JP2023147552A - 拡張保持リング取り外し治具及び拡張保持リング取り外し方法 - Google Patents

拡張保持リング取り外し治具及び拡張保持リング取り外し方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2023147552000001
【課題】拡張保持リングを傷つけることなく拡張保持リングをフレームから取り外すことが可能な拡張保持リング取り外し治具及び拡張保持リング取り外し方法を提供する。
【解決手段】拡張保持リング100を外嵌保持する環状の保持溝24と、保持溝24よりも内側に設けられ、拡張保持リング100により拡張状態となっているダイシングテープ4を支持するシート支持面26と、を有するベース部材12と、シート支持面26に対向する位置に設けられたシート押え面34を有するシート押え部材14と、を備え、ベース部材12は、保持溝24よりも内側の位置であり、且つ、シート押え面34によるダイシングテープ4の押さ位置よりも外側の位置にカッター16を逃がすための環状の逃がし溝38を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、拡張保持リング取り外し治具及び拡張保持リング取り外し方法に係り、特にダイシングテープの拡張状態を保持する拡張保持リングをダイシングフレームから取り外すための拡張保持リング取り外し治具及び拡張保持リング取り外し方法に関する。
従来、半導体チップ(以下、チップと言う。)の製造にあたり、例えば、レーザ照射等によりその内部に分割予定ラインが予め加工された半導体ウェーハ(以下、ウェーハと言う。)を、分割予定ラインに沿って個々のチップに分割(個片化とも言う。)するワーク分割装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
ウェーハは、ダイシングテープに貼付されており、ダイシングテープはダイシングフレーム(以下、フレームと言う。)に外周部が固定されている。ワーク分割装置は、エキスパンドリングによってダイシングテープを拡張してウェーハを個々のチップに分割し、その後、ダイボンダーによるチップの取り外しを行うために、拡張保持リングによってダイシングテープを拡張状態で保持する。
また、特許文献2に開示された拡張保持リングは、外径がフレームの内径よりも小さく、内径がエキスパンドリングの外径よりも大きい本体リングと、本体リングの外周部に装着されて、外径がフレームの内径よりも大きい弾性変形可能な樹脂製の嵌合部(以下、リップ部と言う。)と、を有している。
特開2021-176201号公報 特開2021-64811号公報
ところで、ダイボンダーによるチップの取り外し作業が完了すると、拡張保持リングを繰り返し使用するために、拡張保持リングをフレームから取り外す作業が行われる。この取り外し作業は、作業者がナイフ等の切断刃を使用して、フレームとリップ部との間に位置するダイシングテープをリップ部に沿って切断することで実施している。しかしながら、このような取り外し作業では、切断刃によってリップ部を傷つける場合がある。
本発明は、このような問題に鑑みて成されたものであり、拡張保持リングを傷つけることなく拡張保持リングをフレームから取り外すことが可能な拡張保持リング取り外し治具及び拡張保持リング取り外し方法を提供することを目的とする。
本発明の拡張保持リング取り外し治具は、本発明の目的を達成するために、環状のフレームに貼り付けられたシートの拡張状態を保持するためにフレームの内側に嵌合させて装着された状態の拡張保持リングを、フレームから取り外すための拡張保持リング取り外し治具であって、拡張保持リングを外嵌保持する環状の保持溝と、保持溝よりも内側に設けられ、拡張保持リングにより拡張状態となっているシートを支持するシート支持面と、を有するベース部材と、シート支持面に対向する位置に設けられたシート押え面を有するシート押え部材と、を備え、ベース部材は、保持溝よりも内側の位置であり、且つ、シート押え面によるシートの押え位置よりも外側の位置に、シート切断用の切断刃を逃がすための環状の逃がし溝を有する。
本発明の一形態は、シート支持面及びシート押え面は、環状に形成されることが好ましい。
本発明の一形態は、シート押え部材は、ベース部材に開閉自在に取り付けられることが好ましい。
本発明の一形態は、切断刃は、シート押え部材に設けられることが好ましい。
