JP2019153467A - フロー電池及びフロー電池システム - Google Patents

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修子 山内
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渉太 伊藤
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政則 酒井
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明博 織田
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祐一 利光
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Abstract

【課題】高エネルギー密度化及び長寿命化されたフロー電池並びにこれを備えた発電システムを提供する。【解決手段】本発明の水溶液系二次電池は、正極及び負極を含む電極と、活物質を含む電解液と、活物質反応槽と、前記活物質反応槽における前記電解液の流入方向と流出方向を切替可能な切替弁と、前記切替弁の切り替え動作を制御する制御部と、を備えるフロー電池を提供する。【選択図】図4

Description

本発明は、フロー電池及びフロー電池システムに関するものである。
近年、地球環境問題は深刻さを増しており、化石燃料に依存しない持続可能な社会の実現が強く求められている。特に大気中の二酸化炭素増加による地球温暖化は、地球規模での大きな課題となっている。そのため、発電時に二酸化炭素を排出しない風力、太陽光等の再生可能エネルギーの普及が、今後も世界的に促進されることが予想される。しかし、再生可能エネルギーは天候によって大きく出力が変動するので、そのままでは安定的な利用が困難である。そこでこの出力の変動を平準化するため、安全かつ安価で大型化に適する電力貯蔵用蓄電デバイスの需要が高まっている。
大容量の電力貯蔵用蓄電デバイスとしては、ナトリウム硫黄(NAS)電池、鉛蓄電池、レドックスフロー電池等の二次電池が挙げられる。NAS電池は大容量で長寿命であるため、ピークシフト用途、再生可能エネルギー電力の系統連携用途等への利用が提案されている。鉛蓄電池は、100年以上の歴史に裏打ちされた高い信頼性があり、単位蓄電容量当たりのコストが低く大型化に有利であるため、家庭用、事業所用等の夜間電力利用、再生可能エネルギー発電所の平準化などの幅広い用途に提案されている。レドックスフロー電池は、タンクの容量を増やすことで大容量化も容易に行えるため、電力貯蔵用途に適している。
一方で、各種蓄電デバイスには短所も存在する。NAS電池は動作温度が300℃と高温であるため、発火の危険があるうえに、発火すると亜硫酸ガス等の有毒ガスを発生する危険がある。鉛蓄電池は、体積エネルギー密度が低いため、広大な設置面積を必要とする上に、RoHS指令に代表されるように鉛が世界的に規制の対象となっていることから、将来的に規制対象となることも考えられる。レドックスフロー電池は、水溶液系電解質であれば発火の危険は低く安全性が高いものの、従来のバナジウムなどの金属イオンを正負極活物質とした場合は体積エネルギー密度が低いことが課題である。
そこで、安全性が高いことと、体積エネルギー密度が高いこととを両立した大容量蓄電デバイスの開発が待たれている。
特許文献1には、ハロゲンオキソ酸化合物の水溶液を用いたレドックスフロー電池が開示されている。このレドックスフロー電池では、負極活物質として亜鉛イオン等の金属イオンを用いており、充電中はこの金属イオンがそれぞれの金属そのものに変換され、他方、放電中は金属が対応する塩(塩化物塩など)中に溶解することについても開示されている。
特許文献2には、セパレーターとしてニトロセルロース製多孔膜を用いた亜鉛/ヨウ素二次電池が開示されている。この亜鉛/ヨウ素二次電池では、長期間の充放電サイクルに伴いデンドライト状あるいはモス状に成長する亜鉛の結晶を、セパレーター材料に関する機械的強度をもって阻止することが期待されている。
特許文献3及び非特許文献1には、金属イオンとヨウ化物イオンポリマーを電解液の成分とするレドックスフロー電池が開示されている。また、非特許文献1には、ヨウ化亜鉛を活物質とする水溶液系電解液にアルコールを添加し、これにより亜鉛のデンドライト状の結晶成長を緩和することが開示されている。
特許文献4には、負極電解液の溶媒にイオン液体を用いるレドックスフロー電池が開示されている。また、負極電解液の溶媒としてイオン液体を用いることで、負極溶媒が揮発により減少することがなく、これにより亜鉛等の負極活物質の析出が防がれることが開示されている。
特表2016−520982号公報 特開昭63−205067号公報 米国特許出願公開第2015/0147673号明細書 特開2010−244972号公報
B. Li et al., Nature commun., 6, 6303 (2015).
電力貯蔵用の大容量蓄電デバイスとしては、安全性に優れる点から水溶液系電解液を用いる水溶液系二次電池が好ましい。また、水への溶解度が高く、高エネルギー密度化が期待できる点から、容易に酸化還元反応を起こす金属イオンを活物質とするフロー電池が考えられる。
ここで、特許文献1〜4及び非特許文献1では、金属イオンを用いたフロー電池について開示されている。また、特許文献3〜4では、還元反応により金属イオンが電極表面に金属として析出し、樹脂状(デンドライト)に結晶成長する場合があることを開示している。このデンドライトが形成されると、短絡が発生したり電池容量が低下したりするため、最終的には、フロー電池の短寿命化及び低エネルギー密度化に繋がるおそれがある。
そのため、特許文献3、4及び非特許文献1に記載の方法では、電解液中にイオン液体又はアルコールを添加して、デンドライトの成長を抑えている。また、特許文献2に記載の方法では、隔膜を設けることにより、デンドライトが正極に到達しないようにしている。
しかしながら、従来の方法以外に、さらに別の方法を見出すことが求められており、デンドライトの成長を抑える方策としての選択肢を広げることが望まれている。
そこで、本発明は、高エネルギー密度化及び長寿命化されたフロー電池並びにこれを備えたフロー電池システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するための具体的な手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1> 正極及び負極を含む電極と、活物質を含む電解液と、活物質反応槽と、前記活物質反応槽における前記電解液の流入方向と流出方向を切替可能な切替弁と、前記切替弁の切り替え動作を制御する制御部と、を備えるフロー電池。
<2> 前記制御部は、前記切替弁の切り替え動作を一定時間毎に行うように制御する前記<1>に記載のフロー電池。
<3> 前記制御部は、前記切替弁の弁開度と前記電解液の流速との関係を表す検量情報に基づいて、前記切替弁の切り替え動作を制御する前記<1>又は<2>に記載のフロー電池。
<4> 前記制御部は、前記電解液の流速と前記活物質の拡散層の厚みとの関係を表す検量情報に基づいて、前記切替弁の切り替え動作を制御する前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のフロー電池。
<5> 前記制御部は、前記電解液の流速と前記活物質反応槽における前記電解液の圧力損失との関係を表す検量情報に基づいて、前記切替弁の切り替え動作を制御する前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のフロー電池。
<6> 前記制御部は、充電継続中又は予め定めた充電状態において、切替弁の切り替え動作を行うように制御する前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のフロー電池。
<7> 前記制御部は、電流積算期間における充電率変化量(ΔSOC)に基づいて、予め定めた充電率変化量(ΔSOC)となったときに、切替弁の切り替え動作を行うように制御する前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のフロー電池。
<8> 前記切替弁は、回転式の切替弁を含む前記<1>〜<7>のいずれか1項に記載のフロー電池。
<9> 前記活物質は、正極活物質としてハロゲン化物イオンを含む、前記<1>〜<8>のいずれか1項に記載のフロー電池。
<10> 前記活物質は、負極活物質として、亜鉛イオン、クロムイオン、マンガンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオン、鉛イオン及びリチウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種を含む、前記<1>〜<9>のいずれか1項に記載のフロー電池。
