JP2023144474A - パワー半導体モジュール及びそれを用いた電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、絶縁不良を生じ難いパワー半導体モジュールを提供することにある。【解決手段】本発明のパワー半導体モジュール10は、外部端子である第1主端子12a1がネジ止めされる第1端子ケース11fと、外部端子である第2主端子12b1がネジ止めされる第2端子ケース11gと、第1主端子12a1に接続された第1主端子配線部12a3と、第2主端子12b1に接続された第2主端子配線部12a3と、を備える。第1主端子12a1は、第1端子ケース11fを間に介して第1主端子配線部12a3および第2主端子配線部12b3と重畳する。第1端子ケース11fは、第1主端子12a1をネジ止めするためのネジ穴と第1主端子配線部12a3との間に配置された底部11f4を有する。底部11f4は、第1主端子配線部12a3の側の面に、アーチ状の凹部11f5を有する。【選択図】図6
Description
本発明は、電力用半導体素子が搭載されたパワー半導体モジュール、及びそれを用いた電力変換装置に関する。
特許文献1には、主端子(正極端子、負極端子、交流端子)の少なくともいずれか1つを、共通の方向に延伸する2つの部分を含むように構成した半導体パワーモジュールが記載されている(要約参照)。以下、「半導体パワーモジュール」は「パワー半導体モジュール」として説明する。
特許文献1のパワー半導体モジュールでは、正極端子(11a)および負極端子(11b)は、モジュールケース(12)の内部に、正極端子(11a)と負極端子(11b)とが重畳する重畳部を構成し、さらにこの重畳部に対して、モジュールケース(12)の外部で負極端子(11b)が重畳するように、配置されている(図4,8,11,12,15参照)。なお、前述の説明において使用した括弧付の符号は特許文献1で用いられている符号であり、後述する本発明の実施例で使用する符号とは異なる。
特許文献1のパワー半導体モジュールでは、モジュールケース外部の負極端子をモジュールケースにネジ止めする際に、ネジ止め用のネジに、ネジ長さの長いものを使用した場合、螺合したネジがモジュールケース内部で重畳する正極端子と負極端子とを接触させる虞がある。モジュールケース内部における正極端子と負極端子との接近又は接触は、パワー半導体モジュールの絶縁不良を引き起こす。
本発明の目的は、絶縁不良を生じ難いパワー半導体モジュールを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のパワー半導体モジュールは、
外部端子である第1主端子と、外部端子である第2主端子と、前記第1主端子がネジ止めされる第1端子ケースと、前記第2主端子がネジ止めされる第2端子ケースと、前記第1主端子に接続された第1主端子配線部と、前記第2主端子に接続された第2主端子配線部と、を備えたパワー半導体モジュールにおいて、
前記第1主端子は、前記第1端子ケースを間に介して前記第1主端子配線部および前記第2主端子配線部と重畳し、
前記第1端子ケースは、前記第1主端子をネジ止めするためのネジ穴と前記第1主端子配線部との間に配置された底部を有し、
前記底部は、前記第1主端子配線部の側の面に、アーチ状の凹部を有する。
外部端子である第1主端子と、外部端子である第2主端子と、前記第1主端子がネジ止めされる第1端子ケースと、前記第2主端子がネジ止めされる第2端子ケースと、前記第1主端子に接続された第1主端子配線部と、前記第2主端子に接続された第2主端子配線部と、を備えたパワー半導体モジュールにおいて、
前記第1主端子は、前記第1端子ケースを間に介して前記第1主端子配線部および前記第2主端子配線部と重畳し、
前記第1端子ケースは、前記第1主端子をネジ止めするためのネジ穴と前記第1主端子配線部との間に配置された底部を有し、
前記底部は、前記第1主端子配線部の側の面に、アーチ状の凹部を有する。
本発明によれば、絶縁不良を生じ難いパワー半導体モジュールを提供することができ、これにより信頼性の高い電力変換装置を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、図面を参照して、本発明の半導体パワーモジュールの一実施例、およびそれを搭載した電力変換装置について、説明する。
[実施例1]
図1は、本発明の第1実施例(実施例1)に係るパワー半導体モジュール10の外観を示す斜視図である。図2は、本発明の第1実施例に係るパワー半導体モジュール10の等価回路図である。
図1は、本発明の第1実施例(実施例1)に係るパワー半導体モジュール10の外観を示す斜視図である。図2は、本発明の第1実施例に係るパワー半導体モジュール10の等価回路図である。
