JP2018186206A - ハイブリッドキャパシタ、ハイブリッドキャパシタシステム及び発電システム - Google Patents

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明博 織田
Akihiro Oda
明博 織田
修一郎 足立
Shuichiro Adachi
修一郎 足立
酒井 政則
Masanori Sakai
政則 酒井
北川 雅規
Masaki Kitagawa
雅規 北川
祐一 利光
Yuichi Toshimitsu
祐一 利光
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Abstract

【課題】入出力特性とエネルギー密度に優れるハイブリッドキャパシタ、ハイブリッドキャパシタシステム及び発電システムの提供。【解決手段】正極電解液と、負極電解液とを備え、前記正極電解液が正極活物質としてハロゲン物質を含み、前記正極電解液及び前記負極電解液からなる群より選択される少なくとも一方が活性炭を含む、ハイブリッドキャパシタ。【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッドキャパシタ、ハイブリッドキャパシタシステム及び発電システムに関する。
電解液を流動させて活物質の酸化還元反応を生じさせることで充電と放電を行うレドックスフロー電池(以下、フロー電池ともいう)は、MWh級の大規模蓄電が可能であり、且つ、コストパフォーマンスに優れていると言われており、再生可能エネルギー分野、スマートシティー分野等での適用が期待されている。
これまでフロー電池としては、バナジウムイオン系フロー電池(V系フロー電池)の研究が多くなされており、既に実証プラントでの適用が試みられている。しかし、V系フロー電池は、レアメタルであるバナジウムを使用するため、コストの面で課題が大きい。
このような背景から、コスト、エネルギー密度、及び温度稼動域の点で有利な新しいフロー電池が幾つか提案されている。例えば、特許文献1には、正極活物質としてヨウ素、塩素、臭素等のハロゲン物質を、負極活物質として亜鉛を用いたフロー電池が提案されている。ハロゲン物質はレアメタルであるバナジウムよりも安価であるため、V系フロー電池よりも低コスト化を図ることができる。
ところで、正極及び負極の活物質に活性炭を用い、活性炭の表面で電気二重層を形成することによりエネルギーを貯める電気二重層キャパシタ((Electric Double Layer Capacitor、EDLC)が知られている。非特許文献1には、電解液に活性炭粒子を分散させ、これを流動させることにより、EDLCの原理に基づいてエネルギーを貯蔵するフローキャパシタが提案されている。フローキャパシタは、タンクの大きさによって貯蔵エネルギー量をコントロールできる等のフロー電池と同様の利点を持ち合わせながら、貯蔵原理がEDLCに基づいているために化学的反応を伴う酸化還元反応に基づく従来のフロー電池に比べて格段に応答速度が速い。これは、EDLCが物理的なイオンの脱離及び吸着によって電気二重層を形成してエネルギーを貯蔵できるためである。
米国特許第4109065号明細書
特許文献1に記載のハロゲン物質と亜鉛を活物質として用いるフロー電池は、負極内の金属亜鉛の溶解又は析出反応の速度によって入出力(パワー)特性が制限されるため、瞬時の大電流応答性に向上の余地がある。また、非特許文献2に記載のフローキャパシタはエネルギー貯蔵原理がEDLCに基づくため入出力特性に優れているが、エネルギー密度に向上の余地がある。
本発明は上記事情に鑑み、入出力特性とエネルギー密度に優れるハイブリッドキャパシタ、ハイブリッドキャパシタシステム及び発電システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1>正極電解液と、負極電解液とを備え、前記正極電解液が正極活物質としてハロゲン物質を含み、前記正極電解液及び前記負極電解液からなる群より選択される少なくとも一方が活性炭を含む、ハイブリッドキャパシタ。
<2>前記負極電解液が、負極活物質として亜鉛化合物、ビオロゲン化合物及びキノン化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む、<1>に記載のハイブリッドキャパシタ。
<3>前記活性炭のBET比表面積が100m/g〜5000m/gである、<1>又は<2>に記載のハイブリッドキャパシタ。
<4>前記活性炭のBET比表面積が1000m/g〜4000m/gである、<1>〜<3>のいずれか1項に記載のハイブリッドキャパシタ。
<5>前記正極電解液と前記負極電解液とを隔離するセパレータをさらに備える、<1>〜<4>のいずれか1項に記載のハイブリッドキャパシタ。
<6>前記活性炭が粒子状であり、平均粒子径が10nm〜300μmである、<1>〜<5>のいずれか1項に記載のハイブリッドキャパシタ。
<7>前記活性炭が粒子状であり、平均粒子径が1μm〜100μmである、<1>〜<6>のいずれか1項に記載のハイブリッドキャパシタ。
<8>前記負極活物質が亜鉛化合物を含む、<1>〜<7>のいずれか1項に記載のハイブリッドキャパシタ。
