JP2023146861A - インバータ回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】交流出力電圧の瞬時値の広範囲でゼロ電圧スイッチングができるインバータ回路を提供する。【解決手段】インバータ回路100は、直流電源Vinに並列に接続される、制御スイッチQ1と同期整流スイッチQ2が直列に接続された直列回路と、制御スイッチQ1と同期整流スイッチQ2の接続点に一端が接続されたリアクトルLと、直流電源Vinの電源ラインとリアクトルLの他端との間に接続された出力コンデンサCoと、交流出力電圧voの瞬時値VOの全範囲でリアクトルLに逆流電流Irを生じさせるように、制御スイッチQ1のオン時間tonQ1と同期整流スイッチQ2のオン時間tonQ2を制御する制御回路と、を備える。【選択図】図15

Description

本発明は、直流入力電圧を所定の周波数の交流出力電圧に変換可能なインバータ回路に関する。
同期整流を行う従来の臨界型インバータ回路では、直流入力電圧Vinと交流出力電圧voの瞬時値VOとの比が所定値以上(Vin≧2VO)でないと、制御スイッチのゼロ電圧スイッチング(ZVS)ができなかった。また、その臨界型インバータ回路では、交流出力電圧voの瞬時値VOの変化に応じて、制御スイッチと同期整流スイッチのスイッチング周波数fsが大きく変化するため、高い効率を得ることができなかった。
特開昭62-178176号公報
本発明の一態様は、交流出力電圧voの瞬時値VOの広範囲で、制御スイッチのゼロ電圧スイッチング(ZVS)が行えて、交流出力電圧voの瞬時値VOの変化に応じたスイッチング周波数fsの変化が小さい、高効率のインバータ回路を提供する。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るインバータ回路は、直流電源に並列に接続される、制御スイッチと同期整流スイッチが直列に接続された直列回路と、前記制御スイッチと前記同期整流スイッチの接続点に一端が接続されたリアクトルと、前記直流電源の電源ラインと前記リアクトルの他端との間に接続されて、両端に前記交流出力電圧を出力する出力コンデンサと、前記交流出力電圧の瞬時値の全範囲で前記リアクトルに逆流電流を生じさせるように、前記制御スイッチを第1のオン時間オンした後に、前記制御スイッチをオフして前記同期整流スイッチをオンし、前記同期整流スイッチを第2のオン時間オンした後に、前記同期整流スイッチをオフして前記制御スイッチをオンする制御を行う制御回路と、を備える。
上記の態様によれば、交流出力電圧voの瞬時値VOの全範囲で、制御スイッチのゼロ電圧スイッチングが行えて、交流出力電圧voの瞬時値VOの変化に応じたスイッチング周波数fsの変化が小さい、高効率のインバータ回路を提供することができる。
図1は、降圧チョッパ回路を示す図(従来のインバータ回路を説明する概念図)である。 図2は、降圧チョッパ回路の同期整流スイッチQ2がオフの時の回路図である。 図3は、降圧チョッパ回路に特定の条件(パラメータ)を設定した場合の交流出力電圧の瞬時値に対する最低限の逆流電流を示す図である。 図4は、降圧チョッパ回路の交流出力電圧の位相(半周期分)に対するスイッチング電流の包絡線(実線)と交流出力の電流(破線)を示す図である。 図5は、交流出力電圧の位相(半周期分)とスイッチング周波数の関係を示す図である。 図6は、方式1を採用したインバータ回路での交流出力電圧の瞬時値と逆流電流の関係を示す図である。 図7は、方式2を採用したインバータ回路での交流出力電圧の瞬時値と逆流電流の関係を示す図である。 図8は、方式1を採用したインバータ回路での交流出力電圧の位相(半周期分)に対するスイッチング電流の包絡線(実線)と交流出力電流(破線)を示す図である。 図9は、方式2を採用したインバータ回路での交流出力電圧の位相(半周期分)に対するスイッチング電流の包絡線(実線)と交流出力電流(破線)を示す図である。 図10は、方式1を採用したインバータ回路での交流出力電圧の位相(半周期分)とスイッチング周波数の関係を示す図である。 図11は、方式2を採用したインバータ回路での交流出力電圧の位相(半周期分)とスイッチング周波数の関係を示す図である。 図12は、方式3を採用したインバータ回路での交流出力電圧の位相(半周期分)に対するスイッチング電流の包絡線(実線)と交流出力の電流(破線)を示す図である。 図13は、方式3を採用したインバータ回路での交流出力電圧の位相(半周期分)とスイッチング周波数の関係を示す図である。 図14は、方式1~3のように第1スイッチQ1と第2スイッチQ2のオン・オフをスイッチングしたときに、第1スイッチQ1と第2スイッチQ2に流れるスイッチング電流の波形を示すタイムチャートである。 図15は、第1実施形態に係るインバータ回路の回路図である。 図16は、第2実施形態に係るインバータ回路の回路図である。 図17は、第3実施形態に係るインバータ回路の回路図である。 図18は、第4実施形態に係るインバータ回路の回路図である。
以下、本発明の実施形態に係るインバータ回路について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、図1の降圧チョッパ回路を参照して、従来のインバータ回路の基本的な動作を説明する。図1において、Vinは直流電圧、Q1は制御スイッチ(第1スイッチ)、Q2は同期整流スイッチ(第2スイッチ)、C/2はコンデンサ、Lはリアクトル、Coは出力コンデンサを示す。降圧チョッパ回路は、交流出力電圧voの正の半周期を出力コンデンサCoに出力することができる。コンデンサC/2は、スイッチQ1,Q2それぞれの寄生容量あるいは外付けコンデンサの容量を含む。
図2は、図1の降圧チョッパ回路で第1スイッチQ1がオンし、第2スイッチQ2がオフしている時の回路網である。図1に示した2つのコンデンサC/2は、充放電量が同じと仮定してひとつにまとめて、第1スイッチQ1に並列にコンデンサCとして接続されている。
