JP2023141647A - アルミナ粒子又はアルミナ水和物粒子を含む分散液組成物及びその製造方法 - Google Patents

アルミナ粒子又はアルミナ水和物粒子を含む分散液組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂に混合されるフィラーとして使用できる新規な組成物を提供する。【解決手段】分散媒と、前記分散媒に分散しており、繊維状もしくは針状の形状を有するアルミナ粒子又はアルミナ水和物粒子を含み、以下の(A)~(E)の全てを満たす分散液組成物。(A)アルミナ粒子又はアルミナ水和物粒子の1次粒子径の長径が100nm以上、1000nm以下、短径が1nm以上、10nm以下、(B)アルミニウム原子に対して、マグネシウムおよびカルシウムから選ばれる1種又は2種の原子を、0.2mol%以上、1.8mol%以下含む、(C)アルミニウム原子に対して、有機酸又は無機酸を0.1当量以上、2.0当量以下含む、(D)分散媒が水、(E)常温で1ヶ月間性状が変化しない。【選択図】なし

Description

本発明は、透明樹脂と混合されるフィラーとして使用できるアルミナ粒子又はアルミナ水和物粒子を含む分散液組成物及びその製造方法に関する。
近年、液晶、有機ELなどのディスプレーや電子機器配線基盤のフレキシブル化により、柔軟性、透明性、高耐熱性、可撓性を有する独立したフィルムやシート、成型体などの高性能化が求められている。プラスチックなどの有機フィルムは、柔軟性に優れ軽量である反面、耐熱性が低く、線熱膨張係数が高いという欠点を有していた。一方、セラミックスなどの無機物は耐熱性や低熱膨張性に優れているが、重量が重くフレキシビリティーが低いなどの欠点を有していた。このような欠点を解決する手段として樹脂などの有機物と無機粒子などを混合した有機-無機ハイブリット材が検討されており、工業的にも広く利用されている。無機フィラー材としては金属粒子や金属酸化物粒子などがあり、金属酸化物としてはシリカ、アルミナ、チタニア、クレーなどが使用されている。また、粒子の形状効果を利用することにより目的とする特定の物性の向上を期待することができる。具体的には、ガスバリア性を付与するためにはアスペクト比(直径/厚さ)の高いシート状もしくは板状の粒子を使用することや、線熱膨張係数を抑制するには繊維状粒子のような高アスペクト(長径/短径)粒子などを添加すると高い効果を期待できる。さらに、無機フィラー材をナノ化することにより大幅な機能向上がはかられるだけでなく、透明性の維持も期待することができる。しかし、無機フィラー粒子のサイズが小さくなると粒子表面積が大きくなり、同時に表面エネルギーが増加することから、粒子同士の凝集が起こりやすくなる。特にナノサイズの繊維状粒子は、高いフィラー効果が期待される一方で、物理的な絡まりにより凝集しやすいためにフィラーとしての取り扱いが難しいという問題がある。耐熱性や低熱膨張性、熱伝導性を高めるためには、フィラーを高充填する必要があるが、上記の理由からナノサイズの繊維状粒子を高充填化することは困難となっている。
繊維状粒子の先行技術として、アルミニウムアルコレートの加水分解で得られるアルミナゾルであって、短径が1~10nm、長径が100~10000nmで、アスペクト比(長径/短径)が30~5000であり、繊維状もしくは針状の形状を有するアルミナ水和物粒子又はアルミナ粒子が溶液中に分散することを特徴とするアルミナゾル、が開示されている(特許文献1参照)。
他の先行技術として、短径が10nm以下で、長径が200nm以下の擬ベーマイト結晶からなる透明性の高いアルミナゾルの製法が提案されている(特許文献2参照)。
他の先行技術として、水酸化アルミニウムを原料に用いて、Mg2+、Mn2+、Zn2+のような金属イオン及びカルボン酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオンのような陰イオンの存在下で、粒子成長を行うことにより製造される針状ベーマイト粒子、が開示されている(特許文献3参照)。
他の先行技術として、アルミニウム金属塩水溶液中にアルカリ水溶液を添加し、ゲル状の水酸化アルミニウムを生成後、4段階の水熱処理工程を施すことからなる針状のベーマイト粒子の製法、が開示されている(特許文献4参照)。
しかし、上記特許文献1に開示されている繊維状もしくは針状の形状を有するアルミナ水和物粒子又はアルミナ粒子が溶液中に分散したアルミナゾルは、長径の繊維長が100~10000nmと幅広く、特に1000nmを超える長繊維を多く含むと、フィラー分散液の経時安定性の低下や、長繊維の立体障害により樹脂への高充填が難しい場合が有る。
