JP2023153548A - 給電装置 - Google Patents

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精一 吉田
Seiichi Yoshida
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Abstract

【課題】近接離間方向への移動距離が長い移動機構においても、電気ケーブルを円滑に追従させることができる給電装置を提供する。【解決手段】給電装置10は、パネル側保持部11と、パネル側保持部11に対して近接離間方向に移動可能に設けられたハンドル側保持部12との間に架け渡される電気ケーブル13を備えている。また、給電装置10は、電気ケーブル13が扁平断面の長尺体であるFFC130である。そして、FFC130には、パネル側保持部11に対してハンドル側保持部12が近接方向に移動した場合において、扁平断面の厚み方向Dtに曲がった曲がり部13Bが形成される。【選択図】図14

Description

この発明は、一方の構造体から近接離間方向に移動可能である他方の構造体へ給電を行う給電装置に関する。
従来より、一方の構造体に対して他方の構造体が近接離間方向に移動可能である移動機構が知られている(特許文献1参照)。このような移動機構においては、一方の構造体から他方の構造体まで延設された電気ケーブルを介して給電が行われる。
ところで、近年では、電装部品の増加により、電気ケーブルが肥大化する傾向にある。そのため、一方の構造体に対して他方の構造体が近接離間方向に移動しても、電気ケーブルを円滑に追従させることができないという問題があった。特に、近接離間方向への移動距離が長い移動機構においては、電気ケーブルを円滑に追従させることができないという問題が顕著であった。
特開2021-154957号公報
この発明は、近接離間方向への移動距離が長い移動機構においても、電気ケーブルを円滑に追従させることができる給電装置を提供することを目的としている。
この発明は、第一構造体と、該第一構造体に対して近接離間方向に移動可能に設けられた第二構造体との間に架け渡される電気ケーブルを備えた給電装置であって、前記電気ケーブルが扁平断面の長尺体であるフレキシブルフラットケーブルであり、前記フレキシブルフラットケーブルには、前記第一構造体に対して前記第二構造体が近接方向に移動した場合において、前記扁平断面の厚み方向に曲がった曲がり部が形成されることを特徴としている。
本願発明におけるフレキシブルフラットケーブルは、平行に並べた帯状の導体を薄膜状の絶縁シートで挟み込んだ構造とされている。かかるフレキシブルフラットケーブルは、一枚のみ、あるいは複数枚を重ね合わせて使用される。
この発明により、近接離間方向への移動距離が長い移動機構においても、電気ケーブルを円滑に追従させることができる。
詳述すると、本願発明に係る給電装置は、電気ケーブルが扁平断面の長尺体であるフレキシブルフラットケーブルである。そして、フレキシブルフラットケーブルには、第一構造体に対して第二構造体が近接方向に移動した場合において、扁平断面の厚み方向に曲がった曲がり部が形成される。このように、電気ケーブルとしてフレキシブルフラットケーブルを用いるとともにフレキシブルフラットケーブルの厚み方向に曲がり部が形成されることで、第二構造体の近接方向への移動に対して円滑に追従させることが可能となる。また、フレキシブルフラットケーブルは、導体を覆う絶縁シートが高い弾性を有するため、絶縁シートの反発力、つまり曲げられた絶縁シートが元の形状に戻ろうとする力により、第二構造体の離間方向への移動に対しても円滑に追従させることが可能となる。
さらに、複数枚のフレキシブルフラットケーブルを重ね合わせて構成された電気ケーブルは、被覆電線を束ねた電気ケーブルのように被覆電線同士の絡まりが生じず、あるいは捩れによる摩擦抵抗も小さいため、第二構造体の近接方向への移動ならびに離間方向への移動に対して円滑に追従させることが可能となる。
この発明の態様として、前記曲がり部が円弧状に形成されてもよい。
この発明により、第一構造体に対して第二構造体が近接方向に移動した場合においては、電気ケーブルが一方向に曲がって比較的に大きな円弧状となるため、かかる電気ケーブルに局所的な曲げが生じない。したがって、電気ケーブルに過大な負荷が掛かることを防止できる。
加えて、第二構造体が近接方向に移動していく状況においては、電気ケーブルが次第に曲がって円弧状の曲がり部が形成されて電気ケーブルの架け渡し長さが短縮され、第二構造体が離間方向に移動していく状況においては、円弧状の曲がり部から次第に引き出されて電気ケーブルの架け渡し長さが延伸されるため、かかる電気ケーブルをより円滑に追従させることが可能となる。
またこの発明の態様として、前記曲がり部が波形状に形成されてもよい。
この発明により、第一構造体に対して第二構造体が近接方向に移動した場合においては、電気ケーブルが折り重ねられるようにして波形状となるため、かかる電気ケーブルの曲がり部をコンパクト化できる。したがって、より狭小な空間内に配置された移動機構にも適用できる。
加えて、第二構造体が近接方向に移動していく状況においては、電気ケーブルが次第に折り重なって波形状の曲がり部が形成されて電気ケーブルの架け渡し長さが短縮され、第二構造体が離間方向に移動していく状況においては、波形状の曲がり部から次第に引き出されて電気ケーブルの架け渡し長さが延伸されるため、かかる電気ケーブルをより円滑に追従させることが可能となる。
またこの発明の態様として、前記曲がり部が渦巻状に形成されてもよい。
この発明により、第一構造体に対して第二構造体が近接方向に移動した場合においては、電気ケーブルが巻き重ねられるようにして渦巻状となるため、かかる電気ケーブルに局所的な曲げが生じにくく、かつ電気ケーブルの曲がり部をコンパクト化できる。したがって、電気ケーブルに過大な負荷が掛かることを防止できるとともにより狭小な空間内に配置された移動機構にも適用できる。
加えて、第二構造体が近接方向に移動していく状況においては、電気ケーブルが次第に巻き重なって渦巻状の曲がり部が形成されて電気ケーブルの架け渡し長さが短縮され、第二構造体が離間方向に移動していく状況においては、渦巻状の曲がり部から次第に引き出されて電気ケーブルの架け渡し長さが延伸されるため、かかる電気ケーブルをより円滑に追従させることが可能となる。
