JP2023147320A - 座席用間仕切り - Google Patents
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Abstract
【課題】ディバイダを広い可動範囲の中で所望の配置に自由に調整することが可能であり、着座者にとって使い勝手が良くプライバシーの確保に優れた座席用間仕切りを提供する。【解決手段】両側方向に隣り合う座席1の間の取付部に支持されるアーム20と、該アーム20に連結されて座席1の間の境界をなすディバイダ30と、を備える。アーム20の基端は、取付部に回動可能に支持され、アーム20の先端は、ディバイダ30に回動可能に連結される。ディバイダ30は、該ディバイダ30自体の回動およびアーム20の回動により、任意の位置に調整した状態で保持可能である。【選択図】図1
Description
本発明は、座席の間を仕切る座席用間仕切りに関する。
従来より、例えば鉄道車両や航空機など乗物の客室に装備される座席は、一般に両側方向に隣り合うように配置されており、各座席の着座者のプライバシーを確保するために、隣り合う座席の間に間仕切りを設けたものが知られている。具体的な座席用間仕切りとして、例えば特許文献1には、隣り合う座席の間のコンソール上に、パーティションを固定したものが開示されている。
このような特許文献1に記載の座席用間仕切りは、固定された位置から一切動かすことができず、それ故に邪魔とならないように大きさも制限され、各座席ごとの着座空間を仕切る範囲も極めて限定的であった。かかる問題を解決し得る座席用間仕切りとして、例えば特許文献2には、可動式のディバイダであって、座席間に収納された状態から前方へレールを介してスライドさせることができるものが開示されている。
しかしながら、前述した特許文献2に記載された座席用間仕切りは、可動式のディバイダであっても、その動作は前後方向の直線的なスライドのみで自由度に乏しく、可動範囲も狭いものであった。従って、各座席の着座者は、利用シーンに応じてディバイダを所望の配置に調整することができないという問題があった。
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題点に着目してなされたものであり、ディバイダを広い可動範囲の中で所望の配置に自由に調整することが可能であり、着座者にとって使い勝手が良くプライバシーの確保に優れた座席用間仕切りを提供することを目的としている。
前述した目的を達成するため、本発明の一態様は、
座席の間を仕切る座席用間仕切りにおいて、
両側方向に隣り合う座席の間の取付部に支持されるアームと、該アームに連結されて座席の間の境界をなすディバイダと、を備え、
前記アームの基端は、前記取付部に回動可能に支持され、前記アームの先端は、前記ディバイダに回動可能に連結され、
前記ディバイダは、該ディバイダ自体の回動および前記アームの回動により、任意の位置に調整した状態で保持可能であることを特徴とする。
座席の間を仕切る座席用間仕切りにおいて、
両側方向に隣り合う座席の間の取付部に支持されるアームと、該アームに連結されて座席の間の境界をなすディバイダと、を備え、
前記アームの基端は、前記取付部に回動可能に支持され、前記アームの先端は、前記ディバイダに回動可能に連結され、
前記ディバイダは、該ディバイダ自体の回動および前記アームの回動により、任意の位置に調整した状態で保持可能であることを特徴とする。
本発明に係る座席用間仕切りによれば、ディバイダを広い可動範囲の中で所望の配置に自由に調整することが可能であり、着座者にとって使い勝手が良く、プライバシーの保護を向上させることができる。
以下、図面に基づき、本発明を代表する実施形態を説明する。
図1~図9は、本発明の一実施形態を示している。
本実施形態に係る座席用間仕切り10は、座席1の間を仕切るものであり、両側方向に隣り合う座席1の間の取付部に支持されるアーム20と、該アーム20に連結されて座席1の間の境界をなすディバイダ30と、を備えてなる。ここで座席1の種類は、特に限定されるものではないが、以下、鉄道車両の客室内に装備する2人掛けの腰掛に適用した場合を例に説明する。