<11> 前記電解液は、水溶性有機化合物を更に含有する、前記<1>〜<10>のいずれか1項に記載のフロー電池。
<12> 前記水溶性有機化合物が、ケトン、カルボン酸エステル及び炭酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種を含有する、前記<11>に記載のフロー電池。
<13> 前記水溶性有機化合物が、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸プロピレン、ガンマブチロラクトン、ジメチルスルホキシド及びポリエチレングリコールから選択される少なくとも1種を含有する、前記<11>又は<12>に記載のフロー電池。
<14> 前記活物質反応槽内において、前記正極が鉛直方向下部、且つ、前記負極が鉛直方向上部に配置される、前記<1>〜<13>のいずれか1項に記載のフロー電池。
<15> 前記電解液を循環させる電解液循環経路を更に備え、
前記活物質反応槽の負極側で前記電解液循環経路が接続している、前記<14>に記載のフロー電池。
<16> 前記正極と前記負極との間に隔膜を更に備える、前記<1>〜<15>のいずれか1項に記載のフロー電池。
<17> 前記<1>〜<16>のいずれか1項に記載のフロー電池を備えるフロー電池システム。
本発明の一形態によれば、安全性の高い水溶性電解液を用いた高エネルギー密度化及び長寿命化されたフロー電池並びにこれを備えた発電システムを提供することができる。
本開示のフロー電池における、放電曲線の一例を表すグラフである。 本開示のフロー電池における、クーロン効率と充放電のサイクル数との関係の一例を表すグラフである。 本開示のフロー電池における、水溶性有機化合物を含有する電解液を用いたときのクーロン効率の変化の一例を示すグラフである。 本開示のフロー電池における、一液型の電解液を用いたときの一例を示す概略断面図である。 本開示のフロー電池の活物質反応槽における電解液の流れを説明する概略平面図である。 (a)(b)は、本開示のフロー電池における、一液型の電解液を用いたときの電解液の流れの方向を示す概略断面図である。 本開示のフロー電池における、電解液の流速と活物質の拡散層の厚みとの関係を表す検量情報の一例を表すグラフである。 本開示のフロー電池における、活物質の拡散層の厚みとフロー電池の寿命との関係を表す検量情報の一例を表すグラフである。 本開示のフロー電池における、二液型の電解液を用いたときの一例を示す概略断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において電解液中の各成分の含有率は、電解液中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、電解液中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率を意味する。
また、本開示に記載された具体的かつ詳細な内容の一部又は全てを利用せずとも本発明を実施可能であることは、当業者には明らかである。また、本発明の側面をあいまいにすることを避けるべく、公知の点については詳細な説明又は図示を省略する場合もある。
また、図面における部材の大きさは概念的なものであり、部材間の大きさの相対的な関係はこれに限定されない。また、実質的に同一の機能を有する部材には全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
[フロー電池]
本開示のフロー電池は、正極及び負極を含む電極と、活物質を含む電解液と、活物質反応槽と、前記活物質反応槽における前記電解液の流入方向と流出方向を切替可能な切替弁と、前記切替弁の切り替え動作を制御する制御部と、を備える。本開示のフロー電池は、電解液循環経路、隔膜、電解液貯蔵部、電解液送液ポンプ、生成物貯蔵部、生成物循環経路、電位計測部等をさらに備えてもよい。
一般に、フロー電池は、流路の構造に起因して流速が変化しやすく、活物質反応槽内において活物質の濃度が偏りやすい傾向にある。例えば、金属が析出するときに、生成した析出層の厚みにムラが生じ、不均一な金属成長が起き易い。不均一な金属成長は、いわゆる樹枝状のデンドライトを生成するため、最終的には、短絡の発生又は電池容量の低下を引き起こす。例えば、電池容量の低下は、デンドライトが電解液内に脱落し、電気化学反応に寄与しない金属として系外に孤立し、活物質量が減少することで、生じると考えられる。また、短絡は、負極表面のデンドライトが成長して正極と接触することで、引き起こされると考えられる。
このデンドライト状の金属成長を抑制するために、流速を上げることが考えられる。しかしながら、流速を上げたとしても、電解液の流れ方向に沿って金属は一定方向に成長するため、局所的な短絡箇所の発生を抑制することは難しい。その結果、フロー電池の充放電効率の低下が起こり、寿命が短くなる傾向にある。
一方で、上記構成を有する本開示のフロー電池は、長寿命化が可能である。上記効果を奏する詳細な理由は必ずしも明らかではないが、以下のように考えることができる。
活物質反応槽における電解液の流入出方向が切替弁により切り替えられるため、電極上に析出するデンドライトの成長方向を反転させることができる。これにより、デンドライトが一方に長く伸びることが抑制され、短絡に起因する寿命の低下が抑えられる。
また、電極上の特定部位で局所的にデンドライトが成長するのが抑えられ、析出箇所を分散させることができる。これにより、短絡に起因する寿命の低下が抑えられる。
そして、デンドライト状の成長が抑制されることで、析出される金属の充放電系外への脱落が抑制され、活物質の含有量の減少が抑えられる。その結果、放電容量の低下が抑えられ、長寿命化が可能になる。
さらには、切り替え動作を頻繁に行うと、電極上でのデンドライトの成長速度(析出層の厚みの増加速度)を抑えることができる。
制御部は、切替弁の切り替え動作を一定時間毎に行うように制御してもよい。
一定時間毎に電解液の流入出方向を切り替えることで、簡便な制御により、デンドライトの成長方向を変えることができ、また、局所的なデンドライトの成長を抑えることができる。さらに、デンドライトの成長速度が抑えられる傾向にあり、析出した金属の充放電系外への脱落も抑制される傾向にある。その結果、放電容量の低下が抑えられ、長寿命化が可能になる。
制御部は、切替弁の弁開度と電解液の流速との関係を表す検量情報に基づいて、切替弁の切り替え動作を制御してもよい。
一般に、電解液の流速が速いほど活物質の拡散層の厚みは薄くなり、デンドライトの成長速度が遅くなる。フロー電池の充電反応中において、電極表面(特に、負極表面)に金属イオン(例えば、亜鉛イオン)が到達し、電気化学反応によって金属クラスタを形成し、そこからデンドライト状に結晶成長する場合、一次元半無限拡散に関するコットレル式中における拡散層の厚さ(以下「拡散層厚」と称す、δ)は、金属イオンを含む電解液の流速(v)の関数で表すことができる。このときv=0ではδ=(πDt)1/2であるが、電極表面における流速(v)が大きくなるほど、拡散層厚(δ)は小さくなる。ここで、Dは電解液中の金属イオンの拡散係数、tは時間である。
すなわち、デンドライト状の結晶成長を抑制するためには、活物質反応槽において、電解液の流速の低下が抑制されていることが好ましい。そこで、予め切替弁の弁開度と電解液の流速との関係を表す検量情報を得て、これに基づき、電解液の流速を調節することで、デンドライトの成長に起因する寿命の低下が抑えられる傾向にある。
制御部は、電解液の流速と活物質の拡散層の厚みとの関係を表す検量情報に基づいて、前記切替弁の切り替え動作を制御してもよい。
あらかじめ求めておいた検量情報により、操作時の流速から、その操作条件での拡散層の厚みを把握することができる。これにより、電極上に形成する析出層の厚みを概算し、さらに析出層の積算厚みを見積もることができるため、電池の寿命を予測することができる。
制御部は、電解液の流速と活物質反応槽における電解液の圧力損失との関係を表す検量情報に基づいて、切替弁の切り替え動作を制御してもよい。
活物質反応槽での電解液の圧力損失を考慮することで、活物質反応槽内での電解液の流速をより正確に把握することができる。
制御部は、充電継続中又は予め定めた充電状態において、切替弁の切り替え動作を行うように制御してもよい。
充電継続中又は予め定めた充電状態において、切替弁の切り替え動作を行うことで、放電容量の低下が抑えられ、フロー電池の長寿命化が可能になる傾向にある。
制御部は、電流積算期間における充電率変化量(ΔSOC)に基づいて、予め定めた充電率変化量(ΔSOC)となったときに、切替弁の切り替え動作を行うように制御してもよい。
