JP2023131196A - 精度管理情報の生成方法、精度管理情報の生成装置、及びプログラム - Google Patents

精度管理情報の生成方法、精度管理情報の生成装置、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】塗抹・染色条件が検査施設ごと、又は、地域等ごとに異なることに対応した塗抹標本の精度管理情報の生成方法、精度管理情報の生成装置、及びプログラムを提供すること。【解決手段】精度管理情報の生成方法は、塗抹標本の精度管理情報を生成する方法であって、複数の塗抹標本の各々から画像データを取得(S1)することと、複数の画像データの各々から塗抹標本の染色状態を反映する特徴値を取得(S2)することと、特徴値に基づき精度管理情報を生成(S3)することと、を含む、ことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、精度管理情報の生成方法、精度管理情報の生成装置、及びプログラムに関する。
塗抹標本の染色状態に基づいて、塗抹標本作製装置の精度管理を実行する手法が知られている。例えば、特許文献1には、塗抹標本の血球画像における核領域の特定の色成分の輝度値を、塗抹標本における血球の染色状態を反映した特徴値として用いて所定の下限基準値及び所定の上限基準値と比較し、当該特徴値が所定の下限基準値以下又は所定の上限基準値以上の場合には染色異常の発生を通知するシステムが記載されている。
特開2010-169484号公報
塗抹標本の塗抹・染色処理条件は、塗抹標本の作製に使用される試薬、装置、及び、各工程の条件(例えば、塗抹条件、染色液のpH、染色液の温度、及び染色時間)を含み、塗抹標本の染色状態に影響を与える。塗抹標本の塗抹・染色処理条件は、検査施設ごと、又は、地域もしくは国(以下、「地域等」という。)ごとに異なる場合がある。
特許文献1に記載の精度管理方法においては、塗抹標本における血球の染色状態を反映した特徴値を所定の下限基準値及び所定の上限基準値と比較して染色異常の発生を通知している。しかしながら、特許文献1では、塗抹・染色条件が検査施設ごと、又は、地域等ごとに異なることを考慮していない。
本発明は、塗抹・染色条件が検査施設ごと、又は、地域等ごとに異なることに対応した塗抹標本の精度管理情報の生成方法、精度管理情報の生成装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
図5に示すように、本発明の精度管理情報の生成方法は、塗抹標本の精度管理情報を生成する方法であって、複数の塗抹標本の各々から画像データを取得(S1)することと、複数の画像データの各々から塗抹標本の染色状態を反映する特徴値を取得(S2)することと、特徴値に基づき精度管理情報を生成(S3)することと、を含む、ことを特徴とする。
本発明の精度管理情報の生成方法によれば、取得された複数の画像データの各々から塗抹標本の染色状態を反映する特徴値が取得され、特徴値に基づき精度管理情報が生成される。したがって、本発明の精度管理情報の生成方法では、塗抹・染色条件が検査施設ごと、又は、地域等ごとに異なることに対応した塗抹標本の精度管理情報を生成可能である。
図1及び図4に示すように、本発明の精度管理情報の生成装置(80)は、塗抹標本の精度管理情報を生成するシステムであって、制御部(50)を含み、制御部(50)は、複数の塗抹標本の各々から画像データを取得し、複数の画像データの各々から塗抹標本の染色状態を反映する特徴値を取得し、特徴値に基づき精度管理情報を生成する、ことを特徴とする。
本発明の精度管理情報の生成装置(80)によれば、当該生成装置(80)の制御部(50)は、取得した複数の画像データの各々から塗抹標本の染色状態を反映する特徴値を取得し、特徴値に基づき精度管理情報を生成する。したがって、本発明の精度管理情報の生成装置では、塗抹・染色条件が検査施設ごと、又は、地域等ごとに異なることに対応した塗抹標本の精度管理情報を生成可能である。
図1及び図4に示すように、本発明のプログラムは、塗抹標本の精度管理情報を生成する装置に、複数の塗抹標本の各々から画像データを取得することと、複数の画像データの各々から塗抹標本の染色状態を反映する特徴値を取得することと、特徴値に基づき精度管理情報を生成することと、を実行させるためのプログラム。
本発明のプログラムによれば、取得された複数の画像データの各々から塗抹標本の染色状態を反映する特徴値が取得され、特徴値に基づき精度管理情報が生成される。したがって、本発明のプログラムでは、塗抹・染色条件が検査施設ごと、又は、地域等ごとに異なることに対応した塗抹標本の精度管理情報を生成可能である。
本発明によれば、塗抹・染色条件が検査施設ごと、又は、地域等ごとに異なることに対応した塗抹標本の精度管理情報を生成可能である。
図1は、生成システムの概要を示した模式図である。 図2(A)は、精度管理情報の生成処理の概要を示す図である。図2(B)は、管理対象の塗抹標本の特徴値の取得処理の概要を示す図である。 図3は、精度管理情報の生成処理及び管理対象の塗抹標本の特徴値の取得処理における出力画面の概要を示す図である。 図4は、生成装置の構成を示したブロック図である。 図5は、精度管理情報の生成処理と、管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値及び生成した精度管理情報の出力処理と、を示すフローチャートである。 図6は、特徴値取得処理を示すフローチャートである。 図7は、精度管理情報の生成処理における画像データの取得処理、及び、特徴値の取得処理の詳細を示す図である。 図8は、精度管理情報と管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値との出力画面を示す図である。 図9は、生成システムの概要を示した模式図である。 図10は、精度管理情報と管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値との出力画面を示す図である。 図11は、精度管理情報と管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値との出力画面を示す図である。 