またこの発明の態様として、所定形状の前記曲がり部となるように誘導する誘導部材が設けられてもよい。
この発明により、第一構造体に対して第二構造体が近接方向に移動した場合において、電気ケーブルに所定形状の曲がり部を形成することが可能となる。具体的には、電気ケーブルに円弧状や波形状、渦巻状等の曲がり部を形成することが可能となる。
またこの発明の態様として、前記曲がり部の少なくとも一部を収容する収容部材が設けられてもよい。
この発明により、第一構造体に対して第二構造体が近接方向に移動した場合において、電気ケーブルに形成された曲がり部が垂れ下がったり、意図しない形状に変形したりして周辺部材に干渉することを防止できる。また、曲がり部が振れて異音が生じたりすることを防止できる。
またこの発明の態様として、前記電気ケーブルを覆うとともに当該電気ケーブルの変形に伴って形状が変化する外装部材が設けられてもよい。
この発明により、電気ケーブルの変形態様に関わらず、かかる電気ケーブルを保護することが可能となる。
またこの発明の態様として、前記外装部材は、前記電気ケーブルを覆う複数の外殻部と、隣り合う前記外殻部の端部同士を連結する少なくとも一つの連結部とを有し、前記連結部は、前記電気ケーブルの長手方向を含む所定の二次元平面に沿って回動可能に構成されてもよい。
この発明により、電気ケーブルの所定の二次元平面に沿う方向への変形を規制せず、かかる二次元平面に対して交わる方向への変形を規制することが可能となる。これにより、電気ケーブルが捻じれたり、意図しない形状に変形したりして周辺部材に干渉することを防止できる。
またこの発明の態様として、前記第二構造体がステアリングハンドルに該当してもよい。
この発明により、第一構造体から近接離間方向に移動可能であるステアリングハンドルについても電気ケーブルを円滑に追従させて給電することが可能となる。
近接離間方向への移動距離が長い移動機構においても、電気ケーブルを円滑に追従させることができる。
給電装置の概略図。 図1におけるA-A断面図と一部拡大図。 図1における矢印Vの方向から視たケーブルラックの斜視図。 プロテクタの斜視図。 プロテクタリンクの斜視図。 図5における矢印Vxの方向から視たプロテクタリンクの正面図。 図5における矢印Vyの方向から視たプロテクタリンクの側面図。 図5における矢印Vzの方向から視たプロテクタリンクの平面図。 図8におけるB-B断面図とC-C断面図。 本体部に対して蓋部が開閉した状態を示す斜視図。 前方側のプロテクタリンクに対して後方側のプロテクタリンクが回動した状態を示す斜視図。 プロテクタリンクにケーブルラックを固定する状況を示す説明図。 ケーブルラックの内周面に沿ってプロテクタが収容された状態を示す断面図。 電気ケーブルに円弧状の曲がり部が形成される状況の説明図。 第二実施形態に係る給電装置の説明図。 第三実施形態に係る給電装置の説明図。 他の実施形態に係る給電装置のプロテクタの斜視図。
この発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。
本願においては、全ての図面で給電装置10の方向を示している。詳しくは、矢印Fが前方側を示し、矢印Bが後方側を示し、矢印Lが左方側を示し、矢印Rが右方側を示している。そして、矢印Uが上方側を示し、矢印Dが下方側を示している。加えて、本願においては、前後方向をX、左右方向をY、上下方向をZとして説明する。
図1は給電装置10の概略図である。図1においては、給電装置10が見えるようにインストルメントパネルI及びステアリングハンドルHを二点鎖線で表している。図2は図1におけるA-A断面図と一部拡大図である。そして、図3は図1における矢印Vの方向から視たケーブルラック14の斜視図である。
また、図4はプロテクタ1の斜視図である。図5はプロテクタリンク2の斜視図である。図6は図5における矢印Vxの方向から視たプロテクタリンク2の正面図であり、図7は図5における矢印Vyの方向から視たプロテクタリンク2の側面図であり、図8は図5における矢印Vzの方向から視たプロテクタリンク2の平面図である。そして、図9は図8におけるB-B断面図とC-C断面図である。
さらに、図10は本体部4に対して蓋部5が開閉した状態を示す斜視図である。図11は前方側Fのプロテクタリンク2に対して後方側Bのプロテクタリンク2が回動した状態を示す斜視図である。図12はプロテクタリンク2にケーブルラック14を固定する状況を示す説明図であり、図13はケーブルラック14の内周面に沿ってプロテクタ1が収容された状態を示す断面図である。そして、図14は、電気ケーブル13に円弧状の曲がり部13Bが形成される状況の説明図である。なお、図14において、ハンドル側保持部12を簡略化して図示している。
図1に示すように、第一実施形態に係る給電装置10は、自動車のステアリング装置に用いられる。給電装置10は、インストルメントパネルI内に設けられたパネル側保持部11からステアリングハンドルH内に設けられたハンドル側保持部12へ給電を行うものである。ハンドル側保持部12は、図示省略する移動機構により、パネル側保持部11に対してステアリングハンドルHとともに近接離間方向に移動可能とされている(矢印M参照)。
給電装置10は、パネル側保持部11と、ハンドル側保持部12と、パネル側保持部11とハンドル側保持部12との間に架け渡される電気ケーブル13とを有している。また、給電装置10は、電気ケーブル13の長手方向の中途部分にケーブルラック14を有している。さらに、給電装置10は、電気ケーブル13を保護するプロテクタ1を有している。以下において、パネル側保持部11、ハンドル側保持部12、電気ケーブル13、ケーブルラック14、プロテクタ1の順に説明する。
パネル側保持部11は、インストルメントパネルIの内側に固定された状態で電気ケーブル13の前端部分を保持する。パネル側保持部11は、主にケーブルホルダー111で構成されており、かかるケーブルホルダー111には、インストルメントパネルIの内側に配索された電気ケーブル112と電気ケーブル13とを接続する接続コネクタ113が取り付けられている。本実施形態に係る給電装置10において、電気ケーブル112は、断面形状が丸い被覆電線を束ねたワイヤーハーネスで構成されている。
