JP2023131280A - ハブユニット軸受用外輪およびその製造方法 - Google Patents

ハブユニット軸受用外輪およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】鍛造面と旋削面との境界部分でのバリの発生を抑える。【解決手段】炭素鋼などの硬質金属製の素材に鍛造加工を施すことにより、中間素材29を得る。中間素材29は、外周面に、素凸曲面31と、該素凸曲面の軸方向外側に隣接して配置された素凹曲面32とを有する複合曲面部30を備える。中間素材29の外周面のうち、少なくとも素凹曲面32および該素凹曲面32の軸方向外側に隣接する部分に旋削加工を施すことで、凹曲面部8および円筒面部9を形成する。【選択図】図2

Description

本発明は、自動車の車輪および制動用回転体を懸架装置に対して回転自在に支持するためのハブユニット軸受に用いられる外輪、および、その製造方法に関する。
自動車の車輪および制動用回転体は、ハブユニット軸受により懸架装置に対して回転自在に支持される。ハブユニット軸受は、内周面に複列の外輪軌道を有し、かつ、径方向外側に向けて突出する静止フランジを有する外輪と、外周面に複列の内輪軌道を有し、かつ、径方向外側に向けて突出する固定フランジを有するハブと、前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に転動自在に配置された複数個の転動体とを備える。前記ハブユニット軸受では、前記静止フランジが、懸架装置のナックルに結合固定され、かつ、前記固定フランジに、車輪および制動用回転体が支持固定される。
ハブユニット軸受に用いられる外輪を造るには、まず、中炭素鋼などの硬質金属製の素材に鍛造加工を施して中間素材を得る。前記中間素材の軸方向外側部分の外周面には、該中間素材を金型から取り出すための抜き勾配が備えられている。
次に、前記中間素材に、旋削加工を含む切削加工や、研削加工などの必要な加工を施す仕上工程を行うことで、前記外輪の形状を得る。
前記必要な加工は、複列の外輪軌道を砥石により研削する研削加工を含む。前記研削加工は、前記外輪の軸方向内側の端部をチャッキングし、かつ、前記外輪の軸方向外側部分の外周面にシューを摺接させつつ、前記外輪を回転させながら、前記複列の外輪軌道に前記砥石を押し付けて行う。そこで、前記研削加工を行う前に、前記中間素材の軸方向外側部分の外周面に旋削加工を施して、当該部分に前記シューを摺接させるための円筒面部を形成する。ここで、外輪の製造コストを少なく抑える面からは、旋削加工による加工量を少なく抑えることが好ましい。
また、ハブユニット軸受は、懸架装置を構成するばねよりも路面側に配置される、いわゆるばね下荷重であるから、乗り心地や走行安定性などの走行性能を向上させるため、少しでも軽量化することが望まれる。このため、外輪の径方向厚さは、静止フランジが備えられ、強度が必要な軸方向中間部で大きく、軸方向外側の外輪軌道よりも軸方向外側に位置する部分および軸方向内側の外輪軌道よりも軸方向内側に位置する部分で小さくなることが好ましい。
これらの理由から、ハブユニット軸受用外輪の外周面は、たとえば特開2020-176640号公報の図1に記載されているように、テーパ状の鍛造面と円筒面状の旋削面とが混在する段付円筒面により構成される。
特開2020-176640号公報
鍛造加工により得た中間素材の外周面に、旋削加工により円筒面部を形成すると、鍛造面と旋削面との境界部分にバリが発生する可能性がある。中間素材の外周面にバリが発生すると、複列の外輪軌道に研削加工を施す際に、中間素材の外周面とシューの先端面との間にバリが挟まり、複列の外輪軌道の研削精度が低下したり、中間素材を、円筒面部を形成するための旋削装置から複列の外輪軌道を研削するための研削装置に移動させる際に、作業員が、バリ発生部に接触しないように取り扱いに注意を要するため、生産性に提供を及ぼしたりするなどの問題を生じる可能性がある。
