JP2023143517A - 真空排気システム、真空ポンプ及び真空ポンプのクリーニング方法 - Google Patents

真空排気システム、真空ポンプ及び真空ポンプのクリーニング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ドライポンプが停止し、堆積部が真空ポンプのガス流路を塞いで再起動が不能になった停止状態からの復帰を容易に行わせることができる真空排気システム、真空ポンプ及び真空ポンプのクリーニング方法を提供する。【解決手段】凝縮性ガス又は酸化粉塵を含むプロセスガスを排気する真空ポンプと、前記プロセスガスの堆積物が堆積し、停止状態の前記真空ポンプのガス流路に、前記真空ポンプの通常運転時の温度と略等しい温度に昇温するための高温の不活性ガスを導入して、前記真空ポンプが起動できるように前記ガス流路を拡張させる第1の不活性ガス導入ユニットと、クリーニング材料を前記ガス流路に導入して、前記堆積物を除去するクリーニング材料導入ユニットと、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、真空排気システム、真空ポンプ及び真空ポンプのクリーニング方法に関するものである。
例えば、半導体製造処理プロセスでは、半導体や絶縁体、金属膜等を、半導体ウエハ上に堆積させ、化学気相反応を利用して成膜するCVD(Chemical Vapor Deposition)やドライエッチング処理が行われ、プロセスチャンバにおいて、例えばシラン(SiH4)ガス等、各種のガスが使用されている。そして、プロセスチャンバから排出された使用済みのガスは、ドライポンプ等で吸引して、更にガス排気配管を介して除害装置に導入され、その除害装置で除害処理が行われている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1で知られるドライポンプは、特許文献1で使用している符号を用いて使用して説明すると、複数個のポンプ室22a、22b、22c、22d、22e、22fを有するポンプケーシング23と、該ポンプ室22a~22f内にそれぞれ配設されるロータ24a、24b、24c、24d、24e、24fと、これらのロータ24a~24fが各々一体的に固設され、これらのロータ24a~24fを一体に回転させる1対の回転軸25a、25bと、この一対の回転軸25a、25bを同期回転させるための一対のギア26a、26bと、この一対のギア26a、26bを介して回転軸25a、25bを回転させるための回転駆動機構としてのモータ27と、ポンプケーシング23に回転軸25a、25bをそれぞれ軸支する軸受28a、28a、28b、28bと、を有している。
このようなドライポンプは、該ドライポンプの内部に残留するガスが、膜や粉として固形化されて堆積物(主にSiO2:シリカ)となり、この堆積物が短期間(2~3ヶ月)でドライポンプの内部に付着し、運転不具合を発生させる。
また、メンテナンスやそれ以外の事情でドライポンプを一時的に停止させると、ロータ24a~24fがロックしてしまい再起動が不能になることがある。これは、運転時はポンプ室22a~22fが高温になり、ポンプ室22a~22fが拡がることと、回転軸がスラスト方向に変位することに関係する。これらのことを想定して、ポンプ停止時には、ロータの両側面とポンプ室の両側内面との間のギャップが、片側(左側)が広がり、もう片側(右側)が狭くなるように設計しているためであり、停止時における片側のギャップは数10~数100μm程度に設計されている。そのため、ドライポンプを停止させると、回転軸によるスラスト方向の変位がなくなるとともに高温状態にあったポンプが冷やされて、ロータの両側面とポンプ室の両側内面との間のギャップが狭まり、その間に堆積している堆積物が詰まって固化し、ロータ24a~24fの再起動を妨げる。
特許第6418838号公報
上述したように、従来のドライポンプは、ドライポンプの内部に残留するガスの一部が膜や粉として固形化され、堆積物となってドライポンプの内部に付着し、運転不具合を発生させる問題点があった。
さらに、メンテナンスやそれ以外の事情でドライポンプを一時的に停止させると、ロータがロックしてしまい再起動が不能になることが多発しているという問題点があった。そのため、短期間(例えば、2~3ヶ月)でのオーバーホール(例えば、分解掃除及び内部洗浄など)が必要となり、生産性を低下させる要因の一つになっている。また、一度、ロータのロックが生じると、そのロック状態を解除するまでの作業時間を長く必要とし、作業性が悪いという問題点があった。
そこで、ドライポンプが停止し、堆積部が真空ポンプのガス流路を塞いで再起動が不能になった停止状態からの復帰を容易に行わせることができる真空排気システム、真空ポンプ及び真空ポンプのクリーニング方法を提供するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載の発明は、凝縮性ガス又は酸化粉塵を含むプロセスガスを排気する真空ポンプと、前記プロセスガスの堆積物が堆積し、停止状態の前記真空ポンプのガス流路に、前記真空ポンプの通常運転時の温度と略等しい温度に昇温するための高温の不活性ガスを導入して、前記真空ポンプが起動できるように前記ガス流路を拡張させる第1の不活性ガス導入ユニットと、クリーニング材料を前記ガス流路に導入して、前記堆積物を除去するクリーニング材料導入ユニットと、を備えている真空排気システムを提供する。
