JP6584077B2 - バケットシート構造及び調整可能位置を有する乗員シート - Google Patents
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Description
例えば、航空機キャビン内で、そのバックレスト(背もたれ)(back rest)が、シートの占有者がその要求の関数(function)として調整する、複数の傾斜を可能とすることが公知である。
こうしたシートにおいて、バックレストとシートパン(シート底面)(seat pan)との間のヒンジ(蝶番)(hinge)の存在は、複雑であって、故障の原因となり得、及びシート構造の補強及びシート重量を増加させる機構を招く。
この場合、バックレストが傾斜される際に、シートのシートパンを前進させて、バックレストにより占有される領域を制限することが知られている。しかし、この解決手段は、複雑さ及びシート重量をさらに増加させてしまう。
本発明の目的とするところは、より詳細には、シートパンと、及びこのシートパンに一定角度(constant angle)で2面角(dihedron)を規定して取り付けられるバックレストと、を備えるバケットシート(bucket seat)を備える、乗物の乗員キャビンシートである。このバケットシートは、シートパン(11)が概ね水平である着座位置“a”と、バックレスト(12)が着座位置“a”に対して角度Aで、基部に対して回転により旋回軸周囲を後方へ旋回する(pivoted)休息位置“r”との間で、その上でバケットシートが可動である、シートの基部と一体化される。この旋回軸は、バケットシートが着座位置“a”にある際、基部に対して概ね固定(stationary)であり、シートパンの上方でバックレストの前方に位置する。
ある実施形態において、バケットシートは、シートパンの前方部分でシートパンと一体化された前方パネルを備え、この前方パネルは、バケットシートが着座位置“a”にある際に概ね垂直であり、及びバケットシートが休息位置“r”にある際に傾斜してシートの占有者(乗員)がその脚の下部を置くことを可能にする。シートが休息位置にある際にシートの占有者(乗員)がその脚を置くことを可能にし、シートが着座位置にある際にいかなる支障も来たさない表面が、こうして得られる。
これらの実施形態において、バケットシートの旋回の間、ヘッドレスト、及び脚のための休息表面として使用される前方パネルにより延長(拡張)される、バケットシート、シートパン及びバックレストの全般的なプロファイル(外形)を変更することが可能となる。これにより、バケットシートの位置の関数としてシートのより人間工学的形状を得ることができ、及びバケットシートの構造と基部の構造との間の干渉の可能性を回避することができる。
本発明の特定の実施形態の詳細な説明及び図面により、本発明の目的及び利点のより良好な理解が可能となる。以下の詳細な説明は、例示的に説明されるものであって、限定的に解されるものではないことは明白である。
このシート100はまた、アクセサリー要素、例えば、非限定的に、アームレスト31、折り畳み式(foldaway)トレイ32、隣接する席から分離するための可動仕切り(divider)33、等を備える。
シート100は、基部20により、公知の図示しない方法で、例えばフロアトラック(レール)上で、乗物のフロア40に取り付けられる。これにより、キャビン内のシートの位置を、キャビンを構成する間調整すること、及び特にシート列を提供することが可能となる。これにより、キャビンの快適さの所望のレベルに対応して、あるシートと前方に位置するシートとの間の分離距離、又はシートの間隔、が維持される。
バケットシート20は、バケットシート10が見出される前方に向かって開放するボックスの全般的形状を有する。実際には多様な形状をとり得る開放ボックスは、主として、バケットシートを保持し、及びシートをキャビンのフロアへ取り付けるための構造として機能し、及び、乗員に寛いだ形を創り出すため、バケットシートと乗員とをキャビンの周辺環境から隔絶するためのハウジングとして機能する。
バケットシートの着座位置において、シートパン11の表面は、公知の方法で、シートのため概ね水平であり、及びバックレスト12の表面は、2面角の角度に対応する直立位置にある。
バケットシートの休息位置において、バケットシートは、着座位置に対して後方へ角度Aで傾斜させられる。バケットシートが傾斜するため、シートの乗員の視点に基づくと、休息位置においてバックレスト12は、後方へ傾斜し、及びシートパン11は、前方で上昇する(持ち上がる)。