上記特許文献2で開示されている短径が10nm、長径が約100nmである針状の擬ベーマイト粒子は、繊維状形状由来の特徴が減少し、フィラーとしての性能が十分に得られない場合が有る。
上記特許文献3に開示されている製法で得られる粒子は、多量の金属イオン、硫酸イオンが、アルミナゾル中に混入してしまい、これらが、フィラー物性に大きく影響するなどの問題を有している。さらに短径が30nm~300nm、長径が1000nm~10000nm、アスペクト比が5~50であり、短径が10nm以上では、水熱反応後にアルミナ粒子が析出しており、濾別、精製後に粉砕を行うことからフィラー添加により樹脂の透明性が低下する場合があり、なお改善の余地が有る。
上記文献4に開示されている針状ベーマイトの製法では、短径5.5±0.5nm、長径が350±37nm、アスペクト比が45~80の針状ベーマイトが得られている。しかし、この製法では、ゲル状物質の生成により撹拌に大きな動力を要するのに加え、粒子成長過程における急激な温度変化を必要とし、温度制御が複雑かつ長時間となるため、工業化に、なお改善の余地が有る。
特開2010-132519号公報 特開昭59-78925号公報 特開2008-037741号公報 特開2006-56739号公報
本発明は、樹脂に混合されるフィラーとして使用できる新規な組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、優れたフィラー性能を発揮するアルミナ粒子又はアルミナ水和物粒子を含む組成物を製造することを目標として鋭意研究を重ねた結果、繊維状もしくは針状粒子の形成時に微量の異種金属原子を共存させ、長径方向の結晶成長を阻害して繊維長を特定の長さに制御することで、優れたフィラー効果を有し、かつ樹脂への高充填が可能な組成物を得ることが出来ることを見出し、本発明を完成させた。
なお、本明細書において、フィラー効果とは、樹脂への混合における均一性、樹脂への混合における充填量、および透明樹脂に混合したときの透明性、および透明樹脂に混合したときの熱膨張に対する効果をいう。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]
分散媒と、前記分散媒に分散しており、繊維状もしくは針状の形状を有するアルミナ粒子又はアルミナ水和物粒子を含み、以下の(A)~(E)の全てを満たす分散液組成物。
(A)アルミナ粒子又はアルミナ水和物粒子の1次粒子径の長径が100nm以上、1000nm以下、短径が1nm以上、10nm以下、
(B)アルミニウム原子に対して、マグネシウムおよびカルシウムから選ばれる1種又は2種の原子を、0.2mol%以上、1.8mol%以下含む、
(C)アルミニウム原子に対して、有機酸又は無機酸を0.1当量以上、2.0当量以下含む、
(D)分散媒が水、
(E)常温で1ヶ月間性状が変化しない。
[2]
アルミナ水和物粒子を含み、該アルミナ水和物の結晶系がべーマイトまたは擬ベーマイトである、[1]に記載の分散液組成物。
[3]
透明樹脂に混合されるフィラーとして使用される、[1]または[2]に記載の分散液組成物。
[4]
[1]から[3]のいずれか一つに記載の分散液組成物の製造方法であって、
アルミニウムアルコレートを、有機酸水溶液又は無機酸水溶液で加水分解する工程、
得られた加水分解物を、マグネシウムおよびカルシウムから選ばれる1種又は2種の原子の存在下、100℃以上200℃以下で解膠する工程を含み、
前記加水分解工程において、アルミニウム原子に対し有機酸又は無機酸が0.1当量以上、2.0当量以下存在しており、
前記解膠工程において、アルミニウム原子に対しマグネシウムおよびカルシウムから選ばれる1種又は2種の原子が0.2mol%以上、1.8mol%以下存在する、前記製造方法。
本発明によれば、樹脂に混合されるフィラーとして使用できる新規な組成物を提供することができる。
実施例2のアルミナ分散液組成物の走査型電子顕微鏡画像である。 比較例1のアルミナ分散液組成物の走査型電子顕微鏡画像である。
次に、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態は、分散媒と、該分散媒に分散している繊維状もしくは針状の形状を有するアルミナ粒子又はアルミナ水和物粒子を含む分散液組成物(以下、アルミナ分散液組成物ともいう)に関する。本実施形態においては、アルミナ粒子又はアルミナ水和物の1次粒子径の長径が100nm以上、1000nm以下、短径が1nm以上、10nm以下で、アルミニウム原子に対して、マグネシウムおよびカルシウムから選ばれる1種又は2種の原子を、0.2mol%以上、1.8mol%以下含み、アルミニウム原子に対して、有機酸又は無機酸を0.1当量以上、2.0当量以下含み、分散媒が水であり、常温で1ヶ月間性状が変化しない。なお、本明細書において、常温とは、日本産業規格(JIS Z 8703)に定めるところの20±15℃の範囲を意味する。