図1に示すように、本実施例の半導体パワーモジュール10は、図示しないIGBTチップなどの回路部品を収容するケース11と、大電流が流れる主端子12a1,12b1,12c1と、弱電系の信号端子13a~13hと、を備える。
ケース11は、ベース部11aと、側壁部11bと、蓋部11cと、を備える。ベース部11aはケース11の底部を構成し、側壁部11bがベース部11aの外周縁から立ち上がるように設けられる。このため、側壁部11bの一端側はベース部11aで塞がれ、側壁部11bの他端側は開口する。蓋部11cは側壁部11bの他端側に形成される開口を覆うように側壁部11bに取り付けられる。
ケース11は、図2に示す等価回路を含む回路を収容する。図2の等価回路は、3相(U相、V相、W相)の交流電流を生成するための電流スイッチ回路のうち、1相分の電流スイッチ回路を示している。1相分の電流スイッチ回路20は、上下アーム直列回路で構成され、下アームIGBT21aと、下アームダイオード22aと、上アームIGBT21bと、上アームダイオード22bと、を備える。下アームIGBT21a、下アームダイオード22a、上アームIGBT21b、および上アームダイオード22bは半導体素子で構成される回路部品である。
電流スイッチ回路20には、上述した主端子12a1,12b1,12c1と信号端子13a~13hとが設けられる。なお、主端子12a1,12b1,12c1および信号端子13a~13hは、外部配線と電流スイッチ回路20との電気的接続を行うため、ケース10の外側に露出するように配置される。
主端子12a1,12b1,12c1は、第1主端子12a1と、第2主端子12b1と、第3主端子12c1とで構成される。本実施例では、第1主端子12a1でエミッタ端子(負極端子)を構成し、第2主端子12b1でコレクタ端子(正極端子)を構成し、第3主端子12c1で交流端子(AC端子)を構成する。
信号端子13a~13hは、下アームゲート信号端子13a、下アームエミッタ信号端子13b、下アームコレクタ信号端子13c、上アームゲート信号端子13d、上アームエミッタ信号端子13e、上アームコレクタ信号端子13f、負極信号端子13g、および温度検知信号端子13hで構成される。信号端子13a~13gは、電流スイッチ回路20を制御する信号の端子(制御端子)である。
図1に示すように、ケース11は、矢印10Aで示す方向を長手方向として、蓋部11cから見た形状が略長方形状を成すように、形成される。第1主端子12bおよび第2主端子12a1は長手方向の一端面11dの側に配置され、第3主端子12c1は長手方向において一端面11dの側とは反対側の面(他端面)11eの側に配置されている。すなわち、パワー半導体モジュール10は略長方形状を成し、第1主端子12a1および第2主端子12b1はパワー半導体モジュール10が成す長方形状の一方の短辺側に配置され、第3主端子12c1は他方の短辺側に配置される。これにより、信号端子13a~13hを全て纏めてケース11の中央に配置することが可能となる。
なお本実施例では、第1主端子12a1は第2主端子12b1に対して第3主端子12c1の側に配置され、パワー半導体モジュール10の長手方向において、パワー半導体モジュール10の中央側に配置される。このため信号端子13a~13hは、パワー半導体モジュール10の長手方向において、第1主端子12a1と第3主端子12c1のとの間に配置される。
第1主端子12a1、第2主端子12b1および第3主端子12c1はケース11の蓋部11cにネジ止めされる。第1主端子12a1、第2主端子12b1および第3主端子12c1は、ケース10の外側に露出して、外部配線が接続される外部端子を構成するように配置される。
また、信号端子13a~13hはケース11の蓋部11cにネジ止めにより固定されてもよいが、ファストン端子やプレスフィット端子など、蓋部11cに差し込む方式で固定されても良い。
図3は、本発明の第1実施例に係るパワー半導体モジュール10のケース11の内部構造を示す斜視図である。図4は、本発明の第1実施例に係るパワー半導体モジュールの第1主端子の形状を示す図である。図5は、本発明の第1実施例に係るパワー半導体モジュールの第2主端子の形状を示す図である。なお図3では、第1主端子12a1および第2主端子12b1の構成を示すことを目的としてしており、電流スイッチ回路20を構成する半導体素子等の図示は省略している。
第1主端子12a1は、ケース10の内側に向かって延設される第1主端子配線部12a2,12a3により、ケース10の内部に収容された電流スイッチ回路20に接続される。第1主端子12a1および第1主端子配線部12a2,12a3は、単一部材である第1主端子形成部材12aにより構成される。