この構成によれば、プロセスガスの堆積物が原因で真空ポンプのロータがロックされ、真空ポンプが停止した状態から再起動できないとき、真空ポンプのガス流路に、真空ポンプが通常運転時の温度と略等しい温度まで昇温させることができる高温の不活性ガスを導入する。そして、高温の不活性ガスの導入で真空ポンプ内の温度を通常運転時の温度と略等しい温度に戻し、真空ポンプ内に付着している堆積物を昇温された熱により溶かしてロータのロックを解除する。そして、ロータのロックが解除されて、該ロータが回転できる状態で、ガス流路にプロセスガスと反応するクリーニング材料を導入してガス流路内の堆積物を除去すると、真空ポンプ内の堆積物をより速く、かつ綺麗に除去することができる。これにより、メンテナンス等を短時間で綺麗に終え、再稼働が可能になる。ここでの通常運転時の温度と略等しい温度とは、真空ポンプ内に付着している堆積物を溶かしてロータのロックを解除可能な温度範囲である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成において、前記第1の不活性ガス導入ユニットは、前記ガス流路の略中間に前記不活性ガスを導入する、真空排気システムを提供する。
この構成によれば、真空ポンプを通常運転時の温度と略等しい温度まで昇温させることができる高温の不活性ガスを、ガス流路の略中間に導入している。これは、ガス流路の略中間でなく、ガス流路の一番端の入口から一番端の出口に向かって不活性ガスを導入すると、一番端の入口側でのポンプ室は高温の不活性ガスの熱で通常運転時の温度まですぐに昇温するが、入口から最も遠い出口側のポンプ室に不活性ガスが届くまでには冷えて、通常運転時の温度まで昇温させるのに時間がかかる。これをガス流路の略中間の位置から導入すると、不活性ガスの熱は中間の位置から入口側と出口側の両方に伝達されて、入口側と出口側の両方のポンプ室を同時に略同じ温度まで昇温できる。これにより、真空ポンプ内の堆積物をより速く、かつ綺麗に除去してメンテナンス作業等を終えることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成において、前記真空ポンプのシール部を保護するために不活性ガスを前記ガス流路に導入する第2の不活性ガス導入ユニットをさらに備え、前記第1の不活性ガス導入ユニットが前記不活性ガスを導入する位置と前記第2の不活性ガス導入ユニットが前記ガス流路に導入する位置は、同一である、真空排気システムを提供する。
この構成によれば、第2の不活性ガス導入ユニットがシール用の不活性ガスを導入している入口を使用して、第1の不活性ガス導入ユニットが高温の不活性ガスをガス流路に導入するので、第1の不活性ガス導入ユニットが高温の不活性ガスをガス流路に導入するための新たな入口を設ける必要が無くなり、構造の簡略化が可能になる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに1項に記載の構成において、前記真空ポンプは、容積式真空ポンプである、真空ポンプを提供する。
この構成によれば、ポンプ内の堆積物をより速く、かつ綺麗に除去してメンテナンス作業等を終えることができる、容積式真空ポンプの実現が可能になる。
請求項5に記載の発明は、凝縮性ガス又は酸化粉塵を含むプロセスガスを排気する真空ポンプのクリーニング方法であって、前記プロセスガスの堆積物が堆積し、停止状態の前記真空ポンプのガス流路に、前記真空ポンプの通常運転時の温度と略等しい温度に昇温するための高温の不活性ガスを導入して、前記ポンプが起動できるように前記ガス流路を拡張させるステップと、クリーニング材料を前記ガス流路に導入して、前記堆積物を除去するステップと、を含む、真空ポンプのクリーニング方法を提供する。
この方法によれば、プロセスガスの堆積物が原因で真空ポンプのロータがロックされ、真空ポンプが停止した状態から再起動できないとき、真空ポンプのガス流路に、真空ポンプが通常運転時の温度と略等しい温度まで昇温させることができる高温の不活性ガスを導入する。そして、高温の不活性ガスの導入で真空ポンプ内の温度を通常運転時の温度と略等しい温度に戻し、真空ポンプ内に付着している堆積物を昇温された熱により溶かしてロータのロックを解除する。そして、ロータが回転できる状態で、ガス流路にプロセスガスと反応するクリーニング材料を導入して堆積物を除去するので、真空ポンプ内の堆積物をより速く、かつ綺麗に除去してメンテナンス等を終えることができる。また、ここでの通常運転時の温度と略等しい温度とは、真空ポンプ内に付着している堆積物を溶かしてロータのロックを解除可能な温度範囲である。
請求項6に記載の発明は、凝縮性ガス又は酸化粉塵を含むプロセスガスを排気する真空ポンプのクリーニング方法であって、前記真空ポンプの停止前に、前記真空ポンプ内のガス流路に前記プロセスガスと反応するクリーニング材料を導入し、前記プロセスガスによる堆積物を除去するステップを含む、真空ポンプのクリーニング方法を提供する。
この方法によれば、真空ポンプが停止する前に、真空ポンプのガス流路に、プロセスガスと反応するクリーニング材料を導入して、真空ポンプ内に付着している堆積物を事前に除去するので、真空ポンプの運転を停止させることなく、真空ポンプ内の堆積物を速く、かつ綺麗に除去できる。したがって、この真空ポンプのクリーニング方法では、真空ポンプを停止させることなく、真空ポンプ内の堆積物の除去を行うことができるので、生産性の向上に寄与する。
本発明によれば、プロセスガスの堆積部が原因で真空ポンプのロータがロックされ、真空ポンプが停止した状態から再起動できないとき、真空ポンプのガス流路に、真空ポンプが通常運転時の温度と略等しい温度まで昇温させることができる高温の不活性ガスを導入して真空ポンプ内の温度を通常運転時の温度に戻し、真空ポンプ内に付着している堆積物を高温の熱で溶かしてロータのロックを解除し、ロータが回転できる状態で、ガス流路にプロセスガスと反応するクリーニング材料を導入してガス流路内の堆積物を除去するので、真空ポンプ内の堆積物をより速く、かつ綺麗に除去することができる。これにより、メンテナンス等を短時間で綺麗に終えることができる。
