JP2023154343A - 光学粘着剤層 - Google Patents

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【課題】フレキシブルデバイス用途に適した光学粘着剤層を提供する。【解決手段】本発明の光学粘着剤層10は、試験片について実施される所定の巻き付け試験における空隙部最大長さLが2mm以下であり、端縁間距離Dが80mm以上である。試験片は、厚さ80μmのポリイミドフィルムと、厚さ32μmの偏光板フィルムと、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルムとを厚さ方向にこの順に備える積層体である。ポリイミドフィルムと偏光板フィルムとの間、および、偏光板フィルムとポリエチレンテレフタレートフィルムとの間が、それぞれ、光学粘着剤層10によって接合されている。空隙部最大長さLは、積層体における層間空隙の最大長さである。端縁間距離Dは、積層体の長さ方向における両端縁間の距離である。【選択図】図1

Description

本発明は、光学粘着剤層に関する。
ディスプレイパネルは、例えば、画素パネル、偏光フィルム、タッチパネルおよびカバーフィルムなどを含む積層構造を有する。そのようなディスプレイパネルの製造過程では、積層構造に含まれる要素どうしの接合のために、光学用途の透明な粘着剤から形成された粘着剤層(光学粘着剤層)が用いられる。
一方、例えばスマートフォン用およびタブレット端末用に、繰り返し折り曲げ可能(フォルダブル)なディスプレイパネルの開発が進んでいる。フォルダブルディスプレイパネルは、具体的には、屈曲形状とフラットな非屈曲形状との間で、繰り返し変形可能である。このようなフォルダブルディスプレイパネルでは、積層構造中の各要素が、繰り返し折り曲げ可能に作製されており、そのような要素間の接合に薄い光学粘着剤層が用いられている。フォルダブルディスプレイパネルなどフレキシブルデバイス用の光学粘着剤層については、例えば下記の特許文献1に記載されている。
特開2018-111754号公報
フォルダブルディスプレイパネルにおいて繰り返し折り曲げられる箇所では、従来、光学粘着剤層が被着体としての要素から剥がれやすい。ディスプレイパネルが折り曲げられたとき、当該折り曲げ箇所では、光学粘着剤層に対してせん断応力などの応力が局所的に作用するからである。一方、フォルダブルディスプレイパネルにおいて繰り返し折り曲げられる箇所の光学粘着剤層には、非屈曲時において変形の痕(変形を経た後に形状が充分に回復していない部分に生ずる)が抑制されることが求められる。フォルダブルディスプレイパネル用の光学粘着剤層には、ディスプレイ屈曲時に被着体から剥がれにくいことと、非屈曲時の変形の痕が抑制されることとの両立が、高いレベルで求められる。
フレキシブルデバイスとしては、巻き取り可能(ローラブル)なディスプレイパネルの開発も進んでいる。ローラブルディスプレイパネルは、例えば、全体が巻き取られた後の巻回し形状と、全体が繰り出された後のフラット形状との間で、繰り返し変形可能である。このようなローラブルディスプレイパネルでは、積層構造中の各要素が、繰り返し変形可能に作製されており、そのような要素間の接合に薄い光学粘着剤層が用いられている。ローラブルディスプレイパネル用の光学粘着剤層には、ディスプレイの巻回し形状時に被着体としての要素から剥がれにくいことと、フラット形状時の変形の痕が抑制されることとの両立が、非常に高いレベルで求められる。
本発明は、フレキシブルデバイス用途に適した光学粘着剤層を提供する。
本発明[1]は、下記の第1ステップ~第6ステップが実施される巻き付け試験における空隙部最大長さLが2mm以下であり、端縁間距離Dが80mm以上である、光学粘着剤層を含む。
第1ステップ:
厚さ80μmのポリイミドフィルムと、厚さ32μmの偏光板フィルムと、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルムとを厚さ方向にこの順に備える積層体であって、前記ポリイミドフィルムと前記偏光板フィルムとの間、および、前記偏光板フィルムと前記ポリエチレンテレフタレートフィルムとの間が、それぞれ、前記光学粘着剤層によって接合されている、積層体を用意する。
第2ステップ:
前記積層体を、50℃および0.5MPaの条件で15分間、加温加圧処理する。
第3ステップ:
前記第2ステップの後の前記積層体から、試験片を切り出す。前記試験片は、長さ100mm×幅25mmのサイズを有し、前記長さ方向における一方端に第1端部を有し且つ他方端に第2端部を有する。
第4ステップ:
断面直径20mmの巻芯に対し、前記試験片を、当該試験片の長さ方向が前記巻芯の周方向に沿う態様で、次のように巻き付ける。まず、前記試験片における前記第1端部のポリイミドフィルム側を、両面テープを介して前記巻芯に貼り付ける。次に、当該試験片の前記ポリイミドフィルム側が巻き付け内側に配置される態様で、当該試験片を前記長さ方向に引っ張りつつ前記巻芯まわりに1.628周巻き付ける。次に、前記巻芯に巻き付けられた当該試験片において、前記第2端部を粘着テープによって固定する。
第5ステップ:
前記巻芯付きの前記試験片を、23℃の温度条件で48時間保管する。
第6ステップ:
前記第5ステップの後、前記巻芯に対する前記試験片の巻き付け状態を解除してから5分以内に、前記試験片における端縁間距離Dおよび空隙部最大長さLを測定する。前記端縁間距離Dは、前記試験片の前記長さ方向における両端縁間の距離である。前記空隙部最大長さLは、前記試験片における層間空隙の最大長さである。
以上の巻き付け試験における空隙部最大長さLが2mm以下であり且つ端縁間距離Dが80mm以上である構成は、フレキシブルデバイス用の光学粘着剤層として、デバイス変形時における被着体からの剥離の抑制と、非変形時における変形の痕の抑制とを、両立するのに適する。したがって、本発明の光学粘着剤層は、フレキシブルデバイス用途に適する。
本発明[2]は、前記第5ステップでの温度条件が-20℃であること以外は前記第1ステップ~第6ステップと同様のステップが実施される巻き付け試験における前記空隙部最大長さLが2mm以下であり、前記端縁間距離Dが80mm以上である、上記[1]に記載の光学粘着剤層を含む。
このような構成は、低温環境下において、デバイス変形時における被着体からの剥離の抑制と、非変形時における変形の痕の抑制とを、両立するのに好ましい。
本発明[3]は、断面直径20mmの巻芯に巻き回してから1時間経過による透過率の変化が5%以下である、上記[1]または[2]に記載の光学粘着剤層を含む。
このような構成は、フレキシブルデバイス用途の光学粘着剤層としての透明性を確保するのに好ましい。
本発明[4]は、最大厚さと最小厚さとの差が3μm以下である、上記[1]から[3]のいずれか一つに記載の光学粘着剤層を含む。
このような構成は、光学粘着剤層が接する被着体の変形時に、当該被着体における応力集中を抑制するのに好ましい。
本発明[5]は、第1面と当該第1面とは反対側の第2面とを有する低粘着剤層と、前記第1面上に配置された第1高粘着剤層であって、前記低粘着剤層とは反対側に第1高粘着面を有する第1高粘着剤層と、前記第2面上に配置された第2高粘着剤層であって、前記低粘着剤層とは反対側に第2高粘着面を有する第2高粘着剤層とを備え、前記第1高粘着面および前記第2高粘着面のそれぞれが、ポリイミドフィルムへの貼り合わせから23℃で30分間経過後に、当該ポリイミドフィルムに対し、剥離角度180°および剥離速度300mm/分の条件において5N/25mm以上の剥離粘着力を有し、前記低粘着剤層の-20℃でのせん断貯蔵弾性率が、前記高粘着剤層の-20℃でのせん断貯蔵弾性率より小さい、上記[1]から[4]のいずれか一つに記載の光学粘着剤層を含む。
光学粘着剤層における第1高粘着面および第2高粘着面のそれぞれが所定条件にて5N/25mm以上の剥離粘着力を有する構成は、被着体に対する光学粘着剤層の良好な密着性を高粘着面によって確保するのに好ましく、従って、被着体からの光学粘着剤層の剥がれを抑制するのに好ましい。また、低粘着剤層の-20℃でのせん断貯蔵弾性率が高粘着剤層の-20℃でのせん断貯蔵弾性率より小さい構成は、光学粘着剤層の総体的な柔らかさを確保して曲げ変形性を確保するのに好ましい。光学粘着剤層が柔らかいほど、当該光学粘着剤層が貼り合わされた被着体が比較的大きな曲率で変形(上述の屈曲変形および巻き変形など)した場合に、光学粘着剤層は、当該被着体の変形に追従して大きな曲率で変形しやすい。光学粘着剤層が柔らかくて大きな曲率で変形しやすいこと(曲げ変形性)は、当該光学粘着剤層が用いられるフレキシブルデバイスの良好な繰り返し変形(繰り返される屈曲変形および巻き変形など)を実現するのに好ましい。
本発明[6]は、前記第1高粘着剤層および前記第2高粘着剤層の厚さの合計に対する前記低粘着剤層の厚さの比率が1以上である、上記[5]に記載の光学粘着剤層を含む。
このような構成は、光学粘着剤層の柔軟性および屈曲性を確保するのに好ましい。
本発明[7]は、前記第1高粘着剤層および前記第2高粘着剤層の厚さの合計に対する前記低粘着剤層の厚さの比率が30以下である、上記[5]または[6]に記載の光学粘着剤層を含む。
このような構成は、光学粘着剤層のコシを確保して良好な取扱い性を確保するのに好ましい。
本発明[8]は、5μm以上150μm以下の総厚を有する、上記[1]から[7]のいずれか一つに記載の光学粘着剤層を含む。
光学粘着剤層の総厚が5μm以上である構成は、光学粘着剤層の凝集力を確保して高粘着力を確保するのに好ましい。光学粘着剤層の総厚が150μm以下である構成は、光学粘着剤層の良好な変形性(変形のしやすさ)を確保するのに好ましい。
本発明の光学粘着剤層の一実施形態の断面模式図である。 図1に示す光学粘着剤層が3層構造を有する場合の部分拡大断面図である。 巻き付け試験における積層体の断面模式図である。 巻き付け試験における第6ステップでの試験片の一例の側面図である。 巻き付け試験における第6ステップでの試験片の一例の模式的平面図である。 本発明の光学粘着剤層の使用方法の一例を表す。図6Aは、光学粘着剤層を第1被着体に貼り合わせる工程を表し、図6Bは、光学粘着剤層を介して第1被着体と第2被着体とを接合する工程を表し、図6Cは、エージング工程を表す。
本発明の光学粘着剤層の一実施形態としての光学粘着剤層10は、図1に示すように、所定の厚さのシート形状を有し、厚さ方向Hと直交する方向(面方向)に広がる。図1は、光学粘着剤層10が光学粘着シートSとして作製されて、当該シートの両面に剥離フィルムL1,L2が貼り合わされている状態を、例示的に示す。
光学粘着剤層10は、単層構造または多層構造(図1では図示略)を有する。図2は、3層構造の光学粘着剤層10の一例の部分拡大断面図である。図2に示す光学粘着剤層10は、低粘着剤層11と、二つの高粘着剤層12(12A,12B)とを備える。具体的には、光学粘着剤層10は、高粘着剤層12Aと、低粘着剤層11と、高粘着剤層12Bとを厚さ方向Hに順に備える多層粘着剤層である。高粘着剤層12は、相対的に表面粘着力が強い粘着剤層であり、低粘着剤層11は、相対的に表面粘着力が低い粘着剤層である。低粘着剤層11は、第1面11aと、第1面11aとは反対側の第2面11bとを有する。高粘着剤層12A(第1高粘着剤層)は、第1面11a上に配置されている。高粘着剤層12Aは、低粘着剤層11とは反対側に高粘着面12a(第1高粘着面)を有する。高粘着面12aは、光学粘着剤層10における一方の粘着面である。高粘着剤層12B(第2高粘着剤層)は、第2面11b上に配置されている。高粘着剤層12Bは、低粘着剤層11とは反対側に高粘着面12b(第2高粘着面)を有する。高粘着剤層12Bの高粘着面12bは、光学粘着剤層10における他方の粘着面である。高粘着剤層12Aの高粘着面12aの粘着力と、高粘着剤層12Bの高粘着面12bの粘着力とは、同じであってもよいし、異なってもよい。
