JP2024053309A - 電解コンデンサの製造方法及び電解コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】電極基板と一体に繊維膜が形成され、対極に対して電極棒のそれぞれが容易な構成で適切に絶縁される電解コンデンサの製造方法を提供すること。
【解決手段】実施形態の電解コンデンサの製造方法では、陽極基板に陽極棒が電気的に接続される状態で、陽極基板及び第1の繊維膜が一体の第1の帯状体に陽極棒を取付け、陰極基板に陰極棒が電気的に接続される状態で、陰極基板及び第2の繊維膜が一体の第2の帯状体に陰極棒を取付ける。製造方法では、第1の帯状体及び第2の帯状体の積層体を捲回することにより、陽極棒と陰極基板との間に第2の繊維膜を配置し、陰極棒と陽極基板との間に第1の繊維膜を配置する。
【選択図】図4
【解決手段】実施形態の電解コンデンサの製造方法では、陽極基板に陽極棒が電気的に接続される状態で、陽極基板及び第1の繊維膜が一体の第1の帯状体に陽極棒を取付け、陰極基板に陰極棒が電気的に接続される状態で、陰極基板及び第2の繊維膜が一体の第2の帯状体に陰極棒を取付ける。製造方法では、第1の帯状体及び第2の帯状体の積層体を捲回することにより、陽極棒と陰極基板との間に第2の繊維膜を配置し、陰極棒と陽極基板との間に第1の繊維膜を配置する。
【選択図】図4
Description
本発明の実施形態は、電解コンデンサの製造方法及び電解コンデンサに関する。
コンデンサとして電解コンデンサが、広く用いられている。電解コンデンサでは、コンデンサ素子が、ケースの内部に収納される。また、コンデンサ素子は、例えば、セパレータを間に介して陽極基板及び陰極基板を積層し、陽極基板、陰極基板及びセパレータの積層体を捲回した捲回体から形成される。そして、ケースの内部において、コンデンサ素子に、電解液が含浸される。電解コンデンサとしては、一対の電極基板(陽極基板及び陰極基板)の一方がセパレータと一体に形成されるものがある。このような電解コンデンサの製造では、紡糸法等によって一対の電極基板の一方である基材に向かって原料液を吐出することにより、電極基板の表面に、繊維膜がセパレータとして形成される。
ここで、陽極基板及び陰極基板の一方である第1の電極基板に、セパレータとして繊維膜を一体に形成する場合、第1の電極基板及び繊維膜が一体に形成された帯状体に第1の電極基板に対応する電極棒(陽極棒及び陰極棒の対応する一方)を取付ける。そして、第1の電極基板に対応する電極棒に絶縁テープを貼付ける等して、陽極基板及び陰極基板の第1の電極基板とは別の一方である第2の電極基板に対して、第1の電極基板に対応する電極棒を電気的に絶縁している。電極基板と一体に繊維膜が形成される電解コンデンサでは、対極となる電極基板に対して一対の電極棒のそれぞれが容易な構成で適切に絶縁されることが、求められている。
本発明が解決しようとする課題は、電極基板と一体に繊維膜が形成され、対極に対して電極棒のそれぞれが容易な構成で適切に絶縁される電解コンデンサ及びその製造方法を提供することにある。
実施形態の電解コンデンサの製造方法によれば、電気的絶縁性を有する第1の繊維膜を陽極基板の表面に形成し、電気的絶縁性を有する第2の繊維膜を陰極基板の表面に形成する。製造方法では、陽極基板に陽極棒が電気的に接続される状態で、陽極基板及び第1の繊維膜が一体の第1の帯状体に陽極棒を取付け、陰極基板に陰極棒が電気的に接続される状態で、陰極基板及び第2の繊維膜が一体の第2の帯状体に陰極棒を取付ける。製造方法では、第1の帯状体及び第2の帯状体の積層体を捲回することにより、陽極棒と陰極基板との間に第2の繊維膜を配置し、陰極棒と陽極基板との間に第1の繊維膜を配置する。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
まず、実施形態の一例として、第1の実施形態について説明する。図1及び図2は、第1の実施形態に係る電解コンデンサ1の一例を示す。図1及び図2に示すように、電解コンデンサ1は、ケース2、及び、ケース2の内部に収納されるコンデンサ素子3を備える。ケース2は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金から形成される。また、ケース2の内部では、コンデンサ素子3に電解液が含浸される。なお、図2では、コンデンサ素子3をケース2から分離した状態が、示される。
まず、実施形態の一例として、第1の実施形態について説明する。図1及び図2は、第1の実施形態に係る電解コンデンサ1の一例を示す。図1及び図2に示すように、電解コンデンサ1は、ケース2、及び、ケース2の内部に収納されるコンデンサ素子3を備える。ケース2は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金から形成される。また、ケース2の内部では、コンデンサ素子3に電解液が含浸される。なお、図2では、コンデンサ素子3をケース2から分離した状態が、示される。
