JP2023141826A - 保持部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】対象物を保持する面の均熱性を向上させることができる保持部材を提供する。【解決手段】本開示の一態様は、静電チャック1において、発熱体41は、一対の発熱ライン43と、第1折り返し部45aと、第2折り返し部45bと、を備え、第1折り返し部45aと第2折り返し部45bとの間の距離である周方向ピッチ幅δCが、一対の発熱ライン43を構成する2つの発熱ライン42の間の距離である径方向ピッチ幅δRよりも大きい。【選択図】図5

Description

本開示は、対象物を保持する保持部材に関する。
保持部材に関する文献として、特許文献1には、半導体装置の製造工程における成膜装置やエッチング装置に用いられるウエハ加熱装置が開示されている。そして、この特許文献1に開示されるウエハ加熱装置は、保持面(ウエハの支持面)を備えるセラミックス部材(セラミックス基体)の内部においてウエハを加熱するための発熱ラインからなるヒータパターンが埋設されている。
特許第3477062号公報
特許文献1に開示されるウエハ加熱装置では、ヒータパターンにおいて一対の折り返し部の距離を径方向の距離よりも小さくしており、一対の折り返し部における発熱量を大きくしている。そして、このようにしてヒータパターンの一対の折り返し部の間にある領域(以下、「分離領域」という。)において、発熱量を大きくしているため、保持面における分離領域に対応する位置おいてホットスポットが発生するおそれがあり、均熱性が低下するおそれがある。また、ここで、特許文献1にはベース部材は開示されていないが、セラミックス部材の下側にベース部材が設けられている場合、このベース部材において、例えば給電用の端子などの部品を挿入するための穴が形成されている部分においては、セラミックス部材直下にベース部材が存在しないため、ベース部材による熱引き効果が低下し、温度が上昇し易くなる。そのため、このような穴が分離領域に対応する位置に形成されている場合には、この分離領域にてさらに温度が上昇し易くなる。したがって、保持面において、分離領域に対応する位置に穴がある場合には、さらにホットスポットが発生するおそれがあり、均熱性が低下するおそれがある。
そこで、本開示は上記した課題を解決するためになされたものであり、対象物を保持する面の均熱性を向上させることができる保持部材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本開示の一形態は、第1の面と、前記第1の面とは反対側に設けられる第2の面と、を備える第1の板状部材と、第3の面と、前記第3の面とは反対側に設けられる第4の面と、を備える第2の板状部材と、を有し、前記第1の板状部材の前記第2の面と、前記第2の板状部材の前記第3の面とが、熱的に接続されており、前記第1の面上にて対象物を保持する保持部材において、前記第1の板状部材の内部または前記第2面にて、線状の発熱ラインが略同心円状に形成される発熱体を有し、前記第1の板状部材と前記第2の板状部材との配列方向から見たときに、前記発熱体は、前記発熱体の径方向にて隣り合う2つの前記発熱ラインから構成される一対の発熱ラインとして、前記発熱体の周方向にて所定の分離領域を挟んで離れて配置される第1発熱ライン対および第2発熱ライン対と、前記第1発熱ライン対を構成する2つの前記発熱ラインの前記分離領域側の端部同士を接続する第1折り返し部と、前記第2発熱ライン対を構成する2つの前記発熱ラインの前記分離領域側の端部同士を接続する第2折り返し部と、を備え、前記第1折り返し部と前記第2折り返し部との間の距離である周方向ピッチ幅が、前記一対の発熱ラインを構成する2つの前記発熱ラインの間の距離である径方向ピッチ幅よりも大きいこと、を特徴とする。
この態様によれば、周方向ピッチ幅を大きくすることにより、第1折り返し部と第2折り返し部の発熱による分離領域における温度上昇を抑制できる。そのため、対象物を保持する面、すなわち、第1の板状部材の第1面において、分離領域に対応する位置に、ホットスポット(すなわち、温度特異点であって、他の部分よりも温度が高くなる部分)が発生することを抑制できる。ゆえに、対象物を保持する面の均熱性を向上させることができる。