<9>前記亜鉛化合物がヨウ化亜鉛、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、テレフタル酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、過酸化亜鉛、セレン化亜鉛、二燐酸亜鉛、アクリル酸亜鉛、水酸化炭酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、フッ化亜鉛及びクエン酸亜鉛から選ばれる少なくとも一種を含む、<1>〜<8>のいずれか1項に記載のハイブリッドキャパシタ。
<10>前記ハロゲン物質がヨウ素を含む、<1>〜<9>のいずれか1項に記載のハイブリッドキャパシタ。
<11>前記正極電解液を貯留する正極電解液貯留部と、前記負極電解液を貯留する負極電解液貯留部と、前記正極と前記正極電解液貯留部との間で前記正極電解液を循環させ、かつ前記負極と前記負極電解液貯留部との間で前記負極電解液を循環させる送液部と、をさらに備える、<1>〜<10>のいずれか1項に記載のハイブリッドキャパシタ。
<12><1>〜<11>のいずれか1項に記載のハイブリッドキャパシタと、前記ハイブリッドキャパシタの充放電を制御する制御部と、を備えるハイブリッドキャパシタシステム。
<13>発電装置と、<12>に記載のハイブリッドキャパシタシステムと、を備える発電システム。
<14>前記発電装置は再生可能エネルギーを用いて発電する、<13>に記載の発電システム。
本発明によれば、入出力特性とエネルギー密度に優れるハイブリッドキャパシタ、ハイブリッドキャパシタシステム及び発電システムが提供される。
ハイブリッドキャパシタシステムの構成の一例を概略的に示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本開示において「層」又は「膜」との語には、当該層又は膜が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本開示において「積層」との語は、層を積み重ねることを示し、二以上の層が結合されていてもよく、二以上の層が着脱可能であってもよい。
本開示において実施形態を図面を参照して説明する場合、当該実施形態の構成は図面に示された構成に限定されない。また、各図における部材の大きさは概念的なものであり、部材間の大きさの相対的な関係はこれに限定されない。
<ハイブリッドキャパシタ>
本開示のハイブリッドキャパシタは、正極電解液と、負極電解液とを備え、前記正極電解液が正極活物質としてハロゲン物質を含み、前記正極電解液及び負極電解液からなる群より選択される少なくとも一方(以下、電解液とも総称する)が活性炭を含む。
上記構成を有するハイブリッドキャパシタは、ハロゲン物質の酸化還元反応に加え、活性炭によるイオンの脱離及び吸着も充放電に寄与するため、ハロゲン物質の酸化還元反応のみを利用する従来のフロー電池に比べて優れた入出力性を実現できる。また、活性炭によるイオンの脱離及び吸着のみを利用する従来のキャパシタに比べて高いエネルギー密度を実現できる。
本開示では、フロー電池のエネルギー密度における利点とキャパシタの入出力特性における利点とを併せ持つ装置を「ハイブリッドキャパシタ」と称する。
(活性炭)
活性炭は、正極電解液と負極電解液のいずれか一方に含まれていても両方に含まれていてもよいが、両方に含まれていることが好ましい。活性炭は、アルカリ賦活、ガス賦活、酸賦活等の化学的又は物理的な処理(賦活処理)を施した炭素を主な成分とする多孔質の物質である。ハイブリッドキャパシタに用いる活性炭は特に制限されず、例えば、電気二重層キャパシタの電極材料として一般的に使用される活性炭を使用してもよい。
活性炭の製造方法は、特に制限されない。例えば、物理的な処理によって活性炭を得る方法としては、木、竹、椰子殻、胡桃殻、石炭、石油由来の炭素材料等に対し、水蒸気雰囲気下で、800℃〜2000℃の温度で熱処理する工程(賦活処理)を含む方法が挙げられる。これにより、炭化した前記炭素材料が多孔質化し、活性炭となり、物質の活性炭表面への吸着効率を高めることができる。
活性炭は、電解液中に分散した状態であることが好ましい。活性炭を電解液に分散させる方法は特に制限されないが、撹拌装置、ビーズミル、超音波分散機、プラネタリミキサ等を用いて行うことができる。
電解液に含まれる活性炭は、電解液への分散性と電解液の粘度上昇抑制の観点からは、粒子状であることが好ましい。活性炭が粒子である場合、その平均粒子径(二次粒子を形成している場合は平均二次粒子径)は、10nm〜300μmであることが好ましく、1μm〜100μmであることがより好ましい。活性炭が二次粒子を形成している場合、二次粒子を形成している場合の一次粒子は、例えば、透過型顕微鏡等で観察される粒子径が10nm〜5μmであってよい。
活性炭の平均粒子径は、レーザー回折法で測定することができる。本開示では、レーザー回折式粒度分布測定装置で得られる体積基準の粒度分布において小径側からの累積が50%となるときの粒子径を平均粒子径(D50%)とする。
活性炭の表面に充分な電気二重層を形成する観点からは、活性炭のBET比表面積は、100m/g〜5000m/gであることが好ましく、1000m/g〜4000m/gであることがより好ましい。
電解液中の活性炭の含有率は、特に制限されないが、0.5質量%〜40質量%であることが好ましく、1質量%〜20質量%であることがより好ましい。
(ハロゲン物質)
正極電解液は、ハロゲン物質を含む。本開示においてハロゲン物質とは、ハロゲン分子、ハロゲンイオン及びハロゲン化合物からなる群より選択される少なくとも1種を意味する。正極電解液に含まれるハロゲン物質は1種のみでも2種以上であってもよい。