コンデンサ素子3は、2つ帯状体5,6を備える。コンデンサ素子3では、帯状体5に対して帯状体6が積層された状態で、帯状体5,6が一緒に捲回される。すなわち、帯状体5,6の積層体を捲回した捲回体から、コンデンサ素子3が形成される。コンデンサ素子3では、捲回軸Bを中心として、帯状体5,6が捲回される。コンデンサ素子3では、捲回軸Bに沿う方向が、軸方向として規定される。
帯状体(第1の帯状体)5は、陽極基板11、及び、陽極基板11の表面に形成される繊維膜(第1の繊維膜)15を備える。帯状体5では、陽極基板11は、導電性を有する金属から形成され、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金から形成される。帯状体5では、陽極基板11及び繊維膜15が一体に形成される。繊維膜15は、有機繊維から形成され、電気的絶縁性を有する。繊維膜15は、陽極基板11の表面上に例えば直接的に紡糸されることで、陽極基板11の表面に結着し一体となる。陽極基板11の表面に結着した繊維膜15が陽極基板11の表面からはがれ易い場合等には、必要に応じて繊維膜15を陽極基板11の表面に押圧したり、繊維膜15を乾燥させたりすることにより、陽極基板11の表面に定着(接着)させるようにしてもよい。このようにして、陽極基板11の表面上にはがれないように一体的に繊維膜15が形成された帯状体5が、得られる。
帯状体(第2の帯状体)6は、陰極基板12、及び、陰極基板12の表面に形成される繊維膜(第2の繊維膜)16を備える。帯状体6では、陰極基板12は、導電性を有する金属から形成され、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金から形成される。帯状体6では、陰極基板12及び繊維膜16が一体に形成される。繊維膜16は、有機繊維から形成され、電気的絶縁性を有する。繊維膜16は、陰極基板12の表面上に例えば直接的に紡糸されることで、陰極基板12の表面に結着し一体となる。陰極基板12上に結着した繊維膜16が陰極基板12の表面からはがれ易い場合等には、必要に応じて繊維膜16を陰極基板12の表面に押圧したり、繊維膜16を乾燥させたりすることにより、陰極基板12の表面に定着(接着)させるようにしてもよい。このようにして、陰極基板12の表面上にはがれないように一体的に繊維膜16が形成された帯状体6が、得られる。
図3は、コンデンサ素子3の2つの帯状体5,6を、互いに対して分離し、かつ、それぞれを展開した状態で示す。図3等に示すように、帯状体5及び陽極基板11では、長手方向(矢印L1で示す方向)、長手方向に対して交差する(直交又は略直交する)幅方向(矢印W1で示す方向)、及び、長手方向及び幅方向の両方に対して交差する厚さ方向(図3において紙面に対して直交又は略直交する方向)が、規定される。同様に、帯状体6及び陰極基板12では、長手方向(矢印L2で示す方向)、長手方向に対して交差する(直交又は略直交する)幅方向(矢印W2で示す方向)、及び、長手方向及び幅方向の両方に対して交差する厚さ方向(図3において紙面に対して直交又は略直交する方向)が、規定される。帯状体5,6(陽極基板11及び陰極基板12)のそれぞれでは、長手方向に沿った寸法は、幅方向に沿った寸法より大きく、幅方向に沿った寸法は、厚さ方向に沿った寸法に比べて大きい。
コンデンサ素子3では、帯状体5,6のそれぞれの厚さ方向が帯状体5,6の積層方向と一致又は略一致する状態で、帯状体5,6が互いに対して積層される。また、コンデンサ素子3では、帯状体5,6のそれぞれの幅方向がコンデンサ素子3の軸方向に沿い、かつ、帯状体5,6のそれぞれの長手方向がコンデンサ素子3の周方向(捲回軸Bの軸回り方向)に沿う状態で、帯状体5,6の積層体が捲回される。
図4は、コンデンサ素子3での2つの帯状体5,6の積層状態を、帯状体5,6を展開した状態で示す。図4では、帯状体5,6のそれぞれは、幅方向に直交又は略直交する断面で示される。図4等に示すように、陽極基板11は、一対の主面21,22を備える。陽極基板11では、一対の主面21,22は、厚さ方向について、互いに対して反対側を向く。本実施形態では、陽極基板11において、一対の主面(第1の主面)21,22の両方に繊維膜(第1の繊維膜)15が形成され、主面21,22のそれぞれが、繊維膜15によって覆われる。
図3等に示すように、陽極基板11は、一対の長縁25,26及び一対の短縁27,28を備える。陽極基板11では、長縁25,26のそれぞれは、短縁27,28の間に長手方向に沿って延設され、短縁27,28のそれぞれは、長縁25,26の間に幅方向に沿って延設される。陽極基板11では、長縁25によって、幅方向の一方側の端が形成され、長縁26によって、幅方向について長縁25とは反対側の端が形成される。また、陽極基板11では、短縁27によって、長手方向の一方側の端が形成され、短縁28によって、長手方向について短縁27とは反対側の端が形成される。帯状体5の陽極基板11では、一対の主面21,22のそれぞれは、長縁25から長縁26までの幅方向の全寸法(全幅)に渡って、繊維膜15によって覆われる。そして、一対の主面21,22のそれぞれは、短縁27から短縁28までの長手方向の全寸法(全長)に渡って、繊維膜15によって覆われる。ただし、短縁27,28のそれぞれは、繊維膜によって覆われない。
