JP2023144283A - 回転機械 - Google Patents

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慶剛 志津
Keigo Shizu
鐘剛 金
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Abstract

【課題】回転機械の軸方向寸法を小型化しつつ、安定したシール性の確保を図ることができる技術を提供する。【解決手段】互いに相対回転する外周側部材50及び内周側部材52と、外周側部材50と内周側部材52との間に配置され外周側部材50の内部空間を封止するシール部材54と、シール部材54よりも内部空間側において外周側部材50と内周側部材52との間に配置される軸受56と、を備える回転機械であって、シール部材54は、付勢部材78により外周側部材50又は内周側部材52の一方に向けて付勢される主リップ部76aと、主リップ部76aよりも軸方向で内部空間58側に設けられる補助リップ部82aと、を備え、外周側部材50又は内周側部材52の一方は、補助リップ部82aが摺動する部位を含み摺動に対応するための摺動対応面90を備え、摺動対応面90の一部は、軸受56と径方向に重なる。【選択図】図2

Description

本開示は、回転機械に関する。
特許文献1は、互いに相対回転する外周側部材及び内周側部材と、外周側部材と内周側部材との間に配置されるシール部材と、を備える回転機械を開示する。このシール部材は、付勢部材により内周側部材に向けて付勢される主リップ部の他に、主リップ部よりも内部空間側に設けられる補助リップ部を備えている。シール部材の補助リップ部は、内周側部材と主リップ部との間への摩耗粉等の異物の侵入を阻止するために用いられる。
特開2005-48920号公報
本願発明者は、回転機械の軸方向寸法を小型化しつつ、シール部材の補助リップ部による安定したシール性の確保を図るうえで、従来技術に関して改良の余地があるとの認識を得た。
本開示の目的の1つは、回転機械の軸方向寸法を小型化しつつ、安定したシール性の確保を図ることができる技術を提供することにある。
本開示の回転機械は、互いに相対回転する外周側部材及び内周側部材と、前記外周側部材と前記内周側部材との間に配置され前記外周側部材の内部空間を封止するシール部材と、前記シール部材よりも軸方向で前記内部空間側において前記外周側部材と前記内周側部材との間に配置される軸受と、を備える回転機械であって、前記シール部材は、付勢部材により前記内周側部材又は前記外周側部材の一方に向けて付勢される第1リップ部と、前記第1リップ部よりも軸方向で前記内部空間側に設けられる第2リップ部と、を備え、前記内周側部材又は前記外周側部材の一方は、前記第2リップ部が摺動する部位を含み摺動に対応するための処理が施された摺動対応面を備え、前記摺動対応面の一部は、前記軸受と径方向に重なる。
本開示によれば、回転機械の軸方向寸法を小型化しつつ、安定したシール性の確保を図ることができる。
第1実施形態の回転機械の側面断面図である。 第1実施形態の回転機械の拡大断面図である。 図3(A)は、第1参考形態の回転機械の拡大断面図であり、図3(B)は、第1実施形態の回転機械の拡大断面図であり、図3(B)は、第2参考形態の回転機械の拡大断面図である。 第2実施形態の回転機械の拡大断面図である。
以下、実施形態を説明する。同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面では、説明の便宜のため、適宜、構成要素を省略、拡大、縮小する。図面は符号の向きに合わせて見るものとする。
(第1実施形態)図1を参照する。本実施形態の回転機械10は、歯車機構14が用いられる歯車装置である。この回転機械10は、駆動装置から入力回転が入力される入力部材12と、入力部材12の回転を伝達する歯車機構14と、歯車機構14から伝達される出力回転を被駆動部材に出力する出力部材16と、を備える。駆動装置の具体例は特に限定されず、例えば、モータ、ギヤモータ、エンジン等である。被駆動部材の具体例は特に限定されず、例えば、コンベア、車輪、工作機械、ロボット(産業用ロボット、サービスロボット等)等の一部である。この他に、回転機械10は、歯車機構14を収容するケーシング18と、歯車機構14を構成する外歯歯車24に対して軸方向側方に配置されるキャリヤ20と、を備える。