この角度Aは、有利には、15°及び30°の間であり、寛ぎ位置の快適性角度(comfort angle)に対応して、例えば17°及び28°の間であるが、この角度の値は、それにもかかわらず、続きのシート列が配置される間隔の、及びシートの乗員にもたらされる快適性のレベルの、関数として調整されることができる。
旋回軸21の位置は、基部20に対して固定される。さらに、旋回軸21は、図4の概略図に示されるように、シートパン11の表面の上方であり、かつバックレスト12の表面の前方に位置する。着座位置“a”及び休息位置“r”において、バケットシート10及び基部11の形状は、シートのプロファイル(外形)の視点からの骨格(skeletal)構造で表される。
休息位置において、バケットシートの振り子運動により、同じ重心の垂直線は、旋回軸を備える垂直面に接近するが、好適にはこの場合、この垂直面の前方を通過しない。
こうして、着座位置にある際、バケットシートの運動を開放することにより、バケットシート及びその乗員は、休息位置へとシフトし、好適には、好適な手段、例えば流体摩擦ダンパー、により、重力の単純な効果の下、この運動が減衰される。
この理由のため、バネ要素により、必要であれば、旋回軸に対して重力中心からの安定位置をシフトし、及び付随して乗員の前方運動を制限して着座位置への復帰を保証することが可能となることに留意すべきである。
旋回軸21の上昇した位置のため、バケットシート10及びシートの乗員を備えるユニットの重力中心は、旋回軸下方に見出され、これにより、バケットシート10の振り子運動が可能となる。
旋回軸21の位置のため、バケットシート10が着座位置“a”から休息位置“r”へ至る際、旋回軸21の高さ近傍の高さに位置するバックレストの休息ポイントは、本質的に垂直運動を描く。バックレスト後方を占める領域の増加は、図4に示すように、こうして、回避されないとしても制限されることができる。
こうして、シートの乗員が、支点(fulcrum)として機能する、フロア上にその足で、及び/又は、アームレストにその腕で、僅かな(moderate)力を付与することにより、すでに開放されたバケットシート10の位置を変更することが可能になる。必要であれば、バネ手段が、力の部分的な補償を確保して、バケットシートを休息位置又は中間位置から着座位置へと戻す。有利には、この場合、バネ手段は、少なくともバケットシート10の重量を補償し、これにより、シートの乗員がない場合に、より減少された力でこれを上昇させることができる。
ある実施形態において、バケットシート10は、アクチュエータ、例えば電動アクチュエータ、の手段により可動であり、これは、例えば、一方では、その端部で基部と一体化するボール継ぎ手(ジョイント)(ball joints)に備え付けられるリニアアクチュエータであってよく、又は、他方では、バケットシートと共に、環状(リング状)歯車と噛合する歯車(toothed gear)を駆動するモータであってよい。
バケットシートが着座位置にある際、前方パネル13は、概ね垂直(鉛直)である。バケットシートが休息位置にある際、前方パネル13は、バケットシートのユニットのように、着座位置に対して同じ角度で傾斜して、この場合に、シートの乗員がその脚の下位部分を置くことのできる表面を形成する。
前方パネル13のパディング(詰め物)は、必要に応じて休息位置における快適性を向上させる。前方パネル13により、また、シートパン12下方に閉止空間を生成することが可能になり、及び必要に応じて、前方パネル13は、シートの乗員が利用可能な収納スペースを収容し、又は1つの安全器具、例えば航空機の場合の救命胴衣、を置くことが可能となる。
この難点は、有利には、シート間隔を増加させる必要なくして、シートの基部の下部に足元スペース(footwell)を提供することにより補償される。この足元スペースは、図3及び図5に示されるように、対象となるシートの直接後方(背後)に位置するシートの乗員が使用するためのものである。
特に、ガイドレールは、有利には、シートの側部端近傍に配置され、これにより、シートパン11下方に自由なスペースが残され、このシートパンをシフトすることを考慮して、このスペースが、足元スペース22のため、又は他の収納スペース及び/又はシートの器具のために使用され得る。
この基部の後部において基部20が移動しないことにより、対象となるシートの後方に位置するシートの乗員が利用可能な器具、例えばスクリーン、を基部に単純に統合することが可能となる。