本実施形態のアルミナ分散液組成物についてより詳細に説明する。本実施形態のアルミナ分散液組成物は、アルミニウムアルコレートを原料として、ゾルゲル法で合成された繊維状もしくは針状からなるアルミナ粒子又はアルミナ水和物粒子を含有する。
本実施形態に係るアルミナ粒子又はアルミナ水和物粒子は、平均長径が100nm以上、1000nm以下、かつ平均短径が1nm以上、10nm以下である。分散液の保存安定性や、フィラー性能の観点から、本実施形態に係るアルミナ粒子又はアルミナ水和物粒子は、平均長径が200nm以上、800nm以下で、平均短径が2nm以上、8nm以下であることが好ましい。
平均長径が1000nmを超える場合は、繊維状粒子同士の物理的な絡まりにより、分散液の保存安定性が低下すること及び、繊維の立体障害により樹脂への高充填が困難となる場合が有る。平均長径が100nm未満の場合は、繊維状形状由来の特徴が減少し、フィラーとしての性能が低下する場合が有る。粒子の平均短径が10nmを超える場合は、フィラーを添加した樹脂組成物の透明性が低下する場合が有る。粒子の平均短径が1nm未満である場合は、粒子が微小であるため、凝集し易くなり、それにより、粘度が増大し、保存安定性が低下する場合が有る。
次に、本実施形態のアルミナ分散液組成物の製造方法について説明する。本実施形態では、アルミニウムアルコレートを、有機酸水溶液又は無機酸水溶液で加水分解する工程、マグネシウム及びカルシウムから選ばれる1種又は2種の原子の存在下、100℃以上200℃以下で解膠する工程を行う。
アルミニウムアルコレートとしては、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムn-ブトキシド、アルミニウムsec-ブトキシドなどのアルミニウムアルコキシド、環状アルミニウムオリゴマー、ジイソプロポキシ(エチルアセトアセタト)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセタト)アルミニウムなどのアルミニウムキレートなどが例示される。
これらの化合物のうち、適度な加水分解性を有し、副生成物の除去が容易であることなどから、炭素数2~5のアルコキシル基を有するものが好ましい。また、これらのアルミニウムアルコレートの性状は、液体でも、粉末ないし顆粒状でもよい。純度は、特に限定されるものではないが、アルミナ分散液組成物の透明性をより高めることができるため、95%以上であることが好ましく、98%以上であることがより好ましい。
アルミニウムアルコレートの加水分解に使用する有機酸又は無機酸としては、塩酸、硝酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの一価の酸が好ましく、操作性、経済性の面で、酢酸がより好ましい。酸の使用量は、アルミニウムアルコレートに対し、0.1モル倍以上2.0モル倍以下であり、好ましくは0.2モル倍以上、1.1モル倍以下である。0.1モル倍未満の場合は、得られる粒子の平均長径が小さくなる場合が有り、2.0モル倍を超えると分散液組成物の経時安定性が低下する場合が有る。
加水分解の条件は特に限定されず当業者が適宜設定できるが、操作性などの観点から、100℃以下で、0.1及至3時間が好ましい。加水分解で生成したアルコールは、副反応の抑制の観点から、加水分解後に留去することが出来る。
加水分解するアルミニウムアルコレートの酸水溶液の固形分濃度は、粒子の平均長径の制御のしやすさや後の解膠処理における操作の容易性の観点から、2wt%以上、15wt%以下が好ましく、より好ましくは3wt%以上、10wt%以下である。
本実施形態においては、アルミニウムアルコレートの加水分解物を、マグネシウム及びカルシウムから選ばれる1種又は2種の原子の存在下、解膠する。また、本実施形態においては、アルミニウム原子に対してマグネシウム及びカルシウムから選ばれる1種又は2種の原子が0.2mol%以上、1.8mol%以下の存在下、解膠処理を行う。これにより、解膠により得られるアルミナ粒子またはアルミナ水和物粒子の長径方向の結晶成長を阻害し、特定形状の繊維長に制御することができる。好ましいマグネシウム及びカルシウムから選ばれる1種又は2種の原子の量はアルミニウム原子に対し0.5mol%以上、1.5mol%以下である。
