JP2023155613A - トルクリミッタおよびトルクリミッタユニット - Google Patents

トルクリミッタおよびトルクリミッタユニット Download PDF

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Abstract

【課題】回転伝達中に入力側の回転方向が切り替わったときも回転伝達遅れを生じないトルクリミッタを提供する。【解決手段】外周から内周に貫通して軸方向に延びるスリット11aを設けた外筒11と、外筒11の径方向内側に配される内輪12とを備え、外筒11のスリット11aに収納した係合子としてのころ13を、外筒11の外周面に被せられるC形板ばね14で内輪12の外周円筒面に設けた軸方向溝12aに押し付け、外筒11に所定の設定トルク以下のトルクが加えられたときは、ころ13を介して内輪12に回転伝達し、設定トルクを超えるトルクが加えられたときには、ころ13がC形板ばね14の押圧力に抗して内輪12の軸方向溝12aから外れ、回転伝達を行わないものとすることにより、回転伝達中に外筒11の回転方向が切り替わっても回転伝達遅れが生じないようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、入力されるトルクが設定トルク以下のときは回転を伝達し、設定トルクを超えると回転を伝達しなくなるトルクリミッタ、およびそのトルクリミッタと逆入力防止クラッチを組み合わせたトルクリミッタユニットに関する。
トルクリミッタは、二つの回転部材の間に介装され、その一方の回転部材から入力されるトルクが設定トルク以下のときは他方の回転部材に回転を伝達し、入力されるトルクが設定トルクを超えると回転を伝達しなくなる装置であり、その一つの方式として、C形板ばね(板材をC形に湾曲させた形態のばね)を用いたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
上記特許文献1で提案されているトルクリミッタは、外筒にその外周から内周に貫通して軸方向に延びるスリットを設けて、そのスリットに第1のニードルローラを遊嵌するとともに、外筒の内側に配される内輪の外周面に軸方向溝を設けて、その軸方向溝に第2のニードルローラの一部を嵌め込み、外筒の外周面に被せられたC形板ばねで、第1のニードルローラを径方向内側に押圧して内輪の外周面に押し付ける構成となっている。
この構成では、外筒と内輪のうちの一方(入力側)にトルクが加えられると、まず、第1のニードルローラが外筒とともに内輪に対して周方向に相対移動し、第2のニードルローラに接触する。このときに、外筒または内輪に加えられたトルクが所定の設定トルク以下の場合は、両ニードルローラを介して外筒と内輪のうちの他方(出力側)に回転が伝達され、設定トルクを超えるトルクが加えられた場合には、第1のニードルローラがC形板ばねの押圧力に抗してC形板ばねを押し上げながら第2のニードルローラを乗り越えるようになり、回転伝達は行われない。
一方、逆入力防止クラッチは、入力部材に入力トルクが加えられたときは、その回転を出力部材に伝達し、出力部材に逆入力トルクが加えられたときは、入力部材が回転しないようにする装置であり、その一つの方式として、逆入力トルクに対して出力部材をロックさせるもの(以下、この方式を「ロック式」と称する。)がある(例えば、特許文献2参照。)。
ロック式の逆入力防止クラッチは、一般に、同一軸心のまわりに回転する入力部材および出力部材と、出力部材の径方向外側に配される固定部材と、出力部材に逆入力トルクが加えられたときに出力部材を固定部材と係合させてロックするロック手段と、入力部材に入力トルクが加えられたときにロック手段による出力部材と固定部材のロック状態を解除するロック解除手段と、そのロック状態が解除されているときに入力部材に加えられる入力トルクを出力部材に伝達するトルク伝達手段とで構成されている。
特開平10-89376号公報 特許第6633277号公報
ところで、上記特許文献1のトルクリミッタでは、外筒と内輪のうちの入力側に加えられるトルクが設定トルク以下でも、第1のニードルローラが第2のニードルローラに接触するまでは内輪に対して周方向に相対移動するので、その間は出力側に回転が伝達されない。このため、入力側の回転方向が正転と逆転に切替可能となっている場合には、入力側から出力側への回転伝達中に入力側の回転方向を切り替えたときに、毎回かなり大きい回転伝達遅れ(「バックラッシュ」と呼ばれることもある)が生じるという問題がある。
一方、上述したようなロック式の逆入力防止クラッチでは、出力部材に過大な逆入力トルクが加えられた場合に、出力部材と固定部材との係合部に加わる面圧が大きくなり、その係合部に塑性変形等が生じることがある。