このような光学粘着剤層10は、フレキシブルデバイスにおける光通過箇所に配置される透明な粘着剤層である。フレキシブルデバイスとしては、例えばフレキシブルディスプレイパネルが挙げられる。フレキシブルディスプレイパネルは、例えば、画素パネル、タッチパネル、偏光フィルムおよびカバーフィルムなどを含む積層構造を有する。フレキシブルディスプレイパネルとしては、例えば、フォルダブルディスプレイパネルおよびローラブルディスプレイパネルが挙げられる。光学粘着剤層10は、例えば、フレキシブルディスプレイパネルの製造過程において、前記積層構造に含まれる要素どうしの接合に、用いられる。
光学粘着剤層10は、下記の第1ステップ~第6ステップが実施される巻き付け試験(第1巻き付け試験)における空隙部最大長さLが2mm以下であり、端縁間距離Dが80mm以上である。
第1ステップ:
図3に示す積層構成の積層体Wを用意する。積層体Wは、厚さ80μmのポリイミドフィルムF1と、厚さ32μmの偏光板フィルムF2と、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルムF3とを厚さ方向Hにこの順に備える。積層体Wでは、ポリイミドフィルムF1と偏光板フィルムF2との間、および、偏光板フィルムF2とポリエチレンテレフタレートフィルムF3との間が、それぞれ、光学粘着剤層10によって接合されている。
第2ステップ:
積層体Wを、50℃および0.5MPaの条件で15分間、加温加圧処理する。
第3ステップ:
第2ステップの後の積層体Wから、試験片を切り出す。試験片Zは、長さ100mm×幅25mmのサイズを有し、長さ方向における一方端に第1端部E1有し且つ他方端に第2端部E2を有する。
第4ステップ:
断面直径20mmの巻芯に対し、試験片Zを、当該試験片Zの長さ方向が巻芯の周方向に沿う態様で、次のように巻き付ける。まず、試験片Zにおける第1端部E1のポリイミドフィルムF1側を、両面テープを介して巻芯に貼り付ける。次に、当該試験片ZのポリイミドフィルムF1側が巻き付け内側に配置される態様で、当該試験片Zを長さ方向に引っ張りつつ巻芯まわりに1.628周巻き付ける(巻芯と試験片Zとの間に隙間なく、且つ巻芯径方向において試験片Z間に隙間なく、試験片Zを巻芯まわりに巻き付ける)。次に、巻芯に巻き付けられた当該試験片Zにおいて、第2端部E2を粘着テープによって固定する。
第5ステップ:
巻芯付きの試験片Zを、23℃の温度条件で48時間保管する。
第6ステップ:
第5ステップの後、巻芯に対する試験片Zの巻き付け状態を解除してから5分以内に、試験片Zにおける端縁間距離Dおよび空隙部最大長さLを測定する。端縁間距離Dは、図4に示すように、試験片Zの長さ方向における両端縁間の距離である。空隙部最大長さLは、試験片Zにおける層間空隙V(図5に示す)の最大長さである。試験片における層間空隙Vには、試験片ZにおけるフィルムF1,F2間の光学粘着剤層10(第1の光学粘着剤層10)とフィルムF1,F2との界面に生じる空隙、第1の光学粘着剤層10内部に生じる空隙、フィルムF2,F3間の光学粘着剤層10(第2の光学粘着剤層10)とフィルムF2,F3との界面に生じる空隙、および、第2の光学粘着剤層10内部に生じる空隙が、含まれる。層間空隙Vの最大長さとは、具体的には、層間空隙Vが生じている場合の、フラットな状態での試験片Zにおける当該空隙Vに関する最大寸法(平面視最大寸法)である。層間空隙Vが生じていない場合、空隙部最大長さLは0mmである。本ステップでは、好ましくは、端縁間距離Dの測定の後に空隙部最大長さLを測定する。
以上の巻き付け試験における空隙部最大長さLが2mm以下であり且つ端縁間距離Dが80mm以上である構成は、フレキシブルデバイス用の光学粘着剤層10として、デバイス変形時における被着体からの剥離の抑制と、非変形時における変形の痕の抑制とを、両立するのに適する。したがって、光学粘着剤層10は、フレキシブルデバイス用途に適する。剥離抑制の観点から、空隙部最大長さLは、好ましくは1.5mm以下、より好ましくは1.0μm以下、更に好ましくは0.5mm以下である。試験片Zの端縁から延びる空隙V(例えば、試験片Zの長手方向の一方端縁から他方端縁側に向けて延びる空隙V)が生じている場合には、当該空隙Vの長さは、好ましくは1.5mm以下、より好ましくは1.0μm以下、更に好ましくは0.5mm以下である。試験片Zの端縁に達していない空隙Vが生じている場合には、当該空隙Vの長さは、好ましくは1.5mm以下、より好ましくは1.0μm以下、更に好ましくは0.5mm以下である。また、変形痕の抑制の観点から、端縁間距離Dは、好ましくは82mm以上、より好ましくは85mm以上、更に好ましくは90mm以上である。
光学粘着剤層10は、第5ステップでの保管温度条件が-20℃であること以外は第1巻き付け試験と同様の第1ステップ~第6ステップが実施される第2巻き付け試験における空隙部最大長さLが、好ましくは2mm以下、より好ましくは1.5mm以下、更に好ましくは1.0μm以下、特に好ましくは0.5mm以下であり、且つ、端縁間距離Dが、好ましくは80mm以上、より好ましくは82mm以上、更に好ましくは85mm以上、特に好ましくは90mm以上である。このような構成は、低温環境下において、デバイス変形時における被着体からの剥離の抑制と、非変形時における変形の痕の抑制とを、両立するのに好ましい。
光学粘着剤層10を断面直径20mmの巻芯に巻き回してから1時間経過による光学粘着剤層10の透過率の変化は、好ましくは5%以下、より好ましくは4%以下、更に好ましくは3%以下である。このような構成は、光学粘着剤層10において、フレキシブルデバイス用途の光学粘着剤層としての透明性を確保するのに適する。光学粘着剤層10の上記透過率変化は、具体的には、実施例に関して後述する方法によって測定できる。
光学粘着剤層10において、最大厚さと最小厚さとの差は、好ましくは3μm以下、より好ましくは2μm以下、更に好ましくは1μm以下である。このような構成は、光学粘着剤層10が接する被着体の変形時に、当該被着体における応力集中を抑制するのに好ましい。また、厚さの差に関する当該構成は、光学粘着剤層10を積層構造中に有するフレキシブルデバイス(光学デバイス)の視認性の観点からも好ましい。
光学粘着剤層10は、好ましくは、図2に示すように多層構造を有する。このような構成は、光学粘着剤層10に含まれる各粘着剤層において機能を分担して、剥離抑制性と変形痕抑制性との上述の両立を図るのに好ましい。
高粘着面12a,12bのそれぞれは、ポリイミドフィルムへの光学粘着剤層10の貼り合わせから23℃で30分間経過後に、当該ポリイミドフィルムに対し、剥離角度180°および剥離速度300mm/分の条件において、好ましくは5N/25mm以上の剥離粘着力Fを有する。ポリイミドフィルムに対する光学粘着剤層10の貼り合わせは、23℃の環境下で2kgのローラーを1往復させる加重による、貼り合わせである。被着体に対する良好な密着性を確保する観点から、剥離粘着力Fは、好ましくは7N/25mm以上、より好ましくは9N/25mm以上、更に好ましくは11N/25mm以上である。剥離粘着力Fは、例えば30N/25mm以下である。剥離粘着力Fの調整方法としては、例えば、粘着剤層におけるベースポリマーの種類の選択、分子量の調整、および配合量の調整が挙げられる。ベースポリマーの種類の選択には、ベースポリマーを形成するモノマーの組成の調整が含まれる。剥離粘着力Fの調整方法としては、粘着剤層におけるベースポリマー以外の成分の種類の選択、および、当該成分の配合量の調整も挙げられる。当該成分としては、架橋剤、シランカップリング剤、およびオリゴマーが挙げられる。また、多層構造の光学粘着剤層10の剥離粘着力Fの調整方法としては、光学粘着剤層10に含まれる各粘着剤層の厚さの調整も挙げられる。
低粘着剤層11の-20℃でのせん断貯蔵弾性率は、好ましくは、高粘着剤層の-20℃でのせん断貯蔵弾性率より小さい。このような構成は、光学粘着剤層10の総体的な柔らかさを確保して曲げ変形性を確保するのに好ましい。光学粘着剤層10が柔らかいほど、光学粘着剤層10が貼り合わされた被着体が比較的大きな曲率で変形(上述の屈曲変形および巻き変形など)した場合に、光学粘着剤層10は、当該被着体の変形に追従して大きな曲率で変形しやすい。光学粘着剤層10が柔らかくて大きな曲率で変形しやすいこと(曲げ変形性)は、光学粘着剤層10が用いられるフレキシブルデバイスの良好な繰り返し変形(繰り返される屈曲変形および巻き変形など)を実現するのに好ましい。
光学粘着剤層10の-20℃でのせん断貯蔵弾性率は、好ましくは180kPa以下、より好ましくは150kPa以下、更に好ましくは130kPa以下、特に好ましくは100kPa以下である。このような構成は、光学粘着剤層10において、フレキシブルデバイスに適した柔軟性および屈曲性を確保するのに好ましい。-20℃でのせん断貯蔵弾性率は、好ましくは30kPa以上、より好ましくは40kPa以上、更に好ましくは50kPa以上、特に好ましくは60kPa以上である。好ましくは光学粘着剤層10の凝集力を確保するのに好ましい。光学粘着剤層10のせん断貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置によって測定できる。その測定において、測定モードをせん断モードとし、測定温度範囲を-60℃~150℃とし、昇温速度を5℃/分とし、周波数を1Hzとする。具体的には、実施例に関して後述するとおりである。粘着剤層のせん断貯蔵弾性率の調整方法としては、例えば、粘着剤層におけるベースポリマーの種類の選択、分子量の調整、および配合量の調整、並びに、前記ベースポリマーを架橋する架橋剤の種類の選択および配合量の調整が、挙げられる。ベースポリマーの種類の選択には、ベースポリマーを形成するモノマーの組成の調整が含まれる。具体的には、ベースポリマーの種類の選択には、ベースポリマーにおける主鎖の種類の選択、並びに、官能基の種類の選択および量の調整が含まれる。また、光学粘着剤層10が多層構造を有する場合、光学粘着剤層10のせん断貯蔵弾性率の調整方法としては、例えば、光学粘着剤層10における各粘着剤層のせん断貯蔵弾性率の調整、および、各粘着剤層の厚さの調整が挙げられる。
高粘着剤層12A,12Bの厚さの合計に対する低粘着剤層11の厚さ比率は、好ましくは1以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは6以上、特に好ましくは9以上である。このような構成は、光学粘着剤層10の上述の柔軟性および屈曲性を確保するのに好ましい。
高粘着剤層12A,12Bの厚さの合計に対する低粘着剤層11の厚さ比率は、好ましくは30以下、更に好ましくは25以下、より好ましくは20以下である。このような構成は、光学粘着剤層10のコシを確保して良好な取扱い性を確保するのに好ましい。
