JP2023155743A - 金属空気電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】デンドライトの発生を抑制できる金属空気電池システムを提供する。【解決手段】金属空気電池システムは、電解液が流入する入口チャンバと、電解液が流出する出口チャンバと、入口チャンバと出口チャンバとを連通する内部空間を有する中空の外側電極と、外側電極と同心状に内部空間内に挿入されるように設けられた内側電極とを備え、外側電極及び内側電極の一方は、金属を含む負極であり、他方は、酸素が拡散可能な多孔質性の正極であり、外側電極と内側電極との間に、入口チャンバから出口チャンバに向かって電解液が流れる流路が形成され、流路の流路断面積は入口チャンバ側から出口チャンバ側に向かって減少するように構成されている。【選択図】図1

Description

本開示は、金属空気電池システムに関する。
金属を負極活物質として使用するとともに酸素(空気)を正極活物質として使用する金属空気電池システムが公知である。このような金属空気電池システムでは、充電時に、負極表面上に負極活物質の金属が析出する。この際、負極表面上では表面状態によって局所的に電流密度が高くなる部分があり、この部分に金属が選択的に析出する。この金属が充放電サイクルの進行と共に樹枝状に成長する(デンドライトが発生する)と、デンドライトがセパレータを貫通して正極に到達することにより内部短絡が発生してしまう。
金属空気電池システムではないが、特許文献1には、リチウム又は亜鉛若しくはリチウム合金又は亜鉛合金を負極活物質として用いる二次電池において、負極とセパレータとの間に、導電体層、半導体層、又は絶縁体層から選択された一種類以上の層を設ける発明が記載されている。この発明によれば、デンドライトが成長して導電体層と短絡しても、充電時の負極の電流密度が減少し、デンドライトがそれ以上に成長することができないので、デンドライトがセパレータを貫通して正極に到達することを抑制できる。
特許第2943127号公報
しかしながら、特許文献1の発明を金属空気電池システムに適用しても、デンドライトの発生は抑制できないので、デンドライトがセパレータを貫通して正極に到達することを完全に抑制できるものではない。
上述の事情に鑑みて、本開示の少なくとも1つの実施形態は、デンドライトの発生を抑制できる金属空気電池システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示に係る金属空気電池システムは、電解液が流入する入口チャンバと、前記電解液が流出する出口チャンバと、前記入口チャンバと前記出口チャンバとを連通する内部空間を有する中空の外側電極と、前記外側電極と同心状に前記内部空間内に挿入されるように設けられた内側電極とを備え、前記外側電極及び前記内側電極の一方は、金属を含む負極であり、他方は、酸素が拡散可能な多孔質性の正極であり、前記外側電極と前記内側電極との間に、前記入口チャンバから前記出口チャンバに向かって前記電解液が流れる流路が形成され、該流路の流路断面積は前記入口チャンバ側から前記出口チャンバ側に向かって減少するように構成されている。
流路を流れる電解液中の活性種イオンの濃度は、電解液の流れ方向において下流側ほど低くなり、このような濃度のばらつきによって負極への金属の析出形態が不均一になるので、デンドライトが発生しやすい環境となる。これに対し、本開示の金属空気電池システムによれば、電解液が流れる流路の流路断面積が入口チャンバ側から出口チャンバ側に向かって減少するように構成されていることにより、流路を流れる電解液の流速は、電解液の流れ方向において下流側ほど大きくなるので、下流側での反応が活性イオン種の拡散律速状態となりにくくなり、局所的に集中して金属が析出する領域の発生を抑制できる。その結果、デンドライトの発生を抑制することができる。
本開示の実施形態1に係る金属空気電池システムの構成模式図である。 本開示の実施形態2に係る金属空気電池システムの一部の構成模式図である。 本開示の実施形態3に係る金属空気電池システムの電極セルの構成模式図である。 本開示の実施形態4に係る金属空気電池システムの電極セルの構成模式図である。 本開示の実施形態4に係る金属空気電池システムの電極セルにおいて、内側電極を移動させる動作を説明するための部分断面模式図である。 本開示の実施形態4に係る金属空気電池システムに設けられた流量調節装置の一例の構成を示す模式図である。 本開示の実施形態4に係る金属空気電池システムにおいて、内側電極の表面への金属の電析形態のパターンを説明するための断面図である。 本開示の実施形態5に係る金属空気電池システムの電極セルの構成模式図である。 本開示の実施形態6に係る金属空気電池システムの電極セルの構成模式図である。 本開示の実施形態6に係る金属空気電池システムの電極セルの変形例の構成模式図である。
以下、本開示の実施形態による金属空気電池システムについて、図面に基づいて説明する。以下で説明する実施形態は、本開示の一態様を示すものであり、この開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
(実施形態1)
<本開示の実施形態1に係る金属空気電池システムの構成>
図1に示されるように、本開示の実施形態1に係る金属空気電池システム1は電極セル2を備えている。電極セル2は、入口チャンバ3と、出口チャンバ4と、入口チャンバ3と出口チャンバ4とを連通する内部空間6を有する中空の外側電極5と、外側電極5と同心状に内部空間6内に挿入された状態で固定された内側電極7とを備えている。入口チャンバ3には、後述する電解液が入口チャンバ3に流入するための電解液流入管8の一端が接続されている。出口チャンバ4には、電解液が出口チャンバ4から流出するための電解液流出管9の一端が接続されている。電解液流入管8及び電解液流出管9のそれぞれの他端は、電解液を貯留する電解液タンク10に接続されている。電解液流入管8にはポンプ11が設けられている。
電解液としては、水に電解質を溶解させた水系電解液、又は、有機溶媒等の非水溶液に電解質を溶解させた非水電解質のいずれも使用可能である。水系電解液としては例えば、カリウム、ナトリウム、リチウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、塩化物、リン酸塩、ホウ酸塩、硫酸塩等を電解質とした水溶液を使用することができる。すなわち、水溶液の電気伝導率を付与するための指示塩であれば、電解質として使用することができる。非水電解液としては例えば、環状又は鎖状カーボネート、環状又は鎖状エステル、環状又は鎖状エーテル、スルホン化合物、イオン液体等の液体に、アルカリ金属等からなる指示塩を溶解させたものを使用することができる。
実施形態1では、外側電極5が正極であり、内側電極7が負極である。外側電極5は、外側電極5の軸線Lに対して垂直な面で切断した内部空間6の断面積が入口チャンバ3側から出口チャンバ4側に向かって減少するように構成されている。実施形態1では、その具体的な一例として、内部空間6が円錐台形状の構成を有するものとして説明する。内側電極7は、内側電極7の軸線Lに対して垂直な面で切断した断面積が入口チャンバ3側から出口チャンバ4側に向かって減少する部分を有するように構成されている。実施形態1では、その部分の具体的な一例として、円錐台形状を有する円錐台形状部分12を内側電極7が含む構成として説明する。尚、この部分は円錐台形状に限定するものではなく、円錐形状を有する円錐形状部分であってもよい。
内側電極7が内部空間6内に挿入されることによって、外側電極5と内側電極7との間に、入口チャンバ3から出口チャンバ4に向かって電解液が流れることのできる流路13が形成される。外側電極5及び内側電極7のそれぞれが上述の構成を有することにより、流路13はその流路断面積が入口チャンバ3側から出口チャンバ4側に向かって減少するように構成される。