本発明は、鍛造面と旋削面との境界部分でのバリの発生を抑えることができる、ハブユニット軸受用外輪、および、その製造方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様に係るハブユニット軸受用外輪の製造方法の対象となるハブユニット軸受用外輪は、
内周面に備えられた複列の外輪軌道と、
径方向外側に向けて突出する静止フランジと、
外周面のうちで前記静止フランジよりも軸方向外側に位置する部分に備えられた凹曲面部と、
外周面のうちで前記凹曲面部の軸方向外側に隣接する部分に備えられた円筒面部と、
を備える。
本発明の一態様に係るハブユニット軸受用外輪の製造方法は、
金属製の素材に鍛造加工を施すことで、外周面に、軸方向外側に向かうほど外径が小さくなる方向に傾斜した素凸曲面と、該素凸曲面の軸方向外側に隣接して配置され、かつ、軸方向外側に向かうほど外径が小さくなる方向に傾斜した素凹曲面とからなる複合曲面部を有する中間素材を得る工程と、
前記中間素材の外周面のうち、少なくとも前素凹曲面および該素凹曲面の軸方向外側に隣接する部分に、旋削加工を施すことで、前記凹曲面部および前記円筒面部を形成する工程と、
を備える。
本発明の一態様に係るハブユニット軸受用外輪の製造方法では、前記凹曲面部および前記円筒面部を形成する工程において、前記中間素材の軸方向中間部外周面に、軸方向外側から軸方向内側に向けて、前記素凹曲面と前記素凸曲面との境界近傍、好ましくは前記素凹曲面と前記素凸曲面との境界まで旋削加工を施すことができる。
本発明の一態様に係るハブユニット軸受用外輪の製造方法は、前記円筒面部にシューを摺接させつつ、前記中間素材を回転させながら、前記複列の外輪軌道に前記砥石を押し付けて、該複列の外輪軌道に研削加工を施す工程をさらに備えることができる。
本発明の一態様に係るハブユニット軸受用外輪は、
内周面に備えられた複列の外輪軌道と、
径方向外側に向けて突出する静止フランジと、
外周面のうちで前記静止フランジよりも軸方向外側に位置する部分を含む部分に備えられた鍛造面と、
外周面のうちで前記鍛造面の軸方向隣接する部分に備えられた旋削面と、
を備え、
前記旋削面は、軸方向内側の端部に凹曲面部を有し、かつ、前記凹曲面部よりも軸方向外側に位置する部分に円筒面部を有する。
本発明の一態様に係るハブユニット軸受用外輪の製造方法の対象となるハブユニット軸受用外輪、および、本発明の一態様に係るハブユニット軸受用外輪は、ハブおよび複数個の転動体と組み合わされてハブユニット軸受を構成することができる。
前記ハブは、外周面に複列の内輪軌道を有する。
前記複数個の転動体は、前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に転動自在に配置される。
本発明によれば、鍛造面と旋削面との境界部分でのバリの発生を抑えることができる。
図1は、本発明の対象となるハブユニット軸受用外輪を備えるハブユニット軸受の1例を示す断面図である。 図2は、本発明の実施の形態の1例に係るハブユニット軸受用外輪の製造方法を説明するための部分拡大断面図である。 図3は、図2の要部拡大図である。
本発明の実施の形態の1例について、図1~図3により説明する。
<ハブユニット軸受1の構造>
図1は、本例の対象となるハブユニット軸受用外輪である外輪2を備えるハブユニット軸受1を示している。ハブユニット軸受1は、従動輪用のハブユニット軸受により構成されている。ハブユニット軸受1は、外輪2と、ハブ3と、複数個の転動体4a、4bとを備える。
