。なお、以下の説明では低電圧用遮断器に用いた場合の説明を行うが、高電圧用遮断器に用いても、電磁開閉器に用いてもよい。
図1に示す遮断器の通電部に用いられる接触子1は大きく分類して遮断器の筐体に固定された接触子(固定接触子)1aと、可動する接触子(可動接触子)1bの2つである。接触子1a,1bに設計値以上の電流が流れた場合、可動する接触子1bとつながった引き剥がし機構2によって、可動する接触子1bが移動されて、固定された接触子1aとの接触を物理的に引き剥がされ、これにより電流が遮断されるものである。
可動する接触子1aと固定された接触子1bは、それぞれ接点4と、接点4とは異なる材料で構成される台金3とを備える。図1に示した接触子1は可動側と固定側がそれぞれ1個ずつとなっているが、遮断しなければならない電圧・電流に応じて、固定側1個に対し、可動側が2個以上となる構成となってもよい。また、可動側1個に対し、固定側2個以上となってもよい。実施の形態1を使用する接触子1はこのような状態で使用されるものであり、可動側に使用しても固定側に使用しても両方に使用してもよい。
このような接触子1が備える台金3および接点4は、遮断もしくは開閉に求められる性能によって、さまざまな材料および形状を有している。以下の説明では、直方体形状を有する接点4と台金3を用いるが、用途に合わせて、接点4の形状は、円柱形状であっても、対となる接触子1との表面のみ円弧上の形状となる立体形状であってもよい。本開示の接触子1はこのような状況で用いられるものである。
図2は、実施の形態1における接触子の構成の一例を示した図である。図2では、X軸方向を台金3および接点4の長手方向、Y軸方向を台金3および接点4の高さ方向、Z軸方向を台金3および接点4の短手方向と定義した。図2を、XY平面が正面になるように見た時の正面図とする。図3は、図2に示す接触子の側面図である。図4は、図2に示すI-I線断面図である。図5は、図2に示すII―II線断面図である。図6は、図2に示すIII-III線断面図である。図7は、図2に示すG方向から接触子を見た平面図である。図8は、図2に示すH部分を拡大した部分拡大図である。なお、I-I線断面は接点溝41のX方向の中心線が通る断面であり、II―II線断面は接点溝41と接点溝42の間の溝無し部分のX方向の中心線が通る断面であり、III-III線断面は接点溝42のX方向の中心線が通る断面である。
図9は、実施の形態1における接触子の構成の他の例を示した図である。X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の定義は図2と同様である。図10は、図9に示す接触子の側面図である。図11は、図9に示すI-I線断面図である。図12は、図9に示すII―II線断面図である。図13は、図9に示すIII-III線断面図である。図14は、図9に示すG方向から接触子を見た平面図である。図15は、図9に示すH部分を拡大した部分拡大図である。なお、I-I線断面は接点溝41のX方向の中心線が通る断面であり、II―II線断面は接点溝41と接点溝42の間の溝無し部分のX方向の中心線が通る断面であり、III-III線断面は接点溝42のX方向の中心線が通る断面である。
図16は、実施の形態1における接触子の構成のさらに他の例を示した図である。X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の定義は図2と同様である。図17は、図16に示す接触子の側面図である。図18は、図16に示すI-I線断面図である。図19は、図16に示すII―II線断面図である。図20は、図16に示すIII-III線断面図である。図21は、図16に示すG方向から接触子を見た平面図である。図22は、図16に示すH部分を拡大した部分拡大図である。なお、I-I線断面は接点溝41のX方向の中心線が通る断面であり、II―II線断面は接点溝41と接点溝42の間の溝無し部分のX方向の中心線が通る断面であり、III-III線断面は接点溝42のX方向の中心線が通る断面である。
接触子1は、台金3と、台金3の素材である台金金属に比べて硬度の高い素材で形成された接点4と、台金3と接点4の間に設けられて、接点4の素材よりも硬度が低く、塑性流動が可能で、かつ導電性の高い中間金属と台金金属が混合した中間金属・混合層(混合層)5と、を備える。また、接点4の台金側には溝(接点溝41,42)が形成されている。その溝が接点4の短手方向にあたるZ方向と平行方向に存在している。
図2から図8において、台金3のZ方向長さをA、X方向最大長さをB、Y方向最大長さをC、接点4のZ方向最大長さをa、X方向最大長さをb、Y方向最大長さをc、接点4の台金側に設けられた接点溝41のZ方向最大長さをa、X方向最小長さをb、最大長さをb、接点端から接点溝41の中心線までのX方向長さをb、接点溝42のZ方向最大長さをa、X方向最小長さをb、最大長さをb、Y方向最大長さをc、接点端から接点溝42の中心線までのX方向長さをb、接点溝41と接点溝42の間の溝無し部分の中心線までの接点端からのX方向長さをb、台金3と接点4の間にある中間金属・混合層5におけるX方向最大長さをe、Y方向最大長さをf、Z方向最大長さをd、接点溝41のX方向の中心線を通る断面におけるZ方向最大長さをd、接点溝41と接点溝42の間の溝無し部分のX方向の中心線を通る断面におけるZ方向長さ最大をd、接点溝42のX方向の中心線を通る断面におけるZ方向最大長さをdとすると、0<a≦a、0<b≦b<0.5b、0<c<c、c≦b、0<a≦a、b≦b<0.5b、0<c<c、c≦b6、0≦e、0≦f、0<d、d、d≦d、b<Bの関係性をもつ構造を接触子1は有する。
図9から図15においては、図4および図6に記載の接点溝41および接点溝42が接点4のX方向最大長さa=a=aとなった時の形状を示す。
図16から図22においては、0<a≦a、0<b≦b<0.5b、0<c<c、b<c、0<a≦a、0<b≦b<0.5b、0<c<c、b<c、0<e、0<f、0<d、d、d≦d、b<Bの関係性をもつことを特徴とする。また、図9から図15と同様に接点溝41および接点溝42が接点4のX方向最大長さa=a=aとなってもよい。
なお、図2から図22においては、接点4の台金3側に設けられた溝は2個で図示されているが、1個であっても、3個以上であってもよい。また、溝の形状は台形形状が記載されているが、形状は限定されない。溝形状の角部にはR部があってもよい。前記の寸法関係以外は形状に合わせて設計することができる。溝形状の作成時のしやすさから、図2から図22においては、できるだけ、a=a、b=b、b=b、b=b、b=0.5b、c=cとなることが望ましいが、接点4と台金3の材質・形状によって最適な値が決まるため、必ずしもそれぞれの寸法が一致する必要はない。接触子1として使用する際にできるだけ接点4自体の材料比率を高くすることで接点4自体の強度が強くなるため、接点4に設ける接点溝41および接点溝42の高さ方向寸法cおよびcはできるだけ小さくした方が良い。
一例として、台金3のZ方向最大長さA=5mm、接点4のZ方向最大長さa=5mm、X方向最大長さb=8mm、Y方向最大長さc=3mmとした場合、図2から図15においては、0<a≦5mm、0<b≦b<4mm、0<c<3mm、c≦b、0<a≦5mm、0<b≦b<4mm、0<c<3mm、c≦b6、e≧8mm、0<f≦200μm、d≧d、d、d≧5mmとなるように設定する。図16から図22においては0<a≦5mm、0<b≦b<c<3mm、0<a≦5mm、0<b≦b<c<3mm、e>0mm、0<f≦200μm、d≧d、d、d≧5mmとなるように設定する。