ハンドル側保持部12は、ステアリングハンドルHの内側に固定された状態で電気ケーブル13の後端部分を保持するものであり、ステアリングハンドルHの回転操作に追従できるステアリングロールコネクタ121(以下においてSRC121という)で構成されている。
SRC121には、ステアリングハンドルHの内側に配索された電気ケーブル122と電気ケーブル13とを接続する接続コネクタ123が取り付けられている。本実施形態に係る給電装置10において、電気ケーブル122は、断面形状が丸い被覆電線を束ねた電線束で構成されている。
なお、SRC121の構造についての説明は省略するが、内部に巻き回して収容したフレキシブルフラットケーブルによって、ステアリングハンドルHの回転操作に追従できるように構成されている。
電気ケーブル13は、パネル側保持部11とハンドル側保持部12との間に架け渡されている。図2に示すように、電気ケーブル13は、複数枚のフレキシブルフラットケーブル130(以降FFC130という)を重ね合わせたものであり、それぞれのFFC130は、平行に並べた帯状の導体13cを薄膜状の絶縁シート13sで挟み込んだ構造とされている。また、それぞれのFFC130は、その長手方向に対する垂直断面が扁平形状(扁平断面)に形成されており、その幅方向Dwが左右方向Y、その厚み方向Dtが上下方向Zに沿うように前述のケーブルホルダー111及びSRC121によって保持されている。
ケーブルラック14は、電気ケーブル13の曲がり部13Bを円弧状に誘導するとともに曲がり部13Bの少なくとも一部を収容するものである。図3ならびに図12から図14に示すように、ケーブルラック14は、主にケーブル誘導部141とケーブル収容部142とで構成されている。ケーブル誘導部141は、電気ケーブル13が通過する通路部分であって、その上方側Uの内面には、下方側Dに向かって突出する突出部14pが形成されている。ケーブル収容部142は、ケーブル誘導部141の下方側Dであって、突出部14pに対向する位置に設けられている。なお、ケーブル誘導部141の突出部14pは、曲がり部13Bを円弧状に誘導する誘導部材である。また、ケーブル収容部142は、曲がり部13Bの少なくとも一部を収容する収容部材である。
ケーブル収容部142は、左右方向Yに対して垂直かつ互いに対して平行に配置された一対の側板部14sと、それぞれの側板部14sの隙間を前方側Fから下方側Dにかけて塞ぐ周板部14tとを有している。周板部14tは、その前方側Fに位置する部分が平面ではなく、前方側Fに向かって突出する湾曲面とされている。そのため、ケーブル収容部142の周板部14tも、曲がり部13Bを円弧状に誘導する誘導部材として機能する。なお、ケーブル収容部142は、それぞれの側板部14sにおける後方側Bの端縁によって形成された隙間が開放された形状とされている(開放口140参照)。但し、ケーブル収容部142は、電気ケーブル13の曲がり部13Bを円弧状に誘導でき、曲がり部13Bの少なくとも一部を収容することができればよく、その形状について限定するものではない。
次に、図4から図13を用いて、プロテクタ1について説明する。プロテクタ1は、電気ケーブル13を保護するものである。ここでは、電気ケーブル13におけるパネル側保持部11の側の一端を13Fとし、電気ケーブル13におけるハンドル側保持部12の側の他端を13Mとしている。
図4に示すように、プロテクタ1は、電気ケーブル13を覆う複数の外殻部を備えており、電気ケーブル13の長手方向(前後方向X)に沿って配置された外殻部の端部同士を連結した構造とされている。そのため、二つの外殻部を備えていれば、少なくとも一つの連結部分を有していることとなる。本願においては、外殻部をプロテクタリンク2と称し、プロテクタリンク2とプロテクタリンク2の連結部分を連結部3と称して説明する。
図5から図11に示すように、プロテクタリンク2は、電気ケーブル13が挿通される挿通空間Sが形成された本体部4と、本体部4の前後方向Xに沿って形成された開口部分40(図10(a)参照)を開閉自在とする蓋部5と、本体部4に対して蓋部5を枢動可能とする枢動部6と、本体部4に対して蓋部5を閉じると互いを係止可能とする係止部7と、本体部4に追加部品を固定、あるいは本体部4を周辺部材に固定するための固定部8とを有している。
本体部4は、底板部41及び底板部41の幅方向に配置された一対の側板部42によって断面凹状に形成されている。それぞれの側板部42は、底板部41に対して垂直に立設されており、互いに対して平行に配置されている。こうして、本体部4の内側には、電気ケーブル13が挿通される挿通空間Sが形成されている。なお、底板部41及び側板部42は、ポリプロピレン等の樹脂材にて形成されている。
また、それぞれの側板部42における前方側Fの端部には、側板部42の前後方向Xの中央部分から段差なく前部連結板43が形成されている。前部連結板43は、左右方向Yから視て略円形状とされており、その中央部分には、枢支軸431が形成されている。枢支軸431は、後述する後部連結板44の枢支孔441と嵌合する小径部分と、後部連結板44の抜け止めとして機能する大径部分とを有している。
さらに、それぞれの側板部42における後方側Bの端部には、側板部42の前後方向Xの中央部分から段差を介して後部連結板44が形成されている。後部連結板44は、左右方向Yから視て略円形状とされており、その中央部分には、枢支孔441が形成されている。枢支孔441は、前述した枢支軸431(詳しくは枢支軸431における小径部分)と嵌合する円形状の孔であり、枢支軸431を案内するための案内溝442とつながっている。なお、案内溝442は、枢支孔441よりも上方側Uにズレた位置に形成されている。このように、上方側Uにズレた位置に形成したのは、プロテクタ1に対して引張荷重が作用したときに、枢支軸431が抜けてしまうことを防止するためである。
加えて、底板部41における後方側Bの端部には、延設板45が取り付けられている。延設板45は、底板部41の後端面から後方側Bに向かって延設されており、その全体が後部連結板44の外縁に沿うように左右方向Yから視て略円弧状に曲げられている(図9(b)参照)。また、延設板45の基端縁(前方側Fの端部)には、下方側Dに膨出した膨出部分451が形成されており、延設板45の先端縁(後方側Bの端部)には、下方側Dに曲げ返した曲返部分452が形成されている。なお、延設板45は、ステンレス鋼等の金属材にて形成されている。