上記の態様においては、前記周方向ピッチ幅は、前記径方向ピッチ幅の4倍以下であること、が好ましい。
この態様によれば、周方向ピッチ幅が大きくなり過ぎないので、第1折り返し部と第2折り返し部の発熱による分離領域における温度上昇が不足することを抑制できる。そのため、対象物を保持する面において、分離領域に対応する位置に、コールドスポット(すなわち、温度特異点であって、他の部分よりも温度が低くなる部分)が発生することを抑制できる。したがって、より確実に、対象物を保持する面の均熱性を向上させることができる。
上記の態様においては、前記第1折り返し部および前記第2折り返し部を形成する前記発熱ラインの単位長さあたりの抵抗値は、前記一対の発熱ラインを形成する前記発熱ラインの単位長さあたりの抵抗値よりも大きいこと、が好ましい。
この態様によれば、第1折り返し部および第2折り返し部における発熱量が大きくなるので、対象物を保持する面において、分離領域に対応する位置に、コールドスポットが発生することを抑制できる。そのため、さらに、対象物を保持する面の均熱性を向上させることができる。
上記の態様においては、前記第1の板状部材および前記第2の板状部材の少なくとも一方には、貫通孔が形成され、前記配列方向から見たときに、前記貫通孔は、前記第1折り返し部と前記第2折り返し部との間にある前記分離領域の位置に形成されており、前記周方向ピッチ幅は、前記貫通孔の周方向の幅以上の大きさであること、が好ましい。
この態様によれば、貫通孔が分離領域の位置に形成されているので、この分離領域にて温度が上昇し易くなるが、周方向ピッチ幅が貫通孔の周方向の幅以上の大きさであるので、第1折り返し部と第2折り返し部との間の距離が大きくなり、分離領域にて温度が上昇することを抑制できる。
また、第1の板状部材に貫通孔が形成されている場合には、周方向ピッチ幅を貫通孔の周方向の幅以上の大きさとすることにより、構造上、発熱体(第1折り返し部と第2折り返し部)が貫通孔の部分に形成されることを防止できるとともに、貫通孔に挿入される部品と発熱体の絶縁距離を確保することができる。
上記の態様においては、前記保持部材は、前記対象物を保持するための静電引力を発生させるチャック電極を有する静電チャックであること、が好ましい。
この態様によれば、静電チャックにおける対象物を保持する面にて、均熱性を向上させることができる。
本開示の保持部材によれば、対象物を保持する面の均熱性を向上させることができる。
本実施形態の静電チャックの概略斜視図である。 本実施形態の静電チャックのXY平面図である。 本実施形態のセラミックス部材のXZ断面図である。 本実施形態の発熱体の上面図である。 本実施形態における発熱体の一対の折り返し部とその周辺の拡大図(図4における領域αの部分の拡大図)である。 発熱体の一対の折り返し部とその周辺の図であって、周方向ピッチ幅を2.5mmにした場合を示す図である。 周方向ピッチ幅を2.5mmにした場合における保持面の一部(すなわち、保持面においてベース部材の穴に対応する位置と、その周辺の部分)の温度分布の評価結果である。 発熱体の一対の折り返し部とその周辺の図であって、周方向ピッチ幅を5.0mmにした場合を示す図である。 周方向ピッチ幅を5.0mmにした場合における保持面の一部の温度分布の評価結果である。 発熱体の一対の折り返し部とその周辺の図であって、周方向ピッチ幅を6.0mmにした場合を示す図である。 周方向ピッチ幅を6.0mmにした場合における保持面の一部の温度分布の評価結果である。 発熱体の一対の折り返し部とその周辺の図であって、周方向ピッチ幅を8.0mmにした場合(かつ、線幅の割合を100%にした場合)を示す図である。 周方向ピッチ幅を8.0mmにした場合(かつ、線幅の割合を100%にした場合)における保持面の一部の温度分布の評価結果である。 周方向ピッチ幅に対する保持面の温度差の評価結果を示すグラフである。 周方向ピッチ幅に対する保持面の温度差の評価結果を示す一覧表である。 発熱体の一対の折り返し部とその周辺の図であって、線幅の割合を75%にした場合を示す図である。 線幅の割合を75%にした場合における保持面の一部の温度分布の評価結果を示す図である。 発熱体の一対の折り返し部とその周辺の図であって、線幅の割合を50%にした場合を示す図である。 線幅の割合を50%にした場合における保持面の一部の温度分布の評価結果を示す図である。 発熱体の一対の折り返し部とその周辺の図であって、線幅の割合を25%にした場合を示す図である。 線幅の割合を25%にした場合における保持面の一部の温度分布の評価結果を示す図である。 線幅の割合に対する保持面の温度差の評価結果を示すグラフである。 線幅の割合に対する保持面の温度差の評価結果を示す一覧表である。 第1変形例を示す図である。 第2変形例を示す図である。
