JP2023152689A - 音域を拡張した管楽器 - Google Patents

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Abstract

【課題】演奏時に操作する音孔カバーの数を増やさず、一つの指では一つの音孔カバーだけの操作をすることを維持した上で、演奏可能音域を大幅に拡張する管楽器を提供する。【解決手段】既存音域の音孔カバー4の開閉操作を、拡張音域の音孔カバー4の開閉動作に連動させる特定音程差連動体7と、これとは独立した手段である、高音域側の各音孔3を一つのキー操作で一括して閉塞できる音孔切替手段を有する。これら手段により、音域の選択操作と、既存音域用の音孔カバー4の操作だけで、両音域の演奏を可能にした。また、音孔切替手段として管内壁をスライドして音孔3を管内側から強制的に開閉するスライド板9を提案した。【選択図】図1

Description

この発明は音域を拡張した管楽器に関し、主として管楽器のキーメカニズム、すなわち複数の音孔を開閉制御するための連動機構に関するものである。
管の長手方向に沿って、複数の音孔を配置し、吹口と音孔の間に生じる管内の定在波により音を出す、いわゆる管楽器において、倍音を含まない定在波である基音定在波による音で構成される音域の広さは、吹口からの距離が異なる音孔の数により決まる。ここでの距離は直線距離ではなく管の長手方向に沿った距離である。なお、リコーダー属のように吹口とは別に窓を有する管楽器では、管内の定在波は窓と音孔の間に生成される。
このことは管楽器において、低音域を拡大するには、管の長さを伸ばして、そこに音孔を追加すれば良いし、高音域を拡大するには、管の長さは変えずに既存の音孔よりも、もっと吹口に近い位置に音孔を追加すれば良いことを意味している。しかしながら無制限に音孔の数を増やせるわけではない。両手の指の数は10本であり、1本の指で複数の音孔を開閉操作するようにしたとしても、実用上、開閉制御できる音孔の数は限られることになる。多くの管楽器において、当該音孔の数は、西洋音階でいうところの、1オクターブ分、つまり12個前後である。それ以上の音域の発音は、基音定在波ではなく、倍音定在波による発音に依存している。
特許文献1には、フルートの足部管を延長して音孔と音孔カバーを追加し音域を拡張した例が示されている。標準的なフルートの最低音はC音であるが、管を延長することにより半音下の音である、英語音名でB音、ドイツ語音名ではH音まで発音できるものも広く使われている。特許文献1のフルートでは、さらに半音下の英語音名でB-flat音、ドイツ語音名ではB音まで演奏可能である。それを実現するために、このフルートでは、追加した音孔カバーを開閉操作するための操作レバーを新たに追加している。
実用新案登録第3200582号公報
しかしながら、特許文献1の管楽器での、音孔カバーの開閉操作に着目すると、演奏者は一つの指、すなわち右手小指で5つのキーの操作が必要になっていることが分かる。こうした運指が必要な管楽器では、拡張音域内での早いパッセージの演奏が困難である。また、この方式では、音域を拡張すればする程、新たな操作キーの追加が必要であり、すなわち、前述したパッセージの演奏は増々、困難になる。そのため、この方式の場合、実用的な演奏可能性を考慮すると、拡張できる音域の広さは限定される。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、演奏可能音域を大幅に拡張し、かつ、拡張音域用の新たな操作キーを追加することなく、既存の操作キーで、拡張音域での早いパッセージの演奏が可能な管楽器を提供することを目的とする。
本発明にかかる管楽器は、管1と、その管1に設けた吹口2および複数の音孔3と、その音孔3をそれぞれ開閉する音孔カバー4と、を有する管楽器であって、特定の音程差の音を発する2つの音孔の音孔カバーの開閉動作を連動させる手段を備える複数の特定音程差連動体7と、前記特定音程差連動体7によって連動して開閉される音孔のうち高音側にある音孔の集合である高音側音孔集合5と、前記特定音程差連動体7によって連動して開閉される音孔のうち低音側にある音孔の集合である低音側音孔集合6と、前記特定音程差連動体7による音孔カバー間の連動動作よりも優先して動作し、前記低音側音孔集合6の音孔カバーの開閉動作に影響を与えることなく、一つのキー操作によって一括して、前記高音側音孔集合5の全ての音孔から音が出ない状態にする音孔切替手段とを備えることを特徴とする管楽器である。
また、本発明にかかる管楽器は、前記音孔切替手段として、スライド板9を有し、前記スライド板9は、前記管1の内表面に沿って、円周方向、長手方向もしくは螺旋方向にスライドするか、または、前記管1の内部を径方向にスライドする、ことを特徴とする管楽器である。