蓋部5は、本体部4の長手方向(前後方向X)に沿って形成された開口部分40を開閉自在とする。蓋部5は、左方側Lの側板部42における上端部分に連結された枢動板51であり、枢動板51の先端部分を右方側Rの側板部42から離間する方向に起すと開口部分40が開くこととなる(図10(a)参照)。反対に、枢動板51の先端部分を右方側Rの側板部42に近接する方向に倒すと開口部分40が閉じることとなる(図10(b)参照)。
また、枢動板51における後方側Bの端部には、傾斜部52が形成されている。傾斜部52は、一対の後部連結板44の間まで延設されており、後方側Bに向かって先細りとなるように左右方向Yから視て略楔形状に形成されている(図9(b)参照)。
加えて、枢動板51における前方側Fの端部には、延設板55が取り付けられている。延設板55は、枢動板51の前端面から前方側Fに向かって延設されており、その全体が前部連結板43の外縁に沿うように左右方向Yから視て略円弧状に曲げられている(図9(b)参照)。また、延設板55の基端縁(後方側Bの端部)には、上方側Uに膨出した膨出部分551が形成されており、延設板55の先端縁(前方側Fの端部)には、上方側Uに曲げ返した曲返部分552が形成されている。なお、延設板55は、ステンレス鋼等の金属材にて形成されている。
枢動部6は、本体部4に対して蓋部5を枢動可能とする。枢動部6は、左方側Lの側板部42の上端部分における長手方向(前後方向X)に沿う一辺と、枢動板51の基端部分における長手方向(前後方向X)に沿う一辺とを樹脂板61でつないだ構成とされている。
樹脂板61は、その板厚が側板部42及び枢動板51に比べて薄く形成されており、長手方向(前後方向X)に沿う仮想上の軸を回転軸として回転方向に屈伸(屈曲又は延伸)することが可能である。このため、枢動部6は、左方側Lの側板部42に対して枢動板51を枢動可能としている(図10(a)及び図10(b)参照)。
係止部7は、本体部4に対して蓋部5を閉じると互いを係止可能とする。係止部7は、枢動板51の先端部分における長手方向(前後方向X)に沿って設けられた係止片71と、右方側Rの側板部42の上端部分における長手方向(前後方向X)に沿って設けられた係止環72との組み合わせで構成されている。
係止片71は、枢動板51の先端部分に枢動板51に対して垂直に形成されている。係止片71は、枢動板51が本体部4の開口部分40を閉じた状態において、前後方向Xに長く左右方向Yに短い矩形断面の板であり、前端部分に設けられた延長部分における前端面ならびに後端部分に設けられた延長部分における後端面に係止爪71fが形成されている。
係止環72は、右方側Rの側板部42に対して所定間隔を隔てて平行に配置された縦板721と、右方側Rの側板部42に対して垂直、かつ互いに対して所定間隔を隔てて平行に配置された一対の横板722とで略角筒状に形成されている。そして、その内側には上下方向Zに貫通する貫通孔が形成されている。そのため、係止片71が係止環72に挿入されると、係止片71の係止爪71fが係止環72を構成する横板722に引っ掛かることとなる(図10(a)及び図10(b)参照)。
固定部8は、本体部4に追加部品を固定、あるいは本体部4を周辺部材に固定するためのものである。固定部8は、右方側Rの側板部42に対して垂直に突出した取付軸部81で構成されている。
取付軸部81は、例えばケーブルラック14に設けられた貫通孔14hに挿入される部分である(図12参照)。取付軸部81は、右方側Rの側板部42から右方側Rに向かって突出する略長円断面の軸であり、その先端部分における外周面に係止爪81fが形成されている。そのため、取付軸部81をケーブルラック14の貫通孔14hに挿入すると、かかる係止爪81fが貫通孔14hの内角部分に引っ掛かることとなる。
ところで、本実施形態に係るプロテクタ1は、前方側Fのプロテクタリンク2における後部連結板44と後方側Bのプロテクタリンク2における前部連結板43とを左右方向Yに重ね合わせた状態で枢支している。ここで枢支とは、前述した枢支軸431と枢支孔441とが周方向に枢動可能に嵌合されていることを意味する。こうして、かかる嵌合部分を中心に一方側のプロテクタリンク2に対して他方側のプロテクタリンク2が電気ケーブル13の長手方向(前後方向X)を含む所定の二次元平面Pに沿って回動可能とされている(図11(a)及び図11(b)参照)。
すなわち、前方側Fのプロテクタリンク2に対して後方側Bのプロテクタリンク2が前後方向X及び上下方向Zによって規定される二次元平面Pに沿って回動可能とされている。そして、後方側Bのプロテクタリンク2が上方側Uに回動した場合は、前方側Fのプロテクタリンク2における傾斜部52を後方側Bの延設板55が滑り上がり、やがて枢動板51の上側面に対して延設板55が突っ張ることとなる(図11(a)参照)。反対に、後方側Bのプロテクタリンク2が下方側Dに回動した場合は、後方側Bのプロテクタリンク2における底板部41に傾斜部が設けられていないため、かかる底板部41の前側面に対して延設板45が突っ張ることとなる(図11(b)参照)。このため、本実施形態に係るプロテクタ1における延設板45,55は、回動角度を規制する角度規制部9であるといえる。
加えて、図12に示すように、本実施形態に係るプロテクタ1は、前述したケーブルラック14を取り付けることが可能である。ケーブルラック14は、右方側Rの側板部14sにおける所定部分に左右方向Yに貫通する貫通孔14hが設けられている。そのため、かかる貫通孔14hに前述した取付軸部81を挿入することができる。こうして、任意のプロテクタリンク2に対してケーブルラック14を取り付けることが可能とされている。
このような構成により、図13に示すように、パネル側保持部11に対してハンドル側保持部12が近接方向に移動した場合は、ケーブルラック14の周板部14tに沿うようにしてプロテクタ1が収容されることとなる。反対に、パネル側保持部11に対してハンドル側保持部12が離間方向に移動した場合は、ケーブルラック14の周板部14tに沿うようにしてプロテクタ1が引き出されることとなる。