図12は、赤血球の染色状態を反映する特徴値を示す図である。 図13は、赤血球に関する特徴値の取得処理を示す図である。 図14は、白血球の染色状態を反映する特徴値を示す図である。 図15は、血球の形態を反映する特徴値を示す図である。 図16は、顆粒指数の取得処理を示すフローチャートである。 図17は、顆粒指数の取得処理を示す図である。 図18は、一次顆粒及び二次顆粒の抽出処理を示す図である。 図19は、精度管理情報と管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値との出力画面を示す図である。 図20は、精度管理情報と管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値との出力画面を示す図である。 図21は、塗抹標本から取得された複数の画像データを表示する画面を示す図である。 図22は、特定の画像データと、特定の画像データに対応づけられた複数の特徴値とを関連づけて表示する画面を示す図である。 図23は、取得する特徴値を選択可能な画面を示す図である。 図24は、任意の特徴値に対して正常範囲を設定可能な画面を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
[生成システムの概要]
図1を参照して、被検者から採取された血液の塗抹標本の精度管理情報を生成する生成システム100の概要について説明する。図1は、生成システム100の概要を示した模式図である。
精度管理情報の生成システム100は、塗抹標本作製装置20と標本搬送装置30と標本画像撮像装置40とを含む検査システム70-1と、精度管理情報の生成装置80と、備える。
検査システム70-1は、塗抹標本作製装置20によって塗抹標本スライド10を作製し、作製された塗抹標本スライド10を標本搬送装置30によって標本画像撮像装置40に搬送し、作製された塗抹標本スライド10を標本画像撮像装置40によって撮像するシステムである。検査システム70-1は、例えば、一の検査施設(検査施設A)に設けられている。生成装置80は、標本画像撮像装置40の提供者(例えば、標本画像撮像装置40のメーカー)の施設に設置されており、ネットワークを介して検査システム70-1の塗抹標本作製装置20と標本搬送装置30と標本画像撮像装置40とに接続されている。生成装置80は、撮像された塗抹標本スライド10の画像データを取得し、画像データから塗抹標本の染色状態を反映する特徴値を取得し、取得した特徴値に基づき塗抹標本の精度管理情報を生成する。
特徴値は、血液中の血球細胞の領域を反映した画像データにおいて、塗抹標本の染色状態を反映する数値化した情報である。また、特徴値は、例えば、赤血球の色情報を含み、複数の画像データの各々から細胞ごとに細胞内領域の色指標を取得し、複数の画像データの各々の塗抹標本における染色状態を定量的に数値化したものである。
精度管理情報は、複数の特徴値から統計的に算出した中央値や平均値である。また、精度管理情報は、中央値や平均値に対して、例えば、±2SD(Standard Deviation:標準偏差)、又は、±3SDである上限値、及び、下限値の少なくとも一方を含む。精度管理情報は、中央値や平均値の他、例えば、複数の特徴値の移動平均に基づく値を使用してもよい。
複数の塗抹標本の特徴値に基づき精度管理情報を生成することにより、生成した精度管理情報に対して管理対象の塗抹標本の特徴値を比較し、管理対象の塗抹標本の染色状態に問題が生じているか否かを把握することができる。このような場合には、精度管理情報に基づいて管理対象の塗抹標本の品質を担保することが可能である。
精度管理情報を生成するタイミングは、任意であり、例えば、一日ごと、数日ごと、一週間ごと、もしくは、一か月ごとでもよく、塗抹標本の作製で用いる染色液のロットが変更されたタイミングでもよい。また、管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値を取得するタイミングも、任意であり、例えば、一日ごと、数日ごと、一週間ごと、もしくは、一か月ごと、又は、数時間ごとでもよい。
図2(A)、(B)は、精度管理情報の生成処理と管理対象の塗抹標本の特徴値の取得処理の概要を示す図である。
図2(A)に示すように、図1に示す生成装置80は、精度管理情報の生成処理として、複数の塗抹標本の各々(例えば、Sample 1 … Sample N)から血液中の血球細胞の各々の領域を反映した画像データを取得し、複数の画像データの各々から塗抹標本の染色状態を反映する特徴値X1…XNを取得する。生成装置80は、例えば、目標値ACI、及び/又は、上限値と下限値とに基づく管理幅MWを精度管理情報として生成する。目標値ACIは取得した複数の特徴値X1…XNの平均値から算出され、管理幅MWは目標値ACIに対する±2SD(Standard Deviation:標準偏差)から上限値及び下限値が算出される。精度管理情報は、例えば、一日ごとに、その日に撮像された全ての塗抹標本の各々の画像データから生成される。
図2(B)に示すように、生成装置80は、管理対象の塗抹標本の特徴値Yの取得処理として、管理対象の塗抹標本の(例えば、Sample)から血液中の血球細胞の領域を反映した画像データを取得し、取得した画像データから管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値Yを取得する。生成装置80は、例えば、精度管理情報である目標値ACI及び管理幅MWに対して、管理対象の塗抹標本の特徴値Yを出力することにより、ユーザが管理対象の塗抹標本における精度管理を行うことができる。管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値は、例えば、その日に撮像された全ての塗抹標本のうち、少なくとも一つの塗抹標本の画像データから取得される。