スイッチQ1,Q2のスイッチング周波数fs(例えば、数百kHz)は、交流出力電圧voの周波数fo(例えば、50Hz)に比べて十分に大きい。そのため、スイッチQ1,Q2の各スイッチング周期内での交流出力電圧voの値は一定(直流)とみなすことができる。
図2中の矢印のように回路に流れる電流i(t)は、コンデンサCの電圧v(t)を用いて、式1で表される。ここで、tは時間を表す。
Figure 2023146861000002
…(式1)
リアクトルLの逆励磁電流をIrとすると、時間t=0の時点、すなわち初期条件での電流i(0)と電圧v(t)は式2で表される。
Figure 2023146861000003
…(式2)
また、図2の回路網方程式は、式3で表される。
Figure 2023146861000004
…(式3)
式1、式2、式3より、以下の式4が得られる。
Figure 2023146861000005
…(式4)
式4より、出力電圧voに対し、逆励磁電流Ir(以下、逆流電流と称する)が得られる条件を求める。少なくとも電圧v(t)は0V以下でなければならないから、式5のような条件が求まる。
Figure 2023146861000006
…(式5)
式5は、式6のように書き直すことができる。
Figure 2023146861000007
…(式6)
式6の第一式が成立するための最低限の逆流電流Irを得るには、余弦関数が最小のとき、つまり-1のとき(以下の式7を満たすとき)に式6の第一式を満たせばよい。
Figure 2023146861000008
…(式7)
よって、逆流電流Irは、以下の式8を満たせばよい。
Figure 2023146861000009
…(式8)
例えば、以下の式9に示す条件の場合の、出力電圧voの瞬時値VOに対する最低限の逆流電流Irは、図3のようになる。
Figure 2023146861000010
…(式9)
ここで、式10に示すように、出力電力Poを500W、交流出力電圧voの実効電圧Vrmsを交流200Vとし、交流出力電流ioの瞬時値をIO、交流出力電流の角周波数をωo(=2πfo)と表現する。
Figure 2023146861000011
…(式10)
交流出力電圧voの瞬時値をVOと表現した場合、2VO≧Vin(=400V)の範囲ではゼロ電圧スイッチングをするために電流を逆流させる必要がない。交流出力電圧の瞬時値VOが200Vから400Vの範囲では、逆流電流Irはゼロである。
交流出力において、式9、式10のパラメータを使うと、臨界スイッチング電流の包絡線は図4の実線のようになる。図4は、交流出力電圧voの半周期分の位相のみを示しており、Vin≧2VOを満たす位相の区間でのみ電流が逆流している。図4において、破線は交流出力の電流を示す(500W/200Vrms=2.5Arms)。
図5は、図4に対応した交流出力電圧voの位相とスイッチQ1,Q2のスイッチング周波数fsの関係を示す。図5に示すように、スイッチング周波数fsは、その最大値と最小値で約10倍の開きがある。特に、交流出力電圧voの位相が小さいときには、スイッチング電流は図4に示すように小さいが、スイッチング周波数fsが図5に示すように大きくなるため、スイッチング損失を低減することが難しい。
図4,5で使用した計算式は以下のとおりである。
(1)Vin<2VOのとき
この条件では、制御スイッチQ1は、ゼロ電圧スイッチングをすることができず、ハードスイッチングする。逆流電流Irは、式11のようにゼロである。
Figure 2023146861000012
…(式11)
第1スイッチQ1のオン時間tonQ1は、式12で表される。
Figure 2023146861000013
…(式12)
第2スイッチQ2のオン時間tonQ2は、式13で表される。
Figure 2023146861000014
…(式13)
また、第2スイッチQ2がオフしてから第1スイッチQ1がオンするまでの間のデッドタイムtdeadは、式7、式11から、式14で表される。
Figure 2023146861000015
…(式14)
第1スイッチQ1がオフしてから第2スイッチQ2がオンするまでの間のデッドタイムは、同期整流の原理上、省いても構わない。よって、式12、式13、式14の和の逆数が、図4のVin<2VOの位相区間でのスイッチング周波数fsとなる。
(2)Vin≧2VOのとき
この条件では、第1スイッチQ1は、ゼロ電圧スイッチングをすることが可能である。
逆流電流Irは、式15で表される。
Figure 2023146861000016
…(式15)
第1スイッチQ1のオン時間tonQ1は、式16で表される。
Figure 2023146861000017
…(式16)
第2スイッチQ2のオン時間tonQ2は、式17で表される。
Figure 2023146861000018
…(式17)
また、第2スイッチQ2がオフしてから第1スイッチQ1がオンするまでの間のデッドタイムtdeadは、式7、式15から、式18で表される。
Figure 2023146861000019
…(式18)
第1スイッチQ1がオフしてから第2スイッチQ2がオンするまでの間のデッドタイムは、同期整流の原理上、省いても構わない。よって、式16、式17、式18の和の逆数が、図4のVin≧2VOの位相区間でのスイッチング周波数fsとなる。
以上のように、従来の降圧チョッパ回路(従来のインバータ回路)では、交流出力電圧の位相角によってゼロ電圧スイッチング(ZVS)の可否が決まり、特にデジタル制御を行う際に、計算式が複雑で計算量も多かった。
交流出力電圧voの瞬時値VOがVin<2VOの位相区間は、コンデンサCの電圧v(t)が0Vまで下がらず、第1スイッチQ1がハードスイッチングして、また、この区間はスイッチング電流も大きい。そのため、スイッチング損失は大きくなり、インバータ回路の効率を高めることは難しかった。
そこで、本実施形態では、交流出力電圧の全ての位相角において、確実にゼロ電圧スイッチングができる、低損失な臨界型インバータ回路を提供する。そのための具体的な方式として、まず、以下の2つを挙げる。
(方式1)交流出力電圧voの位相に応じて増減する、逆流電流包絡線を描くように第2スイッチQ2のオン期間を設定することで、スイッチング周波数fsの差を低減して高効率を得る。