図1~図9は、本発明の一実施形態を示している。
本実施形態に係る座席用間仕切り10は、座席1の間を仕切るものであり、両側方向に隣り合う座席1の間の取付部に支持されるアーム20と、該アーム20に連結されて座席1の間の境界をなすディバイダ30と、を備えてなる。ここで座席1の種類は、特に限定されるものではないが、以下、鉄道車両の客室内に装備する2人掛けの腰掛に適用した場合を例に説明する。
<座席1の概要>
図2から図4に示すように、座席1は、両側方向に長い矩形の脚台2上に、2人掛け用として一対の座部3,3が並設され、各座部3の後端側には、それぞれ背凭れ4が個別に起倒可能に支持されている。脚台2はフロア上に固定され、一対の座部3,3は、脚台2上に台枠等を介して取り付けられている。ここで一対の座部3,3は、脚台2上に回転機構を介して略水平方向へ回転可能に支持されている。また、各背凭れ4は、それぞれリクライニング機構を介して傾動角度を調整可能に支持されている。
図2から図4に示すように、座席1は、両側方向に長い矩形の脚台2上に、2人掛け用として一対の座部3,3が並設され、各座部3の後端側には、それぞれ背凭れ4が個別に起倒可能に支持されている。脚台2はフロア上に固定され、一対の座部3,3は、脚台2上に台枠等を介して取り付けられている。ここで一対の座部3,3は、脚台2上に回転機構を介して略水平方向へ回転可能に支持されている。また、各背凭れ4は、それぞれリクライニング機構を介して傾動角度を調整可能に支持されている。
一対の座部3,3の間には、センターコンソールと称され、上面側が肘掛となる中袖部5が設置されている。本実施形態に係る座席用間仕切り10は、この中袖部5の後部における上面側に設けられている。また、一対の座部3,3の両端には、それぞれ上面側が肘掛となる袖部6が設けられている。なお、以下の説明において、上下、前後、左右等の方向を表す用語は、着座者から見た方向であり、座席1の各部位の位置関係を説明するために便宜上用いる。また、両側方向とは、座席1の前後方向と直行する方向であり、着座者から見れば左右方向となるが、「両側」のうち、その何れか一方を「右」または「左」と限定するものではない。
<座席用間仕切り10>
図1に示すように、座席用間仕切り10は、中袖部5の後部上面側に設置されたハウジング11を取付部として、前後方向に回動可能に支持されたアーム20と、このアーム20の先端側に回動可能に連結されたディバイダ30と、を備えてなる。ここでディバイダ30は、該ディバイダ30自体の回動およびアーム20の回動により、任意の位置に調整した状態で保持可能に構成されている。なお、ハウジング11が、本発明の「取付部」に相当するが、中袖部5の後部上面側も含めて「取付部」としても良く、あるいは、後述する取付ブラケット16だけを「取付部」としても構わない。
図1に示すように、座席用間仕切り10は、中袖部5の後部上面側に設置されたハウジング11を取付部として、前後方向に回動可能に支持されたアーム20と、このアーム20の先端側に回動可能に連結されたディバイダ30と、を備えてなる。ここでディバイダ30は、該ディバイダ30自体の回動およびアーム20の回動により、任意の位置に調整した状態で保持可能に構成されている。なお、ハウジング11が、本発明の「取付部」に相当するが、中袖部5の後部上面側も含めて「取付部」としても良く、あるいは、後述する取付ブラケット16だけを「取付部」としても構わない。
<<アーム20>>
図5に示すように、アーム20を支持するハウジング11は、図示した縦長の箱状に形成されている。ハウジング11は、その底面壁12が中袖部5の後部上面側に水平に固定される。ハウジング11の上面壁13は、前面壁14にかけて下方へ円弧形に湾曲している。ここで上面壁13には、アーム20の途中が移動可能に案内されるガイド溝13aが設けられている。
図5に示すように、アーム20を支持するハウジング11は、図示した縦長の箱状に形成されている。ハウジング11は、その底面壁12が中袖部5の後部上面側に水平に固定される。ハウジング11の上面壁13は、前面壁14にかけて下方へ円弧形に湾曲している。ここで上面壁13には、アーム20の途中が移動可能に案内されるガイド溝13aが設けられている。
