JP2019199387A - 常磁性ガーネット型透明セラミックス、磁気光学材料及び磁気光学デバイス - Google Patents
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Description
すると、偏光子位置における戻り光の偏波面は偏光子の偏波面に対して45度−(−45度)=90度のずれとなり、偏光子を透過できない。こうして前進する光は透過、出射させ、後進する戻り光は遮断する光アイソレータとして機能する。
また、テルビウム及びルテチウムを含有する常磁性ガーネット型酸化物の焼結体が磁気光学材料として優れた特性を示すことも分かった。
本発明者はこれらの知見を基に鋭意検討を行い、本発明を成すに至った。
1.
下記式(1)で表される複合酸化物の焼結体であり、焼結助剤としてSiO2を0質量%超0.1質量%以下含有し、光路長25mmでの波長1064nmにおける直線透過率が83.5%以上であることを特徴とする常磁性ガーネット型透明セラミックス。
(Tb1-x-yLuxScy)3(Al1-zScz)5O12 (1)
(式中、0.05≦x<0.45、0<y<0.1、0.5<1−x−y<0.95、0.004<z<0.2である。)
2.
波長1064nmでのベルデ定数が30rad/(T・m)以上である1記載の常磁性ガーネット型透明セラミックス。
3.
光路長25mmにおける波長1064nmのレーザー光をビーム径1.6mm、入射パワー100Wで入射した場合の熱レンズによる焦点位置の最大変化量が0.25m以下である1又は2記載の常磁性ガーネット型透明セラミックス。
4.
ファラデー回転子として、光路長25mmでの波長1064nmにおける消光比が40dB以上である1〜3のいずれかに記載の常磁性ガーネット型透明セラミックス。
5.
散乱源体積濃度が3ppm以下である1〜4のいずれかに記載の常磁性ガーネット型透明セラミックス。
6.
1〜5のいずれかに記載の常磁性ガーネット型透明セラミックスからなる磁気光学材料。
7.
6記載の磁気光学材料を用いて構成される磁気光学デバイス。
8.
上記常磁性ガーネット型透明セラミックスをファラデー回転子として備え、該ファラデー回転子の光学軸上の前後に偏光材料を備えた波長帯0.9μm以上1.1μm以下で利用可能な光アイソレータである7記載の磁気光学デバイス。
以下、本発明に係る常磁性ガーネット型透明セラミックスについて説明する。
本発明に係る透明セラミックス材料は、下記式(1)で表される複合酸化物の焼結体であり、焼結助剤としてSiO2を0質量%超0.1質量%以下含有し、光路長25mmでの波長1064nmにおける直線透過率が83.5%以上であることを特徴とする常磁性ガーネット型透明セラミックスである。
(Tb1-x-yLuxScy)3(Al1-zScz)5O12 (1)
(式中、0.05≦x<0.45、0<y<0.1、0.5<1−x−y<0.95、0.004<z<0.2である。)
[原料]
本発明で用いる原料としては、テルビウム、ルテチウム、スカンジウム、アルミニウムからなる金属粉末、ないしは硝酸、硫酸、尿酸等の水溶液、あるいは上記元素の酸化物粉末等が好適に利用できる。また、上記原料の純度は99.9質量%以上が好ましく、99.99質量%以上が特に好ましい。
なお、最終的には所望の構成のガーネット型酸化物粉末を用いてセラミックス製造をすることになるが、その際の粉末形状については特に限定されず、例えば角状、球状、板状の粉末が好適に利用できる。また、二次凝集している粉末であっても好適に利用できるし、スプレードライ処理等の造粒処理によって造粒された顆粒状粉末であっても好適に利用できる。更に、これらの原料粉末の調製工程については特に限定されない。共沈法、粉砕法、噴霧熱分解法、ゾルゲル法、アルコキシド加水分解法、その他あらゆる合成方法で作製された原料粉末が好適に利用できる。また、得られた原料粉末を適宜湿式ボールミル、ビーズミル、ジェットミルや乾式ジェットミル、ハンマーミル等によって処理してもよい。