そこで、本発明は、回転伝達中に入力側の回転方向が切り替わったときも回転伝達遅れを生じないトルクリミッタを提供することを第1の課題とする。また、ロック式の逆入力防止クラッチにおける出力部材と固定部材との係合部の損傷等を防止することを第2の課題とする。
上記第1の課題を解決するため、本発明のトルクリミッタは、外周から内周に貫通して軸方向に延びるスリットが少なくとも一つ設けられた外筒と、前記外筒の径方向内側に配されて外筒と相対回転自在に支持される内輪と、前記外筒のスリットに収納される係合子と、前記外筒の径方向外側に配置される付勢部材とを備え、前記係合子は、前記外筒のスリットから径方向外側および径方向内側に一部を突出させた状態で保持され、前記内輪は、その外周の円筒面に前記係合子が嵌まり込む軸方向溝が少なくとも一つ設けられ、前記付勢部材は、前記係合子を径方向内側に押圧して前記内輪の軸方向溝に押し付けており、前記外筒と内輪のうちの一方に所定の設定トルク以下のトルクが加えられたときは、前記係合子を介して前記外筒と内輪のうちの他方に回転が伝達され、前記外筒と内輪のうちの一方に前記設定トルクを超えるトルクが加えられたときには、前記係合子が前記付勢部材の押圧力に抗して前記内輪の軸方向溝から外れ、前記外筒と内輪のうちの他方へ回転が伝達されない構成とした。
ここで、前記付勢部材は、前記外筒の外周面に被せられ、自然状態よりも拡径した状態で前記係合子を径方向内側に押圧して前記内輪の軸方向溝に押し付けるC形板ばねを使用することができる。
また、本発明のトルクリミッタは、外周から内周に貫通して軸方向に延びるスリットが少なくとも一つ設けられた外筒と、前記外筒の径方向外側に配されて外筒と相対回転自在に支持される外輪と、前記外筒のスリットに収納される係合子と、前記外筒の径方向内側に配置される付勢部材とを備え、前記係合子は、前記外筒のスリットから径方向外側および径方向内側に一部を突出させた状態で保持され、前記外輪は、その内周の円筒面に前記係合子が嵌まり込む軸方向溝が少なくとも一つ設けられ、前記付勢部材は、前記係合子を径方向外側に押圧して前記外輪の軸方向溝に押し付けており、前記外筒と外輪のうちの一方に所定の設定トルク以下のトルクが加えられたときは、前記係合子を介して前記外筒と外輪のうちの他方に回転が伝達され、前記外筒と外輪のうちの一方に前記設定トルクを超えるトルクが加えられたときには、前記係合子が前記付勢部材の押圧力に抗して前記外輪の軸方向溝から外れ、前記外筒と外輪のうちの他方へ回転が伝達されない構造とすることもできる。
ここで、前記付勢部材は、前記外筒の径方向内側に収納され、自然状態よりも収縮した状態で前記係合子を径方向外側に押圧して前記外輪の軸方向溝に押し付けるコイルばねを使用することができる。
上記構成のトルクリミッタでは、外筒と内輪(または外輪)のうちの一方(入力側)に加えられるトルクが設定トルク以下のときは、係合子が内輪(または外輪)の軸方向溝に嵌まり込んだ状態で外筒と内輪(または外輪)のうちの他方(出力側)への回転伝達が行われるので、入力側から出力側への回転伝達中に入力側の回転方向が切り替わっても回転伝達遅れは生じない。
ここで、前記係合子としては、ころ、鋼球、セラミックボールのうちのいずれかを使用することができる。
また、前記内輪(または外輪)の軸方向溝に嵌まり込んだ係合子の中心から係合子の軸方向溝との接触位置に向かう直線と、前記係合子の中心から内輪(または外輪)の中心に向かう方向に直交する直線とのなす角度(以下、「接触角」と称する。)は、10~45°に設定することが望ましい。
この接触角について、外筒と内輪を備えた構成の場合で説明する。後述する本発明の実施形態を説明する図5に示すように、回転伝達時の係合子は内輪の軸方向溝の両縁部に接触している。この状態で外筒にトルクが加えられたときの係合子に係る力のつり合いを考える。
ここで、外筒のスリットの側面が係合子を押す力をA、その力Aの方向と係合子の中心から内輪の中心に向かう直線(以下、「Y軸」と称する。)に直交する直線(以下、「X軸」と称する。)とのなす角度をθ、前記接触角をα、係合子が内輪の軸方向溝の一方の縁部を押す力の反力をBとすると、X軸方向の力のつり合いは次式で表される。
A×cosθ=B×cosα ・・・(1)
また、トルクリミッタが作動するとき、すなわち係合子がY軸方向外側に移動するときには、スリットの側面と係合子との間に摩擦力が作用するので、その摩擦係数をμとすると、係合子は次式で表される力YでC形板ばねをY軸方向に押すことになる。
Y=A×sinθ+B×sinα-μ×A×cosθ ・・・(2)
この(2)式に(1)式を代入すると次式を得る。
Y=A×(sinθ+cosθ×tanα-μ×cosθ) ・・・(3)
そして、C形板ばねが係合子をY軸方向に押す力をCとすると、C≧Yであれば、係合子が内輪の軸方向溝に収まった状態で入力側から出力側に回転が伝達されることになる。一方、C<Yとなると、係合子はC形板ばねを押し上げて軸方向溝から外れ、内輪の外周面上を滑りながら転動し、次に軸方向溝に入り込んだときもC<Yであれば、再び軸方向溝から外れて転動することを繰り返すので、入力側から出力側への回転伝達は行われない。