図4等に示すように、陰極基板12は、一対の主面31,32を備える。陰極基板12では、一対の主面31,32は、厚さ方向について、互いに対して反対側を向く。本実施形態では、陰極基板12において、一対の主面(第2の主面)31,32の両方に繊維膜(第2の繊維膜)16が形成され、主面31,32のそれぞれが、繊維膜16によって覆われる。
図3等に示すように、陰極基板12は、一対の長縁35,36及び一対の短縁37,38を備える。陰極基板12では、長縁35,36のそれぞれは、短縁37,38の間に長手方向に沿って延設され、短縁37,38のそれぞれは、長縁35,36の間に幅方向に沿って延設される。陰極基板12では、長縁35によって、幅方向の一方側の端が形成され、長縁36によって、幅方向について長縁35とは反対側の端が形成される。また、陰極基板12では、短縁37によって、長手方向の一方側の端が形成され、短縁38によって、長手方向について短縁37とは反対側の端が形成される。帯状体6の陰極基板12では、一対の主面31,32のそれぞれは、長縁35から長縁36までの幅方向の全寸法(全幅)に渡って、繊維膜16によって覆われる。そして、一対の主面31,32のそれぞれは、短縁37から短縁38までの長手方向の全寸法(全長)に渡って、繊維膜16によって覆われる。ただし、短縁37,38のそれぞれは、繊維膜16によって覆われない。
前述のように、本実施形態のコンデンサ素子3では、陽極基板11の主面21,22の両方に繊維膜15が形成される帯状体5に、陰極基板12の主面31,32の両方に繊維膜16が形成される帯状体6が、積層される。このため、陽極基板11及び陰極基板12は、繊維膜15,16を間に介して、積層される。そして、コンデンサ素子3では、繊維膜15,16によって、陽極基板11が陰極基板12に対して電気的に絶縁される。すなわち、コンデンサ素子3では、繊維膜15,16が、陽極基板11と陰極基板12との間を電気的に絶縁するセパレータとして機能する。
図1乃至図3等に示すように、コンデンサ素子3は、一対の電極棒として、陽極棒7及び陰極棒8を備える。陽極棒7及び陰極棒8のそれぞれは、導電性を有する金属から形成され、ケース2の外部へ延出される。電解コンデンサ1では、陽極棒7によって、陽極側の端子が形成され、陰極棒8によって、陰極側の端子が形成される。コンデンサ素子3では、陽極棒7は、帯状体5,6の捲回体に対して、軸方向の一方側へ突出する。そして、コンデンサ素子3では、陰極棒8は、帯状体5,6の捲回体に対して、軸方向について陽極棒7が突出する側へ突出する。
図4等に示すように、コンデンサ素子3では、陽極棒7は、帯状体(第1の帯状体)5に取付けられ、陰極棒8は、帯状体(第2の帯状体)6に取付けられる。そして、帯状体5では、陽極棒7が、陽極基板11の金属層に電気的に接続され、帯状体6では、陰極棒8が、陰極基板12の金属層に電気的に接続される。帯状体5では、繊維膜(第1の繊維膜)15に陽極棒7が接続され、図4等の一例では、陽極基板11の主面22に形成される繊維膜15に、陽極棒7が接続される。また、帯状体6では、繊維膜(第2の繊維膜)16に陰極棒8が接続され、図4等の一例では、陰極基板12の主面32に形成される繊維膜16に、陰極棒8が接続される。
帯状体5の繊維膜15では、陽極棒7の接続部分及びその近傍に、有機繊維及び導電材料を含有する膜導電部(第1の膜導電部)41が、形成される。繊維膜15は、膜導電部41以外の部位では導電性を有さないが、膜導電部41では導電性を有する。そして、陽極棒7は、膜導電部41等を介して、陽極基板11に電気的に接続される。また、帯状体6の繊維膜16では、陰極棒8の接続部分及びその近傍に、有機繊維及び導電材料を含有する膜導電部(第2の膜導電部)42が、形成される。繊維膜16は、膜導電部42以外の部位では導電性を有さないが、膜導電部42では導電性を有する。そして、陰極棒8は、膜導電部42等を介して、陰極基板12に電気的に接続される。
膜導電部41,42のそれぞれに含まれる導電材料としては、導電性を有する樹脂、金属フィラーを含有する樹脂、及び、金属フィラーの溶液等が、挙げられる。また、コンデンサ素子3では、陰極棒8及び膜導電部42は、周方向(捲回軸Bの軸回り方向)について、陽極棒7及び膜導電部41から離れて位置する。
コンデンサ素子3では、陽極棒7と陰極基板12との間に、帯状体6の繊維膜(第2の繊維膜)16が配置される。このため、陽極棒7には、帯状体5の繊維膜(第1の繊維膜)15とは反対側から、帯状体6の繊維膜16が接触する。陽極棒7には、繊維膜16において膜導電部42以外の部位が、接触する。したがって、陽極棒7及び膜導電部41は、繊維膜16によって、陰極基板12に対して電気的に絶縁される。
