JP2006351437A - 表面処理装置及び表面処理方法 - Google Patents

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正人 木内
Toshimoto Sugimoto
敏司 杉本
Yoshiaki Agawa
阿川  義昭
Atsushi Nakatsuka
篤 中塚
Takeshi Momono
健 桃野
Isao Tada
勲 多田
Takeo Kato
丈夫 加藤
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Abstract

【課題】フィルムと金属層の密着性を向上させる。
【解決手段】
本発明の表面処理装置1は真空槽2内に配置された第一、第二の電極4、5を有している。第二の電極5を接地電位に置き、第一の電極4に矩形状の交番電圧を印加すると、第一の電極4の側面近傍にプラズマが形成されるので、樹脂フィルム10を第一の電極4の側面に密着させながら走行させれば、樹脂フィルム10が連続してプラズマに晒される。負電圧が印加される時間が、正電圧が印加される時間よりも長くなるような矩形状の交番電圧を第一の電極4に印加すれば、樹脂フィルム10に正イオンが入射する時間が長くなるので、樹脂フィルム10の表面が強く活性化する。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィルムの表面処理装置及び表面処理方法に関する。
PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂や、ポリイミド樹脂等で構成された樹脂フィルムの表面に、アルミニウムやクロム等の金属膜を形成して金属膜付きフィルムを製造する工程では、通常、金属膜を形成する前に、樹脂フィルムと金属膜との密着性を向上させるために、樹脂フィルムの表面処理が行われる。
表面処理の代表的なものは、電子源や電子銃から電子ビームを樹脂フィルムに照射する方法、あるいは、先端鋭利な電極に高電圧を印加し、電極とフィルムとの間でコロナ放電を起こして、樹脂フィルムをイオンや電子に曝して処理する方法がある。
また大掛かりな表面処理方法としては、イオン源を設け、イオン源から樹脂フィルムにイオンを照射し、化学的あるいは物理的な衝撃を樹脂フィルムに当てて表面処理を行っている。これらの従来の表面処理方法において、上述したイオン源や電子源や電子銃を用いる方法は、装備が大掛かりになり、表面処理装置の製造コストが非常に高くなるという問題がある。
一方、コロナ放電は上述した表面処理装置に比べて装置の構造が簡易的ではあるが、樹脂フィルムの金属膜密着性の改善があまり見られないとの報告がある。また、従来の表面処理方法で表面処理された樹脂フィルムは、一旦大気雰囲気に取り出すと、金属膜密着性の効果が低減してしまうという問題があり、従って、表面処理装置を金属膜成膜装置(例えば蒸着装置)の真空槽に付属して設け、表面処理と金属膜の成膜を同じ真空槽内で行う必要があった。
特開平11−224795号公報 特開2000−231864号公報 特開2001−98374号公報
本発明は、従来のもののもつ問題を解決するもので、表面処理と蒸着処理を独立にでき、かつ密着性の改善効果を高め、コストを押えることを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1記載の発明は、真空槽と、前記真空槽内に互いに離間して配置された第一、第二の電極と、前記第一、第二の電極の間に矩形状の交番電圧を印加可能な電源と、前記第一、第二の電極の間でフィルムを走行可能に構成された走行手段とを有し、前記フィルムを走行させながら、前記第一、第二の電極の間に矩形状の交番電圧を印加すると、前記フィルムが前記第一、第二の電極の間を走行する際に表面処理されるように構成された表面処理装置であって、前記第一の電極は円筒形状であって、前記第一の電極の側面は前記第二の電極に向けられた表面処理装置である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の表面処理装置であって、前記第一の電極は円筒の中心軸線を中心として回転可能に構成された表面処理装置である。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の表面処理装置であって、前記第二の電極は、前記第一の電極の円周に沿って並べられた複数の単位電極で構成された表面処理装置である。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の表面処理装置であって、前記走行手段は、前記真空槽内に配置された巻取軸を有し、前記巻取軸は、前記真空槽内に配置された前記フィルムのロールから、前記フィルムを巻取り、前記フィルムを走行させるように構成された表面処理装置である。