(方式2)交流出力電圧voの位相に関わらず、逆流電流包絡線が一定になるように第2スイッチQ2のオン期間を設定することで、スイッチング周波数fsの差を低減して高効率を得る。
方式1では、図3に示した交流出力電圧voの瞬時値VOに対する最低限の逆流電流Irを示す曲線に対して、その曲線を下回らない、図6に示すような一次関数の線を設定する。この一次関数は、以下の式19で表される。
Figure 2023146861000020
…(式19)
式19は、式15よりも簡素で、デジタル制御を行う際の計算量が少なくて済む。方式1では、交流出力電圧voの瞬時値VOの変化に応じて逆流電流Irの量を決めている。具体的には、瞬時値VOが小さいほど、逆流電流Irの量を大きくしている。
方式1のときの第1スイッチQ1のオン時間tonQ1は、式20で表される。
Figure 2023146861000021
…(式20)
方式1のときの第2スイッチQ2のオン時間tonQ2は、式21で表される。
Figure 2023146861000022
…(式21)
また、第2スイッチQ2がオフしてから第1スイッチQ1がオンするまでの間のデッドタイムtdeadは、式7、式19から式22で表される。
Figure 2023146861000023
…(式22)
第1スイッチQ1がオフしてから第2スイッチQ2がオンするまでの間のデッドタイムは、同期整流の原理上、省いても構わない。よって、式20、式21、式22の和の逆数が、方式1でのスイッチング周波数fsとなる。
方式2では、図3に示した交流出力電圧voの瞬時値VOに対する逆流電流Irを示す曲線に対して、その曲線を下回らない、図7に示すような直線を設定する。この直線は、以下の式23で表される。
Figure 2023146861000024
…(式23)
方式2の式23では、逆流電流Irが一定値となるため、方式1の式19よりも更に逆流電流Irの値の算出を簡素化することができる。
方式2のときの第1スイッチQ1のオン時間tonQ1は、式24で表される。
Figure 2023146861000025
…(式24)
方式2のときの第2スイッチQ2のオン時間tonQ2は、(式25)で表される。
Figure 2023146861000026
…(式25)
また、第2スイッチQ2がオフしてから第1スイッチQ1がオンするまでの間のデッドタイムtdeadは、式7、式23から、式26で表される。
Figure 2023146861000027
…(式26)
第1スイッチQ1がオフしてから第2スイッチQ2がオンするまでの間のデッドタイムは、同期整流の原理上、省いても構わない。よって、式24、式25、式26の和の逆数が、方式2でのスイッチング周波数fsとなる。
図6,7の一次関数および直線は、ともに図3のゼロ電圧スイッチング(ZVS)領域に含まれる逆流電流量を示すため、式19、式23から、ゼロ電圧スイッチングを満たす逆流電流量が得られる。
図3の曲線は、非ゼロ電圧スイッチング領域とゼロ電圧スイッチング領域を分ける境界線である。この曲線よりも大きな逆流電流Irを与える方式1と方式2は、図4の破線にあるような交流出力電流を維持するために、逆流電流Irを増やした分、ピーク電流も増やす必要がある。すなわち、第1スイッチQ1のオン時間tonQ1を増やす必要がある。これに伴い、第2スイッチQ2のオン時間tonQ2も増えることで、スイッチング周波数fsが低減される。スイッチング周波数fsが下がることによるスイッチング損失の低減効果が、ピーク電流増加によるスイッチング損失の増加効果を上回る。
図8は、方式1を採用したインバータ回路での交流出力電圧voの位相に対する電流包絡線(実線)と交流出力電流(破線)を示す。図9は、方式2を採用したインバータ回路での交流出力電圧voの位相に対する電流包絡線(実線)と交流出力電流(破線)を示す。図10は、方式1を採用したインバータ回路での交流出力電圧voの位相とスイッチング周波数fsの関係を示す。図11は、方式2を採用したインバータ回路での交流出力電圧の位相とスイッチング周波数fsの関係を示す。
図6(方式1)と図7(方式2)を比較して、図7(方式2)の方が交流出力電圧の位相全範囲における逆流電流量が大きい。そのため、破線の交流出力電流を維持するために、図9(方式2)の電流包絡線のピークが図8(方式1)の電流包絡線のピークよりもわずかに大きい。しかし、スイッチング周波数fsのピークは、図10(方式1)よりも図11(方式2)のほうが下がっている。また、図10(方式1)と図11(方式2)のいずれも、図5と比較して充分にスイッチング周波数fsのピークを低減できている。
方式1と方式2の使い分けを、以下に説明する。
方式1では、スイッチQ1,Q2のスイッチング毎に交流出力電圧voの瞬時値VOをサンプリングしながら、逆流電流Irの量やスイッチQ1,Q2のオン時間の計算などを行う。
方式2では、スイッチQ1,Q2を更に高周波スイッチングをする場合、あるいは、グレードの低いマイコンやデジタルシグナルプロセッサ(DSP)を用いてインバータ回路のデジタル制御を行う場合などに適している。方式2のように、交流出力電圧voの全位相期間にわたって逆流電流Irを式23の一定値以上の固定値としておけば、インバータ回路で用いる素子などにばらつきがあっても、スイッチング周波数fsや電流包絡線(スイッチング電流)のピークは効率に影響を与えるほど変化せず、確実にゼロ電圧スイッチングすることができる。すなわち、方式2では、方式1と比べて逆流電流Irに厳密な値を設定しなくともよい。
次に、方式3を説明する。方式3では、逆流電流Irを、式23の一定値以上の固定値に交流出力電圧voの周波数foの高調波成分を加えたものとすることで、スイッチング周波数fsの大きさにほとんど変化がないインバータ回路を提供できる。
方式3では、式27のような逆流電流Irを設定する。
Figure 2023146861000028
…(式27)
ここで、βは、角周波数ωo=2πfoで交番する交流出力電圧voに対する3倍の高調波成分である。βは、交流出力電圧voに対する3倍の高調波成分だけでなく、5倍、7倍などの奇数の高次の高調波成分を含んでいてもよい。