ハロゲン物質としては、臭素、ヨウ素及び塩素からなる群より選択される少なくとも1種を含む物質が挙げられ、Br、Br、Br 、Br 、I、I、I 、I 、Cl、Cl、Cl 及びCl からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、I、I、I 、I からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。ハロゲンは、電解液に溶解又は分散した状態で使用することが好ましい。
正極電解液は、正極活物質としてヨウ素を含むことが好ましく、ヨウ素イオン及びヨウ素分子の少なくとも一方を含有することがより好ましい。正極活物質としてヨウ素を含有することで、安全性に優れ、環境負荷が小さく、また高エネルギー密度のフロー電池が実現できる。
正極活物質がヨウ素イオン及びヨウ素分子の少なくとも一方である場合、I、I 又はIの状態で正極電解液中に存在することが好ましい。ヨウ素イオン及びヨウ素分子の少なくとも一方を含むことで、ファラデー反応に基づく高いエネルギー密度をより効果的に実現できる。ヨウ素イオン及びヨウ素分子の少なくとも一方は、電解液中に溶解した状態であっても固体で分散した状態であってもよく、電解液中に溶解した状態であることが好ましい。IはIと反応してI を形成するため、IとIとの比率を予め調整しておくことが好ましい。
正極電解液は、ヨウ素を含む化合物(ヨウ素化合物)を含んでいてもよい。ヨウ素化合物としては、CuI、ZnI、NaI、KI、HI、CI、AgI、NI、テトラアルキルアンモニウムヨージド、ピリジニウムヨージド、ピロリジニウムヨージド、スルフォニウムヨージド等が挙げられる。後述する液状媒体として水を用いる場合、ヨウ素化合物としては、NaI及びKIからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。NaI及びKIは水への溶解度が高いため、NaI及びKIからなる群より選択される少なくとも1種を用いることで、ハイブリッドキャパシタのエネルギー密度をより向上させることが可能となる。
なお、例えばCuIは、正極電解液中でIの対イオンとしてCuを生じさせる。Cu/Cu2+系の標準酸化還元電位は、I/I系及びI/I 系の標準酸化還元電位よりも低い。このため、ヨウ素化合物としてCuIを用いる場合には、Cu/Cu2+系とI/I系及びI/I 系との混成電位となって、I/I系及びI/I 系の正極電位の低下が顕在化しない条件とすることが好ましい。
正極電解液中におけるハロゲン物質の含有率は、1質量%〜80質量%であることが好ましく、3質量%〜70質量%であることがより好ましく、5質量%〜50質量%であることが更に好ましい。ハロゲン物質の含有率を1質量%以上とすることで、実用的な容量のハイブリッドキャパシタが得られる傾向にある。また、ハロゲン物質の含有率を80質量%以下とすることで、液状媒体中での溶解性又は分散性が良好なものとなる傾向にある。
(ポリマー化合物)
正極電解液は、ヨウ素分子又はヨウ化物イオンと錯体を形成するポリマー化合物を含有していてもよい。正極電解液がヨウ素イオンと錯体を形成するポリマー化合物を含有することで、ヨウ素イオンの酸化還元反応中におけるヨウ素分子の析出が抑制される傾向にある。また、正極電解液と負極電解液を隔てるセパレータの種類の選択肢が広がる。例えば、通常のフロー電池ではナフィオン(デュポン社、登録商標)等のカチオン交換膜、セレミオン(AGCエンジニアリング株式会社、登録商標)等アニオン交換膜などが使用されるが、これらが生産コストを押し上げる要因のひとつとなっている。一方、ヨウ素とポリマーの錯体を活物質に用いることで、リチウムイオン電池等で使用されているポリオレフィン膜をセパレータとして使用することができ、低コスト化が可能となる。これは、大きな活物質分子(又はイオン)を用いることで、孔のあるセパレータであっても用いることができるためである。また、一般に、イオン交換膜に比べて、孔のあるセパレータの方がイオン性の電解液中でのイオン伝導性が高いため、フロー電池の高出力化につながると考えられる。
ヨウ素分子又はヨウ素イオンと錯体を形成するポリマー化合物としては、ナイロン−6、ポリテトラヒドロフラン、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピリジン、ポリビニルピロリドン、ポリメチルメタクリレート、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリアクリルアミド、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリアセチレン、ポリ(フェニレンビニレン)、ポリピロール、ポリアニリン、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリチオフェン、アミロース、デンプン、アミロペクチン、セルロース等が挙げられる。これらのポリマー化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を共重合または単に混合して併用してもよい。