以下の説明において、軸方向、径方向、および周方向とは、ハブユニット軸受1の軸方向、径方向、および周方向をいう。ハブユニット軸受1の軸方向、径方向、および周方向は、外輪2の軸方向、径方向、および周方向と一致し、かつ、ハブ3の軸方向、径方向、および周方向と一致する。また、軸方向外側とは、ハブユニット軸受1を自動車に組み付けた状態で車体の幅方向外側であって、図1~図3の左側をいい、軸方向内側とは、ハブユニット軸受1を自動車に組み付けた状態で車体の幅方向中央側であって、図1~図3の右側をいう。
外輪2は、中炭素鋼などの硬質金属により構成されている。外輪2は、内周面に複列の外輪軌道5a、5bを有し、かつ、軸方向中間部に、径方向外側に向けて突出した静止フランジ6を有する。静止フランジ6は、径方向中間部の円周方向複数箇所に、軸方向に貫通する支持孔7を有する。なお、本例では、静止フランジ6は、放射状に突設された複数の腕部6aを備える。すなわち、静止フランジ6は、軸方向から見て略星形の端面形状を有する。
支持孔7が円孔により構成される場合、外輪2は、支持孔7を挿通した支持ボルトを、懸架装置のナックルに備えられたねじ孔に螺合することで、懸架装置に対し支持固定される。一方、支持孔7がねじ孔により構成される場合、外輪2は、懸架装置のナックルに備えられた通孔を挿通した支持ボルトを、支持孔7に螺合することで、懸架装置に対し支持固定される。いずれにしても、ハブユニット軸受1の使用時には、外輪2は、懸架装置に対し支持固定され、車輪が回転する際にも回転しない。
外輪2は、外周面のうちで静止フランジ6よりも軸方向外側に位置する部分を含む部分に、鍛造面34を有し、かつ、外周面のうちで鍛造面34の軸方向外側に隣接する部分に、旋削面35を有する。
鍛造面34は、外輪2を造る際、金属素材に鍛造加工を施した後で、切削や研削などによる仕上加工が施されていない面である。本例では、鍛造面34は、外輪2の外周面のうち、軸方向外側の外輪軌道5aの軸方向内側の端部の径方向外側に位置する部分から、静止フランジ6の外周面にかけての範囲まで備えられている。
旋削面35は、外輪2を造る際、金属素材に鍛造加工を施した後で旋削加工が施された面である。旋削面35は、全周にわたって旋削痕を有する。本例では、旋削面35は、外輪2の外周面のうち、鍛造面34の軸方向外側に隣接する部分から、外輪軌道5aの軸方向外側の端部の径方向外側に位置する部分に備えられている。旋削面35は、軸方向内側の端部、すなわち鍛造面34の軸方向外側に隣接する部分に凹曲面部8を有し、かつ、凹曲面部8の軸方向外側に隣接する部分に円筒面部9を有する。
凹曲面部8は、径方向内側に向けて凹んだ略円弧形の母線形状を有する。凹曲面部8の母線の曲率半径は、特に限定されるものではないが、たとえば2mm以上6mm以下、好ましくは3mm以上5mm以下、より好ましくは3.5mm以上4.5mm以下とすることができる。
円筒面部9は、外輪2の中心軸Oと平行な直線状の母線形状を有する。すなわち、円筒面部9は、軸方向に関して外径が変化しない円筒面により構成されている。本例では、円筒面部9は、外輪2の外周面のうち、凹曲面部8の軸方向外側に隣接する位置から、軸方向外側の外輪軌道5aの軸方向外側の端部と径方向に重畳する部分、すなわち軸方向外側の外輪軌道5aの軸方向外側の端部の径方向外側に位置する部分までの範囲に備えられている。
本例では、凹曲面部8の軸方向外側の端部と、円筒面部9の軸方向内側の端部とは、滑らかに接続されている。すなわち、外輪2の中心軸Oを含む仮想平面での断面に関して、凹曲面部8の軸方向外側の端部における接線と、円筒面部9の母線とは、同一直線上に位置する。
本例では、外輪2は、外周面のうちで円筒面部9の軸方向外側に隣接する部分に、軸方向外側に向かうほど外径が小さくなる方向に傾斜した傾斜面部10を有し、かつ、外周面のうちで傾斜面部10の軸方向外側に隣接する部分に、略円筒面状の小径円筒面部11を有する。傾斜面部10および小径円筒面部11は、旋削面と鍛造面とのいずれでも良い。
いずれにしても、外輪2の外周面は、旋削面35および鍛造面34を含めて旋削面と鍛造面とが混在する段付円筒面により構成されている。
