JP2023140884A - 2層分離型粉体含有水性化粧料 - Google Patents

2層分離型粉体含有水性化粧料 Download PDF

Info

Publication number
JP2023140884A
JP2023140884A JP2022046933A JP2022046933A JP2023140884A JP 2023140884 A JP2023140884 A JP 2023140884A JP 2022046933 A JP2022046933 A JP 2022046933A JP 2022046933 A JP2022046933 A JP 2022046933A JP 2023140884 A JP2023140884 A JP 2023140884A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
water
layer
cosmetic
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2022046933A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7346642B1 (ja
Inventor
佐千子 木谷(東方)
Kitani, (Toho) Sachiko
理沙 内田
Risa Uchida
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Naris Cosmetics Co Ltd
Original Assignee
Naris Cosmetics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Naris Cosmetics Co Ltd filed Critical Naris Cosmetics Co Ltd
Priority to JP2022046933A priority Critical patent/JP7346642B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7346642B1 publication Critical patent/JP7346642B1/ja
Publication of JP2023140884A publication Critical patent/JP2023140884A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Abstract

【課題】静置時に透明な水層と粉体層に分離しながらも、ケーキングを抑制し、皮脂となじんでよれることない2層分離型粉体含有水性化粧料を提供することを課題とする。【解決手段】次の成分A~D(A)水(B)マイクロゲルを形成する水溶性重縮合ポリマー(C)光輝性粉体(D)平均粒子径が1μm以上の親水性粉体を含有し、6時間以上静置した時の水層が透明で、かつ化粧料全体を均一にした時の20℃における粘度が100mPa・s以下である2層分離型粉体含有水性化粧料において、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。【選択図】なし

