JP2023128125A - ガーネット型透明セラミックス及び磁気光学デバイス - Google Patents

ガーネット型透明セラミックス及び磁気光学デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】少なくともイットリウムとアルミニウムを主成分として含む複合酸化物の焼結体であって、短パルスレーザーシステムでも利用可能なガーネット型透明セラミックスを提供する。【解決手段】イットリウムとアルミニウムとを含む複合酸化物の焼結体であって、平均粗さが算術平均高さSa≦0.70nm又は二乗平均平方根高さSq≦0.89nmの光学面を有するガーネット型透明セラミックスである。【選択図】図1

Description

本発明は、ガーネット型透明セラミックスに関し、より詳細には、アイソレータなどの磁気光学デバイスを構成するのに好適なテルビウムを含む常磁性ガーネット型透明セラミックスに関する。更にまた、該ガーネット型透明セラミックスを磁気光学材料として用いた光アイソレータなどの磁気光学デバイスに関する。
近年、ファイバーレーザーの高出力化が可能となってきたこともあり、該ファイバーレーザーを用いたレーザー加工機の普及が目覚しい。ところで、レーザー加工機に組み込まれるレーザー光源は、外部からの光が入射すると共振状態が不安定化し、発振状態が乱れる現象が起こる。特に発振された光が途中の光学系で反射されて光源に戻ってくると、発振状態は大きく撹乱される。これを防止するために、通常光アイソレータがレーザー光源と光ファイバーの間など光源の光出射側に設けられる。
光アイソレータは、ファラデー回転子と、ファラデー回転子の光入射側に配置された偏光子と、ファラデー回転子の光出射側に配置された検光子とからなる。また、ファラデー回転子は、光の進行方向に平行に磁界を加えて利用する。このとき、光の偏波線分はファラデー回転子中を前進しても後進しても一定方向にしか回転しなくなる。更に、ファラデー回転子は光の偏波線分が丁度45度回転される長さに調整される。ここで、偏光子と検光子の偏波面を前進する光の回転方向に45度ずらしておくと、前進する光の偏波は偏光子位置と検光子位置で一致するため透過する。他方、後進する光の偏波は検光子位置から45度ずれている偏光子の偏波面のずれ角方向とは逆回転に45度回転することになる。すると、偏光子位置における戻り光の偏波面は偏光子の偏波面に対して45度-(-45度)=90度のずれとなり、偏光子を透過できない。こうして前進する光は透過、出射させ、後進する戻り光は遮断する光アイソレータとして機能する。
上記光アイソレータを構成するファラデー回転子として最も広く用いられる材料としては、従来からTGG結晶(Tb3Ga512)が知られている(特開2011-213552号公報(特許文献1))。TGG結晶は現在も標準的なファイバーレーザー装置用として広く搭載されているが、近年はハイパワー帯のファイバーレーザー装置用としての利用が難しいことが明らかとなってきた。具体的には、材料固有の吸収率が高く(波長1064nmにおける吸収係数~0.16%/cm)、かつ屈折率の温度係数dn/dtが大きい点(室温25℃におけるdn/dt=18×10-6-1)がネックとなっている。
そのため、TGG結晶よりも低吸収でよりハイパワー帯のファイバーレーザー装置にも適用可能な新規材料が強く希求されている。そのような候補材料のひとつにTAG結晶(Tb3Al512)が知られているが、これまで高品質な単結晶TAGの製造は発明されていない。
このような状況下にあって、最近、組成が(Tbx1-x3Al512(x=0.5~1.0)である緻密なセラミックス焼結体が既存のTGG結晶に比べて消光比が高く(既存の35dBが39.5dB以上に改善され)、挿入損失も低減できる(既存の0.05dBが0.01~0.05dBに改善される)ことが開示された(「Yan Lin Aung,Akio Ikesue, Development of optical grade (Tbx1-x3Al512 ceramics as Faraday rotator material, J.Am.Ceram.Soc.,(2017),100(9),4081-4087」(非特許文献1))。この非特許文献1で開示された材料は、TAG結晶と類似の材料であるが、これまでの単結晶材料とは異なりセラミックスで作製している点が特徴である。これにより、これまで実現できなかった良質なイットリウム置換型のTAG結晶が得られることになった。
更にまた、特開2019-199386号公報(特許文献2)には、(Tb1-x-yxScy3(Al1-zScz512(式中、0.05≦x<0.45、0<y<0.1、0.5<1-x-y<0.95、0.004<z<0.2である。)という組成の常磁性ガーネット型透明セラミックスが開示されている。この材料は非特許文献1と類似の組成の材料であるが、Scが有意に添加されている点が異なる。当該材料を用いると、消光比が40dB以上と非特許文献1より更に改善され、100Wレーザーを照射しても熱レンズによる焦点位置の変化量が小さく、実用に耐えうるレベルの光アイソレータとして用いることができ、セラミックス製のためスケールアップも容易な、真に実用的な常磁性ガーネット型透明セラミックスを提供できるとしている。
ところで、最近はファイバーレーザーシステムでは高出力化のみでなく、短パルス化の動きも著しい。一般にレーザーが短パルス化するとエネルギーの尖頭値が高まり、主に該ファイバーレーザーシステムで使用される光学材料のレーザー出射端面での材料破壊が生じやすくなる。例えば、「伊藤雅英、小倉磐夫、レーザー光による光学材料の破壊、東京大学生産技術研究所 生産研究、(1984)、36巻、6号」(非特許文献2)には、一般に材料表面の損傷閾値は内部のそれよりも低くなること、表面のレーザー損傷は入射面よりも出射面で生じやすいことが開示されている。
ところが、これまで短パルスレーザーシステムでも利用可能な光学材料の材料表面粗さ、特にガーネット型透明セラミックス材料の材料表面粗さの管理値を規定した公知例はまったく存在しなかった。
無論、ガーネット型透明セラミックス材料の材料表面粗さを小さく(即ち、なめらかに)しようと企図する先行公知例は存在する。例えば、「Daniel Ross,Hitomi Yamaguchi, Polishing characteristics of Nd:YAG ceramics with various Nd-dopant concentrations, CIRP Journal of Manufacturing Science and Technology, 27(2019)93-101」(非特許文献3)には、サブミクロンサイズのダイヤモンド砥粒を用いて、MAF法と呼ばれる最新の研磨方法でNd:YAGセラミックスを研磨することにより、特にNdをドープしていないYAGセラミックスの表面粗さを177μm×132μmの範囲で算術平均高さ(Sa値)を0.4~0.5nmの範囲にまで小さく(即ち、なめらかに)できた公知例が開示されている。しかしながら、該非特許文献3では表面粗さとレーザー損傷閾値との関係については何らの例示も示唆もない。
特開2011-213552号公報 特開2019-199386号公報
Yan Lin Aung,Akio Ikesue, Development of optical grade (TbxY1-x)3Al5O12 ceramics as Faraday rotator material, J.Am.Ceram.Soc.,(2017),100(9),4081-4087 伊藤雅英、小倉磐夫、レーザー光による光学材料の破壊、東京大学生産技術研究所 生産研究、(1984)、36巻、6号 Daniel Ross,Hitomi Yamaguchi, Polishing characteristics of Nd:YAG ceramics with various Nd-dopant concentrations, CIRP Journal of Manufacturing Science and Technology, 27(2019)93-101
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、少なくともイットリウムとアルミニウムを主成分として含む複合酸化物の焼結体であって、該焼結体の光学面(精密研磨面)の平均粗さを規定の範囲内で管理することにより、短パルスレーザーシステムでも利用可能なガーネット型透明セラミックス、及び該ガーネット型透明セラミックスを用いた磁気光学デバイスを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、下記のガーネット型透明セラミックス及び磁気光学デバイスを提供する。
1.
