JP2023145324A - ハロゲン含有ポリマー - Google Patents

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Abstract

【課題】白色度が高い、高品質な難燃剤を提供する。【解決手段】下記一般式(1m)JPEG2023145324000012.jpg2996(式中、Rは、炭素数1~6のアルキレン基、-S-、又は-SO2-を示す。)で示される繰り返し単位を少なくとも1つ以上有するハロゲン含有ポリマーであって、そのポリマー末端が、ハロゲン原子、水酸基及びビニル基からなる群より選ばれる少なくとも一つであり、ビニル基の割合が31%以下であることを特徴とする、ハロゲン含有ポリマーを用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、白色度の高いハロゲン含有ポリマーに関する。
難燃剤は本来燃えやすい性質を持つ樹脂に混ぜ込むことで、樹脂に難燃特性を付与することができる添加剤として広く知られている。このうち、臭素系難燃剤と呼ばれる、臭素を多量に含む化合物は、古くから多くの樹脂に添加、使用されている。例えば、代表的な臭素系難燃剤の一つであるテトラブロモビスフェノールAは、世界で最も多く生産される臭素系難燃剤として知られているが、近年は環境面への配慮から、より高分子量の化合物に変換して使用する傾向が強い。例えば、特許文献1には、ハロゲン含有ポリマー(テトラブロモビスフェノールAのエチレン架橋ポリマー)が報告されている。
特開2019-77857号公報
特許文献1で報告されているハロゲン含有ポリマーについては、黄色や灰色に着色する傾向がある。このようなハロゲン含有ポリマーを難燃剤として樹脂に配合した場合、難燃剤由来の着色が残ってしまう課題があった。特に、白物家電等に用いられる樹脂については、白色であることが求められるため、樹脂の難燃化のために配合される難燃剤についても白色であることが求められる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、特に公知技術より白色度に優れるハロゲン含有ポリマーを提供することにある。
本願発明者らは、上記課題に関し鋭意検討した結果、ハロゲン含有ポリマー中に含まれる末端構造のうち、特定の構造体比率を低く抑えることで、白色(R:G:B=255:255:255)からの色差を極めて小さくできることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本願発明は、以下に示すハロゲン含有ポリマーに係る。
[1] 下記一般式(1m)
(式中、Rは、炭素数1~6のアルキレン基、-S-、又は-SO-を示す。)
で示される繰り返し単位を少なくとも1つ以上有するハロゲン含有ポリマーであって、そのポリマー末端に、下記一般式(6)、及び式(7)
(式中、Yは、ハロゲン原子又は水酸基を示す。)
からなる群より選ばれる少なくとも一つの末端基を有し、一般式(6)、及び式(7)で示される末端基のうち、式(7)で示される末端基の割合が31%以下であることを特徴とする、ハロゲン含有ポリマー。
[2] 一般式(1m)において、Rが、炭素数1~6のアルキレン基であることを特徴とする、前記[1]に記載のハロゲン含有ポリマー。
[3] 一般式(1m)において、Rが、2,2-プロピレン基であることを特徴とする、前記[1]に記載のハロゲン含有ポリマー。[4] 一般式(6)、及び式(7)で示される末端基のうち、式(7)で示される末端基の割合が29%以下であることを特徴とする、前記[1]に記載のハロゲン含有ポリマー。
[5] ゲル浸透クロマトグラフィー測定によって求められる標準ポリスチレン換算平均重量分子量が5,000~100,000であることを特徴とする、前記[1]に記載のハロゲン含有ポリマー。
本発明のハロゲン含有ポリマーは、従来公知のハロゲン含有ポリマーと比べて白色度に優れ、白色樹脂用の難燃剤として優位に使用することができる。そのため、本発明のハロゲン含有ポリマーは、特に、家電製品や自動車内装材のような樹脂の外観が重視される分野において、高い汎用性を有する難燃剤として利用されることが期待できる。
以下、本願発明について詳細に説明する。
本願発明のハロゲン化含有ポリマーは、その基礎原料として、少なくとも、テトラブロモビスフェノール系化合物と、ジハロゲン化エタンを使用し、塩基性条件下でポリマー化反応を起こさせることによって製造することができる。
上記製法において、一切の副反応を考慮しない場合、本願発明のハロゲン含有ポリマーは、その末端が、テトラブロモビスフェノール系化合物に由来するフェノール性水酸基か、又はジハロゲン化エタンに由来するハロアルキル基となるはずである。しかし、現実の製法においては、前記のハロアルキル基は、上記の塩基の影響を受けて、ヒドロキシアルキル基やアルケニル基(上記の式(7)に相当)に変化する副反応が生じる。
アルケニル基は、光エネルギーの影響を受けて変性し、化学物質を変色させる原因となり得ることが一般的に認識されている。このため、化学物質の着色や変色を抑えるために、アルケニル基の含有量を低減させることが有効と考えられるが、本願発明のハロゲン含有ポリマーに係る従来技術においては、当該アルケニル基の含有量を分析した例が無く、また当該アルケニル基の含有量を低減させることを目的とした製造方法の検討がなされていなかった。
本願発明の発明者らは、後述する、従来に報告されていない新たな製造方法に基づいて本願発明のハロゲン含有ポリマーを製造できることを見出し、本願発明を完成させるに至った。
本願発明は、上記一般式(1m)で示される繰り返し単位を少なくとも1つ以上有するハロゲン含有ポリマーであって、そのポリマー末端に、上記一般式(6)、及び式(7)からなる群より選ばれる少なくとも一つの末端基を有し、前記ハロゲン含有ポリマーのうち、一般式(6)、及び式(7)で示される末端基のうち、式(7)で示される末端基の割合が31%以下であることを特徴とする、ハロゲン含有ポリマーである。
