JP2023147177A - 製氷機の薬剤供給構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】箱体を分解することなく箱体外部から薬剤を製氷水タンクヘ供給し得る製氷機の薬剤供給構造を提供する。【解決手段】箱体を構成するフロントパネル18に、内外方向に貫通する挿入孔50aが設けられる。挿入孔50aに、箱体外部から供給部材56を差し込むことで、該供給部材56の出口側端部が、製氷水タンク24の受け部44に受容され、該供給部材56は、通路58が製氷水タンク24に連通すると共に、通路58の入口58bは箱体外部に臨む。供給部材56は、通路58の入口側から出口側に向けて下方傾斜する姿勢で支持され、入口58bに供給された薬剤は、通路58を通って製氷水タンク24に供給される。【選択図】図4
Description
この発明は、製氷水タンクに貯留した製氷水を、製氷水タンクと製氷部との間で循環して該製氷部に氷を生成する製氷機の薬剤供給構造に関するものである。
下向きに開口する多数の製氷小室に製氷水を下方から噴射供給して、該製氷小室に氷塊を生成する噴射式の製氷機が、喫茶店やレストラン等の施設その他の厨房で好適に使用されている。製氷機の概略構成を説明すれば、箱体内に水平に配置した製氷部に、下方に開口する製氷小室が碁盤目状に多数画成されると共に、該製氷部の上面には、冷凍機構を構成する蒸発器が密着的に蛇行配置される。また製氷部の下方には、支軸を介して水皿が傾動可能に枢支されると共に、該水皿の下部には外部水道源から供給される製氷水を貯留する製氷水タンクが一体的に設けられている。このように構成された製氷機では、製氷水タンクに貯留した製氷水を、冷凍機構により冷却される製氷部に循環ポンプで供給して該製氷部で氷を生成し、製氷部で氷結しなかった製氷水を製氷水タンクに回収して再循環するよう構成される。
前記製氷水タンクと製氷部との間で製氷水を循環する製氷機では、製氷水として用いる水道水に含まれるカルキやミネラル分などの不純物が、製氷水の循環経路にスケールとして経時的に付着して種々の問題を生ずるため、薬液を用いた定期的な洗浄が行われる。製氷機の箱体は、前方に開口する本体と、該本体の前部開口を塞ぐフロントパネルとを備えており、製氷機での薬液洗浄は、本体からフロントパネルを取り外したもとで、水皿と製氷水タンクとの隙間や水皿上面から、ホース等を介して薬液を製氷水タンク内に供給した後、循環ポンプにより薬液を循環経路に循環することで行われる。しかしながら、本体からフロントパネルを取り外したり取り付ける作業にはドライバー等の工具が必要であり、薬液洗浄に伴うフロントパネルの着脱作業が煩雑であった。また、フロントパネルを取り外しても、製氷機外部から水皿と製氷水タンクとの隙間や水皿上面等にホース等を臨ませる作業がやり難く、薬液を供給する際の作業性が低いものであった。そこで、箱体内に、薬液を製氷水タンクに自動で供給する薬液供給手段を設け、フロントパネルを取り外すことなく薬液洗浄を行い得るよう構成した製氷機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示の製氷機では、薬液を貯留する薬液タンク、薬液タンクから製氷水タンクへ薬液を供給する薬液ポンプ、その他の電磁弁や配管等からなる薬液供給手段を箱体内に配設するために構造が複雑になると共に、薬液供給手段のメンテナンスが必要となる難点も指摘される。また、薬液供給手段を配設した場合であっても、薬液タンク内の薬液が無くなれば、補充のためにフロントパネルを取り外さなければならなかった。また、薬液供給手段を配設することで、コストが大幅に上昇する問題も指摘される。
本発明は、前述した従来技術に内在する前記課題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、箱体を分解することなく箱体外部から薬剤を製氷水タンクヘ供給し得る製氷機の薬剤供給構造を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項1の発明に係る製氷機の薬剤供給構造は、
冷凍機構によって冷却される製氷部(20)と、製氷水が貯留される製氷水タンク(24)とが箱体(14)の内部に配設され、前記製氷水タンク(24)と製氷部(20)との間で製氷水を循環して該製氷部(20)に氷を生成する製氷機の薬剤供給構造であって、
前記箱体(14)の外部に開口可能に挿入孔(50a)が設けられ、
前記挿入孔(50a)に対して箱体(14)外部から挿脱可能な供給部材(56)を挿入孔(50a)に差し込むことにより、該供給部材(56)に設けた通路(58)が、前記製氷水タンク(24)に連通するよう構成され、
前記供給部材(56)の通路(58)における箱体(14)外に臨む入口(58b)から供給した薬剤が、前記通路(58)を介して前記製氷水タンク(24)に供給されるよう構成したことを要旨とする。
請求項1の発明では、箱体に設けた挿入孔に、箱体外部から供給部材を差し込むだけで、薬剤を製氷水タンクに直接供給できるので、液状の薬剤や固形状の薬剤(錠剤)を、箱体を分解する手間なく製氷水タンクに直接供給することができる。また、箱体に挿入孔を設けるだけであるので、構造が複雑になったり、コストが上昇するのも抑えることができる。
冷凍機構によって冷却される製氷部(20)と、製氷水が貯留される製氷水タンク(24)とが箱体(14)の内部に配設され、前記製氷水タンク(24)と製氷部(20)との間で製氷水を循環して該製氷部(20)に氷を生成する製氷機の薬剤供給構造であって、
前記箱体(14)の外部に開口可能に挿入孔(50a)が設けられ、
前記挿入孔(50a)に対して箱体(14)外部から挿脱可能な供給部材(56)を挿入孔(50a)に差し込むことにより、該供給部材(56)に設けた通路(58)が、前記製氷水タンク(24)に連通するよう構成され、
前記供給部材(56)の通路(58)における箱体(14)外に臨む入口(58b)から供給した薬剤が、前記通路(58)を介して前記製氷水タンク(24)に供給されるよう構成したことを要旨とする。
請求項1の発明では、箱体に設けた挿入孔に、箱体外部から供給部材を差し込むだけで、薬剤を製氷水タンクに直接供給できるので、液状の薬剤や固形状の薬剤(錠剤)を、箱体を分解する手間なく製氷水タンクに直接供給することができる。また、箱体に挿入孔を設けるだけであるので、構造が複雑になったり、コストが上昇するのも抑えることができる。
請求項2に係る発明は、
前記製氷水タンク(24)における前記箱体(14)の挿入孔(50a)側に臨む部位に、該挿入孔(50a)に差し込まれた前記供給部材(56)における通路(58)の出口側端部を受容して、該供給部材(56)の通路(58)を製氷水タンク(24)に連通する位置に支持する受け部(44)が設けられることを要旨とする。