方式3のときの第1スイッチQ1のオン時間tonQ1は、(式28)で表される。
Figure 2023146861000029
…(式28)
方式3のときの第2スイッチQ2のオン時間tonQ2は、(式29)で表される。
Figure 2023146861000030
…(式29)
その他の式は、方式2と同様なので省略する。
図12は、式27のβとして、交流出力電圧voの周波数foに3次高調波成分を加えた場合の交流出力電圧voの位相と、スイッチング電流の包絡線(実線)、交流出力電流(破線)の関係を示す。このように、方式3では、スイッチング電流のピークもさほど増えないため、高効率を期待できる。図13は、方式3を採用したインバータ回路で、式27のβとして交流出力電圧voの周波数foの3次高調波成分を加えた場合の交流出力電圧voの位相とスイッチング周波数fsの関係を示す図である。図13より、スイッチング周波数fsの変化がほとんど無いことが分かる。方式3のインバータ回路では、電波障害(EMI)などのノイズへの対策がしやすくなる。また、βに、交流出力電圧voの3倍の高調波成分だけでなく、5倍、7倍などの奇数の高次の高調波成分を加えることにより、スイッチング周波数fsが位相に対して更にフラットな形状になり、スイッチング周波数fsが更に下がることで、スイッチング損失を更に低減することができる。
図14は、方式1、方式2、方式3のように制御スイッチ(第1スイッチ)Q1と同期整流スイッチ(第2スイッチ)Q2のオン・オフをスイッチングしたときに、第1スイッチQ1と第2スイッチQ2に流れるスイッチング電流の波形を示すタイムチャートである。
具体的には、スイッチQ1,Q2を以下のように制御をする。まず、第2スイッチQ2をオンした後に、第2スイッチQ2のオン時間tonQ2が経過して、電流が設定した逆流電流量Irに達した時、第2スイッチQ2をオフする。そして、デッドタイムtdeadの後に再び第1スイッチQ1をオンさせ、第1スイッチQ1のオン時間tonQ1が経過したら、第1スイッチQ1をオフさせ、再び、第2スイッチQ2をオンする。なお、デッドタイムtdeadは、第1スイッチQ1のオン時間tonQ1、第2スイッチQ2のオン時間tonQ2と比較して、ごく短いため、図14では省略した。
方式1、方式2、方式3を実現可能なインバータ回路の実施形態を、図15―18に示す。
(第1実施形態)
第1実施形態に係るインバータ回路100を、図15を参照しながら説明する。
インバータ回路100は、交流出力電圧voのうち、正の極性だけを出力するものである。
インバータ回路100では、制御スイッチ(第1スイッチ)Q1と同期整流スイッチ(第2スイッチ)Q2の直列回路が直流電圧(直流電源)Vinに並列に接続されている。第1実施形態では、第1スイッチQ1と第2スイッチQ2には、Nチャネル型MOFETを用いている。第1スイッチQ1には、第1コンデンサC1が並列に接続されている。第2スイッチQ2には、第2コンデンサC2が並列に接続されている。コンデンサC1,C2は、スイッチQ1,Q2の寄生容量であってもよい。
第1スイッチQ1と第2スイッチQ2の接続点には、リアクトルLの一端が接続されている。リアクトルLの他端と直流電圧Vinの負極(電源ライン)との間に接続された出力コンデンサCoを介して、交流出力電圧voが出力される。第1スイッチQ1と第2スイッチQ2のオンとオフは、制御回路200によって制御される。
制御回路200は、エラーアンプ4と、比較器3,5と、RSフリップフロップ回路6,7を備える。制御回路200は、実際にはコンピュータプログラムに基づくデジタル制御を行うため、制御回路200の回路図はデジタル制御の概念図である(図16~18でも同様)。エラーアンプ4は、交流出力電圧voの瞬時値VOと基準電圧Vrefとの誤差電圧を増幅し、比較器5の反転入力端子に出力する。電流センサ1は、インバータ回路100の陽極側の電源ラインに流れる電流ioの瞬時値IOを検出する。
比較器5は、エラーアンプ4からの誤差電圧が電流センサ1で検出した電流ioの瞬時値IOに基づく電圧未満であるときはハイレベルをRSフリップフロップ回路7のリセット端子Rに出力する。このとき、RSフリップフロップ回路7の出力端子Qからローレベルが出力されるので、第1スイッチQ1はオフする。RSフリップフロップ回路7の反転出力端子からハイレベルがRSフリップフロップ回路6のセット端子Sに出力されるので、第2スイッチQ2はオンする。こうして、制御回路200が第1スイッチQ1と第2スイッチQ2とを交互にオン・オフさせることで、交流出力電圧voの瞬時値VOとインバータ回路100の陽極側の電源ラインに流れる電流ioの瞬時値IOが所定の値になるように制御することができる。
第1スイッチQ1をオンにすることによって、Vin→Q1→L→Co→Vinのループで電流が流れて、リアクトルLが励磁される。そして、第1スイッチQ1をオフにするとともに第2スイッチQ2をオンにすると、L→Co→Q2→Lのループで電流が流れることにより、リアクトルLの励磁がリセットされる。第2スイッチQ2を流れる電流がゼロになると、今度は、Co→L→Q2→Coのループで逆流電流が流れることにより、リアクトルLが逆方向に励磁し始める。これは、図14で、第2スイッチQ2を流れるスイッチング電流が負方向に流れている逆流電流となっている状態であり、この逆流電流の絶対値が最大となる値を「逆流電流Ir」と称する。
インバータ回路100の負極側の電源ラインに接続された逆流電流検出用の電流センサ2で検出した逆流電流Irが、逆流電流Irの設定値Ir_setに達すると、比較器3はハイレベルをRSフリップフロップ回路6のリセット端子Rに出力し、RSフリップフロップ回路6の出力端子Qからローレベルが出力されるので、第2スイッチQ2はオフする。RSフリップフロップ回路6の反転出力端子からハイレベルがRSフリップフロップ回路7のセット端子Sに出力されるので、第1スイッチQ1はオンする。ここで、逆流電流Irの設定値Ir_setを、方式1(式19)、方式2(式23)、方式3(式27)のいずれかの逆流電流Irの値又はそれに準ずる値に設定することで、方式1、方式2、方式3のいずれにも対応することが可能である。式19、式23、式27において、コンデンサの値C=C1+C2とすればよい。