Description

本発明は、2層以上に分離する水性化粧料に関し、さらに詳細には、軽く振とうすることで使用中の均一性が維持される2層分離型粉体含有水性化粧料である。加えて外観的には、静置することで透明な水層と粉体層に明瞭に分離する審美性の高い化粧料である。しかも、低粘度で分離しやすいにも関わらず、粉体のケーキング抑制効果が高い2層分離型粉体含有水性化粧料に関する。
アイシャドウ、チーク、化粧下地等のメイクアップ化粧料には、粉体とオイルを混ぜ合わせてプレスし成形したパウダータイプや、油系のジェルタイプ、乳化したクリームタイプ等が知られている。
これらの剤型では、多量の不揮発性油分が含まれていることにより、皮脂となじんで経時でよれてしまい、化粧持続効果に課題があった。その点、水性のメイクアップ化粧料は実質、油分を含まないため、皮脂となじむことがなく、よれにくいという点で優れている。
メイクアップ化粧料では鮮やかで華やかに見せるためや肌を明るく見せるために、光輝性の高いパール顔料やラメ顔料といった光輝性粉体を配合することが好適である。
以上から、光輝性粉体を配合した水性化粧料は皮脂となじんでよれることないメイクアップ化粧料として有用である。
一方、水おしろいに代表される低粘度の2層分離型粉体含有水性化粧料は、静置したときに透明な水層と粉体層の2層に分離し、高い審美性を示すことが特徴である。これらは、下層に粉体層を有する粉体沈降型の2層分離型粉体含有水性化粧料である。例えば光輝性粉体であるパール顔料を配合することで、振とうすると組成物中にパール顔料が浮遊している様子が美しいことから、審美性がさらに向上する。このように使用者にとって、振とうして使用することは2層分離型粉体含有水性化粧料の楽しみの一つであり、積極性や高揚感の向上といった好ましい心理的影響をもたらしうる。
しかし、このような粉体を含有する2層分離型粉体含有水性化粧料には、長期保存時に粉体が固着を起こすことが多く、使用時に振とうしても容易に再分散ができない状態となるいわゆる「ケーキング」を起こしやすいという課題がある。特に、アイシャドウ等のポイントメイクアップ化粧料には、目元の印象を高め、華やかな仕上がりを得るために多量の光輝性粉体を配合することが多い。光輝性粉体は、ほとんどの場合に高比重であり、通常の粉体と比べて粒子径が大きく粒子形状が高アスペクト比で扁平であるため、沈降時に配向しやすく、粒子同士の固着が起こりやすい。つまり、多量の光輝性粉体を配合した2層分離型粉体含有水性化粧料においては、通常よりケーキングしやすいという課題があった。この課題を解決するため、種々の提案がなされている。特許文献1では、ケーキング抑制を目的として水膨潤性の粘土鉱物を配合しているが、光輝性粉体が必須成分でなく、明確に2層に分離するといった様な外観の審美性に関する言及もない。また、実質、多量のアルコールを必須成分とした技術であり、アルコールを多量に配合することは肌の乾燥感や刺激の原因となることから、好ましくない。特許文献2では、デキストリン脂肪酸エステル被覆粉体を使用してケーキングの課題を解決しているが、この表面被覆剤では皮脂となじんでしまい、よれにくさの点においては不十分なものである。
また、近年、静置時に透明な水層と粉体層に分離し、多量のパール顔料を含有する低粘度の2層分離型粉体含有水性化粧料が上市されている。しかし、この組成物自体では、ケーキング抑制効果が不十分なため、化粧料中にステンレス球をいれて、使用時の攪拌効率を上げる仕様を施している。ところがそのケーキング抑制効果も不十分であり、簡単にケーキングが発生し、使用時には長時間、強く振とうする必要がある。さらに、水性組成物中にステンレス球をいれることは、まれにではあるが塩類等の成分を配合することによる錆の発生等のリスクがあるため、塩類やカチオン成分等の配合が制限される。また、ステンレス球をいれることにより製品コストが上がるため、組成物のみでケーキングを抑制することがのぞましい。
これらの理由から、多量の光輝性粉体を含有する低粘度の2層分離型粉体含有水性化粧料で、皮脂になじんでよれることなく、かつ十分なケーキング抑制効果を持った組成物が求められている。
また、使用性に関しては、粉体の沈降速度が極端に速いと使用中の均一性を維持できないという問題がある。2層分離型粉体含有水性化粧料は使用時に振とうして均一にするため、粉体の沈降速度が極端に速いと、重ね使い等の際に何度も振とうしなければならない。そのため、一般的な使用状況を考えると、少なくとも3分は組成物の均一性を維持しておくことが望ましい。
ケーキングと均一性の課題に対して、特許文献3のように水溶性高分子を配合して水層を増粘するという方法が知られているが、水層を増粘させることによって粉体中の微小粒子の沈降が著しく遅くなり、水層が不透明な状態になる。そのため、審美性において、静置時の分離状態が明瞭でないという課題が残り不十分である。つまり、水層と粉体層の分離を明瞭にするという審美性のためには、低粘度である必要があるが、低粘度だとケーキングしやすく使用時の均一性維持との両立が非常に難しい。
以上のことから、静置時に透明な水層と粉体層の2層に分離しながらもケーキングを抑制し、皮脂となじんでよれることなく、さらに外観の審美性と使用性の両立ができる化粧料が求められてきた。