本開示の保持部材の実施形態について説明する。本実施形態では、保持部材として静電チャック1を例示して説明する。
<静電チャックの全体説明>
本実施形態の静電チャック1は、半導体ウエハWを静電引力により吸着して保持する装置であり、例えば、半導体製造装置の真空チャンバ内で半導体ウエハWを固定するために使用される。なお、半導体ウエハWは、本開示の「対象物」の一例である。
図1に示すように、静電チャック1は、セラミックス部材10と、ベース部材20と、セラミックス部材10とベース部材20とを接合する接合層30とを有する。なお、セラミックス部材10は本開示の「第1の板状部材」の一例であり、ベース部材20は本開示の「第2の板状部材」の一例である。
なお、以下の説明においては、説明の便宜上、図1に示すようにXYZ軸を定義する。ここで、Z軸は、静電チャック1の中心軸Ca方向(図1において上下方向)の軸であり、X軸とY軸は、静電チャック1の径方向の軸である。
セラミックス部材10は、図1に示すように、板状、詳しくは、円盤状の部材であり、セラミックス(セラミックス基板)により形成されている。具体的には、セラミックス部材10は、直径の異なる2つの円盤が中心軸Ca(図2参照)を共通にして重なる(詳細には、大きな直径を有する円盤状の下段部10bの上に、小さな直径を有する円盤状の上段部10aが重なる形態の)段付きの円盤状をなしている。
セラミックスとしては、様々なセラミックスが用いられるが、強度や耐摩耗性、耐プラズマ性等の観点から、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ、Al)または窒化アルミニウム(AlN)を主成分とするセラミックスが用いられることが好ましい。なお、ここでいう主成分とは、含有割合の最も多い成分(例えば、体積含有率が90vol%以上の成分)を意味する。
図1~図3に示すように、セラミックス部材10は、半導体ウエハWを保持する保持面11(上面)と、セラミックス部材10の厚み方向(すなわち、Z軸方向)について保持面11とは反対側に設けられる下面12とを備えている。なお、保持面11は本開示の「第1の面」の一例であり、下面12は本開示の「第2の面」の一例である。
また、セラミックス部材10の直径は、下段部10bが上段部10aよりも大きく、上段部10aが例えば150~300mm程度であり、下段部10bが例えば180~400mm程度である。セラミックス部材10の厚さは、例えば2~6mm程度である。なお、セラミックス部材10の熱伝導率は、10~50W/mK(より好ましくは、18~30W/mK)の範囲内が望ましい。
また、セラミックス部材10は、その内部に不図示のチャック電極(吸着電極)を備えている。このチャック電極に図示しない電源から電圧が印加されることによって、チャック電極に静電引力が発生し、この静電引力によって半導体ウエハWが保持面11に吸着されて保持される。
ベース部材20は、セラミックス部材10に対し保持面11側とは反対側に配置されている。このベース部材20は、例えば円柱状に形成されている。また、ベース部材20は、例えば金属(例えば、アルミニウムやアルミニウム合金等)により形成されているが、金属以外であってもよい。
そして、ベース部材20は、図1に示すように、上面21と、ベース部材20の厚み方向(すなわち、Z軸方向)にて上面21とは反対側に設けられる下面22と、を備えている。そして、ベース部材20の上面21は、セラミックス部材10の下面12と、接合層30を介して、熱的に接続されている。なお、上面21は本開示の「第3の面」の一例であり、下面22は本開示の「第4の面」の一例である。
ベース部材20の直径は、例えば180~400mm程度である。また、ベース部材20の厚さ(Z軸方向の寸法)は、例えば20~50mm程度である。なお、ベース部材20(アルミニウムを想定)の熱伝導率は、160~250W/mK(好ましくは、230W/mK程度)の範囲内が望ましい。