また、電気ケーブル13の変形態様について詳しく説明すると、パネル側保持部11に対してハンドル側保持部12が離間しており、電気ケーブル13が前後方向Xに沿って延伸した状態においては、電気ケーブル13の中途部分がケーブルラック14の突出部14pによって押されることとなる。そのため、電気ケーブル13の中途部分には、僅かに下方側Dに膨らんだ曲がり部13Bが形成されることとなる(図14(a)参照)。そして、パネル側保持部11に対してハンドル側保持部12が近接方向に移動すると、電気ケーブル13の曲がり部13Bがケーブル収容部142の周板部14tに沿うようにして曲げられて後方側Bに向かい(図14(b)参照)、さらに、ハンドル側保持部12が近接方向に移動すると、電気ケーブル13が再び突出部14pに近づいた後に後方側Bに向かって曲げられた状態となる(図14(c)参照)。
こうして、パネル側保持部11に対してハンドル側保持部12が近接方向に移動した場合においては、電気ケーブル13の曲がり部13Bが円弧状に形成され、電気ケーブル13が円滑に追従することとなる。
加えて、パネル側保持部11に対してハンドル側保持部12が離間方向に移動した場合においても、電気ケーブル13が円滑に追従することとなる。これは、電気ケーブル13が円弧状に曲げられたことで、かかる電気ケーブル13に直線形状に戻ろうとする力がはたらくためである。
以上のように、本実施形態に係る給電装置10は、パネル側保持部11と、パネル側保持部11に対して近接離間方向に移動可能に設けられたハンドル側保持部12との間に架け渡される電気ケーブル13を備えている。また、給電装置10は、電気ケーブル13が扁平断面の長尺体であるFFC130である。そして、FFC130には、パネル側保持部11に対してハンドル側保持部12が近接方向に移動した場合において、扁平断面の厚み方向Dtに曲がった曲がり部13Bが形成される。
このような給電装置10によれば、近接離間方向への移動距離が長い移動機構においても、電気ケーブル13を円滑に追従させることができる。
詳述すると、本願発明に係る給電装置10は、電気ケーブル13が扁平断面の長尺体であるFFC130である。そして、FFC130には、パネル側保持部11に対してハンドル側保持部12が近接方向に移動した場合において、扁平断面の厚み方向Dtに曲がった曲がり部13Bが形成される。このように、電気ケーブル13としてFFC130を用いるとともにFFC130の厚み方向Dtに曲がり部13Bが形成されることで、ハンドル側保持部12の近接方向への移動に対して円滑に追従させることが可能となる。また、FFC130は、導体13cを覆う絶縁シート13sが高い弾性を有するため、その反発力(元の形状に戻ろうとする力)により、ハンドル側保持部12の離間方向への移動に対しても円滑に追従させることが可能となる。さらに、複数枚のFFC130を重ね合わせて構成された電気ケーブル13は、被覆電線を束ねた電気ケーブル13のように被覆電線同士の絡まりが生じず、あるいは捩れによる摩擦抵抗も小さいため、ハンドル側保持部12の近接方向への移動ならびに離間方向への移動に対して円滑に追従させることが可能となる。
また、本実施形態に係る給電装置10においては、曲がり部13Bが円弧状に形成される。
このような給電装置10によれば、パネル側保持部11に対してハンドル側保持部12が近接方向に移動した場合においては、電気ケーブル13が一方向に曲がって比較的に大きな円弧状となるため、かかる電気ケーブル13に局所的な曲げが生じない。したがって、電気ケーブル13に過大な負荷が掛かることを防止できる。
加えて、ハンドル側保持部12が近接方向に移動していく状況においては、電気ケーブル13が次第に曲がって円弧状の曲がり部13Bが形成されて電気ケーブル13の架け渡し長さが短縮され、ハンドル側保持部12が離間方向に移動していく状況においては、円弧状の曲がり部13Bから次第に引き出されて電気ケーブル13の架け渡し長さが延伸されるため、かかる電気ケーブル13をより円滑に追従させることが可能となる。
また、本実施形態に係る給電装置10においては、所定形状の前記曲がり部となるように誘導する誘導部材として突出部14pならびに周板部14tが設けられている。
このような給電装置10によれば、パネル側保持部11に対してハンドル側保持部12が近接方向に移動した場合において、電気ケーブル13に所定形状の曲がり部13Bを形成することが可能となる。具体的には、電気ケーブル13に円弧状の曲がり部13Bを形成することが可能となる。
また、本実施形態に係る給電装置10においては、曲がり部13Bの少なくとも一部を収容する収容部材としてケーブル収容部142が設けられている。
このような給電装置10によれば、パネル側保持部11に対してハンドル側保持部12が近接方向に移動した場合において、電気ケーブル13に形成された曲がり部13Bが垂れ下がったり、意図しない形状に変形したりして周辺部材に干渉することを防止できる。また、曲がり部13Bが振れて異音が生じたりすることを防止できる。
また、本実施形態に係る給電装置10においては、電気ケーブル13を覆うとともに電気ケーブル13の変形に伴って形状が変化する外装部材としてプロテクタ1が設けられている。
このような給電装置10によれば、電気ケーブル13の変形態様に関わらず、かかる電気ケーブル13を保護することが可能となる。
また、本実施形態に係る給電装置10において、プロテクタ1は、電気ケーブル13を覆う複数のプロテクタリンク2と、隣り合うプロテクタリンク2の端部同士を連結する少なくとも一つの連結部3とを有し、連結部3は、電気ケーブル13の長手方向(本実施形態では前後方向Xである)を含む所定の二次元平面Pに沿って回動可能に構成されている。
このような給電装置10によれば、電気ケーブル13の所定の二次元平面Pに沿う方向への変形を規制せず、かかる二次元平面Pに対して交わる方向への変形を規制することが可能となる。これにより、電気ケーブル13が捻じれたり、意図しない形状に変形したりして周辺部材に干渉することを防止できる。
また、本実施形態に係る給電装置10においては、第二構造体がハンドル側保持部12に該当する。
このような給電装置10によれば、パネル側保持部11から近接離間方向に移動可能であるハンドル側保持部12についても電気ケーブル13を円滑に追従させて給電することが可能となる。