本発明では、上記原料粉末を用いて、所定形状にプレス成形した後に脱脂を行い、次いで焼結して、相対密度が最低でも95%以上に緻密化した焼結体を作製する。その後工程として熱間等方圧プレス(HIP(Hot Isostatic Pressing))処理を行うことが好ましい。なお熱間等方圧プレス(HIP)処理をそのまま施すと、常磁性ガーネット型透明セラミックスが還元されて若干の酸素欠損を生じてしまう。そのため微酸化HIP処理、ないしはHIP処理後に酸化囲気でのアニール処理を施すことにより酸素欠損を回復させることが好ましい。これにより、欠陥吸収のない透明なガーネット型酸化物セラミックスを得ることができる。
本発明の製造方法においては、通常のプレス成形工程を好適に利用できる。即ち、ごく一般的な、型に充填して一定方向から加圧する一軸プレス工程や変形可能な防水容器に密閉収納して静水圧で加圧する冷間静水圧加圧(CIP(Cold Isostatic Pressing))工程や温間静水圧加圧(WIP(Warm Isostatic Pressing))工程が好適に利用できる。なお、印加圧力は得られる成形体の相対密度を確認しながら適宜調整すればよく、特に制限されないが、例えば市販のCIP装置やWIP装置で対応可能な300MPa以下程度の圧力範囲で管理すると製造コストが抑えられてよい。あるいはまた、成形時に成形工程のみでなく一気に焼結まで実施してしまうホットプレス工程や放電プラズマ焼結工程、マイクロ波加熱工程なども好適に利用できる。更にプレス成形法ではなく、鋳込み成形法による成形体の作製も可能である。加圧鋳込み成形や遠心鋳込み成形、押出し成形等の成形法も、出発原料である酸化物粉末の形状やサイズと各種の有機添加剤との組合せを最適化することで、採用可能である。
本発明の製造方法においては、通常の脱脂工程を好適に利用できる。即ち、加熱炉による昇温脱脂工程を経ることが可能である。また、この時の雰囲気ガスの種類も特に制限はなく、空気、酸素、水素等が好適に利用できる。脱脂温度も特に制限はないが、もしも有機添加剤が混合されている原料を用いる場合には、その有機成分が分解消去できる温度まで昇温することが好ましい。
本発明の製造方法においては、一般的な焼結工程を好適に利用できる。即ち、抵抗加熱方式、誘導加熱方式等の加熱焼結工程を好適に利用できる。この時の雰囲気は特に制限されず、不活性ガス、酸素ガス、水素ガス、ヘリウムガス等の各種雰囲気、あるいはまた、減圧下(真空中)での焼結も可能である。ただし、最終的に酸素欠損の発生を防止することが好ましいため、より好ましい雰囲気としては、酸素ガス、減圧酸素ガス雰囲気が例示される。
本発明の製造方法においては、焼結工程を経た後に更に追加で熱間等方圧プレス(HIP)処理を行う工程を設けることができる。
本発明の製造方法においては、HIP処理を終えた後に、得られた透明セラミックス焼結体中に酸素欠損が生じてしまい、かすかに薄灰色の外観を呈する場合がある。その場合には、前記HIP処理温度以下、典型的には1000〜1500℃にて、酸素雰囲気下で酸素アニール処理(酸素欠損回復処理)を施すことが好ましい。この場合の保持時間は特に制限されないが、酸素欠損が回復するのに十分な時間以上で、かつ無駄に長時間処理して電気代を消耗しない時間内で選択されることが好ましい。該酸素アニール処理により、たとえHIP処理工程でかすかに薄灰色の外観を呈してしまった透明セラミックス焼結体であっても、すべて無色透明の欠陥吸収のない常磁性ガーネット型透明セラミックス体とすることができる。
本発明の製造方法においては、上記一連の製造工程を経た常磁性ガーネット型透明セラミックスについて、その光学的に利用する軸上にある両端面を光学研磨することが好ましい。このときの光学面精度は測定波長λ=633nmの場合、λ/2以下が好ましく、λ/8以下が特に好ましい。なお、光学研磨された面に適宜反射防止膜を成膜することで光学損失を更に低減させることも可能である。