マグネシウム及びカルシウムから選ばれる1種又は2種の原子の含有量が、0.2mol%未満であると、長径方向の成長阻害効果が十分ではなく、長径が1000nmを超える繊維状粒子が多く生成する場合が有り、1.8mol%を超えると、解膠中に反応液が増粘して撹拌性が低下する、1カ月未満で分散液組成物がゲル化してハンドリング性が大幅に低下する、または1カ月未満で凝集物の沈殿が生じアルミナ分散液組成物の保存安定性が低下する場合が有る。また、アルミナ分散液組成物中の異種金属量が1.8mol%より増加すると、樹脂に添加した際に透明性が低下する場合が有る。
マグネシウム、カルシウムの各金属イオンは金属塩として添加することができる。
上記金属イオンの塩としては、例えばギ酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、プロピオン酸マグネシウム、酪酸マグネシウムカルボン酸マグネシウム、ギ酸カルシウム、酢酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、酪酸カルシウムなどのカルボン酸カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウムなどが挙げられる。
また、マグネシウム及びカルシウムから選ばれる1種又は2種の原子を添加するタイミングは特に限定されず、当業者が適宜設定することができるが、例えば加水分解処理の前又は加水分解後に行うことができる。
本実施形態において、解膠処理は、100℃以上、200℃以下で行い、好ましくは110℃以上、180℃以下で処理する。加熱温度が100℃未満の場合は、反応に長時間を必要とし形成された結晶が撹拌により細分化されアルミナ分散液組成物の安定性が低下する場合が有り、200℃を超えるときは、高温、高圧に耐えられる容器を用いる必要が有り、経済的に難がある。加熱時間については特に限定されず、当業者が適宜設定できるが、0.1時間未満の場合、範囲内になる場合と比較して十分に結晶が成長せず粒子サイズが小さく、保存安定性が低くなる場合が有り、10時間を超える場合は、範囲内にある場合と比較して、形成された結晶が撹拌により細分化されアルミナ分散液組成物の安定性が低下することが有る。
当該解膠処理により、1次粒子径の長径が100nm以上、1000nm以下、短径が1nm以上、10nm以下である繊維状または針状のアルミナ粒子またはアルミナ水和物粒子が生成され、本実施形態のアルミナ分散液組成物を得ることができる。なお、本実施形態のアルミナ分散液組成物に含まれる分散媒は、該製造方法において用いた水とすることができる。
上述の製造方法により得られた本実施形態のアルミナ分散液組成物は、経時安定性に優れるため1ヶ月の期間、常温で静置したときに性状の変化がない。本明細書においては、性状の変化とは、凝集による沈殿物の析出、粘度の著しい上昇によるゲル化、および分散状態の変化に伴う透明性の著しい低下により不透明な部分を有するようになる、のうちいずれかが生じることをいう。これらの性状に変化が起こると透明樹脂に添加した際に、樹脂の透明性の低下、フィラー添加効果の低下又は、均一な樹脂混合物を得ることが出来ない場合が有る。
また、アルミナ分散液組成物中に短繊維と長繊維が混在していると、長径が1000nm以下の粒子を主成分とする上層と、長径が1000nmを超える粒子を主成分とする下層に、経時的な2層分離が生じるため、特に工業的に使用する場合に撹拌処理等で均一化する必要があり、工程が複雑化する場合がある。本実施形態のアルミナ分散液組成物は、1000nm以下の粒子を主成分とすることから、2層分離の発生が抑えられるために、取り扱いが容易となる。
また、上述の製造方法により得られた本実施形態のアルミナ分散液組成物にはアルミナ水和物粒子が含まれ、該アルミナ水和物の結晶系が、べーマイト又は擬ベーマイトである。結晶系が、べーマイト又は擬ベーマイトであることにより、特定の結晶面を選択的に成長させることで、粒子の形状制御が容易になり、特徴的な繊維形状の粒子が得られる。その結果、より優れたフィラー効果を有し、かつ樹脂へのより高充填が可能となるため、好ましい。
なお、本明細書において、ベーマイトとは、Al2O3・nH2O(n=1~2.5)で表され、X線回折チャートにおいて特有のピークパターン(JCPDS 21-1307)を示すものをいう。また、擬ベーマイトとは、Al2O3・nH2O(nは1より大きく、2.5以下)で表され、ベーマイトよりも結晶性が乏しく、過剰な水を(020)面の層間に含むものをいう。この擬ベーマイトのX線回折チャートはベーマイトよりもブロードな回折ピークを示すが、ベーマイトと擬ベーマイトはX線回折チャートで明確に区別のできるものではないので、本発明では特に区別しない。