請求項2の発明では、供給部材の出口側端部を受け部で支持するよう構成したので、薬剤の供給中に作業者が供給部材を保持しなくても、薬剤を製氷水タンクに適切に供給することができる。
前記製氷水タンク(24)における前記箱体(14)の挿入孔(50a)側に臨む部位に、該挿入孔(50a)に差し込まれた前記供給部材(56)における通路(58)の出口側端部を受容して、該供給部材(56)の通路(58)を製氷水タンク(24)に連通する位置に支持する受け部(44)が設けられることを要旨とする。
請求項2の発明では、供給部材の出口側端部を受け部で支持するよう構成したので、薬剤の供給中に作業者が供給部材を保持しなくても、薬剤を製氷水タンクに適切に供給することができる。
請求項3に係る発明は、
前記箱体(14)の挿入孔(50a)に差し込まれる前記供給部材(56)を、前記出口側端部が前記受け部(44)に受容される位置に位置決めする位置決め手段(50e,57a)が設けられることを要旨とする。
請求項3の発明では、挿入孔に差し込んだ供給部材の出口側端部を、受け部で受容される位置に位置決めし得るので、供給部材を差し込み過ぎたり、差し込み不足となって薬剤が適切に製氷水タンクに供給されない事態が生ずるのを防ぐことができる。
前記箱体(14)の挿入孔(50a)に差し込まれる前記供給部材(56)を、前記出口側端部が前記受け部(44)に受容される位置に位置決めする位置決め手段(50e,57a)が設けられることを要旨とする。
請求項3の発明では、挿入孔に差し込んだ供給部材の出口側端部を、受け部で受容される位置に位置決めし得るので、供給部材を差し込み過ぎたり、差し込み不足となって薬剤が適切に製氷水タンクに供給されない事態が生ずるのを防ぐことができる。
請求項4に係る発明は、
前記製氷水タンク(24)と受け部(44)との連通口(24b,60a)の上側に、該連通口(24b,60a)の幅以上の幅でタンク内方に延出する張出し部(61,63)を設けたことを要旨とする。
請求項4の発明では、製氷水タンク内に上方から落ちてくる製氷水、薬液、すすぎ水等が、受け部からタンク外に飛散するのを防止することができる。
前記製氷水タンク(24)と受け部(44)との連通口(24b,60a)の上側に、該連通口(24b,60a)の幅以上の幅でタンク内方に延出する張出し部(61,63)を設けたことを要旨とする。
請求項4の発明では、製氷水タンク内に上方から落ちてくる製氷水、薬液、すすぎ水等が、受け部からタンク外に飛散するのを防止することができる。
請求項5に係る発明は、
前記張出し部(63)は、上壁(63a)と、該上壁(63a)の幅方向の両側縁から下方に延出する側壁(63b,63b)とを有し、該側壁(63b)の下端は、前記受け部(44)の上端より下方に位置するよう構成したことを要旨とする。
請求項5の発明では、製氷水タンク内に上方から落ちてくる製氷水、薬液、すすぎ水等が、連通口から受け部に入るのを効果的に防ぐことができ、製氷水、薬液、すすぎ水等が受け部からタンク外に飛散するのをより好適に防止することができる。
前記張出し部(63)は、上壁(63a)と、該上壁(63a)の幅方向の両側縁から下方に延出する側壁(63b,63b)とを有し、該側壁(63b)の下端は、前記受け部(44)の上端より下方に位置するよう構成したことを要旨とする。
請求項5の発明では、製氷水タンク内に上方から落ちてくる製氷水、薬液、すすぎ水等が、連通口から受け部に入るのを効果的に防ぐことができ、製氷水、薬液、すすぎ水等が受け部からタンク外に飛散するのをより好適に防止することができる。
本発明に係る製氷機の薬剤供給構造によれば、箱体を分解することなく、箱体外部から薬剤を製氷水タンクヘ供給することができるので、製氷水の循環経路の洗浄を行う場合に伴う作業が簡単になる。
次に、本発明に係る製氷機の薬剤供給構造につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。実施例では、製氷機として、所謂クローズドセルタイプの製氷機構を備えた噴射式の製氷機を挙げて説明する。
実施例1の製氷機は、内部に貯氷室が画成された図示しない貯氷庫に、図1に示す製氷ユニット10を載置したスタックオンタイプであって、製氷ユニット10は、製氷機構12および冷凍機構(図示せず)と、両機構12を内部に収容する箱体14とから構成される。箱体14は、前方および下方に開口する本体16と、該本体16の前部開口16aを塞ぐように本体16に着脱自在に取り付けられるフロントパネル(壁部材)18とから構成され、製氷機構12で製造された氷塊(氷)は、本体16の下部開口を介して貯氷室内に放出される。また、本体16からフロントパネル18を取り外して前部開口16aを開放することで、前部開口16aを介して製氷機構12や冷凍機構のメンテナンスを行うことができる。
前記製氷機構12は、図1、図2に示す如く、製氷部20、水皿22および製氷水タンク24等から構成され、前記箱体14(本体16)の内部上方に水平に配設した取付部材26の下方に、下向き(一方)に開口する多数の製氷小室(製氷室)20aを画成した製氷部20が固定支持される。製氷部20の上面には、冷凍機構を構成する蒸発器28が密着的に蛇行配置され、製氷工程時に冷媒を循環させて製氷部20(製氷小室20a)を強制冷却し、除氷工程時に高温冷媒(ホットガス)を循環させて製氷部20(製氷小室20a)を加熱するよう構成される。また、製氷部20の下方に水皿22が配設され、この水皿22の下側に、製氷水を貯留する製氷水タンク24が一体的に配設されている。
図2に示す如く、前記水皿22は、前記取付部材26の左側に偏った位置に設けられた支持部26aに対して前後方向に延在する支持軸30を介して回動可能に枢支される。水皿22には、各製氷小室20aと対応する位置に、前記製氷水タンク24内の製氷水を製氷部20の各製氷小室20aへ噴射するための噴射孔22aおよび製氷部20へ供給されて氷結に至らなかった製氷水(未氷結水)を製氷水タンク24へ戻す戻り孔22bが夫々開設されている(図3参照)。
図2に示す如く、前記水皿22の上方に、図示しない外部水道源に連通する給水管32が設けられると共に、該給水管32に給水弁34が介挿されており、該給水弁34を開放することで、給水管32から常温の水が水皿22の表面へ供給される。水皿表面に供給された水は、水皿22に設けた前記戻り孔22b等を介して製氷水タンク24に貯留され、製氷水等として使用される。製氷水タンク24に、該製氷水タンク24に貯留されている製氷水を水皿22に供給する循環ポンプ36が配設されており、該循環ポンプ36によって水皿22に供給された製氷水は、該水皿22に設けた前記噴射孔22aから製氷部20の各製氷小室20aに噴射供給される。そして、製氷部20で氷結しなかった製氷水は、戻り孔22bを介して製氷水タンク24に回収され、再度の循環に供される。実施例1では、製氷水タンク24、製氷部20、水皿22および製氷水タンク24と水皿22とを循環ポンプ36を介して接続して製氷水が流通する管体(図示せず)が、製氷水タンク24と製氷部20との間で製氷水が循環する循環経路となる。また、前記製氷機構12の下方には、該製氷機構12から流下する排水(製氷残水、オーバーフロー水、結露水等)を受けるドレンパン38が配設されており、該ドレンパン38で受けた排水は機外へ排出される。