特開平8-259434 特開2017-160191 特開2002-249417
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、静置時に透明な水層と粉体層に分離し、よれにくくケーキング抑制効果に優れ、さらに外観の審美性と使用性の両立ができる2層分離型粉体含有水性化粧料を提供することを課題とする。
上記目的を達成するため、本発明者が、鋭意研究した結果、
次の成分A~D
(A)水
(B)マイクロゲルを形成する水溶性重縮合ポリマー
(C)光輝性粉体
(D)平均粒子径が1μm以上の親水性粉体
を含有し、6時間以上静置した時の水層が透明で、かつ化粧料全体を均一にした時の20℃における粘度が100mPa・s以下である2層分離型粉体含有水性化粧料において、上記の課題を解決できることを見出した。
さらに詳細には、これらの水溶性重縮合ポリマーで形成されたマイクロゲルは弾力性があるため、沈降した光輝性粉体や親水性粉体の間隙を埋めることで、ケーキングを抑制することができる。
本発明によれば、静置時に透明な水層と粉体層に分離し、皮脂となじんでよれることなく、ケーキング抑制効果に優れ、さらに使用性との両立ができる2層分離型粉体含有水性化粧料を提供することができる。
以下、本発明について更に詳しく説明する。なお、特段注釈のない限り、以下で成分の配合量を「%」で表示する場合は質量%を意味する。
本発明の2層分離型粉体含有水性化粧料は、実質上油分を含有しない組成物のことであり、さらに具体的には油分が1%以下の組成物のことである。
本発明の油分は、水と相分離する疎水性の物質であり、金属や塩、鉱物等を除いたものである。
本発明に用いる成分(A)水は、イオン交換水や精製水であってもよい。水溶性の保湿成分やエキスを配合することもできる。
本発明に用いる成分(B)マイクロゲルを形成する水溶性重縮合ポリマーは、水に溶解した際に透明なマイクロゲルを形成することを特徴とする。マイクロゲルとは、微小な水和ゲルで、例えば元々の粒子状態が保持されたまま水で膨潤し水和したポリマーの状態や、寒天様の崩壊性のゲルを破砕したもの等をさす。
一般的には、水溶性高分子である水溶性重縮合ポリマーの溶解時の分子状態には2種あることが知られている。まず1つ目は、溶解した水溶性重縮合ポリマーが線状であり主に水溶性重縮合ポリマーの絡まりあいにより増粘するもので、例えばヒドロキシエチルセルロースや、キサンタンガムが挙げられる。この場合の増粘物の特徴は配合量に比例して増粘することが多く、低粘度の場合は比較的ニュートン流動に近い挙動を示すためケーキングの発生を抑制することは難しい。
2つ目は、本発明で使用する水溶性重縮合ポリマーのように、例えば100μm以下の大きさのマイクロゲルを形成して溶解または分散している状態である。
なかでもカルボキシビニルポリマーやアルキル変性カルボキシビニルポリマーの中和物の溶解状態がよく知られている。粉末状態のカルボキシビニルポリマーに水を添加すると、小さく凝集していた粒子状態が徐々にほどけて水和が進行する。さらに塩基で中和することで、分子中のカルボキシル基のアニオン荷電の相互反発により水溶化するが、元々の粒子状態は保持されており水で膨潤したマイクロゲルを形成して水溶化している。そのマイクロゲル同士の相互作用により増粘する。また、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロースや、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマーのように一次粒子が水和、膨潤しマイクロゲル構造となり水溶化するものもある。
さらに、寒天やカラギーナンの希薄溶液を加熱溶解した後、放置冷却し固化した水性ゲル、脱アシル化ジェランガム溶液に2価の塩類で架橋した水性ゲルを破砕することでマイクロゲルを作ることもできる。
これら成分(B)マイクロゲルを形成する水溶性重縮合ポリマーは、特に限定されず、合成、半合成、天然のいずれであってもよく、用途に応じて適宜選択されて良い。マイクロゲル粒子は、水和した重縮合ポリマーが単粒子化したもの、またはその単粒子同士が連なったもののいずれも包含する一方、単粒子化される前の網目構造を有する凝集体は包含しない。マイクロゲルを形成する水溶性重縮合ポリマーは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用しても良い。
本発明で使用するマイクロゲルを形成する合成水溶性重縮合ポリマーとしては、カルボキシビニルポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体等が挙げられる。
半合成水溶性重縮合ポリマーとしては、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプン・アクリル酸ナトリウムグラフト重合体、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。
天然水溶性重縮合ポリマーとしては、リボース、キシロース、ラムノース、フコース、グルコース、マンノース、グルクロン酸、グルコン酸等の単糖類の中からいくつかの糖を構成要素とした多糖類であるアラビアゴム、カラギーナン、フコイダン、ジェランガム、フコゲル、デンプン等が挙げられる。