本実施形態の回転機械10は、歯車機構14として、互いに噛み合う外歯歯車24及び内歯歯車26を備える偏心揺動型歯車装置である。この種の歯車装置は、外歯歯車24及び内歯歯車26の一方(ここでは外歯歯車24)をクランク軸28によって揺動させることで出力部材16に出力回転を伝達可能である。本実施形態では、キャリヤ20が出力部材16となる例を説明するが、ケーシング18が出力部材16となってもよい。
本実施形態の入力部材12は、クランク軸28である。クランク軸28は、クランク軸28の回転中心C28に対して偏心した少なくとも一つ(ここでは二つ)の偏心体30を備える。外歯歯車24は、歯車軸受32を介してクランク軸28の偏心体30に相対回転自在に支持される。内歯歯車26は、ケーシング18と一体化している。
本実施形態のキャリヤ20は、外歯歯車24に対して軸方向両側に個別に配置される。本実施形態の回転機械10は、キャリヤ20から軸方向に突き出て外歯歯車24を貫通する内ピン34を備える。内ピン34は、外歯歯車24から荷重を受けることができ、キャリヤ20とともに外歯歯車24の自転成分と同期可能である。
以上の回転機械10(歯車装置)の動作を説明する。駆動装置から伝達される入力回転によって入力部材12が回転すると、歯車機構14が作動する。歯車機構14が作動すると、歯車機構14から出力部材16に出力回転が伝達され、その出力回転が被駆動部材に出力される。
本実施形態のように偏心揺動型歯車装置を用いる場合、入力部材12(クランク軸28)が回転すると、クランク軸28の偏心体30によって外歯歯車24が揺動する。外歯歯車24が揺動すると、外歯歯車24と内歯歯車26の噛合位置が周方向に変化する。これに伴い、クランク軸28が一回転する毎に、外歯歯車24と内歯歯車26の歯数差分だけ外歯歯車24が自転する。この自転成分は、出力回転として出力部材16(ここではキャリヤ20)に伝達される。本実施形態では、入力回転に対して減速した出力回転が出力される。
ここで、回転機械10は、回転機械10の運転時に相対回転する外周側部材50及び内周側部材52と、外周側部材50と内周側部材52との間に配置されるシール部材54及び軸受56と、を備える。本実施形態での外周側部材50はケーシング18であり、内周側部材52はキャリヤ20である。以下、本明細書では、外周側部材50及び内周側部材52の相対回転する回転中心Caに沿った方向を軸方向Xといい、その回転中心Caを円中心とする円周方向及び半径方向を単に周方向及び径方向という。
本実施形態の内周側部材52は、キャリヤ20と同様、軸方向Xの両側に間隔を空けて個別に設けられる。本実施形態において、シール部材54及び軸受56は、軸方向Xの両側にある個別の内周側部材52と外周側部材50との間に配置される。
本実施形態のシール部材54は、外周側部材50と内周側部材52の間の隙間を塞ぐオイルシールである。シール部材54は、回転機械10の外部に形成される外部空間57と、外周側部材50の内部に形成される内部空間58とを隔てており、その内部空間58を封止している。内部空間58には封入材(不図示)が封入されている。封入材は、例えば、歯車機構14の潤滑に用いられる潤滑剤である。潤滑剤は、半固体状又は液体状のグリース、潤滑油等である。
軸受56は、シール部材54よりも軸方向Xで内部空間58側において外周側部材50と内周側部材52との間に配置される。軸受56は、外周側部材50と内周側部材52を相対回転自在に連結する。本実施形態の軸受56は、アンギュラ球軸受であるが、その具体例は特に限定されず、テーパ軸受、クロスローラ軸受等でもよい。