ハブ3は、外輪2の径方向内側に外輪2と同軸に配置される。ハブ3は、外周面に備えられた複列の内輪軌道12a、12bと、軸方向外側の端部に備えられた円筒状のパイロット部13と、外輪2の軸方向外側の端部よりも軸方向外側に位置する部分に備えられ、かつ、径方向外側に向けて突出する回転フランジ14とを有する。回転フランジ14は、径方向中間部の円周方向複数箇所に、軸方向に貫通する取付孔15を有する。
ディスクやドラムなどの制動用回転体、および、車輪を構成するホイールは、中心部を軸方向に貫通する中心孔にパイロット部13を内嵌することにより、ハブ3に対して径方向に位置決めされ、かつ、回転フランジ14に対し支持固定される。たとえば、それぞれの取付孔15が圧入孔により構成される場合、それぞれの取付孔15に軸方向内側から圧入したスタッドを、前記制動用回転体および前記ホイールの径方向中間部の円周方向複数箇所を軸方向に貫通する通孔に挿通し、かつ、前記スタッドの先端部にハブナットを螺合することで、前記制動用回転体および前記ホイールを回転フランジ14に対して結合固定する。一方、それぞれの取付孔15がねじ孔により構成される場合、前記制動用回転体および前記ホイールに備えられた通孔を挿通したハブボルトを、それぞれの取付孔15に螺合することで、前記制動用回転体および前記ホイールを回転フランジ14に対して結合固定する。
本例では、ハブ3は、内輪16とハブ輪17とを備える。
内輪16は、軸受鋼などの硬質金属により構成されている。内輪16は、外周面に、複列の内輪軌道12a、12bのうち、軸方向内側の内輪軌道12bを有する。
ハブ輪17は、中炭素鋼等の硬質金属により構成されている。ハブ輪17は、軸方向中間部外周面に、複列の内輪軌道12a、12bのうち、軸方向外側の内輪軌道12aを有する。ハブ輪17は、軸方向外側の内輪軌道12aよりも軸方向外側に位置する部分に、径方向外側に向けて突出した回転フランジ14を有し、かつ、軸方向外側の端部に、円筒状のパイロット部13を有する。
また、ハブ輪17は、軸方向外側の内輪軌道12aよりも軸方向内側に位置する部分に、軸方向外側に隣接する部分よりも外径が小さく、内輪16が外嵌される嵌合筒部18を有する。さらに、ハブ輪17は、内輪16の軸方向外側の端面が突き当てられる、軸方向内側を向いた段差面19と、嵌合筒部18の軸方向内側の端部から径方向外側に向けて折れ曲がり、内輪16の軸方向内側の端面を押え付けるかしめ部20とを有する。すなわち、本例のハブ3は、ハブ輪17の嵌合筒部18に内輪16を外嵌し、かつ、かしめ部20により内輪16の軸方向内側の端面を押え付けることで結合固定してなる。換言すれば、ハブ輪17の段差面19とかしめ部20との間で内輪16を軸方向両側から挟持して、内輪16とハブ輪17とを結合固定することにより、ハブ3を構成している。
それぞれの転動体4a、4bは、複列の外輪軌道5a、5bと複列の内輪軌道12a、12bとの間に、列ごとに複数個ずつ、保持器21a、21bにより保持された状態で転動自在に配置されている。なお、本例では、それぞれの転動体4a、4bは、玉により構成されている。
本例のハブユニット軸受1は、エンコーダ22と、2つのシール装置23a、23bとをさらに備える。
エンコーダ22は、芯金24と、エンコーダ本体25とを備える。芯金24は、金属板を断面略L字形に曲げ成形することにより構成され、円筒部24aと、該円筒部24aの軸方向内側の端部から径方向内側に向けて折れ曲がった円輪部24bとを有する。エンコーダ本体25は、永久磁石製で、軸方向内側面に、N極とS極とを交互に配置してなる被検出面を有し、円輪部24bの軸方向内側面に添着固定されている。エンコーダ22は、芯金24の円筒部24aを内輪16の軸方向内側の端部に外嵌固定することにより、ハブ3に、該ハブ3と一体的に回転するように支持固定されている。