上記ポリマー化合物の中でも、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、アミロース及びデンプンが好ましい。ポリビニルピロリドンとポリビニルピリジンは、ヨウ素分子又はヨウ化物イオンと安定な錯体を形成する傾向にある。デンプンは水等の液体媒体中で螺旋構造を形成し、ヨウ素はこの螺旋構造に取り込まれる傾向にある。
正極電解液は、ヨウ素分子又はヨウ化物イオンと錯体を形成するポリマー化合物でないポリマー化合物を含有していてもよい。例えば、シクロデキストリンを例示することができる。シクロデキストリンの中でもβ―シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンが好ましい。α−シクロデキストリンに比べて環サイズの大きいβ−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンの方が、ヨウ素を取り込みやすい傾向にある。また、正極電解液は、上記のポリマー化合物のモノマー成分を含有していてもよい。
ポリマー化合物は、官能基を付与されていてもよい。例えば、ポリマー化合物に水溶性官能基を付与することで、液体媒体への溶解性を向上することができる。ポリマー化合物は必ずしも液体媒体に溶解している必要はないが、電池反応速度の観点から溶解していることが好ましい。
ポリマー化合物の平均分子量は1000〜100万であることが好ましく、5000〜10万であることがより好ましい。本開示においてポリマー化合物の平均分子量は数平均分子量を示し、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定できる。平均分子量が1000以上であることで、セパレータを通過して負極電解液に拡散するのを抑制しやすい傾向にあり、100万以下であることで、電解液の粘度上昇を抑えることができる。電解液の粘度が高すぎると、電池の反応速度が低下する、つまり、大きな電流密度で使用できなくなる場合がある。
正極電解液は、ハロゲン物質以外の他の酸化還元物質を含有していてもよい。他の酸化還元物質としては、I/I系及びI/I 系との混成電位を形成してI/I系及びI/I 系の正極電位を低下させる等、ハイブリッドキャパシタの運用上の支障が生じないものが好ましい。他の酸化還元物質としては、クロム、バナジウム、亜鉛、キノン化合物、コバルト酸リチウム、マンガン酸ナトリウム、ニッケル酸リチウム、コバルト−ニッケル−マンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウム等が挙げられる。
正極電解液中におけるポリマー化合物の含有率は、0.01質量%〜50質量%であることが好ましく、0.1質量%〜30質量%であることがより好ましく、1質量%〜20質量%であることが更に好ましい。ポリマー化合物の含有率を0.01質量%以上とすることで自己放電を抑制でき、50質量%以下とすることで電解液の極度な増粘を避けることができる。
(負極活物質)
負極電解液に含まれる負極活物質としては、亜鉛物質、キノン化合物、ビオロゲン化合物、硫黄化合物(Na等)、クロムイオン、バナジウムイオン、チタン酸リチウム、チタン酸ナトリウム、酸化チタンなどが挙げられる。これらの中でも亜鉛物質、ビオロゲン化合物及びキノン化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、亜鉛物質がより好ましい。本開示において亜鉛物質とは、亜鉛(Zn)、亜鉛イオン(Zn2+)及び亜鉛化合物からなる群より選択される少なくとも1種を意味する。
亜鉛化合物としては、ヨウ化亜鉛、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、テレフタル酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、過酸化亜鉛、セレン化亜鉛、二燐酸亜鉛、アクリル酸亜鉛、水酸化炭酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、フッ化亜鉛、クエン酸亜鉛等が挙げられる。
負極電解液が負極活物質として亜鉛物質を含む場合、Zn2+と錯体を形成するキレート剤を含有してもよい。キレート剤としては、アセチルアセトン、クエン酸、エチレンジアミン、ビピリジン、エチレンジアミン四酢酸、フェナントロリン、ポルフィリン、クラウンエーテル等が挙げられる。
負極電解液は、亜鉛物質以外の負極活物質を含有していてもよい。亜鉛物質以外の負極活物質としては、硫黄化合物(Na等)、クロムイオン、バナジウムイオン、キノン化合物、ビオロゲン化合物、チタン酸リチウム、チタン酸ナトリウム、酸化チタンなどが挙げられる。
負極電解液は、亜鉛デンドライトを抑制する物質を含有してもよい。このような物質としては、ニッケル(Ni)が挙げられる。例えば、Niプレート、Niメッシュ等の集電体を用いても(例えば、“Inhibition of Zn dendrite growth using NixZn(1-x)O anodic material during redox cycling test in Zn/Ni battery”, Solid State Ionics 295, 13-24 (2016)を参照)、Ni塩を添加(例えば、“Dendrite-free nanocrystalline zinc electrodeposition from an ionic liquid containing nickel triflate for rechargeable Zn-based batteries”, Angew. Chem. Int. Ed. 55, 2889-2893 (2016)を参照)してもよい。