図2を参照する。軸受56は、複数の転動体60と、複数の転動体60が転動する外輪62及び内輪64と、複数の転動体60の相対位置を保持するリテーナ66と、を備える。本実施形態の転動体60は球であるが、ころ等でもよい。本実施形態の軸受56は専用の外輪62を備える。この他にも、軸受56は、専用の外輪62を備えずに、外周側部材50の内周面が外輪を兼ねてもよい。本実施形態の軸受56は、専用の内輪64を備えずに、内周側部材52の外周面が内輪64を兼ねている。内輪64を兼ねる内周側部材52の外周面には、転動体60が転動する内側転動面68が設けられる。この他にも、軸受56は専用の内輪64を備えてもよい。本実施形態のリテーナ66の内周面66aは、軸方向Xにおいて外部空間57とは反対側に向かうに連れて内周側部材52側に近づくように軸方向Xに対して傾斜している。
シール部材54は、主シール体70と、補助シール体72とを備える。主シール体70は、第1金属環74と、第1金属環74に一体化される第1弾性材76とを備える。第1弾性材76はゴムを用いて構成され、加硫接着等により第1金属環74に一体化される。
第1金属環74は、締まり嵌めにより外周側部材50の内周面に嵌合した状態で固定される筒状の第1嵌合部74aと、第1嵌合部74aの外部空間57側の端部から径方向内側に延びる第1フランジ部74bとを備える。本実施形態の第1嵌合部74aは、第1弾性材76の被覆部76c(後述する)を介して外周側部材50の内周面に嵌合した状態で固定される。この他にも、第1嵌合部74aは、外周側部材50の内周面に直接に嵌合した状態で固定されてもよい。シール部材54は、第1金属環74及び第1弾性材76のいずれかが接触した状態で、締まり嵌めにより外周側部材50に固定されるともいえる。
第1弾性材76は、第1金属環74の第1フランジ部74bから軸方向Xで内部空間58側に延び内周側部材52に摺動する主リップ部76a(第1リップ部)を備える。この他に、第1弾性材76は、内周側部材52に対する主リップ部76aの接触箇所(後述するリップ端部76d)よりも外部空間57側に設けられ内周側部材52に摺動するダストリップ部76b(第3リップ部)と、第1金属環74を被覆する被覆部76cとを備える。ダストリップ部76bは、内周側部材52の外周面に接触することで、外部空間57から主リップ部76a側へのダストの侵入を阻止する。
主リップ部76aは、内周側部材52に接触することで、内部空間58から外部空間57側への封入材の漏出を阻止する。主リップ部76aは、主リップ部76aにおいて内周側部材52側に突き出るとともに内周側部材52に接触するリップ端部76dを備える。
主シール体70は、主リップ部76aにおいてリップ端部76dとは径方向反対側に取り付けられる付勢部材78を備える。付勢部材78は、例えば、無端状に周方向に連続するガーターストリップである。付勢部材78は、内周側部材52に主リップ部76aを押し付ける緊迫力を付与することで、主リップ部76aを内周側部材52に向けて付勢可能である。
補助シール体72は、第2金属環80と、第2金属環80に一体化される第2弾性材82と、を備える。第2弾性材82はゴムを用いて構成され、加硫接着等により第2金属環80に一体化される。
第2金属環80は、締まり嵌めにより主シール体70の内周面に嵌合した状態で固定される筒状の第2嵌合部80aと、第2嵌合部80aの軸方向Xで内部空間58側の端部から径方向内側に延びる第2フランジ部80bとを備える。
第2弾性材82は、主リップ部76aよりも軸方向で内部空間58側に設けられ内周側部材52に摺動する補助リップ部82a(第2リップ部)を備える。補助リップ部82aは、第2金属環80の第2フランジ部80bに一体化される。補助リップ部82aは、内部空間58側から内周側部材52と主リップ部76aとの間への異物の侵入を阻止する。ここでの異物とは、例えば、歯車機構14の噛み合いにより生じる摩耗粉等である。シール部材54に補助リップ部82aを設けることで、主リップ部76aでの異物の噛み込みに起因するシール性の低下を防止できる。
軸受56は、シール部材54の主リップ部76aとは径方向に重ならず、その主リップ部76aよりも軸方向Xで内部空間58側に設けられる。軸受56は、シール部材54の補助リップ部82aとも径方向に重ならず、その補助リップ部82aよりも軸方向Xで内部空間58側に設けられる。