2つのシール装置23a、23bのうち、軸方向外側のシール装置23aは、ハブ3の外周面または回転フランジ14の軸方向内側面に全周にわたり摺接するシールリップを有する。すなわち、本例では、軸方向外側のシール装置23aは、シールリングにより構成される。
2つのシール装置23a、23bのうち、軸方向内側のシール装置23bは、有底円筒状のカバーにより構成されている。本例では、軸方向内側のシール装置23bは、金属板製で略円筒状のカバー芯金26と、合成樹脂製のカバー本体27とを備える。カバー本体27は、略円形板状に構成され、かつ、カバー芯金26の軸方向内側の端部に射出成形により結合固定されて、該カバー芯金26の軸方向内側の開口部を塞ぐ。カバー本体27は、径方向外側部分の周方向1箇所位置にセンサホルダ27aを有する。
本例のハブユニット軸受1は、2つのシール装置23a、23bにより、外輪2の径方向内側に存在する内部空間28の軸方向両側の開口部が塞がれている。これにより、泥水などの異物が内部空間28に侵入すること、および、内部空間28に封入された軸受グリースが外部空間に漏洩することが防止されている。
また、本例のハブユニット軸受1は、センサホルダ27aにセンサを支持固定し、該センサの検出部をエンコーダ22の被検出面に対向させることで、ハブ3の回転数を検出可能に構成される。
<外輪2の製造方法>
外輪2を製造する際には、まず、中炭素鋼などの硬質金属製の素材に、該素材を金型内で圧力を加えて成形する鍛造加工、具体的には熱間鍛造加工を施すことによって、図2に二点鎖線で示すような中間素材29を得る。中間素材29は、後工程において、切削加工または研削加工などにより除去される削り代を除き、外輪2の外径形状とおおよそ一致する外径形状を有する。すなわち、中間素材29は、複列の外輪軌道5y、5zと、静止フランジ6zとを有する。ただし、複列の外輪軌道5y、5zの表面には、後の仕上工程において、研削加工により除去される削り代が存在する。図2に二点鎖線で示す形状が、切削加工および研削加工を施す前の中間素材29の形状である。
なお、本例では、中間素材29の静止フランジ6zの軸方向内側面の表面にも、後の仕上工程において、旋削加工により除去される削り代が存在する。また、静止フランジ6zは、支持孔7を有していない。
中間素材29の外周面のうちで静止フランジ6zよりも軸方向外側に位置する軸方向外側部分は、基本的には、軸方向外側に向かうほど外径が小さくなっている。すなわち、中間素材29は、軸方向外側部分の外周面に、該中間素材29を金型から抜き出すための抜き勾配を有する。ただし、中間素材29の軸方向外側部分の外周面には、軸方向長さが短い範囲であれば、軸方向に関して外径が変化しない円筒面を設けることもできる。
特に本例では、中間素材29は、外周面のうち、静止フランジ6zよりも軸方向外側に位置する部分に、複合曲面部30を有している。複合曲面部30は、軸方向外側に向かうほど外径が小さくなる方向に傾斜した素凸曲面31と、該素凸曲面31の軸方向外側に隣接して配置され、かつ、軸方向外側に向かうほど外径が小さくなる方向に傾斜した素凹曲面32とを有する。
具体的には、本例では、複合曲面部30は、中間素材29の外周面のうち、完成後の外輪2において、凹曲面部8と径方向に重畳する部分に備えられている。
素凸曲面31は、径方向外側に向けて突出した略円弧形の母線を有し、かつ、素凹曲面32は、径方向内側に向けて凹んだ略円弧形の母線を有する。素凸曲面31の軸方向外側の端部と、素凹曲面32の軸方向内側の端部とは、滑らかに接続されている。すなわち、中間素材29の中心軸を含む仮想平面での断面に関して、素凸曲面31の軸方向外側の端部における接線と、素凹曲面32の軸方向内側の端部における接線とは、同一直線上に位置する。このような複合曲面30を鍛造加工により形成するため、金型の内面には、複合曲面30に見合う形状が備えられる。