前記製氷機構12には、前記水皿22の枢支側と反対側(右側)に、前記製氷部20に対して水皿22および製氷水タンク24からなる製氷水供給部を開閉(傾動)させるための傾動機構40が設けられている。製氷機構12では、製氷工程において製氷水供給部の水皿22が、図2に示す如く、傾動機構40によって製氷部20の各製氷小室20aの下面を塞いだ閉成位置に保持され、製氷水タンク24に貯留されている製氷水が、前記循環ポンプ36により水皿22から前記蒸発器28によって冷却された各製氷小室20aに対して噴射供給されて、該製氷小室20aに氷塊(氷)が生成される。また、製氷機構12では、除氷工程において製氷水供給部の水皿22が、傾動機構40によって製氷部20から下方へ離間して製氷小室20aからの氷塊の放出を許容する傾斜姿勢となる開放位置で保持され、蒸発器28によって加熱された製氷小室20aから離脱した氷塊が、水皿22の傾斜した上面に案内されて前記貯氷室に落下放出される。なお、傾動機構40は、製氷水供給部を傾動して閉成位置と開放位置とで姿勢変化させるものであるが、以下の説明では、単に水皿22を傾動するというと共に、水皿22の閉成位置、開放位置という。
前記傾動機構40は、ギヤードモータ等のモータ(駆動手段)40aにより正転方向または逆転方向に回転するカム部材(図示せず)を備え、該カム部材を正転方向または逆転方向に回転することで、前記水皿22は、前記閉成位置と開放位置とに変位する。傾動機構40には、閉成位置から傾動した水皿22が開放位置に至ったことを検知すると共に、開放位置から傾動した水皿22が閉成位置に至ったことを検知する検知手段(図示せず)が設けられ、該検知手段が水皿22の開放位置または閉成位置を検知してモータ40aを停止することで、水皿22を開放位置または閉成位置に保持するよう構成される。
図2、図3に示す如く、前記製氷水タンク24には、タンク内に貯留する製氷水や薬液等の液体を排出可能なオーバーフローパイプ42が設けられている。オーバーフローパイプ42は、前記水皿22の閉成位置および開放位置で、製氷水タンク24内の最も低くなる位置より上方位置で外部に排出口42aを開口し、閉成位置において製氷水タンク24に貯留する製氷水の上限水位をオーバーフローパイプ42で規定する一方、開放位置において製氷水タンク24内に所定量の製氷水(製氷残水)が残るように、該製氷残水の一部のみをオーバーフローパイプ42から排出し、残留させた製氷残水を次回の製氷水として再利用し得るように構成される。なお、オーバーフローパイプ42の排出口42aから排出される液体は、前記ドレンパン38で受けられる。
図2、図3に示す如く、前記製氷水タンク24における前記フロントパネル18を向く前壁(後述する挿入孔側に臨む部位)24aに、内外方向に貫通する供給口24bが形成されると共に、該供給口24bの周囲を囲繞する略U字状の受け部44が、前壁24aから前方に向けて所定長さで延出するように設けられている。実施例1では、前壁24aに形成された供給口24bが、受け部44と製氷水タンク24とを連通する連通口となる。また、受け部44は、その内底面が前方に向けて上方傾斜するように形成されている。なお、供給口24bの位置は、前記オーバーフローパイプ42で規定される上限水位より高い位置に設定されて、前記水皿22の閉成位置において製氷水タンク24内の製氷水等が供給口24bから外部に流出しないよう構成される。
前記フロントパネル18には、図1、図4に示す如く、前記製氷水タンク24の受け部44と対応する位置に、挿入孔部材46が配設されている。挿入孔部材46は、フロントパネル18に取り付けられる取付部48と、該取付部48に設けられて箱体14の内部および外部に延出する筒状の挿通部50とを備え、該挿通部50に内部画成される挿入孔50aは、箱体14の内外で開口し、後述する供給部材56を、箱体外部から挿脱可能に差し込み得るよう構成される。なお、フロントパネル18には、挿入孔部材46の取り付け位置に対応して内外方向に貫通する貫通孔が形成されており、挿入孔部材46は、貫通孔を塞ぐようにフロントパネル18に取り付けられて、挿通部50における後側(箱体内側)に延出する後側部分50bが、貫通孔を通って箱体14の内部に延出するよう構成される。また、取付部48は、その中央部が箱体内側に向けて凹むように形成されて、該凹部48aに挿通部50が設けられており、該挿通部50における前側(箱体外側)に延出する前側部分50cの前端は、凹部48a内に位置するよう設定されている。また、取付部48の前面には、凹部48aの一側部に、上下に離間して一対の軸支部52,52が設けられ、該軸支部52,52に蓋部材54が回転自在に支持されて、該蓋部材54によって凹部48aの前側(前側部分50cの前側)を開閉可能に構成される(図5参照)。すなわち、挿通部50の挿入孔50aは、蓋部材54を開放することで、箱体14の外部に開口可能になっている。なお、蓋部材54は、捻じりバネ等によって、常には凹部48aの前側を閉成するよう構成され、蓋部材54を回転して凹部48aの前側を開放することで、挿入孔50aへの供給部材56の差し込みを許容するようになっている。
図4に示す如く、前記挿入孔部材46は、前記挿通部50が、前記受け部44より上方に位置するようにフロントパネル18に取り付けられると共に、挿通部50は、箱体14の外側から内側に向けて下方傾斜するよう形成されており、挿入孔50aに差し込まれた供給部材56を、外側端(入口側端部)から内側端(出口側端部)に向けて下方傾斜する姿勢で支持するよう構成される。また、図5に示す如く、挿通部50の前記前側部分50cには、その下側に、前端から延出方向に沿って所定長さで延在するスリット50dが形成されている。スリット50dの前端部には、前端(開放端)に向けて拡開する拡開部50eが形成されている。