内周側部材52は、シール部材54の各リップ部(主リップ部76a、補助リップ部82a、ダストリップ部76b)が摺動する部位を含む軸方向範囲に設けられる摺動対応面90を備える。摺動対応面90は、内周側部材52の外周面に設けられる。摺動対応面90には摺動に対応するための処理(以下、摺動対応処理という)が施されている。ここでの摺動対応処理とは、例えば、摺動摩擦を低減するための処理をいう。これは、例えば、表面粗さを低減する研削加工、表面処理等をいう。この他にも、ここでの摺動対応処理は、シール部材54のリップ部の摩耗を低減するための表面処理でもよい。この摺動対応処理は、本実施形態において仕上げ処理(仕上げ加工)として施される。本実施形態の摺動対応面90は仕上げ処理面(仕上げ加工面)であるともいえる。本実施形態の摺動対応面90は、砥石等による研削加工を仕上げ加工として施すことで設けられる平滑面である。本実施形態の摺動対応面90は、軸方向Xに沿ってストレートに延びており、軸方向Xに向かって同じ外径を持つストレート面である。
摺動対応面90は、シール部材54の補助リップ部82aとの接触位置Paから軸受56側に向かって延びている。これにより、摺動対応面90には、補助リップ部82aとの接触位置Paから内部空間58側の末端90aまでの範囲に第1ばらつき吸収代92が設けられる。また、摺動対応面90は、シール部材54の外部空間側リップ部94との接触位置Pbから外部空間57側に向かって延びている。これにより、摺動対応面90には、外部空間側リップ部94との接触位置Pbから外部空間57側の末端90bまでの範囲に第2ばらつき吸収代96が設けられる。ここでの外部空間側リップ部94とは、シール部材54の複数のリップ部のうち軸方向Xで最も外部空間57側にあるリップ部をいう。本実施形態の外部空間側リップ部94はダストリップ部76bである。これに対して、シール部材54にダストリップ部76bがない場合、外部空間側リップ部94は主リップ部76aとなる。
摺動対応面90の一部は、軸受56の少なくとも一部と径方向に重なる。ここでの「摺動対応面90の一部」とは、摺動対応面90の第1ばらつき吸収代92の一部となる。ここでの「軸受56の少なくとも一部」とは、本実施形態では、軸受56のリテーナ66をいう。本実施形態の摺動対応面90は、軸受56の外輪62とは径方向に重ならない。これら軸受56と摺動対応面90とに径方向に挟まれた箇所には隙間98が形成される。軸受56は、摺動対応面90上に配置されていないともいえる。
摺動対応面90には、軸受56と径方向に重なる位置とシール部材54の補助リップ部82aと接触する位置とにおいて同一の摺動対応処理が施されている。摺動対応面90には、これらの位置において同一の仕上げ処理(仕上げ加工)が施されているともいえる。ここでの軸受56と径方向に重なる位置とは、軸受56の外輪62、内輪64、リテーナ66の少なくともいずれか(本実施形態ではリテーナ66)と径方向に重なる位置をいう。本実施形態では、これらの他に、シール部材54の他のリップ部76a、76bが接触する位置にも同一の摺動対応処理が施されている。
ここまで説明した回転機械10の各部材(外周側部材50、内周側部材52、シール部材54、軸受56等)の位置に関する条件は、これら各部材に関して、予め定められた設計上の基準位置にあるときに満たされる。第1ばらつき吸収代92は、シール部材54の補助リップ部82aや摺動対応面90の軸方向位置に基準位置からのばらつきがある場合に、そのばらつきを吸収することで、補助リップ部82aと摺動対応面90の接触を維持するために設けられる。ここでの補助リップ部82aのばらつきは、例えば、組立誤差、加工誤差の影響で、補助リップ部82aの軸方向位置が基準位置よりも内部空間58側(図2の右側)にずれる場合をいう。また、摺動対応面90のばらつきは、例えば、加工誤差の影響で、摺動対応面90の内部空間58側にある末端90aの軸方向位置が基準位置よりも外部空間57側(図2の左側)にずれる場合をいう。摺動対応面90の第1ばらつき吸収代92の軸方向寸法は、例えば、3.0mm以下となる。