(3)式から、接触角αが大きいほど、Yが大きくなるので、小さい入力トルクで係合子が内輪の軸方向溝から外れるようになり、トルクリミッタの動作が不安になりやすい。また、接触角αを小さくするほど、Yが小さくなるので、トルクリミッタの設定トルクを大きくするには有利であるが、接触角αを小さくしすぎると(例えば0°近くまで小さくすると)、(3)式から摩擦係数μの影響が大きくなり、トルクリミッタの動作が不安定になる。そこで、接触角αの大きさとトルクリミッタの挙動の関係を実験等によって調査した結果、接触角αが10~45°の範囲であれば、係合子が安定して内輪の軸方向溝から外れることにより、トルクリミッタ全体の動作も安定したものになるという知見を得たのである。
また、前記外筒のスリットの係合子との接触面は、径方向断面において、前記スリットが前記内輪または外輪の軸方向溝に臨む側で広がるように傾斜している構成とすることもできる。このようにすれば、スリットを径方向に一定幅で形成した場合に比べて、係合子がC形板ばねまたはコイルばねを押す力が小さくなり、C形板ばねまたはコイルばねのばね力を小さく設定することができる。
また、前記外筒のスリットの係合子との接触面が、径方向断面において、前記係合子の周方向両側で互いに異なる角度で傾斜している構成とすれば、トルクリミッタの設定トルクを回転方向によって異なるものとすることができる。
また、上記第2の課題を解決するため、本発明は、上記構成のトルクリミッタと、同一軸心のまわりに回転する入力部材および出力部材と、前記出力部材の径方向外側に配される固定部材と、前記出力部材に逆入力トルクが加えられたときに前記出力部材を固定部材と係合させてロックするロック手段と、前記入力部材に入力トルクが加えられたときに前記ロック手段による出力部材と固定部材のロック状態を解除するロック解除手段と、前記ロック状態が解除されているときに前記入力部材に加えられる入力トルクを出力部材に伝達するトルク伝達手段を備えた逆入力防止クラッチとからなり、前記逆入力防止クラッチの出力部材が前記トルクリミッタの外筒と内輪のいずれか一方、または外筒と外輪のいずれか一方に相対回転不能に連結されており、前記トルクリミッタの設定トルクが前記逆入力防止クラッチの許容トルクよりも小さいトルクリミッタユニットを提供する。
すなわち、ロック式の逆入力防止クラッチの出力部材を上記構成のトルクリミッタの外筒と内輪(または外輪)のいずれか一方に相対回転不能に連結してトルクリミッタユニットを構成し、そのトルクリミッタの設定トルクを逆入力防止クラッチの許容トルクよりも小さく設定することにより、トルクリミッタの出力側に逆入力防止クラッチの許容トルクを超える過大な逆入力トルクが加えられても、その逆入力トルクはトルクリミッタで遮断されて逆入力防止クラッチの出力部材に伝達されず、その出力部材と固定部材との係合部の塑性変形を防止できるようにしたのである。
ここで、前記トルクリミッタの使用最大トルク(使用時に負荷されると想定されるトルクの最大値)を前記逆入力防止クラッチの許容トルクよりも小さく設定すれば、トルクリミッタの出力側に使用最大トルク以下で設定トルクを超える衝撃的な過大トルクが加えられて、係合子が内輪(または外輪)の軸方向溝から外れるまでのわずかな間に、その過大トルクが逆入力防止クラッチの出力部材に伝達された場合でも、その出力部材と固定部材との係合部の損傷等を確実に防止することができる。
また、前記逆入力防止クラッチのロック手段が、前記固定部材の内周に円筒面を設け、前記出力部材の外周に複数のカム面を設けて、前記固定部材の内周円筒面と出力部材の各カム面との間に周方向の少なくとも一側で次第に狭小となる楔形空間を形成し、これらの各楔形空間に組み込んだ係合子を弾性部材で楔形空間の狭小部へ押し込んでいるものである場合は、前記各楔形空間に組み込んだ係合子の前記出力部材のカム面との接点における接線と、前記各楔形空間に組み込んだ係合子の前記固定部材の内周円筒面との接点における接線とがなす角度(以下、「楔角」と称する。)を6~12°に設定することが望ましい。
すなわち、上記のようなロック手段を有する逆入力防止クラッチでは、出力部材に逆入力トルクが加わった際に、係合子が楔形空間内で固定部材および出力部材と係合してロックするまでに出力部材がわずかな角度(遅れ角)だけ回転し、その遅れ角は前記楔角が大きいほど大きくなる。一方、楔角は、入力部材から出力部材にスムーズに回転伝達するために、一般に12°以下とされている(例えば、特許第4873869号公報参照。)。したがって、楔角を12°以下でなるべく大きく、好ましくは6°以上に設定して、遅れ角を大きくすることにより、トルクリミッタの出力側に衝撃的な過大トルクが加えられた際に、わずかな間だけ逆入力防止クラッチの出力部材に伝達される過大トルクを逃し、出力部材と固定部材との係合部の損傷等を生じにくくすることができる。