ハウジング11内で底面壁12上には、アーム20の基端を直接支持する一対の取付ブラケット16,16が、互いに両側方向に対向するように立設されている。各取付ブラケット16の上端間には,両側方向に延びる水平な回転軸を含む後述の関節部23を介して、アーム20の基端が回動可能に支持されている。ここでアーム20は、ガイド溝13aを通って上方へ延出している。なお、ハウジング11の底面壁12を設けずに底面を開口させて、各取付ブラケット16を、中袖部5の後部上面側に直接立設しても良い。
アーム20の回転軸(関節部23)を中心とした回動範囲は、ガイド溝13aの上下端によって規制されるが、当該位置には、それぞれハウジング11内で両側面壁15,15間に架設された軸状の第1ストッパ17,18も配されている。下側の第1ストッパ17は、ガイド溝13aの下端と共に、アーム20の下方への回動限界を定め、上側の第1ストッパ18は、ガイド溝13aの上端と共に、アーム20の上方への回動限界を定めている。
図1に示すように、一対の第1ストッパ17,18は、回転軸を中心とする周方向に互いに間隔を開けて配され、これらの間を通るアーム20の基端側の回動範囲を規制する。すなわち、各第1ストッパ17,18とその間の回転軸(関節部23)がなす角度が、アーム20の基端側の回動可能な範囲となり、例えば図1中では略75度と鋭角に設定されている。
アーム20は、互いに折曲可能に連結された複数の分節アームからなり、本実施形態では、取付ブラケット16に回動可能に支持された第1分節アーム21と、該第1分節アーム21に回動可能に連結された第2分節アーム22と、を備えている。アーム20は、第1分節アーム21が、ハウジング11より上方に延び出て前後方向に回動し、第2分節アーム22が、さらに前後に折れ曲がるように構成されている。ここで第1分節アーム21の基端が、アーム20全体としての基端に相当する一方、第2分節アーム22の先端が、アーム20全体としての先端に相当する。
第1分節アーム21の基端は、取付ブラケット16に関節部23Aを介して回動可能に支持されている。また、第1分節アーム21の先端は、第2分節アーム22の基端に関節部23Bを介して回動可能に連結されている。さらに、第2分節アーム22の先端は、ディバイダ30に関節部23Cを介して回動可能に連結されている。各関節部23A,23B,23Cは、それぞれ回転軸周りで回転変動(トルク変動)を低減するダンパを備えている。なお、関節部23A,23B,23Cを総称するときは、関節部23と表記する。
第1分節アーム21は、例えば直線状に延びる棒状に形成されており、その両端に、間接部23を設けるために途中幅より大径の円形部が形成されている。第1分節アーム21の材質は、例えばアルミニウム合金等の金属に限らず、エンジニアリングプラスチック、あるいは炭素繊維等の高強度で軽量なものを用いると良い。また、第2分節アーム22も、第1分節アーム21と同様に構成されている。各分節アーム21,22は、それぞれの関節部23によって、座席1の両側方向と直交する平面上で折曲可能に構成されている。
関節部23は、回転軸と任意の回動角度に保持可能なダンパを備えている。ここでダンパは、2つの部位の回転軸周りの連結において、互いに所定の回動角度で半固定状態に保持できる構造である。ダンパは、例えば面摩擦抵抗を利用したり、機械的なロック機構を利用するもの等があるが、その構成は一般的であるので説明は省略する。なお、関節部23は、前記ダンパの有無に拘わらず、手動で容易に回動可能であり、かつ手動の外力が加わらない時は、支える荷重に抗して回転角度を維持できる構成であれば足りる。よって、関節部23は、単に回転軸をなすボルトとナットの螺合により、自重等では回動しない程度の締め付け力で連結した構成でも良い。
<<ディバイダ30>>
図5に示すように、ディバイダ30は、所定の厚さで内部が空隙となる板状に形成されている。ディバイダ30は、側面視では図示した形状の両側面壁31,31が、第2分節アーム22を収納する隙間を隔てて対向し、これらの外周が周壁部32で取り囲まれている。ディバイダ30の材質は、例えばアルミニウム合金等の金属に限らず、エンジニアリングプラスチック、あるいは炭素繊維等の高強度で軽量なものを用いると良い。また、ディバイダ30は、各座席1ごとの着座空間を物理的に区画するだけでなく、視線も遮るように不透明な材質が適している。