図3は、図2の精度管理情報の生成処理及び管理対象の塗抹標本の特徴値Yの取得処理における出力画面の概要を示す図である。図3に示す例は、生成された精度管理情報と、取得した管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値Yと、を出力する例である。例えば、精度管理情報である目標値ACI及び管理幅MWが出力される。また、管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値Yに対応するプロットPが出力される。ユーザは、精度管理情報である目標値ACI及び管理幅MWと、出力されたプロットPとの関係を視覚的に把握することにより、管理対象の塗抹標本における精度管理を容易に行うことができる。ここで、出力されるグラフにおける横軸(「Sample」)は、管理対象である塗抹標本を示しており、例えば、Sample 2の塗抹標本と、Sample 4の塗抹標本とは異なる塗抹標本であることを示す。縦軸は、管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値の値を示している。
被検者は、主としてヒトであるが、ヒト以外の他の動物であってもよい。検査システム100は、例えば患者から採取された検体の臨床検査又は医学的研究のための分析を行う。検体は、生体由来の検体である。生体由来の検体は、例えば、被検者から採取された血液(全血、血清又は血漿)、尿、又はその他の体液などの液体、あるいは、採取された体液や血液に所定の前処理を施して得られた液体などである。また、検体は、例えば、液体以外の、被検者の組織の一部や細胞などであってもよい。
塗抹標本作製装置20は、スライドに対して検体を塗抹する塗抹処理を行い、検体が塗抹された塗抹標本スライド10に対して、検体の染色処理を施すための装置である。塗抹標本作製装置20は、検体としての試料を吸引し、スライド上に滴下・塗抹し、染色することにより塗抹標本スライド10を作製する。
標本搬送装置30は、塗抹標本作製装置20により作製された塗抹標本スライド10を受け取り、標本画像撮像装置40に搬送する。また、標本搬送装置30は、標本画像撮像装置40により撮像後の塗抹標本スライド10を受け取り、貯留する。
標本画像撮像装置40は、標本搬送装置30により搬送された塗抹標本スライド10の画像を撮像する。
なお、検査システム70-1は、他の装置を含んでもよい。例えば、検査システム70は、検体の分析を行う分析装置(例えば、検体の血球の分類及び計数を実行する血球計数検査装置)や、検体が収容された容器を搬送する搬送装置を含んでもよい。
なお、塗抹標本作製装置20と標本搬送装置30と標本画像撮像装置40とを含む検査システム70-1は、例えば、米国特許出願公開第2019/0049474号明細書に記載されている。米国特許出願公開第2019/0049474号明細書は、本明細書に参照としてここに組み込まれる。
図4は、生成装置80の構成の一例を示したブロック図である。図4に示すように、生成装置80は、制御部50と、記憶部71と、入力部72と、表示部73と、通信部74とを含む。
制御部50は、例示的に、塗抹標本の精度管理情報を生成するための情報処理を実行するCPUを備える。また、制御部50は、通信部74を介して、図1に示す塗抹標本作製装置20、標本搬送装置30及び標本画像撮像装置40と通信可能である。記憶部71は、例示的に、制御部50の情報処理を実行するための情報、及び、当該情報処理を実行することによって生成された情報を記録するメモリを備える。入力部72は、例えば、キーボードやマウスなどであり、表示部73は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどである。
図5は、精度管理情報の生成処理と、管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値及び生成した精度管理情報の出力処理と、を示すフローチャートである。
図5の精度管理情報の生成処理に示すように、図4に示す生成装置80の制御部50は、複数の塗抹標本の各々から画像データを取得する(ステップS1)。制御部50は、複数の画像データの各々から塗抹標本の染色状態を反映する特徴値を取得する(ステップS2)。制御部50は、取得した特徴値に基づき塗抹標本の精度管理情報を生成する(ステップS3)。制御部50は、S1~S3のステップを実行することにより、精度管理情報を生成する。
図5の管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値と生成した精度管理情報の出力処理に示すように、制御部50は、管理対象の複数の画像データを取得する(ステップS4)。制御部50は、管理対象の複数の画像データから特徴値を取得する(ステップS5)。制御部50は、表示部73において、管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値と、生成した精度管理情報と、を出力する(ステップS6)。制御部50は、S4~S6のステップを実行することにより、管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値と生成した精度管理情報とを出力する。
図6は、図5のステップS2の特徴値取得処理を示すフローチャートである。図6に示すように、図4に示す制御部50は、取得した複数の画像データに基づいて各細胞成分を認識する(ステップS11)。次に、制御部50は、ステップS11での認識結果を踏まえ、核・細胞質を含む各細胞の各領域を特定し抽出する(ステップS12)。制御部50は、複数の画像データごとに、抽出された各領域における血球の色情報(塗抹標本の染色状態を反映する特徴値)を取得する(ステップS13)。
図7は、精度管理情報の生成処理における画像データの取得処理、及び、特徴値の取得処理の詳細を示す図である。図7に示すように、制御部50は、複数の塗抹標本の各々から、例えば数百又は数千の複数の画像データIDを取得する。より具体的には、制御部50は、図1に示す検査システム70-1の標本画像撮像装置40が撮像することによって取得された複数の画像データIDを取得する。