更に、本発明の常磁性ガーネット型透明セラミックスは磁気光学材料として利用することを想定しているため、該常磁性ガーネット型透明セラミックスにその光学軸と平行に磁場を印加したうえで、偏光子、検光子とを互いにその光軸が45度ずれるようにセットして磁気光学デバイスを構成利用することが好ましい。即ち、本発明の磁気光学材料は、磁気光学デバイス用途に好適であり、特に波長0.9〜1.1μmの光アイソレータのファラデー回転子として好適に使用される。
信越化学工業(株)製の酸化テルビウム粉末、酸化ルテチウム粉末、酸化スカンジウム粉末、及び大明化学(株)製の酸化アルミニウム粉末を入手した。更にキシダ化学(株)製のオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)の液体を入手した。純度は粉末原料がいずれも99.95質量%以上、液体原料が99.999質量%以上であった。
上記原料を用いて、混合比率を調整して表1に示す最終組成となる計20種類の酸化物原料を作製した。
即ち、テルビウム、ルテチウム、アルミニウム及びスカンジウムのモル数がそれぞれ表1の各組成のモル比率となるよう秤量した混合粉末を用意した。続いてTEOSを、その添加量がSiO2換算で表1の質量%になるように秤量して各原料に加えた。
そして、それぞれ互いの混入を防止するよう注意しながらエタノール中でアルミナ製ボールミル装置にて分散・混合処理した。処理時間は15時間であった。その後スプレードライ処理を行って、いずれも平均粒径が20μmの顆粒状原料を作製した。
続いて、これらの粉末をイットリアるつぼに入れ高温マッフル炉にて1100℃で保持時間3時間で焼成処理し、それぞれの組成での焼成原料を得た。得られた各焼成原料をパナリティカル社製粉末X線回折装置で回折パターン解析した(XRD分析)。X線回折パターンのリファレンスデータと測定パターンとの比較から試料の結晶系を特定した。ほとんどの場合(酸化物原料No.1〜11、14〜18、20の場合)、ガーネット単相(立方晶)のピークのみ検出され、酸化物原料No.12、13、19の場合についてはガーネット相のピークパターン以外にペロブスカイト異相の弱いピークが検出された。
以上の結果を表1にまとめて示す。
得られた各焼結体をカーボンヒーター製HIP炉に仕込み、Ar中、200MPa、1650℃、2時間の条件でHIP処理した。得られた焼結体はいずれも外見上ほとんど灰色化(酸素欠損吸収)は確認されなかった。ただし念のため、得られた各セラミックス焼結体について、各々のロット管理をしながら酸素雰囲気炉にて、1300℃で4時間アニール処理して、酸素欠損を回復させる処置をほどこした。こうして実施例と比較例の合計20種類の焼結体を用意した。
続いて、得られた各セラミックス焼結体を、直径5mm、長さ25mmとなるように研削及び研磨処理し、更にそれぞれのサンプルの光学両端面を光学面精度λ/8(測定波長λ=633nmの場合)で最終光学研磨した。
直線透過率は、NKT Photonics社製の光源とGentec社製のパワーメータ並びにGeフォトディテクタを用いて内製した光学系を用い、波長1064nmの光をビーム径1〜3mmφの大きさで透過させたときの光の強度により測定され、以下の式に基づき、JIS K7361及びJIS K7136に準拠して求めた。
直線透過率(%/25mm)=I/I0×100
(式中、Iは透過光強度(長さ25mmのサンプルを直線透過した光の強度)、I0は入射光強度を示す。)
以下のようにして、ファラデー回転子としての消光比を測定した。
消光比は、NKT Photonics社製の光源と、コリメータレンズ、偏光子、ワークステージ、検光子、Gentec社製のパワーメータ並びにGeフォトディテクタを用いて内製した光学系を用い、波長1064nmの光をビーム径3mmφと大きく設定した状態でサンプル中を透過させ、この状態で検光子の偏光面を偏光子の偏光面と一致させた際の光の強度I0’(レーザー光強度として最大値)を測定し、続いて検光子の偏光面を90度回転して偏光子の偏光面と直交させた状態で再度受光強度I’(レーザー光強度として最小値)を測定したうえで、以下の式に基づいて計算により求めた。