イットリウムとアルミニウムとを含む複合酸化物の焼結体であって、平均粗さが算術平均高さSa≦0.70nm又は二乗平均平方根高さSq≦0.89nmの光学面を有するガーネット型透明セラミックス。
2.
更に、テルビウムを含む複合酸化物の焼結体である1に記載のガーネット型透明セラミックス焼結体。
3.
テルビウムの含有体積モル濃度がイットリウムの含有体積モル濃度以上であり、波長1064nmにおけるベルデ定数が30rad/(T・m)以上である2に記載のガーネット型透明セラミックス。
4.
上記光学面が精密研磨面である1~3のいずれかに記載のガーネット型透明セラミックス。
5.
上記光学面がレーザー光の入射面と出射面の2つからなり、上記算術平均高さSa及び二乗平均平方根高さSqの平均粗さが該2つの光学面の面粗さの平均値である1~4のいずれか1項に記載のガーネット型透明セラミックス。
6.
上記2つの光学面の一方の面から波長1064nm、パルス幅10nsの短パルスレーザーを入射させて、他方の面から該レーザーを出射させた場合のレーザー光出射面におけるレーザー損傷閾値が10J/cm2以上である5に記載の常磁性ガーネット型透明セラミックス。
7.
上記光学面上に、更にARコート層を有する1~6のいずれかに記載のガーネット型透明セラミックス。
8.
光路長25mmでの波長1064nmにおける全光線透過率が84%以上で、かつ前方散乱率が0.5%以下である1~7のいずれかに記載のガーネット型透明セラミックス。
9.
2~8のいずれかに記載のガーネット型透明セラミックスを磁気光学材料として用いて構成される磁気光学デバイス。
10.
上記ガーネット型透明セラミックスをファラデー回転子として備え、該ファラデー回転子の光学軸上の前後に偏光材料を備えた波長帯0.9μm以上1.1μm以下で利用可能な光アイソレータである9に記載の磁気光学デバイス。
本発明によれば、光学面にパルス幅10nsecの短パルスレーザーを入射させて、出射面から該レーザーを出射させた場合の当該ガーネット型透明セラミックスのレーザー損傷閾値を10J/cm2以上にすることが可能となる。
本発明のガーネット型透明セラミックスをファラデー回転子として用いた光アイソレータの構成例を示す断面模式図である。 実施例で用いたレーザー損傷閾値の測定系についての一例を示す模式図である。 実施例のガーネット型透明セラミックスのレーザー出射表面に生じた損傷痕の形状を示す光学顕微鏡写真図である。 本発明に係る光学的に利用しようとする精密研磨面の平均粗さとレーザー損傷閾値との関係についてグラフ化した参照図である。
以下に、本発明に係るガーネット型透明セラミックスの一実施の形態における構成について説明する。
本発明に係るガーネット型透明セラミックスは、イットリウムとアルミニウムとを含む複合酸化物の焼結体であって、平均粗さが算術平均高さSa≦0.70nm又は二乗平均平方根高さSq≦0.89nmの光学面を有することを特徴とする。
<ガーネット型透明セラミックスの光学面>
本発明のガーネット型透明セラミックス(以下、単に透明セラミックスということがある)の根幹部分である光学面の要件、及び該光学面を得るための研磨条件について説明する。
本発明のガーネット型透明セラミックスは、平均粗さが算術平均高さSa≦0.70nm又は二乗平均平方根高さSq≦0.89nmの光学面を有する。この要件は以下の考え方に基づく。
即ち、本発明のガーネット型透明セラミックスのレーザーを入出射させる両端面である光学面は、精密に研磨され、かつ研磨面の平均粗さを一定の範囲内に規定することが好ましい。ところが、レーザーを入出射させて利用する透明光学デバイスは、従来すべてが単結晶、ないしはガラス製であって、セラミックス製の研磨面の表面粗さが規定されることはなかった。
これは、これまでハイパワーのレーザー光を入出射させて利用できるほど十分に透明なセラミックスが得られていなかったことが一因である。更に、近年のハイパワーレーザーシステムの開発が短パルス化の方向に進んでおり、レーザー損傷閾値がますます低下して問題が顕在化してきたことが別の一因である。
また、透明セラミックスは無数の多結晶体(焼結粒)から構成された焼結体であり、該透明セラミックスを研磨すると、単結晶やガラスと異なり、多数の焼結粒が研磨表面に現れる。この焼結粒の方位は一般に完全なランダム状態である。更に、この焼結粒は小さな単結晶体の集まり(多結晶)であって、単結晶が研磨方位によって硬さや化学的安定性を異にすることはよく知られた事実でもある。したがって、この透明セラミックスを研磨すると、表面に研磨され易い焼結粒と、研磨され難い焼結粒とがデコボコな段差(粒界段差)となって現れることになる。
なお、本発明における透明セラミックスはガーネット型構造を有する焼結粒の集合体(焼結体)に限定される。ガーネット構造を有する結晶子はその屈折率が方位に無依存であるため、理論上、結晶子の方位ムラによるレーザー光の散乱は生じない。そのため高度に緻密化されて内部気泡が取り除かれている場合には、レーザー光の散乱が生じる原因は、該レーザー光の入出射面、即ち光学面の粗さのみといえる。この光学面の表面粗さを、入出射するレーザー光が実質的に散乱しない範囲に規定すれば、該透明セラミックスのレーザー損傷閾値は低下しないと推察される。
そこで、光学面においてレーザー光を入出射させる透明セラミックスでは、この粒界段差を含んだ状態での表面粗さを数値規定する必要が出てくる。
本発明者らは、上記のような考え方に基づき、鋭意検討した結果、ガーネット型透明セラミックスの光学面の平均粗さを上記範囲で規定することにより、入出射するレーザー光が実質的に散乱せず、該透明セラミックスのレーザー損傷閾値を低下させないという目的を達成することに成功した。また、該光学面は、精密研磨面であることが好ましい。
具体的には、ガーネット型透明セラミックスの光学面(精密研磨面)の平均粗さが算術平均高さSa≦0.70nm又は二乗平均平方根高さSq≦0.89nmであり、算術平均高さSa≦0.70nm、かつ二乗平均平方根高さSq≦0.89nmであることが好ましく、算術平均高さSa≦0.65nm、かつ二乗平均平方根高さSq≦0.80nmであることがより好ましい。これにより、パルス幅10nsecの短パルスレーザーを入出射させた場合のレーザー損傷閾値を10J/cm2以上、好ましくは10.3J/cm2以上に確保できる。詳しくは、2つの光学面の一方の面から波長1064nm、パルス幅10nsの短パルスレーザーを入射させて、他方の面から該レーザーを出射させた場合のレーザー光出射面におけるレーザー損傷閾値が10J/cm2以上であることが好ましい。
