JP2023128996A - 電解コンデンサの製造装置及び製造方法 - Google Patents

電解コンデンサの製造装置及び製造方法 Download PDF

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昌邦 五十川
Masakuni Isogawa
健一 大城
Kenichi Oshiro
健哉 内田
Kenya Uchida
一紀 松本
Kazunori Matsumoto
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Abstract

【課題】一対の電極の一方と一体にセパレータとなる繊維膜が形成され、繊維膜における導電性高分子の均一性を向上させる電解コンデンサの製造装置を提供すること。
【解決手段】実施形態の電解コンデンサの製造装置は、搬送部、複数の紡糸ヘッド及び複数の親水化ヘッドを備える。紡糸ヘッドのそれぞれは、搬送部において搬送される基材に繊維を堆積させ、紡糸ヘッドは、搬送方向に互いに対して離れて配置される。親水化ヘッドのそれぞれは、対応する紡糸ヘッドが繊維を堆積させる領域、又は、その領域の下流側に連続する領域で、繊維を親水化する。
【選択図】図4

Description

本発明の実施形態は、電解コンデンサの製造装置及び製造方法に関する。
コンデンサとして電解コンデンサが、広く用いられている。電解コンデンサでは、コンデンサ素子が、ケースの内部に収納される。また、コンデンサ素子は、例えば、セパレータを間に介して陽極及び陰極を積層し、陽極、陰極及びセパレータの積層体を巻回した巻回体から形成される。そして、ケースの内部において、コンデンサ素子に、電解液が含浸される。電解コンデンサとしては、一対の電極(陽極及び陰極)の一方がセパレータと一体に形成されるものがある。このような電解コンデンサの製造では、紡糸法等によって一対の電極の一方である基材に向かって原料液を吐出することにより、基材となる電極の表面に、繊維膜がセパレータとして形成される。
また、電解コンデンサの製造では、コンデンサ素子となる巻回体を電解液に浸す前に、導電性高分子が溶解された溶液に巻回体を浸す等して、セパレータに導電性高分子を含浸させる。これにより、電解コンデンサでは、セパレータにおいて導電性高分子が保持される。前述のように一対の電極の一方と一体の繊維膜からセパレータが形成される電解コンデンサでは、繊維膜における導電性高分子の均一性を向上させることが、求められている。このため、導電性高分子の溶液へコンデンサ素子を浸している状態において、繊維膜の表面だけでなく、繊維膜の内部まで適切に導電性高分子が含浸させることが、求められている。
特開2011-199086号公報 国際公開2011/021668号公報
本発明が解決しようとする課題は、一対の電極の一方と一体にセパレータとなる繊維膜が形成され、繊維膜における導電性高分子の均一性を向上させる電解コンデンサの製造装置及び製造方法を提供することにある。
実施形態の電解コンデンサの製造装置は、搬送部、複数の紡糸ヘッド及び複数の親水化ヘッドを備える。搬送部は、電極となる基材を搬送する。紡糸ヘッドのそれぞれは、搬送部において搬送される基材に原料液を吐出することにより、セパレータとなる繊維膜を形成する繊維を、基材に堆積させる。複数の紡糸ヘッドは、搬送部での搬送方向に互いに対して離れて配置される。親水化ヘッドは、紡糸ヘッドのそれぞれに対応させて1つ以上ずつ設けられる。親水化ヘッドのそれぞれは、対応する紡糸ヘッドが繊維を堆積させる領域、又は、対応する紡糸ヘッドが繊維を堆積させる領域に対して下流側に連続する領域において、繊維を親水化する。
図1は、第1の実施形態に係る電解コンデンサの一例を示す概略図である。 図2は、図1の電解コンデンサを、コンデンサ素子をケースから分離した状態で示す概略図である。 図3は、第1の実施形態に係る電解コンデンサにおいて、陽極及びセパレータが一体となった帯状体の一例を示す概略図である。 図4は、第1の実施形態において、帯状体を製造する製造装置を、搬送部の第2の方向(幅方向)が紙面に対して直交又は略直交する状態で示す概略図である。 図5は、第1の実施形態に係る電解コンデンサの製造において、導電性高分子が溶解された溶液にコンデンサ素子を浸す処理の一例を示す概略図である。 図6は、ある変形例において、帯状体を製造する製造装置を、搬送部の第2の方向(幅方向)が紙面に対して直交又は略直交する状態で示す概略図である。 図7は、図6の変形例において、帯状体を製造する製造装置を、搬送部での搬送方向が紙面に対して直交又は略直交する状態で示す概略図である。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1及び図2は、第1の実施形態に係る電解コンデンサ1の一例を示す。図1及び図2に示すように、電解コンデンサ1は、ケース2、及び、ケース2の内部に収納されるコンデンサ素子3を備える。ケース2は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金から形成される。また、ケース2の内部では、コンデンサ素子3に電解液が含浸される。なお、図2では、コンデンサ素子3をケース2から分離した状態が、示される。