請求項5記載の発明は、処理ガスを含む真空雰囲気中で、第一の電極に接触した状態でフィルムを走行させながら、前記フィルムを挟んで前記第一の電極と反対側に配置された第二の電極と、前記第一の電極の間に矩形状の交番電圧を印加する表面処理方法である。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の表面処理方法であって、前記第一の電極は円筒状であって、前記フィルムを前記第一の電極の側面に接触させ、前記フィルムが前記第一の電極の側面に相対的に静止した状態で、前記フィルムを走行させる表面処理方法である。
請求項7記載の発明は、請求項5又は請求項6のいずれか1項記載の表面処理方法であって、前記フィルムの走行は、前記真空雰囲気中に前記フィルムのロールを配置しておき、前記真空雰囲気中に配置された巻取軸の周囲に、前記ロールから繰り出された前記フィルムを巻き取る表面処理方法である。
第一、第二の電極の間にプラズマを形成しながらフィルムを走行させれば、フィルムの走行方向に沿って長い領域に連続して表面処理を施すことができる。本発明により表面処理されたフィルムは、大気に曝された程度では活性が失活しないので、表面処理と、表面処理後の成膜工程とを同じ真空槽内で行う必要がなく、表面処理装置と成膜装置とを別々にすることができる。
図1の符号1は本発明の表面処理装置の一例を示しており、表面処理装置1は真空槽2を有している。真空槽2の内部には第一の電極4が配置されている。第一の電極4は円筒形状であって、その側面から所定距離だけ離れた位置には第二の電極5が配置されている。
ここでは、第二の電極5は1乃至複数枚の板状の単位電極25で構成されており、各単位電極25は表面を第一の電極4の側面に向けた状態で、第一の電極4の円周に沿って並べられている。各単位電極25の裏面は、絶縁碍子26の上端に取り付けられてており、絶縁碍子26の下端は取り付け部材29に取り付けられている。
各単位電極25は、板の中心と、第一の電極4の円筒の中心を結ぶ線分に対して、単位電極25の表面が垂直になるように配置されており、各単位電極25の表面の中心と第一の電極4の側面との間の距離は、各単位電極25で互いに等しくなるように、絶縁碍子26が取り付け部材29上に配置されている。
ここでは、各単位電極25は接地電位に接続され、第一の電極4は図2に示す電源装置8の出力端子に接続されている。真空槽2には真空排気系9とガス供給系7が接続されており、真空排気系9によって真空槽2内部を真空排気しながら、ガス供給系7から真空槽2内部に処理ガスを導入し、電源装置8から後述する波形の交番電圧を出力すると、各単位電極25と第一の電極4との間に矩形状の交番電圧が印加され、各単位電極25と第一の電極4の側面との間に処理ガスのプラズマが形成される。上述したように、各単位電極25の表面の中心と、第一の電極4の側面との間の距離は等しくなっているので、各単位電極25表面の面積が同じであれば、各単位電極25上のプラズマ密度が略等しくなる。
次に、本発明の表面処理装置1に用いる電源装置について詳細に説明する。図2の符号8はその電源装置を示しており、電源装置8は、正電圧源31と、負電圧源32と、スイッチング回路33とを有している。
スイッチング回路33は、主スイッチ34と補助スイッチ35を有している。主及び補助スイッチ34、35は、三入力一出力であり、三個の入力端子のいずれか一個を出力端子に接続するように構成されている。
主スイッチ34は、入力端子が、正電圧源31に接続された端子と、他の電位とは絶縁された非接続の端子と、負電圧源32に接続された端子とで構成されている。出力端子は第一の電極4に接続されており、入力端子のうちのいずれか一個の端子が出力端子と接続されるように構成されている。