本発明の一形態は、シート押え部材は、切断刃を逃がし溝に沿って移動させる切断刃移動機構を有することが好ましい。
本発明の一形態は、切断刃移動機構は、シート押え部材に回転自在に設けられ、回転されることにより切断刃を逃がし溝に沿って移動させる回転板と、回転板の外周部に当接して回転板を回転方向に案内するガイド部材と、を有することが好ましい。
本発明の拡張保持リング取り外し方法は、本発明の目的を達成するために、環状のフレームに貼り付けられたシートの拡張状態を保持するためにフレームの内側に嵌合させて装着された状態の拡張保持リングを、フレームから取り外すための拡張保持リング取り外し方法であって、拡張保持リングを保持する保持工程と、拡張保持リングの内側に位置するシートを挟持してシートを固定する固定工程と、拡張保持リングとシートの固定位置との間に位置するシートを切断する切断工程と、フレームから拡張保持リングを分離する分離工程と、を有する。
本発明によれば、拡張保持リングを傷つけることなく拡張保持リングをフレームから取り外すことが可能となる。
実施形態に係る取り外し治具を上方側から見た斜視図である。 図1に示した取り外し治具を下方側から見た斜視図である。 図1に示した取り外し治具の組立斜視図である。 図1に示した取り外し治具の要部拡大断面図である。 拡張保持リングの全体斜視図である。 図5に示した拡張保持リングの組立斜視図である。 図5に示した拡張保持リングの断面図である。 ダイシングテープを備えたウェーハユニットの説明図である。 ワーク分割装置の概略構成を示した説明図である。 実施形態の取り外し治具の半断面図である。 図10に示したA部の拡大断面図である。 図10に示したB部の拡大断面図である。 拡張保持リングをフレームから取り外した状態を示した説明図である。 拡張保持リング取り外し方法の一例を示したフローチャートである。
以下、添付図面に従って本発明に係る拡張保持リング取り外し治具及び拡張保持リング取り外し方法の実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る拡張保持リング取り外し治具(以下、「取り外し治具」と言う。)10を上方側から見た斜視図である。図2は、図1に示した取り外し治具10を下方側から見た斜視図である。図3は、図1に示した取り外し治具10の組立斜視図である。図4は、図1に示した取り外し治具10の要部拡大断面図である。
図1乃至図4に示すように、実施形態の取り外し治具10は、ベース部材12と、シート押え部材14と、カッター16と、カッター移動機構18とを備えている。
ここで、図1乃至図4に示した取り外し治具10の取り外し対象となる拡張保持リング100の一例について説明する。図5は、拡張保持リング100の全体斜視図である。図6は、図5に示した拡張保持リング100の組立斜視図である。また、図7は、図5に示した拡張保持リング100の断面図である。
図5乃至図7に示すように、拡張保持リング100は、リング本体102とリング状のリップ部104とを備えている。リング本体102は、例えば剛性の高い樹脂製又は金属製である。また、リップ部104は、リング本体102の外周面102Aに装着されており、リング本体102の外周面102Aから外側に向かって突出されている。
リップ部104は、例えば弾性変形可能な樹脂製である。リップ部104を構成する樹脂材料としては、一例としてポリプロピレンを挙げることができるが、ポリプロピレンに限定されるものではなく、柔軟性を有する樹脂材料であれば適用可能である。なお、拡張保持リングとして、本例ではリング本体102とリップ部104とが別体で構成された拡張保持リング100を例示したが、これに限定されるものではなく、リング本体102とリップ部104とが一体で構成された拡張保持リングであってもよい。
次に、拡張保持リング100が適用されるウェーハユニット2の一例について説明する。図8は、ウェーハユニット2の一例を示す説明図であり、図8のVIIIAはウェーハユニット2の斜視図であり、図8のVIIIBはウェーハユニット2の断面図である。このウェーハユニット2は、上記の拡張保持リング100によって拡張状態で保持されるダイシングテープ4を備えている。