本発明の実施形態による第1実施例としての半導体製造処理プロセスにおける排ガス処理装置の概略全体構成を示すブロック図である。 同上排ガス処理装置におけるドライポンプの内部構造を模式的に示す概略側面断面図である。 図2のA-A断面図である。 NF3のプラズマによって固体のSiO2が気体のSiF4に変化してドライポンプから排出されていく様子を示している一データ一例の図である。 第2実施例としての同上排ガス処理装置における他のドライポンプの内部構造を模式的に示す概略側断面図である。 図5のB-B線断面図である。 制御装置におけるメンテナンス判断基準の一例を示す図である。
本発明は、ドライポンプが停止し、堆積部が真空ポンプのガス流路を塞いで再起動が不能になった停止状態からの復帰を容易に行わせることができる真空排気システム、真空ポンプ及び真空ポンプのクリーニング方法を提供するという目的を達成するために、凝縮性ガス又は酸化粉塵を含むプロセスガスを排気する真空ポンプと、前記プロセスガスの堆積物が前記真空ポンプのガス流路を塞いだ停止状態の前記真空ポンプのガス流路に、前記真空ポンプの通常運転時における前記ガス流路内の温度と略等しい高温の不活性ガスを導入して、前記真空ポンプが起動できるように前記ガス流路を拡張させる第1の不活性ガス導入ユニットと、前記プロセスガスと反応するクリーニング材料を前記ガス流路に導入して、前記堆積物を除去するクリーニング材料導入ユニットと、を備えている構成とすることにより実現した。
以下、本発明の実施形態に係る一実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例において、構成要素の数、数値、量、範囲等に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも構わない。
また、構成要素等の形状、位置関係に言及するときは、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似又は類似するもの等を含む。
また、図面は、特徴を分かり易くするために特徴的な部分を拡大する等して誇張する場合があり、構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。また、断面図では、構成要素の断面構造を分かり易くするために、一部の構成要素のハッチングを省略することがある。
また、以下の説明において、上下や左右等の方向を示す表現は、絶対的なものではなく、本発明の真空排気システムの各部が描かれている姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。また、実施例の説明の全体を通じて同じ要素には同じ符号を付している。
図1乃至図3は、本発明の実施形態による1実施例としての半導体製造処理プロセスにおける排ガス処理装置を示すもので、図1は排ガス処理装置の概略全体構成を示すブロック図、図2は排ガス処理装置におけるドライポンプ17の内部構造を模式的に示す概略側面断面図、図3は図2のA-A線断面図である。
まず、排ガス処理装置における全体の概略構成について、図1を主に用い説明する。また、ドライポンプ17の内部構造としては、図2及び図3を一部用いて説明する。図1に示すように、排ガス処理装置は、制御装置10内のプログラムにより予め決められた手順に従って制御される。プロセスチャンバ11の内部には、半導体ウエハ12が収納され、ガス供給配管13を通じてプロセス処理のためのプロセスガス、及び、クリーニング処理のためのクリーニングガスがそれぞれ供給されるようになっている。そして、プロセスチャンバ11よりガス配管14を介して真空ポンプとしてのドライポンプ17が接続されており、プロセスチャンバ11はドライポンプ17の駆動により高真空にまで減圧されるようになっている。
すなわち、前記プロセスチャンバ11の内部で処理済みとなった、凝縮性ガス又は酸化粉塵を含むプロセスガス、例えばシラン(SiH4)ガス等のプロセスガス及びClF3(三フッ化塩素)、NF3(三フッ化窒素)、HCl(塩化水素)等のクリーニングガス(以下、これらプロセスガス及びクリーニングガスを総称して「使用済みのガスG1」という)は、ガス配管14を通って下流のドライポンプ17に導入される。
そのドライポンプ17の内部構造は、図2及び図3に示している。そのドライポンプ17では、プロセスチャンバ11からの使用済みのガスG1を、ガス導入口17aよりドライポンプ17の内部に吸引して取り入れ、その使用済みのガスG1をドライポンプ17内部で6段階に徐々に加圧する、すなわち第1段目ポンプ室22a、第2段目ポンプ室22b、第3段目ポンプ室22c、第4段目ポンプ室22d、第5段目ポンプ室22e、第6段目ポンプ室22fの順に通して、徐々に加圧するようになっている。
また、図1に示すように、そのドライポンプ17内で大気圧付近まで加圧された使用済みのガスG1は、ガス排出口17bよりガス排気配管18内に排出され、そのガス排気配管18から除害装置19に送られ、その除害装置19で無害化された後に大気中に排出されるようになっている。したがって、そのガス排気配管18の一端側はドライポンプ17のガス排出口17bに接続され、他端側は除害装置19のガス導入口19aに接続されている。
また、ドライポンプ17には、ドライポンプ17の停止後、例えばドライポンプ17内に残留するガスや付着した堆積物(主にSiO2)によって、図2に示すロータ(24a~24f)がロックしてしまい、ドライポンプ17の再起動ができなくなったときに、ドライポンプ17内の温度を通常運転時の温度と略等しい温度(100℃~190℃)まで昇温させることができる高温(例えば、400℃)の不活性ガスG2(ホットN2等)を導入する再起動材料供給配管21aと、再起動後にクリーニング材料G4であるNF3プラズマを導入するプラズマ供給配管21bと、が接続されている。