内側電極7は、電解液の流れる方向において円錐台形状部分12よりも上流側に入口側部分14を有してもよい。入口側部分14は、少なくともその一部が内部空間6から入口チャンバ3内へ突出している。入口側部分14は、内側電極7の軸線Lに対して回転対称形状を有することが好ましい。回転対称形状とは、例えば、電解液の流れる方向において逆向きの円錐台形状や半球体のように、軸線Lを中心とした周方向に対称な形状であり、入口側部分14の周方向に沿って電解液の流れを乱さない形状である。このような構成によれば、入口チャンバ3に流入した電解液が流路13に流入するまでの間に、電解液の流れが入口側部分14で乱されることを抑制できる。入口側部分14が半球体であれば、入口側部分14と円錐台形状部分12との接続部分が滑らかな構成となるので、入口チャンバ3に流入した電解液が流路13に流入するまでの間に、電解液の流れが接続部分で乱されることも抑制できる。
内側電極7の表面には、電解液の流れる方向において上流側の領域である上流側領域7aと、電解液の流れる方向において下流側の領域である下流側領域7bとのそれぞれに絶縁層15が設けられている。上流側領域7aと下流側領域7bとの間で表面が露出している通電領域7cの全体は、内部空間6内に位置することで、外側電極5に対向するようになっている。
負極である内側電極7は、金属を含む電極であり、例えば亜鉛で製造された電極であってもよいし、ステンレスやアルミニウム等の他の金属で製造された本体の表面に亜鉛をメッキした電極であってもよい。尚、内側電極7に含まれる金属として亜鉛に限定するものではない。電解液の種類(例えば、水系電解液/非水系電解液の違い)に応じて、鉄、アルミニウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、銅、マグネシウム等又はこれらの合金を使用することができる。
正極である外側電極5は、酸素が拡散可能な多孔質性の電極であり、例えば、酸素が拡散可能な多孔質性の最外層と、ニッケル等の金属で形成された多孔質性の中間層と、炭素等の導電材に酸素還元触媒が担持された最内層とを含む3層構造を有した電極を使用することができる。酸素還元触媒としては、酸性液環境下では主に白金を活性成分とする触媒(例えば、白金担持カーボン)を使用することができる。また、アルカリ液環境下では、鉄、マンガン、ニッケル、コバルトのような3d遷移金属又はその酸化物を活性成分とする触媒を使用することができる。その他には、酸性液環境下及びアルカリ液環境下のいずれにおいても、ルテニウム、銀、金、イリジウムを活性成分とする触媒も使用可能である。さらに、有機金属錯体や、炭素繊維(例えば、カーボンナノチューブ)、窒素炭化物等を活性成分とする触媒も使用可能である。
外側電極5及び内側電極7はそれぞれ交流直流変換器16に電気的に接続されている。交流直流変換器16は、負荷17及び交流電源18のそれぞれに電気的に接続することができる。尚、交流電源18の代わりに直流電源を使用するとともに負荷17が直流電流で稼働するものである場合には、交流直流変換器16は必要ない。
<本開示の実施形態1に係る金属空気電池システムの動作>
次に、本開示の実施形態1に係る金属空気電池システム1の動作について説明する。まず、金属空気電池システム1の放電によって、負荷17に電流が流れる動作について説明する。ポンプ11を起動することにより、電解液流入管8を介して電解液タンク10内の電解液を入口チャンバ3内に供給する。入口チャンバ3内に流入した電解液は、流路13を流通し、出口チャンバ4内に流入する。出口チャンバ4内の電解液は、出口チャンバ4から流出して電解液流出管9を流通し、電解液タンク10に流入する。このようにして、電解液が電解液タンク10と電極セル2との間を循環する。
電解液が流路13を流通する間、外側電極5及び内側電極7において次の反応が生じる。内側電極7では、通電領域7cにおいて、内側電極7に含まれる金属、例えば亜鉛と電解液中の水酸化物イオンとが反応して亜鉛酸イオンが生成するとともに電子が内側電極7に放出される。放出された電子は、交流直流変換器16を通過して外側電極5に流入する。外側電極5では、電極セル2の外部の空気に含まれる酸素が最外層及び中間層を拡散し、最内層の酸素還元触媒によって、空気と、電解液中の水と、外側電極5へ流入した電子との反応により、水酸化物イオンが生成する。生成した水酸化物イオンは、内側電極7における上記反応に使用される。
このような動作で電子が内側電極7から外側電極5へ流れることにより、外側電極5から内側電極7へ直流電流が流れる。交流直流変換器16がこの直流電流を交流電流に変換し、交流電流を負荷17へ供給する。
次に、金属空気電池システム1の充電動作について説明する。電解液が電解液タンク10と電極セル2との間を循環する状態で、交流電源18から交流直流変換器16に交流電流を供給する。交流電源18からの交流電流が交流直流変換器16で直流電流に変換され、外側電極5へ直流電流が流れる。すなわち、電子が内側電極7へ流れる。内側電極7では、電解液中の亜鉛イオンが電子を受け取ることで内側電極7上に亜鉛が析出し、金属空気電池システム1の充電が行われる。
このような充電中に亜鉛が内側電極7における通電領域7cの表面に均一に析出すれば何も問題は生じないが、実際は、一部が針状に延びるデンドライトが発生し得る。デンドライトが発生してそれが成長していくと、デンドライトが内側電極7と外側電極5とを接続してしまうことがある。そうすると、内部短絡が発生して電池の電圧が0Vになるので、充電できなくなってしまう。特に、流路13を流れる電解液中の活性種イオンの濃度は、電解液の流れ方向において下流側ほど低くなり、このような濃度のばらつきによって内側電極7への金属の析出形態が不均一になるので、デンドライトが発生しやすい環境となる。
これに対し、実施形態1に係る金属空気電池システム1では、電解液が流れる流路13の流路断面積が入口チャンバ3側から出口チャンバ4側に向かって減少するように構成されていることにより、流路13を流れる電解液の流速は、電解液の流れ方向において下流側ほど大きくなるので、下流側での反応が活性イオン種の拡散律速状態となりにくくなり、局所的に集中して金属が析出する領域の発生を抑制できる。その結果、デンドライトの発生を抑制することができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る金属空気電池システムについて説明する。実施形態2に係る金属空気電池システムは、実施形態1に対して、外側電極5の構成を変更したものである。尚、実施形態2において、実施形態1の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
<本開示の実施形態2に係る金属空気電池システムの構成>
図2に示されるように、外側電極5は、内側電極7に対向する充電用正極21と、充電用正極21に対して内側電極7とは反対側に位置する放電用正極22と、充電用正極21と放電用正極22との間に位置するセパレータ23とを含む3層構造となっている。充電用正極21は、例えば、非酸化性の多孔質金属材料、例えばニッケル又はニッケル合金又はステンレスでメッシュ状に製造された筒形状を有する電極を使用することができる。放電用正極22は実施形態1と同じ構成とすることができる。セパレータ23は、例えば、陰イオン交換膜や、高分子又は固体酸化物等から形成される微多穴膜等を使用することができる。
金属空気電池システム1は切替装置25を備えている。切替装置25は、充電用正極21又は放電用正極22のいずれか一方が交流直流変換器16に通電するように、すなわち、内側電極7が充電用正極21又は放電用正極22のいずれか一方に電気的に接続するように切り替え可能に構成されている。切替装置25の構成は特に限定しないが、例えば、放電用正極22から内側電極7への方向に電流を流す第1ダイオード25aと、内側電極7から充電用正極21への方向に電流を流す第2ダイオード25bとから構成されてもよい。ダイオードの代わりにメカニカルスイッチを使用した切替装置を使用してもよい。その他の構成は実施形態1と同じである。