電流積算期間における充電率変化量(ΔSOC)を求めると、放電容量をより正確に推定することができる。さらに、あらかじめ定めたΔSOCの値となったときに、切替弁の切り替え動作を行うことで、放電容量の低下が抑えられ、長寿命化が可能になる。
切替弁は、回転式の切替弁を含んでもよい。
回転式の切替弁を用いると、活物質反応槽に流入出する電解液の流量が連続的に変更できる。これにより、電解液の流量を調節することで、デンドライトの成長に起因する寿命の低下が抑えられる傾向にある。
活物質は、正極活物質であるハロゲン化物イオンを含んでもよい。
正極活物質としてハロゲン化物イオンを含むと、フロー電池の発電効率が向上する傾向にある。
活物質は、負極活物質である、亜鉛イオン、クロムイオン、マンガンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオン、鉛イオン及びリチウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種を含んでもよい。
負極活物質として、上記からなる群より選択される少なくとも1種の金属イオンを含むと、溶解析出反応の標準酸化還元電位が低くなり易く、安価であり、且つ、還元反応生成物が金属であり負極表面に析出して留まる傾向にある。
電解液は、水溶性有機化合物を更に含有してもよい。
電解液が水溶性有機化合物を含むことにより、デンドライトの成長が抑制される傾向にある。また、正極電極表面に形成されるハロゲン分子皮膜の溶解が促進されるとともに、電解液から分離した酸化反応生成物を正極の還元反応(放電反応)に好適に利用できる。その結果、例えば、フロー電池にて放電の長寿命化が可能になる傾向にある。
また、正極活物質としてヨウ化物イオンを用いる場合、水溶性有機化合物は、ヨウ素分子皮膜の溶解を促進し流路の目詰まりを防止するとともに、酸化反応生成物を選択的に分離させ易くなる。これにより、ヨウ素分子の昇華を抑制しつつ酸化反応生成物を正極の近傍に留めることができる傾向にある。
水溶性有機化合物が、ケトン、カルボン酸エステル及び炭酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種を含有してもよい。
水溶性有機化合物として、上記からなる群より選択される少なくとも1種を含有すると、デンドライトの成長が抑制される傾向にある。また、カルボン酸エステルは、ハロゲンに対して化学的により安定であり、クーロン効率を高める傾向にある。炭酸エステルは、比重が大きく、疎水性の物質としてハロゲン化物イオンの酸化反応生成物を分離し易くする傾向にある。
水溶性有機化合物が、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸プロピレン、ガンマブチロラクトン、ジメチルスルホキシド及びポリエチレングリコールから選択される少なくとも1種を含有してもよい。
水溶性有機化合物として、上記からなる群より選択される少なくとも1種を含有すると、デンドライトの成長が抑制される傾向にある。
本開示のフロー電池は、活物質反応槽内の電解液を循環させる電解液循環経路を更に備え、活物質反応槽内において、正極が鉛直方向下部、且つ、負極が鉛直方向上部に配置しているフロー電池であってもよい。
電解液の負極活物質は、一般に、金属イオンであることが多く、酸化状態(放電状態)の金属イオンが還元(充電)されて生成される金属が負極上に堆積し易い。そのため、負極を鉛直方向上部に設置すれば、隔膜を設けていない場合であっても、負極における還元反応生成物である金属が正極に触れることが抑制される傾向にある。
本開示のフロー電池は、負極側にて活物質反応槽と電解液循環経路とが接続しているフロー電池であってもよい。
負極側にて活物質反応槽と電解液循環系とが接続していると、正極側に留まるハロゲン化物イオンの酸化反応生成物が電解液循環経路内を循環することが抑制され易い。このため、電解液から分離した酸化反応生成物を正極の還元反応に好適に利用でき、放電反応を長寿命化できる、と推測される。
以下では、まず、本開示のフロー電池の部品等について説明し、切替弁による電解液の流入方向と流出方向との切り替え動作及びこれを制御する制御部については、図面を参照しながら後述する。
<電解液>
本開示のフロー電池は、電解液を含む。電解液としては、一液型の電解液でも二液型の電解液でもよい。一液型の電解液は、正極活物質及び負極活物質を含有する。二液型の電解液は、正極活物質又は負極活物質を含有する。電解液は、支持電解質、pH緩衝剤、導電材、水溶性有機化合物等をさらに含んでもよい。
(正極活物質)
正極活物質として特に制限されず、例えば、ハロゲン化物イオンを含んでいてもよい。ハロゲン化物イオンとしては、塩化物イオン(Cl)、臭化物イオン(Br)及びヨウ化物イオン(I)が挙げられる。ハロゲン化物イオンとしては、臭化物イオン(Br)及びヨウ化物イオン(I)の少なくとも一方であることが好ましい。また、ハロゲン化物イオンとしては、標準酸化還元電位が高く、より高い出力電圧が得られる点から、臭化物イオンであることが好ましく、毒性が低い点から、ヨウ化物イオンであることが好ましい。
また、電解液は、ハロゲン化物イオン以外の正極活物質を含んでいてもよい。
ハロゲン化物イオンを含む電解液は、水に必要な成分を溶解又は分散したものにハロゲン化合物を溶解又は分散させて調製してもよい。ハロゲン化合物としては、例えば、臭素化合物及びヨウ素化合物が挙げられる。
臭素化合物としては、具体的には、CuBr、ZnBr、NaBr、KBr、HBr、LiBr、NHBr、BaBr、CaBr、MgBr、SrBr、CBr、AgBr、NBr、テトラアルキルアンモニウムブロミド、ピリジニウムブロミド、ピロリジニウムブロミド、スルフォニウムブロミド等が挙げられる。
ヨウ素化合物としては、具体的には、CuI、ZnI、NaI、KI、HI、LiI、NHI、BaI、CaI、MgI、SrI、CI、AgI、NI、テトラアルキルアンモニウムヨージド、ピリジニウムヨージド、ピロリジニウムヨージド、スルフォニウムヨージド等が挙げられる。
電解液中の臭化物イオンの濃度は特に制限されず、0.01M(mol/L)〜10Mであることが好ましく、0.1M〜5Mであることがより好ましい。臭化物イオンの濃度が0.01M以上であると充分なエネルギー密度が得られる傾向にあり、10M以下であると電解液中に後述する水溶性有機化合物を充分に溶解できる傾向にある。
電解液中のヨウ化物イオンの濃度は特に制限されず、0.01M〜20Mであることが好ましく、0.1M〜10Mであることがより好ましい。ヨウ化物イオンの濃度が0.01M以上であると充分なエネルギー密度が得られる傾向にあり、20M以下であると電解液中に後述する水溶性有機化合物を充分に溶解できる傾向にある。
(負極活物質)
負極活物質としては、反応系の標準酸化還元電位が、正極の標準酸化還元電位(正極活物質がヨウ化物イオンである場合は0.536V)よりも低い物質であれば特に制限されない。
負極活物質としては、亜鉛、クロム、チタン、鉄、スズ、バナジウム、鉛、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、リチウム、キノン系材料、ビオロゲン等のイオンが挙げられる。これらの負極活物質の中でも金属イオンが好ましく、より具体的には、亜鉛イオン、クロムイオン、マンガンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオン、鉛イオン及びリチウムイオンから選択される少なくとも1種が好ましく、亜鉛イオンがより好ましい。亜鉛イオンは他の金属イオンに比べて水への溶解度が高く(例えば、塩化亜鉛の溶解度は30M以上)、溶解析出反応の標準酸化還元電位が低く(−0.76V)、安価であり、かつ、還元反応生成物が金属亜鉛であり負極表面に析出して留まるため好ましい。金属イオンを含む負極電解液は、当該金属の化合物を電解液に溶解することで調製することができる。例えば、亜鉛イオンを含む負極電解液は、塩化亜鉛、ヨウ化亜鉛、臭化亜鉛、フッ化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛等の亜鉛化合物を電解液に溶解することで調製することができる。
これらの負極活物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電解液は、更に負極活物質として硫黄化合物を含んでいてもよい。硫黄化合物は、例えば硫化リチウムにて約1600mAh/gという高い放電容量を有し、フロー電池のエネルギー密度を高めることができ、且つ、安価である。また、酸化還元反応が金属の析出反応とは異なり、負極表面に金属が析出せず、デンドライト成長による短絡を抑制できるため好ましい。なお、負極活物質として硫黄化合物を用いた場合、硫黄化合物の還元反応生成物の堆積により流量が低下し、これにともない反応効率も低下することがある。しかしながら、電解液の活物質反応槽への流入出方向を切替弁により適宜切り替えることで、硫黄化合物の還元反応生成物の堆積の速度が抑えられ、適宜必要な流量が確保できる傾向にある。その結果、高容量で安定した出力を得ることができると考えられる。なお、負極活物質として硫黄化合物を用いる場合、本開示のフロー電池は、自己放電を抑制する点から、正極と負極との間に後述する隔膜を備えることが好ましい。