これらの中でも特に、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー、または疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が好ましい。
上記成分(B)マイクロゲルを形成する水溶性重縮合ポリマーの具体的な商品名は、カルボキシビニルポリマーとしてはハイビスワコー 104(和光純薬工業社製)、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体としては、PEMULEN TR-1 POLYMER、PEMULEN TR-2 POLYMER、(ともにLUBRIZOL社製)、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマーとしては、ARISTOFLEX AVC(クラリアントジャパン社製)、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、サンジェロース 60L(大同化成工業社製)等が挙げられる。
上記成分(B)マイクロゲルを形成する水溶性重縮合ポリマーの配合量は特に限定されることはないが、最終組成物である2層分離型粉体含有水性化粧料の20℃での粘度が100mPa・s以下であるように配合量を調整する必要がある。
本発明に用いる成分(C)光輝性粉体は、光の反射、干渉、拡散等により光沢を有する粉体であり、パール顔料、ラメ顔料等があげられる。
本発明に用いる成分(C)光輝性粉体とは、真珠様光沢を高めるためにコア粒子の表面にコーティング層を有しているものも挙げられる。コーティング層は、例えば二酸化チタン、酸化鉄等の金属酸化物、又は無色金属等から構成され、コア粒子の材質としては例えば、雲母(マイカ)、合成金雲母、ガラス末等が挙げられる。
上記成分(C)光輝性粉体の具体例としては、例えば、雲母(マイカ)、合成金雲母、ガラス末、酸化チタン被覆ガラス末、酸化チタン被覆合成金雲母、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、酸化鉄被覆ガラス末、酸化鉄処理雲母、黒酸化鉄被覆雲母、黒酸化鉄被覆雲母チタン、黄酸化鉄被覆雲母、酸化鉄・黒酸化鉄被覆雲母チタン、酸化鉄・紺青被覆雲母チタン、コンジョウ被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン、カルミン・コンジョウ被覆雲母チタン、酸化鉄・カルミン被覆雲母チタン、酸化鉄・コンジョウ被覆雲母チタン、酸化クロム被覆雲母チタン、黒酸化チタン被覆雲母チタン、魚鱗箔、酸化鉄被覆雲母、有機顔料被覆雲母チタン、多層被覆雲母チタン、ケイ酸・酸化チタン被覆雲母等が挙げられる。
これらの中でも特に、雲母(マイカ)、合成金雲母、ガラス末、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、酸化チタン被覆合成金雲母、酸化鉄被覆合成金雲母、酸化チタン被覆ガラス末、または酸化鉄被覆ガラス末等が好ましい。
上記成分(C)光輝性粉体の具体的な商品名は、酸化チタン被覆合成金雲母としては、TWINCLEPEARLシリーズ(日本光研工業社製)、Heliosシリーズ(トピー工業社製)、酸化鉄被覆雲母としては、FANTASPEARL 1060T-WR(日本光研工業社製)、酸化鉄被覆雲母チタンとしては、GEMTONE TAN OPAL、Cloisonne Nu-Antique Cupper 340XB(ともにBASFジャパン社製)、黒酸化鉄被覆雲母チタンとしては、MICA BLACK(メルク・ジャパン社製)、酸化チタン被覆ガラス末としては、マイクログラスメタシャインシリーズ(日本板硝子社製)等が挙げられる。
上記成分(C)光輝性粉体の配合量は特に限定されることはないが、好ましくは、1~40%、さらに好ましくは5~30%である。この範囲であれば、水層と粉体層の境界が明瞭であり、使用時に光輝性粉体の発色が保たれる。
上記成分(D)平均粒子径が1μm以上の親水性粉体とは、ヘキサン10g/水10gに、粉体を1g添加し、超音波で分散させたときに、水層に分散される粉体を意味し、ヘキサン層に分散される粉体は疎水性粉体であると定義する。
本発明の用いる親水性粉体は平均粒子径が1μm以上であれば、その形(球状、棒状、針状、板状、不定形状、鱗片状、紡錘状等)や粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができる。平均粒子径が1μm未満の親水性粉体は粉体が沈降しにくく不適である。
さらに詳しくは、使用する親水性粉体の粒子径について、いわゆる微粒子粉体を除くものとするために下限平均粒子径を1μmとする。一般的に粒子径1μm未満の微粒子粉体については、水中に分散した場合、単なる重力による沈降よりも沈降速度が遅くなる。その速度は粒子径が小さいほど、比表面積や表面エネルギーが増大するため物性が顕著に変化し遅くなると考えられる。具体的な原因としては、粒子の荷電反発、ブラウン運動、ストークスの式による沈降挙動などによるもので、沈降速度が著しく低下することが知られている。本発明の組成物は、沈降速度が十分でないと分離した際に、水層中の粒子により透明度の低下が起こるので審美性を確保できない。以上の理由から本発明では、平均粒子径を1μm以上にすることで沈降速度の低下を防ぐことができ、水層が十分な透明度をもつ組成物とすることができる。