<本開示の実施形態2に係る金属空気電池システムの動作>
次に、本開示の実施形態2に係る金属空気電池システム1の動作について説明する。金属空気電池システム1の放電時は、電流が、外側電極5のうち放電用正極22から第1ダイオード25a、交流直流変換器16、内側電極7へ順次流れる。金属空気電池システム1の充電時は、電流が、内側電極7から交流直流変換器16、第2ダイオード25b、充電用正極21へ順次流れる。その他の動作は実施形態1と同じである。
実施形態2のように、正極である外側電極5が充電用正極21及び放電用正極22を有する構成であっても、流路13の構成が実施形態1と同じ構成であれば、実施形態1と同じ作用効果を得ることができる。
実施形態2では、充電時にデンドライトが発生して内部短絡が発生しても、内側電極7と放電用正極22とを使用して放電を行うことができる。また、充電及び放電中に、それぞれの逆の反応が正極で起きるリスクを削減でき、効率及び寿命の向上が期待できる。
(実施形態3)
次に、実施形態3に係る金属空気電池システムについて説明する。実施形態3に係る金属空気電池システムは、実施形態1に対して、正極と負極とを入れ替えたものである。尚、実施形態3において、実施形態1の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
<本開示の実施形態3に係る金属空気電池システムの構成>
図3に示されるように、実施形態3では、外側電極5が負極であり、内側電極7が正極である。このため、実施形態3では、外側電極5が、金属で製造された電極であり、内側電極7が、酸素が拡散可能な多孔質性の電極である。内側電極7は、全体が電極セル2内に収容された状態で固定されている。内側電極7には、軸線Lに沿って内側電極7を貫通するように中空部37が形成されている。軸線Lに沿った内側電極7の両端7d,7eがそれぞれ入口チャンバ3及び出口チャンバ4の内部に位置することにより、入口チャンバ3の内部と出口チャンバ4の内部とは、流路13を介してだけではなく中空部37を介しても連通される。
入口チャンバ3及び出口チャンバ4のそれぞれの内部には、電極セル2内における電解液を、中空部37を流れる第1流れF1と、流路13を流れる第2流れF2とに隔離する隔離部材30が設けられている。隔離部材30は、入口チャンバ3及び出口チャンバ4のそれぞれの内部に設けられたときに内側電極7の軸線Lの方向における両端に端面31,32が設けられるとともに端面31,32のそれぞれに開口31a,32aが形成された筒形状を有している。一方の開口32aに内側電極7を挿入して、両端7d,7eがそれぞれの隔離部材30の内部に位置する状態で、開口32aの内周縁と内側電極7の外周面との間に、Oリング等のシール部材33が設けられている。
入口チャンバ3内に設けられた隔離部材30の内部に、空気等の酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給装置34が設けられている。酸素含有ガス供給装置34としては例えば、一端が隔離部材30の内部に位置するとともに他端が電極セル2の外部に開口するか又は酸素含有ガスのボンベ等に接続された酸素含有ガス供給ライン35と、酸素含有ガス供給ライン35に設けられたコンプレッサ36とを有するバブリング装置を使用することができる。その他の構成は実施形態1と同じである。
<本開示の実施形態3に係る金属空気電池システムの動作>
次に、本開示の実施形態3に係る金属空気電池システム1の動作について、実施形態1に係る金属空気電池システム1の動作とは異なる部分を中心に説明する。金属空気電池システム1の放電時、電極セル2内では、入口チャンバ3内に流入した電解液の一部が開口31aを介して隔離部材30の内部に入り込む。入口チャンバ3内に設けられる隔離部材30の内部には、コンプレッサ36によって昇圧された酸素含有ガスが酸素含有ガス供給ライン35を介して供給されることにより、電解液に酸素含有ガスがバブリングされ、酸素が溶存した電解液となる。酸素が溶存した電解液は中空部37に流入し、第1流れF1として中空部37を流通する。中空部37を流通した電解液は、出口チャンバ4内に設けられる隔離部材30の内部に流出し、開口31aを介して隔離部材30の外部へ流出する。
一方、入口チャンバ3内に設けられる隔離部材30の内部に入り込まない電解液は、第2流れF2として流路13を流通し、出口チャンバ4内に流入する。出口チャンバ4内では、第1流れF1として流通した電解液と、第2流れF2として流通した電解液とが合流して、出口チャンバ4から流出する。
このようにして電極セル2内を電解液が流通する間、負極としての外側電極5及び正極としての内側電極7において、実施形態1で説明した反応と同様の反応が生じる。ただし、実施形態3では、中空部37を流れる電解液に含まれる酸素が内側電極7内を拡散し、酸素還元触媒によって、酸素と、第2流れF2としての電解液中の水と、内側電極7へ流れてきた電子との反応により、水酸化物イオンが生成する。
また、金属空気電池システム1の充電時に、電子が外側電極5へ流れ、外側電極5では、電解液中の金属イオン(例えば亜鉛イオン)が電子を受け取ることで外側電極5上に金属(例えば亜鉛)が析出する。
実施形態3のように、外側電極5が負極であり、内側電極7が正極である構成であっても、流路13の構成が実施形態1と同じ構成であれば、実施形態1と同じ作用効果を得ることができる。
<本開示の実施形態3に係る金属空気電池システムの変形例>
実施形態3では、酸素含有ガスをバブリングした電解液を第1流れF1として中空部37に流通させているが、この形態に限定するものではない。酸素が溶存した電解液ではなく、酸素含有ガスを第1流れF1として中空部37に流通させてもよい。
<本開示の実施形態1~3における正極及び負極の配置>
実施形態1~3のいずれも、外側電極5と内側電極7とを同心状に配置することで、両電極の電極面積差が得られることから、外側電極5の運用時の電流密度を内側電極7に比べて低減することができる。実施形態1及び2では内側電極7が負極であるが、負極に比べて正極の分極が大きく、抵抗低減がより必要になるため、内側電極7が負極であり外側電極5が正極である配置により、充放電時のエネルギー効率を向上させることができる。このとき、正極に対する負極での電流密度比は、内側電極7の通電領域7cにおける円錐台の両端部における直径の比によって異なる。例えば、入口チャンバ3側の円錐台の端部における直径をDinとし、出口チャンバ4側の円錐台の端部における直径をDoutとすると、直径比Din/Doutが大きいほど、通電領域7cに対向する外側電極5の面積が大きくなるので、抵抗が低減される。
実施形態3では、内側電極7が負極である実施形態1と比べて、負極の面積が相対的に増えることになり、負極への金属の析出量が増えるので、蓄電容量を大きくすることができる。このとき、蓄電容量の増加は、内側電極7の通電領域7cにおける円錐台の両端部における直径の比によって異なる。例えば、入口チャンバ3側の円錐台の端部における直径をDinとし、出口チャンバ4側の円錐台の端部における直径をDoutとすると、直径比Din/Doutが大きいほど、通電領域7cに対向する外側電極5の面積が大きくなるので、蓄電容量が増加する。
(実施形態4)