このような構成とすることで、接点4と台金3を超音波接合や摩擦接合によって固相接合しようとする際に、塑性流動可能な中間金属が存在することで、接点材料が塑性流動困難な材料であっても、中間金属と台金3自体が混合、酸化被膜の破壊により、接合が可能となる。また、接点に中間金属よりも硬度の高い金属を用いた場合は、接点の台金3側の溝のない部分が優先的に中間金属および台金3が優先的に加圧され、中間金属及び台金3の間の塑性流動が促進されることで、酸化被膜を破壊して新生面を創出し、台金3と中間金属の間で金属接合が達成されると共に、両金属の混合が生じてより強固な接合が達成される。遮断時や開閉時に発生するアークによって接合部が高温化しても脱落がしにくくなり、接触子としての信頼性が高くなる。さらに、両金属の表面に存在した酸化被膜と、中間金属および台金金属を接点溝41,42の形状に沿って接点裏面から外部に押し出すことができる。これにより、外部に中間金属および台金金属の混合物がバリとして排出され、新生面を創出して金属接合の比率を上げ、より強固で安定した接合が可能となる。したがって、台金3および接点4の設計自由度の向上が図られる。このバリは接合ができているかどうかの目安としても利用することができる。このバリは、遮断器もしくは開閉器に組み込んだ際に脱落すると、不必要なアークが飛んで接触子としての寿命を縮める恐れがあるため、必要に応じて、後で接点もしくは台金3の幅方向と同じ長さまで除去加工を行えばよい。
このようにしてできた接触子1は、ろう材層など電気抵抗値をあげる材料がないため、電気回路全体の抵抗値上昇を抑制することができ、遮断後や開閉後の電気回路自体の温度上昇を抑制することができ、温度上昇対策などをより簡単にすることができる。さらに、接合時の入熱もろう付や抵抗溶接に比べ、低い入熱で接合が達成される。ろう付や抵抗溶接の場合、接点直下の台金は瞬間的に600℃以上になることで、たとえもともと台金が焼きなまし処理状態のO材を加工硬化させたH材など硬い材料であっても、図2から図22のY方向全体が焼きなまし処理状態のO材など軟らかい材料に戻ってしまうことが多い。一方で、超音波接合や摩擦接合を用いることで、台金3側の温度上昇による硬度低下を接合部周辺の数ミリ程度に留めることができ、接触子1としての剛性を大きく落とすことがないという、従来にない効果を得ることができる。
さらに、図2から図15に示した通り接点4に設けられた溝の幅が、深さ以下に設定をすれば溝と溝の間の接点4の金属部分が小さくなり、その部分でより高い圧力で加圧することができ、中間金属と台金金属の混合部分の面積が大きくなるため、より強固な接合を達成することが可能である。また、接点4の短手方向と平行方向に接点4の溝が存在することで、超音波接合時の振動を溝と平行方向に与えた場合、前記の中間金属と中間金属・混合層5の接合外部への排出を促進することができ、接合部の新生面の比率を上げることができ、より強固な接合達成できる。また、図2から図8に示したような接点4の外周まで溝が到達していない場合には、接点外部への中間金属等の排出が難しくなるが、外部へ移動しようとする中間金属・混合層5が接点4に設けられた溝と衝突し、さらに混合が促進され強固な接合を達成することができる。また、図16から図22に示した通り、接点4に設けられた溝が接点4の外周まで到達していれば、接合外部への中間金属等の排出がより促進され、接合部の新生面の比率を上げ、より強固な接合が達成されるという従来にない効果を得ることができる。
また、図16から図22に示した通り接点4に設けられた溝の幅が、深さよりも大きく設定された場合でも接点4の溝と溝の間の金属部分で加圧することができるとともに、中間金属と台金金属の混合部分が溝内部まで入り込んでいることで、より強固な接合を達成することが可能であるという従来にない効果を得ることができる。
また、図2から図15と同様に接点4の短手方向と平行方向に接点4の溝が存在することで、超音波接合時の振動を溝と平行方向に与えた場合、前記の中間金属および台金金属の混合物の接合外部への排出を促進し、接合部の新生面の比率を上げることができ、より強固な接合が達成できる。
一方で、超音波接合などの振動方向と垂直方向に設置した場合でも、接合部外部へ移動しようとする中間金属・混合層5が接点4に設けられた溝と衝突し、跳ね返されることで、より中間金属と台金の混合が進みやすくなり、強固な接合を達成することが可能である。さらに図9から図15と同様に、接点4に設けられた溝が接点外周まで到達していれば、中間金属等の接合外部への排出がより促進され、接合部の新生面の比率を上げ、より強固な接合が達成されるという従来にない効果を得ることができる。
また、図2から図22において、溝が2個でかつb=0.5bすなわち、2個の溝の間が接点4の中心部(接点中心部)にある場合は、上記効果に加え、接点中心部が接点4の硬い金属であることから、接点中心部を優先的に加圧することができる。これにより、優先的に加圧・振動を与えることができ、接点中心部から周辺部へ接合が広がり、接合したい面全体を接合することが可能となるという従来にない効果を得ることができる。
実施の形態2.
図23は、実施の形態2における接触子の構成の一例を示した図である。X軸、Y軸、Z軸は図2と同様に定義する。図23はXY平面が正面になるように見た時の正面図となる。図24は、図23に示す接触子の側面図である。図25は、図23に示すIV-IV線断面図である。図26は、図25に示すV-V線断面図である。図27は、図25に示すVI-VI線断面図である。図28は、図25に示すVII-VII線断面図である。図29は、図25に示すJ方向から見た平面図である。図30は、図25に示すK部分の部分拡大図である。IV-IV線断面は接点4のX方向の中心線が通る断面である。V-V線断面は接点溝43のZ方向の中心線が通る断面である。VI-VI線断面は接点溝43と接点溝44の間の溝無し部分のZ方向の中心線が通る断面である。VII-VII線断面は接点溝44のZ方向の中心線が通る断面である。
図23から図30で示した接触子1は、実施の形態1と同様に、台金3と、台金3の素材である台金金属に比べて硬度の高い接点4と、台金3と接点4の間に、接点4よりも硬度が低く、塑性流動が可能で、かつ導電性の高い中間金属と台金金属とが混合した中間金属・混合層5を有するとともに、接点4の台金側に溝(接点溝43,44)が形成されている。さらに、その溝が接点4の長手方向にあたるX方向と平行方向に延びている。
図23から図30において、台金3のZ方向最大長さをA、X方向最大長さをB、Y方向最大長さをC、接点4のZ方向最大長さをa、X方向最大長さをb、Y方向最大長さをc、接点4の台金3側に設けられた接点溝43のZ方向最大長さをa、Z方向の最小長さをa、X方向最大長さをb、Y方向最大長さをc、接点端から接点溝43の中心線までのZ方向長さをa、X方向最大長さをb10、接点4の台金3側に設けられた接点溝44のZ方向最大長さをa、Z方向の最小長さをa、X方向最大長さをb11、Y方向最大長さをc、接点端から接点溝44の中心線までのZ方向長さをa、X方向長さをb12、接点溝43と接点溝44の間の溝無し部分の中心線までの接点端からのZ方向長さをa、台金3と接点4の間にある中間金属・混合層5におけるZ方向最大長さをd、X方向最大長さをe、Y方向最大長さをf、接点4のX方向の中心線を通る断面におけるZ方向最大長さをd、接点溝43の中心線を通る断面におけるX方向最大長さをe、接点溝43と接点溝44の間の溝無し部分の中心線を通る断面におけるX方向最大長さをe、接点溝43の中心部を通る断面におけるX方向最大長さをeとすると、0<a≦a<0.5a、0<b≦b、0<c<c、0<a≦a<0.5a、0<b11≦b、0<c<c、0<e、0<d≦d、0<e、0<f、b<Bの関係性をもつ構造を接触子1は有する。実施の形態1で示した通り、b=b11=b、つまり接点溝43,44が外周まで到達していてもよい。また溝の幅と深さの関係は溝の幅が深さ以上であっても、深さ未満であってもよい。また、図23から図30においては接点4の台金3側に設けられた溝は2個で図示されているが、実施の形態1と同様に1個であっても、3個以上であってもよい。また、溝形状は台形形状が記載されているが、形状は限定されない。溝形状の角部にはR部があってもよい。前記の寸法関係以外は形状に合わせて設計することができる。溝形状の作成時のしやすさから、図23から図30においては、a=a、a=a、a=0.5a、b=b11、c=cとなることが望ましいが、接点4と台金3の材質・形状によって最適な値が決まるため、必ずしもそれぞれの寸法が一致する必要はない。接触子1として使用する際にできるだけ接点4自体の材料比率を高くすることで接点4自体の強度が強くなるため、接点4に設ける接点溝43および接点溝44の高さ方向寸法cおよびcはできるだけ小さくした方が良い。