上記の一般式(1m)において、Rは、炭素数1~6のアルキレン基、-S-、又は-SO-を示す。
Rで表される炭素数1~6のアルキレン基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチレン基、エチレン基、2,2-プロピレン基、2,2-ブチレン基、ヘキサジエン基、又は1,1-シクロヘキシレン基等が挙げられる。
上記のRについては、生産に優れる点で、メチレン基、2,2-プロピレン基、-S-、又は-SO-であることが好ましく、2,2-プロピレン基、-S-、又は-SO-であることがより好ましい。
上記の一般式(1m)で表される繰り返し単位を少なくとも1つ以上有するハロゲン含有ポリマーとしては、特に限定するものではないが、例えば、テトラブロモビスフェノールFと二塩化エタンから得られる縮重合物、テトラブロモビスフェノールAと二塩化エタンから得られる縮重合物、ビスフェノールFとテトラブロモビスフェノールFと二塩化エタンから得られる縮重合物、ビスフェノールAとテトラブロモビスフェノールAと二塩化エタンから得られる縮重合物等が挙げられる。これらのうち、テトラブロモビスフェノールAと二塩化エタンから得られる縮重合物、すなわち、Rが2,2-プロピレン基である縮重合物が好ましい。
本願発明のハロゲン含有ポリマーは、そのポリマー末端に、上記一般式(6)、及び式(7)からなる群より選ばれる少なくとも一つの末端基を有し、一般式(6)、及び式(7)で示される末端基のうち、式(7)で示される末端基の割合が31%以下であることを特徴とする。このような特徴に基づき、従来にない、白色度が高いハロゲン含有ポリマーを提供することができる。
前記の一般式(6)、及び式(7)で示される末端基については、高感度NMRによる解析で識別、定量することができる。
なお、一般式(6)、及び式(7)で示される末端基のうち、式(7)で示される末端基の割合については、ハロゲン含有ポリマーの白色度に優れる点で、1~29%であることがより好ましく、3~27%であることがより好ましい。
上記の一般式(6)において、Yは、ハロゲン原子又は水酸基を示す。
前記のハロゲン原子としては、特に限定するものではないが、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を例示することができる。当該ハロゲン原子については、ハロゲン含有ポリマーの白色度に優れる点で、塩素原子であることが好ましい。
当該Yについては、ハロゲン含有ポリマーの白色度に優れる点で、塩素原子又は水酸基であることが好ましい。
本願発明のハロゲン含有ポリマーについては、より高い耐熱性が得られる点で、ゲル浸透クロマトグラフィー測定によって求められる標準ポリスチレン換算における重量平均分子量が5,000以上であることが好ましく、7,500以上であることがより好ましく、10,000以上であることがさらに好ましい。
また、前記の重量平均分子量については、難燃剤としての取り扱いに優れる点で、5,000~100,000であることが好ましく、7,500~80,000であることがより好ましく、10,000~50,000であることがより好ましく、10,000~30,000であることがより好ましい。
本発明のハロゲン含有ポリマーは、ゲル浸透クロマトグラフィー法によって測定される標準ポリスチレン換算における重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.0~4.0であることが好ましいが、Mw/Mnが小さいほど、ポリマーの分子量分布が小さくなり、ポリマー自身の難燃性や耐熱性がより高くなる点から、Mw/Mnは1.0~3.0がより好ましく、1.0~2.0がより好ましい。
本発明のハロゲン含有ポリマーのゲル浸透クロマトグラフィー法による分子量測定の方法や条件については、ISO 16014-3:2012(JIS K 7252-3:2016)に準拠した。また、詳細条件については、実施例に示した通りである。
本発明のハロゲン含有ポリマーについては、臭素含有量が50~60重量%であることが好ましいが、一般的に臭素含有率が高いほど、難燃剤自身の難燃性が向上する観点から、臭素含有率は53~60重量%であることが好ましい。
本発明のハロゲン含有ポリマーの臭素含有量(重量%)については、特に限定するものではないが、燃焼-イオンクロマトグラフ法によって定量することができる。なお、燃焼-イオンクロマトグラフ法の具体的な分析方法及び分析条件についてはIEC 62321-3-2に記載されている。また、詳細条件については、実施例に示した通りである。
上記の一般式(1m)で表される繰り返し単位を少なくとも1つ以上有するハロゲン含有ポリマーとしては、特に限定するものではないが、例えば、下記一般式(1)
(式中、Rは、炭素数1~6のアルキレン基、-S-、又は-SO-を示す。nは、平均値として1以上の実数を表す。なお、前記Rは、一般式(1m)におけるRと同義であり、好ましい範囲も同じである。)
で示されるハロゲン含有ポリマーを好ましい例として挙げることができる。
前記の平均値としての実数nについては、ゲル浸透クロマトグラフィー測定によって求められるが、耐熱性に優れる点で、9以上であることが好ましく、13以上であることがより好ましく、17以上であることがより好ましい。
すなわち、前記の実数nについては、難燃剤としての取り扱いに優れる点で、9~200であることが好ましく、13~150であることがより好ましく、17~90であることがより好ましく、17~50であることがより好ましい。