前記挿入孔50aに挿脱可能な供給部材56は、図4、図6に示す如く、所定長さ寸法の筒状の部材であって、該供給部材56内に、長手方向に沿って通路58が画成されており、供給部材56の長手方向の一端部(出口側端部)に、通路58の出口58aが設けられると共に、他端部に通路58の入口58bが設けられる。供給部材56の他端部(入口側端部)には、樋状の受部56aが所定長さで設けられ、該受部56aで受けた薬剤が入口58bから通路58に入るよう構成される。また、供給部材56の下側には、前記挿通部50における前側部分50cのスリット50dに挿入されて、該供給部材56の周方向および長手方向の位置決めを行う突条部57が、長手方向に沿って所定長さで形成されている。突条部57における供給部材56の入口側端部側の端に、幅広の規制部57aが設けられ、スリット50dに一端側から挿入された突条部57aの規制部57aが、前記拡開部50e(挿通部50)に当接することで、供給部材56の差し込み方向の位置決めがされる。すなわち、供給部材56を、出口側端部から挿入孔50aに差し込むと共に、突条部57をスリット50dに挿入し、該突条部57の規制部57aがスリット50dの前端の拡開部50e(挿通部50)に当接した位置で、供給部材56を位置決めし得るよう構成される。そして、規制部57aと拡開部50eとによって位置決めされた供給部材56の出口側端部が、前記製氷水タンク24に設けた受け部44内に受容されるように支持されて、供給部材56の通路58(出口58a)が前記供給口24bを介して製氷水タンク24内に連通するよう構成される。また、規制部57aと拡開部50eとによって位置決めされた供給部材56は、通路58の入口58bが箱体外部に臨むと共に、受部56aが挿入孔部材46から前方に所定長さで突出する。すなわち、挿入孔50aに供給部材56を差し込み、箱体14の外部に臨む入口58b(受部56a)から固形状または液状の薬剤を供給することで、該薬剤は供給部材56の通路58を通って製氷水タンク24に供給される。実施例1では、挿通部50に設けた拡開部50eおよび供給部材56に設けた規制部57aによって、前記挿入孔50aに差し込まれる供給部材56を、前記出口側端部が受け部44に受容される位置に位置決めする位置決め手段が構成される。なお、前記挿通部50の傾斜角度は、挿入孔50aに差し込まれた供給部材56の入口側から出口側に向けた傾斜角度が、入口58bに供給された固形状の薬剤(錠剤)がスムーズに出口58aから製氷水タンク24内に落下し得る角度となるよう設定される。
実施例1の製氷機は、製氷工程において、前記製氷部20に配設された温度センサ(図示せず)が製氷完了温度を検知した条件で、前記循環ポンプ36が停止されて製氷工程が完了され、除氷工程に移行するよう構成される。また、製氷機は、除氷工程において、前記温度センサが除氷完了温度を検知した条件で、前記蒸発器28による製氷部20の加熱が停止されると共に、前記傾動機構40によって前記水皿22が開放位置から閉成位置まで戻され、除氷工程が終了される。
ここで、前記製氷水タンク24に供給される製氷水には、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分等の様々なものが含まれているので、製氷工程と除氷工程とからなる製氷サイクルを繰り返し行うことで、製氷水の循環経路に、前記ミネラル分が濃縮したスケールや水垢などの不純物が付着してしまう。そこで、実施例1の製氷機では、製氷サイクルを繰り返す製氷モードと、前記製氷機構12において製氷水の循環経路を薬液で洗浄する洗浄モード(洗浄運転)とを、図示しない操作パネルを操作することで選択し得るよう構成される。洗浄モードでは、循環経路に薬液を循環する洗浄工程の終了後に、循環経路を水(水道水)ですすぐすすぎ工程を行うようになっている。洗浄工程では、循環経路において前記水皿22の閉成位置で製氷水タンク24内の製氷水等を全量排出可能な位置に設けられている図示しない開閉バルブを開放制御して、製氷水タンク24に貯留されている製氷水を全量排出した後に該開閉バルブを閉成制御し、前記水皿22を閉成位置に保持した状態で、前記供給部材56によって製氷水タンク24内に薬剤を供給する。なお、供給部材56によって供給された薬剤が固形状である場合は、前記給水弁34を開放することによって製氷水タンク24に新たに供給される水に薬剤が溶けることで、製氷水タンク24内に薬液が貯留され、供給部材56によって供給された薬剤が液状の薬液である場合は、該薬液が新たに供給される水で稀釈された薬液が製氷水タンク24内に貯留される。そして、製氷水タンク24に薬剤を供給した後、前記循環ポンプ36を洗浄時間に亘って運転することで、製氷水タンク24に貯留した薬液を循環経路に循環させる。そして、洗浄時間を経過すると循環ポンプ36を停止し、前記水皿22を閉成位置に保持したまま製氷水タンク24の薬液を、開閉バルブを開放制御して全量排出した後に該開閉バルブを閉成制御し、洗浄工程が終了する。
すすぎ工程では、所定の給水時間に亘って前記給水弁34を開放して、前記製氷水タンク24にすすぎ水(水道水)を所定量供給する。そして、前記循環ポンプ36をすすぎ時間に亘って運転することで、製氷水タンク24に貯留したすすぎ水を循環経路に循環させて該循環経路をすすぐ。すすぎ時間を経過すると循環ポンプ36を停止し、前記水皿22を閉成位置に保持したまま製氷水タンク24のすすぎ水を、前記開閉バルブを開放制御して全量排出した後に該開閉バルブを閉成制御し、すすぎ工程を終了する。なお、すすぎ工程は、予め設定されたすすぎ回数だけ繰り返され、設定すすぎ回数に達すると、洗浄モードでの運転が終了される。
〔実施例1の作用〕
次に、実施例1に係る製氷機の薬剤供給構造の作用について説明する。
次に、実施例1に係る製氷機の薬剤供給構造の作用について説明する。
前記製氷機において、前記製氷機構12における製氷水の循環経路を洗浄する場合は、製氷機に設けた操作パネルを操作して前記製氷モードから洗浄モードに切り替える。洗浄モードでは、製氷部20に氷塊が無い状態にするために、先ず除氷工程が実行され、前記傾動機構40によって水皿22は開放位置まで傾動する。前記温度センサが除氷完了温度を検知した条件で、傾動機構40によって水皿22が開放位置から閉成位置まで戻され、除氷工程が終了される。除氷工程の後に開閉バルブを所定時間開放し、製氷水タンク24内に残留する製氷水を全量排出する。実施例1では、製氷水が全量排出されたタイミングで、「薬剤を投入して下さい」等の音声や表示での案内を行うと共に、薬剤の投入時間の計時を開始し、投入時間が経過すると前記給水弁34を開放して製氷水タンク24に水を所定量供給する。