また、本発明にかかる管楽器は、前記音孔切替手段として、流路変更手段12を有し、前記管1は、本管10と前記本管10から分岐する高音分岐管11と低音分岐管36を有し、前記高音分岐管11に前記高音側音孔集合5の音孔を配置し、前記低音分岐管36に前記低音側音孔集合6の音孔を配置し、前記流路変更手段12は前記本管10が前記高音分岐管11と前記低音分岐管36とに前記分岐する位置に配置され、前記本管10から流入する息の流路を前記高音分岐管11と前記低音分岐管36との間で切り替えるものであることを特徴とする管楽器である。
本発明の管楽器では、演奏可能音域を大幅に拡張でき、かつ、拡張音域用の新たな操作キーの追加は不要であり、拡張音域も既存の操作キーで演奏が可能である。このため、拡張音域の演奏において、一つの指を異なる複数の操作キーの間を行き来させての演奏は不要になり、早いテンポで演奏することが可能になる。
本発明の管楽器の概略平面図と概略正面図と概略断面図である。 円周方向にスライドするスライド板を採用した本発明の管楽器の概略断面図である。 スライド板以外の音孔切替手段を使って高音域を拡張した管楽器の概略平面図と断面図である。 スライド板以外の音孔切替手段を使って低音域を拡張した管楽器の概略平面図と断面図である。 本発明の請求項3にかかる管楽器の概略平面図と概略正面図と概略断面図である。 本発明の請求項3にかかる管楽器の概略平面図と概略正面図と概略断面図である。 本発明の請求項3にかかる管楽器の概略平面図の一例である。 低音域を完全4度拡張して右手で完全4度分を操作する管楽器の音孔カバーの連動関係図である。 低音域を完全4度拡張して右手で完全5度分を操作する管楽器の音孔カバーの連動関係図である。 低音域を完全4度拡張して左手で増4度分を操作する管楽器の音孔カバーの連動関係図である。 高音域を完全8度拡張して両手で長7度分を操作する管楽器の音孔カバーの連動関係図である。 本発明の請求項3にかかる管楽器であり図7とは別の例の概略平面図と概略正面図である。
管楽器の音域を大幅に拡張するには、前述したように、拡張したい音域方向に多数の音孔を追加すればよいが、追加した音孔を開閉する手段が問題となる。本発明は、前記追加した音孔の音孔カバーの開閉操作を、既存音域にある既存音孔を開閉するための既存する音孔カバーの開閉操作により行えるようしたものである。本発明の特定音程差連動体とは、既存音域の音孔カバーに対する開閉操作により、拡張音域の音孔カバーが開閉動作するように、これらの音孔カバーの間を機械的または電磁気的に連結する連動体である。本発明の管楽器を使う演奏者は既存音域の音孔カバーを開閉操作することで既存音域と拡張音域の両方の音域の演奏を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の管楽器を示し、スライド板9が管1内の長手方向にスライドする管楽器の概略図である。本発明の管楽器は、管1と、その管1に設けた吹口2および複数の音孔3と、その音孔3をそれぞれ開閉する音孔カバー4と、を有する管楽器であって、図1の管楽器では、低音方向に音域を拡張している。図1(a)は、スライド板9が、スライド前の状態を、図1(b)は、スライド後の状態を示している。 図1(c)は、図1(b)の管楽器のA-A断面図である。
はじめに図1で示す各部のうち、従来技術で実現している音孔カバー間の連動手段を説明する。それらは、音孔カバー連動シリンダー13、音孔カバー接続アーム14、音孔カバー回転用軸15により提供されている。各音孔3の開閉は、その上部に配置した音孔カバー4を指で押下する、あるいは音孔カバー4から指を離上することで行う。各音孔カバー4は、音孔カバー4毎に独立した音孔カバー連動シリンダー13に音孔カバー接続アーム14を介して結合されており、これらは一体となって、音孔カバー回転用軸15の周りを回転することで、各音孔3の開閉を行う。
隣接する音孔カバー4の開閉動作を連動させる場合は、共通の音孔カバー連動シリンダー13に各々の音孔カバー接続アーム14を結合することで行う。遠隔している音孔カバー4の開閉動作を連動させる場合は、各々の音孔カバー連動シリンダー13と、共通の音孔カバー回転用軸15とを径方向に貫通するピンで結合させる、あるいはブリッジ状の接続体を使って結合させる、あるいは各々の音孔カバー連動シリンダー13からの突起物を接触させて回転力を伝達する方法等により行う。このような、隣接または遠隔する音孔カバー4の間で開閉動作を連動させる方法は、19世紀にドイツ人発明家であるテオバルト・ベーム氏が実用化して以来、フルートを含む木管楽器類において従来から広く実施されているものである。