コンデンサ素子3は、陽極5、陰極6及びセパレータ7を備える。コンデンサ素子3では、セパレータ7を間に介して陽極5及び陰極6が、積層される。そして、陽極5、陰極6及びセパレータ7の積層体を巻回した巻回体から、コンデンサ素子3が形成される。セパレータ7は、電気的絶縁性を有し、コンデンサ素子3では、セパレータ7によって、陽極5と陰極6との間が、電気的に絶縁される。
陽極5は、導電性を有する金属層、及び、金属層の表面に形成される誘電体層を備える。ある一例では、陽極5において、金属層は、アルミニウム又はアルミニウム合金から形成され、誘電体層は、アルミニウムの酸化膜から形成される。また、陰極6は、導電性を有する金属層を備える。ある一例では、陰極6において、金属層は、アルミニウム又はアルミニウム合金から形成される。陽極5の金属層には、陽極側のリード端子8が接続される。また、陰極6の金属層には、陰極側のリード端子9が接続される。リード端子8,9のそれぞれは、導電性を有する金属等から形成され、ケース2の外部へ延出される。
図2等の一例では、セパレータ7は、陽極5と一体に形成され、陽極5の表面に形成される繊維膜が、セパレータ7となる。図3は、陽極5及びセパレータ7が一体となった帯状体11の一例を示す。図3等に示すように、帯状体11では、すなわち、陽極5となる基材、及び、セパレータ7となる繊維膜のそれぞれでは、長手方向(矢印L1及び矢印L2で示す方向)、長手方向に対して交差する(直交又は略直交する)幅方向(矢印W1及び矢印W2で示す方向)、及び、長手方向及び幅方向の両方に対して交差する厚さ方向(図3において紙面に対して直交又は略直交する方向)が、規定される。陽極5は、一対の主面15を有し、陽極5では、一対の主面15は、厚さ方向について、互いに対して反対側を向く。図3等の一例の陽極5では、一対の主面15の両方が、セパレータ7によって覆われる。
なお、図3等の一例では、陽極5の一対の主面15のそれぞれは、幅方向について全寸法に渡ってセパレータ7によって覆われ、幅方向について陽極5の両縁部16のそれぞれがセパレータ7によって覆われるが、これに限るものではない。ある一例では、幅方向について陽極5の両縁部16の少なくとも一方が、セパレータ7によって覆われない。この場合、陽極5の表面では、幅方向について両縁部16の少なくとも一方、及び、その近傍に、セパレータ7となる繊維膜は、形成されない。
図1乃至図3等の一例では、帯状体11に陰極6を積層した積層体を巻回することにより、コンデンサ素子3が、形成される。また、コンデンサ素子3では、帯状体11の長手方向が、コンデンサ素子3となる巻回体の周方向と一致又は略一致する。そして、コンデンサ素子3では、帯状体11の幅方向が、巻回体の中心軸に沿う方向と一致又は略一致する。
なお、ある一例では、セパレータ7は、陰極6と一体に形成され、陰極6の表面に形成される繊維膜が、セパレータ7となる。この場合、陽極5とセパレータ7とが一体の帯状体11と同様にして、セパレータ7となる繊維膜と陰極6とが一体の帯状体が、形成される。そして、陰極6とセパレータ7とが一体の帯状体に陽極5を積層し、帯状体と陽極5との積層体を巻回することにより、コンデンサ素子3が、形成される。
前述のように、本実施形態では、一対の電極(陽極5及び陰極6)の一方である基材と一体に、セパレータ7となる繊維膜が形成される。そして、基材とは極性が反対の電極になる板部材(陽極5及び陰極6の基材とは別の一方)を帯状体11に積層し、帯状体11と板部材との積層体を巻回することにより、コンデンサ素子3となる巻回体が、形成される。
以下、電解コンデンサ1等の製造について、説明する。電解コンデンサ1の製造においては、一対の電極の一方となる基材とセパレータとなる繊維膜とが一体の帯状体11が、形成される。図4は、帯状体11を製造する製造装置20を示す。製造装置20は、電解コンデンサ1を製造する製造装置の一部を構成する。図4に示すように、帯状体11の製造装置20は、搬送部21、複数の紡糸ヘッド22及び複数の親水化ヘッド23、送出し部25及び巻取り部26を備える。搬送部(搬送経路)21は、送出し部25から巻取り部26まで、延設される。製造装置20では、一対の電極の一方となる基材12が、搬送部21を通って、送出し部25から巻取り部26まで搬送される。