図8に示すように、ウェーハユニット2は、ウェーハ1、フィルム状接着材3、ダイシングテープ4及びフレーム5を有している。ウェーハ1は、表面に粘着層が形成された厚さ100μm程度のダイシングテープ4に、フィルム状接着材3を介して貼付されている。ダイシングテープ4は、剛性のある環状のフレーム5に外周部が貼り付けられている。また、ダイシングテープ4は、ウェーハ1が貼り付けられる平面視円形状の中央部領域4Aと、中央部領域4Aの外縁部(ウェーハ1の外縁部)とフレーム5の内縁部との間の平面視ドーナツ形状の環状部領域4Bと、を有している。ウェーハ1は、ウェーハユニット2の状態でワーク分割装置70(図9参照)に搬入され、ワーク分割装置70によって個々のチップ6に分割される。
図9は、ワーク分割装置70の概略構成を示した説明図である。以下、ワーク分割装置70によるチップ分割動作について簡単に説明する。
まず、図9のIXAで示すように、ウェーハユニット2のフレーム5をワーク分割装置70のフレーム固定部72に固定する。次に、エキスパンドリング74を上昇させてダイシングテープ4の裏面(ウェーハ1が貼付されている表面とは反対側の面)側からダイシングテープ4の環状部領域4Bを突き上げる。このエキスパンドリング74の上昇動作によってダイシングテープ4が拡張され、ウェーハ1が個々のチップ6に分割される(図9のIXB参照)。なお、環状部領域4Bを突き上げるエキスパンドリング74の上面には、環状部領域4Bとの間の摩擦力を低減するためにローラ76が回動自在に設けられている。
次に、図9のIXBで示すように、拡張保持リング100を上昇させて、リップ部104をフレーム5の表面5Aに環状部領域4Bを介して嵌合させる(図9のIXC参照)。この拡張保持リング100の上昇動作によって、ダイシングテープ4が拡張状態で保持される。次に、図9のIXCに示すように、エキスパンドリング74を下降させる。このとき、ダイシングテープ4は、エキスパンドリング74による拡張は解除されるが、フレーム5の内側に拡張保持リング100が嵌合されて装着されているので、弛むことなく拡張状態で保持される。
拡張保持リング100によってダイシングテープ4が拡張状態で保持されたウェーハユニット2は、フレーム固定部72から取り外されて、ワーク分割装置70からダイボンダー(不図示)に搬入され、ダイボンダーによってダイシングテープ4からチップ6が取り外される。なお、図3には、チップ6が取り外されたウェーハユニット2が示されている。図3に示したウェーハユニット2において、拡張保持リング100(図9のIXC参照)はダイシングテープ4の裏側に配置されている。この拡張保持リング100は、実施形態の取り外し治具10(図1等参照)によってフレーム5から取り外される。
図1乃至図4に戻って、実施形態の取り外し治具10について引き続き説明する。取り外し治具10は、既述したようにベース部材12と、シート押え部材14と、カッター16と、カッター移動機構18と、を備えている。
ベース部材12は、本発明のベース部材の一例であり、本例では台座20と、台座20上に固定されたベース部本体22と、を有している。台座20は、平面視矩形状の板状体であり、その表面には軽量化を図るための複数の開口部20Aが形成されている。ベース部本体22は、環状に構成されており、ベース部本体22の中心軸Pを台座20の中心に合わせた位置で台座20上に固定されている。
図4に示すように、ベース部本体22には、図3に示したウェーハユニット2が装着される。なお、図4では、ウェーハユニット2のダイシングテープ4が後述するシート押え部材14によってベース部本体22に押えつけられ、且つ、ダイシングテープ4が後述するシート切断用のカッター16によって切断されている状態が示されている。
図4に示すように、ベース部本体22は、ベース部本体22の外径がウェーハユニット2のフレーム5の内径よりも小さく構成されている。また、ベース部本体22は、ベース部本体22の上面側に、拡張保持リング100を外嵌保持する保持溝24と、保持溝24よりも内側に設けられ、拡張保持リング100により拡張状態となっているダイシングテープ4を支持するシート支持面26と、を備えている。保持溝24及びシート支持面26は、それぞれ中心軸P(図1参照)を中心とした環状に形成されている。したがって、保持溝24に拡張保持リング100が外嵌保持された場合、拡張保持リング100は、拡張保持リング100の中心軸が中心軸Pに合致された状態で保持溝24に外嵌保持される。保持溝24は、本発明の保持溝の一例であり、シート支持面26は、本発明のシート支持面の一例である。