前記投入時間の間に、前記蓋部材54を開放し、前記フロントパネル18(箱体14)の外側から前記供給部材56を、前記挿通部50の挿入孔50aに差し込む。この際に、供給部材56の突条部57を挿通部50のスリット50dに挿入し、前記規制部57aが拡開部50eに当接するまで供給部材56を挿入孔50aに差し込むことで、図4に示す如く、該供給部材56の出口側端部は、前記製氷水タンク24の受け部44が受容する位置に位置決めされる。また、規制部57aと拡開部50eとで位置決めされた供給部材56は、前記受部56aが、開口を上向きとした姿勢でフロントパネル18(挿入孔部材46)の前方に所定長さで突出するので、該受部56aに、固形状あるいは液状の薬剤を供給すると、該薬剤は、供給部材56の通路58を通って製氷水タンク24に供給される。供給された薬剤が固形状であれば、製氷水タンク24に供給される水に溶けて薬液となり、供給された薬剤が液状であれば、製氷水タンク24に供給される水で稀釈された薬液となって、製氷水タンク24内に貯留される。
前記製氷水タンク24に所定量の水が供給されると、洗浄運転が開始される。この洗浄運転では、洗浄時間に亘って前記循環ポンプ36が運転され、製氷水タンク24に貯留されている薬液が、製氷水の循環経路を循環して、該循環経路が洗浄される。洗浄時間が経過すると循環ポンプ36が停止し、前記水皿22を閉成位置に保持したまま開閉バルブを開放制御することで、製氷水タンク24に貯留されている薬液は、該タンク24から全量排出される。洗浄モードでは、水皿22を閉成位置に保持したまま、前記すすぎ運転を複数回繰り返すことで洗浄モードでの運転が終了する。
実施例1の製氷機では、前記フロントパネル18(箱体14)に、内外方向に貫通して箱体14の外部に開口する挿入孔50aを設けたので、前記本体16からフロントパネル18を取り外す分解作業を行うことなく、挿入孔50aに箱体外部から供給部材56を差し込むだけで、箱体内の製氷水タンク24に薬剤を供給することができる。すなわち、製氷水の循環経路を薬液洗浄する場合に、薬剤供給に際してフロントパネル18を取り外したり、薬液洗浄後にフロントパネル18を取り付けたりする煩雑で手間となる作業を省略することができる。また、箱体14に挿入孔50aを設けるだけであるので、薬液供給手段を配設する場合に比べて製氷機の構成を簡単化し得ると共にコストの上昇を抑えることができる。また、前記挿入孔部材46に、前記凹部48aの前側(前側部分50cの前側)を常には閉成する蓋部材54を設けているので、挿入孔50aを使用しない状態において、該挿入孔50aを介して塵埃等が箱体内に入るのを防ぐことができる。
前記フロントパネル18に設けた挿入孔50aに差し込んだ供給部材56は、図4に示す如く、通路58の入口側から出口側に向けて下方傾斜する姿勢となるように支持されるので、入口58bから供給した薬剤を、通路58内で滞らせることなく製氷水タンク24にスムーズに供給することができる。また、挿入孔50aに差し込んだ供給部材56の出口側端部は、製氷水タンク24に設けた受け部44に受容された状態で支持されるので、薬剤の供給中に作業者が供給部材56を保持しなくても、薬剤を製氷水タンク24に適切に供給することができる。更に、挿入孔50aに差し込んだ供給部材56は、前記位置決め手段50e,57aによって出口側端部が、受け部44で受容される位置に位置決めされるので、供給部材56を差し込み過ぎたり、差し込み不足となって薬剤が適切に製氷水タンク24に供給されない事態が生ずるのを防ぐことができる。また、供給部材56の入口側端部に樋状の受部56aを設けているので、薬剤を通路58に供給し易い。
前記位置決め手段50e,57aを設けたスリット50dと突条部57とによって供給部材56が周方向に変位するのは規制されて、供給部材56は、受部56aが上向きとなる姿勢に支持されるので、例えば、薬液容器から薬液を受部56aに注ぎ入れる場合に、薬液容器が供給部材56に接触して該供給部材56が周方向に変位して受部56aの向きが変わってしまうことで、薬液を注ぎ入れることができなくなる等の事態が発生するのを防ぐことができる。また、製氷水タンク24の前壁24aに形成した供給口24bの前側(外側)には前方に向けて上方傾斜する受け部44が位置しているので、製氷工程に際して水皿22から製氷水タンク24に戻る製氷水が、該供給口24bから外部に漏れるのを受け部44で受けて防ぐことができる。
図7~図9は、実施例2に係る製氷機の薬剤供給構造を示すものであって、実施例2は、実施例1における受け部44に関連する構造が異なるのみで、その他の構成は同じであるので、実施例2に関しては、実施例1と異なる部分についてのみ説明し、実施例1と同一部材には同じ符号を付して説明は省略する。
実施例2では、前記受け部44は、前記製氷水タンク24とは別体で形成した受部材59に設けられ、該受部材59を製氷水タンク24に取り付けることで、受け部44が前記前壁24aから前方に延出するよう構成される。例えば、実施例2では、別体で成形した樹脂製の製氷水タンク24および受部材59が溶着により一体化されている。図8、図9に示す如く、受部材59は、板状の取着部60と、該取着部60に形成されて前後方向に貫通する連通口60aにおける下側の開口縁から前方に延出する樋状の受け部44と、連通口60aにおける上側の開口縁から後方(製氷水タンク24の内方)に延出する庇状の張出し部61と、を備える。また、製氷水タンク24の前壁24aには、受け部44を支持可能な凹部62が上端から下方に凹むように形成されている。そして、取着部60を、製氷水タンク24の前壁24aにおける内側に取り付けることで、図7に示す如く、受け部44が、凹部62で支持されて前壁24aから前方に延出すると共に、張出し部61が、連通口60aよりタンク内方に延出する。張出し部61は、受け部44と製氷水タンク24とを連通する連通口60aの上側において、該連通口60aの幅寸法以上の幅でタンク内方に延出し、前記水皿22の閉成位置において、張出し部61は、水皿22の前記戻り孔22bより下方に位置している。なお、張出し部61の幅は、連通口60aの幅寸法より広く、張出し部61の幅方向の側縁が、連通口60aの幅方向の端より外側に位置しているのがより好ましい。
実施例2では、前記連通口60aの上側に、タンク内方に延出する張出し部61を設けたので、製氷モードや洗浄モードにおいて前記水皿22の戻り孔22bから落ちる製氷水、薬液、すすぎ水等を張出し部61で受けることができ、製氷水、薬液、すすぎ水等が連通口60aから受け部44に入るのを防ぐことができる。また、張出し部61の幅は、連通口60aの幅以上に設定されているので、張出し部61上に落下して幅方向の側縁から滴下する製氷水、薬液、すすぎ水等が連通口60aに入るのも防ぐことができる。これにより、製氷水、薬液、すすぎ水等が受け部44からタンク外に飛散するのを未然に防ぐことができ、庫内を清潔に保つことができる。
(別実施例について)
図10~図17は、実施例2の別実施例を示すものである。図10~図17に示す別実施例は、実施例2の受部材59とは張出し部の構成が異なるのみで、その他の構成は同じであるので、各別実施例に関しては、実施例2と異なる部分のついてのみ説明し、実施例2と同一または同様の機能を有する部材には同じ符号を付して詳細説明は省略する。