搬送部21では、基材12(帯状体11)が搬送される搬送方向、すなわち、巻取り部26へ向かう方向が下流側となる。そして、搬送部21では、搬送方向とは反対方向、すなわち、送出し部25へ向かう方向が上流側となる。また、搬送部21(製造装置20)では、搬送方向に対して交差する(直交又は略直交する)第1の方向、及び、搬送方向及び第1の方向の両方に対して交差する(直交又は略直交する)第2の方向が規定される。図4等の一例では、第2の方向は、搬送部21の幅方向に相当する。また、図4では、搬送部21の第2の方向(幅方向)は、紙面に対して直交又は略直交する。
送出し部25は、リール31を備える。リール31には、基材12がロール状に巻かれる。送出し部25では、電動モータ等の駆動部材(図示しない)を駆動することにより、矢印R1の方向へリール31が回転する。これにより、リール31に巻かれた基材12が、搬送部21に繰り出される。巻取り部26は、リール32を備える。巻取り部26では、電動モータ等の駆動部材(図示しない)を駆動することにより、矢印R2の方向へリール32が回転する。これにより、搬送部21を通って搬送された基材12が、リール32によってロール状に巻き取られる。
製造装置20では、矢印R1の方向へリール31を回転させると同時に矢印R2の方向へリール32を回転させることにより、送出し部25から巻取り部26へ、搬送部21において基材12が搬送される。搬送部(搬送経路)21では、基材12(帯状体11)の幅方向が搬送部21の第2の方向(幅方向)と一致又は略一致し、かつ、基材12(帯状体11)の厚さ方向が搬送部21の第1の方向と一致又は略一致する状態で、基材12が搬送される。図4では、基材12及び帯状体11のそれぞれの幅方向は、紙面に対して直交又は略直交する。また、図4では、矢印L1及び矢印L2で示す方向が、基材12(帯状体11)の長手方向となり、矢印T1及び矢印T2で示す方向が、基材12(帯状体11)の厚さ方向となる。
なお、搬送部21には、送出し部25から巻取り部26へ基材12をガイドするガイドローラ(図示しない)が、1つ以上設けられてもよい。この場合、搬送部21においてガイドローラが配置される位置は、特に限定されるものではない。また、送出し部25から巻取り部26までの搬送部(搬送経路)21の延設状態は、特に限定されない。ある一例では、搬送部21は、水平方向に沿って延設され、別のある一例では、鉛直方向に沿って延設される。また、送出し部25と巻取り部26との間に、搬送部(搬送経路)21の折曲がり部分又は折返し部分等が1箇所以上設けられ、折曲がり部分又は折返し部分等において、搬送部21の延設方向が変更されてもよい。
複数の紡糸ヘッド22は、搬送部21において搬送方向へ搬送される基材12の表面に、セパレータとなる繊維膜13を形成する。これにより、基材12及び繊維膜13が一体の帯状体11が形成される。紡糸ヘッド22のそれぞれは、1つ以上のノズル33を備え、図4等の一例では、紡糸ヘッド22のそれぞれに、ノズル33が1つずつ設けられる。紡糸ヘッド22のそれぞれの内部には、例えば、有機物質が溶媒に溶解された原料液を、貯留可能である。紡糸ヘッド22のそれぞれでは、内部に貯留されている原料液が、ノズル33から基材12に吐出される。搬送部21では、基材12は、紡糸ヘッド22のそれぞれに対して、原料液が吐出される側を通って搬送される。
また、製造装置20には、直流電源等の電源(図示しない)が設けられる。電源は、紡糸ヘッド22のそれぞれに電圧を印加し、搬送部21において搬送される基材12と紡糸ヘッド22のそれぞれのノズル33との間に、電位差を発生させる。そして、紡糸ヘッド22のそれぞれでは、ノズル33への電圧の印加によって帯電した原料液が、ノズル33から基材12に向かって吐出され、基材12の表面に繊維(有機繊維)が堆積される。複数の紡糸ヘッド22によって基材12の表面に繊維を堆積させることにより、基材12の表面に、セパレータとなる繊維膜13が形成される。なお、原料液は、プラスの極性に帯電してもよく、マイナスの極性に帯電してもよい。
原料液は、有機物質を溶媒に溶解することにより、生成される。原料液に用いられる有機物質としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエーテル、ポリイミド、ポリケトン、ポリスルホン、セルロース、ポリアミド、ポリアミドイミド及びポリフッ化ビニリデンのいずれか1つ以上が選択される。ポリオレフィンとしては、例えば、ポリプロピレン及びポリエチレン等が挙げられる。また、原料液に用いられる有機物質は、後述する導電性高分子が溶解された溶液に溶解し難い。
紡糸ヘッド22のそれぞれのノズル33と基材12との間の電圧は、原料液における溶媒及び溶質の種類、原料液の溶媒の沸点及び蒸気圧曲線、原料液の濃度及び温度、ノズル33の形状、及び、基材12とノズル33との距離等に対応して、適宜設定される。ある一例では、紡糸ヘッド22のそれぞれのノズル33と基材12との間に印加される電圧(電位差)は、1kV~100kVの間で適宜設定される。紡糸ヘッド22のそれぞれのノズル33からの原料液の吐出速度は、原料液の濃度、粘度及び温度、紡糸ヘッド22のそれぞれのノズル33と基材12との間に印加される電圧、及び、ノズル33の形状等に対応する大きさになる。