図5に示すように、ディバイダ30は、所定の厚さで内部が空隙となる板状に形成されている。ディバイダ30は、側面視では図示した形状の両側面壁31,31が、第2分節アーム22を収納する隙間を隔てて対向し、これらの外周が周壁部32で取り囲まれている。ディバイダ30の材質は、例えばアルミニウム合金等の金属に限らず、エンジニアリングプラスチック、あるいは炭素繊維等の高強度で軽量なものを用いると良い。また、ディバイダ30は、各座席1ごとの着座空間を物理的に区画するだけでなく、視線も遮るように不透明な材質が適している。
ディバイダ30には、その側面壁31の重心より偏心した位置に、第2分節アーム22の先端が回動可能に連結されている。ここで第2分節アーム22の先端は、前述した関節部23Cを介して回動可能に連結されており、ディバイダ30は、アーム20が折れ曲がる平面上で回動可能に構成されている。第2分節アーム22の先端を含む側は、ディバイダ30の両側面壁31,31の間に収納されており、周壁部32には、第2分節アーム22の途中が移動可能に案内されるガイド溝32aが設けられている。
ディバイダ30は、側面視において回転軸(関節部23C)と交差して径方向に広がる図示した形状であるが、その重心よりも通常の姿勢で後端縁寄りの略中央に、回動中心となる関節部23Cが配されている。このようなディバイダ30の具体的な形状や回動中心の位置は、各座席1間において着座空間を区画するのに適した領域(面積)に依存する。
ディバイダ30の回転軸(関節部23C)を中心とした回動範囲は、ガイド溝32aの上下端によって規制されるが、当該位置には、それぞれディバイダ30内で両側面壁31,31間に架設された軸状の第2ストッパ33,34も配されている。下側の第2ストッパ33は、ガイド溝32aの下端と共に、ディバイダ30の反時計回り方向への回動限界を定め、上側の第2ストッパ34は、ガイド溝32aの上端と共に、ディバイダ30の時計回り方向への回動限界を定めている。
図1に示すように、一対の第2ストッパ33,34は、回転軸を中心とする周方向に互いに間隔を開けて配され、これらの間を通るアーム20の先端側の回動範囲を規制する。すなわち、各第2ストッパ33,34とその間の回転軸(関節部23)がなす角度が、第2分節アーム22の先端に対してディバイダ30が回動可能な範囲となり、例えば図1中では略155度と鈍角に設定されている。
<座席用間仕切り10の作用>
次に、本実施の形態に係る座席用間仕切り10の作用について説明する。
図1において、座席用間仕切り10の基本的な動きとして、先ずアーム20のうち、その取付部であるハウジング11に近位の第1分節アーム21は、取付ブラケット16に対して関節部23Aにより回動させて、任意の回動角度に保持することができる。ここで第1分節アーム21が回動可能な範囲は、一対の第1ストッパ17,18によって規制される。
次に、本実施の形態に係る座席用間仕切り10の作用について説明する。
図1において、座席用間仕切り10の基本的な動きとして、先ずアーム20のうち、その取付部であるハウジング11に近位の第1分節アーム21は、取付ブラケット16に対して関節部23Aにより回動させて、任意の回動角度に保持することができる。ここで第1分節アーム21が回動可能な範囲は、一対の第1ストッパ17,18によって規制される。
また、アーム20のうち、ハウジング11に遠位の第2分節アーム22も、第1分節アーム21の先端に対して関節部23Bにより回動させて、任意の回動角度に保持することができる。このようにアーム20は、第1分節アーム21と第2分節アーム22との間で任意の回動角度に折り曲げることができる。なお、第1分節アーム21と第2分節アーム22との折曲可能な範囲は、ディバイダ30の周壁部32の一部が中袖部5の上面側に当接することにより間接的に規制される。
さらに、ディバイダ30は、第2分節アーム22の先端に対して関節部23Cにより回動させて、そのまま任意の回動角度に保持することができる。ここでディバイダ30が回動可能な範囲は、一対の第2ストッパ33,34によって規制される。さらに、ディバイダ30が回動可能な範囲は、ディバイダ30の周壁部32の一部が中袖部5の上面側に当接することによっても規制される。