消光比(dB)=−10×log10(I’/I0’)
なお、ビーム径を3mmφより太くすると、直径5mmφのサンプルの外周でビームの裾が蹴られはじめるため、このビーム径3mmφを事実上のワーク全面に光を入射させた状態と定義した。
気泡及び/又は異相が焼結体中に占める体積濃度(散乱源体積濃度)を次のように測定した。
ツァイス社製金属顕微鏡の透過モードを使用し、50倍の対物レンズを使用して前記の通り両端面が研磨された各焼結体サンプルの透過オープンニコル像を撮影した。その際のフレームサイズは約153μm×117μmであった。ここから2μmずつ焦点深度を下げながら計5枚の透過オープンニコル像を撮影した。典型的な散乱源のサイズは1μm程度であり、2μmピッチで焦点をずらしながら5枚撮影すると、多少のピントズレを無視すれば高さ方向(深さ10μmの範囲)に分布するほぼすべての散乱源を撮影することが可能となる。
撮影した画像中に映り込む散乱源のサイズは、まず、もしも気泡(気孔)や異相以外の異物などの特殊なものが存在していれば、その大きさ(直径)が数10μmに達しており、この場合、画像中に1個でも存在すると散乱源体積濃度は200ppmを超え、且つレーザービームが該散乱源に当ると著しい散乱が生じるため、直線透過率が大幅に低下する。しかしながら、そのような大きな散乱源は混入していなかった。
その上で、更に細かく散乱源の観察を行った。その結果、残りの散乱源サイズはすべて直径3μm以下の略球形のコントラストとして映り込んでいることが判明した。更に、そのほとんどは直径1.6μmφ以下であった。
なお、散乱源サイズが直径150nmより小さいと顕微鏡に映らないという問題も別途確認されたが、例えば直径200nmの散乱源が前記5枚の写真の中にたとえ1100個も映り込んでいたとしても、計算するとそれら散乱源のトータルの体積濃度は200ppm未満にしかならない。実際にはそこまで散乱源が多い場合には、別途測定する直線透過率の値が大きく低下するため、顕微鏡での散乱源体積濃度観察結果は「200nm未満無数」と表記するものとした。
次に、残る典型的なサイズの散乱源については、その散乱源サイズ(直径)を0.5μmピッチで層別してカウントした。即ち、φ0.5μm、φ1μm、φ1.5μm、φ2μm、φ2.5μm、φ3μmがそれぞれ何個ずつ映り込んでいるかを数えた。詳しくは、直径0.25μm以上0.75μm未満のものをみなし直径0.5μmの散乱源としてカウントし、直径0.75μm以上1.25μm未満のものをみなし直径1μmの散乱源としてカウントし、直径1.25μm以上1.75μm未満のものをみなし直径1.5μmの散乱源としてカウントし、直径1.75μm以上2.25μm未満のものをみなし直径2μmの散乱源としてカウントし、直径2.25μm以上2.75μm未満のものをみなし直径2.5μmの散乱源としてカウントし、直径2.75μm以上3.25μm未満のものをみなし直径3μmの散乱源としてカウントした。次いで、散乱源サイズ(直径)の各階層でカウントした散乱源がそのみなし直径の球形の散乱源であるとみなし、階層ごとにそのみなし直径に基づいた球体積にカウント数を乗じてその階層のトータル体積を算出し、更に全階層のトータル体積を合算して、散乱源体積とした。次いで、この散乱源体積を観察体積179010μm3(=153μm×117μm×10μm)で割って散乱源の体積濃度を求めた。
図2(b)に見られるように、光学研磨した面を通してみるといずれのサンプルも透明であった。なおARコートの干渉色のため外観は紫色を呈して見える。なおこのとき、カメラのピントをサンプルの上部の面に合わせたため、下地の文字がぼやけている。
ベルデ定数Vは、以下の式に基づいて求めた。なお、サンプルに印加される磁界の大きさ(H)は、上記測定系の寸法、残留磁束密度(Br)及び保持力(Hc)からシミュレーションにより算出した値を用いた。
θ=V×H×L
(式中、θはファラデー回転角(rad)、Vはベルデ定数(rad/(T・m))、Hは磁界の大きさ(T)、Lはファラデー回転子の長さ(この場合、0.025m)である。)