第2ばらつき吸収代96は、シール部材54の外部空間側リップ部94や摺動対応面90の軸方向位置に基準位置からのばらつきがある場合に、そのばらつきを吸収することで、外部空間側リップ部94と摺動対応面90の接触を維持するために設けられる。ここでの外部空間側リップ部94のばらつきは、例えば、組立誤差、加工誤差の影響で、外部空間側リップ部94の軸方向位置が基準位置よりも外部空間57側にずれる場合をいう。また、摺動対応面90のばらつきは、例えば、加工誤差の影響で、摺動対応面90の外部空間57側にある末端90bの軸方向位置が基準位置よりも内部空間58側にずれる場合をいう。
以上の回転機械10の効果を説明する。
図3(A)~(C)を参照する。図3(A)~(C)のそれぞれは、第1参考形態、第1実施形態、第2参考形態の回転機械10の一部を示す。図3(A)は、摺動対応面90の一部を軸受56と径方向に重ねずに、図3(B)の例(第1実施形態)と同じ軸方向寸法の第1ばらつき吸収代92を摺動対応面90に設けた例である。図3(A)の例では、このような軸方向寸法の第1ばらつき吸収代92を摺動対応面90に設けるため、摺動対応面90の末端90aの位置が、図3(B)の例よりも外部空間57側に距離Lの分だけずれている。これに伴い、シール部材54の軸方向位置が外部空間57側に距離Lの分だけずれており、外周側部材50、内周側部材52の軸方向寸法が外部空間57側に距離Lの分だけ長くなっている。図3(C)は、摺動対応面90の一部を軸受56と径方向に重ねずに、図3(B)の例より短い軸方向寸法の第1ばらつき吸収代92を摺動対応面90に設けた例である。図3(C)の例では、シール部材54の軸方向位置、外周側部材50、内周側部材52の軸方向寸法は、図3(B)の例と同じである。
シール部材54に補助リップ部82aがある場合、補助リップ部82aがない場合と比べて、摺動対応面90の軸方向範囲を内部空間58側に広くする必要がある。このため、シール部材54の近傍に軸受56がある場合、図3(A)に示すように、軸受56よりも外部空間57側において摺動対応面90の第1ばらつき吸収代92を確保しようとすると、シール部材54と軸受56との間のスペース100を広くする必要がある。
(A)この点、本実施形態によれば、図3(B)に示すように、摺動対応面90の一部を軸受56と径方向に重ねている。これにより、摺動対応面90の第1ばらつき吸収代92の一部を軸受56と径方向に重ねることができる。よって、同じ軸方向寸法の第1ばらつき吸収代92を軸受56よりも外部空間57側において設ける場合(図3(A)の場合)と比べ、シール部材54を軸受56に近づけることで、シール部材54と軸受56との間のスペース100を狭くすることができる。これに伴い、シール部材54を軸受56に近づけた分だけ、外周側部材50、内周側部材52の軸方向寸法を短くすることができる。例えば、図3(A)の例よりもシール部材54を軸受56に距離Lの分だけ近づけることで、その距離Lの分だけ外周側部材50、内周側部材52の軸方向寸法を短くすることができるということである。ひいては、回転機械10の軸方向寸法の小型化を図ることができる。
(A)また、摺動対応面90の末端90aの軸方向位置だけ軸受56よりも外部空間57側にずらして摺動対応面90の軸方向寸法を短くする場合(図3(C)の場合)と比べ、摺動対応面90の第1ばらつき吸収代92の軸方向寸法を長くすることができる。よって、シール部材54の補助リップ部82aや摺動対応面90の軸方向位置が大きくばらついたときでも、そのばらつきを第1ばらつき吸収代92によって吸収することで、補助リップ部82aを摺動対応面90に接触させた状態を容易に維持できるようになる。ひいては、シール部材54や摺動対応面90の軸方向位置が大きくばらついたときでも、補助リップ部82aによる安定したシール性の確保を図ることができる。
(B)シール部材54は、主リップ部76a、補助リップ部82aの他にダストリップ部76bを備える。これにより、外部空間57から内部空間58側へのダストの侵入を阻止することができる。