接合層30は、セラミックス部材10の下面12とベース部材20の上面21との間に配置され、セラミックス部材10とベース部材20とを熱伝達可能に接合する。
この接合層30は、熱伝導性を有するフィラーを含む樹脂(シリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等)の接着材により構成されている。なお、接合層30の厚さ(Z軸方向の寸法)は、例えば0.1~1.5mm程度である。また、接合層30の熱伝導率は、例えば1.0W/mKである。なお、接合層30(シリコーン系樹脂を想定)の熱伝導率は、0.1~2.0W/mK(好ましくは、0.5~1.5W/mK)の範囲内が望ましい。
以上のような静電チャック1においては、ベース部材20に備わる冷媒流路(不図示)に冷媒を流すことにより、ベース部材20が冷却され、これにより、接合層30を介してセラミックス部材10からベース部材20に熱が引かれて、セラミックス部材10が冷却される。そして、セラミックス部材10が冷却されることにより、保持面11に保持される半導体ウエハWを冷却できるようになっている。
<発熱体について>
本実施形態では、図3に示すように、セラミックス部材10の上段部10aの内部に、発熱体41が設けられている。すなわち、発熱体41が、セラミックス部材10の上段部10aに埋設されている。なお、発熱体41は、半導体ウエハWを加熱するために発熱するものである。発熱体41は、例えばタングステンやモリブデン合金等により形成されているが、その他の金属であってもよい。また、発熱体41は、セラミックス部材10の下段部10bに埋設されていてもよい。さらに、発熱体41は、セラミックス部材10の下面12に形成されていてもよい。
発熱体41は、図4に示すように、セラミックス部材10の厚み方向(すなわち、図1のZ軸方向)から見たときに、線状の発熱ライン42が略同心円状に形成されるものであり、発熱ライン42の線幅LWは0.1mm~1.0mm程度であり、発熱体41の径方向にて(少なくとも一部が)隣り合うようにして並んでいる2つの発熱ライン42から構成される一対の発熱ライン43を備えている。この一対の発熱ライン43を構成する2つの発熱ライン42は、同じ円形状に形成されている。なお、発熱体41は、図4に示す例では多数の一対の発熱ライン43を備えているが、少なくとも2つの一対の発熱ライン43を備えていればよい。なお、「略同心円状」には、周方向の一部が繋がっていない同心円状(例えば、扇状に複数並ぶ形状)も含む。
図5(図4における領域αの部分の拡大図)に示すように、発熱体41は、一対の発熱ライン43として、第1発熱ライン対43aおよび第2発熱ライン対43bを備えている。この第1発熱ライン対43aおよび第2発熱ライン対43bは、発熱体41の周方向にて所定の分離領域44を挟んで離れて配置されている。
また、発熱体41は、一対の折り返し部45として、第1折り返し部45aおよび第2折り返し部45bを備えている。この第1折り返し部45aおよび第2折り返し部45bは、発熱体41の周方向にて所定の分離領域44を挟んで離れて配置されている。第1折り返し部45aは、第1発熱ライン対43aを構成する2つの発熱ライン42の分離領域44側の端部42a同士を接続する。第2折り返し部45bは、第2発熱ライン対43bを構成する2つの発熱ライン42の分離領域44側の端部42b同士を接続する。
<保持面の均熱性を向上させるための手段>
ベース部材20には、例えば給電用の端子や温度センサなどを挿入するための穴Ho(本開示の「貫通孔」の一例)が形成されている。そして、このように穴Hoが形成されている部分では、ベース部材20の体積が減少するため、セラミックス部材10からベース部材20へ熱が引かれ難くなるそのため、セラミックス部材10の保持面11における穴Hoに対応する位置では、温度が上昇し易い。
本実施形態では、図5に示すように、セラミックス部材10とベース部材20の配列方向(すなわち、図1のZ軸方向)から見たときに、第1折り返し部45aと第2折り返し部45bとの間にある分離領域44の位置に、穴Hoが形成されている。そのため、分離領域44において、セラミックス部材10からベース部材20へ熱が引かれ難くなっており、温度が上昇し易くなっている。なお、図5に示す例では、穴Hoは、その中心が分離領域44の中心に位置するようにして形成されている。