本発明のトルクリミッタは、上述したように、外筒のスリットに収納した係合子をC形板ばね(またはコイルばね)で内輪(または外輪)の軸方向溝に押し付け、設定トルク以下のトルクが加えられたときは係合子を介して回転伝達し、設定トルクを超えるトルクが加えられたときには、係合子が内輪(または外輪)の軸方向溝から外れて回転伝達しないようにしたものであるから、回転伝達中に入力側の回転方向が切り替わったときにも回転伝達遅れを生じず、安定した回転伝達動作を行うことができる。
また、本発明のトルクリミッタユニットは、ロック式の逆入力防止クラッチの出力部材を上記構成のトルクリミッタの外筒と内輪(または外輪)のいずれか一方に相対回転不能に連結して、そのトルクリミッタの設定トルクを逆入力防止クラッチの許容トルクよりも小さく設定したものであるから、トルクリミッタの出力側に逆入力防止クラッチの許容トルクを超える過大な逆入力トルクが加えられても、逆入力防止クラッチの出力部材と固定部材との係合部の損傷等を防止することができる。
本発明の第1実施形態のトルクリミッタを組み込んだトルクリミッタユニットの縦断正面図 図1のトルクリミッタの分解斜視図 図1のIII-III線に沿った断面図 図1のIV-IV線に沿った断面図 図3に対応してトルクリミッタのころ(係合子)に係る力のつり合いを説明する拡大断面図 (a)、(b)はそれぞれ図5に対応してトルクリミッタの内輪の軸方向溝の変形例を示す拡大断面図 図5に対応して外筒のスリットの断面形状の変形例を示す拡大断面図 図5に対応して外筒のスリットの断面形状の別の変形例を示す拡大断面図 図4に対応して逆入力防止クラッチの楔角を説明する拡大断面図 本発明の第2実施形態のトルクリミッタを組み込んだトルクリミッタユニットの縦断正面図 図10のXI-XI線に沿った断面図
以下、図面に基づき本発明の実施形態を説明する。図1乃至図9は本発明の第1実施形態のトルクリミッタユニット1を示す。このトルクリミッタユニット1は、図1に示すように、トルクリミッタ10をロック式の逆入力防止クラッチ20の出力側に連結したものである。
トルクリミッタ10は、図1乃至図3に示すように、外周から内周に貫通して軸方向に延びるスリット11aが2つ設けられた外筒11と、外筒11の径方向内側に配されて外筒11と相対回転自在に支持される内輪12と、外筒11の各スリット11aにそれぞれ収納される係合子であるころ13と、外筒11の外周面に被せられるC形板ばね14と、外筒11を逆入力防止クラッチ20に連結する連結部材15とを備えている。そのころ13は、それぞれ外筒11のスリット11aから径方向外側および径方向内側に一部を突出させた状態で保持されるようになっている。
外筒11は、トルクリミッタ10の入力側となる円筒状の部材であり、外周面の軸方向中央部に周方向のほぼ全域にわたる凹部11bが形成され、その凹部11bの底面に前述の2つのスリット11aが軸心を挟んで対向するように設けられている。そして、その凹部11bにC形板ばね14が軸方向および周方向の移動を規制された状態で嵌まり込むようになっている。また、外筒11の一端部(逆入力防止クラッチ20と対向する側の端部)には、後述するように連結部材15と係合するための2つの切欠き11cが軸心を挟んで対向するように設けられ、他端部には内輪12を抜け止めする内向きフランジ11dが設けられている。
内輪12は、トルクリミッタ10の出力側となる部材であり、その一端面から他端面に向かって段階的に小径となるように形成されている。そして、外筒11の径方向内側に配される一端側大径部の外周の円筒面に、ころ13が嵌まり込む2つの軸方向溝12aが軸心を挟んで対向するように設けられている。また、内輪12の一端面には内輪12を回転自在に支持するための軸穴12bが設けられており、外筒11の他端から突出する部位の外周面には、図示省略した外部の回転部材に回転を伝達するための二面幅部12cが形成されている。
C形板ばね14は、自然状態よりも拡径した状態で前述のように外筒11の凹部11bに嵌まり込み、外筒11の各スリット11aに収納されたころ13を押圧して内輪12の軸方向溝12aに押し付けている。
ここで、図5に示すように、C形板ばね14に押圧されたころ13は内輪12の軸方向溝12aの両縁に接触しており、その接触角αは10~45°に設定されている。
なお、内輪12の軸方向溝12aは、この図5(および図3)の例ではころ13の半径よりも小さい曲率半径の単一の円弧面からなるものとしたが、図6(a)に示すように、ころ13の半径よりも大きい曲率半径の2つの円弧面からなるものとしたり、図6(b)に示すように、3つの平面からなるものとしたりすることもできる。図6(a)、(b)の変形例では、ころ13が軸方向溝12aの両縁よりも内側の部位に接触しているが、これらの場合も接触角αは10~45°に設定すればよい。