ここまでが従来技術部分の説明である。これらに対して、本発明にかかる図1の管楽器では、拡張前の音域である既存音域を司る高音側音孔集合5の各音孔カバー4に対する開閉操作と、拡張音域を司る低音側音孔集合6の各音孔カバー4の開閉動作とを連動させる特定音程差連動体7を有する。すなわち、本発明の管楽器は、特定の音程差の音を発する2つの音孔の音孔カバーの開閉動作を連動させる手段を備える複数の特定音程差連動体7を有するものであり、高音側音孔集合5は、特定音程差連動体7によって連動して開閉される音孔のうち高音側にある音孔の集合であり、低音側音孔集合6は、特定音程差連動体7によって連動して開閉される音孔のうち低音側にある音孔の集合である。この特定音程差連動体7により、演奏者は既存音域の演奏のための音孔カバー4の開閉操作と、拡張音域の演奏のための音孔カバー4の開閉操作を、前者の音孔カバー4だけの操作で行うことが可能になる。
しかし、これらの特定音程差連動体7のみでは、高音域側の演奏はできても、低音域側の演奏はできない。なぜなら、管内に発生する基音定常波は、吹口2または窓34と、これらからの距離が最も近い開放状態の音孔3との間に生成されるためである。すなわち、低音域側の演奏の時に、特定音程差連動体7による連動動作によって高音側音孔集合5に1つでも開放状態の音孔3があると、演奏者の意図とは反し、高音域側の音が当該音孔3から発せられることになるためである。このことから、低音域側の演奏の時には、特定音程差連動体7による、高音側音孔集合5の音孔カバー4を開閉するための連動動作が音孔3を開放状態にする動作状態にあっても、特定音程差連動体7とは異なる手段によって前記音孔3を閉塞状態にする、あるいは、その手段によって前記音孔3に息が到達しないようにする、等により、当該音孔3からは音が出ない状態にしておく必要があることが分かる。これを実現するために、本発明にかかる管楽器では、前記特定音程差連動体7による音孔カバー間の連動動作よりも優先して動作し、前記連動動作の状態に関係なく、かつ、前記低音側音孔集合6の音孔カバーの開閉動作に影響を与えることなく、一つのキー操作によって一括して、前記高音側音孔集合5の全ての音孔3から音が出ない状態に切り替える音孔切替手段を有している。つまり、この音孔切替手段は、特定音程差連動体7が、高音側音孔集合5の一部または全部の音孔カバー4を開放させる動作状態であっても、前記低音側音孔集合6の音孔カバーの開閉動作に影響を与えることなく、一つのキー操作によって一括して、前記高音側音孔集合5の全ての音孔から音が出ない状態にする手段である。図1の管楽器ではスライド板9が音孔切替手段に該当する。演奏者が既存音域である高音域の演奏をする場合は、スライド板9を図1(a)の位置に配置して高音側音孔集合5の音孔3を開放状態にし、拡張音域である低音域の演奏をする場合は図1(b)の位置に配置して当該音孔3を閉塞状態にすることで、いずれの音域の演奏も高音側音孔集合5の音孔カバー4の開閉操作だけで可能になる。
スライド板9は、管1の内部に配置され、内部表面に沿ってスライドし、その位置によって、音孔3の開閉状態を管1の内部から変更できるようにしたものである。スライド板9の形状と、各音孔3の形状と、これらの相対的な位置関係により、各音孔3の開閉状態の組合せパターンが変わる。例えば図1(a)のスライド板9では、3つのスライド板貫通孔16を設けて、それらと、高音側音孔集合5の3つの音孔3が重なる位置にスライド板9がある時は、当該3つの音孔3は開放状態になる。一方で、図1(b)に示すように、これらが重ならない位置にスライド板9がある時は、当該3つ音孔3は閉塞状態になる。
図1(c)は、図1(b)におけるA-A断面図である。スライド板9は管1に開けた小さなスリット状のスリット孔17を通してスライド板操作キー18と一体化している。演奏者はスライド板操作キー18を使って管1の外部からスライド板9を管1の長手方向にスライド操作する。これにより、図1(a)と図1(b)に示す高音側音孔集合5の3つ音孔3を一括して同時に開閉することが可能になる。なお、図1(c)で3つの特定音程差連動体7を音孔カバー4から放射状に配置したのは、特定音程差連動体7同士が互いに干渉することを避けるためである。
図2は、円周方向にスライドするスライド板9を採用した管楽器の概略断面図を示している。この管楽器では、スライド板操作キー18を押下操作することにより、スリット孔17を通してスライド板9と結合している突起が円周方向に押される。これにより、スライド板9が管1の内部を円周方向にスライドする。図2において太い実線で示すスライド板9は、スライド前の位置を、破線はスライド後の位置を示している。太い実線の位置では、音孔3は開放されている。一方で、破線の位置では、音孔3はスライド板9によって管1の内部から閉塞されている。
スライド板9は、図1に示す長手方向にスライドする物や図2に示す円周方向にスライドする物に限定しない。スライドの可動範囲の制約がある場合は螺旋方向にスライドするスライド板9も考えられる。さらには、管の内部を径方向にスライド移動するスライド板9、すなわち、音孔3の閉塞時は管の内壁に接触しており、音孔3の開放時には、内壁から離脱するスライド板9も考えられる。