難燃性付与可能な樹脂としては、特に限定するものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩ビ酢ビ、ポリウレタン、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、ポリウレア、ポリイミド、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、環状ポリオレフィン、ポリフェニレンスルフィド、ポリテトラフロロエチレン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、又はポリアイドイミド等が挙げられる。
前記の本願発明のハロゲン含有ポリマーは、下記一般式(6)、及び式(7)からなる群より選ばれる少なくとも一つの末端基を有し、一般式(6)、及び式(7)で示される末端基のうち、式(7)で示される末端基の割合が31%以下であることを特徴とする。
式(7)で示される末端基は、重合反応の過程で副生する構造体である。一例として、下記に示す製造方法によって、式(7)で示される末端基の生成を抑えることができ、その結果として、本願発明のハロゲン含有ポリマーを製造することができる。
前記の本願発明のハロゲン含有ポリマーは、弱塩基性条件下で製造した下記一般式(3)
(式中、Rは、炭素数1~6のアルキレン基、-S-、又は-SO-を示す。Xは、ハロゲン原子を示す。)
で示される化合物と、下記一般式(4)
(式中、Rは、炭素数1~6のアルキレン基、-S-、又は-SO-を示す。Mは、アルカリ金属イオン又は置換若しくは非置換のアンモニウムイオンを示す。)
で示される化合物を反応させることによって、製造することができる。
上記の一般式(3)及び(4)におけるRの定義及び好ましい範囲については、一般式(1m)で示したRの定義及び好ましい範囲と同じである。
上記の一般式(3)において、Xは、ハロゲン原子を示す。当該ハロゲン原子については、例えば、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を挙げることができる。これらのうち、ハロゲン含有ポリマーの白色度に優れる点で、塩素原子が好ましい。
なお、上記の一般式(3)で示される化合物は、一般公知のテトラブロモビスフェノール系化合物と一般公知のジハロゲン化エタンを、弱塩基性条件下で製造されることが求められる。
前記のジハロゲン化エタンとしては、例えば、1,2-ジクロロエタン、1,2-ジブロモエタン、1,2-ジヨードエタン、又は1-ブロモ-2-クロロエタン等が挙げられる。
前記の弱塩基条件とは、特に限定するものではないが、水溶液とした場合pH7.5~9.5程度をもたらす弱塩基性化合物によってもたらされる条件であることが好ましく、例えば、アンモニア、アミン化合物、炭酸水素アルカリ金属化合物、又は炭酸アルカリ金属化合物の添加によってもたらされる弱塩基条件であることが好ましく、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、又は炭酸セシウムに基づく塩基性条件であることが好ましく、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、又は炭酸セシウムによってもたらされる弱塩基性条件であることがより好ましい。
すなわち、上記の一般式(3)で示される化合物については、一般公知のテトラブロモビスフェノール系化合物と一般公知のジハロゲン化エタンを、アンモニア、アミン化合物、炭酸水素アルカリ金属化合物、又は炭酸アルカリ金属化合物の共存下に反応させて製造されたものであることが好ましく、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、又は炭酸セシウムの共存下に反応させて製造されたものであることがより好ましい。
上記の一般式(4)において、Mは、各々独立して、アルカリ金属イオン、又は置換若しくは非置換のアンモニウムイオンを示す。
前記のアルカリ金属イオンとしては、特に限定するものではないが、例えば、Liイオン、Naイオン、又はKイオンを表すことができる。
前記の置換若しくは非置換のアンモニウムイオンとしては、特に限定するものではないが、例えば、アンモニウムイオン、モノメチルアンモニウムイオン、ジメチルアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、モノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、又はトリエタノールアンモニウムイオン等を例示することができる。
前記の一般式(4)で表される化合物については、少なくとも、Naイオンを含むものであることが好ましい。すなわち、Mの少なくとも一部がNaイオンである化合物が好ましく、MがNaイオンである化合物がより好ましい。
前記の弱塩基性条件下で製造した一般式(4)で表される化合物は、下記一般式(9)で表される化合物と塩基を反応させることによって、製造することができる。
前記の塩基としては、特に限定するものではないが、例えば、アンモニア、アミン化合物、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸水素セシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、又は水酸化バリウム等が挙げられる。このうち、式(7)で表されるビニル基の副生量を抑える観点から、前記の塩基は、弱塩基性のものが好ましく、特に限定するものではないが、例えば、アンモニア、アミン化合物、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、又は炭酸セシウムが好ましく、これらのうち、ハロゲン含有ポリマーの白色度に優れる点で、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、又は炭酸セシウムが好ましい。
本発明の製造方法において、反応の温度は、特に限定するものではないが、例えば70℃~180℃の間の範囲で行うことができる。特に、後述する反応系中の水分除去の観点から、100℃~180℃の範囲が好ましく、110~170での範囲がより好ましい。