連結部材15は、環状の部材であり、その軸心に対して対称な位置に径方向外側に突出する2つの突起15aを有し、内周面に二面幅部15bが形成されている。そして、各突起15aがそれぞれ外筒11の一端部の切欠き11cに嵌まり込んで、二面幅部15bで逆入力防止クラッチ20から伝達された回転を突起15aから外筒11に伝達するようになっている。
このトルクリミッタ10では、逆入力防止クラッチ20から外筒11にトルクが加えられると、ころ13が外筒11のスリット11aの側面から力を受けてC形板ばね14を径方向外側へ押す。このとき、外筒11に加えられるトルクが所定の設定トルク以下の場合は、ころ13がC形板ばね14を押す力YはC形板ばね14がころ12を径方向内側に押圧する力C以下(C≧Y)となるので、ころ13は内輪12の軸方向溝12aに収まった状態で保持され、ころ13を介して内輪12に回転が伝達される。したがって、回転伝達中に逆入力防止クラッチ20の回転方向が切り替わっても、回転伝達遅れは生じない。
また、外筒11に加えられるトルクが設定トルクを超える場合には、ころ13がC形板ばね14を押す力YはC形板ばね14がころ12を押圧する力Cより大きくなり(C<Y)、ころ13はC形板ばね14を押し上げて軸方向溝12aから外れ、内輪12の外周面上を滑りながら転動するようになる。そして、ころ13が次に軸方向溝12aに入り込んだときもC<Yであれば、ころ13は再び軸方向溝12aから外れて転動することを繰り返すので、回転伝達は行われない。
同様に、外部の回転部材から内輪12に逆入力トルクが加えられる場合も、その逆入力トルクが設定トルク以下の場合は外筒11に回転を伝達し、設定トルクを超える場合には回転伝達を行わない。
ここで、図5で示すように、外筒11のスリット11aの側面がころ13を押す力をAとすると、ころ13がC形板ばね14を押す力Yは、前述のように、A×(sinθ+cosθ×tanα-μ×cosθ)となる(μはスリット11aの側面ところ13との間の摩擦係数)。そして、このトルクリミッタ10では、接触角αを10~45°に設定しているので、ころ13が安定して内輪12の軸方向溝12aから外れ、トルクリミッタ10全体の動作も安定したものとなっている。
また、外筒11のスリット11aは、図3、図5、図6に示した例では径方向に一定幅で(収納するころ13との接触面がころ13の中心から内輪12の中心に向かう方向と平行となるように)形成したが、図7に示す変形例のように、ころ13との接触面を、径方向断面において、スリット11aが内輪12の軸方向溝12aに臨む側で広がるように傾斜させることもできる。このようにすれば、スリット11aを径方向に一定幅で形成した場合に比べて、ころ13がC形板ばね14を押す力Yが小さくなり、C形板ばね14のばね力を小さく設定することができる。
また、図8に示す外筒11のスリット11aの変形例は、図7の変形例をベースとして、ころ13との接触面のうち、図面右側の接触面を、図面左側の接触面の傾斜角度よりも小さい傾斜角度で傾斜させたものである。このようにスリット11aのころ13との接触面を、径方向断面において、ころ13の左右(周方向両側)で互いに異なる角度で傾斜させると、トルクリミッタ10の設定トルクを回転方向によって異なるものとすることができる。
次に、上述したトルクリミッタ10に連結される逆入力防止クラッチ20について説明する。この逆入力防止クラッチ20は、図1および図4に示すように、入力軸(入力部材)21と、出力軸22と内輪23が一体形成された出力部材24と、内輪23の径方向外側に配される外輪(固定部材)25が一体形成されたハウジング26と、ハウジング26の一端に取り付けられる押え蓋27と、内輪23と外輪25の間に挿入される2本の柱部28aを有する保持器28と、保持器28の両柱部28a間に組み込まれる複数のローラ(係合子)29と、内輪23と外輪25の間でローラ29の配列に沿って延びるように配置される2つのC形ばね(弾性部材)30とを備えている。
入力軸21は、外周面に二面幅部21aが設けられた部位が内輪23の中央に設けられた係合穴23aに挿入されるとともに、先端小径部21bが出力軸22の端面中央に設けられた軸穴22aに嵌めこまれて、出力部材24(内輪23および出力軸22)と同一軸心のまわりに回転するようになっている。また、内輪23の係合穴23aは入力軸21の二面幅部21aと僅かな回転方向隙間が生じるように形成されており、入力軸21の回転が僅かな角度遅れをもって出力部材24に伝達されるようになっている。
出力軸22は、後述するようにトルクリミッタ10と連結するために、ハウジング26から突出する部位の外周面に二面幅部22bが形成され、その突出部の先端に小径部22cが設けられている。