また、スライド板9は図1と図2に示した高音側音孔集合5に含まれる音孔3のみを一括して閉塞あるいは開放する物に限定しない。スライド板9の移動により高音側音孔集合5の全ての音孔を閉塞状態にすると当時に、その高音側音孔集合5には含まれない一部の音孔3も閉塞状態にするようなスライド板9の形状にすることもできる。また、スライド板9の移動により高音側音孔集合5に含まれない一部の音孔3は開放から閉塞に遷移すると同時に、それと異なる音孔3は閉塞から開放に遷移するようなスライド板9の形状にすることもできる。さらに、スライド板9の停止位置は2か所に限定するものでもない。3つ以上の停止位置を設定して、その位置によって、複数の音孔3の開閉状態の組合せパターンが変わるようなスライド板9の形状にすることもできる。
図3は音孔切替手段としてスライド板9以外の一括閉塞手段を使って高音域を拡張した管楽器の概略図である。図3(a)は概略平面図である。図3(a)で一括閉塞手段は、高音域連結体回転用軸30の周りを回転する高音域連結体シリンダー31と、そこから音孔カバー4側に伸びた高音域連結体アーム32と、高音域連結体操作キー33と、が一体化された回転体により提供される。
図3(b)は図3(a)のA-A断面図である。図3(b)において高音域連結体操作キー33が離上している状態を太い実線で、押下されている状態を破線で示している。押下受け突起27は、高音側音孔集合5の音孔カバー4と一体化している棒状の突起物であり、前記高音域連結体アーム32の下部に配置されている。演奏者が高音域連結体操作キー33を押下操作、または離上操作することで、前記の回転体が回転して、前記高音域連結体アーム32が押下受け突起27から離上、または押下受け突起27を押下することで、高音側音孔集合5の3つの音孔カバー4を一括して開閉するものである。
図3の管楽器では、高音側音孔集合5の音孔カバー4と低音側音孔集合6の音孔カバー4を連動させる特定音程差連動体7は、図1に示したような、音孔カバー4の間を結合したものではなく、音孔カバー連動シリンダー13の間を結合するブリッジ状の結合体である。押下突起24は、低音側音孔集合6の音孔カバー4と一体化している棒状の突起物である。特定音程差連動体アーム26は音孔カバー連動シリンダー13と一体化し押下突起24の下部まで延伸しているアームである。低音側音孔集合6側の音孔カバー4の開閉操作により、押下突起24が、特定音程差連動体アーム26を押下する、または特定音程差連動体アーム26から離上することにより、音孔カバー連動シリンダー13が回転し、特定音程差連動体7を介して、遠隔する高音側音孔集合5側の音孔カバー4が開閉される。
図4も音孔切替手段として図3と同じ一括閉塞手段を用いた管楽器の概略図である。図4の管楽器では、低音側に音域を拡張している。この管楽器では、既存音域側である高音側音孔集合5の音孔カバー4の直上に音孔カバー押下キー25が配置されている。音孔カバー押下キー25は音孔カバー連動シリンダー13に結合し、さらに特定音程差連動体7を介して拡張音域側である低音側音孔集合6の音孔カバー4に結合している。演奏者が音孔カバー押下キー25を押下または離上することにより、直下に配置されている既存音域側である高音側音孔集合5の音孔カバー4が開閉され、それと同時に特定音程差連動体7で結合された拡張音域側の低音側音孔集合6の音孔カバー4が開閉される。
図4(b)は図4(a)の管楽器のA-A断面図である。図4(b)において高音域連結体操作キー33が離上している状態を太い実線で示している。この状態のときは、高音域連結体アーム32により、押下受け突起27が押下され、その結果、高音側音孔集合5の音孔カバー4は閉塞された状態になる。この状態においては、音孔カバー押下キー25の離上および押下操作により、拡張音域音側の音孔カバー4のみ開閉され、既存音域側である高音側音孔集合5の音孔カバー4は閉塞された状態を維持する。
また、図4(b)において高音域連結体操作キー33が押下されている状態を破線で示している。この状態のときは、高音域連結体アーム32は、押下受け突起27から離上しており、その結果、高音側音孔集合5の音孔カバー4は開放された状態になる。この状態においては、音孔カバー押下キー25の離上および押下操作により、直下にある音孔カバー4が開閉動作すると共に、特定音程差連動体7で結合された拡張音域音側の音孔カバー4も連動して開閉動作する。