硫黄化合物としては、例えば、硫化リチウム(Li)、硫化ナトリウム(Na)、硫化カリウム(K)、硫化銀(Ag)、硫化亜鉛(Zn)、硫化鉄(Fe)及び硫化アンチモン(Sb)が挙げられる(x及びyは、任意の正の数を表す)。
(支持電解質)
電解液は、更に支持電解質を含んでいてもよい。支持電解質は、電解液のイオン伝導率を高めるための助剤である。電解液が支持電解質を含むことで、電解液のイオン伝導率が高まり、フロー電池の内部抵抗が低減する傾向にある。
支持電解質としては、電解液中で解離してイオンを形成する化合物であれば特に制限されない。支持電解質としては、HCl、HNO、HSO、HClO、NaCl、NaSO、NaClO、KCl、KSO、KClO、NaOH、LiOH、KOH、アルキルアンモニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩、アルキルピペリジニウム塩、アルキルピロリジニウム塩等が挙げられる。また、ハロゲン化合物等は、正極活物質と支持電解質とを兼ねていてもよい。これらの支持電解質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(pH緩衝剤)
電解液は、更にpH緩衝剤を含んでいてもよい。pH緩衝剤としては、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液、トリス緩衝液等が挙げられる。
(導電材)
電解液は、更に導電材を含んでいてもよい。導電材としては、炭素材料、金属材料、有機導電性材料等が挙げられる。炭素材料及び金属材料は、例えば、粒子状であっても繊維状であってもよい。
炭素材料としては、活性炭(水蒸気賦活又はアルカリ賦活);アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック;天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛等の黒鉛;カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンファイバー、ハードカーボン、ソフトカーボンなどが挙げられる。
金属材料としては、銅、銀、ニッケル、アルミニウム等の粒子、繊維などが挙げられる。
有機導電性材料としては、ポリフェニレン誘導体等が挙げられる。
これらの導電材は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(水溶性有機化合物)
電解液は、水溶性有機化合物を含んでもよい。水溶性有機化合物は、デンドライトの成長を抑制可能なものであることが好ましい。また、水溶性有機化合物は、ハロゲン化物イオンの酸化反応生成物を分離可能なものであることが好ましい。
例えば、金属イオンを負極活物質として用いるフロー電池では、還元反応により負極表面に析出する金属(還元反応生成物)に対し、水溶性有機化合物が配位すると考えられる。これにより、金属のデンドライトの成長を効果的に抑制できるものと考えられる。あるいは、金属の析出自体を防ぐ作用があると考えらえる。
本開示において「ハロゲン化物イオンの酸化反応生成物」とは、ハロゲン化物イオンの酸化反応によって生成する物質を意味する。臭化物イオンの酸化反応生成物としては、例えば、臭素(Br)、三臭化物イオン(Br )及びこれらの組み合わせが挙げられる。ヨウ化物イオンの酸化反応生成物としては、例えば、ヨウ素分子(I)、三ヨウ化物イオン(I )、五ヨウ化物イオン(I )及びこれらの組み合わせが挙げられる。
例えば、ヨウ化物イオンを用いるフロー電池の場合、水溶性有機化合物は、酸化反応性生物であるヨウ素分子皮膜の溶解を促進するとともに、酸化反応生成物を選択的に分離させることが好ましい。これにより、ヨウ素分子の昇華を抑制しつつ充電生成物を電極近傍に留める傾向にある。あるいは、負極の亜鉛析出形態を安定化する作用があると考えられる。
これらの中でも、デンドライトの成長を抑制する観点からは、水溶性有機化合物としては、炭酸プロピレン、ジメチルスルホキシド、ポリエチレングリコール等を用いることが好ましい。
水溶性有機化合物を用いてハロゲン化物イオンの酸化反応生成物を分離する態様は特に制限されず、電解液をハロゲン化物イオンの酸化反応生成物が含まれる疎水性の物質と、バルク液体とに分離することが好ましい。疎水性の物質は、例えば、水溶性有機化合物がハロゲン化物イオン及びその酸化反応生成物と、カチオンと、少量の水とともにネットワーク構造を形成して得られるものであってもよい。疎水性の物質は、例えば、疎水性の液体の状態であってもよい。
疎水性の物質に対するハロゲン分子の溶解度は、水に対する溶解度よりも高く、疎水性の物質中ではより安定に存在する。特に、ヨウ素分子は昇華性を有することに加え、水に対する溶解度が1mM程度と小さい。このため、水中に存在するヨウ素分子は気液界面から容易に昇華するが、疎水性の物質中に存在するヨウ素分子は昇華が抑制される傾向にある。従って、ヨウ化物イオンの酸化反応生成物を疎水性の物質として分離することで、ヨウ素分子の昇華が抑制され、電解液中のヨウ化物イオンの減少を抑制することができると考えられる。
ハロゲン化物イオンの酸化反応生成物を疎水性の物質として分離する場合、分離された疎水性の物質には、ハロゲン化物イオンの酸化反応生成物がバルク液体中よりも高い濃度で存在し、ハロゲン化物イオンの酸化反応生成物が濃縮されている傾向にある。そのため、疎水性の物質を正極に接触させてそこに含まれる酸化反応生成物を正極の還元反応に用いることにより、正極側にて電解液を循環させなくても高出力化及び放電の長寿命化が可能になる傾向にある。
水溶性有機化合物の種類は、特に制限されない。例えば、水溶性有機化合物によりハロゲン化物イオンの酸化反応生成物を分離する場合は、上述した理由から、疎水性の物質としてハロゲン化物イオンの酸化反応生成物を分離可能なものであることが好ましい。また、ハロゲン分子に対する親和力が水よりも高い水溶性有機化合物であることがより好ましい。ハロゲン分子に対する親和力が水よりも高い水溶性有機化合物は、ヨウ素分子皮膜等に水溶性有機化合物が配位してヨウ素分子皮膜の溶解を促進する傾向にある。このため、ヨウ素分子皮膜等の形成をより効率よく抑制することができると考えられる。水溶性有機化合物は、疎水性の物質を形成していないときは電解液に溶解した状態であることが好ましい。
水溶性有機化合物の中でも、水溶性有機化合物としては、有機スルホキシド、ポリエーテル化合物、ケトン、カルボン酸エステル及び炭酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
有機スルホキシドとして具体的には、ジメチルスルホキシド、メチルフェニルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、n−オクチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド等が挙げられる。中でも、ジメチルスルホキシドが好ましい。
ポリエーテル化合物として具体的には、ポリエチンレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)共重合体等が挙げられる。ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)共重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。中でも、ポリエチレングリコールが好ましい。
カルボン酸エステルはケトンよりもハロゲンに対して化学的に安定であり、クーロン効率を高める観点から好ましい。炭酸エステルは比重が大きく、疎水性の物質としてハロゲン化物イオンの酸化反応生成物を分離する能力が高い点で好ましい。
ケトンとして具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン等が挙げられる。中でも、メチルエチルケトンが好ましい。
カルボン酸エステルとして具体的には、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル等が挙げられる。中でも、酢酸メチル、酢酸エチル等が好ましい。
炭酸エステルとして具体的には、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等が挙げられる。中でも、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸プロピレン等が好ましい。