ハウジング26は、一端のフランジの外周縁に複数の切欠き26aが形成されており、これらの切欠き26aに押え蓋27の外周縁に形成された爪27aを嵌め込んで折り曲げることにより、押え蓋27と一体化されている。そして、その押え蓋27が図示省略した外部部材に固定されている。
保持器28は、入力軸21を通す円板部28bの周縁の相対する位置に前記柱部28aを設けたもので、その円板部28bが入力軸21の外周に嵌合固定されて、入力軸21と一体に回転するようになっている。
また、図4に示すように、内輪23の外周面には所定の一方向に傾斜するカム面23bと他方向に傾斜するカム面23cがそれぞれ連続して複数設けられており、これにより、内輪23と外輪25の間に、周方向の一側で狭小となる第1の楔形空間31aと周方向の他側で狭小となる第2の楔形空間31bがそれぞれ連続して複数形成されている。連続する楔形空間31a、31bには、ローラ29が互いに当接する状態で収容され、第1の楔形空間31aの狭小部と第2の楔形空間31bの狭小部が周方向で対向する位置に、保持器28の柱部28aが挿入されている。
C形ばね30は、丸線材で形成されており、その両端にクラッチ軸方向に沿って延びる略くの字状のフック部30aが設けられている。そして、弾性縮径した状態で、一端のフック部30aが第1の楔形空間31aに収容されたローラ29の一つに、他端のフック部30aが第2の楔形空間31bに収容されたローラ29の一つに、それぞれローラ29の配列のピッチ円付近の2点で当接するように組み込まれている。これにより、各C形ばね30が、その弾性力で、各ローラ29を第1または第2の楔形空間31a、31bの狭小部に押し込むようになっている。
この逆入力防止クラッチ20では、各ローラ29がC形ばね30の弾性力で第1または第2の楔形空間31a、31bの狭小部に押し込まれているので、出力軸22にいずれの方向の逆入力トルクが加えられても、内輪23がローラ29を介して外輪25と係合してロックされ、出力軸22も入力軸21も回転しない。
一方、入力軸21に入力トルクが加えられたときには、入力軸21がいずれの方向に回転しても、入力軸21と一体に回転する保持器28の柱部28aが、回転方向で対向するローラ29をC形ばね30の弾性力に抗して第1または第2の楔形空間31a、31bの広大側へ押し出すことにより、内輪23(出力部材24)がロック状態から解放される。そして、入力軸21がさらに回転してその二面幅部21aが内輪23の係合穴23aの内面と係合すると、入力軸21の回転が内輪23を介して出力軸22に伝達されるようになる。
この逆入力防止クラッチ20は、上述のように、出力部材24に逆入力トルクが加えられたときに出力部材24を外輪(固定部材)25と係合させてロックするロック手段と、入力軸(入力部材)21に入力トルクが加えられたときにロック手段による出力部材24と外輪25のロック状態を解除するロック解除手段と、ロック状態が解除されているときに入力軸21に加えられる入力トルクを出力部材24に伝達するトルク伝達手段とを備え、入力トルクに対しては回転伝達を行い、逆入力トルクに対しては回転伝達を行わないようにしたものである。
そして、出力部材24を構成する出力軸22の先端小径部22cをトルクリミッタ10の内輪12の軸穴12bに相対回転自在に嵌め込み、出力軸22の二面幅部22bが形成された部位をトルクリミッタ10の連結部材15の内周に相対回転不能に嵌め込むことにより、出力部材24が連結部材15を介してトルクリミッタ10の外筒11に相対回転不能に連結され、トルクリミッタ10の内輪12を外筒11と相対回転自在に支持するようになっている。
上記のようにしてトルクリミッタ10の外筒11を逆入力防止クラッチ20の出力部材24に連結した実施形態のトルクリミッタユニット1は、トルクリミッタ10の設定トルクが逆入力防止クラッチ20の許容トルクよりも小さく設定されている。したがって、トルクリミッタ10の内輪12に逆入力防止クラッチ20の許容トルクを超える過大な逆入力トルクが加えられても、その逆入力トルクはトルクリミッタ10で遮断されて逆入力防止クラッチ20の出力部材24に伝達されず、出力部材24と固定部材との係合部を構成する内輪23、外輪25およびローラ29の塑性変形を防止することができる。
さらに、トルクリミッタ10の使用最大トルクを逆入力防止クラッチ20の許容トルクよりも小さく設定すれば、トルクリミッタ10の内輪12に使用最大トルク以下で設定トルクを超える衝撃的な過大トルクが加えられて、ころ13が内輪12の軸方向溝12aから外れるまでのわずかな間に、その過大トルクが逆入力防止クラッチ20の出力部材24に伝達された場合でも、逆入力防止クラッチ20の出力部材24と固定部材との係合部の損傷等を確実に防止できるようになる。
また、図9に示す楔角(ローラ29の内輪23のカム面23bまたは23cとの接点における接線と、ローラ29の外輪25の内周円筒面との接点における接線とがなす角度)βを6~12°に設定することにより、トルクリミッタ10の内輪12に衝撃的な過大トルクが加えられた際に、わずかな間だけ逆入力防止クラッチ20の出力部材24に伝達される過大トルクを逃し、出力部材24と固定部材との係合部の損傷等を生じにくくすることができる。