負極電解液中における負極活物質の含有率は、1質量%〜80質量%であることが好ましく、3質量%〜70質量%であることがより好ましく、5質量%〜50質量%であることが更に好ましい。負極活物質の含有率を1質量%以上とすることで、実用的な容量のフロー電池が得られる傾向にある。また、負極活物質の含有率を80質量%以下とすることで、液状媒体中での溶解性又は分散性が良好なものとなる傾向にある。
(液状媒体)
電解液に用いられる液状媒体は、活物質を溶解又は分散可能な媒体であれば特に制限されない。本開示において液状媒体とは、室温(25℃)において液体の状態の媒体をいう。液状媒体としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン等のケトン系溶剤;ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチル−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラエチレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールジエチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチルエチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、テトラプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル等のエーテル系溶剤;プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸ジエチレングリコールメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリエチレングリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソアミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、エチレングリコールメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のエステル系溶剤;アセトニトリル、N−メチルピロリジノン、N−エチルピロリジノン、N−プロピルピロリジノン、N−ブチルピロリジノン、N−ヘキシルピロリジノン、N−シクロヘキシルピロリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のアルコール系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールモノエーテル系溶剤;テルピネン、テルピネオール、ミルセン、アロオシメン、リモネン、ジペンテン、ピネン、カルボン、オシメン、フェランドレン等のテルペン系溶剤;水などが挙げられる。これらの液状媒体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電解液を低粘度化し、フロー電池を高出力化する観点からは、液状媒体の中でも水が好ましい。
正極活物質としてヨウ素を用いる場合、正極電解液は、液状媒体として、ヨウ素分子に対する良溶媒を含有してもよい。正極電解液がヨウ素分子に対する良溶媒を含有することにより、充電反応の際に正極に形成されるI皮膜の厚みの増大が抑えられ、I皮膜による充放電反応の阻害が抑えられる傾向にある。ヨウ素分子に対する良溶媒としては、例えば、エタノールが挙げられる。
正極電解液がヨウ素分子に対する良溶媒を含有する場合、その含有率は、0.1質量%〜80質量%であることが好ましく、1質量%〜50質量%であることがより好ましい。
(支持電解質塩)
電解液は、支持電解質塩を含有していてもよい。支持電解質塩は、電解液のイオン伝導率を高めるための助剤である。電解液が支持電解質塩を含有することで、電解液のイオン伝導率が高まり、ハイブリッドキャパシタの内部抵抗が低減する傾向にある。
支持電解質塩としては、液状媒体中で解離してイオンを形成する化合物であれば特に制限されない。支持電解質塩として具体的には、HCl、HNO、HSO、HClO、NaCl、NaSO、NaClO、KCl、KSO、KClO、NaOH、LiOH、KOH、アルキルアンモニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩、アルキルピペリジニウム塩、アルキルピロリジニウム塩等が挙げられる。また、ヨウ素を含む塩は、正極活物質と支持電解質塩とを兼ねることができる。これらの支持電解質塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(pH緩衝剤)
電解液は、pH緩衝剤を含有していてもよい。pH緩衝剤としては、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液、トリス緩衝液等が挙げられる。
(導電材)
電解液は、導電材を含有していてもよい。導電材としては、炭素材料、金属材料、有機導電性材料等が挙げられる。導電材の形状は特に制限されない。例えば、粒子状であっても繊維状であってもよい。