本発明の製造方法において、溶剤を使用することが好ましい。当該溶剤については、原材料と反応しないものであれば特に限定するものではないが、例えば、非プロトン性の極性溶剤が挙げられる。反応溶媒としては、特に限定するものではないが、含窒素有機溶媒、または、エーテル系有機溶媒を挙げることができる。前記の含窒素有機溶媒としては、特に限定するものではないが、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ピリジン、ピロール、アセトニトリル、又はニトロベンゼンなどが挙げられ、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、又は1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンが好ましく、N-メチル-2-ピロリドンがより好ましい。前記のエーテル系有機溶媒としては、特に限定するものではないが、テトロヒドロフラン、2-メチルテトロヒドロフラン、1,4-ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ポリエチレングリコール、又はメチルセルソルブなどが挙げられ、テトロヒドロフラン、2-メチルテトロヒドロフラン、又は1,4-ジオキサンが好ましく、テトロヒドロフランがより好ましい。
重合反応の管理方法としては、式(7)で示される末端基の副生量を抑える観点から、あらかじめ水分を除去した前記の反応溶媒を用いるが望ましい。
また塩基の分解などによって反応中に水分が発生する場合は、反応温度を100℃以上に設定し、反応系中から水分を除去しながら重合反応を管理することが望ましい。
前記の重合反応の管理方法によって、式(7)で示される末端基の副生量を更に抑えることが可能となる。重合反応における水分管理の目安としては、10,000ppm以下にすることが好ましく、5,000ppm以下にすることがより好ましく、300ppm以下にすることが更に好ましい。
実施例1で合成したハロゲン含有ポリマーのNMRチャートを示す。 合成したハロゲン含有ポリマーにおける式(7)で示される末端基の割合と、白色からの式差Dの相関性をグラフで表示した。
1.末端ビニル基(式(7))に由来するピーク
2.末端クロロエチル基(一般式(6))に由来するピーク
3.末端ヒドロキシエチル基(一般式(6))に由来するピーク
<分子量分析方法>
実施例等で合成したポリマーサンプルについて、ゲル浸透クロマトグラフィー装置(東ソー社製、HLC-8320GPC)に分子量測定用カラム(東ソー製、TSKgel(登録商標) SuperAW2500+3000+5000)を接続し、クロロホルム溶離液にて流速0.6mL/分、温度40℃、かつUV(254nm)による検出条件で測定を行った。さらに標準ポリスチレンを用いて、前記サンプルの標準ポリスチレン換算重量平均分子量を測定した。その他事項については、JIS-K-7252系に準じて実施した。
<臭素含有量の定量>
分析法:燃焼-イオンクロマトグラフ法
-燃焼条件-
測定装置:三菱ケミカルアナリテック社製 AQF-2100H
試料量:4mg
燃焼温度:入口側 900℃、出口側 1000℃
吸収液組成:30mg/L 過酸化水素水
吸収液量:30mL
-IC条件-
測定装置:東ソー社製 IC-2010
分析カラム:TSKgel SuperIC-Anion HS
ガードカラム:TSKguardcolumn SuperIC-A HS
溶離液:7.5mmol/L 炭酸水素ナトリウム水溶液+0.8mmol/L 炭酸ナトリウム水溶液
流速:1.5mL/min
カラム温度:40℃
注入量:30μL
サプレッサーゲル:TSKgel suppress IC-A
検出:電気伝導度
<NMRによるポリマー末端構造の比率解析>
・装置:Bruker AVANCE NEO 700
プローブ:10 mmφ PABBO BB
溶媒:1,1,2,2-テトラクロロエタン-d2
試料濃度:約10%(w/v)
H NMR(700 MHz)、積算回数:32回
[末端構造の評価方法]
実施例で合成したポリマーサンプルについて、上記の測定条件で1H NMRを測定し、各ピークの平均積分値より末端構造の解析を行った。
一般式(6)で示され、且つYが塩素原子である末端基における塩素原子を有する炭素上の1Hは、3.91(t)ppm付近に観測され、前記Yが臭素原子である末端基における臭素原子を有する炭素上の1Hは、3.75(t)ppm付近に観測される。また、一般式(6)で示され且つYが水酸基である末端基における水酸基を有する炭素上の1Hは、3.96(brs)ppm付近に観測される。また、一般式(7)で示される末端基の二重結合のうち内部側の炭素上の1Hは、6.55(m)ppm付近に観測される。
上記の各末端基由来の1H NMRピークの積分値に基づいて、各末端の割合を算出した。
[色度の測定、及び色差の評価]
分析法:色差計法
測定装置(色差計):株式会社ソフトウェア・トゥー製 Pico モバイルカラーピッカー
ハロゲン含有ポリマー 2.0gを使用し、上記色差計を用いてRGBカラーモデルに基づく前記ハロゲン含有ポリマーの色度を測定した
(RGB R=Red, G=Green, B=Blue)。
測定で得られた色度RGBについて、白色(R:G:B=255:255:255)からの色差Dを算出した。色差Dは、下記式ユークリッド距離に基づき算出した
式差Dの値が小さいほど、白色(R:G:B=255:255:255)との色度差が小さくなり、測定サンプルの色が白色に近いことを示す。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
合成例1.テトラブロモビスフェノールAのビス(2-クロロエチル)エーテルの合成
