JP2023127902A - ホイップドクリーム及びその製造方法 - Google Patents

ホイップドクリーム及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023127902A
JP2023127902A JP2022031865A JP2022031865A JP2023127902A JP 2023127902 A JP2023127902 A JP 2023127902A JP 2022031865 A JP2022031865 A JP 2022031865A JP 2022031865 A JP2022031865 A JP 2022031865A JP 2023127902 A JP2023127902 A JP 2023127902A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
whipped cream
weight
fat composition
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022031865A
Other languages
English (en)
Inventor
真理 緑川
Mari Midorikawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP2022031865A priority Critical patent/JP2023127902A/ja
Publication of JP2023127902A publication Critical patent/JP2023127902A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Grain Derivatives (AREA)
  • Edible Oils And Fats (AREA)

Abstract

【課題】ホイップドクリームをサンドしたパンや菓子のカット時及びそれらをカットした後に保存した後の断面が良好なホイップドクリームの提供。【解決手段】水中油型乳化油脂組成物全体中、澱粉の含量が3~6重量%、糖類の含量が20~40重量%、及び、水の含量が25~65重量%となるように、澱粉、糖類、及び、水を混合し、40~60℃に加熱して水相を得、SFCが10℃で50~60%で、且つ30℃で8.5~21.5%である油脂の含量が水中油型乳化油脂組成物全体中5~35重量%となるように、前記油脂を前記水相に添加して混合物を得、該混合物を乳化処理し、加熱殺菌して水中油型乳化油脂組成物を得、前記水中油型乳化油脂組成物3~40重量%とホイップクリーム60~97重量%とを混合して混合物を得、前記混合物をホイップして、オーバーランが100~160%のホイップドクリームを製造する。【選択図】なし

Description

本発明は、水中油型乳化油脂組成物を含有するホイップドクリーム及びその製造方法に関する。
近年、多量のホイップドクリームをフィリングとして使用したパンや菓子が人気であり、ホイップドクリームで厚みのある層を形成してボリュームのある外観とした商品が多い。特に、パンにホイップドクリームと共にフルーツを挟み込んだフルーツサンドは、そのカット断面の美しさで注目されている。フルーツをカットせずにそのままサンドしたり、フルーツで花の形をあしらったりしたインパクトのある美しい断面は、消費者の購買意欲を高める重要なポイントになっている。また、ロールケーキでも同様に、そのカット断面の美しさが重要である。
このようなホイップドクリームを挟み込んだパンや菓子のカット断面を美しく見せるには、カットする際にホイップドクリームが潰れてはみ出さないことと、カット後の断面の美しさを保つことが重要である。そのためには、ホイップドクリームが十分な硬さを有することと、経時的に硬さが軟らかくなる現象であるモドリが起こらないことが求められる。
特許文献1には、ホイップドクリームに含まれる油脂組成物中における全構成脂肪酸中のオレイン酸含有量と、5℃のSFCと15℃のSFCとの差をそれぞれ特定範囲に制御することによって、ホイップ後の作業性は良好でありながら、冷蔵保管中には硬さが変化しにくいホイップドクリームが得られることが開示されている。
特開2016-019516号公報