次に、実施形態4に係る金属空気電池システムについて説明する。実施形態4に係る金属空気電池システムは、実施形態1~3のそれぞれに対して、内側電極7をその軸線Lに沿って移動可能にしたものである。以下では、実施形態1の構成に対して内側電極7を移動可能にしたものを実施形態4として説明するが、実施形態2又は3の構成に対して内側電極7を移動可能にして実施形態4を構成してもよい。尚、実施形態4において、実施形態1の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
<本開示の実施形態4に係る金属空気電池システムの構成>
図4に示されるように、本開示の実施形態4に係る金属空気電池システム1では、内側電極7の両端7d,7eがそれぞれ入口チャンバ3及び出口チャンバ4を突き抜けている。入口チャンバ3及び出口チャンバ4にはそれぞれ、内側電極7の両端7d,7eが突き抜けるための開口3a及び4aが形成されており、開口3a及び4aのそれぞれの内周面にOリング48,49が設けられている。Oリング48,49は、開口3a及び4aのそれぞれの内周面と内側電極7との間をシールしている。
入口チャンバ3を突き抜けた内側電極7の端7dに対向するように、内側電極7をその軸線Lに沿って移動させるための移動装置である移動装置40が設けられている。移動装置40の構成は特に限定するものではないが、例えば、移動装置40は、固定プレート41と、端7dが固定された移動プレート42と、固定プレート41と移動プレート42との間隔が変化するように固定プレート41に対して移動プレート42を移動させるピストン部43とを備えていてもよい。
また、本開示の実施形態4に係る金属空気電池システム1には、外側電極5及び内側電極7間の電圧を検出する電圧計45と、入口チャンバ3及び出口チャンバ4間の差圧を検出する差圧計46と、電圧計45及び差圧計46が電気的に接続される制御装置44とを設けてもよい。制御装置44は、移動装置40におけるピストン部43の図示しない駆動装置に電気的に接続されて、ピストン部43を駆動させるようになっている。また、交流電源18を制御装置44に電気的に接続することで、制御装置44は交流電源18の駆動回数を検出することができる。交流電源18の駆動回数は、金属空気電池システム1の充電回数(又は充放電サイクル数)、すなわち金属空気電池システム1の運用時間に相当する。このため、制御装置44は、金属空気電池システム1の運用時間に相当するパラメータを検出するパラメータ検出装置としての機能を有する。尚、パラメータ検出装置は、制御装置44とは別の装置で構成してもよい。その他の構成は実施形態1と同じである。
<本開示の実施形態4に係る金属空気電池システムの動作>
実施形態4の動作は、移動装置40が内側電極7をその軸線Lに沿って移動させることを除いて、実施形態1の動作と同じである。このため、以下では、内側電極7を移動させる動作について説明する。移動装置40においてピストン部43が伸びるように駆動すると、移動プレート42が固定プレート41から離れるように、すなわち入口チャンバ3に近づくように移動する。これにより、端7dが移動プレート42に固定された内側電極7は、その軸線Lに沿って入口チャンバ3から出口チャンバ4へ向かう方向に移動する。逆に、移動装置40においてピストン部43が縮むように駆動すると、移動プレート42が固定プレート41に近づくように、すなわち入口チャンバ3から離れるように移動する。これにより、内側電極7は、その軸線Lに沿って出口チャンバ4から入口チャンバ3へ向かう方向に移動する。このように内側電極7が移動する際、Oリング48,49がそれぞれ開口3a及び4aのそれぞれの内周面と内側電極7との間をシールしているので、開口3a及び4aから電解液がリークするのを防ぐことができる。
内側電極7が上述の通り、すなわち、図5に示されるように矢印Aの方向に移動すると、外側電極5の内部空間6も内側電極7の円錐台形状部分12も、矢印Aの方向にすぼまる形状となっているので、外側電極5と内側電極7との間の間隔、すなわち流路13の径方向の幅が小さくなる。内側電極7を矢印Aの方向に移動し続けると、やがては内側電極7(又は内側電極7の表面に析出した金属)と外側電極5とが接し、内側電極7をそれ以上矢印Aの方向に移動させることができなくなる。この状態を、内側電極7が最も出口チャンバ4側に移動した場合と言う。逆に、内側電極7が矢印Bの方向に移動すると、外側電極5と内側電極7との間の間隔、すなわち流路13の径方向の幅が大きくなる。内側電極7が矢印Bの方向にこれ以上移動できない状態を、内側電極7が最も入口チャンバ3側に移動した場合と言う。内側電極7は、この両方の状態の間に位置することができ、流路13の径方向の幅は、この両方の状態における幅のそれぞれを最小値及び最大値とする範囲内で調節が可能となる。
内側電極7が最も出口チャンバ4側に移動した場合と、内側電極7が最も入口チャンバ3側に移動した場合とのいずれにおいても、通電領域7cが内部空間内に位置するように上流側領域7a及び下流側領域7bの範囲を設定し、上流側領域7a及び下流側領域7bに絶縁層15を設けることが好ましい。このような構成にすれば、外側電極5と内側電極7との間の距離を変更しても、通電領域7cが外側電極5に対向するので、有効な電極表面積を一定に維持することができる。
流路13の径方向の幅を変更した場合には、流路13を流通する電解液の流量を調節する必要がある。金属空気電池システム1に、外側電極5と内側電極7との間の距離の変更に応じた電解液の流量を調節する流量調節装置を設けてもよい。このような流量調節装置の構成は特に限定するものではないが、例えば、制御装置44が内側電極7の移動量を検出し、この移動量から外側電極5と内側電極7との間の距離を算出する。この距離に基づいて制御装置44がポンプ11の吐出量を調節するようにしてもよい。この場合、制御装置44が流量調節装置を構成することとなる。
流量調節装置の別の例を次に説明する。図6に示されるように、流量調節装置60は、電解液流入管8の下流側端部と入口チャンバ3との間に設けられている。流量調節装置60は、入口チャンバに連通する第1配管61と、第1配管61に形成された穴62を介して第1配管61に連通する第2配管63とを備えている。電解液流入管8の下流側端部には、内側電極7の軸線Lに沿った方向に延びるチャンバ部8aが形成され、チャンバ部8aに形成された穴8bを介して、第2配管63の上流側開口端部63aがチャンバ部8a内に挿入された状態となっている。穴8bの内周面にはOリング8cが設けられ、穴8bの内周面と第2配管63との間をシールしている。第2配管63の下流側開口端部63bは、穴62に面するように位置している。第2配管63は軸線Lに沿って移動可能に設けられ、第2配管63が移動することにより、第2配管63の下流側開口端部63bに対する穴62の開口面積が変化するように構成されている。第2配管63と内側電極7とを連結部材64により連結すれば、内側電極7が軸線Lに沿って移動するに伴い、第2配管63も軸線Lに沿って移動する。
流路13(図5参照)の径方向の幅を調節するために、図6において上下に内側電極7を移動すると、第2配管63も上下に移動するので、下流側開口端部63bに対する穴62の開口面積が増減する。このような流量調節装置60を用いることにより、外側電極5と内側電極7との間の距離の変更に応じた電解液の流量の調節を簡単な構成で実現することができる。
金属空気電池システム1の様々な運転条件(外側電極5及び内側電極7間の電圧、入口チャンバ3及び出口チャンバ4間の差圧、金属空気電池システム1の充電回数等)に基づいて、手動で移動装置40を駆動させることにより、手動で内側電極7の位置を調整してもよいが、金属空気電池システム1の運転条件に応じて自動で調節することもできる。前者の場合には、制御装置44は必要なく、電圧計45、差圧計46、パラメータ検出装置のそれぞれの検出値に基づいて、負極における金属の電析形態を推測し、手動で内側電極7の位置を調整する。以下では、後者の場合の動作について説明する。後者の場合は、制御装置44が電圧計45、差圧計46、パラメータ検出装置のそれぞれの検出値に基づいて、負極における金属の電析形態を推測するが、その推測原理については両者とも同じである。