図4に示すように、保持溝24は、ベース部本体22の外周部に形成され、且つ、上記のシート支持面26に対して拡張保持リング100(リング本体102)の厚みT分だけ下方に下がった位置に形成されている。これにより、拡張保持リング100に対してダイシングテープ4を上側にした状態で拡張保持リング100が保持溝24に外嵌保持されると、拡張保持リング100のリング本体102の上面とシート支持面26とが面一となることから、ダイシングテープ4はシート支持面26に平坦な状態で支持される。また、保持溝24の内壁面として形成された段差面28は、下方に向けて拡径するテーパ面として構成され、このテーパ面にリング本体102の内周面103のテーパ面が嵌合されている。このような構成により、拡張保持リング100が保持溝24に外嵌保持されて、ウェーハユニット2がベース部本体22に装着される。
図1乃至図4に示すように、本例のシート押え部材14は、シート押え本体30と、シート押え本体30を支持する蓋部材32と、を有する。シート押え本体30は、円盤状に構成されている。また、蓋部材32は、矩形状に構成されており、蓋部材32の中央部には開口部32Aが形成され、この開口部32Aから後述するカッター移動機構18が露出して配置されている。
図4に示すように、シート押え本体30は、シート支持面26に対向する位置に環状のシート押え面34を有している。このシート押え面34は、シート押え本体30の下面の外周部に環状に突設した凸部36の下面に形成されている。シート支持面26に支持されたダイシングテープ4は、シート押え面34が上側(ダイシングテープ4のシート支持面26とは反対側)からダイシングテープ4に当接することによって、シート押え面34によりシート支持面26に押えつけられた状態となる。シート押え面34は、本発明のシート押え面の一例である。
図4に示すように、ベース部本体22の上面は、カッター16を逃がすための環状の逃がし溝38を有している。この逃がし溝38は、保持溝24よりも内側の位置であり、且つ、シート押え面34によるダイシングテープ4の押え位置よりも外側の位置に形成されている。また、逃がし溝38は、中心軸Pを中心とした円環状に形成されている。逃がし溝38は、本発明の逃がし溝の一例である。
図10は、取り外し治具10の半断面図である。図11は、図10に示したA部の拡大断面図である。図12は、図10に示したB部の拡大断面図である。以下、図10乃至図12を用いて、シート押え部材14、カッター16及びカッター移動機構18の構成について詳しく説明する。
図10及び図11に示すように、シート押え本体30は、シート押え本体30の上面の中央部に軸40が上方に向けて突設されている。この軸40には、カッター移動機構18を構成する回転板42が軸受44を介して取り付けられている。これにより、シート押え本体30と回転板42は、軸40を中心に相対的に回転可能に連結される。
図10及び図12に示すように、回転板42は、回転板42の外周部がガイドローラ46に摺動自在に係合されている。このガイドローラ46は、蓋部材32の下面から下方に突設された軸48に軸支されている。また、ガイドローラ46と軸48とを有するガイド部材50は、例えば、軸40を中心とする同心円上の位置に等間隔で3箇所に配置されている。このような構成により、シート押え本体30は、軸受44、回転板42及び各ガイド部材50を介して蓋部材32に支持される。また、回転板42は、蓋部材32に対して軸40を中心に相対的に回転可能に支持される。カッター移動機構18は、本発明の切断刃移動機構の一例である。回転板42は、本発明の回転板の一例である。ガイド部材50は、本発明のガイド部材の一例である。
図1及び図2に示すように、蓋部材32は、一対のヒンジ52を介して台座20に開閉自在に取り付けられる。これにより、ベース部材12に対してシート押え部材14が開閉自在に構成されている。図1及び図2には、シート押え部材14が開かれた場合の状態(以下、開状態と言う。)が示され、図10乃至図12には、シート押え部材14が閉じられた場合の状態(以下、閉状態と言う。)が示されている。