図4に示す制御部50は、複数の画像データIDの各々から塗抹標本の染色状態を反映する特徴値を取得する。図7に示すように、制御部50は、特徴値取得処理として、図6に示す特徴値取得処理を示すフローチャートに対応する(1)細胞成分の認識、(2)核・細胞質領域の抽出、及び、(3)画像データごとに血球の色情報の取得を実行する。
より具体的には、制御部50は、処理(1)として、取得した複数の画像データIDに基づいて各細胞成分を認識する。次に、制御部50は、処理(2)として、処理(1)の認識結果を踏まえ、例えば核・細胞質を含む各細胞の各領域を特定し抽出する。制御部50は、処理(3)として、複数の画像データIDごとに、抽出された各領域における細胞種(赤血球、白血球、血小板など)の情報と構造成分(核、細胞質、顆粒など)の情報とを対応付けて、血球の色情報(塗抹標本の染色状態を反映する特徴値)を取得する。
塗抹標本の染色状態を反映する特徴値は、上記した、画像データの血球の各領域から取得される色情報を含む。「塗抹標本の染色状態を反映する特徴値」は、例えば、血球の画像データから取得される色成分(例えばRed,Green,Blue)の輝度値、色相(Hue)、彩度(Saturation)、及び、明度(Value)の値、並びに、これらを組み合わせた値(例えばHSV値,RGB)の少なくとも一つの値を含む。
「血球」は、例えば、赤血球、白血球、及び、血小板の少なくとも一つを含む。白血球は、例えば、好塩基球、好酸球、好中球、単球、及び、リンパ球の少なくとも一つを含む。
血液に含まれる血球の約9割を占める赤血球は、塗抹標本においても占める割合(面積)が大きい。よって、赤血球の色情報は塗抹標本全体の染色状態を反映する情報となり得ることから、塗抹標本の染色状態を反映する特徴値としてより好ましい。赤血球の色情報は、白血球の色情報に比べて、pHなどの染色条件の違いによる染色状態の変化を反映しやすい傾向がある。
他方で、塗抹標本の染色状態を反映する特徴値として、白血球の色情報を採用してもよい。この場合、赤血球および白血球などの塗抹標本の染色状態を反映する複数種類の特徴値を用いて、精度管理してもよい。例えば、赤血球の色情報の少なくとも1つと白血球の色情報の少なくとも1つとを用いることにより、塗抹標本全体の染色状態の品質を管理しつつ、重要な解析対象である白血球の構成要素(例えば、核又は顆粒)の染色性も併せて管理することができる。
以下では、図8から図11を参照して、精度管理情報と管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値との出力画面の例を説明する。
図8は、精度管理情報と管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値との出力画面であって、内部精度管理としての出力画面の一例を示す。内部精度管理は、単一の検査施設の特徴値に基づく精度管理情報(例えば、管理幅MW)と、作製される複数の塗抹標本のうち管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値とを比較する。
例えば、管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特定の特徴値が、管理幅MWから外れる場合には、管理対象の塗抹標本の染色状態に問題が生じていることが把握できる。したがって、上記のような内部精度管理においては、管理対象の塗抹標本の品質を担保することが可能である。
図1に示す生成装置80は、一の検査施設において作製された複数の塗抹標本の各々から複数の特徴値を取得し、複数の特徴値に基づき決定された精度管理情報を出力する。図8に示すように、生成装置80は、特徴値の指標I(例えば、RBC Redness Index, RBC Color S, Granule Index)ごとに、赤血球の色情報に関する複数の特徴値のプロットP及び白血球の色情報に関する複数の特徴値のプロットPを、管理幅MWとともに出力する。この構成によれば、赤血球の色情報で塗抹標本全体の染色状態を把握しつつ、重要な解析対象となる白血球の染色性及び形態もあわせて精度管理することが可能となる。なお、管理幅MWに代えて、上限値および下限値の少なくとも1つが実線や点線などで出力されてもよい。
特徴値の指標IであるRBC Redness Indexは、赤血球の色相値、赤血球の彩度値、及び赤血球の明度値のそれぞれについて主成分分析を行い、主成分分析を行った各値の平均値から算出される値である。特徴値の指標IであるRBC Color Sは、赤血球の彩度値である。特徴値の指標IであるGranule Indexは、白血球の顆粒指数である。なお、生成装置80は、赤血球の色情報に関する複数の特徴値のプロットPのみを出力画面に出力してもよいし、白血球の色情報に関する複数の特徴値のプロットPのみを出力画面に出力してもよい。
内部精度管理としての精度管理情報は、一の検査施設内での塗抹標本の染色性(染色状態)のバラツキを示す情報である。当該精度管理情報は、一の検査施設の染色条件に応じた精度管理の基準となりうる。したがって、当該一の検査施設において日々作製される塗抹標本の品質を、当該一の検査施設に適した基準で管理することが可能となる。
また、内部精度管理としての精度管理情報は、以下のような場面でも活用可能である。例えば、内部精度管理としての精度管理情報は、検査装置のメンテナンス後や試薬交換後に取得される塗抹標本の染色状態に問題が無いかどうかの確認の際に使用される。また、内部精度管理としての精度管理情報によれば、経時的な特徴値の上昇又は下降の傾向を確認することで、試薬や検査装置の異常を事前に把握可能である。さらに、気温や湿度等の環境条件は、塗抹標本の染色性に影響するため、内部精度管理としての精度管理情報は、環境条件の変化に応じた、染色処理条件の最適化を行う際にも使用されうる。