図5は、本発明の管楽器の請求項3に関わり、高音側に音域を拡張したリコーダーの概略図を示している。図5(a)は平面図、図5(b)はその正面図、図5(c)は図5(b)のA-A断面図である。このリコーダーは、吹口2を持つ本管10から入った息が流入する経路を複数有しており、演奏時に経路を選択し変更する流路変更手段12を有する。このリコーダーでは既存音域側である低音側音孔集合6を相対的に長い流路を持つ低音分岐管36に配置し、拡張音域側である高音側音孔集合5を相対的に短い流路を持つ高音分岐管11に配置し、それらの音孔カバー4の間を特定音程差連動体7で接続している。すなわち、図5に示すリコーダーは、図1~4の管1が、本管10と前記本管10から分岐する高音分岐管11と低音分岐管36を有するものであり、流路変更手段12は、本管10から流入する息の流路を高音分岐管11と低音分岐管36との間で切り替えるものである。
このリコーダーでは前記本管10が前記高音分岐管11と前記低音分岐管36とに前記分岐する位置に配置される流路変更手段12として三方弁を採用しており、これが、音孔切替手段に該当する。前記三方弁は流路変更リンク機構35により流路変更キー19と連結している。流路変更キー19の押下操作または離上操作によって、流路変更リンク機構35を介して三方弁が回転して、吹口2から入った空気が流入する管が切り替わり、それにより、定在波が発生する管が変わる。図5(a)と図5(b)において、流路変更手段12内の濃い網掛け部分28は三方弁内部の流路遮断壁が高音分岐管11を遮断する位置にある状態を示している。薄い網掛け部分29は三方弁内部の流路遮断壁が低音分岐管36を遮断する位置にある状態を示している。なお、このリコーダーでは、窓34は各流路に各々配置しているが、各流路に共通の窓34として、吹口2と流路変更手段12との間に配置することもできる。
図6も請求項3に示す本発明にかかる管楽器の概略図である。図6(a)は平面図、図6(b)はその正面図、図6(c)は図6(b)のA-A断面図である。この管楽器はフルートに代表される横笛であり低音側に音域を拡張している。各部の動作は図5に示したリコーダーの例と同様である。
図7も請求項3に示す管楽器であり、高音側に音域を拡張し、吹口2を持つ本管10を挟んで、左右両側に流路がある管楽器の概略図である。図7の管楽器の流路変更手段12は吹口2を挟んで左右両側に配置された2つの流路切替バルブで構成される。これら2つの流路切替バルブは流路変更キー19の操作により流路変更リンク機構35を介して連動して動作し、右側の流路切替バルブが開放状態のときは左側の流路切替バルブは閉塞状態になり、右側の流路切替バルブが閉塞状態のときは左側の流路切替バルブは開放状態になる。拡張音域側である高音側音孔集合5は吹口2の左側の高音分岐管11に配置し、既存音域側である低音側音孔集合6は吹口2の右側の低音分岐管36に配置し、それらの音孔カバー4を特定音程差連動体7で接続している。流路変更キー19の操作により、吹口2から入った空気の流入方向が切り替わることで、定在波が発生する管と音孔が切り替わる。
図12の管楽器は図7の管楽器と同様に、高音側に音域を拡張し、吹口2を持つ本管10を挟んで、左右両側に流路がある管楽器の概略図である。図12(a)は平面図、図12(b)と(c)は正面図である。図12では、本管10、高音分岐管11、低音分岐管36、流路変更手段12だけを示しており、音孔3、音孔カバー4、特定音程差連動体7は省略している。図7の管楽器との違いは、図7の管楽器の流路変更手段12は、2つの流路切替バルブで構成されていたが、図12の管楽器では、本管10の管の内表面に沿って管の長手方向に可動するスライド板で構成される。スライド板はスライド板貫通孔16を2個持っている。本管10と高音分岐管11は管の中心軸が互いに偏心した位置で結合しており、本管10に入った空気は、高音分岐管貫通孔37を通して高音分岐管11に流入する。同様に、本管10と低音分岐管36は管の中心軸が互いに偏心した位置で結合しており、本管10に入った空気は、低音分岐管貫通孔38を通して低音分岐管36に流入する。図12(b)に示すように、一方のスライド板貫通孔16と低音分岐管貫通孔38が一致する位置にスライド板がある時は、他方のスライド板貫通孔16と高音分岐管貫通孔37の位置は一致せず、前記高音分岐管貫通孔37はスライド板により閉塞される。逆に、図12(c)に示すように、2個の前記スライド板貫通孔16のうち、一方のスライド板貫通孔16と高音分岐管貫通孔37が一致する位置にスライド板がある時は、他方のスライド板貫通孔16と低音分岐管貫通孔38の位置は一致せず、前記低音分岐管貫通孔38はスライド板により閉塞される。このようにすることで、演奏者は流路変更キー19を使って、スライド板を管の長手方向に移動することで、本管10に入った息が流入する管を切り替えることができる。また、管の円周方向や螺旋方向にスライドするスライド板や、管の内部を径方向にスライドするスライド板も可能である。