しかし、特許文献1に開示されたホイップドクリームでは、油脂組成のみしか検討されておらず、カット時の保形性や、カット後の保存時の保形性が十分でなく、他のペースト組成物との混合については記載も示唆もない。そこで我々は、上記課題に鑑み、ホイップクリームと他の材料とを組み合わせることで、保形性をアップできないかを主眼に上記課題の解決を検討してきた。
そこで本発明の目的は、ホイップドクリームをサンドしたパンや菓子のカット時及びそれらをカットした後に保存した後の断面が良好なホイップドクリーム、及び、その製造方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のSFC(固体脂含量)を有する油脂、澱粉、糖類、及び水をそれぞれ特定量含有する水中油型乳化油脂組成物と、ホイップクリームをそれぞれ特定量含有するホイップドクリームは、カット時の保形性とカット後の保存時の保形性が良好であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、水中油型乳化油脂組成物全体中、澱粉の含量が3~6重量%、糖類の含量が20~40重量%、及び、水の含量が25~65重量%となるように、澱粉、糖類、及び、水を混合し、40~60℃に加熱して水相を得る工程、
SFC(固体脂含量)が10℃で50~60%で、且つ30℃で8.5~21.5%である油脂の含量が水中油型乳化油脂組成物全体中5~35重量%となるように、前記油脂を前記水相に添加して混合物を得る工程、
該混合物を乳化処理し、加熱殺菌して水中油型乳化油脂組成物を得る工程、
前記水中油型乳化油脂組成物3~40重量%とホイップクリーム60~97重量%とを混合して混合物を得る工程、及び、
前記混合物をホイップする工程、を含む、
オーバーランが100~160%のホイップドクリームの製造方法に関する。
本発明の第二は、オーバーランが100~160%のホイップドクリームであって、
水中油型乳化油脂組成物全体中、澱粉3~6重量%、糖類20~40重量%、及び、水25~65重量%を含む水相と、SFC(固体脂含量)が10℃で50~60%で、且つ30℃で8.5~21.5%である油脂を、水中油型乳化油脂組成物全体中5~35重量%含む油相とを含む水中油型乳化油脂組成物3~40重量%と、ホイップクリーム60~97重量%との混合物がホイップされた、サンドして用いるためのホイップドクリームに関する。
本発明に従えば、ホイップドクリームをサンドしたパンや菓子のカット時及びそれらをカットした後に保存した後の断面が良好なホイップドクリーム、及び、その製造方法を提供することができる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明のホイップドクリームは、特定組成を有する水中油型乳化油脂組成物、及び、ホイップクリームを含有する起泡性の混合物をホイップして得られる。
(水中油型乳化油脂組成物)
前記水中油型乳化油脂組成物は、水及び、澱粉、糖類を含む水溶性原料を含む水相と、油脂と必要に応じて油脂以外の油溶性原料とを含む油相からなる水中油型の乳化物である。
前記水の含有量は、前記水中油型乳化油脂組成物全体中、25~65重量%であることが好ましい。より好ましくは30~60重量%であり、更に好ましくは46.5~54.5重量%である。水の含有量が25重量%より少ないと、水溶性原料の溶解性が悪くなる場合があり、65重量%より多いと、水中油型乳化油脂組成物において離水が発生する場合がある。
前記澱粉としては特に限定されず、例えば、馬鈴薯澱粉、甘薯澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、及び、化学的及び/又は物理的処理が施された加工澱粉等が挙げられる。前記澱粉としては、食感に悪影響を与えない範囲で、小麦、コーン、米、甘藷、馬鈴薯、キャッサバ、サゴヤシ等の澱粉性植物の粉状製品を使用してもよい。前記加工澱粉における澱粉の由来は、口溶けが良好で滑らかな食感を得る上で、タピオカ澱粉由来、サゴ澱粉由来、又は、甘藷澱粉由来であることが好ましく、タピオカ澱粉由来であることがより好ましい。