また、コンデンサ素子3では、陰極棒8と陽極基板11との間に、帯状体5の繊維膜(第1の繊維膜)15が配置される。このため、陰極棒8には、帯状体6の繊維膜(第2の繊維膜)16とは反対側から、帯状体5の繊維膜15が接触する。陰極棒8には、繊維膜15において膜導電部41以外の部位が、接触する。したがって、陰極棒8及び膜導電部42は、繊維膜15によって、陽極基板11に対して電気的に絶縁される。
以下、電解コンデンサ1等の製造について、説明する。電解コンデンサ1の製造においては、帯状体5,6のそれぞれを形成する。図5は、帯状体5,6のそれぞれを製造する製造過程の一例を示す。帯状体5の製造では、基材となる陽極基板11を、送出し部51から搬送部50に送出す。送出し部51では、例えば、リール(図示しない)に陽極基板11がロール状に巻かれる。そして、陽極基板11が巻かれたリールを回転することにより、陽極基板11が搬送部50に送出される。
搬送部50では、紡糸部52、導電材料付与部53及び電極棒取付け部55を順に通って、陽極基板11が搬送される。この際、紡糸部52、導電材料付与部53及び電極棒取付け部55のそれぞれが後述する処理を行うことにより、帯状体5が形成される。形成された帯状体5は、巻取り部56に搬送される。巻取り部56では、搬送された帯状体5が、例えば、リール(図示しない)によってロール状に巻取られる。この際、リールを回転することにより、帯状体5がリールに巻取られる。
図6は、紡糸部52による処理を示す。図6に示すように、本実施形態では、紡糸部52は、紡糸ヘッド61A,61Bを備える。紡糸部52では、紡糸ヘッド61A,61Bによって、搬送部50において搬送される陽極基板11の表面に、繊維膜15を形成する。これにより、陽極基板11及び繊維膜15が一体の帯状体5が、形成される。紡糸ヘッド61A,61Bのそれぞれは、1つ以上のノズル62を備え、紡糸ヘッド61A,61Bのそれぞれの内部には、例えば、有機物質が溶媒に溶解された原料液を、貯留可能である。紡糸ヘッド61A,61Bのそれぞれでは、内部に貯留されている原料液が、ノズル62から陽極基板11に吐出される。
紡糸部52には、直流電源等の電源(図示しない)が設けられる。電源は、紡糸ヘッド61A,61Bのそれぞれに電圧を印加し、紡糸ヘッド61A,61Bのそれぞれにおいて原料液を帯電させる。これにより、紡糸ヘッド61A,61Bのそれぞれと搬送部50において搬送される陽極基板11との間に、電圧(電位差)が発生する。そして、紡糸ヘッド61A,61Bのそれぞれのノズル62から、帯電した原料液が陽極基板11に向かって吐出され、陽極基板11の表面に有機繊維が堆積される。これにより、陽極基板11の表面に堆積された有機繊維によって、繊維膜15が形成される。なお、原料液は、プラスの極性に帯電してもよく、マイナスの極性に帯電してもよい。
原料液は、有機物質を溶媒に溶解することにより、生成される。原料液に用いられる有機物質としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエーテル、ポリイミド、ポリケトン、ポリスルホン、セルロース、ポリアミド、ポリアミドイミド及びポリフッ化ビニリデンのいずれか1つ以上が選択される。ポリオレフィンとしては、例えば、ポリプロピレン及びポリエチレン等が挙げられる。
紡糸ヘッド61A,61Bのそれぞれと陽極基板11との間の電圧は、原料液における溶媒及び溶質の種類、原料液の溶媒の沸点及び蒸気圧曲線、原料液の濃度及び温度、ノズル62の形状、及び、陽極基板11とノズル62との距離等に対応して、適宜設定される。ある一例では、紡糸ヘッド61A,61Bのそれぞれと陽極基板11との間に印加される電圧(電位差)は、1kV~100kVの間で適宜設定される。紡糸ヘッド61A,61Bのそれぞれのノズル62からの原料液の吐出速度は、原料液の濃度、粘度及び温度、紡糸ヘッド61A,61Bのそれぞれと陽極基板11との間に印加される電圧、及び、ノズル62の形状等に対応する大きさになる。
前述のように、本実施形態では、電界紡糸法(電荷紡糸法及び電荷誘導紡糸法等とも称される)により、基材である陽極基板11の表面に繊維膜(第1の繊維膜)15を形成し、陽極基板11及び繊維膜15が一体の帯状体(第1の帯状体)5が形成される。ある一例では、紡糸ヘッド61A,61Bへの原料液の供給源、及び、供給源と紡糸ヘッド61A,61Bのそれぞれとの間の原料液の供給経路のいずれかに、前述した電源等によって電圧を印加し、原料液を帯電させてもよい。この場合も、帯電した原料液が、紡糸ヘッド61A,61Bのそれぞれのノズル62から陽極基板11に向かって吐出される。
また、陽極基板11の表面への有機繊維の繊維膜15の形成が、電界紡糸法以外の方法によって行われてもよい。ある一例では、電界紡糸法の代わりに、ソリューションブロー法によって、陽極基板11の表面に繊維膜15が形成される。この場合も、紡糸ヘッド61A,61Bのそれぞれのノズル62から陽極基板11の表面へ、有機物質を溶媒に溶解した原料液が吐出されることにより、陽極基板11の表面に有機繊維が堆積される。