前述のように、本実施形態の複数の紡糸ヘッド22は、電界紡糸法(電荷紡糸法及び電荷誘導紡糸法等とも称される)により、基材12の表面に繊維膜13を形成する。これにより、電極(陽極5及び陰極6の一方)となる基材12とセパレータ7となる繊維膜13とが一体の帯状体11が、形成される。また、ある一例では、紡糸ヘッド22への原料液の供給源、及び、供給源と紡糸ヘッド22との間の原料液の供給経路のいずれかに、前述した電源等によって電圧を印加し、原料液を帯電させてもよい。この場合も、帯電した原料液が、紡糸ヘッド22のそれぞれのノズル33から基材12に向かって吐出される。
複数の紡糸ヘッド22による基材12の表面への有機繊維の繊維膜13の形成が、電界紡糸法以外の方法によって行われてもよい。ある一例では、電界紡糸法の代わりに、ソリューションブロー法によって、基材12の表面に有機繊維の繊維膜13が形成される。この場合も、紡糸ヘッド22のそれぞれのノズル33から基材12の表面へ、有機物質を溶媒に溶解した原料液が吐出されることにより、基材12の表面に繊維が堆積される。
図4等の一例の製造装置20では、複数の紡糸ヘッド22として、複数の紡糸ヘッド22A及び複数の紡糸ヘッド22Bが設けられる。紡糸ヘッド22Aのそれぞれは、搬送部21の第1の方向(基材12の厚さ方向)の一方側から、基材12に向かって原料液を吐出する。紡糸ヘッド22Bのそれぞれは、搬送部21の第1の方向について紡糸ヘッド22Aとは反対側から、基材12に向かって原料液を吐出する。図4等の一例では、前述のように、第1の方向(基材12の厚さ方向)の両側から原料液が基材12に向かって吐出されるため、基材12(陽極5及び陰極6の一方)では、一対の主面15の両方が、セパレータ7となる繊維膜13によって覆われる。なお、基材12において、一対の主面15の一方を主面(第1の主面)15Aとし、一対の主面15において主面15Aとは別の一方を主面(第2の主面)15Bとする。
また、図4等の一例では、複数の紡糸ヘッド22Aは、搬送部21での搬送方向に互いに対して離れて配置され、複数の紡糸ヘッド22Bは、搬送方向に互いに対して離れて配置される。このため、図4等の一例では、搬送方向に互いに対して離れる複数の領域のそれぞれにおいて、対応する紡糸ヘッド22Aによって、基材12の主面15Aに繊維が堆積される。そして、搬送方向に互いに対して離れる複数の領域のそれぞれにおいて、対応する紡糸ヘッド22Bによって、基材12の主面15Bに繊維が堆積される。
複数の親水化ヘッド23のそれぞれは、基材12の表面に堆積された繊維を親水化する。複数の親水化ヘッド23による繊維の親水化処理では、例えば、親水化ヘッド23のそれぞれから、基材12に堆積された繊維に紫外線を照射する。これにより、繊維の一部が酸化され、繊維の親水性(濡れ性)が向上する。繊維に紫外線を照射する場合、親水化ヘッド23のそれぞれの内部に紫外線光を発生させる素子が設けられる、又は、紫外線を発生させる素子で発生された紫外線光が親水化ヘッド23のそれぞれに、導光される。そして、親水化ヘッド23のそれぞれから、基材12の表面の繊維へ、紫外線が照射され、オゾン、活性酸素の生成により繊維の一部が酸化される。あるいは、繊維の一部の化学結合を切断し、生成した活性酸素で酸化される。
なお、ある一例では、親水化ヘッド23のそれぞれは、基材12に堆積された繊維にオゾンガスを噴射することにより、繊維の親水性を向上させる。また、別のある一例では、基材12に堆積された繊維に大気圧プラズマを噴射することにより、繊維の親水性を向上させる。いずれの場合も、紫外線を繊維に照射する場合と同様に、生成した活性酸素等により繊維の一部が酸化され、繊維の親水性(濡れ性)が向上する。親水化ヘッド23は、例示した親水性向上のための処理を適宜組み合わせて行なうようにしてもよい。また、紡糸ヘッド22に電圧を印加することによって紡糸ヘッド22のそれぞれから原料液を吐出する場合等は、親水化ヘッド23のそれぞれは、電気的絶縁性を有する材料から形成されることが、好ましい。これにより、紡糸ヘッド22への電圧の印加によって発生する電界への親水化ヘッド23の影響が、低減される。前述のように、複数の紡糸ヘッド22及び複数の親水化ヘッド23による処理が行われた後、基材12の表面(主面15のそれぞれ)に繊維膜13が形成された帯状体11は、巻取り部26のリール32に、ロール状に巻取られる。