再起動材料供給配管21aは、一端側が第1の不活性ガス導入ユニット20aに接続され、他端側が再起動材料導入口17cに開閉弁31aを介して接続されている。再起動材料導入口17cは、図2に示すように、複数個(本実施例では6個)のポンプ室22a~22fの中、途中のポンプ室、本実施例では第3段目ポンプ室22cの箇所に対応して、ポンプケーシング23に設けている。その再起動材料供給配管21aからは、開閉弁31aの開閉により、第1の不活性ガス導入ユニット20aから送られて来る、高温(例えば、400℃)の不活性ガスG2(ホットN2等)が、ドライポンプ17内に導入されるようになっている。開閉弁31aの開閉制御は、制御装置10の制御により行われる。すなわち、開閉弁31aが開のときには、高温の不活性ガスG2が再起動材料導入口17cよりポンプケーシング23内に入る。そして、高温の不活性ガスG2が再起動材料導入口17cよりポンプケーシング23内に一定時間(例えば、約2時間)送り込まれると、ポンプケーシング23内がドライポンプ17の運転中と略同じ高温の温度となり、ロータ24a~24fの両側面とポンプ室22a~22fの両側内面との間のギャップが拡がり、ロータ24a~24fのロックが解除されて、ドライポンプ17の運転再起動が可能になる。
次に、ドライポンプ17の運転状態における、ポンプケーシング23内のクリーニング方法について説明する。
プラズマ供給配管21bは、図1に示すように、一端側が開閉弁31b及びガス配管14を介してポンプケーシング23のガス導入口17aに接続され、他端側はクリーニング材料供給ユニット30に接続されている。クリーニング材料供給ユニット30は、ドライポンプ17の再起動後に開とされる開閉弁31bを介して、ドライポンプ17内をクリーニングするクリーニング材料G4であるNF3プラズマ(Fラジカル)がガス導入口17aを通してポンプケーシング23内に供給するようになっている。クリーニング材料G4としては、NF3プラズマ(Fラジカル)の他に、プラズマ(Fラジカル)HF(フッ化水素)、水蒸気、塩化ケイ素等も含まれる。開閉弁31bの開閉制御は、制御装置10の制御により行われる。すなわち、開閉弁31bが開のときには、クリーニング材料供給ユニット30からのクリーニング材料G4が、ガス導入口17aを通してポンプケーシング23内に入るようになっている。
なお、クリーニング材料G4は、ドライポンプ17が再起動した後に、ポンプケーシング23内に流される。そして、NF3プラズマであるクリーニング材料G4がポンプケーシング23内に流されると、生成物がプラズマ内のFラジカルと反応し、ガスとなって放出され、ドライポンプ17内の堆積物がほぼ消滅する。そして、ガスとなって放出されたドライポンプ17内の堆積物は、ガス排出口17bからガス排気配管18内に流し、除害装置19内に送り込むことができるようになっている。
次に、図2及び図3を用いては、ドライポンプ17の内部構造をさらに説明する。図2及び図3に示すドライポンプ17は、容積式真空ポンプであり、複数個(本実施例では6個)のポンプ室、すなわち第1段目ポンプ室22a、第2段目ポンプ室22b、第3段目ポンプ室22c、第4段目ポンプ室22d、第5段目ポンプ室22e、第6段目ポンプ室22fを有するポンプケーシング23と、該ポンプ室22a~22f内にそれぞれ配設されるロータ24a、24b、24c、24d、24e、24fと、これらのロータ24a~24fが一体的に固設され、これらのロータ24a~24fを各々一体に回転させる1対の回転軸25a、25bと、この一対の回転軸25a、25bを同期回転させるための一対のギア26a、26bと、この一対のギア26a、26bを介して回転軸25a、25bを回転させるための回転駆動機構としてのモータ27と、ポンプケーシング23に回転軸25a、25bをそれぞれ軸支する軸受28a、28a、28b、28bと、を有する。
また、前記ポンプケーシング23は、図示しないが組立性を考慮して、複数個のステータ23aを順に軸方向に積層配置することにより形成されている。さらに、前記ポンプケーシング23は、図3に示すように、回転軸25a、25bに対して直角に断面された形状が、概略長方形をした状態に形成されている。
次に、このように構成された排ガス処理装置の作用を説明する。まず、ドライポンプ17を作動させる場合、制御装置10の始動指令によりドライポンプ17が作動されると、モータ27も駆動されて、モータ27により回転軸25aが回転する。このとき、回転軸25aと平行に配置されている回転軸25bは、ギア26a、26bの噛み合わせにより同期回転するようになっており、回転軸25aとは反対向きに回転軸25bが回転する。
また、それら回転軸25a、25bの回転により、回転軸25aに一体的に固設されたロータ24a~24fと、回転軸25bに一体的に固設されたロータ24a~24fとが、ポンプ室22a~22f内において、互いに逆回転する。なお、図示していないが、本実施例における回転軸25a、25bにそれぞれ取り付けられているロータ24a~24fは、繭型のルーツロータであり、互いに非接触にて微小な隙間を維持しつつ90°の位相差をもって同期回転する。
これにより、真空対象空間に連通されるガス導入口17aから、第1段目ポンプ室22aに使用済みのガスG1が吸引される。この後、第1段目ポンプ室22aから第2段目ポンプ室22b、第3段目ポンプ室22c、第4段目ポンプ室22d、第5段目ポンプ室22e、第6段目ポンプ室22fへと順番に使用済みのガスG1が吸引されて、最終的に、使用済みのガスG1が第6段目ポンプ室22fのガス排出口17bと連通しているガス排気配管18を介してドライポンプ17から排出され、真空対象空間が真空状態となる。