本実施形態では、紡糸ヘッド61Aは、陽極基板11の厚さ方向の一方側から陽極基板11に向かって原料液を吐出し、主面21に有機繊維を堆積させる。このため、紡糸ヘッド61Aによって、主面21に繊維膜(第1の繊維膜)15が形成される。また、紡糸ヘッド61Bは、陽極基板11の厚さ方向について紡糸ヘッド61Aとは反対側から陽極基板11に向かって原料液を吐出し、主面22に有機繊維を堆積させる。このため、紡糸ヘッド61Bによって、主面22に繊維膜(第1の繊維膜)15が形成される。前述のように、本実施形態では、紡糸ヘッド61A,61Bによって、陽極基板11の一対の主面21,22の両方に、繊維膜15が形成される。
なお、図6の一例では、紡糸ヘッド61A,61Bのそれぞれが、1つずつ設けられる。ただし、ある一例では、紡糸部52において、紡糸ヘッド61A,61Bのそれぞれが、複数ずつ設けられてもよい。この場合、複数の紡糸ヘッド61Aは、搬送部50での搬送方向に互いに対して離れて配置され、複数の紡糸ヘッド61Bは、搬送部50での搬送方向に互いに対して離れて配置される。紡糸ヘッド61A,61Bのそれぞれが複数ずつ設けられる場合でも、紡糸ヘッド61Aによって、主面21に繊維膜15が形成され、紡糸ヘッド61Bによって、主面22に繊維膜15が形成される。このため、陽極基板11の一対の主面21,22の両方に、繊維膜15が形成される。
図7は、導電材料付与部53での処理を示す。図7に示すように、本実施形態では、導電材料付与部53は、吐出ノズル63を備える。吐出ノズル63は、紡糸部52に対して搬送部50の下流側において、前述のようにして形成された繊維膜15の対応する部分に向かって導電材料を吐出し、繊維膜15の対応する部分に導電材料を付与する。これにより、繊維膜15では、導電材料が付与された部分に、導電材料を含有する膜導電部(第1の膜導電部)41が形成される。吐出ノズル63は、例えば、ディスペンサを用いた方法、及び、インクジェット法等のいずれかによって、導電材料を吐出する。また、吐出ノズル63から付与される導電材料としては、前述した導電材料が挙げられる。
電極棒取付け部55では、前述のように繊維膜15及び膜導電部41が形成された帯状体5に、陽極棒7を取付ける。陽極棒7は、例えば、カシメ留めによって、帯状体5に取付けられる。また、陽極棒7の帯状体5への取付けでは、陽極棒7を繊維膜15の膜導電部41に接続する。これにより、陽極棒7は、膜導電部41等を介して陽極基板11に電気的に接続された状態で、帯状体5に取付けられる。
帯状体6の製造でも、陽極基板11から帯状体5を形成する場合と同様にして、紡糸部52、導電材料付与部53及び電極棒取付け部55等の処理によって、陰極基板12から帯状体6が形成される。すなわち、帯状体6の製造では、送出し部51から搬送部50に、基材である陰極基板12が送出され、搬送部50において、紡糸部52、導電材料付与部53及び電極棒取付け部55を順に通って、陰極基板12が搬送される。紡糸部52では、陽極基板11への繊維膜15の形成と同様にして、紡糸ヘッド61A,61Bによって、陰極基板12の一対の主面31,32の両方に、繊維膜(第2の繊維膜)16が形成される。この際、紡糸ヘッド61Aによって、主面31に繊維膜16が形成され、紡糸ヘッド61Bによって、主面32に繊維膜16が形成される。
導電材料付与部53では、繊維膜15の対応する部分に膜導電部41を形成する場合と同様にして、繊維膜16の対応する部分に導電材料を付与する。これにより、繊維膜16では、導電材料が付与された部分に、導電材料を含有する膜導電部(第2の膜導電部)42が形成される。そして、電極棒取付け部55では、帯状体5への陽極棒7の取付と同様にして、帯状体6へ陰極棒8が取付けられる。このため、陰極棒8は、繊維膜16の膜導電部42に接続され、陰極棒8は、膜導電部42等を介して陰極基板12に電気的に接続された状態で、帯状体6に取付けられる。そして、巻取り部56では、帯状体5の巻取りと同様にして、前述のように形成された帯状体6を巻取る。
電解コンデンサ1の製造では、前述のように帯状体5,6が形成されると、陽極棒7が取付けられた帯状体5、及び、陰極棒8が取付けられた帯状体6を用いて、コンデンサ素子3を形成される。コンデンサ素子3の形成では、帯状体5,6を積層する。この際、帯状体5,6のそれぞれの厚さ方向が積層方向と一致又は略一致する状態で、帯状体5,6を積層する。そして、帯状体5,6の積層体では、帯状体5の長手方向が、帯状体6の長手方向と一致又は略一致し、帯状体5の幅方向が、帯状体6の幅方向と一致又は略一致する。また、帯状体5,6の積層体では、陰極棒8及び膜導電部41は、帯状体5,6の長手方向について、陽極棒7及び膜導電部42から離れて位置する。そして、帯状体5,6の積層体では、陽極棒7は、帯状体5,6の幅方向の一方側へ突出し、陰極棒8は、帯状体5,6の幅方向について陽極棒7が突出する側へ突出する。