図10および図11は本発明の第2実施形態のトルクリミッタユニット2を示す。この第2実施形態は、第1実施形態をベースとし、そのトルクリミッタ10を下記の構成のトルクリミッタ50に変更したものである。なお、第1実施形態と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付けて説明を省略する。
第2実施形態のトルクリミッタ50は、第1実施形態の内輪12とC形板ばね14をなくし、その代わりに、外筒11の径方向外側に配されて外筒11と相対回転自在に支持される外輪51と、外筒11の径方向内側に収納されるたる形のコイルばね52とを設けている。また、この変更に伴い、外筒11は他端が閉じられて外周面の凹部11bが省略され、逆入力防止クラッチ20の出力軸22は先端小径部22cが省略されている。
外輪51は、トルクリミッタ50の出力側となる部材であり、その一端面から他端面に向かって段階的に小径となるように形成され、一端側に開口する大径部が外筒11の径方向外側に配されている。そして、その一端側大径部の内周の円筒面に、ころ13が嵌まり込む2つの軸方向溝51aが軸心を挟んで対向するように設けられている。また、大径部の他端側に連続する中間部の外周面には、第1実施形態の内輪12と同様、図示省略した外部の回転部材に回転を伝達するための二面幅部51bが形成されている。
コイルばね52は、自然状態よりも収縮した状態で外筒11に収納され、外筒11の各スリット11aに収納されたころ13を径方向外側に押圧して外輪51の軸方向溝51aに押し付けている。
このトルクリミッタ50でも、第1実施形態と同様、逆入力防止クラッチ20から外筒11に設定トルク以下のトルクが加えられたときは、ころ13を介して外輪51に回転が伝達され、回転伝達中に逆入力防止クラッチ20の回転方向が切り替わっても回転伝達遅れが生じない。そして、外筒11に加えられるトルクが設定トルクを超えると、ころ13がコイルばね52の押圧力に抗して外輪51の軸方向溝51aから外れて外輪51への回転伝達を行わなくなる。また、外部の回転部材から外輪51に逆入力トルクが加えられる場合も、その逆入力トルクが設定トルク以下の場合は外筒11に回転を伝達し、設定トルクを超える場合には回転伝達を行わない。
そして、コイルばね52を用いてころ13を外輪51の軸方向溝51aに押し付けるようにしているので、コイルばね52の端面を研磨することにより、ころ13の外周面と軸方向溝51aを平行に保って押圧することができる。これにより、ころ13は軸方向溝51aに安定した力で押し付けられるので、安定した設定トルクが得られる。また、コイルばね52はたる形のものが用いられており、円筒状のものを用いる場合に比べて密着長さが小さく、ころ13間の寸法を小さくすることができるので、トルクリミッタ50を小型に構成するのに有利である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、上述した各実施形態では、トルクリミッタ10、50の外筒11を逆入力防止クラッチ20の出力部材24に連結したが、トルクリミッタの入力側と出力側を入れ替えて、トルクリミッタの内輪または外輪を逆入力防止クラッチの出力部材に連結するようにしてもよい。
また、内輪や外輪の軸方向溝に押し付けられる係合子は、各実施形態のようなころのほか、鋼球やセラミックボールを用いることもできる。
また、本発明のトルクリミッタは、もちろん、実施形態のようなトルクリミッタユニットで逆入力防止クラッチと組み合わせて用いるだけでなく、単独で二つの回転部材の間に介装することもできる。
1、2 トルクリミッタユニット
10、50 トルクリミッタ
11 外筒
11a スリット
12 (トルクリミッタの)内輪
12a 軸方向溝
13 ころ(トルクリミッタの係合子)
14 C形板ばね
15 連結部材
20 逆入力防止クラッチ
21 入力軸(入力部材)
22 出力軸
23 (逆入力防止クラッチの)内輪
23b、23c カム面
24 出力部材
25 外輪(固定部材)
28 保持器
29 ローラ(逆入力防止クラッチの係合子)
30 C形ばね(弾性部材)
31a、31b 楔形空間
51 外輪
51a 軸方向溝
52 コイルばね

Claims (11)

  1. 外周から内周に貫通して軸方向に延びるスリットが少なくとも一つ設けられた外筒と、前記外筒の径方向内側に配されて外筒と相対回転自在に支持される内輪と、前記外筒のスリットに収納される係合子と、前記外筒の径方向外側に配置される付勢部材とを備え、