本実施形態のアルミナ分散液組成物は、例えば、水溶性透明樹脂に混合することが出来る。また、常法に従いリン酸誘導体、スルホン酸誘導体やシランカップリング剤でアルミナ粒子又はアルミナ水和物粒子表面を修飾した後に、水溶媒から有機溶媒に溶媒置換を行うことで、有機溶媒に均一に分散したアルミナ分散液とすることが出来、非水溶性透明樹脂の高充填可能なフィラーとして用いることが出来る。
上述のリン酸誘導体としては、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ブチルピロホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、2-エチルヘキシルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、フェニルアシッドホスフェート、ジフェニルアシッドホスフェート、ベンジルアシッドホスフェート、n -オクチルアシッドホスフェート、(2-ヒドロキシエチル)メタクリレートアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、ビス(2-エチルへキシル)ホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、エチレングリコールモノエチルエーテルアシッドホスフェート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアシッドホスフェート、トリエチレングリコールモノブチルエーテルアシッドホスフェート、などのリン酸エステル類、エチルホスホン酸、ブチルホスホン酸、1,4-ブチレンジホスホン酸、n -オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、4-メトキシフェニルホスホン酸、(2-フェニルエチル)ホスホン酸、などのホスホン酸類が例示される。また、上述のスルホン酸誘導体としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸などのアルキルスルホン酸類、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸などの芳香族スルホン酸類、及びこれらの低級アルコールとのエステル類、アルカリ金属塩、アンモニウム塩などが例示される。
上述の表面修飾剤等を用いることにより置換可能な有機溶媒は、アルミナオルガノゾルを作製でき、対象となる樹脂に対する溶解性を有するものであれば特に限定されるものではなく、汎用のものを使用することができる。具体的にはペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n-ブタノールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサンなどの環状エーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの脂肪族ケトン類、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどの脂環式ケトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのグリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、などのエーテル類、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、などのアクリル酸類、ジクロロメタン、クロロホルム、などのハロゲン化炭化水素類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドンなどのN-アルキルアミド類、ニトロメタンやニトロベンゼンなどのニトロ化炭化水素類、アセトニトリルやベンゾニトリルなどのニトリル類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などが例示できる。
樹脂複合体の製造方法については特に限定されず、例えば、本実施形態のアルミナ分散液組成物と樹脂とを有機溶媒に溶解した溶液を混合撹拌し、混合物から溶媒のみを除去することにより、樹脂に均一に分散した樹脂複合体が作成できる。本実施形態のアルミナ分散液組成物は、フィラーとして例えばアルミナ含量が30wt%以上の高充填が可能であり、高透明性を維持して線熱膨張率等の樹脂物性を向上させることが出来る。