粉体粒子の粒子径又は平均粒子径は、原料メーカーから提供された値を用いる。あるいは、レーザー回析/散乱法を用いて、エタノールを分散媒として、レーザー回析散乱式粒度分布測定器(例えば、堀場製作所製、LA-920)で測定して算出することもでき、この場合の平均粒子径は粒度分布の体積分布から求めた50%径をいう。
上記成分(D)平均粒子径が1μm以上の親水性粉体の具体例としては、無水ケイ酸、タルク、カオリン、結晶セルロース等が挙げられる。
上記成分(D)平均粒子径が1μm以上の親水性粉体の具体的な商品名は、無水ケイ酸としては、SILNOS 130(ABCナノテック社製)やサンスフェアNP-100(旭硝子エスアイテック社製)、タルクとしては、CHINESE TALC J200(GUILIN GUIGUANG TALC社製)や食添 タルクMS(日本タルク社製)、カオリンとしては、カオリンJP-100(竹原化学鉱業社製)、結晶セルロースとしては、セオラスPH-101(旭化成ケミカルズ社製)等が挙げられる。
上記成分(D)平均粒子径が1μm以上の親水性粉体の配合量は特に限定されることはないが、好ましくは、0.5~6%、より好ましくは1~4%である。
本発明の組成物は20℃で3時間以上静置し、測定前に振とうして均一にした試料を東機産業社製、B型粘度計:VISCOMETER TVB-10、M1ローター、60rpmの回転数で、60秒の測定時間の条件で測定した粘度が100mPa・s以下のものである。好ましくは、5~75mPa・s、より好ましくは10~50mPa・sである。この範囲であれば、静置時に短時間で透明な水層と粉体層に明瞭に分離し、さらに容易に振とうして均一にすることができ、審美性に優れた2層分離型粉体含有水性化粧料を得ることができる。
本発明の組成物には、上記の必須成分のほかに、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じ一般的に化粧料等に用いられる成分を配合することも可能である。例えば、保湿剤、界面活性剤、香料、殺菌剤、防腐剤、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、紫外線吸収剤、染料、抗炎症剤、抗酸化剤、清涼剤、生薬抽出物やビタミン類等の添加物を適宜配合することができる。これら成分を含有させる場合の配合割合は、その種類や目的に応じて適宜選択することができ、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組合せて用いることもできる。しかし、審美性の面から、水へ溶解させる場合は溶解時に水層が透明であるものを選択することが望ましく、着色透明であっても良い。
本発明の粉体含有化粧料は、アイシャドウ、チーク、ハイライト、化粧下地等に用いることができる。アイシャドウやチーク、ハイライトでは、フロッキーチップ付きの容器を用いることが好適である。また、化粧下地等には、パフを用いて塗布する方法も可能である。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に説明する。なお、これら実施例は本発明を何ら限定するものではない。
表1に示す処方により、ディスパーにて均一分散させたのち、減圧下で脱気し、2層分離型粉体含有水性化粧料を調製した。
<粘度>
粘度はガラス製、内径3.8cm、高さ10cmの円柱容器に評価試料を100g入れ、20℃で3時間以上静置し、測定前に振とうして均一にした試料を東機産業社製、B型粘度計:VISCOMETER TVB-10、M1ローター、60rpmの回転数で、60秒の測定時間の条件で評価試料の粘度を測定した。
<審美性評価試験>
透明なポリエチレンテレフタレート製、内径3.2cmの円柱容器に評価試料を底部から5cm充填し、評価試料を振とうして均一にしたのち、室温で6時間後の状態を評価した。分離した水層の透過度を分光光度計(島津製作所社製、UV-VISIBLE SPECTROPHOTOMETER UV-2450)と、石英セル(石英ガラス製、光路長1.0cm)を用いて、波長660nmで測定し、透過率を算出した。
透過率が95%以上:◎
透過率が85%以上、95%未満:〇
透過率が85%未満:×
<均一性維持(使用性)評価試験>
ポリエチレンテレフタレート製、内径3.2cmの円柱容器に評価試料を底部から5cm充填し、評価試料を振とうして均一にしたのち、上層に水層が3mm出てくるまでの時間を目視で確認し、測定した。
3分以上:◎
1分30秒以上、3分未満:〇
30秒以上、1分30秒未満:△
30秒未満:×
<ケーキング抑制評価試験>