また、流路変更手段12として、一つの流路だけを開放状態にする流路選択に加えて、複数の流路を開放状態にする流路選択ができる流路切替バルブを設置することで、単音だけでなく和音を発する管楽器も可能である。さらに、流路は2つである必要はなく、3つ以上の流路を有する管楽器も可能である。
以下では、フルートを例に取って、本発明により音域を拡張した5つの例を図8~図12に示す。
なお、図8~図12に描いた音孔カバー4には太い線で描いたものと、細い線で描いたものがあるが、前者は指で押下操作する音孔カバー4を示し、後者はそれに連動して開閉動作する音孔カバー4を示している。また、矢印は、これらの連動関係を示しており、矢尻側の音孔カバー4を押下操作することで矢先側の音孔カバー4がそれに連動して押下されることを示している。矢尻にある黒い丸は、押下する側の音孔カバー4であることを視覚的に分かり易く示すための物である。また、各音孔カバー4の中央に記した記号は、当該音孔カバー4によって開閉される音孔3が開放状態の時に当該音孔3から発する基底定在波の音程を示している。以下、各音孔3および各音孔カバー4の名称は前記音程の名称を使って表現する。また、実線の矢印は特定音程差連動体7を示し、破線の矢印は、従来フルートの音孔カバー間の連動関係20を示す。
また、従来のフルートでは、DトリルキーとDisトリルキーと一般に称されている音孔カバー4と、それらを開閉するための操作レバーがあるが図8~図10では省略している。図8~図10に示すフルートにおいては、これら2種類の音孔カバー4と本発明との関連性はないためである。また、図11においては、これら2種類の音孔カバー4それぞれについて、既存音域と拡張音域の音孔カバー4の間を特定音程差連動体7で連動させる管楽器も考えらえるが、図11で示す特定音程差連動体7と同一の方法で実現可能であることは自明であるので省略している。
図8は、従来のフルートの音孔列21に対して低音側音孔集合6を追加して音域を低音方向に完全4度、拡張した例を示している。特定音程差連動体7による2つの音孔3の間の音程差は完全5度である。ここで既存音域側である高音側音孔集合5は、g、f#、f、e、d#の5つの音孔3から構成されている。また、拡張音域側である低音側音孔集合6は、c、H、B、A、G#の5つの音孔3から構成されている。これら2つの音域の各音孔カバー4の間を、5つの特定音程差連動体7によって連動させている。演奏者は、既存音域の音を発する時は、スライド板操作キー18を使って、スライド板9を高音側音孔集合5の各音孔3が開放状態になる位置に配置し、高音側音孔集合5の各音孔カバー4を操作する。また、拡張音域の音を発音する時は、スライド板操作キー18を使って、スライド板9を高音側音孔集合5の各音孔3が閉塞状態になる位置に配置し、高音側音孔集合5の各音孔カバー4を操作する。つまり、演奏者は既存音域の演奏も拡張音域の演奏も、スライド板操作キー18で演奏音域を選択することで、高音側音孔集合5の音孔カバー4の操作だけで可能になる。
なお、dとc#の音孔カバー4は高音側音孔集合5の各音孔カバー4でも、低音側音孔集合6の各音孔カバー4でもない。これらは従来フルートで存在している音孔カバー4である。また、スライド板9が高音側音孔集合5の各音孔カバー4を開放する位置の時に、従来フルートの最低音であるcの音程を発する運指、すなわち、g、f#、f、e、d#、d、c#の全ての音孔カバー4を閉状態にすると、演奏者の意図はc音程を発することであるにも関わらず、c、H、B、A、G#の音孔カバー4も閉状態になることから、意図に反してG音程が発することになる。このような意図しない全閉状態を回避するための音孔が全閉回避孔22である。図8の全閉回避孔22は大きな楕円形状にしている例だが、小さい孔を複数配置することでも同様の効果を発する。これら3つの音孔3、すなわちdとc#の音孔3と、全閉回避孔22は、高音側音孔集合5の音孔3ではないが、スライド板9により開閉される。
図9は、図8と同じく、従来のフルートの音孔列21に対して低音側音孔集合6を追加して音域を低音方向に完全4度、拡張した例を示している。図8と異なるのは、特定音程差連動体7による2つの音孔3の間の音程差は完全4度であること、既存音域側である高音側音孔集合5としてd、c#の2つの音孔3が追加され、7つの音孔3から構成されていること、および、拡張音域側である低音側音孔集合6側にも同じく、d‘、c#’の2つの音孔3が追加され、7つの音孔3から構成されていることである。これにより、図8に比べて、既存音域側である高音側音孔集合5の音孔カバー4の操作で演奏可能な音域が長2度だけ広くなっている。この図9が示すように、高音側音孔集合5の一部であるd、c#の音孔3と、低音側音孔集合6の一部であるd‘、c#’の音孔3は、どれも同じ音孔ではあってはならないが、各音孔が発する音程や音域は重複していても良い。