加えて、プロテクタ1は、電気ケーブル13に外装される複数のプロテクタリンク2と、電気ケーブル13の長手方向(本実施形態では前後方向Xである)に沿って配置されたプロテクタリンク2の端部同士を連結する少なくとも一つの連結部3とを有している。そして、連結部3は、連結部3を介して長手方向に隣り合うプロテクタリンク2のうち、前方側Fに配置されたプロテクタリンク2と、後方側Bに配置されたプロテクタリンク2とを長手方向を含む所定の二次元平面Pに沿って回動可能に構成されたものである。
このようなプロテクタ1によれば、電気ケーブル13の変形に対して追従する可撓性を有しながらも、許容されない方向への変形を規制することができる。
詳述すると、プロテクタ1は、電気ケーブル13に外装される複数のプロテクタリンク2と、電気ケーブル13の長手方向に沿って配置されたプロテクタリンク2の端部同士を連結する少なくとも一つの連結部3とを有している。そして、連結部3は、連結部3を介して長手方向に隣り合うプロテクタリンク2のうち、前方側Fに配置されたプロテクタリンク2と、後方側Bに配置されたプロテクタリンク2とを長手方向を含む所定の二次元平面Pに沿って回動可能に構成されている。そのため、全てのプロテクタリンク2が所定の二次元平面Pに沿う方向に回動可能となり、全てのプロテクタリンク2が所定の二次元平面Pに対して交わる方向に回動不能となる。つまりは、電気ケーブル13の長手方向を含む所定の二次元平面Pに沿う方向には変形を規制せず、かかる二次元平面Pに対して交わる方向には変形を規制できる。これにより、電気ケーブル13の変形に対して追従する可撓性を有しながらも、許容されない方向への変形を規制することができる。
また、プロテクタ1において、連結部3は、連結部3を介して長手方向に隣り合うプロテクタリンク2のうち、前方側Fのプロテクタリンク2における二次元平面Pに対して平行に形成された後部連結板44と、後方側Bのプロテクタリンク2における二次元平面Pに対して平行に形成された前部連結板43とを直交方向に重ね合わせた状態で枢支して構成されている。
このようなプロテクタ1によれば、前方側Fのプロテクタリンク2における後部連結板44に沿うようにして後方側Bのプロテクタリンク2における前部連結板43が回動可能となる。反対に、後方側Bのプロテクタリンク2における前部連結板43に沿うようにして前方側Fのプロテクタリンク2における後部連結板44が回動可能となる。そのため、全てのプロテクタリンク2が所定の二次元平面Pに沿う方向に回動可能となり、全てのプロテクタリンク2が所定の二次元平面Pに対して交わる方向に回動不能となる。つまりは、電気ケーブル13の長手方向を含む所定の二次元平面Pに沿う方向には変形を規制せず、かかる二次元平面Pに対して交わる方向には変形を規制できる。
また、プロテクタ1においては、連結部3を介して長手方向に隣り合うプロテクタリンク2のうち、前方側Fのプロテクタリンク2における枢動板51又は延設板45と、後方側Bのプロテクタリンク2における延設板55又は底板部41とが当接して互いに対する回動角度を規制する角度規制部9が設けられている。
このようなプロテクタ1によれば、連結部3を中心とする前方側Fのプロテクタリンク2と後方側Bのプロテクタリンク2の最大角度が規制されるため、これらプロテクタリンク2に挿通された電気ケーブル13の曲げ半径も規制されることとなる。そのため、電気ケーブル13が大きな曲率で曲がってしまうことを防止できる。ひいては、電気ケーブル13の変形部分に過大な負荷が作用することを防止できる。
また、プロテクタ1において、プロテクタリンク2は、電気ケーブル13が挿通される挿通空間Sが形成された本体部4と、本体部4の長手方向に沿って形成された開口部分40を開閉自在とする蓋部5とを有している。
このようなプロテクタ1によれば、本体部4に対して蓋部5を開いたり閉じたりすることができる。そのため、本体部4に長尺体である電気ケーブル13を嵌め込む作業が容易となる。また、本体部4から電気ケーブル13を取り外す作業も容易となる。
また、プロテクタ1において、本体部4に対して蓋部5を枢動可能とする枢動部6が設けられている。
このようなプロテクタ1によれば、本体部4と蓋部5が連結したままで蓋部5を開いたり閉じたりすることができる。そのため、本体部4に電気ケーブル13を嵌め込む作業等において、本体部4と蓋部5が分離することを防止できる。
また、プロテクタ1においては、本体部4に対して蓋部5を閉じると互いを係止可能とする係止部7が設けられている。
このようなプロテクタ1によれば、本体部4に対して蓋部5を閉じるだけで蓋部5を係止することができる。そのため、本体部4に電気ケーブル13を嵌め込む作業等において、素早く蓋部5を閉じた状態にして保持できる。
また、プロテクタ1においては、本体部4及び蓋部5の少なくとも一方に別部材と固定するための固定部8が設けられている。
このようなプロテクタ1によれば、任意のプロテクタリンク2に前述したケーブルラック14等の追加部品を固定することが可能となる。また、任意のプロテクタリンク2を周辺部材に固定することも可能となる。
次に、図15を用いて、第二実施形態に係る給電装置10について説明する。
図15は、電気ケーブル13に波形状の曲がり部13Bが形成される状況の説明図である。なお、図15においては、ハンドル側保持部12を簡略化して図示している。
第二実施形態に係る給電装置10においても、パネル側保持部11と、ハンドル側保持部12と、電気ケーブル13とを有している。但し、本給電装置10には、前述したケーブルラック14とは異なるケーブルラック15が備えられている。
ケーブルラック15は、電気ケーブル13の曲がり部13Bを波形状に誘導するとともに曲がり部13Bの少なくとも一部を収容するものである。図15に示すように、ケーブルラック15は、主にケーブル誘導部151とケーブル収容部152とで構成されている。ケーブル誘導部151は、電気ケーブル13が通過する通路部分であって、その上方側Uの内面には、下方側Dに向かって突出する突出部15pが形成されている。ケーブル収容部152は、ケーブル誘導部151の下方側Dであって、突出部15pに対向する位置に設けられている。なお、ケーブル誘導部151の突出部15pは、曲がり部13Bを波形状に誘導する誘導部材である。また、ケーブル収容部152は、曲がり部13Bの少なくとも一部を収容する収容部材である。