ポリプロピレン製のエッペンチューブ(Eppendorf社製、容量1.5ml)に評価試料を1mlいれ、遠心分離機(フナコシ社製、どこでも回転くんDuo)を用いて6500rpmで10分間遠心したのち、振とう機(TAITEC社製、RECIPRO SHAKER NR-10)にチューブたてに立てたエッペンチューブを寝かせる向きに固定した。振とう速度100r/minで振とうし、エッペンチューブを反転して粉体が底部に固着していないかを目視で確認し、固着が無ければ評価試料が均一であると判断し、評価試料が均一になるまでの振とう時間を測定した。
1分未満:◎
1分以上から2分未満:〇
2分以上から5分未満:△
5分以上:×
表1からわかるように、本発明の成分を配合した実施例1~6では、水層の透明度が高く審美性に優れ、使用中の均一性(使用性)が維持され、ケーキング抑制効果があり、さらに油分を含まないためよれにくい試料を得ることができた。
比較例1について、マイクロゲルを形成しない水溶性重縮合ポリマーであるキサンタンガムを配合した場合は、粉体が底部で固着し、ケーキングが発生した。さらに分離した水層のわずかな粘度上昇により粉体の沈降が遅くなるため、水層の透明度が低下し、審美性が劣る結果となった。
比較例2について、ケーキング抑制効果を得るために水膨潤性粘土鉱物であるベントナイトを配合した場合は、十分なケーキング抑制効果は得られなかった。さらに水層の透明度が低くなり審美性が劣る結果だった。
比較例3について、平均粒子径が1μm未満の微粒子親水性粉体である煙霧状シリカ(平均粒子径0.01μm)を配合した場合についても、微粒子成分が沈降せず水層が透明にならないため、審美性が劣る結果となった。
比較例4について、成分(B)マイクロゲルを形成する水溶性重縮合ポリマーを除くと、沈降した粉体内の間隙に入り込むこむものがなく、ケーキング抑制効果が顕著に低下した。
比較例5について、成分(D)平均粒子径が1μm以上の親水性粉体を除くと、高比重である光輝性粉体の沈降速度が速いため水層と粉体層の分離がすぐに始まってしまい、均一性維持効果が低くなった。さらに粉体層中で光輝性粉体の比率が高くなり、わずかにケーキングが見られた。
比較例6について、成分(B)マイクロゲルを形成する水溶性重縮合ポリマー、(D)平均粒子径が1μm以上の親水性粉体を除いた場合は、均一性の維持およびケーキング抑制効果が不十分であった。
さらに、比較例7について、粘度が100mPa・sより高くなると、粘度が高いために粉体の沈降速度が極端に遅くなり、審美性が低くなった。
以上から、成分(B)マイクロゲルを形成する水溶性重縮合ポリマー、(D)平均粒子径が1μm以上の親水性粉体を含有し、粘度が100mPa・s以下であることが本発明に必須であることがわかる。
常法にて、各処方の組成物を作製した。いずれの処方においても本発明の効果を奏することが確認された。
<実施例6:アイシャドウ>
下記成分1~9までをディスパーにて均一分散させたのち、減圧下で脱気する。
1)精製水 残余
2)エタノール 10%
3)濃グリセリン 3%
4)メチルパラベン 0.1%
5)カルボキシビニルポリマー※13 0.003%
6)L-アルギニン 0.01%
7)酸化チタン被覆ガラス末 6%
8)酸化チタン被覆合成金雲母 15%
9)無水ケイ酸(多孔質、粒子径2~5μm)※9
2.5%
合計 100%
※13:ハイビスワコー 104(和光純薬工業社製)
実施例6は、上記試験方法による確認できる本発明の効果に加え、肌の乾燥感や刺激が無く良好な使用感が得られた。さらに、長期保管時のケーキングもみられなかった。
<実施例7:チーク>
成分1~9までをディスパーにて均一分散させたのち、減圧下で脱気する。
1)精製水 残余
2)1,3-ブチレングリコール 5%
3)濃グリセリン 3%
4)メチルパラベン 0.1%
5)カルボキシビニルポリマー※13 0.003%
6)L-アルギニン 0.01%
7)ベンガラ被覆雲母チタン 10%
8)酸化チタン被覆合成金雲母 10%
9)タルク※14 2.5%
合計 100%
※14:食添 タルクMS(日本タルク社製)
実施例7は、上記試験方法による確認できる本発明の効果に加え、長期保管時のケーキングもみられず、良好な使用感であった。
<実施例8:化粧下地>
成分1~9までをディスパーにて均一分散させたのち、減圧下で脱気する。
1)精製水 残余
2)1,3-ブチレングリコール 5%
3)濃グリセリン 3%
4)メチルパラベン 0.1%
5)(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー※15
0.003%
6)黒酸化鉄被覆雲母チタン 0.5%
7)ガラス末 2%
8)酸化チタン被覆合成金雲母 10%
9)カオリン※16 2.5%
合計 100%
※15:ARISTOFLEX AVC(クラリアントジャパン社製)
※16:カオリンJP-100(竹原化学鉱業社製)
実施例8は、上記試験方法による確認できる本発明の効果に加え、長期保管時のケーキングもみられず、良好な使用感であった。
<実施例9:3層化粧料>
成分1と2を混合して油層とし、油層と、実施例6の方法で得た成分3と混合する。
1)デカメチルテトラシロキサン 5%
2)エチルヘキサン酸セチル 1%
3)実施例6の組成物 94%
合計 100%
実施例9は、上記試験方法による確認できる本発明の効果に加え、静置時に、上から油層、水層、粉体層の3層に分離し、長期保管時もケーキングが起こらず、化粧持ちがよく使用性の良い化粧料が得られた。