そして、このとき、周方向ピッチ幅δC(図5参照)が小さく、分離領域44が狭い場合には、第1折り返し部45aと第2折り返し部45bの発熱により分離領域44において温度が大きく上昇して、保持面11において分離領域44に対応する位置、すなわち、穴Hoに対応する位置にて、ホットスポットHS(すなわち、温度特異点であって、他の部分よりも温度が高くなる部分)が発生するおそれがある。
なお、「周方向ピッチ幅δC」とは、第1折り返し部45aと第2折り返し部45bとの間の距離であり、さらに詳しくは、第1折り返し部45aと第2折り返し部45bとの周方向における最大長さである。
本実施形態では、周方向ピッチ幅δCを、径方向ピッチ幅δRよりも大きくし、さらに詳しくは、穴Hoの直径Dh(周方向の幅)以上の大きさとしている。このようにして、本実施形態では、周方向ピッチ幅δCを大きくしているので、分離領域44が広くなり、第1折り返し部45aと第2折り返し部45bの発熱により分離領域44において温度が上昇し難くなる。そのため、保持面11において穴Hoに対応する位置にて、ホットスポットHSが発生することを抑制できる。
ここで、「径方向ピッチ幅δR」とは、一対の発熱ライン43を構成する2つの発熱ライン42の間の距離であり、さらに詳しくは、外形が円形に形成される保持面11の中心から径方向に延びる直線La上における2つの発熱ライン42の間の距離である。なお、径方向ピッチ幅δRは、発熱体41の全体に亘って略一定であり、例えば、1.5mm~3.5mmである。
ここで、周方向ピッチ幅δCの大きさと保持面11の温度分布との関係についての評価を行った。具体的には、穴Hoの直径Dhを5.0mmとし、径方向ピッチ幅δRを2.5mmとし、線幅LWを0.5mmとする条件のもと、周方向ピッチ幅δCを2.5mm(図6参照)、5.0mm(図8参照)、6.0mm(図10参照)、8.0mm(図12参照)として、保持面11の温度分布の評価を行った。
評価結果として、まず、周方向ピッチ幅δCを2.5mmにした場合(図6参照)、すなわち、周方向ピッチ幅δCを径方向ピッチ幅δRと等しくした場合には、図7に示すように、保持面11において穴Hoに対応する位置にホットスポットHSが発生した。そして、図14と図15に示すように、保持面11の温度差ΔTは、15.7℃であった。
なお、「保持面11の温度差ΔT」とは、保持面11における穴Hoの中心に対応する位置とその他の位置(すなわち、穴Hoに対応しない位置)との間の温度の差である。
また、周方向ピッチ幅δCを5.0mmにした場合(図8参照)、すなわち、周方向ピッチ幅δCを、径方向ピッチ幅δRよりも大きくして、穴Hoの直径Dhと等しくした場合には、図9に示すような結果が得られた。図9に示すように、保持面11において穴Hoに対応する位置に発生したホットスポットHSの大きさが、周方向ピッチ幅δCを2.5mmにした場合(図7参照)よりも小さくなった。そして、図14と図15に示すように、保持面11の温度差ΔTは2.7℃となった。このように、周方向ピッチ幅δCを、径方向ピッチ幅δRよりも大きくすることにより、保持面11においてホットスポットHSの発生が抑制される結果を得ることができた。
また、周方向ピッチ幅δCを6.0mmにした場合(図10参照)、すなわち、周方向ピッチ幅δCを、穴Hoの直径Dhよりも大きく場合には、図11に示すような結果が得られた。図11に示すように、保持面11において穴Hoに対応する位置に、わずかにコールドスポットCS(すなわち、温度特異点であって、他の部分よりも温度が低くなる部分)が発生したが、ホットスポットHSは発生しなかった。そして、図14と図15に示すように、保持面11の温度差ΔTは-0.9℃となった。このように、周方向ピッチ幅δCを穴Hoの直径Dhよりも大きくした場合には、保持面11においてホットスポットHSが発生しない結果を得ることができた。