図10乃至図12に示す閉状態において、シート押え部材14は、ベース部本体22の中心軸Pに軸40の軸心が合致する位置に台座20に取り付けられている。これにより、閉状態において回転板42は、中心軸Pを中心に回転される。したがって、閉状態の回転板42は、ベース部本体22に装着されたウェーハユニット2に対し、拡張保持リング100の中心軸を中心に回転される。なお、図2に示すように、蓋部材32の下面には、脚部54が下方に向けて突設されている。この脚部54は、軸40を中心とする同心円上の位置に等間隔で4箇所に配置されている。各脚部54は、上記の閉状態時において台座20の上面に当接する。これにより、シート押え部材14の閉状態が安定的に維持される。
図10及び図12に示すように、本発明の切断刃の一例であるカッター16は、回転板42の外周部に取り付けられる。また、カッター16は、閉状態においてベース部本体22の逃がし溝38にカッター16の下端16Aが挿入可能な位置に回転板42に取り付けられている。具体的に説明すると、回転板42の径方向における軸40の軸心からカッター16までの距離が、ベース部本体22の径方向における中心軸Pから逃がし溝38(例えば、逃がし溝38の中央位置)までの距離に設定されている。このような構成により、カッター16は、シート押え部材14の開状態から閉状態への移動により逃がし溝38に向けて移動していき、閉状態のときに下端16Aが逃がし溝38に挿入される。つまり、図4の如く、ベース部本体22の保持溝24に拡張保持リング100が外嵌保持されている場合、拡張保持リング100の内側に位置する逃がし溝38上のダイシングテープ4がカッター16の下端16Aによって突き破られる。
図12に示すように、カッター16は、カッター支持部56を介して操作ツマミ58に連結されている。カッター支持部56は、回転板42の開口部42Aに貫通配置されたパイプ60内に挿入配置され、パイプ60の軸方向に沿って移動自在に取り付けられている。なお、パイプ60の軸方向は中心軸P(図1参照)と平行である。また、カッター支持部56は、パイプ60内に配置されたコイルスプリング62を介してパイプ60に支持されている。図12に示すカッター16は、操作ツマミ58の矢印Cで示す押下操作により、下端16Aがパイプ60の下部開口部から下方に突出した状態が示されているが、操作ツマミ58を押下操作しない状態では、コイルスプリング62の付勢力によりパイプ60内にカッター16の全体が収容されている。したがって、本例のカッター16は、シート押え部材14を閉状態にした後に行われる操作ツマミ58の押下操作よって逃がし溝38内に挿入される。
次に、上記の如く構成された取り外し治具10による拡張保持リング取り外し方法の一例について、図14に示したフローチャートを参照して説明する。
まず、図1及び図2に示したように、シート押え部材14を開状態にして、図3に示したウェーハユニット2をベース部本体22に装着する。すなわち、図4に示したように、拡張保持リング100を保持溝24に外嵌保持させる(保持工程:S10)。
次に、ヒンジ52を利用してシート押え部材14を閉じる(開状態から閉状態にする)。この動作によって、拡張保持リング100の内側に位置するダイシングテープ4が、シート支持面26とシート押え面34とによって挟持されて固定される(固定工程:S20)。その結果、拡張保持リング100がベース部材12に固定される。なお、この状態では、操作ツマミ58は押下操作前なので、カッター16はパイプ60内に全体が収容されている。この後、操作ツマミ58を押下操作すると、カッター16がコイルスプリング62の付勢力に抗してパイプ60の下部開口部から下方に突出する。これにより、逃がし溝38上のダイシングテープ4がカッター16の下端16Aによって突き破られる(図4及び図12参照)。
次に、操作ツマミ58を押下操作した状態で、操作ツマミ58を、カッター移動機構18を利用して軸40(中心軸P)を中心に回転させる。このとき、ダイシングテープ4をシート支持面26に押えつけているシート押え本体30は回転せず、回転板42が軸40(中心軸P)を中心に回転していく。これにより、カッター16が逃がし溝38に挿入された状態で逃がし溝38に沿って移動していく。このカッター16の移動動作によって拡張保持リング100とダイシングテープ4の固定位置(シート支持面26の位置)との間のダイシングテープ4が逃がし溝38に沿って円形に切断されていく。そして、操作ツマミ58を1回転させたところで操作ツマミ58の回転操作を停止する。これにより、逃がし溝38の内側に位置するダイシングテープ4C(図4参照)が、逃がし溝38の外側の位置するダイシングテープ4D(図4参照)から切断される(切断工程:S30)。