炭素材料としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック;天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛等の黒鉛;カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンファイバー、ハードカーボン、ソフトカーボンなどが挙げられる。
金属材料としては、銅、銀、ニッケル、アルミニウム等の粒子又は繊維が挙げられる。
有機導電性材料としては、ポリフェニレン誘導体等が挙げられる。
(電解液の調製方法)
電解液は、活物質と必要に応じてその他の成分とを液状媒体に加えることにより調製することができる。電解液を調製する際には、必要に応じて加熱を行ってもよい。
(その他の部材)
ハイブリッドキャパシタは、上述した電解液以外に、正極及び負極(以下、まとめて電極ともいう)、正極電解液と負極電解液とを隔てるセパレータ、集電体、ガスケット等の部材を備えていてもよい。これらの部材は特に制限されず、キャパシタに一般的に使用されるものから選択できる。
セパレータの種類に特に制限はなく、自己放電を充分に抑制できる材料から選択することが好ましい。例えば、セルロース紙、ポリオレフィン多孔膜、Nafion(登録商標)等のカチオン交換膜、Fumasep(登録商標)等のアニオン交換膜などを例示することができる。ポリオレフィン多孔膜としては、ポリエチレン多孔膜、ポリプロピレン多孔膜、これらの多層膜等を使用することができる。
電極としては、平面状の黒鉛電極、電極面積を増大させたカーボンフェルト、カーボンペーパー等のカーボン多孔体、カーボンブラック又は活性炭の粒子と高分子の複合体からなるカーボンプラスチックなどを用いることが好ましい。これらは併用してもよく、例えば、平面状の黒鉛電極又はカーボンプラスチックの表面にカーボン多孔体を配置してもよい。カーボン多孔体は、熱処理、エッチング処理等により電解液に対する濡れ性を向上させてもよい。熱処理は、例えば、300℃〜1000℃にて酸素を含む雰囲気中で0.1〜100時間することが好ましい。カーボン多孔体は、10%以上圧縮した状態で使用することが好ましい。圧縮することで電極の電気抵抗を低減できる。
電極は、活性炭を含んでいてもよい。活性炭を含む電極の例としては、カーボンからなる電極を賦活処理により活性炭に変化させたもの、活性炭粒子を電極に、必要に応じて結着材等を用いて付着させたものなどが挙げられる。活性炭としては、上述した電解液に用いられるものを用いてもよい。
集電体の素材に特に制限はなく、金メッキしたニッケル、銅、ブロンズ等の合金などが挙げられる。
ガスケットは、ハイブリッドキャパシタのそれぞれの部材の間に挟みこむことで、電解液の液漏れを防止するために使用する。ガスケットの素材に特に制限はなく、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、エチレンプロピレンゴム、Hypalon(登録商標)、ポリ塩化ビニル、Viton(登録商標)、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)等を例示することができる。
ハイブリッドキャパシタは、正極電解液を貯留する正極電解液貯留部と、負極電解液を貯留する負極電解液貯留部と、前記正極と前記正極電解液貯留部との間で前記正極電解液を循環させ、かつ前記負極と前記負極電解液貯留部との間で前記負極電解液を循環させる送液部と、をさらに備えるものであってもよい。
上記ハイブリッドキャパシタは、電解液を電極と電解液貯留部との間で流動させるように構成されている(フロー型ハイブリッドキャパシタ)。電解液を流動させることで、活物質の酸化還元反応の効率がより向上するとともに、活性炭粒子によるエネルギーの貯蔵効率がより向上する。
正極電解液を貯留する正極電解液貯留部と、負極電解液を貯留する負極電解液貯留部は特に制限されず、フロー電池に一般的に用いられるもの等が挙げられる。
送液部は特に制限されず、ポリ塩化ビニル、PFA(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂)、PTFE、ゴム、ガラス等から形成される電解液を循環させる管、ポンプなどから構成されてもよい。
<ハイブリッドキャパシタシステム>
本開示のハイブリッドキャパシタシステムは、上述した実施形態のハイブリッドキャパシタと、前記ハイブリッドキャパシタの充放電を制御する制御部と、を備える。
制御部は、ハイブリッドキャパシタの充放電を制御するとともに必要に応じてサンプリング部、濃度調整部、濃度計測部等を制御する構成であってもよい。
制御部は、例えば、ハイブリッドキャパシタシステムにおける充電電圧、正極及び負極の充電電位等を制御する構成であってもよい。
なお、充電電圧は負極と正極との間の電位差を示すものであり、充電電位は基準となる一定の電位を持つ基準電極(参照電極)に対する電位差を示すものである。
ハイブリッドキャパシタシステムの構成例について、図1を参照しながら説明する。本開示のハイブリッドキャパシタシステムは図1の構成に限定されるものではない。また、図1における部材の大きさは概念的なものであり、部材間の大きさの相対的な関係はこれに限定されない。