一例として、台金3のZ方向最大長さA=5mm、接点4のZ方向最大長さa=5mm、X方向最大長さb=8mm、Y方向最大長さc=3mmとした場合、図5においては、0<a≦a<2.5mm、0<b≦8mm、0<c<3mm、0<a≦a<2.5mm、0<b11≦8mm、0<c<3mm、e>0mm、0<f≦200μm、d≧d≧5mmとなるように設定する。
このような構成とすることで、接点4と台金3を超音波接合や摩擦接合によって固相接合しようとする際に、接点自体が中間金属よりも硬度が高く、接点4に設けられた溝があり、中間金属が存在することによって、実施の形態1と同様に台金3および中間金属の混合・新生面の創出および接点溝43,44にそった中間金属および中間金属と台金金属の混合層の排出により、強固な接合が達成される。さらに、接点4の長手方向と平行方向に接点溝43,44が存在することで、超音波接合時の振動を溝の延びる方向と平行方向に与えた場合、実施の形態1と同様に前記の中間金属および台金金属の混合物の接合外部への排出を促進し、接合部の新生面の比率を上げることができ、より強固な接合達成できる。一方で、超音波接合などの振動方向を溝の延びる方向と垂直方向に設定した場合でも、実施の形態1と同様に、中間金属と台金の混合が進みやすくなり、強固な接合を達成することが可能である。
また、図9から図15と同様に、接点4に設けられた溝が接点外周まで到達していれば、接合外部への中間金属等の排出がより促進され、接合部の新生面の比率を上げ、より強固な接合が可能となる。また、図23から図30において、溝が2個でかつa=0.5aすなわち、2個の溝の間が接点中心部にある場合は、上記効果に加え、接点中心部が接点の硬い金属であることから、接点中心部を優先的に加圧することができる。これにより、優先的に加圧・振動を与えることができ、中心部から周辺部へ接合が広がり、接合したい面全体を接合することが可能となるという従来にない効果を得ることができる。
実施の形態3.
図31は、実施の形態3における接触子の構成の一例を示した図である。X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の定義は図2と同様である。図32は、図31に示す接触子の側面図である。図33は、図31に示すI-I線断面図である。図34は、図31に示すII―II線断面図である。図35は、図31に示すIII-III線断面図である。図36は、図31に示すG方向から接触子を見た平面図である。図37は、図31に示すH部分を拡大した部分拡大図である。なお、I-I線断面は接点溝41のX方向の中心線が通る断面であり、II―II線断面は接点溝41と接点溝42の間の溝無し部分のX方向の中心線が通る断面であり、III-III線断面は接点溝42のX方向の中心線が通る断面である。
図31から図37で示した接触子1は、実施の形態1および実施の形態2と同様に、台金3と、台金金属に比べて硬度の高い接点4と、台金3と接点4の間に、接点4よりも硬度が低く、塑性流動が可能で、かつ導電性の高い中間金属と台金金属とが混合した中間金属・混合層5を有するとともに、接点4の台金3側に溝を有する。さらに、その溝の深さが中間金属・混合層5の厚みよりも小さい。
図31から図37において、台金3のZ方向長さをA、X方向最大長さをB、Y方向最大長さをc、接点4のZ方向最大長さをa、X方向最大長さをb、Y方向最大長さをc、接点4の台金3側に設けられた接点溝41のZ方向最大長さをa、X方向の最小長さをb、最大長さをb、接点端から接点溝41の中心線までのX方向長さをb、接点溝42のZ方向最大長さをa、X方向最小長さをb、最大長さをb、Y方向最大長さをc、接点端から接点溝42の中心線までのX方向長さをb、接点溝41と接点溝42の間の溝無し部分の中心線までの接点端からのX方向長さをb、台金3と接点4の間にある中間金属・混合層5におけるX方向最大長さをe、Y方向最大長さをf、Z方向最大長さをd、接点溝41のX方向の中心線を通る断面におけるZ方向最大長さをd、接点溝41と接点溝42の間の溝無し部分のX方向の中心線を通る断面におけるZ方向最大長さをd、接点溝42のX方向の中心線を通る断面におけるZ方向最大長さをdとすると、0<a≦a、0<b≦b<0.5b、0<c<c、0<a≦a、0<b≦b<0.5b、0<c<c、0<e、0<c≦f、0<c≦f、0<d、d、d≦d、b<Bの関係性をもつ構造を接触子1は有する。実施の形態1と同様に接点溝41および接点溝42が接点4のX方向長さa=a=a、つまり接点溝が外周まで到達していてもよい。また溝の幅と深さの関係は溝の幅が深さ以上であっても、深さ未満であってもよい。
なお、図31から図37においては接点4の台金3側に設けられた溝は2個で図示されているが、1個であっても、3個以上であってもよい。また、溝形状は台形形状が記載されているが、形状は限定されない。溝形状の角部にはR部があってもよい。また、図5のように接点4に設けられた溝が接点4の長手方向にあたるX方向と平行方向に存在していてもよい。前記の寸法関係以外は形状に合わせて自由に設計することができる。溝形状の作成時のしやすさから、図31から図37においては、a=a、b=b、b=b、b=b、b=0.5b、c=cとなることが望ましいが、接点4と台金3の材質・形状によって最適な値が決まるため、必ずしもそれぞれの寸法が一致する必要はない。接触子1として使用する際にできるだけ接点4自体の材料比率を高くすることで接点4自体の強度が強くなるため、接点4に設ける接点溝41および接点溝42の高さ方向寸法cおよびcはできるだけ小さくした方が良い。
一例として、台金3のZ方向最大長さA=5mm、接点4のZ方向最大長さa=5mm、X方向最大長さb=8mm、Y方向最大長さc=3mmとした場合、図6においては、0<a≦5mm、0<b≦b<4mm、0<c<f≦200μm、0<a≦5mm、0<b≦b<4mm、0<c<f≦200μm、e≧8mm、d≧d、d、d≧5mmとなるように設定する。
このような構成とすることで、接点4と台金3を超音波接合や摩擦接合によって固相接合しようとする際に、接点自体が中間金属よりも硬度が高く、接点に設けられた溝があり、中間金属が存在することによって、実施の形態1および実施の形態2と同様に台金および中間金属の混合・新生面の創出および接点溝にそった中間金属・中間金属と台金金属との混合物の排出により、強固な接合が達成される。さらに、図31から図37に示した通り、中間金属・混合層5の厚みよりも溝の深さが小さいことで、中間金属と台金金属との混合物によって溝の中が満たされやすくなるため、より強固な接合が可能となる。また、溝直下の中間金属・混合層5の高さ方向の厚みも増やすことができ、強固な接合が可能となる。
また、図9から図15と同様に、接点4に設けられた溝が接点外周まで到達していれば、中間金属等の接合外部への排出がより促進され、接合部の新生面の比率を上げ、より強固な接合が可能となる。また、図31から図37において、溝が2個でかつb=0.5bすなわち、2個の溝の間が接点中心部にある場合は、上記効果に加え、接点中心部が接点の硬い金属であることから、接点中心部を優先的に加圧することができる。これにより、優先的に加圧・振動を与えることができ、中心部から周辺部へ接合が広がり、接合したい面全体をしっかり接合することが可能となるという従来にない効果を得ることができる。
実施の形態4.