金属空気電池システム1が稼働(充電/放電)する間及び充電と放電との間の待機時、電圧計45、差圧計46、パラメータ検出装置のそれぞれが検出した検出値は、制御装置44に伝送される。制御装置44は、これらの検出値に基づいて、内側電極7の表面に析出した金属の電析形態を推測する。この推測方法は特に限定しないが、以下に、金属の電析形態を推測する方法の一例を説明する。
制御装置44には予め、電圧計45、差圧計46、パラメータ検出装置のそれぞれが検出した検出値についての閾値が設定されており、電圧計45、差圧計46、パラメータ検出装置のそれぞれが検出した検出値がこの閾値よりも大きいか小さいかを判定する。制御装置44は、これらの3つの検出値のそれぞれが閾値よりも大きいか小さいかの組み合わせから、金属の電析形態を推測する。金属空気電池システム1の充電時、放電時、待機時のそれぞれに対し、それらの検出値の閾値に対する大小の組み合わせと、電析形態との関係と、とるべき動作との表を、下記表1~3にまとめる。下記表では、各検出値が各閾値よりも大きい場合を「大」とし、小さい場合を「小」と記載している。電析形態については、4つのパターン(1)~(4)を記載している。図7に示されるように、電析形態(1)は、内側電極7の表面に均一に金属50が析出し、その析出量は少なく、外側電極5及び内側電極7間の距離が大きいため、流路13の径方向の幅が十分確保されている形態である。電析形態(2)は、内側電極7の表面に均一に金属50が析出し、その析出量は少ないが、外側電極5及び内側電極7間の距離が小さいため、流路13の径方向の幅が小さくなっている形態である。電析形態(3)は、内側電極7の表面に均一に金属50が析出し、外側電極5及び内側電極7間の距離は大きいが、金属50の析出量が多いため、流路13の径方向の幅が小さくなっている形態である。電析形態(4)は、外側電極5及び内側電極7間の距離が大きく、金属50の析出量は少ないが、内側電極7の表面に不均一に金属が析出しているため、デンドライト51が発生し、流路13の径方向の幅が部分的に小さくなっている形態である。
Figure 2023155743000002
Figure 2023155743000003
Figure 2023155743000004
表1~3における「とるべき動作」において、電極間距離の縮小又は拡大は、内側電極7を移動させることにより行う。また、電極間距離を最小にすることは、内側電極7を出口チャンバ4側へ向かって移動させたときに、内側電極7をそれ以上移動させることができなくなるまで移動させることである。内部短絡していなければ、デンドライト51は外側電極5に接していないので、少なくともデンドライト51が外側電極5に接するまでは内側電極7を移動することができる。デンドライト51が外側電極5に接することでデンドライト51が折れて脱落できる場合がある。この場合には、内側電極7の移動量が比較的大きくなるが、デンドライトが硬くて外側電極5に接しても折れない場合には、内側電極7の移動量が比較的小さくなる。後者の場合には、短期間で内部短絡が発生する可能性が高いので、電極交換が好ましい。尚、脱落したデンドライトは、電解液の流れに同伴されて電極セル2から排出させることができる。例えば、電解液タンク10内において電解液流入管8との接続部分にフィルタ等を設けておけば、電解液タンク10内にデンドライトを保持させてることができ、これにより、デンドライトが再び電極セル2内に流入することを防止できる。
表1~3には記載していないが、電圧計45による検出値がゼロになった場合は、差圧計46及びパラメータ検出装置のそれぞれの検出値に関係なく、内部短絡が発生していることを示している。この場合には、電極間距離を最小にするように内側電極7を移動させる。内側電極7の移動量が比較的小さい場合には、電極交換が好ましい。
このように、内側電極7の表面に析出した金属50の電析形態を推測でき、これによりデンドライト51の発生を早期に推測できるので、内部短絡が発生するおそれにたいして迅速に対応できる。
(実施形態5)
次に、実施形態5に係る金属空気電池システムについて説明する。実施形態5に係る金属空気電池システムは、実施形態4に対して、内側電極7をその軸線Lを回転中心として自転可能にしたものである。尚、実施形態5において、実施形態4の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
<本開示の実施形態5に係る金属空気電池システムの構成>
図8に示されるように、本開示の実施形態5に係る金属空気電池システム1には、内側電極7をその軸線Lを回転中心として自転させる回転装置70が設けられている。回転装置70は、移動装置40の移動プレート42上に載置されることにより、内側電極7は、移動装置40によって軸線Lに沿って移動することと、軸線Lを回転中心として自転することとが可能になる。回転装置70に電気的に接続された制御装置44を設け、制御装置44が回転装置70を駆動させるようになっていてもよい。その他の構成は実施形態4と同じである。尚、内側電極70の自転とは、一方の方向に自転し続けることに限定するものではなく、一方の方向にある回転角だけ回転した後に反対の方向にある回転角だけ回転する動作を繰り返すことも含む。
<本開示の実施形態5に係る金属空気電池システムの動作>
実施形態5において、金属空気電池システム1の充電及び放電動作は実施形態1と同じであり、内側電極7を軸線Lに沿って移動させる動作については実施形態4と同じである。以下では、実施形態1及び4と異なる動作を中心に説明する。
内部短絡が発生したとき、又は、デンドライトが発生したと推測されたとき、移動装置40によって内側電極7を出口チャンバ4側に向かって移動させながら、又は、内側電極7が最も出口チャンバ4側に移動した後に、回転装置70が内側電極7を自転させる。デンドライトが外側電極5に接する状態で内側電極7が自転すると、デンドライトが折れて脱落させることができる。また、実施形態5では、表1~3において、とるべき動作として「電極間距離を最小にする」場合には、さらに内側電極7を自転させることで、デンドライトを脱落させやすくすることができる。
内側電極7が負極のときは、金属が内側電極7の表面に析出するので、電析量が増加していくと内側電極7の重量が増加する。そうすると、内側電極7を自転させる回転装置70の負荷が増加する。このため、回転装置70の負荷を検出する負荷検出装置71を設けておけば、制御装置44は、負荷検出装置71による検出値を用いて、内側電極7の表面への金属の電析量を推測できる。負荷検出装置71の構成は特に限定しないが、例えば、制御装置44が回転装置70の電流値を計測することにより負荷を検出することができるので、制御装置44を負荷検出装置71として構成することができる。制御装置44とは別の装置として負荷検出装置71を設けてもよい。
回転装置70の負荷だけからは、内側電極7の表面への金属の電析量しか推測できないが、実施形態4で検出する電圧、差圧、及びパラメータと組み合わせることにより、より精度良く内側電極7の表面に析出した金属の電析形態を推測することができる。これによりデンドライト51の発生を早期に推測できるので、内部短絡が発生するおそれにたいして迅速に対応できる。
(実施形態6)
次に、実施形態6に係る金属空気電池システムについて説明する。実施形態6に係る金属空気電池システムは、実施形態5に対して、自転させる電極を外側電極5に変更したものである。尚、実施形態6において、実施形態5の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
<本開示の実施形態6に係る金属空気電池システムの構成>