低粘着剤層11の厚さは、好ましくは3μm以上、更に好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上である。このような構成は、光学粘着剤層10の柔軟性および屈曲性を確保するのに好ましい。低粘着剤層11の厚さは、好ましくは100μm以下、より好ましくは70μm以下、更に好ましくは50μm以下である。このような構成は、光学粘着剤層10のコシを確保して良好な取扱い性を確保するのに好ましい。
単一の高粘着剤層12の厚さは、好ましくは0.1μm以上、更に好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上である。このような構成は、高粘着剤層12の凝集力を確保して高粘着力を確保するのに好ましい。単一の高粘着剤層12の厚さは、例えば30μm以下である。
光学粘着剤層10の総厚は、凝集力を確保して高粘着力を確保する観点から、好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上である。光学粘着剤層10の総厚は、良好な変形性(変形のしやすさ)を確保する観点から、好ましくは150μm以下、更に好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下である。
光学粘着剤層10において、最大厚さと最小厚さとの差は、好ましくは3μm以下、より好ましくは2μm以下、更に好ましくは1μm以下である。このような構成は、光学粘着剤層10が接する被着体の変形時に、当該被着体における応力集中を抑制するのに好ましい。また、厚さの差に関する当該構成は、光学粘着剤層10を積層構造中に有するフレキシブルデバイス(光学デバイス)の視認性の観点からも好ましい。
光学粘着剤層10を断面直径20mmの巻芯に巻き回してから1時間経過による光学粘着剤層10の透過率の変化は、好ましくは5%以下、より好ましくは4%以下、更に好ましくは3%以下である。このような構成は、フレキシブルデバイス用途の光学粘着剤層としての透明性を確保するのに適する。光学粘着剤層10の上記透過率変化は、具体的には、実施例に関して後述する方法によって測定できる。
光学粘着剤層10は、粘着剤組成物から形成された感圧接着剤層である。光学粘着剤層10は、少なくともベースポリマーを含む。光学粘着剤層10が図2に示すように低粘着剤層11および高粘着剤層12A,12Bを有する場合、各粘着剤層は、粘着剤組成物から形成された感圧接着剤層である。低粘着剤層11は、高粘着剤層12A,12Bとは異なる組成を有する。高粘着剤層12Aと高粘着剤層12Bとは、同じ組成を有してもよいし、異なる組成を有してもよい。各粘着剤層は、少なくともベースポリマーを含む。
ベースポリマーは、粘着剤層において粘着性を発現させる粘着成分である。ベースポリマーとしては、例えば、アクリルポリマー、シリコーンポリマー、ポリエステルポリマー、ポリウレタンポリマー、ポリアミドポリマー、ポリビニルエーテルポリマー、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー、変性ポリオレフィンポリマー、エポキシポリマー、フッ素ポリマー、およびゴムポリマーが挙げられる。ベースポリマーは、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。粘着剤層における良好な透明性および粘着性を確保する観点から、ベースポリマーとしては、好ましくはアクリルポリマーが用いられる。
アクリルポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを50質量%以上の割合で含むモノマー成分の共重合体である。「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸および/またはメタクリル酸を意味する。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が1~20である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、好適に用いられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、直鎖状または分岐状のアルキル基を有してもよく、脂環式アルキル基など環状のアルキル基を有してもよい。
直鎖状または分岐状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル(即ちラウリルアクリレート)、(メタ)アクリル酸イソトリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸イソテトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸イソオクタデシル、および(メタ)アクリル酸ノナデシルが挙げられる。
脂環式アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、二環式の脂肪族炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステル、および、三環以上の脂肪族炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘプチル、および(メタ)アクリル酸シクロオクチルが挙げられる。二環式の脂肪族炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸イソボルニルが挙げられる。三環以上の脂肪族炭化水素環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロペンタニル(メタ)アクリレート、1-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、および、2-エチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、好ましくは、炭素数3~15のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルが用いられ、より好ましくは、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、およびアクリル酸ドデシルからなる群より選択される少なくとも一つが用いられる。低粘着剤層11用のベースポリマーにおける(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、好ましくは、アクリル酸2-エチルヘキシルおよびアクリル酸ドデシルからなる群より選択される少なくとも一つが用いられる。高粘着剤層12用のベースポリマーにおける(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、好ましくはアクリル酸n-ブチルが用いられる。
モノマー成分における(メタ)アクリル酸アルキルエステルの割合は、粘着剤層において粘着性等の基本特性を適切に発現させる観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、特に好ましくは94質量%以上である。同割合は、例えば99質量%以下である。
モノマー成分は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な共重合性モノマーを含んでもよい。共重合性モノマーとしては、例えば、極性基を有するモノマーが挙げられる。極性基含有モノマーとしては、例えば、ヒドロキシ基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、および窒素原子含有環を有するモノマーが挙げられる。極性基含有モノマーは、アクリルポリマーへの架橋点の導入、アクリルポリマーの凝集力の確保など、アクリルポリマーの改質に役立つ。
ヒドロキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8-ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10-ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12-ヒドロキシラウリル、および(4-ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチル(メタ)アクリレートが挙げられる。ヒドロキシ基含有モノマーとしては、好ましくは、アクリル酸4-ヒドロキシブチルおよびアクリル酸2-ヒドロキシエチルからなる群より選択される少なくとも一つが用いられる。
モノマー成分におけるヒドロキシ基含有モノマーの割合は、アクリルポリマーへの架橋構造の導入、および、粘着剤層における凝集力の確保の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.8質量%以上である。同割合は、アクリルポリマーの極性(粘着剤層における各種添加剤成分とアクリルポリマーとの相溶性に関わる)の調整の観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、およびイソクロトン酸が挙げられる。
モノマー成分におけるカルボキシ基含有モノマーの割合は、アクリルポリマーへの架橋構造の導入、粘着剤層における凝集力の確保、および、粘着剤層における対被着体密着力の確保の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.8質量%以上である。同割合は、アクリルポリマーのガラス転移温度の調整、および、酸による被着体の腐食リスクの回避の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
フレキシブルデバイスにおける電極など金属要素が酸成分によって腐食することを防止するには、粘着剤層は、酸の含有量が小さいことが好ましい。また、粘着剤層が偏光フィルムの接着に用いられる場合、酸成分によるポリビニルアルコール系偏光子のポリエン化を抑制するために、粘着剤層は、酸の含有量が小さいことが好ましい。このような酸フリーの粘着剤層では、有機酸モノマー(例えば、(メタ)アクリル酸およびカルボキシル基含有モノマー)の含有量が、好ましくは100ppm以下、より好ましくは70ppm以下、更に好ましくは50ppm以下である。粘着剤層の有機酸モノマー含有量は、粘着剤層を純水中に浸漬して100℃で45分加温することによって水中に抽出された酸モノマーを、イオンクロマトグラフで定量することにより、求められる。
酸フリーの観点からは、粘着剤層中のベースポリマーがモノマー成分として有機酸モノマーを実質的に含有しないことが好ましい。酸フリーの観点からは、モノマー成分における有機酸モノマーの割合は、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、更に好ましくは0.05質量%であり、理想的には0質量%である。