補助スイッチ35は、入力端子が、第一、第二の非接続の端子と、接地電位に接続された端子とで構成されており、出力端子は第一の電極4に接続されている。主スイッチ34と補助スイッチ35は連動しており、主スイッチ34の出力端子が正電圧電源31に接続されるときは、補助スイッチ35の出力端子は第一の非接続の端子に接続され、第一の電極4に正電圧が印加される。
主スイッチ34の出力端子が負電圧電源32に接続されるときは、補助スイッチ35の出力端子は第二の非接続の端子に接続され、第一の電極4には負電圧が印加される。主スイッチ34の入力端子が、正電圧源31から負電圧源32に切り替わる間、及び、負電圧源32から正電圧源31に切り替わる間は、主スイッチ34の出力端子は、非接続の端子に接続され、このとき、補助スイッチ35の出力端子は接地電位に接続され、第一の電極4は接地電位に接続される。
正電圧源31と負電圧源32の出力電圧は変更可能であり、主スイッチ34の出力端子が、正電圧源31と、非接続の端子と負電圧源32に接続される時間は調整可能である。従って、第一の電極4には、所望波形の交番電圧を印加することができる。それとは異なり、正電圧源31又は負電圧源32のいずれか一方の出力電圧の電位を接地電位にすると、第一の電極4には、正電圧、又は負電圧のパルスが所定間隔で連続する脈流電圧が印加される。
次に、樹脂フィルム10を走行させる走行手段について説明する。
図1の符号16、17は樹脂フィルム10が巻き取られたロールを示しており、上述した各単位電極25は真空槽2内部の第一の電極4を中心とした一方の片側に配置されているのに対し、ロール16、17は真空槽2内部の他方の片側に配置されている。
ロール16、17には巻出軸11と巻取軸12が挿通されており、巻出軸11が挿通されたロール16から樹脂フィルム10を繰り出して一方の片側へ送り、繰り出した樹脂フィルム10を、第一の電極4と単位電極25との間を通した後、他方の片側へ戻して巻取軸12が挿通されたロール17に巻き取ると、樹脂フィルム10が第一の電極4の側面に掛け渡される。
巻取軸12は不図示の駆動手段に接続され、駆動手段の動力を巻取軸12に伝達すると、巻取軸12がロール17と一緒に回転し、樹脂フィルム10がロール17の周囲に巻き回される。
巻出軸11は回転可能になっており、樹脂フィルム10が巻き取られ、巻取軸12側に引っ張られると、巻出軸11と一緒にロール16が回転し、樹脂フィルム10がロール16から繰り出され、樹脂フィルム10が巻取軸12に向かって走行する。このように、巻取軸12の回転によって樹脂フィルム10は走行するので、この表面処理装置1では、巻取軸12が走行手段として機能する。
樹脂フィルム10が走行するときには、ロール16、17の間に一定の張力がかかり、樹脂フィルム10がロール16、17に向かって引っ張られるので、表面処理されるべき表面を単位電極25側に向け、裏面を第一の電極4の側面に向けて樹脂フィルム10を掛け渡せば、樹脂フィルム10の裏面が第一の電極4の側面に密着する。
第一の電極4は中心軸線を中心として回転可能に構成されている。第一の電極4の側面と、その側面に密着した樹脂フィルム10とが相対的に静止するように、第一の電極4を樹脂フィルム10の走行に追従して回転させれば、樹脂フィルム10の裏面は、第一の電極4の側面と密着したまま、擦れずに走行するので、樹脂フィルム10の裏面が破損しない。従って、真空槽2内部には樹脂フィルム10のパーティクルが発生しない。尚、第一の電極4が回転しずらい場合は、第一の電極4に樹脂フィルム10に追従して回転する方向に力を加えてもよい。
次に、上記表面処理装置1を用いて樹脂フィルム10の表面を表面処理する工程について詳細に説明する。真空槽2内部を真空排気しながらArガスのような処理ガスを導入し、真空槽2内部に処理ガスを含む所定圧力の真空雰囲気を形成する。該真空雰囲気を維持し、樹脂フィルム10を走行させながら、第一の電極4に矩形状の交番電圧を印加する。