ここで、算術平均高さSa及び二乗平均平方根高さSqは、「面粗さ」について規定されているISO 25178に基づく。即ち、算術平均高さSaは平均面に対する測定エリア内各点の高さの絶対値の平均値である。二乗平均平方根高さSqは平均面からの測定エリア内各点までの距離の標準偏差に相当する値である。また、本発明では、光学面(精密研磨面)における外周部の領域10%(面積割合)を除いた光軸中心側90%(面積割合)の任意の領域のうち測定範囲800μm角(800μm×800μm)の領域について、粒界段差も含んで平均粗さを前記算術平均高さSa及び二乗平均平方根高さSqの範囲に規定することが好ましい。
また、上記光学面がレーザー光の入射面と出射面の2つからなり、上記算術平均高さSa及び二乗平均平方根高さSqの平均粗さが該2つの光学面の面粗さの平均値であることが好ましい。
本発明では、上記平均粗さを有する光学面を実現することができれば、後述するガーネット型透明セラミックスの製造工程における光学研磨工程において、該光学面を形成するための条件、特に研磨条件は限定されるものではない。しかしながら、一般にセラミックスはCMP処理(化学的機械研磨処理)を過剰に施すと粒界段差がどんどん大きくなることから、ケミカル作用のない砥粒を用いたラップ研磨により、できるだけ平坦で、粗さの小さな状態に仕上げることが好ましい。具体的には、ダイヤモンド砥粒、アルミナ砥粒、セリア砥粒、B4C砥粒などが好適に選定され、これらを用いて番手が小さな(粒径の大きな)砥粒から徐々に番手が大きな(粒径の小さい)砥粒に交換しつつ、慎重にラップ処理を施すことが好ましい。また、このときに使用する定盤は、金属製、クロス製のいずれでもよい。
また、この際の最終的な砥粒サイズ(粒径)はサブミクロンレベルとすべきである。具体的には0.3μm以下、より好ましくは0.1μm以下の小粒径の遊離砥粒を用いた仕上げラップ工程を経ることが好ましい。ただし、ラップ処理だけでは一般的に小さな表面キズや、ごく浅い僭傷(せんしょう)が残ることが知られている。そこで、研磨厚さ1μm未満、より好ましくは研磨厚さ200nm未満の範囲で、極わずかにCMP仕上げ研磨を施してもよい。このときのコロイダルシリカなどのCMP研磨砥粒は0.3μm以下、より好ましくは0.1μm以下の小粒径の遊離砥粒を用いることが好ましい。
また、本発明の透明セラミックスは、上記光学面上に、更にARコート層を有することが好ましい。即ち、上記のようにして精密に研磨された、光学的に利用しようとする両端面(光学面)に、更にARコート処理を施すことが好ましい。レーザー光の入出射面である光学面にARコートが施されていると、材料界面でのフレネル反射を抑止することができ、そのためレーザー損傷閾値の低下を防止できるため好ましい。
<ガーネット型透明セラミックスの組成>
本発明のガーネット型透明セラミックスは、イットリウムとアルミニウムとを含む複合酸化物の焼結体である。ガーネット型セラミックスは立方晶であるため屈折率の方位依存性がなく、セラミックスであっても単結晶と同様にレーザー散乱の小さな光学材料に仕上げることが可能である。また、イットリウムとアルミニウムとを含む複合酸化物の焼結体は、アルミニウムを主成分として含むことで、融点を大幅に高くすることができ、モース硬度が8以上と硬く、融点も2000℃以上と高く、非常に丈夫な材料となるため、レーザー損傷閾値を高めることができ好ましい。
また、本発明のガーネット型透明セラミックスは、更にテルビウムを含む複合酸化物の焼結体であることが好ましい。即ち、上記組成のうちイットリウムのサイトの一部をテルビウムで置換してやる、つまり少なくともイットリウムとテルビウムとアルミニウムを主成分として含む複合酸化物の焼結体とすると、ファラデー効果を付与することができるため磁気光学材料として利用でき好ましい。この場合、テルビウムの含有体積モル濃度がイットリウムの含有体積モル濃度以上であることが特に好ましい。ガーネット型透明セラミックスを構成する組成においてテルビウムの含有体積モル濃度がイットリウムの含有体積モル濃度以上となるように管理されていると、波長1064nmにおけるベルデ定数が30rad/(T・m)以上となる。
更に、本発明の透明セラミックスの詳細な組成としては下記式(1)で示されるものであることが好ましい。
(Tb1-x-yxScy3(Al1-zScz512 (1)
(式中、0.05≦x≦0.4、0≦y<0.08、0.52<1-x-y<0.95、0≦z<0.15、0.001<y+z<0.2である。)
ここで、式(1)で表される濃度範囲でテルビウム(Tb)を添加することで十分なベルデ定数を担保し、式(1)で表される濃度範囲でイットリウム(Y)を添加することで異相の抑制と内部歪みの極小化を担保できる。また、スカンジウム(Sc)を式(1)で表される濃度範囲で添加することで異相の完全消滅を達成している。
更に、アルミニウム(Al)を式(1)で表される濃度範囲で添加することで十分なベルデ定数の担保、並びに比較的高い熱伝導率を付与させている。
なお、式(1)におけるx、y、zに関する数値範囲は詳しくは以下のとおりである。
式(1)中、xの範囲は0.05≦x≦0.4であり、0.1≦x≦0.4が好ましく、0.2≦x≦0.4が更に好ましい。xがこの範囲にあると、ペロブスカイト型異相をX線回折(XRD)分析で検出されないレベルまで減少させることができる。
xが0.05未満の場合、イットリウムでテルビウムの一部を置換する効果が得られず実質TAGを作製する条件と変わらなくなり、そのため低散乱、低吸収の高品質なセラミックス焼結体を安定製造することが困難となるため好ましくない。また、xが0.4よりも大きい場合、波長1064nmでのベルデ定数が32rad/(T・m)未満となるため好ましくない。更にテルビウムの相対濃度が過剰に薄まると、波長1064nmのレーザー光を45度回転させるのに必要な全長が25mmを超えて長くなり、製造が難しくなるため好ましくない。