窒素原子含有環を有するモノマーとしては、例えば、N-ビニル-2-ピロリドン、N-メチルビニルピロリドン、N-ビニルピリジン、N-ビニルピペリドン、N-ビニルピリミジン、N-ビニルピペラジン、N-ビニルピラジン、N-ビニルピロール、N-ビニルイミダゾール、N-ビニルオキサゾール、N-(メタ)アクリロイル-2-ピロリドン、N-(メタ)アクリロイルピペリジン、N-(メタ)アクリロイルピロリジン、N-ビニルモルホリン、N-ビニル-3-モルホリノン、N-ビニル-2-カプロラクタム、N-ビニル-1,3-オキサジン-2-オン、N-ビニル-3,5-モルホリンジオン、N-ビニルピラゾール、N-ビニルイソオキサゾール、N-ビニルチアゾール、およびN-ビニルイソチアゾールが挙げられる。窒素原子含有環を有するモノマーとしては、好ましくはN-ビニル-2-ピロリドンが用いられる。
モノマー成分における、窒素原子含有環を有するモノマーの割合は、粘着剤層における凝集力の確保、および、粘着剤層における対被着体密着力の確保の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.55質量%以上である。同割合は、アクリルポリマーのガラス転移温度の調整、および、アクリルポリマーの極性(粘着剤層における各種添加剤成分とアクリルポリマーとの相溶性に関わる)の調整の観点から、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
モノマー成分は、他の共重合性モノマーを含んでいてもよい。他の共重合性モノマーとしては、例えば、酸無水物モノマー、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、アルコキシ基含有モノマー、および芳香族ビニル化合物が挙げられる。これら他の共重合性モノマーは、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。
ベースポリマーは、好ましくは、架橋構造を有する。ベースポリマーへの架橋構造の導入方法としては、架橋剤と反応可能な官能基を有するベースポリマーと架橋剤とを粘着剤組成物に配合し、ベースポリマーと架橋剤とを粘着剤層中で反応させる方法(第1の方法)、および、ベースポリマーを形成するモノマー成分に多官能モノマーを含め、当該モノマー成分の重合により、ポリマー鎖に分枝構造(架橋構造)が導入されたベースポリマーを形成する方法(第2の方法)が、挙げられる。これら方法は、併用されてもよい。
上記第1の方法で用いられる架橋剤としては、例えば、ベースポリマーに含まれる官能基(ヒドロキシ基およびカルボキシ基など)と反応する化合物が挙げられる。そのような架橋剤としては、例えば、イソシアネート架橋剤、過酸化物架橋剤、エポキシ架橋剤、オキサゾリン架橋剤、アジリジン架橋剤、カルボジイミド架橋剤、および金属キレート架橋剤が挙げられる。架橋剤は、単独で用いられてもよいし、二種類以上が併用されてもよい。架橋剤としては、ベースポリマーにおけるヒドロキシ基およびカルボキシ基との反応性が高くて架橋構造の導入が容易であることから、好ましくは、イソシアネート架橋剤、過酸化物架橋剤、およびエポキシ架橋剤が用いられる。
イソシアネート架橋剤としては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、およびポリメチレンポリフェニルイソシアネートが挙げられる。また、イソシアネート架橋剤としては、これらイソシアネートの誘導体も挙げられる。当該イソシアネート誘導体としては、例えば、イソシアヌレート変性体およびポリオール変性体が挙げられる。イソシアネート架橋剤の市販品としては、例えば、コロネートL(トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体,東ソー製)、コロネートHL(へキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体,東ソー製)、コロネートHX(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体,東ソー製)、タケネートD110N(キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体,三井化学製)、および、タケネート600(1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン,三井化学製)が挙げられる。
過酸化物架橋剤としては、ジベンゾイルパーオキシド、ジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ-sec-ブチルパーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ヘキシルパーオキシピバレート、およびt-ブチルパーオキシピバレートが挙げられる。
エポキシ架橋剤としては、ビスフェノールA、エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレングリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシリレンジアミン、および1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンが挙げられる。
イソシアネート架橋剤(特に、二官能のイソシアネート架橋剤)および過酸化物架橋剤は、粘着剤層の適度な柔軟性(従って屈曲性)の確保の観点から好ましい。イソシアネート架橋剤(特に、三官能のイソシアネート架橋剤)は、粘着剤層の耐久性確保の観点から好ましい。ベースポリマーにおいて、二官能イソシアネート架橋剤および過酸化物架橋剤は、より柔軟な二次元架橋を形成するのに対し、三官能イソシアネート架橋剤は、より強固な三次元架橋を形成する。粘着剤層の耐久性と柔軟性との両立の観点からは、三官能イソシアネート架橋剤と、過酸化物架橋剤および/または二官能イソシアネート架橋剤との併用が、好ましい。
架橋剤の配合量は、粘着剤層の凝集力を確保する観点から、ベースポリマー100質量部に対して、例えば0.01質量部以上であり、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.07質量部以上である。粘着剤層において良好なタック性を確保する観点から、ベースポリマー100質量部に対する架橋剤の配合量は、例えば10質量部以下であり、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。
上記第2の方法では、モノマー成分(架橋構造を導入するための多官能モノマーと他のモノマーとを含む)は、一度で重合させてもよいし、多段階で重合させてもよい。多段階重合の方法では、まず、ベースポリマーを形成するための単官能モノマーを重合させ(予備重合)、これによって部分重合物(低重合度の重合物と未反応のモノマーとの混合物)を含有するプレポリマー組成物を調製する。次に、プレポリマー組成物に多官能モノマーを添加した後、部分重合物と多官能モノマーとを重合させる(本重合)。
多官能モノマーとしては、例えば、エチレン性不飽和二重結合を1分子中に2個以上含有する多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。多官能モノマーとしては、活性エネルギー線重合(光重合)によって架橋構造を導入可能な観点から、多官能アクリレートが好ましい。
多官能(メタ)アクリレートとしては、二官能(メタ)アクリレート、三官能(メタ)アクリレート、および、四官能以上の多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
二官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチエレングルコールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジアクリレート、ジ(メタ)アクリロイルイソシアヌレート、およびアルキレンオキサイド変性ビスフェノールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
三官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、およびトリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートが挙げられる。
四官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、およびジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
多官能モノマーの分子量は、好ましくは1500以下、より好ましくは1000以下である。また、多官能モノマーの官能基当量(g/eq)は、好ましくは50以上、より好ましくは70以上、更に好ましくは80以上である。同官能基当量は、好ましくは500以下、より好ましくは300以下、更に好ましくは200以下である。これら構成は、ベースポリマーにおいて架橋構造の導入により粘弾性(例えば、貯蔵弾性率および損失正接)を適切に調整する観点から好ましい。
アクリルポリマーは、上述のモノマー成分を重合させることによって形成できる。重合方法としては、例えば、溶液重合、活性エネルギー線重合(例えばUV重合)、塊状重合、および乳化重合が挙げられる。粘着剤層の透明性、耐水性、およびコストの観点から、溶液重合およびUV重合が好ましい。溶液重合の溶媒としては、例えば、酢酸エチルおよびトルエンが用いられる。また、重合の開始剤としては、例えば、熱重合開始剤および光重合開始剤が用いられる。重合開始剤の使用量は、モノマー成分100質量部に対して、例えば0.05質量部以上であり、また、例えば1質量部以下である。
熱重合開始剤としては、例えば、アゾ重合開始剤および過酸化物重合開始剤が挙げられる。アゾ重合開始剤としては、例えば、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4'-アゾビス-4-シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2'-アゾビス[2-(5-メチル-2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、および、2,2'-アゾビス(N,N'-ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライドが挙げられる。過酸化物重合開始剤としては、例えば、ジベンゾイルペルオキシド、t-ブチルペルマレエ-ト、および過酸化ラウロイルが挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α-ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、およびアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤が挙げられる。
重合においては、分子量調整等を目的として、連鎖移動剤および/または重合禁止剤(重合遅延剤)を用いてもよい。連鎖移動剤としては、α-チオグリセロール、ラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、2-メルカプトエタノール、チオグリコール酸、チオグルコール酸2-エチルヘキシル、2,3-ジメルカプト-1-プロパノール、およびα-メチルスチレン二量体が挙げられる。