真空槽2を接地電位に置いた状態で、第一の電極4に矩形状の交番電圧を印加すると、単位電極25と対向する側面の近傍にプラズマが発生する。上述したように、樹脂フィルム10は裏面が第一の電極4の側面に密着したまま走行するので、樹脂フィルム10の表面がプラズマに曝され、第一の電極4に負電圧が印加された時には、樹脂フィルム10の表面にAr+イオンのような正イオンが入射する。
また、第一の電極4に正電圧を印加することで、樹脂フィルム10上に電子を照射することで、前記負電圧を印加した時に樹脂フィルム10上に帯電したプラスの電荷を電子の注入で緩和し、樹脂フィルム10上のチャージアップによるブレークダウンでの絶縁破壊を未然に防ぐ。
電源装置8は第一の電極4に正電圧や負電圧を印加する時間を自由に調整可能であり、従って樹脂フィルム10に入射するイオン量を制御可能である。図3に示すように、第一の電極4に負電圧を印加する時間を、正電圧を印加する時間よりも長くすれば、正イオンの入射量が多くなるので、樹脂フィルム10の表面が活性化する(表面処理)。
プラズマの発生を維持しながら樹脂フィルム10の走行を続け、巻出軸11から挿通されたロール16から樹脂フィルム10が全部繰り出されたところで、樹脂フィルム10の走行とプラズマの形成を停止する。
表面処理後の樹脂フィルム10のロール17を真空槽2から大気雰囲気に取出してから、蒸着装置のような成膜装置に搬入し、樹脂フィルム10の表面処理された面に金属の蒸気を付着させて金属層を形成する。
上述した表面処理によって、樹脂フィルム10の表面と金属層との間の密着力は高くされており、しかも、本発明により表面処理された樹脂フィルム10は、大気に曝された程度では表面の活性化が失活しないので、樹脂フィルム10から金属層がはがれにくい、金属層付きフィルムが得られる。
尚、表面処理条件の一例について説明すると、第一の電極4への矩形状の交番電圧の印加条件は、周波数が1kHzであり、出力電圧は、プラス側が100V以上400V以下(パルス巾が1.4μs)であり、マイナス側が700V(パルス巾が1.4μs)である。第一、第二の電極4、5間の距離は1cm以上3cmである。また、真空槽2に導入する処理ガスの流量は20sccmであり、プラズマを形成する時の真空槽2内の圧力が200Pa以上1000Pa以下であるが、これらの条件は特に限定されるものではない。
本発明の表面処理方法は、樹脂フィルムの表面と、他の層との密着力を上昇させるものであり、樹脂フィルム10の表面に形成する他の層は、蒸着法以外にも、スパッタ法、イオンプレーティング、メッキ法、コーティング法等種々の方法で形成可能であって、特に限定されるものでない。また、樹脂フィルム10の表面処理と、他の層を形成する工程を同じ真空槽内で連続して行ってもよい。
樹脂フィルム10表面に形成する金属層の種類も特に限定されるものではなく、金属層を構成する金属としては、例えばアルミニウム、銅、銀、クロム、錫の層等があり、これらの金属のうち、1種類単独で金属層を形成してもよいし、2種類以上を用いて金属層を用いてもよい。
更に、本発明の表面処理方法は、金属だけではなく、金属化合物や無機化合物の層に対する密着性も向上させるものであり、金属化合物や無機化合物としては、例えば、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素等のケイ素化合物、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化錫インジウム、酸化亜鉛、二酸化チタン等の金属化合物がある。更に、本発明の表面処理方法は、無機物の層だけではなく、他の有機層や接着剤層等の有機物の層に対する密着性も向上させるが、本発明は特に樹脂フィルム10の金属層に対する密着性を向上させるので、樹脂フィルム10表面に。
本発明により表面処理を施す樹脂フィルムの種類は特に限定されないが、具体的には、PET樹脂等のポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエーテルサルフォン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、アクリル樹脂、フッソ樹脂、ビニル樹脂等の樹脂を主成分とするものを用いることができる。これらの樹脂を1種類で樹脂フィルム10を構成してもよいし、2種類以上を用いて樹脂フィルム10を構成してもよい。樹脂フィルム10としては、樹脂の他にフィラー、着色剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等の添加剤が添加されたものを用いてもよい。