図10も、従来のフルートの音孔列21に対して低音側音孔集合6を追加して音域を低音方向に完全4度、拡張した例を示している。特定音程差連動体7による2つの音孔3の間の音程差は完全8度である。図10の高音側音孔集合5の音孔3はc#1、c1、h、b、a、gisの6つであり、低音側音孔集合6の音孔3は、c#、c、H、B、A、Gisの6つである。高音側音孔集合5のaの音孔カバー4は拡張音域側のAとG#の2つの音孔カバー4と連動するが、このうちG#の音孔は、低音側音孔集合6には含まれない。なぜなら、図10のフルートにおいては、特定音程差連動体7による2つの音孔3の間の音程差は完全8度であるが、前記G#の音孔3と、前記音程差を持つg#の音孔3との間に、特定音程差連動体が存在しないからである。このように、特定音程差連動体7によって連動する、特定音程差を持つ2つの音孔カバーが存在する必要があるが、それ以外の音孔カバーの開閉動作を連動する手段も特定音程差連動体7が有することを排除するものではない。
図11は、従来のフルートの音孔列21に対して、高音方向に音孔3を追加して、完全8度、音域を拡張した例である。特定音程差連動体7による2つの音孔3の間の音程差は完全8度である。図11において、既存音域側である低音側音孔集合6は、c#1、c1、h、b、a、gis、f#、f、e、d#、の音孔3から構成されている。ここで、g#とgの音孔3は特定音程差連動体7に連結されていないので、低音側音孔集合6の音孔3には含まれない。また、拡張音域側である高音側音孔集合5は、c#2、c2、h1、b1、a1、gis1、f#1、f1、e1、d#1、の音孔3から構成されている。ここでも、g#1とg1の音孔3は特定音程差連動体7に連結されていないので、高音側音孔集合5の音孔3には含まれない。図11で、高音側音孔集合5の音孔3の下部に示した破線矢印は拡張音域側である高音側音孔集合5の音孔カバー間の連動関係23を示している。このように、拡張音域側の複数の音孔3の間を連動させる機構を持たせることも可能である。また、図11に示すように、高音側音孔集合5を構成する音孔3の集合が、半音階を含む全ての音程を隙間なく発する連続した音域を構成している必要はない。これは低音側音孔集合6についても同じである。
図8~図12まで、本発明を適用した5つのフルートを示した。本発明を適用できる管楽器は、幅広く、縦笛、横笛のどちらにも適用できる。また、発音原理への依存性はなく、フルート族、リコーダー族、リード楽器などに適応できる。
また、本発明ではスライド板操作キー18あるいは高音域連結体操作キー33あるいは流路変更キー19の操作のために指を一つ使うことになるが、リコーダーやフルートのような笛では右手親指は、管1を支える目的だけに使い音孔カバー4の開閉操作には使用していないことから、この指を割り当てることで、他の指による音孔カバー4の操作に影響が出ることはない。従来、右手親指が司っていた管1を支える役割は、管1に固着するレバーやリングを設けて、それを右手親指の関節や、その近辺で支えることで代用できる。また、いうまでもなく、スライド板操作キー18あるいは高音域連結体操作キー33あるいは流路変更キー19を操作する指は、前述した右手親指に限定するものではない。また、これらのキーは、図1~図12のフルートやリコーダーの例で示したような、従来の管楽器には無かった新たなキーである必要はない。既存の音孔カバー4や既存のキーやレバーに追加する連動機構として、高音側音孔集合5から音が出ない状態にする機構を備えても良い。例えば、従来のフルートにおいてd音を発する音孔3の音孔カバー4の開閉操作は右手小指で行われるが、当該の音孔カバー4の動作に連動して、スライド板9が移動して高音側音孔集合5の音孔3を閉塞する機構を備えても良い。
また、この本発明を応用して、3つ以上の音孔カバー4を連動させて、特定音程差が2つ以上ある特定音程差連動体7を持つ管楽器も可能である。例えば、4つの音孔カバー4を連動させて、1つ目と2つ目、2つ目と3つ目、3つ目と4つ目、それぞれの音孔3の間の音程差を、複数ある特定音程差連動体の間で一定にしたフルートも可能である。このフルートでは、高音側音孔集合5は3つ存在し、音孔切替手段による音孔3の切替パターンを4パターン持つことになる。こうしたフルートでは、4オクターブを超える音域を持つフルートも可能である。また、特定音域差を完全4度とすることで片手操作だけで、従来のフルートと同じ3オクターブの音域をもつフルートも可能である。