重合開始剤の種類および/または量の調整により、ベースポリマーの分子量を調整できる。例えば、ラジカル重合では、重合開始剤の量が多いほど、反応系のラジカル濃度が高いため、反応開始点の密度が高く、形成されるベースポリマーの分子量が小さくなる傾向がある。これに対し、重合開始剤の量が少ないほど、反応開始点の密度が低いためにポリマー鎖が伸長しやすく、形成されるベースポリマー分子量が大きくなる傾向がある。
ベースポリマーの重量平均分子量は、粘着剤層における凝集力の確保の観点から、好ましくは10万以上、より好ましくは30万以上、更に好ましくは50万以上である。同重量平均分子量は、好ましくは500万以下、より好ましくは300万以下、更に好ましくは200万以下である。ベースポリマーの重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC)によって測定してポリスチレン換算により算出される。
ベースポリマーのガラス転移温度(Tg)は、好ましくは0℃以下、より好ましくは-10℃以下、更に好ましくは-20℃以下である。同ガラス転移温度は、例えば-80℃以上である。低粘着剤層11に含まれるベースポリマーのガラス転移温度(第1ガラス転移温度)は、好ましくは0℃以下、より好ましくは-10℃以下、更に好ましくは-20℃以下であり、また、例えば-80℃以上である。高粘着剤層12に含まれるベースポリマーのガラス転移温度(第2ガラス転移温度)は、低粘着剤層11用のベースポリマーの第1ガラス転移温度より高い。第2ガラス転移温度は、第1ガラス転移温度より高い限りにおいて、好ましくは-80℃以上、より好ましくは-75℃以上、更に好ましくは-70℃以上であり、また、例えば10℃以下である。
ベースポリマーのガラス転移温度(Tg)については、下記のFoxの式に基づき求められるガラス転移温度(理論値)を用いることができる。Foxの式は、ポリマーのガラス転移温度Tgと、当該ポリマーを構成するモノマーのホモポリマーのガラス転移温度Tgiとの関係式である。下記のFoxの式において、Tgはポリマーのガラス転移温度(℃)を表し、Wiは当該ポリマーを構成するモノマーiの重量分率を表し、Tgiは、モノマーiから形成されるホモポリマーのガラス転移温度(℃)を示す。ホモポリマーのガラス転移温度については文献値を用いることができる。例えば、「Polymer Handbook」(第4版,John Wiley & Sons, Inc., 1999年)および「新高分子文庫7 塗料用合成樹脂入門」(北岡協三著,高分子刊行会,1995年)には、各種のホモポリマーのガラス転移温度が挙げられている。一方、モノマーのホモポリマーのガラス転移温度については、特開2007-51271号公報に具体的に記載されている方法によって求めることも可能である。
Foxの式 1/(273+Tg)=Σ[Wi/(273+Tgi)]
各粘着剤層の上記の剥離粘着力および/または上記せん断貯蔵弾性率の調整方法としては、例えば、当該粘着剤層内のベースポリマーにおける分子量の調整とガラス転移温度の調整と架橋度の調整とが有効である。ベースポリマーの分子量が大きいほど、粘着剤層は高弾性率化する傾向にあり、また、高粘着力化する傾向にある。ベースポリマーのガラス転移温度が小さいほど、粘着剤層は低弾性率化する傾向にあり、また、低粘着力化する傾向にある。ベースポリマーの架橋度が高いほど、粘着剤層は高弾性率化する傾向にある。また、粘着剤層の粘着力は、ベースポリマーにおける所定の架橋度で極大値を有するように、架橋度に応じて変化する。具体的には、次のとおりである。ベースポリマーの架橋度が高いほど、一定程度の架橋度までは、粘着剤層内部の凝集力が高くなって粘着剤層が高粘着力化する傾向にある。前記一定程度の架橋度を超えると、ベースポリマーの架橋度が高いほど、粘着剤層が高弾性化しすぎて低粘着力化する傾向にある。
低粘着剤層11に含まれるベースポリマーを形成するモノマー成分は、好ましくは、炭素数6~15のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、ヒドロキシ基含有モノマーとを含み、より好ましくは、アクリル酸2-エチルヘキシル(2EHA)と、ラウリルアクリレート(LA)と、アクリル酸4-ヒドロキシブチル(4HBA)とを含む。
高粘着剤層12に含まれるベースポリマーを形成するモノマー成分は、好ましくは、炭素数4~12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、ヒドロキシ基含有モノマーと、カルボキシ基含有モノマーとを含み、より好ましくは、アクリル酸ブチル(BA)と、アクリル酸2-エチルヘキシル(2EHA)と、アクリル酸(AA)とを含む。また、高粘着剤層12に含まれるベースポリマーを形成するモノマー成分に含まれる(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数は、好ましくは、低粘着剤層11に含まれるベースポリマーを形成するモノマー成分に含まれる(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数より小さい。
粘着剤組成物は、ベースポリマーに加えて、一種類または二種類以上のオリゴマーを含んでいてもよい。ベースポリマーとしてアクリルポリマーが用いられる場合、好ましくは、オリゴマーとしてアクリルオリゴマーが用いられる。アクリルオリゴマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを50質量%以上の割合で含むモノマー成分の共重合体であり、重量平均分子量が例えば1000以上30000以下である。
アクリルオリゴマーのガラス転移温度は、好ましくは60℃以上、より好ましくは80℃以上、更に好ましくは100℃以上、特に好ましくは110℃以上である。アクリルオリゴマーのガラス転移温度は、例えば200℃以下であり、好ましくは180℃以下、より好ましくは160℃以下である。架橋構造が導入された低Tgのアクリルポリマー(ベースポリマー)と高Tgのアクリルオリゴマーとの併用により、粘着剤層の粘着力、特に高温での粘着力を高められる。アクリルオリゴマーのガラス転移温度は、上記のFoxの式により算出される。
ガラス転移温度が60℃以上のアクリルオリゴマーは、好ましくは、鎖状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(鎖状アルキル(メタ)アクリレート)と、脂環式アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(脂環式アルキル(メタ)アクリレート)とを含むモノマー成分の重合体である。これら(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、例えば、アクリルポリマーのモノマー成分として上記した(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
鎖状アルキル(メタ)アクリレートとしては、ガラス転移温度が高く、ベースポリマーとの相溶性に優れることから、メタクリル酸メチルが好ましい。脂環式アルキル(メタ)アクリレートとしては、アクリル酸ジシクロペンタニル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、アクリル酸シクロヘキシル、およびメタクリル酸シクロヘキシルが好ましい。すなわち、アクリルオリゴマーは、アクリル酸ジシクロペンタニル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、アクリル酸シクロヘキシル、およびメタクリル酸シクロヘキシルからなる群より選択される1種以上と、メタクリル酸メチルとを含むモノマー成分の重合体であるのが好ましい。
アクリルオリゴマーのモノマー成分における脂環式アルキル(メタ)アクリレートの割合は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上である。同割合は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。アクリルオリゴマーのモノマー成分における鎖状アルキル(メタ)アクリレートの割合は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。同割合は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上である。
アクリルオリゴマーの重量平均分子量は、好ましくは1000以上、より好ましくは1500以上、更に好ましくは2000以上である。同分子量は、好ましくは30000以下、より好ましくは10000以下、更に好ましくは8000以下である。このようなアクリルオリゴマーの分子量範囲は、粘着剤層の接着力および接着保持力を確保するのに好ましい。
アクリルオリゴマーは、当該アクリルオリゴマーのモノマー成分を重合することによって得られる。重合方法としては、例えば、溶液重合、活性エネルギー線重合(例えばUV重合)、塊状重合、および乳化重合が挙げられる。アクリルオリゴマーの重合においては、重合開始剤を用いてもよく、分子量の調整を目的として連鎖移動剤を用いてもよい。
粘着剤層におけるアクリルオリゴマーの含有量は、粘着剤層の接着力を充分に高めるためには、ベースポリマー100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは0.8質量部以上、更に好ましくは1質量部以上である。一方、粘着剤層の透明性の確保の観点からは、粘着剤層におけるアクリルオリゴマーの含有量は、ベースポリマー100質量部に対して、好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下、更に好ましくは3質量部以下である。粘着剤層においては、アクリルオリゴマーの含有量が大きすぎる場合、当該アクリルオリゴマーの相溶性の低下に起因して、ヘイズが上昇して透明性が低下する傾向がある。
粘着剤組成物は、シランカップリング剤を含有してもよい。粘着剤組成物におけるシランカップリング剤の含有量は、ベースポリマー100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上である。同含有量は、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。
粘着剤組成物は、必要に応じて他の成分を含有してもよい。他の成分としては、例えば、粘着付与剤、可塑剤、軟化剤、酸化防止剤、充填剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、および帯電防止剤が挙げられる。
単層構造の光学粘着剤層10は、例えば、上述の粘着剤組成物を剥離フィルムL1(第1剥離フィルム)上に塗布して塗膜を形成した後、当該塗膜を乾燥させることによって、製造できる。
剥離フィルムとしては、例えば、可撓性を有するプラスチックフィルムが挙げられる。当該プラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、およびポリエステルフィルムが挙げられる。剥離フィルムの厚さは、例えば3μm以上であり、また、例えば200μm以下である。剥離フィルムの表面は、好ましくは剥離処理されている。