本実施形態のアルミナ分散液組成物は、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアセタール系樹脂に配合することにより樹脂複合体を得ることが出来る。
本実施形態のアルミナ分散液組成物と樹脂を溶解する有機溶媒は、特に限定はなく、対象となる樹脂に対する溶解性を有するものであれば任意の物を使用することができる。
樹脂複合体への本実施形態のアルミナ分散液組成物の添加量は、特に限定されないが、得られる樹脂複合体の透明性や物性、及びフィラー効果などを考慮すると、アルミナ含量で20wt%以上、60wt%以下であることが好ましく、より好ましくは30wt%以上、50wt%以下である。
以上、本実施形態に係る方法においては、アルミニウムアルコレートを、有機酸水溶液又は、無機酸水溶液で加水分解する工程、マグネシウム及びカルシウムから選ばれる1種又は2種の原子の存在下、100℃以上200℃以下で解膠する工程を行い、粒子形成の解膠時に微量の異種金属を共存させ、長径方向の結晶成長が阻害して繊維長を制御することで、特定の繊維状もしくは針状形状を有するアルミナ粒子又はアルミナ水和物粒子を高収率で得られる。
すなわち、本実施形態に係る方法によれば、長径が100nm以上、1000nm以下、短径が1nm以上、10nm以下であり、繊維状もしくは針状の形状を有するアルミナ粒子又はアルミナ水和物粒子を含む分散液組成物であって、アルミニウム原子に対してマグネシウム及びカルシウムから選ばれる1種又は2種の原子を0.2mol%以上、1.8mol%以下含み、さらにアルミニウム原子に対して、有機酸又は無機酸を0.1当量以上、2.0当量以下含み、分散媒が水であり、常温で1ヶ月間性状が変化しない本実施形態のアルミナ分散液組成物を提供することができる。
本実施形態のアルミナ分散液組成物は、透明樹脂へ添加して用いることにより線熱膨張率の低下、樹脂強度の上昇、透明性を低下させないといった優れたフィラー効果を有し、かつ透明樹脂への高充填が可能である。さらに、常温で1ヶ月間性状が変化しないため、フィラーとしての取り扱いが容易である。
よって、本実施形態のアルミナ分散液組成物は透明樹脂用フィラー組成物とすることが好ましい。
次に、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
以下の実施例において、繊維状粒子の平均長径及び平均短径は、電子顕微鏡写真から無作為に選んだ20サンプルのそれぞれの数平均値で示した。また、アルミナ分散液の1ヶ月間の性状変化、及び2層分離の有無を目視にて確認した。
性状変化
〇:1ヶ月後も性状に変化がなく(析出、透明性低下及びゲル化のいずれも生じていない)、安定性良好
×:1ヶ月以内に析出、透明性低下またはゲル化が発生
2層分離
〇:1ヶ月後も2層分離がなく、安定性良好
×:1ヶ月以内に2層分離が発生
樹脂複合体の作成は光硬化性のアクリル樹脂モノマーにアルミナ分散液を混合し、溶媒を乾燥した後にUV(365nm)を3分間照射して硬化フィルムを作成した。得られた硬化フィルムの可視光透過率(600nm)、線熱膨張率(120~160℃)を測定した。また、得られた硬化フィルムの膜均一性を目視にて確認した。
線熱膨張率は、測定温度:30℃~200℃、昇温:10℃/min、ホールド時間:1min、荷重:20mN、空気雰囲気下、繰り返し測定の2回目の測定データを用いた。
膜均一性
〇:全体が一様で均一性良好
×:一部に凝集、濁りがある
測定装置については、以下の装置を使用した。
・走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製、S―4800)
・遠心分離機(アズワン製、CN―2060)
・UV照射装置(朝日分光製、CL-1501)
・紫外可視分光光度計(島津製作所製、UV―1800)
・熱機械分析装置(リガク製、TMA-8310)
[実施例1]
1Lの四つ口フラスコに、イオン交換水500g、酢酸35.7g(0.593mol)を取り、撹拌しながら、アルミニウムイソポロポキシド110g(0.539mol)を加え発生したイソプロピルアルコールを留去した。反応液を、電磁撹拌式のオートクレーブに移し、撹拌しながら、酢酸マグネシウム四水和物0.87g(0.75mol%-アルミニウム)を加え、その後150℃で、3時間反応を行い実施例1のアルミナ分散液組成物を得た。