また、周方向ピッチ幅δCを8.0mmにした場合(図12参照)、すなわち、周方向ピッチ幅δCを、穴Hoの直径Dhよりもさらに大きく場合には、図13に示すような結果が得られた。図13に示すように、保持面11において穴Hoに対応する位置に、小さいコールドスポットCSが発生したが、ホットスポットHSは発生しなかった。そして、図14と図15に示すように、保持面11の温度差ΔTは-5.1℃となった。このように、周方向ピッチ幅δCを穴Hoの直径Dhよりもさらに大きくした場合には、保持面11においてホットスポットHSが発生しない結果を得ることができた。
ここで、周方向ピッチ幅δCを8.0mmにした場合(図12参照)に、図13に示すように保持面11にて小さなコールドスポットCSが発生した。そのため、周方向ピッチ幅δCを8.0mmよりもさらに大きくしていくと、さらに大きなコールドスポットCSが発生するおそれがある。
そこで、本実施形態では、周方向ピッチ幅δCを、径方向ピッチ幅δRの4倍以下とすることにより、保持面11においてコールドスポットCSの発生を抑制する。
また、発熱ライン42は、その線幅LWを小さくすると、その抵抗値が大きくなって、発熱量が大きくなる。そこで、コールドスポットCSが発生し易い場合には、一対の折り返し部45の線幅LW1を、一対の発熱ライン43の線幅LWよりも小さくしてもよい。そして、このようにして、一対の折り返し部45を形成する発熱ライン42の単位長さあたりの抵抗値を、一対の発熱ライン43を形成する発熱ライン42の単位長さあたりの抵抗値よりも大きくしてもよい。これにより、第1折り返し部45aと第2折り返し部45bの発熱量を大きくして、保持面11においてコールドスポットCSの発生を抑制できる。
なお、「一対の折り返し部45の線幅LW1」とは、第1折り返し部45aおよび第2折り返し部45bを形成する発熱ライン42の線幅である。また、「一対の発熱ライン43の線幅LW」とは、一対の発熱ライン43を形成する2つの発熱ライン42の線幅である。
なお、一対の折り返し部45を形成する発熱ライン42の単位長さあたりの抵抗値を、一対の発熱ライン43を形成する発熱ライン42の単位長さあたりの抵抗値よりも大きくする手法としては、その他、一対の折り返し部45を形成する発熱ライン42の厚みを一対の発熱ライン43を形成する発熱ライン42の厚みよりも小さくすることや、一対の折り返し部45を形成する発熱ライン42の材質を一対の発熱ライン43を形成する発熱ライン42の材質よりも比抵抗値が大きい材質にすることも考えられる。
ここで、一対の折り返し部45の線幅LW1と保持面11の温度分布との関係についての評価を行った。具体的には、径方向ピッチ幅δRを2.5mmとし、周方向ピッチ幅δCを8.0mmとする条件のもと、一対の折り返し部45の線幅LW1を変えて、保持面11の温度分布の評価を行った。より詳しくは、線幅LWを0.5mmとする条件のもと、一対の折り返し部45の線幅LW1の大きさを表す線幅の割合LRを、100%(前記の図12参照)、75%(図16参照)、50%(図18参照)、25%(図20参照)として評価を行った。なお、「線幅の割合LR」とは、一対の発熱ライン43の線幅LWに対する一対の折り返し部45の線幅LW1の割合であり、(LW1/LW)×100%の数式にて示される。
評価結果として、まず、線幅の割合LRを100%にした場合(前記の図12参照)には、前記の図13に示すように、保持面11において穴Hoに対応する位置には、コールドスポットCSが発生した。そして、図22と図23に示すように、保持面11の温度差ΔTは、-5.1℃であった。
また、線幅の割合LRを75%にした場合(図16参照)、すなわち、一対の折り返し部45の線幅LW1を一対の発熱ライン43の線幅LWよりも小さくした場合には、図17に示すように、保持面11において穴Hoに対応する位置に発生したコールドスポットCSは、線幅の割合LRを100%にした場合(図13参照)よりも小さくなった。そして、図22と図23に示すように、保持面11の温度差ΔTは-2.2℃であった。このように、一対の折り返し部45の線幅LW1を一対の発熱ライン43の線幅LWよりも小さくすると、保持面11においてコールドスポットCSの発生が抑制される結果を得ることができた。
また、線幅の割合LRを50%にした場合(図18参照)、および、線幅の割合LRを25%にした場合(図20参照)、すなわち、一対の折り返し部45の線幅LW1を一対の発熱ライン43の線幅LWよりもさらに小さくした場合には、図19と図21に示すように、保持面11において穴Hoに対応する位置には、ホットスポットHSが発生したが、コールドスポットCSは発生しなかった。そして、図22と図23に示すように、保持面11の温度差ΔTは1.7℃および16.0℃であった。