コンデンサ素子3の形成では、帯状体5,6の積層体を捲回する。この際、帯状体5,6のそれぞれの幅方向が捲回の捲回軸Bに沿い、かつ、帯状体5,6のそれぞれの長手方向が捲回軸Bの軸回り方向に沿う状態に、帯状体5,6の積層体が捲回される。また、帯状体5,6の積層体を捲回することにより、陽極棒7と陰極基板12との間に繊維膜(第2の繊維膜)16が配置され、陰極棒8と陽極基板11との間に繊維膜(第1の繊維膜)15が配置される。前述のようにして帯状体5,6の積層体を捲回した捲回体によって、コンデンサ素子3が形成される。なお、帯状体5,6の積層体を捲回する際には、帯状体5,6の一方が巻かれ始めた後に、帯状体5,6の他方が巻かれ始める。そして、長手方向についての帯状体5,6の寸法を互いに対して異ならせて、帯状体5,6を捲回する。これにより、短縁27,28及び短縁37,38を介しての陽極基板11と陰極基板12との間の短絡が、有効に防止される。
電解コンデンサ1の製造では、前述のようにして形成したコンデンサ素子3を、導電性高分子が溶解された溶液に浸し、繊維膜15,16のそれぞれに導電性高分子を含浸させる。そして、繊維膜15,16のそれぞれに導電性高分子を含浸させたコンデンサ素子3を、ケース2の内部に収納する。この際、陽極棒7及び陰極棒8がケース2の外部に延出される状態で、コンデンサ素子3がケース2の内部に配置される。そして、ケース2の内部に電解液を注入し、コンデンサ素子3に電解液を含浸させる。そして、ケース2を封止し、ケース2の内部を密閉することにより、電解コンデンサ1が形成される。なお、コンデンサ素子3は、必ずしも導電性高分子が溶解された溶液に浸す必要はない。
前述のように本実施形態では、陽極基板11と一体の繊維膜15及び陰極基板12と一体の繊維膜16によって、陽極基板11と陰極基板12との間を電気的に絶縁するセパレータが、形成される。このため、製造における手間及びコスト等を低減しつつ、コンデンサ素子3において、厚さが薄いセパレータを形成可能となる。セパレータの厚さが薄くなることにより、電解コンデンサ1の低抵抗化を実現可能となる。
また、本実施形態では、帯状体5において陽極基板11の表面に、陽極基板11と一体に繊維膜15が形成され、帯状体6において陰極基板12の表面に、陰極基板12と一体に繊維膜16が形成される。そして、帯状体5,6の積層体を捲回することによって形成されるコンデンサ素子3では、陽極棒7と陰極基板12との間に繊維膜16が配置され、陰極棒8と陽極基板11との間に繊維膜15が配置される。このため、繊維膜16によって、陽極棒7が陰極基板12に対して電気的に絶縁され、繊維膜15によって、陰極棒8が陽極基板11に対して電気的に絶縁される。これにより、絶縁テープ等を別途設けることなく、一対の電極棒である陽極棒7及び陰極棒8のそれぞれが、対極となる電極基板(11及び12の対応する一方)に対して、電気的に絶縁される。すなわち、一対の電極棒のそれぞれが、対極に対して、容易な構成で適切に絶縁される。
また、本実施形態では、陽極基板11の一対の主面21,22の両方に繊維膜15が形成され、陰極基板12の一対の主面31,32の両方に繊維膜16が形成される。これにより、電極棒のそれぞれが、対極となる電極基板(11及び12の対応する一方)に対して、さらに適切に絶縁される。
また、本実施形態では、繊維膜15に、導電材料を含有する膜導電部41が形成される。そして、帯状体5では、膜導電部41に、陽極棒7が接続される。このため、陽極基板11の一対の主面21,22の両方に繊維膜15が形成されても、陽極棒7が陽極基板11に適切に電気的に接続される。同様に、陰極基板12の一対の主面31,32の両方に繊維膜16が形成されても、陰極棒8が陰極基板12に適切に電気的に接続される。
(変形例)
次に、前述した実施形態等のある変形例について、図8を参照して、説明する。図8は、コンデンサ素子3での2つの帯状体5,6の積層状態を、帯状体5,6を展開した状態で示す。図8では、帯状体5,6のそれぞれは、幅方向に直交又は略直交する断面で示される。図8に示すように、本変形例では、陽極基板11において、一対の主面(第1の主面)21,22に一方にのみ繊維膜(第1の繊維膜)15が形成され、主面21のみが繊維膜15によって覆われる。そして、陰極基板12において、一対の主面(第2の主面)31,32に一方にのみ繊維膜(第2の繊維膜)16が形成され、主面31のみが繊維膜16によって覆われる。
次に、前述した実施形態等のある変形例について、図8を参照して、説明する。図8は、コンデンサ素子3での2つの帯状体5,6の積層状態を、帯状体5,6を展開した状態で示す。図8では、帯状体5,6のそれぞれは、幅方向に直交又は略直交する断面で示される。図8に示すように、本変形例では、陽極基板11において、一対の主面(第1の主面)21,22に一方にのみ繊維膜(第1の繊維膜)15が形成され、主面21のみが繊維膜15によって覆われる。そして、陰極基板12において、一対の主面(第2の主面)31,32に一方にのみ繊維膜(第2の繊維膜)16が形成され、主面31のみが繊維膜16によって覆われる。