電流センサ1と電流センサ2を1つの電流センサにまとめてもよい。1つの電流センサにまとめた場合は、電流の瞬時値IOと逆流電流Irは逆向きであるため、それぞれをモニタできるようにしておく必要がある。
説明の簡素化のため、第2スイッチQ2のオフから第1スイッチQ1のオンまでのデッドタイムtdeadは省略した。
このように、第1実施形態に係るインバータ回路100は、比較器3の逆流電流の設定値Ir_setを式19(方式1)、式23(方式2)、式27(方式3)のいずれかの逆流電流Irの値又はそれに準ずる値に設定することで、方式1、方式2、方式3のいずれの方式によっても動作する。
したがって、第1実施形態に係るインバータ回路100によれば、交流出力電圧voの全ての位相において、すなわち、交流出力電圧voの瞬時値VOの全範囲で確実にゼロ電圧スイッチングすることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係るインバータ回路100Aを、図16を参照しながら説明する。
インバータ回路100Aも、第1実施形態に係るインバータ回路100と同様、交流出力電圧voのうち、正の極性だけを出力するものである。
インバータ回路100Aでは、図15に示す第1実施形態に係るインバータ回路100に対して、逆流電流検出用の電流センサ2を省き、制御回路200Aで逆流電流Irに達する時間を計算して、ゼロ電圧スイッチングをする。それ以外の構成については、インバータ回路100Aは、第1実施形態に係るインバータ回路100と同様である。
逆流電流Irに達する時間を計算するには、第1スイッチQ1のオン時間tonQ1と第2スイッチQ2のオン時間tonQ2を求める必要がある。第1スイッチQ1のオン時間tonQ1は、式20(方式1)、式24(方式2)、式28(方式3)にあるように、直流入力電圧Vin、交流出力電圧voの瞬時値VO、交流出力電流ioの瞬時値IOによって計算される。第2スイッチQ2のオン時間tonQ2は、式21(方式1)、式25(方式2)、式29(方式3)にあるように、直流入力電圧Vin、交流出力電圧voの瞬時値VO、第1スイッチQ1のオン時間tonQ1によって計算される。
このため、第2実施形態では、制御回路200Aは、第1スイッチQ1のオン時間tonQ1を計算するためのtonQ1計算器21と、第2スイッチQ2のオン時間tonQ2を計算するためのtonQ2計算器22を備える。
tonQ1計算器21は、電流センサ1の検出したインバータ回路100の陽極側の電源ラインに流れる電流ioの瞬時値IOと、インバータ回路100の交流出力電圧voの瞬時値VOと、直流入力電圧Vinが入力され、式20(方式1)、式24(方式2)、式28(方式3)のいずれかにより第1スイッチQ1のオン時間tonQ1を計算して出力する。
tonQ2計算器22は、インバータ回路100の交流出力電圧voの瞬時値VOと、直流入力電圧Vinが入力され、式21(方式1)、式25(方式2)の係数である(Vin-VO)/VOを計算して出力し、更にtonQ2計算器22の出力とのtonQ1計算器21の出力を乗算器23で乗算することにより、第2スイッチQ2のオン時間tonQ2を計算して出力する。
更に、計算された第1スイッチQ1のオン時間tonQ1と第2スイッチQ2のオン時間tonQ2を加算器24で加算することにより、スイッチング周期Tを算出する。
加算器24により算出されたスイッチング周期Tは、のこぎり波生成回路25に入力される。のこぎり波生成回路25は、スイッチング周期Tの値によって高さを変えるのこぎり波を出力する。のこぎり波生成回路25の出力するのこぎり波とtonQ1計算器21の算出した第1スイッチQ1のオン時間tonQ1は、比較器26に入力される。比較器26の出力により第1スイッチQのオン・オフがスイッチングされるとともに、比較器26の出力を反転回路27により反転させた信号により、第2スイッチQ2のオン・オフがスイッチングされる。
式20(方式1)、式24(方式2)、式28(方式3)のいずれかにより計算されるオン時間tonQ1は、逆流電流Irに依存するものであるので、逆流電流Irも同時に計算していることになる。
説明の簡素化のため、第2スイッチQ2のオフから第1スイッチQ1のオンまでのデッドタイムtdeadは省略した。
このように、第2実施形態に係るインバータ回路100Bでは、tonQ1計算器21により、式20(方式1)、式24(方式2)、式28(方式3)のいずれかで計算されるオン時間tonQ1を設定し、tonQ2計算器22により、式21(方式1,2,3)で計算されるオン時間tonQ2を設定する。これにより、方式1、方式2、方式3のいずれの方式によっても動作する。
したがって、第2実施形態に係るインバータ回路100Aでも、交流出力電圧voの全ての位相において、すなわち、交流出力電圧voの瞬時値VOの全範囲で確実にゼロ電圧スイッチングすることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態に係るインバータ回路100Bを、図17を参照しながら説明する。
第2実施形態に係るインバータ回路100Aの交流出力電圧voが正の極性だけの出力だったのに対して、第3実施形態に係るインバータ回路100Bの交流出力電圧voが正と負の両方の極性を出力する点が相違している。
第3実施形態に係るインバータ回路100Bでは、第1スイッチQ1と第2スイッチQ2からなる直列回路と、第3スイッチQ3と第4スイッチからなる直列回路が直流入力電圧Vinに並列に接続されている。第3実施形態では、スイッチQ1―Q4には、Nチャネル型MOFETを用いている。第1スイッチQ1には、第1コンデンサC1が並列に接続されている。第2スイッチQ2には、第2コンデンサC2が並列に接続されている。第3スイッチQ3には、第3コンデンサC3が並列に接続されている。第4スイッチQ4には、第4コンデンサC4が並列に接続されている。なお、コンデンサC1-C4は、スイッチQ1-Q4の寄生容量であってもよい。