図4等の一例では、複数の親水化ヘッド23として、複数の親水化ヘッド23A及び複数の親水化ヘッド23Bが設けられる。親水化ヘッド23Aのそれぞれは、基材12の主面15Aに堆積された繊維を親水化し、親水化ヘッド23Bのそれぞれは、基材12の主面15Bに堆積された繊維を親水化する。親水化ヘッド23Aは、複数の紡糸ヘッド22Aのそれぞれに対応させて1つ以上ずつ設けられ、図4等の一例では、紡糸ヘッド22Aのそれぞれに対応させて1つずつ、親水化ヘッド23Aが設けられる。同様に、親水化ヘッド23Bは、複数の紡糸ヘッド22Bのそれぞれに対応させて1つ以上ずつ設けられ、図4等の一例では、紡糸ヘッド22Bのそれぞれに対応させて1つずつ、親水化ヘッド23Bが設けられる。
製造装置20では、複数の親水化ヘッド23Aのそれぞれは、対応する紡糸ヘッド22Aに対して、搬送部21の下流側に並んで配置される。このため、製造装置20では、紡糸ヘッド22A及び親水化ヘッド23Aが、搬送部21での搬送方向に沿って交互に配置される。また、前述のように紡糸ヘッド22A及び親水化ヘッド23Aが配置されるため、親水化ヘッド23Aのそれぞれは、対応する紡糸ヘッド22Aが繊維を堆積させる領域に対して下流側に連続する領域において、基材12に堆積された繊維を親水化する。このため、搬送部21では、搬送方向に沿って、すなわち、上流側から下流側に向かって、紡糸ヘッド22Aによって繊維が堆積される領域、及び、親水化ヘッド23Aによって繊維が親水化される領域が、交互に繰返し形成される。したがって、下流側への基材12の搬送に伴って、基材12の主面15Aでは、紡糸ヘッド22Aによる繊維の堆積、及び、親水化ヘッド23Aによる繊維の親水化が、交互に繰返し行われる。
また、製造装置20では、複数の親水化ヘッド23Bのそれぞれは、対応する紡糸ヘッド22Bに対して、搬送部21の下流側に並んで配置される。このため、製造装置20では、紡糸ヘッド22B及び親水化ヘッド23Bが、搬送部21での搬送方向に沿って交互に配置される。また、前述のように紡糸ヘッド22B及び親水化ヘッド23Bが配置されるため、親水化ヘッド23Bのそれぞれは、対応する紡糸ヘッド22Bが繊維を堆積させる領域に対して下流側に連続する領域において、基材12に堆積された繊維を親水化する。このため、搬送部21では、搬送方向に沿って、すなわち、上流側から下流側に向かって、紡糸ヘッド22Bによって繊維が堆積される領域、及び、親水化ヘッド23Bによって繊維が親水化される領域が、交互に繰返し形成される。したがって、下流側への基材12の搬送に伴って、基材12の主面15Bでは、紡糸ヘッド22Bによる繊維の堆積、及び、親水化ヘッド23Bによる繊維の親水化が、交互に繰返し行われる。
電解コンデンサ1の製造では、製造装置20によって前述のように帯状体11が形成されると、帯状体11を用いてコンデンサ素子3が形成される。コンデンサ素子3の形成では、電極(陽極5又は陰極6)となる基材12及びセパレータ7となる繊維膜13が一体の帯状体11に対して、基材12とは極性が反対の電極となる板部材が、積層される。すなわち、基材12とは極性が反対の電極となる板部材が、繊維膜13を間に介して、基材12に対して積層される。この際、基材12と板部材との間が繊維膜13によって電気的に絶縁された状態で、基材12、繊維膜13及び板部材が積層される。そして、基材12、繊維膜13及び板部材の積層体を巻回することにより、コンデンサ素子3となる巻回体が形成される。前述のように、コンデンサ素子3は、基材12、繊維膜13及び板部材の積層体から形成される。
そして、前述のようにして形成されたコンデンサ素子3を、導電性高分子が溶解された溶液に浸す。図5は、電解コンデンサ1の製造において、導電性高分子が溶解された溶液にコンデンサ素子3を浸す処理の一例を示す。図5の一例では、処理槽41に、導電性高分子が溶解された溶液42が充填される。そして、処理槽41の内部において、充填された溶液42にコンデンサ素子(巻回体)3が浸される。コンデンサ素子3は、リード端子8,9以外の部分の全体が溶液42に浸される状態に、処理槽41の内部に配置される。
ここで、溶解される導電性高分子としては、ポリアセチレン及びポリチオフェン類等が挙げられる。導電性高分子が溶解された溶液は、酸性となり、例えば、pHが3程度となる。また、繊維膜13を形成する原料液に用いられる有機物質は、前述のように、導電性高分子が溶解された溶液に溶解し難い。このため、導電性高分子の溶液にコンデンサ素子3を浸している状態において、導電性高分子の溶液への繊維膜13を形成する繊維の溶解が、有効に抑制される。
前述のように溶液42にコンデンサ素子3が浸されることにより、セパレータ7となる繊維膜13に、導電性高分子が含浸する。そして、溶液42にコンデンサ素子3をある程度の時間浸した後、溶液42から取出す。溶液42にコンデンサ素子3が浸した状態では、前述のように繊維膜13に導電性高分子が含浸するため、溶液42から取出されたコンデンサ素子3では、セパレータ7(繊維膜13)において導電性高分子が保持される。