図1に示すハイブリッドキャパシタシステムは、正極11と、負極12と、正極用参照電極13と、負極用参照電極14と、セパレータ15と、正極電解液16と、正極電解液貯留タンク18と、負極電解液17と、負極電解液貯留タンク19と、送液部として正極電解液循環経路20及び負極電解液巡回経路21並びに正極電解液送液ポンプ22及び負極電解液送液ポンプ23と、制御部(図示せず)と、を備える。なお、図1に示すハイブリッドキャパシタシステム100では、正極電解液がヨウ素イオン及びヨウ素分子を、負極電解液が亜鉛イオンを含有している。また、正極電解液及び負極電解液からなる群より選択される少なくとも一方が活性炭(図示せず)を含有している。
図1に示すように、ハイブリッドキャパシタシステム100は、正極11と、負極12と、セパレータ15と、を一つずつ備える単セルを複数備えるセルスタック30を備える。図1では、単セル数が5つであるセルスタック30を示している。単セルの数は特に限定されない。また、図2に示すハイブリッドキャパシタシステム100では、セルスタック構成の正極11と負極12とに正極用参照電極13及び負極用参照電極14が配置されており、参照電極を用いた電位計測が可能となっている。
ハイブリッドキャパシタシステム100の充放電は、図示を省略する制御部によって制御される。
フロー電池システム100は、送液部として、正極11が配置された正極電解液反応槽と正極電解液貯留タンク18との間で正極電解液16を循環させ、かつ負極12が配置された負極電解液反応槽と負極電解液貯留タンク19との間で負極電解液17を循環させる循環経路20、21並びに正極電解液送液ポンプ22及び負極電解液送液ポンプ23を備える。
さらに、正極電解液貯留タンク18には、正極電解液16をサンプリングするサンプリング部24と、正極電解液16中のヨウ素イオン及びヨウ素分子の濃度に基づく電位を計測する電位計測部25とが配置されている。
<発電システム>
本開示の発電システムは、発電装置と、上述した実施形態のハイブリッドキャパシタシステムと、を備える。本開示の発電システムは、ハイブリッドキャパシタシステムと発電装置とを組み合わせることで、電力変動を平準化及び安定化したり、電力の需給を安定化したりすることができる。
発電装置は、特に限定されず、再生可能エネルギーを用いて発電する発電装置、水力発電装置、火力発電装置、原子力発電装置等が挙げられる。中でも再生可能エネルギーを用いて発電する発電装置が好ましい。
再生可能エネルギーを用いた発電装置は、気象条件等によって発電量が大きく変動するが、ハイブリッドキャパシタシステムと組み合わせることで変動する発電電力を平準化して電力系統に平準化した電力を供給することができる。再生可能エネルギーとしては、風力、太陽光、波力、潮力、流水、潮汐、地熱等が挙げられ、風力又は太陽光が好ましい。
風力、太陽光等の再生可能エネルギーを用いて発電した発電電力は、高電圧の電力系統に供給する場合がある。通常、風力発電及び太陽光発電は、風向、風力、天気等の気象によって影響を受けるため、発電電力は一定とならず、大きく変動する傾向にある。一定ではない発電電力を高電圧の電力系統にそのまま供給すると、電力系統の不安定化を助長するため好ましくない。発電システムは、例えば、ハイブリッドキャパシタシステムの充放電波形を発電電力波形に重畳させることで、目標とする電力変動レベルまで発電電力波形を平準化させることができる。
[実施例1]
正極活物質として3Mヨウ化ナトリウム(和光純薬工業株式会社)と、支持電解質として過塩素酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社、支持電解質)と、活性炭粒子として水蒸気賦活炭粒子(株式会社クラレ、BET比表面積:1790m/g、商品名「YP−80F」)とを水に混合し、活性炭粒子を分散させるためにボールミルとφ10mmボールを用いて500回転/分(rpm)にて1時間分散し、正極電解液20mLを調製した。正極電解液のヨウ化ナトリウムと過塩素酸ナトリウムの濃度はそれぞれ1Mとし、活性炭粒子の含有率を10質量%とした。正極電解液中の活性炭粒子の平均二次粒子径は、4.3μmであった。
負極活物質として2M硫酸亜鉛と、活性炭粒子として水蒸気賦活炭粒子(株式会社クラレ、BET比表面積:1790m/g、商品名「YP−80F」)とを水に混合し、活性炭粒子を分散させるためにボールミルとφ10mmボールを用いて500回転/分(rpm)にて1時間分散し、負極電解液20mLを調製した。負極電解液の硫酸亜鉛の濃度はそれぞれ1Mとし、活性炭粒子の含有率を10質量%とした。負極電解液中の活性炭粒子の平均二次粒子径は、4.3μmであった。
自作の試験用セルを用いて、ハイブリッドキャパシタの特性を評価した。具体的には、ガスケットとしてエチレンプロピレンゴム製ガスケットを、正極及び負極としてカーボンフェルト(東洋紡株式会社、商品名「XF30A」、面積:5cm、厚さ:4.3mm)を、セパレータとしてナフィオン212(シグマ・アルドリッチ社)を用いた。
電解液は、正極電解液と負極電解液をそれぞれ約7mL・m−1にて循環させた。充放電試験装置としては、Biologic−BCS−815(Biologic社)を用いた。電流値は0.2A(40mA・cm−2)及び2A(0.4 A・cm−2)にて0V〜1.6Vにて充放電を行った。0.2A及び2Aにおける電池放電容量は、それぞれ24.7Ah・L−1及び10.2 Ah・L−1であった。ここで、電池放電容量は、放電容量を正極電解液と負極電解液の合計体積(ここでは40mL)で割った値である。