以上の回転機械10の他の特徴を説明する。図2を参照する。内周側部材52は、摺動対応面90と内側転動面68との間に設けられ摺動対応面90の外径よりも外径の小さい段部102を備える。段部102は、軸受56のリテーナ66と径方向に重なる位置に設けられる。本実施形態の段部102は、軸方向Xに沿ってストレートに延びている。内周側部材52の摺動対応面90と段部102との間には内部空間58側に向かって連続的に外径が小さくなる面取り部104が設けられる。
内周側部材52に段部102を設けることで、その段部102に潤滑剤を保持することができる。この他に、内周側部材52に段部102を設けることで、摺動対応面90を内側転動面68まで連続させる場合と比べ、軸受56のリテーナ66と内周側部材52との間の隙間98を部分的に広げることができる。これにより、軸受56のリテーナ66の位置が径方向内側に位置ずれしたときでも、リテーナ66との干渉を避け易くすることができる。
(第2実施形態)図4を参照する。本実施形態の回転機械10は、第1実施形態と比べて、内周側部材52の摺動対応面90周りの構成において相違する。本実施形態の摺動対応面90は、内側転動面68まで連続して設けられる。これにより、摺動対応面90を内側転動面68まで連続させない場合と比べ、摺動対応面90の第1ばらつき吸収代92の軸方向寸法を長くすることができる。よって、シール部材54の補助リップ部82aによる更に安定したシール性の確保を図ることができる。
本実施形態の摺動対応面90は、軸受56の外輪62と径方向に重なっている。この外輪62の外部空間57側の端部62aは、リテーナ66の外部空間57側の端部66bよりも軸方向Xで内部空間58側にある。これにより、軸受56の外輪62と径方向に重ねない場合と比べ、摺動対応面90の第1ばらつき吸収代92の軸方向寸法を長くすることができる。よって、シール部材54の補助リップ部82aによる安定したシール性の確保を図ることができる。
この他に、本実施形態の回転機械10は、前述した(A)、(B)で説明した構成要素(図示せず)を備え、それらの説明に対応する効果を得られる。
次に、ここまで説明した各構成要素の変形形態を説明する。
回転機械10の具体例は歯車装置に限定されず、例えば、トラクションドライブ、モータ等でもよい。外周側部材50と内周側部材52の組み合わせの具体例は特に限定されない。この組み合わせは、例えば、モータカバーとモータ軸の組み合わせでもよい。
回転機械10が歯車装置となる場合、歯車装置の具体例は特に限定されない。歯車装置は、例えば、偏心揺動型歯車装置、撓み噛み合い型歯車装置、単純遊星歯車装置、直交軸歯車装置、平行軸歯車装置等の何れでもよい。偏心揺動型歯車装置の種類は特に限定されない。この種類は、実施形態のように内歯歯車26の中心C26上にクランク軸28が設けられるセンタークランクタイプの他に、内歯歯車26の中心C26からオフセットした位置にクランク軸28が設けられる振り分けタイプでもよい。撓み噛み合い型歯車装置の種類は特に限定されない。この種類は、一対の内歯歯車を用いた筒型でもよいし、一つの内歯歯車を用いたシルクハット型、カップ型でもよい。歯車装置は、入力回転に対して増速した出力回転を出力してもよい。
摺動対応面90の一部は、軸受56の一部と径方向に重なっていればよい。ここでの軸受の一部は、例えば、軸受56の外輪62及びリテーナ66のいずれかであってもよい。摺動対応面90の一部は、実施形態とは異なり、軸受56の外輪62のみと径方向に重なってもよい。
シール部材54は、外周側部材50に固定され、その主リップ部76a、ダストリップ部76b、補助リップ部82a等のリップ部76a、76b、82aは内周側部材52に摺動する例を説明した。これに替えて、シール部材54は、内周側部材52に固定され、そのリップ部76a、82aは外周側部材50に摺動してもよい。この場合、シール部材54は、これまで説明した内容と同様、金属環及び弾性材のいずれかが接触した状態で、締まり嵌めにより内周側部材52に固定されてもよい。また、この場合、シール部材54の主リップ部76aは、これまで説明した内周側部材52に替えて、外周側部材50に向けて付勢されることになる。また、この場合、シール部材54のリップ部76a、76b、82aが摺動する摺動対応面90は、これまで説明した内周側部材52に替えて、外周側部材50の内周面に設けられることになる。