上述した中でも、水溶性有機化合物としては、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸プロピレン、ジメチルスルホキシド及びポリエチレングリコールから選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
電解液に含まれる水溶性有機化合物は1種のみでもよく、2種以上であってもよい。また、電解液中の水溶性有機化合物の含有率は、常温(25℃)常圧で1体積%〜50体積%であることが好ましく、5体積%〜40体積%であることがより好ましい。電解液中の水溶性有機化合物の含有率が1体積%以上であると、高充電率の状態でもハロゲン化物イオンの酸化反応生成物が良好に分離される傾向にあり、50体積%以下であると、電解液の導電率の低下が抑制される傾向にある。
電解液中の水溶性有機化合物の含有量は、例えば、ガスクロマトグラフィーにより、水溶性有機化合物の濃度に対応する保持時間と、モニターイオンの分子量を測定することで同定可能である。
図1に、水溶性有機化合物の有無による電池電圧の低下の影響を説明するためのグラフを示す。なお、図1では、水溶性有機化合物が電池電圧に及ぼす影響がわかりやすいよう、電解液が活物質反応槽へ流入出する方向の切り替えを行っていない。また、図1では、活物質としてヨウ化物イオン及び亜鉛イオンを含む電解液を用いている。図1において、水溶性有機化合物を含有しない場合は、4000秒程度で電池電圧が低下している。この要因は、必ずしも明らかではないが、次のように考えることができる。
負極側では、亜鉛イオンの還元反応により生成される亜鉛が、電極表面にデンドライトとして成長し、成長した亜鉛のデンドライトが、電解液内に脱落し系外に孤立していると考えられる。
正極側では、電極近傍に留まるヨウ素分子皮膜が、バルク水溶液中のIと化学反応し、三ヨウ化物イオンとして溶解し、拡散する傾向にある。そのため、充電電圧を印加していない状態では、ヨウ素分子皮膜は溶解し、電極表面に残り難くなるため、充電反応直後にしか放電反応に利用できなくなり易いと考えられる。また、ヨウ素分子皮膜の量も、電解液に含まれる活物質量に比べれば微量であるため、放電反応に利用できる酸化反応生成物が少ないことも要因と考えられる。
一方、電池構成、各活物質の濃度及び充電等の条件が上述のフロー電池と同一であるフロー電池において、電解液中に水溶性有機化合物を含むと、充電した直後に一定電流で放電した際の放電時間が、2倍以上に向上する等、長寿命化する傾向にある。この要因は、必ずしも明らかではないが、次のように考えることができる。
負極側では、水溶性有機化合物を電解液に含むことで、負極側でのデンドライトの成長が抑制されているためと考えられる。
正極側では、充電電圧を印加し続けなくても酸化反応生成物は正極近傍に滞留し、生成量も多くなり易くなるためと考えられる。
また、このとき、図2に示すように、充放電のサイクル数が増加しても、一定電流で充放電した際のクーロン効率は、90%前後と高く維持される傾向にある。すなわち、水溶性有機化合物の添加により、負極側ではデンドライトの成長が抑制され、かつ、正極酸化反応生成物が正極近傍に留まるため、長時間の放電が可能になる傾向があることがわかる。なお、クーロン効率とは、充電した電荷量に対する放電した電荷量の比を表し、電池に入れた電気量をどれだけ取り出せるかを示している。
また、亜鉛イオンを含み、水溶性有機化合物を添加しない電解液を用いて亜鉛を析出させ、負極表面のデンドライトが成長し正極へ短絡するまでの時間を100%とする。ここで、電解液が水溶性有機化合物として炭酸プロピレンを含むと、短絡するまでの時間は、220%となる。水溶性有機化合物がポリエチレングリコールである場合は180%となり、ジメチルスルホキシドである場合は150%となる。つまり、電解液が水溶性有機化合物を含まない場合に比べ、電解液が水溶性有機化合物を含むと、負極電極のデンドライトの成長が著しく抑制されることがわかる。
本開示の電解液において水溶性有機化合物を含む場合、電解液をハロゲン化物イオンの酸化反応生成物が含まれる疎水性の物質と、バルク液体とに分離し易くなると考えられる。また、疎水性の物質は、バルク液体よりも比重が大きく沈殿するため、負極は正極よりも上側に配置することにより、隔膜を設けていない場合であっても、正極にて生成される酸化反応生成物が負極に触れることがより抑制される傾向にある。
<正極及び負極>
本開示のフロー電池は、正極及び負極を備える。正極は、正極活物質と酸化還元反応を行う電極であり、負極は、負極活物質と酸化還元反応を行う電極である。
正極及び負極としては、従来公知の電池(二次電池、フロー電池等)に用いられる正極及び負極を用いてもよい。
正極及び負極としては、使用する電位範囲において電気化学的に安定な材質を用いることが好ましい。正極及び負極の形状としては、特に制限されず、メッシュ、多孔体、パンチングメタル、平板等が挙げられる。正極及び負極としては、カーボンフェルト、グラファイトフェルト、カーボンペーパー等の炭素電極;カーボンブラックとバインダを用いて平板としたカーボンプラスチック電極;ステンレス鋼、アルミニウム、銅、亜鉛、チタン、ニッケル等の金属又は合金からなる金属板、金属メッシュ等の金属電極;などが挙げられる。
正極としては、ヨウ化物イオン、ヨウ素分子、三ヨウ化物イオン及び五ヨウ化物イオン等に対する耐食性に優れる点から、チタン等の耐食性の高い金属の電極及び炭素電極が好ましく、コストの点から、炭素電極がより好ましい。
負極としては、亜鉛等の金属が表面に好適に析出する点から、金属電極及び炭素電極が好ましく、亜鉛電極又は亜鉛メッキした金属電極がより好ましい。
さらに、前述の水溶性有機化合物を用いる場合には、負極として金属電極を用いることが好ましい。図3は、負極側において、水溶性有機化合物を含有する電解液を用いたときのクーロン効率の変化の一例を示す図である。図3(1)は負極電極がカーボンペーパーであり、図3(2)は負極電極が亜鉛の場合を表している。図3(2)に示されるように、例えば、負極電極の材質が金属である場合、水溶性有機化合物の効果が高いことがわかる。
正極及び負極の少なくとも一方は、比表面積が大きく、電池の出力に優れる点から、多孔体、フェルト、ペーパー等の形状の電極であることが好ましい。
後述する活物質反応槽内において、正極が鉛直方向下部に配置され、かつ負極が鉛直方向上部に配置されていることが好ましい。
<活物質反応槽>
本開示のフロー電池は、電解液を貯留する活物質反応槽を備える。活物質反応槽は一液型電解液用であっても、二液型電解液用であってもよい。
一液型電解液用の活物質反応槽の場合、正極が鉛直方向下部に配置され、負極が鉛直方向上部に配置されていてもよい。更に、活物質反応槽内には、正極と負極との間に電解液を正極電解液と負極電解液とに分ける隔膜が配置されていてもよい。
二液型電解液用の場合には、正極電解液と負極電解液を分ける隔膜を設ける。
<切替弁>
本開示のフロー電池は、活物質反応槽における前記電解液の流入方向と流出方向を切替可能な切替弁を備える。
切替弁の数は、電解液の流入出方向を切り替えることができれば特に限定されず、例えば、複数の切替弁を用いてもよい。切替弁の数は、3つ以上であることが好ましく、部品点数を最小にする観点から、3つであることがより好ましい。
切替弁の切替方式は、例えば、回転式の切替弁であることが好ましい。
切替弁の種類は、電磁弁でも3方弁でもよく、例えば、電解液の流量を連続的に変更する観点から、3方弁であることが好ましい。
<制御部>
本開示のフロー電池は、切替弁の切り替え動作を制御する制御部を備える。制御部による制御は、予め求めておいた検量情報に基づいて実施してもよい。具体的な制御方法については、図面を参照しながら後述する。
<電解液循環経路>
本開示のフロー電池は、活物質反応槽内の電解液を循環させる電解液循環経路を備えてもよい。この場合、電解液は、活物質反応槽内及び電解液循環経路内に貯蔵されることになり、フロー電池の高容量化が可能となる。また、電解液循環経路は、正極側の充電生成物を正極近傍に留める観点から、負極側にて活物質反応槽と接続していることが好ましい。
なお、本開示のフロー電池は、後述するように活物質反応槽と電解液循環経路との間に電解液を貯蔵する電解液貯蔵部を更に備えていてもよい。また、本開示のフロー電池は、電解液循環経路内の電解液を送液する電解液送液ポンプを更に備えていてもよい。
<隔膜>
本開示のフロー電池は、正極と負極との間に配置される隔膜を備えていてもよい。なお、本開示のフロー電池では、隔膜は必須の構成ではない。
隔膜の材質は、水分子、イオン等が透過するものであれば特に制限されない。例えば、耐酸性に優れ、高いイオン伝導率を有するイオン交換膜が好ましい例として挙げられ、数十ナノメートルから数百マイクロメートルの孔径を有する多孔膜、ガラスフィルター等、不織布なども好適に用いることができる。