本発明は、フィルム状の細長の処理対象物を連続して処理し、処理対象物と他の膜との接着性を向上させる装置と方法を提供するものであるから、処理対象物であるフィルムは、可撓性を有し、第一の電極4の側面に掛け渡し可能なものであれば特に限定されず、具体的には、金属箔やセラミックシートの表面処理を行うこともできる。また、樹脂フィルムの表面に金属層や無機層を形成し、金属層や無機層表面を上記表面処理方法で処理することもできる。
本発明に用いる処理ガスの種類は特に限定されず、具体的にはアルゴンガス、ヘリウムガス、ネオンガス、クリプトンガス、水素ガス、酸素ガス、窒素ガス、二酸化炭素ガス、二酸化窒素ガス、炭化水素ガス、フッ素ガス、塩素ガス等種々のガスを用いることが可能であり、これらのガスは単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明の表面処理方法では、第一の電極4の側面近傍に密度の高いプラズマが形成されるため、樹脂フィルム10が第一の電極4の側面から1mmでも離れると表面処理効果が減ずる。従って、ロール16と第一の電極4との間や、第一の電極4と巻取軸12の間にテンションローラを設け、テンションローラをロール16から第一の電極4に向かう樹脂フィルム10や、第一の電極4から巻取軸12に向かう樹脂フィルム10に接触させることで、樹脂フィルム10を第一の電極4に押し付けてもよい。テンションローラは一箇所にだけ設けてもよいし、2箇所以上に設けてもよい。
以上は、巻取軸12だけに駆動手段の動力を伝達し、巻取軸12を回転させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、巻取軸12と一緒に巻出軸11や、第一の電極4を回転させてもよい。
以上は、第二の電極5が複数の単位電極25で構成される場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図4の符号40は本発明の表面処理装置の他の例を示す断面図であり、この表面処理装置40は、複数の単位電極25の代わりに、湾曲した板状の第二の電極45を有する以外は、図1の表面処理装置1と同じ構成を有している。
第二の電極45は凹面46が第一の電極5の側面に向けられており、凹面46上の任意の点から第一の電極4側面までの最短距離を、凹面46と第一の電極4との間の距離とすると、その距離は凹面46上の各点で略等しくなるように、第二の電極45が絶縁碍子47に取り付けられている。従って、第二の電極45を接地電位に置いた状態で、第一の電極4に上述した矩形状の交番電圧を印加すると、第一の電極4の側面と凹面46の間に均一なプラズマが形成される。従って、樹脂フィルム10は第二の電極45と対向する領域を通過する間、均一なプラズマに曝されることになる。
以上は、第一の電極4と第二の電極5、45との間の距離を略等しくする場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、第一の電極4と、第二の電極5、45の距離を変えて、第一の電極4と第二の電極5、45との間のインピーダンスを調整してもよい。
例えば、複数の単位電極25が並べられた場合は、列の両端の単位電極25と、列の内側の単位電極25とでは、隣接する単位電極25の影響がことなるので、第一の電極4側面までの距離を、列の両端と内側とで変えて、各単位電極25と第一の電極4との間のプラズマ密度を均一にしてもよい。また、単位電極25と第一の電極4側面との距離を変えなくても、単位電極25にインピーダンス素子を設ければ、単位電極25毎にインピーダンスを調整可能である。
更に、各単位電極25と第一の電極4との間のプラズマ密度を変え、樹脂フィルム10が曝されるプラズマの密度を不均一にしてもよい。具体的には、樹脂フィルム10を最初に強いプラズマに曝し、最後は弱いプラズマに曝されるようにしてもよいし、これとは逆に最初は弱いプラズマに曝し、最後は強いプラズマに曝してもよい。