多様な種類の変形例は、当業者にとって本発明の範囲から逸脱することなくその範囲内にある。
さらに、乗員の快適性は、この乗員の前方に位置するシートの乗員により選択された調整により影響されず、シートの間隔を増加させる必要もない。
Claims (8)
- 乗物の乗員キャビンのためのシート(100)であって、バケットシート(10)を備え、
このバケットシート(10)は、
シートパン(11)と、
このシートパン(11)に取り付けられ、これと一定の角度で2面角を規定するバックレスト(12)と、
前記バックレストに取り付けられるヘッドレスト(121)と、を備え、
前記バケットシート(10)は基部(20)と一体化され、
前記バケットシートは、前記シートパン(11)が概ね水平である着座位置“a”と、
前記バックレスト(12)が前記着座位置“a”に対して角度Aで、回転により前記基部に対して旋回軸(21)周囲を後方へ旋回する休息位置“r”との間で可動であり、
この旋回軸は、前記バケットシートが着座位置“a”にある際、前記基部に対して固定であり、前記シートパン(11)の上方であって前記バックレスト(12)の前方に位置し、ここで、
前記基部(20)は、前方に向かって開放し、前記バケットシートを保持するボックスを形成し、及び、
前記ヘッドレスト(121)は、前記バックレスト(12)にヒンジで連結され取り付けられて、前記基部(20)の構造との干渉のリスクを回避する、
ことを特徴とするシート(100)。 - 前記バケットシート(10)は、前記シートパン(11)と、前記シートパンの前方部分で一体化し、前記シートパンに対して固定され、前記バケットシートが前記着座位置“a”にある際に概ね垂直であり、前記バケットシートが前記休息位置“r”にある際、前記バケットシートの傾斜によって傾斜して、シートの乗員がその脚の下部を置くことを可能とする、前方パネル(13)を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート(10)。 - 前記バケットシート(10)は、前記シートパン(11)と、前記シートパンの前方部分で一体化し、前記バケットシートが前記着座位置“a”にある際に、前記シートパンに対して概ね垂直にヒンジにより連結される前方パネル(13)を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート(10)。 - 前記旋回軸(21)は、前記旋回軸(21)の位置が前記基部(20)に取り付けられ、そのガイドレール上で前記バケットシート(10)のローラー又はシューが移動する1つ又は複数のガイドレールの形状により規定される、及び/又は、前記バケットシート(10)に取り付けられ、そのガイドレール上で前記基部(20)のローラー又はシューが移動する1つ又は複数のガイドレールの形状により規定される、仮想的な軸である、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート(10)。 - 前記基部(20)は、前記シートの下部に、対象となる前記シート後方に位置するシートの乗員が使用するための、前記シートの後方に向かって開放する足元スペース(22)を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート(10)。 - 前記基部(20)及び前記バケットシート(10)の間に、バネ手段が配置されて、前記バケットシート(10)の重量の前部又は一部を補償する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート(10)。 - 前記基部(20)及び前記バケットシート(10)の間に、少なくとも1つのアクチュエータが配置されて、前記バケットシートを前記基部に対して、前記着座位置“a”及び前記休息位置“r”の間でシフトさせる、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシート(10)。 - 前記旋回軸(21)は、シートパン平面及びバケットシートバックレスト平面の交点から、300mmから500mmの間の距離に位置し、及び、その上のシートが取り付けられるフロア上方に、800mmから900mmの間の高さに位置する、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシート(10)。
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