第2主端子12b1は、ケース10の内側に向かって延設される第2主端子配線部12b2,12b3により、ケース10の内側に収容された電流スイッチ回路20に接続される。第2主端子12b1および第2主端子配線部12b2,12b3は、単一部材である第2主端子形成部材12bにより構成される。
第1主端子配線部12a2,12a3は、第1主端子12a1からベース部11aに向かって、ベース部11aの部品配置面11a1に垂直な方向に沿って延設される垂直方向延設部12a2と、長手方向10Aに沿って延設される長手方向延設部12a3と、を有する。第1主端子配線部12a2,12a3の長手方向延設部12a3は、第1主端子12a1の、第2主端子12b1側の端部側から、パワー半導体モジュール10の中央側、すなわち第3主端子12c1側に向かって長手方向に延設される。
第2主端子配線部12b2,12b3は、第2主端子12b1からベース部11aに向かって、ベース部11aの部品配置面11a1に垂直な方向に沿って延設される垂直方向延設部12b2と、長手方向10Aに沿って延設される長手方向延設部12b3と、を有する。第2主端子配線部12b2,12b3の長手方向延設部12b3は、第2主端子12b1の、第1主端子12a1側の端部側から、パワー半導体モジュール10の中央側、すなわち第3主端子12c1側に向かって長手方向に延設される。
なお、長手方向10Aは第1主端子12a1および第2主端子12b1の配列方向、或いは第1主端子12a1、第2主端子12b1および第3主端子12c1の配列方向に一致する。
第1主端子12a1と、第1主端子配線部12a2,12a3の長手方向延設部12a3と、第2主端子配線部12b2,12b3の長手方向延設部12b3とは、長手方向10Aにおいてオーバーラップしている。これにより第1主端子12a1は、ベース部11aの部品配置面11a1に垂直な方向に、第1主端子配線部12a2,12a3の長手方向延設部12a3および第2主端子配線部12b2,12b3の長手方向延設部12b3と重畳するように配置される。この場合、第1主端子配線部の長手方向延設部12a3および第2主端子配線部の長手方向延設部12b3は、電気的な絶縁を保つため、間隔を設けて並行に設置されている。
第1主端子配線部12a2,12a3の長手方向延設部12a3は第1主端子配線部の一部であり、以下、第1主端子配線部の長手方向延設部12a3を単に「第1主端子配線部12a3」と呼んで説明する。また、第2主端子配線部12b2,12b3の長手方向延設部12b3は第2主端子配線部の一部であり、以下、第2主端子配線部の長手方向延設部12b3を単に「第2主端子配線部12b3」と呼んで説明する。
第3主端子12c1は、ケース10の外側に露出するように配置され、外部配線が接続される端子部を構成する。第3主端子12c1は、ケース10の内側に向かって延設される第1主端子配線部12c2により、ケース10の内部に収容された電流スイッチ回路20に接続される。第3主端子12c1および第3主端子配線部12c2は、単一部材である第3主端子形成部材12cにより構成される。
第3主端子12c1の第3主端子配線部12c2は、途中に折れ曲がり部を有するものの、ほぼベース部11aの部品配置面11a1に垂直な方向に沿って延設され、部品配置面11a1に垂直な方向において、他の配線部と重畳する構成にはなっていない。
図6は、本発明の第1実施例に係るパワー半導体モジュール10の第1主端子11aおよび第1端子ケース11fの構成を模式的に示す図である。
電流スイッチ回路20を構成する下アームIGBT21a、下アームダイオード22a、上アームIGBT21b、および上アームダイオード22bは絶縁基板18の上に配置され、ワイヤ16により各部品間の配線が行われている。ケース11の内側にはシリコンゲル17が注入され、絶縁基板18の上に配置された電気部品やワイヤ16はシリコンゲル17に埋設される。
第1主端子12a1は樹脂製の第1端子ケース11fに固定される。第1端子ケース11fは、箱形の樹脂部品であり、第1主端子配線部12a3との間に配置された底部11f4を有する。第1端子ケース11fは、ナット保持部11f2にナット14を内蔵し、蓋部11cと一体に構成されている。また第1端子ケース11fには、ナット保持部11f2よりも底部11f4側に、ナット14を貫通したネジ15の先端部を収納するネジ収納部11f3が設けられている。第1端子ケース11fは蓋部11cに一体成形されてもよいし、蓋部11cに取り付けられる構造であってもよい。
本実施例の第1端子ケース11fは、ナット14に設けられたネジ穴を有しているが、ナット14に設けられたネジ穴に限らず、第1主端子12a1をネジ止めするためのネジ穴を有していればよい。