このようなアーム20の回動ないし折曲と、アーム20に対するディバイダ30の回動によって、ディバイダ30の高さ位置と前後位置と回動角度とを、それぞれ広範囲かつ多様に調整することができる。しかも、ダンパを備えた各間接部23は、手動で容易に動かすことができると共に、手動による外力を加えなければ、そのままの状態に維持することができ、着座者にとって使い勝手が良い。
これにより、ディバイダ30を、着座者が所望する快適な位置に容易に保持することが可能となる。従って、隣席の着座者が気にならない快適な着座空間を提供することができ、プライバシーの保護を向上させることができる。また、ディバイダ30による仕切りを特に必要としない場合には、例えば後述する図6に示すように、ディバイダ30を背凭れ4の間に沿うような位置に収納することもできる。かかる場合、従来の可動式ディバイダのように、座席自体に専用の収納スペースを設ける必要はない。
本実施形態に係る座席用間仕切り10は、例えば前述の特許文献2に記載のスライド式と比べても、簡易に構成することができるため、部品点数や組付工数も削減されてコスト低減が可能となる。しかも、図5に示すように、座席用間仕切り10は、その取付部位であるハウジング11も含めてユニットとして構成されるため、取り扱いが容易であると共に、既存の各座席1を特別に改造することなく、各座席1の間の中袖部5に対して容易に後付けすることができる。
次に、ディバイダ30の具体的な位置の調整例について説明する。
図6は、ディバイダ30による仕切りを特に必要としない場合の初期位置を示している。かかる位置のディバイダ30は、各座席1の背凭れ4がアップライト状態にある時に、背凭れ4の前方へ余り迫り出さず、背凭れ4の間に沿うように収納されている。この時、第1分節アーム21は、最も後方へ回動して第1ストッパ18に当接している。また、第2分節アーム22は、第1分節アーム21の先端より前方へ少し曲がるように回動している。さらに、ディバイダ30は、その第2ストッパ33に第2分節アーム22が当接する回動角度に保持されている。
図6は、ディバイダ30による仕切りを特に必要としない場合の初期位置を示している。かかる位置のディバイダ30は、各座席1の背凭れ4がアップライト状態にある時に、背凭れ4の前方へ余り迫り出さず、背凭れ4の間に沿うように収納されている。この時、第1分節アーム21は、最も後方へ回動して第1ストッパ18に当接している。また、第2分節アーム22は、第1分節アーム21の先端より前方へ少し曲がるように回動している。さらに、ディバイダ30は、その第2ストッパ33に第2分節アーム22が当接する回動角度に保持されている。
図7は、ディバイダ30を、背凭れ4の高さ方向の略中間から中袖部5の前後方向の略中間に亘って遮るように位置させている。かかるディバイダ30の位置は、前述の図6に示した状態から第1分節アーム21は動かさず、第2分節アーム22を、第1分節アーム21の先端より下方へ大きく折り曲げている。さらに、ディバイダ30は、前述の図6に示した状態から時計回り方向へ回動させて、その周壁部32の一端を中袖部5の上面側に当接させている。
図8は、ディバイダ30を、背凭れ4の高さ方向の略中間より前方から中袖部5の前後方向の前方に亘って遮るように位置させている。すなわち、ディバイダ30の位置を、前述の図7に示した状態よりも背凭れ4から遠ざけるように移動させている。この時、第1分節アーム21は、最も前方へ回動して第1ストッパ17に当接している。また、第2分節アーム22は、第1分節アーム21の先端より前方へ略直角に曲がるように回動している。さらに、ディバイダ30は、その第2ストッパ34に第2分節アーム22が当接すると共に、周壁部32の一端が中袖部5の上面側に当接している。