なお、第1変形例として、図24に示すように、一対の折り返し部45は分離領域44から離れるようにして(穴Hoから離れるようにして)湾曲する円弧状に形成されていてもよい。このとき、周方向ピッチ幅δCは、第1折り返し部45aにおける径方向の中央部45cと第2折り返し部45bにおける径方向の中央部45cとの間の直線距離であり、言い換えると、第1折り返し部45aの円弧の頂点と第2折り返し部45bの円弧の頂点との間の直線距離である。
また、穴Hoがセラミックス部材10に形成されている場合には、穴Hoに挿入される部品と発熱体41の一対の折り返し部45との間の絶縁距離を確保するため、周方向ピッチ幅δCを穴Hoの直径Dhよりも余裕を持たせて大きくする。このとき、例えば、穴Hoの直径Dhが5mmである場合には、周方向ピッチ幅δCを7mm以上とする。
また、穴Hoがセラミックス部材10に形成されている場合に、このようにして周方向ピッチ幅δCを大きくしても保持面11において穴Hoに対応する位置にてホットスポットHSの発生を抑制できない場合には、第2変形例として、図25に示すように、一対の折り返し部45の線幅LW1を一対の発熱ライン43の線幅LWよりも大きくしてもよい。そして、これにより、一対の折り返し部45を形成する発熱ライン42の抵抗値を小さくして、一対の折り返し部45の発熱量を少なくすることにより、保持面11において穴Hoに対応する位置にて、ホットスポットHSの発生を抑制できる。
<本実施形態の効果>
以上のように本実施形態の静電チャック1では、セラミックス部材10の発熱体41において、第1折り返し部45aと第2折り返し部45bとの間の距離である周方向ピッチ幅δCが、一対の発熱ライン43を構成する2つの発熱ライン42の間の距離である径方向ピッチ幅δRよりも大きい。
このようにして、周方向ピッチ幅δCを大きくすることにより、第1折り返し部45aと第2折り返し部45bの発熱による分離領域44における温度上昇を抑制できる。そのため、分離領域44に対応する位置にベース部材20の穴Hoが形成されている場合であっても、分離領域44における温度上昇を抑制できる。したがって、保持面11において分離領域44に対応する位置、すなわち、穴Hoに対応する位置にホットスポットHSが発生することを抑制できる。ゆえに、保持面11の均熱性を向上させることができる。
また、穴Hoが分離領域44の位置に形成されているので、この分離領域44にて温度が上昇し易くなる。しかしながら、本実施形態では、周方向ピッチ幅δCは、穴Hoの直径Dh以上の大きさとしているで、第1折り返し部45aと第2折り返し部45bとの間の距離が大きくなり、分離領域44にて温度が上昇することを抑制できる。
また、セラミックス部材10に穴Hoが形成されている場合には、周方向ピッチ幅δCを穴Hoの直径Dh以上の大きさとすることにより、構造上、発熱体41(第1折り返し部45aと第2折り返し部45b)が穴Hoの部分に形成されることを防止できるとともに、穴Hoに挿入される部品と発熱体41の絶縁距離を確保することができる。
また、周方向ピッチ幅δCは、径方向ピッチ幅δRの4倍以下である。
このようにして、周方向ピッチ幅δCが大きくなり過ぎないので、第1折り返し部45aと第2折り返し部45bの発熱による分離領域44における温度上昇が不足することを抑制できる。そのため、保持面11において分離領域44に対応する位置、すなわち、穴Hoに対応する位置にコールドスポットCSが発生することを抑制できる。したがって、より確実に保持面11の均熱性を向上させることができる。
また、保持面11において穴Hoに対応する位置にコールドスポットCSが発生するおそれがある場合には、一対の折り返し部45の線幅LW1を一対の発熱ライン43の線幅LWよりも小さくしてもよい。そして、このようにして、一対の折り返し部45を形成する発熱ライン42の単位長さあたりの抵抗値を、一対の発熱ライン43を形成する発熱ライン42の単位長さあたりの抵抗値よりも大きくしてもよい。