第1スイッチQ1と第2スイッチQ2の接続点には、第1リアクトルL1の一端が接続されている。第3スイッチQ3と第4スイッチQ4の接続点には、第2リアクトルL2の一端が接続されている。第1リアクトルL1の他端と第2リアクトルL2の他端との間に接続された出力コンデンサCoを介して、交流出力電圧voが出力される。第1リアクトルL1と第2リアクトルL2のインダクタンスの値は、L1=L2=L/2となっている。スイッチQ1―Q4のオン・オフは、制御回路200Bによって制御されている。
制御回路200Bは、第1スイッチQ1と第3スイッチQ3を同時にスイッチングし、第2スイッチQ2と第4スイッチQ4を同時にスイッチングする、すなわち、対角のスイッチが同時にスイッチングするフルブリッジ型のインバータ回路として制御する。
交流出力電圧voが正の極性の半周期の時には、第1スイッチQ1と第3スイッチQ3が制御スイッチとなり、第2スイッチQ2と第4スイッチQ4が同期整流スイッチとなる。また、交流出力電圧voが負の極性の半周期の時には、第2スイッチQ2と第4スイッチQ4が制御スイッチとなり、第1スイッチQ1と第3スイッチQ3が同期整流スイッチとなる。
制御回路200Bは、極性判別部30、全波整流回路31、極性切替部32,33、tonQ1計算器21、tonQ2計算器22、乗算器23、加算器24、のこぎり波生成回路25、比較器26、反転回路27を備える。
図17に示す制御回路200BのtonQ1計算器21、tonQ2計算器22、乗算器23、加算器24、のこぎり波生成回路25、比較器26、反転回路27の構成と動作は、図16に示す第2実施形態のそれらと同一であるので、ここでは、それらの説明は省略する。
極性判別部30は、交流出力電圧voの正又は負の極性を判定し、正又は負の極性を極性切替部32,33に出力する。
全波整流回路31は、交流出力電圧voを全波整流する、すなわち、交流出力電圧voが負の極性の時には、正の極性に反転した交流出力電圧voの瞬時値VOをtonQ1計算器21に入力する。
極性切替部32は、電流センサ1の検出したインバータ回路100の陽極側に流れる電流ioの瞬時値IOが、正の場合はそのままの値をtonQ1計算器21に入力し、負の場合は極性を反転して正の値としてtonQ1計算器21に入力する。
極性切替部33は、極性判別部30で判定された交流出力電圧voの極性が正である場合には、第1スイッチQ1と第3スイッチQ3を制御スイッチに、第2スイッチQ2と第4スイッチQ4を同期整流スイッチに切り替え、負である場合には、第2スイッチQ2と第4スイッチQ4を制御スイッチに、第1スイッチQ1と第3スイッチQ3を同期整流スイッチに切り替える。
すなわち、極性切替部33は、極性判別部30で判定された交流出力電圧voの極性が正である場合には、比較器26の出力により第1スイッチQ1と第3スイッチQ3のオン・オフをスイッチングさせ、反転回路27の出力により第2スイッチQ2と第4スイッチQ4のオン・オフをスイッチングさせる。一方、極性切替部33は、極性判別部30で判定された交流出力電圧voの極性が負である場合には、比較器26の出力により第2スイッチQ2と第4スイッチQ4のオン・オフをスイッチングさせ、反転回路27の出力により第1スイッチQ1と第3スイッチQ3のオン・オフをスイッチングさせる。
より具体的には、交流出力電圧voが正の極性の半周期では、まず、制御スイッチである第1スイッチQ1と第3スイッチQ3がオンとなり、同期整流スイッチである第2スイッチQ2と第4スイッチQ4がオフとなることにより、Vin→Q1→L1→Co→L2→Q3→Vinのループで正の方向に電流が流れ、リアクトルL1、L2が励磁される。次いで、制御スイッチである第1スイッチQ1と第3スイッチQ3がオフとなり、同期整流スイッチである第2スイッチQ2と第4スイッチQ4がオンとなることにより、L1→Co→L2→Q4→Vin→Q2→L1のループでリアクトルL1,L2の励磁がリセットされる。
また、交流出力電圧voが負の極性の半周期では、まず、制御スイッチである第2スイッチQ2と第4スイッチQ4がオンとなり、同期整流スイッチである第1スイッチQ1と第3スイッチQ3がオフとなることにより、Vin→Q4→L2→Co→L1→Q2→Vinのループで負の方向に電流が流れ、リアクトルL1,L2が励磁される。次いで、制御スイッチである第2スイッチQ2と第4スイッチQ4がオフとなり、同期整流スイッチである第1スイッチQ1と第3スイッチQ3がオンとなることにより、L2→Co→L1→Q1→Vin→Q3→L2のループでリアクトルL1,L2の励磁がリセットされる。
コンデンサCの値は、交流出力電圧voが正の極性の半周期の時には、C=C2+C4とし、負の極性の半周期のときには、C=C1+C3とすればよい。インダクタンスLの値は、L=L1+L2である。
このように、第3実施形態に係るインバータ回路100Bでも、tonQ1計算器21により、式20(方式1)、式24(方式2)、式28(方式3)のいずれかにより計算されるオン時間tonQ1を設定し、tonQ2計算器22により、式21(方式1,2,3)により計算されるオン時間tonQ2を設定することにより、式19(方式1)、式23(方式2)、式27(方式3)のいずれかの逆流電流Irの値に設定することができるため、方式1、方式2、方式3のいずれの方式によっても動作することができる。
したがって、第3実施形態に係るインバータ回路100Bでも、交流出力電圧voの全ての位相において、すなわち、交流出力電圧voの瞬時値VOの全範囲で確実にゼロ電圧スイッチングすることができる。
(第4実施形態)
第4実施形態に係るインバータ回路100Cを、図18を参照しながら説明する。
図18に示す第4実施形態に係るインバータ回路100Cは、全てのレンジの交流出力電圧においてゼロ電圧スイッチング可能なトーテムポール型のインバータ回路である。