得られた実施例1のアルミナ分散液組成物に含まれる繊維状粒子の形状は平均短径が8nm、平均長径が490nmであった。また、実施例1のアルミナ分散液組成物は1か月後も性状変化、及び2層分離が無く、保存安定性が良好であった。
[実施例2]
酢酸マグネシウム四水和物を、1.16g(1.00mol%-アルミニウム)とした以外は実施例1と同様に操作し実施例2のアルミナ分散液組成物を得た。
得られた実施例2のアルミナ分散液組成物に含まれる繊維状粒子の形状は平均短径が7nm、平均長径が430nmであった。また、実施例2のアルミナ分散液組成物は1ヶ月後も性状変化、及び2層分離が無く、保存安定性が良好であった。図1に、実施例2のアルミナ分散液組成物の走査型電子顕微鏡画像を示す。
[実施例3]
酢酸マグネシウム四水和物を、1.74g(1.50mol%-アルミニウム)とした以外は実施例1と同様に操作し実施例3のアルミナ分散液組成物を得た。
得られた実施例3のアルミナ分散液組成物に含まれる繊維状粒子の形状は平均短径が7nm、平均長径が480nmであった。また、実施例3のアルミナ分散液組成物は1ヶ月後も性状変化、及び2層分離が無く、保存安定性が良好であった。
[実施例4]
酢酸マグネシウム四水和物を、0.58g(0.50mol%-アルミニウム)、オートクレーブでの反応時間を、6時間とした以外は実施例1と同様に操作し、実施例4のアルミナ分散液組成物を得た。
得られた実施例4のアルミナ分散液組成物に含まれる繊維状粒子の形状は平均短径が8nm、平均長径が500nmであった。また、実施例4のアルミナ分散液組成物は1ヶ月後も性状変化、及び2層分離が無く、保存安定性が良好であった。
[比較例1]
1Lの四つ口フラスコに、イオン交換水500g、酢酸35.7g(0.593mol)を取り、撹拌しながらアルミニウムイソポロポキシド110g(0.539mol)を加え発生したイソプロピルアルコールを留去した。反応液を、電磁撹拌式のオートクレーブに移し、撹拌しながら、150℃で、3時間反応を行い比較例1のアルミナ分散液組成物を得た。
得られた比較例1のアルミナ分散液組成物に含まれる繊維状粒子の形状は平均短径が6nm、平均長径が1590nmであった。図2に、比較例1のアルミナ分散液組成物の走査型電子顕微鏡画像を示す。また、比較例1のアルミナ分散液組成物は1ヶ月後も性状変化が無かったものの、2層分離が生じた。
[比較例2]
酢酸マグネシウム四水和物を、0.12g(0.10mol%-アルミニウム)とした以外は実施例1と同様に操作し比較例2のアルミナ分散液組成物を得た。
得られた比較例2のアルミナ分散液組成物に含まれる繊維状粒子の形状は平均短径が8nm、平均長径が1220nmであった。また、比較例2のアルミナ分散液組成物は1ヶ月後も性状変化が無かったものの、2層分離が生じた。
[比較例3]
酢酸マグネシウム四水和物を、2.32g(2.00mol%-アルミニウム)とした以外は実施例1と同様に操作し、比較例3のアルミナ分散液組成物を得た。
得られた比較例3のアルミナ分散液組成物に含まれる繊維状粒子の形状は平均短径が8nm、平均長径が340nmであった。また、比較例3のアルミナ分散液組成物は1ヶ月未満で粘度上昇によりゲル化した。
[実施例A]
得られたアルミナ分散液を用いてアクリル樹脂複合体を作成した。
実施例2で得られたアルミナ分散液を300g、メチルイソブチルケトンを300g、およびドデシルベンゼンスルホン酸を7.5gと混合し、ディーンスターク装置を使用して脱水処理を行い、アルミナ粒子のメチルイソブチルケトン分散液を得た。分散液中のアルミナ濃度は、5.0質量%であった。このメチルイソブチルケトン分散液を6g、アクリル樹脂モノマーのA-BPE-4(新中村化学工業製)を0.7g、光開始剤として1-ベンゾフェノンを0.014g混合後、PETフィルム上にキャストし、80℃のホットプレート上に乗せて溶媒を除去した。その後、UV照射機(365nm)で3分間照射して硬化し、アルミナ含量30wt%のアクリル樹脂複合フィルムを得た。得られたアクリル樹脂複合フィルムは均一であり、線熱膨張率は70ppm/℃、透過率は88%であった。
[比較例A]
アルミナ分散液を比較例1で得られたものとした以外は実施例Aと同様の操作をし、アルミナ含量30wt%のアクリル樹脂複合フィルムを得た。得られたアクリル樹脂複合フィルムはフィラーの凝集による不透明部分があり、不均一であった。フィルムが脆いため、線熱膨張率は測定出来なかった。透過率は62%であった。
[参考例1]