図9に示されるように、本開示の実施形態5に係る金属空気電池システム1では、回転装置70は、電極セル2(例えば入口チャンバ3の底部)に接続された回転体72を備え、回転体72は、外側電極5及び内側電極7の軸線L,Lを回転中心として回転するようになっている。その他の構成は実施形態6と同じである。
<本開示の実施形態6に係る金属空気電池システムの動作>
実施形態6の動作は、回転装置70によって外側電極5が回転する点で実施形態5と異なる。実施形態6では内側電極7は自転しないので、外側電極5は内側電極7に対して回転することになる。この場合でも、デンドライトが外側電極5に接する状態で外側電極5が自転すると、デンドライトが折れて脱落させることができる。また、実施形態6でも、表1~3において、とるべき動作として「電極間距離を最小にする」場合には、さらに外側電極5を自転させることで、デンドライトを脱落させやすくすることができる。制御装置44による移動装置40及び回転装置70の制御については、内側電極7の代わりに外側電極5を回転させる点を除き、実施形態5と同じである。
<本開示の実施形態7に係る金属空気電池システムの変形例>
実施形態6では、外側電極5が正極であり、内側電極7が負極であったが、実施形態3の図3に示される構成の電極セルのように、外側電極5が負極であり、内側電極7が正極であってもよい。この場合には、外側電極5に金属が析出するので、電析量が増加していくと外側電極5の重量が増加する。そうすると、内側電極7を自転させる回転装置70の負荷が増加する。実施形態5と同様にして、負荷検出装置71によって回転装置70の負荷を検出し、負荷の検出値に基づいて外側電極5の表面への金属の電析量を推測したり、電圧、差圧、及びパラメータと組み合わせることにより、精度良く外側電極5の表面に析出した金属の電析形態を推測したりすることができる。これによりデンドライト51の発生を早期に推測できるので、内部短絡が発生するおそれにたいして迅速に対応できる。
実施形態6では、外側電極5が自転する際に、入口チャンバ3及び出口チャンバ4も外側電極5と共に自転する。入口チャンバ3及び出口チャンバ4のそれぞれには、電解液流入管8及び電解液流出管9の一端が接続され、それらの他端は電解液タンク10に接続されているので、実際には、これらが邪魔をして外側電極5を自転させることができない場合がある。
これに対し、図10に示されるような電極セル2を採用すれば、電解液流入管8及び電解液流出管9並びに電解液タンク10等に影響されずに、外側電極5を自転させることができる。内側電極7には、内側電極7の内部の一部に形成された第1中空部81と、電解液の流れる方向において第1中空部81よりも下流側の内側電極7の内部の一部に形成された第2中空部82とが形成されている。内側電極7の内部において、第1中空部81と第2中空部82とは互いに連通していない。内側電極7の両端7d,7eはそれぞれ、入口チャンバ3及び出口チャンバ4のそれぞれからそれぞれの外部に突き抜けるように設けられている。第1中空部81は、内側電極7の端7dで開口するように構成されていることにより、入口チャンバ3の外部に連通している。第2中空部82も、内側電極7の端7eで開口するように構成されていることにより、出口チャンバ4の外部に連通している。内側電極7には、第1中空部81及び第2中空部82のそれぞれと、入口チャンバ3の内部、出口チャンバ3の内部及び流路13によって構成される閉空間83とを連通する貫通穴84,85が形成されている。
このような構成の電極セル2では、電解液流入管8を流通する電解液は、第1中空部81に流入し、貫通穴84を介して、第1中空部81から閉空間83に流出する。閉空間83、特に、出口チャンバ4内の電解液は、貫通穴85を介して第2中空部82に流入し、出口チャンバ4の外部で電解液流出管9に流入する。
このような構成によれば、入口チャンバ3及び出口チャンバ4のそれぞれに、電解液を入口チャンバ3に供給するための配管及び出口チャンバ4から電解液を流出させるための配管を設ける必要がないため、外側電極5を自転可能に構成しやすくなる。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
[1]一の態様に係る金属空気電池システムは、
電解液が流入する入口チャンバ(3)と、
前記電解液が流出する出口チャンバ(4)と、
前記入口チャンバ(3)と前記出口チャンバ(4)とを連通する内部空間(6)を有する中空の外側電極(5)と、
前記外側電極(5)と同心状に前記内部空間(6)内に挿入されるように設けられた内側電極(7)と
を備え、
前記外側電極(5)及び前記内側電極(7)の一方は、金属を含む負極であり、他方は、酸素が拡散可能な多孔質性の正極であり、
前記外側電極(5)と前記内側電極(7)との間に、前記入口チャンバ(3)から前記出口チャンバ(4)に向かって前記電解液が流れる流路(13)が形成され、該流路(13)の流路断面積は前記入口チャンバ(3)側から前記出口チャンバ(4)側に向かって減少するように構成されている。
流路を流れる電解液中の活性種イオンの濃度は、電解液の流れ方向において下流側ほど低くなり、このような濃度のばらつきによって負極への金属の析出形態が不均一になるので、デンドライトが発生しやすい環境となる。これに対し、本開示の金属空気電池システムによれば、電解液が流れる流路の流路断面積が入口チャンバ側から出口チャンバ側に向かって減少するように構成されていることにより、流路を流れる電解液の流速は、電解液の流れ方向において下流側ほど大きくなるので、下流側での反応が活性イオン種の拡散律速状態となりにくくなり、局所的に集中して金属が析出する領域の発生を抑制できる。その結果、デンドライトの発生を抑制することができる。
[2]別の態様に係る金属空気電池システムは、[1]の金属空気電池システムであって、
前記内部空間(6)は円錐台形状を有し、前記内側電極(7)は、前記外側電極(5)の前記円錐台形状に対応する円錐形状部分又は円錐台形状部分(12)を有する。
このような構成によれば、電解液が流れる流路の流路断面積が入口チャンバ側から出口チャンバ側に向かって減少するように構成することができる。
[3]さらに別の態様に係る金属空気電池システムは、[2]の金属空気電池システムであって、
前記内側電極(5)は、前記電解液の流れる方向において前記円錐形状部分又は前記円錐台形状部分(12)よりも上流側に入口側部分(14)を有し、
前記入口側部分(14)は、前記内側電極(7)の軸線(L)に対して回転対称形状を有する。
このような構成によれば、入口チャンバに流入した電解液が流路に流入するまでの間に、電解液の流れが入口側部分で乱されることを抑制できる。
[4]さらに別の態様に係る金属空気電池システムは、[3]の金属空気電池システムであって、
前記入口側部分(14)は半球形状を有する。
このような構成によれば、入口側部分と円錐形状部分又は円錐台形状部分との接続部分が滑らかな構成となるので、入口チャンバに流入した電解液が流路に流入するまでの間に、電解液の流れが接続部分で乱されることを抑制できる。
[5]さらに別の態様に係る金属空気電池システムは、[2]~[4]のいずれかの金属空気電池システムであって、
前記内側電極(7)を前記外側電極(5)に対して前記内側電極(7)の軸線(L)に沿って移動させる移動装置(40)を備える。
このような構成によれば、正極と負極との間の距離を簡単に制御することができる。
[6]さらに別の態様に係る金属空気電池システムは、[5]の金属空気電池システムであって、
前記内側電極(7)の表面には、前記電解液の流れる方向において上流側の領域である上流側領域(7a)と、前記電解液の流れる方向において下流側の領域である下流側領域(7b)とのそれぞれに絶縁層(15)が設けられ、
前記上流側領域(7a)と前記下流側領域(7b)との間で前記表面が露出している通電領域(7c)は、前記内側電極(7)が最も前記出口チャンバ(4)側に移動した場合と、前記内側電極(7)が最も前記入口チャンバ(3)側に移動した場合とのいずれにおいても、前記内部空間(6)内に位置する。