前記加工澱粉は、一般的な化学修飾が施された澱粉をいい、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、酸化澱粉、酸処理澱粉、油脂加工澱粉、酵素処理澱粉などが挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。特に、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉は老化しにくく、保存性の観点から好ましい。
前記澱粉の含有量は、前記水中油型乳化油脂組成物全体中、3~6重量%が好ましく、より好ましくは3.5~5.5重量%であり、更に好ましくは4~5重量%である。澱粉の含有量が3重量%より少ないと、ホイップドクリームのカット時の保形性又はカット後の保存時の保形性に劣る場合があり、6重量%より多いと、水中油型乳化油脂組成物の粘度が高くなりすぎる、即ち生産時のライン適性が悪くなったり、ホイップドクリームのカット時の保形性又はカット後の保存時の保形性に劣る場合がある。
前記糖類としては特に限定されず、上白糖、グラニュー糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖、異性化糖、オリゴ糖、水あめ、糖アルコール類等が挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。中でも、上白糖、グラニュー糖が味の観点で好ましい。
前記糖類の含有量は、前記水中油型乳化油脂組成物全体中、20~40重量%が好ましい。より好ましくは20~30重量%であり、更に好ましくは22~27重量%である。糖類の含有量が20重量%より少ないと、増菌したり、ホイップドクリームのカット時の保形性又はカット後の保存時の保形性に劣る場合があり、40重量%より多いと、水中油型乳化油脂組成物の甘みが強くなりすぎたり、ホイップドクリームのカット時の保形性又はカット後の保存時の保形性に劣る場合がある。
前記水中油型乳化油脂組成物は、前記澱粉、糖類以外の水溶性原料を含有しても良い。前記水溶性原料としては、発明の効果を阻害しない範囲において、一般的に水中油型乳化油脂組成物に配合される成分を使用することができる。そのような成分としては、例えば、増粘剤、乾燥卵白、HLBが7以上の水溶性乳化剤などを挙げることができる。
前記増粘剤としては、例えば、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉等などが挙げられる。その含有量は、発明の効果を阻害しない範囲において適宜設定することができる。
前記油脂としては、前記水中油型乳化油脂組成物に含まれる油脂の全体として、SFC(固体脂含量)が10℃で50~60%、且つ30℃で8.5~21.5%を満足する油脂を使用することが好ましい。より好ましくは、SFCが10℃で50.5~58.5%、且つ、30℃で9.5~20.5%を満足する油脂であり、さらに好ましくは、SFCが10℃で51.5~57.5%、且つ、30℃で10.5~19.5%を満足する油脂である。10℃におけるSFCが50%未満であると、ホイップドクリームのカット時の保形性又はカット後の保存時の保形性に劣る場合があり、60%を超えると、ホイップドクリームが硬くなりすぎて絞り出し等の取り扱いが困難になる場合がある。また、30℃におけるSFCが8.5%未満であると、ホイップドクリームのカット時の保形性又はカット後の保存時の保形性に劣る場合があり、21.5%を超えると、ホイップドクリームが硬くなりすぎて絞り出し等の取り扱いが困難になる場合がある。
前記SFCは、社団法人日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の「2.2.9-2003 固体脂含量(NMR法)」の測定方法に従って測定することができる。前記SFCの要件は、前記水中油型乳化油脂組成物に含まれる油脂の全体が満足すればよく、複数種の油脂を使用した場合、個々の油脂が示すSFCは特に限定されない。
前記油脂の種類としては、食用油脂であれば特に限定されないが、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、菜種油、ハイエルシン菜種油、コーン油、綿実油、大豆油、ひまわり油、サフラワー油、オリーブ油等の植物性油脂や、乳脂肪、牛脂、豚脂、魚油等の動物性油脂が例示でき、これらを硬化、分別、エステル交換等の加工処理を行ったものも用いることができる。