<電解液貯蔵部>
本開示のフロー電池は、電解液を貯蔵する電解液貯蔵部を備えていてもよい。電解液貯蔵部としては、例えば、電解液貯蔵タンクが挙げられる。
活物質反応槽と電解液貯蔵部との間で循環させる電解液の量は、例えば電解液送液ポンプを用いて適宜調整すればよく、電池スケールに応じて適宜設定することができる。
<生成物貯蔵部及び生成物循環経路>
本開示のフロー電池は、正極にて生成される酸化反応生成物を貯蔵する生成物貯蔵部、及び、活物質反応槽と生成物貯蔵部との間で酸化反応生成物を循環させる生成物循環経路を備えていてもよい。酸化反応生成物は高濃度に濃縮されるため、従来のフロー電池における正極電解液貯蔵タンクと比較して、生成物貯蔵部を小型化することができる傾向にある。生成物貯蔵部としては、例えば、生成物貯蔵タンクが挙げられる。
<電位計測部>
本開示のフロー電池は、正極電解液中の活物質の濃度に基づく電位を計測する電位計測部を備えていてもよい。電位計測部は、例えば、活物質の濃度に基づく電位を計測するための集電電極と、電気化学電位の基準となる参照電極とを有し、参照電極基準の電気化学電位を計測する。電気化学電位に関するネルンストの式を用いることにより、計測された参照電極基準の電気化学電位から活物質の濃度を求めることができる。集電電極としては、白金電極、グラファイト電極等が挙げられ、参照電極としては、Ag/AgCl電極等が挙げられる。
電位計測部は、正極電解液貯留部に配置されていてもよく、正極電解液が循環する循環経路に配置されていてもよい。
[フロー電池の構成例]
図4は、本開示のフロー電池における、一液型の電解液を用いたときの一例を示す概略断面図である。図4には、1セル構成で一液型のフロー電池を示す。一液型のフロー電池では、正極負極ともに電解液を用いるため、電解液貯蔵部等の構成部材を削減又は小型化することができる。
図4に示すフロー電池は、正極1と、負極2と、活物質反応槽3と、電解液貯蔵タンク4と、隔膜5と、電解液送液ポンプ6と、電解液循環経路11と、電解液の流路を切り替える切替弁100、101、102と、を備える。図4には図示しないが、さらに制御部を備える。
図4に示す活物質反応槽中の実線の矢印は充電時における電子の流れを、活物質反応槽中の点線の矢印は充電時におけるイオンの反応を示している。
図4に示すように外部電源により電解液送液ポンプ6を駆動してもよく、フロー電池による電力そのものを電解液送液ポンプ6の電源に用い、外部からの電力供給がない自立系の構成としてもよい。
図4に示すフロー電池では、電解液が正極活物質としてのヨウ化物イオンと、水溶性有機化合物と、負極活物質(X)を含んでいる。
正極活物質であるヨウ化物イオンの酸化反応により、酸化反応生成物(ヨウ素分子、三ヨウ化物イオン、五ヨウ化物イオン等)が生成される。また、負極活物質(X)の還元反応により、還元反応生成物(X)が生成される。
図4において、上方向が鉛直上方向を表し、下方向が鉛直下方向を表す。正極1と負極2は向かい合うように水平に配置され、正極1が負極2よりも鉛直方向下部、負極2が正極1よりも鉛直方向上部に配置されている。
図4には図示しないが、気泡を負極2の表面から効率的に除去する点から、活物質反応槽3における電解液の流入側の側面を、活物質反応槽3における電解液の流出側の側面よりも鉛直方向下部に位置するように、活物質反応槽3が水平面に対してθ(θは角度を表し、0°<θ≦90°を満たす)傾いて配置してもよい。「活物質反応槽3が水平面に対してθ傾いている」とは、活物質反応槽3内の鉛直方向上部の面及び鉛直方向下部の面(底面)の少なくとも一方が、水平面に対してθ傾いていることを意味する。
なお、活物質反応槽3内の鉛直方向上部の面が水平面に対して傾いている角度と、活物質反応槽3内の鉛直方向下部の面(底面)が水平面に対して傾いている角度は、同じであってもよく、異なっていてもよい。例えば、活物質反応槽3内の鉛直方向上部の面と、活物質反応槽3内の鉛直方向下部の面とが平行でなくてもよく、この場合、2つの面の水平面に対して傾いている角度が相違することになる。
また、負極2の表面から効率よく気泡を除去する点から、活物質反応槽3内の鉛直方向上部の面が水平面に対して、好ましくは20°≦θ≦70°傾いていればよく、より好ましくは30°≦θ≦60°傾いていればよい。
また、正極1にて生成される酸化反応生成物の濃度に偏りが発生することを抑制する点から、活物質反応槽3内の鉛直方向下部の面(底面)が水平面に対して、好ましくは20°≦θ≦70°傾いていればよく、より好ましくは30°≦θ≦60°傾いていればよい。
活物質反応槽3と電解液貯蔵タンク4と電解液送液ポンプ6との位置関係は特に限定されない。例えば、電解液を好適に循環させる点から、電解液送液ポンプ6は電解液貯蔵タンク4よりも鉛直方向下部又は同等の高さに配置されていることが好ましい。
電解液循環経路11に沿って付した実線の矢印は、電解液循環経路11内を流通する電解液の流れを表している。電解液循環経路11は、負極2側にて活物質反応槽3と接続しており、電解液は活物質反応槽3内において、隔膜5と負極2との間に流入するように構成されている。なお、図6に示す経路A〜Eは、電解液循環経路11内に含まれる経路である。
図5は、活物質反応槽3における電解液の流れを説明する平面概略図である。図5において、Aは、活物質反応槽3における電解液の流入口である。Bは、活物質反応槽3における電解液の流出口である。このように、フロー電池の活物質反応槽3では、流入口及び流出口が狭く、活物質反応槽3の中で圧力損失が大きく流速変動が起こり易い構成となっている。
切替弁の位置は、電解液の流入出方向を切り替えることができれば、特に限定されず、例えば、活物質反応槽3への電解液の流入出方向を好適に切り替える点から、活物質反応槽に接続される電解液循環経路に位置していることが好ましい。複数の切替弁を有する場合、切替弁の互いの位置関係は、特に限定されない。
図6(a)(b)は、本開示のフロー電池における、一液型の電解液を用いたときの電解液の流れの方向を示す概略断面図である。図6(a)(b)では、3つの切替弁を設けている。これら3つの切替弁はいずれも3方弁であり、切替弁から三方に電解液循環経路が繋がっている。なお、図6(a)(b)では切替弁として3方弁を用いているが、本発明はこれに限定されない。
電解液貯蔵タンク4から流出した電解液は、切替弁100に到達する。切替弁100から下流側では、経路Aと経路Bに分かれる。経路Aにおいて、切替弁100と活物質反応槽3との間には、切替弁101が設けられる。切替弁101から下流側では、経路Cと経路Dに分かれる。一方、経路Bにおいては、切替弁100と活物質反応槽3との間には、切替弁102が設けられる。切替弁101から下流側では、経路Bと経路Eに分かれる。
なお、流入口側の切替弁101の配置位置は、切替弁100と活物質反応槽3との間であればよい。また、流出口側の切替弁102の配置位置は、切替弁100と活物質反応槽3との間であればよい。
図6(a)で示すように、電解液の流れ方向を、電解液貯蔵タンク4から切替弁100に到達し、切替弁101を通過して活物質反応槽3に入り、そして切替弁102を通過して電解液貯蔵タンク4に戻るようにするには、切替弁100において経路B側には電解液が流れないように切り替え動作を制御し、切替弁101において経路D側には電解液が流れないように切り替え動作を制御し、かつ切替弁102において経路B側には電解液が流れないように切り替え動作を制御する。
図6(b)で示すように、電解液の流れ方向を、電解液貯蔵タンク4から切替弁100に到達し、切替弁102側から活物質反応槽3に入り、そして切替弁101側に出て、電解液貯蔵タンク4に戻るようにするには、切替弁100において経路A側には電解液が流れないように切り替え動作を制御し、切替弁102において経路E側には電解液が流れないように切り替え動作を制御し、かつ切替弁101において経路A側には電解液が流れないように切り替え動作を制御する。
このように、制御部による切替弁100、101、102の切り替え動作の制御により、活物質反応槽3への電解液の流入方向と流出方向を切り替えることができる。
また、制御部は、電解液の流速との関係を表す検量情報に基づいて、切替弁100、101、102の弁開度を制御してもよい。電解液の流速の低下を抑えるよう、切替弁100、101、102の弁開度を制御してもよい。切替弁100、101、102の弁開度を制御して、流速ベクトル方向が合成された速度方向になるよう、切替弁の流路断面積を変えることで、電解液の流速を変えることができる。
電解液の流速は、活物質反応槽3に対して上流側の電解液循環経路11に設けられた計測器により測定する。
制御部は、切替弁100、101、102の切り替え動作を一定時間毎に行うように制御してもよい。切り替え動作を行う時間は、電池スケールに応じて適宜設定することができる。或いは、電解液の流速と活物質の拡散層の厚みとの関係を表す検量情報、電解液の流速と活物質反応槽3における電解液の圧力損失との関係を表す検量情報等に基づいて、切り替え動作を逐次行うように制御してもよい。