ケーブル収容部152は、左右方向Yに対して垂直かつ互いに対して平行に配置された一対の側板部15sと、それぞれの側板部15sの隙間を前方側Fから下方側Dにかけて塞ぐ周板部15tとを有している。周板部15tは、その前方側Fならびに下方側Dに位置する部分が平面ではなく、その後端部分が後斜め上方側に反り上がった湾曲面とされている。そのため、ケーブル収容部152の周板部15tは、曲がり部13Bを波形状に誘導する誘導部材として機能する。なお、ケーブル収容部152は、それぞれの側板部15sにおける後方側Bの端縁によって形成された隙間が開放された形状とされている(開放口150参照)。但し、ケーブル収容部152は、電気ケーブル13の曲がり部13Bを波形状に誘導でき、曲がり部13Bの少なくとも一部を収容することができればよく、その形状について限定するものではない。
このような構成により、パネル側保持部11に対してハンドル側保持部12が離間しており、電気ケーブル13が前後方向Xに沿って延伸した状態においては、電気ケーブル13の中途部分がケーブルラック15の突出部15pによって押されることとなる。そのため、電気ケーブル13の中途部分には、僅かに下方側Dに膨らんだ曲がり部13Bが形成されることとなる(図15(a)参照)。そして、パネル側保持部11に対してハンドル側保持部12が近接方向に移動すると、電気ケーブル13がケーブル収容部152の周板部15tに沿うようにして曲げられて上方側Uに向かい(図15(b)参照)、さらに、ハンドル側保持部12が近接方向に移動すると、電気ケーブル13が再び下方側Dに向かって曲げ返され、折り重ねられた状態となる(図15(c)参照)。このとき、後方側Bに向かって延設された上板部15uに沿うようにして電気ケーブル13が折り重ねられることとなる。
こうして、パネル側保持部11に対してハンドル側保持部12が近接方向に移動した場合においては、電気ケーブル13の曲がり部13Bが波形状に形成され、電気ケーブル13が円滑に追従することとなる。
加えて、パネル側保持部11に対してハンドル側保持部12が離間方向に移動した場合においても、電気ケーブル13が円滑に追従することとなる。これは、電気ケーブル13が波形状に曲げられたことで、かかる電気ケーブル13に直線形状に戻ろうとする力がはたらくためである。
以上のように、第二実施形態に係る給電装置10においては、曲がり部13Bが波形状に形成される。
このような給電装置10によれば、パネル側保持部11に対してハンドル側保持部12が近接方向に移動した場合において、電気ケーブル13が折り重ねられるようにして波形状となるため、かかる電気ケーブル13の曲がり部13Bをコンパクト化できる。したがって、より狭小な空間内に配置された移動機構にも適用できる。
加えて、ハンドル側保持部12が近接方向に移動していく状況においては、電気ケーブル13が次第に折り重なって波形状の曲がり部13Bが形成されて電気ケーブル13の架け渡し長さが短縮され、ハンドル側保持部12が離間方向に移動していく状況においては、波形状の曲がり部13Bから次第に引き出されて電気ケーブル13の架け渡し長さが延伸されるため、かかる電気ケーブル13をより円滑に追従させることが可能となる。
次に、図16を用いて、第三実施形態に係る給電装置10について説明する。
図16は、電気ケーブル13に渦巻状の曲がり部13Bが形成される状況の説明図である。なお、図16においては、ハンドル側保持部12を簡略化して図示している。
第三実施形態に係る給電装置10においても、パネル側保持部11と、ハンドル側保持部12と、電気ケーブル13とを有している。但し、本給電装置10には、前述したケーブルラック14,15とは異なるケーブルラック16が備えられている。
ケーブルラック16は、電気ケーブル13の曲がり部13Bを渦巻状に誘導するとともに曲がり部13Bの少なくとも一部を収容するものである。図16に示すように、ケーブルラック16は、主にケーブル誘導部161とケーブル収容部162とで構成されている。ケーブル誘導部161は、電気ケーブル13が通過する通路部分であって、その上方側Uの内面には、下方側Dに向かって突出する突出部16pが形成されている。ケーブル収容部162は、ケーブル誘導部161の下方側Dであって、突出部16pに対向する位置に設けられている。なお、ケーブル誘導部161の突出部16pは、曲がり部13Bを渦巻状に誘導する誘導部材である。また、ケーブル収容部162は、曲がり部13Bの少なくとも一部を収容する収容部材である。
ケーブル収容部162は、左右方向Yに対して垂直かつ互いに対して平行に配置された一対の側板部16sと、それぞれの側板部16sの隙間を前方側Fから下方側Dにかけて塞ぐ周板部16tとを有している。周板部16tは、その前方側Fならびに下方側Dに位置する部分が平面ではなく、その後端部分が後斜め上方側に反り上がった湾曲面とされている。そのため、ケーブル収容部162の周板部16tは、曲がり部13Bを渦巻状に誘導する誘導部材として機能する。なお、ケーブル収容部162は、それぞれの側板部16sにおける後方側Bの端縁によって形成された隙間が開放された形状とされている(開放口160参照)。但し、ケーブル収容部162は、電気ケーブル13の曲がり部13Bを渦巻状に誘導でき、曲がり部13Bの少なくとも一部を収容することができればよく、その形状について限定するものではない。
このような構成により、パネル側保持部11に対してハンドル側保持部12が離間しており、電気ケーブル13が前後方向Xに沿って延伸した状態においては、電気ケーブル13の中途部分がケーブルラック16の突出部16pによって案内されることとなる。そのため、電気ケーブル13の中途部分には、予め巻回された曲がり部13Bが形成されることとなる(図16(a)参照)。そして、パネル側保持部11に対してハンドル側保持部12が近接方向に移動すると、電気ケーブル13が周板部16tに沿うようにして曲げられて曲がり部13Bの周方向に送られ(図16(b)参照)、さらに、ハンドル側保持部12が近接方向に移動すると、電気ケーブル13が引き続き曲がり部13Bの周方向に送られ、巻き重ねられた状態となる(図16(c)参照)。このとき、ケーブル収容部162に設けられた中心軸16cが回転することによって電気ケーブル13が巻き重ねられることとなる。
こうして、パネル側保持部11に対してハンドル側保持部12が近接方向に移動した場合においては、電気ケーブル13の曲がり部13Bが渦巻状に形成され、電気ケーブル13が円滑に追従することとなる。