粘着剤組成物の塗布方法としては、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、およびダイコートが挙げられる。塗膜の乾燥温度は、例えば50℃~200℃である。乾燥時間は、例えば5秒~20分である。
第1剥離フィルムL1上の光学粘着剤層10の上に更に剥離フィルムL2(第2剥離フィルム)を積層してもよい。第2剥離フィルムは、表面剥離処理が施された可撓性のプラスチックフィルムであり、第1剥離フィルムに関して上述したのと同様のものを用いることができる。
以上のようにして、剥離フィルムL1,L2によって粘着面が被覆保護された光学粘着シートSとしての光学粘着剤層10を製造できる。剥離フィルムL1,L2は、光学粘着シートSを使用する際に必要に応じて光学粘着シートSから剥がされる。
多層構造の光学粘着剤層10の形成方法としては、ドライ・オン・ドライ法、ウェット・オン・ドライ法、およびウェット・オン・ウェット法が挙げられる。ドライ・オン・ドライ法では、例えば、複数の粘着剤層のそれぞれを、剥離フィルム上への粘着剤組成物の塗布および乾燥によって形成した後、当該複数の粘着剤層を貼り合わせることにより、多層粘着剤層を形成できる。ウェット・オン・ドライ法では、例えば、剥離フィルム上において、粘着剤組成物の塗布および乾燥による粘着剤層の形成を、粘着剤層ごとに実施することにより、多層粘着剤層を形成できる。ウェット・オン・ウェット法では、例えば、剥離フィルム上に複数の粘着剤組成物を多段に塗布して多層塗膜を形成した後、当該多層塗膜を乾燥させることにより、多層粘着剤層を形成できる。
単層構造または多層構造の光学粘着剤層10は、光学粘着剤層10による接合の被着体上での粘着剤組成物の塗布および乾燥によって形成してもよい。
光学粘着剤層10の厚さは、被着体に対する充分な粘着性を確保する観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上である。光学粘着剤層10のハンドリング性の観点から、光学粘着剤層10の厚さは、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下、更に好ましくは100μm以下、特に好ましくは50μm以下である。
光学粘着剤層10のヘイズは、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下である。光学粘着剤層10のヘイズは、JIS K7136(2000年)に準拠して、ヘイズメーターを使用して測定できる。ヘイズメーターとしては、例えば、日本電色工業社製の「NDH2000」、および、村上色彩技術研究所社製の「HM-150型」が挙げられる。
光学粘着剤層10の全光線透過率は、好ましくは60%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは85%以上である。光学粘着剤層10の全光線透過率は、例えば100%以下である。光学粘着剤層10の全光線透過率は、JIS K 7375(2008年)に準拠して、測定できる。
図6Aから図6Cは、光学粘着剤層10の使用方法の一例を表す。
本方法では、まず、図6Aに示すように、光学粘着剤層10を、第1部材21(被着体)の厚さ方向Hの一方面に貼り合わせる。第1部材21は、例えば、フレキシブルディスプレイパネルが有する積層構造中の一要素である。当該要素としては、例えば、画素パネル、タッチパネル、偏光フィルム、およびカバーフィルムが挙げられる(後記の第2部材22についても同様である)。本工程により、第1部材21上に、他の部材との接合用の光学粘着剤層10が設けられる。
次に、図6Bに示すように、第1部材21上の光学粘着剤層10を介して、第1部材21の厚さ方向H一方面側と、第2部材22の厚さ方向H他方面側とを接合する。第2部材22は、例えば、フレキシブルディスプレイパネルが有する積層構造中の他の要素である。
次に、図6Cに示すように、第1部材21と第2部材22との間の光学粘着剤層10をエージングする。エージングにより、光学粘着剤層10においてベースポリマーの架橋反応が進行し、第1部材21と第2部材22との間の接合力が高まる。エージング温度は、例えば20℃~160℃である。エージング時間は、例えば1分から21日である。エージングとしてオートクレーブ処理(加熱加圧処理)する場合、温度は例えば30℃~80℃であり、圧力は例えば0.1~0.8MPaであり、処理時間は例えば15分以上である。
フレキシブルデバイスの製造プロセスにおいて以上のように使用される光学粘着剤層10は、上述のように、第1巻き付け試験における空隙部最大長さLが2mm以下であり且つ端縁間距離Dが80mm以上である。このような光学粘着剤層10は、フレキシブルデバイス用の光学粘着剤層として、デバイス変形時における被着体からの剥離の抑制と、非変形時における変形の痕の抑制とを、両立するのに適し、従って、フレキシブルデバイス用途に適する。
本発明について、以下に実施例を示して具体的に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。また、以下に記載されている配合量(含有量)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上述の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合量(含有量)、物性値、パラメータなどの上限(「以下」または「未満」として定義されている数値)または下限(「以上」または「超える」として定義されている数値)に代替できる。
〈ポリマーP1の調製〉
撹拌機、温度計、還流冷却器、および窒素ガス導入管を備える反応容器内で、アクリル酸2-エチルヘキシル(2EHA)56質量部と、ラウリルアクリレート(LA)39質量部と、アクリル酸4-ヒドロキシブチル(4HBA)5質量部と、熱重合開始剤としての2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1質量部と、溶媒としての酢酸エチルとを含む混合物(固形分濃度33質量%)を、58℃で5時間、窒素雰囲気下で撹拌した(重合反応)。これにより、アクリルポリマー(ポリマーP1)を含有する溶液を得た。その後、この溶液に酢酸エチルを加えて、当該溶液のポリマー濃度を30質量%に調整した。これにより、ポリマーP1を含有する第1ポリマー溶液を得た。ポリマーP1の重量平均分子量は、約83万であった。
〈ポリマーP2の調製〉
撹拌機、温度計、還流冷却器、および窒素ガス導入管を備える反応容器内で、アクリル酸ブチル(BA)94.8質量部と、アクリル酸2-ヒドロキシエチル(HBA)0.2質量部と、アクリル酸(AA)5質量部と、熱重合開始剤としての2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.1質量部と、溶媒としての酢酸エチルとを含む混合物(固形分濃度30質量%)を、55℃で8時間、窒素雰囲気下で撹拌した(重合反応)。これにより、アクリルポリマー(ポリマーP2)を含有する溶液(第2ポリマー溶液)を得た。第2ポリマーの重量平均分子量は、約220万であった。
〔実施例1〕
〈第1粘着剤組成物の調製〉
第1ポリマー溶液に、当該ポリマー溶液中のアクリルポリマー(ポリマーP1)100質量部あたり、架橋剤(品名「タケネート600」,イソシアネート系架橋剤,三井化学社製)0.4質量部を加えて混合し、その後に酢酸エチルを加えて固形分濃度を20質量%に調整し、第1粘着剤組成物を得た。
〈第1粘着剤層の形成〉
片面がシリコーン剥離処理されている第1剥離フィルム(品名「JT-50Wa」,ポリエステルフィルム,厚さ50μm,日東電工社製)の剥離処理面上に、第1粘着剤組成物を塗布して塗膜を形成した。次に、第1剥離フィルム上の塗膜を、60℃で1分間の加熱と、その後の130℃で1分間の加熱とによって乾燥し、粘着剤層を形成した。次に、第1剥離フィルム上の粘着剤層に、片面がシリコーン剥離処理されている第2剥離フィルム(品名「MRQ25T100J」,ポリエステルフィルム,厚さ25μm,三菱ケミカル社製)の剥離処理面を貼り合わせた。この後、50℃で48時間、エージング処理し、粘着剤層中の架橋反応を進行させた。以上のようにして、両面剥離フィルム付き第1粘着剤層(厚さ26μm)を形成した。第1粘着剤層は、後記の第2粘着剤層よりも粘着力が低い低粘着剤層である。
〈第2粘着剤組成物の調製〉
第2ポリマー溶液に、当該ポリマー溶液中のアクリルポリマー(ポリマーP2)100質量部あたり、架橋剤(品名「コロネートL」,トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体,東ソー製)0.6質量部を加えて混合し、その後に酢酸エチルを加えて固形分濃度を10質量%に調整し、第2粘着剤組成物を得た。
〈第2粘着剤層の形成〉
片面がシリコーン剥離処理されている第1剥離フィルム(品名「JT-50Wa」,日東電工社製)の剥離処理面上に、第2粘着剤組成物を塗布して塗膜を形成した。次に、第2剥離フィルム上の塗膜を、130℃で1分間の加熱によって乾燥し、粘着剤層を形成した。次に、第1剥離フィルム上の粘着剤層に、片面がシリコーン剥離処理されている第2剥離フィルム(品名「MRQ25T100J」,三菱ケミカル社製)の剥離処理面を貼り合わせた。この後、50℃で48時間、エージング処理し、粘着剤層中の架橋反応を進行させた。以上のようにして、両面剥離フィルム付き第2粘着剤層(厚さ12μm)を二つ形成した。第2粘着剤層は、上記の第1粘着剤層よりも粘着力が高い高粘着剤層である。
〈光学粘着剤層の作製〉
まず、両面剥離フィルム付き第2粘着剤層から一方の剥離フィルムを剥離し、これによって露出した第2粘着剤層を、ポリイミドフィルムFに貼り合わせた。ポリイミドフィルムF上の第2粘着剤層から他方の剥離フィルムを剥離し、これによって露出した露出面をコロナ処理した。次に、両面剥離フィルム付き第1粘着剤層から一方の剥離フィルムを剥離し、これによって露出した露出面をコロナ処理した。次に、第1粘着剤層の露出面と、ポリイミドフィルムF上の第2粘着剤層の露出面とを、貼り合わせた。この貼り合わせでは、23℃の環境下において、2kgのローラーを1往復させる作業により、第1粘着剤層と第2粘着剤層とを圧着させた(後記の貼り合わせも、同様に実施した)。次に、第2粘着剤層上の第1粘着剤層から他方の剥離フィルムを剥離し、これによって露出した露出面をコロナ処理した。一方、別の両面剥離フィルム付き第2粘着剤層から一方の剥離フィルムを剥離し、これによって露出した露出面をコロナ処理した。次に、当該第2粘着剤層の露出面と、第2粘着剤層上の第1粘着剤層の露出面とを、貼り合わせた。以上のようにして、実施例1の光学粘着剤層を両面フィルム付き光学粘着シートとして作製した。当該光学粘着シートは、ポリイミドフィルムFと、第2粘着剤層(厚さ12μm)と、第1粘着剤層(厚さ26μm)と、第2粘着剤層(厚さ12μm)と、剥離フィルムとを厚さ方向に順に備え、粘着剤層自体は3層構造を有する。
〔比較例1〕
まず、第1粘着剤層の厚さを26μmに代えて50μmとしたこと以外は、実施例1における上述の両面剥離フィルム付き第1粘着剤層と同様に、両面剥離フィルム付き第1粘着剤層を形成した。次に、当該両面剥離フィルム付き第1粘着剤層から一方の剥離フィルムを剥離し、これによって露出した第1粘着剤層を、ポリイミドフィルムFに貼り合わせた。以上のようにして、比較例1の光学粘着剤層を両面フィルム付き光学粘着シートとして作製した。当該光学粘着シートは、ポリイミドフィルムFと、第1粘着剤層(厚さ50μm)と、剥離フィルムとを厚さ方向に順に備え、粘着剤層自体は単層構造を有する。