アルミゾル-A2(川研ファインケミカル製、長径50nm、短径10nm、結晶形:ベーマイト、アルミナ濃度10wt%)を150g、メルイソブチルケトンを300g、およびドデシルベンゼンスルホン酸を7.5gと混合し、ディーンスターク装置を使用して脱水処理を行い、アルミナ粒子のメチルイソブチルケトン分散液を得た。分散液中のアルミナ濃度は、5.0質量%であった。このメチルイソブチルケトン分散液を用いて、実施例Aと同様の操作で、アルミナ含量30wt%のアクリル樹脂複合フィルムを得た。得られたアクリル樹脂複合フィルムは均一であり、線熱膨張率は161ppm/℃、透過率は86%であった。
[参考例2]
アクリル樹脂モノマーのA-BPE-4(新中村化学工業製)を1.0g、光開始剤としてベンゾフェノンを0.02g混合後、PETフィルム上にキャストし、UV照射機(365nm)で3分間照射して硬化し、アルミナ粒子が無添加のアクリル樹脂フィルムを得た。得られたアクリル樹脂フィルムは均一であり、線熱膨張率は204ppm/℃、透過率は90%であった。
実施例及び比較例のアルミナ分散液組成物の評価結果を表1に示す。
また、実施例1~4のアルミナ分散液組成物に含まれるアルミナ水和物粒子の凍結乾燥粉末のX線回折測定により、アルミナ水和物粒子の結晶形を決定した。X線回折測定は、回折角2θ=3~90°、管球:Cu、管電圧:40kV、管電流:30mA、サンプリング幅:0.020°、走査速度:4.0°/min、入射スリット:5.0°、受光スリット:0.114°で測定した。測定装置についてはX線回折装置(リガク製、SmartLab)を使用した。
実施例1~4のアルミナ分散液組成物に含まれるアルミナ水和物粒子の結晶系は、ベーマイトもしくは擬ベーマイトであり、14.5°付近の(020)面ピーク及び28.5°付近の(120)面ピークなど、ベーマイト構造特有のピークパターン(JCPDS 21-1307)が確認された。
実施例及び比較例で作成したアルミナ分散液組成物を混合した樹脂複合体の評価結果を表2に示す。
以上、表1から明らかなように、本発明の方法によれば、長径が100nm以上、1000nm以下、短径が1nm以上、10nm以下で、アルミニウム原子に対して、マグネシウム及びカルシウムから選ばれる1種又は2種の原子を、0.2mol%以上、1.8mol%以下含み、アルミニウム原子に対して、有機酸又は、無機酸を0.1当量以上、2.0当量以下含み、分散媒が水であり、常温で1ヶ月間性状の変化が無いことを特徴とする、アルミナ分散液組成物が得られる。
さらに、表2から明らかなように、本発明のアルミナ分散液組成物は、樹脂への高充填が可能であり、樹脂複合体の透明性を維持しながら、線熱膨張率の高い抑制効果を付与することができる。
本発明のアルミナ分散液組成物は、例えば、液晶、有機ELなどのディスプレーや電子機器配線基盤用途の樹脂基材の耐熱性、低熱膨張性、熱伝導性の特性向上のための添加フィラーとして、特段の効能効果を付与することが出来る。

Claims (4)

  1. 分散媒と、前記分散媒に分散しており、繊維状もしくは針状の形状を有するアルミナ粒子又はアルミナ水和物粒子を含み、以下の(A)~(E)の全てを満たす分散液組成物。
    (A)アルミナ粒子又はアルミナ水和物粒子の1次粒子径の長径が100nm以上、1000nm以下、短径が1nm以上、10nm以下、
    (B)アルミニウム原子に対して、マグネシウムおよびカルシウムから選ばれる1種又は2種の原子を、0.2mol%以上、1.8mol%以下含む、
    (C)アルミニウム原子に対して、有機酸又は無機酸を0.1当量以上、2.0当量以下含む、
    (D)分散媒が水、
    (E)常温で1ヶ月間性状が変化しない。
  2. アルミナ水和物粒子を含み、該アルミナ水和物の結晶系がべーマイトまたは擬ベーマイトである、請求項1に記載の分散液組成物。
  3. 透明樹脂に混合されるフィラーとして使用される、請求項1または2に記載の分散液組成物。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の分散液組成物の製造方法であって、
    アルミニウムアルコレートを、有機酸水溶液又は無機酸水溶液で加水分解する工程、
    得られた加水分解物を、マグネシウムおよびカルシウムから選ばれる1種又は2種の原子の存在下、100℃以上200℃以下で解膠する工程を含み、
    前記加水分解工程において、アルミニウム原子に対し有機酸又は無機酸が0.1当量以上、2.0当量以下存在しており、
    前記解膠工程において、アルミニウム原子に対しマグネシウムおよびカルシウムから選ばれる1種又は2種の原子が0.2mol%以上、1.8mol%以下存在する、前記製造方法。
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