次に、操作ツマミ58の押下操作を解除してカッター16の全体をパイプ60内に収容する。その後、シート押え部材14を開く(閉状態から開状態にする)。このとき、逃がし溝38の内側に位置していたダイシングテープ4Cは、シート押え面34に接着されているため、シート押え部材14を開く操作によりダイシングテープ4Dに対して上方に切り離される。これにより、ダイシングテープ4には、ダイシングテープ4Cの大きさに対応した円形の開口部が形成される。
次に、図4の位置にあるフレーム5を図4の位置から下方に向けて押し下げる。そうすると、図13に示した要部拡大断面図の如く、ダイシングテープ4Dがフレーム5と共に押し下げられていき、ダイシングテープ4Dとフレーム5が拡張保持リング100から分離する。すなわち、フレーム5から拡張保持リング100が分離する(分離工程:S40)。そして、保持溝24に外嵌保持された拡張保持リング100を保持溝24から取り外す(取り外し工程:S50)。この一連の操作によって、拡張保持リング100をフレーム5から取り外すことができる。また、拡張保持リング100の内側に位置するダイシングテープ4Cをカッター16によって切断する構成を採用したので、拡張保持リング100(特にリップ部104)を傷つけることなく、拡張保持リング100をフレーム5から取り外すことができる。
以上の如く、実施形態の取り外し治具10によれば、ベース部材12とシート押え部材14とを備え、ベース部材12において、保持溝24よりも内側の位置であり、且つ、シート押え面34によるダイシングテープ4の押え位置よりも外側の位置にカッター16を逃がすための環状の逃がし溝38を有する構成を採用したので、カッター16で拡張保持リング100を傷つけることなく、拡張保持リング100をフレーム5から取り外すことができる。また、カッター16でフレーム5を傷つけることなく、拡張保持リング100をフレーム5から取り外すことができる。
以下、実施形態の取り外し治具10の幾つかの変形例について説明する。
〈第1変形例〉
実施形態の取り外し治具10では、シート支持面及びシート押え面として、それぞれ環状に形成されたシート支持面26及びシート押え面34を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、平面視で円弧状又は直線状に形成されたものであってもよい。但し、シート支持面26とシート押え面34との間でダイシングテープ4を確実に押える観点から、シート支持面26とシート押え面34の形状はそれぞれ環状であることが好ましい。
〈第2変形例〉
実施形態の取り外し治具10では、逃がし溝として、円環状に形成された逃がし溝38を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、多角環状に形成されたものであってもよい。また、環状(円環状及び多角環状)に限定されるものではなく、環状の一部(一箇所又は複数箇所)が繋がっていない形状、例えばC字状のような形状の逃がし溝であってもよい。
〈第3変形例〉
実施形態の取り外し治具10では、シート押え部材14をベース部材12に開閉自在に取り付けた構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、シート押え部材14とベース部材12とが分離した構成であってもよい。但し、シート押え部材14をベース部材12に開閉自在に取り付けた構成を採用することにより、シート押え部材14によるダイシングテープ4の押え操作が容易になる。
〈第4変形例〉
実施形態の取り外し治具10では、シート押え部材14にカッター16を設けた構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、シート押え部材14とカッター16とが分離した構成であってもよい。但し、シート押え部材14にカッター16を設けた構成を採用することにより、シート押え部材14の一部品としてカッター16を取り扱うことができるので、カッター16の取り扱いが容易になる。
〈第5変形例〉
実施形態の取り外し治具10では、シート押え部材14にカッター移動機構18を設けた構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、カッター移動機構を設けることなく、カッター16を単独で操作してダイシングテープ4を切断してもよい。但し、シート押え部材14にカッター移動機構18を設ける構成を採用することにより、ダイシングテープ4の切断が容易になる。