また、電解コンデンサ1の製造では、繊維膜13に導電性高分子が含浸されたコンデンサ素子3を、ケース2の内部に収納する。この際、リード端子8,9がケース2の外部に延出される状態で、コンデンサ素子3がケース2の内部に配置される。そして、ケース2の内部に電解液を注入し、コンデンサ素子3に電解液を含浸させる。そして、ケース2を封止し、ケース2の内部を密閉することにより、電解コンデンサ1が形成される。
また、前述した製造装置20には、製造装置20全体を制御する制御部27が設けられる。制御部27は、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等を含むプロセッサ又は集積回路(制御回路)、及び、メモリ等の記憶媒体を備える。制御部27は、集積回路等を1つのみ備えてもよく、集積回路等を複数備えてもよい。制御部27は、記憶媒体等に記憶されるプログラム等を実行することにより、処理を行う。製造装置20では、制御部27によって、搬送部21、紡糸ヘッド22及び親水化ヘッド23等のそれぞれの作動が制御される。これにより、搬送部21での基材12の搬送、紡糸ヘッド22のそれぞれからの原料液の吐出、及び、親水化ヘッド23のそれぞれによる親水化処理等が制御される。
前述のように本実施形態では、親水化ヘッド23のそれぞれは、対応する紡糸ヘッド22が繊維を堆積させる領域に対して下流側に連続する領域において、繊維を親水化する。そして、製造装置20の搬送部21では、紡糸ヘッド22によって繊維が堆積される領域、及び、親水化ヘッド23によって繊維が親水化される領域が、搬送方向に沿って交互に繰返し形成される。すなわち、搬送部21において搬送される基材12の表面では、繊維の堆積及び繊維の親水化が、交互に繰返し行われる。前述のように繊維の親水化が行われるため、基材12に堆積された繊維から形成される繊維膜13では、表面だけでなく、内部でも繊維の親水性が向上する。
ここで、搬送部において、繊維を親水化する領域に対して上流側でのみ、紡糸ヘッド等によって基材の表面に繊維が堆積される構成を、比較例とする。比較例では、基材12の表面に繊維膜が形成された状態でのみ、繊維の親水化処理が行われる。一方、本実施形態では、前述のように繊維の堆積及び繊維の親水化が交互に繰返し行われるため、形成された繊維膜13の内部での繊維の親水性が、比較例等に比べて高い。
前述のように本実施形態では、基材12に形成された繊維膜13において、表面だけでなく、内部でも繊維の親水性が高くなる。このため、前述のように導電性高分子の溶液へコンデンサ素子3を浸している状態において、セパレータ7となる繊維膜13では、表面だけでなく、内部まで適切に導電性高分子が含浸する。繊維膜13の内部まで導電性高分子が含浸することにより、前述のようにして形成された電解コンデンサ1では、セパレータ7となる繊維膜13において導電性高分子の分布が不均一になることが、有効に防止される。すなわち、電解コンデンサ1では、繊維膜13(セパレータ7)における導電性高分子の均一性が、向上する。
また、本実施形態では、前述のように繊維が親水化されるため、繊維膜13の表面及び内部の両方において、繊維の親水性が向上する。繊維膜13の表面において繊維の親水性が向上することにより、導電性高分子が溶解した溶液にコンデンサ素子3を浸している状態において、繊維膜13の表面に液体が付着し易くなる。そして、繊維膜13の表面に液体が付着し易くなることにより、繊維膜13に導電性高分子がさらに含浸し易くなる。
前述のように、本実施形態の電解コンデンサ1では、繊維膜13における導電性高分子の均一性が向上する。このため、電解コンデンサ1の性能が向上する。また、繊維膜13の内部まで導電性高分子が含浸し易くなることにより、電解コンデンサ1の製造において、材料効率等が向上する。これにより、電解コンデンサ1の製造において、手間及びコストを削減可能となる。
(変形例)
なお、図6及び図7に示すある変形例でも、複数の紡糸ヘッド22Aは、搬送部21での搬送方向に互いに対して離れて配置され、複数の紡糸ヘッド22Bは、搬送方向に互いに対して離れて配置される。このため、本変形例でも、搬送方向に互いに対して離れる複数の領域のそれぞれにおいて、基材12の主面15Aに繊維が堆積され、搬送方向に互いに対して離れる複数の領域のそれぞれにおいて、基材12の主面15Bに繊維が堆積される。また、本変形例では、紡糸ヘッド22Aのそれぞれに対応させて一対ずつ(2つずつ)、親水化ヘッド23Aが設けられ、紡糸ヘッド22Bのそれぞれに対応させて一対ずつ(2つずつ)、親水化ヘッド23Bが設けられる。
本変形例でも、搬送部21(製造装置20)において、前述のように、搬送方向、第1の方向及び第2の方向が規定される。そして、搬送部21では、基材12の幅方向が第2の方向と一致又は略一致し、かつ、基材12の厚さ方向が第1の方向と一致又は略一致する状態で、基材12(帯状体11)が搬送される。ここで、図6では、搬送部21の第2の方向(幅方向)は、紙面に対して直交又は略直交する。また、図7では、搬送部21での搬送方向は、紙面に対して直交又は略直交する。