このとき、使用済みのガスG1はそれぞれのポンプ室22a、22b、22c、22d、22e、22fにおいて圧縮されながら排出されていくので、使用済みのガスG1の温度が上昇するとともに、ポンプケーシング23の温度も上昇する。なお、ポンプ室22a、22b、22c、22d、22e、22fのうち、吸入側と吐出側における使用済みのガスG1の圧力の差が大きい第6段目ポンプ室22fの吐出側において、最も使用済みのガスG1の温度が高くなる。ここでの使用済みのガスG1の温度は、例えば150~200℃程度の比較的高い温度とされる。
また、第6段目ポンプ室22fより排出された使用済みのガスG1は、ガス排気配管18を通って数m先にある除害装置19に向かう。
ところで、本実施例のようなドライポンプ17では、ドライポンプ17の内部に残留するガスが、膜や粉として固形化されて堆積物(主にSiO2:シリカ)となり、この堆積物が短期間(2~3ヶ月)でドライポンプの内部に付着し、運転不具合を発生させる。また、メンテナンスやそれ以外の事情でドライポンプ17を一時的に停止させると、ロータ24a~24fがロックしてしまい再起動が不能になることがある。これは、前述したように、ロータ24a~24fと固定側であるポンプ室22a~22fの内壁面とのギャップを、運転時はポンプ室22a~22fが高温になって、ポンプ室22a~22fが拡がること等を想定して、ポンプ停止時にはロータ24a~24fの両側面とポンプ室22a~22fの両側内面との間のギャップが、片側(左側)が広がり、もう片側(右側)が狭くなるように設計しているためであり、停止時における片側のギャップは数10~数100μm程度に設計されている。
そこで、ドライポンプ17を停止して、再起動しようとしたときに、ロータ24a~24fとポンプ室22a~22fの内壁面とのギャップが堆積物で詰まり、ロータ24a~24fがロックされてしまった場合には、制御装置10を介して開閉弁31aを開にし、第1の不活性ガス導入ユニット20aから略400℃の高温の不活性ガスG2を、再起動材料導入口17cよりポンプケーシング23内に略数時間(例えば2時間程度)送り込む。ここでは、再起動材料導入口17cは、第4段目ポンプ室22dに設けられていて、略400℃の高温の不活性ガスG2は、第4段目ポンプ室22dからポンプケーシング23内に導入され、これが第3段目ポンプ室22c、第2段目ポンプ室22b、第1段目ポンプ室22a及び第5段目ポンプ室22e、第6段目ポンプ室22fと、ガス導入口17a側とガス排出口17b側の両方に向かって広がり、ポンプケーシング23内の全体を高速、かつ高温に加熱する。この加熱により、ポンプケーシング23内の温度がドライポンプ17の運転中と略同じ高温の温度(略150℃~200℃)となり、ロータ24a~24fの両側面とポンプ室22a~22fの両側内面との間のギャップが拡がるとともに堆積物が溶かされ、ロータ24a~24fのロックが解除されてドライポンプ17の運転再起動が可能になる。すなわち、ここでの処理は、高温の不活性ガスG2を導入して、ポンプケーシング23内の温度をドライポンプ17の通常運転時の温度と略等しい温度に加熱し、ドライポンプ17が起動できるようにガス流路を拡張させるステップある。なお、ポンプケーシング23内に導入された不活性ガスG2は、ガス排気配管18に流され、除害装置19内に送り込まれる。また、本実施例では、ポンプケーシング23内に送り込む不活性ガスG2の温度は、ポンプケーシング23内に導入される前の供給管内での温度低下を見越して、略400℃であり、ポンプケーシング23を加熱する温度は略150℃~200℃としているが、ポンプケーシング23内に固化している堆積物が溶け、ロータ24a~24のロックが解除される温度であれば、これ以外の温度(低い温度でも高い温度)であっても構わない。
また、ドライポンプ17の運転再起動が可能になったら、制御装置10を介して開閉弁31bを開にし、クリーニング材料供給ユニット30から、NF3プラズマ(Fラジカル)であるクリーニング材料G4をガス導入口17aからポンプケーシング23内に送り込み、クリーニング材料G4をポンプケーシング23内に流す。ここでのクリーニング処理は、クリーニング材料G4をガス流路に導入して、堆積物を除去するステップである。また、ポンプケーシング23内に流されたクリーニング材料G4は、ガス排出口17bからガス排気配管18を通して除害装置19内に流される。そして、ポンプケーシング23内に送り込まれたクリーニング材料G4は、ポンプケーシング23内を流れるとき、生成物がプラズマ内のFラジカルと反応し、ガスとなって放出され、ドライポンプ17内の堆積物がほぼ消滅する。また、ガスとなって放出されたドライポンプ17内の堆積物は、ガス排出口17bからガス排気配管18内にクリーニング材料G4と共に流され、さらに除害装置19内に送り込まれる。
図4は、NF3プラズマであるクリーニング材料G4をガス導入口17aからポンプケーシング23内に流し、ガス排出口17bから排出される単位時間当たりの、NF3(三フッ化窒素)プラズマとSiF4(四フッ化ケイ素)の各濃度(ppm)を測定したデータである。なお、図中、縦軸は濃度(ppm)、横軸は経過時間Tである。