第1主端子12a1は、第1端子ケース11fの上端面(蓋部11cの側とは反対側の端面)11f1に当接するように配置され、ネジ15をナット14に螺合して固定される。すなわち第1主端子12a1は、第1端子ケース11fにネジ止めされる。
第2主端子12b1は、樹脂製の第2端子ケース11gに、第1主端子12a1と同じようにネジ止めされる。第3主端子12c1も、樹脂製の第3端子ケース11hに、第1主端子12a1と同じようにネジ止めされる。
第1主端子12a1は、ベース部11aの部品配置面11a1に垂直な方向に、第1主端子配線部12a3および第2主端子配線部12b3と重畳するように配置される。この場合、第1主端子配線部12a3と第2主端子配線部12b3とは隙間を介して重畳部を構成しており、第1主端子12a1はこの重畳部に対して第1端子ケース11fを介して重畳される。
本実施例では、第1端子ケース11fの底部11f4に、アーチ状の凹部11f5を設けている。すなわち第1端子ケース11fの底部11f4は、第1主端子配線部12a3および第2主端子配線部12b3の側の面に、第1主端子11a1の側に向かって窪んだアーチ状の凹部11f5を有する。アーチ状の凹部11f5は第1端子ケース11fの底部11f4にスペース11f6を形成する。底部11f4のネジ穴の側、すなわちナット14の側の面は、平坦な形状である。
第1端子ケース11fの底部11f4は、アーチ状の凹部11f5の頂点における厚みdBよりも端部の厚みdAの方が厚い。本実施例では、アーチ状の凹部11f5は第1主端子配線部12a3の側から第1主端子12a1の側に向かって縮径するテーパ形状に形成されている。アーチ状の凹部11f5はテーパ形状に限らず、第1主端子配線部12a3の側から第1主端子12a1の側に向かって縮径する球面形状に形成してもよい。アーチ状の凹部11f5の頂点には、深さ(深さ寸法)dCの凹部が形成される。
ここで図7を参照して、第1主端子12a1、第1主端子配線部の長手方向延設部12a3および第2主端子配線部の長手方向延設部12b3の重畳構造が有する課題について説明する。図7は、本発明との比較例に係る図であり、第1主端子11a1および第1端子ケース11fの構成を模式的に示す図である。
図7の比較例では、第1端子ケース11fの底部11f4にアーチ状の凹部11f5(図6参照)が設けられていない。この場合、第1主端子12a1を第1端子ケース11fにネジ止めする際に、指定された長さよりも長いネジを用いて過剰に締め付けると、第1端子ケース11fの底部11f4が破線11f4’で示すように変形する場合がある。この底部11f4の変形は、第1主端子配線部12a3および第2主端子配線部12b3に向かって突き出す変形であるため、第1主端子配線部12a3と接触して、第1主端子配線部12a3を第2主端子配線部12b3に向けて押圧することになる。底部11f4の変形で押圧された第1主端子配線部12a3の変形が、第1主端子配線部12a3と第2主端子配線部12b3との間に設定された隙間の大きさを超え、さらにこの隙間に充填されたシリコンゲルを隙間から押し出すと、第1主端子配線部12a3が第2主端子配線部12b3と接近又は接触し、絶縁不良を引き起こすことになる。
通常の量産段階では区別された指定のネジ15が使用されるため、このような絶縁不良は考え難いが、パワー半導体モジュール10の試験を行う場合などは指定外のネジが指定のネジに雑ざる場合がる。
本実施例では、第1端子ケース11fの底部11f4にアーチ状の凹部11f5が設けられ、アーチ状の凹部11f5が第1端子ケース11fの底部11f4にスペース11f6を形成しているため、第1端子ケース11fの底部11f4から第1主端子配線部12a3までの距離を稼ぐことができる。このため、間違って長いネジ15’を用い、このネジ15’を過剰に締め付けた場合でも、アーチ状の凹部11f5で形成されたスペースにより第1端子ケース11fの底部11f4が第1主端子配線部12a3に接触し難くなる。その結果、第1端子ケース11fの底部11f4による第1主端子配線部12a3の変形を抑制し、第1主端子配線部12a3と第2主端子配線部12b3との接触を抑制することができ、第1主端子配線部12a3および第2主端子配線部12b3の接触による不良や絶縁不良を抑制できる。また、凹部11f5がアーチ状に形成されているため、単なる凹部に比べて第1端子ケース11fの底部11f4の強度を高めることができ、凹部が設けられていない底部11f4に対する強度の低下を抑制することができる。これによっても、底部11f4の変形の抑制効果が得られる。
[実施例2]
図8は、本発明の第2実施例(実施例2)に係るパワー半導体モジュールのケースの内部構造を示す斜視図である。