本変形例では、複数の親水化ヘッド23Aのそれぞれは、対応する紡糸ヘッド22Aに対して、搬送部21での搬送方向にずれることなく、又は、ほとんどずれることなく配置される。このように紡糸ヘッド22A及び親水化ヘッド23Aが配置されるため、親水化ヘッド23Aのそれぞれは、対応する紡糸ヘッド22Aが繊維を堆積させる領域において、基材12に堆積された繊維を親水化する。このため、搬送部21では、搬送方向について互いに対して離れる複数の領域のそれぞれで、紡糸ヘッド22Aによる繊維の堆積、及び、親水化ヘッド23Aによる繊維の親水化の両方が行われる。すなわち、搬送方向について互いに対して離れる複数の領域のそれぞれで、紡糸ヘッド22Aによる繊維の堆積、及び、親水化ヘッド23Aによる繊維の親水化の両方が、基材12の主面15Aに対して行われる。
また、本変形例の製造装置20では、複数の親水化ヘッド23Bのそれぞれは、対応する紡糸ヘッド22Bに対して、搬送部21での搬送方向にずれることなく、又は、ほとんどずれることなく配置される。このように紡糸ヘッド22B及び親水化ヘッド23Bが配置されるため、親水化ヘッド23Bのそれぞれは、対応する紡糸ヘッド22Bが繊維を堆積させる領域において、基材12に堆積された繊維を親水化する。このため、搬送部21では、搬送方向について互いに対して離れる複数の領域のそれぞれで、紡糸ヘッド22Bによる繊維の堆積、及び、親水化ヘッド23Bによる繊維の親水化の両方が行われる。すなわち、搬送方向について互いに対して離れる複数の領域のそれぞれで、紡糸ヘッド22Bによる繊維の堆積、及び、親水化ヘッド23Bによる繊維の親水化の両方が、基材12の主面15Bに対して行われる。
また、本変形例では、親水化ヘッド23Aのそれぞれは、対応する紡糸ヘッド22Aに対して、搬送部21の第2の方向(基材12の幅方向)にずれて配置される。図6及び図7等の一例では、紡糸ヘッド22Aのそれぞれは、搬送部21の第2の方向について、対応する一対の親水化ヘッド23Aの間に配置され、親水化ヘッド23Aのそれぞれは、対応する紡糸ヘッド22Aに対して、第2の方向に並んで配置される。このため、紫外線の照射によって繊維を親水化する構成では、親水化ヘッド23Aのそれぞれから紫外線を出射する位置は、対応する紡糸ヘッド22Aから原料液を吐出する位置に対して、搬送部21の第2の方向にずれる。そして、大気圧プラズマ又はオゾンガスの噴射によって繊維を親水化する構成では、親水化ヘッド23Aのそれぞれから大気圧プラズマ又はオゾンガスを噴出する位置は、対応する紡糸ヘッド22Aから原料液を吐出する位置に対して、搬送部21の第2の方向にずれる。
同様に、本変形例では、親水化ヘッド23Bのそれぞれは、対応する紡糸ヘッド22Bに対して、搬送部21の第2の方向(基材12の幅方向)にずれて配置される。図6及び図7等の一例では、紡糸ヘッド22Bのそれぞれは、搬送部21の第2の方向について、対応する一対の親水化ヘッド23Bの間に配置され、親水化ヘッド23Bのそれぞれは、対応する紡糸ヘッド22Bに対して、第2の方向に並んで配置される。このため、紫外線の照射によって繊維を親水化する構成では、親水化ヘッド23Bのそれぞれから紫外線を出射する位置は、対応する紡糸ヘッド22Bから原料液を吐出する位置に対して、搬送部21の第2の方向にずれる。そして、大気圧プラズマ又はオゾンガスの噴射によって繊維を親水化する構成では、親水化ヘッド23Bのそれぞれから大気圧プラズマ又はオゾンガスを噴出する位置は、対応する紡糸ヘッド22Bから原料液を吐出する位置に対して、搬送部21の第2の方向にずれる。
なお、図7等の一例では、紡糸ヘッド22Aのそれぞれに対して、第2の方向の両側に、対応する親水化ヘッド23Aが配置されるが、これに限るものではない。ある一例では、紡糸ヘッド22Aのそれぞれに対して、第2の方向の一方側にのみ、対応する親水化ヘッド23Aが配置されてもよい。同様に、図7等の一例では、紡糸ヘッド22Bのそれぞれに対して、第2の方向の両側に、対応する親水化ヘッド23Bが配置されるが、これに限るものではない。ある一例では、紡糸ヘッド22Bのそれぞれに対して、第2の方向の一方側にのみ、対応する親水化ヘッド23Bが配置されてもよい。
前述のように本変形例では、親水化ヘッド23のそれぞれは、対応する紡糸ヘッド22が繊維を堆積させる領域において、繊維を親水化する。そして、製造装置20の搬送部21では、搬送方向について互いに対して離れる複数の領域のそれぞれで、紡糸ヘッド22による繊維、及び、親水化ヘッド23による繊維の親水化の両方が行われる。前述のように繊維の親水化が行われるため、本変形例でも、基材12に堆積された繊維から形成される繊維膜13において、表面だけでなく、内部でも繊維の親水性が向上する。