Claims (4)

  1. (A)水
    (B)マイクロゲルを形成する水溶性重縮合ポリマー
    (C)光輝性粉体
    (D)平均粒子径が1μm以上の親水性粉体
    を含有し、6時間以上静置した時の水層が透明で、かつ化粧料全体を均一にした時の20℃における粘度が100mPa・s以下である2層分離型粉体含有水性化粧料。
  2. 前記成分(B)マイクロゲルを形成する水溶性重縮合ポリマーが、
    カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー、または疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロースより選ばれる1種以上である請求項1に記載の2層分離型粉体含有水性化粧料。
  3. 前記成分(C)光輝性粉体が、
    雲母(マイカ)、合成金雲母およびガラス末
    ならびにこれらを基材としその表面に酸化チタンおよび/又は酸化鉄を被覆したもの
    より選ばれる1種以上である請求項1または2に記載の2層分離型粉体含有水性化粧料。
  4. 前記成分(D)平均粒子径が1μm以上の親水性粉体が、無水ケイ酸、タルク、カオリン、結晶セルロースから選ばれた1種以上である請求項1~3のいずれか1項に記載の2層分離型粉体含有水性化粧料。
JP2022046933A 2022-03-23 2022-03-23 2層分離型粉体含有水性化粧料 Active JP7346642B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022046933A JP7346642B1 (ja) 2022-03-23 2022-03-23 2層分離型粉体含有水性化粧料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022046933A JP7346642B1 (ja) 2022-03-23 2022-03-23 2層分離型粉体含有水性化粧料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7346642B1 JP7346642B1 (ja) 2023-09-19
JP2023140884A true JP2023140884A (ja) 2023-10-05