図38は、実施の形態4における接触子の構成の一例を示した図である。X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の定義は図2と同様である。図39は、図38に示す接触子の側面図である。図40は、図38に示すI-I線断面図である。図41は、図38に示すII―II線断面図である。図42は、図38に示すIII-III線断面図である。図43は、図38に示すG方向から接触子を見た平面図である。図44は、図38に示すH部分を拡大した部分拡大図である。なお、I-I線断面は接点溝41のX方向の中心線が通る断面であり、II―II線断面は接点溝41と接点溝42の間の溝無し部分のX方向の中心線が通る断面であり、III-III線断面は接点溝42のX方向の中心線が通る断面である。
図38から図44で示した接触子1は、実施の形態1、実施の形態2、および実施の形態3と同様に台金3と、台金金属に比べて硬度の高い接点4と、台金3と接点4の間に、接点4よりも硬度が低く、塑性流動が可能で、かつ導電性の高い中間金属と台金金属とが混合した中間金属・混合層5を有するとともに、接点4の台金3側に溝を有する。さらに、接点4の台金3側に存在する溝の幅の合計が、台金3と接する接点4の表面のうちの溝でない部分の幅よりも大きいことを特徴とする。
図38から図44において、台金3のZ方向長さをA、X方向最大長さをB、Y方向最大長さをc、接点4のZ方向最大長さをa、X方向最大長さをb、Y方向最大長さをc、接点4の台金3側に設けられた接点溝41のZ方向最大長さをa、X方向の最小長さをb、最大長さをb、接点端から接点溝41の中心線までのX方向長さをb、接点溝42のZ方向最大長さをa、X方向最小長さをb、最大長さをb、Y方向最大長さをc、接点端から接点溝42の中心線までのX方向長さをb、接点溝41と接点溝42の間の溝無し部分の中心線までの接点端からのX方向長さをb、台金3と接点4の間にある中間金属・混合層5におけるX方向最大長さをe、Y方向最大長さをf、Z方向最大長さをd、接点溝41のX方向の中心線を通る断面におけるZ方向最大長さをd、接点溝41と接点溝42の間の溝無し部分のX方向の中心線を通る断面におけるZ方向長さ最大をd、接点溝42のX方向の中心線を通る断面におけるZ方向最大長さをdとすると、0<a≦a、0<b≦b<0.5b、0<c<c、0<a≦a、0<b≦b<0.5b、0<c<c、0.5b<b+b、0<e、0<f、0<d、d、d≦d、b<Bの関係性をもつ構造を接触子1は有する。実施の形態1と同様に接点溝41および接点溝42が接点4のX方向長さa=a=a、つまり接点溝41,42が外周まで到達していてもよい。また溝の幅と深さの関係は溝の幅が深さ以上であっても、深さ未満であってもよい。
なお、図38から図44においては接点4の台金3側に設けられた溝は2個で図示されているが、1個であっても、3個以上であってもよい。また、溝形状は台形形状が記載されているが、形状は限定されない。溝形状の角部にはR部があってもよい。また、図5のように接点4に設けられた溝が接点4の長手方向にあたるX方向と平行方向に存在していてもよい。また、図31から図37に示した通り、溝の深さが直下にある中間金属・混合層5の厚みよりも小さくなっていてもよい。前記の寸法関係以外は形状に合わせて自由に設計することができる。溝形状の作成時のしやすさから、図38から図44においては、a=a、b=b、b=b、b=b、b=0.5b、c=cとなることが望ましいが、接点4と台金3の材質・形状によって最適な値が決まるため、必ずしもそれぞれの寸法が一致する必要はない。接触子1として使用する際にできるだけ接点4自体の材料比率を高くすることで接点4自体の強度が強くなるため、接点4に設ける接点溝41および接点溝42の高さ方向寸法cおよびcはできるだけ小さくした方が良い。
一例として、台金3のZ方向最大長さA=5mm、接点4のZ方向最大長さa=5mm、X方向最大長さb=8mm、Y方向最大長さc=3mmとした場合、図7においては、0<a≦5mm、0<b≦b<4mm、0<c<3mm、0<a≦5mm、0<b≦b<4mm、0<c<3mm、b+b>4mm、e≧8mm、0<f≦200μm、d≧d、d、d≧5mm、e≧8mmとなるように設定する。
このような構成とすることで、接点4と台金3を超音波接合や摩擦接合によって固相接合しようとする際に、接点4自体が中間金属よりも硬度が高く、接点4に設けられた溝があり、中間金属が存在することによって、実施の形態1から実施の形態3と同様に台金金属および中間金属の混合・新生面の創出および接点溝にそった中間金属および中間金属と台金金属との混合物の排出により、強固な接合が達成される。さらに、図38から図44に示した通り、溝の幅が、台金3と接する接点表面のうち溝でない部分の幅よりも大きいことで、接点4が中間金属を強く加圧する部分が大きくなると共に、塑性流動によって両金属が入り込む溝が大きくなるため、混合が起きやすくなる。これにより、より強度な接合が可能となる。
また、図9から図15と同様に、接点4に設けられた溝が接点外周まで到達していれば、接合外部への中間金属等の排出がより促進され、接合部の新生面の比率を上げ、より強固な接合が可能となる。また、図38から図44において、溝が2個でかつb=0.5bすなわち、2個の溝の間が接点中心部にある場合は、上記効果に加え、接点中心部が接点の硬い金属であることから、接点中心部を優先的に加圧することができる。これにより、優先的に加圧・振動を与えることができ、中心部から周辺部へ接合が広がり、接合したい面全体をしっかり接合することが可能となるという従来にない効果を得ることができる。
実施の形態5.