本変形例でも、基材12に形成された繊維膜13において、表面だけでなく、内部でも繊維の親水性が高くなる。このため、前述のように導電性高分子の溶液へコンデンサ素子3を浸している状態において、セパレータ7となる繊維膜13では、表面だけでなく、内部まで適切に導電性高分子が含浸する。これにより、本変形例のようにして製造された電解コンデンサ1でも、繊維膜13(セパレータ7)における導電性高分子の均一性が、向上する。したがって、本変形例でも、電解コンデンサ1の性能が向上するとともに、電解コンデンサ1の製造において、手間及びコストを削減可能となる。
また、本変形例では、紡糸ヘッド22のそれぞれは、搬送方向に対して交差する第1の方向から、基材12に向かって原料液を吐出する。そして、親水化ヘッド23のそれぞれは、搬送方向及び第1の方向の両方に対して交差する第2の方向に、対応する紡糸ヘッド22からずれて配置される。このため、対応する紡糸ヘッド22が繊維を堆積させる領域において親水化ヘッド23のそれぞれが繊維を親水化する構成を、容易に実現可能となる。
これらの少なくとも一つの実施形態又は実施例によれば、複数の紡糸ヘッドのそれぞれに対応させて1つ以上ずつ設けられ、対応する紡糸ヘッドが繊維を堆積させる領域、又は、対応する紡糸ヘッドが繊維を堆積させる領域に対して下流側に連続する領域において、それぞれが繊維を親水化する親水化ヘッドを備える。これにより、一対の電極の一方と一体にセパレータとなる繊維膜が形成され、繊維膜における導電性高分子の均一性を向上させる電解コンデンサの製造装置を提供することができる。
これら少なくとも一つの実施形態又は実施例によれば、繊維を堆積させる複数の領域のそれぞれ、又は、繊維を堆積させる複数の領域のそれぞれに対して下流側に連続する領域において、繊維を親水化する。これにより、一対の電極の一方と一体にセパレータとなる繊維膜が形成され、繊維膜における導電性高分子の均一性を向上させる電解コンデンサの製造方法を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…電解コンデンサ、2…ケース、3…コンデンサ素子、5…陽極、6…陰極、7…セパレータ、11…帯状体、12…基材、13…繊維膜、20…製造装置、21…搬送部、22(22A,22B)…紡糸ヘッド、23(23A,23B)…親水化ヘッド。

Claims (6)

  1. 電極となる基材を搬送する搬送部と、
    搬送部において搬送される前記基材にそれぞれが原料液を吐出することにより、セパレータとなる繊維膜を形成する繊維を前記基材にそれぞれが堆積させ、前記搬送部での搬送方向に互いに対して離れて配置される複数の紡糸ヘッドと、
    複数の前記紡糸ヘッドのそれぞれに対応させて1つ以上ずつ設けられ、対応する前記紡糸ヘッドが前記繊維を堆積させる領域、又は、対応する前記紡糸ヘッドが前記繊維を堆積させる前記領域に対して下流側に連続する領域において、それぞれが前記繊維を親水化する親水化ヘッドと、
    を具備する、電解コンデンサの製造装置。
  2. 複数の前記紡糸ヘッドのそれぞれは、前記搬送方向に対して交差する第1の方向の一方側から、前記基材に向かって前記原料液を吐出し、
    複数の前記親水化ヘッドのそれぞれは、前記搬送方向及び前記第1の方向の両方に対して交差する第2の方向に、対応する前記紡糸ヘッドからずれて配置される、
    請求項1の製造装置。
  3. 複数の前記親水化ヘッドのそれぞれは、前記繊維への紫外線の照射、前記繊維への大気圧プラズマの噴射、及び、前記繊維へのオゾンガスの噴射の少なくともいずれかによって、前記繊維を親水化する、請求項1又は2の製造装置。
  4. 搬送部において電極となる基材を搬送することと、
    前記搬送部での搬送方向に互いに対して離れる複数の領域のそれぞれにおいて、搬送される前記基材に原料液を吐出することにより、セパレータとなる繊維膜を形成する繊維を前記基材に堆積させることと、
    前記繊維を堆積させる複数の前記領域のそれぞれ、又は、前記繊維を堆積させる複数の前記領域のそれぞれに対して下流側に連続する領域において、前記繊維を親水化することと、
    を具備する、電解コンデンサの製造方法。
  5. 前記繊維の親水化において、前記繊維への紫外線の照射、前記繊維への大気圧プラズマの噴射、及び、前記繊維へのオゾンガスの噴射の少なくともいずれかによって、前記繊維を親水化する、請求項4の製造方法。
  6. 前記基材とは極性が反対の電極となる板部材を前記基材に対して前記繊維膜を間に介して積層し、前記基材、前記繊維膜及び前記板部材の積層体からコンデンサ素子を形成することと、
    前記繊維膜に導電性高分子を含浸させることと、
    をさらに具備する、請求項4又は5の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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