攪拌器、コンデンサー、および滴下ロートを装着した3Lのガラス製セパラブルフラスコに、テトラブロモビスフェノールA 450g(0.827mol)、炭酸水素ナトリウム 163g(1.94mmol)、1,2-ジクロロエタン 655g(6.62mmol)、ジメチルホルムアミド 1.22Lを、この順序にて室温で加えてから混合下に90℃まで昇温させた。同温にて3時間撹拌後、室温まで冷却した。冷却後、メタノール2.2Lを加えた後、析出した固体をろ過し、水で洗浄した。次いで、80℃で熱風乾燥させ、白色の固体(テトラブロモビスフェノールAのビス(2-クロロエチル)エーテル)を516g、収率93%で得た。以下、合成例1化合物と記載する。
1H-NMR (ppm):1.64(s,6H)、3.95(m, 4H)、4.32(m, 4H)、7.35(s,4H)。
合成例2.テトラブロモビスフェノールAのビス(2-ブロモエチル)エーテルの合成
攪拌器、コンデンサー、および滴下ロートを装着した500mLのガラス製フラスコに、テトラブロモビスフェノールA 40.0g(73.5mmol)、炭酸カリウム 23.9g(173mmol)、1,2-ジブロモエタン 110g(588mmol)、ジメチルホルムアミド 140mLを、この順序にて室温で加えてから混合下に90℃まで昇温させた。同温にて2時間撹拌後、室温まで冷却した。得られた反応溶液からジメチルホルムアミド 100mlを留去して濃縮液を得、当該濃縮液に対してジクロロメタンと水を用いて分液操作を行い、得られたジクロロメタン相を脱水濃縮し、褐色粘性液体(テトラブロモビスフェノールAのビス(2-ブロモエチル)エーテル)を51.8g、収率93%で得た。以下、合成例2化合物と記載する。
1H-NMR (ppm):1.60(s,6H)、3.73(t, 4H)、4.32(t, 4H)、7.34(s,4H)。
合成例3.テトラブロモビスフェノールFのビス(2-クロロエチル)エーテルの合成
攪拌器、コンデンサー、および滴下ロートを装着した500mLのガラス製フラスコに、テトラブロモビスフェノールF 40.0g(77.5mmol)、炭酸水素ナトリウム 15.3g(182mmol)、1,2-ジクロロエタン 61.3g(620mmol)、ジメチルホルムアミド 130mLを、この順序にて室温で加えてから混合下に90℃まで昇温させた。同温にて3時間撹拌後、室温まで冷却した。冷却後、メタノール100mLを加えた後、析出した固体をろ過し、水で洗浄した。次いで、80℃で熱風乾燥させ、白色の固体(テトラブロモビスフェノールFのビス(2-クロロエチル)エーテル)を43.7g、収率88%で得た。以下、合成例3化合物と記載する。
合成例4.テトラブロモビスフェノールSのビス(2-クロロエチル)エーテルの合成
攪拌器、コンデンサー、および滴下ロートを装着した500mLのガラス製フラスコに、テトラブロモビスフェノールS 40.0g(70.7mmol)、炭酸水素ナトリウム 13.9g(166mmol)、1,2-ジクロロエタン 56.0g(566mmol)、ジメチルホルムアミド 130mLを、この順序にて室温で加えてから混合下に90℃まで昇温させた。同温にて3時間撹拌後、室温まで冷却した。冷却後、メタノール100mLを加えた後、析出した固体をろ過し、水で洗浄した。次いで、80℃で熱風乾燥させ、白色の固体(テトラブロモビスフェノールSのビス(2-クロロエチル)エーテル)を44.4g、収率91%で得た。以下、合成例4化合物と記載する。
実施例1 <ハロゲン含有ポリマーの合成>
攪拌器とコンデンサーを装着した500mLのガラス製フラスコに、合成例1化合物 36.9g(55.2mmol)、テトラブロモビスフェノールA 30.0g(55.2mmol)、炭酸水素ナトリウム 10.0g(119mmol)、脱水ジメチルホルムアミド(キシダ化学社品 水分≦50ppm) 225mLを加えた。その後、135℃にて9時間撹拌後、室温まで放冷させた。ついで、この反応液に純水(48mL)を加えた後、析出した固体をろ過し、さらに純水で洗浄した。次いで、80℃で熱風乾燥させ、白色の固体(ハロゲン含有ポリマー)を57.8g得た。得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)の臭素含有量は54.5重量%、ゲル浸透クロマトグラフィー法によって求められる標準ポリスチレン換算重量平均分子量は11,000であった。
得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)について、白色からの色差Dは、21であった。
また、得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)の1H-NMRによる解析から、ポリマー末端構造の割合は、クロロエチル基が59%、ビニル基が28%、水酸基が13%と評価された。すなわち、一般式(6)、及び式(7)で示される末端基のうち、式(7)で示される末端基の割合は、28%であった。
実施例2 <ハロゲン含有ポリマーの合成>
実施例1において、反応温度を135℃から140℃に変更し、反応時間を9時間から3時間に変更した以外は、実施例1と同様の実験操作を行った結果、白色の固体(ハロゲン含有ポリマー)を58.3g得た。得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)の臭素含有量は53.8重量%、ゲル浸透クロマトグラフィー法によって求められる標準ポリスチレン換算重量平均分子量は12,000であった。
得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)について、白色からの色差Dは、21であった。
また、得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)の1H-NMRによる解析から、ポリマー末端構造の割合は、クロロエチル基が95%、ビニル基が3%、水酸基が1%と評価された。すなわち、一般式(6)、及び式(7)で示される末端基のうち、式(7)で示される末端基の割合は、3%であった。