Family

ID=88021794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022046933A Active JP7346642B1 (ja) 2022-03-23 2022-03-23 2層分離型粉体含有水性化粧料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7346642B1 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006225330A (ja) 2005-02-18 2006-08-31 Shiseido Co Ltd 皮膚外用組成物
JP4920948B2 (ja) 2005-10-28 2012-04-18 株式会社コーセー 非乳化型水系二層メーキャップ化粧料
JP2010143830A (ja) 2008-12-16 2010-07-01 Shiseido Co Ltd ポリビニルアルコール微粒子を含有する化粧料
CN112702988B (zh) 2018-09-10 2024-01-09 花王株式会社 多层清洁组合物
WO2020054590A1 (ja) 2018-09-14 2020-03-19 株式会社 資生堂 油中水型乳化化粧料

Also Published As

Publication number Publication date
JP7346642B1 (ja) 2023-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6714075B2 (ja) 高内相油中水型化粧料組成物
CN105694541A (zh) 颜料混合物
CN110300571B (zh) 包含特定表面活性剂体系的水包油乳液
KR20140054576A (ko) 고급스러운 외관을 갖는 저점도 화장료 조성물
CN105228579B (zh) 化妆品组合物
JP5563446B2 (ja) ポリマー系色素含有インク
US11890363B2 (en) Liquid cosmetic composition
JP2001511435A (ja) 凝集基体を含む化粧組成物
US20100234321A1 (en) Oily cosmetic and cosmetic product
BR102014000604A2 (pt) composições aquosas que compreendem partículas poliméricas e baixos teores de argila
JP7346642B1 (ja) 2層分離型粉体含有水性化粧料
JP7081784B2 (ja) 固形粉末化粧料及び固形粉末化粧料の製造方法
JP7027214B2 (ja) ジェル状化粧料
JP2016121137A (ja) 化粧料
JP7260522B2 (ja) 水性化粧料
JP3799530B2 (ja) 整髪化粧料
CN110354020B (zh) 水包油型睫毛用化妆料
JP6334646B2 (ja) 液状皮膚外用組成物
JP5543053B2 (ja) 粉末化粧料
WO2023127749A1 (ja) 水系液体化粧料
JP7139117B2 (ja) 油性化粧料組成物
JPS6366114A (ja) 歯磨組成物
JP2023093036A (ja) 水性眉用化粧料及び眉用化粧品
JP4141975B2 (ja) 毛髪化粧料
CN116916875A (zh) 包含离子聚合物分散剂、多元醇、透明质酸或其盐、填料和聚氧基亚乙基化烷基醚二甲基硅烷化合物的至少一种颜料颗粒的着色水性分散体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220413

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230509

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20230707

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230808

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230906

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7346642

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150