式(1)中、yの範囲は0≦y<0.08であり、0.001<y<0.004が好ましく、0.002<y<0.004がより好ましい。yがこの範囲にあると、ペロブスカイト型異相をX線回折(XRD)分析で検出されないレベルまで減少させることができるため好ましい。更にまた、焼結体の均質性や粒界散乱に起因する熱伝導率の過度な低下を防止できるため好ましい。
yが0.08以上の場合、ペロブスカイト型異相、ないしはアルミナ異相の析出抑制効果が飽和して変わらない中、スカンジウムの焼結抑制効果が過度に効くことに起因する焼結ムラや焼結歪みの残存、ないしは粒界散乱の残存が生じ、その結果、消光比の局所低下や熱伝導率の平均値の低下が生じるため好ましくない。
式(1)中、1-x-yの範囲は0.52<1-x-y<0.95であり、0.6≦1-x-y<0.8がより好ましい。1-x-yがこの範囲にあると大きなベルデ定数を確保できると共に波長1064nmにおいて高い透明性が得られる。
(1)式中、zの範囲は0≦z<0.15であり、0.001<z<0.004が好ましく、0.02≦z<0.004がより好ましい。zがこの範囲にあると、ペロブスカイト型異相をX線回折(XRD)分析で検出されないレベルまで減少させることができるため好ましい。更にまた、焼結体の均質性や粒界散乱に起因する熱伝導率の過度な低下を防止できるため好ましい。
zが0.15以上の場合、ペロブスカイト型異相、ないしはアルミナ異相の析出抑制効果が飽和して変わらない中、スカンジウムの焼結抑制効果が過度に効くことに起因する焼結ムラや焼結歪みの残存、ないしは粒界散乱の残存が生じ、その結果、消光比の局所低下や熱伝導率の平均値の低下が生じるため好ましくない。
本発明の透明セラミックスでは、スカンジウム(Sc)を上記式(1)のy、zの範囲内で添加することができる。スカンジウムの添加量y及びzはそれぞれ片方だけでみれば範囲として0を含む。但し、常磁性ガーネット型透明セラミックス全体の組成としてみた場合には、y+zは0.001を超えて式(1)の範囲内で添加することで、高度に透明な焼結体を安定して製造することが可能となるため好ましい。
即ち、(1)式中、y+zの範囲は0.001<y+z<0.2であり、0.002<y+z<0.005がより好ましく、0.003<z<0.005が更に好ましい。y+zがこの範囲にあると、ペロブスカイト型異相をX線回折(XRD)分析で検出されないレベルまで減少させることができるため好ましい。更にまた、焼結体の均質性や粒界散乱に起因する熱伝導率の過度な低下を防止できるため好ましい。
y+zが0.001以下の場合、ペロブスカイト型の異相やアルミナ異相が析出するリスクが高まるため好ましくない。またy+zが0.2以上の場合、ペロブスカイト型異相、ないしはアルミナ異相の析出抑制効果が飽和して変わらない中、スカンジウムの焼結抑制効果が過度に効くことに起因する焼結ムラや焼結歪みの残存、ないしは粒界散乱の残存が生じ、その結果、消光比の局所低下や熱伝導率の平均値の低下が生じるため好ましくない。
なお、本発明の透明セラミックスでは、ガーネット構造中の6配位サイトと4配位サイトの主成分をアルミニウム(Al)とすることが好ましい。これらのサイトの主成分をアルミニウム(Al)で構成できると、結晶の結合性が向上する。
また、本発明の透明セラミックスでは8配位サイトの主成分としてテルビウム(Tb)とイットリウム(Y)を選定し、且つテルビウムの濃度を1-x-y(0.52<1-x-y<0.95)、イットリウムの濃度をx(0.05≦x≦0.4)の範囲で管理することが好ましい。テルビウムの濃度がこの範囲で管理されていると、波長1064nmでのベルデ定数が32rad/(T・m)以上確保可能となる。
ところで本発明で得られる常磁性ガーネット型透明セラミックスは、式(1)で表される範囲の組成の成分を主成分として含有し、副成分として、焼結助剤の役割をはたすSiO2を0.1質量%を限度として、それ以下の範囲で含有する(即ち、含有量0質量%超0.1質量%以下である)ことが好ましい。焼結助剤としてSiO2がこの範囲で含有されていると、得られる常磁性ガーネット型セラミックスの透明性が実用に耐えるレベルまで向上し、且つ安定するため好ましい。
ここで、「主成分として含有する」とは、上記式(1)で表される複合酸化物を90質量%以上含有することを意味する。式(1)で表される複合酸化物の含有量は99質量%以上であることが好ましく、99.9質量%以上であることがより好ましく、99.99質量%以上であることが更に好ましく、99.999質量%以上であることが特に好ましい。
また、本発明の透明セラミックスは、上記の主成分と副成分とで構成されるが、更に他の元素を含有していてもよい。その他の元素としては、ルテチウム(Lu)、セリウム(Ce)等の希土類元素、あるいは様々な不純物群として、ナトリウム(Na)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、燐(P)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)等が典型的に例示できる。
その他の元素の含有量は、Y、又はTb及びYの全量を100質量部としたとき、10質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以下であることが更に好ましく、0.001質量部以下(実質的にゼロ)であることが特に好ましい。
本発明の透明セラミックスは、前述の条件の組成で適切な条件で製造することにより、光路長25mmでの波長1064nmにおける全光線透過率が84.0%以上で、且つ前方散乱率が0.5%以下となる、真に透明なガーネット型透明セラミックス焼結体を再現性よく安定して得られる。また、その熱伝導率を4.8W/m・K以上に仕上げることができる。熱伝導率の測定はJIS R1611に準拠し、レーザーフラッシュ法にて評価できる。
<ガーネット型透明セラミックスの製造方法>
[原料]
本発明で用いる原料としては、少なくともテルビウム、イットリウム、スカンジウム、アルミニウムの各酸化物粉末を出発原料として利用する。このときの原料純度は99.9質量%以上が好ましく、99.99質量%以上が特に好ましい。
それらの元素を所定量秤量し、更に酸化シリコン(SiO2)を0質量%超0.1質量%以下含有して、適宜湿式ボールミル、乃至はビーズミルによって処理する。