実施例3 <ハロゲン含有ポリマーの合成>
実施例1において、炭酸水素ナトリウム 10.0g(119mmol)を用いる代わりに、炭酸ナトリウム 6.7g(63.5mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の実験操作を行った結果、白色の固体(ハロゲン含有ポリマー)を58.6g得た。得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)の臭素含有量は54.0重量%、ゲル浸透クロマトグラフィー法によって求められる標準ポリスチレン換算重量平均分子量は13,000であった。
得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)について、白色からの色差Dは、20であった。
また、得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)の1H-NMRによる解析から、ポリマー末端構造の割合は、クロロエチル基が66%、ビニル基が24%、水酸基が10%と評価された。すなわち、一般式(6)、及び式(7)で示される末端基のうち、式(7)で示される末端基の割合は、24%であった。
実施例4 <ハロゲン含有ポリマーの合成>
実施例1において、炭酸水素ナトリウム 10.0g(119mmol)を用いる代わりに、炭酸カリウム 8.8g(63.5mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の実験操作を行った結果、白色の固体(ハロゲン含有ポリマー)を58.8g得た。得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)の臭素含有量は54.1重量%、ゲル浸透クロマトグラフィー法によって求められる標準ポリスチレン換算重量平均分子量は24,000であった。
得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)について、白色からの色差Dは、29であった。
また、得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)の1H-NMRによる解析から、ポリマー末端構造の割合は、クロロエチル基が47%、ビニル基が27%、水酸基が16%と評価された。すなわち、一般式(6)、及び式(7)で示される末端基のうち、式(7)で示される末端基の割合は、29%であった。
実施例5 <ハロゲン含有ポリマーの合成>
実施例1において、合成例1化合物 36.9g(55.2mmol)、及びテトラブロモビスフェノールA 30.0g(55.2mmol)を用いる代わりに、合成例3化合物 35.4g(55.2mmol)、及びテトラブロモビスフェノールF 28.5g(55.2mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の実験操作を行った結果、白色の固体(ハロゲン含有ポリマー)を56.7g得た。得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)の臭素含有量は56.1重量%、ゲル浸透クロマトグラフィー法によって求められる標準ポリスチレン換算重量平均分子量は10,000であった。
得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)について、白色からの色差Dは、27であった。
また、得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)の1H-NMRによる解析から、ポリマー末端構造の割合は、クロロエチル基が63%、ビニル基が27%、水酸基が10%と評価された。すなわち、一般式(6)、及び式(7)で示される末端基のうち、式(7)で示される末端基の割合は、27%であった。
実施例6 <ハロゲン含有ポリマーの合成>
実施例1において、合成例1化合物 36.9g(55.2mmol)、及びテトラブロモビスフェノールA 30.0g(55.2mmol)を用いる代わりに、合成例4化合物 38.1g(55.2mmol)、及びテトラブロモビスフェノールS 31.2g(55.2mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の実験操作を行った結果、白色の固体(ハロゲン含有ポリマー)を57.7g得た。得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)の臭素含有量は51.5重量%、ゲル浸透クロマトグラフィー法によって求められる標準ポリスチレン換算重量平均分子量は8,500であった。
得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)について、白色からの色差Dは、28であった。
また、得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)の1H-NMRによる解析から、ポリマー末端構造の割合は、クロロエチル基が58%、ビニル基が29%、水酸基が13%と評価された。すなわち、一般式(6)、及び式(7)で示される末端基のうち、式(7)で示される末端基の割合は、29%であった。
実施例7 <ハロゲン含有ポリマーの合成>
実施例1において、脱水ジメチルホルムアミド(キシダ化学社品 水分≦50ppm) 225mLを用いる代わりに、脱水N-メチルピロリドン(富士フイルム和光純薬社品 水分≦50ppm)を用いた以外は、実施例1と同様の実験操作を行った結果、白色の固体(ハロゲン含有ポリマー)を58.1g得た。得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)の臭素含有量は53.7重量%、ゲル浸透クロマトグラフィー法によって求められる標準ポリスチレン換算重量平均分子量は29,000であった。