なお、本例では、素凸曲面31の母線の曲率半径と、素凹曲面32の母線の曲率半径とを、ほぼ一致させている。ただし、素凸曲面31の母線の曲率半径と、素凹曲面32の母線の曲率半径とを、互いに異ならせることもできる。
素凸曲面31の母線の曲率半径は、特に限定されるものではないが、たとえば4mm以上10mm以下、好ましくは5mm以上9mm以下、より好ましくは6mm以上8mm以下とすることができる。また、素凹曲面32の母線の曲率半径は、特に限定されるものではないが、たとえば4mm以上10mm以下、好ましくは5mm以上9mm以下、より好ましくは6mm以上8mm以下とすることができる。
さらに、中間素材29は、外周面のうち、複合曲面部30の軸方向外側に隣接する部分に、軸方向外側に向かうほど外径が小さくなる方向に傾斜した円すい台面状(テーパ面状)の傾斜面部33を有する。すなわち、傾斜面部33は、軸方向外側に向かうほど径方向内側を向いた直線状の母線を有する。傾斜面部33は、中間素材29の外周面のうち、複合曲面部30の軸方向外側に隣接する位置から、軸方向外側の外輪軌道5yの軸方向外側の端部と径方向に重畳する部分までの範囲に備えられている。傾斜面部33は、中間素材29を金型から抜き出す作業を容易にするために備えられている。傾斜面部33の軸方向内側の端部は、素凹曲面32の軸方向外側の端部に滑らかに接続されている。すなわち、傾斜面部33は、中間素材29の中心軸を含む仮想平面での断面に関して、素凹曲面32の軸方向外側の端部における接線方向に伸長する母線を有する。
なお、本例では、静止フランジ6zのうちで腕部6aから周方向に外れた部分の軸方向外側部分の外周面は、軸方向に変化しない円筒面により構成されている。静止フランジ6zのうちで腕部6aから周方向に外れた部分の軸方向外側の端部外周面と、素凸曲面31の軸方向内側の端部とは、滑らかに接続されている。すなわち、中間素材29の中心軸を含む断面に関して、静止フランジ6zのうちで腕部6aから周方向に外れた部分の軸方向外側の端部における接線と、素凸曲面31の軸方向内側の端部における接線とは、中間素材29の中心軸と平行な同一直線上に存在する。
次に、中間素材29の外周面のうち、複合曲面部30の軸方向内側部分と傾斜面部33とに、切削加工の一種である旋削加工を施すことで、凹曲面部8および円筒面部9を形成する。具体的には、中間素材29の外周面のうち、傾斜面部33の軸方向外側の端部から、素凸曲面31と素凹曲面32との境界近傍にかけての範囲に、図3に矢印αで示すように、軸方向外側から軸方向内側に向けて旋削加工を施すことで、旋削面35を形成する。本例では、中間素材29の外周面のうち、傾斜面部33の軸方向外側の端部から、素凸曲面31と素凹曲面32との境界までの範囲に、軸方向外側から軸方向内側に向けて旋削加工を施す。したがって、本例では、素凸曲面31は、完成後の外輪2においても鍛造面34の一部として残る。
中間素材29の外周面に旋削加工を施す際には、まず、中間素材29の軸方向内側の端部をチャッキングし、該中間素材29を回転させながら、図示しないバイトの刃先を傾斜面部33の軸方向外側の端部に押し付ける。そして、バイトの径方向位置を保持したまま、該バイトを中間素材29に対して軸方向外側から軸方向内側に向けて相対移動させることで、傾斜面部33に旋削加工を施して円筒面部9を形成する。
バイトを、凹曲面部8を形成すべき範囲の軸方向外側の端部、本例では素凹曲面32の軸方向外側の端部まで移動させた後は、バイトを、径方向外側に向けて徐々に移動させることで切り込み量を減少させながら、素凸曲面31と素凹曲面32との境界近傍、好ましくは素凸曲面31と素凹曲面32との境界まで軸方向内側に向けて移動させることにより、凹曲面部8を形成する。