本発明で用いるガーネット型酸化物粉末原料中には、その後のセラミックス製造工程での品質安定性や歩留り向上の目的で、各種の有機添加剤が添加される場合がある。本発明においては、これらについても特に限定されない。即ち、各種の分散剤、結合剤、潤滑剤、可塑剤等が好適に利用できる。ただし、これらの有機添加剤としては、不要な金属イオンが含有されない、高純度のタイプを選定することが好ましい。また、それぞれの有機添加剤の添加順序は、製造しようとする原料の性状(粒度分布等)を管理することを阻害しないよう、適切に設計される必要がある。
[製造工程]
本発明では、上記原料粉末を用いて所定形状にプレス成形するか、あるいは湿式スラリーをそのまま鋳込み成形処理して成形体を作製することができる。得られた成形体について十分に脱脂を行い、次いで焼結して、相対密度が最低でも94%以上に緻密化した焼結体を作製する。その後工程として熱間等方圧プレス(HIP(Hot Isostatic Pressing))処理を行うことが好ましい。なお熱間等方圧プレス(HIP)処理をそのまま施すと、常磁性ガーネット型透明セラミックスが還元されて若干の酸素欠損を生じてしまう。そのため微酸化HIP処理、ないしはHIP処理後に酸化雰囲気でのアニール処理(酸化アニール処理)を施すことにより酸素欠損を回復させることが好ましい。これにより、欠陥吸収のない透明なガーネット型酸化物セラミックスを得ることができる。
(成形)
本発明においては、通常のプレス成形工程を好適に利用できる。即ち、ごく一般的な、型に充填して一定方向から加圧する一軸プレス工程や変形可能な防水容器に密閉収納して静水圧で加圧する冷間静水圧加圧(CIP(Cold Isostatic Pressing))工程や温間静水圧加圧(WIP(Warm Isostatic Pressing))工程が好適に利用できる。なお、印加圧力は得られる成形体の相対密度を確認しながら適宜調整すればよく、特に制限されないが、例えば市販のCIP装置やWIP装置で対応可能な300MPa以下程度の圧力範囲で管理すると製造コストが抑えられてよい。あるいはまた、成形時に成形工程のみでなく一気に焼結まで実施してしまうホットプレス工程や放電プラズマ焼結工程、マイクロ波加熱工程なども好適に利用できる。更にプレス成形法ではなく、鋳込み成形法による成形体の作製も可能である。加圧鋳込み成形や遠心鋳込み成形、押出し成形等の成形法も、出発原料である酸化物粉末の形状やサイズと各種の有機添加剤との組合せを最適化することで、採用可能である。
(脱脂)
本発明においては、通常の脱脂工程を好適に利用できる。即ち、加熱炉による昇温脱脂工程を経ることが可能である。また、この時の雰囲気ガスの種類も特に制限はなく、空気、酸素、水素等が好適に利用できる。脱脂温度も特に制限はないが、もしも有機添加剤が混合されている原料を用いる場合には、その有機成分が分解除去できる温度まで昇温することが好ましい。
(焼結)
本発明においては、一般的な焼結工程を好適に利用できる。即ち、抵抗加熱方式、誘導加熱方式等の加熱焼結工程を好適に利用できる。この時の雰囲気は特に制限されず、不活性ガス、酸素ガス、水素ガス、ヘリウムガス等の各種雰囲気、あるいはまた、減圧下(真空中)での焼結も可能である。ただし、最終的に酸素欠損の発生を防止することが好ましいため、より好ましい雰囲気としては、酸素ガス、減圧酸素ガス雰囲気が例示される。
本発明の焼結工程における焼結温度は、1400~1780℃が好ましく、1480~1750℃が特に好ましい。焼結温度がこの範囲にあると、異相析出を抑制しつつ緻密化が促進されるため好ましい。
本発明の焼結工程における焼結保持時間は数時間程度で十分だが、焼結体の相対密度は最低でも94%以上に緻密化させなければいけない。また10時間以上長く保持させて焼結体の相対密度を99%以上に緻密化させておくと、最終的な透明性が向上するため、更に好ましい。
(熱間等方圧プレス(HIP))
本発明の製造方法においては、焼結工程を経た後に更に追加で熱間等方圧プレス(HIP)処理を行う工程を設けることができる。
なお、このときの加圧ガス媒体種類は、アルゴン、窒素等の不活性ガス、又はAr-O2が好適に利用できる。加圧ガス媒体により加圧する圧力は、50~300MPaが好ましく、100~300MPaがより好ましい。圧力50MPa未満では透明性改善効果が得られない場合があり、300MPa超では圧力を増加させてもそれ以上の透明性改善が得られず、装置への負荷が過多となり装置を損傷するおそれがある。印加圧力は市販のHIP装置で処理できる196MPa以下であると簡便で好ましい。
また、その際の処理温度(所定保持温度)は1100~1780℃、好ましくは1200~1730℃の範囲で設定される。熱処理温度が1780℃超では酸素欠損発生リスクが増大するため好ましくない。また、熱処理温度が1100℃未満では焼結体の透明性改善効果がほとんど得られない。なお、熱処理温度の保持時間については特に制限されないが、あまり長時間保持すると酸素欠損発生リスクが増大するため好ましくない。典型的には1~3時間の範囲で好ましく設定される。
なお、HIP処理するヒーター材、断熱材、処理容器は特に制限されないが、グラファイト、ないしはモリブデン(Mo)、タングステン(W)、白金(Pt)が好適に利用でき、処理容器として更に酸化イットリウム、酸化ガドリニウムも好適に利用できる。特に処理温度が1500℃以下である場合、ヒーター材、断熱材、処理容器として白金(Pt)が使用でき、かつ加圧ガス媒体をAr-O2とすることができるため、HIP処理中の酸素欠損の発生を防止できるため好ましい。処理温度が1500℃を超える場合にはヒーター材、断熱材としてグラファイトが好ましいが、この場合は処理容器としてグラファイト、モリブデン(Mo)、タングステン(W)のいずれかを選定し、更にその内側に二重容器として酸化イットリウム、酸化ガドリニウムのいずれかを選定したうえで、容器内に酸素放出材を充填しておくと、HIP処理中の酸素欠損発生量を極力少なく抑えられるため好ましい。
(アニール)