第4実施形態に係るインバータ回路100Cでは、第1スイッチQ1と第2スイッチQ2からなる直列回路と、第3スイッチQ3と第4スイッチからなる直列回路が直流入力電圧Vinに並列に接続されている。第4実施形態では、スイッチQ1―Q4には、Nチャネル型MOFETを用いている。第1スイッチQ1には、第1コンデンサC1が並列に接続されている。第2スイッチQ2には、第2コンデンサC2が並列に接続されている。第3スイッチQ3には、第3コンデンサC3が並列に接続されている。第4スイッチQ4には、第4コンデンサC4が並列に接続されている。なお、コンデンサC1-C4は、スイッチQ1-Q4の寄生容量であってもよい。
第1スイッチQ1と第2スイッチQ2の接続点には、リアクトルLの一端が接続されている。リアクトルLの他端と、第3スイッチQ3と第4スイッチQ4の接続点との間に接続された出力コンデンサCoを介して、交流出力電圧voが出力される。スイッチQ1―Q4のオン・オフは、制御回路200Cによって制御されている。
交流出力電圧voが正の極性の半周期では、第1スイッチQ1が制御スイッチ、第2スイッチQ2が同期整流スイッチであり、また、第3スイッチQ3はオン、第4スイッチQ4はオフとする。交流出力電圧voが負の極性の半周期では、第2スイッチQ2が制御スイッチ、第1スイッチQ1が同期整流スイッチであり、また、第4スイッチQ4はオン、第3スイッチQ3はオフとする。すなわち、第4実施形態に係るインバータ回路100Cは、トーテムポール型のインバータ回路である。
制御回路200Cは、極性判別部30、全波整流回路31、極性切替部32,33a,33b、tonQ1計算器21、tonQ2計算器22、乗算器23、加算器24、のこぎり波生成回路25、比較器26、反転回路27を備える。
図18に示す制御回路200CのtonQ1計算器21、tonQ2計算器22、乗算器23、加算器24、のこぎり波生成回路25、比較器26、反転回路27、極性判別部30、全波整流回路31、極性切替部32の構成と動作は、図17に示す第3実施形態のそれらと同一であるので、ここでは、それらの説明は省略する。
極性切替部33aは、極性判別部30で判定された交流出力電圧voの極性が正である場合には、第1スイッチQ1を制御スイッチに、第2スイッチQ2を同期整流スイッチに切り替え、負である場合には、第2スイッチQ2を制御スイッチに、第1スイッチQ1を同期整流スイッチに切り替える。
すなわち、極性切替部33aは、極性判別部30で判定された交流出力電圧voの極性が正である場合には、比較器26の出力により第1スイッチQ1のオン・オフをスイッチングさせ、反転回路27の出力により第2スイッチQ2のオン・オフをスイッチングさせる。また、極性切替部33aは、極性判別部30で判定された交流出力電圧voの極性が負である場合には、比較器26の出力により第2スイッチQ2のオン・オフをスイッチングさせ、反転回路27の出力により第1スイッチQ1のオン・オフをスイッチングさせる。
極性切替部33bは、極性判別部30で判定された交流出力電圧voの極性が正である場合には、第3スイッチQ3をオン、第4スイッチQ4をオフとし、極性判別部30で判定された交流出力電圧voの極性が負である場合には、第4スイッチQ4をオン、第3スイッチQ3をオフとする。
より具体的には、交流出力電圧voが正の極性の半周期では、第3スイッチQ3がオン、第4スイッチQ4がオフの状態で、制御スイッチである第1スイッチQ1がオンとなり、同期整流スイッチである第2スイッチQ2がオフとなることで、Vin→Q1→L→Co→Q3→Vinのループで、正の方向の電流が流れることにより、リアクトルLが励磁される。次いで、制御スイッチである第1スイッチQ1がオフとなり、同期整流スイッチである第2スイッチQ2がオンとなることで、L→Co→Q3→Q2→Lのループで電流が流れることにより、リアクトルLの励磁がリセットされる。第2スイッチQ2を流れる電流がゼロになると、今度は、Co→L→Q2→Q3→Coのループで逆流電流が流れることにより、リアクトルLが逆方向に励磁し始める。これは、図14で、第2スイッチQ2を流れる電流が負方向に流れている逆流電流となっている状態である。
また、交流出力電圧voが負の極性の半周期では、第4スイッチQ4がオン、第3スイッチQ3がオフの状態で、制御スイッチである第2スイッチQ2がオンとなり、同期整流スイッチである第1スイッチQ1がオフとなることで、Vin→Q4→Co→L→Q2→Vinのループで、負の方向の電流が流れることにより、リアクトルLが励磁される。次いで、制御スイッチである第2スイッチQ2がオフとなり、同期整流スイッチである第1スイッチQ1がオンとなることで、L→Q1→Q4→Co→Lのループで電流が流れることにより、リアクトルLの励磁がリセットされる。第1スイッチQ1を流れる電流がゼロになると、今度は、Co→Q4→Q1→L→Coのループで逆流電流が流れることにより、リアクトルLが逆方向に励磁し始める。これは、図14で、Q1とQ2を入れ替え、電流の極性を反転させた状態に相当する。
また、交流出力電圧voが正の極性の半周期では、コンデンサCの値をC=C1+C2+C4とし、交流出力電圧voが負の極性の半周期では、コンデンサCの値をC=C1+C2+C3とすることで、これまで導出した計算式で検討することができる。
以上、第4実施形態に係るインバータ回路100Cでも、tonQ1計算器21により、式20(方式1)、式24(方式2)、式28(方式3)のいずれかにより計算されるオン時間tonQ1を設定し、tonQ2計算器22により、式21(方式1,2,3)により計算されるオン時間tonQ2を設定することにより、式19(方式1)、式23(方式2)、式27(方式3)のいずれかの逆流電流Irの値に設定することができるため、方式1、方式2、方式3のいずれの方式によっても動作することができる。
したがって、第4実施形態に係るインバータ回路100Cでも、交流出力電圧voの全ての位相において、すなわち、交流出力電圧voの瞬時値VOの全範囲で確実にゼロ電圧スイッチングすることができる。
100,100A,100B,100C インバータ回路
200,200A,200C,200C 制御回路
Co 出力コンデンサ
fs スイッチング周波数
Ir 逆流電流
L リアクトル
Q1 第1スイッチ(制御スイッチ)