図45は、実施の形態5における接触子の構成の一例を示した図である。X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の定義は図2と同様である。図46は、図45に示す接触子の側面図である。図47は、図45に示すI-I線断面図である。図48は、図45に示すII―II線断面図である。図49は、図45に示すG方向から接触子を見た平面図である。図50は、図45に示すH部分を拡大した部分拡大図である。なお、I-I線断面は接点溝41のX方向の中心線が通る断面であり、II―II線断面は接点溝41同士の間の溝無し部分のX方向の中心線が通る断面である。なお、図2から図8の構成も実施の形態5に含みうる。
図45から図50で示した接触子1は、実施の形態1から実施の形態4と同様に台金3と、台金金属に比べて硬度の高い接点4と、台金3と接点4の間に、接点4よりも硬度が低く、塑性流動が可能で、かつ導電性の高い中間金属と台金3との材料が混合した中間金属・混合層5を有するとともに、接点4の台金3側に溝を有する。さらに、接触子1を構成する接点4の台金3側に存在する溝が、溝が存在する部分で溝の短手方向と平行な面で切断したときに溝が存在する部分でどの断面も同じ形状を有するものであって、台金3側に存在する溝が2個以上の台形形状である。
実施の形態5においては、台金3のZ方向長さをA、X方向最大長さをB、Y方向最大長さをC、接点4のZ方向最大長さをa、X方向最大長さをb、Y方向最大長さをc、接点4の台金3側に設けられた接点溝41のZ方向最大長さをa、X方向の最小長さをb、最大長さをb、接点端から接点溝41の中心線までのX方向長さをb、接点溝42のZ方向最大長さをa、X方向最小長さをb、最大長さをb、Y方向最大長さをc、接点端から接点溝42の中心線までのX方向長さをb、接点溝41と接点溝42の間の溝無し部分の中心線までの接点端からのX方向長さをb、台金3と接点4の間にある中間金属・混合層5におけるX方向最大長さをe、Y方向最大長さをf、Z方向最大長さをd、接点溝41のX方向の中心線を通る断面におけるZ方向最大長さをd、接点溝41と接点溝42の間の溝無し部分のX方向の中心線を通る断面におけるZ方向最大長さをd、接点溝42のX方向の中心線を通る断面におけるZ方向最大長さをdとすると、0<a≦a、0<b≦b<0.5b、0<c<c、0<a≦a、0<b≦b<0.5b、0<c<c、0<e、0<f、0<d、d、d≦d、b<Bの関係性をもつ構造を接触子1は有する。実施の形態1と同様に接点溝41および接点溝42が接点4のX方向長さa=a=a、つまり接点溝が外周まで到達していてもよい。また溝の幅と深さの関係は溝の幅が深さ以上であっても、深さ未満であってもよい。
なお、溝の個数は特に限定されない。また、図23から図30のように接点4に設けられた溝が、接点4の長手方向にあたるX方向と平行方向に延びるように形成されていてもよい。また、図31から図37に示した通り、溝の深さが直下にある中間金属・混合層5の厚みよりも小さくなっていてもよいし、図38から図44に示した通り台金側に存在する溝の幅の合計が、台金3と接する接点表面の溝でない部分の幅よりも大きくてもよい。溝形状の角部にはR部があってもよい。前記の寸法関係以外は形状に合わせて自由に設計することができる。
このような構成とすることで、実施の形態1から実施の形態4と同様の効果が得られると共に、溝形状がどの断面でも同じ形状であることから、接点4の溝形状が作りやすい。さらに、溝形状を台形形状にすることで台金金属が流入しやすくなり、より強固な接合を達成することが可能である。また、複数個の溝形状があることで溝間の距離が狭く多点的に中間金属および台金3を加圧することができるため、強固な接合を達成することが可能である。
また、図9から図15と同様に、接点4に設けられた溝が接点外周まで到達していれば、接合外部への中間金属等の排出がより促進され、接合部の新生面の比率を上げ、より強固な接合が可能となる。また、図2において、溝が2個でかつb=0.5bすなわち、2個の溝の間が接点中心部にある場合は、上記効果に加え、接点中心部が接点の硬い金属であることから、接点中心部を優先的に加圧・振動を与えることができ、中心部から周辺部へ接合が広がり、接合したい面全体をしっかり接合することが可能となるという従来にない効果を得ることができる。
実施の形態6.
図51は、実施の形態6における接触子の構成の一例を示した図である。X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の定義は図2と同様である。図52は、図51に示す接触子の側面図である。図53は、図51に示すI-I線断面図である。図54は、図51に示すII―II線断面図である。図55は、図51に示すIII-III線断面図である。図56は、図51に示すG方向から接触子を見た平面図である。図57は、図51に示すH部分を拡大した部分拡大図である。なお、I-I線断面は接点溝41のX方向の中心線が通る断面であり、II―II線断面は接点溝41と接点溝42の間の溝無し部分のX方向の中心線が通る断面であり、III-III線断面は接点溝42のX方向の中心線が通る断面である。
図58は、実施の形態6における接触子の構成の他の一例を示した図である。X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の定義は図2と同様である。図59は、図58に示す接触子の側面図である。図60は、図58に示すI-I線断面図である。図61は、図58に示すII―II線断面図である。図62は、図58に示すG方向から接触子を見た平面図である。図63は、図58に示すH部分を拡大した部分拡大図である。なお、I-I線断面は接点溝41のX方向の中心線が通る断面であり、II―II線断面は接点溝41同士の間の溝無し部分のX方向の中心線が通る断面である。
図64は、実施の形態6における接触子の構成のさらに他の例を示した図である。X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の定義は図2と同様である。図65は、図64に示す接触子の側面図である。図66は、図64に示すI-I線断面図である。図67は、図64に示すII―II線断面図である。図68は、図64に示すIII-III線断面図である。図69は、図64に示すG方向から接触子を見た平面図である。図70は、図64に示すH部分を拡大した部分拡大図である。なお、I-I線断面は接点溝41のX方向の中心線が通る断面であり、II―II線断面は接点溝41と接点溝42の間の溝無し部分のX方向の中心線が通る断面であり、III-III線断面は接点溝42のX方向の中心線が通る断面である。
図71は、実施の形態6における接触子の構成のさらに他の例を示した図である。X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の定義は図2と同様である。図72は、図71に示す接触子の側面図である。図73は、図71に示すI-I線断面図である。図74は、図71に示すII―II線断面図である。図75は、図71に示すG方向から接触子を見た平面図である。図76は、図71に示すH部分を拡大した部分拡大図である。なお、I-I線断面は接点溝41のX方向の中心線が通る断面であり、II―II線断面は接点溝41同士の間の溝無し部分のX方向の中心線が通る断面である。
図51から図76で示した接触子1は、実施の形態1~4と同様に台金3と、台金金属に比べて硬度の高い接点4と、台金3と接点4の間に、接点4よりも硬度が低く、塑性流動が可能で、かつ導電性の高い中間金属と台金金属の材料が混合した中間金属・混合層5を有するとともに、接点4の台金3側に溝を有する。さらに、図51から図63においては、接触子1を構成する接点4の台金3側に存在する溝が、溝が存在する部分で溝の短手方向と平行な面で切断したときに溝が存在する部分のどの断面も同じ形状を有するものであって、台金3側に存在する溝が2個以上であって断面形状が半円形状であることを特徴とする。また、図64から図76においては、接触子1を構成する接点4の台金3側に存在する溝が、溝が存在する部分で溝の短手方向と平行な面で切断したときに溝が存在する部分のどの断面も同じ形状を有するものであって、台金3側に存在する溝が2個以上であって断面形状が山型形状であることを特徴とする。