本発明の製造方法においては、HIP処理を終えた後に、得られた透明セラミックス焼結体中に酸素欠損が生じてしまい、かすかに薄灰色の外観を呈する場合がある。その場合には、前記HIP処理温度以下、典型的には1000~1500℃にて、好ましくは1400℃以上、より好ましくは1,450℃以上1,500℃以下で、酸素雰囲気ないしは大気下で酸化アニール処理(酸素欠損回復処理)を施すことが好ましい。この場合の保持時間は特に制限されないが、酸素欠損が回復するのに十分な時間以上で、かつ無駄に長時間処理して電気代を消耗しない時間内で選択されることが好ましい。該酸素アニール処理により、たとえHIP処理工程でかすかに薄灰色の外観を呈してしまった透明セラミックス焼結体であっても、すべて無色透明の欠陥吸収のない常磁性ガーネット型透明セラミックス体とすることができる。
(光学研磨)
本発明においては、上記一連の製造工程を経たガーネット型透明セラミックスについて、その光学的に利用する軸上にある両端面を光学研磨して光学面とする。研磨条件は上述した通りである。このときの光学面精度は測定波長λ=633nmの場合、λ/2以下が好ましく、λ/8以下が特に好ましい。なお、光学研磨された面に適宜ARコート層(反射防止膜)を成膜することで光学損失を更に低減させることも可能である。
以上のようにして、本発明のガーネット型透明セラミックスを提供することができる。テルビウムを含有する透明セラミックスは波長帯0.9μm以上1.1μm以下で動作可能なファラデー回転子として利用できる。
[磁気光学デバイス]
更に、本発明のガーネット型透明セラミックスは、テルビウムを含有する場合、磁気光学材料として利用することも想定しているため、該ガーネット型透明セラミックスにその光学軸と平行に磁場を印加したうえで、偏光子、検光子とを互いにその光軸が45度ずれるようにセットして磁気光学デバイスを構成利用することが好ましい。即ち、本発明のガーネット型透明セラミックスは、磁気光学デバイス用途に好適であり、特に波長0.9~1.1μmの光アイソレータのファラデー回転子として好適に使用される。
図1は、本発明のガーネット型透明セラミックスからなるファラデー回転子を光学素子として有する光学デバイスである光アイソレータの一例を示す断面模式図である。図1において、光アイソレータ100は、本発明のガーネット型透明セラミックスからなるファラデー回転子110を備え、該ファラデー回転子110の前後には、偏光材料である偏光子120及び検光子130が備えられている。また、光アイソレータ100は、偏光子120、ファラデー回転子110、検光子130の順序で配置され、それらの側面のうちの少なくとも1面に磁石140が載置されていることが好ましい。
また、上記光アイソレータ100は産業用ファイバーレーザー装置に好適に利用できる。即ち、レーザー光源から発したレーザー光の反射光が光源に戻り、発振が不安定になるのを防止するのに好適である。
以下に、実施例、比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[実施例1~3、比較例1~3]
信越化学工業(株)製の酸化テルビウム粉末、酸化イットリウム粉末、酸化スカンジウム粉末、及び大明化学(株)製の酸化アルミニウム粉末を入手した。更にキシダ化学(株)製のオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)の液体を入手した。純度は粉末原料がいずれも99.95質量%以上、液体原料が99.999質量%以上であった。
上記原料を用いて、混合比率を調整して最終組成が(Tb0.60.398Sc0.002)3(Al0.998Sc0.002)512となる複合酸化物原料を作製した。この際、TEOSも、その添加量がSiO2換算で0.05質量%になるように秤量して同時に加えた。
続いて該複合酸化物原料をエタノール中でアルミナ製ボールミル装置にて分散・混合処理した。処理時間は15時間とした。
その後スプレードライ処理を行って、いずれも平均粒径が20μmの顆粒状原料を作製した。得られた酸化物原料に一軸プレス成形、及び198MPaの圧力での静水圧プレス処理を施してCIP成形体を6個得た。該成形体をすべてマッフル炉中で1000℃、3時間の条件にて脱脂処理して脱脂済成形体を得た。
続いて当該脱脂済成形体を真空焼結炉に仕込み、1550℃で3時間処理して焼結体を得た。この時、サンプルの焼結相対密度はいずれも94~98%の範囲におさまっていた。
得られた各焼結体をカーボンヒーター製HIP炉に仕込み、Ar中、200MPa、1600℃、2時間の条件でHIP処理した。得られた焼結体はいずれも外見上ほとんど灰色化(酸素欠損吸収)は確認されなかった。ただし念のため、得られた各セラミックス焼結体全てについて、大気加熱炉にて、1450℃で30時間アニール処理して、酸素欠損を十分に回復させる処置を施した。こうして、まずガーネット型透明セラミックスのサンプルを用意した。
続いて、得られたガーネット型透明セラミックスのサンプルを、直径5mm、長さ25mmのロッド形状となるように研削処理した。
次いで、得られた透明セラミックスのロッド状サンプルについて両端面を表1に示す各条件(実施例1~3、比較例1~3)にて光学研磨処理した。このとき、砥粒はすべて遊離砥粒を用い、砥粒の種類とサイズを変更して研磨した。なお砥粒サイズについては、一般に粗研磨ができるミクロンサイズから徐々に小さくしていきサブミクロンサイズの砥粒で精密研磨仕上げをすると、研磨面の平均粗さが小さくなることが知られている。そこで、この砥粒サイズを変えて研磨する段階数を変えて研磨を実施した。定盤の種類やコロイダルシリカによるCMP研磨は標準的なものとした。なお、得られた各研磨サンプルの光学面精度はいずれもλ/8(測定波長λ=633nm)以上であった。
続いて、得られた各研磨済みロッド状サンプルの表面粗さを以下の要領で測定した。
(表面粗さの測定方法)
研磨面の表面粗さは、ISO 25178に準拠した方法で測定した。具体的には、ZYGOコーポレーション製の表面粗さ測定装置ZeGage Plusを用いて、垂直走査型低コヒーレンス干渉法(CSI法)にて表面粗さを測定した。光源は白色光源、対物レンズは10倍のミラウ型、測定エリアは830μm×830μm、横方向分解能は0.81μmの各条件にて測定した。ただし、面粗さの値を求めるに当たり、測定データの測定エリアの外周値はカウントせず、測定エリアの中心部の800μm×800μm領域のデータのみを参照した。