図9は、ディバイダ30を、背凭れ4の高さ方向の略中間より上方で、そのまま前方の着座空間を遮るように位置させている。すなわち、ディバイダ30の位置を、前述の図6に示した状態よりも背凭れ4から遠ざけるように移動させている。この時、第1分節アーム21は、一対の第1ストッパ17,18の間に保持され、第2分節アーム22は、第1分節アーム21の先端より前方へ少し曲がるように回動している。さらに、ディバイダ30は、その一対の第2ストッパ33,34の間を第2分節アーム22が通る回動角度に保持されている。
<本発明の構成と作用効果>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではない。前述した実施形態から導かれる本発明について、以下に説明する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではない。前述した実施形態から導かれる本発明について、以下に説明する。
先ず、本発明は、座席1の間を仕切る座席用間仕切り10において、
両側方向に隣り合う座席1の間の取付部に支持されるアーム20と、該アーム20に連結されて座席1の間の境界をなすディバイダ30と、を備え、
前記アーム20の基端は、前記取付部に回動可能に支持され、前記アーム20の先端は、前記ディバイダ30に回動可能に連結され、
前記ディバイダ30は、該ディバイダ30自体の回動および前記アーム20の回動により、任意の位置に調整した状態で保持可能であることを特徴とする。
両側方向に隣り合う座席1の間の取付部に支持されるアーム20と、該アーム20に連結されて座席1の間の境界をなすディバイダ30と、を備え、
前記アーム20の基端は、前記取付部に回動可能に支持され、前記アーム20の先端は、前記ディバイダ30に回動可能に連結され、
前記ディバイダ30は、該ディバイダ30自体の回動および前記アーム20の回動により、任意の位置に調整した状態で保持可能であることを特徴とする。
このような座席用間仕切り10によれば、ディバイダ30の高さ位置と前後位置と回動角度とを、それぞれ広範囲かつ多様に調整することができる。従って、着座者が所望する快適な位置にディバイダ30を保持することができ、着座者にとって使い勝手が良く、プライバシーの保護を向上させることができる。
また、本発明では、前記アーム20は、互いに折曲可能に連結された複数の分節アーム21,22からなることを特徴とする。
このようなアーム20によれば、取付部に近位の分節アーム21から遠位の分節アーム22にかけて、各分節アーム21,22間の連結箇所で折り曲げることができる。従って、アーム20全体の回動だけでなく、アーム20自体の折曲も加わる複合動作により、いっそう広い範囲におけるディバイダ30の位置の調整が可能となる。
また、本発明では、前記アーム20の基端は、前記取付部に任意の回動角度に保持可能なダンパを備えた関節部23Aを介して回動可能に支持され、
前記アーム20の先端は、前記ディバイダ30に任意の回動角度に保持可能なダンパを備えた関節部23Cを介して回動可能に連結され、
前記アーム20の各分節アーム21,22は、互いに任意の回動角度に保持可能なダンパを備えた関節部23Bを介して回動可能に連結されたことを特徴とする。
前記アーム20の先端は、前記ディバイダ30に任意の回動角度に保持可能なダンパを備えた関節部23Cを介して回動可能に連結され、
前記アーム20の各分節アーム21,22は、互いに任意の回動角度に保持可能なダンパを備えた関節部23Bを介して回動可能に連結されたことを特徴とする。
このような構成によれば、各関節部23A,23B,23Cに備わるダンパによって、アーム20の基端を所望の回転角度に容易に維持することができる。また、各分節アーム21,22間の折曲角度も容易に維持することができ、さらに、ディバイダ30も所望の回動角度に容易に維持することができる。
また、本発明では、前記アーム20および前記ディバイダ30は、座席1が並ぶ両側方向と直行する鉛直面に沿って回動可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、各座席1の間で境界をなすのに最適な鉛直面上で、ディバイダ30の位置を調整することが可能となる。
このような構成によれば、各座席1の間で境界をなすのに最適な鉛直面上で、ディバイダ30の位置を調整することが可能となる。
また、本発明では、前記取付部に、前記アーム20の基端の回動可能な範囲を規制する第1ストッパ17,18を設け、