図51から図70において、台金3のZ方向長さをA、X方向最大長さをB、Y方向最大長さをC、接点4のZ方向最大長さをa、X方向最大長さをb、Y方向最大長さをc、接点の台金側に設けられた接点溝41のZ方向最大長さをa、X方向の最小長さをb、最大長さをb、接点端から接点溝41の中心線までのX方向長さをb、接点溝42のZ方向最大長さをa、X方向最小長さをb、最大長さをb、Y方向最大長さをc、接点端から接点溝42の中心線までのX方向長さをb、接点溝41と接点溝42の間の溝無し部分の中心線までの接点端からのX方向長さをb、台金3と接点4の間にある中間金属・混合層5におけるX方向最大長さをe、Y方向最大長さをf、Z方向最大長さをd、接点溝41のX方向の中心線を通る断面におけるZ方向最大長さをd、接点溝41と接点溝42の間の溝無し部分のX方向の中心線を通る断面におけるZ方向最大長さをd、接点溝42のX方向の中心線を通る断面におけるZ方向最大長さをdとすると、0<a≦a、0<b<0.5b、0<c<c、0<a≦a、0<b<0.5b、0<c<c、0<e、0<f、0<d、d、d、b<Bの関係性をもつ構造を有することを特徴とする。また、実施の形態1と同様に接点溝41および接点溝42が接点4のX方向長さa=a=a、つまり接点溝が外周まで到達していてもよい。また溝の幅と深さの関係は溝の幅が深さ以上であっても、深さ未満であってもよい。
なお、図51から図57においては接点4の台金3側に設けられた断面形状が半円形状の溝は2個で図示されているが、3個以上であってもよい。また、図58から図63に示すように同じ形状の溝が複数個あってもよい。また、図64から図70に示す山型形状の溝も図51から図57と同様の寸法関係で構成される。山型形状の溝は複数個あってもよく、図71から図76に示すように同じ形状のものが複数個あってもよい。溝形状の角部にはR部があってもよい。図23から図30のように接点4に設けられた半円形状もしくは山型形状の溝が接点4の長手方向にあたるX方向と平行方向に延びるように形成されていてもよい。また、図31から図37に示した通り、溝の深さが直下にある中間金属・混合層5の厚みよりも小さくなっていてもよいし、図38から図44に示した通り台金3側に存在する溝の幅の合計が、台金3と接する接点4表面の溝でない部分の幅よりも大きくてもよい。前記の寸法関係以外は形状に合わせて自由に設計することができる。
溝形状の作成時のしやすさから、図51から図76においては、a=a、b=b、b=b、b=b、b=0.5b、c=cとなることが望ましいが、接点4と台金3の材質・形状によって最適な値が決まるため、必ずしもそれぞれの寸法が一致する必要はない。接点4に設ける接点溝41および接点溝42の高さ方向寸法cおよびcはできるだけ小さくした方が良いのは実施の形態1と同様である。
一例として、台金3のZ方向最大長さA=5mm、接点4のZ方向最大長さa=5mm、X方向最大長さb=8mm、Y方向最大長さc=3mmとした場合、0<a≦5mm、0<b<4mm、0<c<3mm、0<a≦5mm、0<b<4mm、0<c<3mm、e≧8mm、0<f≦200μm、d≧d、d、d≧5mmとなるように設定する。
このような構成とすることで、実施の形態1から実施の形態4と同様の効果が得られると共に、溝形状がどの断面でも同じ形状であることから、接点4の溝形状が作りやすい。さらに、図51から図63のように溝形状を半円形状にすることで溝に台金金属が流入しやすくなり、より強固な接合を達成することが可能である。また、図64から図76のように溝形状が山型形状の場合には、複数個の溝が作りやすくなる。さらに、半円形状および山型形状どちらの場合においても、複数個の溝形状があることで溝間の距離が狭く多点的に中間金属および台金を加圧することができるため、強固な接合を達成することが可能である。
さらに図9から図15と同様に、接点に設けられた溝が接点外周まで到達していれば、接合外部への排出をより促進され、接合部の新生面の比率を上げ、より強固な接合が可能となる。また、図51から図57および図64から図70において、溝が2個でかつb=0.5bすなわち、2個の溝の間が接点中心部にある場合は、上記効果に加え、接点中心部が接点の硬い金属であることから、接点中心部を優先的に加圧・振動を与えることができ、中心部から周辺部へ接合が広がり、接合したい面全体をしっかり接合することが可能となるという従来にない効果を得ることができる。
実施の形態1から実施の形態6で示した接触子1は、台金3に電気銅もしくは無酸素銅を用い、接点4に焼結金属もしくは銀の酸化物を用い、中間金属・混合層5に銀および銅を用いて構成されていてもよい。また、台金3に電気銅もしくは無酸素銅を用い、接点4に焼結金属もしくは銀の酸化物を用い、中間金属・混合層5の中間金属6に銀を用い、混合物に銀と銅が混合されているものを用いて構成されていてもよい。
台金3の材料に電気銅または無酸素銅を用いることで、高い電気伝導性を有する。接点4の材料には焼結金属もしくは銀の酸化物を用いることで、遮断もしくは開閉性能に合わせた材料を選択することが可能である。また、中間金属の材料に銀または銅を用いることで、電気伝導性が高く、接点4よりも硬度の低い材料であるため、超音波接合もしくは摩擦接合をする際に塑性流動が生じやすく、酸化被膜が破壊され、強固な金属接合を達成することが可能である。また、接触子1の中間金属の材料に銀を使用することで、銀は銅よりも電気伝導性が高く、接点4よりも硬度が低く、酸化被膜が破壊もしくは消失しやすい材料であるため、超音波接合もしくは摩擦接合をする際に塑性流動が生じやすく、酸化被膜が破壊され、強固な金属接合を達成することが可能であるという従来にない効果を得ることができる。
次に、実施の形態1から実施の形態6に示した接触子の製造方法について説明する。図77は、実施の形態1から実施の形態6にかかる接触子の製造方法の一例を示すフローチャートである。図78から図80は、図77に示した製造方法での製造過程を示す図である。
図81は、接触子を製造する接合装置の一例を示す図であり正面図である。図82は、接触子を製造する接合装置の一例を示す図であり側面図である。図81および図82では、接点4の溝の延びる方向と振動方向とが平行となっている。
図83は、接触子を製造する接合装置の他の例を示す図であり正面図である。図84は、接触子を製造する接合装置の他の例を示す図であり側面図である。図83および図84では、接点4の溝の延びる方向と振動方向とが垂直となっている。
まず、図78に示すように接合装置9の装置側固定部取付部8に取り付けられた固定部7に台金3を挿入して固定(ステップS1)する。図79に示すように溝を有する接点4の台金3側の面に予め接合もしくは蒸着もしくは接点製造工程において形成された中間金属6を有する接点4を準備する(ステップS2)。図80に示すように準備した接点4を台金3側の面に中間金属が来るように台金3に置き(ステップS3)、接合装置9の上から接点4に加圧工具10で加圧、および超音波振動もしくは摩擦力を付与することによって、接点4と台金3を接合する(ステップS4)。
この製造方法を用いることで、接点4にある溝の特徴を生かすことができ、ろう付に比べ低入熱のまま、強固な接合を達成することが可能である。
図85は、実施の形態1から実施の形態6にかかる接触子の製造方法の他の例を示すフローチャートである。図86から図88は、図85に示した製造方法での製造過程を示す図である。
まず、図86に示すように接合装置9の装置側固定部取付部8に取り付けられた固定部7に台金3を挿入して固定(ステップS1)する。図87に示すように台金3の表面に中間金属6の箔または板を設置する(ステップS2)。図88に示すように溝を有する接点4を溝が台金3側にくるように置き(ステップS3)、接点4の上から接合装置9の加圧工具10を加圧および超音波振動させるもしくは摩擦力を付与することによって、接点4と台金3を接合する(ステップS4)。