また面粗さは2つの基準で算出した。1つはSa(算術平均高さ)で、これは平均面に対する測定エリア内各点の高さの絶対値の平均値である。もう1つはSq(二乗平均平方根高さ)で、これは平均面からの測定エリア内各点までの距離の標準偏差に相当する値である。
こうして算出された平均粗さをまとめて表1に示す。
Figure 2023128125000002
上記のようにして得られた各研磨済みロッド状サンプルについて、全光線透過率、前方散乱率をそれぞれ以下のように測定した。
(全光線透過率、及び前方散乱率の測定方法)
全光線透過率、並びに前方散乱率はJIS K7105(ISO 13468-2:1999)及びJIS K7136(ISO 14782:1999)を参考に測定した。具体的には日本分光(株)製の分光光度計V-670を用いて、波長1064nmについて測定した。
まず全光線透過率の測定は、該分光光度計V-670にワーク(サンプル)をセットせずに分光器で分光させた光を照射し、該光を予め装置にセットされている積分球で受けて、集光された光を検知器で受光する。得られた照度をI0とし、続いてワークを装置にセットして、今度は分光させた光をワークに入射し、透過してきた光を再度積分球で集めて検知器で受光する。得られた照度をIとして次式により求めた。

全光線透過率(%/25mm)=I/I0×100

次に前方散乱率の測定は、前記のワークがセットされた状態から積分球裏面の反射板を取り除いた以外はすべて同じ測定系で、再び分光された光をワークに入射し、透過してきた光を再度積分球で集めて検知器で受光する。得られた照度は直線透過成分以外の散乱成分を表し、これをISとして次式により求めた。

前方散乱率(%/25mm)=IS/I0×100

なお、再現性やバラツキの影響を考慮するため、すべての条件につき各々3個ずつ測定し、その平均値を算出して各々のサンプルの全光線透過率、並びに前方散乱率の値とした。また、ビーム径を3mmφより太くすると、直径5mmφのサンプルの外周でビームの裾が蹴られはじめるため、このビーム径3mmφを事実上のワーク全面に光を入射させた状態と定義した。
前記の要領で作製した実施例、比較例の各研磨済みロッド状サンプルにつき、その光学両端面に中心波長が1064nmとなるように設計された反射防止膜(ARコート)をコートした。得られた各ARコート付きロッド状サンプルにつき以下の要領でベルデ定数を測定した。
(ベルデ定数の測定方法)
ベルデ定数Vは、以下の式に基づいて求めた。なお、サンプルに印加される磁界の大きさ(H)は、上記測定系の寸法、残留磁束密度(Br)及び保持力(Hc)からシミュレーションにより算出した値を用いた。

θ=V×H×L
(式中、θはファラデー回転角(rad)、Vはベルデ定数(rad/(T・m))、Hは磁界の大きさ(T)、Lはファラデー回転子の長さ(この場合、0.025m)である。)
最後に、これら実施例、比較例の各ARコート付きロッド状サンプルにつき、下記要領にてレーザー損傷閾値の評価を行った。
(レーザー損傷閾値の測定方法)
レーザー損傷閾値の測定は、ISO 21254を参考に測定した。具体的には以下の計算式を元にパルス幅10ns換算でのレーザー損傷閾値を求めた。サンプルへの入射エネルギーは、波長1064nmで出力する光源レーザーのパワーE(W)、パルス幅τ(ns)、繰り返し周波数H(Hz)、入射ビーム径D(μm)の各パラメータを用いて、以下の式でパルス幅10ns換算フルエンスFとして算出する。

F=(2×E/H)÷(π×((D×10-4)/2)2)×√(10/τ)(J/cm2
更に、フルエンスFでサンプルの一方の光学面に入射、透過して他方の光学面(反対面)から出射してきたレーザービームをサンプルの後段に設置したパワーメータでモニターする。この状態でサンプル入射フルエンスFを徐々に上げていく。するとある時点でパワーメータの入力値が突然低下する現象が生じる。このときの入射レーザーフルエンスFmaxを、各サンプルの波長1064nmにおけるレーザー損傷閾値として読み取った。なお、測定データのバラツキも勘案して、このレーザー損傷閾値は光学面内の入射位置をずらしながら10点測定し、その平均値をレーザー損傷閾値として求めた。
参考までに、図2に測定系の一例を示す。図2では、光源であるパルスレーザー11からの出力は一定とし、光路途中にセットしたHWP(2分の1波長板)13を回転させることで透明セラミックスのサンプル17への入射レーザー光量を制御している。なお、レーザー損傷が発生した場所は、すべてのサンプルにおいてレーザー出射面表面上であった。
参考として、図3にサンプルの出射表面のレーザー損傷による損傷痕の外観(光学顕微鏡写真)を示す。
以上の結果をまとめて表2に示す。更に参考として、表1の平均粗さSa、Sqと表2のレーザー損傷閾値Fmaxの関係をグラフ化したものを図4に示す。
Figure 2023128125000003
以上の結果、本実施例で作製したサンプルは、実施例、比較例を問わず、いずれも高度に透明な焼結体に仕上がっていた。即ち、実施例1~3、比較例1~3のいずれのサンプルも全光線透過率84.0%以上、前方散乱率0.5%以下となっていた。またそのベルデ定数もすべてが30rad/(T・m)を上回っていた。
それにも関わらず、光学面(研磨面)の算術平均高さSaが0.7nmを超えている場合、又は別の計算方法で算出した二乗平均平方根高さSqが0.89nmを超えた場合である比較例1~3のレーザー損傷閾値は、いずれも10J/cm2を下回っていた。一方、算術平均高さSaが0.7nm以下の場合、又は二乗平均平方根高さSqが0.89nm以下の場合である実施例1~3のレーザー損傷閾値はすべて10J/cm2を上回っていた。
このように、波長1064nmにおけるパルス幅10ns換算でのレーザー損傷閾値が10J/cm2を上回っていると、最新の高出力、且つ短パルスレーザーシステムに、例えば光アイソレータユニット用のファラデー回転子として搭載しても、該材料がレーザー損傷に至ることなく安定に使用することが可能となる。
[実施例4~6、比較例4~6]
信越化学工業(株)製の酸化イットリウム粉末、及び大明化学(株)製の酸化アルミニウム粉末を入手した。更にキシダ化学(株)製のオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)の液体を入手した。純度は粉末原料がいずれも99.95質量%以上、液体原料が99.999質量%以上であった。