〔比較例2〕
まず、第2粘着剤層の厚さを12μmに代えて25μmとしたこと以外は、実施例1における上述の両面剥離フィルム付き第2粘着剤層と同様に、両面剥離フィルム付き第2粘着剤層を二つ形成した。次に、一の両面剥離フィルム付き第2粘着剤層から一方の剥離フィルムを剥離し、これによって露出した第2粘着剤層を、ポリイミドフィルムFに貼り合わせた。次に、ポリイミドフィルムF上の第2粘着剤層から他の剥離フィルムを剥離し、これによって露出した露出面をコロナ処理した。次に、別の両面剥離フィルム付き第2粘着剤層から一方の剥離フィルムを剥離し、これによって露出した露出面をコロナ処理した。次に、当該第2粘着剤層の露出面と、ポリイミドフィルムF上の第2粘着剤層の露出面とを、貼り合わせた。以上のようにして、比較例2の光学粘着剤層を両面フィルム付き光学粘着シートとして作製した。当該光学粘着シートは、ポリイミドフィルムと、第2粘着剤層(厚さ50μm)と、剥離フィルムとを厚さ方向に順に備え、粘着剤層自体は単層構造を有する。
〈粘着剤層の厚さ〉
実施例1および比較例1,2の各光学粘着シートにおける光学粘着剤層について、厚さを調べた。具体的には、まず、両面フィルム付き光学粘着シートから両面フィルム付き粘着シート片(短辺25mm×長辺100mm)を切り出した。次に、両面フィルム付き粘着シート片から剥離フィルムを剥離し、片面フィルム付き粘着シート片を得た。次に、片面フィルム付き粘着シート片における5つの測定点それぞれの厚さ(シート片の総厚)を、ダイヤルゲージで測定した。5つの測定点は、粘着シート片の幅方向中央を長辺方向に6等分する5点である。そして、各測定厚さから、ダイヤルゲージによって別途測定されたポリイミドフィルムFの厚さを差し引いた。これにより、5つの測定点での光学粘着剤層の厚さを得た。5つの測定点での粘着剤層厚さのうち、最大厚さT(μm)および最小厚さT(μm)を表1に示す。また、最大厚さと最小厚さとの差(T-T)も表1に示す。
〈剥離粘着力〉
実施例1および比較例1,2の各光学粘着剤層について、剥離試験によって剥離粘着力を調べた。
まず、光学粘着剤層ごとに測定用試料を作製した。測定用試料の作製においては、まず、表面がプラズマ処理されたポリイミド基材(品名「ユーピレックス25RN」,厚さ25μm,宇部興産社製)を用意した。そして、当該ポリイミド基材をポリイミドフィルムFの代わりに用いたこと以外は、実施例1および比較例1,2ごとに上述した両面フィルム付き光学粘着シートと同様にして、両面フィルム付き光学粘着シートを作製した。次に、両面フィルム付き光学粘着シート(ポリイミド基材/光学粘着シート/剥離フィルム)から試験片(幅25mm×長さ100mm)を切り出した。次に、この試験片における光学粘着シートから剥離フィルムを剥離し、これによって露出した露出面に、ポリイミドフィルム(品名「ユーピレックス50S」,厚さ50μm,宇部興産社製)を貼り合わせた。この貼り合わせでは、23℃の環境下で2kgのハンドローラーを1往復させる作業によってポリイミドフィルムに対して試験片を圧着させた。以上のようにして、測定用試料を作製した。
次に、測定用試料を室温で30分間静置した後、測定用試料におけるポリイミドフィルムから試験片を剥離する剥離試験を実施し、剥離強度を測定した。本測定には、引張試験機(品名「オートグラフAG-50NX plus)」,島津製作所製)を使用した。本測定では、測定温度を23℃とし、ポリイミドフィルムからの試験片の剥離角度を180°とし、試験片の引張速度を300mm/分とし、剥離長さを50mmとした。測定された剥離強度の平均値を剥離粘着力F(N/25mm)として表1に示す。
〈せん断貯蔵弾性率〉
実施例1および比較例1,2における第1粘着剤層および第2粘着剤層について、次のようにしてせん断貯蔵弾性率を測定した。
まず、測定用のサンプルを作製した。具体的には、粘着剤層を貼り合わせて約1mmの厚さの粘着剤シートを作製した後、当該シートを打抜いて、測定用サンプルである円柱状のペレット(直径9mm)を得た。そして、測定用サンプルについて、動的粘弾性測定装置(品名「ARES-G2」,TA Instruments社製)を使用して、直径8mmのパラレルプレートの治具に固定した後に動的粘弾性測定を行った。本測定において、測定モードをせん断モードとし、測定温度範囲を-60℃~150℃とし、昇温速度を5℃/分とし、周波数を1Hzとした。測定結果から、-20℃でのせん断貯蔵弾性率(kPa)を読み取った。その結果を表1に示す。
〈透過率の変化〉
実施例1および比較例1,2の各光学粘着剤層について、次のようにして透過率変化を調べた。
まず、測定用のサンプルを作製した。測定用サンプルの作製においては、まず、PET基材(品名「T100C50」,厚さ50μm,三菱ケミカル社製)を用意した。そして、当該PET基材をポリイミドフィルムFの代わりに用いたこと以外は、実施例1および比較例1,2ごとに上述した両面フィルム付き光学粘着シートと同様にして、両面フィルム付き光学粘着シート(PET基材/光学粘着シート/剥離フィルム)を作製した。次に、当該光学粘着シートから剥離フィルムを剥がした後、これによって露出した光学粘着剤層を、PET基材(品名「T100C50」,厚さ50μm,三菱ケミカル社製)に貼り合わせた。これによって、PET基材/光学粘着剤層/PET基材の積層構成の積層体を得た。次に、この積層体から、幅25mm×長さ100mmのサイズの測定用サンプルを切り出した。
次に、測定用サンプルについて、波長550nmの光の透過率(T1)をした(第1の透過率測定)。測定には、透過率測定装置(品名「U4100形分光光度計」,日立ハイテクノロジーズ社製)を使用した。
次に、第1の透過率測定を経た測定用サンプルを、直径20mmの巻芯に対し、同サンプルの長さ方向が巻芯の周方向に沿う態様で巻き付けた(測定用サンプルを長さ方向に引っ張りつつ巻芯まわりに1.628周巻き付けた)。次に、このようにして巻芯に巻き付けたサンプルを、23℃で1時間、保管した。次に、当該保管後の測定用サンプルについて、第1の透過率測定と同様にして、波長550nmの光の透過率(T2)をした(第2の透過率測定)。
そして、透過率T1に対する透過率T2の変化率を、下記の式に基づき求めた。その値を表1に示す。
透過率の変化率(%)=[(T2-T1)/T1]×100
〈第1巻き付け試験〉
実施例1および比較例1,2の各光学粘着シート(光学粘着剤層)について、下記の第1ステップ~第6ステップを実施して、空隙部最大長さLおよび端縁間距離Dを測定した(第1巻き付け試験)。その結果を表1に示す。
第1ステップ:
まず、厚さ80μmのポリイミドフィルムと、厚さ32μmの偏光板フィルムと、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムとを厚さ方向にこの順に備える積層体であって、ポリイミドフィルムと偏光板フィルムとの間、および、偏光板フィルムとPETフィルムとの間が、それぞれ、光学粘着剤層によって接合されている、積層体を用意した。具体的には、次のとおりである。
まず、厚さ80μmの透明ポリイミドフィルム(品名「CPI」,コーロン社製)をポリイミドフィルムFの代わりに用いたこと以外は、実施例1および比較例1,2ごとに上述した両面フィルム付き光学粘着シートと同様にして、両面フィルム付きの第1光学粘着シート(透明ポリイミドフィルム/光学粘着シート/剥離フィルム)を作製した。また、厚さ125μmのPETフィルム(品名「T912E125」,三菱ケミカル社製)をポリイミドフィルムFの代わりに用いたこと以外は、実施例1および比較例1,2ごとに上述した両面フィルム付き光学粘着シートと同様にして、両面フィルム付きの第2光学粘着シート(PETフィルム/光学粘着シート/剥離フィルム)を作製した。次に、両面剥離フィルム付き第1光学粘着シートから剥離フィルムを剥離し、これによって露出した露出面を、厚さ32μmの偏光板フィルムの一方面(後記の保護層側の表面)に貼り合わせた(偏光板フィルムは、後記のように作製したものである)。次に、両面剥離フィルム付き第2光学粘着シートから剥離フィルムを剥離し、これによって露出した露出面を、偏光板フィルムの他方面(後記の第2位相差層側の表面)に貼り合わせた。以上のようにして、上記の積層体を得た。
第2ステップ:
積層体を、50℃および0.5MPaの条件で15分間、加温加圧処理した。
第3ステップ:
第2ステップの後の積層体から、試験片を切り出した。試験片は、長さ100mm×幅25mmのサイズを有し、長さ方向における一方端に第1端部を有し、且つ他方端に第2端部を有する。
第4ステップ:
断面直径20mmの巻芯(金属製)に対し、試験片を、当該試験片の長さ方向が巻芯の周方向に沿う態様で、次のように巻き付けた。まず、試験片における第1端部の透明ポリイミドフィルム側を、両面テープを介して巻芯に貼り付けた。次に、当該試験片の透明ポリイミドフィルム側が巻き付け内側に配置される態様で、当該試験片を長さ方向に引っ張りつつ巻芯まわりに1.628周巻き付けた。具体的には、巻芯と試験片との間に隙間なく、且つ巻芯径方向において試験片間に隙間なく、試験片を巻芯まわりに巻き付けた。次に、巻芯に巻き付けられた当該試験片において、第2端部を粘着テープによって固定した。
第5ステップ:
巻芯付きの試験片を、23℃の温度条件で48時間保管した。
第6ステップ:
第5ステップの後、巻芯に対する試験片の巻き付け状態を解除してから5分以内に、試験片における端縁間距離Dおよび空隙部最大長さLを測定した。端縁間距離Dは、試験片の長さ方向における両端縁間の距離である。空隙部最大長さLは、試験片における層間空隙の最大長さである。本ステップでは、端縁間距離Dの測定の後に空隙部最大長さLを測定した。
〈第2巻き付け試験〉
実施例1および比較例1,2の各光学粘着シート(光学粘着剤層)について、次のこと以外は第1巻き付け試験と同様の第1ステップ~第6ステップを実施して、空隙部最大長さLおよび端縁間距離Dを測定した(第2巻き付け試験)。第5ステップでの保管温度条件を-20℃とした。測定結果を表1に示す。
Figure 2023154343000002
巻き付け試験における上記積層体を作製するのに用いた上記偏光板フィルムは、以下のようにして作製した。
〈偏光膜の作製〉
まず、熱可塑性樹脂基材として、長尺の非晶質のイソフタル共重合ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ100μm,吸水率0.75%,ガラス転移温度は約75℃)を用意した。この樹脂基材の片面には、コロナ処理を施した。一方、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂100質量部と、ヨウ化カリウム13質量部と、水とを混合して、PVA水溶液(塗布液)を調製した。前記のPVA系樹脂は、重合度4200およびケン化度99.2モル%のPVAと、アセトアセチル変性PVA(品名「ゴーセファイマーZ410」,日本合成化学工業社製)との、質量比9:1での混合物である。そして、上記の樹脂基材のコロナ処理面に、上記PVA水溶液を塗布した後に60℃で乾燥することにより、厚さ13μmのPVA系樹脂層を形成した。これにより、積層体(樹脂基材/PVA系樹脂層)を得た。