特に、前述したSFCの数値を満足するように、複数種の油脂を適宜組み合わせて使用することが好ましい。好適な油脂の組合せの一例として、パーム油とハイエルシン菜種極度硬化油の組合せを挙げることができる。前記ハイエルシン菜種極度硬化油とは、菜種の中でもエルシン酸(エルカ酸)含量が概ね40%以上の品種から搾油した油脂を極度硬化したものをいう。また、前記油脂の組合せに、パーム油とヤシ油のエステル交換油を併用しても良い。
前記油脂の含有量は、水中油型乳化油脂組成物全体中5~35重量%であることが好ましい。より好ましくは8~32重量%であり、更に好ましくは10~20重量%である。油脂の含有量が5重量%より少ないと、ホイップドクリームのカット時の保形性又はカット後の保存時の保形性に劣る場合があり、35重量%より多いと、水中油型乳化油脂組成物を作製する時の乳化が不十分となったり、ホイップドクリームのカット時の保形性又はカット後の保存時の保形性に劣る場合がある。
前記水中油型乳化油脂組成物は、油脂以外の油溶性原料を含有しても良い。前記油溶性原料としては、発明の効果を阻害しない範囲において、一般的に水中油型乳化油脂組成物に配合される成分を使用することができる。そのような成分としては、例えば、HLBが7未満の油溶性乳化剤、着色料、香料、乳製品などを挙げることができる。
前記着色料としては、例えば、カロテノイド色素などが挙げられる。その含有量は、発明の効果を阻害しない範囲において適宜設定することができる。
前記香料としては、例えば、ミルク香料、バター香料などが挙げられる。その含有量は、発明の効果を阻害しない範囲において適宜設定することができる。
前記乳製品としては、例えば、バター、脱脂粉乳、ホエイタンパク、バターミルクパウダーなどが挙げられる。その含有量は、発明の効果を阻害しない範囲において適宜設定することができる。
(ホイップクリーム)
前記ホイップクリームは、ミキサーなどで含気させ、洋菓子やパンなどのトッピングやフィリングに使用されるものであり、生乳を原料とする生クリーム、油脂成分が植物性油脂からなる植物性クリーム、及び、生クリームと植物性油脂を含有するコンパウンドクリームを指す。具体的には市販されているものを使用することができ、特に限定されない。市販品としては、例えば「ラシェンテG((株)カネカ製)」、「ラシェンテAR((株)カネカ製)」、「アクアクリーム252((株)カネカ製)」、「フレッシュホイップ200((株)カネカ)」、「北海道純生クリーム(タカナシ乳業(株)製)」、「フレッシュ北海道産生クリーム使用(雪印メグミルク(株))」、「森永フレッシュ純乳脂肪(森永乳業(株))」、「ホイップ植物性脂肪40%(雪印メグミルク(株))」「森永ホイップ植物性脂肪(森永乳業(株))」などが挙げられる。ホイップクリームの配合としても、起泡性があれば特に限定されないが、食用油脂と水の他、必要に応じて、乳化剤、増粘剤、糖類、乳固形分、風味素材、着色料、塩類、ビタミン類、ミネラル類、酸化防止剤等を、一般的には水溶性の材料は水相に、油溶性の材料は油相に含有させればよい。また、市販のホイップクリームに、糖類や風味素材等を適宜添加してもよい。
(ホイップドクリーム)
本発明のホイップドクリームは、前記水中油型乳化油脂組成物とホイップクリームからなる起泡性の混合物をホイップして得られる。
前記水中油型乳化油脂組成物の含有量は、前記ホイップドクリーム全体中、3~40重量%であることが好ましい。より好ましくは10~32重量%であり、更に好ましくは15~25重量%である。水中油型乳化油脂組成物の含有量が3重量%より少なかったり、40重量%より多いと、ホイップドクリームのカット時の保形性又はカット後の保存時の保形性に劣る場合がある。
前記ホイップクリームの含有量は、前記ホイップドクリーム全体中、60~97重量%であることが好ましい。より好ましくは68~90重量%であり、更に好ましくは75~85重量%である。ホイップクリームの含有量が60重量%より少なかったり、97重量%より多いと、ホイップドクリームのカット時の保形性又はカット後の保存時の保形性に劣る場合がある。
<ホイップドクリームの製造方法>
本発明のホイップドクリームの製造方法を以下に例示する。まずは、前記水中油型乳化油脂組成物を作製し、市販又は自製のホイップクリームを準備し、それらを混合してからホイップすることで、本発明のホイップドクリームを作製することができる。具体的には、以下の通りである。