次の工程では、中間素材29の内周面に備えられた複列の外輪軌道5y、5zに研削加工を施す。研削加工は、中間素材29の軸方向内側の端部をチャッキングし、かつ、円筒面部9に、図示しないシューを摺接させつつ、中間素材29を回転させながら、複列の外輪軌道5y、5zに、図示しない砥石を押し付けて行う。具体的には、複列の外輪軌道5y、5zを、総型の砥石により同時に研削して削り代を除去し、さらに超仕上加工(スーパーフィニッシュ)を施すことで表面粗さを向上させ、複列の外輪軌道5a、5bとする。
なお、中間素材29の複列の外輪軌道5y、5zに研削加工を施す前に、中間素材29の内周面のうち、複列の外輪軌道5y、5zを含む部分に高周波焼き入れなどの熱処理を施すことで、当該部分に、硬化層を形成している。
さらに、静止フランジ6zの径方向外側部分に支持孔7を形成するための穿孔加工や、静止フランジ6zの軸方向内側面の表面粗さを向上させるための旋削加工などの必要な仕上加工を行うことができる。なお、これらの加工は、矛盾を生じない限り、任意のタイミングで実施したり、同時に実施したりすることができる。いずれにしても、複列の外輪軌道5a、5bの表面粗さを向上させるための研削加工を含む必要な仕上加工を行って、外輪2を完成させる。
本例の外輪2の製造方法では、金属製の素材に鍛造加工を施すことにより、完成後の外輪2における旋削面35のうちの鍛造面34との境界近傍に、複合曲面部30を設けている。これにより、中間素材29の中心軸を含む仮想平面での断面に関して、中間素材29の外周面のうちで旋削加工により除去される部分の軸方向内側の端部、すなわち凹曲面部8が形成されるべき部分の軸方向内側の端部における接線Lと、中間素材29の外周面のうちで完成後の外輪2においても鍛造面35として残る部分の軸方向外側の端部における接線Lとがなす角度θを小さくすることができる。具体的には、前記角度θを、60°以下、好ましくは40°以下にすることができる。
したがって、中間素材29の外周面のうち、旋削加工により除去される部分であって、鍛造面34との境界近傍に旋削加工を施す際に、バイトの刃先に加わる切削抵抗の変化率を小さく抑えることができる。このため、刃先のたわみ変形や振動を小さく抑えることができて、鍛造面34と旋削面35との境界部分でのバリの発生を少なく抑えることができる。
特に本例では、バイトを中間素材29に対して軸方向外側から軸方向内側に向けて相対移動させることで旋削加工を施している。このため、中間素材29の外周面のうちで旋削加工により除去される部分であって、鍛造面34との境界近傍に旋削加工を施す際、バイトの刃先が、旋削加工の終了位置である素凸曲面31と素凹曲面32との境界近傍に向かうほど、バイトの刃先に加わる切削抵抗を徐々に小さくでき、刃先のたわみ変形も徐々に小さくできる。そして、バイトの刃先が、旋削加工の終了位置である素凸曲面31と素凹曲面32との境界近傍まで移動すると、切削抵抗がほぼ0となり、刃先はほとんど振動しなくなる。この結果、鍛造面34と旋削面35との境界部分でのバリの発生をより確実に抑えることができる。
これに対し、バイトを中間素材29に対して軸方向内側から軸方向外側に向けて相対移動させることで旋削加工を施すと、バイトの刃先を、素凸曲面31の軸方向内側の端部に押し付ける瞬間に、刃先に加わる切削抵抗が急激に変化する。このため、刃先が振動することが避けられず、鍛造面34と旋削面35との境界部分でのバリの発生を完全に抑えることは難しくなる。
また、本例では、素凸曲面31と傾斜面部33とを、径方向内側に向けて凹んだ素凹曲面32により滑らかに接続している。このため、バイトを、円筒面部9を形成すべき部分から凹曲面部8を形成すべき部分へと移動する際にも、円筒面部9を形成すべき部分と凹曲面部8を形成すべき部分との接続部で、刃先に加わる切削抵抗が急激に変化することを防止できる。したがって、円筒面部9と凹曲面部8との接続部に段差が形成されるのを抑えることができる。