次に、精度管理情報と管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値との出力画面であって、外部精度管理としての出力画面の例を説明する。外部精度管理は、同じ地域等、又は、異なる地域等の複数の検査施設の特徴値の管理幅と、作製される複数の塗抹標本のうち管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値とを比較する。例えば、特定の検査施設における、管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特定の特徴値が、同じ地域等、又は、異なる地域等の複数の検査施設の特徴値の管理幅から外れる場合、外部精度管理では、複数の検査施設における特定の検査施設の位置づけを客観的に把握可能である。
図9に示すように、検査システム70-1~70-4は、複数の検査施設(検査施設A~D)に設けられている。生成装置80は、ネットワークを介して複数の検査システム70-1~70-4の塗抹標本作製装置20と標本搬送装置30と標本画像撮像装置40とに接続されている。生成装置80は、提供者(例えば、標本画像撮像装置40のメーカー)の施設に設置されており、複数の検査施設(検査施設A~D)の検査システム70-1~70-4の各々から、撮像された塗抹標本スライド10の画像データを取得し、画像データから塗抹標本の染色状態を反映する特徴値を取得し、取得した特徴値に基づき塗抹標本の精度管理情報を生成する。
図10に示す出力画面に示すように、複数の特徴値のプロットPが、例えば検査施設A(第1の施設)で得られた少なくとも1つの塗抹標本から取得される特徴値のプロットPと、例えば検査施設B~D(第2~第4の施設)で得られた少なくとも1つの塗抹標本から取得される特徴値のプロットPとを含んでもよい。出力画面に出力される精度管理情報は、複数の検査施設A~D(第1~第4の施設)について、それぞれの染色条件に応じた各精度管理の基準を示し得る。そのため、複数の検査施設A~D(第1~第4の施設)の間で採用されている塗抹標本の染色状態の差を容易に把握することが可能になる。また、一の検査施設に所属する検査技師が、他の検査施設で取得された塗抹標本の画像のレビューや解析を依頼された際、当該塗抹標本の染色状態が、自らが所属する検査施設で扱っている染色状態と異なる場合が多く、塗抹標本の画像の解析が困難を伴うものであった。これに関して、複数の検査施設間の塗抹標本の染色状態の差を容易に把握できる上記精度管理情報は、複数の検査施設間での画像解析やレビューにおける補助情報となり得る。
なお、図10の出力画面の例では、異なる複数の検査施設間における塗抹標本の染色状態の差を把握するものであるが、異なる複数の染色条件について、複数の塗抹・染色条件ごとの塗抹標本の特徴値から取得された各精度管理情報を出力画面に識別可能に出力してもよい。
図11に示す出力画面に示すように、複数の特徴値のプロットPが検査施設Aの複数の塗抹標本の各々から取得される特徴値のプロットPと、検査施設B~D・・・又はXの複数の塗抹標本の各々から取得される特徴値のプロットPとを含む。出力画面に示すように、管理幅MW及び目標値ACIの少なくとも一方(精度管理情報)が、検査施設Aの特徴値Pに基づき生成された検査施設Aの精度管理情報と、検査施設B~D・・・又はXの特徴値Pに基づき生成された検査施設B~D・・・又はXの精度管理情報とを含んでもよい。
図11に示す出力画面で出力される精度管理情報は、複数の検査施設間での塗抹標本の染色状態のバラツキを示す情報や、複数の検査施設全体に対する塗抹標本の染色状態に関する精度管理の基準となり得る。したがって、複数の検査施設間で採用されている塗抹標本の染色状態の差を容易に把握することが可能になる。また、自検査施設の塗抹標本の特徴値の情報と精度管理情報とに基づいて、自検査施設の染色条件の検討に活用することができる。
図12は、赤血球の染色性を反映する特徴値の一例を示す図である。図12に示すように、赤血球の染色性を反映する特徴値は、例えば、赤血球の各色成分の輝度値の平均値、赤血球の色相値の平均値、赤血球の彩度値の平均値、赤血球の明度値の平均値、及び、赤血球のHSV値を含む。ここで、図13を参照して、特徴値の一例である、赤血球の赤成分の輝度値の平均値の取得処理の一例を説明する。
図13に示すように、図4に示す制御部50は、一の塗抹標本(サンプル)を撮像することによって生成される複数の画像データIDを取得する。次に、図4に示す制御部50は、取得した複数の画像データIDごとの赤血球領域の赤(R)の平均値(redcell_r_mean)を取得する。そして、制御部50は、一の塗抹標本の複数の画像データID全体(枚数)に基づいて、複数の画像データIDごとの赤血球領域の赤(R)の平均値(redcell_r_mean)の平均値(RBC Color R)を取得する。
画像データの白血球から得られる特徴値は、白血球の構造成分である核、細胞質、及び顆粒等から得られる色情報に対応する特徴値を含む。これらは、白血球の構造成分の染色性を反映するものである。白血球から得られる特徴値の具体例について図14を参照して説明する。
図14は、白血球の染色性を反映する特徴値の一例を示す図である。図14に示すように、白血球の染色性を反映する特徴値は、例えば、白血球の細胞質領域の各色成分の輝度値の平均値、白血球の細胞質領域の色相値の平均値、白血球の細胞質領域の彩度値の平均値、及び、白血球の細胞質領域の明度値の平均値を含む。白血球の染色性を反映する特徴値は、例えば、白血球の核領域の各色成分の輝度値の平均値、白血球の核領域の色相値の平均値、白血球の核領域の彩度値の平均値、及び、白血球の核領域の明度値の平均値を含む。また、白血球の染色性を反映する特徴値は、白血球の細胞質領域、及び、核領域における輝度値、色相値、彩度値、及び、明度値に関する標準偏差の値を含んでもよい。白血球の染色性を反映する特徴値は、例えば、白血球の顆粒指数の平均値を含む。なお、特徴値には、血球の形態を反映する特徴値が含まれる。
塗抹標本画像データの血球から得られる特徴値には、上述した「塗抹標本の染色状態を反映する特徴値」以外に、血球の形態情報を反映する特徴値が挙げられる。
図15は、血球の形態を反映する特徴値の一例を示す図である。図15に示すように、血球から得られる血球の形態を反映する特徴値は、例えば、血球の細胞径の平均値、血球の核径の平均値、血球のN/C比の平均値、血球の細胞質の面積の平均値、血球の円形度(真円率)の平均値、及び、核の円形度の平均値を含む。