なお、図86から図88では、接点4の接点溝41,42が伸びる方向が接点4の長手方向と垂直になるように設置されているが、平行になるように設置されていてもよい。
このような製造方法を用いることで、図77の方法と同様に、接点4にある溝の特徴を生かすことができ、ろう付に比べ低入熱のまま、強固な接合を達成することが可能である。さらに、中間金属6が予め台金3もしくは接点4に接合されていなくても接合ができ、必要に応じて中間金属6の厚みを変えることができるという従来にない効果を得ることができる。
図89は、実施の形態1から実施の形態6にかかる接触子の製造方法のさらに他の例を示すフローチャートである。図90および図91は、図89に示した製造方法での製造過程を示す図である。
まず、図90に示すように接合装置9の装置側固定部取付部8に取り付けられた固定部7に、予め中間金属6が接合された台金3を、中間金属6が接合された面が接点4側に来るように設置する(ステップS1)。図91に示すように接点4を台金3の上に設置し(ステップS2)、接点4の上から接合装置9の加圧工具10を加圧および超音波振動させるもしくは摩擦力を付与することによって、接点4と台金3を接合する(ステップS3)。
なお、接点4の接点溝41,42の延びる方向が接点4の長手方向と垂直になるように設置されているが、平行になるように設置されていてもよい。
このような製造方法を用いることで、接点4にある溝の特徴を生かすことができ強固な接合を達成することが可能である。ろう付に比べ低入熱のまま、強固な接合を達成することが可能である。また、予め台金3側に中間金属6が接合されていることで、接点4を置くだけで簡単に接点4と台金3との接合が可能となるという従来にない効果を得ることができる。
また、上記製造方法において、台金3の材料に電気銅又は無酸素銅を使用し、接点4を製造する工程では、接点4の材料に焼結金属もしくは銀の酸化物を使用し、中間金属6を接点4に形成する工程では材料に銀もしくは銅を使用してもよい。この場合には、中間金属6は接点4よりも硬度の低い材料であるため、超音波接合もしくは摩擦接合をする際に塑性流動が生じやすく、酸化被膜が破壊され、強固な金属接合を達成することが可能である。さらに、中間金属6の材料を銀に限定した場合は、銀の酸化被膜が破壊もしくは消失しやすい材料であるため、超音波接合もしくは摩擦接合をする際に塑性流動が生じやすく、酸化被膜が破壊され、より強固な金属接合を達成することが可能であるという従来にない効果を得ることができる。
次に、図81から図84に戻って接合装置9を具体的に説明する。接合装置9は、固定部7を取り付ける装置側固定部取付部8と、図には記載していないが、加圧工具10を取り付ける部分と超音波振動を発生させる部分、加圧工具10を加圧する部分を有している。加圧工具10を取り付ける部分は、超音波振動を発生させる部分とつながっている。接合開始の命令が入ると、加圧工具10を加圧する部分によって加圧工具10が加圧され、接点4に向かって下降し、接点4との接触によって加圧工具10に予め決めた荷重が付加されるもしくは加圧工具10が予め決めた距離移動したのちに、超音波振動を発生する部分によって超音波振動が発生、加圧工具10に伝達されることで加圧工具10が超音波振動を開始する。この超音波振動は接点4と台金3に伝わる。図77に示した製造方法の場合には、接点4の表面にある中間金属6と台金3の界面が加圧されながら振動方向に擦られることによって、接合が開始される。図85に示した製造方法の場合には、接点4と中間金属6と台金3の界面が加圧されながら振動方向に擦られることによって、接合が開始される。図89に示した製造方法の場合には、接点4と台金3の表面にある中間金属6の界面が加圧されながら振動方向に擦られることによって、接合が開始される。超音波振動は、予め決めた振動開始位置からの加圧工具10の移動量もしくは予め決めた加圧工具10の絶対座標、もしくは予め決めた振動時間、もしくは超音波振動で負荷したエネルギー量などに到達したのちに停止する。その後、加圧工具10に付加されていた加圧力も除荷され、加圧工具10が上昇して、接合が完了する。
図78から図80には接点4の接点溝41,42が接点4の短手方向と平行になるように設置されているが、実施の形態2以降で説明した通り、接点4の長手方向と平行になるように設置してもよい。また、図81から図84において、加圧工具10は接点4の短手方向と平行方向に振動するように描かれているが、接点4および台金3および中間金属6の材質・形状に応じて接点4の長手方向と平行方向に振動するようにしてもよい。
このような製造方法を用いることで、開示の実施の形態1から実施の形態6で説明した、接点にある溝の特徴を生かすことができ強固な接合を達成することが可能である。また、ろう付に比べて低入熱であるため、接合後の台金の入熱による軟化を回避することができるとともに、脆弱な金属間化合物層を形成することなく接合が可能である。また、ろう付のようにフラックスなどの金属活性剤が不要であるため、接合後に金属活性剤を落とすため接触子を洗浄する工程も不要である。さらに、銀や銅などの電気伝導性の高い材料を選べば中間金属の存在による電気抵抗の増加を抑制することができる。さらに、予め接点に中間金属が接合されていることで、接点を置くだけで簡単に台金と接合が可能となるとともに、接合しにくい接点と中間金属が予め接合されているため、より強固な接合が達成できる。さらに、図81および図82のように接点4の短手方向と平行方向に振動を与えることで、中間金属6と台金3の混合が促進され、中間金属・混合層5および酸化被膜が振動方向に沿ってバリとして外部へ排出される。これにより、より強固な接合が達成されるというという従来にない効果を得ることができる。また、図83および図84のように接点4の短手方向と垂直方向に振動を与えた場合は、平行にした場合ほどバリとして外部へ排出する効果はないが、振動方向へと移動しようとする中間金属・混合層が接点溝とぶつかり、溝内部で中間金属と台金の混合が進みやすくなり、強固な接合を達成することが可能となるという従来にない効果を得ることができる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
台金と、
前記台金に固定され前記台金よりも硬度の高い接点と、
前記接点よりも硬度が低く塑性流動可能な中間金属と前記台金の素材である台金金属とが混合した混合層と、を備え、
前記接点のうち前記台金側の面には溝が形成され、
前記溝には前記中間金属または前記中間金属と前記台金金属との混合物が充填されていることを特徴とする接触子。
(付記2)
前記溝の幅が前記溝の深さ以上の長さを有することを特徴とする付記1に記載の接触子。
(付記3)
前記溝の深さが幅よりも長く、前記溝には中間金属もしくは中間金属と台金金属の混合物が充填されていることを特徴とする付記1に記載の接触子。
(付記4)
前記溝は、前記接点の外周まで到達していないことを特徴とする付記1から3のいずれか1つに記載の接触子。
(付記5)
前記溝は、前記接点の外周まで到達していることを特徴とする付記1から3のいずれか1つに記載の接触子。
(付記6)
前記溝の延びる方向が、前記接点の短手方向と平行であることを特徴とする付記1から5のいずれか1つに記載の接触子。
(付記7)
前記溝が延びる方向が、前記接点の長手方向と平行であることを特徴とする付記1から5のいずれか1つに記載の接触子。
(付記8)
前記溝が2個であり、2個の前記溝の間が前記接点の中心部となることを特徴とする付記1から7のいずれか1つに記載の接触子。
(付記9)
前記溝の深さが、前記混合層の厚さよりも小さいことを特徴とする付記1から8のいずれか1つに記載の接触子。
(付記10)
前記溝の幅の合計が、前記接点の前記台金と接する面のうち前記溝でない部分の幅の合計よりも大きいことを特徴とする付記1から9のいずれか1つに記載の接触子。