図8は、本発明の第2実施例(実施例2)に係るパワー半導体モジュールのケースの内部構造を示す斜視図である。
第1実施例では、第1主端子12a1、第2主端子12a2及び第3主端子12a3がそれぞれ2つずつ設けられているが、第1主端子12a1、第2主端子12a2及び第3主端子12a3のそれぞれを長手方向10Aに垂直な方向に幅広にして、1つずつ設ける構成にしてもよい。
この場合、第1主端子12a1から延設される第1主端子配線部12a3も幅広にすることで、間違った長いネジ15‘で押圧されたときの変形を小さくできる可能性がある。逆に言えば、第1主端子配線部12a3が幅の狭い2つの第1主端子配線部で構成される第1実施例の場合に、第1端子ケース11fの底部11f4にアーチ状の凹部11f5を設けた効果が大きくなる。
[実施例3]
図9を参照して、パワー半導体モジュール10を搭載した電力変換装置100について説明する。図9は、本発明の半導体パワーモジュールを搭載した電力変換装置の外観を示す斜視図である。なお図9では、図8の第2実施例のパワー半導体モジュール10を用いた例を示している。本実施例において、第1実施例のパワー半導体モジュール10を用いてもよいことは言うまでもない。
図9を参照して、パワー半導体モジュール10を搭載した電力変換装置100について説明する。図9は、本発明の半導体パワーモジュールを搭載した電力変換装置の外観を示す斜視図である。なお図9では、図8の第2実施例のパワー半導体モジュール10を用いた例を示している。本実施例において、第1実施例のパワー半導体モジュール10を用いてもよいことは言うまでもない。
図9の電力変換装置100は、図2の等価回路で示したパワー半導体モジュール10と、第1主端子12a1と第2主端子12b1との間にコンデンサモジュールを接続するために設けた直流バスバ111aおよび111bと、第3主端子12c1に誘導電動機を接続するために設けた交流バスバ112と、パワー半導体モジュール10の上部に設けたパワー半導体モジュール10を駆動するドライバ回路基板131と、ドライバ回路基板131を制御する制御装置132とを備える。また電力変換装置100では、パワー半導体モジュール10は放熱を目的としてヒートシンク150に実装されている。
本実施例のパワー半導体モジュール10を搭載することにより、パワー半導体モジュールの絶縁不良の発生が抑制され、電力変換装置100の信頼性が向上する。
なお、本発明は上記した各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
10…パワー半導体モジュール、11f…第1端子ケース、11f4…第1端子ケース11fの底部、11f5…アーチ状の凹部、11g…第2端子ケース、12a1…第1主端子、12a3…第1主端子配線部、12b1…第2主端子、12b3…第2主端子配線部、14…ナット(ネジ穴)、131…ドライバ回路基板、132…制御装置、150…ヒートシンク、dA…アーチ状の凹部11f5の端部の厚み、dB…アーチ状の凹部11f5の頂点における厚み。
Claims (5)
- 外部端子である第1主端子と、外部端子である第2主端子と、前記第1主端子がネジ止めされる第1端子ケースと、前記第2主端子がネジ止めされる第2端子ケースと、前記第1主端子に接続された第1主端子配線部と、前記第2主端子に接続された第2主端子配線部と、を備えたパワー半導体モジュールにおいて、
前記第1主端子は、前記第1端子ケースを間に介して前記第1主端子配線部および前記第2主端子配線部と重畳し、
前記第1端子ケースは、前記第1主端子をネジ止めするためのネジ穴と前記第1主端子配線部との間に配置された底部を有し、
前記底部は、前記第1主端子配線部の側の面に、アーチ状の凹部を有することを特徴とするパワー半導体モジュール。 - 請求項1において、
前記底部は、前記アーチ状の凹部の頂点における厚みよりも端部の厚みの方が厚いことを特徴とするパワー半導体モジュール。 - 請求項2において、
前記アーチ状の凹部は、前記第1主端子配線部の側から前記第1主端子の側に向かって縮径するテーパ形状であることを特徴とするパワー半導体モジュール。 - 請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記底部は、前記ネジ穴の側の面が平坦な形状であることを特徴とするパワー半導体モジュール。 - 請求項1乃至3のいずれか1項のパワー半導体モジュールと、前記パワー半導体モジュールの放熱を行うヒートシンクと、前記パワー半導体モジュールを駆動するドライバ回路基板と、前記ドライバ回路基板を制御する制御装置と、を備えた電力変換装置。
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