図7に、電解液の流速と活物質の拡散層の厚みとの関係を表す検量情報を示す。また、図8に、活物質の拡散層の厚みとフロー電池の寿命との関係を表す検量情報を示す。図8に示されるように、フロー電池の寿命を長くするには、活物質の拡散層の厚みを薄くすることが好ましく、図7に示されるように、活物質の拡散層の厚みを薄くするには、電解液の流速を速くすることが好ましい。
活物質反応槽3における電解液の圧力損失は、活物質反応槽3に対して上流側の電解液循環経路11に設けられた計測器により測定された流速と、下流側の電解液循環経路11に設けられた計測器により測定された流速との差により求めることができる。
活物質反応槽への電解液の流入方向と流出方向を切り替えるタイミングは、特に制限されず、充電時及び放電時のいずれでもよい。例えば、充放電を実施しながら、活物質反応槽への電解液の流入方向と流出方向を切り替えてもよく、充放電を一定時間行った後に切り替えてもよい。
制御部は、電位計測部等により計測された電位に基づいて充電状態(SOC:State Of Charge)を推定し、推定された充電状態(%)に応じて、切替弁100、101、102の切り替え動作を制御してもよい。例えば、酸化還元物質としてヨウ化物イオン、三ヨウ化物イオン、五ヨウ化物イオン及びヨウ素分子のみを考慮した場合、SOCが0%とは、基本的に正極電解液中に五ヨウ化物イオン、三ヨウ化物イオン及びヨウ素分子が含まれず、ヨウ化物イオンのみとなっている状態を示す。また、SOCが100%とは、基本的に正極電解液中にヨウ化物イオンが含まれず、五ヨウ化物イオン、三ヨウ化物イオン及びヨウ素分子のみとなっている状態を示す。
さらに、制御部は、電流積算期間における充電率変化量(以下、ΔSOCと称すこともある)を基準として、切替弁100、101、102の切り替え動作を制御してもよい。なお、充電率変化量は、例えば電解液送液ポンプを用いて適宜調整すればよく、電池スケールに応じて適宜設定することができる。
なお、図4では、電解液貯蔵タンク4を設けているが、電解液貯蔵タンク4を設けずに電解液を電解液送液ポンプ6で循環させてもよい。また、図4では、隔膜5を備えているが、隔膜5を備えていなくてもよい。
また、図4に示すフロー電池において、電解液貯蔵タンク4とともに酸化反応生成物(ヨウ素分子、三ヨウ化物イオン、五ヨウ化物イオン等)を貯蔵する生成物貯蔵タンク7(図示なし)、酸化反応生成物を循環させるための生成物送液ポンプ8(図示なし)及び生成物循環経路12(図示なし)をさらに備えてもよい。
図4のフロー電池では、正極負極を鉛直方向の上部下部に積層しているが、これを複数積層したセル、或いはこれを水平方向に並べた構成であってもよい。また、図4は、一液型の電解液を用いる1セル構成のフロー電池となっているが、一液型の電解液を用いた複数のセルが積層されるセルスタック構成のフロー電池であってもよい。
セルスタック構成のフロー電池である場合、各切替弁は、電解液貯蔵タンクから、各セルの活物質反応槽3へと、電解液を並列に分流する構成であってもよい。なお、切替弁は、各セルの電解液循環経路上に設け、流れを切り替える構成であってもよい。切替弁が電解液貯蔵タンクから各セルの活物質反応槽3へと並列に分流する構成であると、切替弁の部品点数を削減しつつ、電池容量の増加及び装置の小型化が可能になる。切替弁が各セルの電解液循環経路上に設けて流れを切り替える構成であると、デンドライトの成長がより抑制され易くなる。
図9は、本開示のフロー電池における、二液型の電解液を用いたときの一例を示す概略断面図である。
図9に示すフロー電池は、二液型の電解液を用いるため、負極電解液と正極電解液をそれぞれ別個に備えるよう、図4に示す電解液貯蔵タンク4の代わりに正極電解液貯蔵タンク4A及び負極電解液貯蔵タンク4Bを設ける。また、図4に示す電解液送液ポンプ6の代わりに、正極電解液送液ポンプ6A及び負極電解液送液ポンプ6Bを設ける。また、図4に示す電解液循環経路11の代わりに、正極電解液循環経路11A及び負極電解液循環経路11Bを設ける。また、図4に示す切替弁100、101及び102の代わりに、切替弁100A、101A、102A、100B、101B及び102Bを設ける。
図9に示すフロー電池は、上記の点で、図4に示すフロー電池と主に相違する。図9に示すフロー電池におけるその他の構成は、図4に示すフロー電池の構成を流用できる。
なお、二液型の電解液を用いる場合には、負極電解液に含まれる水溶性有機化合物としては、炭酸プロピレン、ジメチルスルホキシドポリエチレングリコール等を用いることが好ましい。
切替弁100A、101A及び102Aの位置は、正極電解液の活物質反応槽3への流入出方向を切り替えることができれば、特に限定されない。例えば、活物質反応槽3への正極電解液の流入出方向を好適に切り替える点から、切替弁は、活物質反応槽3と正極電解液貯蔵タンク4Aとを接続する正極電解液循環経路11Aに位置することが好ましい。
切替弁100B、101B及び102Bの位置は、負極電解液の活物質反応槽3への流入出方向を切り替えることができれば、特に限定されない。例えば、活物質反応槽3への負極電解液の流入出方向を好適に切り替える点から、切替弁は、活物質反応槽3と負極電解液貯蔵タンク4Bとを接続する負極電解液循環経路11Bに位置することが好ましい。
正極電解液循環経路11Aに沿って付した実線の矢印は、正極電解液循環経路11A内を流通する正極電解液の流れを表している。正極電解液循環経路11Aは、正極1側にて活物質反応槽3と接続しており、正極電解液は活物質反応槽3内において、隔膜5と正極1との間に流入するように構成されている。なお、図9に示す経路1A〜1Eは、正極電解液循環経路11A内に含まれる経路である。
正極電解液貯蔵タンク4Aから流出した正極電解液は、切替弁100Aに到達する。切替弁100Aから下流側では、経路1Aと経路1Bに分かれる。経路1Aにおいて、切替弁100Aと活物質反応槽3との間には、切替弁101Aが設けられる。切替弁101Aから下流側では、経路1Cと経路1Dに分かれる。一方、経路1Bにおいては、切替弁100Aと活物質反応槽3との間には、切替弁102Aが設けられる。切替弁102Aから下流側では、経路1Bと経路1Eに分かれる。
図9に示すように、正極電解液の流れ方向を、正極電解液貯蔵タンク4Aから切替弁100Aに到達し、切替弁102Aを通過して活物質反応槽3に入り、そして切替弁101Aを通過して正極電解液貯蔵タンク4Aに戻るようにするには、切替弁100Aにおいて経路A側には正極電解液が流れないように切り替え動作を制御し、切替弁101Aにおいて経路A側には正極電解液が流れないように切り替え動作を制御し、かつ切替弁102Aにおいて経路B側には正極電解液が流れないように切り替え動作を制御する。
負極電解液循環経路11Bに沿って付した実線の矢印は、負極電解液循環経路11B内を流通する負極電解液の流れを表している。負極電解液循環経路11Bは、負極2側にて活物質反応槽3と接続しており、負極電解液は活物質反応槽3内において、隔膜5と負極2との間に流入するように構成されている。なお、図9に示す経路2A〜2Eは、負極電解液循環経路11B内に含まれる経路である。
負極電解液貯蔵タンク4Bから流出した負極電解液は、切替弁100Bに到達する。切替弁100Bから下流側では、経路2Aと経路2Bに分かれる。経路2Aにおいて、切替弁100Bと活物質反応槽3との間には、切替弁101Bが設けられる。切替弁101Bから下流側では、経路2Cと経路2Dに分かれる。一方、経路2Bにおいては、切替弁100Bと活物質反応槽3との間には、切替弁102Bが設けられる。切替弁101Bから下流側では、経路2Bと経路2Eに分かれる。
図9に示すように、負極電解液の流れ方向を、負極電解液貯蔵タンク4Bから切替弁100Bに到達し、切替弁101Bを通過して活物質反応槽3に入り、そして切替弁102Bを通過して負極電解液貯蔵タンク4Bに戻るようにするには、切替弁100Bにおいて経路B側には負極電解液が流れないように切り替え動作を制御し、切替弁101Bにおいて経路D側には負極電解液が流れないように切り替え動作を制御し、かつ切替弁102Bにおいて経路B側には負極電解液が流れないように切り替え動作を制御する。
活物質反応槽への正極電解液と負極電解液の流れ方向は、同時刻に順方向であっても逆方向であってもよい。例えば、隔膜への応力を緩和する観点から、順方向であることが好ましい。
活物質反応槽3への正極電解液の流入出方向を切り替えるタイミングと、活物質反応槽3への負極電解液の流入出方向を切り替えるタイミングは、特に制限されない。例えば、正極側におけるヨウ素分子皮膜等の生成速度と負極側のデンドライトの成長速度をそれぞれ制御する観点から、正極電解液と負極電解液の、活物質反応槽3への流入出方向を切り替えるタイミングは、それぞれ個別に動作することが好ましい。