上記原料を用いて、混合比率を調整して最終組成がY3Al512(通称YAG)となる複合酸化物原料を作製した。この際、TEOSも、その添加量がSiO2換算で0.05質量%になるように秤量して同時に加えた。
続いて該複合酸化物原料をエタノール中でアルミナ製ボールミル装置にて分散・混合処理した。処理時間は15時間とした。
その後スプレードライ処理を行って、いずれも平均粒径が20μmの顆粒状原料を作製した。得られた酸化物原料に一軸プレス成形、及び198MPaの圧力での静水圧プレス処理を施してCIP成形体を6個得た。該成形体をすべてマッフル炉中で1000℃、3時間の条件にて脱脂処理して脱脂済成形体を得た。
続いて当該脱脂済成形体を真空焼結炉に仕込み、1600℃で3時間処理して焼結体を得た。この時、サンプルの焼結相対密度はいずれも94~98%の範囲におさまっていた。
得られた各焼結体をカーボンヒーター製HIP炉に仕込み、Ar中、200MPa、1600℃、2時間の条件でHIP処理した。得られた焼結体はいずれも外見上ほとんど灰色化(酸素欠損吸収)は確認されなかった。ただし念のため、得られた各セラミックス焼結体全てについて、大気加熱炉にて、1450℃で30時間アニール処理して、酸素欠損を十分に回復させる処置を施した。こうして、まずガーネット型透明セラミックスのサンプルを用意した。
続いて、得られた透明セラミックスのサンプルについて、直径5mm、長さ25mmのロッド形状となるように研削処理した。
こうして準備した透明セラミックスのロッド状サンプルについて両端面を表3に示した各条件(実施例4~6、比較例4~6)にて光学研磨処理した。このときの研磨条件は、実施例1~3、比較例1~3の場合と同一とした。
更に、得られた各研磨済みロッド状サンプルの表面粗さも実施例1~3、比較例1~3の場合と同様に測定した。
こうして測定、算出された平均粗さをまとめて表3に示す。
Figure 2023128125000004
上記の各研磨済みロッド状サンプルについて、全光線透過率、前方散乱率を実施例1~3、比較例1~3と同じ要領で測定した。なお、本実施例の透明セラミックスのサンプル中にはテルビウムが含まれておらず、ファラデー回転効果は期待できないことから、該サンプルのベルデ定数は評価しなかった。
最後に、これら実施例4~6、比較例4~6の各研磨済みロッド状サンプルにつき、実施例1~3、比較例1~3の場合と同様にして反射防止膜(ARコート)をコートした上で、前述と同じ要領にてレーザー損傷閾値を測定した。
得られた結果をまとめて表4に示す。
Figure 2023128125000005
以上の結果、本実施例で作製したサンプルも、実施例、比較例を問わず、いずれも高度に透明な焼結体に仕上がっていた。即ち、実施例4~6、比較例4~6のいずれのサンプルも全光線透過率84.0%以上、前方散乱率0.5%以下となっていた。
それにも関わらず、光学面(研磨面)の算術平均高さSaが0.7nmを超えた場合、又は別の計算方法で算出した二乗平均平方根高さSqが0.89nmを超えた場合である比較例4~6のレーザー損傷閾値はいずれも10J/cm2を下回っていた。一方、算術平均高さSaが0.7nm以下の場合、又は二乗平均平方根高さSqが0.89nm以下の場合である実施例4~6のレーザー損傷閾値はすべて10J/cm2を上回っていた。
ちなみに本実施例では示さなかったが、該実施例のYAG型透明セラミックスは、ネオジム(Nd)を1~3質量%ほどドープすることにより、レーザー発振媒質そのものとしての利用が可能となる。
なお、これまで本発明を上述した実施形態をもって説明してきたが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
11 パルスレーザー
12 増幅器
13 ミラー
14 HWP(1/2波長板)
15 PBS
16 レンズ
17 サンプル
18 パワーメータ
19 PC
100 光アイソレータ
110 ファラデー回転子
120 偏光子
130 検光子
140 磁石

Claims (10)

  1. イットリウムとアルミニウムとを含む複合酸化物の焼結体であって、平均粗さが算術平均高さSa≦0.70nm又は二乗平均平方根高さSq≦0.89nmの光学面を有するガーネット型透明セラミックス。
  2. 更に、テルビウムを含む複合酸化物の焼結体である請求項1に記載のガーネット型透明セラミックス焼結体。
  3. テルビウムの含有体積モル濃度がイットリウムの含有体積モル濃度以上であり、波長1064nmにおけるベルデ定数が30rad/(T・m)以上である請求項2に記載のガーネット型透明セラミックス。
  4. 上記光学面が精密研磨面である請求項1~3のいずれか1項に記載のガーネット型透明セラミックス。
  5. 上記光学面がレーザー光の入射面と出射面の2つからなり、上記算術平均高さSa及び二乗平均平方根高さSqの平均粗さが該2つの光学面の面粗さの平均値である請求項1~4のいずれか1項に記載のガーネット型透明セラミックス。
  6. 上記2つの光学面の一方の面から波長1064nm、パルス幅10nsの短パルスレーザーを入射させて、他方の面から該レーザーを出射させた場合のレーザー光出射面におけるレーザー損傷閾値が10J/cm2以上である請求項5に記載の常磁性ガーネット型透明セラミックス。
  7. 上記光学面上に、更にARコート層を有する請求項1~6のいずれか1項に記載のガーネット型透明セラミックス。
  8. 光路長25mmでの波長1064nmにおける全光線透過率が84%以上で、かつ前方散乱率が0.5%以下である請求項1~7のいずれか1項に記載のガーネット型透明セラミックス。
  9. 請求項2~8のいずれか1項に記載のガーネット型透明セラミックスを磁気光学材料として用いて構成される磁気光学デバイス。
  10. 上記ガーネット型透明セラミックスをファラデー回転子として備え、該ファラデー回転子の光学軸上の前後に偏光材料を備えた波長帯0.9μm以上1.1μm以下で利用可能な光アイソレータである請求項9に記載の磁気光学デバイス。
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