Q2 第2スイッチ(同期整流スイッチ)
Q3 第3スイッチ
Q4 第4スイッチ
tonQ1 制御スイッチのオン時間
tonQ2 同期整流スイッチのオン時間
Vin 直流入力電圧(直流電源)
vo 交流出力電圧

Claims (14)

  1. 直流電源の直流入力電圧を所定の周波数の交流出力電圧に変換可能なインバータ回路であって、
    前記直流電源に並列に接続される、制御スイッチと同期整流スイッチが直列に接続された直列回路と、
    前記制御スイッチと前記同期整流スイッチの接続点に一端が接続されたリアクトルと、
    前記直流電源の電源ラインと前記リアクトルの他端との間に接続されて、両端に前記交流出力電圧を出力する出力コンデンサと、
    前記交流出力電圧の瞬時値の全範囲で前記リアクトルに逆流電流を生じさせるように、前記制御スイッチを第1のオン時間オンした後に、前記制御スイッチをオフして前記同期整流スイッチをオンし、前記同期整流スイッチを第2のオン時間オンした後に、前記同期整流スイッチをオフして前記制御スイッチをオンする制御を行う制御回路と、
    を備えるインバータ回路。
  2. 前記逆流電流の電流値は、前記リアクトルのインダクタンス値と前記制御スイッチに並列に接続されたコンデンサのキャパシタンス値と前記直流入力電圧の検出値と前記交流出力電圧の瞬時値の検出値とに基づいて得られる
    請求項1に記載のインバータ回路。
  3. 前記逆流電流の電流値は、前記リアクトルのインダクタンス値と前記制御スイッチに並列に接続されたコンデンサのキャパシタンス値と前記直流入力電圧の検出値に基づいて得られる固定値である
    請求項1に記載のインバータ回路。
  4. 前記逆流電流の電流値は、前記リアクトルのインダクタンス値と前記制御スイッチに並列に接続されたコンデンサのキャパシタンス値と前記直流入力電圧の検出値に基づいて得られる固定値に、前記交流出力電圧の周波数の高調波成分を加えた値である
    請求項1に記載のインバータ回路。
  5. 前記制御回路は、前記直流入力電圧の検出値と、前記交流出力電圧の瞬時値の検出値と、前記交流出力電流の検出値とに基づき、前記逆流電流が所定の電流値になるように、前記第1のオン時間と前記第2のオン時間を制御する
    請求項1から4のいずれか1項に記載のインバータ回路。
  6. 前記制御回路は、前記同期整流スイッチがオフしてから前記制御スイッチがオンする間に、前記制御スイッチと前記同期整流スイッチの両方がオフするデッドタイムを設けるように制御する
    請求項1から4のいずれか1項に記載のインバータ回路。
  7. 前記制御スイッチに並列に接続された前記コンデンサは前記制御スイッチの寄生容量である
    請求項2から4のいずれか1項に記載のインバータ回路。
  8. 直流電源の直流入力電圧を所定の周波数の交流出力電圧に変換可能なインバータ回路であって、
    前記直流電源に並列に接続される、第1スイッチと第2スイッチが直列に接続された第1直列回路と、
    前記直流電源に並列に接続される、第3スイッチと第4スイッチが直列に接続された第2直列回路と、
    前記第1スイッチと前記第2スイッチの接続点に一端が接続されたリアクトルと、
    前記第3スイッチと前記第4スイッチの接続点と前記リアクトルの他端との間に接続されて、両端に前記交流出力電圧を出力する出力コンデンサと、
    前記交流出力電圧の瞬時値の全範囲で前記リアクトルに逆流電流を生じさせるように、前記交流出力電圧が正の半周期では、前記第3スイッチをオンして前記第4スイッチをオフするとともに、制御スイッチとしての前記第1スイッチを第1のオン時間オンした後に、前記第1スイッチをオフして同期整流スイッチとしての前記第2スイッチをオンし、前記第2スイッチを第2のオン時間オンした後に、前記第2スイッチをオフして前記第1スイッチをオンする制御を行い、前記交流出力電圧が負の半周期では、前記第3スイッチをオフして前記第4スイッチをオンするとともに、制御スイッチとしての前記第2スイッチを第1のオン時間オンした後に、前記第2スイッチをオフして同期整流スイッチとしての前記第1スイッチをオンし、前記第1スイッチを第2のオン時間オンした後に、前記第1スイッチをオフして前記第2スイッチをオンする制御を行う制御回路と、
    を備えるインバータ回路。
  9. 前記逆流電流の電流値は、前記リアクトルのインダクタンス値と前記制御スイッチに並列に接続されたコンデンサのキャパシタンス値と前記直流入力電圧の検出値と前記交流出力電圧の瞬時値の検出値とに基づいて得られる
    請求項8に記載のインバータ回路。
  10. 前記逆流電流の電流値は、前記リアクトルのインダクタンス値と前記制御スイッチに並列に接続されたコンデンサのキャパシタンス値と前記直流入力電圧の検出値に基づいて得られる固定値である
    請求項8に記載のインバータ回路。
  11. 前記逆流電流の電流値は、前記リアクトルのインダクタンス値と前記制御スイッチに並列に接続されたコンデンサのキャパシタンス値と前記直流入力電圧の検出値に基づいて得られる固定値に、前記交流出力電圧の周波数の高調波成分を加えた値である
    請求項8に記載のインバータ回路。
  12. 前記制御回路は、前記直流入力電圧の検出値と、前記交流出力電圧の瞬時値の検出値と、前記交流出力電流の検出値とに基づき、前記逆流電流が所定の電流値になるように、前記第1のオン時間と前記第2のオン時間を制御する
    請求項8から11のいずれか1項に記載のインバータ回路。
  13. 前記制御回路は、前記同期整流スイッチがオフしてから前記制御スイッチがオンする間に、前記制御スイッチと前記同期整流スイッチの両方がオフするデッドタイムを設けるように制御する
    請求項8から11のいずれか1項に記載のインバータ回路。
  14. 前記制御スイッチに並列に接続された前記コンデンサは前記制御スイッチの寄生容量である
    請求項9から11のいずれか1項に記載のインバータ回路。
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