(水中油型乳化油脂組成物の作製)
まず、水に、澱粉や糖類などの水溶性原料を混合し、40~60℃に加熱して水相を得る。その際、各成分の含量が、前記水中油型乳化油脂組成物全体中、澱粉3~6重量%、糖類20~40重量%、水25~65重量%となるように調整する。前記加熱に際しては、各成分を混合してから昇温してもいいし、昇温しながら各成分を混合してもよい。得られた前記水相を、好ましくは40~60℃に保って、撹拌しながら置いておく。
次に、SFCが10℃で50~60%で、且つ30℃で8.5~21.5%である油脂を油相の油脂とし、必要に応じて前記油溶性原料を溶解して油相を得る。
前記水相を撹拌しながら、そこに、油脂の含量が水中油型乳化油脂組成物全体中5~35重量%となるように、前記油相を添加して混合物を得る。前記水相を添加する時の油脂は、40~60℃に保持されていることが好ましい。
得られた前記混合物を予備乳化し、ホモゲナイザーを用いて5~15MPaの圧力で乳化する。得られた乳化液をコンサーム掻き取り式熱交換機で95~105℃で2~3分間加熱殺菌してから、60℃以下になるまで冷却して、乳化物を得る。得られた乳化物をピロー包装などの容器に充填し、2~7℃の冷水にて室温以下(具体的には5~35℃)に冷却することで、前記水中油型乳化油脂組成物を得ることができる。ここで、ピロー包装とは、包装フィルムを、開口部を有する袋状に加工した後、内容物を充填し、前記開口部を閉じて該内容物を包装するものをいう。
(ホイップドクリームの作製)
ホイップドクリーム全体中、前記水中油型乳化油脂組成物の含量が3~40重量%、及び、前記ホイップクリームの含量が60~97重量%となるように両者を混合し、ホイップ(起泡)することで、本発明のホイップドクリームを得ることができる。ホイップする時の温度は、例えば、5~35℃であることが好ましい。なお、前記両者を混合する際、水中油型乳化油脂組成物とホイップクリームに加えて、風味素材を添加してから、ホイップしてもよい。
ホイップする際には、適宜、オープン式ホイッパーや密閉式連続ホイップマシン等を使用することができる。当該工程において、水中油型乳化油脂組成物とホイップクリームを均一にホイップするために、縦型ミキサーを使用することが好ましい。そのような縦型ミキサーの具体例としてHOBART CANADA社製「ホバートミキサー MODEL N-50」が挙げられる。
前記ホイップドクリームは、オーバーランが100~160%を示すことが好ましく、105~145%がより好ましく、110~130%が更に好ましい。オーバーランが100%未満であったり、160%を超えると、ホイップドクリームのカット時の保形性又はカット後の保存時の保形性に劣る。
前記オーバーランとは、ホイップドクリームに含まれる空気の割合を%で示したものである。オーバーランの測定は、まず、水中油型乳化油脂組成物とホイップクリームの混合物を100cmの容器に入れ、重量を測る。次いで、該混合物をホイップし、得られたホイップドクリームを100cmの容器に入れ、重量を測る。そしてこれらの測定値を基に、次式でオーバーランを求めることができる。
オーバーラン(%)=[(一定容積の水中油型乳化油脂組成物とホイップクリームの混合物の重量)-(前記水中油型乳化油脂組成物とホイップクリームの混合物と同容積のホイップドクリームの重量)]÷(前記水中油型乳化油脂組成物とホイップクリームの混合物と同容積のホイップドクリームの重量)×100
<ホイップドクリームの用途>
本発明のホイップドクリームは、フルーツサンドやロールケーキ、マリトッツォといった、ホイップドクリームが挟み込まれてなるパン又は菓子において、好適に使用することができる。本実施形態に係るホイップドクリームは、カット時の保形性、及びカット後の保存時の保形性が良好であるため、パンや菓子をカットして、ホイップドクリーム層を含む切断面を露出させる商品に対し、特に好適に使用することができる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
実施例及び比較例で使用した原料は以下の通りである。
1)松谷化学工業(株)製「ファリネックスVA70TJ」
2)日新製糖(株)製「上白糖」
3)キユーピータマゴ(株)製「乾燥卵白Kタイプ」