次に、得られた積層体を、130℃のオーブン内で周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に2.4倍に自由端一軸延伸した(空中補助延伸処理)。次に、積層体を、液温40℃の不溶化浴(水100質量部に対して、ホウ酸を4質量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。次に、積層体を、液温30℃の染色浴(水100質量部に対して、ヨウ素とヨウ化カリウムを1:7の質量比で配合して得られたヨウ素水溶液)に、最終的に得られる偏光膜の単体透過率(Ts)および波長210nmにおける単位吸光度が所望の値となるように濃度を調整しながら、60秒間浸漬させた(染色処理)。次に、積層体を、液温40℃の架橋浴(水100質量部に対して、ヨウ化カリウムを3質量部配合し、ホウ酸を5質量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理)。次に、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(ホウ酸濃度4.0質量%)に浸漬させた状態で、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸した(水中延伸処理)。次に、積層体を、液温20℃の洗浄浴(水100質量部に対して、ヨウ化カリウムを4質量部配合して得られた水溶液)に浸漬させた(洗浄処理)。次に、積層体を、90℃に保たれたオーブン中で乾燥しつつ、表面温度が75℃に保たれたSUS製の加熱ロールに約2秒接触させた(乾燥収縮処理)。乾燥収縮処理による積層体の幅方向の収縮率は2%であった。以上のようにして、樹脂基材上に厚さ4.6μmの偏光膜を形成した。
〈保護層付き偏光膜の作製〉
上記の偏光膜の表面(樹脂基材とは反対側の面)に、保護層としてのアクリル系フィルム(表面屈折率1.50,厚さ20μm)を、紫外線硬化型接着剤を介して貼り合わせた。具体的には、偏光膜表面に紫外線硬化型接着剤を塗布して厚さ1.0μmの接着剤塗膜を形成した後、ロール機により、当該接着剤塗膜を介して偏光膜と保護層(アクリル系フィルム)とを貼り合わせた。次に、接着剤塗膜に対して保護層越しに紫外線を照射して接着剤塗膜を硬化させた(第1接着剤層が形成された)。次に、偏光膜から樹脂基材を剥離することにより、保護層/第1接着剤層/偏光膜の積層構成の長尺状の保護層付き偏光膜(幅1300mm)を得た。この保護層付き偏光膜の単体透過率は43.5%であり、波長210nmにおける単位吸光度は0.91であり、波長600nmにおける直交吸光度A600に対する波長470nmにおける直交吸光度A470の比率(A470/A600)は0.87であり、直交b値は-3.00であった。この直交b値は、例えば、紫外可視分光光度計(品名「V7100」,日本分光社製)によって測定できる。
〈第1位相差層の形成〉
ネマティック液晶性を有する光重合性の液晶化合物(品名「Paliocolor LC242」,下記の構造式で表される,BASF社製)10質量部と、光重合開始剤(品名「イルガキュア907」,BASF社製)3質量部と、溶媒としてのトルエン40質量部とを混合して、液晶組成物を調製した。
Figure 2023154343000003
一方、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)の表面を、ラビング布によってラビングした(配向処理)。ラビング方向は、上述の保護層付き偏光膜の偏光膜側への後記の第1液晶配向固化層の接合後に、同層における液晶化合物の配向方向が、偏光膜の吸収軸に対して、偏光膜側から見て時計回りに15°なす方向とした。次に、PETフィルムの配向処理面に、バーコーターによって上述の液晶組成物を塗布して塗膜を形成した。次に、PETフィルム上の塗膜を、90℃で2分間の加熱によって乾燥し、液晶層を形成した。この液晶層では、液晶化合物がPETフィルム表面のラビング方向に沿うように配向している。次に、PETフィルム上の液晶層に紫外線を照射し、当該液晶層を光硬化させて、厚さ2.5μmの第1液晶配向固化層(第1位相差層)を形成した。紫外線照射においては、照射光源としてメタルハライドランプを使用し、積算照射光量を1mJ/cmとした。また、第1液晶配向固化層の面内位相差Re(550)は270nmであった。第1液晶配向固化層は、nx>ny=nzの屈折率分布を有していた。
〈第2位相差層の形成〉
厚さおよび液晶化合物の配向方向以外は第1液晶配向固化層と同様にして、第2液晶配向固化層(第2位相差層)を形成した。第2液晶配向固化層の厚さは1.5μmとした。第2液晶配向固化層における液晶化合物の配向方向は、保護層付き偏光膜の偏光膜側への第2液晶配向固化層の接合後に、偏光膜の吸収軸に対して、偏光膜側から見て時計回りに75°なす方向とした。また、第2液晶配向固化層の面内位相差Re(550)は140nmであった。第2液晶配向固化層は、nx>ny=nzの屈折率分布を有していた。
〈偏光板フィルムの作製〉
まず、上述の保護層付き偏光膜の偏光膜露出面に紫外線硬化型接着剤を塗布して接着剤塗膜(厚さ1μm)を形成した後、ロール機により、当該接着剤塗膜を介して、偏光膜と、PETフィルム上の第1液晶配向固化層とを貼り合わせた。このとき、偏光膜の吸収軸と、第1液晶配向固化層における液晶化合物の配向方向(遅相軸)とのなす角度が15°になるように、貼り合わせた。次に、偏光膜と第1液晶配向固化層との間の接着剤塗膜に対してPETフィルム側から紫外線を照射して、当該接着剤塗膜を硬化させた(第2接着剤層が形成された)。これにより、偏光膜に対して第1液晶配向固化層を接合した。この後、第1液晶配向固化層からPETフィルムを剥離した。これにより、保護層と、第1接着剤層と、偏光膜と、第2接着剤層と、第1液晶配向固化層(第1位相差層)との積層構成を有する中間積層体を得た。
次に、中間積層体の第1液晶配向固化層の露出面に紫外線硬化型接着剤を塗布して接着剤塗膜(厚さ1μm)を形成した後、ロール機により、当該接着剤塗膜を介して、第1液晶配向固化層と、PETフィルム上の第2液晶配向固化層とを貼り合わせた。このとき、偏光膜の吸収軸と第2液晶配向固化層における液晶化合物の配向方向(遅相軸)とのなす角度が75°になるように、貼り合わせた。次に、第1・第2液晶配向固化層間の接着剤塗膜に対してPETフィルム側から紫外線を照射して、当該接着剤塗膜を硬化させた(第3接着剤層が形成された)。これにより、第1液晶配向固化層に対して第2液晶配向固化層を接合した。この後、第2液晶配向固化層からPETフィルムを剥離した。これにより、保護層と、第1接着剤層と、偏光膜と、第2接着剤層と、第1液晶配向固化層(第1位相差層)と、第3接着剤層と、第2液晶配向固化層(第2位相差層)との積層構成を有する偏光板フィルム(保護層付き且つ位相差層付の偏光膜)を得た。この偏光板フィルムの厚さは32μmであった。
S 光学粘着シート
10 光学粘着剤層
11 低粘着剤層
11a 第1面
11b 第2面
12A 高粘着剤層(第1高粘着剤層)
12a 高粘着面(第1高粘着面)
12B 高粘着剤層(第2高粘着剤層)
12b 高粘着面(第2高粘着面)
H 厚さ方向
L1,L2 剥離フィルム
21 第1部材
22 第2部材

Claims (8)

  1. 下記の第1ステップ~第6ステップが実施される巻き付け試験における空隙部最大長さLが2mm以下であり、端縁間距離Dが80mm以上である、光学粘着剤層。
    第1ステップ:
    厚さ80μmのポリイミドフィルムと、厚さ32μmの偏光板フィルムと、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートフィルムとを厚さ方向にこの順に備える積層体であって、前記ポリイミドフィルムと前記偏光板フィルムとの間、および、前記偏光板フィルムと前記ポリエチレンテレフタレートフィルムとの間が、それぞれ、前記光学粘着剤層によって接合されている、積層体を用意する。
    第2ステップ:
    前記積層体を、50℃および0.5MPaの条件で15分間、加温加圧処理する。
    第3ステップ:
    前記第2ステップの後の前記積層体から、試験片を切り出す。前記試験片は、長さ100mm×幅25mmのサイズを有し、前記長さ方向における一方端に第1端部を有し且つ他方端に第2端部を有する。
    第4ステップ:
    断面直径20mmの巻芯に対し、前記試験片を、当該試験片の長さ方向が前記巻芯の周方向に沿う態様で、次のように巻き付ける。まず、前記試験片における前記第1端部のポリイミドフィルム側を、両面テープを介して前記巻芯に貼り付ける。次に、当該試験片の前記ポリイミドフィルム側が巻き付け内側に配置される態様で、当該試験片を前記長さ方向に引っ張りつつ前記巻芯まわりに1.628周巻き付ける。次に、前記巻芯に巻き付けられた当該試験片において、前記第2端部を粘着テープによって固定する。
    第5ステップ:
    前記巻芯付きの前記試験片を、23℃の温度条件で48時間保管する。
    第6ステップ:
    第5ステップの後、前記巻芯に対する前記試験片の巻き付け状態を解除してから5分以内に、前記試験片における端縁間距離Dおよび空隙部最大長さLを測定する。前記端縁間距離Dは、前記試験片の前記長さ方向における両端縁間の距離である。前記空隙部最大長さLは、前記試験片における層間空隙の最大長さである。
  2. 前記第5ステップでの温度条件が-20℃であること以外は前記第1ステップ~第6ステップと同様のステップが実施される巻き付け試験における前記空隙部最大長さLが2mm以下であり、前記端縁間距離Dが80mm以上である、請求項1に記載の光学粘着剤層。
  3. 断面直径20mmの巻芯に巻き回してから1時間経過による透過率の変化が5%以下である、請求項1に記載の光学粘着剤層。
  4. 最大厚さと最小厚さとの差が3μm以下である、請求項1に記載の光学粘着剤層。
  5. 第1面と当該第1面とは反対側の第2面とを有する低粘着剤層と、
    前記第1面上に配置された第1高粘着剤層であって、前記低粘着剤層とは反対側に第1高粘着面を有する第1高粘着剤層と、
    前記第2面上に配置された第2高粘着剤層であって、前記低粘着剤層とは反対側に第2高粘着面を有する第2高粘着剤層と、を備え、
    前記第1高粘着面および前記第2高粘着面のそれぞれが、ポリイミドフィルムへの貼り合わせから23℃で30分間経過後に、当該ポリイミドフィルムに対し、剥離角度180°および剥離速度300mm/分の条件において5N/25mm以上の剥離粘着力を有し、
    前記低粘着剤層の-20℃でのせん断貯蔵弾性率が、前記高粘着剤層の-20℃でのせん断貯蔵弾性率より小さい、請求項1に記載の光学粘着剤層。
  6. 前記第1高粘着剤層および前記第2高粘着剤層の厚さの合計に対する前記低粘着剤層の厚さの比率が1以上である、請求項5に記載の光学粘着剤層。
  7. 前記第1高粘着剤層および前記第2高粘着剤層の厚さの合計に対する前記低粘着剤層の厚さの比率が30以下である、請求項5に記載の光学粘着剤層。
  8. 5μm以上150μm以下の総厚を有する、請求項1から7のいずれか一つに記載の光学粘着剤層。
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