図4のデータでは、NF3のプラズマ(Fイオン)によって固体のSiO2(シリカ)が気体のSiF4に変化し、排出されていく様子を示している。すなわち、図4では、ガス導入口17aからポンプケーシング23内にNF3プラズマを導入して、時間T0から時間Tnまでにガス導入口17aから排出されたNF3プラズマの量(濃度)とSiF4の量(濃度)の変化を各々表している。図中、時間T1~T2の期間におけるNF3プラズマの濃度が低いのはSiO2との反応が進んでいるためである。また、SiF4への変化は、時間T2の前後がピークで、その後におけるSiF4への変化は緩やかに減少して行く。したがって、このデータからも、NF3プラズマであるクリーニング材料G4をガス導入口17aからポンプケーシング23内に流すと、固体のSiO2が気体のSiF4に変化してガス排出口17bから排出され、堆積物であるSiO2がポンプケーシング23内から消滅していくことがわかる。
したがって、この実施例による排ガス処理装置によれば、プロセスガスの堆積物が原因でドライポンプ17のロータ24a~24fの回転がロックされて、ドライポンプ17が停止した状態から再起動できないとき、ドライポンプ17のガス流路に、ドライポンプ17の通常運転時の温度と略等しい温度に昇温するための高温の不活性ガスG2を導入して、ドライポンプ17内の温度を通常運転時に近い温度に戻し、ドライポンプ17内に付着している堆積物を高温の熱で溶かすと、ロータ24a~24fのロックを解除させてロータ24a~24fが回転できる状態にすることができる。
また、ロータ24a~24fが回転できる状態になった後、ガス流路にプロセスガスG1と反応するクリーニング材料G4を導入してガス流路内の堆積物を除去するので、ドライポンプ17内の堆積物をより速く、かつ綺麗に除去することができる。これにより、メンテナンス等を短時間で綺麗に終えることができる。
なお、第1の実施例では、再起動材料供給配管21aを、複数個のポンプ室22a~22fの中の途中のポンプ室、すなわち第4段目ポンプ室22dに対応しているポンプケーシング23の箇所に再起動材料導入口17cを設け、ポンプケーシング23内に高温の不活性ガスG2を第3段目ポンプ室22cから導入しているが、これは必ずしも第3段目ポンプ室22cでなくても構わない。例えばガス導入口17aから導入して第1段目ポンプ室22aから流してもよい。しかし、第1段目ポンプ室22aからではなく、途中のポンプ室から導入した場合の効果としては、次のようなことがある。
ポンプケーシング23内に高温の不活性ガスG2を、第1段目ポンプ室22aから流した場合と途中の第3段目ポンプ室22c(又は第4段目ポンプ室22d)から流した場合とを、実験で比較して見ところ、最終の第6段目ポンプし22fの箇所に到達したときの温度は、第1段目ポンプ室22aから流した場合の温度は、途中の第3段目ポンプ室22cから流した場合の温度に比べて著しく低下する。そして、再起動が可能になるまでの時間は、第1段目ポンプ室22aから流した場合の方が第3段目ポンプ室22cから流した場合に比べて長いという結果が得られた。これは、途中の第3段目ポンプ室22cからポンプケーシング23内に高温の不活性ガスG2を導入すると、不活性ガスG2の温度が第3段目ポンプ室22cから、第2段目ポンプ室22b、第1段目ポンプ室22aへと伝達されると共に、第3段目ポンプ室22cから第4段目ポンプ室22d、第5段目ポンプ室22e、第6段目ポンプ室22fの順に、中間の位置から入口側と出口側の両方に伝熱されて広がり、ポンプケーシング23内の全体を通常運転時の温度と略等しい温度にまで効果的に加熱できたと思われる。したがって、途中の第3段目ポンプ室22cや第4段目ポンプ室22dから流した場合の方が、ポンプケーシング23内の全体を通常運転時の温度と略等しい温度にまで急速に昇温(加熱)させることができ、再起動できるまでの時間を短縮できることが分かった。
図5及び図6は図1に示した排ガス処理装置におけるドライポンプの第2の実施例を示すもので、図5はそのドライポンプ32の内部構造を模式的に示す概略側面断面図、図6は図5のB-B線断面図である。
図1乃至3に示したドライポンプ17では、ポンプケーシング23の外側から再起動材料導入口17cを通して第3段目ポンプ室22c内にドライポンプ17の全体の温度が、運転中と略同じ高温の温度(略150℃~200℃)まで昇温させることができる、高温(略400℃)の不活性ガスG2であるポンプ再起動材料を流していたのに対して、ドライポンプ32の構成では、ポンプケーシング23のシール用ガス溝33aに設けたシール用ガス流路33にシール用ガスG3を導入するための開閉弁39と開閉弁41及び、高温の不活性ガスG2を導入するための開閉弁44を設け、開閉弁39と開閉弁41及び開閉弁44を切り換えてシール部を保護するためのシール用ガスG3とポンプケーシング23内を加熱する高温の不活性ガスG2とを流すようにしたものである。したがって、以下の説明では、図2及び図3に示した第1の実施例のドライポンプ17と同じ構成部材には同じ符号付して説明を省略し、異なる構造の部分についてのみ説明する。
図5及び図6において、軸方向に積層配置されてポンプケーシング23を構成している複数個の各ステータ23aは、対向し合う面にシール用ガス溝33aが各ポンプ室22d~22fの外側を囲むようにして形成されている。シール用ガス溝33aは、ポンプケーシング23を形成する際、各ステータ23aが積層配置されて組み立てられると、各ポンプ室22d~22fを形成する部分では、シール用ガス溝33aが対向し合ってシール用ガス流路33を形成するようになっている。なお、シール用ガス流路33は、シール用ガス溝33aがステータ23aの両側面にそれぞれ形成されている場合について説明するが、シール用ガス溝33aはステータ23aの片面のみに形成されていても構わない。また、ポンプケーシング23の組立時、各ステータ23aとの間には、各ポンプ室22a~22fの気密性を保つために、図6に示すように、各ポンプ室22d~22fの外側を囲むようにしてOリング用溝34内にOリング35が密に配設される。また、シール用ガス流路33には、図6に示すように、シール用ガスG3及び高温の不活性ガスG2を各ポンプ室22d~22fに取り込むガス取込口42が設けられている。