これにより、第1折り返し部45aおよび第2折り返し部45bにおける発熱量を大きくして、分離領域44における温度上昇を大きくすることにより、保持面11において穴Hoに対応する位置にコールドスポットCSが発生することを抑制できる。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本開示を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。
例えば、本開示の発明は、穴Hoの外形が円形以外である場合にも適用できる。この場合、周方向ピッチ幅δCは、穴Hoの周方向の幅以上の大きさであればよい。
また、穴Hoは、セラミックス部材10およびベース部材20の少なくとも一方に形成されていればよく、セラミックス部材10とベース部材20との両方に亘って形成されていてもよい。
1 静電チャック
10 セラミックス部材
11 保持面
12 下面
20 ベース部材
21 上面
22 下面
41 発熱体
42 発熱ライン
42a 端部
42b 端部
43 一対の発熱ライン
43a 第1発熱ライン対
43b 第2発熱ライン対
44 分離領域
45 一対の折り返し部
45a 第1折り返し部
45b 第2折り返し部
45c 中央部
W 半導体ウエハ
LW 線幅
Ho 穴
δC 周方向ピッチ幅
HS ホットスポット
δR 径方向ピッチ幅
Dh (穴の)直径
ΔT (保持面の)温度差
CS コールドスポット
LW1 (第1折り返し部や第2折り返し部の)線幅
LR 線幅の割合

Claims (5)

  1. 第1の面と、前記第1の面とは反対側に設けられる第2の面と、を備える第1の板状部材と、
    第3の面と、前記第3の面とは反対側に設けられる第4の面と、を備える第2の板状部材と、
    を有し、
    前記第1の板状部材の前記第2の面と、前記第2の板状部材の前記第3の面とが、熱的に接続されており、
    前記第1の面上にて対象物を保持する保持部材において、
    前記第1の板状部材の内部または前記第2の面にて、線状の発熱ラインが略同心円状に形成される発熱体を有し、
    前記第1の板状部材と前記第2の板状部材との配列方向から見たときに、
    前記発熱体は、
    前記発熱体の径方向にて隣り合う2つの前記発熱ラインから構成される一対の発熱ラインとして、前記発熱体の周方向にて所定の分離領域を挟んで離れて配置される第1発熱ライン対および第2発熱ライン対と、
    前記第1発熱ライン対を構成する2つの前記発熱ラインの前記分離領域側の端部同士を接続する第1折り返し部と、
    前記第2発熱ライン対を構成する2つの前記発熱ラインの前記分離領域側の端部同士を接続する第2折り返し部と、
    を備え、
    前記第1折り返し部と前記第2折り返し部との間の距離である周方向ピッチ幅が、前記一対の発熱ラインを構成する2つの前記発熱ラインの間の距離である径方向ピッチ幅よりも大きいこと、
    を特徴とする保持部材。
  2. 請求項1の保持部材において、
    前記周方向ピッチ幅は、前記径方向ピッチ幅の4倍以下であること、
    を特徴とする保持部材。
  3. 請求項1または2の保持部材において、
    前記第1折り返し部および前記第2折り返し部を形成する前記発熱ラインの単位長さあたりの抵抗値は、前記一対の発熱ラインを形成する前記発熱ラインの単位長さあたりの抵抗値よりも大きいこと、
    を特徴とする保持部材。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つの保持部材において、
    前記第1の板状部材および前記第2の板状部材の少なくとも一方には、貫通孔が形成され、
    前記配列方向から見たときに、
    前記貫通孔は、前記第1折り返し部と前記第2折り返し部との間にある前記分離領域の位置に形成されており、
    前記周方向ピッチ幅は、前記貫通孔の周方向の幅以上の大きさであること、
    を特徴とする保持部材。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つの保持部材において、
    前記保持部材は、前記対象物を保持するための静電引力を発生させるチャック電極を有する静電チャックであること、
    を特徴とする保持部材。
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