加えて、パネル側保持部11に対してハンドル側保持部12が離間方向に移動した場合においても、電気ケーブル13が円滑に追従することとなる。これは、電気ケーブル13が渦巻状に曲げられたことで、かかる電気ケーブル13に直線形状に戻ろうとする力がはたらくためである。
以上のように、第三実施形態に係る給電装置10においては、曲がり部13Bが渦巻状に形成される。
このような給電装置10によれば、パネル側保持部11に対してハンドル側保持部12が近接方向に移動した場合において、電気ケーブル13が巻き重ねられるようにして渦巻状となるため、かかる電気ケーブル13に局所的な曲げが生じにくく、かつ電気ケーブル13の曲がり部13Bをコンパクト化できる。したがって、電気ケーブル13に過大な負荷が掛かることを防止できるとともにより狭小な空間内に配置された移動機構にも適用できる。
加えて、ハンドル側保持部12が近接方向に移動していく状況においては、電気ケーブル13が次第に巻き重なって渦巻状の曲がり部13Bが形成されて電気ケーブル13の架け渡し長さが短縮され、ハンドル側保持部12が離間方向に移動していく状況においては、渦巻状の曲がり部13Bから次第に引き出されて電気ケーブル13の架け渡し長さが延伸されるため、かかる電気ケーブル13をより円滑に追従させることが可能となる。
この発明の構成と前述の実施形態との対応において、
給電装置は給電装置10に対応し、
第一構造体はパネル側保持部11に対応し、
第二構造体はハンドル側保持部12に対応し、
電気ケーブルは電気ケーブル13に対応し、
フレキシブルフラットケーブルはFFC130に対応し、
誘導部材は突出部14p,15p,16pに対応し、
収容部材はケーブル収容部142,152,162に対応し、
電気ケーブルの曲がり部は曲がり部13Bに対応し、
外装部材はプロテクタ1に対応し、
外殻部はプロテクタリンク2に対応し、
連結部は連結部3に対応し、
二次元平面は二次元平面Pに対応し、
扁平断面の厚み方向は厚み方向Dtに対応するも、
この発明は、前述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施形態を得ることができる。
例えば、図17に示すように、複数の外殻部21を一体的につなげたプロテクタ1とすることが考えられる。これは、隣り合う外殻部21と外殻部21を樹脂板22でつなげることで実現できる。そして、外殻部21の底板部に比べて樹脂板22を薄く形成することにより、一方側の外殻部21に対して他方側の外殻部21を回動可能とするのである。このようなプロテクタ1においては、樹脂板22が連結部3であるといえる。
ところで、隣り合う外殻部21と外殻部21を樹脂板22でつなげたプロテクタ1は、その全てをポリプロピレン等の樹脂材にて形成することが考えられる。しかしながら、プロテクタ1の全てを樹脂製シート材を折り曲げることによって形成してもよい。樹脂製シート材には、例えばポリエチレンシートやウレタンシートと呼ばれる可撓性樹脂発泡シート材が挙げられる。
このようなプロテクタ1とすれば、前述した各実施形態に係るプロテクタ1に関する効果と同様の効果を得ることができる。さらに加えて、プロテクタ1の軽量化を実現することが可能となる。また、原価の低減や輸送費の低減から低価格化を実現することが可能となる。さらに、簡単に破くことができるので、解体作業の容易化を実現することも可能となる。
また、上述の説明では、SRC121は、内部に巻き回して収容したフレキシブルフラットケーブルによって、ステアリングハンドルHの回転操作に追従できるように構成しているが、SRC121の内部に収容したフレキシブルフラットケーブルは、電気ケーブル13を構成するフレキシブルフラットケーブル130を延長して構成してもよい。
さらに、上述の説明では、給電装置10は、パネル側保持部11に対して矢印Mで示す近接離間方向に移動可能に構成されたハンドル側保持部12に給電するように構成されたが、スライド機構等によって移動可能に構成された移動機構に対して給電するように給電装置10を用いてもよい。
1…プロテクタ
2…プロテクタリンク
3…連結部
10…給電装置
11…パネル側保持部
12…ハンドル側保持部
13…電気ケーブル
13B…曲がり部
14p,15p,16p…突出部
130…フレキシブルフラットケーブル
142,152,162…ケーブル収容部
P…二次元平面
Dt…厚み方向

Claims (10)

  1. 第一構造体と、該第一構造体に対して近接離間方向に移動可能に設けられた第二構造体との間に架け渡される電気ケーブルを備えた給電装置であって、
    前記電気ケーブルが扁平断面の長尺体であるフレキシブルフラットケーブルであり、
    前記フレキシブルフラットケーブルには、前記第一構造体に対して前記第二構造体が近接方向に移動した場合において、前記扁平断面の厚み方向に曲がった曲がり部が形成される
    給電装置。
  2. 前記曲がり部が円弧状に形成された
    請求項1に記載の給電装置。
  3. 前記曲がり部が波形状に形成された
    請求項1に記載の給電装置。
  4. 前記曲がり部が渦巻状に形成された
    請求項1に記載の給電装置。
  5. 前記曲がり部を所定形状に誘導する誘導部材が設けられた
    請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の給電装置。
  6. 前記曲がり部の少なくとも一部を収容する収容部材が設けられた
    請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の給電装置。
  7. 前記曲がり部の少なくとも一部を収容する収容部材が設けられた
    請求項5に記載の給電装置。
  8. 前記電気ケーブルを覆うとともに当該電気ケーブルの変形に伴って形状が変化する外装部材が設けられた
    請求項1に記載の給電装置。
  9. 前記外装部材は、前記電気ケーブルを覆う複数の外殻部と、隣り合う前記外殻部の端部同士を連結する少なくとも一つの連結部とを有し、
    前記連結部は、前記電気ケーブルの長手方向を含む所定の二次元平面に沿って回動可能に構成された
    請求項8に記載の給電装置。
  10. 前記第二構造体がステアリングハンドルに該当する
    請求項1に記載の給電装置。
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