図10~図17は、実施例2の別実施例を示すものである。図10~図17に示す別実施例は、実施例2の受部材59とは張出し部の構成が異なるのみで、その他の構成は同じであるので、各別実施例に関しては、実施例2と異なる部分のついてのみ説明し、実施例2と同一または同様の機能を有する部材には同じ符号を付して詳細説明は省略する。
(第1別実施例について)
図10、図11に示す第1別実施例では、受部材59に設けられる張出し部63は、上壁63aと、該上壁63aの幅方向の両側縁から下方に所定長さで延出する側壁63b,63bと、を有する。図示例では、上壁63aが弧状に形成されて、張出し部63における延在方向と交差する方向での縦断面は逆U字状となっている。また、側壁63bの下端は、受け部44の上端より下方に位置するよう設定されている。なお、第1別実施例では、張出し部63の両側壁63a,63aが、前記連通口60aを挟んで外側に位置しており、張出し部63の幅寸法は、連通口60aの幅寸法より広くなっている。
図10、図11に示す第1別実施例では、受部材59に設けられる張出し部63は、上壁63aと、該上壁63aの幅方向の両側縁から下方に所定長さで延出する側壁63b,63bと、を有する。図示例では、上壁63aが弧状に形成されて、張出し部63における延在方向と交差する方向での縦断面は逆U字状となっている。また、側壁63bの下端は、受け部44の上端より下方に位置するよう設定されている。なお、第1別実施例では、張出し部63の両側壁63a,63aが、前記連通口60aを挟んで外側に位置しており、張出し部63の幅寸法は、連通口60aの幅寸法より広くなっている。
第1別実施例では、製氷モードや洗浄モードにおいて前記水皿22の戻り孔22bから落ちて前記張出し部63の上壁63aで受けた製氷水、薬液、すすぎ水等は、両側壁63b,63bに沿って流下する。両側壁63b,63bの下端は、受け部44の上端より下方に位置しているので、該側壁63b,63bを伝って下端から滴下する製氷水、薬液、すすぎ水等が受け部44に入るのを好適に防ぐことができ、実施例2の構成よりも、製氷水、薬液、すすぎ水等の外部飛散防止効果が高い。
(第2別実施例について)
図12、図13に示す第2別実施例では、受部材59に設けられる張出し部63は、第1別実施例と同じく、上壁63aと、該上壁63aの幅方向の両側縁から下方に所定長さで延出する側壁63b,63bと、を有する。そして、第1別実施例と同様に、左右の側壁63b,63bは、連通口60aを挟んで外側に位置している。第1別実施例では、側壁63bの下端縁は、張出し部63の延出方向に沿って延在しているが、第2別実施例では、側壁63bの下端縁は、張出し部63の延出端側から連通口側に向けて下方傾斜するよう形成されている。また、第2別実施例では、傾斜している側壁63bにおける張出し部63の延出端側の下端が、受け部44の上端より下方に位置しており、連通口側に向けて下方傾斜する下端縁の全てが、受け部44の上端より下方に位置している。
図12、図13に示す第2別実施例では、受部材59に設けられる張出し部63は、第1別実施例と同じく、上壁63aと、該上壁63aの幅方向の両側縁から下方に所定長さで延出する側壁63b,63bと、を有する。そして、第1別実施例と同様に、左右の側壁63b,63bは、連通口60aを挟んで外側に位置している。第1別実施例では、側壁63bの下端縁は、張出し部63の延出方向に沿って延在しているが、第2別実施例では、側壁63bの下端縁は、張出し部63の延出端側から連通口側に向けて下方傾斜するよう形成されている。また、第2別実施例では、傾斜している側壁63bにおける張出し部63の延出端側の下端が、受け部44の上端より下方に位置しており、連通口側に向けて下方傾斜する下端縁の全てが、受け部44の上端より下方に位置している。
第2別実施例では、第1別実施例と同様の効果が得られる。また、第2別実施例では、側壁63bの下端を、連通口60aに向けて下方傾斜するよう形成したことで、側壁63bにおける連通口60a側の下端と、受け部44の上端との離間距離が大きくなっている。すなわち、側壁63b,63bを伝って下端から滴下する製氷水、薬液、すすぎ水等は、受け部44の上端より低い位置で滴下するので、該製氷水、薬液、すすぎ水等が受け部44に入るのを好適に防ぐことができ、第1別実施例の構成よりも、製氷水、薬液、すすぎ水等の外部飛散防止効果が高い。
(第3別実施例について)
図14、図15に示す第3別実施例では、受部材59に設けられる張出し部63は、第1別実施例と同じく、上壁63aと、該上壁63aの幅方向の両側縁から下方に所定長さで延出する側壁63b,63bと、を有する。ここで、前記水皿22に製氷水タンク24を配設した状態で、前記張出し部63の上方において前記戻り孔22bが、張出し部63の幅方向の中央から左右何れか一方側に偏って位置する場合があり、このような構成では、該戻り孔22bから落ちてくる製氷水、薬液、すすぎ水等は、張出し部63の上壁63aから戻り孔22bが偏る一方の側の側壁63bを伝って流下することになる。すなわち、戻り孔22bが偏る側とは反対側の側壁63bに流れてくる製氷水、薬液、すすぎ水等は僅かであり、第2別実施例のように両側壁63b,63bの下端を傾斜させることは過剰な構成となる。そこで、第3別実施例では、張出し部63に対して上方に臨む戻り孔22bが中央から左右何れか一方に偏っている側の側壁63bの下端縁のみを傾斜するよう形成し、他方の側の側壁63bの下端縁は、張出し部63の延出方向に沿って延在するよう形成されている。すなわち、第3別実施例の張出し部63は、一方の側壁63bの下端縁のみが傾斜する点で第2別実施例の張出し部63と異なり、その他の構成は同じである。
図14、図15に示す第3別実施例では、受部材59に設けられる張出し部63は、第1別実施例と同じく、上壁63aと、該上壁63aの幅方向の両側縁から下方に所定長さで延出する側壁63b,63bと、を有する。ここで、前記水皿22に製氷水タンク24を配設した状態で、前記張出し部63の上方において前記戻り孔22bが、張出し部63の幅方向の中央から左右何れか一方側に偏って位置する場合があり、このような構成では、該戻り孔22bから落ちてくる製氷水、薬液、すすぎ水等は、張出し部63の上壁63aから戻り孔22bが偏る一方の側の側壁63bを伝って流下することになる。すなわち、戻り孔22bが偏る側とは反対側の側壁63bに流れてくる製氷水、薬液、すすぎ水等は僅かであり、第2別実施例のように両側壁63b,63bの下端を傾斜させることは過剰な構成となる。そこで、第3別実施例では、張出し部63に対して上方に臨む戻り孔22bが中央から左右何れか一方に偏っている側の側壁63bの下端縁のみを傾斜するよう形成し、他方の側の側壁63bの下端縁は、張出し部63の延出方向に沿って延在するよう形成されている。すなわち、第3別実施例の張出し部63は、一方の側壁63bの下端縁のみが傾斜する点で第2別実施例の張出し部63と異なり、その他の構成は同じである。