本変形例でも、帯状体5において、繊維膜15は陽極基板11と一体に形成され、帯状体6において、繊維膜16は陰極基板12と一体に形成される。そして、主面21は、長縁25から長縁26までの幅方向の全寸法(全幅)に渡って、繊維膜15によって覆われるとともに、短縁27から短縁28までの長手方向の全寸法(全長)に渡って、繊維膜15によって覆われる。同様に、主面31は、長縁35から長縁36までの幅方向の全寸法(全幅)に渡って、繊維膜16によって覆われるとともに、短縁37から短縁38までの長手方向の全寸法(全長)に渡って、繊維膜16によって覆われる。
本変形例では、繊維膜15に膜導電部41は形成されず、繊維膜16に膜導電部42は形成されない。本変形例では、陽極棒7は、主面22で陽極基板11に接続される。すなわち、一対の主面21,22の繊維膜15が形成されていない一方で、陽極棒7が陽極基板11に接続される。このため、陽極棒7が陽極基板11に電気的に接続された状態で、陽極棒7が帯状体5に取付けられる。また、本変形例では、陰極棒8は、主面32で陰極基板12に接続される。すなわち、一対の主面31,32の繊維膜16が形成されていない一方で、陰極棒8が陰極基板12に接続される。このため、陰極棒8が陰極基板12に電気的に接続された状態で、陰極棒8が帯状体6に取付けられる。
本変形例でも、コンデンサ素子3において、陽極棒7と陰極基板12との間に、帯状体6の繊維膜(第2の繊維膜)16が配置される。したがって、陽極棒7は、繊維膜16によって、陰極基板12に対して電気的に絶縁される。また、コンデンサ素子3では、陰極棒8と陽極基板11との間に、帯状体5の繊維膜(第1の繊維膜)15が配置される。したがって、陰極棒8は、繊維膜15によって、陽極基板11に対して電気的に絶縁される。
本変形例の電解コンデンサ1の製造では、紡糸部52に、紡糸ヘッド61Aのみが設けられ、紡糸ヘッド61Bは設けられない。これにより、帯状体(第1の帯状体)5の形成では、紡糸部52での処理によって、基材である陽極基板11において、主面21にのみ繊維膜15が形成され、主面22には繊維膜15が形成されない。同様に、帯状体(第2の帯状体)6の形成では、紡糸部52での処理によって、基材である陰極基板12において、主面31にのみ繊維膜16が形成され、主面32には繊維膜16が形成されない。
また、本変形例では、帯状体5,6のそれぞれの製造において、導電材料付与部53による処理は行われない。このため、帯状体5の繊維膜15には、膜導電部41が形成されず、帯状体6の繊維膜16には、膜導電部42が形成されない。そして、本変形例では、帯状体5の製造において、電極棒取付け部55での処理によって、繊維膜15が形成されていない主面22で陽極基板11に陽極棒7を接続し、陽極棒7を帯状体5に取付ける。同様に、帯状体6の製造において、電極棒取付け部55での処理によって、繊維膜16が形成されていない主面32で陰極基板12に陰極棒8を接続し、陰極棒8を帯状体6に取付ける。
本変形例でも、帯状体5,6の積層体を捲回することにより、コンデンサ素子3を形成する。本変形例では、繊維膜15が形成されていない主面22と陰極基板12との間に繊維膜(第2の繊維膜)16が配置され、かつ、繊維膜16が形成されていない主面32と陽極基板11との間に繊維膜(第1の繊維膜)15が配置される状態に、帯状体5,6の積層体が捲回される。このため、本変形例でも、帯状体5,6の積層体を捲回することにより、陽極棒7と陰極基板12との間に繊維膜(第2の繊維膜)16が配置され、陰極棒8と陽極基板11との間に繊維膜(第1の繊維膜)15が配置される。前述のようにコンデンサ素子3が形成した後、前述の実施形態等と同様の処理を行うことにより、電解コンデンサ1が形成される。
本変形例でも、帯状体5において陽極基板11の表面に、陽極基板11と一体に繊維膜15が形成され、帯状体6において陰極基板12の表面に、陰極基板12と一体に繊維膜16が形成される。そして、帯状体5,6の積層体を捲回することによって形成されるコンデンサ素子3では、陽極棒7と陰極基板12との間に繊維膜16が配置され、陰極棒8と陽極基板11との間に繊維膜15が配置される。このため、本変形例でも、前述の実施形態等と同様の作用及び効果を奏する。すなわち、一対の電極棒のそれぞれが、対極に対して、容易な構成で適切に絶縁される。
また、本変形例では、繊維膜15が形成されていない主面22で、陽極基板11に陽極棒7が接続される。このため、陽極棒7が、陽極基板11に適切に電気的に接続される。同様に、陰極棒8が、陰極基板12に適切に電気的に接続される。
また、本変形例では、陽極棒7を陽極基板11に電気的に接続するために繊維膜15に導電材料を付与したり、陰極棒8を陰極基板12に電気的に接続するために繊維膜16に導電材料を付与したりする必要がない。このため、帯状体5,6のそれぞれの形成において、工程の数が削減され、手間等がさらに低減される。