ここで、図16及び図17を参照して、特徴値の一例としての、白血球のうち、例えば好中球に関する顆粒指数(Granule_Index)の取得処理の一例について説明する。
図16は、図5のステップS2の特徴値取得処理を示すフローチャートであり、顆粒指数の取得処理の一例を示すフローチャートである。図16に示すように、図4に示す制御部50は、塗抹標本に対応する、例えば白血球を含む画像データを取得する(ステップS21)。制御部50は、取得した画像データに対して、例えば局所二値化処理を実行して、細胞質領域を抽出する(ステップS22)。制御部50は、顆粒を抽出する(ステップS23)。具体的には、制御部50は、抽出した細胞質領域から所定のピクセル数に基づいて顆粒(例えば、数ピクセル以上の顆粒)を特定する。制御部50は、特定された顆粒ごとに、顆粒サイズ(面積)と、平均輝度とを取得する。制御部50は、顆粒サイズと、顆粒平均輝度と細胞質平均輝度の差のそれぞれに所定の閾値を定めることによって、特定された顆粒を、一次顆粒と、二次顆粒とに分類する。
次に、制御部50は、顆粒に関する領域を算出する(ステップS24)。具体的には、制御部50は、顆粒として認識した顆粒領域の一次顆粒及び二次顆粒の数の合計を算出する。制御部50は、顆粒として認識した領域の面積の合計(総顆粒面積)、又は、顆粒として認識した領域の総顆粒面積比を算出してもよい。制御部50は、算出した顆粒領域の顆粒の数の合計、総顆粒面積及び総顆粒面積比の少なくとも一つの値を顆粒指数として取得する(ステップS25)。
ここで、図17を参照して、特徴値の一例としての、白血球のうち、例えば好中球に関する顆粒指数(Granule_Index)の取得処理の一例について説明する。図17に示すように、(1)図4に示す制御部50は、塗抹標本に対応する、白血球を含む画像データを取得する。(2)制御部50は、取得された画像データに対して、例えば局所二値化処理を実行して、細胞質領域を抽出する。ここで、「顆粒指数」は、白血球に含まれる顆粒の数を反映する特徴値であり、白血球の細胞質領域において特定された顆粒領域の数または面積に基づき取得することができる。「顆粒領域」は、二値化処理した画像データに基づき、細胞質部分と区別して特定することができる。
(3)制御部50は、抽出した細胞質領域から所定のピクセル数に基づいて顆粒(例えば、数ピクセル以上の顆粒)を特定する。制御部50は、特定した顆粒ごとに、顆粒サイズ(面積)と、平均輝度とを取得する。制御部50は、顆粒サイズと、顆粒平均輝度と細胞質平均輝度の差(例えば細胞質から顆粒部分を除いた部分の平均輝度と、顆粒の平均輝度との差)のそれぞれに所定の閾値を定めることによって、特定された顆粒を、一次顆粒と、二次顆粒とに分類する。ここで、顆粒平均輝度と細胞質平均輝度の差が0(ゼロ)である場合、画像データの背景部分と同様の輝度であることを示す。また、顆粒平均輝度と細胞質平均輝度の差が負方向に大きい場合、顆粒部分が他の部分よりも濃い(暗い)ことを示す。顆粒の分類処理について、図18を参照してより詳しく説明する。
図18は、一次顆粒及び二次顆粒の抽出処理の一例を示す図である。例えば、二次顆粒の顆粒サイズの閾値が「10」ピクセルと、顆粒平均輝度と細胞質平均輝度の差の閾値が「0」と設定された場合、制御部50は、特定した顆粒を、図18におけるグラフにおける破線で囲まれた領域R1に含まれる一次顆粒G1と、図18におけるグラフの領域R1とは異なる領域R2に含まれる二次顆粒G2とに分類する。なお、上記の各閾値は、例えば画像データの解像度に基づいて任意に設定可能であり、適宜変更可能である。また、1ピクセルの大きさは、適宜設定されてよいが、例えば約0.01μm2である。
図17に戻り、(4)制御部50は、顆粒として認識した顆粒領域の一次顆粒及び二次顆粒の数の合計を算出する。制御部50は、顆粒として認識した領域の面積の合計(総顆粒面積)、又は、顆粒として認識した領域の総顆粒面積比を算出してもよい。ここで、顆粒領域の顆粒の数の合計と、総顆粒面積及び総顆粒面積比とは所定の相関関係があるため、特徴値として、顆粒領域の顆粒の数の合計に加えて、又は、代えて、総顆粒面積及び総顆粒面積比を採用可能である。総顆粒面積比とは、例えば、細胞質面積の中で顆粒面積がどの程度占めているかの比率をいう。(5)制御部50は、算出した顆粒領域の顆粒の数の合計、総顆粒面積及び総顆粒面積比の少なくとも一つの値を顆粒指数として取得する。顆粒指数を取得することにより、血球中の顆粒の変化を客観的・定量的に示すことができるため、顆粒が増加する感染症や顆粒が低下する骨髄異形成症候群(MDS: myelodysplastic syndromes)などの顆粒の増減を伴う疾患の診断・評価に活用できる可能性がある。
図19は、精度管理情報と管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値との出力画面の一例を示す図である。精度管理情報と管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値とを出力する際に、当該管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値が所定の範囲内に含まれるか否かを識別可能に出力される。図19に示す画面例では、例えば、特定の特徴値に対応するプロットP1が管理幅MWから外れているため、この特定の特徴値に対応するプロットP1について、出力画面上で他のプロットと異なる形態で出力される。例えば、プロットP1が他のプロットよりも強調して出力される。より具体的には、プロットP1が他のプロットとは異なる色、異なる大きさ、又は、異なる形状(例えばプロットP1を丸形状として他のプロットを四角形状とする。)で出力される。この構成によれば、所定の範囲内に含まれない特定の特徴値に対応するプロットを所定の範囲内に含まれる他のプロットと容易に識別することが可能である。