〈第6変形例〉
実施形態の取り外し治具10では、ベース部本体22の上面に、カッター16を逃がすための環状の逃がし溝38を設けたが、逃がし溝38の代わりに交換可能な環状のカッターマットを設けてもよい。第6変形例では、カッター16によって切り込みを入れようとした場合に逃がし溝38に逃げてしまうような柔軟なダイシングテープ4であっても、カッターマットによってダイシングテープ4の逃げを抑制できるので、カッター16により容易に切断可能となる。
以上、本発明に係る拡張保持リング取り外し治具の一例について説明したが、本発明の技術は実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、いくつかの改良又は変形を行ってもよい。
1…ウェーハ、2…ウェーハユニット、3…フィルム状接着材、4…ダイシングテープ、5…フレーム、10…取り外し治具、12…ベース部材、14…シート押え部材、16…カッター、18…カッター移動機構、20…台座、22…ベース部本体、24…保持溝、26…シート支持面、28…段差面、30…シート押え本体、32…蓋部材、34…シート押え面、36…凸部、38…逃がし溝、40…軸、42…回転板、44…軸受、46…ガイドローラ、48…軸、50…ガイド部材、52…ヒンジ、54…脚部、56…カッター支持部、58…操作ツマミ、60…パイプ、62…コイルスプリング、70…ワーク分割装置、72…フレーム固定部、74…エキスパンドリング、76…ローラ、100…拡張保持リング、102…リング本体、104…リップ部

Claims (7)

  1. 環状のフレームに貼り付けられたシートの拡張状態を保持するために前記フレームの内側に嵌合させて装着された状態の拡張保持リングを、前記フレームから取り外すための拡張保持リング取り外し治具であって、
    前記拡張保持リングを外嵌保持する環状の保持溝と、前記保持溝よりも内側に設けられ、前記拡張保持リングにより拡張状態となっている前記シートを支持するシート支持面と、を有するベース部材と、
    前記シート支持面に対向する位置に設けられたシート押え面を有するシート押え部材と、
    を備え、
    前記ベース部材は、前記保持溝よりも内側の位置であり、且つ、前記シート押え面による前記シートの押え位置よりも外側の位置に、シート切断用の切断刃を逃がすための逃がし溝を有する、
    拡張保持リング取り外し治具。
  2. 前記シート支持面、前記シート押え面及び前記逃がし溝は、環状に形成される、
    請求項1に記載の拡張保持リング取り外し治具。
  3. 前記シート押え部材は、前記ベース部材に開閉自在に取り付けられる、
    請求項1又は2に記載の拡張保持リング取り外し治具。
  4. 前記切断刃は、前記シート押え部材に設けられる、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の拡張保持リング取り外し治具。
  5. 前記シート押え部材は、前記切断刃を前記逃がし溝に沿って移動させる切断刃移動機構を有する、
    請求項4に記載の拡張保持リング取り外し治具。
  6. 前記切断刃移動機構は、
    前記シート押え部材に回転自在に設けられ、回転されることにより前記切断刃を前記逃がし溝に沿って移動させる回転板と、
    前記回転板の外周部に当接して前記回転板を回転方向に案内するガイド部材と、
    を有する、
    請求項5に記載の拡張保持リング取り外し治具。
  7. 環状のフレームに貼り付けられたシートの拡張状態を保持するために前記フレームの内側に嵌合させて装着された状態の拡張保持リングを、前記フレームから取り外すための拡張保持リング取り外し方法であって、
    前記拡張保持リングを保持する保持工程と、
    前記拡張保持リングの内側に位置する前記シートを挟持してシートを固定する固定工程と、
    前記拡張保持リングと前記シートの固定位置との間に位置する前記シートを切断する切断工程と、
    前記フレームから前記拡張保持リングを分離する分離工程と、
    を有する、
    拡張保持リング取り外し方法。
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