このように、本発明の管楽器は、特定音程差連動体7によって連動して開閉される音孔のうち高音側にある音孔の集合である高音側音孔集合5と、特定音程差連動体7によって連動して開閉される音孔のうち低音側にある音孔の集合である低音側音孔集合6とを備えるとともに、特定音程差連動体7による音孔カバー間の連動動作よりも優先して動作し、前記低音側音孔集合6の音孔カバーの開閉動作に影響を与えることなく、一つのキー操作によって一括して、高音側音孔集合5の全ての音孔3から音が出ない状態に切り替える音孔切替手段を有していることを特徴とするものである。この構成により、低音域側の演奏時に、特定音程差連動体7による、高音側音孔集合5の音孔カバー4を開閉するための連動動作が音孔3を開放状態にする動作状態にあったとしても、当該音孔3からは音が出ない状態にしておくことができるので、高音域側の音が発せられることがない。その結果、演奏時に操作する音孔カバーの数を増やさず、一つの指では一つの音孔カバーだけの操作をすることを維持した上で、演奏可能音域を大幅に拡張することができ、かつ、音域の選択操作と、既存音域用の音孔カバー4の操作だけで、低音域側と高音域側の両音域の演奏が可能となるため、拡張音域用の新たな操作キーの追加は不要であり、拡張音域についても既存の操作キーで早いパッセージを演奏することができる。さらに、本発明の管楽器では拡張音域の運指が既存音域の運指と同一または類似したものになるので、演奏者による拡張音域の演奏技術の習得が容易である。例えば、図8のフルートにおいて、既存音域であるgからdの運指は、拡張音域のcからGの運指と同一である。このように本発明は、演奏可能音域の拡張性、拡張音域の演奏容易性、演奏技術の習得容易性において、特許文献1にあるような先行技術と比較して格別の効果を奏するものである。
本発明により、従来の管楽器に比べて、より広い音域も持った楽器を提供できるので、演奏家の音楽表現の自由度が広がる。加えて、従来技術よりも簡単な運指で拡張音域の早いパッセージを演奏することができるようになる。また、片手で両手と同等の音域の演奏が可能な楽器も提供できる。これらから、楽器製造メーカは、演奏家にとって、より魅力的な楽器を提供することが可能となる。
1 管
2 吹口
3 音孔
4 音孔カバー
5 高音側音孔集合
6 低音側音孔集合
7 特定音程差連動体
9 スライド板
10 本管
11 高音分岐管
12 流路変更手段
13 音孔カバー連動シリンダー
14 音孔カバー接続アーム
15 音孔カバー回転用軸
16 スライド板貫通孔
17 スリット孔
18 スライド板操作キー
19 流路変更キー
20 従来フルートの音孔カバー間の連動関係
21 従来フルートの音孔列
22 全閉回避孔
23 拡張音域の音孔カバー間の連動関係
24 押下突起
25 音孔カバー押下キー
26 特定音程差連動体アーム
27 押下受け突起
28 高音分岐管を遮断する位置にある流路遮断壁
29 低音分岐管を遮断する位置にある流路遮断壁
30 高音域連結体回転用軸
31 高音域連結体シリンダー
32 高音域連結体アーム
33 高音域連結体操作キー
34 窓
35 流路変更リンク機構
36 低音分岐管
37 高音分岐管貫通孔
38 低音分岐管貫通孔

Claims (3)

  1. 管(1)と、その管(1)に設けた吹口(2)および複数の音孔(3)と、その音孔(3)をそれぞれ開閉する音孔カバー(4)と、を有する管楽器であって、
    特定の音程差の音を発する2つの音孔の音孔カバーの開閉動作を連動させる手段を備える複数の特定音程差連動体(7)と、
    前記特定音程差連動体(7)によって連動して開閉される音孔のうち高音側にある音孔の集合である高音側音孔集合(5)と、
    前記特定音程差連動体(7)によって連動して開閉される音孔のうち低音側にある音孔の集合である低音側音孔集合(6)と、
    前記特定音程差連動体(7)による音孔カバー間の連動動作よりも優先して動作し、前記低音側音孔集合(6)の音孔カバーの開閉動作に影響を与えることなく、一つのキー操作によって一括して、前記高音側音孔集合(5)の全ての音孔から音が出ない状態にする音孔切替手段とを備える
    ことを特徴とする管楽器。
  2. 前記音孔切替手段として、スライド板(9)を有し、
    前記スライド板(9)は、前記管(1)の内表面に沿って、円周方向、長手方向もしくは螺旋方向にスライドするか、または、前記管(1)の内部を径方向にスライドする、
    ことを特徴とする請求項1記載の管楽器。
  3. 前記音孔切替手段として、流路変更手段(12)を有し、
    前記管(1)は、本管(10)と前記本管(10)から分岐する高音分岐管(11)と低音分岐管(36)を有し、
    前記高音分岐管(11)に前記高音側音孔集合(5)の音孔を配置し、
    前記低音分岐管(36)に前記低音側音孔集合(6)の音孔を配置し、
    前記流路変更手段(12)は前記本管(10)が前記高音分岐管(11)と前記低音分岐管(36)とに前記分岐する位置に配置され、前記本管(10)から流入する息の流路を前記高音分岐管(11)と前記低音分岐管(36)との間で切り替えるものである
    ことを特徴とする請求項1記載の管楽器。
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