IPGフォトニクスジャパン(株)製ハイパワーレーザー(ビーム径1.6mm)にて100W出力の空間平行光線を出射し、ビームプロファイラで焦点位置を計測した。続いて該出射光線ライン上にセラミックスサンプルをセットし、サンプルセットにより変化した焦点位置をビームプロファイラで再計測し、両者の差分を熱レンズによる焦点位置の最大変化量として求めた。
以上の結果を表2にまとめて示す。
また、比較例6ではテルビウム濃度が低くなりすぎた結果(式(1)における1−x−y=0.499)、ベルデ定数が30rad/(T・m)を下回っていた。
また、比較例9のようにScを更に大量にドープしてしまうと(式(1)におけるy=0.2、z=0.4)、Luと合わせた合計置換割合が高くなり過ぎ、その結果テルビウム濃度が低くなるため、ベルデ定数が30rad/(T・m)を下回っていた。
また、スカンジウムをまったく添加しなかった比較例1、3、4(式(1)におけるy=0、z=0)及びスカンジウムの添加量が少なすぎる比較例2(式(1)におけるy=0、z=0.004)では、いずれも直線透過率が83.5%未満であり、消光比も40dB未満、散乱源体積濃度も3ppm超、出力100Wのレーザー光を入射した際の熱レンズによる焦点位置の最大変化量(熱レンズの発生量)も0.25m超となり光学品質が劣っていた。
比較例5ではかなり良い特性が得られていたが、ルテチウム置換量がやや足りず(式(1)におけるx=0.001)、直線透過率、消光比、散乱源体積濃度、熱レンズによる焦点位置の最大変化量(熱レンズの発生量)の値が実施例の群に比べて劣っていた。また比較例7についてもある程度よい特性が得られていたが、SiO2のドープ量が多かったためか、直線透過率、消光比、散乱源体積濃度、熱レンズによる焦点位置の最大変化量(熱レンズの発生量)の値が実施例の群に比べて劣っていた。
比較例8のように希土類サイトとアルミニウムサイトとの配合比が化学量論比からずれてしまった場合、直線透過率、消光比、散乱源体積濃度、熱レンズによる焦点位置の最大変化量(熱レンズの発生量)の値が実施例の群に比べて顕著に悪化していた。
110 ファラデー回転子
120 偏光子
130 検光子
140 磁石
Claims (8)
- 下記式(1)で表される複合酸化物の焼結体であり、焼結助剤としてSiO2を0質量%超0.1質量%以下含有し、光路長25mmでの波長1064nmにおける直線透過率が83.5%以上であることを特徴とする常磁性ガーネット型透明セラミックス。
(Tb1-x-yLuxScy)3(Al1-zScz)5O12 (1)
(式中、0.05≦x<0.45、0<y<0.1、0.5<1−x−y<0.95、0.004<z<0.2である。) - 波長1064nmでのベルデ定数が30rad/(T・m)以上である請求項1記載の常磁性ガーネット型透明セラミックス。
- 光路長25mmにおける波長1064nmのレーザー光をビーム径1.6mm、入射パワー100Wで入射した場合の熱レンズによる焦点位置の最大変化量が0.25m以下である請求項1又は2記載の常磁性ガーネット型透明セラミックス。
- ファラデー回転子として、光路長25mmでの波長1064nmにおける消光比が40dB以上である請求項1〜3のいずれか1項記載の常磁性ガーネット型透明セラミックス。
- 散乱源体積濃度が3ppm以下である請求項1〜4のいずれか1項記載の常磁性ガーネット型透明セラミックス。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の常磁性ガーネット型透明セラミックスからなる磁気光学材料。
- 請求項6記載の磁気光学材料を用いて構成される磁気光学デバイス。
- 上記常磁性ガーネット型透明セラミックスをファラデー回転子として備え、該ファラデー回転子の光学軸上の前後に偏光材料を備えた波長帯0.9μm以上1.1μm以下で利用可能な光アイソレータである請求項7記載の磁気光学デバイス。
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