図20は、管理幅MWから外れる特定の特徴値に対応するプロットに関して所定のアラート表示を含む出力画面の一例を示す。図20に示すように、管理幅MWから外れる特定の特徴値に対応するプロットP3に対してユーザの第1の指定操作が実行される場合、プロットP3に対応する特定の特徴値の詳細情報を含むアラート表示AIが出力される。ユーザの第1の指定操作は、任意であるが、例えば、ユーザが操作するマウスの動作に対応するカーソルC1がプロットP3上で一定時間停止することを含む。この構成によれば、管理幅から外れる特定の特徴値に関する詳細情報をユーザに適切に提示可能である。したがって、ユーザは当該詳細情報に触れることによって、特徴値が管理幅から外れた原因の特定が容易になる。なお、カーソルC1がプロットP3上で停止する場合にマウスでワンクリック操作を行うときは、後述する図21に示すような、プロットP3の特徴値に関連づけられた複数の画像データを表示する画面が表示されてもよい。
図21は、一の塗抹標本から取得された複数の画像データを表示する画面の一例を示す図である。特に図21は、例えば図20に示す画面上においてユーザが所定の操作を行った場合に出力される画面である。例えば、図20に示す出力画面上において、特定の特徴値に対応するプロットP5に対してユーザの第2の指定操作が実行される場合、プロットP5に対応する特定の特徴値を取得する際に使用された複数の画像データIDを表示する、図21に示す画面が出力される。この構成によれば、ユーザが所望する特定の特徴値を取得する際に使用された複数の画像データIDの一覧を容易に確認できる。
なお、ユーザの第2の指定操作は、任意であるが、例えば、カーソルC3がプロットP5上で停止する場合にマウスでダブルクリック操作を行うことを含む。また、ユーザの第1の指定操作と第2の指定操作とは異なる操作であることが好ましいが、同一の操作でもよい。
図22は、特定の画像データと、特定の画像データに対応づけられた複数の特徴値(Feature Values)とを関連づけて表示する画面の一例を示す図である。特に図22は、例えば図21に示す画面上においてユーザが所定の操作を行った場合に出力される画面である。例えば、図21に示す出力画面上において、特定の画像データID1に対してユーザの第3の指定操作が実行される場合、指定された特定の画像データID1に対応する複数の特徴値の詳細情報を表示する、破線で囲まれた領域R3を含む画面が出力される。この構成によれば、ユーザが所望する特定の画像データに対応する複数の特徴値の一覧を容易に確認できる。なお、ユーザの第3の指定操作は、任意であるが、例えば、図21に示すカーソルC5が画像データID1上で停止する場合にマウスでダブルクリック操作を行うことを含む。
ここで、予め設定した正常域(管理幅)から外れた特徴値FV(例えばgranule_Index)については、他の特徴値と異なる形態で表示されてもよい。この構成によれば、異常値である特定の特徴値FVを他の(正常な)特徴値と容易に識別可能である。
図23は、取得される特徴値を選択可能な画面の一例を示す図である。取得される特徴値、又は、画面上に出力される特徴値は、例えば、検査施設ごと、又は、地域等ごとに予め定められている。他方で、図23に示すような特徴値の選択画面をユーザが操作することによって、ユーザが所望する一又は複数の特徴値を選択することが可能である。この構成によれば、ユーザが所望する特徴値を、管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値と精度管理情報の出力画面において出力可能である。
図24は、任意の特徴値に対して正常範囲(管理幅)を設定可能な画面の一例を示す図である。図24に示す画面において、ユーザは、例えば、各検査施設で実施された精度管理の結果に基づいて、任意の特徴値に対する管理幅を、破線で囲まれた領域R5において設定可能である。例えば、「cell」「5 LY」の「feature」「cell_s_mean」及び「cell」「6 MO」の「feature」「cell_v_mean」の各値は、細胞質の染色状態に関する特徴値の管理幅を示す。また、「cell」「7 SNE」の「feature」「segment_num」の各値は、好中球の分葉数に関する特徴値の管理幅を示す。この構成によれば、ユーザは、検査施設における日々の精度管理の指標から、任意に特徴値に対する管理幅を設定することができるため、主観的な検査者間の判定誤差を抑制することが可能である。
図24に示す各特徴値に設定された管理幅を外れた異常の特徴値に対応する画像データについては、例えば、図20に示す複数の画像データを表示する画面において、画像データID1,ID3,ID5,ID7,ID9,ID11,ID13のように、正常の特徴値に対応する他の画像データIDとは異なる形態で表示されてもよい。異なる形態で表示する手法は任意であるが、例えば、画面上において、異常の特徴値に対応する画像データのみに色枠を付けたり、正常の特徴値に対応する他の画像データよりも大きく表示することを含む。
<他の実施形態>
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更/改良(例えば、各実施形態を組み合わせること、各実施形態の一部の構成を省略すること)され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
例えば、検査システム70-1~70-4に含まれる塗抹標本作製装置20によって塗抹標本スライド10を作製したが、検査施設に所属する検査技師が手動で塗抹標本スライド10を作製してもよい。また、塗抹標本スライド10を標本画像撮像装置40によって撮像したが、検査施設に所属する検査技師が手動で塗抹標本スライド10を撮像してもよい。
10:塗抹標本スライド、20:塗抹標本作製装置、30:標本搬送装置、40:標本画像撮像装置、50:制御部、70-1~70-4:検査システム、71:記憶部、72:入力部、73:表示部、74:通信部、80:生成装置、100:生成システム

Claims (21)

  1. 塗抹標本の精度管理情報を生成する方法であって、
    複数の塗抹標本の各々から画像データを取得することと、
    複数の前記画像データの各々から塗抹標本の染色状態を反映する特徴値を取得することと、
    前記特徴値に基づき前記精度管理情報を生成することと、を含む、