得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)について、白色からの色差Dは、25であった。
また、得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)の1H-NMRによる解析から、ポリマー末端構造の割合は、クロロエチル基が46%、ビニル基が21%、水酸基が33%と評価された。すなわち、一般式(6)、及び式(7)で示される末端基のうち、式(7)で示される末端基の割合は、21%であった。
実施例8 <ハロゲン含有ポリマーの合成>
実施例1において、脱水ジメチルホルムアミド(キシダ化学社品 水分≦50ppm) 225mLを用いる代わりに、N-メチルピロリドン(富士フイルム和光純薬社品 水分≦4000ppm)を用いた以外は、実施例1と同様の実験操作を行った結果、白色の固体(ハロゲン含有ポリマー)を57.9g得た。得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)の臭素含有量は53.4重量%、ゲル浸透クロマトグラフィー法によって求められる標準ポリスチレン換算重量平均分子量は28,000であった。
得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)について、白色からの色差Dは、26であった。
また、得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)の1H-NMRによる解析から、ポリマー末端構造の割合は、クロロエチル基が35%、ビニル基が31%、水酸基が34%と評価された。すなわち、一般式(6)、及び式(7)で示される末端基のうち、式(7)で示される末端基の割合は、31%であった。
実施例9 <ハロゲン含有ポリマーの合成>
実施例1において、脱水ジメチルホルムアミド(キシダ化学社品 水分≦50ppm) 225mLを用いる代わりに、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(富士フイルム和光純薬社品 水分≦450ppm)を用いた以外は、実施例1と同様の実験操作を行った結果、白色の固体(ハロゲン含有ポリマー)を57.9g得た。得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)の臭素含有量は54.0重量%、ゲル浸透クロマトグラフィー法によって求められる標準ポリスチレン換算重量平均分子量は21,000であった。
得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)について、白色からの色差Dは、29であった。
また、得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)の1H-NMRによる解析から、ポリマー末端構造の割合は、クロロエチル基が30%、ビニル基が30%、水酸基が32%と評価された。すなわち、一般式(6)、及び式(7)で示される末端基のうち、式(7)で示される末端基の割合は、30%であった。
比較例1 <ハロゲン含有ポリマーの合成>
攪拌器とコンデンサーを装着した300mLのガラス製フラスコに、合成例1化合物 22.1g(33.0mmol)、テトラブロモビスフェノールA 16.3g(33.0mmol)、炭酸水素ナトリウム 6.0g(71.4mmol)、含水ジメチルホルムアミド(水分1.1%) 127mL、を加えた。その後、135℃にて9時間撹拌後、室温まで放冷させた。ついで、この反応液に純水(26mL)を加えた後、析出した固体をろ過し、さらに純水で洗浄した。次いで、80℃で熱風乾燥させ、淡黄色の固体を39.3g得た。得られた淡黄色の固体の臭素含有量は54.1重量%、ゲル浸透クロマトグラフィー法によって求められる標準ポリスチレン換算重量平均分子量は16,000であった。
得られた淡黄色固体(ハロゲン含有ポリマー)について、白色からの色差Dは、70であった。
また、得られた淡黄色固体(ハロゲン含有ポリマー)の1H-NMRによる解析から、ポリマー末端構造の割合は、クロロエチル基が41%、ビニル基が44%、水酸基が15%と評価された。すなわち、一般式(6)、及び式(7)で示される末端基のうち、式(7)で示される末端基の割合は、44%であった。
比較例2 <ハロゲン含有ポリマーの合成>
攪拌器、コンデンサー、および滴下ロートを装着した5Lのガラス製セパラブルフラスコに、テトラブロモビスフェノールA 450g(0.827mol)、炭酸水素ナトリウム 163g(1.94mol)、1,2-ジクロロエタン123g(1.24mol)、脱水ジメチルホルムアミド(キシダ化学社品 水分≦50ppm) 3Lを、この順序にて室温中加え、混合下に135℃まで昇温させた。同温にて9時間撹拌後、室温まで冷却した。冷却後、純水720mLを加えた後、析出した固体をろ過し、水で洗浄した。次いで、80℃で熱風乾燥させ、淡黄色の固体を494g得た。得られた淡黄色の固体の臭素含有量は54.1重量%、ゲル浸透クロマトグラフィー法によって求められる標準ポリスチレン換算重量平均分子量は3,600であった。
得られた淡黄色固体(ハロゲン含有ポリマー)について、白色からの色差Dは、54であった。
また、得られた淡黄色固体(ハロゲン含有ポリマー)の1H-NMRによる解析から、ポリマー末端構造の割合は、クロロエチル基が36%、ビニル基が44%、水酸基が20%と評価された。すなわち、一般式(6)、及び式(7)で示される末端基のうち、式(7)で示される末端基の割合は、44%であった。
比較例3 <ハロゲン含有ポリマーの合成>