ここまで、外周側部材50又は内周側部材52の一方が備える摺動対応面90は、外周側部材50の内周面又は内周側部材52の外周面のいずれかに直接に設けられる例を説明した。この他にも、摺動対応面90は、これらのいずれかに嵌合するとともにシール部材54のリップ部が摺動する筒状部材に設けられてもよい。外周側部材50の内周面に筒状部材を嵌合した場合は、筒状部材の内周面に摺動対応面90が設けられ、内周側部材52の外周面に筒状部材を嵌合した場合、筒状部材の外周面に摺動対応面90が設けられる。
シール部材54は、少なくとも主リップ部76aと補助リップ部82aとを備えていればよく、ダストリップ部76bを備えることは必須ではない。
軸受56の一部は、実施形態とは異なり、シール部材54の補助リップ部82aと径方向に重なっていてもよい。
以上の実施形態及び変形形態は例示である。これらを抽象化した技術的思想は、実施形態及び変形形態の内容に限定的に解釈されるべきではない。実施形態及び変形形態の内容は、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態」との表記を付して強調している。しかしながら、そのような表記のない内容でも設計変更が許容される。図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。実施形態及び変形形態において言及している構造/数値には、製造誤差等を考慮すると同一とみなすことができるものも当然に含まれる。
実施形態において単数部材により構成された構成要素は複数部材で構成されてもよい。同様に、実施形態において複数部材により構成された構成要素は単数部材で構成されてもよい。
10…回転機械、50…外周側部材、52…内周側部材、54…シール部材、56…軸受、57…外部空間、58…内部空間、60…転動体、62…外輪、66…リテーナ、68…内側転動面、76a…主リップ部(第1リップ部)、76b…ダストリップ部(第3リップ部)、78…付勢部材、82a…補助リップ部(第2リップ部)、90…摺動対応面、102…段部。

Claims (6)

  1. 互いに相対回転する外周側部材及び内周側部材と、前記外周側部材と前記内周側部材との間に配置され前記外周側部材の内部空間を封止するシール部材と、前記シール部材よりも軸方向で前記内部空間側において前記外周側部材と前記内周側部材との間に配置される軸受と、を備える回転機械であって、
    前記シール部材は、付勢部材により前記外周側部材又は前記内周側部材の一方に向けて付勢される第1リップ部と、前記第1リップ部よりも軸方向で前記内部空間側に設けられる第2リップ部と、を備え、
    前記外周側部材又は前記内周側部材の一方は、前記第2リップ部が摺動する部位を含み摺動に対応するための処理が施された摺動対応面を備え、
    前記摺動対応面の一部は、前記軸受と径方向に重なる回転機械。
  2. 前記摺動対応面の一部は、前記軸受のリテーナと径方向に重なる請求項1に記載の回転機械。
  3. 前記摺動対応面の一部は、前記軸受の外輪と径方向に重なる請求項1または2に記載の回転機械。
  4. 前記軸受は、転動体が転動する内側転動面を備え、
    前記内周側部材は、前記摺動対応面と前記内側転動面との間に設けられ前記摺動対応面よりも外径の小さい段部を備える請求項1から3のいずれかに記載の回転機械。
  5. 前記軸受は、転動体が転動する内側転動面を備え、
    前記摺動対応面は、前記内側転動面まで連続して設けられる請求項1から3のいずれかに記載の回転機械。
  6. 前記シール部材は、前記内周側部材に対する前記第1リップ部の接触箇所よりも軸方向で外部空間側に設けられる他のリップ部を備える請求項1から5のいずれかに記載の回転機械。
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