[実施例2]
活性炭粒子として、水蒸気賦活炭粒子の替わりに同量のアルカリ賦活炭粒子(関西熱化学株式会社、BET比表面積:2400m/g、商品名「MSP20」)を用いた以外は実施例1と同様にして、正極電解液と負極電解液を調製した。正極電解液と負極電解液中の活炭粒子の平均二次粒子径は、10.8μmであった。実施例1と同様にして測定した0.2A及び2Aにおける電池放電容量は、それぞれ23.8Ah・L−1及び7.2Ah・L−1であった。
[実施例3]
活性炭粒子として、水蒸気賦活炭粒子の代わりに同量の球状活性炭粒子(株式会社クラレ、BET比表面積:2400m/g、商品名「BAC」)を用いた以外は実施例1と同様にして、正極電解液と負極電解液を調製した。正極電解液と負極電解液中の活炭粒子の平均二次粒子径は、10.8μmであった。実施例1と同様にして測定した0.2A及び2Aにおける電池放電容量は、それぞれ24.0Ah・L−1及び8.9Ah・L−1であった。
[比較例1]
活性炭粒子を用いない以外は実施例1と同様にして、正極電解液と負極電解液を調製した。実施例1と同様にして測定した0.2A及び2Aにおける電池放電容量は、それぞれ19.8Ah・L−1及び0.01Ah・L−1であった。
以上のように、電解液が活性炭粒子を含む実施例のハイブリッドキャパシタは、電解液が活性炭粒子を含まない比較例のハイブリッドキャパシタよりも電池放電容量が大きかった。これは、実施例のハイブリッドキャパシタはハロゲン物質とともに活性炭粒子を活物質で用いることで、ハロゲン物質のみを活物質として用いた場合には達成できない高い電流密度に対応できているためと考えられる。

Claims (14)

  1. 正極電解液と、負極電解液とを備え、前記正極電解液が正極活物質としてハロゲン物質を含み、前記正極電解液及び前記負極電解液からなる群より選択される少なくとも一方が活性炭を含む、ハイブリッドキャパシタ。
  2. 前記負極電解液が、負極活物質として亜鉛化合物、ビオロゲン化合物及びキノン化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載のハイブリッドキャパシタ。
  3. 前記活性炭のBET比表面積が100m/g〜5000m/gである、請求項1又は請求項2に記載のハイブリッドキャパシタ。
  4. 前記活性炭のBET比表面積が1000m/g〜4000m/gである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のハイブリッドキャパシタ。
  5. 前記正極電解液と前記負極電解液とを隔離するセパレータをさらに備える、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のハイブリッドキャパシタ。
  6. 前記活性炭が粒子状であり、平均粒子径が10nm〜300μmである、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のハイブリッドキャパシタ。
  7. 前記活性炭が粒子状であり、平均粒子径が1μm〜100μmである、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のハイブリッドキャパシタ。
  8. 前記負極活物質が亜鉛化合物を含む、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のハイブリッドキャパシタ。
  9. 前記亜鉛化合物がヨウ化亜鉛、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、テレフタル酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、過酸化亜鉛、セレン化亜鉛、二燐酸亜鉛、アクリル酸亜鉛、水酸化炭酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、フッ化亜鉛及びクエン酸亜鉛から選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のハイブリッドキャパシタ。
  10. 前記ハロゲン物質がヨウ素を含む、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のハイブリッドキャパシタ。
  11. 前記正極電解液を貯留する正極電解液貯留部と、前記負極電解液を貯留する負極電解液貯留部と、前記正極と前記正極電解液貯留部との間で前記正極電解液を循環させ、かつ前記負極と前記負極電解液貯留部との間で前記負極電解液を循環させる送液部と、をさらに備える、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のハイブリッドキャパシタ。
  12. 請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のハイブリッドキャパシタと、前記ハイブリッドキャパシタの充放電を制御する制御部と、を備えるハイブリッドキャパシタシステム。
  13. 発電装置と、請求項12に記載のハイブリッドキャパシタシステムと、を備える発電システム。
  14. 前記発電装置は再生可能エネルギーを用いて発電する、請求項13に記載の発電システム。
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