(付記11)
前記溝が、前記溝が存在する部分で前記溝の短手方向と平行な面で切断したときにどの断面も同じ形状を有するものであって、その断面が台形であることを特徴とする付記1から10のいずれか1つに記載の接触子。
(付記12)
前記溝が、前記溝が存在する部分で前記溝の短手方向と平行な面で切断したときにどの断面も同じ形状を有するものであって、その断面が半円形状であることを特徴とする付記1から10のいずれか1つに記載の接触子。
(付記13)
前記溝が存在する部分で前記溝の短手方向と平行な面で切断したときにどの断面も同じ形状を有するものであって、その断面が山型形状であることを特徴とする付記1から10のいずれか1つに記載の接触子。
(付記14)
前記台金金属は電気銅又は無酸素銅であり、前記接点の材料は焼結金属もしくは銀の酸化物であり、前記中間金属は銅であることを特徴とする付記1から13のいずれか1つに記載の接触子。
(付記15)
前記台金金属は電気銅又は無酸素銅であり、前記接点の材料は焼結金属もしくは銀の酸化物であり、前記中間金属は銀であることを特徴とする付記1から13のいずれか1つに記載の接触子。
(付記16)
付記1から15のいずれか1つに記載の接触子の製造方法であって、
前記台金を固定部に固定するステップと、
前記接点の前記溝が形成された面側に前記中間金属を接合するステップと、
前記中間金属が接合された前記接点を前記台金に置き、前記接点に超音波振動または摩擦力を付与して前記接点と前記台金とを接合するステップと、を備えることを特徴とする接触子の製造方法。
(付記17)
付記1から15のいずれか1つに記載の接触子の製造方法であって、
前記台金を固定部に固定するステップと、
前記台金に前記中間金属を置くステップと、
前記中間金属に前記溝を向けて前記接点を置くステップと、
前記接点に超音波振動または摩擦力を付与して前記接点と前記台金とを接合するステップと、を備えることを特徴とする接触子の製造方法。
(付記18)
付記1から15のいずれか1つに記載の接触子の製造方法であって、
前記中間金属が接合された前記台金を固定部に固定するステップと、
前記中間金属に前記溝を向けて前記接点を置くステップと、
前記接点に超音波振動または摩擦力を付与して前記接点と前記台金とを接合するステップと、を備えることを特徴とする接触子の製造方法。
(付記19)
固定接触子と、
可動接触子と、
前記可動接触子を移動させて前記固定接触子と前記可動接触子との接触子を引き剥がす引き剥がし機構と、を備え、
前記固定接触子および前記可動接触子は付記1から15のいずれか1つに記載の接触子であることを特徴とする遮断器。
(付記20)
固定接触子と、
可動接触子と、
前記可動接触子を移動させて前記固定接触子と前記可動接触子との接触子を引き剥がす引き剥がし機構と、を備え、
前記固定接触子および前記可動接触子は付記1から15のいずれか1つに記載の接触子であることを特徴とする開閉器。
1 接触子、1a 固定された接触子、1b 可動する接触子、2 引き剥がし機構、3 台金、4 接点、41,42,43,44 溝、5 中間金属・混合層、6 中間金属、7 固定部、8 装置側固定部取付部、9 接合装置、10 加圧工具。

Claims (20)

  1. 台金と、
    前記台金に固定され前記台金よりも硬度の高い接点と、
    前記接点よりも硬度が低く塑性流動可能な中間金属と前記台金の素材である台金金属とが混合した混合層と、を備え、
    前記接点のうち前記台金側の面には溝が形成され、
    前記溝には前記中間金属または前記中間金属と前記台金金属との混合物が充填されていることを特徴とする接触子。
  2. 前記溝の幅が前記溝の深さ以上の長さを有することを特徴とする請求項1に記載の接触子。
  3. 前記溝の深さが幅よりも長く、前記溝には中間金属もしくは中間金属と台金金属の混合物が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の接触子。
  4. 前記溝は、前記接点の外周まで到達していないことを特徴とする請求項1に記載の接触子。
  5. 前記溝は、前記接点の外周まで到達していることを特徴とする請求項1に記載の接触子。
  6. 前記溝の延びる方向が、前記接点の短手方向と平行であることを特徴とする請求項1に記載の接触子。
  7. 前記溝が延びる方向が、前記接点の長手方向と平行であることを特徴とする請求項1に記載の接触子。
  8. 前記溝が2個であり、2個の前記溝の間が前記接点の中心部となることを特徴とする請求項1に記載の接触子。
  9. 前記溝の深さが、前記混合層の厚さよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の接触子。
  10. 前記溝の幅の合計が、前記接点の前記台金と接する面のうち前記溝でない部分の幅の合計よりも大きいことを特徴とする請求項8に記載の接触子。
  11. 前記溝が、前記溝が存在する部分で前記溝の短手方向と平行な面で切断したときにどの断面も同じ形状を有するものであって、その断面が台形であることを特徴とする請求項1に記載の接触子。
  12. 前記溝が、前記溝が存在する部分で前記溝の短手方向と平行な面で切断したときにどの断面も同じ形状を有するものであって、その断面が半円形状であることを特徴とする請求項1に記載の接触子。
  13. 前記溝が存在する部分で前記溝の短手方向と平行な面で切断したときにどの断面も同じ形状を有するものであって、その断面が山型形状であることを特徴とする請求項1に記載の接触子。
  14. 前記台金金属は電気銅又は無酸素銅であり、前記接点の材料は焼結金属もしくは銀の酸化物であり、前記中間金属は銅であることを特徴とする請求項1に記載の接触子。
  15. 前記台金金属は電気銅又は無酸素銅であり、前記接点の材料は焼結金属もしくは銀の酸化物であり、前記中間金属は銀であることを特徴とする請求項1に記載の接触子。
  16. 請求項1から15のいずれか1つに記載の接触子の製造方法であって、
    前記台金を固定部に固定するステップと、
    前記接点の前記溝が形成された面側に前記中間金属を接合するステップと、
    前記中間金属が接合された前記接点を前記台金に置き、前記接点に超音波振動または摩擦力を付与して前記接点と前記台金とを接合するステップと、を備えることを特徴とする接触子の製造方法。
  17. 請求項1から15のいずれか1つに記載の接触子の製造方法であって、
    前記台金を固定部に固定するステップと、
    前記台金に前記中間金属を置くステップと、
    前記中間金属に前記溝を向けて前記接点を置くステップと、
    前記接点に超音波振動または摩擦力を付与して前記接点と前記台金とを接合するステップと、を備えることを特徴とする接触子の製造方法。
  18. 請求項1から15のいずれか1つに記載の接触子の製造方法であって、
    前記中間金属が接合された前記台金を固定部に固定するステップと、
    前記中間金属に前記溝を向けて前記接点を置くステップと、
    前記接点に超音波振動または摩擦力を付与して前記接点と前記台金とを接合するステップと、を備えることを特徴とする接触子の製造方法。
  19. 固定接触子と、
    可動接触子と、
    前記可動接触子を移動させて前記固定接触子と前記可動接触子との接触子を引き剥がす引き剥がし機構と、を備え、
    前記固定接触子および前記可動接触子は請求項1から15のいずれか1つに記載の接触子であることを特徴とする遮断器。
  20. 固定接触子と、
    可動接触子と、
    前記可動接触子を移動させて前記固定接触子と前記可動接触子との接触子を引き剥がす引き剥がし機構と、を備え、
    前記固定接触子および前記可動接触子は請求項1から15のいずれか1つに記載の接触子であることを特徴とする開閉器。
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