本例では、本発明のハブユニット軸受用外輪の製造方法を、ハブ3が、中実構造の従動輪用であって、軸方向外側の内輪軌道12aを有するハブ輪17と軸方向内側の内輪軌道12bを有する内輪16とを結合固定してなる、いわゆる第3世代と呼ばれるハブユニット軸受1の外輪2を対象とする例について説明した。ただし、本発明は、任意の構造を有するハブユニット軸受の外輪を対象とすることができる。
たとえば、本発明は、ハブが、軸方向に貫通するスプライン孔を有する駆動輪用のハブユニット軸受の外輪を対象とすることができる。また、本発明は、それぞれが外周面に内輪軌道を有する1対の内輪と、ハブ輪とを結合固定してなる、いわゆる第2世代または第2.5世代と呼ばれるハブユニット軸受の外輪を対象とすることもできる。
また、本例では、転動体4a、4bとして玉を使用したハブユニット軸受1の外輪を対象としているが、玉に代えて円すいころを使用したハブユニット軸受の外輪を対象とすることもできる。また、本発明は、軸方向内側列の転動体のピッチ円直径と、軸方向外側列の転動体のピッチ円直径とが等しい、等径PCD型のハブユニット軸受の外輪を対象とすることもできるし、軸方向内側列の転動体のピッチ円直径が、軸方向外側列の転動体のピッチ円直径よりも大きいか、または、小さい、異径PCD型のハブユニット軸受の外輪を対象とすることもできる。
1 ハブユニット軸受
2 外輪
3 ハブ
4a、4b 転動体
5a、5b、5y、5z 外輪軌道
6、6z 静止フランジ
6a 腕部
7 支持孔
8 凹曲面部
9 円筒面部
10 傾斜面部
11 小径円筒面部
12a、12b 内輪軌道
13 パイロット部
14 回転フランジ
15 取付孔
16 内輪
17 ハブ輪
18 嵌合筒部
19 段差面
20 かしめ部
21a、21b 保持器
22 エンコーダ
23a、23b シール装置
24 芯金
24a 円筒部
24b 円輪部
25 エンコーダ本体
26 カバー芯金
27 カバー本体
27a センサホルダ
28 内部空間
29 中間素材
30 複合曲面部
31 素凸曲面
32 素凹曲面
33 傾斜面部
34 鍛造面
35 旋削面

Claims (3)

  1. 内周面に備えられた複列の外輪軌道と、
    径方向外側に向けて突出する静止フランジと、
    外周面のうちで前記静止フランジよりも軸方向外側に位置する部分に備えられた凹曲面部と、
    外周面のうちで前記凹曲面部の軸方向外側に隣接する部分に備えられた円筒面部と、
    を備える、ハブユニット軸受用外輪の製造方法であって、
    金属製の素材に鍛造加工を施すことで、外周面に、軸方向外側に向かうほど外径が小さくなる方向に傾斜した素凸曲面と、該素凸曲面の軸方向外側に隣接して配置され、かつ、軸方向外側に向かうほど外径が小さくなる方向に傾斜した素凹曲面とからなる複合曲面部を有する中間素材を得る工程と、
    前記中間素材の外周面のうち、少なくとも前記素凹曲面および該素凹曲面の軸方向外側に隣接する部分に旋削加工を施すことで、前記凹曲面部および前記円筒面部を形成する工程と、
    を備える、ハブユニット軸受用外輪の製造方法。
  2. 前記凹曲面部および前記円筒面部を形成する工程において、前記中間素材の軸方向中間部外周面に、軸方向外側から軸方向内側に向けて、前記素凹曲面と前記素凸曲面との境界近傍まで旋削加工を施す、
    請求項1に記載のハブユニット軸受用外輪の製造方法。
  3. 内周面に備えられた複列の外輪軌道と、
    径方向外側に向けて突出する静止フランジと、
    外周面のうちで前記静止フランジよりも軸方向外側に位置する部分を含む部分に備えられた鍛造面と、
    外周面のうちで前記鍛造面の軸方向外側に隣接する部分に備えられた旋削面と、
    を備え、
    前記旋削面は、軸方向内側の端部に凹曲面部を有し、かつ、前記凹曲面部の軸方向外側に隣接する部分に円筒面部を有する、
    ハブユニット軸受用外輪。
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