比較例2において、脱水ジメチルホルムアミド(キシダ化学社品 水分≦50ppm)3Lを用いる代わりに、含水ジメチルホルムアミド(水分1.1%)を用いた以外は、比較例2と同様の操作を行い、薄い褐色の固体を495g得た。得られた淡黄色の固体の臭素含有量は54.1重量%、ゲル浸透クロマトグラフィー法によって求められる標準ポリスチレン換算重量平均分子量は3,100であった。
得られた淡黄色固体(ハロゲン含有ポリマー)について、白色からの色差Dは、80であった。
また、得られた淡黄色固体(ハロゲン含有ポリマー)の1H-NMRによる解析から、ポリマー末端構造の割合は、クロロエチル基が27%、ビニル基が47%、水酸基が26%と評価された。すなわち、一般式(6)、及び式(7)で示される末端基のうち、式(7)で示される末端基の割合は、47%であった。
比較例4 <ハロゲン含有ポリマーの合成>
実施例1において、合成例1化合物 36.9g(55.2mmol)を用いる代わりに、合成例2化合物 41.8g(55.2mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の実験操作を行った結果、薄褐色の固体(ハロゲン含有ポリマー)を61.7g得た。得られた薄褐色固体(ハロゲン含有ポリマー)の臭素含有量は56.1重量%、ゲル浸透クロマトグラフィー法によって求められる標準ポリスチレン換算重量平均分子量は13000であった。
得られた薄褐色固体(ハロゲン含有ポリマー)について、白色からの色差Dは、89であった。
また、得られた白色固体(ハロゲン含有ポリマー)の1H-NMRによる解析から、ポリマー末端構造の割合は、ブロモエチル基が34%、ビニル基が50%、水酸基が16%と評価された。すなわち、一般式(6)、及び式(7)で示される末端基のうち、式(7)で示される末端基の割合は、50%であった。
比較例5 <ハロゲン含有ポリマーの合成>
実施例1において、合成例1化合物 36.9g(55.2mmol)、及び炭酸水素ナトリウム 10.0g(119mmol)を用いる代わりに、合成例2化合物 41.8g(55.2mmol)、及び炭酸カリウム8.8g(63.5mmol)を用いた以外は、実施例1と同様の実験操作を行った結果、薄褐色の固体(ハロゲン含有ポリマー)を61.8g得た。得られた薄褐色固体(ハロゲン含有ポリマー)の臭素含有量は56.0重量%、ゲル浸透クロマトグラフィー法によって求められる標準ポリスチレン換算重量平均分子量は22000であった。
得られた薄褐色固体(ハロゲン含有ポリマー)について、白色からの色差Dは、90であった。
また、得られた薄褐色固体(ハロゲン含有ポリマー)の1H-NMRによる解析から、ポリマー末端構造の割合は、ブロモエチル基が32%、ビニル基が55%、水酸基が13%と評価された。すなわち、一般式(6)、及び式(7)で示される末端基のうち、式(7)で示される末端基の割合は、55%であった。
参考例1 <特開2019-77857号公報開示の方法>
500mLのガラス製ナス型フラスコに、テトラブロモビスフェノールAのビス(2-クロロエチル)エーテル体 7.14g(12.2mmol)、テトラブロモビスフェノールAのビスナトリウム塩 8.12g(12.1mmol)、ジメチルホルムアミド(キシダ化学社品 水分≦500ppm) 30mLを加えてから混合下に130℃まで昇温させた。同温にて17時間撹拌後、室温まで放冷させた。水を加えた後、析出した固体をろ過、洗浄後に乾燥させて、分子量8400の薄い淡黄色の固体を収率91%で得た。得られた淡黄色の固体の臭素含有量は54.1重量%であった。
得られた薄い淡黄色固体について、白色からの色差Dは、34であった。
また、得られた薄い淡黄色固体の1H-NMRによる解析から、ポリマー末端構造の割合は、クロロエチル基が37%、ビニル基が34%、水酸基が29%と評価された。すなわち、一般式(6)、及び式(7)で示される末端基のうち、式(7)で示される末端基の割合は、34%であった。
表1及び図1から、本発明のハロゲン含有ポリマーは公知製法で得られるハロゲン化ポリマーよりも高い白色度を有することがわかる。また、上記一般式(6)、及び式(7)で示される末端基のうち、式(7)で示される末端基の割合を31%以下に制御することによって、高い白色度(白色からの小さい色差D)を達成できることを見出した。これはハロゲン含有ポリマーの製造工程において、式(7)で示される末端基の副生を抑えたことによって、ハロゲン含有ポリマー自身の着色を軽減できたこと由来すると推測される。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1m)
    (式中、Rは、炭素数1~6のアルキレン基、-S-、又は-SO-を示す。)
    で示される繰り返し単位を少なくとも1つ以上有するハロゲン含有ポリマーであって、そのポリマー末端に、下記一般式(6)、及び式(7)
    (式中、Yは、ハロゲン原子又は水酸基を示す。)
    からなる群より選ばれる少なくとも一つの末端基を有し、一般式(6)、及び式(7)で示される末端基のうち、式(7)で示される末端基の割合が31%以下であることを特徴とする、ハロゲン含有ポリマー。
  2. 一般式(1m)において、Rが、炭素数1~6のアルキレン基であることを特徴とする、請求項1に記載のハロゲン含有ポリマー。
  3. 一般式(1m)において、Rが、2,2-プロピレン基であることを特徴とする、請求項1に記載のハロゲン含有ポリマー。
  4. 一般式(6)、及び式(7)で示される末端基のうち、式(7)で示される末端基の割合が29%以下であることを特徴とする、請求項1に記載のハロゲン含有ポリマー。
  5. ゲル浸透クロマトグラフィー測定によって求められる標準ポリスチレン換算平均重量分子量が5,000~100,000であることを特徴とする、請求項1に記載のハロゲン含有ポリマー。
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