単位電極25の数も特に限定されるものではなく、単位電極25の数を多くすれば、樹脂フィルム10がプラズマに曝される時間が長くなるので、強く表面処理され、単位電極25の数を少なくすれば、樹脂フィルム19がプラズマに曝される時間が短くなるので、弱く表面処理される。このように、単位電極25の数を変えることで、表面処理の程度を調整することができる。
また、図4に示すように第二の電極45が1つの電極板で構成される場合には、第二の電極45の樹脂フィルム10の走行方向の長さをかえることで、樹脂フィルム10がプラズマに曝される時間を変え、表面強度を変えることができる。更に、単位電極25の数や、第二の電極45の長さを変えなくても、樹脂フィルム10の走行速度を変えることで、樹脂フィルム10がプラズマに曝される時間を変えることもできる。
以上は、巻取軸12で樹脂フィルム10を巻き取ることで、樹脂フィルム10を走行させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第一の電極4を積極的に回転させて、第一の電極4に密着した樹脂フィルム10を巻取軸12側へ送ってもよいし、巻出軸11を樹脂フィルム10が巻取軸12側に送り出されるように積極的に回転させてもよい。いずれの場合も、送り出された樹脂フィルム10を巻取軸12で巻取り、樹脂フィルム10に、巻き出し側のロール16と、巻取り側のロール17に向かって引っ張る力がかかるようにすれば、樹脂フィルム10の裏面が第一の電極4の側面に密着する。
また、巻出しと巻取りを逆に回転することで、1回処理したものをさらに2回目の処理を行うことができる。さらに、2回目はガス種をかえることで、新しい機能を樹脂フィルム10に付加することができる。
本発明の表面処理装置の一例を説明する図 本発明に用いる電源装置の一例を説明する図 矩形状の交番電圧の一例を説明する図 本発明の表面処理装置の他の例を説明する図
符号の説明
1……表面処理装置 2……真空槽 4……第一の電極 5……第二の電極 8……電源装置 10……樹脂フィルム 12……巻取軸 16、17……ロール 25……単位電極

Claims (7)

  1. 真空槽と、
    前記真空槽内に互いに離間して配置された第一、第二の電極と、
    前記第一、第二の電極の間に矩形状の交番電圧を印加可能な電源と、
    前記第一、第二の電極の間でフィルムを走行可能に構成された走行手段とを有し、
    前記フィルムを走行させながら、前記第一、第二の電極の間に矩形状の交番電圧を印加すると、前記フィルムが前記第一、第二の電極の間を走行する際に表面処理されるように構成された表面処理装置であって、
    前記第一の電極は円筒形状であって、前記第一の電極の側面は前記第二の電極に向けられた表面処理装置。
  2. 前記第一の電極は円筒の中心軸線を中心として回転可能に構成された請求項1記載の表面処理装置。
  3. 前記第二の電極は、前記第一の電極の円周に沿って並べられた複数の単位電極で構成された請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の表面処理装置。
  4. 前記走行手段は、前記真空槽内に配置された巻取軸を有し、
    前記巻取軸は、前記真空槽内に配置された前記フィルムのロールから、前記フィルムを巻取り、前記フィルムを走行させるように構成された請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の表面処理装置。
  5. 処理ガスを含む真空雰囲気中で、第一の電極に接触した状態でフィルムを走行させながら、前記フィルムを挟んで前記第一の電極と反対側に配置された第二の電極と、前記第一の電極の間に矩形状の交番電圧を印加する表面処理方法。
  6. 前記第一の電極は円筒状であって、前記フィルムを前記第一の電極の側面に接触させ、前記フィルムが前記第一の電極の側面に相対的に静止した状態で、前記フィルムを走行させる請求項5記載の表面処理方法。
  7. 前記フィルムの走行は、前記真空雰囲気中に前記フィルムのロールを配置しておき、前記真空雰囲気中に配置された巻取軸の周囲に、前記ロールから繰り出された前記フィルムを巻き取る請求項5又は請求項6のいずれか1項記載の表面処理方法。
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