4)日本新薬(株)製「Wheyco W80」
5)エー・ディー・エム・ジャパン(株)製「ノヴァザン200メッシュ」
6)三栄源エフ・エフ・アイ(株)製「CESAGUM LN-1/200」
7)(株)カネカ製「パーム油(10℃のSFC:50.9%、30℃のSFC:9.8%)」
8)横関油脂工業(株)製「ハイエルシン菜種極度硬化油(10℃のSFC:99.4%、30℃のSFC:98.8%)」
9)パーム油とヤシ油のエステル交換油(10℃のSFC:55.3%、30℃のSFC:11.5%)(製造例1)
10)(株)カネカ製「菜種油(10℃のSFC:0.0%、30℃のSFC:0.0%)」
<カット時の保形性>
カットする際にホイップドクリームが潰れてはみ出さないこと、即ちホイップドクリームのカット時の保形性は、2枚の食パンの間にホイップドクリームを3cmの厚さにサンドし、包丁を用いて半分にカットした後のホイップドクリームの厚さを測定し、以下の基準で評価した。
5点:カット前後での切断面の厚さ変化が1~10%以下である。
4点:カット前後での切断面の厚さ変化が10~20%以下である。
3点:カット前後での切断面の厚さ変化が20~30%以下である。
2点:カット前後での切断面の厚さ変化が30~40%以下である。
1点:カット時にホイップドクリームが潰れてはみ出してしまい、カットができない。
<カット後の保存時の保形性>
カット後の断面の美しさを保存後も維持できること、即ちホイップドクリームのカット後の保存時の保形性は、ホイップドクリームを星形の口金を使用して絞り出し、5℃で24時間冷蔵保存後した際の、冷蔵保存前後のホイップドクリームの高さを測定し、以下の基準で評価した。
5点:冷蔵保存前後での高さ変化が1%未満である。
4点:冷蔵保存前後での高さ変化が1%以上~10%未満である。
3点:冷蔵保存前後での高さ変化が10以上~20%未満である。
2点:冷蔵保存前後での高さ変化が20以上~30%未満であり、ホイップドクリームのダレが見られる。
1点:冷蔵保存前後での高さ変化が30%以上であり、ホイップドクリームがダレてしまう。
(製造例1)実施例及び比較例で使用した原料9の作製
パーム油((株)カネカ製):76重量部、ヤシ油((株)カネカ製):24重量部の混合物を500Paの減圧下90℃に加熱し、ナトリウムメチラート(日本曹達株式会社製):0.2重量部を加えて30分攪拌してランダムエステル交換を行った。水洗した後、500Paの減圧下、90℃で白土(水澤化学工業株式会社製):2重量部を加えて脱色し、250℃、200Paの条件で1時間脱臭してパーム油とヤシ油のエステル交換油を得た。パーム油とヤシ油のエステル交換油の10℃のSFCは55.3%で、30℃のSFCは11.5%であった。
(製造例2)水中油型乳化油脂組成物の作製
表1に示す配合に従って、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン4.4重量部、及び水溶性原材料である上白糖24.4重量部、キサンタンガム0.07重量部、ローカストビーンガム0.02重量部、乾燥卵白0.1重量部、ホエイタンパク1.9重量部及び水54.1重量部が均一になるよう攪拌、及び混合しながら混合物を50℃まで昇温し、ここに60℃に温調したパーム油13.5重量部、ハイエルシン菜種極度硬化油1.5重量部を添加し、充分に攪拌して原料混合物を予備乳化した。その後、ホモゲナイザー(株式会社イズミフードマシナリ製)を用い10MPaの圧力で原料混合物を乳化した。得られた乳化液をコンサーム掻き取り式熱交換機(ノリタケカンパニーリミテッド社製、ノリタケクッカー・スチームミキサー)で加熱温度:100℃、加熱時間:2分間の条件で殺菌した後、60℃まで冷却し、ピロー袋に充填した。その後、5℃の冷水にて室温以下に冷却し、水中油型乳化油脂組成物を得た。
パーム油とハイエルシン菜種極度硬化油の混合物から構成される油脂は、SFCが10℃で53.4%、30℃で17.6%であった。
(製造例3~17)水中油型乳化油脂組成物の作製
表1及び2に示す配合に従って各成分の配合量を変更した以外は、実施例1と同様にして水中油型乳化油脂組成物を得た。
Figure 2023127902000001
Figure 2023127902000002
(実施例1)ホイップドクリームの作製