このような構成によれば、正極と負極との間の距離を変更しても、通電領域が外側電極に対向するので、有効な電極表面積を一定に維持することができる。
[7]さらに別の態様に係る金属空気電池システムは、[5]または[6]のいずれかの金属空気電池システムであって、
前記入口チャンバ(3)に流入する前記電解液の流量を調節する流量調節装置(60)を備え、
前記流量調節装置(60)は、前記内側電極(7)の移動に応じて前記電解液の流量を調節するように構成されている。
このような構成によれば、負極と正極との間の距離の変更に応じて、流路を流れる電解液の流量を適切に調節することができる。
[8]さらに別の態様に係る金属空気電池システムは、[7]の金属空気電池システムであって、
前記流量調節装置(60)は、
前記入口チャンバ(3)に連通する第1配管(61)と、
前記第1配管(61)に形成された穴(62)を介して前記第1配管(61)に連通する第2配管(63)と
を備え、
前記第2配管(63)は前記内側電極(7)と共に移動するとともに前記第2配管(63)の移動によって前記第2配管(63)に対する前記穴(62)の開口面積が変化するように構成されている。
このような構成によれば、負極と正極との間の距離の変更に応じた電解液の流量の調節を簡単な構成で実現することができる。
[9]さらに別の態様に係る金属空気電池システムは、[5]~[8]のいずれかの金属空気電池システムであって、
前記内側電極(7)又は前記外側電極(5)のいずれか一方を前記内側電極(7)又は前記外側電極(5)の軸線(L又はL)を回転中心として自転させる回転装置(70)を備える。
このような構成によれば、デンドライトが発生した場合、内側電極を移動させることによりデンドライトの先端を対向する電極に接した状態にし、その状態で内側電極又は外側電極を自転させることにより、機械的にデンドライトを脱落させることができる。
[10]さらに別の態様に係る金属空気電池システムは、[9]の金属空気電池システムであって、
前記内側電極(7)又は外側電極(5)のうち自転可能に設けられた方が負極であり、
前記回転装置(70)の負荷を検出する負荷検出装置(制御装置44)を備える。
このような構成によれば、内側電極の表面に析出した金属の電析量を推測でき、これによりデンドライトの発生を早期に推測できるので、内部短絡が発生するおそれにたいして迅速に対応できる。
[11]さらに別の態様に係る金属空気電池システムは、[9]または[10]のいずれかの金属空気電池システムであって、
前記外側電極(5)と前記内側電極(7)との間の電圧を検出する電圧計(45)と、
前記入口チャンバ(3)と前記出口チャンバ(4)との間の差圧を検出する差圧計(46)と、
前記金属空気電池システム(1)の運用時間に相当するパラメータを検出するパラメータ検出装置(制御装置44)と
を備える。
このような構成によれば、内側電極又は外側電極の表面に析出した金属の電析量及び電析形態を推測でき、これによりデンドライトの発生を早期に推測できるので、内部短絡が発生するおそれにたいして迅速に対応できる。
[12]さらに別の態様に係る金属空気電池システムは、[11]の金属空気電池システムであって、
前記移動装置(40)を制御する制御装置(44)を備え、
前記制御装置(44)は、前記電圧計(45)と、前記差圧計(46)と、前記パラメータ検出装置(44)とによる検出値に基づいて前記内側電極の移動量を決定し、前記移動装置(40)は前記内側電極(7)を前記移動量だけ移動させる。
このような構成によれば、内側電極又は外側電極の表面に析出した金属の電析形態に応じて、負極と正極との間の距離を制御することができる。
[13]さらに別の態様に係る金属空気電池システムは、[12]の金属空気電池システムであって、
前記制御装置(44)は前記回転装置(70)を制御するようにも構成され、前記移動装置(40)が前記内側電極(7)を移動させた後に前記回転装置(70)を駆動させて前記内側電極(7)又は前記外側電極(5)を自転させる。
このような構成によれば、デンドライトが発生した場合、内側電極を移動させることによりデンドライトの先端を対向する電極に接した状態にし、その状態で内側電極又は外側電極を自転させることにより、機械的にデンドライトを脱落させることができる。
[14]さらに別の態様に係る金属空気電池システムは、[10]の金属空気電池システムであって、
前記外側電極(5)と前記内側電極(7)との間の電圧を検出する電圧計(45)と、
前記入口チャンバ(3)と前記出口チャンバ(4)との間の差圧を検出する差圧計(46)と、
前記金属空気電池システム(1)の運用時間に相当するパラメータを検出するパラメータ検出装置(制御装置44)と、
前記移動装置(40)及び前記回転装置(70)を制御する制御装置(44)と
を備え、
前記制御装置(44)は、前記負荷検出装置(44)と、前記電圧計(45)と、前記差圧計(46)と、前記パラメータ検出装置(44)とによる検出値に基づいて前記内側電極(7)の移動量を決定し、前記移動装置(40)は前記内側電極(7)を前記移動量だけ移動させ、前記移動装置(40)が前記内側電極(7)を移動させた後に前記回転装置(70)を駆動させて前記内側電極(7)又は前記外側電極(5)を自転させる。
このような構成によれば、デンドライトが発生した場合、内側電極を移動させることによりデンドライトの先端を対向する電極に接した状態にし、その状態で内側電極又は外側電極を自転させることにより、機械的にデンドライトを脱落させることができる。
[15]さらに別の態様に係る金属空気電池システムは、[1]~[14]のいずれかの金属空気電池システムであって、
前記内側電極(7)は前記負極であり、前記外側電極(5)は前記正極である。
負極に比べて正極の分極が大きく、抵抗低減がより必要になるため、内側電極が負極であり外側電極が正極である配置により、充放電時のエネルギー効率を向上させることができる。
[16]さらに別の態様に係る金属空気電池システムは、[15]の金属空気電池システムであって、
前記外側電極(5)は、
前記内側電極(7)に対して対向する充電用正極(21)と、
前記充電用正極(21)の表面のうち、前記内側電極(7)に対向する面とは反対側の面に設けられるセパレータ(23)と、
前記セパレータ(23)に接するように設けられる放電用正極(22)と
を備える。
このような構成によれば、負極と充電用正極とを使用して充電するとともに負極と放電用正極とを使用して放電を行うことにより、充電時に内部短絡が発生しても放電を行うことができるので、充放電を支障なく行うことができる。
[17]さらに別の態様に係る金属空気電池システムは、[15]または[16]の金属空気電池システムであって、
前記内側電極(7)は、
前記内側電極(7)の内部の一部に形成された第1中空部(81)と、
前記電解液の流れる方向において前記第1中空部(81)よりも下流側の前記内側電極(7)の内部の一部に形成された第2中空部(82)と
を含み、
前記内側電極(7)は、前記入口チャンバ(3)及び前記出口チャンバ(4)のそれぞれからそれぞれの外部に突き抜けるように設けられ、前記第1中空部(81)は前記入口チャンバ(3)の外部に連通し、前記第2中空部(82)は前記出口チャンバ(4)の外部に連通し、
前記内側電極(7)には、前記第1中空部(81)及び前記第2中空部(82)のそれぞれと、前記入口チャンバ(3)の内部、前記出口チャンバ(4)の内部及び前記流路(13)によって構成される閉空間(83)とを連通する貫通穴(84,85)が形成されている。
このような構成によれば、入口チャンバ及び出口チャンバのそれぞれに、電解液を入口チャンバに供給するための配管及び出口チャンバから電解液を流出させるための配管を設ける必要がないため、外側電極を自転可能に構成しやすくなる。