第3別実施例では、第2別実施例と同様の効果が得られる他、受部材59の構成を簡単化でき、コストを削減できる。
(第4別実施例について)
図16に示す第4別実施例では、受部材59に設けられる張出し部63は、第1別実施例と同じく、上壁63aと、該上壁63aの幅方向の両側縁から下方に所定長さで延出する側壁63b,63bと、を有する。また、各側壁63bの下端には、該側壁63bにおける張出し部63の延出端側において下方に突出する水切り部64が設けられている。この水切り部64は、張出し部63の前後幅より小さい前後幅で垂下する細長い部分である。第4別実施例の張出し部63は、側壁63bに水切り部64が設けられる点で第1別実施例の張出し部63と異なり、その他の構成は同じである。
図16に示す第4別実施例では、受部材59に設けられる張出し部63は、第1別実施例と同じく、上壁63aと、該上壁63aの幅方向の両側縁から下方に所定長さで延出する側壁63b,63bと、を有する。また、各側壁63bの下端には、該側壁63bにおける張出し部63の延出端側において下方に突出する水切り部64が設けられている。この水切り部64は、張出し部63の前後幅より小さい前後幅で垂下する細長い部分である。第4別実施例の張出し部63は、側壁63bに水切り部64が設けられる点で第1別実施例の張出し部63と異なり、その他の構成は同じである。
第4別実施例では、第1別実施例と同様の効果が得られる。また、第4別実施例では、張出し部63において上壁63aから各側壁63bに流れた製氷水、薬液、すすぎ水等は、前記水切り部64を伝って滴下する。水切り部64は、前記連通口60aから離間する位置に設けられているから、側壁63bを流下する製氷水、薬液、すすぎ水等が連通口60aから受け部44に入るのを効果的に防ぐことができ、第1別実施例の構成よりも、製氷水、薬液、すすぎ水等の外部飛散防止効果が高い。
(第5別実施例について)
図17に示す第5別実施例では、受部材59に設けられる張出し部63は、第1別実施例と同じく、上壁63aと、該上壁63aの幅方向の両側縁から下方に所定長さで延出する側壁63b,63bと、を有する。また、上壁63aは、連通口側から張出し部63の延出端に向けて下方傾斜するよう形成されている。すなわち、第5別実施例の張出し部63は、上壁63aが傾斜している点で第1別実施例の張出し部63と異なり、その他の構成は同じである。
図17に示す第5別実施例では、受部材59に設けられる張出し部63は、第1別実施例と同じく、上壁63aと、該上壁63aの幅方向の両側縁から下方に所定長さで延出する側壁63b,63bと、を有する。また、上壁63aは、連通口側から張出し部63の延出端に向けて下方傾斜するよう形成されている。すなわち、第5別実施例の張出し部63は、上壁63aが傾斜している点で第1別実施例の張出し部63と異なり、その他の構成は同じである。
第5別実施例では、第1別実施例と同様の効果が得られる。また、第5別実施例では、張出し部63の上壁63aに落ちた製氷水、薬液、すすぎ水等は、該上壁63aの傾斜によって連通口60aから離間する後方に流れ、製氷水、薬液、すすぎ水等が連通口60aから受け部44に入るのを効果的に防ぐことができ、第1別実施例の構成よりも、製氷水、薬液、すすぎ水等の外部飛散防止効果が高い。
〔変更例〕
本願は、前述した実施例1,2等の構成に限定されるものでなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例等では、クローズドセルタイプの製氷機構を備えた製氷機で説明したが、オープンセルや流下式の製氷機構を備えた製氷機であってもよい。
(2) 実施例等では、製氷ユニットを貯氷庫に載置したスタックオンタイプの製氷機で説明したが、箱体の内部上方に製氷機構が配設されると共に、箱体の内部下方に貯氷室が画成される製氷機であってもよい。
(3) 実施例等では、箱体を構成するフロントパネルに挿入口を設けたが、箱体を構成するサイドパネル(壁部材)やトップパネル(天板)に挿入口を設け、該挿入口に差し込んだ供給部材の通路が、箱体内の製氷水タンクに連通する構成を採用することができる。
(4) 実施例等では、供給部材を筒状としたが、該供給部材は、薬剤を供給し得る形状であれば、全体が樋状であってもよい。
本願は、前述した実施例1,2等の構成に限定されるものでなく、その他の構成を適宜に採用することができる。
(1) 実施例等では、クローズドセルタイプの製氷機構を備えた製氷機で説明したが、オープンセルや流下式の製氷機構を備えた製氷機であってもよい。
(2) 実施例等では、製氷ユニットを貯氷庫に載置したスタックオンタイプの製氷機で説明したが、箱体の内部上方に製氷機構が配設されると共に、箱体の内部下方に貯氷室が画成される製氷機であってもよい。
(3) 実施例等では、箱体を構成するフロントパネルに挿入口を設けたが、箱体を構成するサイドパネル(壁部材)やトップパネル(天板)に挿入口を設け、該挿入口に差し込んだ供給部材の通路が、箱体内の製氷水タンクに連通する構成を採用することができる。
(4) 実施例等では、供給部材を筒状としたが、該供給部材は、薬剤を供給し得る形状であれば、全体が樋状であってもよい。
(5) 実施例等では、供給部材に設けた突条部の他端部に幅広の規制部を設け、該規制部を挿通部の前端部(拡開部)に当接して供給部材の位置決めを行うよう構成したが、突条部の一端部(出口側の端部)がスリットの奥側の壁(取付部)に当接することで、供給部材を位置決めし得る構成を採用することができ、この構成によれば突条部をストレートな単純形状とすることができる。
(6) 位置決め手段は、挿通部(前側部分)に設けた突条部と、供給部材に設けられて該突条部が挿入可能な凹溝とからなる構成を採用することができる。
(7) 実施例等では、スリットと突条部とによって供給部材の周方向の変位を規制するよう構成したが、挿入孔および供給部材の断面形状を、挿入孔に差し込まれた供給部材が周方向に変位不能な、例えば角状や楕円状等とする構成によって、供給部材の周方向の変位を規制するようにしてもよい。
(8) 挿入孔が形成される挿通部の前側を閉成する(覆う)蓋部材は、実施例等では回転式としたが、スライド式であってもよい。また、挿通部の挿入孔を塞ぐことが可能なキャップ等の栓部材を、前側部分に着脱可能に配設する構成を採用することができる。すなわち、挿入孔の不使用時(供給部材が差し込まれていない時)において、該挿入孔を覆ったり塞いだりする手段が設けられていればよい。