これらの少なくとも一つの実施形態又は実施例によれば、陽極基板に陽極棒が電気的に接続される状態で、第1の繊維膜を陽極基板の表面に一体に形成した第1の帯状体に陽極棒を取付け、陰極基板に陰極棒が電気的に接続される状態で、第2の繊維膜を陰極基板の表面に一体に形成した第2の帯状体に陽極棒を取付ける。そして、第1の帯状体及び第2の帯状体の積層体を捲回することにより、陽極棒と陰極基板との間に第2の繊維膜を配置し、陰極棒と陽極基板との間に第1の繊維膜を配置する。これにより、電極基板と一体に繊維膜が形成され、対極に対して電極棒のそれぞれが容易な構成で適切に絶縁される電解コンデンサ及びその製造方法を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…電解コンデンサ、2…ケース、3…コンデンサ素子、5…帯状体(第1の帯状体)、6…帯状体(第2の帯状体)、7…陽極棒、8…陰極棒、11…陽極基板、12…陰極基板、15…繊維膜(第1の繊維膜)、16…繊維膜(第2の繊維膜)、21,22…主面(第1の主面)、31,32…主面(第2の主面)、41…膜導電部(第1の膜導電部)、42…膜導電部(第2の膜導電部)、50…搬送部、52…紡糸部、53…導電材料付与部、55…電極棒取付け部。
Claims (6)
- 電気的絶縁性を有する第1の繊維膜を陽極基板の表面に形成することと、
電気的絶縁性を有する第2の繊維膜を陰極基板の表面に形成することと、
前記陽極基板に陽極棒が電気的に接続される状態で、前記陽極基板及び前記第1の繊維膜が一体の第1の帯状体に前記陽極棒を取付けることと、
前記陰極基板に陰極棒が電気的に接続される状態で、前記陰極基板及び前記第2の繊維膜が一体の第2の帯状体に前記陰極棒を取付けることと、
前記第1の帯状体及び前記第2の帯状体の積層体を捲回することにより、前記陽極棒と前記陰極基板との間に前記第2の繊維膜を配置し、前記陰極棒と前記陽極基板との間に前記第1の繊維膜を配置することと、
を具備する、電解コンデンサの製造方法。 - 前記第1の繊維膜の形成では、前記陽極基板の一対の主面の両方に、前記第1の繊維膜を形成し、
前記第2の繊維膜の形成では、前記陰極基板の一対の主面の両方に、前記第2の繊維膜を形成し、
前記陽極棒の前記第1の帯状体への取付けでは、前記第1の繊維膜の対応する部分に導電材料を付与することにより、第1の膜導電部を形成するとともに、前記第1の膜導電部に前記陽極棒を接続し、
前記陰極棒の前記第2の帯状体への取付けでは、前記第2の繊維膜の対応する部分に導電材料を付与することにより、第2の膜導電部を形成するとともに、前記第2の膜導電部に前記陰極棒を接続する、
請求項1の製造方法。 - 前記第1の繊維膜の形成では、前記陽極基板の一対の主面の一方にのみ、前記第1の繊維膜を形成し、
前記第2の繊維膜の形成では、前記陰極基板の一対の主面の一方にのみ、前記第2の繊維膜を形成し、
前記陽極棒の前記第1の帯状体への取付けでは、前記一対の主面の前記第1の繊維膜が形成されていない一方で、前記陽極基板に前記陽極棒を接続し、
前記陰極棒の前記第2の帯状体への取付けでは、前記一対の主面の前記第2の繊維膜が形成されていない一方で、前記陰極基板に前記陰極棒を接続する、
請求項1の製造方法。 - 陽極基板、及び、電気的絶縁性を有する第1の繊維膜を備え、前記第1の繊維膜が前記陽極基板の表面に前記陽極基板と一体に形成される第1の帯状体と、
陰極基板、及び、電気的絶縁性を有する第2の繊維膜を備え、前記第2の繊維膜が前記陰極基板の表面に前記陰極基板と一体に形成されるともに、前記第1の帯状体に積層された状態で前記第1の帯状体と一緒に捲回される第2の帯状体と、
前記陽極基板に電気的に接続された状態で前記第1の帯状体に取付けられ、前記第2の繊維膜が前記陰極基板との間に配置される陽極棒と、
前記陰極基板に電気的に接続された状態で前記第2の帯状体に取付けられ、前記第1の繊維膜が前記陽極基板との間に配置される陰極棒と、
を具備する、電解コンデンサ。 - 前記陽極基板及び前記陰極基板のそれぞれは、一対の主面を備え、
前記第1の帯状体では、前記第1の繊維膜は、前記陽極基板の前記一対の主面の両方に形成され、
前記第2の帯状体では、前記第2の繊維膜は、前記陰極基板の前記一対の主面の両方に形成され、
前記第1の繊維膜は、前記陽極棒の接続部分に、導電材料を含有する第1の膜導電部を備え、
前記第2の繊維膜は、前記陰極棒の接続部分に、導電材料を含有する第2の膜導電部を備える、
請求項4の電解コンデンサ。 - 前記陽極基板及び前記陰極基板のそれぞれは、一対の主面を備え、
前記第1の帯状体では、前記第1の繊維膜は、前記陽極基板の前記一対の主面の一方にのみ形成され、
前記第2の帯状体では、前記第2の繊維膜は、前記陰極基板の前記一対の主面の一方にのみ形成され、
前記陽極棒は、前記一対の主面の前記第1の繊維膜が形成されていない一方で、前記陽極基板に接続され、
前記陰極棒は、前記一対の主面の前記第2の繊維膜が形成されていない一方で、前記陰極基板に接続される、
請求項4の電解コンデンサ。
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