    前記係合子は、前記外筒のスリットから径方向外側および径方向内側に一部を突出させた状態で保持され、前記内輪は、その外周の円筒面に前記係合子が嵌まり込む軸方向溝が少なくとも一つ設けられ、前記付勢部材は、前記係合子を径方向内側に押圧して前記内輪の軸方向溝に押し付けており、
    前記外筒と内輪のうちの一方に所定の設定トルク以下のトルクが加えられたときは、前記係合子を介して前記外筒と内輪のうちの他方に回転が伝達され、前記外筒と内輪のうちの一方に前記設定トルクを超えるトルクが加えられたときには、前記係合子が前記付勢部材の押圧力に抗して前記内輪の軸方向溝から外れ、前記外筒と内輪のうちの他方へ回転が伝達されないようになっているトルクリミッタ。
  2. 外周から内周に貫通して軸方向に延びるスリットが少なくとも一つ設けられた外筒と、前記外筒の径方向外側に配されて外筒と相対回転自在に支持される外輪と、前記外筒のスリットに収納される係合子と、前記外筒の径方向内側に配置される付勢部材とを備え、
    前記係合子は、前記外筒のスリットから径方向外側および径方向内側に一部を突出させた状態で保持され、前記外輪は、その内周の円筒面に前記係合子が嵌まり込む軸方向溝が少なくとも一つ設けられ、前記付勢部材は、前記係合子を径方向外側に押圧して前記外輪の軸方向溝に押し付けており、
    前記外筒と外輪のうちの一方に所定の設定トルク以下のトルクが加えられたときは、前記係合子を介して前記外筒と外輪のうちの他方に回転が伝達され、前記外筒と外輪のうちの一方に前記設定トルクを超えるトルクが加えられたときには、前記係合子が前記付勢部材の押圧力に抗して前記外輪の軸方向溝から外れ、前記外筒と外輪のうちの他方へ回転が伝達されないようになっているトルクリミッタ。
  3. 前記付勢部材が、前記外筒の外周面に被せられ、自然状態よりも拡径した状態で前記係合子を径方向内側に押圧して前記内輪の軸方向溝に押し付けるC形板ばねであることを特徴とする請求項1記載のトルクリミッタ。
  4. 前記付勢部材が、前記外筒の径方向内側に収納され、自然状態よりも収縮した状態で前記係合子を径方向外側に押圧して前記外輪の軸方向溝に押し付けるコイルばねであることを特徴とする請求項2記載のトルクリミッタ。
  5. 前記係合子として、ころ、鋼球、セラミックボールのうちのいずれかを使用したことを特徴とする請求項1または2に記載のトルクリミッタ。
  6. 前記内輪または外輪の軸方向溝に嵌まり込んだ係合子の中心から係合子の軸方向溝との接触位置に向かう直線と、前記係合子の中心から内輪または外輪の中心に向かう方向に直交する直線とのなす角度が、10~45°とされていることを特徴とする請求項1または2に記載のトルクリミッタ。
  7. 前記外筒のスリットの係合子との接触面は、径方向断面において、前記スリットが前記内輪または外輪の軸方向溝に臨む側で広がるように傾斜していることを特徴とする請求項1または2に記載のトルクリミッタ。
  8. 前記外筒のスリットの係合子との接触面は、径方向断面において、前記係合子の周方向両側で互いに異なる角度で傾斜していることを特徴とする請求項1または2に記載のトルクリミッタ。
  9. 請求項1または2に記載のトルクリミッタと、
    同一軸心のまわりに回転する入力部材および出力部材と、前記出力部材の径方向外側に配される固定部材と、前記出力部材に逆入力トルクが加えられたときに前記出力部材を固定部材と係合させてロックするロック手段と、前記入力部材に入力トルクが加えられたときに前記ロック手段による出力部材と固定部材のロック状態を解除するロック解除手段と、前記ロック状態が解除されているときに前記入力部材に加えられる入力トルクを出力部材に伝達するトルク伝達手段を備えた逆入力防止クラッチとからなり、
    前記逆入力防止クラッチの出力部材が、前記トルクリミッタの外筒と内輪のいずれか一方、または外筒と外輪のいずれか一方に相対回転不能に連結されており、
    前記トルクリミッタの設定トルクが前記逆入力防止クラッチの許容トルクよりも小さいトルクリミッタユニット。
  10. 前記トルクリミッタの使用最大トルクが前記逆入力防止クラッチの許容トルクよりも小さいことを特徴とする請求項9に記載のトルクリミッタユニット。
  11. 前記逆入力防止クラッチのロック手段は、前記固定部材の内周に円筒面を設け、前記出力部材の外周に複数のカム面を設けて、前記固定部材の内周円筒面と出力部材の各カム面との間に周方向の少なくとも一側で次第に狭小となる楔形空間を形成し、これらの各楔形空間に組み込んだ係合子を弾性部材で楔形空間の狭小部へ押し込んでいるものであり、
    前記各楔形空間に組み込んだ係合子の前記出力部材のカム面との接点における接線と、前記各楔形空間に組み込んだ係合子の前記固定部材の内周円筒面との接点における接線とがなす角度が6~12°であることを特徴とする請求項9に記載のトルクリミッタユニット。
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