    ことを特徴とする精度管理情報の生成方法。
  2. 管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値と前記精度管理情報とを出力することをさらに含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載の精度管理情報の生成方法。
  3. 前記特徴値が、前記複数の塗抹標本の各々における赤血球から取得される色情報の値を含む、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の精度管理情報の生成方法。
  4. 複数の前記画像データの各々から、前記複数の塗抹標本の各々における白血球の色情報に対応する第2の特徴値を取得することと、
    前記第2の特徴値に基づき、前記複数の塗抹標本に対応する第2の精度管理情報を生成することと、をさらに含む、
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の精度管理情報の生成方法。
  5. 前記白血球の色情報が、白血球の核、細胞質、及び顆粒の少なくとも1つに関連する色情報を含む、
    ことを特徴とする請求項4に記載の精度管理情報の生成方法。
  6. 前記特徴値が、血球を含む塗抹標本の画像データから得られる色成分、色相、彩度、及び、明度、並びに、これらの組み合わせの少なくとも1つから取得される値を含む、
    ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の精度管理情報の生成方法。
  7. 前記特徴値が、所定の施設で得られた複数の塗抹標本の各々から取得される、
    ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の精度管理情報の生成方法。
  8. 前記特徴値が、第1の施設で得られた少なくとも1つの塗抹標本から取得される特徴値と、第2の施設で得られた少なくとも1つの塗抹標本から取得される特徴値とを含む、
    ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の精度管理情報の生成方法。
  9. 前記特徴値が、
    前記第1施設の複数の塗抹標本の各々から取得される特徴値と、
    前記第2施設の複数の塗抹標本の各々から取得される特徴値と
    を含み、
    前記精度管理情報が、
    前記第1施設の特徴値に基づき生成された第1施設の精度管理情報と、
    前記第2施設の特徴値に基づき生成された第2施設の精度管理情報と、
    を含む、
    ことを特徴とする請求項8に記載の精度管理情報の生成方法。
  10. 前記精度管理情報が、前記第1施設の特徴値及び前記第2施設の特徴値を含む前記特徴値に基づき生成される、
    ことを特徴とする請求項8に記載の精度管理情報の生成方法。
  11. 前記精度管理情報が、前記特徴値から算出される統計値を含む、
    ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の精度管理情報の生成方法。
  12. 前記精度管理情報が、前記特徴値から算出される統計値に基づき生成される上限値及び下限値を含む、
    ことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の精度管理情報の生成方法。
  13. 管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値と前記精度管理情報とを出力する際に、当該管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値が所定の範囲内に含まれるか否かを識別可能に出力する、
    ことを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の精度管理情報の生成方法。
  14. 前記管理対象の塗抹標本の染色状態を反映する特徴値が、複数の塗抹標本の各々の画像データから算出される統計値である、
    ことを特徴とする請求項13に記載の精度管理情報の生成方法。
  15. 前記特徴値が、塗抹標本の複数の画像データから算出される統計値である、
    ことを特徴とする請求項1~14のいずれか一項に記載の精度管理情報の生成方法。
  16. 塗抹標本作製装置により、スライドガラスに血液検体を塗抹して前記塗抹標本を作製することをさらに含む、
    ことを特徴とする請求項1~14のいずれか一項に記載の精度管理情報の生成方法。
  17. 前記精度管理情報は、一日ごとに、作製された複数の前記塗抹標本の各々から画像データを取得して生成される、
    ことを特徴とする請求項16に記載の精度管理情報の生成方法。
  18. ユーザ入力に基づいて前記特徴値に対する管理幅を設定可能な画面を出力することをさらに含む、
    ことを特徴とする請求項1~17のいずれか一項に記載の精度管理情報の生成方法。
  19. 前記特徴値は、前記塗抹標本の形態を反映する特徴値を含む、
    ことを特徴とする請求項1~18のいずれか一項に記載の精度管理情報の生成方法。
  20. 塗抹標本の精度管理情報を生成する装置であって、
    制御部を含み、
    前記制御部は、
    複数の塗抹標本の各々から画像データを取得し、
    複数の前記画像データの各々から塗抹標本の染色状態を反映する特徴値を取得し、
    前記特徴値に基づき前記精度管理情報を生成する、
    ことを特徴とする精度管理情報の生成装置。
  21. 塗抹標本の精度管理情報を生成する装置に、
    複数の塗抹標本の各々から画像データを取得することと、
    複数の前記画像データの各々から塗抹標本の染色状態を反映する特徴値を取得することと、
    前記特徴値に基づき前記精度管理情報を生成することと、
    を実行させるためのプログラム。
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