図9に示すフロー電池では、正極電解液の活物質反応槽3への流入出方向を切り替える切替弁を備える構成であるが、ヨウ素分子皮膜等の堆積又は付着の影響が小さい場合は、これら正極電解液循環経路11A側の切替弁を備えなくともよい。負極電解液の活物質反応槽3への流入出方向を切り替える切替弁のみを設ける構成であると、部品点数が削減でき、且つ、安定な析出溶解がされる傾向にあるため、電池の小型化と長寿命化の点から好ましい。
正極電解液貯蔵タンク4A及び負極電解液貯蔵タンク4Bの位置は特に制限されず、活物質反応槽の下部、上部及び側面のいずれの位置であってもよい。また、正極電解液貯蔵タンク4Aと負極電解液貯蔵タンク4Bとの位置関係も、特に限定されない。
図9は、二液型の電解液を用いる1セル構成のフロー電池となっているが、二液型の電解液を用いた複数のセルが積層されるセルスタック構成のフロー電池であってもよい。なお、図9に示す二液型の電解液を用いるフロー電池におけるセル構成を、セルスタック構成とする場合は、図4に示す一液型の電解液を用いるフロー電池において説明したセルスタック構成を参照することができる。
本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能である。
[フロー電池システム]
本開示のフロー電池システムは、前述の本開示のフロー電池と、前記フロー電池の充放電を制御する制御部と、発電装置と、を備える。本開示の発電システムは、フロー電池と発電装置とを組み合わせることで、電力変動を平準化及び安定化したり、電力の需給を安定化したりすることができる。
本開示のフロー電池システムは、前述のフロー電池の充放電を制御する制御部を備える。例えば、制御部は、発電装置で発電された発電電力に応じてフロー電池の充放電を制御してもよい。
本開示のフロー電池システムは、発電装置を備える。発電装置の種類は特に限定されず、再生可能エネルギーを用いて発電する発電装置、水力発電装置、火力発電装置、原子力発電装置等が挙げられる。中でも再生可能エネルギーを用いて発電する発電装置が好ましい。
再生可能エネルギーを用いた発電装置は、気象条件等によって発電量が大きく変動するが、フロー電池と組み合わせることで変動する発電電力を平準化して電力系統に平準化した電力を供給することができる。
再生可能エネルギーとしては、風力、太陽光、波力、潮力、流水、潮汐、地熱等が挙げられ、中でも風力又は太陽光が好ましい。
風力、太陽光等の再生可能エネルギーを用いて発電した発電電力は、高電圧の電力系統に供給する場合がある。通常、風力発電及び太陽光発電は、風向、風力、天気等の気象によって影響を受けるため、発電電力は一定とならず、大きく変動する傾向にある。一定ではない発電電力を高電圧の電力系統にそのまま供給すると、電力系統の不安定化を助長するため好ましくない。本開示の発電システムは、例えば、フロー電池の充放電波形を発電電力波形に重畳させることで、目標とする電力変動レベルまで発電電力波形を平準化させることができる。
フロー電池システムは、発電装置で発電された発電電力の需給に応じて、制御部がフロー電池の充放電を制御するシステムであってもよい。例えば、発電装置にて発電された発電電力の供給量が電力系統における需要量を上回る場合、フロー電池が充電を行い、かつ発電装置にて発電された発電電力の供給量が電力系統における需要量を下回る場合、フロー電池が放電を行うように制御部が充放電を制御してもよい。
1 正極
2 負極
3 活物質反応槽
4 電解液貯蔵タンク(電解液貯蔵部)
4A 正極電解液貯蔵タンク(正極電解液貯蔵部)
4B 負極電解液貯蔵タンク(負極電解液貯蔵部)
5 隔膜
6 電解液送液ポンプ
6A 正極電解液送液ポンプ
6B 負極電解液送液ポンプ
7 生成物貯蔵タンク(生成物貯蔵部)
8 生成物送液ポンプ
11 電解液循環経路
11A 正極電解液循環経路
11B 負極電解液循環経路
12 生成物循環経路
100、101、102、100A、101A、102A、100B、101B、102B 切替弁

Claims (17)

  1. 正極及び負極を含む電極と、活物質を含む電解液と、活物質反応槽と、前記活物質反応槽における前記電解液の流入方向と流出方向を切替可能な切替弁と、前記切替弁の切り替え動作を制御する制御部と、を備えるフロー電池。
  2. 前記制御部は、前記切替弁の切り替え動作を一定時間毎に行うように制御する請求項1に記載のフロー電池。
  3. 前記制御部は、前記切替弁の弁開度と前記電解液の流速との関係を表す検量情報に基づいて、前記切替弁の切り替え動作を制御する請求項1又は請求項2に記載のフロー電池。
  4. 前記制御部は、前記電解液の流速と前記活物質の拡散層の厚みとの関係を表す検量情報に基づいて、前記切替弁の切り替え動作を制御する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のフロー電池。
  5. 前記制御部は、前記電解液の流速と前記活物質反応槽における前記電解液の圧力損失との関係を表す検量情報に基づいて、前記切替弁の切り替え動作を制御する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のフロー電池。
  6. 前記制御部は、充電継続中又は予め定めた充電状態において、切替弁の切り替え動作を行うように制御する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のフロー電池。
  7. 前記制御部は、電流積算期間における充電率変化量(ΔSOC)に基づいて、予め定めた充電率変化量(ΔSOC)となったときに、切替弁の切り替え動作を行うように制御する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のフロー電池。
  8. 前記切替弁は、回転式の切替弁を含む請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のフロー電池。
  9. 前記活物質は、正極活物質としてハロゲン化物イオンを含む、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のフロー電池。
  10. 前記活物質は、負極活物質として、亜鉛イオン、クロムイオン、マンガンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオン、鉛イオン及びリチウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のフロー電池。
  11. 前記電解液は、水溶性有機化合物を更に含有する、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のフロー電池。
  12. 前記水溶性有機化合物が、ケトン、カルボン酸エステル及び炭酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種を含有する、請求項11に記載のフロー電池。
  13. 前記水溶性有機化合物が、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸プロピレン、ガンマブチロラクトン、ジメチルスルホキシド及びポリエチレングリコールから選択される少なくとも1種を含有する、請求項11又は請求項12に記載のフロー電池。
  14. 前記活物質反応槽内において、前記正極が鉛直方向下部、且つ、前記負極が鉛直方向上部に配置される、請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載のフロー電池。
  15. 前記電解液を循環させる電解液循環経路を更に備え、
    前記活物質反応槽の負極側で前記電解液循環経路が接続している、請求項14に記載のフロー電池。
  16. 前記正極と前記負極との間に隔膜を更に備える、請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載のフロー電池。
  17. 請求項1〜請求項16のいずれか1項に記載のフロー電池を備えるフロー電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114497645A (zh) * 2020-11-12 2022-05-13 中国科学院大连化学物理研究所 一种液流电池高效运行方法
WO2022212957A1 (en) * 2021-04-02 2022-10-06 Hunt Energy Enterprises, L.L.C. In-situ regenerable proton-zinc battery

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