前記ディバイダ30に、前記アーム20の先端に対する回動可能な範囲を規制する第2ストッパ33,34を設け、
前記第1ストッパ17,18は、前記取付部で前記アーム20の回動中心を間にして一対配され、前記アーム20の途中にそれぞれ当接し、
前記第2ストッパ33,34は、前記ディバイダ30で前記アーム20に対する回動中心を間にして一対配され、前記アーム20の途中にそれぞれ当接することを特徴とする。
前記ディバイダ30に、前記アーム20の先端に対する回動可能な範囲を規制する第2ストッパ33,34を設け、
前記第1ストッパ17,18は、前記取付部で前記アーム20の回動中心を間にして一対配され、前記アーム20の途中にそれぞれ当接し、
前記第2ストッパ33,34は、前記ディバイダ30で前記アーム20に対する回動中心を間にして一対配され、前記アーム20の途中にそれぞれ当接することを特徴とする。
このような第1ストッパ17,18によれば、簡易な構成によって、取付部に対するアーム20の回動可能な範囲を確実かつ容易に規制することができる。また、第2ストッパ33,34によれば、簡易な構成によって、アーム20に対するディバイダ30の回動可能な範囲を確実かつ容易に規制することができる。
また、本発明では、前記一対の第1ストッパ17,18とその間の前記アーム20の回動中心がなす角度は、鋭角に設定され、
前記一対の第2ストッパ33,34とその間の前記ディバイダ30の回動中心がなす角度は、鈍角に設定されたことを特徴とする。
前記一対の第2ストッパ33,34とその間の前記ディバイダ30の回動中心がなす角度は、鈍角に設定されたことを特徴とする。
このように、一対の第1ストッパ17,18とアーム20の回動中心がなす角度を鋭角に設定すれば、アーム20が用をなさない位置まで過度に回動する動作を防止することができると共に、アーム20が第1ストッパ17,18に当接する位置では、アーム20を強固に保持することができる。
また、一対の第2ストッパ33,34とディバイダ30の回動中心がなす角度を鈍角に設定すれば、ディバイダ30の回動可能な範囲を比較的広く確保できると共に、アーム20が第2ストッパ33,34に当接する位置では、ディバイダ30を強固に保持することができる。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、前記実施の形態では、鉄道車両用の2人掛け用の座席1を例に説明したが、3人掛け用や4人掛け用の座席装置として構成しても良い。また、座席1は、鉄道車両用の腰掛に限られるものでもなく、他に例えば航空機、自動車、船舶等の他の乗物用の座席に適用しても良い。
また、アーム20全体および各分節アーム21,22の具体的な形状は、図示した直線状に延びるものに限らず、適宜選択し得る設計事項である。さらに、アーム20は、複数の分節アームを直列に連結したものに限らず、1本だけで回動するように構成しても良い。かかる場合、アームの先端のディバイダ30の位置を調整できる範囲は一の円周軌道上に限られるが、アーム全体の構成を簡易化することができる。その他、アームとして、例えば任意の位置で自由に折れ曲がるように構成することも可能である。
本発明は、鉄道車両、航空機、自動車、船舶等の客室内に設置される乗物用の座席の他、映画館や劇場等に設置される観覧用の椅子にも広く適用することができる。
1…座席
2…脚台
3…座部
4…背凭れ
10…座席用間仕切り
11…ハウジング
16…取付ブラケット
17,18…第1ストッパ
20…アーム
21…第1分節アーム
22…第2分節アーム
23A,23B,23C…関節部
30…ディバイダ
33,34…第2ストッパ
2…脚台
3…座部
4…背凭れ
10…座席用間仕切り
11…ハウジング
16…取付ブラケット
17,18…第1ストッパ
20…アーム
21…第1分節アーム
22…第2分節アーム
23A,23B,23C…関節部
30…ディバイダ
33,34…第2ストッパ
Claims (6)
- 座席の間を仕切る座席用間仕切りにおいて、
両側方向に隣り合う座席の間の取付部に支持されるアームと、該アームに連結されて座席の間の境界をなすディバイダと、を備え、