表3に示す配合に従って、製造例2で作製した水中油型乳化油脂組成物20重量部と、ホイップクリーム((株)カネカ製「ラシェンテAR」)80重量部とグラニュー糖5重量部をボールに入れ、品温を5.0℃に調整し、ホバートミキサーを用いて591rpmでホイップし、オーバーラン120%のホイップドクリームを作製した。得られたホイップドクリームについて、カット時の保形性とカット後の保存時の保形性の評価を行い、それらの評価結果を表3にまとめた。
(実施例2~13、比較例1~11)ホイップドクリームの作製
表3~表6の配合に従って、水中油型乳化油脂組成物の種類(製造例番号3~17)若しくは配合量、又はホイップドクリームのオーバーランを変更した以外は、実施例1と同様にしてホイップドクリームを得た。得られたホイップドクリームについて、カット時の保形性とカット後の保存時の保形性の評価を行い、それらの評価結果を表3~表6にまとめた。
Figure 2023127902000003
Figure 2023127902000004
Figure 2023127902000005
Figure 2023127902000006
表3及び表4より、実施例1~13で得たホイップドクリームはいずれも、発明の要件を満足するものであり、カット時の保形性とカット後の保存時の保形性の評価が良好であったことが分かる。
一方、表5及び表6より以下のことが分かる。比較例1で得たホイップドクリームは、水中油型乳化油脂組成物中の油脂含量が4重量%と少ないものであり、カット時の保形性及びカット後の保存時の保形性が低い評価であった。
比較例2で得たホイップドクリームは、水中油型乳化油脂組成物中の油脂含量が36重量%と多いものであり、カット後の保存時の保形性が低い評価であった。
比較例3で得たホイップドクリームは、水中油型乳化油脂組成物中の澱粉含量が2重量%と少ないものであり、カット時の保形性及びカット後の保存時の保形性が低い評価であった。
比較例4で得たホイップドクリームは、水中油型乳化油脂組成物中の澱粉含量が7重量%と多いものであり、カット後の保存時の保形性が低い評価であった。
比較例5で得たホイップドクリームは、水中油型乳化油脂組成物中の糖類含量が19重量%と少ないものであり、カット時の保形性及びカット後の保存時の保形性が低い評価であった。
比較例6で得たホイップドクリームは、水中油型乳化油脂組成物中の糖類含量が41重量%と多いものであり、カット後の保存時の保形性が低い評価であった。
比較例7で得たホイップドクリームは、水中油型乳化油脂組成物に含まれる油脂の全体が示す10℃のSFCが40.8%と低く、30℃のSFCが7.8%と低いものであり、カット時の保形性及びカット後の保存時の保形性が低い評価であった。
比較例8で得たホイップドクリームは、水中油型乳化油脂組成物の含有量が2重量%と少ないものであり、カット時の保形性及びカット後の保存時の保形性が低い評価であった。
比較例9で得たホイップドクリームは、水中油型乳化油脂組成物の含有量が43重量%と多いものであり、カット後の保存時の保形性が低い評価であった。
比較例10で得たホイップドクリームは、ホイップドクリームのオーバーランが90%と低いものであり、カット時の保形性及びカット後の保存時の保形性が低い評価であった。
比較例11で得たホイップドクリームは、ホイップドクリームのオーバーランが170%と高いものであり、カット後の保存時の保形性が低い評価であった。

Claims (2)

  1. 水中油型乳化油脂組成物全体中、澱粉の含量が3~6重量%、糖類の含量が20~40重量%、及び、水の含量が25~65重量%となるように、澱粉、糖類、及び、水を混合し、40~60℃に加熱して水相を得る工程、
    SFC(固体脂含量)が10℃で50~60%で、且つ30℃で8.5~21.5%である油脂の含量が水中油型乳化油脂組成物全体中5~35重量%となるように、前記油脂を前記水相に添加して混合物を得る工程、
    該混合物を乳化処理し、加熱殺菌して水中油型乳化油脂組成物を得る工程、
    前記水中油型乳化油脂組成物3~40重量%とホイップクリーム60~97重量%とを混合して混合物を得る工程、及び、
    前記混合物をホイップする工程、を含む、
    オーバーランが100~160%のホイップドクリームの製造方法。
  2. オーバーランが100~160%のホイップドクリームであって、