(9) 実施例等では、製氷水タンクに貯留されている製氷残水やすすぎ水を、開閉バルブを開放制御して全量排出するよう構成したが、製氷水タンクに対してオーバーフローパイプを回動自在に配設し、該オーバーフローパイプの姿勢を、水皿の開放位置において製氷水タンクに所定量の製氷残水を残留させる第1の姿勢と、製氷残水やすすぎ水を全て排出する第2の姿勢とに切り替え得るよう構成し、製氷残水やすすぎ水を全て排出する場合に、開閉バルブを開放制御する構成に代えて、オーバーフローパイプを第1の姿勢から第2の姿勢に切り換える構成を採用することができる。
(6) 位置決め手段は、挿通部(前側部分)に設けた突条部と、供給部材に設けられて該突条部が挿入可能な凹溝とからなる構成を採用することができる。
(7) 実施例等では、スリットと突条部とによって供給部材の周方向の変位を規制するよう構成したが、挿入孔および供給部材の断面形状を、挿入孔に差し込まれた供給部材が周方向に変位不能な、例えば角状や楕円状等とする構成によって、供給部材の周方向の変位を規制するようにしてもよい。
(8) 挿入孔が形成される挿通部の前側を閉成する(覆う)蓋部材は、実施例等では回転式としたが、スライド式であってもよい。また、挿通部の挿入孔を塞ぐことが可能なキャップ等の栓部材を、前側部分に着脱可能に配設する構成を採用することができる。すなわち、挿入孔の不使用時(供給部材が差し込まれていない時)において、該挿入孔を覆ったり塞いだりする手段が設けられていればよい。
(9) 実施例等では、製氷水タンクに貯留されている製氷残水やすすぎ水を、開閉バルブを開放制御して全量排出するよう構成したが、製氷水タンクに対してオーバーフローパイプを回動自在に配設し、該オーバーフローパイプの姿勢を、水皿の開放位置において製氷水タンクに所定量の製氷残水を残留させる第1の姿勢と、製氷残水やすすぎ水を全て排出する第2の姿勢とに切り替え得るよう構成し、製氷残水やすすぎ水を全て排出する場合に、開閉バルブを開放制御する構成に代えて、オーバーフローパイプを第1の姿勢から第2の姿勢に切り換える構成を採用することができる。
(10) 実施例2では、樹脂製の製氷水タンクとは別体で成形されて該製氷水タンクに溶着される樹脂製の受部材に受け部を設ける構成としたが、製氷水タンクの前壁に、受け部および張出し部を樹脂により一体成形する構成を採用することができる。
(11) 第4別実施例では、下端が張出し部の延在方向に沿う側壁の延出端に、下端から垂下する水切り部を設けたが、側壁の下端を、連通口側から延出端に向けて下方傾斜させることで、側壁における後端下部を鋭角の角部とし、該角部を水切り部として機能させる構成を採用することができる。
(12) 各別実施例の構成は、相互に組み合わせることができる。例えば、第4別実施例と第5別実施例との構成を組み合わせ、張出し部の上壁を傾斜させると共に水切り部を設ける構成等、各種の構成を採用することができる。
(11) 第4別実施例では、下端が張出し部の延在方向に沿う側壁の延出端に、下端から垂下する水切り部を設けたが、側壁の下端を、連通口側から延出端に向けて下方傾斜させることで、側壁における後端下部を鋭角の角部とし、該角部を水切り部として機能させる構成を採用することができる。
(12) 各別実施例の構成は、相互に組み合わせることができる。例えば、第4別実施例と第5別実施例との構成を組み合わせ、張出し部の上壁を傾斜させると共に水切り部を設ける構成等、各種の構成を採用することができる。
14 箱体,20 製氷部,24 製氷水タンク,44 受け部,50a 挿入孔
50e 拡開部(位置決め手段),56 供給部材,57a 規制部(位置決め手段)
58 通路,58b 入口,60a 連通口,61 張出し部,63 張出し部
63a 上壁,63b 側壁
50e 拡開部(位置決め手段),56 供給部材,57a 規制部(位置決め手段)
58 通路,58b 入口,60a 連通口,61 張出し部,63 張出し部
63a 上壁,63b 側壁
Claims (5)
- 冷凍機構によって冷却される製氷部と、製氷水が貯留される製氷水タンクとが箱体の内部に配設され、前記製氷水タンクと製氷部との間で製氷水を循環して該製氷部に氷を生成する製氷機の薬剤供給構造であって、
前記箱体の外部に開口可能に挿入孔が設けられ、
前記挿入孔に対して箱体外部から挿脱可能な供給部材を挿入孔に差し込むことにより、該供給部材に設けた通路が、前記製氷水タンクに連通するよう構成され、
前記供給部材の通路における箱体外に臨む入口から供給した薬剤が、前記通路を介して前記製氷水タンクに供給されるよう構成した
ことを特徴とする製氷機の薬剤供給構造。 - 前記製氷水タンクにおける前記箱体の挿入孔側に臨む部位に、該挿入孔に差し込まれた前記供給部材における通路の出口側端部を受容して、該供給部材の通路を製氷水タンクに連通する位置に支持する受け部が設けられる請求項1記載の製氷機の薬剤供給構造。
- 前記箱体の挿入孔に差し込まれる前記供給部材を、前記出口側端部が前記受け部に受容される位置に位置決めする位置決め手段が設けられる請求項2記載の製氷機の薬剤供給構造。
- 前記製氷水タンクと受け部との連通口の上側に、該連通口の幅以上の幅でタンク内方に延出する張出し部を設けた請求項2または3記載の製氷機の薬剤供給構造。
- 前記張出し部は、上壁と、該上壁の幅方向の両側縁から下方に延出する側壁とを有し、該側壁の下端は、前記受け部の上端より下方に位置するよう構成した請求項4記載の製氷機の薬剤供給構造。
Applications Claiming Priority (2)
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JP2022052775 | 2022-03-29 | ||
JP2022052775 | 2022-03-29 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2023147177A true JP2023147177A (ja) | 2023-10-12 |
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JP2022204450A Pending JP2023147177A (ja) | 2022-03-29 | 2022-12-21 | 製氷機の薬剤供給構造 |
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2022
- 2022-12-21 JP JP2022204450A patent/JP2023147177A/ja active Pending
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