前記アームの基端は、前記取付部に回動可能に支持され、前記アームの先端は、前記ディバイダに回動可能に連結され、
前記ディバイダは、該ディバイダ自体の回動および前記アームの回動により、任意の位置に調整した状態で保持可能であることを特徴とする座席用間仕切り。 - 前記アームは、互いに折曲可能に連結された複数の分節アームからなることを特徴とする請求項1に記載の座席用間仕切り。
- 前記アームの基端は、前記取付部に任意の回動角度に保持可能なダンパを備えた関節部を介して回動可能に支持され、
前記アームの先端は、前記ディバイダに任意の回動角度に保持可能なダンパを備えた関節部を介して回動可能に連結され、
前記アームの各分節アームは、互いに任意の回動角度に保持可能なダンパを備えた関節部を介して回動可能に連結されたことを特徴とする請求項2に記載の座席用間仕切り。 - 前記アームおよび前記ディバイダは、座席が並ぶ両側方向と直行する鉛直面に沿って回動可能であることを特徴とする請求項3に記載の座席用間仕切り。
- 前記取付部に、前記アームの基端の回動可能な範囲を規制する第1ストッパを設け、
前記ディバイダに、前記アームの先端に対する回動可能な範囲を規制する第2ストッパを設け、
前記第1ストッパは、前記取付部で前記アームの回動中心を間にして一対配され、前記アームの途中にそれぞれ当接し、
前記第2ストッパは、前記ディバイダで前記アームに対する回動中心を間にして一対配され、前記アームの途中にそれぞれ当接することを特徴とする請求項1,2,3または4に記載の座席用間仕切り。 - 前記一対の第1ストッパとその間の前記アームの回動中心がなす角度は、鋭角に設定され、
前記一対の第2ストッパとその間の前記ディバイダの回動中心がなす角度は、鈍角に設定されたことを特徴とする請求項5に記載の座席用間仕切り。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022054752A JP2023147320A (ja) | 2022-03-30 | 2022-03-30 | 座席用間仕切り |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022054752A JP2023147320A (ja) | 2022-03-30 | 2022-03-30 | 座席用間仕切り |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2023147320A true JP2023147320A (ja) | 2023-10-13 |
Family
ID=88289130
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022054752A Pending JP2023147320A (ja) | 2022-03-30 | 2022-03-30 | 座席用間仕切り |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023147320A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102023002806A1 (de) | 2023-07-10 | 2024-05-23 | Mercedes-Benz Group AG | Unterteilungseinrichtung für einen Innenraum eines Kraftwagens |
-
2022
- 2022-03-30 JP JP2022054752A patent/JP2023147320A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102023002806A1 (de) | 2023-07-10 | 2024-05-23 | Mercedes-Benz Group AG | Unterteilungseinrichtung für einen Innenraum eines Kraftwagens |
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