ここでのOリング35は、前記使用済みのガスG1により腐食するので、本実施例のドライポンプ32では、その腐食を防止するために、ドライポンプ32の運転中は、第2の不活性ガス導入ユニット20bからシール用ガスG3として、不活性ガスであるN2ガスをシール用ガス流路33に導入している。また、各ポンプ室22a~22f内の圧力は後段に向かうほど高くなっている。そこで本実施例のドライポンプ32では、後段側である第4、第5、第6段目の各ポンプ室22d~22fに、N2ガスであるシール用ガスG3を流す(導入する)。これは、より高圧となるポンプ室22d~22fで腐食性のある使用済みのガスG1が圧縮・濃縮されることで、Oリング35の腐食が進みやすくなってシール低下が進むのを防止し、Oリング35と共にシールに寄与するためである。しかし、シール用ガスG3を流すポンプ室は、圧力が最も高くなる最終のポンプ室(第6段目ポンプ室22f)にだけ流すようにしてもよいし、ポンプケーシング23内の加熱を考慮し、全てのポンプ室22a~22fに対応させてシール用ガス流路33を設け、全てのシール用ガス流路33から全てのポンプ室22a~22f内に高温の不活性ガスG2を流すようにしてもよい。
そして、この第2の実施例のドライポンプ32では、第4、第5、第6段目の各ポンプ室22d~22fを形成する各ステータ23aのシール用ガス溝33aには、ステータ23aの外表面(ポンプケーシング23の外表面29)にシール用ガス導入口36aを設けたシール用ガス導入管38のシール用ガス導入口36bと、同じくステータ23aの外表面にシール用ガス排出管接続口37aを設けたシール用ガス排出口37bとが設けられている。なお、各シール用ガス導入口36aには、シール用ガスG3が供給されるシール用ガス導入管38が開閉弁39を介して各々接続され、各シール用ガス排出管接続口37aには、シール用ガスG3が排出されるシール用ガス排出管40が開閉弁41を介して各々接続されている。また、シール用ガス排出管40は、希釈用ガス導入部18aを介してガス排気配管18に接続されている。開閉弁39、41には、例えばガス流量の調整が可能な開閉弁を用いるとよい。
また、シール用ガス導入管38には、ポンプ再起動材料供給配管43及び開閉弁44を介して第1の不活性ガス導入ユニット20aが接続されている。開閉弁44の開閉制御は、制御装置10の制御により行われる。すなわち、不活性ガスG2を流すときには、開閉弁39と開閉弁41が閉の状態で、開閉弁44を開にする。すると、第1の不活性ガス導入ユニット20aからの高温の不活性ガスG2が、ポンプ再起動材料供給配管43からシール用ガス導入口36aを通ってシール用ガス流路33内に入り、さらにガス取込口42を通って第4、第5、第6段目の各ポンプ室22d~22f内に流れ込む。そして、この高温の不活性ガスG2がポンプケーシング23内の全体に拡がり、ポンプケーシング23内の昇温を行う。その後、ガス排出口17bを通ってガス排気配管18内に排出され、ガス排気配管18を介して除害装置19へと送られるようになっている。
したがって、この第2の実施例における排ガス処理装置では、プロセスガスの堆積部が原因でドライポンプ32のロータ24a~24fがロックされ、ドライポンプ32が停止した状態から再起動できないとき、シール用ガス流路33内に流す高温の不活性ガスG2でドライポンプ32内の温度を通常運転時の温度と略等しい温度(100℃~190℃)まで昇温させて、ドライポンプ32内の温度を通常運転時に近い温度に急速に戻すことができる。そして、ドライポンプ17内に付着している堆積物を高温の熱で溶かし、ロータ24a~24fのロックを解除してロータ24a~24fが回転できる状態にすることができる。
また、ドライポンプ32の運転再起動が可能になったら、制御装置10を介して開閉弁31bを開にし、NF3プラズマであるクリーニング材料G4をガス導入口17aからポンプケーシング23内に送り込み、クリーニング材料G4をポンプケーシング23内に流す。ポンプケーシング23内に流されたクリーニング材料G4は、ガス排出口17bからガス排気配管18を通して除害装置19内に流される。そして、ポンプケーシング23内に送り込まれたクリーニング材料G4は、ポンプケーシング23内を流れるとき、生成物がプラズマ内のFラジカルと反応し、ガスとなって放出され、ドライポンプ17内の堆積物がほぼ消滅する。
また、ガスとなって放出されたドライポンプ17内の堆積物は、ガス排出口17bからガス排気配管18内にクリーニング材料G4と共に流され、さらに除害装置19内に送り込まれる。
したがって、この実施例による排ガス処理装置によれば、プロセスガスの堆積部が原因でドライポンプ32のロータ24a~24fがロックされ、ドライポンプ17が停止した状態から再起動できないとき、シール用ガス流路33内に高温の不活性ガスG2を流してドライポンプ17内の温度を通常運転時に近い温度に戻すので、ドライポンプ32内の堆積物をより速く、かつ綺麗に除去することができる。これにより、メンテナンス等を短時間で綺麗に終えることができる。
なお、第1の実施例の構造と第2の実施例の構造は、必要に応じて組み合わせることもできる。