    水中油型乳化油脂組成物全体中、澱粉3~6重量%、糖類20~40重量%、及び、水25~65重量%を含む水相と、SFC(固体脂含量)が10℃で50~60%で、且つ30℃で8.5~21.5%である油脂を、水中油型乳化油脂組成物全体中5~35重量%含む油相とを含む水中油型乳化油脂組成物3~40重量%と、ホイップクリーム60~97重量%との混合物がホイップされた、サンドして用いるためのホイップドクリーム。
JP2022031865A 2022-03-02 2022-03-02 ホイップドクリーム及びその製造方法 Pending JP2023127902A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022031865A JP2023127902A (ja) 2022-03-02 2022-03-02 ホイップドクリーム及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022031865A JP2023127902A (ja) 2022-03-02 2022-03-02 ホイップドクリーム及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023127902A true JP2023127902A (ja) 2023-09-14

Family

ID=87972899

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022031865A Pending JP2023127902A (ja) 2022-03-02 2022-03-02 ホイップドクリーム及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023127902A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2119763C (en) Compositions having a creamy structure and containing fructane, preparation method therefor and uses thereof
EP0743824B2 (en) Improved temperature stability and whipping performance foods
US4578278A (en) Lighter foodstuffs and method for preparation of such products
JP4931761B2 (ja) ケーキ用起泡性乳化剤組成物
EP0441495A2 (en) Low calorie fat substitute
JP6052810B2 (ja) 起泡性水中油型乳化物及びその製造方法
JP4535654B2 (ja) 水中油型乳化組成物の製造方法
JP3230884B2 (ja) 冷凍解凍耐性のあるクリーム状組成物及びその製造方法
JP6581972B2 (ja) 新規な食用水中油型ペースト状組成物
JP5859292B2 (ja) チルドパンの製造方法
JP4253978B2 (ja) カスタード風味クリームとその製造法
JP2003169616A (ja) 起泡性水中油型乳化組成物並びに含気状水中油型乳化組成物
JP2023127902A (ja) ホイップドクリーム及びその製造方法
JP2006320269A (ja) ペースト状食品
JP7378081B2 (ja) 食品組成物およびその製造方法
JP2013085483A (ja) パン生地
JP2023041151A (ja) 菓子用ペースト含有ホイップドクリーム
JP2006204129A (ja) 起泡済み製菓・製パン用フィリング材
JP2023148598A (ja) 冷凍菓子用ペースト及びその製造方法
JP2001178361A (ja) 低脂肪油中水型組成物
JPH0923806A (ja) チーズケーキの素及びその製造方法
JP2023042381A (ja) 菓子用ペーストの製造方法
JP2970908B2 (ja) 低温で長期間安定な起泡食品の製造法
JP2023044749A (ja) 冷蔵菓子用ペースト
JP2023034655A (ja) 菓子用ペースト