[18]さらに別の態様に係る金属空気電池システムは、[1]~[14]のいずれかの金属空気電池システムであって、
前記内側電極(7)は前記正極であり、前記外側電極(5)は前記負極であり、
前記内側電極(7)には、前記内側電極(7)の軸線(L)に沿って前記内側電極(7)を貫通するように中空部(37)が形成され、
前記中空部(37)には、酸素含有ガス又は酸素が溶存した電解液が流通するように構成されている。
このような構成によれば、内側電極が負極である場合に比べて、負極の面積が相対的に増えることになり、負極への金属の析出量が増えるので、蓄電容量を大きくすることができる。
1 金属空気電池システム
3 入口チャンバ
4 出口チャンバ
5 外側電極
6 内部空間
7 内側電極
12 円錐台形状部分
13 流路
14 入口側部分
15 絶縁層
21 充電用正極
22 放電用正極
23 セパレータ
37 中空部
40 移動装置
44 制御装置(負荷検出装置,パラメータ検出装置)
45 電圧計
46 差圧計
60 流量調節装置
61 第1配管
62 穴
63 第2配管
70 回転装置
81 第1中空部
82 第2中空部
83 閉空間
84 貫通穴
85 貫通穴
(外側電極の)軸線
(内側電極の)軸線

Claims (18)

  1. 電解液が流入する入口チャンバと、
    前記電解液が流出する出口チャンバと、
    前記入口チャンバと前記出口チャンバとを連通する内部空間を有する中空の外側電極と、
    前記外側電極と同心状に前記内部空間内に挿入されるように設けられた内側電極と
    を備え、
    前記外側電極及び前記内側電極の一方は、金属を含む負極であり、他方は、酸素が拡散可能な多孔質性の正極であり、
    前記外側電極と前記内側電極との間に、前記入口チャンバから前記出口チャンバに向かって前記電解液が流れる流路が形成され、該流路の流路断面積は前記入口チャンバ側から前記出口チャンバ側に向かって減少するように構成されている、金属空気電池システム。
  2. 前記内部空間は円錐台形状を有し、前記内側電極は、前記外側電極の前記円錐台形状に対応する円錐形状部分又は円錐台形状部分を有する、請求項1に記載の金属空気電池システム。
  3. 前記内側電極は、前記電解液の流れる方向において前記円錐形状部分又は前記円錐台形状部分よりも上流側に入口側部分を有し、
    前記入口側部分は、前記内側電極の軸線に対して回転対称形状を有する、請求項2に記載の金属空気電池システム。
  4. 前記入口側部分は半球形状を有する、請求項3に記載の金属空気電池システム。
  5. 前記内側電極を前記外側電極に対して前記内側電極の軸線に沿って移動させる移動装置を備える、請求項2~4のいずれか一項に記載の金属空気電池システム。
  6. 前記内側電極の表面には、前記電解液の流れる方向において上流側の領域である上流側領域と、前記電解液の流れる方向において下流側の領域である下流側領域とのそれぞれに絶縁層が設けられ、
    前記上流側領域と前記下流側領域との間で前記表面が露出している通電領域は、前記内側電極が最も前記出口チャンバ側に移動した場合と、前記内側電極が最も前記入口チャンバ側に移動した場合とのいずれにおいても、前記内部空間内に位置する、請求項5に記載の金属空気電池システム。
  7. 前記入口チャンバに流入する前記電解液の流量を調節する流量調節装置を備え、
    前記流量調節装置は、前記内側電極の移動に応じて前記電解液の流量を調節するように構成されている、請求項5に記載の金属空気電池システム。
  8. 前記流量調節装置は、
    前記入口チャンバに連通する第1配管と、
    前記第1配管に形成された穴を介して前記第1配管に連通する第2配管と
    を備え、
    前記第2配管は前記内側電極と共に移動するとともに前記第2配管の移動によって前記第2配管に対する前記穴の開口面積が変化するように構成されている、請求項7に記載の金属空気電池システム。
  9. 前記内側電極又は前記外側電極のいずれか一方を前記内側電極又は前記外側電極の軸線を回転中心として自転させる回転装置を備える、請求項5に記載の金属空気電池システム。
  10. 前記内側電極又は外側電極のうち自転可能に設けられた方が負極であり、
    前記回転装置の負荷を検出する負荷検出装置を備える、請求項9に記載の金属空気電池システム。
  11. 前記外側電極と前記内側電極との間の電圧を検出する電圧計と、
    前記入口チャンバと前記出口チャンバとの間の差圧を検出する差圧計と、
    前記金属空気電池システムの運用時間に相当するパラメータを検出するパラメータ検出装置と
    を備える、請求項9に記載の金属空気電池システム。
  12. 前記移動装置を制御する制御装置を備え、
    前記制御装置は、前記電圧計と、前記差圧計と、前記パラメータ検出装置とによる検出値に基づいて前記内側電極の移動量を決定し、前記移動装置は前記内側電極を前記移動量だけ移動させる、請求項11に記載の金属空気電池システム。
  13. 前記制御装置は前記回転装置を制御するようにも構成され、前記移動装置が前記内側電極を移動させた後に前記回転装置を駆動させて前記内側電極又は前記外側電極を自転させる、請求項12に記載の金属空気電池システム。
  14. 前記外側電極と前記内側電極との間の電圧を検出する電圧計と、
    前記入口チャンバと前記出口チャンバとの間の差圧を検出する差圧計と、
    前記金属空気電池システムの運用時間に相当するパラメータを検出するパラメータ検出装置と、
    前記移動装置及び前記回転装置を制御する制御装置と
    を備え、
    前記制御装置は、前記負荷検出装置と、前記電圧計と、前記差圧計と、前記パラメータ検出装置とによる検出値に基づいて前記内側電極の移動量を決定し、前記移動装置は前記内側電極を前記移動量だけ移動させ、前記移動装置が前記内側電極を移動させた後に前記回転装置を駆動させて前記内側電極又は前記外側電極を自転させる、請求項10に記載の金属空気電池システム。
  15. 前記内側電極は前記負極であり、前記外側電極は前記正極である、請求項1~4のいずれか一項に記載の金属空気電池システム。
  16. 前記外側電極は、
    前記内側電極に対して対向する充電用正極と、
    前記充電用正極の表面のうち、前記内側電極に対向する面とは反対側の面に設けられるセパレータと、
    前記セパレータに接するように設けられる放電用正極と
    を備える、請求項15に記載の金属空気電池システム。
  17. 前記内側電極は、
    前記内側電極の内部の一部に形成された第1中空部と、
    前記電解液の流れる方向において前記第1中空部よりも下流側の前記内側電極の内部の一部に形成された第2中空部と
    を含み、
    前記内側電極は、前記入口チャンバ及び前記出口チャンバのそれぞれからそれぞれの外部に突き抜けるように設けられ、前記第1中空部は前記入口チャンバの外部に連通し、前記第2中空部は前記出口チャンバの外部に連通し、
    前記内側電極には、前記第1中空部及び前記第2中空部のそれぞれと、前記入口チャンバの内部、前記出口チャンバの内部及び前記流路によって構成される閉空間とを連通する貫通穴が形成されている、請求項15に記載の金属空気電池システム。
  18. 前記内側電極は前記正極であり、前記外側電極は前記負極であり、
    前記内側電極には、前記内側電極の軸線に沿って前記内側電極を貫通するように中空部が形成され、
    前記中空部には、酸素含有ガス又は酸素が溶存した電解液が流通するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の金属空気電池システム。
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