また、各実施例では、ドライポンプ17及びドライポンプ32のロータ24a~24fがロックされ、ドライポンプ17が停止した状態から再起動できないとき、ドライポンプ17のガス流路に、ドライポンプ17の通常運転時の温度と略等しい温度まで昇温させるための高温の不活性ガスG2を流してドライポンプ17内の温度を通常運転時に近い温度に戻し、再起動したその後からドライポンプ17内にクリーニング材料G4を流して堆積物を消滅するようにした。しかし、ドライポンプ17及びドライポンプ32の停止前に、予めドライポンプ17及びドライポンプ32のガス流路にプロセスガスと反応するクリーニング材料G4を流し、プロセスガスG1による堆積物(SiO2)を除去するようすることも可能である。
ドライポンプ17及びドライポンプ32の停止前に、ドライポンプ17及びドライポンプ32のガス流路にプロセスガスと反応するクリーニング材料G4を流し、プロセスガスによる堆積物(SiO2)を除去する一例を、図7を用いて図1乃至図3に示したドライポンプ17の場合について説明する。
図7に示す一例では、制御装置10により制御する場合である。制御装置10には、ドライポンプ17の運転中に、ブースターポンプのスピード101とドライポンプ17のスピード102及びドライポンプ17の電流値103とがそれぞれ入力され、これらの各値を約1時間監視する。この1時間の間にドライポンプ17のスピード102がブースターポンプのスピード101を数回下回り、また、ドライポンプ17の電流値103が閾値(例えば、45.0アンペア)を数回超えた場合には、制御装置10がドライポンプ17内に堆積物が基準以上堆積されていると判断する。そして、制御装置10は、ドライポンプ17の停止前に、第1の不活性ガス導入ユニット20a及び開閉弁31bを制御して、ガス導入口17aからポンプケーシング23内にプロセスガスG1と反応するクリーニング材料G4を一定時間流し、ポンプケーシング23内に堆積している堆積物を消滅させる。これにより、ドライポンプ17を停止させることなく、ドライポンプ17内に付着している堆積物を事前に除去することができる。
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変や組み合わせを成すことができ、そして、本発明が該改変や組み合わせされたものに及ぶことは当然である。
10 :制御装置
11 :プロセスチャンバ
12 :半導体ウエハ
13 :ガス供給配管
17 :ドライポンプ
17a :ガス導入口
17b :ガス排出口
17c :再起動材料導入口
18 :ガス排気配管
19 :除害装置
20a :第1の不活性ガス導入ユニット
20b :第2の不活性ガス導入ユニット
21a :再起動材料供給配管
21b :プラズマ供給配管
22a :第1段目ポンプ室
22b :第2段目ポンプ室
22c :第3段目ポンプ室
22d :第4段目ポンプ室
22e :第5段目ポンプ室
22f :第6段目ポンプ室
23 :ポンプケーシング
24a :ロータ
24b :ロータ
24c :ロータ
24d :ロータ
24e :ロータ
24f :ロータ
31a :開閉弁
31b :開閉弁
32 :ドライポンプ
33 :シール用ガス流路
33a :シール用ガス溝
36 :シール用ガス導入通路
36a :シール用ガス導入口
36b :シール用ガス導入口
37 :シール用ガス排出通路
37a :シール用ガス排出管接続口
37b :シール用ガス排出口
38 :シール用ガス導入管
39 :開閉弁
40 :シール用ガス排出管
41 :開閉弁
42 :ガス取込口
43 :ポンプ再起動材料供給配管
44 :開閉弁
G1 :プロセスガス
G2 :不活性ガス
G3 :シール用ガス
G4 :クリーニング材料

Claims (6)

  1. 凝縮性ガス又は酸化粉塵を含むプロセスガスを排気する真空ポンプと、
    前記プロセスガスの堆積物が堆積し、停止状態の前記真空ポンプのガス流路に、前記真空ポンプの通常運転時の温度と略等しい温度に昇温するための高温の不活性ガスを導入して、前記真空ポンプが起動できるように前記ガス流路を拡張させる第1の不活性ガス導入ユニットと、
    クリーニング材料を前記ガス流路に導入して、前記堆積物を除去するクリーニング材料導入ユニットと、
    を備えていることを特徴とする真空排気システム。
  2. 前記第1の不活性ガス導入ユニットは、前記ガス流路の略中間に前記不活性ガスを導入することを特徴とする請求項1に記載の真空排気システム。
  3. 前記真空ポンプのシール部を保護するために不活性ガスを前記ガス流路に導入する第2の不活性ガス導入ユニットをさらに備え、
    前記第1の不活性ガス導入ユニットが前記不活性ガスを導入する位置と前記第2の不活性ガス導入ユニットが前記ガス流路に導入する位置は、同一であることを特徴とする請求項1または2に記載の真空排気システム。
  4. 前記真空ポンプは、容積式真空ポンプであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の真空ポンプ。
  5. 凝縮性ガス又は酸化粉塵を含むプロセスガスを排気する真空ポンプのクリーニング方法であって、
    前記プロセスガスの堆積物が堆積し、停止状態の前記真空ポンプのガス流路に、前記真空ポンプの通常運転時の温度と略等しい温度に昇温するための高温の不活性ガスを導入して、前記真空ポンプが起動できるように前記ガス流路を拡張させるステップと、
    クリーニング材料を前記ガス流路に導入して、前記堆積物を除去するステップと、
    を含むことを特徴とする真空ポンプのクリーニング方法。
  6. 凝縮性ガス又は酸化粉塵を含むプロセスガスを排気する真空ポンプのクリーニング方法であって、
    前記真空ポンプの停止前に、前記真空ポンプ内のガス流路にクリーニング材料を導入し、前記プロセスガスによる堆積物を除去するステップを含むことを特徴とする真空ポンプのクリーニング方法。
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